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技術 積層体、赤外線吸収フィルタ、バンドパスフィルタ、積層体の製造方法、バンドパスフィルタ形成用キット、画像表示装置

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 瀧下大貴山本啓之高桑英希有村啓佑嶋田和人
出願日 2015年5月28日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-529207
公開日 2017年6月1日 (2年1ヶ月経過) 公開番号 WO2015-198784
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 液晶4(光学部材との組合せ) エレクトロルミネッセンス光源 流動性材料の適用方法、塗布方法
主要キーワード バラツキ値 平均欠陥数 非中空粒子 PF7 透過率最大値 クラウンエーテル基 耐熱コーティング 膜厚面内分布
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図面 (18)

課題・解決手段

積層体は、第一の組成物を塗布して形成される第一の領域と、第一の領域の表面に第二の組成物を塗布して形成される第二の領域とを有し、第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、第一の領域と第二の領域が、交互に積層している。

概要

背景

従来から、光学部材において、特定の光を選択的に透過・遮蔽するバンドパスフィルタが使用されている。このようなバンドパスフィルタの一例として、高屈折層低屈折層を交互に積層した積層体多層膜)を形成し、その積層体内での光の干渉を利用することが検討されている(特許文献1〜3参照)。

概要

積層体は、第一の組成物を塗布して形成される第一の領域と、第一の領域の表面に第二の組成物を塗布して形成される第二の領域とを有し、第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、第一の領域と第二の領域が、交互に積層している。

目的

本発明はかかる課題を解決することを目的としたものであって、簡便・低コストに製造できる、高屈折層および低屈折層を有する積層体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第一の組成物を塗布して形成される第一の領域と、第一の領域の表面に第二の組成物を塗布して形成される第二の領域とを有し、前記第一の領域と前記第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、前記第一の領域と前記第二の領域が、交互に積層している積層体

請求項2

前記第一の組成物に含まれる溶媒溶解パラメーターであるSP値と、前記第二の組成物に含まれる溶媒の溶解パラメーターであるSP値との差の絶対値が、0.5(cal/cm3)1/2以上である、請求項1に記載の積層体。

請求項3

前記第一の組成物および前記第二の組成物のうちの一方に水が含まれ、前記第一の組成物および前記第二の組成物のうちの他方に有機溶剤が含まれる、請求項1または2に記載の積層体。

請求項4

前記第一の領域と前記第二の領域とが積層する方向から光学顕微鏡観察を実施した際に、長径が1μm以上である欠陥の数が50個/mm2未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。

請求項5

前記第一の領域および前記第二の領域がそれぞれ2領域以上含まれ、前記第一の領域の各領域の厚みのバラツキが3%以内であり、前記第二の領域の各領域の厚みのバラツキが3%以内である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。

請求項6

前記第一の領域と前記第二の領域の少なくともいずれか一方に樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。

請求項7

前記第一の領域と前記第二の領域の両方が樹脂を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。

請求項8

前記第一の領域と前記第二の領域の合計が5領域以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。

請求項9

波長700nmの吸光度と波長800nmの吸光度の比である、波長800nmの吸光度/波長700nmの吸光度が5以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層体。

請求項10

波長850nmの吸光度と波長950nmの吸光度の比である、波長950nmの吸光度/波長850nmの吸光度が5以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体。

請求項11

波長940nmの吸光度と波長1040nmの吸光度の比である、波長1040nmの吸光度/波長940nmの吸光度が5以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層体。

請求項12

前記第一の領域の屈折率が1.5〜3.0であり、前記第二の領域の屈折率が1.0〜1.3である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体。

請求項13

前記第一の領域が、酸基塩基性窒素原子を有する基、ウレア基ウレタン基配位酸素原子を有する基、フェノール基アルキル基アリール基アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基複素環基アルキルオキシカルボニル基アルキルアミノカルボニル基カルボン酸塩基スルホンアミド基アルコキシシリル基エポキシ基イソシアネート基及び水酸基から選択される基を含む樹脂と、金属酸化物粒子とを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層体。

請求項14

前記第二の領域が、シロキサン樹脂およびフッ素系樹脂の少なくとも一方を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層体。

請求項15

前記第二の領域が、数珠状シリカを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の積層体。

請求項16

第一の領域と第二の領域を有し、前記第一の領域と前記第二の領域が、交互に積層しており、前記第一の領域と前記第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、前記第一の領域と前記第二の領域の少なくとも一方が樹脂を含む、積層体。

請求項17

前記第一の領域と前記第二の領域とが積層する方向から光学顕微鏡観察を実施した際に、長径が1μm以上である欠陥の数が50個/mm2未満である、請求項16に記載の積層体。

請求項18

前記第一の領域および前記第二の領域がそれぞれ2領域以上含まれ、前記第一の領域の各領域の厚みのバラツキが3%以内であり、前記第二の領域の各領域の厚みのバラツキが3%以内である、請求項16または17に記載の積層体。

請求項19

バンドパスフィルタ形成用である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の積層体。

請求項20

請求項1〜19のいずれか1項に記載の積層体を有する赤外線吸収フィルタ

請求項21

請求項1〜19のいずれか1項に記載の積層体を有する、バンドパスフィルタ。

請求項22

さらに、赤外線透過フィルムを有する、請求項21に記載のバンドパスフィルタ。

請求項23

粒子と、樹脂と、溶媒を含む第一の組成物を塗布して第一の領域を形成する工程と、前記第一の領域の表面に、粒子と、樹脂と、溶媒を含む第二の組成物を塗布して第二の領域を形成する工程を含み、前記第一の領域と前記第二の領域の屈折率の差が0.5以上である積層体の製造方法。

請求項24

粒子と、樹脂と、溶媒を含む第一の組成物を塗布して第一の領域を形成する工程と、前記第一の領域の表面に、粒子と、樹脂と、溶媒を含む第二の組成物を塗布して第二の領域を形成する工程を含み、前記第一の領域と前記第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、前記第一の組成物および前記第二の組成物のうちの一方に水が含まれ、前記第一の組成物および前記第二の組成物のうちの他方に有機溶剤が含まれる、積層体の製造方法。

請求項25

前記積層体が、請求項1〜19のいずれか1項に記載の積層体である、請求項23に記載の積層体の製造方法。

請求項26

粒子と、樹脂と、溶媒を含む第一の組成物と、粒子と、樹脂と、溶媒を含む第二の組成物を含み、前記第一の組成物より得られる層の屈折率と、前記第二の組成物より得られる層の屈折率の差が0.5以上であるバンドパスフィルタ形成用キット

請求項27

前記第一の組成物が、金属酸化物粒子と、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基から選択される基を含む樹脂と、溶媒とを含み、前記第二の組成物が、金属酸化物粒子と、シロキサン樹脂およびフッ素系樹脂の少なくとも一方と、溶媒とを含む、請求項26に記載のバンドパスフィルタ形成用キット。

請求項28

カラーフィルタを有する画像表示装置であって、前記カラーフィルタの少なくとも一部に請求項1〜19のいずれか1項に記載の積層体を含む、画像表示装置。

請求項29

液晶表示装置、または、有機エレクトロルミネッセンス表示装置である、請求項28に記載の画像表示装置。

技術分野

0001

本発明は、積層体およびその積層体の製造方法に関する。また、上記積層体を含む赤外線吸収フィルタおよびバンドパスフィルタ、バンドパスフィルタ形成用キット、ならびに、画像表示装置に関する。

背景技術

0002

従来から、光学部材において、特定の光を選択的に透過・遮蔽するバンドパスフィルタが使用されている。このようなバンドパスフィルタの一例として、高屈折層低屈折層を交互に積層した積層体(多層膜)を形成し、その積層体内での光の干渉を利用することが検討されている(特許文献1〜3参照)。

先行技術

0003

特開2012−225993号公報
特開2008−015234号公報
特開2004−354705号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献に記載の積層体は、いずれも、高屈折層および低屈折層を蒸着により形成しており、作製に時間と手間がかかり、高コストであった。本発明はかかる課題を解決することを目的としたものであって、簡便・低コストに製造できる、高屈折層および低屈折層を有する積層体を提供することを目的とする。さらに、赤外線吸収フィルタ、バンドパスフィルタ、積層体の製造方法、バンドパスフィルタ形成用キット、画像表示装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

かかる状況のもと、本発明者らが鋭意検討を行った結果、高屈折領域および低屈折領域の少なくとも一方に樹脂を配合することにより、塗布による形成が可能になり、上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、以下の手段により、上記課題は解決された。
<1> 第一の組成物を塗布して形成される第一の領域と、第一の領域の表面に第二の組成物を塗布して形成される第二の領域とを有し、第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、第一の領域と第二の領域が、交互に積層している積層体。
<2> 第一の組成物に含まれる溶媒溶解パラメーターであるSP値と、第二の組成物に含まれる溶媒の溶解パラメーターであるSP値との差の絶対値が、0.5(cal/cm3)1/2以上である、<1>に記載の積層体。
<3> 第一の組成物および第二の組成物のうちの一方に水が含まれ、第一の組成物および第二の組成物のうちの他方に有機溶剤が含まれる、<1>または<2>に記載の積層体。
<4> 第一の領域と第二の領域とが積層する方向から光学顕微鏡観察を実施した際に、長径が1μm以上である欠陥の数が50個/mm2未満である、<1>〜<3>のいずれかに記載の積層体。
<5> 第一の領域および第二の領域がそれぞれ2領域以上含まれ、
第一の領域の各領域の厚みのバラツキが3%以内であり、
第二の領域の各領域の厚みのバラツキが3%以内である、<1>〜<4>のいずれかに記載の積層体。
<6> 第一の領域と第二の領域の少なくともいずれか一方に樹脂を含む、<1>〜<5>のいずれかに記載の積層体。
<7> 第一の領域と第二の領域の両方が樹脂を含む、<1>〜<6>のいずれかに記載の積層体。
<8> 第一の領域と第二の領域の合計が5領域以上である、<1>〜<7>のいずれかに記載の積層体。
<9>波長700nmの吸光度と波長800nmの吸光度の比である、波長800nmの吸光度/波長700nmの吸光度が5以上である、<1>〜<8>のいずれかに記載の積層体。
<10> 波長850nmの吸光度と波長950nmの吸光度の比である、波長950nmの吸光度/波長850nmの吸光度が5以上である、<1>〜<9>のいずれかに記載の積層体。
<11> 波長940nmの吸光度と波長1040nmの吸光度の比である、波長1040nmの吸光度/波長940nmの吸光度が5以上である、<1>〜<10>のいずれかに記載の積層体。
<12> 第一の領域の屈折率が1.5〜3.0であり、第二の領域の屈折率が1.0〜1.3である、<1>〜<11>のいずれかに記載の積層体。
<13> 第一の領域が、酸基塩基性窒素原子を有する基、ウレア基ウレタン基配位酸素原子を有する基、フェノール基アルキル基アリール基アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基複素環基アルキルオキシカルボニル基アルキルアミノカルボニル基カルボン酸塩基スルホンアミド基アルコキシシリル基エポキシ基イソシアネート基及び水酸基から選択される基を含む樹脂と、金属酸化物粒子とを含む、<1>〜<12>のいずれかに記載の積層体。
<14> 第二の領域が、シロキサン樹脂およびフッ素系樹脂の少なくとも一方を含む、<1>〜<13>のいずれかに記載の積層体。
<15> 第二の領域が、数珠状シリカを含む、<1>〜<14>のいずれかに記載の積層体。
<16> 第一の領域と第二の領域を有し、
第一の領域と第二の領域が、交互に積層しており、
第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、
第一の領域と第二の領域の少なくとも一方が樹脂を含む、積層体。
<17> 第一の領域と第二の領域とが積層する方向から光学顕微鏡観察を実施した際に、長径が1μm以上である欠陥の数が50個/mm2未満である、<16>に記載の積層体。
<18> 第一の領域および第二の領域がそれぞれ2領域以上含まれ、
第一の領域の各領域の厚みのバラツキが3%以内であり、
第二の領域の各領域の厚みのバラツキが3%以内である、<16>または<17>に記載の積層体。
<19>バンドパスフィルタ形成用である、<1>〜<18>のいずれかに記載の積層体。
<20> <1>〜<19>のいずれかに記載の積層体を有する赤外線吸収フィルタ。
<21> <1>〜<19>のいずれかに記載の積層体を有する、バンドパスフィルタ。
<22> さらに、赤外線透過フィルムを有する、<21>に記載のバンドパスフィルタ。
<23>粒子と、樹脂と、溶媒を含む第一の組成物を塗布して第一の領域を形成する工程と、
第一の領域の表面に、粒子と、樹脂と、溶媒を含む第二の組成物を塗布して第二の領域を形成する工程を含み、
第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上である積層体の製造方法。
<24> 粒子と、樹脂と、溶媒を含む第一の組成物を塗布して第一の領域を形成する工程と、
第一の領域の表面に、粒子と、樹脂と、溶媒を含む第二の組成物を塗布して第二の領域を形成する工程を含み、
第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、
第一の組成物および第二の組成物のうちの一方に水が含まれ、第一の組成物および第二の組成物のうちの他方に有機溶剤が含まれる、積層体の製造方法。
<25> 積層体が、<1>〜<19>のいずれかに記載の積層体である、<23>に記載の積層体の製造方法。
<26> 粒子と、樹脂と、溶媒を含む第一の組成物と、
粒子と、樹脂と、溶媒を含む第二の組成物を含み、
第一の組成物より得られる層の屈折率と、第二の組成物より得られる層の屈折率の差が0.5以上であるバンドパスフィルタ形成用キット。
<27> 第一の組成物が、金属酸化物粒子と、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基から選択される基を含む樹脂と、溶媒とを含み、
第二の組成物が、金属酸化物粒子と、シロキサン樹脂およびフッ素系樹脂の少なくとも一方と、溶媒とを含む、<26>に記載のバンドパスフィルタ形成用キット。
<28>カラーフィルタを有する画像表示装置であって、
カラーフィルタの少なくとも一部に<1>〜<19>のいずれかに記載の積層体を含む、画像表示装置。
<29>液晶表示装置、または、有機エレクトロルミネッセンス表示装置である、<28>に記載の画像表示装置。

発明の効果

0006

本発明により、簡便・低コストに製造できる、高屈折領域および低屈折領域を有する積層体を提供することが可能になった。さらに、赤外線吸収フィルタ、バンドパスフィルタ、積層体の製造方法、バンドパスフィルタ形成用キット、画像表示装置を提供することが可能になった。

図面の簡単な説明

0007

本発明の積層体の構成の一例を示す断面概略図である。
本発明の積層体の構成の他の一例を示す断面概略図である。
本発明の積層体の波長と透過率の関係の例を示すイメージ図である。
本発明の積層体と他のフィルムを組み合わせたときの、波長と透過率の関係の一例を示すイメージ図である。
本発明の積層体を用いた赤外線センサを適用した撮像装置機能ブロック図である。
本実施例で作製した積層体1の波長と透過率の関係を示す図であり、赤外線吸収フィルタの特性を示す一例である。
本実施例で作製した赤外線透過フィルムA1の波長と透過率の関係を示す図である。
本実施例で作製した積層体1と赤外線透過フィルムAを組み合わせて得られるバンドパスフィルタAの波長と透過率の関係を示す図である。
本実施例で作製した積層体2の波長と透過率の関係を示す図であり、赤外線吸収フィルタの特性を示す一例である。
本実施例で作製した赤外線透過フィルムBの波長と透過率の関係を示す図である。
本実施例で作製した積層体2と赤外線透過フィルムBを組み合わせて得られるバンドパスフィルタBの波長と透過率の関係を示す図である。
本実施例で作製した積層体3の波長と透過率の関係を示す図であり、赤外線吸収フィルタの特性を示す一例である。
本実施例で作製した赤外線透過フィルムCの波長と透過率の関係を示す図である。
本実施例で作製した積層体3と赤外線透過フィルムCを組み合わせて得られるバンドパスフィルタCの波長と透過率の関係を示す図である。
本実施例で作製した積層体4の波長と透過率の関係を示す図である。
本実施例で作製した積層体5の波長と透過率の関係を示す図である。
本実施例で作製した積層体6の波長と透過率の関係を示す図である。

0008

以下に、本発明の積層体、赤外線吸収フィルタ、バンドパスフィルタ、積層体の製造方法、バンドパスフィルタ形成用キットについて詳述する。
以下に記載する本発明における構成要素の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書における固形分濃度とは、25℃における固形分の濃度をいう。
本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応関与する基を言う。
本明細書において、1cal=4.1868J、1インチ=2.54cmと換算する。

0009

本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、重量平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM—H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cm)を、溶離液として10mmol/LリチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン溶液を用いることによって求めることができる。
本明細書において、波長λにおける吸光度Aλは、以下の式(1)により定義される。
Aλ=−log(Tλ) ・・・(1)
Aλは、波長λにおける吸光度であり、Tλは、波長λにおける透過率である。
吸光度は、従来公知の分光光度計を用いて測定できる。吸光度の測定条件は特に限定はない。液状の状態で吸光度を測定する場合は、試料セル光路長を調整する方法が挙げられる。また、膜の状態で吸光度を測定する場合は、膜厚を調整する方法などが挙げられる。

0010

積層体
本発明の積層体の第一の実施形態は、第一の領域と第二の領域を有し、上記第一の領域と第二の領域が、交互に積層しており、上記第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、上記第一の領域と第二の領域の少なくとも一方が樹脂を含む。第一の領域と第二の領域は、両方が樹脂を含むことが好ましい。
また、本発明の積層体の第二の実施形態は、第一の組成物を塗布して形成される第一の領域と、第一の領域の表面に第二の組成物を塗布して形成される第二の領域とを有し、上記第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、第一の領域と第二の領域が交互に積層している。さらに、第一の組成物および第二の組成物は、それぞれ独立に、樹脂を含むことが好ましい。第一の組成物としては、後述の高屈折組成物が例示され、第二の組成物としては、後述の低屈折組成物が例示される。
このような構成とすることにより、塗布による層の形成が可能になり、簡便・低コストに積層体を製造可能になる。すなわち、従来は、高屈折層と低屈折層の積層体を蒸着により作製していたが、本発明では塗布による作製に成功したものである。
以下、本発明の積層体を詳細に説明する。

0011

<積層体の構成>
本発明の積層体は、第一の領域(以下、「高屈折領域」ということがある。)と第二の領域(以下、「低屈折領域」ということがある。)を有し、高屈折領域と低屈折領域が、交互に積層している。
図1は、本発明の積層体の構成の一例を示す断面概略図であって、高屈折領域(白で示した層)と、低屈折領域(斜線で表した層)が互いに交互に積層している。高屈折領域および低屈折領域の厚さを調整することによって、光の光路差を調整し、所望の波長の光の透過率を制御することができる。図1では高屈折領域と低屈折領域の厚さは略同一となっているが、互いに異なっていてもよい。高屈折領域、低屈折領域は、それぞれ独立に、1層の高屈折層もしくは低屈折層のみからなっても良いし、2層以上の高屈折層もしくは低屈折層からなっていても良い。
図2は、本発明の積層体の構成の他の一例を示す断面概略図であって、高屈折領域(白で表した層)を連続して形成することにより、高屈折領域の厚さが互いに異なる構成を示したものである。このように複数の高屈折領域の中でも、厚さの違う領域を設けることにより、さらに特定の波長の光だけを透過させることが可能になる。高屈折領域が2層以上の高屈折層からなる場合の、1つの高屈折領域を構成する高屈折層数の上限は、例えば、8層以下、さらには6層以下とすることもできる。なお、塗布膜の厚さを調整することによっても、高屈折領域の厚さは調整可能である。図2では、各高屈折領域の厚さが互いに異なる構成となっているが、同様に各低屈折領域の厚さが互いに異なる構成であってもよい。この場合の、低屈折領域の詳細は、上記高屈折領域の詳細と同様である。さらに、高屈折領域および低屈折領域の両方について、互いに異なる構成とすることもできる。
本発明における交互に積層とは、低屈折領域と高屈折領域が膜面上に代わる代わる積層された構成をいうが、必ずしも、低屈折領域および高屈折領域のみの積層体である必要はない。例えば、低屈折領域と高屈折領域の間に、中屈折領域等の、第一の領域および第二の領域とは異なる屈折率を有する第三の領域を有していても良い。
また、本発明の積層体は、通常、塗布により形成されるため、低屈折領域および高屈折領域を塗布する基板の上に設けられている。基板については、ガラス基板プラスチック基板等が例示される。
1つの積層体における高屈折領域および低屈折領域の合計は、5領域以上であることが好ましく、8領域以上であることがより好ましく、10領域以上とすることもできる。上限値としては、例えば、30領域以下であり、25領域以下とすることもでき、さらには、20領域以下とすることもできる。さらに、第三の領域を有する場合は、それらを併せた総数が上記範囲であることが好ましい。

0012

本発明では、高屈折領域と低屈折領域の屈折率の差が0.5以上であり、0.55以上であることが好ましく、0.6以上とすることもでき、0.65以上とすることもできる。高屈折領域と低屈折領域の屈折率の差の上限値としては、例えば、0.8以下とすることができ、0.75以下とすることもできる。なお、上記屈折率は、波長635nmにおける屈折率を意図する。なお、後述する高屈折領域および低屈折領域の屈折率の数値も、波長635nmでの屈折率を意図する。

0013

<積層体の特性>
本発明の積層体は、高屈折領域と低屈折領域の膜厚や各領域の数をそれぞれ独立に適宜調整することにより、特定の波長範囲の透過率のみを高くしたり、特定の波長範囲の透過率のみを低くしたりすることができる。図3に、本発明の積層体の波長と透過率の関係の一例をイメージ図として示す。図3の(a)に示した図は特定の波長範囲の透過率を低くしたイメージ図であり、図3の(b)に示した図は特定の波長範囲の透過率を高くしたイメージ図である。縦軸T%は、透過率を、横軸Wavelengthは波長を示す。
具体的には、例えば、以下のような積層体を形成することができる。
(1)波長700nmの吸光度と波長800nmの吸光度の比である、波長800nmの吸光度/波長700nmの吸光度が5以上であり、好ましくは10以上である。上限値は特に定めるものではないが、例えば、1500以下とすることができる。
(2)波長850nmの吸光度と波長950nmの吸光度の比である、波長950nmの吸光度/波長850nmの吸光度が5以上であり、好ましくは10以上である。上限値は特に定めるものではないが、例えば、1500以下とすることができる。
(3)波長940nmの吸光度と波長1040nmの吸光度の比である、波長1040nmの吸光度/波長940nmの吸光度が5以上であり、好ましくは10以上である。上限値は特に定めるものではないが、例えば、1500以下とすることができる。

0014

<第一の領域(高屈折領域)>
本発明における第一の領域は、後述する第二の領域よりも、屈折率が0.5以上高い領域である。高屈折領域の屈折率は、1.5〜3.0が好ましく、1.7〜2.3がより好ましい。
第一の領域は、好ましくは樹脂を含む層である。樹脂を含む層は、いわゆる、高屈折樹脂を含む層であってもよいし、樹脂と、粒子と、溶剤を含む組成物(以下、「高屈折組成物」ということがある)を塗布して形成しても良い。第一の領域の形成に用いられる樹脂は、重合性単量体由来する繰り返し単位からなるポリマー鎖であるか、重合性単量体に由来する繰り返し単位からなるポリマー鎖を部分構造として有する化合物であることが好ましい。好ましくは、高屈折組成物を塗布して形成される層である。
以下、高屈折組成物の詳細について述べる。

0015

<<高屈折組成物>>
<<<樹脂>>>
高屈折組成物に含まれる樹脂としては、後述する粒子を分散可能な樹脂が挙げられる。具体的には、以下の実施形態のものが例示される。

0016

(第一の実施形態)
第一の実施形態において、高屈折組成物に含まれる樹脂は、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基から選択される基を含む樹脂である。

0017

より好ましくは、一般式(1)で表される樹脂である。
一般式(1)



一般式(1)中、R1は、(m+n)価の連結基を表し、R2は単結合又は2価の連結基を表す。A1は酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。n個のA1及びR2は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。mは8以下の正の数、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。P1はポリマー鎖を表す。m個のP1は、同一であっても、異なっていてもよい。

0018

以下、一般式(1)における各基について詳細に説明する。
A1は、酸基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、アルキル基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基などのような後述する粒子(好ましくは、金属酸化物粒子)に対する吸着能を有する官能基複素環構造(フェノール基、アリール基など)のような後述する粒子(好ましくは、金属酸化物粒子)に対する吸着能を有し得る構造を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。
なお、以下、この粒子(好ましくは、金属酸化物粒子)に対する吸着能を有する部位(上記官能基及び構造)を、適宜、「吸着部位」と総称して、説明する。

0019

吸着部位は、1つのA1の中に、少なくとも1種含まれていればよく、2種以上が含まれていてもよい。
また、本発明において、「吸着部位を少なくとも1種有する1価の置換基」は、前述の吸着部位と、1から200個までの炭素原子、0個から20個までの窒素原子、0個から100個までの酸素原子、1個から400個までの水素原子、及び0個から40個までの硫黄原子から成り立つ連結基とが結合した1価の置換基である。なお、吸着部位自体が1価の置換基を構成しうる場合には、吸着部位そのものがA1で表される1価の置換基であってもよい。
まず、A1を構成する吸着部位について以下に説明する。

0020

「酸基」として、例えば、カルボン酸基スルホン酸基モノ硫酸エステル基、リン酸基モノリン酸エステル基ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基がさらに好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
酸価は、20〜300mgKOH/gであることが好ましく、50〜250mgKOH/gがより好ましく、50〜210mgKOH/gがさらに好ましい。

0021

「ウレア基」として、例えば、−NR15CONR16R17(ここで、R15、R16、及びR17は各々独立に、水素原子、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が好ましい例として挙げられ、−NR15CONHR17(ここで、R15及びR17は各々独立に、水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCONHR17(ここで、R17は水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。

0022

「ウレタン基」として、例えば、−NHCOOR18、−NR19COOR20、−OCONHR21、−OCONR22R23(ここで、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが好ましい例として挙げられ、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などがより好ましく、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが特に好ましい。

0023

「配位性酸素原子を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテル基などが挙げられる。

0024

また、「塩基性窒素原子を有する基」として、例えば、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(例えば、−NHR8、−NR9R10、ここで、R8、R9、及びR10は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記式(a1)で表されるグアニジル基、下記式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。

0025

0026

式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。

0027

これらの中でも、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR9R10、ここで、R8、R9、及びR10は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などがより好ましい。
特に、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR9R10、ここで、R8、R9、及びR10は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などが好ましく用いられる。

0028

「アルキル基」としては、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、炭素数1〜40のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜30のアルキル基であることがより好ましく、炭素数10〜18のアルキル基であることがさらに好ましい。
「アリール基」としては、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。
「アルキレンオキシ鎖を有する基」としては、末端アルキルオキシ基又は水酸基を形成していることが好ましく、炭素数1〜20のアルキルオキシ基を形成していることがより好ましい。また、アルキレンオキシ鎖としては、少なくとも1つのアルキレンオキシ基を有する限り特に制限はないが、炭素数1〜6のアルキレンオキシ基からなるであることが好ましい。アルキレンオキシ基としては、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH2CH2O−等が挙げられる。
「アルキルオキシカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1から20までのアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基エチル基等が挙げられる。
「アルキルアミノカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1から20までのアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
「カルボン酸塩基」としては、カルボン酸アンモニウム塩からなる基などが挙げられる。
「スルホンアミド基」としては、窒素原子に結合する水素原子がアルキル基(メチル基等)、アシル基アセチル基トリフルオロアセチル基など)等で置換されていてもよい。

0030

なお、「複素環基」は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基メトキシ基エトキシ基等の炭素数1から20までのアルコキシ基塩素原子臭素原子等のハロゲン原子メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基シアノ基、t−ブチルカーボネート基等の炭酸エステル基等が挙げられる。ここで、これらの置換基は、下記の構造単位又は上記構造単位が組み合わさって構成される連結基を介して複素環基と結合していてもよい。

0031

0032

「アルコキシシリル基」としては、モノアルコキシシリル基ジアルコキシシリル基トリアルコキシシリル基のいずれでもよいが、トリアルコキシシリル基であることが好ましく、例えば、トリメトキシシリル基トリエトキシシリル基などが挙げられる。
「エポキシ基」としては、置換又は無置換のオキシラン基エチレンオキシド基)が挙げられる。エポキシ基としては、例えば、下記一般式(a3)で表すことができる。

0033

0034

上記一般式(a3)中、
REP1〜REP3は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。また、REP1とREP2、REP2とREP3は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。*は連結手を表す。

0035

吸着部位と結合する連結基としては、単結合、又は、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ連結基が好ましく、この有機連結基は、無置換でも置換基をさらに有していてもよい。
この連結基の具体的な例として、下記の構造単位又は上記構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。

0036

0037

連結基が更なる置換基を有する場合、上記置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート基等の炭酸エステル基等が挙げられる。

0038

上記の中では、A1として、酸基、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基及び配位性酸素原子を有する基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが好ましい。
特に、粒子との相互作用を強くすることで、屈折率を高め、かつ組成物の粘度を低減する観点から、A1は、pKa5〜14の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることがより好ましい。
ここでいう「pKa」とは、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載されている定義の酸解離定数である。
上記pKa5〜14の官能基としては、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基又は配位性酸素原子を有する基が挙げられる。
具体的には、例えば、ウレア基(pKa 12〜14程度)、ウレタン基(pKa 11〜13程度)、配位性酸素原子としての−COCH2CO−(pKa 8〜10程度)、スルホンアミド基(pKa 9〜11程度)等が挙げられる。

0039

A1は、下記一般式(4)で表される1価の置換基として表されることが好ましい。

0040

0041

一般式(4)中、B1は吸着部位を表し、R24は単結合又は(a+1)価の連結基を表す。aは、1〜10の整数を表し、一般式(4)中にa個存在するB1は同一であっても、異なっていてもよい。

0042

B1で表される吸着部位としては、前述の一般式(1)のA1を構成する吸着部位と同様であり、好ましい例も同様である。
中でも、酸基、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基又は配位性酸素原子を有する基であることが好ましく、pKa5〜14の官能基であることがより好ましい観点から、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基又は配位性酸素原子を有する基であることがより好ましい。

0043

R24は、単結合又は(a+1)価の連結基を表し、aは1〜10を表す。好ましくは、aは1〜7であり、より好ましくは、aは1〜5であり、特に好ましくは、aは1〜3である。
(a+1)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基をさらに有していてもよい。

0044

(a+1)価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位又は上記構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。

0045

0046

R24としては、単結合、又は、1から50個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から25個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から10個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の連結基が好ましく、単結合、又は、1から30個までの炭素原子、0個から6個までの窒素原子、0個から15個までの酸素原子、1個から50個までの水素原子、及び0個から7個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の連結基がより好ましく、単結合、又は、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の連結基が特に好ましい。

0047

上記のうち、(a+1)価の連結基が置換基を有する場合、上記置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート基等の炭酸エステル基等が挙げられる。

0048

一般式(1)中、R2は単結合あるいは2価の連結基を表す。n個のR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
2価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基をさらに有していてもよい。

0049

2価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位又は上記構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。

0050

0051

R2としては、単結合、又は、1から50個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から25個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から10個までの硫黄原子から成り立つ2価の連結基が好ましく、単結合、又は、1から30個までの炭素原子、0個から6個までの窒素原子、0個から15個までの酸素原子、1個から50個までの水素原子、及び0個から7個までの硫黄原子から成り立つ2価の連結基がより好ましく、単結合、又は、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ2価の連結基が特に好ましい。

0052

上記のうち、2価の連結基が置換基を有する場合、上記置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート基等の炭酸エステル基等が挙げられる。

0053

一般式(1)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
R1で表される(m+n)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基をさらに有していてもよい。

0054

(m+n)価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位又は上記構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。

0055

0056

(m+n)価の連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から40個までの酸素原子、1個から120個までの水素原子、及び0個から10個までの硫黄原子から成り立つ基が好ましく、1から50個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から30個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から7個までの硫黄原子から成り立つ基がより好ましく、1から40個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から20個までの酸素原子、1個から80個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ基が特に好ましい。

0057

上記のうち、(m+n)価の連結基が置換基を有する場合、上記置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート基等の炭酸エステル基等が挙げられる。

0058

R1で表される(m+n)価の連結基の具体的な例〔具体例(1)〜(17)〕を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。

0059

0060

0061

上記の具体例の中でも、原料入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、好ましい(m+n)価の連結基は、(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、(17)である。

0062

一般式(1)中、mは8以下の正の数を表す。mとしては、0.5〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
また、一般式(1)中、nは1〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。

0063

一般式(1)中、P1はポリマー鎖を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のP1は、同一であっても、異なっていてもよい。
ポリマーの中でも、ポリマー鎖を構成するには、ビニルモノマー重合体もしくは共重合体エステル系ポリマーエーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマーアミド系ポリマー、エポキシ系ポリマーシリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテルポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体ブロック共重合体グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。

0064

ポリマー鎖P1が少なくとも1種の繰り返し単位を含有することが好ましい。
ポリマー鎖P1における、少なくとも1種の繰り返し単位の繰り返し数kが、立体反発力を発揮し分散性を向上し、高屈折率かつ低粘度を達成する観点から、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
また、組成物の低粘度を達成し、さらに硬化膜透明膜)中に粒子を密に存在させ、高屈折率を達成する観点から、少なくとも1種の繰り返し単位の繰り返し数kは、50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、30以下であることがさらに好ましい。

0065

なお、ポリマーは有機溶剤に可溶であることが好ましい。
ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタアクリル酸エステル類クロトン酸エステル類、ビニルエステル類マレイン酸ジエステル類フマル酸ジエステル類イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類スチレン類ビニルエーテル類ビニルケトン類オレフィン類マレイミド類、(メタ)アクリロニトリル、酸基を有するビニルモノマーなどが好ましい。
これらのビニルモノマーの好ましい例としては、特開2007−277514号公報段落0089〜0094、0096及び0097(対応する米国特許出願公開第2010/233595号明細書においては段落0105〜0117、及び0119〜0120)に記載のビニルモノマーが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。

0066

上記の化合物以外にも、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、又はウレア基を有する単量体としては、例えば、イソシアネート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアネート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物又は1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマー又は1級あるいは2級アミノ基含有モノマーモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。

0067

一般式(1)で表される樹脂の中でも、下記一般式(2)で表される樹脂が好ましい。

0068

0069

一般式(2)において、A2は、一般式(1)におけるA1と同義であり、好ましい態様も同様である。n個のA2は同一であっても、異なっていてもよい。

0070

一般式(2)において、R4、R5は各々独立に単結合あるいは2価の連結基を表す。n個のR4は、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のR5は、同一であっても、異なっていてもよい。
R4、R5で表される2価の連結基としては、一般式(1)のR2で表される2価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。

0071

一般式(2)において、R3は、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
R3で表される(m+n)価の連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基をさらに有していてもよい。
R3で表される(m+n)価の連結基として、具体的には、一般式(1)のR1で表される(m+n)価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。

0072

一般式(2)中、mは8以下の正の数を表す。mとしては、0.5〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
また、一般式(2)中、nは1〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。

0073

また、一般式(2)中のP2は、ポリマー鎖を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のP2は、同一であっても、異なっていてもよい。ポリマーの好ましい態様については、一般式(1)におけるP1と同様である。

0074

一般式(2)で表される高分子化合物のうち、以下に示すR3、R4、R5、P2、m、及びnを全て満たすものが最も好ましい。
R3:上記(m+n)価の連結基の具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、又は(17)
R4:単結合、又は、下記の構造単位若しくは上記構造単位が組み合わさって構成される「1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子」から成り立つ2価の連結基(置換基を有していてもよく、上記置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート基等の炭酸エステル基等が挙げられる。)

0075

0076

R5:単結合、エチレン基プロピレン基、下記基(a)、又は下記基(b)
なお、下記基中、R12は水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。

0077

0078

P2:ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー及びこれらの変性物
m:1〜3
n:3〜6

0079

(第二の実施形態)
第二の実施形態において、高屈折組成物に含まれる樹脂は、グラフト共重合体を含む樹脂である。
グラフト共重合体は、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が40〜10000であることが好ましく、100〜500であることがより好ましく、150〜260であることがさらに好ましい。
グラフト鎖のポリマー構造は、ポリ(メタ)アクリル構造ポリエステル構造ポリウレタン構造ポリウレア構造、ポリアミド構造ポリエーテル構造などを用いることができる。
グラフト共重合体を含む樹脂は、例えば、特開2014−063125号公報の段落0080〜0126の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。

0080

(第三の実施形態)
第三の実施形態において、高屈折組成物に含まれる樹脂は、主鎖及び側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むオリゴイミン系樹脂である。オリゴイミン系樹脂としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造Xを有する繰り返し単位と、原子数40〜10,000の側鎖Yを含む側鎖とを有し、かつ主鎖及び側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する樹脂が好ましい。
オリゴイミン系樹脂は、例えば、特開2014−063125号公報の段落0225〜0267の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。

0081

(第四の実施形態)
第四の実施形態において、高屈折組成物に含まれる樹脂は、一般式(2)〜(4)のいずれかで表されるシラン化合物を含むシラン化合物を加水分解し、この加水分解物縮合反応させることにより得られるシロキサン樹脂である。
R02−nR1nSi(OR9)2 一般式(2)
一般式(2)中、R0は水素、アルキル基、アルケニル基、フェニル基を表す。R1は1価の縮合多環式芳香族基を表す。R9は水素、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を表し、同一でも異なっていてもよい。nは1または2である。nが2の場合、複数のR1は同一でも異なっていてもよい。
R2Si(OR10)3 一般式(3)
一般式(3)中、R2は1価の縮合多環式芳香族基を表す。R10は水素、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を表し、同一でも異なっていてもよい。
(R11O)mR43−mSi−R3−Si(OR12)lR53−l 一般式(4)
一般式(4)中、R3は2価の縮合多環式芳香族基を表す。R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R11およびR12は、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。mおよびlはそれぞれ独立に1〜3の整数である。
上記シロキサン樹脂は、例えば、特開2010−007057号公報の段落0017〜0044の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。

0082

高屈折組成物は、エポキシ樹脂を含むことも好ましい。
エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)、デナコールEX−211L、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、JER1031S(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。

0083

樹脂の分子量は、重量平均分子量で、2,000〜200,000が好ましく、2,000〜15,000がより好ましく、2,500〜10,000がさらに好ましい。

0084

高屈折組成物における樹脂の量は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。また、上限は30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。
また、高屈折組成物における樹脂の固形分濃度(全固形分に対する樹脂の濃度(質量%))は、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、上限は40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
樹脂は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0085

<<<粒子>>>
高屈折組成物に含まれる粒子は、金属酸化物粒子を含むことが好ましい。
金属酸化物粒子としては、屈折率が高く、無色、白色又は透明な無機粒子であることが好ましく、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)又はマグネシウム(Mg)の酸化物粒子が挙げられ、二酸化チタン(TiO2)粒子、二酸化ジルコニウム(ZrO2)粒子であることが好ましく、二酸化チタン粒子がより好ましい。
金属酸化物粒子は、一次粒子径の下限が1nm以上であることが好ましく、上限は100nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに好ましい。一次粒子径の指標として平均粒子径を用いることもできる。金属酸化物粒子の平均粒子径は、金属酸化物粒子を含む混合液又は分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られた値のことを言う。この測定は、日機装株式会社製マイクロトラックUPA−EX150を用いて行って得られた数平均粒子径のこととする。
金属酸化物粒子は、例えば、特開2014−062221号公報の段落0023〜0027の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
また、金属酸化物粒子としては、日揮触媒化成社製HPW−10R、HPW−18R、HPW−18NR、HPW−25R、HPW−30NRDなどの市販品も使用できる。
また、金属酸化物粒子以外にも、市販の有機粒子または高屈折組成物を使用できる。例えば、日産化学工業(株)製HYPERTECHシリーズ、東レ社製CS−series、VF &PV−seriesなどが市販品として挙げられる。

0086

高屈折組成物における粒子の量は、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。上限は特に制限はないが、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
また、高屈折組成物における粒子の固形分濃度(全固形分に対する粒子の濃度(質量%))は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。上限は特に制限はないが、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。
粒子は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0087

<<<溶剤>>>
高屈折組成物に含まれる溶剤としては、水や、有機溶剤が挙げられ、有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル酢酸n−ブチル酢酸イソブチルギ酸アミル酢酸イソアミルプロピオン酸ブチル酪酸イソプロピル酪酸エチル酪酸ブチル乳酸メチル乳酸エチルオキシ酢酸アルキル(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチルピルビン酸エチルピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチルアセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテルジプロピレングリコールジメチルエーテルテトラヒドロフランエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテートエチルセロソルブアセテートジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルPGME)、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトンシクロヘキサノン2−ヘプタノン3−ヘプタノン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエンキシレン等が好適に挙げられる。
特に好ましくは、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテートブチルカルビトールアセテートプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートである。溶剤は、過酸化物含有率が0.8mmol/L以下であることが好ましく、過酸化物を実質的に含まない溶剤を用いることが好ましい。
その他高屈折組成物に含まれる溶剤しては、例えば特開2014−063125号公報の段落0065〜0067の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
高屈折組成物における溶剤の量は、組成物の全量中、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。また、組成物の全量中、上限は、99.9質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。
溶剤は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となる。

0088

<<<界面活性剤>>>
高屈折組成物は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤ノニオン系界面活性剤カチオン系界面活性剤アニオン系界面活性剤シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。フッ素系界面活性剤が好ましい。フッ素系界面活性剤を含有する組成物からなる塗布液を用いて膜形成する場合においては、塗布面と塗布液との界面張力が低下して、塗布面への濡れ性が改善され、塗布面への塗布性が向上する。このため、厚みムラの小さい、均一膜厚を有する膜をより好適に形成することができる。

0089

フッ素系界面活性剤は、フッ素含有率が3〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%がより好ましく、7〜25質量%がさらに好ましい。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中における溶解性も良好である。

0090

フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF−171、同F−172、同F−173、同F−176、同F−177、同F−141、同F−142、同F−143、同F−144、同R−30、同F−437、同F−475、同F−479、同F−482、同F−554、同F−780、同F−781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
また、下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。



上記の重量平均分子量は、例えば、14,000である。

0091

フッ素系界面活性剤としてブロックポリマーを用いることもでき、具体例としては、例えば特開2011−89090号公報に記載された化合物が挙げられる。

0092

ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロールトリメチロールプロパントリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルポリエチレングリコールラウレートポリエチレングリコールジステアレートソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製))等が挙げられる。

0093

カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。

0094

アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。

0095

シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4460、TSF−4452(以上、モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ社製)、KP341、KF6001、KF6002(以上、信越シリコーン株式会社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。

0096

界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の含有量は、組成物の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、0.005〜1.0質量%がより好ましい。

0097

<<重合禁止剤>>
高屈折組成物は、重合禁止剤を含有していてもよい。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾールピロガロール、t−ブチルカテコールベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。中でも、p−メトキシフェノールが好ましい。
重合禁止剤の添加量は、組成物の全質量に対して、0.001〜5質量%が好ましい。

0098

<<<その他の添加剤>>>
高屈折組成物は、他の添加剤を含んでいてもよい。具体的には、硬化剤、重合性化合物、重合開始剤、上記樹脂以外の樹脂(例えば、アルカリ可溶性樹脂バインダー)、可塑剤、感脂化剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好ましく用いることができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーベンジルメタクリレートメタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体なども好ましく用いることができる。また、後述する赤外線透過組成物で説明するアルカリ可溶性樹脂を用いることもできる。
これらの添加剤は、例えば、特開2014−063125号公報の段落0133〜0224の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。

0099

用いる原料等により高屈折組成物中に金属元素が含まれることがあるが、欠陥発生抑制等の観点で、高屈折組成物中の第2族元素カルシウム、マグネシウム等)の含有量は50ppm以下であることが好ましく、0.01〜10ppmに制御することが好ましい。また、高屈折組成物中の無機金属塩の総量は100ppm以下であることが好ましく、0.5〜50ppmに制御することがより好ましい。

0100

<<高屈折組成物の具体例>>
高屈折組成物の具体例としては、特開2014−62221号公報の請求項1に記載の分散組成物;特開2010−007057号、特開2010−222431号、特開2009−263507号、特開2008−202033号、特開2012−087316号および特開2007−246877号公報の請求項1に記載のシロキサン系樹脂組成物;WO2010/125949、WO2010/128661、WO2011/018990、WO2012/026451、WO2012/026452、WO2012/060286およびWO2012/111682号公報の請求項に記載の組成物が例示され、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、これらの組成物の好ましい範囲が、本発明の高屈折組成物の好ましい範囲の例として挙げられる。
本発明においては、市販の硬化性樹脂も好適に用いることができる。以下にその商品名(製品番号)を列記しておく。
(1)超高屈折率、高耐熱コーティング材料:UR−108、UR−202、UR−501、HR−102(日産化学工業社製)
(2)厚膜高屈折率コーティング材料:UR−108、UR−204、HR−201(日産化学工業社製)
(3)チオエポキシ樹脂LPH1101(三菱ガス化学社製)
(4)エピスルフィド樹脂MR−174(三井化学社製)
(5)チオウレタン樹脂MR−7(三井化学社製)

0101

<<膜厚>>
高屈折領域の膜厚は、所望の光の光路差を達成するように適宜定められるが、例えば、80nm以上であり、100nm以上とすることもでき、120nm以上とすることもできる。上限としては、例えば、600nm以下であり、500nm以下とすることもでき、300nm以下とすることもできる。

0102

<第二の領域(低屈折層)>
本発明における第二の領域は、第一の領域よりも、屈折率が0.5以上低い領域である。第二の領域(低屈折領域)の屈折率は、好ましくは1.0〜1.5であり、より好ましくは1.0〜1.3であり、さらに好ましくは1.1〜1.3である。
第二の領域の好適態様の一つとしては、樹脂を含む層である。樹脂を含む層は、いわゆる、低屈折樹脂、すなわち、上述の高屈折樹脂よりも屈折率の低い樹脂からなる層であってもよいし、樹脂と、粒子と、溶剤を含む組成物(以下、「低屈折組成物」ということがある)を塗布して形成しても良い。第二の領域の形成に用いられる樹脂は、重合性単量体に由来する繰り返し単位からなるポリマー鎖であるか、重合性単量体に由来する繰り返し単位からなるポリマー鎖を部分構造として有する化合物であることが好ましい。好ましくは、低屈折組成物を塗布して形成される層である。
また、第二の領域の他の好適態様の一つとしては、粒子を含む層である。粒子を含む層は、粒子と、溶剤を含む組成物を塗布して形成してもよい。なお、上記粒子を含む層には、樹脂は含まれていても、いなくてもよい。
以下、低屈折組成物の詳細について述べる。

0103

<<低屈折組成物>>
<<<樹脂>>>
低屈折領域で用いられる樹脂としては、シロキサン樹脂およびフッ素系樹脂の少なくとも一方を含む樹脂が例示される。
<<<<シロキサン樹脂>>>>
シロキサン樹脂は、アルコキシシラン原料を用いて、加水分解反応および縮合反応を介して得ることができる。具体的には、シロキサン樹脂は、アルキルトリアルコキシシランの一部または全部のアルコキシ基が加水分解してシラノール基に変換し、生成したシラノール基の少なくとも一部が縮合してSi−O−Si結合を形成したものである。シロキサン樹脂は、下記一般式(5)で表されるシルセスキオキサン構造を有することが好ましい。
−(R1SiO3/2)n− 一般式(5)
一般式(5)中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは20〜1000の整数を表す。
<<<<フッ素系樹脂>>>>
フッ素系樹脂は、物質分子中にフッ素を含有する樹脂であり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレンテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン共重合体ポリビニリデンフルオライドビニリデンフルオライド/エチレン共重合体などが挙げられる。

0104

上記シロキサン樹脂およびフッ素系樹脂の詳細については、例えば特開2014−063125号公報の段落0014〜0060の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
そのほか、本発明では、低屈折組成物に含まれる樹脂として、特開2013−253145号公報の段落番号0016〜0024に記載の所定のケイ素化合物による加水分解物、特開2012−0214772号公報の段落番号0030〜0043に記載の化合物を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。

0105

低屈折組成物における樹脂の量は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。また、上限は30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。
また、低い屈折組成物における樹脂の固形分濃度(全固形分に対する樹脂の濃度(質量%))は、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、上限は40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
樹脂は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0106

<<<粒子>>>
低屈折領域で用いられる粒子としては、例えば、中空粒子または非中空粒子が挙げられる。中空粒子としては、中空構造多孔質微粒子を使用してもよい。中空粒子は、内部に空洞を有する構造のものであり、外郭に包囲された空洞を有する粒子を指し、多孔質粒子は、多数の空洞を有する多孔質の粒子を指す。以下、中空粒子又は多孔質粒子を、適宜「特定粒子」と称する。特定粒子は、有機粒子であっても、無機粒子であってもよい。好ましくは、金属酸化物粒子であり、より好ましくはシリカ粒子である。
低屈折領域で用いられる粒子は、例えば特開2014−063125号公報の段落0047〜0055の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
また、シリカ粒子としては、市販品を使用することもでき、触媒化成工業(株)製オスカルシリーズ、扶化学工業(株)製クォートロンシリーズ共立マテリアル(株)製SG−SO100、(株)トクヤマ製レオシールシリーズ、日揮触媒化成社製のスルーリアシリーズ、日鉄鉱業社製のシリナックスなどが挙げられる。

0107

低屈折領域で用いられる粒子の好適態様の一つとしては、数珠状粒子が挙げられ、数珠状シリカ(数珠状コロイダルシリカ)がより好ましい。
数珠状粒子とは、粒子が数珠状に連結及び/又は分岐した形状を持つ。具体的には例えば、球状の粒子(例えば、コロイダルシリカ)が数珠状に連結した鎖状の構造を有するもの、及び連結したコロイダルシリカが分岐したものなどを挙げることができる。
数珠状粒子は、その立体的障害により、空間を密に占めることができず、その結果、より空隙率の高い領域を容易に形成でき、領域を低屈折率化しやすい。
このような数珠状シリカ粒子が分散したシリカ粒子液(ゾル)としては、例えば、特許第4328935号に記載されているシリカゾル等を使用することができる。また、特開2013−253145号公報の記載を参照することができる。
数珠状のシリカ粒子液としては、液状ゾルとして市販されているものを用いることができる。例えば、日産化学工業社製の「スノーテックスOUP」、「スノーテックス UP」、「IPA−ST−UP」、「スノーテックス PS−M」、「スノーテックス PS−MO」、「スノーテックス PS−S」、「スノーテックス PS−SO」、触媒化成工業株式会社製の「ファインカタイドF−120」、旭化成ワッカー製のHDK(登録商標)V15、HDK(登録商標)N20、HDK(登録商標)T30、HDK(登録商標)T40、疎水性のHDK(登録商標)H15、HDK(登録商標)H18、HDK(登録商標)H20、HDK(登録商標)H30および扶桑化学工業株式会社製の「クォートロンPL」などが挙げられる。これらの数珠状粒子は、酸化ケイ素からなる一次粒子が多数結合し、二次元的または三次元的に湾曲した構造を有していることが好ましい。

0108

低屈折組成物における粒子の量は、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。上限は特に制限はないが、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
また、低屈折組成物における粒子の固形分濃度(全固形分に対する粒子の濃度(質量%))は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。上限は特に制限はないが、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。
粒子は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0109

<<<溶媒>>>
低屈折組成物に含まれる溶剤しては、上記高屈折組成物に含まれる溶剤(例えば、水や有機溶剤)と同様であり、好ましい範囲や配合量も同様である。

0110

<<<その他の添加剤>>>
本発明で用いる低屈折組成物は、他の添加剤を含んでいても良い。その他の添加剤は、上述の高屈折組成物で述べたものと同じであり、配合量等も同様である。

0111

用いる原料等により低屈折組成物中に金属元素が含まれることがあるが、欠陥発生抑制等の観点で、低屈折組成物中の第2族元素(カルシウム、マグネシウム等)の含有量は50ppm以下であることが好ましく、0.01〜10ppmに制御することが好ましい。また、低屈折組成物中の無機金属塩の総量は100ppm以下であることが好ましく、0.5〜50ppmに制御することがより好ましい。

0112

<<低屈折組成物の具体例>>
低屈折組成物の具体例としては、特開2014−063125号公報の請求項11に記載の低屈折膜形成用硬化性組成物、特開2013−253145号公報の請求項1に記載のシロキサン系樹脂組成物、WO2013/099948(US2014/285695)号公報及びWO2013/099945(US2014/284747)号公報に記載の低屈折率形成用組成物が例示され、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、これらの組成物の好ましい範囲が、本発明の高屈折組成物の好ましい範囲の例として挙げられる。

0113

<<膜厚>>
低屈折領域の膜厚は、所望の光の光路差を達成するように適宜定められるが、例えば、80nm以上であり、100nm以上とすることもでき、120nm以上とすることもできる。上限としては、例えば、600nm以下であり、500nm以下とすることもでき、300nm以下とすることもできる。

0114

<積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は、粒子と、樹脂と、溶媒を含む第一の組成物を塗布して第一の領域を形成する工程と、第一の領域の表面に、粒子と、樹脂と、溶媒を含む第二の組成物(または、粒子と、溶媒を含む組成物)を塗布して第二の領域を形成する工程を含み、上記第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上である。このような方法を採用することにより、上記本発明の積層体を好ましく製造できる。特に、本発明の積層体は、塗布で製造可能であるため、公知の積層体と比較して、生産性を向上させることができる。
第一の組成物と第二の組成物の一方は、上述の高屈折組成物であり、他方が低屈折組成物であり、好ましい範囲も同様である。以下、第一の組成物を高屈折組成物、第二の組成物を低屈折組成物として説明する。もちろん、第一の組成物が低屈折組成物であり、第二の組成物が高屈折組成物であってもよい。

0115

高屈折組成物を塗布して高屈折領域を形成する工程は、高屈折領域が1層の高屈折層からなる場合、高屈折組成物の塗布回数は通常1回であるが、高屈折組成物を同時または逐次塗布して、2層以上の高屈折層を形成してもよい。本発明における塗布方法は、特に限定されないが、適宜の公知の塗布方法を適用することができる。例えば、スプレー法ロールコート法回転塗布法スピンコート法)、バー塗布法等を適用することができる。例えば、スピンコート塗布の場合、高屈折層1層あたり、30秒〜3分の塗布時間とすることができ、さらには、30秒〜2分の塗布時間とすることができる。
塗布量としては、硬化後の膜厚が、所望の条件となるように、塗布することが好ましい。
必要に応じて、塗布された塗膜には加熱処理などを施し、塗膜中に含まれる溶媒を除去することが好ましい。具体的には、塗布した後、ポストベークを行い、溶媒の一部または全部を揮発させることが好ましい。ポストベークとしては、高屈折領域については、100〜300℃で、30秒〜8分行うことが好ましく、150〜250℃で、1〜5分行うことがより好ましい。

0116

高屈折組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、塗布前に、フィルタ濾過することが好ましい。従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。

0117

高屈折領域を形成した後、その表面に低屈折領域を低屈折組成物の塗布により形成する。低屈折領域の形成方法は、上記高屈折領域の形成において、高屈折組成物を低屈折組成物に変えるほかは、同様であり、好ましい範囲も同様である。但し、低屈折領域のポストベークについては、80〜240℃で、30秒〜8分行うことが好ましく、80〜120℃で、1〜5分行うことがより好ましい。
さらに、高屈折領域および低屈折領域を交互に積層することによって、本発明の積層体が得られる。

0118

<積層体の好適態様>
積層体の好適態様の一つとしては、第一の組成物を塗布して形成される第一の領域と、第一の領域の表面に第二の組成物を塗布して形成される第二の領域とを有し、第一の領域と第二の領域の屈折率の差が0.5以上であり、第一の領域と第二の領域が、交互に積層している積層体であって、第一の組成物に含まれる溶媒の溶解パラメーターであるSP値(以下、単に「SP値」ということがある。)と、第二の組成物に含まれる溶媒の溶解パラメーターであるSP値との差の絶対値が2.0以上である積層体が挙げられる。
上記のように第一の組成物に含まれる溶媒と第二の組成物に含まれる溶媒とのSP値の差の絶対値が所定値以上であれば、第一の組成物および第二の組成物を交互に塗布して積層する際に、形成される第一の領域および第二の領域間の界面において、第一の組成物および第二の組成物の混ざり合いがより抑制され、形成される各領域の厚みのバラツキが抑制される。
例えば、第一の組成物に含まれる溶媒のSP値と第二の組成物に含まれる溶媒のSP値との差の絶対値が所定値未満の場合において、第一の組成物を塗布して得られる第一の領域上に、第二の組成物を塗布すると、第二の組成物中に含まれる溶剤の影響により、下地層となる第一の領域中に含まれる成分の一部が、その上に塗布される第二の組成物中に溶解してしまい、第一の領域の厚みのバラツキや、光学的な欠陥が生じしてしまい、結果として得られる積層体の光学特性劣化する場合がある。
それに対して、例えば、第一の組成物に含まれる溶媒のSP値と第二の組成物に含まれる溶媒のSP値との差の絶対値が所定値以上の場合において、第一の組成物を塗布して得られる第一の領域上に、第二の組成物を塗布すると、SP値の違いによって、下地層となる第一の領域中に含まれる成分の第二の組成物への溶解が抑制され、結果として各領域の厚みのバラツキの発生がより抑制されると共に、光学的な欠陥の発生もより抑制される。

0119

第一の組成物に含まれる溶媒のSP値と、第二の組成物に含まれる溶媒のSP値との差の絶対値は0.5(cal/cm3)1/2以上が好ましいが、積層体中の各領域の厚みのバラツキがより小さい、および/または、積層体中において光学的な欠陥の発生がより抑制される点で、1.0(cal/cm3)1/2以上がより好ましく、2.0(cal/cm3)1/2以上がさらに好ましく、5.0(cal/cm3)1/2以上が特に好ましく、7.0(cal/cm3)1/2以上が最も好ましい。上限は特に制限さないが、通常、15(cal/cm3)1/2以下の場合が多い。
第一の組成物および第二の組成物に含まれる溶媒のSP値の計算方法としては、溶媒として1種のみが使用されている場合はその溶媒のSP値を意図し、複数の溶媒が併用されている場合は、各溶媒のSP値の質量割合に応じた加重平均値を表す。例えば、SP値がAの溶媒Xと、SP値がBの溶媒Yとが、溶媒全質量に対して、それぞれ20質量%および80質量%含まれる場合、溶媒のSP値は、(A×0.2)+(B×0.8)という計算式によって求められる。
また、本明細書においては、フェドアーズ(Fedors)の方法(Polymer Engineering and Science, 1974, Vol.4, No.2)に基づき、分子構造からSP値を算出することとする。フェドアーズの方法では、下記式(I)に従ってSP値が算出される。
SP値(δ)=(ΣΔE/ΣΔV)1/2[(cal/cm3)1/2]・・・(I)
但し、ΔEは、物質に含まれる原子又は原子団の蒸発エネルギー(cal/mol)を示し、ΔVは、原子又は原子団のモル容積(cm3/mol)を示す。

0120

また、第一の組成物および第二の組成物のうち一方に水が含まれ、第一の組成物および第二の組成物のうちの他方に有機溶媒が含まれる態様が好ましく挙げられる。
この態様の場合、水と有機溶媒とが上記SP値の関係を満たしていることが好ましい。
なお、第一の組成物に有機溶剤が含まれ、第二の組成物に水が含まれていてもよく、第一の組成物に水が含まれ、第二の組成物に有機溶剤が含まれていてもよい。

0121

第一の組成物および第二の組成物の一方に含まれる有機溶剤の種類は特に制限されず、使用される樹脂などに応じて適宜最適な有機溶剤が選択され、例えば、上述した有機溶剤の例が挙げられる。
第一の組成物および第二の組成物のうちの一方に水が含まれる際、水以外にさらに有機溶剤が含まれていてもよい。つまり、水と有機溶剤とが併用されていてもよい。
水と有機溶剤とが併用される場合、水と有機溶剤との合計質量に対する水の含有量は、積層体中の各領域の厚みのバラツキがより小さい、および/または、積層体中において光学的な欠陥の発生がより抑制される点で、0.5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、50〜90質量%がさらに好ましい。
水と有機溶剤とが併用される場合、使用される有機溶剤の種類は1種のみであってもよいし、2種以上併用されてもよい。

0122

上記のように、第一の組成物に含まれる溶媒のSP値と第二の組成物に含まれる溶媒のSP値との差の絶対値が所定値以上の場合、得られる積層体においては各領域の厚みのバラツキが小さい。つまり、各領域内において厚みがより均一となりやすく、所望の光学特性を示す積層体が得られやすい。
より具体的には、積層体の好適態様の一つとしては、積層体がより優れた光学特性を示す点で、第一の領域および第二の領域がそれぞれ2領域以上含まれ、第一の領域の各領域の厚みのバラツキが5%未満(好ましくは、3%以内)であり、第二の領域の各領域の厚みのバラツキが5%未満(好ましくは、3%以内)である積層体が挙げられる。
この積層体においては、まず、第一の領域および第二の領域が、それぞれ2領域以上含まれる。次に、2領域以上含まれる第一の領域においては、各領域内において厚みのバラツキが5%未満であり、積層体がより優れた光学特性を示す点で、厚みのバラツキは3.0%以内が好ましく、厚みのバラツキは2.0%以内がより好ましく、1.0%以内がさらに好ましい。
第二の領域においても、2領域以上が積層体中に含まれ、各領域内において厚みのバラツキが5%未満であり、積層体がより優れた光学特性を示す点で、厚みのバラツキは3.0%以内が好ましく、厚みのバラツキは2.0%以内がより好ましく、1.0%以内がさらに好ましい。
上記の厚みのバラツキとは、一領域内における厚みのバラツキを意図する。上記バラツキの計算方法としては、エリプソメータ(J.AウーラムVUV−vase[商品名])(波長633nm、測定温度25℃)を用いて、一領域内の任意の20点以上の位置における厚みを測定して、それらを算術平均して平均厚みTAを算出する。次に、上記にて測定した厚みのうち、最も大きい値TLと最も小さい値TSとを算出し、以下の式(1)および式(2)にてバラツキ値を算出して、得られたバラツキLおよびバラツキSのうち数値の絶対値がより大きいほうを、厚みのバラツキとして算出する。
式(1) バラツキL=(TL−TA)×100/TA
式(2) バラツキS=(TS−TA)×100/TA

0123

また、上記積層体においては、光学的な欠陥の発生がより抑制される。
より具体的には、積層体の好適態様の一つとしては、積層体がより優れた光学特性を示す点で、第一の領域と第二の領域とが積層する方向から光学顕微鏡観察を実施(積層体を平面視)した際に、長径が1μm以上である欠陥の数が50個/mm2未満である積層体が挙げられる。なかでも、積層体がより優れた光学特性を示す点で、長径が1μm以上である欠陥の数が30個/mm2未満であることが好ましい。
上記欠陥の数の測定方法としては、まず、光学顕微鏡を用いて、第一の領域と第二の領域とが積層する方向から積層体を観察する。観察する領域としては、異なる任意の5点(各点の観察面積:1mm×1mm)を倍率200倍にて観察し、長径が1μm以上である欠陥をカウントした。

0124

<積層体の用途>
本発明の積層体は図3に示すように、特定の波長範囲の光の透過をカットしたり、特定の波長範囲の光のみを透過させるフィルムとして用いることができる。具体的には、本発明の積層体は、赤外線吸収フィルタ、バンドパスフィルタ等として好ましく用いられる。

0125

<<バンドパスフィルタ>>
本発明のバンドパスフィルタは、本発明の積層体のみからなっていてもよいが、他の特定の波長範囲の光をカットし、特定の波長の範囲の光を透過させるフィルムを併せて使用することが好ましい。図4は、本発明の積層体と上記他の特定の波長範囲の光をカットし、特定の波長の範囲の光を透過させるフィルムを組み合わせたときの、波長と透過率の関係の一例を示すイメージ図である。すなわち、2枚のフィルムは、それぞれ、透過できる光の波長範囲が異なっている。そして、2枚のフィルムを併せると、両方のフィルムを透過可能な光のみが透過可能となり、バンドパスフィルタとして用いることができる。また、2枚のフィルムの両方に、本発明の積層体を用いることも可能である。
具体的には、波長450〜950nmの範囲の透過率が70%以上、かつ、波長1050〜1100nmの範囲の透過率が30%以下の積層体と、波長450〜800nmの範囲の透過率が30%以下、かつ、波長900〜1100nmの範囲の透過率が70%以上の赤外線透過フィルムを併用することにより、波長900〜950nmの範囲の透過率が70%以上で、波長450〜800nmおよび1050〜1100nmの範囲の透過率が30%以下のフィルムのバンドパスフィルタを得ることができる。
また、波長450〜850nmの範囲の透過率が70%以上、かつ、波長950〜1100nmの範囲の透過率が30%以下の積層体と、波長450〜750nmの範囲の透過率が30%以下、かつ、波長850〜1100nmの範囲の透過率が70%以上の赤外線透過フィルムを併用することにより、波長840〜870nmの範囲の透過率が70%以上で、波長450〜750nmおよび950〜1050nmの範囲の透過率が30%以下のフィルムのバンドパスフィルタを得ることができる。
また、波長450〜700nmの範囲の透過率が70%以上、かつ、波長750〜1000nmの範囲の透過率が30%以下の積層体と、波長450〜600nmの範囲の透過率が30%以下、かつ、波長700〜1100nmの範囲の透過率が70%以上の赤外線透過フィルムを併用することにより、波長680〜720nmの範囲の透過率が70%以上で、波長450〜600nmおよび750〜1000nmの範囲の透過率が30%以下のフィルムのバンドパスフィルタを得ることができる。
本発明のバンドパスフィルタは、本発明の積層体と、赤外線透過フィルムを有するものが好ましい。

0126

<<<赤外線透過フィルム>>>
赤外線透過フィルムとは、所定の波長の赤外線の透過率が高く、所定の波長の可視光線の透過率が低いフィルムをいう。ここで、所定の波長の赤外線としては、波長700nm以上、波長800nm以上、波長900nm以上等の領域の電磁波が例示される。所定の波長の可視光線とは、波長650nm以下、波長700nm以下、波長750nm以下、下限値としては、波長400nm以上、波長450nm以上等の領域の電磁波が例示される。透過率が高いとは、透過率が70%以上、さらには80%以上、特には90%以上であることをいい、透過率が低いとは、透過率30%以下、さらには20%以下、特には10%以下であることをいう。

0127

上記赤外線透過フィルムは、所定の赤外線透過組成物を基板上に適用し硬化することによって得られる。以下、赤外線透過組成物の例を挙げる。本発明は、これらに限定されない。

0128

[赤外線透過組成物の第1の実施の形態]
第1の実施の形態の赤外線透過組成物は、一般式(A1)で表される染料と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有する。赤外線透過組成物は、通常、一般式(A1)で表される染料以外の他の着色剤を含む。また、赤外線透過組成物が顔料を含む場合、顔料分散剤、溶剤、顔料誘導体等とともに顔料を分散して、顔料分散液を調製し、得られた顔料分散液を一般式(A1)で表される染料と、重合開始剤と、重合性化合物とを混合してもよい。また、赤外線透過組成物は、上記成分以外の他の成分(アルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等)をさらに含んでいてもよい。

0129

一般式(A1)



一般式(A1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有するカルボニル基、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。R3は、水素原子、窒素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。R3は、Aの置換基と環を形成してもよく、R3が窒素原子を表す場合、Aの置換基と環を形成する。R3Aは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Aは、複素員環または複素6員環を表す。Mは、金属原子を表す。nは、2または3を表す。
赤外線透過組成物中の一般式(A1)で表される染料の含有量の合計は、15〜85質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
赤外線透過組成物の全着色剤中、一般式(A1)で表される染料の含有量の合計は、4〜50質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましい。
赤外線透過組成物中、一般式(A1)で表される染料は、1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。

0130

一般式(A1)で表される染料以外の他の着色剤としては、顔料および染料を挙げることができる。他の着色剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。他の着色剤は、例えば、特開2013−064999号公報の段落0019〜0025の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。特に、青色顔料としては、PB15:6が例示される。黄色顔料としては、Pigment Yellow 139が例示される。紫色顔料としては、Pigment Violet 23が例示される。
赤外線透過組成物は、他の着色剤として黄色顔料と、青色顔料と、紫色顔料とを含むことが好ましい。この場合、赤外線透過組成物中、黄色顔料の全顔料に対する質量比が0.1〜0.2であり、青色顔料の全顔料に対する質量比が0.25〜0.55であり、紫色顔料の全顔料に対する質量比が0.05〜0.15であることが好ましい。また、一般式(A1)で表される染料と黄色顔料との質量比は、85:15〜50:50であることが好ましく、一般式(A1)で表される染料と黄色顔料との合計質量と、青色顔料と紫色顔料との合計質量の質量比が、60:40〜40:60であることがより好ましい。

0131

重合性化合物は、例えば特開2012−208494号公報の段落0466〜0494の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。重合性化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合性化合物の配合量は、配合する場合、赤外線透過組成物の固形分の0.1〜90質量%とすることができ、2〜50質量%が好ましい。
重合開始剤は、例えば特開2012−208494号公報の段落0500〜0547の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。重合開始剤としては、オキシム化合物が好ましい。オキシム化合物の具体例としては、特開2001−233842号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、特開2006−342166号公報記載の化合物を用いることができる。市販品では、IRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831、アデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)等が挙げられる。重合開始剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の配合量は、配合する場合、赤外線透過組成物の固形分の0.1〜20質量%とすることができ、0.5〜5質量%が好ましい。本発明は、光重合開始剤として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報記載の化合物、特表2014−500852号公報記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報記載の化合物(C−3)などが挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれることとする。
顔料分散剤は、例えば特開2012−208494号公報の段落0404〜0465の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。顔料分散剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。顔料分散剤は、配合する場合、顔料100質量部に対し、1〜80質量部であることが好ましく、5〜70質量部であることがより好ましく、10〜60質量部であることがさらに好ましい。
顔料誘導体は、例えば特開2009−203462号公報の段落0124〜0126の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。顔料誘導体は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。顔料誘導体は、配合する場合、顔料100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましく、5〜15質量部であることがさらに好ましい。
溶剤は、例えば特開2012−208494号公報の段落0496〜0499の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。溶剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。溶剤の配合量は、組成物の固形分濃度が5〜80質量%となる濃度が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、例えば特開2012−208494号公報の段落0558〜0572の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
アルカリ可溶性樹脂としては、下記一般式(ED)で示される化合物および/または下記一般式(ED2)で表される化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー(a)を含むことも好ましい。

0132

0133

一般式(ED)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
一般式(ED2)



一般式(ED2)中、Rは、水素原子または炭素数1〜30の有機基を表す。一般式(ED2)の具体例としては、特開2010−168539号公報の記載を参酌できる。
アルカリ可溶性樹脂は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。アルカリ可溶性樹脂の配合量は、配合する場合、赤外線透過組成物の固形分に対し、1〜15質量%が好ましい。
界面活性剤は、例えば特開2012−208494号公報の段落0549〜0557の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。界面活性剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。界面活性剤の配合量は、配合する場合、赤外線透過組成物の固形分に対し、0.001〜2.0質量%である。

0134

[赤外線透過組成物の第2の実施の形態]
第2の実施の形態の赤外線透過組成物は、着色剤およびアルカリ可溶性樹脂を含み、着色剤中に、少なくとも赤色顔料と、一般式(A2)または一般式(A3)で表される青色顔料の少なくとも1種とを含み、全着色剤中、赤色顔料の含有量が20〜50質量%、青色顔料の含有量が25〜55質量%である。
赤外線透過組成物は、上記青色顔料および赤色顔料以外の他の着色剤を含むことが好ましい。また、赤外線透過組成物は、上記成分以外の他の成分として、重合性化合物、重合開始剤、顔料分散剤、顔料誘導体、溶剤等をさらに含んでいてもよい。

0135

青色顔料は、一般式(A2)または一般式(A3)で表される化合物である。
一般式(A2)



一般式(A2)中、X1〜X4はそれぞれ独立して、置換基を表す。R0Aは、水素原子または1価の置換基を表す。m1〜m4は、それぞれ独立して0〜4の整数を表す。m1〜m4が2以上のとき、X1〜X4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(A3)



一般式(A3)中、X5〜X12はそれぞれ独立して、置換基を表す。R0Bは2価の置換基を表す。m5〜m12は、それぞれ独立して0〜4の整数を表す。m5〜m12が2以上のとき、X5〜X12はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。

0136

赤色顔料は、対称構造の赤色顔料と非対称構造の赤色顔料を含むことが好ましい。
特に、カラーインデックス(C.I.)Pigment Red 254と、一般式(A4)で表される化合物であってC.I.Pigment Red 254ではない化合物を含むことが好ましい。

0137

一般式(A4)



一般式(A4)中、AおよびBは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基、−CF3、または−CON(R1)R2である。R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、またはフェニル基である。
赤色顔料として、対称構造の化合物と非対称構造の化合物を含む場合、対称構造の化合物と非対称構造の化合物の質量比は、99:1〜80:15が好ましく、98:2〜90:10がより好ましい。

0138

他の着色剤としては、上述した第1の実施の形態の他の着色剤を用いることができる。
赤外線透過組成物の全着色剤中、赤色顔料および上記青色顔料以外の着色剤の含有量の合計は、5〜45質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。

0139

アルカリ可溶性樹脂は、第1の実施の形態で説明したアルカリ可溶性樹脂を用いることができ、好ましい範囲も同様である。
上記以外の他の成分としては、第1の実施の形態で説明した重合性化合物、重合開始剤、顔料分散剤、顔料誘導体、溶剤、界面活性剤等を用いることができる。これらの好ましい範囲も第一の実施の形態と同様である。

0140

[赤外線透過組成物の第3の実施の形態]
第3の実施の形態の赤外線透過組成物は、着色剤と樹脂とを含み、波長400〜830nmの範囲における吸光度の最小値Aと、波長1000〜1300nmの範囲における吸光度の最大値Bとの比であるA/Bが、4.5以上である。
上記吸光度の条件は、どのような手段によって達成されても良いが、例えば、赤外線透過組成物に、波長800〜900nmの範囲に吸収極大を有する第1の着色剤を1種類以上と、波長400〜700nmの範囲に吸収極大を有する第2の着色剤を2種類以上含有させるとともに、各着色剤の種類及び含有量を調整することにより、上記吸光度の条件を好適に達成できる。
赤外線透過組成物は、第1の着色剤および第2の着色剤以外の着色剤(第3の着色剤)を含有してもよい。
また、赤外線透過組成物は、着色剤および樹脂以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。

0141

第1の着色剤としては、例えば、ピロロピロール色素化合物銅化合物シアニン系色素化合物、フタロシアニン系化合物イモニウム系化合物、チオール錯体系化合物、遷移金属酸化物系化合物、スクアリリウム系色素化合物、ナフタロシアニン系色素化合物、クオタリレン系色素化合物、ジチオール金属錯体系色素化合物、クロコニウム化合物等が挙げられる。
ピロロピロール色素化合物は、顔料でも染料でもよいが、耐熱性に優れた膜を形成できる赤外線透過組成物が得られやすいという理由から顔料が好ましい。ピロロピロール色素化合物は、下記一般式(A5)で表される化合物が好ましい。

0142

一般式(A5)



一般式(A5)中、R1aおよびR1bは、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R2およびR3の少なくとも一方は電子吸引性基であり、R2およびR3は互いに結合して環を形成しても良く、R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、置換ホウ素、金属原子を表し、R4は、R1a、R1bおよびR3から選ばれる1以上と共有結合もしくは配位結合しても良い。
一般式(A5)で表される化合物は、例えば、特開2009−263614号公報の段落0016〜0058の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
赤外線透過組成物において、第1の着色剤の含有量は、赤外線透過組成物の全固形分の0.5〜60質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
赤外線透過組成物において、第1の着色剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合は、合計が上記範囲であることが好ましい。

0143

第2の着色剤は、顔料であってもよく、染料であってもよいが、顔料であることが好ましい。第2の着色剤は、赤色着色剤黄色着色剤青色着色剤、および、紫色着色剤から選ばれる2種以上の着色剤を含有することが好ましい。第2の着色剤は、上述した第1の実施の形態で説明した他の着色剤を用いることができる。
第2の着色剤が、赤色着色剤と、黄色着色剤と、青色着色剤と、紫色着色剤とを組み合わせてなる場合、赤色着色剤の、第2の着色剤全量に対する質量比が0.1〜0.4であり、黄色着色剤の、第2の着色剤全量に対する質量比が0.1〜0.4であり、青色着色剤の、第2の着色剤全量に対する質量比が0.20〜0.60であり、紫色着色剤の、第2の着色剤全量に対する質量比が0.01〜0.30であることが好ましい。
第2の着色剤の含有量は、赤外線透過組成物の全固形分の0.5〜60質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることがさらに好ましい。
赤外線透過組成物において、第1の着色剤と第2の着色剤の合計量は、赤外線透過組成物の全固形分に対して、1〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることがさらに好ましい。

0144

第3の着色剤としては、波長400〜700nmの範囲、および、波長800〜900nmの範囲以外に吸収極大を有する着色剤を用いることができる。

0145

赤外線透過組成物が含む樹脂としては、顔料分散剤、アルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。顔料分散剤およびアルカリ可溶性樹脂は、第1の実施の形態で説明した顔料分散剤およびアルカリ可溶性樹脂を用いることができる。
他の成分としては、第1の実施の形態で説明した重合性化合物、重合開始剤、顔料誘導体、溶剤、界面活性剤等を用いることができる。これらの好ましい範囲も第一の実施の形態と同様である。

0146

[赤外線透過組成物の第4の実施の形態]
第4の実施の形態の赤外線透過組成物は、着色剤と重合性化合物とを含み、重合性化合物が、アルキレンオキシ基を繰り返し単位として2以上含む鎖(以下、アルキレンオキシ鎖ともいう)を有する重合性化合物を含有し、赤外線透過組成物の、波長400nm以上580nm未満の範囲における吸光度の最小値Aと、波長580nm以上770nm以下の範囲における吸光度の最小値Bとの比率A/Bが0.3〜3であり、波長400nm以上750nm以下の範囲における吸光度の最小値Cと、波長850nm以上1300nm以下の範囲における吸光度の最大値Dとの比率C/Dが5以上である。
赤外線透過組成物は、着色剤と重合性化合物以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。

0147

着色剤は、上述した第1の実施の形態の他の着色剤と同義である。着色剤は、顔料の含有量が、着色剤の全量に対して95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましい。

0148

重合性化合物は、アルキレンオキシ鎖を有する重合性化合物を含有する。
アルキレンオキシ鎖を有する重合性化合物としては、第1の実施の形態で説明した重合性化合物を用いることができる。

0149

他の成分としては、第1の実施の形態で説明した重合開始剤、顔料分散剤、顔料誘導体、溶剤、アルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等を用いることができる。これらの好ましい範囲も第一の実施の形態と同様である。

0150

[赤外線透過組成物の第5の実施の形態]
第5の実施の形態の赤外線透過組成物は、着色剤と重合性化合物とを含み、重合性化合物は、アルキレンオキシ基を繰り返し単位として2以上含む鎖を有する重合性化合物を含有し、着色剤は、赤色着色剤および紫色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤Aと、黄色着色剤と、青色着色剤と、を少なくとも含み、赤色着色剤および紫色着色剤から選ばれる着色剤Aの着色剤全量に対する質量比である着色剤A/全着色剤が、0.01〜0.7であり、黄色着色剤の着色剤全量に対する質量比である黄色着色剤/全着色剤が0.05〜0.5であり、青色着色剤の着色剤全量に対する質量比である青色着色剤/全着色剤が0.05〜0.6である。
赤外線透過組成物は、着色剤と重合性化合物以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。

0151

着色剤は、上述した第1の実施の形態の他の着色剤と同義である。
重合性化合物は、第4の実施の形態で説明したアルキレンオキシ鎖を有する重合性化合物と同義である。
他の成分としては、第1の実施の形態で説明した重合開始剤、顔料分散剤、顔料誘導体、溶剤、アルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等を用いることができる。これらの好ましい範囲も第一の実施の形態と同様である。

0152

[赤外線透過組成物の第6の実施の形態]
第6の実施の形態の赤外線透過組成物は、着色剤と重合性化合物とを含み、着色剤の質量Pと重合性化合物の質量Mとの比率P/Mが、0.05〜0.35であり、赤外線透過組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量が25〜65質量%であり、赤外線透過組成物の、波長400nm以上580nm未満の範囲における吸光度の最小値Aと、波長580nm以上770nm以下の範囲における吸光度の最小値Bとの比率A/Bが0.3〜3であり、波長400nm以上750nm以下の範囲における吸光度の最小値Cと、波長850nm以上1300nm以下の範囲における吸光度の最大値Dとの比率C/Dが5以上である。
赤外線透過組成物は、着色剤と重合性化合物以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。

0153

着色剤および重合性化合物は、上述した第1の実施の形態の他の着色剤および重合性化合物と同義である。
他の成分としては、第1の実施の形態で説明した重合開始剤、顔料分散剤、顔料誘導体、溶剤、アルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等を用いることができる。これらの好ましい範囲も第一の実施の形態と同様である。

0154

[赤外線透過組成物の第7の実施の形態]
第7の実施の形態の赤外線透過組成物は、着色剤と重合性化合物とを含み、着色剤の質量Pと重合性化合物の質量Mとの比率P/Mが、0.05〜0.35であり、赤外線透過組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量が25〜65質量%であり、着色剤は、黄色着色剤と青色着色剤とを少なくとも含み、黄色着色剤の着色剤全量に対する質量比である黄色着色剤/全着色剤が0.1〜0.5であり、青色着色剤の着色剤全量に対する質量比である青色着色剤/全着色剤が0.1〜0.6である。
赤外線透過組成物は、着色剤と重合性化合物以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。

0155

着色剤および重合性化合物は、上述した第1の実施の形態の他の着色剤および重合性化合物と同義である。
他の成分としては、第1の実施の形態で説明した重合開始剤、顔料分散剤、顔料誘導体、溶剤、アルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等を用いることができる。これらの好ましい範囲も第一の実施の形態と同様である。

0156

[赤外線透過組成物の第8の実施の形態]
第8の実施の形態の赤外線透過組成物は、膜厚1μmの膜を形成した際に、膜の厚み方向の透過率の、波長400〜750nmの範囲における最大値が20%以下であり、膜の厚み方向の透過率の、波長900〜1300nmの範囲における最小値が90%以上となる組成物である。
膜の分光特性、膜厚等の測定方法を以下に示す。
組成物を、ガラス基板上にスピンコート等の方法により、乾燥後の膜厚が1μmとなるように塗布し、膜を設け、100℃、120秒間ホットプレートで乾燥する。
膜厚は、膜を有する乾燥後の基板を、触針表面形状測定器(ULVAC社製 DEKTAK150)を用いて測定する。
この膜を有する乾燥後の基板を、紫外可視近赤外分光光度計日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)(ref.ガラス基板)を用いて、波長300〜1300nmの範囲において透過率を測定する。
光透過率の調整は、どのような手段を用いても良いが、例えば、組成物に顔料を2種以上で含有させるとともに、各顔料の種類及び含有量を調整することにより、光透過率を好適に調整できる。
赤外線透過組成物は、着色剤および着色剤以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。
着色剤は、上述した第1の実施の形態の他の着色剤と同義である。
他の成分としては、第1の実施の形態で説明した重合開始剤、顔料分散剤、顔料誘導体、溶剤、アルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等を用いることができる。これらの好ましい範囲も第一の実施の形態と同様である。

0157

[赤外線透過組成物の第9の実施の形態]
第9の実施の形態の赤外線透過組成物は、顔料、光重合開始剤、および重合性化合物を含み、波長600nmにおける透過率が30%である赤外線透過フィルムを形成した場合に、赤外線透過フィルムが、下記(1)〜(5)の条件を満足する組成物である。
(1)400nmにおける透過率が20%以下である。
(2)550nmにおける透過率が10%以下である。
(3)700nmにおける透過率が70%以上である。
(4)透過率50%を示す波長が、650nm〜680nmの範囲である。
(5)赤外線透過フィルムが0.55μm〜1.8μmの範囲の膜厚を有する。
赤外線透過組成物の詳細は、例えば、特開2013−077009号公報の段落0020〜0230の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。

0158

用いる原料等により赤外線透過組成物中に金属元素が含まれることがあるが、欠陥発生抑制等の観点で、赤外線透過組成物中の第2族元素(カルシウム、マグネシウム等)の含有量は50ppm以下であることが好ましく、0.01〜10ppmに制御することが好ましい。また、赤外線透過組成物中の無機金属塩の総量は100ppm以下であることが好ましく、0.5〜50ppmに制御することがより好ましい。

0159

<赤外線センサ>
本発明のバンドパスフィルタは、特定の波長領域の光のみを透過させることができるので、センサ、特に、赤外線センサに好ましく用いることができる。
赤外線センサは、本発明の積層体と、赤外線透過フィルムを有する。赤外線センサの構成としては、本発明の積層体を有し、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はない。

0160

基板上に、固体撮像素子(CCDセンサCMOSセンサ有機CMOSセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオード及び転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、本発明の積層体を有するバンドパスフィルタを有する構成が例示される。
さらに、デバイス保護膜上であって本発明の積層体の下(基板に近い側)や上に、集光手段(例えば、マイクロレンズ等。)を有する構成等であってもよい。

0161

なお、有機CMOSセンサは、光電変換層として薄膜パンクロ感光有機光電変換膜CMOS信号読み出し基板を含んで構成され、光を捕捉しそれを電気信号に変換する役割有機材料が担い、電気信号を外部に取り出す役割を無機材料が担う2層構成ハイブリッド構造であり、原理的には入射光に対して開口率を100%にすることができる。有機光電変換膜は構造フリー連続膜でCMOS信号読みだし基板上に敷設できるので、高価な微細加工プロセスを必要とせず、画素微細化に適している。

0162

<撮像装置>
次に、本発明の赤外線センサを適用した例として撮像装置について説明する。撮像装置としては、カメラモジュールなどが挙げられる。
図5は、撮像装置の機能ブロック図である。撮像装置は、レンズ光学系1と、固体撮像素子10と、信号処理部20と、信号切替部30と、制御部40と、信号蓄積部50と、発光制御部60と、赤外光発光する発光素子赤外LED70と、画像出力部80および81とを備える。なお、固体撮像素子10としては、上述した赤外線センサ100を用いることができる。また、固体撮像素子10とレンズ光学系1以外の構成は、そのすべてが、または、その一部が、同一の半導体基板に形成することもできる。撮像装置の各構成については、特開2011−233983号公報の段落0032〜0036を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。

0163

<バンドパスフィルタ形成用キット>
本発明のバンドパスフィルタ形成用キットは、粒子と、樹脂と、溶媒を含む第一の組成物と、粒子と、樹脂と、溶媒を含む第二の組成物を含み、上記第一の組成物を層状にしたときの屈折率と、第二の組成物を層状にしたときの屈折率の差が0.5以上である。
上記第一の組成物は、上述した高屈折組成物が例示され、好ましい範囲も同様である。
上記第二の組成物は、上述した低屈折組成物が例示され、好ましい範囲も同様である。

0164

<画像表示装置>
上記積層体の他の用途として、画像表示装置への応用が挙げられる。
より具体的には、カラーフィルタを有する画像表示装置であって、上記カラーフィルタの少なくとも一部が上述した積層体からなる、画像表示装置が挙げられる。カラーフィルタの一部を上記のような積層体にすることにより、より簡便な設計にて所望の光を透過させることができる。従来においては、カラーフィルタの作製の際に、染料や顔料などの着色剤が使用されていたが、本発明の積層体を使用することにより、これらの使用を控えることができ、結果として、コストの削減や、高温処理などのプロセス上の制約もよりなくなる。
なお、画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置、または、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などが挙げられる。

0165

以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。

0166

<低屈折分散液B−1の調製>
特開2013−253145号公報の段落0032〜0034、段落0042(実施例1−1)の記載に従って、低屈折分散液B−1を得た。
なお、得られた低屈折分散液B−1には、数珠状コロイダルシリカ粒子が含まれていた。

0167

<低屈折分散液B−2の調製>
低屈折分散液B−1の調製において、低屈折分散液に含まれるコロイダルシリカを中空粒子に変えた以外は同様にして、低屈折分散液B−2を調製した。具体的に、シラン化合物の加水分解物と、中空粒子のシリカを、加水分解物中のSiO2分100質量部に対する中空粒子が200質量部となる割合で、撹拌して混合することにより組成物を得た。

0168

<高屈折分散液B−3の調製>
下記組成の混合液を、0.3mm径ジルコニアビーズを使用して、ビーズミル減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、3時間、混合、分散して、高屈折分散液B−3を調製した。
・二酸化チタン28.9部
分散剤:特開2014−62221号公報の実施例に記載の分散剤(C−5)(同公報の段落0254の表1、段落0261に記載の記載を参酌) 6.4部
・有機溶剤:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA) 64.7部

0169

<高屈折分散液B−4の調製>
高屈折分散液B−3の調製において、酸化チタン同量の二酸化ジルコニウムに変えた以外は高屈折分散液B−3の調製と同様にして、高屈折分散液B−4を調製した。

0170

<低屈折組成物1の調製>
・低屈折分散液B−1 75.3部
・界面活性剤1の10質量%PGMEA溶液0.1部
界面活性剤1(フッ素系樹脂)



上記の重量平均分子量は、14,000である。
・有機溶剤1:乳酸エチル24.6部

0171

<低屈折組成物2の調製>
・低屈折分散液B−2 75.3部
・上記界面活性剤1の10質量%PGMEA溶液0.1部
・有機溶剤1:乳酸エチル24.6部

0172

<高屈折組成物1の調製>
・高屈折分散液B−3 84.7部
・下記アルカリ可溶性樹脂1の45質量%PGMEA溶液0.9部
・エポキシ樹脂(EX211L ナガセケムテックス) 2.9部
・エポキシ樹脂(JER157S65 三菱化学) 0.7部
・上記界面活性剤1の10質量%PGMEA溶液 3.4部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール0.002部
・有機溶剤1:PGMEA7.4部

0173

アルカリ可溶性樹脂1

0174

<高屈折組成物2の調製>
高屈折組成物1の調製において、高屈折分散液B−3を高屈折分散液B−4に変更した以外は高屈折組成物1の調製と同様にして、高屈折組成物2を調製した。

0175

<<組成物の屈折率の測定>>
上記で得られた低屈折組成物、高屈折組成物の屈折率は以下の通り測定した。
8インチガラスウェハに、組成物をスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で100℃2分間の条件でガラスウェハを加熱し、塗布膜を形成した。さらにこの塗布膜を、200℃で5分、ホットプレート上で加熱して、硬化膜(膜厚:1.0μm)を得た。
上記で得られた硬化膜付きガラスウェハに対して、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製エリプソメータを用いて、透明膜の波長635nmの光に対する屈折率を測定した。

0176

<<蒸着膜の屈折率の測定>>
8インチガラスウェハの表面に、下記表1に示す組成の蒸着膜を作製した。蒸着膜は、特開2012−225993号公報の記載を参酌し、1.0μmの厚さとなるように、作製した。上記組成物の屈折率の測定と同様の方法で屈折率を測定した。
結果を下記表に示す。

0177

<実施例1>
8インチガラスウェハの表面に、上記低屈折組成物1および高屈折組成物1を用い、表2の積層体1に示す積層構成となるように、低屈折領域と高屈折領域を、それぞれ、交互に積層した。低屈折組成物はスピンコーターを用いて塗布し、低屈折組成物の乾燥は、ホットプレートにて100℃/120secの条件で行った。高屈折組成物はスピンコーターを用いて塗布し、高屈折組成物の乾燥は、ホットプレートにて200℃/3minの条件で行った。
各高屈折領域および低屈折領域の厚さは、下記表2に示した所望の厚さとなるように、塗布量及び塗布回数(積層数)を調整した。表2に示す実膜厚が、本実施例の膜厚に相当する。表2中、「低n」は、低屈折領域を表し、「高n」は、高屈折領域を表す。

0178

<実施例2〜6>
実施例1において、積層体1の層構成を、表2の積層体2〜6の層構成にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜6の積層体を得た。表2に示す実膜厚が、本実施例の膜厚に相当する。

0179

実施例1〜6で得られた積層体の波長400〜1100nmの範囲における透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)(ref.ガラス基板)を用いて、測定した。積層体1の結果は図6に、積層体2の結果は図9に、積層体3の結果は図12に、積層体4の結果は図15に、積層体5の結果は図16に、積層体6の結果は図17に、それぞれ示した。図中、縦軸のTransmittanceは透過率(単位:%)を示し、横軸のWavelengthは波長(単位:nm)を示す。以下の実施例における透過率を示す図においても同様である。
図6における、波長1040nmの吸光度/波長940nmの吸光度は83.7であった。図9における、波長950nmの吸光度/波長850nmの吸光度は390であった。図12における、波長800nmの吸光度/波長700nmの吸光度は359であった。図15における、波長1040nmの吸光度/波長940nmの吸光度は55.2であった。図16における、波長950nmの吸光度/波長850nmの吸光度は56.2であった。図17における、波長800nmの吸光度/波長700nmの吸光度は57.0であった。

0180

0181

<実施例A>
<<顔料分散液1−1の調製>>
表3に示す顔料分散液1−1の各成分を、第1の着色剤が表3に示す平均粒子径となるまで、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、混合、分散して、顔料分散液1−1を調製した。表3には、該当する成分の使用量(単位:質量部)を示す。
顔料分散液中の顔料の平均粒子径は、日機装(株)製のMICROTRACUPA 150を用いて、体積基準で測定した。測定結果を下記表3に示す。

0182

<<顔料分散液2−1〜2−4の調製>>
表3に示す顔料分散液2−1の各成分を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、3時間混合、分散して、顔料分散液2−1を調製した。顔料分散液2−1の調製において、用いた各成分を表3に記載の各成分に変えた以外は顔料分散液2−1の調製と同様にして、顔料分散液2−2〜顔料分散液2−4を得た。表3には、該当する成分の使用量(単位:質量部)を示す。

0183

0184

表中の各成分の略語は以下である。

0185

[第1の着色剤(IR着色剤)]
・ピロロピロール顔料1:下記構造(特開2009−263614号公報に記載の方法で合成した)(波長800〜900nmの範囲に吸収極大を有する着色剤)

0186

[第2の着色剤(波長400〜700nmの範囲に吸収極大を有する着色剤)]
・PR254 : C.I.Pigment Red 254
・PB15:6 : C.I.Pigment Blue 15:6
・PY139 : Pigment Yellow 139
・PV23 : Pigment Violet 23

0187

[樹脂]
分散樹脂1:BYK−111(BYK社製)
・分散樹脂2:下記構造(Mw:7950)



・分散樹脂3:下記構造(Mw:30000)



・アルカリ可溶性樹脂1:下記構造

0188

<<赤外線透過組成物A(着色組成物A)の調製>>
下記表4に示す成分を下記表4に示す割合(単位は質量部)で混合して、赤外線透過組成物Aを調製した。

0189

・重合性化合物1:M−305(トリアクリレートが55〜63質量%)(東亜合成社製) 下記構造



・光重合開始剤1:Irgacure−OXE01(BASF) 下記構造



・上記界面活性剤1
・重合禁止剤1:p−メトキシフェノール
・有機溶剤1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート

0190

<<赤外線透過フィルムAの作製>>
赤外線透過組成物Aを、ガラス基板上にポストベーク後の膜厚が1.0μmとなるようにスピンコートにより塗布し、100℃、120秒間ホットプレートで乾燥し、膜を形成した。次いで、200℃のホットプレートを用いて、得られた膜を300秒間加熱処理(ポストベーク)し、さらにi線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用いて、全面露光することにより、ガラス基板上に赤外線透過フィルムAを形成した。
得られた赤外線透過フィルムAの波長400〜1100nmの範囲における透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)(ref.ガラス基板)を用いて、測定した。図7に、その結果を示す。

0191

<<バンドパスフィルタAの作製>>
上記実施例1で得られた積層体1と上記で得られた赤外線透過フィルムAを組み合わせてバンドパスフィルタAを作製した。得られたバンドパスフィルタAの透過率を、図8に示す。

0192

<実施例B>
<<顔料分散液B−1の調製>>
下記組成の各成分を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、3時間、混合、分散して、顔料分散液B−1を調製した。
・赤色顔料(C.I.Pigment Red 254)及び黄色顔料(C.I.Pigment Yellow 139)からなる混合顔料11.8部
・分散剤:BYK社製 BYK−111 9.1部
・有機溶剤:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート79.1部

0193

<<顔料分散液B−2の調製>>
下記組成の各成分を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、3時間、混合、分散して、顔料分散液B−2を調製した。
・青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:6)及び紫色顔料(C.I.Pigment Violet 23)からなる混合顔料12.6部
・分散剤:BYK社製 BYK−111 2.0部
・下記分散樹脂4 3.3部
・有機溶剤:シクロヘキサノン31.2部
・有機溶剤:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA) 50.9部

0194

・分散樹脂4
分散樹脂4として、以下に示す化合物(繰り返し単位における比はモル比である)を使用した。

0195

<<赤外線透過組成物Bの調製>>
下記の成分を混合して、赤外線透過組成物Bを調製した。
・顔料分散液B−1 46.5部
・顔料分散液B−2 37.1部
・上記アルカリ可溶性樹脂1 1.1部
・下記重合性化合物2 1.8部
・下記重合性化合物3 0.6部
・光重合開始剤:下記重合開始剤2 0.9部
・上記界面活性剤1の1.00質量%PGMEA溶液4.2部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール0.001部
・有機溶剤1:PGMEA7.8部

0196

・重合性化合物2 左側化合物と右側化合物のモル比は7:3である混合物

0197

・重合性化合物3

0198

・重合開始剤2

0199

<<赤外線透過フィルムBの作製>>
赤外線透過組成物Bを、ガラス基板上にポストベーク後の膜厚が1.0μmとなるようにスピンコートにより塗布し、100℃、120秒間ホットプレートで乾燥し、膜を形成した。次いで、200℃のホットプレートを用いて、得られた膜を300秒間加熱処理(ポストベーク)し、さらにi線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用いて、全面露光することにより、赤外線透過フィルムBを形成した。
得られた赤外線透過フィルムBの波長400〜1100nmの範囲における透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)(ref.ガラス基板)を用いて、測定した。図10に、その結果を示す。

0200

<<バンドパスフィルタBの作製>>
上記実施例2で得られた積層体2と上記で得られた赤外線透過フィルムBを組み合わせてバンドパスフィルタBを作製した。得られたバンドパスフィルタBの透過率を、図11に示す。

0201

<実施例C>
<<赤外線透過フィルムCの作製>>
特開2013−077009号公報の段落0255〜0259の記載(実施例1)に従ってカラーフィルタ(赤外線透過フィルムC)を作製した。得られた赤外線透過フィルムCの波長400〜1100nmの範囲における透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)(ref.ガラス基板)を用いて、測定した。図13に、その結果を示す。

0202

<<バンドパスフィルタCの作製>>
上記実施例3で得られた積層体3と上記で得られた赤外線透過フィルムCを組み合わせてバンドパスフィルタCを作製した。得られたバンドパスフィルタCの透過率を、図14に示す。

0203

実施例1〜6の積層体の作製において、表2に記載のそれぞれの積層体(積層体1〜6)の低屈折領域および高屈折領域の組成を、下記表5に示す5種の低屈折領域および高屈折領域の組成に変更し、それぞれ、表2に記載の積層体1〜6の光学膜厚を満たすように膜厚を調整した以外は、実施例1〜6の積層体の作製と同様にして、各積層体(計30種の積層体)を得た。実施例7、8、および9の積層体は、実施例1〜6の積層体の作製と同様にして積層体を作成し、比較例3、および4の積層体は、公知の蒸着方法に従って積層体を得た。このときの各層膜厚は、表2に記載の光学膜厚を基に算出した。すなわち、光学膜厚=実際の膜厚×材料の屈折率となるように、所望の光学膜厚と材料の屈折率から、作製すべき実膜厚を算出して作製した。
得られた積層体の透過率を上記と同様に測定したところ、実施例1〜6と同様の波形を実現できた。

0204

ノイズ評価
上記バンドパスフィルタBの作製において、積層体2を構成する低屈折領域および高屈折領域の組成を、下記表5に示す通り変更した以外は、バンドパスフィルタBの作製と同様にして、各バンドパスフィルタを作製した。結果を下記表5に示す。
バンドパスフィルタの厚み方向の、850nmにおける透過率t1〔%〕と、1000nmにおける平均光透過率t2〔%〕との比(t2/t1=x)を、紫外可視近赤外分光光度計U−4100(日立ハイテクノロジーズ社製)(ref.ガラス基板)を用いて求め、以下の評価基準に基づき評価した。評点が高いほど、可視光成分に由来のノイズが少なく、性能が優れていることを示す。
<評価基準>
3: x≦0.1
2: 0.1<x≦0.5
1: 0.5<x

0205

0206

<低屈折分散液B−5〜B−10の調製>
低屈折分散液B−1の溶媒を留去し、表6に示す溶媒に再希釈することで低屈折分散液B−5〜B−10を得た。なお、表6中の数値は、質量部を意図する。
なお、PGMEはプロピレングリコールモノメチルエーテルを表し、PGMEAはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表す。
また、以下の表中、「固形分」とは低屈折分散液B−1の溶媒を留去して得られる固形分を意図する。

0207

0208

<低屈折組成物3〜8の調製>
低屈折分散液B−5〜B−10と上記界面活性剤1とをそれぞれ下記の量で混合し、低屈折組成物3〜8を得た。例えば、低屈折分散液B−5を用いて、低屈折組成物3を調製した。
・低屈折分散液 99.9部
・上記界面活性剤1の10質量%PGMEA溶液0.1部

0209

<実施例>
8インチガラスウェハの表面に、表7に示す低屈折組成物の各々および高屈折組成物1を用い、表2の積層体1に示す積層構成となるように、低屈折領域と高屈折領域をそれぞれ交互に積層し各実施例の積層体を得た。低屈折組成物と高屈折組成物とはスピンコーターを用いて塗布し、低屈折組成物と高屈折組成物の乾燥は、ホットプレートを用いて130℃で120秒間行った。
各高屈折領域および低屈折領域の厚さは、上記表2に示した所望の光学膜厚となるように、塗布量および塗布回数(積層数)を調整した。
なお、各積層体に用いた組成物の屈折率の測定方法は、上述の通りである。

0210

表7に示す「溶媒のSP値の加重平均」は、各組成物に含まれる溶媒のSP値の加重平均による値を示す。計算方法は、上述の通りであり、各溶媒の全溶媒中における質量割合を用いて計算する。

0211

0212

膜厚面内分布(バラツキ)測定>
実施例10〜15の積層体の作製過程において、1層塗布するごとに、その膜厚面内分布(バラツキ)をエリプソメータ(J.Aウーラム製VUV−vase[商品名])で測定した(波長633nm、測定温度25℃)。膜厚面内分布は、基板(ガラスウェハ)の直径方向に10mm間隔で20点測定した。なお、形成された低屈折層および高屈折層のそれぞれの膜厚面内分布は同じであり、表8に各層のバラツキを示す。バラツキの測定方法は、上述の通りである。

0213

<欠陥測定>
デジタルカメラ付光学顕微鏡を用いて、実施例10〜15で得られた各積層体の積層体表面上の異なる任意の5点(各点の観察面積:1mm×1mm)を、積層体表面上(各層の積層方向)から×200倍で撮影した。上述した手順に従って、得られた画像を二値化(白黒化)し、観察される黒色部分を欠陥とした。観察される欠陥の長径が1μm以上である欠陥の個数欠陥数として算出し、5点の観察位置における欠陥数を算術平均して、得られた値(平均欠陥数)を以下の基準に従って評価した。欠陥数(平均欠陥数)が30個未満である場合をA、30個以上50個未満である場合をB、50個以上である場合をCとした。

0214

分光測定
実施例10〜15で得られた積層体の波長400〜1100nmの範囲における透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)(ref.ガラス基板)を用いて、測定した。波長450〜750nmの範囲における透過率の最大値および最小値を表8に示す。

0215

なお、表8中の「溶媒のSP値差」は、積層体の製造に用いた、低屈折組成物に含まれる溶媒のSP値と、高屈折組成物に含まれる溶媒のSP値との差の絶対値を表す。

0216

実施例

0217

表8から明らかな様に、溶媒のSP値差が大きいと、膜厚のバラツキが抑制され、透過率最小値が大きく、着色の無い透明性の高い積層体が得られることが分かった。また、溶媒のSP値差が大きいと、欠陥も抑制され、透過率最大値が高く、濁りの無い透明性の高い積層体が得られることがわかった。

0218

1:レンズ光学系、10:固体撮像素子、20:信号処理部、30:信号切替部、40:制御部、50:信号蓄積部、60:発光制御部、70:赤外LED、80、81:画像出力部

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