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技術 弱酸性の乳飲料の製造方法

出願人 株式会社明治
発明者 林諭岸真理子
出願日 2015年4月1日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2016-511976
公開日 2017年4月13日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 WO2015-152322
状態 特許登録済
技術分野 茶・コーヒー 非アルコール性飲料 乳製品
主要キーワード 機械工 小型ガラス 許容内 食品データベース B型粘度計 モノステアリン酸デカグリセリン 低温保持 高温短時間殺菌法
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課題・解決手段

本発明は、風味および食感が良好であり、品質および物性が良好に安定しており、かつ既存の製造工程や製造設備を利用して簡便に製造することが可能である、弱酸性乳飲料の製造方法を提供することを目的とするものであり、無脂乳固形分を含む第1の原料カラギーナンを含有させて第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性の乳飲料の製造方法である。

概要

背景

従来の酸性(pH:4.6以下)の乳飲料酸性乳)では、タンパク質凝集を防ぐため、カゼイン等電点(pH:4.6)以下のpHの低い領域に調整すると共に、所定の安定剤を含有させている(配合(添加)している)。

一方、従来の弱酸性(pH:4.8〜6.3)の乳飲料(弱酸性乳)では、タンパク質の凝集を防ぐため、幾つかの技術について報告されている。たとえば、特許文献1には、pH:4.5〜6.3の弱酸性領域におけるタンパク質の凝集を防ぐために、コンドロイチン硫酸またはその塩を含むタンパク質安定化剤を用いることが記載されている。

しかし、特許文献1に記載のようなタンパク質安定化剤を用いる方法では、タンパク質の凝集を完全に抑制できず、タンパク質の分散性を向上させた、良好な品質を実現できていなかった。また、コンドロイチン硫酸を用いる方法では、独特風味を有する点および原材料費などを要する点で問題があった。さらに、コンドロイチン硫酸の摂取と、上腹部痛および吐き気との関連について報告されており、食品の安全性の点でも問題があった(健康食品データベース第一出版Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ編、(独)国立健康・栄養研究所 監訳)。

また、引用文献2には、弱酸性の乳飲料の製造方法において、カラギーナンを配合し、タンパク質を保護すると共に、必要に応じて、ジェランガムを組み合わせて配合して、タンパク質の分散性を安定化させることが記載されている。

しかし、特許文献2に記載のような方法では、タンパク質の分散性を向上させるものの、粘度が著しく上昇してしまい、乳飲料として良好な食感および物性を実現できていなかった。また、原料乳調合する際において、原料乳を凝集させないように混合(撹拌)の条件を調整して、ジェランガムを分散させながら配合(添加、投入)しなければならず、一般的な乳飲料の製造方法に比べて、製造工程や操作が煩雑になる点で問題があった。

概要

本発明は、風味および食感が良好であり、品質および物性が良好に安定しており、かつ既存の製造工程や製造設備を利用して簡便に製造することが可能である、弱酸性の乳飲料の製造方法を提供することを目的とするものであり、無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性の乳飲料の製造方法である。

目的

本発明では、風味および食感が良好であり、かつ品質および物性が良好に安定しており、かつ既存の(従来の)製造工程や製造設備を利用して簡便に製造することが可能である、弱酸性の乳飲料の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

無脂乳固形分を含む第1の原料カラギーナンを含有させて、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて、第2の調合液を調製する工程と、前記第1の調合液および前記第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性乳飲料の製造方法。

請求項2

前記第1の調合液および前記第2の調合液の混合液加熱殺菌する工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。

請求項3

前記乳飲料における前記カラギーナンの含有量は、前記乳飲料に含まれる全無脂乳固形分量に対して1重量%以上10重量%以下である、請求項1または2に記載の製造方法。

請求項4

前記乳飲料における前記シュガーエステルおよび前記グリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量は、前記乳飲料に含まれる全脂肪量に対して1重量%以上10重量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項5

前記第1の調合液および前記第2の調合液の混合液に、クエン酸ナトリウムを含有させる工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造された、弱酸性の乳飲料。

請求項7

無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて、第2の調合液を調製する工程と、前記第1の調合液および前記第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法。

請求項8

前記第1の調合液および前記第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。

請求項9

増粘安定剤として、カラギーナンのみを含有し、かつ乳化剤として、シュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有する、弱酸性の乳飲料。

請求項10

無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて、第2の調合液を調製する工程と、前記第1の調合液および前記第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性の乳飲料における粘度上昇を抑制する方法。

請求項11

無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて、第2の調合液を調製する工程と、前記第1の調合液および前記第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性の乳飲料における焦げ付きを抑制する方法。

技術分野

0001

本発明は、弱酸性乳飲料の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、粘度を飲用に適さないほどに高めることなく、タンパク質分散性が向上された(均質化された)、良好な品質の弱酸性の乳飲料の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来の酸性(pH:4.6以下)の乳飲料(酸性乳)では、タンパク質の凝集を防ぐため、カゼイン等電点(pH:4.6)以下のpHの低い領域に調整すると共に、所定の安定剤を含有させている(配合(添加)している)。

0003

一方、従来の弱酸性(pH:4.8〜6.3)の乳飲料(弱酸性乳)では、タンパク質の凝集を防ぐため、幾つかの技術について報告されている。たとえば、特許文献1には、pH:4.5〜6.3の弱酸性領域におけるタンパク質の凝集を防ぐために、コンドロイチン硫酸またはその塩を含むタンパク質安定化剤を用いることが記載されている。

0004

しかし、特許文献1に記載のようなタンパク質安定化剤を用いる方法では、タンパク質の凝集を完全に抑制できず、タンパク質の分散性を向上させた、良好な品質を実現できていなかった。また、コンドロイチン硫酸を用いる方法では、独特風味を有する点および原材料費などを要する点で問題があった。さらに、コンドロイチン硫酸の摂取と、上腹部痛および吐き気との関連について報告されており、食品の安全性の点でも問題があった(健康食品データベース第一出版Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ編、(独)国立健康・栄養研究所 監訳)。

0005

また、引用文献2には、弱酸性の乳飲料の製造方法において、カラギーナンを配合し、タンパク質を保護すると共に、必要に応じて、ジェランガムを組み合わせて配合して、タンパク質の分散性を安定化させることが記載されている。

0006

しかし、特許文献2に記載のような方法では、タンパク質の分散性を向上させるものの、粘度が著しく上昇してしまい、乳飲料として良好な食感および物性を実現できていなかった。また、原料乳調合する際において、原料乳を凝集させないように混合(撹拌)の条件を調整して、ジェランガムを分散させながら配合(添加、投入)しなければならず、一般的な乳飲料の製造方法に比べて、製造工程や操作が煩雑になる点で問題があった。

先行技術

0007

日本国公開特許公報「特開2003-070424号公報」
日本国公開特許公報「特表2012-533317号公報」

発明が解決しようとする課題

0008

上述したように、従来の弱酸性飲料の製造方法では、良好な品質などを安定して実現できず、また、一般的な乳飲料の製造工程などよりも煩雑さがあった。

0009

そこで、本発明では、風味および食感が良好であり、かつ品質および物性が良好に安定しており、かつ既存の(従来の)製造工程や製造設備を利用して簡便に製造することが可能である、弱酸性の乳飲料の製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、以下の点に深く考慮することにより、本発明を完成させた。

0011

本発明者らは、果実コーヒーなどに由来する酸味牛乳などに由来するコク味ミルク感)とを兼ね備えた、風味および品質などが良好な弱酸性の乳飲料を製造するため、乳原料であるタンパク質、脂質および糖質などの乳素材と、安定剤および乳化剤などを配合(混合)し、原料乳を調合(調製)したところに、酸性素材果汁、コーヒー、有機酸など)を配合(添加)する方法について実験的に検討した。

0012

本発明者らは、安定剤および乳化剤の種類と、それらを添加する方法とについて実験的に検討した。その結果、原料乳を調合する際において、タンパク質成分に安定剤であるカラギーナンを添加して調合したものと、脂質成分に乳化剤のシュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルを添加して調合したものとを混合することで、従来と同等の加熱殺菌条件を採用しても、風味および品質などが良好な弱酸性の乳飲料を安定的に製造できることを見出した。

0013

この弱酸性の乳飲料は、果実やコーヒーなどに由来する酸味と牛乳などに由来するコク味(ミルク感)とを兼ね備えた、良好な風味を有していた。また、この弱酸性の乳飲料は、粘度が過度に上昇されることなく、適度な粘性(粘度)を有していた。さらに、この弱酸性の乳飲料は、長期間で冷蔵保存した場合でも、凝集物沈殿、および油相水相との分離が抑制されていた。本発明者らは、これらの知見に基づき、本発明を完成させた。

0014

すなわち、本発明は、無脂乳固形分(タンパク質など)を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて(配合(添加)して)、第1の調合液を調製する工程と、脂肪乳脂肪など)を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて(配合(添加)して)、第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性の乳飲料の製造方法を提供する。

0015

また、本発明は、上記製造方法において、第1の調合液および第2の調合液の混合液加熱殺菌する工程をさらに含む、製造方法を提供する。

0016

また、本発明は、上記製造方法において、乳飲料におけるカラギーナンの含有量は、乳飲料に含まれる全無脂乳固形分量に対して1重量%以上10重量%以下である、製造方法を提供する。

0017

また、本発明は、上記製造方法において、乳飲料におけるシュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量は、乳飲料に含まれる全脂肪量に対して1重量%以上10重量%以下である、製造方法を提供する。

0018

また、本発明は、上記製造方法において、上記第1の調合液および上記第2の調合液の混合液に、クエン酸ナトリウムを含有させる(配合(添加)する)工程をさらに含む、製造方法を提供する。

0019

また、本発明は、上記製造方法のいずれかを用いて製造された弱酸性の乳飲料を提供する。

0020

また、本発明は、無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて(配合(添加)して)、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて(配合(添加)して)、第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する(タンパク質および/または脂質を均質化する)方法を提供する。

0021

また、本発明は、上記方法において、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程をさらに含む、方法を提供する。

0022

また、本発明は、増粘安定剤として、カラギーナンのみを含有し、かつ乳化剤として、シュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有する、弱酸性の乳飲料を提供する。

0023

また、本発明は、無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて、第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性の乳飲料における粘度上昇を抑制する方法を提供する。

0024

また、本発明は、無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて、第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む、弱酸性の乳飲料における焦げ付きを抑制する方法を提供する。

発明の効果

0025

本発明によれば、タンパク質と脂質が安定した弱酸性の乳飲料(弱酸性乳)を製造することができる。したがって、風味および食感が良好であり、品質および物性が良好に安定しており、かつ既存の(従来の)製造工程や製造設備を利用して簡便に製造することが可能である、弱酸性の乳飲料を提供することができる。すなわち、一般的な乳飲料の製造工程や製造設備を活用することができると共に、原料乳の分散性を安定化させ、かつ粘度の上昇を抑制することができる。

0026

本発明は、弱酸性の乳飲料の製造方法である。「弱酸性」とは、乳の等電点〜中性の範囲のpHであること、たとえばpHが4.8〜6.3であることをいう。「弱酸性の乳飲料」とは、生乳、牛乳または乳製品などを主原料とし、酸性材料と混合されることで、弱酸性に調整された飲料である。

0027

本発明の製造方法は、第1の調合液を調製する工程と、第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む。

0028

第1の調合液を調製する工程では、無脂乳固形分(SNF)を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて(配合(添加)して)、第1の調合液を調製する。カラギーナンは、分子内にマイナス電荷を有するため、タンパク質のプラス電荷を保護することができる。したがって、第1の調合液を調製する工程では、第1の原料に含まれるタンパク質を、カラギーナンによって安定化させ、その後の工程におけるタンパク質の分散性を向上させると共に、タンパク質の凝集(凝固)および沈殿などを防止または抑制することができる。

0029

第1の原料は、無脂乳固形分を含む原料であり、好ましくは無脂乳固形分を主成分とする原料である。「無脂乳固形分を主成分とする」とは、第1の原料の主な固形成分(水分を除いて最も多く含まれる成分)が無脂乳固形分であることをいう。第1の原料における無脂乳固形分の含有量は、特に限定されないが、たとえば1重量%以上30重量%以下であってもよく、好ましくは2重量%以上20重量%以下、より好ましくは3重量%以上15重量%以下、さらに好ましくは4重量%以上10重量%以下である。また、第1の原料における無脂乳固形分の含有量は、水分を除いた固形分に対して、特に限定されないが、たとえば80重量%以上100重量%以下であってもよく、好ましくは85重量%以上100重量%以下、より好ましくは90重量%以上100重量%以下、さらに好ましくは95重量%以上100重量%以下である。

0030

無脂乳固形分は乳成分のうち、乳脂肪分および水分以外の成分を含むものであり、タンパク質、炭水化物ミネラルおよびビタミンなどを含む。タンパク質には、カゼインおよび乳清ホエイ)タンパク質などが含まれる。第1の原料は、主に無脂乳固形分を含むものであればよいため、脂肪を少量で含んでいてもよい。第1の原料における脂肪の含有量は、たとえば0.01重量%以上1重量%未満であってもよく、好ましくは0.01重量%以上0.8重量%以下、より好ましくは0.01重量%以上0.6重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以上0.4重量%以下である。

0031

第1の原料は、たとえば、脱脂粉乳脱脂濃縮乳加糖脱脂練乳、無糖脱脂練乳、乳清(ホエイ)、ホエイパウダー脱塩ホエイ、脱塩ホエイパウダーホエイタンパク濃縮物WPC)、ホエイタンパク質分離物WPI)、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン乳タンパク質濃縮物MPC)、カゼイン、ナトリウムカゼイネート、およびカルシウムカゼイネートからなる群より選択される1種から調製されてもよいし、または2種以上を組み合わせて調製されてもよい。

0032

カラギーナンは、カラギナンカラゲナンカラジーナンまたはカラゲニンとも呼ばれ、安定剤または増粘剤などとして用いられる。カラギーナンとして、たとえば、カラギニンHi-pHive(登録商標)(三栄源エフエフアイ社)などを用いることができる。

0033

第1の調合液における無脂乳固形分の含有量は、特に限定されないが、たとえば1重量%以上30重量%以下であってもよく、好ましくは2重量%以上25重量%以下、より好ましくは3重量%以上20重量%以下、さらに好ましくは4重量%以上15重量%以下である。このとき、第1の調合液におけるカラギーナンの含有量は、特に限定されないが、たとえば0.05重量%以上1.5重量%以下であってもよく、好ましくは0.05重量%以上1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以上0.5重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以上0.3重量%以下である。また、第1の調合液におけるカラギーナンの含有量は、第1の調合液に含まれる全無脂乳固形分量に対して、たとえば1重量%以上10重量%以下であってもよく、好ましくは2重量%以上8重量%以下、より好ましくは3重量%以上6重量%以下、さらに好ましくは4重量%以上6重量%以下である。

0034

第1の調合液を調製する工程では、たとえば、カラギーナンを水に混合した混合液を約50℃(45〜55℃)に加温し、次いで第1の原料と混合することにより、第1の調合液を調製することができる。本工程では、第1の原料およびカラギーナン以外であって、脂肪を除く任意の原料をさらに含有させても(配合(添加)しても)よい。

0035

第2の調合液を調製する工程では、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステル(シュガーエステルもしくはグリセリン脂肪酸エステル、またはこれらの両方)を含有させて(配合(添加)して)、第2の調合液を調製する。シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルは、乳化作用を有しているため、脂肪(脂質)を水相に均一に分散させることができる。したがって、第2の調合液を調製する工程では、第2の原料に含まれる脂肪(脂質)を、シュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルによって安定化させ、その後の工程における脂肪(脂質)の分散性を向上すると共に、脂肪(脂質)の凝集および浮上(分離)などを防止または抑制することができる。

0036

第2の原料は、脂肪を含む原料であり、好ましくは脂肪を主成分とする原料である。「脂肪を主成分とする」とは、第2の原料の主な固形成分(水分を除いて最も多く含まれる成分)が脂肪であることをいう。第2の原料における脂肪の含有量は、特に限定されないが、たとえば0.5重量%以上30重量%以下であってもよく、好ましくは0.5重量%以上25重量%以下、より好ましくは1重量%以上20重量%以下、さらに好ましくは1重量%以上15重量%以下である。また、第2の原料における脂肪の含有量は、水分を除いた固形分に対して、特に限定されないが、たとえば80重量%以上100重量%以下であってもよく、好ましくは85重量%以上100重量%以下、より好ましくは90重量%以上100重量%以下、さらに好ましくは95重量%以上100重量%以下である。

0037

脂肪は乳成分のうち、乳脂肪を含むものであり、言い換えれば、無脂乳固形分および水分以外の成分を含むものである。第2の原料は、脂肪を含むものであればよく、風味の観点から、好ましくは、乳脂肪を含むものであればよいため、無脂乳固形分を少量で含んでいてもよい。第2の原料における無脂乳固形分の含有量は、たとえば0.01重量%以上6重量%未満であってもよく、好ましくは0.01重量%以上5重量%以下、より好ましくは0.01重量%以上4重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以上3重量%以下である。

0038

第2の原料は、たとえば、植物性油脂ヤシ油パーム油パーム核油大豆油米ぬか油コーン油、しそ油、オリーブ油椿油ごま油・大豆油、菜種油落花生油および桐油など)、ならびに動物性油脂(乳脂肪、豚脂牛脂魚油および馬油など)などからなる群より選択される1種から調製されてもよいし、または2種以上を組み合わせて調製されてもよい。

0039

第2の原料は、たとえば、クリームバターバターオイル発酵バター発酵クリーム、コンパウンドクリームバターミルクパウダーおよびクリームパウダーからなる群より選択される1種から調製されてもよいし、または2種以上を組み合わせて調製されてもよい。この場合には、第2の原料には、タンパク質、炭水化物、ミネラルおよびビタミンなどが含まれることもある。たとえば、第2の原料がクリームから調製される場合、クリームの脂肪の含有量は、特に限定されないが、たとえば15重量%以上であってもよく、好ましくは25重量%以上、より好ましくは35重量%以上、さらに好ましくは45重量%以上である。

0040

シュガーエステルは、ショ糖脂肪酸エステルとも呼ばれ、親水基ショ糖と、親油基脂肪酸とから構成される。シュガーエステルを構成する脂肪酸は、任意の脂肪酸であればよく、たとえば、炭素数が12〜18の脂肪酸であってもよい。シュガーエステルとして、たとえば、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステルショ糖ミリスチン酸エステルショ糖ラウリン酸エステルおよびショ糖ステアリン酸エステルなどを用いることができる。

0041

グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンまたはポリグリセリンに脂肪酸が1つ以上でエステル結合した化合物であり、グリセリンまたはポリグリセリンのヒドロキシ基に、さらに有機酸がエステル結合した化合物をも含む。グリセリン脂肪酸エステルとして、たとえば、モノグリセリドのヒドロキシ基に、さらに有機酸がエステル結合したモノグリセリド誘導体有機酸モノグリセリド)、および有機酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることができる。グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、任意の脂肪酸であればよく、たとえば、炭素数が12〜18の脂肪酸であってもよい。また、たとえば、グリセリン脂肪酸エステルが有機酸を含む場合、グリセリン脂肪酸エステルを構成する有機酸は、任意の有機酸であればよい。グリセリン脂肪酸エステルとして、たとえば、酢酸モノグリセリド(AMG)、クエン酸モノグリセリド(CMG)、コハク酸モノグリセリドSMG)、ジアセチル酒石酸モノグリセリド(TMGまたはDATEM)、乳酸モノグリセリド(LMG)、モノステアリン酸ジグリセリンモノステアリン酸デカグリセリンおよびモノステアリン酸ペンタグリセリンなどを用いることができる。

0042

第2の調合液における脂肪の含有量は、特に限定されないが、たとえば0.5重量%以上10重量%以下であってもよく、好ましくは0.5重量%以上8重量%以下、より好ましくは1重量%以上6重量%以下、さらに好ましくは1重量%以上4重量%以下である。このとき、第2の調合液におけるシュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量は、特に限定されないが、たとえば0.03重量%以上1重量%以下であってもよく、好ましくは0.03重量%以上0.5重量%以下、より好ましくは0.05重量%以上0.3重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以上0.15重量%以下である。また、第2の調合液におけるシュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量は、第2の調合液に含まれる全脂肪量に対して、たとえば1重量%以上10重量%以下であってもよく、好ましくは3重量%以上10重量%以下、より好ましくは5重量%以上9重量%以下、さらに好ましくは7重量%以上9重量%以下である。なお、シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルは、いずれかを単独で用いてもよいし、両方を組み合わせて用いてもよい。そして、シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの含有比率は、特に限定されず、任意の含有比率であればよい。

0043

第2の調合液を調製する工程では、たとえば、第2の原料ならびにシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを水に混合した混合液を約50℃(45〜55℃)に加温し、次いで上記の混合液を撹拌して乳化させることにより、第2の調合液を調製することができる。本工程では、第2の原料、シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステル以外であって、無脂乳固形分を除く任意の原料をさらに含有させても(配合(添加)しても)よい。

0044

第1の調合液を調製する工程と、第2の調合液を調製する工程とは、いずれかを先に行ってもよいし、並行して同時に行ってもよい。

0045

第1の調合液および第2の調合液を混合する工程では、食品分野において通常で用いられる方法や設備により混合することができ、たとえば、撹拌の機能付きのタンク(撹拌・調温の機能付きのタンク、撹拌・調温・減圧・均質化の機能付きのタンクなどを含む)、インラインミキサースタティックミキサーなどを含む)などの設備を用いることができる。

0046

本発明の製造方法は、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程において、その他の原料(材料)を含有させる(配合(添加)する)工程をさらに含んでいてもよい。その他の原料を含有させる工程は、たとえば、第1の調合液および第2の調合液を混合する前に、第1の調合液または第2の調合液に対して行ってもよい。また、その他の原料を含有させる工程は、たとえば、第1の調合液および第2の調合液を混合した後に、混合液に対して行ってもよいし、第1の調合液および第2の調合液を混合することと並行して同時に行ってもよい(第1の調合液および第2の調合液を混合しながら、その他の原料を含有させてもよい)。そして、その他の原料を含有させる工程は、たとえば、後述する、第1の調合液および第2の調合液の混合液のpHを調整する工程の前もしくは後、第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化する工程の前もしくは後、または第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程の前もしくは後のうち、いずれの段階で行ってもよい。その他の原料には、たとえば、乳飲料に特定の風味を加えるための香味成分、ミネラル(塩類)、ビタミン、糖類、その他の食品用添加物などが含まれる。

0047

香味成分として、たとえば、イチゴブドウパイナップルリンゴ柑橘類ベリー類バナナ、およびマンゴーなどの果汁、エキスもしくはフレーバー;コーヒーのエキスもしくはフレーバー;ココアのエキスもしくはフレーバー;紅茶抹茶および緑茶などの茶葉、エキスもしくはフレーバー;トマトおよびニンジンなどの野菜汁、エキスもしくはフレーバーなどが含まれる。

0048

ミネラル(塩類)として、たとえば、カルシウム、マグネシウムカリウム、ナトリウム、鉄、銅、亜鉛およびリンなどが含まれ、たとえば、リン酸塩クエン酸塩コハク酸塩および酒石酸塩などが含まれる。クエン酸塩として、たとえば、クエン酸ナトリウムを用いることができる。なお、乳飲料にクエン酸塩、特にクエン酸ナトリウムを所定量で含有させる(配合(添加)する)ことにより、乳飲料の耐熱性を高めることができる。乳飲料におけるミネラルの配合量(添加量)は、たとえば0.01重量%以上1重量%以下であってもよく、好ましくは0.01重量%以上0.5重量%以下、より好ましくは0.01重量%以上0.3重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以上0.1重量%以下である。このような配合量に設定することで、乳飲料の風味や品質などを良好に調整することができる。

0049

ビタミンとして、たとえば、ビタミンAビタミンDビタミンEビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、パントテン酸およびビタミンCなどが含まれる。乳飲料におけるビタミンの配合量(添加量)は、たとえば0.01重量%以上1重量%以下であってもよく、好ましくは0.01重量%以上0.5重量%以下、より好ましくは0.01重量%以上0.3重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以上0.1重量%以下である。このような配合量に設定することで、乳飲料の風味や品質などを良好に調整することができる。

0050

糖類として、たとえば、単糖類二糖類およびオリゴ糖類などが含まれる。その他の食品用添加物として、たとえば、重曹などのpH調整剤色素および甘味料などが含まれる。

0051

本発明の製造方法は、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程において、第1の調合液および第2の調合液の混合液のpHを弱酸性(たとえば、pHを4.8〜6.3)に調整する工程をさらに含んでいてもよい。第1の調合液および第2の調合液の混合液のpHを弱酸性に調整する工程は、たとえば、第1の調合液および第2の調合液を混合した後に行ってもよいし、第1の調合液および第2の調合液を混合することと並行して同時に行ってもよい(第1の調合液および第2の調合液を混合しながら、上記の混合液のpHを調整してもよい)。なお、任意の酸性の原料(pH調整剤など)を用いて、上記の混合液のpHを調整することができる。

0052

本発明の製造方法は、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程において、第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化する工程をさらに含んでいてもよい。第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化する工程は、たとえば、第1の調合液および第2の調合液を混合した後に行ってもよいし、第1の調合液および第2の調合液を混合することと並行して同時に行ってもよい(第1の調合液および第2の調合液を混合しながら、上記の混合液を均質化してもよい)。また、第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化する工程は、第1の調合液および第2の調合液の混合液のpHを調整する前もしくは後のうち、いずれに行ってもよいし、第1の調合液および第2の調合液の混合液のpHを調整することと並行して同時に行ってもよい(第1の調合液および第2の調合液の混合液のpHを調整しながら、上記の混合液を均質化してもよい)。このとき、第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化する工程は、第1の調合液および第2の調合液を混合した後に行うことで、乳飲料の製造工程や製造設備を簡略化して、乳飲料の風味や品質などを良好に調整することができる。

0053

また、第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化する工程は、第1の調合液および第2の調合液を混合する前に、第1の調合液を均質化すると共に、第2の調合液を均質化してから(第1の調合液と第2の調合液とを別々に均質化してから)、均質化済みの第1の調合液および均質化済みの第2の調合液を混合することをも含む。なお、第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化する工程は、第1の調合液を均質化せずに、第2の調合液を均質化してから、第1の調合液および第2の調合液(均質化済み)を混合してもよいし、第2の調合液を均質化せずに、第1の調合液を均質化してから、第1の調合液(均質化済み)および第2の調合液を混合してもよい。これらのうち、第1の調合液を均質化せずに、第2の調合液を均質化してから、第1の調合液および第2の調合液(均質化済み)を混合することで、乳飲料の製造工程や製造設備を簡略化して、乳飲料の風味や品質などを良好に調整することができる。

0054

第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化する工程は、食品分野において通常で用いられる方法や設備により均質化することができ、たとえば、ホモミキサー乳化機)、ホモゲナイザー均質機)、ホモディスパー、および撹拌・調温・減圧・均質化の機能付きのタンクなどの設備を用いることができる。

0055

本発明の製造方法は、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程において、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程をさらに含んでいてもよい。第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程は、たとえば、第1の調合液および第2の調合液を混合した後に行ってもよいし、第1の調合液および第2の調合液の混合液のpHを調整する前もしくは後のうち、いずれに行ってもよい。また、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程は、第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化する前もしくは後のうち、いずれに行ってもよいし、第1の調合液および第2の調合液の混合液を均質化することと並行して同時に行ってもよい(第1の調合液および第2の調合液を均質化しながら、上記の混合液を加熱殺菌してもよい)。

0056

また、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程は、第1の調合液および第2の調合液を混合する前に、第1の調合液を加熱殺菌すると共に、第2の調合液を加熱殺菌してから(第1の調合液と第2の調合液とを別々に加熱殺菌してから)、第1の調合液(加熱殺菌済み)および第2の調合液(加熱殺菌済み)を混合することをも含む。なお、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程は、第1の調合液および第2の調合液を混合した後に行うことで、乳飲料の製造工程や製造設備を簡略化して、乳飲料の風味や品質などを良好に調整することができる。

0057

第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程は、食品分野において通常で用いられる方法や設備により加熱殺菌することができ、たとえば、低温保持殺菌法LTLT)、高温保持殺菌法(HTLT)、高温短時間殺菌法HTST)および超高温瞬間殺菌法(UHT)などの方法を用いることができ、間接加熱殺菌機プレート式殺菌機およびチューブ式殺菌機等)、直接加熱式殺菌機スチームインジェクション式殺菌機およびスチームインフュージョン式殺菌機等)、通電加熱式殺菌機、レトルト殺菌機、撹拌・調温の機能付きのタンクおよび撹拌・調温・減圧・均質化の機能付きのタンクなどの設備を用いることができる。これらのうち、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程は、超高温瞬間殺菌法(UHT)を用いて、たとえば120〜150℃、1〜30秒間で処理を行うことで、乳飲料の製造工程や製造設備を簡略化して、乳飲料の風味や品質などを良好に調整することができる。なお、本発明では、所定の安定化剤および乳化剤により、タンパク質および脂質が十分に安定化されており、原料液(第1の調合液および第2の調合液の混合液など)の耐熱性を高めているため、高温で加熱殺菌しても、乳飲料の風味や品質などを良好に調整することができる。

0058

本発明の製造方法では、たとえば、原料液(第1の調合液および第2の調合液の混合液など)を均質化する工程の後や、原料液を加熱殺菌する工程の前などに、タンパク質の分散性を安定化させるために、ジェランガムなどの安定剤を含有させる(配合(添加)する)必要がない。したがって、本発明の製造方法(製造工程)では、原料液を均質化、加熱殺菌、冷却および充填する工程を、密閉状態加圧状態などで、無菌的に行うことができるため、細菌の汚染(空中の浮遊菌の汚染など)を効果的に防止または抑制することができる。また、本発明の製造方法(製造工程)であれば、原料液を均質化、加熱殺菌、冷却および充填する工程において、既存の(従来の)設備を利用することができる。さらに、従来の製造方法(製造工程)では、原料液にジェランガムを用いることによって、原料液の粘度が著しく上昇してしまうという問題があったが、本発明の製造方法では、原料液にジェランガムを用いる必要がないため、乳飲料の食感(飲み口)や物性(粘度)などを良好に調整することができる。したがって、本発明の製造方法によれば、風味および食感が良好であり、かつ品質および物性が良好に安定しており、かつ既存の(従来の)製造工程や製造設備を利用して簡便に製造することが可能である、弱酸性の乳飲料を提供することができる。

0059

本発明は、増粘安定剤として、カラギーナンのみを含有し、かつ乳化剤として、シュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有する、弱酸性の乳飲料を包含する。本発明の弱酸性の乳飲料は、上述した本発明の製造方法を用いて製造することができる。また、本発明は、上述した製造方法を用いて製造された弱酸性の乳飲料をも包含し、上述した製造方法を用いて製造された、タンパク質および/または脂質の分散性が向上された弱酸性の乳飲料をも包含する。さらに、本発明は、上述した製造方法を用いて製造された弱酸性の乳飲料をも包含し、上述した製造方法を用いて製造された、タンパク質および/または脂質が凝集、沈殿および/または浮上していない弱酸性の乳飲料をも包含する。そして、本発明は、たとえば、果物野菜、コーヒー、紅茶、各種の茶類およびココアなどの原料や風味などが加えられた乳飲料をも包含する。

0060

本発明の弱酸性の乳飲料は、上述した本発明の製造方法における第1の調合液および第2の調合液を混合する工程で得られる第1の調合液および第2の調合液の混合液であってもよいし、第1の調合液および第2の調合液の混合液に対し、その他の原料の添加、pH調整、均質化および加熱殺菌などの任意の工程を行って得られる混合液であってもよい。

0061

本発明の乳飲料におけるカラギーナンの含有量は、特に限定されないが、乳飲料に含まれる全無脂乳固形分量に対して、たとえば1重量%以上10重量%以下であってもよく、好ましくは2重量%以上8重量%以下、より好ましくは3重量%以上6重量%以下、さらに好ましくは4重量%以上6重量%以下である。

0062

本発明の乳飲料におけるシュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量は、特に限定されないが、乳飲料に含まれる全脂肪量に対して、たとえば1重量%以上10重量%以下であってもよく、好ましくは3重量%以上10重量%以下、より好ましくは5重量%以上9重量%以下、さらに好ましくは7重量%以上9重量%以下である。なお、シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルは、いずれかを単独で用いてもよいし、両方を組み合わせて用いてもよい。そして、シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの含有比率は、特に限定されず、任意の含有比率であればよい。

0063

本発明の乳飲料における無脂乳固形分の含有量は、特に限定されないが、たとえば15重量%以下であってもよく、好ましくは12重量%以下、より好ましくは9重量%以下、さらに好ましくは6重量%以下である。また、本発明の乳飲料における無脂乳固形分の含有量の下限値は、特に限定されないが、1重量%であってもよい。本発明の乳飲料におけるカラギーナンの含有量は、特に限定されないが、0.8重量%以下であってもよく、好ましくは0.6重量%以下、より好ましくは0.4重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下である。また、本発明の乳飲料におけるカラギーナンの含有量の下限値は、特に限定されないが、0.04重量%であってもよい。

0064

本発明の乳飲料における脂肪の含有量は、特に限定されないが、5重量%以下であってもよく、好ましくは4重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。また、本発明の乳飲料における脂肪の含有量の下限値は、特に限定されないが、0.5重量%であってもよい。本発明の乳飲料におけるシュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量は、特に限定されないが、0.6重量%以下であってもよく、好ましくは0.4重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下である。また、本発明の乳飲料におけるシュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量の下限値は、特に限定されないが、0.02重量%であってもよい。

0065

本発明の乳飲料は、任意の容器に充填して密封され、容器詰飲料の形態とすることができる。本発明では、所定の安定化剤および乳化剤により、タンパク質および脂質が十分に安定化されており、原料液(第1の調合液および第2の調合液の混合液など)の耐熱性を高めているため、高温で加熱殺菌しても、乳飲料の風味や品質などを良好に調整することができる。したがって、本発明では、乳飲料を長期間に亘って冷蔵保存することができる。

0066

本発明の乳飲料のpHは、弱酸性(たとえば、pH:4.8〜6.3)であればよいが、実際に加えられる原料や風味によって、風味および品質などを良好に調整するために好ましい数値に設定することができる。このとき、本発明の乳飲料が、たとえば、果物の風味を有する乳飲料(たとえば、果汁入り乳飲料など)である場合、そのpHは5.1〜5.95であってもよい。また、本発明の乳飲料が、たとえば、コーヒー、紅茶および各種の茶類の風味を有する乳飲料である場合(たとえば、カフェオレ、紅茶オレおよび抹茶オレなど)、そのpHは5.8〜6.3、好ましくは6.0〜6.2であってもよい。

0067

また、本発明は、弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する(タンパク質および/または脂質を均質化する)方法を提供する。本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法は、無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて(配合(添加)して)、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて(配合(添加)して)、第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む。

0068

本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法において、第1の調合液を調製する工程、第2の調合液を調製する工程、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程は、上述した、本発明の製造方法について記載したとおりである。

0069

本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法によれば、原料液(第1の調合液および第2の調合液の混合液など)の耐熱性を高めて、粘度の上昇を防止または抑制することができるため、乳飲料の食感(飲み口)や物性(粘度)などを良好に調整することができる。

0070

また、本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法は、上記方法において、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程をさらに含む。つまり、本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法は、無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて(配合(添加)して)、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて(配合(添加)して)、第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程と、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程とを含む。

0071

本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法において、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程は、上述した、本発明の製造方法について記載したとおりである。

0072

本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法は、タンパク質の凝集(凝固)や沈殿などを防止または抑制する方法でもあり、脂肪(脂質)の凝集や浮上(分離)などを防止または抑制する方法でもある。本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法によれば、各製造工程において、個々の原料を別々に加熱殺菌などする必要はなく、最終の混合物(原料液)を加熱殺菌すればよい。また、本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法によれば、最終の混合物を高温で加熱殺菌しても、乳飲料の食感(飲み口)や物性(粘度)などを良好に調整することができる。したがって、本発明の弱酸性の乳飲料におけるタンパク質および/または脂質の分散性を向上する方法によれば、風味および食感が良好であり、かつ品質および物性が良好に安定しており、かつ既存の(従来の)製造工程や製造設備を利用して簡便に製造することが可能である、弱酸性の乳飲料を提供することができる。

0073

また、本発明は、弱酸性の乳飲料における粘度上昇を抑制する方法を提供する。本発明の弱酸性の乳飲料における粘度上昇を抑制する方法は、無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて(配合(添加)して)、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて(配合(添加)して)、第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む。また、本発明の弱酸性の乳飲料における粘度上昇を抑制する方法は、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程をさらに含んでもよい。

0074

本発明の弱酸性の乳飲料における粘度上昇を抑制する方法において、第1の調合液を調製する工程、第2の調合液を調製する工程、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程は、上述した、本発明の製造方法について記載したとおりである。

0075

本発明の弱酸性の乳飲料における粘度上昇を抑制する方法によれば、原料液(第1の調合液および第2の調合液の混合液など)の耐熱性を高めるため、弱酸性の乳飲料を加熱殺菌等する際の粘度の上昇を抑制することができる。また、本発明の弱酸性の乳飲料における粘度上昇を抑制する方法によれば、各製造工程において、個々の原料を別々に加熱殺菌などする必要はなく、最終の混合物(原料液)を加熱殺菌すればよい。さらに、本発明の方法であれば、最終の混合物を高温で加熱殺菌しても、乳飲料の食感(飲み口)や物性(粘度)などを良好に調整することができる。したがって、本発明の弱酸性の乳飲料における粘度上昇を抑制する方法によれば、風味および食感が良好であり、かつ品質および物性(粘度)が良好に安定しており、かつ既存の(従来の)製造工程や製造設備を利用して簡便に製造することが可能である、弱酸性の乳飲料を提供することができる。

0076

また、本発明は、弱酸性の乳飲料における焦げ付きを抑制する方法を提供する。本発明の弱酸性の乳飲料における焦げ付きを抑制する方法は、無脂乳固形分を含む第1の原料にカラギーナンを含有させて(配合(添加)して)、第1の調合液を調製する工程と、脂肪を含む第2の原料にシュガーエステルおよび/またはグリセリン脂肪酸エステルを含有させて(配合(添加)して)、第2の調合液を調製する工程と、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程とを含む。また、本発明の弱酸性の乳飲料における焦げ付きを抑制する方法は、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程をさらに含んでもよい。

0077

本発明の弱酸性の乳飲料における焦げ付きを抑制する方法において、第1の調合液を調製する工程、第2の調合液を調製する工程、第1の調合液および第2の調合液を混合する工程、第1の調合液および第2の調合液の混合液を加熱殺菌する工程は、上述した、本発明の製造方法について記載したとおりである。

0078

本発明の弱酸性の乳飲料における焦げ付きを抑制する方法によれば、原料液(第1の調合液および第2の調合液の混合液など)の耐熱性を高めるため、弱酸性の乳飲料を加熱殺菌等する際の焦げ付きを抑制することができる。また、本発明の弱酸性の乳飲料における焦げ付きを抑制する方法によれば、各製造工程において、個々の原料を別々に加熱殺菌などする必要はなく、最終の混合物(原料液)を加熱殺菌すればよい。さらに、本発明の方法であれば、最終の混合物を高温で加熱殺菌しても、乳飲料の食感(飲み口)や物性(粘度)などを良好に調整することができる。したがって、本発明の弱酸性の乳飲料における焦げ付きを抑制する方法によれば、焦げ付きがなく、風味および食感が良好であり、かつ品質および物性が良好に安定しており、かつ既存の(従来の)製造工程や製造設備を利用して簡便に製造することが可能である、弱酸性の乳飲料を提供することができる。

0079

本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。

0080

以下に実施例を示し、本発明の実施形態について、さらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。

0081

〔実施例1〕
カラギーナン(カラギニンHi-pHive(登録商標);三栄源エフ・エフ・アイ社)の0.2重量部および砂糖の4重量部を予め配合・混合してから、ブドウ糖果糖液糖の4.67重量部と共に、水(約20℃)に配合・混合した。そして、この混合液を約50℃(45〜55℃)に加温してから、脱脂粉乳(SNF : 95.5重量%、脂肪: 1.0重量%)の3.2重量部、ホエイ粉(SNF : 96.3重量%、脂肪 : 0.7重量%)の1.1重量部およびデキストリンの0.4重量部を配合・混合し、タンパク質調合液(第1の調合液)を調製した。

0082

一方、乳化剤のシュガーエステルとして、ショ糖パルミチン酸エステル(リョートシュガーエステルP-1670;三菱化学フーズ社)の0.038重量部、グリセリン脂肪酸エステルとして、コハク酸モノステアリン酸グリセリン(サンソフトNo. 681SPV太陽化学社)の0.038重量部、および生クリーム(SNF : 4.7重量%、脂肪: 47.0重量%)の2.13重量部を、水(約50℃(45〜55℃))に配合・混合してから、ホモミキサーを用いて乳化し、脂質調合液(第2の調合液)を調製した。

0083

その後に、タンパク質調合液と脂質調合液とを混合してから、約10℃に冷却した後に、香料、果汁およびクエン酸ナトリウムを0.02重量%で配合・混合した。それから、クエン酸(50重量%溶液)を用いて、この混合液(調合液)のpHを5水準(pH : 5.1、5.2、5.4、5.7、5.9)に調整し、各混合液を約60℃(55〜65℃)に加温してから、ホモゲナイザーを用いて均質化した後に、オートクレーブを用いて加熱殺菌(110℃、1分)し、乳飲料(果汁入り乳飲料)(1a)〜(5a)を調製した。

0084

乳飲料(1a)〜(5a)のSNFは4.15重量%、脂肪は1.05重量%であった。また、カラギーナンの含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全SNFに対して4.8重量%であった。そして、シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全脂肪に対して7.2重量%であった。

0085

ここで、乳飲料(1a)〜(5a)の風味および物性を評価し、その結果を表1に示した。

0086

果実の酸味、牛乳のコク味および飲み口の評価は、非常に良好な場合に「A」、良好な場合に「B」、許容範囲内である場合に「C」、不適切な場合に「D」とした。

0087

乳飲料の粘度は、回転式B型粘度計Model Dial Reading(英弘精機社)を用いて測定した。この粘度計では、たとえば、乳飲料(約10℃)の100gを小型容器に充填し、ローターNo.4(コードM23)を侵入させてから回転(30 rpm、30秒)させることにより、粘度を測定することができる。

0088

表1に示すように、乳飲料(1a)〜(5a)の飲み口と粘度は良好であった。

0089

0090

〔実施例2〕
実施例1と同様にして、乳飲料(果汁入り乳飲料)(1a)〜(5a)を調製した。

0091

ここで、乳飲料(1a)〜(5a)の耐熱性と凝集性を評価し、その結果を表2に示した。

0092

なお、乳飲料の耐熱性(熱安定性)は、乳飲料(1a)〜(5a)の3 mlを小型ガラス容器に充填し、それら容器をオイルバス(130℃)に浸漬して、凝集(凝固)の発生までの所要時間を目視計測した。そして、凝集(凝固)の発生までの所要時間が「5分以上」の場合に、「乳飲料の耐熱性がある」と判定した。

0093

また、乳飲料の凝集性では、オートクレーブを用いて、乳飲料(1a)〜(5a)を加熱殺菌(110℃、1分間)した後に、凝集(凝固)の発生の有無を目視で判定した。

0094

表2に示すように、乳飲料(2a)〜(5a)の耐熱性と凝集性は良好であった。

0095

0096

なお、一般的な酸性の乳飲料では、pHが中性に近付けば、その耐熱性と凝集性は向上する。そのため、今回の結果から、pHが5.9以上の弱酸性の乳飲料でも、それらの耐熱性と凝集性は良好であると推測できる。

0097

〔比較例1〕
カラギーナンの0.2重量部および砂糖の4重量部を予め配合・混合してから、ブドウ糖果糖液糖の4.67重量部と共に、水(約20℃(15〜25℃))に配合・混合した。そして、この混合液を約50℃(45〜55℃)に加温してから、脱脂粉乳の3.2重量部、ホエイ粉の1.1重量部、およびデキストリンの0.4重量部を配合・混合し、タンパク質調合液を調製した。

0098

一方、乳化剤のシュガーエステルとして、ショ糖パルミチン酸エステルの0.038重量部、グリセリン脂肪酸エステルとして、コハク酸モノステアリン酸グリセリンの0.038重量部、および生クリームの2.13重量部を、水(約50℃(45〜55℃))に配合・混合してから、ホモミキサーを用いて乳化させ、脂質調合液を調製した。

0099

その後に、タンパク質調合液と脂質調合液とを混合してから、約10℃(5〜10℃)に冷却した後に、香料、果汁およびクエン酸ナトリウムを配合・混合した。それから、この混合液(調合液)のpHを確認し、約60℃(55〜65℃)に加温してから、ホモゲナイザーを用いて均質化した後に、ジェランガム(ケルコゲルHi-pHive;三栄源エフ・エフ・アイ社)の0.024重量部を配合・混合し、さらにオートクレーブを用いて加熱殺菌(110℃、1分間)し、乳飲料(果汁入り乳飲料)(1d)を調製した。一方、この加熱殺菌する直前の混合液を90℃に加温し、乳飲料(果汁入り乳飲料)(2d)を調製した。

0100

ここで、乳飲料(1d)の風味および物性を評価すると共に、乳飲料(2d)の耐熱性を評価し、その結果を表3に示した。

0101

表3に示すように、ジェランガムを含む乳飲料(1d)の飲み口は悪く、粘性があり、飲みにくかった。また、乳飲料(1d)の粘度は非常に高かった。一方、加熱殺菌(110℃、1分間)していない乳飲料(2d)の耐熱性は良好であった。

0102

0103

〔比較例2〕
カラギーナンの0.2重量部および砂糖の4重量部を予め配合・混合してから、ブドウ糖果糖液糖の4.67重量部と共に、水(約20℃(15〜25℃))に配合・混合した。そして、この混合液を約50℃(45〜55℃)に加温してから、脱脂粉乳の3.2重量部、ホエイ粉の1.1重量部、およびデキストリンの0.4重量部を配合・混合し、タンパク質調合液を調製した。

0104

一方、乳化剤を配合・混合せず、生クリームの2.13重量部を、水(約50℃(45〜55℃))に配合・混合してから、ホモミキサーを用いて乳化させ、脂質調合液を調製した。

0105

その後に、タンパク質調合液と脂質調合液とを混合してから、約10℃(5〜10℃)に冷却した後に、香料、果汁およびクエン酸ナトリウムを配合・混合した。それから、この混合液(調合液)のpHを確認し、約60℃(55〜65℃)に加温してから、ホモゲナイザーを用いて均質化し、乳飲料(果汁入り乳飲料)(1e)を調製した。

0106

ここで、乳飲料(1e)の耐熱性を評価し、その結果を表4に示した。表4に示すように、乳化剤を含まない乳飲料(1e)の耐熱性は良くなかった。

0107

0108

〔実施例3〕
実施例1と同様の方法により、タンパク質調合液を調製した。

0109

一方、表5に記載の配合割合のシュガーエステルとして、ショ糖パルミチン酸エステル、表5に記載の配合割合のグリセリン脂肪酸エステルとして、コハク酸モノステアリン酸グリセリン、および生クリーム(SNF : 4.7重量%、脂肪: 47.0重量%)の2.13重量部を、水(約50℃(45〜55℃))に配合・混合してから、ホモミキサーを用いて乳化させ、各脂質調合液を調製した。

0110

その後に、タンパク質調合液と各脂質調合液とを混合してから、約10℃(5〜10℃)に冷却した後に、香料、果汁およびクエン酸ナトリウム0.02重量%を配合・混合した。それから、クエン酸(50重量%溶液)を用いて、この混合液(調合液)のpHを5.8に調整し、約60℃(55〜65℃)に加温してから、ホモゲナイザーを用いて均質化した後に、オートクレーブを用いて加熱殺菌(110℃、1分間)し、乳飲料(果汁入り乳飲料)(6a)〜(10a)を調製した。

0111

乳飲料(6a)〜(10a)のSNFは4.15重量%、脂肪は1.05重量%であった。また、カラギーナンの含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全SNFに対して4.8重量%であった。そして、シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全脂肪に対して7.2重量%であった。

0112

ここで、乳飲料(6a)〜(10a)のpHおよび耐熱性を測定し、その結果を表5に示した。表5に示すように、乳化剤として、シュガーエステルを単独で用いた場合(グリセリン脂肪酸エステルを含まない場合)でも、耐熱性が良好であった。なお、乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステルを単独で用いた場合(シュガーエステルを含まない場合)でも、耐熱性が良好であったが、シュガーエステルと組み合わせた場合では、耐熱性がより良好であった。

0113

0114

〔実施例4〕
表6に示したシュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの組み合わせを用いて、実施例1と同様の方法により、乳飲料(果汁入り乳飲料)(11a)〜(16a)を調製した。

0115

0116

ここで、乳飲料(11a)〜(16a)の風味および物性を評価し、その結果を表7に示した。

0117

乳飲料のクリームの浮き(脂質(脂肪)の浮上)の評価は、脂質の浮上が極めて少ない場合に「A」、少ない場合に「B」、少しある場合に「C」、多い場合に「D」とした。そして、乳飲料の風味の評価は、良好な場合に「B」、許容範囲内である場合に「C」、不適切な場合に「D」とした。

0118

表7に示すように、乳飲料(11a)〜(16a)のクリームの浮き(脂質(脂肪)の浮上)の評価は良好あるいは許容範囲内であった。そして、乳飲料(11a)〜(16a)の風味は良好あるいは許容範囲内であり、いずれも耐熱性は良好であった。

0119

0120

したがって、シュガーエステルは、脂肪酸の炭素数の制限なく使用可能であることが示された。また、グリセリン脂肪酸エステルは、有機酸の種類およびグリセリンの重合度の制限なく使用可能であることが示された。

0121

〔実施例5〕
カラギーナンの0.05重量部、0.10重量部、0.15重量部または0.20重量部の各々と、砂糖の7重量部とを予め配合・混合してから、水(約20℃(15〜25℃))に配合・混合した。そして、この混合液を約50℃(45〜55℃)に加温してから、脱脂粉乳(SNF : 95.1重量%、脂肪: 1.0重量%)の1.0重量部を配合・混合し、タンパク質調合液(第1の調合液)を調製した。

0122

一方、乳化剤のシュガーエステルとして、ショ糖パルミチン酸エステルの0.038重量部、グリセリン脂肪酸エステルとして、コハク酸モノステアリン酸グリセリンの0.038重量部、および生クリーム(SNF : 4.7重量%、脂肪: 47.5重量%)の3.24重量部を、水(約50℃(45〜55℃))に配合・混合してから、ホモミキサーを用いて乳化させ、脂質調合液(第2の調合液)を調製した。

0123

その後に、タンパク質調合液と脂質調合液とを混合してから、約20℃(15〜25℃)に冷却した後に、コーヒーエキス、重曹、クエン酸およびクエン酸ナトリウムを0.02重量%で配合・混合した。それから、クエン酸(50重量%溶液)を用いて、この混合液(調合液)のpHを3水準(pH : 6.2、6.0、5.8)に調整し、約60℃(55〜65℃)に加温してから、ホモゲナイザーを用いて均質化した後に、オートクレーブを用いて加熱殺菌(110℃、1分間)し、各乳飲料(コーヒー乳飲料)を調製した。

0124

乳飲料のSNFは1.15重量%、脂肪は1.55重量%であった。また、カラギーナンの含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全SNFに対して、各々4.3、8.7、13.0および17.4重量%であった。そして、シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全脂肪に対して4.9重量%であった。

0125

ここで、各乳飲料の風味を評価したところ、pHが6.2の各乳飲料では、ミルク感(乳感)があり、風味が良好(B)であった。pHが6.0の各乳飲料では、少し酸味があり、コーヒーとミルクバランスが良く、風味が非常に良好(A)であった。pHが5.8の各乳飲料では、ややコーヒーの酸味が強く、風味が許容範囲内(C)であった。

0126

また、各乳飲料の耐熱性(熱安定性)を評価したところ、いずれも凝集の発生までの所要時間が30分間以上であり、耐熱性は良好であった。

0127

さらに、各乳飲料のクリームの浮き(脂質(脂肪)の浮上)を評価し、その結果を表8に示した。クリームの浮き(脂質(脂肪)の浮上)の評価は、脂質の浮上が極めて少ない場合に「A」、少ない場合に「B」、少しある場合に「C」、多い場合に「D」とした。表8に示すように、乳飲料のカラギーナンの含有量(配合(添加)量)が多いと、脂質の浮上が増加したが、いずれも許容範囲内であった。

0128

0129

〔実施例6〕
カラギーナンの含有量(配合(添加)量)を0重量部、0.017重量部、0.034重量部または0.05重量部にした点以外は、実施例5と同様の方法により、乳飲料(コーヒー乳飲料)を調製した。なお、乳飲料のpHは6.0に調整した。

0130

乳飲料のSNFは1.15重量%、脂肪は1.55重量%であった。また、カラギーナンの含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全SNFに対して、各々0、1.5、3.0および4.3重量%であった。シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全脂肪に対して4.9重量%であった。

0131

原料液を加熱殺菌する前および加熱殺菌した後のpH、ならびに耐熱性を測定し、その結果を表9に示した。表9に示すように、カラギーナンの含有量(配合(添加)量)が少ないと、耐熱性が良くなかった。

0132

0133

〔実施例7〕
コーヒー飲料規格のコーヒー乳飲料を調製した。コーヒー飲料規格とは、内容量の100gに、コーヒーの生豆換算して2.5g以上5g未満のコーヒー豆から抽出または溶出したコーヒー分を含むものをいう。なお、コーヒーの生豆の換算は、次に掲げる基準により算出する。
(1) 焙煎豆を使用するときは、1.3倍
(2)インスタントコーヒーを使用するときは、3.0倍
(3)コーヒー抽出液を使用するときは、その製造者による証明。

0134

カラギーナンの0.05重量部および砂糖の7重量部を予め配合・混合してから、水(約20℃(15〜25℃))に配合・混合した。そして、この水を約50℃(45〜55℃)に加温してから、脱脂粉乳(SNF : 95.1重量%、脂肪: 1.0重量%)の1.0重量部を配合・混合し、タンパク質調合液(第1の調合液)を調製した。

0135

一方、乳化剤のシュガーエステルとして、ショ糖パルミチン酸エステルの0.038重量部、グリセリン脂肪酸エステルとして、コハク酸モノステアリン酸グリセリンの0.038重量部、および生クリーム(SNF : 4.70重量%、脂肪: 47.50重量%)の3.24重量部を、水(約50℃(45〜55℃))に配合・混合してから、ホモミキサーを用いて乳化させ、脂質調合液(第2の調合液)を調製した。

0136

その後に、タンパク質調合液と脂質調合液とを混合してから、約20℃(15〜25℃)に冷却した後に、コーヒーエキス、重曹、クエン酸およびクエン酸ナトリウム0.02重量%を配合・混合した。それから、クエン酸(50重量%溶液)を用いて、この混合液(調合液)のpHを6.0に調整し、約60℃(55〜65℃)に加温してから、ホモゲナイザーを用いて均質化した後に、プレート式殺菌機(VHX殺菌機、岩井機械工業社)を用いて加熱殺菌(超高温瞬間殺菌法(UHT)、130℃、2秒間)し、乳飲料(コーヒー乳飲料)を調製した。

0137

乳飲料のSNFは1.15重量%、脂肪は1.55重量%であった。また、カラギーナンの含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全SNFに対して4.3重量%であった。シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全脂肪に対して4.9重量%であった。

0138

ここで、乳飲料の耐熱性(熱安定性)を評価したところ、凝集(凝固)の発生までの所要時間が30分間以上であり、耐熱性は良好であった。また、乳飲料の粒度分布について、粒度分布計(SALD-2200、島津製作所)を用いて測定したところ、乳飲料の平均粒径は0.784μmであった。

0139

〔実施例8〕
コーヒー規格のコーヒー乳飲料を調製した。コーヒー規格とは、内容量の100gに、コーヒーの生豆に換算して5g以上のコーヒー豆から抽出または溶出したコーヒー分を含むものをいう。

0140

カラギーナンの0.05重量部および砂糖の7重量部を予め配合・混合してから、水(約20℃(15〜25℃))に配合・混合した。そして、この水を約50℃(45〜55℃)に加温してから、脱脂粉乳(SNF : 95.1重量%、脂肪: 1.0重量%)の1.4重量部を配合・混合し、タンパク質調合液(第1の調合液)を調製した。

0141

一方、乳化剤のシュガーエステルとして、ショ糖パルミチン酸エステルの0.049重量部、グリセリン脂肪酸エステルとして、コハク酸モノステアリン酸グリセリンの0.049重量部、および生クリーム(SNF : 4.7重量%、脂肪: 47.5重量%)の4.29重量部を、水(約50℃(45〜55℃))に配合・混合してから、ホモミキサーを用いて乳化させ、脂質調合液(第2の調合液)を調製した。

0142

その後に、タンパク質調合液と脂質調合液とを混合してから、約20℃(15〜25℃)に冷却した後に、コーヒーエキス、重曹、クエン酸およびクエン酸ナトリウム0.02重量%を配合・混合した。それから、クエン酸(50重量%溶液)を用いて、この混合液(調合液)のpHを6.0に調整し、約60℃(55〜65℃)に加温してから、ホモゲナイザーを用いて均質化した後に、プレート式殺菌機(VHX殺菌機、岩井機械工業社)を用いて加熱殺菌(超高温瞬間殺菌法(UHT)、130℃、2秒)し、乳飲料(コーヒー乳飲料)を調製した。

0143

乳飲料のSNFは1.55重量%、脂肪は2.05重量%であった。また、カラギーナンの含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全SNFに対して3.2重量%であった。そして、シュガーエステルおよびグリセリン脂肪酸エステルの合計の含有量(配合(添加)量)は、乳飲料に含まれる全脂肪に対して4.8重量%であった。

0144

乳飲料の耐熱性(熱安定性)を評価したところ、凝集(凝固)の発生までの所要時間が30分間以上であり、耐熱性は良好であった。また、乳飲料の粒度分布について、粒度分布計(SALD-2200、島津製作所)を用いて測定したところ、乳飲料の平均粒径は0.755μmであった。

0145

試験1〕
実施例7および8の乳飲料について、原料液を加熱殺菌した後に10℃、22日間で保存したときの、それらの物性および風味を評価した。

0146

原料液を加熱殺菌する前および加熱殺菌した後から1、8、15および22日目に、乳飲料のpHを測定し、その結果を表10に示した。表10に示すように、原料液を加熱殺菌する前後におけるpHの変化は、約0.03〜0.1であり、非常に小さかった。

0147

0148

また、原料液を加熱殺菌した後から8、15および22日目に、乳飲料のクリームの浮き(脂質の浮上)の有無、沈澱(タンパク質の凝集)の発生の有無、および風味を評価した。実施例7の評価の結果を表11に、実施例8の評価の結果を表12に示した。

0149

乳飲料のクリームの浮き(脂質の浮上)および沈殿(タンパク質の凝集)の発生の有無の評価は、脂質の浮上またはタンパク質の凝集の発生が極めて少ない場合に「A」、少ない場合に「B」、少しある場合に「C」、多い場合に「D」とした。風味の評価は、非常に良好な場合に「5」、良好な場合に「4」、商品として許容内である場合に「3」、不良である場合に「2」、非常に不良である場合に「1」とした。

0150

表11および12に示すように、実施例7および8の乳飲料を保存した期間が長くなると、クリームの浮き(脂質の浮上)および沈殿(タンパク質の凝集)の発生が少しあったが、いずれも許容範囲内であった。また、乳飲料を保存した期間(22日間)において、クリームの浮きおよび沈殿の発生に大きな変化は見られなかった。また、原料液を加熱殺菌した後から22日目に、乳飲料の風味を評価したところ、実施例7では、少しの甘さを感じ、実施例8では、若干の酸味を感じたが、いずれも許容範囲内であった。

0151

0152

0153

これらの結果から、本発明の方法によれば、コーヒー飲料規格の乳飲料およびコーヒー規格の乳飲料において、原料液のpHが6.0の場合に、加熱殺菌を安定して行えることが確認された。

実施例

0154

本明細書に記載の具体的な実施形態および実施例は、単に本発明の技術内容を明らかにするためのものであって、本発明は、これらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の精神および請求の範囲内で変更することができる。

0155

本発明の製造方法によれば、風味および食感が良好であり、品質および物性が良好に安定している弱酸性の乳飲料を簡便に製造することが可能であるため、種々の乳飲料の製造に好適に利用することができる。

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