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技術 キャリブレーション装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 大島正資若山俊夫
出願日 2014年5月12日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2016-514179
公開日 2017年4月20日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 WO2015-173861
状態 特許登録済
技術分野 方向探知 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等)
主要キーワード キャブレーション 符号変調信号 帯域通過フィルタ処理 未知信号 相互相関結果 デジタル直交検波 誤差行列 アレー素子
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月20日)のものです。
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図面 (8)

課題・解決手段

フーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定し、その参照信号でフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を除算することで、その周波数領域信号を正規化する参照信号正規化部5−1〜5−Mと、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、その周波数領域信号を正規化する基準周波数正規化部6−1〜6−Mとを設ける。

概要

背景

アレーアンテナを構成している複数のアンテナ受信信号の間に振幅誤差位相誤差が生じると、著しく受信性能劣化するため、その振幅誤差や位相誤差を補償するキャリブレーション装置が開発されている。
以下の非特許文献1に開示されているキャリブレーション装置では、各アンテナと受信部の間からキャリブレーション用の信号を注入して、各受信部から出力されたキャリブレーション用の信号を抽出し、それらのキャリブレーション用の信号を比較することで、各アンテナの振幅誤差と位相誤差を推定するキャリブレーション方法を用いている。
しかし、このキャリブレーション方法では、アンテナ本体が有する誤差を排除することができない。また、各アンテナの振幅誤差や位相誤差は経年変化するため、定期的にキャリブレーション用の信号を注入して比較する仕組みが必要になる。

アンテナ本体と受信部を含む全体の振幅誤差と位相誤差を補償するキャリブレーション方法として、到来方向既知である放射源から放射された信号を複数のアンテナが受信し、複数のアンテナの受信信号間振幅及び位相を比較することで、各アンテナの振幅誤差や位相誤差を推定する方法がある。
しかし、このキャリブレーション方法では、到来方向が既知である放射源を複数用意する必要がある。また、各アンテナの振幅誤差や位相誤差の経年変化に対処するには、定期的に上記の推定処理を繰り返し実施する必要がある。

以下の非特許文献2には、上記の課題を解決する方法として、到来方向が未知の放射源を用いて、キャリブレーションを行う手法が開示されている。
この手法では、各アンテナの振幅誤差や位相誤差が角度依存性を持たないという前提の下で、アレー素子数×アレー素子数の次元で表されるアレー誤差行列が受信信号に乗算されているモデルを生成し、そのアレー誤差行列を推定することでキャブレーションを実施している。
しかし、この手法では、アレー誤差行列が対角行列であるという仮定をおいており、実際には、センサ周辺の複雑な反射環境下では、上記の仮定が成立しないことが非特許文献1で述べられている。

概要

フーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定し、その参照信号でフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を除算することで、その周波数領域信号を正規化する参照信号正規化部5−1〜5−Mと、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、その周波数領域信号を正規化する基準周波数正規化部6−1〜6−Mとを設ける。

目的

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、到来方向が既知である放射源を事前に用意することなく、未知の信号の到来方向を推定する際に、複数のアンテナの振幅誤差及び位相誤差を推定することができるキャリブレーション装置を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

到来方向未知の信号を受信するアレーアンテナと、前記アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナ受信信号周波数領域の信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段により変換された複数の周波数領域の信号のうち、いずれか1つの素子アンテナに係る周波数領域の信号又は事前に取得している前記未知の信号の周波数スペクトル参照信号に設定し、前記参照信号を用いて、前記複数の周波数領域の信号を正規化する参照信号正規化手段と、前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を正規化する基準周波数正規化手段と、前記基準周波数正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を用いて、前記未知の信号の到来方向を推定する到来方向推定手段と、前記到来方向推定手段により推定された到来方向と前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を用いて、前記複数のアンテナ振幅誤差及び位相誤差を推定する振幅位相誤差推定手段とを備えたキャリブレーション装置

請求項2

前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を複数の帯域に分割する帯域分割手段を備え、前記基準周波数正規化手段は、前記帯域分割手段により分割された帯域毎に、当該帯域内の周波数領域の信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、当該帯域内の周波数領域の信号を正規化することを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。

請求項3

前記複数の素子アンテナの受信信号のうち、いずれか1つの受信信号又は事前に取得している前記未知の信号を基準信号に設定して、前記複数の素子アンテナの受信信号と前記基準信号の相互相関を算出し、その相互相関結果を用いて、前記受信信号の信号対雑音電力比を高めるSNR改善処理を実施し、SNR改善処理後の受信信号を前記信号変換手段に出力する相互相関算出手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。

請求項4

前記到来方向推定手段は、前記アレーアンテナにより受信された到来方向が異なる複数の未知信号の到来方向を推定し、前記振幅位相誤差推定手段は、前記到来方向推定手段により推定された複数の未知信号の到来方向と前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を用いて、前記アレーアンテナを構成している素子アンテナの数×前記到来方向推定手段により推定された到来方向の数の次元を有するアレー誤差行列を算出し、前記アレー誤差行列から前記複数のアンテナの振幅誤差及び位相誤差を推定することを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。

請求項5

前記参照信号正規化手段により正規化された周波数領域の信号から複数の周波数データを抽出して、前記複数の周波数データの相関行列を算出する相関行列算出手段と、前記相行列算出手段により算出された相関行列から、前記アレーアンテナにより受信された到来方向が異なる複数の未知信号に対応する固有ベクトルを特定し、前記固有ベクトルを前記参照信号正規化手段により正規化された周波数領域の信号として前記基準周波数正規化手段に出力する固有ベクトル特定手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。

請求項6

送信信号を生成する信号生成手段と、前記信号生成手段により生成された送信信号を空間に放射する送信アンテナとを備え、前記アレーアンテナは、前記送信アンテナから放射されたのち、前記空間に存在している反射体反射された前記送信信号の反射波を受信することを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。

請求項7

到来方向が未知の信号を受信するアレーアンテナと、前記アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナの受信信号を周波数領域の信号に変換する信号変換手段と、前記信号変換手段により変換された複数の周波数領域の信号のうち、いずれか1つの素子アンテナに係る周波数領域の信号又は事前に取得している前記未知の信号の周波数スペクトルを参照信号に設定し、前記参照信号を用いて、前記複数の周波数領域の信号を正規化する参照信号正規化手段と、前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号と、前記未知の信号の到来方向と前記複数の素子アンテナの位置から決まるステアリングベクトルと、前記ステアリングベクトルを前記到来方向で微分した微分値とを用いて、前記到来方向と一緒に前記複数のアンテナの振幅誤差及び位相誤差を反復計算する振幅位相誤差推定手段とを備えたキャリブレーション装置。

技術分野

0001

この発明は、例えば、電波・光波・音波等などを受信するアレーアンテナを構成している複数のアンテナ振幅位相誤差補償するキャリブレーション装置に関するものである。

背景技術

0002

アレーアンテナを構成している複数のアンテナの受信信号の間に振幅誤差や位相誤差が生じると、著しく受信性能劣化するため、その振幅誤差や位相誤差を補償するキャリブレーション装置が開発されている。
以下の非特許文献1に開示されているキャリブレーション装置では、各アンテナと受信部の間からキャリブレーション用の信号を注入して、各受信部から出力されたキャリブレーション用の信号を抽出し、それらのキャリブレーション用の信号を比較することで、各アンテナの振幅誤差と位相誤差を推定するキャリブレーション方法を用いている。
しかし、このキャリブレーション方法では、アンテナ本体が有する誤差を排除することができない。また、各アンテナの振幅誤差や位相誤差は経年変化するため、定期的にキャリブレーション用の信号を注入して比較する仕組みが必要になる。

0003

アンテナ本体と受信部を含む全体の振幅誤差と位相誤差を補償するキャリブレーション方法として、到来方向既知である放射源から放射された信号を複数のアンテナが受信し、複数のアンテナの受信信号間の振幅及び位相を比較することで、各アンテナの振幅誤差や位相誤差を推定する方法がある。
しかし、このキャリブレーション方法では、到来方向が既知である放射源を複数用意する必要がある。また、各アンテナの振幅誤差や位相誤差の経年変化に対処するには、定期的に上記の推定処理を繰り返し実施する必要がある。

0004

以下の非特許文献2には、上記の課題を解決する方法として、到来方向が未知の放射源を用いて、キャリブレーションを行う手法が開示されている。
この手法では、各アンテナの振幅誤差や位相誤差が角度依存性を持たないという前提の下で、アレー素子数×アレー素子数の次元で表されるアレー誤差行列が受信信号に乗算されているモデルを生成し、そのアレー誤差行列を推定することでキャブレーションを実施している。
しかし、この手法では、アレー誤差行列が対角行列であるという仮定をおいており、実際には、センサ周辺の複雑な反射環境下では、上記の仮定が成立しないことが非特許文献1で述べられている。

先行技術

0005

山田、“高分解能到来方向推定のためのアレーキャリブレーション手法”電子情報通信学会論文誌B、Vol.J92-B No.9, pp.1308−1321
島田、山田、山口、“独立成分分析を利用した不等間隔リニアアレーのためのブラインドアレー校正手法、”電子情報通信学会論文誌B、Vol.J91-B No.9, pp.980−988

発明が解決しようとする課題

0006

従来のキャリブレーション装置は以上のように構成されているので、到来方向が既知である放射源を複数用意しなければ、アレーアンテナを構成している複数のアンテナの振幅誤差や位相誤差を推定することができない課題があった。
また、各アンテナの振幅誤差や位相誤差の経年変化に対処するには、未知の放射源から放射される信号の到来方向を推定する処理とは別個に、上記の誤差の推定処理を定期的に繰り返す必要がある課題があった。

0007

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、到来方向が既知である放射源を事前に用意することなく、未知の信号の到来方向を推定する際に、複数のアンテナの振幅誤差及び位相誤差を推定することができるキャリブレーション装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

この発明に係るキャリブレーション装置は、到来方向が未知の信号を受信するアレーアンテナと、アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナの受信信号を周波数領域の信号に変換する信号変換手段と、信号変換手段により変換された複数の周波数領域の信号のうち、いずれか1つの素子アンテナに係る周波数領域の信号又は事前に取得している未知の信号の周波数スペクトル参照信号に設定し、その参照信号を用いて、複数の周波数領域の信号を正規化する参照信号正規化手段と、参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を正規化する基準周波数正規化手段と、基準周波数正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を用いて、未知の信号の到来方向を推定する到来方向推定手段とを設け、振幅位相誤差推定手段が、到来方向推定手段により推定された到来方向と参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を用いて、複数のアンテナの振幅誤差及び位相誤差を推定するようにしたものである。

発明の効果

0009

この発明によれば、信号変換手段により変換された複数の周波数領域の信号のうち、いずれか1つの素子アンテナに係る周波数領域の信号又は事前に取得している未知の信号の周波数スペクトルを参照信号に設定し、その参照信号を用いて、複数の周波数領域の信号を正規化する参照信号正規化手段と、参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を正規化する基準周波数正規化手段とを設けるように構成したので、到来方向が既知である放射源を事前に用意することなく、未知の信号の到来方向を高精度に推定しながら、複数のアンテナの振幅誤差及び位相誤差を推定することができる効果がある。

図面の簡単な説明

0010

この発明の実施の形態1によるキャリブレーション装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態2によるキャリブレーション装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態3によるキャリブレーション装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態4によるキャリブレーション装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態5によるキャリブレーション装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態6によるキャリブレーション装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態7によるキャリブレーション装置を示す構成図である。

実施例

0011

以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるキャリブレーション装置を示す構成図である。
図1において、放射源1は到来方向θが未知の信号を放射している信号源、あるいは、他の放射源から放射された信号を反射している反射体である。
受信アンテナ2−1〜2−Mはアレーアンテナを構成している素子アンテナであり、到来方向θが未知の信号を受信する。
受信部3−1〜3−Mは受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号であるRF信号に対して、各種の信号処理(例えば、信号の増幅処理帯域通過フィルタ処理周波数変換処理、A/D変換処理など)を実施することで、デジタル信号であるベースバンド複素信号を得て、そのベースバンド複素信号をフーリエ変換部4−1〜4−Mに出力する受信機である。
なお、受信部3−1〜3−Mにより得られたデジタル信号がIF実信号である場合、そのIF実信号に対するヒルベルト変換デジタル直交検波を実施することで、ベースバンド複素信号を得る構成にしてもよい。

0012

フーリエ変換部4−1〜4−Mは受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号をFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)することで、そのベースバンド複素信号を周波数領域の信号(以下、「周波数領域信号」と称する)に変換する処理を実施する。
なお、受信部3−1〜3−M及びフーリエ変換部4−1〜4−Mから信号変換手段が構成されている。
ここでは、ベースバンド複素信号をFFTしているが、ベースバンド複素信号を周波数領域信号に変換する処理であれば、FFTに限るものではなく、例えば、ベースバンド複素信号をDFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)するようにしてもよい。

0013

参照信号正規化部5−1〜5−Mはフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定し、その参照信号でフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を除算することで、その周波数領域信号を正規化する処理を実施する。なお、参照信号正規化部5−1〜5−Mは参照信号正規化手段を構成している。
ここでは、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定しているが、放射源1から放射される信号の周波数スペクトルを事前に取得している場合には、その周波数スペクトルを参照信号に設定するようにしてもよい。

0014

基準周波数正規化部6−1〜6−Mは参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号を正規化する処理を実施する。なお、基準周波数正規化部6−1〜6−Mは基準周波数正規化手段を構成している。

0015

広帯域ビーム形成部7は基準周波数正規化部6−1〜6−Mにより正規化された周波数領域信号を用いて、広帯域のビームパターンを形成する処理を実施する。
到来方向推定部8は広帯域ビーム形成部7により形成されたビームパターンのピークを検出することで、放射源1から放射された信号の到来方向θを推定する処理を実施する。
なお、広帯域ビーム形成部7及び到来方向推定部8から到来方向推定手段が構成されている。

0016

振幅・位相誤差推定部9は到来方向推定部8により推定された到来方向θと参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号を用いて、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定する処理を実施する。なお、振幅・位相誤差推定部9は振幅位相誤差推定手段を構成している。

0017

図1の例では、キャリブレーション装置の構成要素である受信アンテナ2−1〜2−M、受信部3−1〜3−M、フーリエ変換部4−1〜4−M、参照信号正規化部5−1〜5−M、基準周波数正規化部6−1〜6−M、広帯域ビーム形成部7、到来方向推定部8及び振幅・位相誤差推定部9のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが(例えば、受信アンテナ2−1〜2−Mと受信部3−1〜3−Mを除く構成要素は、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどで構成されているものを想定する)、キャリブレーション装置の一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信アンテナ2−1〜2−Mと受信部3−1〜3−Mを除く構成要素をコンピュータで構成する場合、フーリエ変換部4−1〜4−M、参照信号正規化部5−1〜5−M、基準周波数正規化部6−1〜6−M、広帯域ビーム形成部7、到来方向推定部8及び振幅・位相誤差推定部9の処理内容記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。

0018

次に動作について説明する。
アレーアンテナを構成している受信アンテナ2−1〜2−Mは、放射源1から放射された到来方向θが未知の信号を受信する。
受信部3−1〜3−Mは、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号であるRF信号に対して、各種の信号処理(例えば、信号の増幅処理、帯域通過フィルタ処理、周波数変換処理、A/D変換処理など)を実施することで、デジタル信号であるベースバンド複素信号を得て、そのベースバンド複素信号をフーリエ変換部4−1〜4−Mに出力する。

0019

フーリエ変換部4−1〜4−Mは、受信部3−1〜3−Mからベースバンド複素信号を受けると、そのベースバンド複素信号をFFTすることで、そのベースバンド複素信号を周波数領域の信号に変換し、その周波数領域信号を参照信号正規化部5−1〜5−Mに出力する。
参照信号正規化部5−1〜5−Mは、フーリエ変換部4−1〜4−Mから周波数領域信号を受けると、放射源1の周波数スペクトルの影響を除去するため、フーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換されたM個の周波数領域信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定し、その参照信号でフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を除算することで、その周波数領域信号を正規化する。
ここでは、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定しているが、放射源1から放射される信号の周波数スペクトルを事前に取得している場合には、その周波数スペクトルを参照信号に設定し、その参照信号でフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を除算することで、その周波数領域信号を正規化するようにしてもよい。

0020

参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]は、下記の式(1)で表される。

式(1)において、m(m=1,2,・・・,M)は受信アンテナ2の素子番号であり、k(k=−K/2,・・・,0,・・・,K/2−1)は周波数のインデックス番号である。
また、γm(f)は周波数fにおけるm番目の受信アンテナ2−mの複素振幅であり、受信アンテナ2−mの振幅誤差と位相誤差を意味する。
fcは放射源1から放射された信号の中心周波数、dは受信アンテナ2−1〜2−Mの素子間隔、cは光速、θは放射源1から放射された信号の到来方向、n[m,k]は周波数インデックスkにおけるm番目の受信アンテナ2−mの受信信号に含まれている受信機雑音である。
ここでは説明の簡略化のために、受信アンテナ2−1〜2−Mの素子間隔dが等間隔であって、受信アンテナ2−1〜2−Mが直線上に並んでいることを想定しているが、受信アンテナ2−1〜2−Mの素子間隔が不等間隔であってもよいし、受信アンテナ2−1〜2−Mが2次元に配置されているものであってもよい。

0021

基準周波数正規化部6−1〜6−Mは、参照信号正規化部5−1〜5−Mから正規化後の周波数領域信号x[m,k]を受けると、受信アンテナ2−1〜2−Mにおける振幅誤差と位相誤差の影響を除去するため、その周波数領域信号x[m,k]に含まれている基準となる周波数の信号で、その周波数領域信号x[m,k]を除算することで、その周波数領域信号を正規化する。
ここで、周波数領域信号x[m,k]の帯域内において、複素振幅γm(f)が一定であるとすれば、上記の式(1)は、下記の式(2)のように表される。

0022

式(2)で表される周波数領域信号x[m,k]を基準となる周波数の信号x[m,0](ここでは、k=0を基準としている)で除算することで、その周波数領域信号x[m,k]を正規化すると、受信アンテナ2−1〜2−Mにおける振幅誤差と位相誤差の影響を除去することができる。

式(3)において、xチルダ[m,k]は、基準周波数正規化部6−1〜6−Mによる正規化後の周波数領域信号を表している。
なお、明細書の文書中では、電子出願の関係上、文字の上に“〜”の記号を付することができないので、xチルダのように表記している。
以下、式(3)の右辺第一項を「正規化ステアリングベクトル」と称する。式(3)では、受信アンテナ2−1〜2−Mの複素振幅と位相誤差の影響が除去されており、未知パラメータは放射源1から放射されている信号の到来方向θだけとなっている。

0023

広帯域ビーム形成部7は、基準周波数正規化部6−1〜6−Mにより正規化された周波数領域信号xチルダ[m,k]を用いて、広帯域のビームパターンを形成する。
即ち、広帯域ビーム形成部7は、下記の式(4)に示すように、正規化ステアリングベクトル(式(3)の右辺第一項)を利用し、到来方向θを変化させることで広帯域のビームパターンを形成する。

式(4)において、P(θチルダ)は広帯域のビームパターン、vec(・)は(・)内の行列を列方向に並べ替えベクトル化する操作を意味する。
また、aチルダm,k(θ)は正規化ステアリングベクトル、Hは複素共役転置を意味する。

0024

到来方向推定部8は、広帯域ビーム形成部7が広帯域のビームパターンP(θチルダ)を形成すると、そのビームパターンP(θチルダ)のピーク(最大値)を検出する。
到来方向推定部8は、ビームパターンP(θチルダ)のピークを検出すると、そのピークに対応する方向を特定し、そのピークに対応する方向を放射源1から放射された信号の到来方向θとして振幅・位相誤差推定部9に出力する。

0025

振幅・位相誤差推定部9は、到来方向推定部8から到来方向θを受けると、その到来方向θを、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]を示す式(2)に代入することで、受信アンテナ2−1〜2−Mの複素振幅γm(f)である振幅誤差及び位相誤差を推定する。
なお、複素振幅γm(f)の推定には、例えば、最小二乗法等が適用される。複素振幅γm(f)の絶対値から振幅誤差を推定することができ、また、複素振幅γm(f)の位相から位相誤差を推定することができる。

0026

以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、フーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定し、その参照信号でフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を除算することで、その周波数領域信号を正規化する参照信号正規化部5−1〜5−Mと、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、その周波数領域信号x[m,k]を正規化する基準周波数正規化部6−1〜6−Mとを設けるように構成したので、到来方向が既知である放射源を事前に用意することなく、未知の信号の到来方向θを高精度に推定しながら、複数の受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定することができる効果を奏する。

0027

実施の形態2.
上記実施の形態1では、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号の帯域内で、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差が一定であるものについて説明しているが、その受信信号の帯域内で、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差が一定でない場合もある。
この実施の形態2では、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号の帯域内で、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差が一定でない場合でも、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差を高精度に推定することができるキャリブレーション装置について説明する。

0028

図2はこの発明の実施の形態2によるキャリブレーション装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
帯域分割部11−1〜11−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]を複数の帯域に分割する処理を実施する。なお、帯域分割部11−1〜11−Mは帯域分割手段を構成している。
基準周波数正規化部12−1〜12−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、帯域分割部11−1〜11−Mにより分割された帯域毎に、当該帯域内の周波数領域信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、当該帯域内の周波数領域信号を正規化する処理を実施する。なお、基準周波数正規化部12−1〜12−Mは基準周波数正規化手段を構成している。

0029

次に動作について説明する。
帯域分割部11−1〜11−Mは、上記実施の形態1と同様にして、参照信号正規化部5−1〜5−Mがフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を正規化して、正規化後の周波数領域信号x[m,k]を出力すると、その周波数領域信号x[m,k]を複数の帯域に分割する。
周波数領域信号x[m,k]を分割する帯域の幅は、実際のシステム毎に異なり、受信アンテナ2−1〜2−M及び受信部3−1〜3−Mにおける振幅誤差及び位相誤差の周波数特性によって決定される。分割する帯域の幅は、事前のシミュレーション計算で求める方法のほか、実際にアナログ信号を注入して計測する方法などが考えられる。

0030

基準周波数正規化部12−1〜12−Mは、帯域分割部11−1〜11−Mにより分割された帯域毎に、基準となる周波数(例えば、分割された帯域の中心周波数)を決定する。
基準周波数正規化部12−1〜12−Mは、基準となる周波数を決定すると、帯域分割部11−1〜11−Mにより分割された帯域毎に、その決定した基準となる周波数の信号で、当該分割帯域内の周波数領域信号を除算することで、当該分割帯域内の周波数領域信号を正規化する。
広帯域ビーム形成部7は、基準周波数正規化部6−1〜6−Mにより正規化された各分割帯域の周波数領域信号を用いて、広帯域のビームパターンを形成する。
以降の処理内容は、上記実施の形態1と同様であるため詳細な説明を省略する。

0031

以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]を複数の帯域に分割する帯域分割部11−1〜11−Mを設け、基準周波数正規化部12−1〜12−Mが、帯域分割部11−1〜11−Mにより分割された帯域毎に、当該帯域内の周波数領域信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、当該帯域内の周波数領域信号を正規化するように構成したので、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号の帯域内で、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差が一定でない場合でも、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差を高精度に推定することができる効果を奏する。

0032

実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、受信部3−1〜3−Mが受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号からベースバンド複素信号を得て、フーリエ変換部4−1〜4−Mがベースバンド複素信号をFFTすることで、そのベースバンド複素信号を周波数領域信号に変換しているが、その受信信号のSNR(信号対雑音電力比)が低い場合には、その周波数領域信号を高精度に求めることができない。
また、参照信号正規化部5−1〜5−Mが周波数領域信号を正規化する際、放射源1から放射された信号の周波数スペクトル内に、0に近い成分が含まれる場合には雑音成分が増幅されることがある。
そこで、この実施の形態2では、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号のSNRを高めて、周波数領域信号を高精度に求めることができるキャリブレーション装置について説明する。

0033

図3はこの発明の実施の形態3によるキャリブレーション装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
相互相関算出部13−1〜13−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係るベースバンド複素信号を基準信号に設定して、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号と前記基準信号の相互相関を算出し、その相互相関結果を用いて、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号のSNRを高めるSNR改善処理を実施し、SNR改善処理後のベースバンド複素信号をフーリエ変換部4−1〜4−Mに出力する処理を実施する。なお、相互相関算出部13−1〜13−Mは相互相関算出手段を構成している。
ここでは、いずれか1つの受信アンテナ2に係るベースバンド複素信号を基準信号に設定しているが、放射源1から放射される信号のベースバンド複素信号を事前に取得している場合には、そのベースバンド複素信号を基準信号に設定するようにしてもよい。

0034

次に動作について説明する。
相互相関算出部13−1〜13−Mは、上記実施の形態1と同様にして、受信部3−1〜3−Mがベースバンド複素信号を出力すると、いずれか1つの受信アンテナ2に係るベースバンド複素信号を基準信号に設定し、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号と前記基準信号の相互相関を算出する。
この相互相関は、時間領域における畳み込み演算で計算してもよいが、演算量の低減のために、周波数領域における乗算として計算するようにしてもよい。
ここでは、いずれか1つの受信アンテナ2に係るベースバンド複素信号を基準信号に設定しているが、放射源1から放射される信号のベースバンド複素信号を事前に取得している場合には、そのベースバンド複素信号を基準信号に設定するようにしてもよい。

0035

相互相関算出部13−1〜13−Mは、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号と基準信号の相互相関を算出すると、その相互相関値の絶対値のピーク(放射源1から放射された信号)を検出する。
相互相関算出部13−1〜13−Mは、相互相関値の絶対値のピークを検出すると、ベースバンド複素信号におけるピーク周辺の信号(高SNRの信号)をフーリエ変換部4−1〜4−Mに出力する。
なお、ピーク周辺を抽出した後に0詰めを行って周波数ポイント数を増加させる構成としてもよい。

0036

以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、相互相関算出部13−1〜13−Mが、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係るベースバンド複素信号を基準信号に設定して、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号と前記基準信号の相互相関を算出し、その相互相関結果を用いて、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号のSNRを高めるSNR改善処理を実施し、SNR改善処理後のベースバンド複素信号をフーリエ変換部4−1〜4−Mに出力するように構成したので、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号のSNRが低い場合でも、周波数領域信号を高精度に求めることができる効果を奏する。
また、フーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換される周波数領域信号を平滑化することができるため、参照信号正規化部5−1〜5−Mが周波数領域信号を正規化する際に生じる雑音の増幅を抑圧することができる効果を奏する。

0037

なお、SNRを改善するには、より長い時間の相互相関演算が必要であり、FFTの演算量が増加する。このため、ベースバンド複素信号及び基準信号をいくつかのブロックに分割し、ブロック毎の相互相関演算を行った後に、ブロック間でFFTを行うようにすれば、比較的に低演算量で長時間の相互相関演算を行うことができる。

0038

実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、1つの放射源1から放射された到来方向θが未知の信号を受信して、その到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定するものを示したが、複数の放射源1から放射された信号の到来方向θを推定するとともに、各信号の到来方向θ毎に、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定するようにしてもよい。

0039

図4はこの発明の実施の形態4によるキャリブレーション装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
アレー誤差行列推定部14は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、到来方向推定部8により推定された複数の未知信号の到来方向θと、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]とを用いて、受信アンテナ2−1〜2−Mの本数M×到来方向推定部8により推定された到来方向の数Mチルダの次元を有するアレー誤差行列Cを算出し、各信号の到来方向θ毎に、そのアレー誤差行列Cから受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定する処理を実施する。なお、アレー誤差行列推定部14は振幅位相誤差推定手段を構成している。

0040

次に動作について説明する。
到来方向推定部8は、上記実施の形態1と同様の方法で、未知信号の到来方向θを推定するが、この実施の形態4では、Mチルダ個の未知信号の到来方向θを推定できているものとする。
アレー誤差行列推定部14は、到来方向推定部8がMチルダ個の未知信号の到来方向θを推定すると、Mチルダ個の未知信号の到来方向θと、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]とを用いて、M×Mチルダの次元を有するアレー誤差行列Cを算出する。

0041

Mチルダ個の未知信号の到来方向θが推定されている場合、周波数領域信号xは、下記の式(5)のようにモデル化することができる。

0042

式(5)より、アレー誤差行列Cは、以下のように算出することができる。

アレー誤差行列推定部14は、アレー誤差行列Cを算出すると、各信号の到来方向θ毎に、そのアレー誤差行列Cから受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を算出する。

0043

以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、アレー誤差行列推定部14が、到来方向推定部8により推定された複数の未知信号の到来方向θと、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]とを用いて、受信アンテナ2−1〜2−Mの本数M×到来方向推定部8により推定された到来方向の数Mチルダの次元を有するアレー誤差行列Cを算出し、各信号の到来方向θ毎に、そのアレー誤差行列Cから受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定するように構成したので、到来方向推定部8によりMチルダ個の未知信号の到来方向θが推定された場合、各信号の到来方向θ毎に、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定することができる効果を奏する。

0044

実施の形態5.
上記実施の形態1〜3では、フーリエ変換部4−1〜4−Mがベースバンド複素信号をFFTする時間の範囲内で、到来方向θを推定する未知の信号が1波だけ入射される例を説明しているが、到来方向θを推定する未知の信号が複数波入射される場合、複数の未知の信号の到来方向θを推定するようにしてもよい。

0045

図5はこの発明の実施の形態5によるキャリブレーション装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
相関行列算出部15−1〜15−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]から複数の周波数データを抽出して、複数の周波数データの相関行列Rを算出する処理を実施する。なお、相関行列算出部15−1〜15−Mは相関行列算出手段を構成している。

0046

固有ベクトル算出部16−1〜16−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、相関行列算出部15−1〜15−Mにより算出された相関行列Rから、受信アンテナ2−1〜2−Mにより受信された到来方向が異なる複数の未知信号に対応する固有ベクトルを特定し、その固有ベクトルを参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]として基準周波数正規化部6−1〜6−Mに出力する処理を実施する。なお、固有ベクトル算出部16−1〜16−Mは固有ベクトル特定手段を構成している。

0047

次に動作について説明する。
相関行列算出部15−1〜15−Mは、上記実施の形態1と同様に、参照信号正規化部5−1〜5−Mが周波数領域信号を正規化すると、正規化後の周波数領域信号x[m,k]から、例えばKチルダ個の周波数データを抽出する。
相関行列算出部15−1〜15−Mは、Kチルダ個の周波数データを抽出すると、それらの周波数データの相関行列を算出する。
例えば、l番目の周波数データの相関行列Rxx,m,lは、下記の式(7)のように算出することができる。

0048

相関行列算出部15−1〜15−Mは、l番目の周波数データの相関行列Rxx,m,lを算出すると、その相関行列Rxx,m,lを周波数方向シフトすることで、その相関行列Rxx,m,lをL(=K−Kチルダ+1)回平均する。
周波数方向平均後の相関行列Rxx,mは、下記の式(8)のように算出することができる。

0049

固有ベクトル算出部16−1〜16−Mは、相関行列算出部15−1〜15−Mが相関行列Rxx,m,lをL回平均すると、平均後の相関行列Rxx,mの固有値展開を実施して、受信アンテナ2−1〜2−Mにより受信された到来方向が異なる複数の未知信号に対応する固有ベクトルを特定する。
例えば、N波の受信信号が同時に入射されている状況下では、平均後の相関行列Rxx,mの固有値の中で、値が大きい上位N個の固有値を特定して、上位N個の固有値に対応するN個の固有ベクトルを特定する。N個の固有ベクトルは、N波の受信信号に係る周波数領域信号に対応している。
固有ベクトル算出部16−1〜16−Mは、上位N個の固有値に対応するN個の固有ベクトルを特定すると、N個の固有ベクトルを参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]として基準周波数正規化部6−1〜6−Mに出力する。
なお、固有ベクトルの特定は、受信アンテナ2毎に独立に行い、固有値が近い固有ベクトルを各受信アンテナ2の間で対応させることで、各受信アンテナ2で同じ到来方向θに関する周波数領域信号を推定することができる。

0050

以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]から複数の周波数データを抽出して、複数の周波数データの相関行列Rを算出する相関行列算出部15−1〜15−Mと、相関行列算出部15−1〜15−Mにより算出された周波数領域信号の相関行列Rから、受信アンテナ2−1〜2−Mにより受信された到来方向が異なる複数の未知信号に対応する固有ベクトルを特定し、複数の固有ベクトルを参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]として基準周波数正規化部6−1〜6−Mに出力する固有ベクトル算出部16−1〜16−Mとを設けるように構成したので、複数の放射源1から放射された未知の信号の到来方向θを推定することができる効果を奏する。

0051

実施の形態6.
上記実施の形態1〜5では、放射源1から到来方向θが未知の信号を放射される例を示しているが、キャリブレーション装置が自ら信号を放射するレーダの形態を有していてもよい。

0052

図6はこの発明の実施の形態6によるキャリブレーション装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
送信信号生成部21はレーダで一般的に用いられるベースバンド信号(例えば、線形周波数変調信号符号変調信号CW信号など)を生成する。
送信部22は送信信号生成部21により生成されたベースバンド信号に対して、各種の信号処理(例えば、信号の増幅処理、帯域通過フィルタ処理、周波数変換処理など)を実施することでRF信号(送信信号)を得て、そのRF信号を送信アンテナ23に出力する送信機である。なお、送信信号生成部21及び送信部22から信号生成手段が構成されている。
送信アンテナ23は送信部22から出力されたRF信号を空間に放射する。

0053

次に動作について説明する。
送信信号生成部21は、レーダで一般的に用いられるベースバンド信号を生成し、そのベースバンド信号を送信部22に出力する。
また、送信信号生成部21は、そのベースバンド信号をFFTすることで、そのベースバンド信号を周波数領域の信号に変換し、その周波数領域信号を参照信号正規化部5−1〜5−Mに出力する。
参照信号正規化部5−1〜5−Mは、上記実施の形態1と同様に、フーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定するようにしてもよいが、送信信号生成部21から出力された周波数領域信号を参照信号に設定するようにしてもよい。

0054

送信部22は、送信信号生成部21からベースバンド信号を受けると、そのベースバンド信号に対して、各種の信号処理を実施することでRF信号を得て、そのRF信号を送信アンテナ23に出力する。
これにより、送信アンテナ23からRF信号が空間に放射される。空間に放射されたRF信号は、空間に存在している反射体に反射されたのち、受信アンテナ2−1〜2−Mで受信される。
以降の処理内容は、上記実施の形態1と同様であるため詳細な説明を省略する。

0055

実施の形態7.
上記実施の形態1〜6では、到来方向推定部8が、広帯域ビーム形成部7により形成されたビームパターンP(θチルダ)のピークを検出することで、放射源1から放射された信号の到来方向θを推定したのち、振幅・位相誤差推定部9が、到来方向推定部8により推定された到来方向θと参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]を用いて、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定するものを示したが、放射源1から放射された信号の到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を同時に推定するようにしてもよい。

0056

図7はこの発明の実施の形態7によるキャリブレーション装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
反復計算部31−1〜31−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]と、未知の信号の到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの位置から決まるステアリングベクトルと、そのステアリングベクトルを到来方向θで微分した微分値とを用いて、その到来方向θと一緒に受信アンテナ2−1〜2−Mの複素振幅γm(f)である振幅誤差及び位相誤差の反復計算を実施する。なお、反復計算部31−1〜31−Mは振幅位相誤差推定手段を構成している。
到来方向平均部32は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、反復計算部31−1〜31−Mにより反復計算された到来方向θの平均を求める処理を実施する。

0057

次に動作について説明する。
反復計算部31−1〜31−Mは、上記実施の形態1と同様に、参照信号正規化部5−1〜5−Mがフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を正規化すると、正規化後の周波数領域信号x[m,k]と、未知の信号の到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの位置から決まるステアリングベクトルと、そのステアリングベクトルを到来方向θで微分した微分値とを用いて、下記の式(9)に示すような線形方程式を生成する。

式(9)において、右辺の2行×2列の行列におけるam(θ0,f)とam(θ0,f+Δf)がステアリングベクトルであり、∂am(θ0,f)/∂θと∂am(θ0,f+Δf)/∂θがステアリングベクトルを到来方向θで微分した微分値である。

0058

反復計算部31−1〜31−Mは、線形方程式を生成すると、反復計算を実施することで、未知の信号の到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの複素振幅γm(f)である振幅誤差及び位相誤差を同時に推定する。
到来方向平均部32は、反復計算部31−1〜31−Mが未知の信号の到来方向θを推定すると、それらの到来方向θの平均を求める。

0059

以上で明らかなように、この実施の形態7によれば、反復計算部31−1〜31−Mが、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]と、未知の信号の到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの位置から決まるステアリングベクトルと、そのステアリングベクトルを到来方向θで微分した微分値とを用いて、その到来方向θと一緒に受信アンテナ2−1〜2−Mの複素振幅γm(f)である振幅誤差及び位相誤差の反復計算を実施するように構成したので、上記実施の形態1と同様に、到来方向が既知である放射源を事前に用意することなく、未知の信号の到来方向θを高精度に推定しながら、複数の受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定することができる効果を奏する。

0060

なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

0061

この発明は、各アンテナの振幅誤差や位相誤差の経年変化が生じても、到来方向が既知である放射源を事前に用意することなく、その振幅誤差や位相誤差を補償する必要があるキャリブレーション装置に適している。

0062

1放射源、2−1〜2−M受信アンテナ(素子アンテナ)、3−1〜3−M 受信部(信号変換手段)、4−1〜4−Mフーリエ変換部(信号変換手段)、5−1〜5−M参照信号正規化部(参照信号正規化手段)、6−1〜6−M基準周波数正規化部(基準周波数正規化手段)、7広帯域ビーム形成部(到来方向推定手段)、8 到来方向推定部(到来方向推定手段)、9振幅・位相誤差推定部(振幅位相誤差推定手段)、11−1〜11−M帯域分割部(帯域分割手段)、12−1〜12−M 基準周波数正規化部(基準周波数正規化手段)、13−1〜13−M相互相関算出部(相互相関算出手段)、14アレー誤差行列推定部(振幅位相誤差推定手段)、15−1〜15−M相関行列算出部(相関行列算出手段)、16−1〜16−M固有ベクトル算出部(固有ベクトル特定手段)、21送信信号生成部(信号生成手段)、22 送信部(信号生成手段)、23送信アンテナ、31−1〜31−M反復計算部(振幅位相誤差推定手段)、32到来方向平均部。

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