図面 (/)

技術 リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池

出願人 住友化学株式会社株式会社田中化学研究所
発明者 栗田寛之高森健二今成裕一郎増川貴昭山下大輔中尾公保
出願日 2015年5月27日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-523536
公開日 2017年4月20日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 WO2015-182665
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード ピーク線 混合原料液 X線解析 濾過後水洗 コバルト塩溶液 スズ金属 シリコン金属 累積粒度分布曲線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題・解決手段

少なくともニッケルコバルト及びマンガンを含み、層状構造を有するリチウム二次電池用正極活物質であって、下記要件(1)〜(3)を満たすリチウム二次電池用正極活物質。(1)一次粒子径が0.1μm以上1μm以下であり、50%累積体積粒度D50が1μm以上10μm以下(2)90%累積体積粒度D90と10%累積体積粒度D10との比率D90/D10が2以上6以下(3)中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量が0.1質量%以上0.8質量%以下

概要

背景

リチウム含有複合金属酸化物は、リチウム二次電池用正極活物質として用いられている。リチウム二次電池は、既に携帯電話用途やノートパソコン用途などの小型電源だけでなく、自動車用途電力貯蔵用途などの中・大型電源においても、実用化が進んでいる。

従来の正極活物質として、特許文献1にはリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物であって、一次粒子径が1.8μm、中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリである炭酸リチウム量が0.39質量%であるリチウム二次電池用正極活物質が開示されている。

概要

少なくともニッケルコバルト及びマンガンを含み、層状構造を有するリチウム二次電池用正極活物質であって、下記要件(1)〜(3)を満たすリチウム二次電池用正極活物質。(1)一次粒子径が0.1μm以上1μm以下であり、50%累積体積粒度D50が1μm以上10μm以下(2)90%累積体積粒度D90と10%累積体積粒度D10との比率D90/D10が2以上6以下(3)中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量が0.1質量%以上0.8質量%以下

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、高い充放電サイクル特性を示し、かつ、高い放電容量を示すリチウム二次電池に有用な正極活物質を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくともニッケルコバルト及びマンガンを含み、層状構造を有するリチウム二次電池用正極活物質であって、下記要件(1)〜(3)を満たすリチウム二次電池用正極活物質。(1)一次粒子径が0.1μm以上1μm以下であり、50%累積体積粒度D50が1μm以上10μm以下(2)90%累積体積粒度D90と10%累積体積粒度D10との比率D90/D10が2以上6以下(3)中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量が0.1質量%以上0.8質量%以下

請求項2

CuKα線を使用した粉末X線回折測定での2θ=18.7±1°の範囲内のピークにおける結晶子サイズα(Å)とBET比表面積β(m2/g)との関係式(α/β)/1000の値が0.5以上2.3以下である請求項1記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項3

BET比表面積が0.1m2/g以上2.0m2/g以下である請求項1または2記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項4

CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、2θ=18.7±1°の範囲内のピークにおける結晶子サイズが600Å以上1400Å以下である請求項1〜3いずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項5

中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量と水酸化リチウム量の和が0.2質量%以上1.5質量%以下である請求項1〜4いずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項6

10%累積体積粒度D10、50%累積体積粒度D50と90%累積体積粒度D90との関係式(D90−D10)/D50が1.00以上2.20以下である請求項1〜5いずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項7

6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率が1×10−3S/cm以上1×10−1S/cm以下である請求項1〜6いずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質。

請求項8

以下組成式(I)で表される請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質。LiaNi1−x−y−zCoxMnyMzO2・・・(I)(ここで、0.9≦a≦1.2、0<x<0.4、0<y<0.4、0≦z<0.1、0.5<1−x−y−z≦0.65、Mは、Mg、Al、Zrの内いずれか1種以上の金属である。)

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用正極活物質を有するリチウム二次電池用正極

請求項10

請求項9に記載のリチウム二次電池用正極を有するリチウム二次電池

技術分野

0001

本発明は、リチウム二次電池用正極活物質リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池に関するものである。本願は、2014年5月29日に日本に出願された特願2014−111713号、及び2014年12月25日に日本に出願された特願2014−262692号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0002

リチウム含有複合金属酸化物は、リチウム二次電池用正極活物質として用いられている。リチウム二次電池は、既に携帯電話用途やノートパソコン用途などの小型電源だけでなく、自動車用途電力貯蔵用途などの中・大型電源においても、実用化が進んでいる。

0003

従来の正極活物質として、特許文献1にはリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物であって、一次粒子径が1.8μm、中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリである炭酸リチウム量が0.39質量%であるリチウム二次電池用正極活物質が開示されている。

先行技術

0004

国際公開第2012/128288号

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記のような従来のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いて得られるリチウム二次電池は、高い充放電サイクル特性および高い放電容量を要する自動車用途などにおいて十分なものではなかった。

0006

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、高い充放電サイクル特性を示し、かつ、高い放電容量を示すリチウム二次電池に有用な正極活物質を提供することを目的とする。また、このようなリチウム二次電池用正極活物質を用いた正極、リチウム二次電池を提供することを併せて目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、少なくともニッケルコバルト及びマンガンを含み、層状構造を有するリチウム二次電池用正極活物質であって、下記要件(1)〜(3)を満たすリチウム二次電池用正極活物質を提供する。(1)一次粒子径が0.1μm以上1μm以下であり、50%累積体積粒度D50が1μm以上10μm以下(2)90%累積体積粒度D90と10%累積体積粒度D10との比率D90/D10が2以上6以下(3)中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量が0.1質量%以上0.8質量%以下

0008

本発明の一態様においては、CuKα線を使用した粉末X線回折測定での2θ=18.7±1°の範囲内のピークにおける結晶子サイズα(Å)とBET比表面積β(m2/g)との関係式α/β/1000の値が0.5以上2.3以下であることが好ましい。

0009

本発明の一態様においては、BET比表面積が0.1m2/g以上2m2/g以下であることが好ましい。

0010

本発明の一態様においては、CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、2θ=18.7±1°の範囲内のピークにおける結晶子サイズが600Å以上1400Å以下であることが好ましい。

0011

本発明の一態様において、中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量と水酸化リチウム量の和が0.2質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。

0012

本発明の一態様においては、10%累積体積粒度D10、50%累積体積粒度D50と90%累積体積粒度D90との関係式(D90−D10)/D50が1.00以上2.20以下であることが好ましい。

0013

本発明の一態様においては、6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率が1×10−3S/cm以上1×10−1S/cm以下であることが好ましい。

0014

本発明の一態様においては、前記層状構造が、以下組成式(I)で表されることが好ましい。LiaNi1−x−y−zMnxCoyMzO2 ・・・(I)(ここで、aは0.9≦a≦1.2、xは0<x<0.4、yは0<y<0.4、zは0≦z<0.1、1−x−y−zは、0.5<1−x−y−z≦0.65、Mは、Mg、Al、Zrの内いずれか1種以上の金属である。)

0015

また、本発明の一態様は、上述のリチウム二次電池用正極活物質を有する正極を提供する。

0016

また、本発明の一態様は、負極、および上述の正極を有するリチウム二次電池を提供する。

発明の効果

0017

本発明によれば、高いサイクル特性、かつ、高い放電容量を有するリチウム二次電池用正極活物質を提供することができる。また、このようなリチウム二次電池用正極活物質を用いた正極、リチウム二次電池を提供することができる。本発明のリチウム二次電池用正極活物質は、特に車載用用途に好適なリチウム二次電池に有用である。

図面の簡単な説明

0018

図1Aは、リチウムイオン二次電池に使用する電極群の一例を示す概略構成図である。
図1Bは、図1Aに示す電極群を使用したリチウムイオン二次電池の一例を示す概略構成図である。

0019

[リチウム二次電池用正極活物質] 本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質は、少なくともニッケル、コバルト及びマンガンを含有し、層状構造を有するリチウム二次電池用正極活物質(以下、単に「リチウム含有複合金属酸化物」とする場合がある。)であって、下記要件(1)〜(3)を満たすものである。(1)一次粒子径が0.1μm以上1μm以下であり、50%累積体積粒度D50が1μm以上10μm以下(2)90%累積体積粒度D90と10%累積体積粒度D10との比率D90/D10が2以上6以下(3)中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量が0.1質量%以上0.8質量%以下 以下、順に説明する。

0020

本実施形態の正極活物質は、前記層状構造が、以下組成式(I)で表される層状構造であることが好ましい。LiaNi1−x−y−zMnxCoyMzO2 ・・・(I)(ここで、aは0.9≦a≦1.2、xは0<x<0.4、yは0<y<0.4、zは0≦z<0.1、1−x−y−zは、0.5<1−x−y−z≦0.65、Mは、Mg、Al、Zrの内いずれか1種以上の金属である。)。

0021

本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質において、より容量を高めるリチウム二次電池を得る意味で、前記組成式(I)におけるaは0.95以上であることが好ましく、0.98以上であることがより好ましく、1.00以上であることがさらに好ましい。また、高い電流レートにおける放電容量を高めるリチウム二次電池を得る意味で、aは1.18以下であることが好ましく、1.15以下であることがより好ましく、1.13以下であることがさらに好ましい。 aの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。

0022

また、よりサイクル特性を高めるリチウム電池を得る意味で、組成式(I)におけるxは0.05以上であることが好ましく、0.10以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。また、高温(たとえば60℃)環境下での保存特性を高める意味で、xは0.35以下であることが好ましく、0.30以下であることがより好ましく、0.28以下であることがさらに好ましい。 xの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。

0023

より高い電流レートにおける放電容量を高めるリチウム電池を得る意味で、組成式(I)におけるyは0.05以上であることが好ましく、0.10以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。また、サイクル特性を高める意味で、yは0.3以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましく、0.22以下であることがさらに好ましい。 yの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。

0024

組成式(I)におけるMは、Mg、Al、Zrの内いずれか1種以上の金属である。 よりサイクル特性を高めるリチウム電池を得る意味で、Al及び/又はZrであることが好ましい。また、より熱的安定性を高めるリチウム電池を得る意味で、Mg及び/又はAlであることが好ましい。前述の効果をより高めるために、組成式(I)におけるzは0を超え、0.08以下であることが好ましく、0.005以上0.05以下であることがより好ましく、0.008以上0.02以下であることがさらに好ましい。

0025

より放電容量を高めるリチウム電池を得る意味で、組成式(I)における1−x−y−zは0.50を超えることが好ましく、0.53以上であることがより好ましく、0.55以上であることがさらに好ましい。また、サイクル特性を高める意味で、1−x−y−zは0.64以下であることが好ましく、0.63以下であることがより好ましく、0.62以下であることがさらに好ましい。 1−x−y−zの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。

0026

(層状構造) まず、本実施形態のリチウム含有複合金属酸化物の結晶構造は、層状構造であり、六方晶型の結晶構造または単斜晶型の結晶構造であることがより好ましい。

0027

六方晶型の結晶構造は、P3、P31、P32、R3、P−3、R−3、P312、P321、P3112、P3121、P3212、P3221、R32、P3m1、P31m、P3c1、P31c、R3m、R3c、P−31m、P−31c、P−3m1、P−3c1、R−3m、R−3c、P6、P61、P65、P62、P64、P63、P−6、P6/m、P63/m、P622、P6122、P6522、P6222、P6422、P6322、P6mm、P6cc、P63cm、P63mc、P−6m2、P−6c2、P−62m、P−62c、P6/mmm、P6/mcc、P63/mcm、P63/mmcからなる群から選ばれるいずれか一つの空間群帰属される。

0028

また、単斜晶型の結晶構造は、P2、P21、C2、Pm、Pc、Cm、Cc、P2/m、P21/m、C2/m、P2/c、P21/c、C2/cからなる群から選ばれるいずれか一つの空間群に帰属される。

0029

これらのうち、得られるリチウム二次電池の放電容量が増大するため、正極活物質の結晶構造は、空間群R−3mに帰属される六方晶型の結晶構造、またはC2/mに帰属される単斜晶型の結晶構造であることが特に好ましい。

0030

本実施形態のリチウム含有複合金属酸化物の空間群は、次のようにして確認することができる。

0031

まず、正極活物質について、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とする粉末X線回折測定を行い、次いでその結果をもとにリートベルト解析を行い、リチウム含有複合金属酸化物が有する結晶構造およびこの結晶構造における空間群を決定する。リートベルト解析は、材料の粉末X線回折測定における回折ピークのデータ(回折ピーク強度、回折角2θ)を用いて、材料の結晶構造を解析する手法であり、従来から使用されている手法である(例えば「粉末X線解析の実際−リートベルト法入門−」2002年2月10日発行、日本分析化学X線分析研究懇談会編、参照)。

0032

粒子径) 本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質の粒子形態は、一次粒子凝集して形成された二次粒子、あるいは一次粒子と、一次粒子が凝集して形成された二次粒子との混合物である。本実施形態において、正極活物質の一次粒子径は、0.1μm以上1μm以下である。より初回クーロン効率を高めるリチウム二次電池を得る意味で、一次粒子径は0.2μm以上0.9μm以下であることが好ましく、0.25μm以上0.8μm以下であることがより好ましい。一次粒子の平均粒子径は、SEMで観察することにより測定することができる。

0033

本実施形態において正極活物質の二次粒子径は、1μm以上10μm以下である。低温(たとえば0℃)環境下における放電容量を高めるリチウム電池を得る意味で、二次粒子径は9μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、7μm以下であることがさらに好ましい。また、電極密度を高める意味では、二次粒子径は2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、4μm以上であることがさらに好ましい。

0034

本実施形態において、正極活物質の「二次粒子径」とは、以下の方法(レーザー回折散乱法)によって測定される、50%累積体積粒度D50を指す。

0035

まず、正極活物質の粉末0.1gを、0.2質量%ヘキサメタりん酸ナトリウム水溶液50mlに投入し、該粉末を分散させた分散液を得る。 次に、得られた分散液についてマルバーン社製マスターサイザー2000(レーザー回折散乱粒度分布測定装置)を用いて、粒度分布を測定し、体積基準累積粒度分布曲線を得る。 そして、得られた累積粒度分布曲線において、50%累積時の微小粒子側から見た粒子径の値が、50%累積体積粒度D50であり、正極活物質の二次粒子径であるとした。また、10%累積時の微小粒子側から見た粒子径の値が10%累積体積粒度D10、90%累積時の微小粒子側から見た粒子径の値が90%累積体積粒度D90である。

0036

本実施形態のリチウム二次電池用正極活物質は、90%累積体積粒度D90と10%累積体積粒度D10との比率D90/D10が2以上6以下である。より電極密度を高める意味で、D90/D10は2.2以上であることが好ましく、2.4以上であることがより好ましい。また、より高い電流レートにおける放電容量を高めるリチウム電池を得る意味で、D90/D10は5.7以下であることが好ましく、5.5以下であることがより好ましい。 本実施形態において、D90/D10が低い値であると、粒度分布の幅が狭いことを示し、D90/D10が高い値であると、粒度分布の幅が広いことを示す。

0037

本実施形態の正極活物質においては、よりサイクル特性を高めるリチウム電池を得る意味で、10%累積体積粒度D10、50%累積体積粒度D50と90%累積体積粒度D90との関係式(D90−D10)/D50が1.00以上2.20以下であることが望ましい。本発明の効果をより高める意味で(D90−D10)/D50が1.10以上2.15以下であることが好ましく、1.20以上、2.10以下であることがより好ましい。

0038

(結晶子サイズ) 本実施形態の正極活物質においては、放電容量を高めるリチウム電池を得る意味で、CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、2θ=18.7±1°の範囲内のピーク(以下、ピークAと呼ぶこともある)における結晶子サイズが600Å以上であることが好ましく、650Å以上であることがより好ましく、700Å以上であることがさらに好ましい。また、サイクル特性を高めたリチウム電池を得る意味で、ピークAにおける結晶子サイズは1400Å以下であることが好ましく、1300Å以下であることがより好ましく、1250Å以下であることがさらに好ましい。 ピークAの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。 また、高い電流レートにおける放電容量を高めるリチウム電池を得る意味で、2θ=44.6±1°の範囲内のピーク(以下、ピークBと呼ぶこともある)における結晶子サイズは350Å以上700Å以下であることが好ましく、400Å以上700Å以下であることが好ましく、450Å以上700Å以下であることが好ましく、500Å以上675Å以下であることがより好ましい。ピークBの上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。 さらに、高温(たとえば60℃)環境下での保存特性を高めるリチウム電池を得る意味で、ピークAにおける結晶子サイズをピークBにおける結晶子サイズで除した値は、0.8以上2.8以下であることが好ましく、1.2以上2.2以下であることがより好ましい。

0039

本実施形態において、正極活物質のピークAにおける結晶子サイズおよびピークBにおける結晶子サイズは、以下のようにして確認することが出来る。

0040

まず、正極活物質について、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とする粉末X線回折測定を行い、ピークAおよびピークBに対応するピークを決定する。さらに、決定したそれぞれのピークの半値幅を算出し、Scherrer式 D=Kλ/Bcosθ (D:結晶子サイズ、K:Scherrer定数、B:ピーク線幅)を用いることで結晶子サイズを算出することが出来る。該式により、結晶子サイズを算出することは従来から使用されている手法である(例えば「X線構造解析原子の配列を決める−」2002年4月30日第3版発行、早稲田嘉夫、原栄一郎著、参照)。

0041

(BET比表面積) また、本実施形態の正極活物質のBET比表面積は、0.1m2/g以上2.0m2/g以下であることが好ましい。正極活物質のBET比表面積を上記の範囲とすることにより、得られるリチウム二次電池の低温における電池抵抗(即ち、リチウムイオンおよび電子拡散抵抗)を低減させることができる。本発明の効果をより高める意味で、リチウム含有複合金属酸化物のBET比表面積は、0.3m2/g以上であることが好ましく、0.5m2/g以上であることがより好ましい。また、充填性の観点でBET比表面積は1.8m2/g以下であることが好ましく、1.5m2/g以下であることがより好ましい。 BET比表面積の上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。

0042

本実施形態の正極活物質の、CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、ピークAにおける結晶子サイズ(Å)をαとし、BET比表面積(m2/g)をβとした、関係式(α/β)/1000の値は、0.5以上2.3以下の範囲であることが好ましい。これらにより得られるリチウム二次電池のサイクル特性を高め、かつ、放電容量を高めることができる。前述の効果をより高める意味で、(α/β)/1000は、0.6以上2.1以下が好ましく、0.7以上2.1以下が好ましく、0.7以上1.9以下が好ましく、0.8以上1.9以下がより好ましい。

0043

(残存アルカリ) 本実施形態の正極活物質の中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量は、0.1質量%以上0.8質量%以下である。サイクル特性を高めるリチウム電池を得る意味で0.2質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、充放電サイクル中における電池膨れを抑制する意味から、中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量は0.78質量%以下であることが好ましく、0.77質量%以下であることがより好ましい。

0044

本実施形態の正極活物質において、サイクル特性を高めるリチウム電池を得る意味で、中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量と水酸化リチウム量の和が0.2質量%以上であることが好ましく、0.25質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることがさらに好ましい。また、後述する電極ペーストの安定性を高める意味から、中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量と水酸化リチウム量の和が1.5質量%以下であることが好ましく、1.4質量%以下であることがより好ましく、1.3質量%以下であることがさらに好ましい。 炭酸リチウム量と水酸化リチウム量の和の上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。

0045

(粉体導電率) 本実施形態の正極活物質において、高い電流レートにおける放電容量を高める意味で、6.37kN/cm2加圧時における粉体導電率が1×10−3S/cm以上であることが好ましく、5×10−3S/cm以上であることがより好ましい。サイクル特性を高めるリチウム電池を得る意味で1×10−1S/cm以下であることが好ましく、8×10−2S/cm以下であることがより好ましい。 6.37kN/cm2加圧時における粉体導電率の上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。

0046

本発明のリチウム二次電池用正極活物質は、高いサイクル特性を有し、かつ高い放電容量を有する。その理由は、以下のように推察される。 本発明において、リチウム含有複合金属酸化物は、所定の粒子径を有しているため、表面積が増大することから、粒子同士の接触面積が増大するため抵抗を抑えることが可能となり、高い放電容量を達成できると考えられる。 さらに、本発明において、BET比表面積を高くすることにより、粒子内部に空隙が生じ、該粒子内部の空隙が充放電時の体積変化に伴う一次粒子間粒界に生じる応力の集中を緩和することが可能となるため、高いサイクル特性を達成できると考えられる。また、結晶子サイズを小さくすることにより、充放電時の体積変化を小さくすることが可能となるため、高いサイクル特性を達成できると考えられる。

0047

[リチウム含有複合金属酸化物の製造方法] 本発明のリチウム含有複合金属酸化物を製造するにあたって、まず、リチウム以外の金属、すなわち、Ni、Co及びMnの必須金属、並びに、Mg、Al、Zrのうちいずれか1種以上の任意金属を含む金属複合化合物を調製し、当該金属複合化合物を適当なリチウム塩焼成することが好ましい。金属複合化合物としては、金属複合水酸化物又は金属複合酸化物が好ましい。以下に、正極活物質の製造方法の一例を、金属複合化合物の製造工程と、リチウム含有複合金属酸化物の製造工程とに分けて説明する。

0048

(金属複合化合物の製造工程) 金属複合化合物は、通常公知のバッチ法又は共沈殿法により製造することが可能である。以下、金属として、ニッケル、コバルト及びマンガンを含む金属複合水酸化物を例に、その製造方法を詳述する。

0049

まず共沈殿法、特に特開2002−201028号公報に記載された連続法により、ニッケル塩溶液コバルト塩溶液マンガン塩溶液、及び錯化剤を反応させ、NisCotMnu(OH)2(式中、s+t+u=1)で表される複合金属水酸化物を製造する。

0050

上記ニッケル塩溶液の溶質であるニッケル塩としては、特に限定されないが、例えば硫酸ニッケル硝酸ニッケル塩化ニッケル及び酢酸ニッケルのうちの何れかを使用することができる。上記コバルト塩溶液の溶質であるコバルト塩としては、例えば硫酸コバルト硝酸コバルト、及び塩化コバルトのうちの何れかを使用することができる。上記マンガン塩溶液の溶質であるマンガン塩としては、例えば硫酸マンガン硝酸マンガン、及び塩化マンガンのうちの何れかを使用することができる。以上の金属塩は、上記NisCotMnu(OH)2の組成比に対応する割合で用いられる。また、溶媒として水が使用される。

0051

錯化剤としては、水溶液中で、ニッケル、コバルト、及びマンガンのイオン錯体を形成可能なものであり、例えばアンモニウムイオン供給体硫酸アンモニウム塩化アンモニウム炭酸アンモニウム弗化アンモニウム等)、ヒドラジンエチレンジアミン四酢酸ニトリロ三酢酸ウラシル二酢酸、及びグリシンが挙げられる。

0052

沈殿に際しては、水溶液のpH値を調整するため、必要ならばアルカリ金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム水酸化カリウム)を添加する。

0053

上記ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、及びマンガン塩溶液のほか、錯化剤を反応槽に連続して供給させると、ニッケル、コバルト、及びマンガンが反応し、NisCotMnu(OH)2が製造される。反応に際しては、反応槽の温度が例えば10℃以上60℃以下、好ましくは20〜60℃の範囲内で制御され、反応槽内のpH値は例えばpH9以上pH13以下、好ましくはpH11〜13の範囲内で制御され、反応槽内の物質が適宜撹拌される。反応槽は、形成された反応沈殿物を分離のためオーバーフローさせるタイプのものを使用することができる。

0054

以上の反応後、得られた反応沈殿物を水で洗浄した後、乾燥し、ニッケルコバルトマンガン複合化合物としてのニッケルコバルトマンガン水酸化物を単離する。また、必要に応じて弱酸水で洗浄してもよい。なお、上記の例では、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を製造しているが、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物を調製してもよい。

0055

反応槽に供給する金属塩の濃度、攪拌速度、反応温度、反応pH、及び後述する焼成条件等を適宜制御することにより、下記工程で最終的に得られるリチウム含有複合金属酸化物の一次粒子径、二次粒子径、各結晶子サイズ、BET比表面積等の各種物性を制御することができる。また、所望の粒子形態を実現するためには、上記の条件の制御に加えて、各種気体、例えば、窒素アルゴン二酸化炭素等の不活性ガス、空気、酸素等によるバブリングを併用してもよい。反応条件については、使用する反応槽のサイズ等にも依存することから、最終的に得られるリチウム複合酸化物の各種物性をモニタリングしつつ、反応条件を最適化すればよい。

0056

(リチウム含有複合金属酸化物の製造工程) 上記金属複合酸化物又は水酸化物を乾燥した後、リチウム塩と混合する。乾燥条件は、特に制限されないが、例えば、金属複合酸化物又は水酸化物が酸化還元されない条件(酸化物→酸化物、水酸化物→水酸化物)、金属複合水酸化物が酸化される条件(水酸化物→酸化物)、金属複合酸化物が還元される条件(酸化物→水酸化物)のいずれの条件でもよい。酸化・還元がされない条件のためには、窒素、ヘリウム及びアルゴン等の希ガス等の不活性ガスを使用すればよく、水酸化物が酸化される条件では、酸素又は空気を雰囲気下として行えばよい。また、金属複合酸化物が還元される条件としては、不活性ガス雰囲気下、ヒドラジン、亜硫酸ナトリウム等の還元剤を使用すればよい。リチウム塩としては、炭酸リチウム硝酸リチウム酢酸リチウム水酸化リチウム水酸化リチウム水和物酸化リチウムのうち何れか一つ、または、二つ以上を混合して使用することができる。

0057

金属複合酸化物又は水酸化物の乾燥後に、適宜分級を行ってもよい。以上のリチウム塩と金属複合金属水酸化物とは、最終目的物の組成比を案して用いられる。例えば、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を用いる場合、リチウム塩と当該複合金属水酸化物は、LiNisCotMnuO2(式中、s+t+u=1)の組成比に対応する割合で用いられる。ニッケルコバルトマンガン複合金属水酸化物及びリチウム塩の混合物を焼成することによって、リチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物が得られる。なお、焼成には、所望の組成に応じて乾燥空気酸素雰囲気不活性雰囲気等が用いられ、必要ならば複数の加熱工程が実施される。

0058

上記金属複合酸化物又は水酸化物と、水酸化リチウム、炭酸リチウム等のリチウム化合物との焼成温度としては、特に制限はないが、好ましくは800℃以上1100℃以下、より好ましくは810℃以上1000℃以下、とりわけ好ましくは820℃以上900℃以下である。焼成温度が800℃を下回ると、エネルギー密度(放電容量)及び高率放電性能が低下するという問題を生じやすい。これ以下の領域ではLiの移動を妨げる構造的要因内在している可能性がある。

0059

一方、焼成温度が1100℃を上回ると、Liの揮発によって目標とする組成の複合酸化物が得られにくいなどの作製上の問題や、粒子の高密度化によって電池性能が低下するという問題が生じやすい。これは、1100℃を上回ると、一次粒子成長速度が増加し、複合酸化物の結晶粒子が大きくなりすぎることに起因しているが、それに加えて、局所的にLi欠損量が増大して、構造的に不安定となっていることも原因ではないかと考えられる。

0060

さらに、高温になるほど、Li元素占有するサイトと、遷移金属元素が占有してなるサイト間元素置換極度に生じ、Li伝導パスが抑制されることによって放電容量は低下する。焼成温度を820℃以上900℃以下の範囲とすることによって、特に高いエネルギー密度(放電容量)を示し、充放電サイクル性能に優れた電池を作製できる。焼成時間は、5時間〜50時間が好ましい。焼成時間が50時間を超えると、Liの揮発によって実質的に電池性能に劣る傾向となる。焼成時間が5時間より少ないと、結晶発達が悪く、電池性能が悪くなる傾向となる。なお、上記の焼成の前に、仮焼成を行うことも有効である。この様な仮焼成の温度は、300〜800℃の範囲で、1〜10時間行うことが好ましい。仮焼成を行うことにより、焼成時間を短縮することができることもある。

0061

焼成によって得たリチウム含有複合金属酸化物は、粉砕後に適宜分級され、リチウム二次電池に適用可能な正極活物質とされる。

0062

[リチウム二次電池] 次いで、リチウム二次電池の構成を説明しながら、本実施形態のリチウム含有複合金属酸化物をリチウム二次電池の正極活物質として用いた正極、およびこの正極を有するリチウム二次電池について説明する。

0063

本実施形態のリチウム二次電池の一例は、正極および負極、正極と負極との間に挟持されるセパレータ、正極と負極との間に配置される電解液を有する。

0064

図1A及び図1Bは、本実施形態のリチウム二次電池に用いる電極群およびこれを用いたリチウム二次電池の一例を示す模式図である。本実施形態の円筒型のリチウム二次電池10は、次のようにして製造する。

0065

まず、図1Aに示すように、帯状を呈する一対のセパレータ1、一端に正極リード21を有する帯状の正極2、および一端に負極リード31を有する帯状の負極3を、セパレータ1、正極2、セパレータ1、負極3の順に積層し、巻回することにより電極群4とする。

0066

次いで、図1Bに示すように、電池缶5に電極群4および不図示のインシュレーターを収容した後、缶底封止し、電極群4に電解液6を含浸させ、正極2と負極3との間に電解質を配置する。さらに、電池缶5の上部をトップインシュレーター7および封口体8で封止することで、リチウム二次電池10を製造することができる。

0067

電極群4の形状としては、例えば、電極群4を巻回の軸に対して垂直方向に切断したときの断面形状が、円、楕円長方形、角を丸めた長方形となるような柱状の形状を挙げることができる。

0068

また、このような電極群4を有するリチウム二次電池の形状としては、国際電気標準会議IEC)が定めた電池に対する規格であるIEC60086、またはJIS C 8500で定められる形状を採用することができる。例えば、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。

0069

さらに、リチウム二次電池は、上記巻回型の構成に限らず、正極、セパレータ、負極、セパレータの積層構造を繰り返し重ねた積層型の構成であってもよい。積層型のリチウム二次電池としては、いわゆるコイン型電池ボタン型電池ペーパー型(またはシート型)電池を例示することができる。

0070

以下、各構成について順に説明する。(正極) 本実施形態の正極は、まず正極活物質、導電材およびバインダーを含む正極合剤を調整し、正極合剤を正極集電体担持させることで製造することができる。

0071

(導電材) 本実施形態の正極が有する導電材としては、炭素材料を用いることができる。炭素材料として黒鉛粉末カーボンブラック(例えばアセチレンブラック)、繊維状炭素材料などを挙げることができる。カーボンブラックは、微粒で表面積が大きいため、少量を正極合剤中に添加することにより正極内部の導電性を高め、充放電効率および出力特性を向上させることができるが、多く入れすぎるとバインダーによる正極合剤と正極集電体との結着力、および正極合剤内部の結着力がいずれも低下し、かえって内部抵抗を増加させる原因となる。

0072

正極合剤中の導電材の割合は、正極活物質100質量部に対して5質量部以上20質量部以下であると好ましい。導電材として黒鉛化炭素繊維カーボンナノチューブなどの繊維状炭素材料を用いる場合には、この割合を下げることも可能である。

0073

(バインダー) 本実施形態の正極が有するバインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができる。 この熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂ポリエチレンポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;を挙げることができる。

0074

これらの熱可塑性樹脂は、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、バインダーとしてフッ素樹脂およびポリオレフィン樹脂を用い、正極合剤全体に対するフッ素樹脂の割合を1質量%以上10質量%以下、ポリオレフィン樹脂の割合を0.1質量%以上2質量%以下とすることによって、正極集電体との密着力および正極合剤内部の結合力がいずれも高い正極合剤を得ることができる。

0075

(正極集電体) 本実施形態の正極が有する正極集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどの金属材料形成材料とする帯状の部材を用いることができる。なかでも、加工しやすく、安価であるという点でAlを形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。

0076

正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、正極合剤を正極集電体上で加圧成型する方法が挙げられる。また、有機溶媒を用いて正極合剤をペースト化し、得られる正極合剤のペーストを正極集電体の少なくとも一面側に塗布して乾燥させ、プレスし固着することで、正極集電体に正極合剤を担持させてもよい。

0077

正極合剤をペースト化する場合、用いることができる有機溶媒としては、N,N—ジメチルアミノプロピルアミンジエチレントリアミンなどのアミン系溶媒テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒酢酸メチルなどのエステル系溶媒ジメチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)などのアミド系溶媒;が挙げられる。

0078

正極合剤のペーストを正極集電体へ塗布する方法としては、例えば、スリットダイ工法スクリーン塗工法、カーテン塗工法ナイフ塗工法、グラビア塗工法および静電スプレー法が挙げられる。

0079

以上に挙げられた方法により、正極を製造することができる。(負極) 本実施形態のリチウム二次電池が有する負極は、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能であればよく、負極活物質を含む負極合剤負極集電体に担持されてなる電極、および負極活物質単独からなる電極を挙げることができる。

0080

(負極活物質) 負極が有する負極活物質としては、炭素材料、カルコゲン化合物(酸化物、硫化物など)、窒化物、金属または合金で、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープかつ脱ドープが可能な材料が挙げられる。

0081

負極活物質として使用可能な炭素材料としては、天然黒鉛人造黒鉛などの黒鉛コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維および有機高分子化合物焼成体を挙げることができる。

0082

負極活物質として使用可能な酸化物としては、SiO2、SiOなど式SiOx(ここで、xは正の実数)で表されるケイ素の酸化物;TiO2、TiOなど式TiOx(ここで、xは正の実数)で表されるチタンの酸化物;V2O5、VO2など式VOx(ここで、xは正の実数)で表されるバナジウムの酸化物;Fe3O4、Fe2O3、FeOなど式FeOx(ここで、xは正の実数)で表される鉄の酸化物;SnO2、SnOなど式SnOx(ここで、xは正の実数)で表されるスズの酸化物;WO3、WO2など一般式WOx(ここで、xは正の実数)で表されるタングステンの酸化物;Li4Ti5O12、LiVO2などのリチウムとチタンまたはバナジウムとを含有する複合金属酸化物;を挙げることができる。

0083

負極活物質として使用可能な硫化物としては、Ti2S3、TiS2、TiSなど式TiSx(ここで、xは正の実数)で表されるチタンの硫化物;V3S4、VS2、VSなど式VSx(ここで、xは正の実数)で表されるバナジウムの硫化物;Fe3S4、FeS2、FeSなど式FeSx(ここで、xは正の実数)で表される鉄の硫化物;Mo2S3、MoS2など式MoSx(ここで、xは正の実数)で表されるモリブデンの硫化物;SnS2、SnSなど式SnSx(ここで、xは正の実数)で表されるスズの硫化物;WS2など式WSx(ここで、xは正の実数)で表されるタングステンの硫化物;Sb2S3など式SbSx(ここで、xは正の実数)で表されるアンチモンの硫化物;Se5S3、SeS2、SeSなど式SeSx(ここで、xは正の実数)で表されるセレンの硫化物;を挙げることができる。

0084

負極活物質として使用可能な窒化物としては、Li3N、Li3−xAxN(ここで、AはNiおよびCoのいずれか一方または両方であり、0<x<3である。)などのリチウム含有窒化物を挙げることができる。

0085

これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物は、1種のみ用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。また、これらの炭素材料、酸化物、硫化物、窒化物は、結晶質または非晶質のいずれでもよい。

0086

また、負極活物質として使用可能な金属としては、リチウム金属シリコン金属およびスズ金属などを挙げることができる。

0087

負極活物質として使用可能な合金としては、Li−Al、Li−Ni、Li−Si、Li−Sn、Li−Sn−Niなどのリチウム合金;Si−Znなどのシリコン合金;Sn−Mn、Sn−Co、Sn−Ni、Sn−Cu、Sn−Laなどのスズ合金;Cu2Sb、La3Ni2Sn7などの合金;を挙げることもできる。

0088

これらの金属や合金は、例えば箔状に加工された後、主に単独で電極として用いられる。

0089

上記負極活物質の中では、充電時に未充電状態から満充電状態にかけて負極の電位がほとんど変化しない(電位平坦性がよい)、平均放電電位が低い、繰り返し充放電させたときの容量維持率が高い(サイクル特性がよい)などの理由から、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛を主成分とする炭素材料が好ましく用いられる。炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粉末凝集体などのいずれでもよい。

0090

前記の負極合剤は、必要に応じて、バインダーを含有してもよい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、PVdF、熱可塑性ポリイミドカルボキシメチルセルロース、ポリエチレンおよびポリプロピレンを挙げることができる。

0091

(負極集電体) 負極が有する負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどの金属材料を形成材料とする帯状の部材を挙げることができる。なかでも、リチウムと合金を作り難く、加工しやすいという点で、Cuを形成材料とし、薄膜状に加工したものが好ましい。

0092

このような負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、正極の場合と同様に、加圧成型による方法、溶媒などを用いてペースト化し負極集電体上に塗布、乾燥後プレスし圧着する方法が挙げられる。

0093

(セパレータ) 本実施形態のリチウム二次電池が有するセパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質膜、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。また、これらの材質を2種以上用いてセパレータを形成してもよいし、これらの材料を積層してセパレータを形成してもよい。

0094

本実施形態において、セパレータは、電池使用時(充放電時)に電解質を良好に透過させるため、JIS P 8117で定められるガーレー法による透気抵抗度が、50秒/100cc以上、300秒/100cc以下であることが好ましく、50秒/100cc以上、200秒/100cc以下であることがより好ましい。

0095

また、セパレータの空孔率は、好ましくは30体積%以上80体積%以下、より好ましくは40体積%以上70体積%以下である。セパレータは空孔率の異なるセパレータを積層したものであってもよい。

0096

(電解液) 本実施形態のリチウム二次電池が有する電解液は、電解質および有機溶媒を含有する。

0097

電解液に含まれる電解質としては、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(COCF3)、Li(C4F9SO3)、LiC(SO2CF3)3、Li2B10Cl10、LiBOB(ここで、BOBは、bis(oxalato)borateのことである。)、LiFSI(ここで、FSIはbis(fluorosulfonyl)imideのことである)、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlCl4などのリチウム塩が挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用してもよい。なかでも電解質としては、フッ素を含むLiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2およびLiC(SO2CF3)3からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。

0098

また前記電解液に含まれる有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネートエチレンカーボネートジメチルカーボネートジエチルカーボネートエチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシエタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパンペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類アセトニトリルブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカルバメート類スルホランジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物、またはこれらの有機溶媒にさらにフルオロ基を導入したもの(有機溶媒が有する水素原子のうち1以上をフッ素原子置換したもの)を用いることができる。

0099

有機溶媒としては、これらのうちの2種以上を混合して用いることが好ましい。中でもカーボネート類を含む混合溶媒が好ましく、環状カーボネート非環状カーボネートとの混合溶媒および環状カーボネートとエーテル類との混合溶媒がさらに好ましい。環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。このような混合溶媒を用いた電解液は、動作温度範囲が広く、高い電流レートにおける充放電を行っても劣化し難く、長時間使用しても劣化し難く、かつ負極の活物質として天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛材料を用いた場合でも難分解性であるという多くの有利な特長を有する。

0100

また、電解液としては、得られるリチウム二次電池の安全性が高まるため、LiPF6などのフッ素を含むリチウム塩およびフッ素置換基を有する有機溶媒を含む電解液を用いることが好ましい。ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテルなどのフッ素置換基を有するエーテル類とジメチルカーボネートとを含む混合溶媒は、高い電流レートにおける充放電を行っても容量維持率が高いため、さらに好ましい。

0101

上記の電解液の代わりに固体電解質を用いてもよい。固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物ポリオルガノシロキサン鎖またはポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などの有機系高分子電解質を用いることができる。また、高分子化合物に非水電解液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。またLi2S−SiS2、Li2S−GeS2、Li2S−P2S5、Li2S−B2S3、Li2S−SiS2−Li3PO4、Li2S−SiS2−Li2SO4、Li2S−GeS2−P2S5などの硫化物を含む無機系固体電解質が挙げられ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。これら固体電解質を用いることで、リチウム二次電池の安全性をより高めることができることがある。

0102

また、本実施形態のリチウム二次電池において、固体電解質を用いる場合には、固体電解質がセパレータの役割を果たす場合もあり、その場合には、セパレータを必要としないこともある。

0103

以上のような構成の正極活物質は、上述した本実施形態のリチウム含有複合金属酸化物を用いているため、正極活物質を用いたリチウム二次電池を、従来よりも高いサイクル特性、かつ、高い放電容量を有するものとすることができる。

0104

また、以上のような構成の正極は、上述した本実施形態のリチウム含有複合金属酸化物を用いた正極活物質を有するため、リチウム二次電池を、高いサイクル特性、かつ、高い放電容量を有するものとすることができる。

0105

さらに、以上のような構成のリチウム二次電池は、上述した正極を有するため、従来よりも高いサイクル特性、かつ、高い放電容量を有するリチウム二次電池となる。

0106

次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。 本実施例においては、リチウム含有複合金属酸化物(正極活物質)の評価、正極およびリチウム二次電池の作製評価を、次のようにして行った。

0107

(1)リチウム二次電池用正極活物質の評価1.リチウム二次電池用正極活物質の組成分析後述の方法で製造されるリチウム含有複合金属酸化物の組成分析は、得られたリチウム含有複合金属酸化物の粉末を塩酸に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分析装置エスアイアイナノテクノロジー株式会社製、SPS3000)を用いて行った。

0108

2.リチウム二次電池用正極活物質の一次粒子径の測定 測定するリチウム含有複合金属酸化物の粒子を、サンプルステージの上に貼った導電性シート上に載せ、日本電子株式会社製JSM−5510を用いて、加速電圧が20kVの電子線を照射してSEM観察を行った。SEM観察により得られた画像(SEM写真)から任意に50個の一次粒子を抽出し、それぞれの一次粒子について、一次粒子の投影像を一定方向から引いた平行線ではさんだ平行線間の距離(定方向径)を一次粒子の粒子径として測定した。得られた粒子径の算術平均値を、リチウム含有複合金属酸化物の平均一次粒子径とした。

0109

3.リチウム二次電池用正極活物質の累積粒度の測定 測定するリチウム含有複合金属酸化物の粉末0.1gを、0.2質量%ヘキサメタりん酸ナトリウム水溶液50mlに投入し、該粉末を分散させた分散液を得た。得られた分散液についてマルバーン社製マスターサイザー2000(レーザー回折散乱粒度分布測定装置)を用いて、粒度分布を測定し、体積基準の累積粒度分布曲線を得た。得られた累積粒度分布曲線において、微小粒子側から見て10%累積時、50%累積時、90%累積時の体積粒度をそれぞれ、D10、D50、D90とした。

0110

4.リチウム二次電池用正極活物質の結晶子サイズ測定リチウム含有複合金属酸化物の粉末X線回折測定は、X線回折装置(X‘Prt PRO、PANalytical社)を用いて行った。得られたリチウム含有複合金属酸化物を専用の基板充填し、CuKα線源を用いて、回折角2θ=10°〜90°の範囲にて測定を行うことで、粉末X線回折図形を得た。粉末X線回折パターン総合解析ソフトウェアJADE5を用い、該粉末X線回折図形からピークAに対応するピークの半値幅およびピークBに対応するピークの半値幅を得て、Scherrer式により、結晶子サイズを算出した。

0111

5.リチウム二次電池用正極活物質のBET比表面積測定 測定するリチウム含有複合金属酸化物の粉末1gを窒素雰囲気中、150℃で15分間乾燥させた後、マイクロメリティックス製フローソーブII2300を用いて測定した。

0112

6.リチウム二次電池用正極活物質の残存アルカリ量の定量リチウム含有複合金属酸化物20gと純水100gを100mLビーカーに入れ、5分間撹拌した。撹拌後、リチウム含有複合金属酸化物を濾過し、残った濾液の60gに0.1mol/L塩酸を滴下し、pHメーターにて濾液のpHを測定した。pH=8.3±0.1時の塩酸の滴定量をA mL、pH=4.5±0.1時の塩酸の滴定量をB mLとして、下記の計算式より、リチウム含有複合金属酸化物中に残存する水酸化リチウム濃度、炭酸リチウム濃度を算出した。水酸化リチウム濃度(%)=0.1×(2A−B)/1000×23.941/(20×60/100)×100炭酸リチウム濃度(%)=0.1×(B−A)/1000×73.882/(20×60/100)×100

0113

7.粉体導電率の測定 粉体導電率測定は、三菱化学アナリテック社製MCP−PD51を用いて、下記条件にて行った。リチウム含有複合金属酸化物量 : 4.0gステージの直径 : 20mm 圧力 : 20kN

0114

(2)正極の作製 後述する製造方法で得られるリチウム含有複合金属酸化物(正極活物質)と導電材(アセチレンブラック)とバインダー(PVdF)とを、正極活物質:導電材:バインダー=92:5:3(質量比)の組成となるように加えて混練することにより、ペースト状の正極合剤を調製した。正極合剤の調製時には、N−メチル−2−ピロリドンを有機溶媒として用いた。 得られた正極合剤を、集電体となる厚さ40μmのAl箔に塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、正極を得た。この正極の電極面積は1.65cm2とした。

0115

(3)リチウム二次電池(コイン型セル)の作製 以下の操作を、アルゴン雰囲気グローブボックス内で行った。 「(2)正極の作製」で作成した正極を、コイン型電池R2032用のコインセル(宝株式会社製)の下蓋にアルミ箔面を下に向けて置き、その上に積層フィルムセパレータ(ポリエチレン製多孔質フィルムの上に、耐熱多孔層を積層(厚み16μm))を置いた。ここに電解液を300μL注入した。用いた電解液は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとの16:10:74(体積比混合液に、ビニレンカーボネートを1vol%、LiPF6を1.3mol/Lとなるように溶解して調製した。 次に、負極として人造黒鉛(日立化成社製MAGD)を用いて、前記負極を積層フィルムセパレータの上側に置き、ガスケットを介して上蓋をし、かしめ機でかしめてリチウム二次電池(コイン型電池R2032。以下、「コイン型電池」と称することがある。)を作製した。

0116

(4)充放電試験「(3)リチウム二次電池(コイン型セル)の作製」で作製したコイン型電池を用いて、以下に示す条件で負極を活性化した。活性化処理における、充電容量および放電容量をそれぞれ以下のようにして求めた。

0117

<負極の活性化>処理温度:25℃充電時条件:充電最大電圧4.2V、充電時間5時間、充電電流0.2CA放電時条件:放電最小電圧2.7V、放電時間5時間、放電電流0.2CA

0118

サイクル試験> 上記で充放電試験を実施したコイン型セルを用いて、以下に示す条件にて、200回のサイクル試験にて寿命評価を実施し、200回後放電容量維持率を以下の式にて算出した。なお、200回後の放電容量維持率が高いほど、寿命特性がよいことを示している。200回後の放電容量維持率(%)=200回目の放電容量/1回目の放電容量×100

0119

<サイクル試験条件>試験温度:60℃充電時条件:充電時最大電圧4.1V、充電時間0.5時間、充電電流2.0CA 充電後休止時間:10分放電時条件:放電時最小電圧3.0V、放電時間0.5時間、放電電流2.0CA 放電後休止時間:10分 本試験において、充電、充電休止、放電、放電休止を順に実施した工程を1回としている。

0120

(実施例1)1.リチウム含有複合金属酸化物1の製造攪拌器およびオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃に保持した。

0121

硫酸ニッケル水溶液硫酸コバルト水溶液硫酸マンガン水溶液とを、ニッケル原子コバルト原子マンガン原子との原子比が0.60:0.20:0.20となるように混合して、混合原料液を調整した。

0122

次に、反応槽内に、攪拌下、この混合原料溶液硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加し、反応槽内の溶液のpHが12.2になるよう水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子1を得た。得られた粒子を、濾過後水洗し、100℃で乾燥することにより、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物1の乾燥粉末を得た。このニッケルコバルトマンガン複合水酸化物1のBET比表面積は、10.3m2/gであった。

0123

以上のようにして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物1の乾燥粉末と炭酸リチウム粉末とをLi/(Ni+Co+Mn)=1.05となるように量して混合した後、大気雰囲気下760℃で5時間焼成し、焼成物1Aを得た。次いで、得られた焼成物1Aを酸素雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物1すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物1を得た。

0124

2.リチウム含有複合金属酸化物の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物1の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Co:Mnのモル比は、1.05:0.61:0.20:0.19であった。

0125

リチウム含有複合金属酸化物1の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.28μm、6.4μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ3.2、12.4μmであり、D90/D10は、3.9であった。

0126

リチウム含有複合金属酸化物1のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ700Å、425Åであった。

0127

リチウム含有複合金属酸化物1のBET比表面積は、0.60m2/gであり、(α/β)/1000は、1.17であった。

0128

リチウム含有複合金属酸化物1に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.17質量%、0.14質量%であった。

0129

リチウム含有複合金属酸化物1の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、1.22×10−2S/cmであった。

0130

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質1を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ151mAh/g、139mAh/g、92%であった。

0131

(実施例2)1.リチウム含有複合金属酸化物2の製造反応槽内の溶液のpHが12.4になるよう水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下した以外は実施例1と同様の操作を行い、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物2を得た。このニッケルコバルトマンガン複合水酸化物2のBET比表面積は、39.9m2/gであった。

0132

以上のようにして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物2の乾燥粉末に対してLi/(Ni+Co+Mn)=1.05となるように秤量して混合した後、大気雰囲気下760℃で5時間焼成し、焼成物2Aを得た。次いで、得られた焼成物2Aを大気雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物2すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物2を得た。

0133

2.リチウム含有複合金属酸化物2の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物2の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.08:0.60:0.20:0.20であった。

0134

リチウム含有複合金属酸化物2の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.42μm、5.5μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ2.4、13.2μmであり、D90/D10は、5.5であった。

0135

リチウム含有複合金属酸化物2のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ857Å、520Åであった。

0136

リチウム含有複合金属酸化物2のBET比表面積は、1.00m2/gであり、(α/β)/1000は、0.86であった。

0137

リチウム含有複合金属酸化物2に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.30質量%、0.76質量%であった。

0138

リチウム含有複合金属酸化物2の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、3.86×10−3S/cmであった。

0139

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質2を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ150mAh/g、130mAh/g、87%であった。

0140

(実施例3)1.リチウム含有複合金属酸化物3の製造 実施例2で得られた焼成物2Aを酸素雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物3すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物3を得た。

0141

2.リチウム含有複合金属酸化物3の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物3の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.10:0.60:0.20:0.20であった。

0142

リチウム含有複合金属酸化物3の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.32μm、5.2μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ2.4、8.4μmであり、D90/D10は、3.5であった。

0143

リチウム含有複合金属酸化物3のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ789Å、464Åであった。

0144

リチウム含有複合金属酸化物3のBET比表面積は、0.60m2/gであり、(α/β)/1000は、1.32であった。

0145

リチウム含有複合金属酸化物3に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.40質量%、0.22質量%であった。

0146

リチウム含有複合金属酸化物3の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、4.72×10−3S/cmであった。

0147

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質3を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ154mAh/g、139mAh/g、90%であった。

0148

(実施例4)1.リチウム含有複合金属酸化物4の製造反応槽内の液温を45℃とし、反応槽内の溶液のpHが12.8になるよう水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下しした以外は実施例1と同様の操作を行い、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物3を得た。このニッケルコバルトマンガン複合水酸化物3のBET比表面積は、73.4m2/gであった。

0149

得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物3の乾燥粉末に対してLi/(Ni+Co+Mn)=1.05となるように秤量して混合した後、大気雰囲気下760℃で5時間焼成し、焼成物4Aを得た。次いで、得られた焼成物4Aを大気雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物4すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物4を得た。

0150

2.リチウム含有複合金属酸化物4の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物4の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.09:0.60:0.20:0.20であった。

0151

リチウム含有複合金属酸化物4の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.40μm、5.1μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ2.6、9.8μmであり、D90/D10は、3.8であった。

0152

リチウム含有複合金属酸化物4のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ866Å、520Åであった。

0153

リチウム含有複合金属酸化物4のBET比表面積は、0.79m2/gであり、(α/β)/1000は、1.10であった。

0154

リチウム含有複合金属酸化物4に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.47質量%、0.35質量%であった。

0155

リチウム含有複合金属酸化物4の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、3.03×10−3S/cmであった。

0156

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質4を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ153mAh/g、137mAh/g、90%であった。

0157

(比較例1)1.リチウム含有複合金属酸化物5の製造 実施例1で得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物1の乾燥粉末に対してLi/(Ni+Co+Mn)=1.05となるように秤量して混合した後、大気雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物5すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物5を得た。

0158

2.リチウム含有複合金属酸化物5の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物5の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.07:0.60:0.20:0.20であった。

0159

リチウム含有複合金属酸化物5の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.35μm、11.9μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ4.7、31.4μmであり、D90/D10は、6.7であった。

0160

リチウム含有複合金属酸化物5のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ1365Å、693Åであった。

0161

リチウム含有複合金属酸化物5のBET比表面積は、0.58m2/gであり、(α/β)/1000は、2.35であった。

0162

リチウム含有複合金属酸化物5に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.17質量%、1.60質量%であった。

0163

リチウム含有複合金属酸化物5の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、2.00×10−3S/cmであった。

0164

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質5を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ155mAh/g、129mAh/g、83%であった。

0165

(比較例2)1.リチウム含有複合金属酸化物6の製造 実施例1で得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物1の乾燥粉末に対してLi/(Ni+Co+Mn)=1.05となるように秤量して混合した後、大気雰囲気下900℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物6すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物6を得た。

0166

2.リチウム含有複合金属酸化物6の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物6の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.04:0.60:0.20:0.20であった。

0167

リチウム含有複合金属酸化物6の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ1.51μm、11.4μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ3.0、33.3μmであり、D90/D10は、11.1であった。

0168

リチウム含有複合金属酸化物6のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ1872Å、987Åであった。

0169

リチウム含有複合金属酸化物6のBET比表面積は、0.38m2/gであり、(α/β)/1000は、4.93であった。

0170

リチウム含有複合金属酸化物6に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.13質量%、0.88質量%であった。

0171

リチウム含有複合金属酸化物6の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、4.43×10−3S/cmであった。

0172

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質6を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ135mAh/g、114mAh/g、84%であった。

0173

評価の結果、実施例1〜4のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池では、いずれも、比較例2のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池よりも高容量であることを示す。また、実施例1〜4のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池では、いずれも、比較例1および2のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池よりも高いサイクル特性を有することを示す。

0174

(実施例5) 1.リチウム含有複合金属酸化物7の製造攪拌器およびオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を45℃に保持した。

0175

硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液と硫酸マンガン水溶液とを、ニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子との原子比が0.58:0.17:0.25となるように混合して、混合原料液を調整した。

0176

次に、反応槽内に、攪拌下、この混合原料溶液と硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加し、反応槽内の溶液のpHが12.5になるよう水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得た。得られた粒子を、濾過後水洗し、100℃で乾燥することにより、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物4の乾燥粉末を得た。このニッケルコバルトマンガン複合水酸化物4のBET比表面積は、70.3m2/gであった。

0177

以上のようにして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の乾燥粉末と炭酸リチウム粉末とをLi/(Ni+Co+Mn)=1.05となるように秤量して混合した後、大気雰囲気下760℃で5時間焼成し、焼成物7Aを得た。次いで、得られた焼成物7Aを酸素雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物7すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物7を得た。

0178

2.リチウム含有複合金属酸化物7の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物7の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.13:0.58:0.25:0.17であった。

0179

リチウム含有複合金属酸化物7の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.35μm、4.6μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ2.4、8.8μmであり、D90/D10は、3.7であった。

0180

リチウム含有複合金属酸化物7のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ848Å、488Åであった。

0181

リチウム含有複合金属酸化物7のBET比表面積は、0.79m2/gであり、(α/β)/1000は、1.07であった。

0182

リチウム含有複合金属酸化物7に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.60質量%、0.35質量%であった。

0183

リチウム含有複合金属酸化物7の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、1.62×10−3S/cmであった。

0184

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質7を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ149mAh/g、138mAh/g、93%であった。

0185

(実施例6) 1.リチウム含有複合金属酸化物8の製造反応槽内の溶液のpHを12.7とした以外は実施例5と同様の操作を行い、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物5を得た。このニッケルコバルトマンガン複合水酸化物5のBET比表面積は、75.3m2/gであった。

0186

以上のようにして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物5の乾燥粉末に対してLi/(Ni+Co+Mn)=1.05となるように秤量して混合した後、大気雰囲気下760℃で5時間焼成し、焼成物8Aを得た。次いで、得られた焼成物8Aを大気雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物8すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物8を得た。

0187

2.リチウム含有複合金属酸化物8の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物8の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.12:0.58:0.25:0.17であった。

0188

リチウム含有複合金属酸化物8の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.33μm、4.8μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ2.3、10.0μmであり、D90/D10は、4.3であった。

0189

リチウム含有複合金属酸化物8のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ847Å、505Åであった。

0190

リチウム含有複合金属酸化物8のBET比表面積は、0.81m2/gであり、(α/β)/1000は、1.05であった。

0191

リチウム含有複合金属酸化物8に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.64質量%、0.31質量%であった。

0192

リチウム含有複合金属酸化物8の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、1.69×10−3S/cmであった。

0193

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質8を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ151mAh/g、135mAh/g、89%であった。

0194

(実施例7) 1.リチウム含有複合金属酸化物9の製造反応槽内の溶液のpHを12.6した以外は実施例5と同様の操作を行い、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物6を得た。このニッケルコバルトマンガン複合水酸化物6のBET比表面積は、80.9m2/gであった。

0195

以上のようにして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物6の乾燥粉末に対してLi/(Ni+Co+Mn)=1.05となるように秤量して混合した後、大気雰囲気下760℃で5時間焼成し、焼成物9Aを得た。次いで、得られた焼成物9Aを大気雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物9すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物9を得た。

0196

2.リチウム含有複合金属酸化物9の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物9の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.10:0.58:0.25:0.17であった。

0197

リチウム含有複合金属酸化物9の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.30μm、3.0μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ1.7、5.4μmであり、D90/D10は、3.2であった。

0198

リチウム含有複合金属酸化物9のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ848Å、496Åであった。

0199

リチウム含有複合金属酸化物9のBET比表面積は、1.20m2/gであり、(α/β)/1000は、0.71であった。

0200

リチウム含有複合金属酸化物9に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.62質量%、0.27質量%であった。

0201

リチウム含有複合金属酸化物9の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、1.39×10−3S/cmであった。

0202

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質9を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ150mAh/g、138mAh/g、92%であった。

0203

評価の結果、実施例5〜7のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池では、いずれも、比較例2のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池よりも高容量であることを示す。 また、実施例5〜7のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池では、いずれも、比較例1および2のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池よりも高いサイクル特性を有することを示す。

0204

(実施例8) 1.リチウム含有複合金属酸化物10の製造攪拌器およびオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃に保持した。

0205

硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液と硫酸マンガン水溶液とを、ニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子との原子比が0.55:0.21:0.24となるように混合して、混合原料液を調整した。

0206

次に、反応槽内に、攪拌下、この混合原料溶液と硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加し、反応槽内の溶液のpHが12.0になるよう水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子7を得た。得られた粒子を、濾過後水洗し、100℃で乾燥することにより、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物7の乾燥粉末を得た。このニッケルコバルトマンガン複合水酸化物7のBET比表面積は、60.3m2/gであった。

0207

以上のようにして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物7の乾燥粉末と炭酸リチウム粉末とをLi/(Ni+Co+Mn)=1.02となるように秤量して混合した後、大気雰囲気下760℃で5時間焼成し、焼成物10Aを得た。次いで、得られた焼成物10Aを大気雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物10すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物10を得た。

0208

2.リチウム含有複合金属酸化物10の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物10の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.07:0.55:0.24:0.21であった。

0209

リチウム含有複合金属酸化物10の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.25μm、3.2μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ1.9、5.5μmであり、D90/D10は、2.9であった。

0210

リチウム含有複合金属酸化物10のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ805Å、496Åであった。

0211

リチウム含有複合金属酸化物10のBET比表面積は、1.75m2/gであり、(α/β)/1000は、0.46であった。

0212

リチウム含有複合金属酸化物10に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.24質量%、0.34質量%であった。

0213

リチウム含有複合金属酸化物10の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、1.46×10−3S/cmであった。

0214

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質10を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ151mAh/g、143mAh/g、90%であった。

0215

(実施例9) 1.リチウム含有複合金属酸化物11の製造攪拌器およびオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃に保持した。

0216

硫酸ニッケル水溶液と硫酸コバルト水溶液と硫酸マンガン水溶液とを、ニッケル原子とコバルト原子とマンガン原子との原子比が0.55:0.21:0.24となるように混合して、混合原料液を調整した。

0217

次に、反応槽内に、攪拌下、この混合原料溶液と硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加し、反応槽内の溶液のpHが12.1になるよう水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得た。得られた粒子を、濾過後水洗し、100℃で乾燥することにより、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物8の乾燥粉末を得た。このニッケルコバルトマンガン複合水酸化物8のBET比表面積は、82.5m2/gであった。

0218

以上のようにして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物8の乾燥粉末と炭酸リチウム粉末とをLi/(Ni+Co+Mn)=1.02となるように秤量して混合した後、大気雰囲気下760℃で5時間焼成し、焼成物11Aを得た。次いで、得られた焼成物11Aを大気雰囲気下850℃で10時間焼成して、目的のリチウム含有複合金属酸化物11すなわちリチウム−ニッケルコバルトマンガン複合酸化物11を得た。

0219

2.リチウム含有複合金属酸化物11の評価 得られたリチウム含有複合金属酸化物11の組成分析を行ったところ、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.07:0.55:0.24:0.21であった。

0220

リチウム含有複合金属酸化物11の一次粒子径、50%累積体積粒度D50は、それぞれ0.21μm、2.9μmであった。また、10%累積体積粒度D10、90%累積体積粒度D90は、それぞれ1.9、4.5μmであり、D90/D10は、2.4であった。

0221

リチウム含有複合金属酸化物11のピークA、ピークBから算出される結晶子サイズは、それぞれ774Å、514Åであった。

0222

リチウム含有複合金属酸化物11のBET比表面積は、2.34m2/gであり、(α/β)/1000は、0.33であった。

0223

リチウム含有複合金属酸化物11に残存している水酸化リチウム量、炭酸リチウム量は、それぞれ0.27質量%、0.35質量%であった。

0224

リチウム含有複合金属酸化物11の6.37kN/cm2加圧時の粉体導電率は、0.95×10−3S/cmであった。

0225

3.リチウム二次電池の電池評価正極活物質11を用いてコイン型電池を作製し、サイクル試験を実施した。1回目の放電容量、200回目の放電容量、放電容量維持率は、それぞれ147mAh/g、131mAh/g、89%であった。

0226

評価の結果、実施例8および9のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池では、いずれも、比較例2のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池よりも高容量であることを示す。 また、実施例8および9のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池では、いずれも、比較例1および2のリチウム含有複合金属酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池よりも高いサイクル特性を有することを示す。

0227

以下、表1〜3に実施例および比較例の結果等をまとめて記載する。下記表2中、「炭酸リチウム量」、「水酸化リチウム量」は、中和滴定により測定された粒子表面の残存アルカリに含まれる炭酸リチウム量又は水酸化リチウム量を示す。また、「水酸化リチウム量と炭酸リチウム量との和」は、該方法により測定した炭酸リチウム量及び水酸化リチウム量の和を示す。

0228

0229

実施例

0230

0231

1セパレータ2 正極3 負極4電極群5電池缶6電解液7トップインシュレーター8封口体10リチウム二次電池21正極リード31 負極リード

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ