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技術 透明耐擦傷性板用共重合体、透明耐擦傷性板用積層体

出願人 デンカ株式会社
発明者 下木場裕一西野広平野口哲央黒川欽也
出願日 2015年5月20日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-521140
公開日 2017年4月20日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 WO2015-178437
状態 特許登録済
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 積層体(2) 高分子組成物
主要キーワード 鏡面プレート 耐反り性 マレイン酸無水物単位 溶剤添加量 マルチダイ 重合開始剤添加量 混合ロール ハンディ型ビデオカメラ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月20日)のものです。
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課題・解決手段

透明性、表面硬度外観に優れた透明耐擦傷性板用共重合体及びその共重合体を用いた透明耐擦傷性板用積層体を提供する。芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜20質量%からなり、ASTMD1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率が88%以上である透明耐擦傷性板用共重合体。該透明耐擦傷性板用共重合体を用いてなる透明耐擦傷性板用積層体。

概要

背景

ディスプレイ等のタッチパネル部材には、透明で耐擦傷性に優れるガラスが使用されているが、軽量化や成形加工性割れ防止などの観点から、ガラスから軽量で生産性に優れ、かつ安全面から透明樹脂への代替要望が強くなっている。代替用の透明樹脂として、例えばメタクリル樹脂ポリカーボネート樹脂などがある。メタクリル樹脂は、透明性や耐表面傷付き性、耐光性などに優れるが、耐熱性吸湿性、強度などに課題が残る。一方、ポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性、低吸湿性、強度に優れるが、耐表面傷付き性や耐光性などに課題が残る。ガラス代替用途に必要な性能として、透明性と耐表面傷付き性、耐光性、強度などがある為、例えば透明で低吸湿性、強度に優れるポリカーボネート樹脂層表層に、透明で耐表面傷付き性、耐光性に優れるメタクリル樹脂とを積層させたシートまたはフィルムが用いられている。しかしながら、この積層シートまたはフィルムは、メタクリル樹脂の吸湿変形による反りや、高耐熱性を有するポリカーボネート樹脂と比べて耐熱性の低いメタクリル樹脂との耐熱温度差の影響による反りなどの課題がある。

概要

透明性、表面硬度外観に優れた透明耐擦傷性板用共重合体及びその共重合体を用いた透明耐擦傷性板用積層体を提供する。芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜20質量%からなり、ASTMD1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率が88%以上である透明耐擦傷性板用共重合体。該透明耐擦傷性板用共重合体を用いてなる透明耐擦傷性板用積層体。

目的

本発明は、透明耐擦傷性板用共重合体及びその共重合体を用いた透明性や表面硬度、外観に優れ、且つ反り変形が起こりにくい透明耐擦傷性板用積層体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜20質量%からなり、ASTMD1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率が88%以上である透明耐擦傷性板用共重合体

請求項2

ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に、請求項1に記載の共重合体5〜90質量%とメタクリル樹脂10〜95質量%からなる樹脂組成物層(a)を積層してなる透明耐擦傷性板用積層体

請求項3

前記樹脂組成物層(a)は、前記共重合体5〜80質量%と前記メタクリル樹脂20〜95質量%からなる請求項2に記載の透明耐擦傷性板用積層体。

請求項4

メタクリル樹脂が(メタ)アクリル酸エステル単量体単位70〜100質量%と芳香族ビニル単量体単位0〜30質量%からなる共重合体である請求項2又は請求項3に記載の透明耐擦傷性板用積層体。

請求項5

(樹脂組成物層(a)の厚さ)/(ポリカーボネート樹脂層(b)の厚さ)の比が、5/95〜80/20である請求項2〜請求項4の何れか1つに記載の透明耐擦傷性板用積層体。

請求項6

前記比は、5/95〜70/30である請求項5に記載の透明耐擦傷性板用積層体。

技術分野

0001

本発明は、透明耐擦傷性板用共重合体及びその共重合体を用いた透明耐擦傷性板用積層体に関するものである。

背景技術

0002

ディスプレイ等のタッチパネル部材には、透明で耐擦傷性に優れるガラスが使用されているが、軽量化や成形加工性割れ防止などの観点から、ガラスから軽量で生産性に優れ、かつ安全面から透明樹脂への代替要望が強くなっている。代替用の透明樹脂として、例えばメタクリル樹脂ポリカーボネート樹脂などがある。メタクリル樹脂は、透明性や耐表面傷付き性、耐光性などに優れるが、耐熱性吸湿性、強度などに課題が残る。一方、ポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性、低吸湿性、強度に優れるが、耐表面傷付き性や耐光性などに課題が残る。ガラス代替用途に必要な性能として、透明性と耐表面傷付き性、耐光性、強度などがある為、例えば透明で低吸湿性、強度に優れるポリカーボネート樹脂層表層に、透明で耐表面傷付き性、耐光性に優れるメタクリル樹脂とを積層させたシートまたはフィルムが用いられている。しかしながら、この積層シートまたはフィルムは、メタクリル樹脂の吸湿変形による反りや、高耐熱性を有するポリカーボネート樹脂と比べて耐熱性の低いメタクリル樹脂との耐熱温度差の影響による反りなどの課題がある。

先行技術

0003

特開2013−193241号
特開平11−058627号

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、透明耐擦傷性板用共重合体及びその共重合体を用いた透明性や表面硬度外観に優れ、且つ反り変形が起こりにくい透明耐擦傷性板用積層体を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、以下を要旨とするものである。
(1)芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜20質量%からなり、ASTMD1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率が88%以上である透明耐擦傷性板用共重合体。
(2)ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に、(1)に記載の共重合体5〜90質量%とメタクリル樹脂10〜95質量%からなる樹脂組成物層(a)を積層してなる透明耐擦傷性板用積層体。
(3)前記樹脂組成物層(a)は、前記共重合体5〜80質量%と前記メタクリル樹脂20〜95質量%からなる(2)に記載の透明耐擦傷性板用積層体。
(4)メタクリル樹脂が(メタ)アクリル酸エステル単量体単位70〜100質量%と芳香族ビニル単量体単位0〜30質量%からなる共重合体である(2)又は(3)に記載の透明耐擦傷性板用積層体。
(5)(樹脂組成物層(a)の厚さ)/(ポリカーボネート樹脂層(b)の厚さ)の比が、5/95〜80/20である(2)〜(4)の何れか1つに記載の透明耐擦傷性板用積層体。
(6)前記比は、5/95〜70/30である(5)に記載の透明耐擦傷性板用積層体。

発明の効果

0006

本発明の共重合体は、透明耐擦傷性板に有用であり、その共重合体を用いることで透明性や表面硬度、外観に優れ、且つ反り変形が起こりにくい透明耐擦傷性板用積層体を提供することが出来る。

0007

<用語の説明>
本願明細書において、例えば、「A〜B」なる記載は、A以上でありB以下であることを意味する。

0008

以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。

0009

透明耐擦傷性板とは、例えば液晶テレビパソコンモニター携帯電話やPHS、タブレット等の携帯型情報端末表示窓デジタルカメラハンディ型ビデオカメラファインダー部、携帯型ゲーム機の表示窓、カーナビの表示部等のタッチパネル部材に使用される透明で耐表面傷付き性に優れるシートまたはフィルムのことである。

0010

本発明の透明耐擦傷性板用共重合体は、ASTMD1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率が88%以上であり、好ましくは89%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。2mm厚みの全光線透過率が88%以上であれば、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物の透明性が良好となる。なお、全光線透過率は射出成形機(東機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件成形された縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを、ASTM D1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて測定した値である。

0011

本発明の透明耐擦傷性板用共重合体において、芳香族ビニル単量体単位としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどの各スチレン系単量体由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはスチレン単位である。これら芳香族ビニル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。

0012

(メタ)アクリル酸エステル単量体単位としては、メチルメタクリレートエチルメタクリレートn−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなどの各メタクリル酸エステル単量体、およびメチルアクリレートエチルアクリレートn−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレートなどの各アクリル酸エステル単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはメチルメタクリレート単位である。これら(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。

0013

不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位としては、マレイン酸無水物イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物アコニット酸無水物などの各無水物単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはマレイン酸無水物単位である。不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位は、1種でもよく、2種類以上の併用であってもよい。

0014

本発明の透明耐擦傷性板用共重合体の構成単位は、芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜20質量%であり、好ましくは芳香族ビニル単量体単位50〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位8〜38質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位12〜18質量%である。

0015

芳香族ビニル単量体単位が85質量%以下であれば、メタクリル樹脂への耐熱性付与効果が向上し、80質量%以下であれば、さらに耐熱性付与効果が向上する。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が45質量%以下であれば、熱安定性の向上及び低吸湿性となり、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物を成形加工した際には、良好な外観を有しかつ低吸湿性な成形品が得られ、38質量%以下であれば、さらに熱安定性の向上及び低吸湿性となり、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物を成形加工した際には、さらに良好な外観を有しかつ低吸湿性な成形品が得られる。不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が20質量%以下であれば、メタクリル樹脂との相溶性が向上し、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物の透明性が良好であり、かつ耐熱性を向上させた樹脂組成物を得ることが出来、18質量%以下であれば、さらにメタクリル樹脂との相溶性が向上し、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物の透明性がさらに良好となり、かつ耐熱性を向上させた樹脂組成物を得ることが出来る。一方、芳香族ビニル単量体単位が45質量%以上であれば、熱安定性の向上及び低吸湿性となり、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物を成形加工した際には、良好な外観を有しかつ低吸湿性な成形品が得られ、50質量%以上であれば、さらに熱安定性が向上及び低吸湿性となり、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物を成形加工した際には、さらに良好な外観を有しかつ低吸湿性な成形品が得られる。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が5質量%以上であれば、メタクリル樹脂との相溶性が向上し、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物の透明性が良好であり、かつ耐熱性を向上させた樹脂組成物を得ることが出来、8質量%以上であれば、さらにメタクリル樹脂との相溶性が向上し、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物の透明性がさらに良好となり、かつ耐熱性を向上させた樹脂組成物を得ることが出来る。また、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が10質量%以上であれば、メタクリル樹脂との相溶性が向上し、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物の透明性が良好であり、かつメタクリル樹脂への耐熱性付与効果が向上し、12質量%以上であれば、さらにメタクリル樹脂との相溶性が向上し、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物の透明性がさらに良好であり、かつ耐熱性付与効果がさらに向上する。

0016

なお本発明の透明耐擦傷性板用共重合体は、芳香族ビニル単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、および不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位以外の、共重合可能ビニル単量体の単位を共重合体中に発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよく、好ましくは5質量%以下である。共重合可能なビニル単量体の単位としては、アクリロニトリルメタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体アクリル酸メタクリル酸などのビニルカルボン酸単量体、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−アルキルマレイミド単量体、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミドなどのN−アリールマレイミド単量体などの各単量体に由来する単位が挙げられる。共重合可能なビニル単量体の単位は、2種類以上の併用であってもよい。

0017

本発明の共重合体は、重量平均分子量(Mw)が10万〜20万であることが好ましく、より好ましくは、重量平均分子量(Mw)が12万〜18万である。重量平均分子量(Mw)が大きすぎると、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物の成形性や、成形品の外観が劣る場合があり、重量平均分子量(Mw)が小さすぎると、成形性や、成形品の強度に劣る場合がある。なお、重量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定されるポリスチレン換算の値であり、下記記載の測定条件における測定値である。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラムPLgelMIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製した。

0018

本発明の共重合体の製造方法について説明する。
重合様式においては特に限定はなく、溶液重合塊状重合等公知の方法で製造できるが、溶液重合がより好ましい。溶液重合で用いる溶剤は、副生成物が出来難く、悪影響が少ないという観点から非重合性であることが好ましい。溶剤の種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンアセトフェノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン等のエーテル類トルエンエチルベンゼンキシレンクロロベンゼン等の芳香族炭化水素などが挙げられるが、単量体や共重合体の溶解度、溶剤回収のし易さの観点から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。溶剤の添加量は、得られる共重合体量100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは30〜80質量部である。10質量部以上であれば、反応速度および重合液粘度を制御する上で好適であり、100質量部以下であれば、所望の重量平均分子量(Mw)を得る上で好適である。

0019

重合プロセスは回分式重合法、半回分式重合法、連続重合法のいずれの方式であっても差し支えないが、所望の分子量範囲と透明性を得る上で回分式重合法が好適である。

0020

重合方法は特に限定されないが、簡潔プロセスによって生産性良く製造することが可能であるという観点から、好ましくはラジカル重合法である。重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例えばジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテートジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知の有機過酸化物アゾビスイソブチロニトリルアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスメチルプロピオニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等の公知のアゾ化合物を用いることができる。これらの重合開始剤は2種以上を併用することも出来る。これらの中でも10時間半減期温度が、70〜110℃である有機過酸化物を用いるのが好ましい。

0021

本発明の共重合体は、ASTMD1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率が88%以上である。この条件を満たす共重合体が得られれば、その重合手順に特に制限はないが、全光線透過率が88%以上の透明性を有する共重合体を得るためには、共重合組成分布が小さくなるように重合しなければならない。芳香族ビニル単量体と不飽和ジカルボン酸無水物単量体とが強い交互共重合性を有することから、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体の重合速度に対応するように不飽和ジカルボン酸無水物単量体を連続的に分添する方法が好適である。重合速度のコントロールについては、重合温度、重合時間、および重合開始剤添加量とで調整することが出来る。重合開始剤を連続分添すると、より重合速度をコントロールし易くなるので好ましい。

0022

さらに、好ましい重量平均分子量(Mw)の範囲である10万〜20万である共重合体を得る方法については、重合温度、重合時間、および重合開始剤添加量の調整に加えて、溶剤添加量および連鎖移動剤添加量を調整することで得ることが出来る。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンや2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等の公知の連鎖移動剤を用いることができる。

0023

重合終了後、重合液には必要に応じて、ヒンダードフェノール系化合物ラクトン系化合物リン系化合物イオウ系化合物などの耐熱安定剤、ヒンダードアミン系化合物ベンゾトリアゾール系化合物等の耐光安定剤滑剤可塑剤着色剤帯電防止剤鉱油等の添加剤を加えても構わない。その添加量は全単量体単位100質量部に対して0.2質量部未満であることが好ましい。これらの添加剤は単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。

0024

重合液から本発明の共重合体を回収する方法については、特に限定はなく、公知の脱揮技術を用いることが出来る。例えば、重合液を二軸脱揮押出機ギヤーポンプを用いて連続的にフィードし、重合溶剤未反応モノマー等を脱揮処理する方法が挙げられる。なお、重合溶剤や未反応モノマー等を含む脱揮成分は、コンデンサー等を用いて凝縮させて回収し、凝縮液蒸留塔にて精製することで、重合溶剤は再利用することが可能である。

0025

本発明の透明耐擦傷性板用積層体は、ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に、本発明の透明耐擦傷性板用共重合体5〜90質量%とメタクリル樹脂10〜95質量%からなる樹脂組成物層(a)を積層させたものである。

0026

透明耐擦傷性板用積層体は、シート状又はフィルム状であり、ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に樹脂組成物層(a)を積層させていればよく、例えば、ポリカーボネート樹脂層(b)の一方の面に樹脂組成物層(a)を積層した二層構成や、ポリカーボネート樹脂層(b)の両面に樹脂組成物層(a)を積層した三層構成等が挙げられる。

0027

(樹脂組成物層(a)の厚さ)/(ポリカーボネート樹脂層(b)の厚さ)の比は、5/95〜80/20であることが好ましい。この場合、耐反り性、透明性、耐表面傷付き性のバランスに優れる。この比は、好ましくは5/95〜70/30であり、さらに好ましくは8/92〜20/80である。この場合、耐反り性がさらに向上する。

0028

ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に、本発明の透明耐擦傷性板用共重合体とメタクリル樹脂からなる樹脂組成物層(a)を積層させた透明耐擦傷性板用積層体を得る方法については、特に限定はなく、公知の溶融共押出成形技術を用いることが出来る。好適に使用できる溶融共押出成形としては、フィードブロック方式またはマルチダイ方式等がある。

0029

透明耐擦傷性板用積層体には、本発明の効果を阻害しない範囲で硬化被膜剤(ハードコート剤)や帯電防止剤などを使用した方が好ましい。

0030

樹脂組成物層(a)を構成する樹脂が、本発明の透明耐擦傷性板用共重合体5〜90質量%とメタクリル樹脂10〜95質量%であることが好ましい。この場合、樹脂組成物の透明性、色相、耐表面傷付き性、耐熱性、耐吸湿性、成形性のバランスに優れ、本発明の透明耐擦傷性板用積層体の反りを効果的に抑制することが出来る。透明耐擦傷性板用共重合体5〜80質量%とメタクリル樹脂20〜95質量%であると好ましく、透明耐擦傷性板用共重合体10〜30質量%とメタクリル樹脂70〜90質量%であるとさらに好ましい。この場合、透明耐擦傷性板用積層体の反りをさらに効果的に抑制することが出来る。

0031

樹脂組成物層(a)に用いる樹脂組成物を得る方法については、特に限定はなく、公知の溶融混練技術を用いることが出来る。好適に使用できる溶融混練装置としては、単軸押出機、噛合形方向回転または噛合形異方向回転二軸押出機、非または不完全噛合形二軸押出機等のスクリュー押出機バンバリーミキサーコニーダー及び混合ロール等がある。

0032

なお樹脂組成物層(a)には、本発明の効果を阻害しない範囲で安定剤や可塑剤、滑剤、酸化防止剤紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などを配合してもよい。

0033

樹脂組成物層(a)に用いるメタクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位70〜100質量%、芳香族ビニル単量体単位0〜30質量%であることが、本発明の共重合体との相溶性が向上し、得られる樹脂組成物の耐表面傷付き性、耐熱性、耐吸湿性、成形性が良好となることから好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸エステル単量体単位75〜100質量%、芳香族ビニル単量体単位0〜25質量%である。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が70質量%未満、芳香族ビニル単量体単位が30質量%を超過する場合には、本発明の透明耐擦傷性板用共重合体と混合した際、透明性や鉛筆硬度が低下してしまう。

0034

ポリカーボネート樹脂層(b)に用いるポリカーボネートとは、モノマー単位同士の接合部がカーボネート基(−O−(C=O)−O−) で構成される樹脂であり、例えば二価フェノールカルボニル化剤とを界面重縮合法や溶融エステル交換法等で反応させることにより得られるもの、カーボネートプレポリマー固相エステル交換法等で重合させることにより得られるもの、環状カーボネート化合物開環重合法で重合させることにより得られるもの等が挙げられる。

0035

前記二価フェノールとしては、例えばハイドロキノンレゾルシノール、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。

0036

中でも、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれる二価フェノールを単独で、または2種以上用いるのが好ましく、特に、ビスフェノールAの単独使用や、ビスフェノールAと、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンおよびα,α'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれる1種以上の二価フェノールとの併用が好ましい。

0037

前記カルボニル化剤としては、例えばホスゲン等のカルボニルハライドジフェニルカーボネート等のカーボネートエステル、二価フェノールのジハロホルメート等のハロホルメート等が挙げられ、単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。

0038

なおポリカーボネート樹脂層(b)には、本発明の効果を阻害しない範囲で安定剤や可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などを配合してもよい。

0039

以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例等になんら限定されるものではない。

0040

<共重合体(A−1)の製造例>
マレイン酸無水物が20質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた20%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。撹拌機を備えた120リットルオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート10.4kg、t−ドデシルメルカプタン40gを仕込み気相部を窒素ガス置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.1kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.1kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で25.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−1)を得た。得られた共重合体(A−1)をC−13NMR法により組成分析を行った。さらにGPC装置にて分子量測定を行った。また、射出成形機にて2mm厚みの鏡面プレートを成形し、ヘーズメーターにて全光線透過率を測定した。組成分析結果、分子量測定結果、および全光線透過率測定結果を表1に示す。

0041

<共重合体(A−2)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート12kg、t−ドデシルメルカプタン40g、メチルイソブチルケトン5kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を1.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま1.5kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で18kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−2)を得た。得られた共重合体(A−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0042

<共重合体(A−3)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液3.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート8.4kg、t−ドデシルメルカプタン32gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.85kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.85kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で34.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−3)を得た。得られた共重合体(A−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0043

<共重合体(A−4)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン13.8kg、メチルメタクレリレート16kg、t−ドデシルメルカプタン48gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.8kg/時、スチレン0.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に6時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを20g添加した。20%マレイン酸無水物溶液およびスチレンは、各々そのまま2.8kg/時、0.5kg/時の分添速度を維持しながら、10℃/時の昇温速度で3時間かけて118℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は積算で25.2kgになった時点で、スチレンの分添は積算で4.5kgになった時点で、各々の分添を停止した。昇温後、1時間118℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−4)を得た。得られた共重合体(A−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0044

<共重合体(A−5)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート10.4kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を1.68kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を200g/時の分添速度で各々連続的に10時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを20g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま1.68kg/時の分添速度を維持しながら、6.4℃/時の昇温速度で5時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で25.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−5)を得た。得られた共重合体(A−5)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0045

<共重合体(A−6)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート10.4kg、t−ドデシルメルカプタン300gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.1kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.1kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で25.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−6)を得た。得られた共重合体(A−6)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0046

<共重合体(B−1)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート10.4kg、t−ドデシルメルカプタン40gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.1kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を750g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.1kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で25.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−1)を得た。得られた共重合体(B−1)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。

0047

<共重合体(B−2)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液8kg、スチレン0.8kg、メチルメタクレリレート17.6kg、t−ドデシルメルカプタン30gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を250g/時の分添速度で各々連続的に6時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを10g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.5kg/時の分添速度を維持しながら、16℃/時の昇温速度で2時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で20kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−2)を得た。得られた共重合体(B−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。

0048

<共重合体(B−3)の製造例>
マレイン酸無水物が10質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた10%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、10%マレイン酸無水物溶液2kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート14kg、t−ドデシルメルカプタン48g、メチルイソブチルケトン2kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて90℃まで昇温した。昇温後90℃を保持しながら、10%マレイン酸無水物溶液を1.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。10%マレイン酸無水物溶液はそのまま1.5kg/時の分添速度を維持しながら、7.5℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。10%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で18kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−3)を得た。得られた共重合体(B−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。

0049

<共重合体(B−4)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液5kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート6kg、t−ドデシルメルカプタン32gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を3.75kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま3.75kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で45kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−4)を得た。得られた共重合体(B−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。

0050

<共重合体(B−5)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液1.2kg、スチレン35.2kg、t−ドデシルメルカプタン30g、メチルイソブチルケトン2kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を0.76kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を250g/時の分添速度で各々連続的に15時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを60g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま0.76kg/時の分添速度を維持しながら、4℃/時の昇温速度で9時間かけて128℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で18.24kgになった時点で停止した。昇温後、1時間128℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−5)を得た。得られた共重合体(B−5)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。

0051

<メタクリル樹脂(C−1)の製造例>
撹拌機を付した容積20リットルの完全混合型反応器、容積40リットルのプラグフロー型反応器予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。メチルメタクリレート98質量部、エチルアクリレート2質量部、エチルベンゼン18質量部で構成される混合溶液に対して、さらに1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン(日本油脂社製パーヘキサC)0.02質量部、n−ドデシルメルカプタン(花王社製チオカルコール20)0.3質量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティケミカルズ社製IRGANOX1076)を0.1質量部混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度120℃に制御した完全混合型反応器に導入した。なお、完全混合型反応器の撹拌数は200rpmで実施した。次いで完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、流れの方向に向かって温度130℃から150℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度240℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギヤーポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のメタクリル樹脂(C−1)を得た。得られたメタクリル樹脂(C−1)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表3に示す。

0052

<メタクリル樹脂(C−2)の製造例>
撹拌機を付した容積20リットルの完全混合型反応器、容積40リットルの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。メチルメタクリレート78質量部、スチレン22質量部、エチルベンゼン12質量部で構成される混合溶液に対して、さらに1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン(日本油脂社製パーヘキサC)0.02質量部、n−ドデシルメルカプタン(花王社製チオカルコール20)0.3質量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製IRGANOX1076)を0.1質量部混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度125℃に制御した完全混合型反応器に導入した。なお、完全混合型反応器の撹拌数は200rpmで実施した。次いで完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、流れの方向に向かって温度130℃から150℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度240℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギヤーポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のメタクリル樹脂(C−2)を得た。得られたメタクリル樹脂(C−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表3に示す。

0053

0054

0055

0056

<実施例・比較例>
前記製造例で記した共重合体(A−1)〜(A−6)または共重合体(B−1)〜(B−5)とメタクリル樹脂(C−1)〜(C−2)とを、表4〜表5で示した割合(質量%)でヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出機(東芝機械社製TEM−35B)にて、シリンダー温度230℃で溶融混練しペレット化して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物とポリカーボネート樹脂とを、それぞれ単軸押出機(東芝機械社製SE−65CA)を用いたフィードブロック方式(500mm幅Tダイ)にて、樹脂組成物側のシリンダー温度260℃、ポリカーボネート樹脂側のシリンダー温度270℃で溶融共押出成形を行い、厚さ1.0mm±0.01mmである二層構成の積層体を作製した。この際、樹脂組成物層(a)とポリカーボネート樹脂層(b)の層比(各層の厚さの比)が表4〜表5に記載した値となるよう調整した。この積層体について、以下の評価を行い、その評価結果を表4〜表5に示した。なお、ポリカーボネート樹脂は、帝人社製「パンライトL−1250」(MFR:8g/10min、ガラス転移温度:150℃)を用いた。

0057

(反り量)
積層体を縦90mm、横90mmの正方形切削後、環境試験機エスペック社製PL−3KPH)にて温度85℃、湿度85%の条件下で72時間静置させた。その後、平坦ガラス基板上に試験後の積層体を下に凸となる様に置き、積層体の各頂点4箇所とガラス基板面との隙間、および積層体各辺の中央部(各辺を2等分する位置)4箇所とガラス基板面との隙間を計測し(計8箇所計測)、その平均値を反り量とした。反り量1mm以下を「優」、反り量1mm超〜1.5mm以下を「可」とした。

0058

(全光線透過率、およびHaze(曇り度))
積層体を縦90mm、横90mmに切削後、ASTMD1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて全光線透過率およびHazeを測定した。全光線透過率88%以上、およびHaze3.0%以下を合格とした。

0059

(鉛筆硬度)
積層体を縦90mm、横90mmに切削後、樹脂組成物層(a)が上層、ポリカーボネート樹脂層(b)が下層となるように積層体を静置し、JIS K 5600−5−4:1999(荷重750g、角度45℃)に準拠し、鉛筆ひっかき硬度試験器(コーテック社製KT−VF2380)を用いて鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度H以上を「優」、鉛筆硬度Fを「可」とした。

0060

(外観)
積層体を縦90mm、横90mmに切削したサンプル50個を目視にて観察し、着色、気泡焼けコンタミブツなどの外観不良が発生したサンプル数を数えることによって、外観評価を行った。評価基準は以下の通りで、◎と○を合格とした。
◎:外観不良のサンプル数が0個
○:外観不良のサンプル数が1〜2個
△:外観不良のサンプル数が2〜5個
×:外観不良のサンプル数が6個以上

0061

0062

実施例

0063

本発明の共重合体(A−1)〜(A−6)とメタクリル樹脂(C−1)〜(C−2)からなる樹脂組成物層(a)と、ポリカーボネート樹脂層(b)との積層体に係わる実施例は、いずれも良好な透明性と鉛筆硬度を維持したまま、反りを抑制し、優れた外観を備えることが出来ていた。一方、本発明の条件に合わない共重合体(B−1)〜(B−5)とメタクリル樹脂(C−1)〜(C−2)からなる樹脂組成物層(a)と、ポリカーボネート樹脂層(b)との積層体に係わる比較例1〜6では、透明性が低下し、外観不良が多く発生した。共重合体を添加していない比較例7〜8では、反り量が非常に大きくなった。樹脂組成物層(a)を設けていない比較例9では、鉛筆硬度が非常に低かった。

0064

本発明によれば、透明耐擦傷性板用共重合体をメタクリル樹脂に配合することで、透明性と耐表面傷付き性を損なうことなく低吸湿性と耐熱性を付与することが可能となり、この透明耐擦傷性板用共重合体とメタクリル樹脂からなる樹脂組成物層とポリカーボネート樹脂層との積層シートまたはフィルムの反りを抑制し、優れた外観の透明耐擦傷性板用積層体を提供することができる。

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