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技術 モード同期レーザ、高速光信号処理装置およびスペクトル分光計測装置

出願人 国立大学法人東北大学
発明者 中沢正隆吉田真人廣岡俊彦
出願日 2015年3月4日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2016-517830
公開日 2017年4月20日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 WO2015-170504
状態 特許登録済
技術分野 レーザ(2)
主要キーワード 数値解析結果 パルス形 パルス発振動作 裾野部分 モードロッカー 高繰り返し周波数 飽和効果 バルクガラス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年4月20日)のものです。
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図面 (11)

課題

光パルス圧縮回路がなくとも、GHz帯高繰り返し周波数を有するフェムト秒パルス直接出力することが可能なモード同期レーザを提供する。

解決手段

レーザ共振器内にモード同期光回路として光変調器5を用いている。また、レーザ共振器内に、高次光ソリトンパルスを生成可能に設けられた非線形光学素子6および異常分散媒体7と、その飽和効果により光パルス狭窄誘起する可飽和吸収体2とを有する。非線形光学素子6および異常分散媒体7で生成されたソリトンパルスを可飽和吸収体2に入射することにより、GHz帯高繰り返しフェムト秒パルスを出力するよう構成されている。

概要

背景

基幹光伝送網大容量化に向けた取り組みとして、波長多重WDM: Wavelength Division Multiplexing)伝送ステム高密度化が、近年著しく進展している。その一方で、波長制御の容易さならびに低消費電力化の点からは、1波長あたりの伝送速度を高速化することにより波長多重数をできるだけ小さくすることが重要である。特に、超短光パルスを光領域で時間多重する光時分割多重(OTDM: Optical Time Division Multiplexing)は、光の高速性を活かして、電子回路の動作速度を上回る超高速伝送を実現可能な方式として、精力的に研究されている。

OTDM伝送用パルス光源としては、モードロッカーとして光変調器を用いた能動モード同期レーザが使用されている。能動モード同期レーザでは、光変調器の駆動周波数によりレーザ出力パルス繰り返し周波数を任意に変えることができるため、GHz帯の高い繰り返し周波数を有する光パルス列を容易に生成できる。例えば、LiNbO3光位相変調器を有する能動モード同期ファイバレーザにより、繰り返し周波数が40GHz、パルス幅が0.85 ps(850フェムト秒)である光パルスが生成されている(例えば、非特許文献1参照)。

概要

光パルス圧縮回路がなくとも、GHz帯の高繰り返し周波数を有するフェムト秒パルス直接出力することが可能なモード同期レーザを提供する。レーザ共振器内にモード同期光回路として光変調器5を用いている。また、レーザ共振器内に、高次光ソリトンパルスを生成可能に設けられた非線形光学素子6および異常分散媒体7と、その飽和効果により光パルスの狭窄誘起する可飽和吸収体2とを有する。非線形光学素子6および異常分散媒体7で生成されたソリトンパルスを可飽和吸収体2に入射することにより、GHz帯高繰り返しフェムト秒パルスを出力するよう構成されている。

目的

本発明はこのような課題を解決するためのものであり、光パルス圧縮回路がなくとも、GHz帯の高繰り返し周波数を有するフェムト秒パルスを直接出力することが可能なモード同期レーザ、ならびに、それを搭載した高速光信号処理装置およびスペクトル分光計測装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

レーザ共振器内にモード同期光回路として光変調器を用いた、GHz帯高繰り返し能動モード同期レーザであって、前記レーザ共振器内に、高次光ソリトンパルスを生成可能に設けられた非線形光学素子および異常分散媒体と、飽和効果により光パルス狭窄誘起する可飽和吸収体とを有し、前記ソリトンパルスを前記可飽和吸収体に入射することにより、GHz帯高繰り返しフェムト秒パルスを出力するよう構成されていることを特徴とするモード同期レーザ

請求項2

前記非線形光学素子は、バルクガラス光半導体材料、シリコン細線導波路フォトニック結晶ファイバまたは高Δファイバから成ることを特徴とする請求項1記載のモード同期レーザ。

請求項3

前記異常分散媒体は、石英ガラスファイバ、バルクガラス、またはグレーティングから成ることを特徴とする請求項1または2記載のモード同期レーザ。

請求項4

前記レーザ共振器は、空間結合型もしくはファイバ型ファブリーペロー共振器もしくはリング共振器から構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモード同期レーザ。

請求項5

前記レーザ共振器のレーザ出力光の一部から、共振器長に対応した基本周波数整数倍周波数クロック信号を抽出し、該クロック信号で前記光変調器を駆動する再生モード同期ループを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のモード同期レーザ。

請求項6

前記レーザ共振器のレーザ出力光パルス繰り返し周波数および光周波数、あるいはいずれか一方の周波数を安定化する周波数安定化機構を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモード同期レーザ。

請求項7

請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモード同期レーザを搭載していることを特徴とする高速光信号処理装置

請求項8

請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモード同期レーザを搭載していることを特徴とするスペクトル分光計測装置

技術分野

0001

本発明は、光時分割多重伝送で用いられる、また、高速光信号処理やスペクトル分光計測用光源として用いられる、GHz帯高繰り返しフェムト秒パルスを出力するモード同期レーザ、ならびに、それを搭載した高速光信号処理装置およびスペクトル分光計測装置に関するものである。

背景技術

0002

基幹光伝送網大容量化に向けた取り組みとして、波長多重WDM: Wavelength Division Multiplexing)伝送ステム高密度化が、近年著しく進展している。その一方で、波長制御の容易さならびに低消費電力化の点からは、1波長あたりの伝送速度を高速化することにより波長多重数をできるだけ小さくすることが重要である。特に、超短光パルスを光領域で時間多重する光時分割多重(OTDM: Optical Time Division Multiplexing)は、光の高速性を活かして、電子回路の動作速度を上回る超高速伝送を実現可能な方式として、精力的に研究されている。

0003

OTDM伝送用パルス光源としては、モードロッカーとして光変調器を用いた能動モード同期レーザが使用されている。能動モード同期レーザでは、光変調器の駆動周波数によりレーザ出力パルス繰り返し周波数を任意に変えることができるため、GHz帯の高い繰り返し周波数を有する光パルス列を容易に生成できる。例えば、LiNbO3光位相変調器を有する能動モード同期ファイバレーザにより、繰り返し周波数が40GHz、パルス幅が0.85 ps(850フェムト秒)である光パルスが生成されている(例えば、非特許文献1参照)。

先行技術

0004

M. Nakazawa and E. Yoshida, “A 40-GHz 850-fs regenerativelyFMmode-locked polarization- maintaining erbium fiber ring laser”,IEEE Photon. Technol. Lett., 2000, vol. 12, no. 12, pp. 1613-1615

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、モードロッカーとして使用する光変調器の変調指数により、能動モード同期レーザから出力される光パルスの時間幅は、サブピコ秒に制限されてしまう。そのため、1 Tbit/s以上の高速OTDM伝送では、レーザ外部に光パルス圧縮回路を配置する必要があり、その結果、光パルスの裾野圧縮されずに残留してしまう問題や、主となるパルス以外に小さな寄生パルスが発生するなどの問題が生じてしまう。また、光パルス圧縮する際に光パルスの信号強度増幅する必要があるため、その光増幅過程において放出される自然放出光の影響により、光パルスのS/Nが劣化するといった問題がある。

0006

本発明はこのような課題を解決するためのものであり、光パルス圧縮回路がなくとも、GHz帯の高繰り返し周波数を有するフェムト秒パルスを直接出力することが可能なモード同期レーザ、ならびに、それを搭載した高速光信号処理装置およびスペクトル分光計測装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

かかる目的を達成するために、本発明に係るモード同期レーザは、モード同期光回路として光変調器を用いたGHz帯の高繰り返し能動モード同期レーザであって、レーザ共振器内に可飽和吸収体を設け、該可飽和吸収体によるパルス狭窄効果を併用することでGHz帯高繰り返しフェムト秒パルスを出力することを特徴とする。

0008

また、本発明に係るモード同期レーザは、レーザ共振器内にモード同期光回路として光変調器を用いた、GHz帯の高繰り返し能動モード同期レーザであって、前記レーザ共振器内に、高次光ソリトンパルスを生成可能に設けられた非線形光学素子および異常分散媒体と、飽和効果により光パルスの狭窄を誘起する可飽和吸収体とを有し、前記ソリトンパルスを前記可飽和吸収体に入射することにより、GHz帯高繰り返しフェムト秒パルスを出力するよう構成されていることが好ましい。

0009

この場合、本発明に係るモード同期レーザは、レーザ共振器内に設けられた非線形光学素子と異常分散媒質とにより、高次光ソリトンパルスが生成され、そのソリトン効果によりパルス圧縮効果を得ることができる。また、レーザ共振器内を周回する光パルスのピーク電力を、可飽和吸収体の飽和電力以上となるように設定することにより、可飽和吸収体の飽和効果を誘発し、パルス狭窄効果を得ることができる。本発明に係るモード同期レーザは、このパルス圧縮効果とパルス狭窄効果とを併用することにより、GHz帯の高繰り返し周波数を有するフェムト秒パルスを直接出力することができる。

0010

本発明に係るモード同期レーザは、レーザ共振器内でパルス圧縮効果およびパルス狭窄効果が得られるため、外部に光パルス圧縮回路を配置する必要がない。このため、例えば、本発明に係るモード同期レーザをOTDM伝送用パルス光源として用いることにより、送信部において光パルス圧縮回路が不要となり、その結果、送信信号品質SN比を大幅に改善することができる。

0011

本発明に係るモード同期レーザで、前記非線形光学素子は、バルクガラス光半導体材料、シリコン細線導波路フォトニック結晶ファイバまたは高Δファイバから成ることが好ましい。また、前記異常分散媒体は、石英ガラスファイバ、バルクガラス、またはグレーティングから成ることが好ましい。これらの場合、非線形光学素子に高密度に光を閉じ込めることができ、効果的に高次光ソリトンパルスを生成することができる。また、これにより、優れたパルス圧縮効果を得ることができる。

0012

本発明に係るモード同期レーザで、前記レーザ共振器は、空間結合型もしくはファイバ型ファブリーペロー共振器もしくはリング共振器から構成されていることが好ましい。

0013

また、本発明に係るモード同期レーザは、前記レーザ共振器のレーザ出力光の一部から、共振器長に対応した基本周波数整数倍周波数クロック信号を抽出し、該クロック信号で前記光変調器を駆動する再生モード同期ループを有していてもよい。この場合、レーザ共振器の共振周波数と、光変調器による光強度変調または光位相変調変調周波数とを常に一致させることができ、安定したパルス発振動作を実現することができる。

0014

さらに、本発明に係るモード同期レーザは、前記レーザ共振器のレーザ出力光パルスの繰り返し周波数および光周波数、あるいはいずれか一方の周波数を安定化する周波数安定化機構負帰還制御機構)を有していてもよい。この場合、レーザ出力光パルスの繰り返し周波数および/または光周波数を安定化させることができ、レーザの機能性を高めることができる。

0015

本発明に係る高速光信号処理装置は、本発明に係るモード同期レーザを搭載していることを特徴とする。また、本発明に係るスペクトル分光計測装置は、本発明に係るモード同期レーザを搭載していることを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明によれば、光パルス圧縮回路がなくとも、GHz帯の高繰り返し周波数を有するフェムト秒パルスを直接出力することが可能なモード同期レーザ、ならびに、それを搭載した高速光信号処理装置およびスペクトル分光計測装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の第1の実施形態のモード同期レーザを示すブロック図である。
本発明の第1の実施形態のソリトン効果を利用する変形例を示すブロック図である。
本発明の第1の実施形態の再生モード同期ループを有する変形例を示すブロック図である。
本発明の第1の実施形態の周波数安定化機構を有する変形例を示すブロック図である。
図3に示すモード同期レーザの発振特性を示す(a)自己相関波形、(b)光スペクトル波形グラフである。
本発明の第1の実施形態のモード同期レーザの発振特性の数値解析結果を示す(a)可飽和吸収体を挿入しない場合、(b)可飽和吸収体を挿入した場合のグラフである。
本発明の第2の実施形態のモード同期レーザを示すブロック図である。
本発明の第2の実施形態のソリトン効果を利用する変形例を示すブロック図である。
本発明の第2の実施形態の再生モード同期ループを有する変形例を示すブロック図である。
本発明の第2の実施形態の周波数安定化機構を有する変形例を示すブロック図である。

実施例

0018

本発明の第1の実施形態のモード同期レーザを、図1に示す。図1において、光増幅器1、可飽和吸収体2、レーザ共振器内を周回する光パルスのパワーの一部を出力光として取り出す光分岐器3、光アイソレータ4、モード同期光回路として用いる光変調器5をリング状に結合してモード同期レーザを構成する。光増幅器1としては、例えば波長1.55 μm帯では、エルビウム添加光ファイバエルビウム添加ガラス、あるいは半導体を利用した光増幅器を用いることができる。可飽和吸収体2としては、例えば半導体やカーボンナノチューブグラフェンなどの光学材料を用いることができる。光変調器5は、LiNbO3や半導体中のポッケルス効果を利用した進行波型強度ならびに位相変調器や、半導体中のQCSE(Quantum Confined Stark Effect)効果を利用した強度ならびに位相変調器を用いることができる。

0019

以上のモード同期レーザにおいて、光増幅器1の励起電力を高め、ソリトン効果によるパルス圧縮効果を用いることにより、レーザ共振器内を周回する光パルスのピーク電力が可飽和吸収体2の飽和電力以上となるように設定し、その結果誘発された可飽和吸収効果によりフェムト秒に狭窄化された光パルスを出力することができる。

0020

即ち、図2に示すように、レーザ共振器内に非線形光学素子6と異常分散媒質7とを挿入することにより、それら素子により誘発されるソリトン効果を利用して短パルス化を図り、レーザ共振器内を周回する光パルスのピーク電力を可飽和吸収体2の飽和電力以上にするようにレーザを構成することができる。非線形光学素子6としては、例えば高密度に光を閉じ込めることが可能なバルクガラスや光半導体材料、シリコン細線導波路、フォトニック結晶ファイバ、高Δファイバを用いることができる。異常分散媒質7としては、石英ガラスファイバやバルクガラス、グレーティングを用いることができる。

0021

また、図3に示すように、レーザ外部に配置した光分岐器8およびクロック抽出器9を用いて、レーザ出力光の一部より共振器長に対応した基本周波数の整数倍の周波数のクロック信号を抽出し、移相器10および電気アンプ11を用いてその位相振幅とを調整した後に、抽出したクロック信号で光変調器5を駆動する再生モード同期ループを構成してもよい。この場合、レーザ共振器の共振周波数と、光変調器5による光強度変調または光位相変調の変調周波数とを常に一致させることができ、安定したパルス発振動作を実現することができる。

0022

さらに、図4に示すように、レーザ出力光パルスの繰り返し周波数と光周波数、あるいはいずれか一方の周波数を安定化するための周波数安定化機構12を設けてもよい。この場合、レーザ出力光パルスの繰り返し周波数および/または光周波数を安定化させることができ、レーザの機能性を高めることができる。周波数安定化機構12としては、例えばレーザ共振器長や光増幅器の励起電力、再生モード同期ループ内のループ長などの制御回路が有効である。

0023

次に、図3に示す本発明の第1の実施形態によるハイブリッドモード同期ソリトンレーザの発振特性について述べる。光増幅器1としてエルビウム添加光ファイバ増幅器、可飽和吸収体2として半導体可飽和吸収体鏡、光変調器5としてLiNbO3光位相変調器、非線形光学素子6として高Δファイバ、異常分散媒質7として平均分散値が2.8 ps/nm/kmの単一モード光ファイバを使用している。レーザの共振器長は8.6 mであり、共振器長で決まる基本縦モード間隔は24MHzである。図3に示す再生モード同期ループを用いて抽出した9.2GHzのクロック信号(約380次の高次ビート信号)で、LiNbO3光位相変調器を駆動している。

0024

光ファイバ中を伝搬する光信号は、光カー効果により自己位相変調を受ける。これらの事象が同時に存在することから、光ファイバ中を伝搬する光信号は、非線形シュレディンガ方程式



によって表される。式(1)の左辺は光の伝搬を表し、右辺第1項は光ファイバの群速度分散効果を表し、右辺第2項は光カー効果を表している。

0025

ここで、光ファイバが異常分散を有する場合、式(1)はソリトンと呼ばれる安定解をもつ。その安定解の中で次数の最も低い基本ソリトンは、双曲線正割関数(sech関数



で表される。この基本ソリトンは、光ファイバの異常分散によるパルス広がりと、光カー効果による自己位相変調(正のチャーピング)により光パルスが細くなる効果との釣り合いにより得られる。

0026

共振器内でピーク電力の高いパルスを得るためには、高次ソリトンを励振すればよい。このソリトン効果を導入し、さらに可飽和吸収体2の条件を最適に設定した際のレーザ出力パルスの自己相関波形および光スペクトル波形を、それぞれ図5(a)および(b)に示す。図5に示すように、レーザ出力光のパルス幅は440 fs、スペクトル幅は710GHzであり、時間バンド幅積が0.32であるsech型パルスが出力されている。ここで、本レーザ共振器から半導体可飽和吸収体鏡を除去した場合に得られる最短パルスの時間幅は、880 fsである。また、ソリトン圧縮効果を用いなければ、パルス幅は1〜2 ps程度である。これらの結果は、本発明の第1の実施形態のモード同期レーザが500 fs以下のフェムト秒パルスを生成するために有効であることを実証している。

0027

次に、本発明の第1の実施形態により、GHz帯高繰り返しフェムト秒パルスがレーザから直接発生できることを数値シミュレーションにより示す。図6図5に示す発振特性を有するモード同期レーザにおいて、自然放出光雑音種光としてレーザ共振器内で周回ごとにパルスが生成されていく様子を解析した結果である。ここで、図6(a)はレーザ共振器内に可飽和吸収体2を挿入しない場合、図6(b)は可飽和吸収体2を挿入した場合にそれぞれ対応している。

0028

図6(a)に示すように、可飽和吸収体2を挿入しない場合は、周回数によって周期的にパルス形状が変化する高次ソリトンパルスが生成される。一方、図6(b)に示す可飽和吸収体2を挿入した場合は、高次ソリトンパルスの裾野部分が可飽和吸収効果により除去され、余分な裾野成分をもたない基本ソリトンパルスが生成されていく様子を示している。これらの結果は、本発明の第1の実施形態のモード同期レーザにおいて、高次ソリトンの励振によるパルス圧縮効果と可飽和吸収体によるパルス狭窄効果とを併用することでフェムト秒パルスを生成できることを理論的に証明している。

0029

図7は、本発明の第2の実施形態のモード同期レーザを示すブロック図である。図7において、光増幅器1、可飽和吸収体2、光変調器5を一対の反射鏡13の間に配置してファブリー・ペロー共振器を形成し、この共振器内で発生する光パルスのパワーの一部を反射鏡13の透過光として外部に取り出すモード同期レーザを構成している。本実施形態の動作原理は、第1の実施形態と同じである。

0030

図8に示すように、第2の実施形態のレーザ共振器内に非線形光学素子6と異常分散媒質7とを挿入し、それら素子により誘発されるソリトン効果を利用して短パルス化を図り、レーザ共振器内を周回する光パルスのピーク電力を可飽和吸収体2の飽和電力以上するようなレーザを構成してもよい。これにより、GHz帯の高繰り返し周波数を有するフェムト秒パルスを直接出力することができる。

0031

また、図9に示すように、一方の反射鏡13からのレーザ出力光とクロック抽出器9とにより、共振器長に対応した基本周波数の整数倍の周波数のクロック信号を抽出し、移相器10および電気アンプ11を用いてその位相と振幅とを調整した後に、抽出したクロック信号で光変調器5を駆動する再生モード同期ループを構成してもよい。

0032

さらに、図10に示すように、レーザ出力光パルスの繰り返し周波数と光周波数、あるいはいずれか一方の周波数を安定化するための周波数安定化機構12を設けてもよい。

0033

以上詳細に説明したように、本発明では、GHz帯の高い繰り返し周波数を有するフェムト秒パルスを出力するモード同期レーザを提供する。レーザ外部でパルス圧縮することなく、レーザよりSN比の高いフェムト秒パルスを直接出力することができるため、本発明のレーザは、OTDM伝送用パルス光源として有用である。このように、本発明に係るモード同期レーザは、高速光信号処理装置やスペクトル分光計測装置などに搭載して、光源として利用することができる。

0034

1光増幅器
2可飽和吸収体
3光分岐器
4光アイソレータ
5光変調器
6非線形光学素子
7異常分散媒質
8 光分岐器
9クロック抽出器
10移相器
11電気アンプ
12周波数安定化機構
13 反射鏡

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