図面 (/)

技術 オートファジーの測定に好適な融合タンパク質、前記融合タンパク質をコードする核酸、及びそれらの利用

出願人 国立大学法人東京大学
発明者 水島昇
出願日 2015年5月21日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-521143
公開日 2017年4月20日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 WO2015-178444
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード フリーソフトウェア 全身像 ブラインシュリンプ 分解システム 微分干渉像 人工餌 富栄養 冷却型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、オートファジー活性を正確、かつ定量的に測定できる簡便なオートファジーの測定方法を提供することを課題とする。 第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とが融合されている融合タンパク質、前記融合タンパク質をコードする塩基配列を含む核酸、前記核酸を含むベクター、前記核酸及び前記ベクターの少なくともいずれかが導入された細胞又はトランスジェニック非ヒト生物、並びに、前記細胞又はトランスジェニック非ヒト生物を用いるオートファジーの測定方法を提供する。

概要

背景

オートファジーは、細胞内の代表的な分解システムであり、オートファゴソームに囲まれた細胞質成分が、リソソームへ運ばれて分解される。オートファジーには、細胞内の不良又は老廃物の処理、飢餓時の栄養素自給、胚発生神経変性や癌の抑止、細胞内侵入細菌の分解などの多くの働きがある。また、最近では、オートファジー関連遺伝子の異常が、神経変性疾患の原因であることが判明し、オートファジーが創薬の対象としても注目されている。

オートファジーに関連する基礎及び応用研究では、オートファジーの活性を定量的に評価することは、必要かつ重要である。 しかし、従来の方法は、顕微鏡でオートファゴソームの数を数える、又はオートファジーに伴う分子修飾を検出するなど、煩雑で定量性欠けるものが主であった。

また、オートファジーによって分解される基質の量を測定し、オートファジーの活性を測定する方法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。具体的には、基質であるLC3タンパク質蛍光タンパク質との融合タンパク質とし、フローサイトメトリーにより、前記融合タンパク質の総量を定量する方法である。前記提案によれば、融合タンパク質の総量が減少した場合には、オートファジーが活性化されたと判断することができる。 しかしながら、前記提案では、LC3タンパク質の合成量の変動が考慮されないという問題がある。即ち、オートファジーが活性化されたことにより、LC3タンパク質の量が減少したのか、LC3タンパク質の合成が抑制されたことにより、LC3タンパク質の量が減少したのかを判別できないという問題がある。前記問題は、オートファジーに対する薬のスクリーニングなど、長期間の測定が必要な場合には、顕著な問題となる。

また、2種類の細胞を用いてオートファジーの活性を測定する方法も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。具体的には、オートファジーにより分解されるLC3タンパク質をタグとの融合タンパク質として発現させた細胞と、オートファジーにより分解されないLC3タンパク質変異体をタグとの融合タンパク質として発現させた細胞とを用い、両者について、タグの量を計測し、それらの差を計算してオートファジー活性を測定するものである。前記提案によれば、LC3タンパク質の合成量の変動を考慮した測定ができると考えられる。 しかしながら、前記提案では、2種類の細胞が必要であり、煩雑であることに加え、両細胞におけるタグの発現量が異なるため、正確な比較ができないという問題がある。

したがって、オートファジーの活性を正確、かつ定量的に測定できる簡便な測定方法は、未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。

概要

本発明は、オートファジーの活性を正確、かつ定量的に測定できる簡便なオートファジーの測定方法を提供することを課題とする。 第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とが融合されている融合タンパク質、前記融合タンパク質をコードする塩基配列を含む核酸、前記核酸を含むベクター、前記核酸及び前記ベクターの少なくともいずれかが導入された細胞又はトランスジェニック非ヒト生物、並びに、前記細胞又はトランスジェニック非ヒト生物を用いるオートファジーの測定方法を提供する。

目的

本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とが融合されていることを特徴とする融合タンパク質

請求項2

細胞内の内因性酵素であるATG4によって、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とに切断される請求項1に記載の融合タンパク質。

請求項3

アミノ末端からカルボキシル末端へ、第1のタグと、LC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とをこの順に含む請求項1から2のいずれかに記載の融合タンパク質。

請求項4

第2のタグを含むタンパク質が、第2のタグからなる請求項1から3のいずれかに記載の融合タンパク質。

請求項5

第2のタグを含むタンパク質が、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシン欠失若しくは置換されたLC3タンパク質変異体である請求項1から3のいずれかに記載の融合タンパク質。

請求項6

アミノ末端からカルボキシル末端へ、第2のタグと、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失若しくは置換されたLC3タンパク質変異体とをこの順に含む請求項5に記載の融合タンパク質。

請求項7

請求項1から6のいずれかに記載の融合タンパク質をコードする塩基配列を含むことを特徴とする核酸

請求項8

請求項7に記載の核酸を含むことを特徴とするベクター

請求項9

請求項7に記載の核酸、及び請求項8に記載のベクターの少なくともいずれかが導入されたことを特徴とする細胞。

請求項10

請求項7に記載の核酸、及び請求項8に記載のベクターの少なくともいずれかが導入されたことを特徴とするトランスジェニック非ヒト生物

請求項11

請求項9に記載の細胞、及び請求項10に記載のトランスジェニック非ヒト生物の少なくともいずれかを用いることを特徴とするオートファジー測定方法

技術分野

0001

本発明は、オートファジーの測定に好適な融合タンパク質、前記融合タンパク質をコードする塩基配列を含む核酸、前記核酸を含むベクター、前記核酸及び前記ベクターの少なくともいずれかが導入された細胞又はトランスジェニック非ヒト生物、及びオートファジーの測定方法に関する。

背景技術

0002

オートファジーは、細胞内の代表的な分解システムであり、オートファゴソームに囲まれた細胞質成分が、リソソームへ運ばれて分解される。オートファジーには、細胞内の不良又は老廃物の処理、飢餓時の栄養素自給、胚発生神経変性や癌の抑止、細胞内侵入細菌の分解などの多くの働きがある。また、最近では、オートファジー関連遺伝子の異常が、神経変性疾患の原因であることが判明し、オートファジーが創薬の対象としても注目されている。

0003

オートファジーに関連する基礎及び応用研究では、オートファジーの活性を定量的に評価することは、必要かつ重要である。 しかし、従来の方法は、顕微鏡でオートファゴソームの数を数える、又はオートファジーに伴う分子修飾を検出するなど、煩雑で定量性欠けるものが主であった。

0004

また、オートファジーによって分解される基質の量を測定し、オートファジーの活性を測定する方法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。具体的には、基質であるLC3タンパク質蛍光タンパク質との融合タンパク質とし、フローサイトメトリーにより、前記融合タンパク質の総量を定量する方法である。前記提案によれば、融合タンパク質の総量が減少した場合には、オートファジーが活性化されたと判断することができる。 しかしながら、前記提案では、LC3タンパク質の合成量の変動が考慮されないという問題がある。即ち、オートファジーが活性化されたことにより、LC3タンパク質の量が減少したのか、LC3タンパク質の合成が抑制されたことにより、LC3タンパク質の量が減少したのかを判別できないという問題がある。前記問題は、オートファジーに対する薬のスクリーニングなど、長期間の測定が必要な場合には、顕著な問題となる。

0005

また、2種類の細胞を用いてオートファジーの活性を測定する方法も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。具体的には、オートファジーにより分解されるLC3タンパク質をタグとの融合タンパク質として発現させた細胞と、オートファジーにより分解されないLC3タンパク質変異体をタグとの融合タンパク質として発現させた細胞とを用い、両者について、タグの量を計測し、それらの差を計算してオートファジー活性を測定するものである。前記提案によれば、LC3タンパク質の合成量の変動を考慮した測定ができると考えられる。 しかしながら、前記提案では、2種類の細胞が必要であり、煩雑であることに加え、両細胞におけるタグの発現量が異なるため、正確な比較ができないという問題がある。

0006

したがって、オートファジーの活性を正確、かつ定量的に測定できる簡便な測定方法は、未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。

先行技術

0007

Shvets E, et al.、 Utilizing flow cytometry to monitor autophagy in living mammalian cells.、 Autophagy.、 2008 Jul; 4(5):621−628
Farkas T, et al.、 Identification of novel autophagy regulators by a luciferase−based assay for the kinetics of autophagic flux、 Autophagy.、 2009 Oct; 5(7):1018−1025

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、オートファジーの活性を正確、かつ定量的に測定できる簡便なオートファジーの測定方法、オートファジーの測定に好適な融合タンパク質、前記融合タンパク質をコードする塩基配列を含む核酸、前記核酸を含むベクター、並びに前記核酸及び前記ベクターの少なくともいずれかが導入された細胞又はトランスジェニック非ヒト生物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> 第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とが融合されていることを特徴とする融合タンパク質である。 <2> 前記<1>に記載の融合タンパク質をコードする塩基配列を含むことを特徴とする核酸である。 <3> 前記<2>に記載の核酸を含むことを特徴とするベクターである。 <4> 前記<2>に記載の核酸、及び前記<3>に記載のベクターの少なくともいずれかが導入されたことを特徴とする細胞である。 <5> 前記<2>に記載の核酸、及び前記<3>に記載のベクターの少なくともいずれかが導入されたことを特徴とするトランスジェニック非ヒト生物である。 <6> 前記<4>に記載の細胞、及び前記<5>に記載のトランスジェニック非ヒト生物の少なくともいずれかを用いることを特徴とするオートファジーの測定方法である。

発明の効果

0010

本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、オートファジーの活性を正確、かつ定量的に測定できる簡便なオートファジーの測定方法、オートファジーの測定に好適な融合タンパク質、前記融合タンパク質をコードする塩基配列を含む核酸、前記核酸を含むベクター、並びに前記核酸及び前記ベクターの少なくともいずれかが導入された細胞又はトランスジェニック非ヒト生物を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、実施例2のウェスタンブロットの結果を示す図である。
図2Aは、実施例3におけるGFP蛍光強度を測定し、解析した結果を示す図である。
図2Bは、実施例3におけるRFPの蛍光強度を測定し、解析した結果を示す図である。
図2Cは、実施例3におけるGFPの蛍光強度のRFPの蛍光強度に対する割合を示した図である。
図3は、実施例4におけるGFP/RFPレシオイメージを示す図である。
図4Aは、実施例5の受精52時間後のゼブラフィッシュ全身像撮影した結果を示す図である。
図4Bは、実施例5の受精24時間後の尾部拡大像であり、GFP蛍光シグナルを撮影した結果を示す図である。
図4Cは、実施例5の受精24時間後の尾部の拡大像であり、RFP蛍光シグナルを撮影した結果を示す図である。
図4Dは、実施例5の受精24時間後の尾部の拡大像であり、微分干渉像を撮影した結果を示す図である。
図4Eは、実施例5の受精24時間後の尾部の拡大像であり、GFP/RFPレシオイメージを示す図である。
図5は、実施例7におけるGFP/RFPレシオイメージを示す図である。
図6Aは、実施例8で撮影したゼブラフィッシュ胚の部分を説明するための図である。
図6Bは、実施例8における受精2.4時間後以降のゼブラフィッシュ胚の同一視野細胞塊卵黄を10分毎に撮影した結果を示す図である。
図6Cは、実施例8におけるGFP/RFPレシオを示すグラフである。
図7Aは、実施例9において、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端グリシン欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞におけるGFPの蛍光強度を測定した結果を示す図である。
図7Bは、実施例9において、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞におけるRFPの蛍光強度を測定した結果を示す図である。
図7Cは、実施例9において、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞を富栄養条件下で培養した場合のGFPの蛍光強度及びRFPの蛍光強度を測定した結果を示す図である。
図7Dは、実施例9において、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞を飢餓条件下で培養した場合のGFPの蛍光強度及びRFPの蛍光強度を測定した結果を示す図である。
図7Eは、実施例9において、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞におけるGFPの蛍光強度を測定した結果を示す図である。
図7Fは、実施例9において、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞におけるRFPの蛍光強度を測定した結果を示す図である。
図7Gは、実施例9において、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞を富栄養条件下で培養した場合のGFPの蛍光強度及びRFPの蛍光強度を測定した結果を示す図である。
図7Hは、実施例9において、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞を飢餓条件下で培養した場合のGFPの蛍光強度及びRFPの蛍光強度を測定した結果を示す図である。

0012

(融合タンパク質) 本発明の融合タンパク質は、第1のタグを含むLC3((MAP1LC3(Microtubule−associated protein light chain 3)と称することもある)タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とが融合されてなり、必要に応じて、更にその他のアミノ酸配列を含んでいてもよい。

0013

前記融合タンパク質は、細胞内の内因性酵素であるATG4によって、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とに切断される。 前記ATG4は、前記LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンを認識し、前記グリシンとその後ろアミノ酸との結合を切断する。そのため、前記融合タンパク質は、細胞内において、等分子数の第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とを作り出し得る。

0014

<第1のタグを含むLC3タンパク質> 前記第1のタグを含むLC3タンパク質(以下、「オートファジーによって分解される基質」と称することがある)は、オートファゴソームに取り込まれ、オートファジーによって、選択的に分解される。

0015

−LC3タンパク質− 前記LC3タンパク質は、オートファゴソームの形成に必要なタンパク質であり、オートファジーによって選択的に分解されるタンパク質であることが知られている。前記LC3タンパク質がオートファゴソームに取り込まれるためには、前記LC3タンパク質のカルボキシル末端に存在するグリシン残基が、ホスファチジルエタノールアミンと結合することが必要である。前記グリシン残基を欠くと、もはやオートファゴソームに結合できず、オートファジーによって分解されなくなる。

0016

前記LC3タンパク質は、ファミリーの総称である。例えば、哺乳類におけるLC3タンパク質としては、LC3A、LC3B、LC3B2、LC3C、GABAAP、GABARAPL1、GABARAPL2が知られている。また、酵母では、Atg8が知られている。本発明におけるLC3タンパク質には、これらのタンパク質が含まれる。 前記LC3タンパク質のアミノ酸配列や塩基配列情報は、GenBankNCBI)などの公共のデータベースを通じて容易に入手することができる。 例えば、GenBankでは、以下の番号で登録されている。ラットLC3A・・・アミノ酸配列:NP_955794.1、塩基配列:NM_199500.2 ヒトLC3A・・・アミノ酸配列:NP_115903.1、塩基配列:NM_032514 ラットLC3B・・・アミノ酸配列:NP_074058.2、塩基配列:NC_005118 ヒトLC3B・・・アミノ酸配列:NP_073729.1、塩基配列:NG_029030 ヒトLC3B2・・・アミノ酸配列:NP_001078950.1、塩基配列:NM_001085481.1 ヒトLC3C・・・アミノ酸配列:NP_001004343.1、塩基配列:NM_001004343 ヒトGABARAP・・・アミノ酸配列:NP_009209.1、塩基配列:NM_007278.1 ヒトGABARAPL1・・・アミノ酸配列:NP_113600.1、塩基配列:NM_031412.2 ヒトGABARAPL2・・・アミノ酸配列:NP_009216.1、塩基配列:NM_007285.6 酵母Atg8・・・アミノ酸配列:NP_009475.1、塩基配列:NM_001178318.1

0017

前記LC3タンパク質は、オートファゴソームに取り込まれる限り、そのアミノ配列の一部に変異を有していてもよい。前記変異としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換、挿入、欠失、付加などが挙げられる。

0018

−第1のタグ− 前記第1のタグとしては、前記第2のタグと異なる限り、特に制限はなく、公知のタグを適宜選択することができる。 前記タグとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光タンパク質、ルシフェラーゼポリヒスチジン配列、Flag配列などが挙げられる。 前記蛍光タンパク質の具体例としては、緑色蛍光タンパク質赤色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質などが挙げられる。 前記ルシフェラーゼの具体例としては、ホタルルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼなどが挙げられる。

0019

前記第1のタグと、前記LC3タンパク質とは、直接連結していてもよいし、リンカーを介して連結していてもよい。前記リンカーの長さ、配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0020

<第2のタグを含むタンパク質> 前記第2のタグを含むタンパク質(以下、「オートファジーによって分解されない内部標準基質」と称することがある)は、オートファゴソームに取り込まれず、オートファジーによって、分解されない。

0021

前記第2のタグを含むタンパク質は、第2のタグを含む限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 前記第2のタグを含むタンパク質は、第2のタグからなるタンパク質であってもよいし、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失若しくは置換されたLC3タンパク質変異体(以下、「第2のタグを含むLC3タンパク質変異体」と称することがある)であってもよい。

0022

−第2のタグ− 前記第2のタグとしては、前記第1のタグと異なる限り、特に制限はなく、公知のタグを適宜選択することができる。 前記タグとしては、前記第1のタグの項目に記載したものと同様のものが挙げられる。

0023

前記第1のタグと、前記第2のタグとの組合せとしては、両者が異なる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、異なるアミノ酸配列の長さのタグの組合せ、異なる電気泳動度のタグの組合せ、異なる蛍光タンパク質のタグの組合せ、異なるルシフェラーゼのタグの組合せなどが挙げられる。具体例としては、緑色蛍光タンパク質と赤色蛍光タンパク質との組合せ、ホタルルシフェラーゼとウミシイタケルシフェラーゼとの組合せなどが挙げられる。

0024

−第2のタグを含むLC3タンパク質変異体− 前記第2のタグを含むLC3タンパク質変異体における前記LC3タンパク質変異体としては、そのカルボキシル末端がグリシンでなければ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記LC3タンパク質と最も性質が近い点で、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したものが好ましい。 前記LC3タンパク質変異体は、カルボキシル末端にグリシン残基を有さないため、オートファジーによって分解されない。

0025

前記LC3タンパク質変異体は、オートファゴソームに取り込まれない限り、LC3タンパク質のカルボキシル末端以外にも変異を有していてもよいが、前記LC3タンパク質と性質が近いものとする点で、カルボキシル末端以外の配列は、前記LC3タンパク質と揃えることが好ましい。

0026

前記LC3タンパク質変異体の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンをコードする塩基配列を終止コドン、又はグリシン以外のアミノ酸をコードする塩基配列に置換する方法などが挙げられる。

0027

前記第2のタグと、前記LC3タンパク質変異体とは、直接連結していてもよいし、リンカーを介して連結していてもよい。前記リンカーの長さ、配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 前記第2のタグを含むLC3タンパク質変異体は、アミノ末端からカルボキシル末端へ、第2のタグと、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失若しくは置換されたLC3タンパク質変異体とをこの順に含むことが好ましい。

0028

<その他のアミノ酸配列> 前記その他のアミノ酸配列としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0029

<態様> 前記融合タンパク質の態様としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アミノ末端からカルボキシル末端へ、第1のタグと、LC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とをこの順に含む態様が好ましい。 第1のタグとLC3タンパク質との間、LC3タンパク質と第2のタグを含むタンパク質との間には、リンカーが含まれていてもよい。

0030

前記アミノ末端からカルボキシル末端へ、第1のタグと、LC3タンパク質と、第2のタグと、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失若しくは置換されたLC3タンパク質変異体とをこの順に含む態様の融合タンパク質をコードする塩基配列の具体例としては、例えば、配列番号:1で表されるものが挙げられる。

0031

前記アミノ末端からカルボキシル末端へ、第1のタグと、LC3タンパク質と、第2のタグとをこの順に含む態様の融合タンパク質をコードする塩基配列の具体例としては、例えば、配列番号:2で表されるものが挙げられる。

0032

前記融合タンパク質の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、前記融合タンパク質をコードする塩基配列を含む核酸をベクターに挿入し、前記ベクターを細胞に導入することにより、前記融合タンパク質を発現させることができる。

0033

本発明の融合タンパク質によれば、オートファジーによって分解される基質と、オートファジーによって分解されない内部標準基質とを常に等しい分子数で合成することができる。そのため、オートファジーによって分解される基質と、オートファジーによって分解されない内部標準基質との比は、合成の影響を受けず、純粋にオートファジーによる分解の活性を反映することとなる。即ち、前記第1のタグと、前記第2のタグとの残存比を定量して算出することにより、オートファジーの活性を推定することができる。 したがって、本発明の融合タンパク質は、従来困難であった、オートファジーの活性を正確かつ定量的に測定できる簡便なオートファジーの測定方法のプローブとして好適に用いることができる。

0034

(核酸) 本発明の核酸は、本発明の融合タンパク質をコードする塩基配列を含み、必要に応じて更にその他の塩基配列を含む。

0035

前記核酸としては、本発明の融合タンパク質をコードする塩基配列を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記核酸は、DNAであってもよいし、RNAであってもよい。

0036

前記その他の塩基配列としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記融合タンパク質をコードする核酸の上流に連結するプロモーター配列、前記融合タンパク質をコードする核酸の下流に連結するターミネーター配列などが挙げられる。 前記プロモーター配列及びターミネーター配列としては、特に制限はなく、公知の配列を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列などが挙げられる。

0037

前記核酸の調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、化学合成により調製する方法、PCRにより調製する方法などが挙げられる。

0038

本発明の核酸は、後述する本発明の細胞、及びトランスジェニック非ヒト生物の作製に好適に用いることができる。

0039

(ベクター) 本発明のベクターは、本発明の核酸を含み、必要に応じて更にその他の塩基配列を含む。

0040

前記ベクターとしては、本発明の核酸を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 本発明の核酸を挿入するベクターとしては、特に制限はなく、公知のベクターを適宜選択することができ、例えば、プラスミドベクターウイルスベクターなどが挙げられる。 前記ベクターの具体例としては、例えば、pMRX−IPベクターなどが挙げられる。

0041

前記その他の塩基配列としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記融合タンパク質をコードする核酸の上流に連結するプロモーター配列、前記融合タンパク質をコードする核酸の下流に連結するターミネーター配列などが挙げられる。 前記プロモーター配列及びターミネーター配列としては、特に制限はなく、公知の配列を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CMVプロモーター配列などが挙げられる。

0042

前記ベクターに本発明の核酸を挿入する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、予め制限酵素で切断したベクターの切断部位に連結する方法などが挙げられる。

0043

本発明のベクターは、後述する本発明の細胞、及びトランスジェニック非ヒト生物の作製に好適に用いることができる。

0044

(細胞) 本発明の細胞は、本発明の核酸、及び本発明のベクターの少なくともいずれかが導入されてなる。

0045

前記細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、線維芽細胞、HeLa細胞などが挙げられる。

0046

前記細胞に、本発明の核酸、及び本発明のベクターの少なくともいずれかを導入する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、市販のトランスフェクション試薬を用いて導入する方法などが挙げられる。

0047

前記細胞に、前記核酸、及び前記ベクターの少なくともいずれかが導入されたことを確認する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、前記細胞における前記タグを検出する方法、前記細胞からDNAを採取し、PCR法により確認する方法などが挙げられる。

0048

前記細胞は、シングルクローンであってもよいし、シングルクローンでなくてもよいが、シングルクローンが好ましい。

0049

本発明の細胞は、本発明の融合タンパク質を発現するため、細胞におけるオートファジーの活性を客観的に定量することができる。したがって、本発明の細胞を用いることにより、オートファジーの活性に変動を与える細胞の状況を特定したり、オートファジー制御に関わる遺伝子を同定したり、オートファジーの活性を変動させる化合物を同定したりすることなどが可能となる。

0050

(トランスジェニック非ヒト生物) 本発明のトランスジェニック非ヒト生物は、本発明の核酸、及び本発明のベクターの少なくともいずれかが導入されてなる。

0051

前記トランスジェニック非ヒト生物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、動物、植物、菌類などが挙げられる。

0052

前記動物としては、例えば、哺乳類、魚類などが挙げられる。前記哺乳類の具体例としては、マウス、ラット、ハムスターモルモットネコイヌウサギヤギヒツジブタウシなどが挙げられる。前記魚類の具体例としては、ゼブラフィッシュ、メダカ金魚などが挙げられる。 前記植物としては、例えば、シロイヌナズナなどが挙げられる。 前記菌類としては、例えば、酵母などが挙げられる。

0053

前記トランスジェニック非ヒト生物の作製方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。 例えば、トランスジェニック非ヒト動物は、非ヒト動物受精卵に前記核酸、及び前記ベクターの少なくともいずれかを導入し、前記受精卵を前記非ヒト動物のメス着床させることにより作製することができる。前記導入の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マイクロインジェクション法などが挙げられる。 また、前記植物に前記核酸、及び前記ベクターの少なくともいずれかを導入する方法としては、例えば、アグロバクテリウム属細菌を用いる方法、エレクトロポレーション法パーティクルガン法、マイクロインジェクション法などが挙げられる。前記菌類に前記核酸、及び前記ベクターの少なくともいずれかを導入する方法としては、例えば、スフェロプラスト法、エレクトロポレーション法などが挙げられる。

0054

前記トランスジェニック非ヒト生物に、前記核酸、及び前記ベクターの少なくともいずれかが導入されたことを確認する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、前記トランスジェニック非ヒト生物における前記タグを検出する方法、前記トランスジェニック非ヒト生物からDNAを採取し、PCR法により確認する方法などが挙げられる。

0055

前記トランスジェニック非ヒト生物は、全身に本発明の融合タンパク質を発現していることが好ましい。

0056

本発明のトランスジェニック非ヒト生物は、本発明の融合タンパク質を発現するため、生物内でのオートファジーの活性を評価することが可能となる。したがって、本発明のトランスジェニック非ヒト生物を用いることにより、オートファジーの活性に変動を与える個体の状況を特定したり、オートファジー制御に関わる遺伝子を同定したり、オートファジーの活性を変動させる化合物を同定したりすることなどが可能となる。

0057

(オートファジーの測定方法) 本発明のオートファジーの測定方法は、本発明の細胞、及び本発明のトランスジェニック非ヒト生物の少なくともいずれかを用いる。 前記オートファジーの測定方法では、前記第1のタグと、前記第2のタグとの残存比を定量して算出し、オートファジーの活性を推定する。本発明のオートファジーの測定方法によれば、従来困難であった、オートファジーの活性を、簡便に、正確かつ定量的に測定することができる。

0058

前記第1のタグと、前記第2のタグとの残存比を定量する方法としては、特に制限はなく、前記タグに応じて公知の方法を適宜選択することができ、例えば、ウェスタンブロット法フローサイトメトリー法蛍光顕微鏡法蛍光プレートリーダー法、デュアルルシフェラーゼアッセイ法などが挙げられる。 例えば、前記タグとして、長さが異なるタグを用いた場合には、ウェスタンブロット法により測定することができ、異なる蛍光タンパク質を用いた場合には、フローサイトメトリー法、蛍光顕微鏡法、蛍光プレートリーダー法により測定することができ、異なるルシフェラーゼを用いた場合には、デュアルルシフェラーゼアッセイ法により測定することができる。

0059

前記第1のタグと、前記第2のタグとの残存比を定量する方法の中でも、前記蛍光プレートリーダー法が、従来の方法では区別することができなかった、ある薬剤投与により細胞が死んだのか、又は蛍光タンパク質が分解されたのかを簡便に区別することができる点で好ましい。 また、前記蛍光顕微鏡法によれば、イメージングにより、経時的なオートファジーの活性の変化や、細胞や組織ごとのオーファジーの活性の変化をも測定することができる。

0060

前記オートファジーの測定方法の測定対象としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常の状態の本発明の細胞又はトランスジェニック非ヒト生物、オートファジーを誘導した状態の本発明の細胞又はトランスジェニック非ヒト生物などが挙げられる。 前記オートファジーを誘導する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記細胞又は前記トランスジェニック非ヒト生物を飢餓状態とする方法が挙げられる。 前記飢餓状態とする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、飢餓培地で培養するなどが挙げられる。

0061

前記各状態の本発明の細胞又はトランスジェニック非ヒト生物は、被験物質が投与されたり、環境条件が変えたりされてもよい。 前記被験物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬剤などが挙げられる。 前記環境条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、播種する細胞密度、温度などが挙げられる。

0062

例えば、(1)通常の状態の本発明の細胞又はトランスジェニック非ヒト生物におけるオートファジーの活性と、オートファジーを誘導した状態の本発明の細胞又はトランスジェニック非ヒト生物におけるオートファジーの活性とを比較したり、(2)通常の状態の本発明の細胞又はトランスジェニック非ヒト生物におけるオートファジーの活性と、被験物質の投与若しくは環境条件を変化させた以外は通常の状態と同様とした本発明の細胞又はトランスジェニック非ヒト生物におけるオートファジーの活性とを比較したり、(3)オートファジーを誘導した状態の本発明の細胞又はトランスジェニック非ヒト生物におけるオートファジーの活性と、被験物質の投与若しくは環境条件を変化させた以外はオートファジーを誘導した状態と同様とした本発明の細胞又はトランスジェニック非ヒト生物におけるオートファジーの活性とを比較したりすることにより、オートファジーの活性に変動を与える物質や環境条件を同定したり、オートファジー制御に関わる遺伝子を同定したりすることが可能となる。

0063

以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。

0064

(実施例1:線維芽細胞株の樹立クローニングあり) 第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞株を以下のようにして樹立した。

0065

前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸としては、それぞれ以下のものを用いた。−第1のタグ−緑色蛍光タンパク質(以下、「EGFP」、又は「GFP」と称することがある)遺伝子。−LC3タンパク質−ラットLC3BのcDNA(1塩基〜360塩基)。−第2のタグ−単量体赤色蛍光タンパク質(以下、「mRFP」、又は「RFP」と称することがある)遺伝子。−LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質− ラットLC3BのcDNA(1塩基〜360塩基)の358塩基〜360塩基の「ggg」を「taa(終始コドン)」に置換したもの。

0066

前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸をこの順に、レトロウイルスベクターであるpMRX−IPベクター(Saitoh, H., Nakano, H., Yamamoto, N. and Yamaoka, S.: NEMO−independent NF−kB Activation through the Lymphotoxin−beta Receptor Signaling. FEBSLetters, 532, 45−51, 2002)のBamHIサイトに挿入した。 なお、前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸をこの順に有する核酸の塩基配列は、配列番号:1に記載の通りである。配列番号:1中、1番目〜717番目の塩基は前記第1のタグをコードする塩基配列であり、781番目〜1,140番目の塩基は前記LC3タンパク質をコードする塩基配列であり、1,147番目〜1,821番目の塩基は第2のタグをコードする塩基配列であり、1,840番目〜2,199番目の塩基は前記LCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする塩基配列である。なお、配列番号:1中、718番目〜780番目、1,141番目〜1,146番目、1,822番目〜1,839番目は、リンカーとなるアミノ酸をコードする塩基配列である。

0067

前記pMRX−IPベクターを、FuGENE(登録商標) HD(Roche社製)を用いてPlat−E細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションの3日後、培養上清に放出されたウイルス粒子回収した。前記ウイルス粒子を含む上清と、8μg/mLのポリブレンとを線維芽細胞(野生型マウスより樹立)に添加し、一晩インキュベートすることで、線維芽細胞に遺伝子を導入した。遺伝子発現細胞は、ピューロマイシンを用いて選択し、後にシングルクローンを単離し、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞株を得た。

0068

(実施例2:ウェスタンブロット法) 前記実施例1で得られた線維芽細胞を飢餓培地であるアミノ酸非含有DMEM(Invitrogen社製)で0時間、1時間、2時間、6時間、又は12時間培養し、オートファジーを誘導させた。

0069

前記飢餓培地で所定時間培養した後の細胞を溶解バッファー(50mM Tris−HCl(pH 7.5)、150mM NaCl、1mMEDTA、1% Triton X−100、10mM NaF、0.4mM Na3VO4、10mM sodium pyrophosphate、プロテアーゼ阻害剤(Complete)(Roche社製))で溶解し、15,000rpmで15分間遠心した後に上清を回収した。前記上清に、6分の1の体積の6×サンプルバッファー(280mM Tris−HCl(pH 6.8)、30% Glycerol、10% SDS、9.3% DTT、0.1% BPB)を添加し、5分間ボイルした。次に、サンプルをSDS−PAGEで分離し、ポリフッ化ビニリデンPVDF)膜に転写した。その後、抗LC3抗体(Quy et al. J Biol Chem. 288:1125−34, 2013.)及びHRP結合抗ウサギIgG抗体(Jackson ImmunoResearch社製)でウェスタンブロットを行った後、Immobilon Western(Millipore社製)を用いて発光させ、LAS−3000mini(富士フイルム株式会社製)でシグナルを検出した。結果を図1に示す。

0070

図1中、0、1、2、6、及び12は、飢餓培地での培養時間を表し、RFP−LC3ΔGは、前記第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体のシグナルを表し、GFP−LC3は、前記第1のタグを含むLC3タンパク質のシグナルを表す。図1の結果から、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合された融合タンパク質は、細胞内において、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とに切断されていることが確認された。 また、RFP−LC3ΔGは安定に存在しているのに対し、GFP−LC3はオートファジーの誘導とともに分解され、その量が減少することが確認された。

0071

(実施例3:フローサイトメトリー法) 前記実施例1で得られた線維芽細胞をPBS洗浄した後、通常培地(10%FBSを含有するDMEM(SIGMA社製)、富栄養条件)、又は飢餓培地(アミノ酸非含有DMEM(Invitrogen社製)、飢餓条件)で6時間培養した。 前記培養後、0.05%トリプシン/EDTAで回収した細胞を遠心分離法で回収し、4%パラホルムアルデヒドを加えて懸濁し、上で10分間インキュベートした。その後、固定した細胞を冷したPBSで洗浄し、遠心して上清を除き、再度冷やしたPBSで懸濁した。セルアナライザー(EC800、Sony社製)で各細胞の蛍光強度を測定し、解析ソフトウェア(Kaluza, Beckman Coulter)を用いてデータ解析を行った。GFP、RFP解析には、488nm, 561nmレーザーをそれぞれ使用した。結果を図2A図2Cに示す。

0072

図2Aは、前記第1のタグであるGFPの蛍光強度を測定し、解析した結果を示し、図2Bは、前記第2のタグであるRFPの蛍光強度を測定し、解析した結果を示す。図2A及び図2Bにおける横軸は蛍光強度を表し、縦軸イベント数を表す。図2Aの結果から、GFPの蛍光強度は、飢餓条件において減少しており、オートファジーが誘導されていることが確認された。一方、図2Bの結果から、RFPの蛍光強度は、飢餓条件でも変化していないことが確認された。

0073

図2Cは、前記GFPの蛍光強度の前記RFPの蛍光強度に対する割合(GFP/RFP)を表し、富栄養条件が100%となるように規格化した結果を示す。図2Cに示すように、飢餓条件下では、富栄養条件下と比べて、GFP/RFPが80%程度減少していた。図2Cの結果から、本願発明の融合タンパク質を発現する細胞を用いることにより、オートファジーの活性を定量的に測定することができることが示された。

0074

(実施例4:蛍光顕微鏡法) 6ウェルプレートで培養した前記実施例1で得られた線維芽細胞を、通常培地(10%FBSを含有するDMEM(SIGMA社製)、富栄養条件)、又は飢餓培地(EBSS培地(Hyclone社製)、飢餓条件)で6時間培養した後、4%パラホルムアルデヒドを用い、室温で10分間固定した。蛍光顕微鏡オリンパスIX81、オリンパス株式会社製)、対物レンズ(10×、オリンパス株式会社製)、冷却型CCDカメラ(CoolSNAPHQ2、株式会社日本ローパー製)を使用し、同一視野のGFP蛍光シグナル、及びRFP蛍光シグナルを、露光時間500ms、binning 2×の条件で撮影した。画像処理ソフトウェアMetaMorph ver. 7(モレキュラーデバイスジャパン株式会社製)を用いて、GFP/RFPレシオイメージを作製した。蛍光顕微鏡法によれば、GFP/RFPレシオを擬似カラーで表示することができ、その色から、オートファジー活性を測定することができる。結果を図3に示す。

0075

図3中、左側は富栄養条件におけるGFP/RFPレシオイメージを示し、右側は飢餓条件におけるGFP/RFPレシオイメージを示す。なお、GFP/RFPレシオが低いほど、オートファジー活性が高いことを示す。図3の結果から、第2のタグとしてRFPを付加したLC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体は安定して存在するのに対し、第1のタグとしてGFPを付加したLC3タンパク質はオートファジーの誘導とともに分解され、その量が減少することが確認された。

0076

(実施例5:トランスジェニックゼブラフィッシュの作製) 第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質とが融合されている融合タンパク質を発現するゼブラフィッシュを以下のようにして作製した。

0077

前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸は、実施例1と同様のものを用いた。

0078

前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸をこの順にpCS2ベクター(Turner et al. Genes dev. 8: 1434−1447, 1994)のXhoIサイトに挿入した。前記pCS2ベクターをNotIで直鎖化した後、フェノールクロロホルム処理及びエタノール沈殿で精製した。前記精製物鋳型とし、mMESSAGEmMACHINE(登録商標) SP6 kit(Ambion社製)及びpoly(A) tailing kit(Ambion社製)を用いて、前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸のmRNAをin vitro転写合成し、RNeasy Mini kit(Qiagen社製)を用いてmRNAを精製した。

0079

ゼブラフィッシュ(理化学研究所 RW株、明期14時間、暗期10時間、28℃で飼育)を交配させて受精卵を準備し、1細胞期のに約100pgの前記mRNAをフェムトジェット(Eppendorf社製)及びフェムトチップII(Eppendorf社製)を用いて実体顕微鏡下でマイクロインジェクションし、28℃のインキュベーターで飼育した。受精24時間後、卵殻を除去した胚をガラスボトムディッシュ(Iwaki社製)に移し、0.02%トリイン(Sigma社製)麻酔下で、共焦点顕微鏡(オリンパスFV1000−IX81、オリンパス株式会社製)、対物レンズ(10×、又は30×、オリンパス株式会社製)、レーザー(473nm、559nm)を使用し、同一視野のGFP蛍光シグナル、RFP蛍光シグナル、及び微分干渉像を撮影した。また、画像処理ソフトウェアMetaMorph ver. 7(モレキュラーデバイスジャパン株式会社製)を用いて、GFP/RFPレシオイメージを作製した。 また、受精52時間後のゼブラフィッシュの全身像についても、同一視野のGFP蛍光シグナル、RFP蛍光シグナル、及び微分干渉像を撮影した。 結果を図4Aから図4Eに示す。

0080

図4Aは、受精52時間後のゼブラフィッシュの全身像を撮影した結果を示す図であり、GFP−LC3はGFP蛍光シグナルを撮影した結果を示し、RFP−LC3ΔGはRFP蛍光シグナルを撮影した結果を示し、Merge+DICは微分干渉像を撮影した結果を示す。図4B図4Eは、受精24時間後の尾部の拡大像であり、それぞれ、GFP蛍光シグナルを撮影した結果、RFP蛍光シグナルを撮影した結果、微分干渉像を撮影した結果、GFP/RFPレシオイメージを示す。なお、GFP/RFPレシオが低いほど、オートファジー活性が高いことを示す。

0081

図4A図4Eの結果から、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質とが融合されている融合タンパク質を発現させることにより、ゼブラフィッシュにおけるオートファジーの活性を測定できることが示された。また、実施例5では、脊髄神経に比べて骨格筋のオートファジーの活性が高いことが示唆された。

0082

(実施例6:HeLa細胞株の樹立) 第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質とが融合されている融合タンパク質を発現するHeLa細胞株を以下のようにして樹立した。

0083

前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸は、実施例1と同じものを使用した。また、前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸をこの順に挿入したpMRX−IPベクターも実施例1と同様にして調製した。

0084

前記pMRX−IPベクターを、FuGENE(登録商標) HD(Roche社製)を用いてpCG−VSV−G及びPCG−gag−polと共にHEK293T細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションの3日後、培養上清に放出されたウイルス粒子を回収した。前記ウイルス粒子を含む上清と、8μg/mLのポリブレンとをHeLa細胞に添加し、一晩インキュベートすることで、HeLa細胞に遺伝子を導入した。遺伝子発現細胞は、ピューロマイシンを用いて選択し、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現するHeLa細胞株を得た。

0085

(実施例7:蛍光顕微鏡法) 96ウェルプレートで培養した前記実施例6で得られたHeLa細胞を、通常培地(10%FBSを含有するDMEM(SIGMA社製)、富栄養条件)、又は飢餓培地(アミノ酸非含有DMEM培地(Invitrogen社製)、飢餓条件)で6時間培養した後、4%パラホルムアルデヒドを用い、室温で10分間固定した。蛍光顕微鏡(オリンパスIX81、オリンパス株式会社製)、対物レンズ(4×、オリンパス株式会社製)、冷却型CCDカメラ(CoolSNAPHQ2、株式会社日本ローパー製)を使用し、同一視野のGFP蛍光シグナル、及びRFP蛍光シグナルを、露光時間1000ms、binning 1×の条件で撮影した。画像処理ソフトウェアMetaMorph ver. 7(モレキュラーデバイスジャパン株式会社製)を用いて、GFP/RFPレシオイメージを作製した。蛍光顕微鏡法によれば、GFP/RFPレシオを擬似カラーで表示することができ、その色から、オートファジー活性を測定することができる。結果を図5示す。

0086

図5中、左側は富栄養条件におけるGFP/RFPレシオイメージを示し、右側は飢餓条件におけるGFP/RFPレシオイメージを示す。なお、GFP/RFPレシオが低いほど、オートファジー活性が高いことを示す。図5の結果から、第2のタグとしてRFPを付加したLC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体は安定して存在するのに対し、第1のタグとしてGFPを付加したLC3タンパク質はオートファジーの誘導とともに分解され、その量が減少することが確認された。

0087

(実施例8:トランスジェニックゼブラフィッシュの受精卵の作製) 第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質とが融合されている融合タンパク質を発現するゼブラフィッシュを以下のようにして作製した。

0088

前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸は、実施例1と同様のものを用いた。

0089

前記第1のタグ、LC3タンパク質、第2のタグ、及びLCタンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質をコードする核酸をこの順にpT2AL200R150Gベクター(Genetics. 2006 Oct;174(2):639−49. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1602067/)のBamHIサイトに挿入した(以下、「pT2AL200R150G−GFP−LC3−RFP−LC3ΔGベクター」と称することがある)。 pCS2−Transposaseベクター(Dev Cell. 2004 Jul;7(1):133−44. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15239961)を鋳型とし、mMESSAGEmMACHINE(登録商標) SP6 kit(Ambion社製)を用いて、トランスポザーゼのmRNAをin vitro転写合成し、RNeasy Mini kit(Qiagen)を用いてmRNAを精製した。

0090

ゼブラフィッシュ(理化学研究所 RW株、明期14時間、暗期10時間、28℃で飼育)を交配させて受精卵を準備し、1細胞期の胚に約100pgの前記pT2AL200R150G−GFP−LC3−RFP−LC3ΔGベクターと、約100pgの前記トランスポザーゼのmRNAとを、フェムトジェット(Eppendorf社製)及びフェムトチップII(Eppendorf社製)を用いて実体顕微鏡下でマイクロインジェクションし、28℃のインキュベーターで飼育した。 その後、約3ヶ月間にわたってブラインシュリンプ及び人工餌(ひかりラボ130、ひかりラボ450(MEITO system)を与えて飼育した。

0091

トランスジェニック候補ゼブラフィッシュの成魚野生型ゼブラフィッシュ(理化学研究所 RW株)と交配し、受精後24時間後の胚をガラスボトムディッシュに移し、0.02%トリカイン(Sigma社製)麻酔下で、共焦点顕微鏡(オリンパスFV1000−IX81、オリンパス株式会社製)、対物レンズ(10×、又は30×、オリンパス株式会社製)、レーザー(473nm、559nm)を用いて観察し、GFPシグナル及びRFPシグナルの両方を認めた場合、その親を第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質とが融合されている融合タンパク質を発現するトランスジェニックゼブラフィッシュ(以下、「GFP−LC3−RFP−LC3ΔGトランスジェニックゼブラフィッシュ」と称することがある)と判定した。

0092

<受精卵の観察> 前記GFP−LC3−RFP−LC3ΔGトランスジェニックゼブラフィッシュのメスと、野生型ゼブラフィッシュのオス(理化学研究所 RW株)とを交配させて受精卵を準備し、受精2.4時間後、卵殻を残した状態の胚をガラスボトムディッシュに移し、10分毎に同一視野のGFP蛍光シグナル、RFP蛍光シグナルを撮影した。また、画像処理ソフトウェアImageJ(フリーソフトウェア)を用いて細胞塊領域のシグナルを定量し、GFP/RFPレシオを求め、測定開始時のレシオを1とした場合の各時間における比率グラフ化した。結果を図6A図6Cに示す。

0093

図6Aは、図6Bに示された撮影した部分の説明するための図であり、図6A中の四角で囲んだ部分が撮影した部分である。図6Bは、受精2.4時間後以降のゼブラフィッシュ胚の同一視野の細胞塊と卵黄を10分毎に撮影した結果を示す図であり、GFP−LC3はGFP蛍光シグナルを撮影した結果を示し、RFP−LC3ΔGはRFP蛍光シグナルを撮影した結果を示す。MergeはGFP蛍光シグナルと、RFP蛍光シグナルとを重ねた結果を示す。図6Cは、細胞塊領域のGFPシグナルとRFPシグナルとのGFP/RFPレシオを示す。なお、GFP/RFPレシオが低いほど、オートファジー活性が高いことを示す。

0094

図6B図6Cの結果から、GFP−LC3−RFP−LC3ΔGトランスジェニックゼブラフィッシュのメスを用いることで、受精後に生理的に誘導されるオートファジーの活性を測定出来ることが示された。

0095

(実施例9:フローサイトメトリー法;未クローニング) フローサイトメトリー法を用い、(1)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質とが融合されている融合タンパク質と、(2)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質とを以下のようにして比較した。

0096

<(1)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞の調製> 前記実施例1において、シングルクローンの単離を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞(未クローン)を調製した。

0097

<(2)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞の調製> 前記実施例1において、核酸を以下の核酸に代え、シングルクローンの単離を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞(未クローン)を調製した。

0098

[核酸]−第1のタグ−緑色蛍光タンパク質(以下、「EGFP」、又は「GFP」と称することがある)遺伝子。−LC3タンパク質−ラットLC3BのcDNA(1塩基〜360塩基)。−第2のタグ−単量体赤色蛍光タンパク質(以下、「mRFP」、又は「RFP」と称することがある)遺伝子。 前記第1のタグ、LC3タンパク質、及び第2のタグをコードする核酸は、この順に、レトロウイルスベクターであるpMRX−IPベクターのBamHIサイトに挿入した。 なお、前記第1のタグ、LC3タンパク質、及び第2のタグをコードする核酸をこの順に有する核酸の塩基配列は、配列番号:2に記載の通りである。配列番号:2中、1番目〜717番目の塩基は前記第1のタグをコードする塩基配列であり、781番目〜1,140番目の塩基は前記LC3タンパク質をコードする塩基配列であり、1,141番目〜1,818番目の塩基は第2のタグをコードする塩基配列である。なお、配列番号:2中、718番目〜780番目は、リンカーとなるアミノ酸をコードする塩基配列である。

0099

<フローサイトメトリー> 前記(1)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞、及び(2)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞のそれぞれについて、PBSで洗浄した後、通常培地(10%FBSを含有するDMEM(SIGMA社製)、富栄養条件)、又は飢餓培地(アミノ酸非含有DMEM(Invitrogen社製)、飢餓条件)で12時間培養した。 前記培養後、0.05%トリプシン/EDTAで回収した細胞を遠心分離法で回収し、4%パラホルムアルデヒドを加えて懸濁し、氷上で10分間インキュベートした。その後、固定した細胞を冷したPBSで洗浄し、遠心して上清を除き、再度冷やしたPBSで懸濁した。セルアナライザー(EC800、Sony社製)で各細胞の蛍光強度を測定し、解析ソフトウェア(Kaluza, Beckman Coulter)を用いてデータ解析を行った。GFP、RFP解析には、488nm、及び561nmレーザーをそれぞれ使用した。結果を図7A図7Hに示す。

0100

図7A図7Dは、前記(1)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞について測定した結果を表し、図7E図7Hは、前記(2)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞について測定した結果を示す。図7A及び図7Eは、GFPの蛍光強度を測定し、解析した結果を示し、図7B及び図7Fは、RFPの蛍光強度を測定し、解析した結果を示す。図7A図7B図7E、及び図7Fにおける横軸は蛍光強度を表し、縦軸はイベント数を表す。図7C及び図7Gは、富栄養条件で培養した場合の結果を示し、図7D及び図7Hは、飢餓条件で培養した場合の結果を示す。図7C図7D図7G、及び図7Hにおける横軸はRFPの蛍光強度を表し、縦軸はGFPの蛍光強度を表す。

0101

図7A図7B図7E、及び図7Fの結果から、GFPの蛍光強度は、飢餓条件において減少していたが、RFPの蛍光強度は、飢餓条件でも変化していないことが確認された。

0102

また、図7G及び図7Hの結果から、前記(2)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞では、全ての細胞でGFPの蛍光の選択的な減少が観察された。一方、図7C及び図7Dの結果から、前記(1)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質を発現する線維芽細胞では、2つのLC3タンパク質の配列間の相同組換えによって生じた「GFP−LC3タンパク質変異体」を含む集団が観察され(図7D点線で囲んだ部分)、相同組換えの起こっていない細胞をクローン化した方がより好ましいことが判明した。

0103

したがって、前記(2)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグとが融合されている融合タンパク質のほうが、前記(1)第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失したLC3タンパク質変異体とが融合されている融合タンパク質よりも利便性が高いことが示された。

0104

以上の結果から、第1のタグと第2のタグとの残存比によって、LC3タンパク質の合成量の変動の影響を受けずに、簡便にオートファジーの活性を正確、かつ定量的に測定できることが示された。

0105

本発明の融合タンパク質、核酸、ベクター、細胞、及びトランスジェニック非ヒト生物は、オートファジーの活性測定キットやオートファジー関連創薬におけるスクリーニング方法の手段として好適に利用可能である。

実施例

0106

本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。 <1> 第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とが融合されていることを特徴とする融合タンパク質である。 <2>細胞内の内因性酵素であるATG4によって、第1のタグを含むLC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とに切断される前記<1>に記載の融合タンパク質である。 <3>アミノ末端からカルボキシル末端へ、第1のタグと、LC3タンパク質と、第2のタグを含むタンパク質とをこの順に含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の融合タンパク質である。 <4> 第2のタグを含むタンパク質が、第2のタグからなる前記<1>から<3>のいずれかに記載の融合タンパク質である。 <5> 第2のタグを含むタンパク質が、第2のタグを含み、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失若しくは置換されたLC3タンパク質変異体である前記<1>から<3>のいずれかに記載の融合タンパク質である。 <6> アミノ末端からカルボキシル末端へ、第2のタグと、LC3タンパク質のカルボキシル末端のグリシンが欠失若しくは置換されたLC3タンパク質変異体とをこの順に含む前記<5>に記載の融合タンパク質である。 <7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の融合タンパク質をコードする塩基配列を含むことを特徴とする核酸である。 <8> 前記<7>に記載の核酸を含むことを特徴とするベクターである。 <9> 前記<7>に記載の核酸、及び前記<8>に記載のベクターの少なくともいずれかが導入されたことを特徴とする細胞である。 <10> 前記<7>に記載の核酸、及び前記<8>に記載のベクターの少なくともいずれかが導入されたことを特徴とするトランスジェニック非ヒト生物である。 <11> 前記<9>に記載の細胞、及び前記<10>に記載のトランスジェニック非ヒト生物の少なくともいずれかを用いることを特徴とするオートファジーの測定方法である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ