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技術 測角装置及び測角方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 高橋善樹鈴木信弘若山俊夫
出願日 2014年4月30日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2016-515803
公開日 2017年4月20日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 WO2015-166560
状態 特許登録済
技術分野 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 初期校正 校正フィルタ 角度合わせ 搭載場所 今回出力 観測条件 誤差行列 クロネッカ積
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題・解決手段

アレー測角処理部12から出力されたアレー測角値に基づいてドップラ測角処理部14から出力されたドップラ測角値の符号を特定し、符号特定後のドップラ測角値と記憶装置11により記憶されている校正用受信データを用いて、アレーアンテナ2の誤差の影響でアレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタを算出するフィルタ計算部15を設け、測角処理装置5が、フィルタ計算部15により算出された校正フィルタを用いて、素子アンテナ2−1〜2−Lにより入射された到来波に係る受信データから観測対象をアレー測角する。

概要

背景

アレー測角装置は、アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナにより入射された到来波電波)の位相差から、観測対象を測角する方式を採用しており、レーダセンサ等で広く利用されている。
しかし、複数の素子アンテナにより入射された到来波の位相差から観測対象を測角する方式であるため、複数の素子アンテナのばらつきや製作誤差等が存在する実環境下では、高精度に測角することができない。

以下の非特許文献1には、複数の素子アンテナのばらつきや製作誤差等が存在する実環境下でも、高精度に測角することができるようにするため、波源方向が既知の到来波を用いて、測角処理を実施する方式が開示されている。
また、以下の特許文献1には、非特許文献1に開示されている方式を発展させ、波源方向が未知の到来波とアレー測角値を用いた反復計算を行うことで、測角精度を高める方法が開示されている。

概要

アレー測角処理部12から出力されたアレー測角値に基づいてドップラ測角処理部14から出力されたドップラ測角値の符号を特定し、符号特定後のドップラ測角値と記憶装置11により記憶されている校正用受信データを用いて、アレーアンテナ2の誤差の影響でアレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタを算出するフィルタ計算部15を設け、測角処理装置5が、フィルタ計算部15により算出された校正フィルタを用いて、素子アンテナ2−1〜2−Lにより入射された到来波に係る受信データから観測対象をアレー測角する。

目的

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、測角処理を実施する前の正確な角度合わせ処理等を実施することなく、高精度に観測対象を測角することができる測角装置及び測角方法を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

観測対象に向けて電波放射する電波放射手段と、前記電波放射手段から放射された後、前記観測対象に反射された前記電波を入射するアレーアンテナと、前記アレーアンテナを構成する複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号から前記観測対象をアレー測角するアレー測角手段と、前記受信信号のドップラ周波数を算出し、前記ドップラ周波数から前記観測対象をドップラ測角するドップラ測角手段と、前記アレー測角手段の測角結果であるアレー測角値に基づいて前記ドップラ測角手段の測角結果であるドップラ測角値の符号を特定する符号特定手段と、前記符号特定手段による符号特定後のドップラ測角値と前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号を用いて、前記アレーアンテナの誤差の影響で前記アレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタを算出する校正フィルタ算出手段と、前記校正フィルタ算出手段により算出された校正フィルタを用いて、前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号から前記観測対象をアレー測角する測角処理手段とを備えた測角装置。

請求項2

前記符号特定手段は、前記アレー測角手段の測角結果であるアレー測角値の符号が正であれば、前記ドップラ測角手段の測角結果であるドップラ測角値の符号が正であると判定し、前記アレー測角値の符号が負であれば、前記ドップラ測角値の符号が負であると判定して、前記ドップラ測角値の符号を特定することを特徴とする請求項1記載の測角装置。

請求項3

前記校正フィルタ算出手段は、前記符号特定手段による符号特定後のドップラ測角値と前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号を用いて、初期の校正フィルタを計算する初期校正フィルタ計算部と、前記初期校正フィルタ計算部により計算された校正フィルタを用いて、前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号から前記観測対象をアレー測角するアレー測角部と、前記アレー測角部の測角結果であるアレー測角値が収束しているか否かを判定する収束判定部と、前記収束判定部の判定結果が収束していない旨を示しており、かつ、前記校正フィルタの計算回数が予め設定された回数未満であれば、前記アレー測角部の測角結果であるアレー測角値と前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号を用いて、前記校正フィルタを再計算する校正フィルタ再計算部とから構成されており、前記アレー測角部は、前記校正フィルタ再計算部により校正フィルタが再計算された場合、再計算後の校正フィルタを用いて、前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号から前記観測対象をアレー測角し、前記収束判定部は、前記アレー測角部の測角結果であるアレー測角値が収束した場合、あるいは、前記校正フィルタの計算回数が予め設定された回数に到達した場合、前記アレー測角部で用いられた校正フィルタを前記測角処理手段に出力することを特徴とする請求項1記載の測角装置。

請求項4

前記校正フィルタ算出手段は、前記アレー測角手段の測角結果であるアレー測角値と、前記符号特定手段による符号特定後のドップラ測角値とを比較し、その比較結果に基づいて、前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号の中から、前記校正フィルタの算出に用いる受信信号を選択するとともに、その選択した受信信号から算出された符号特定後のドップラ測角値を特定し、その特定したドップラ測角値と前記選択した受信信号を用いて、前記校正フィルタを算出することを特徴とする請求項1記載の測角装置。

請求項5

前記校正フィルタ算出手段は、前記アレー測角手段の測角結果であるアレー測角値と、前記符号特定手段による符号特定後のドップラ測角値の中から、前記校正フィルタの算出に用いる測角値を選択し、その選択した測角値と前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号を用いて、前記校正フィルタを算出することを特徴とする請求項1記載の測角装置。

請求項6

前記ドップラ測角手段は、前記受信信号のドップラ周波数を算出する際、時系列の受信信号に対して0を埋める処理を実施し、0埋め処理後の時系列の受信信号から周波数スペクトルを算出して、前記周波数スペクトルからドップラ周波数を特定することを特徴とする請求項1記載の測角装置。

請求項7

複数の電波が前記複数の素子アンテナに入射された場合、前記複数の素子アンテナから出力された受信信号を各々の電波に係る信号に分離する信号分離手段を設け、前記信号分離手段により分離された信号のそれぞれが受信信号として前記ドップラ測角手段、前記アレー測角手段、前記校正フィルタ算出手段及び前記測角処理手段に与えられることを特徴とする請求項1記載の測角装置。

請求項8

前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後の受信信号をコヒーレント積分する積分手段を設け、前記積分手段によりコヒーレント積分された受信信号が、前記ドップラ測角手段、前記アレー測角手段、前記校正フィルタ算出手段及び前記測角処理手段に与えられることを特徴とする請求項1記載の測角装置。

請求項9

電波放射手段が、観測対象に向けて電波を放射する電波放射ステップと、前記電波放射ステップで放射された後、前記観測対象に反射された前記電波がアレーアンテナを構成する複数の素子アンテナに入射されると、アレー測角手段が、前記複数の素子アンテナに入射された電波の受信信号から前記観測対象をアレー測角するアレー測角ステップと、ドップラ測角手段が、前記受信信号のドップラ周波数を算出し、前記ドップラ周波数から前記観測対象をドップラ測角するドップラ測角ステップと、符号特定手段が、前記アレー測角ステップでの測角結果であるアレー測角値に基づいて前記ドップラ測角ステップでの測角結果であるドップラ測角値の符号を特定する符号特定ステップと、校正フィルタ算出手段が、前記符号特定ステップによる符号特定後のドップラ測角値と前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号を用いて、前記アレーアンテナの誤差の影響で前記アレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタを算出する校正フィルタ算出ステップと、測角処理手段が、前記校正フィルタ算出ステップで算出された校正フィルタを用いて、前記複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号から前記観測対象をアレー測角する測角処理ステップとを備えた測角方法。

技術分野

0001

この発明は、アレー測角ドップラ測角の双方を実施して、観測対象の測角精度の高精度化を実現する測角装置及び測角方法に関するものである。

背景技術

0002

アレー測角装置は、アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナにより入射された到来波電波)の位相差から、観測対象を測角する方式を採用しており、レーダセンサ等で広く利用されている。
しかし、複数の素子アンテナにより入射された到来波の位相差から観測対象を測角する方式であるため、複数の素子アンテナのばらつきや製作誤差等が存在する実環境下では、高精度に測角することができない。

0003

以下の非特許文献1には、複数の素子アンテナのばらつきや製作誤差等が存在する実環境下でも、高精度に測角することができるようにするため、波源方向が既知の到来波を用いて、測角処理を実施する方式が開示されている。
また、以下の特許文献1には、非特許文献1に開示されている方式を発展させ、波源方向が未知の到来波とアレー測角値を用いた反復計算を行うことで、測角精度を高める方法が開示されている。

0004

特開2009−192476号公報(段落番号[0014])

先行技術

0005

C.M.S. See, “Sensor array calibration in the presence of mutual coupling and unknown sensor gains and phases, ”Electron. Lett.,vol.30,no.5,pp.373-374,March 1994.

発明が解決しようとする課題

0006

従来の測角装置は以上のように構成されているので、波源方向が既知の到来波を用いて、測角処理を実施する方式を採用すれば、測角精度を高めることができるが、測角処理を実施する前に、例えば、ポジショナ等を用いた正確な角度合わせ処理を実施する必要があり、多くの手間と費用を要してしまう課題があった。
また、波源方向が未知の到来波とアレー測角値を用いた反復計算を行う場合、反復計算の初期値となる測角値の誤差が大きい場合、十分に測角精度を高めることができない課題があった。

0007

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、測角処理を実施する前の正確な角度合わせ処理等を実施することなく、高精度に観測対象を測角することができる測角装置及び測角方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

この発明に係る測角装置は、観測対象に向けて電波を放射する電波放射手段と、電波放射手段から放射された後、観測対象に反射された電波を入射するアレーアンテナと、アレーアンテナを構成する複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号から観測対象をアレー測角するアレー測角手段と、その受信信号のドップラ周波数を算出し、そのドップラ周波数から観測対象をドップラ測角するドップラ測角手段と、アレー測角手段の測角結果であるアレー測角値に基づいてドップラ測角手段の測角結果であるドップラ測角値の符号を特定する符号特定手段と、符号特定手段による符号特定後のドップラ測角値と複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号を用いて、アレーアンテナの誤差の影響でアレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタを算出する校正フィルタ算出手段とを設け、測角処理手段が、校正フィルタ算出手段により算出された校正フィルタを用いて、複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号から観測対象をアレー測角するようにしたものである。

発明の効果

0009

この発明によれば、符号特定手段による符号特定後のドップラ測角値と複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号を用いて、アレーアンテナの誤差の影響でアレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタを算出する校正フィルタ算出手段を設け、測角処理手段が、校正フィルタ算出手段により算出された校正フィルタを用いて、複数の素子アンテナにより入射された電波の受信信号から観測対象をアレー測角するように構成したので、測角処理を実施する前の正確な角度合わせ処理等を実施することなく、高精度に観測対象を測角することができる効果がある。

図面の簡単な説明

0010

この発明の実施の形態1による測角装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態1による測角装置の校正装置4を示す構成図である。
図2フィルタ計算部15を示す構成図である。
この発明の実施の形態1による測角装置の処理内容(測角方法)を示すフローチャートである。
図1の測角装置を搭載している航空機座標系を示す説明図である。
図1の測角装置が自動車等の車両に搭載されている例を示す説明図である。
この発明の実施の形態3による測角装置のフィルタ計算部15を示す構成図である。
この発明の実施の形態4による測角装置のフィルタ計算部15を示す構成図である。

実施例

0011

以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による測角装置を示す構成図である。
図1において、送信波生成部1は観測対象に向けて送信する変調信号(電波)を生成する処理を実施する。
アレーアンテナ2はL本(L>1)の素子アンテナ2−1〜2−Lから構成されている送受信アンテナであり、送信波生成部1により生成された変調信号を空間に放射する一方、観測対象に反射されて戻ってきた前記変調信号である到来波を入射する。
ここでは、アレーアンテナ2が送信波生成部1により生成された変調信号を空間に放射する例を示しているが、アレーアンテナ2と別個に、送信波生成部1により生成された変調信号を空間に放射する送信アンテナを設けるようにしてもよい。
なお、アレーアンテナ2が変調信号を空間に放射する場合、送信波生成部1とアレーアンテナ2から電波放射手段が構成される。

0012

受信機3は素子アンテナ2−1〜2−Lにより入射された到来波を所定のサンプリングタイミングで受信して、時系列の受信信号を順番デジタル信号に変換し、時系列データであるデジタルの受信データを校正装置4に出力する。
校正装置4は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、受信機3から出力された複数の受信データを用いて、後述するアレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタを算出する装置である。
測角処理装置5は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、校正装置4により算出された校正フィルタを用いて、素子アンテナ2−1〜2−Lにより入射された到来波に係る受信データから観測対象をアレー測角する装置である。なお、測角処理装置5は測角処理手段を構成している。

0013

図1の例では、測角装置の構成要素である送信波生成部1、アレーアンテナ2、受信機3、校正装置4及び測角処理装置5のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測角装置の一部(例えば、校正装置4、測角処理装置5)がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、測角装置の一部である校正装置4及び測角処理装置5をコンピュータで構成する場合、校正装置4及び測角処理装置5の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図4はこの発明の実施の形態1による測角装置の処理内容(測角方法)を示すフローチャートである。

0014

図2はこの発明の実施の形態1による測角装置の校正装置4を示す構成図である。
図2において、記憶装置11は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、受信機3から出力された素子アンテナ2−1〜2−Lに係る受信データを記憶する。例えば、受信機3における時間サンプル数がNsである場合、L×Nsの受信データを記憶する。
以下、校正装置4が校正フィルタを算出する際に用いる受信データを「校正用受信データ」と称する。
アレー測角処理部12は所定の測角法(例えば、モノパルス方式ビームフォーマ法など)を実施することで、記憶装置11により記憶されている校正用受信データから観測対象をアレー測角する装置であり、その観測対象のアレー測角値をフィルタ計算部15に出力する。なお、アレー測角処理部12はアレー測角手段を構成している。

0015

フーリエ変換部13は高速フーリエ変換であるFFT(Fast Fourier Transform)を実施するL個のFFT処理部を実装しており、記憶装置11により記憶されている校正用受信データを周波数領域の信号に変換する。
ドップラ測角処理部14はフーリエ変換部13により変換された周波数領域の信号からドップラ周波数(周波数領域の信号のピーク位置)を算出し、そのドップラ周波数から観測対象をドップラ測角する装置であり、その観測対象のドップラ測角値をフィルタ計算部15に出力する。
なお、フーリエ変換部13及びドップラ測角処理部14からドップラ測角手段が構成されている。

0016

フィルタ計算部15はアレー測角処理部12から出力されたアレー測角値に基づいてドップラ測角処理部14から出力されたドップラ測角値の符号を特定し、符号特定後のドップラ測角値と記憶装置11により記憶されている校正用受信データを用いて、アレーアンテナ2の誤差の影響でアレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタを算出する処理を実施する。なお、フィルタ計算部15は符号特定手段及び校正フィルタ算出手段を構成している。

0017

図3図2のフィルタ計算部15を示す構成図である。
図3において、符号判定部21はアレー測角処理部12から出力されたアレー測角値の符号が正であれば、ドップラ測角処理部14から出力されたドップラ測角値の符号が正であると判定し、そのアレー測角値の符号が負であれば、そのドップラ測角値の符号が負であると判定する処理を実施する。
初期校正フィルタ計算部22は符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値と、記憶装置11により記憶されている校正用受信データとを用いて、アレーアンテナ2の誤差の影響でアレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる初期の校正フィルタを計算する処理を実施する。

0018

アレー測角部23は初期校正フィルタ計算部22により計算された校正フィルタを用いて、記憶装置11により記憶されている校正用受信データから観測対象をアレー測角し、その観測対象のアレー測角値を収束判定部24に出力する処理を実施する。
また、アレー測角部23は校正フィルタ再計算部25から再計算された校正フィルタを受けると、その校正フィルタを用いて、記憶装置11により記憶されている校正用受信データから観測対象をアレー測角し、その観測対象のアレー測角値を収束判定部24に出力する処理を実施する。

0019

収束判定部24はアレー測角部23から出力されたアレー測角値が収束しているか否かを判定する処理を実施する。例えば、アレー測角部23から前回出力されたアレー測角値と今回出力されたアレー測角値の差分が、予め設定された閾値より小さければ、アレー測角値が収束していると判定する。
また、収束判定部24はアレー測角部23から出力されたアレー測角値が収束している場合、あるいは、校正フィルタの計算回数が予め設定された回数に到達している場合、アレー測角部23で用いられた最新の校正フィルタを測角処理装置5に出力する処理を実施する。

0020

校正フィルタ再計算部25は収束判定部24の判定結果が収束していない旨を示しており、かつ、校正フィルタの計算回数が予め設定された回数未満であれば、アレー測角部23の測角結果であるアレー測角値と記憶装置11により記憶されている校正用受信データを用いて、その校正フィルタを再計算し、再計算後の校正フィルタをアレー測角部23に出力する処理を実施する。

0021

次に動作について説明する。
この実施の形態1では、図1の測角装置が前方を監視する航空機や飛翔体レーダに搭載されているものとする。また、図1の測角装置を搭載している航空機等には、自機の高度を計測する高度計や、自機の速度を計測する速度計が実装されているものとする。
図5図1の測角装置を搭載している航空機の座標系を示す説明図である。
この実施の形態1では、図1の測角装置が、実際に観測対象の測位を開始する前に、適正な校正フィルタを算出する例を説明するが、実際に観測対象を測位している合間に、適正な校正フィルタを繰り返し算出するようにしてもよい。

0022

送信波生成部1は、観測対象に向けて送信する変調信号(電波)を生成し、その変調信号をアレーアンテナ2の素子アンテナ2−1に出力する。
これにより、アレーアンテナ2の素子アンテナ2−1から送信波生成部1により生成された変調信号が空間に放射される。
アレーアンテナ2の素子アンテナ2−1から空間に放射された変調信号の一部は、観測対象に反射されて測角装置に戻ってくる。
アレーアンテナ2を構成しているL本(L>1)の素子アンテナ2−1〜2−Lは、観測対象に反射されて戻ってきた変調信号である到来波を入射する。
ここでは、アレーアンテナ2が送信アンテナを兼ねている例を示しているが、アレーアンテナ2と別個に、送信波生成部1により生成された変調信号を空間に放射する送信アンテナを設けるようにしてもよい。

0023

受信機3は、素子アンテナ2−1〜2−Lにより入射された到来波を所定のサンプリングタイミングで受信して、時系列の受信信号を順番にデジタル信号に変換し、時系列データであるデジタルの校正用受信データを校正装置4に出力する。
例えば、受信機3における時間サンプル数がNsであり、K波の到来波がL本の素子アンテナ2−1〜2−Lに入射される場合、L×Nsの校正用受信データのデータベクトルz1は、下記の式(1)のように表される。

0024

式(1)において、Aは到来波の方位角φの情報を有するステアリングベクトルa(φ)が列方向に並べられたL×Kの行列である。
また、Sは到来波の数と時間に応じた変化情報を有するK×Nsの受信信号行列であり、Cはアレーアンテナ2の誤差を示す誤差行列である。
このようにアレーアンテナ2に誤差が存在する場合、校正用受信データのデータベクトルz1は、ステアリングベクトルa(φ)に対して誤差行列Cが乗算された形になる。

0025

この実施の形態1では、説明の簡単化のため、1波の到来波がL本の素子アンテナ2−1〜2−Lに入射されるものとして説明する。なお、K(K>1)波の到来波がL本の素子アンテナ2−1〜2−Lに入射される場合、K波の到来波に対してドップラ周波数やICA(Independent Component Analysis)の処理を適用して、複数の1波入射として扱うようにすればよい。
即ち、K波の到来波がL本の素子アンテナ2−1〜2−Lに入射される場合、K波の到来波に対してドップラ周波数やICAの処理を適用して、素子アンテナ2−1〜2−Lから出力された受信信号を各々の到来波に係る信号に分離する信号分離手段を受信機3に実装し、受信機3が信号分離手段により分離された信号のそれぞれを受信信号として、デジタル信号に変換すれば、1波の到来波がL本の素子アンテナ2−1〜2−Lに入射される場合と同様に取り扱うことができる。
ここでは、K波の到来波に対してドップラやICAの処理を適用するものを示したが、K波の到来波に対して周波数軸上の超分解能法を適用することで、素子アンテナ2−1〜2−Lから出力された受信信号を各々の到来波に係る信号に分離するようにしてもよい。

0026

受信機3から出力された校正用受信データは、校正装置4の記憶装置11に記憶される。
1波の到来波がQ回観測される場合(1波の到来波が素子アンテナ2−1〜2−LによってQ回入射される場合)、校正装置4の記憶装置11には、L×Nsの校正用受信データのデータベクトルz1(到来波の入射方向が異なる1波入射のデータベクトル)がQ個記憶される(図4のステップST1)。
なお、校正装置4の記憶装置11に記憶される校正用受信データは、自機と観測対象が静止している状態で観測されたものか、移動方向と速度が既知である状態で観測されたものである。移動方向と速度が既知であるものとしては、例えば、クラッタ僚機等が考えられる。入射方向が異なる校正用受信データを得るためには、校正用反射源の位置や自機の進行方向を変更して、ドップラ周波数が異なるクラッタ成分を抽出するようにすればよい。

0027

校正装置4のアレー測角処理部12は、記憶装置11により記憶されているL×Nsの校正用受信データのデータベクトルz1を用いて、観測対象をアレー測角し、その観測対象のアレー測角値をフィルタ計算部15に出力する(ステップST2)。アレー測角の処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
なお、アレー測角の測角法は任意でよいが、演算負荷を軽減する必要性がある場合には、モノパルス方式やビームフォーマ法などの測角法を用いればよい。

0028

校正装置4のフーリエ変換部13は、記憶装置11により記憶されているL×Nsの校正用受信データのデータベクトルz1をFFTして、そのデータベクトルz1を周波数領域の信号に変換する。
ここでは、校正用受信データのデータベクトルz1をFFTしているが、データベクトルz1を周波数領域の信号に変換できれば、FFTに限るものではなく、例えば、離散フーリエ変換であるDFT(discrete Fourier transform)を実施するようにしてもよい。

0029

ドップラ測角処理部14は、フーリエ変換部13がデータベクトルz1を周波数領域の信号に変換すると、その周波数領域の信号からドップラ周波数(周波数領域の信号のピーク位置)を算出して、そのドップラ周波数から観測対象をドップラ測角し、その観測対象のドップラ測角値をフィルタ計算部15に出力する(ステップST3)。
例えば、図5の座標系において、目標である観測対象が静止している場合、目標の方位角φ(ドップラ測角値)は、下記の式(4)のように表される。

式(4)において、Fdは目標のドップラ周波数、Vrは自機の速度、λは波長、θは自機から目標までの俯角である。

式(5)において、Hは自機の高度、Rは目標までの距離である。

0030

ドップラ測角値は、素子アンテナ2−1〜2−Lの数だけ算出することができる。このため、特定の素子アンテナのドップラ測角値だけを算出するようにしてもよいが、素子アンテナ2−1〜2−Lの数だけドップラ測角値を算出して、それらのドップラ測角値の平均値中央値を算出し、その平均値や中央値をフィルタ計算部15に出力するようにしてもよい。
なお、ドップラ測角の場合、アレーアンテナ2の誤差の影響を受けないため、観測条件によっては、アレー測角と比べて良好な測角結果を得ることが可能であるが、式(4)に示すように、ドップラ測角値の符号にアンビギュイティが生じるため、ドップラ測角値の符号を特定する必要がある。

0031

フィルタ計算部15の符号判定部21は、ドップラ測角処理部14から出力されたドップラ測角値を受けると、アレー測角処理部12から出力されたアレー測角値に基づいて、そのドップラ測角値の符号を特定する(ステップST4)。
アレー測角の場合、観測条件によっては、ドップラ測角値より測角精度が劣っていることがあるが、符号にアンビギュイティが生じることはないので、符号判定部21は、そのアレー測角値の符号が正であれば、そのドップラ測角値の符号が正であると判定し、そのアレー測角値の符号が負であれば、そのドップラ測角値の符号が負であると判定する。

0032

初期校正フィルタ計算部22は、符号判定部21がドップラ測角値の符号を特定すると、符号特定後のドップラ測角値と、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データのデータベクトルz1とを用いて、アレーアンテナ2の誤差の影響で、アレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる初期の校正フィルタ(アレーアンテナ2の誤差を示す誤差行列C)を計算する(ステップST5)。

0033

校正フィルタである誤差行列Cの計算処理は、例えば、以下の非特許文献2に開示されており、下記の方程式解くことで、校正フィルタである誤差行列Cが得られる。

0034

ここで、EN(q)Hチルダ(明細書の文書中では、電子出願の関係上、Eの上に“〜”の記号を付することができないので、Eチルダのように表記している)は、q(q=1,2,・・・,Q)番目の校正用受信データから計算される雑音固有ベクトル列要素とする行列である。
また、φqはq番目の校正用受信データのドップラ測角値(目標の方位角)、〇内に×の印が記述されている記号はクロネッカ積演算子である。
また、H複素共役転置、Tは転置である。

0035

上記の方程式は、校正フィルタである誤差行列Cの1行1列目を“1”に固定すれば、最小二乗法によって以下の形で解くことが可能である。

0036

[非特許文献2]
新井 隆宏, 原 六蔵, 山田喜, 山口 芳雄, “既知の波源を用いたスーパレゾリューションアレー校正法について”,信学論(B), vol.J86-B, no.3, pp.527-537, March 2003.
ここでは、非特許文献2に開示されている方式で、校正フィルタである誤差行列Cを算出しているが、非特許文献2に開示されている方式に限るものではなく、他の方式で校正フィルタである誤差行列Cを算出するようにしてもよい。

0037

アレー測角部23は、初期校正フィルタ計算部22が初期の校正フィルタ(誤差行列C)を計算すると、その校正フィルタを用いて、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データのデータベクトルz1から観測対象をアレー測角し、その観測対象のアレー測角値Pcal(φ)を収束判定部24に出力する(ステップST6)。
例えば、校正フィルタを用いるアレー測角は、測角法がビームフォーマ法であれば、下記の式(12)に示すような空間スペクトラムを用いることで可能になる。

また、測角法がMUSIC(Multiple SIgnal Classification)法であれば、下記の式(13)に示すような空間スペクトラムを用いることで可能になる。

ビームフォーマ法やMUSIC法などの測角法に限らず、ステアリングベクトルa(φ)を用いる方式であれば、ステアリングベクトルa(φ)をCa(φ)に置き換えるだけで、フィルタ校正後の測角が可能である。

0038

ここでは、初期校正フィルタ計算部22による初期の校正フィルタの計算と、アレー測角部23によるアレー測角値Pcal(φ)の計算とが完全に独立しているものとして説明しているが、初期校正フィルタ計算部22により計算された初期の校正フィルタを用いて、アレー測角部23がq(q=1,2,・・・,Q)番目のアレー測角値Pcal(φ)を計算すると、そのアレー測角値Pcal(φ)を初期校正フィルタ計算部22にフィードバックして、初期校正フィルタ計算部22がq番目のアレー測角値Pcal(φ)を用いて、初期の校正フィルタを再計算し、アレー測角部23が、初期校正フィルタ計算部22により再計算された校正フィルタを用いて、q番目以外のアレー測角値Pcal(φ)を計算する処理を繰り返すようにしてもよい。上記の繰り返し処理で、Q個のアレー測角値Pcal(φ)の計算が完了したとき、Q個のアレー測角値Pcal(φ)を収束判定部24に出力する。

0039

収束判定部24は、アレー測角部23からアレー測角値Pcal(φ)を受けると、そのアレー測角値Pcal(φ)が収束しているか否かを判定する。
例えば、アレー測角部23により算出されたアレー測角値Pcal(φ)が1回目のアレー測角であれば、そのアレー測角値Pcal(φ)とドップラ測角処理部14により算出されたドップラ測角値との差分ΔPを算出し、アレー測角部23により算出されたアレー測角値Pcal(φ)がN回目(Nは2以上の整数)のアレー測角であれば、N回目のアレー測角値Pcal(φ)と(N−1)回目のアレー測角値Pcal(φ)との差分ΔPを算出する。
そして、差分ΔPが予め設定された閾値より小さければ、アレー測角値が収束していると判定する。

0040

収束判定部24は、アレー測角部23から出力されたアレー測角値Pcal(φ)が収束しておらず、かつ、校正フィルタの計算回数が予め設定された回数に到達していない場合、校正フィルタの再計算が必要であると判断し(ステップST7)、校正フィルタの再計算を校正フィルタ再計算部25に指示する。

0041

校正フィルタ再計算部25は、収束判定部24から校正フィルタの再計算の指示を受けると、アレー測角部23から出力されたアレー測角値Pcal(φ)と、記憶装置11により記憶されている校正用受信データとを用いて、その校正フィルタを再計算し、再計算後の校正フィルタをアレー測角部23に出力する(ステップST8)。
校正フィルタ再計算部25が校正フィルタの再計算に用いるアレー測角値Pcal(φ)は、初期校正フィルタ計算部22が校正フィルタの計算に用いるアレー測角値と異なるが、校正フィルタの計算処理自体は、初期校正フィルタ計算部22と同様である。

0042

アレー測角部23は、校正フィルタ再計算部25から再計算後の校正フィルタを受けると、再計算後の校正フィルタを用いて、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データのデータベクトルz1から観測対象をアレー測角し、その観測対象のアレー測角値Pcal(φ)を収束判定部24に出力する(ステップST6)。
ステップST6〜ST8の処理は、アレー測角部23から出力されたアレー測角値が収束するまで、あるいは、校正フィルタの計算回数が予め設定された回数に到達するまで繰り返される。
収束判定部24は、アレー測角部23から出力されたアレー測角値が収束している場合、あるいは、校正フィルタの計算回数が予め設定された回数に到達している場合、校正フィルタの再計算が不要であると判断し(ステップST7)、アレー測角部23で用いられた最新の校正フィルタを測角処理装置5に出力する(ステップST9)。

0043

測角処理装置5は、校正装置4の収束判定部24から出力された校正フィルタを記憶し、受信機3から実際の観測時に素子アンテナ2−1〜2−Lに入射された到来波に係る受信データを受けると、その校正フィルタを用いて、その受信データから観測対象をアレー測角する。
測角処理装置5によるアレー測角の処理内容は、アレー測角部23と同様であるものを想定しているが、アレー測角部23と異なる測角法を実施するようにしてもよい。

0044

以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、アレー測角処理部12から出力されたアレー測角値に基づいてドップラ測角処理部14から出力されたドップラ測角値の符号を特定し、符号特定後のドップラ測角値と記憶装置11により記憶されている校正用受信データを用いて、アレーアンテナ2の誤差の影響でアレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタを算出するフィルタ計算部15を設け、測角処理装置5が、フィルタ計算部15により算出された校正フィルタを用いて、素子アンテナ2−1〜2−Lにより入射された到来波に係る受信データから観測対象をアレー測角するように構成したので、測角処理を実施する前の正確な角度合わせ処理等を実施することなく、高精度に観測対象を測角することができる効果を奏する。

0045

この実施の形態1では、フーリエ変換部13が記憶装置11により記憶されているL×Nsの校正用受信データのデータベクトルz1をFFTして、そのデータベクトルz1を周波数領域の信号に変換し、ドップラ測角処理部14が、フーリエ変換部13により変換された周波数領域の信号からドップラ周波数を算出するものを示したが、ドップラ測角値の測角精度を高めるために、フーリエ変換部13が、時系列データである校正用受信データに対して0を埋める処理を実施して、計算分解能を改善してから、0埋め処理後の時系列データの周波数スペクトルを算出し、ドップラ測角処理部14が、その周波数スペクトルからドップラ周波数を特定するようにしてもよい。

0046

また、この実施の形態1では、受信機3が素子アンテナ2−1〜2−Lにより入射された到来波を受信して、その受信信号をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号である校正用受信データを校正装置4に出力するものを示したが、そのデジタル信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後のデジタル信号をコヒーレント積分する積分手段を受信機3に実装し、受信機3がコヒーレント積分後のデジタル信号を校正用受信データとして校正装置4に出力するようにしてもよい。
なお、パルス圧縮処理やコヒーレント積分処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略する。

0047

実施の形態2.
上記実施の形態1では、図1の測角装置が前方を監視する航空機や飛翔体レーダに搭載されているものを示したが、図1の測角装置が自動車等の車両に搭載されていてもよい。
この場合、図1の測角装置の搭載場所としては、例えば、図6に示すように、車両のフロント部分(例えば、バンパー)などが考えられる。

0048

図1の測角装置を車両に搭載する場合、装置構成は上記実施の形態1と変わらないが、航空機等に搭載する場合と異なり、自機の高度をほぼ無視することができるので、ドップラ測角処理部14の処理が以下のように変更される。
即ち、上記実施の形態1では、ドップラ測角処理部14が、ドップラ測角値として、式(4)によって、目標の方位角φを算出しているが、この実施の形態2では、下記の式(14)によって、目標の方位角φを算出する。

0049

なお、図1の測角装置を車両に搭載する場合、校正用のデータとして使用可能な静止目標としては、ガードレール等が考えられる。
また、図1の測角装置を車両に搭載する場合、走行中にアレーアンテナ2に付着するや、天候の変化などによって、頻繁にアンテナ特性が変わるため、校正フィルタの再計算を定期的に行う必要がある。

0050

実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3による測角装置のフィルタ計算部15を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
データ選択部31はアレー測角処理部12から出力されたアレー測角値と、符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値とを比較し、その比較結果に基づいて、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データの中から校正フィルタの算出に用いる校正用受信データを選択して、その選択した校正用受信データを初期校正フィルタ計算部22に出力する処理を実施する。

0051

次に動作について説明する。
ただし、データ選択部31をフィルタ計算部15に実装している点以外は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは、データ選択部31の処理内容について説明する。
上記実施の形態1では、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データの全てが校正フィルタの算出に用いられているが、素子アンテナ2−1〜2−Lに対する到来波の入射方向によっては、アレー測角値の測角精度が著しく劣化している場合がある。
アレー測角値の測角精度が著しく劣化する場合の校正用受信データを用いれば、アレー測角値に含まれている誤差の補正に用いる校正フィルタの算出精度が劣化することが予想される。
そこで、この実施の形態3では、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データの中から、校正フィルタの算出に用いる校正用受信データの取捨選択を行う。
具体的には、以下の通りである。

0052

ドップラ測角値は、アレーアンテナ2の誤差の影響を受けないが、アレー測角値は、アレーアンテナ2の誤差の影響を大きく受ける。このため、アレー測角値とドップラ測角値が大きくかけ離れている場合、アレー測角値がアレーアンテナ2の誤差の影響を大きく受けている可能性がある。
素子アンテナ2−1〜2−Lに対する到来波の入射方向が、アレーアンテナ2の正面方向に近くなく、斜めの方向から入射されているような場合には、アレーアンテナ2の誤差の影響が大きくなり、アレー測角値の測角精度が著しく劣化することがある。
そこで、データ選択部31は、アレー測角処理部12から出力されたアレー測角値と、符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値との差分、あるいは、そのアレー測角値とドップラ測角値との比を算出する。

0053

データ選択部31は、そのアレー測角値とドップラ測角値との差分(あるいは、比)が予め設定された閾値より高い場合、そのアレー測角値の測角精度が著しく劣化していると判断し、そのアレー測角値の算出に用いている校正用受信データを破棄するとともに、その校正用受信データから算出されているドップラ測角値を破棄する。
一方、そのアレー測角値とドップラ測角値との差分(あるいは、比)が予め設定された閾値以下であれば、そのアレー測角値の測角精度は著しく劣化していないと判断し、そのアレー測角値の算出に用いている校正用受信データを初期校正フィルタ計算部22に出力するとともに、その校正用受信データから算出されている符号特定後のドップラ測角値を初期校正フィルタ計算部22に出力する。

0054

以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、データ選択部31が、アレー測角処理部12から出力されたアレー測角値と、符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値とを比較し、その比較結果に基づいて、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データの中から校正フィルタの算出に用いる校正用受信データを選択して、その選択した校正用受信データを初期校正フィルタ計算部22に出力するように構成したので、校正フィルタの算出精度の劣化を防止して、高精度に観測対象を測角することができる効果を奏する。

0055

実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による測角装置のフィルタ計算部15を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
測角値選択部32はアレー測角処理部12から出力されたアレー測角値と、符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値の中から、校正フィルタの算出に用いる測角値を選択し、その選択した測角値(アレー測角値又は符号特定後のドップラ測角値)を初期校正フィルタ計算部22に出力する処理を実施する。

0056

次に動作について説明する。
ただし、測角値選択部32をフィルタ計算部15に実装している点以外は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは、測角値選択部32の処理内容について説明する。
上記実施の形態1では、初期校正フィルタ計算部22が、符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値と、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データのデータベクトルz1とを用いて、初期の校正フィルタを計算しているが、例えば、ヒット数が少なく、ドップラ分解能が低い場合には、初期の校正フィルタの算出精度が劣化することが予想される。
そこで、この実施の形態4では、ドップラ分解能が低い場合には、ドップラ測角値の代わりに、アレー測角値を用いて、初期の校正フィルタを計算するようにする。
具体的には、以下の通りである。

0057

例えば、目標である観測対象が静止している場合、正面から反射してくる到来波のドップラ周波数が最も高くなり、時系列データである校正用受信データをフーリエ変換すると、最高の周波数成分にピークが現れるが、最高の周波数成分に隣接するドップラビンでは、ドップラ周波数の変化に対して角度の変化が大きくなる。
したがって、アレーアンテナ2の正面方向に近い方向から到来波が入射される場合、到来波のビーム幅が大きくなり、ドップラ周波数の変化に対して角度の変化が大きくなり、初期の校正フィルタの算出精度が劣化する可能性がある。

0058

そこで、測角値選択部32は、アレーアンテナ2に対する到来波の入射方向と予め設定された基準方向を比較することで、到来波の入射方向がアレーアンテナ2の正面方向に近いか否かを判定し、到来波の入射方向がアレーアンテナ2の正面方向に近ければ、アレー測角処理部12から出力されたアレー測角値と、符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値の中から、アレー測角処理部12から出力されたアレー測角値を選択して、そのアレー測角値を初期校正フィルタ計算部22に出力する。
一方、到来波の入射方向がアレーアンテナ2の正面方向から近くなければ、符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値を初期校正フィルタ計算部22に出力する。

0059

初期校正フィルタ計算部22は、測角値選択部32から符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値を受ければ、上記実施の形態1と同様に、符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値と、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データのデータベクトルz1とを用いて、初期の校正フィルタを計算する。
初期校正フィルタ計算部22は、測角値選択部32からアレー測角値を受けると、そのアレー測角値と、記憶装置11により記憶されているQ個の校正用受信データのデータベクトルz1とを用いて、初期の校正フィルタを計算する。

0060

以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、測角値選択部32が、アレー測角処理部12から出力されたアレー測角値と、符号判定部21による符号特定後のドップラ測角値の中から、校正フィルタの算出に用いる測角値を選択して、その選択した測角値(アレー測角値又は符号特定後のドップラ測角値)を初期校正フィルタ計算部22に出力するように構成したので、校正フィルタの算出精度の劣化を防止して、高精度に観測対象を測角することができる効果を奏する。

0061

なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

0062

この発明に係る測角装置及び測角方法は、高精度に観測対象を測角する必要があるレーダなどに適している。

0063

1送信波生成部(電波放射手段)、2アレーアンテナ(電波放射手段)、2−1〜2−L素子アンテナ、3受信機、4校正装置、5測角処理装置(測角処理手段)、11記憶装置、12アレー測角処理部(アレー測角手段)、13フーリエ変換部(ドップラ測角手段)、14 ドップラ測角処理部(ドップラ測角手段)、15フィルタ計算部(符号特定手段、校正フィルタ算出手段)、21符号判定部、22初期校正フィルタ計算部、23 アレー測角部、24収束判定部、25 校正フィルタ再計算部、31データ選択部、32 測角値選択部。

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