図面 (/)

技術 エネルギー管理システム、エネルギー管理方法及びコンピュータプログラム

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 尾崎智也石垣圭久伊藤順司
出願日 2015年2月25日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2016-505255
公開日 2017年3月30日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 WO2015-129734
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 燃料発電機 化石燃料発電 各電力機器 定格出力値 工場負荷 低圧受電 ガス発電機 静的パラメータ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (18)

課題・解決手段

本発明の一形態は、電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器運転状態を管理するエネルギー管理システムとして、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムに関する。このプログラムは、前記電力機器の制御に用いる静的パラメータを取得する第1のステップと、取得された前記静的パラメータに基づいて前記電力機器を制御する第2のステップと、を含み、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータは、少なくとも蓄電池容量放電可能電力充電可能電力、放電効率及び充電効率の5種類のパラメータである。

概要

背景

電力の安定供給や省エネルギー(以下、「省エネ」ともいう。)に向けた取り組みの一環として、ビル及び工場などの大規模設備又は個別の家庭において、太陽光発電PV:Photovoltaic Power Generation)システムや、蓄電池燃料電池などの電力機器を導入するニーズがある。
これらの電力機器を計画的に稼動させることにより、電力の安定供給や省エネを促進できるが、ユーザー稼動スケジュールを管理するのは手間と労力がかかる。

そこで、近年、電力網に繋がる電力機器の運転状態統合的に管理するエネルギー管理システムEMS:Energy Management System)が導入されている(例えば、特許文献1参照)。
EMSは、管理対象である各電力機器通信ネットワークを構成しており、このネットワークを介した情報通信により各電力機器のモニター及び制御を行うことにより、電力使用量可視化や省エネの促進を行うシステムである。そして、例えば図2に示すように、これまでのEMSは、管理対象の相違によって次のように大別される。

HEMS(Home Energy Management System)
BEMS(Building Energy Management System)
FEMS(Factory Energy Management System)
CEMS(Community Energy Management System)

各EMSの接頭語が表す通り、HEMS(ヘムス)は住宅向け、BEMS(ベムス)は商用ビル向け、FEMS(フェムス)は工場向け、CEMS(セムス)はそれらを含んだ地域全体向けのEMSを意味する。
上記の各EMSは、それぞれ管理対象が異なるが、電力需要電力供給のモニターとコントロールを行うという基本的な制御内容はほぼ共通している。

概要

本発明の一形態は、電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器の運転状態を管理するエネルギー管理システムとして、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムに関する。このプログラムは、前記電力機器の制御に用いる静的パラメータを取得する第1のステップと、取得された前記静的パラメータに基づいて前記電力機器を制御する第2のステップと、を含み、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータは、少なくとも蓄電池容量放電可能電力、充電可能電力、放電効率及び充電効率の5種類のパラメータである。

目的

本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、EMSを効率的に開発できるようにすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器運転状態を管理するエネルギー管理システムとして、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記電力機器の制御に用いる静的パラメータを取得する第1のステップと、取得された前記静的パラメータに基づいて前記電力機器を制御する第2のステップと、を含み、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータは、少なくとも下記の5種類のパラメータであるコンピュータプログラム。蓄電池容量満充電状態から取り出し可能な蓄電池のエネルギー容量放電可能電力:蓄電池が放電可能な電力の限界値充電可能電力:蓄電池に充電可能な電力の限界値放電効率:蓄電池が放電する際の蓄電電力に対する出力電力比率充電効率:蓄電池に充電する際の入力電力に対する蓄電電力の比率

請求項2

前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータには、更に下記の自然放電率が含まれる請求項1に記載のコンピュータプログラム。自然放電率:所定時間経過後における自然放電による蓄電容量の減少割合

請求項3

前記第1のステップにおいて取得される前記蓄電池に係る前記静的パラメータは、請求項1に記載の前記5つのパラメータ、或いは、請求項1と請求項2に記載の前記6つのパラメータに固定されている請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム。

請求項4

前記第2のステップにおいて実行される前記電力機器の制御は、下記の5種類にカテゴライズされた制御のうちの少なくとも1つの結果を用いた制御である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。電力監視:電力網における電力の需給状態を可視化する制御発電予測:電力網における発電量を予測する制御需要予測:電力網における電力消費量を予測する制御需給計画:電力網における電力需給計画する制御計装制御:電力網に含まれる電力機器をセンシング結果に応じて稼働させる制御

請求項5

前記電力網が電力系統に繋がっていない場合には、前記電力網において下記の関係式がすべての時間帯成立するように、前記電力機器を制御する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。発電電力量消費電力量+放電電力量充電電力量≒0

請求項6

前記電力機器に再生可能エネルギー発電機が含まれる場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータに、少なくとも当該再生可能エネルギー発電機の定格出力によって定まる最大発電量を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。

請求項7

前記電力機器に化石燃料発電機が含まれる場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータに、少なくとも当該化石燃料発電機の定格出力、燃料消費量及び出力下限値を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。

請求項8

前記電力機器に家庭負荷装置が含まれる場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータに、少なくとも当該家庭の負荷の個々の定格消費電力を含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。

請求項9

前記電力機器に工場の負荷装置が含まれる場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータに、少なくとも当該工場に含まれる負荷装置全体の需要電力を含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。

請求項10

前記電力網が電力系統に繋がっている場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記電力系統に係る前記静的パラメータに、少なくとも契約電力契約電気料金及び従量料金を含む請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。

請求項11

電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器の運転状態を管理するエネルギー管理方法であって、前記電力機器の制御に用いる静的パラメータを取得する第1のステップと、取得された前記静的パラメータに基づいて前記電力機器を制御する第2のステップと、を含み前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータは、少なくとも下記の5種類のパラメータであるエネルギー管理方法。蓄電池容量:満充電状態から取り出し可能な蓄電池のエネルギー容量放電可能電力:蓄電池が放電可能な電力の限界値充電可能電力:蓄電池に充電可能な電力の限界値放電効率:蓄電池が放電する際の蓄電電力に対する出力電力の比率充電効率:蓄電池に充電する際の入力電力に対する蓄電電力の比率

請求項12

電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器の運転状態を管理するエネルギー管理システムであって、請求項1に記載のコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータ装置を備えるエネルギー管理システム。

請求項13

電力網に繋がる電力機器の運転状態を管理するエネルギー管理システムであって、前記電力機器の制御用として第1の階層においてモデル化された静的パラメータを取得する取得部と、前記第1の階層よりも上位の第2の階層において類型化された1又は複数の制御プログラムに、取得部が取得した前記静的パラメータを入力して当該制御プログラムを実行することにより、前記電力機器の運転状態を制御する制御部と、を備えるエネルギー管理システム。

技術分野

0001

本発明は、電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器運転状態を管理するエネルギー管理システム及び方法と、そのシステムとしてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムに関する。

背景技術

0002

電力の安定供給や省エネルギー(以下、「省エネ」ともいう。)に向けた取り組みの一環として、ビル及び工場などの大規模設備又は個別の家庭において、太陽光発電PV:Photovoltaic Power Generation)システムや、蓄電池、燃料電池などの電力機器を導入するニーズがある。
これらの電力機器を計画的に稼動させることにより、電力の安定供給や省エネを促進できるが、ユーザー稼動スケジュールを管理するのは手間と労力がかかる。

0003

そこで、近年、電力網に繋がる電力機器の運転状態を統合的に管理するエネルギー管理システム(EMS:Energy Management System)が導入されている(例えば、特許文献1参照)。
EMSは、管理対象である各電力機器通信ネットワークを構成しており、このネットワークを介した情報通信により各電力機器のモニター及び制御を行うことにより、電力使用量可視化や省エネの促進を行うシステムである。そして、例えば図2に示すように、これまでのEMSは、管理対象の相違によって次のように大別される。

0004

HEMS(Home Energy Management System)
BEMS(Building Energy Management System)
FEMS(Factory Energy Management System)
CEMS(Community Energy Management System)

0005

各EMSの接頭語が表す通り、HEMS(ヘムス)は住宅向け、BEMS(ベムス)は商用ビル向け、FEMS(フェムス)は工場向け、CEMS(セムス)はそれらを含んだ地域全体向けのEMSを意味する。
上記の各EMSは、それぞれ管理対象が異なるが、電力需要電力供給のモニターとコントロールを行うという基本的な制御内容はほぼ共通している。

先行技術

0006

特開2013−13240号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、EMSは、管理対象ごとに設備の種類と数が大きく異なるのが通常であるため、特定の管理対象のために開発したEMSを他の管理対象にそのまま使用することはできない。
例えば、発電機の種類は、ガス発電機、PV、風力発電機などがあり、蓄電池の種類は、レドックスフロー(RF)電池リチウムイオン電池溶融塩電池鉛蓄電池などがあり、負荷の種類は、工場、オフィス、家庭、商業施設などがあり、系統の種類は、大規模系統(電力変動許容)、小規模系統 、独立系統などがある。

0008

また、設備が同じ種類であっても、メーカー製品ごとにその特性が異なるし、顧客がEMSに求めるサービスも多様であるから、顧客それぞれの目的に応じたアルゴリズムを管理対象ごとに個別にシステム開発するのが通常である。
このように、従来、異なる種類のEMSを開発する場合には、管理対象ごとにそれぞれカスタマイズしたシステム開発を行う必要があり、案件ごとソフトウェアを開発しなければならないため、開発コストが膨大になるという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、EMSを効率的に開発できるようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器の運転状態を管理するエネルギー管理システムとして、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムに関する。
そして、本発明のコンピュータプログラムは、前記電力機器の制御に用いる静的パラメータを取得する第1のステップと、取得された前記静的パラメータに基づいて前記電力機器を制御する第2のステップと、を含み、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータは、少なくとも下記の5種類のパラメータである。

0010

蓄電池容量満充電状態から取り出し可能な蓄電池のエネルギー容量
放電可能電力:蓄電池が放電可能な電力の限界値
充電可能電力:蓄電池に充電可能な電力の限界値
放電効率:蓄電池が放電する際の蓄電電力に対する出力電力比率
充電効率:蓄電池に充電する際の入力電力に対する蓄電電力の比率

発明の効果

0011

本発明によれば、EMSを効率的に開発することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施形態に係るEMS開発のためのアーキテクチャ設計思想)の説明図である。
sEMSAによりシステム開発が可能なEMSの構成例を示す説明図である。
sEMSAと実施例1及び2とのビジネス層サービス層及び設備層での対応関係を示す表である。
実施例1とsEMSAとの全階層での対応関係を示す説明図である。
HEMSに関する実施例1の設備構成図である。
実施例1のEMSサーバシステム構成図である。
HEMSの実施例1において、モデル層の数理モデルを定義する静的パラメータの設定値関係式の説明図である。
電力監視部が実行する制御内容のフローチャートである。
発電予測部が実行する制御内容のフローチャートである。
需給計画部が実行する制御内容のフローチャートである。
計装制御部が実行する制御内容のフローチャートである。
実施例2とsEMSAとの全階層での対応関係を示す説明図である。
FEMSに関する実施例2の設備構成図である。
実施例2のEMSサーバのシステム構成図である。
FEMSの実施例2において、モデル層の数理モデルを定義する静的パラメータの設定値と関係式の説明図である。
需要予測部が実行する制御内容のフローチャートである。
sEMSAに基づく実施例1及び2の開発内容の対比を示す表である。

実施例

0013

<本発明の実施形態の概要
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態のコンピュータプログラムは、電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器の運転状態を管理するエネルギー管理システムとして、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記電力機器の制御に用いる静的パラメータを取得する第1のステップと、取得された前記静的パラメータに基づいて前記電力機器を制御する第2のステップと、を含み、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータは、少なくとも下記の5種類のパラメータである。

0014

蓄電池容量:満充電状態から取り出し可能な蓄電池のエネルギー容量
放電可能電力:蓄電池が放電可能な電力の限界値
充電可能電力:蓄電池に充電可能な電力の限界値
放電効率:蓄電池が放電する際の蓄電電力に対する出力電力の比率
充電効率:蓄電池に充電する際の入力電力に対する蓄電電力の比率

0015

本実施形態のコンピュータプログラムによれば、第1のステップにおいて取得される静的パラメータのうち蓄電池に係る静的パラメータが、少なくとも蓄電池容量、放電可能電力、充電可能電力、放電効率及び充電効率の5つに簡略化されているので、複数種類のEMSに適用可能な制御を正確に行うことができる。
従って、複数種類のEMSを開発する場合に、既に開発済みの他のEMSの制御プログラムを使用することが可能となり、EMSを効率的に開発することができる。

0016

(2) 本実施形態のコンピュータプログラムにおいて、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータには、更に下記の自然放電率が含まれていてもよい。
自然放電率:所定時間経過後における自然放電による蓄電容量減少割合
その理由は、静的パラメータとして自然放電率を含めると、ほぼ実際値に近い正確な充電残量にて各種の制御を行うことができるからである。

0017

(3) 本実施形態のコンピュータプログラムにおいて、前記第1のステップにおいて取得される前記蓄電池に係る前記静的パラメータは、少なくとも上述の(1)に記載の前記5つのパラメータ、或いは、上述の(1)と(2)に記載の前記6つのパラメータに固定されていることが好ましい。
その理由は、少なくとも前記5つ又は6つのパラメータに固定すれば、そのうちの4つ又は5つ以下のパラメータを採用する場合に比べて、複数種類のEMSに適用可能な制御をより正確に行うことができるからである。

0018

(4) 本実施形態のコンピュータプログラムにおいて、前記第2のステップにおいて実行される前記電力機器の制御は、下記の5種類にカテゴライズされた制御のうちの少なくとも1つの結果を用いた制御であることが好ましい。
電力監視:電力網における電力の需給状態を可視化する制御
発電予測:電力網における発電量を予測する制御
需要予測:電力網における電力消費量を予測する制御
需給計画:電力網における電力需給を計画する制御
計装制御:電力網に含まれる電力機器をセンシング結果に応じて稼働させる制御

0019

その理由は、上記の5種類の制御は、これまで行われている各種のEMS(例えば、図2参照)に採用され得る制御を類型化したものであるが、蓄電池の静的パラメータとして上述の5又は6つのパラメータを採用すれば、蓄電池を含む電力機器についてこれら5種類の制御を適切に実行できるからである。

0020

(5) 本実施形態のコンピュータプログラムにおいて、前記電力網が電力系統に繋がっていない場合(後述の実施例1の場合)には、前記電力網において下記の関係式がすべての時間帯成立するように、前記電力機器を制御することが好ましい。
発電電力量消費電力量+放電電力量充電電力量≒0

0021

その理由は、上記の関係式をすべての時間帯で成立させれば、管理対象の電力網に対して需給バランスの調整を行うことができ、例えば「離島」などに適したEMSを提供できるからである。

0022

(6) 本実施形態のコンピュータプログラムにおいて、前記電力機器に再生可能エネルギー発電機が含まれる場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータに、少なくとも当該再生可能エネルギー発電機の定格出力によって定まる最大発電量を含むことが好ましい。
その理由は、再生可能エネルギー発電機の場合は、出力がその時々気象によって決まるので、その時刻における最大発電量のみを静的パラメータとしても、その他の静的パラメータも利用した場合と同等の各種の制御を行えるからである。

0023

(7) 本実施形態のコンピュータプログラムにおいて、前記電力機器に化石燃料発電機が含まれる場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータに、少なくとも当該化石燃料発電機の定格出力、燃料消費量及び出力下限値を含むことが好ましい。
その理由は、化石燃料発電機の場合は、取り得る出力値に範囲があり、また、その範囲内で制御可能なので、定格出力のみを静的パラメータとする場合と比較して各種の制御を適切に行えるからである。

0024

(8) 本実施形態のコンピュータプログラムにおいて、前記電力機器に家庭負荷が含まれる場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータに、少なくとも当該家庭負荷の個々の定格消費電力を含むことが好ましい。
その理由は、家庭負荷の場合は、個々の負荷の把握及び制御が比較的容易なため、定格消費電力を静的パラメータとして用いることで各種の制御を適切に行えるからである。

0025

(9) 本実施形態のコンピュータプログラムにおいて、前記電力機器に工場負荷が含まれる場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記静的パラメータに、少なくとも当該工場全体の需要電力を含むことが好ましい。
その理由は、工場に含まれる負荷の数は膨大でかつ将来的に変動することが多いので、個々の負荷の消費電力を静的パラメータとして各種の制御を行うことは困難であるからである。

0026

(10) 本実施形態のコンピュータプログラムにおいて、前記電力網が電力系統に繋がっている場合には、前記第1のステップにおいて取得される前記電力系統に係る前記静的パラメータに、少なくとも契約電力契約電気料金及び従量料金を含むことが好ましい。
その理由は、契約電力及び契約電気料金だけでなく、従量料金を静的パラメータとして採用すれば、系統に繋がる電力網に対する各種の制御をより正確に行えるからである。

0027

(11) 本実施形態のエネルギー管理方法は、電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器の運転状態を管理する方法であって、本実施形態のコンピュータプログラムと実質的に同じ構成を有する。
従って、本実施形態のエネルギー管理方法は、本実施形態のコンピュータプログラムと同様の作用効果を奏する。

0028

(12) 本実施形態のエネルギー管理システム(EMS)は、電力網に繋がる蓄電池を含む電力機器の運転状態を管理するEMSであって、本実施形態のコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータ装置を備える。
従って、本実施形態のエネルギー管理システムは、本実施形態のコンピュータプログラムと同様の作用効果を奏する。

0029

(13) 他の観点から見た本実施形態のエネルギー管理システム(EMS)は、電力網に繋がる電力機器の運転状態を管理するエネルギー管理システムであって、前記電力機器の制御用として第1の階層においてモデル化された静的パラメータを取得する取得部と、前記第1の階層よりも上位の第2の階層において類型化された1又は複数の制御プログラムに、取得部が取得した前記静的パラメータを入力して当該制御プログラムを実行することにより、前記電力機器の運転状態を制御する制御部と、を備える。

0030

本実施形態のエネルギー管理システムによれば、取得部が、第1の階層においてモデル化された静的パラメータを取得し、制御部が、第1の階層よりも上位の第2の階層において類型化された1又は複数の制御プログラムに、取得した静的パラメータを入力して当該制御プログラムを実行することにより、電力機器の運転状態を制御するので、第1の階層での静的パラメータのモデル化と、第2の階層における制御プログラムの類型化とを適切に行えば、異種のEMSに適用可能となるように静的パラメータと制御プログラムを共通化できる。
従って、複数種類のEMSを開発する場合に、既に開発済みの他のEMSの静的パラメータや制御プログラムの使用が可能となり、EMSを効率的に開発することができる。

0031

<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。
〔EMS開発のためのアーキテクチャ〕
図1は、本発明の実施形態に係るEMS開発のためのアーキテクチャ(設計思想)の説明図である。

0032

従来のEMS開発では、例えば、HEMSなら家電メーカーがシステム開発し、FEMSなら機械設備業者がシステム開発するなど、各事業者が個別に開発を行っているのが実情である。従って、新たに開発すべきコンピュータプログラムが多く非効率であった。
本願発明者は、HEMSやFEMSなどの異種のEMS開発の経験を重ねるうちに、複数の階層ごとに機能を類型化したアーキテクチャに基づいてシステム開発を行えば、効率的にシステム開発が行えるという知見に至り、図1のアーキテクチャを考案した。

0033

以下、図1を参照しつつ、本願発明者が考案したアーキテクチャの詳細を説明する。なお、本実施形態では、図1に示すアーキテクチャを、「sEMSA」(「sumitomo EMS Architecture」の略)ともいう。
また、sEMSAの各階層に含まれる複数の機能は、現段階において類型化された機能の例示である。従って、図1の右側に破線で示す通り、将来的に各階層に新たな機能が加わることもあり得る。

0034

図1に示すように、sEMSAは、EMS開発に必要な事項物理的な下位の層から上位側に向かって5つの階層(レイヤ)に段階的に抽象化することによって作成され、「設備層」、「モデル層」、「演算層」、「サービス層」及び「ビジネス層」を含む。
また、sEMSAは、上記の各階層間にそれぞれ介在する4つのインターフェースである、「ネットワークインターフェース」、「モデルインターフェース」、「サービスプログラムインターフェース」及び「ビジネス定義インターフェース」を含む。

0035

5つの階層のうち、「設備層」は、EMSの監視及び制御対象となる各種の電力機器(ハードウェア)の種類を類型化するための階層である。
具体的には、sEMSAの設備層では、EMSに必要な電力機器の種別が、「蓄電」、「発電」、「負荷」及び「系統」の4種類の機能に大きく分類されている。
「蓄電」には、RF(レドックスフロー)電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、溶融塩電池、NAS電池登録商標)などが含まれる。

0036

「発電」には、DG(ディーゼル発電機)、GE(ガスエンジン発電機)、太陽光発電機、風力発電機などが含まれる。
「負荷」には、工場負荷、オフィス負荷、病院負荷、商業施設負荷、家庭負荷などが含まれる。
「系統」には、先進国系統、途上国系統、離島系統などが含まれる。

0037

「モデル層」は、EMSの監視及び制御対象となる各種の電力機器(ハードウェア)の仕様を、より一般的に表現した数理モデルを類型化するための階層である。
具体的には、sEMSAのモデル層において、設備層の「蓄電」に対応する数理モデルは、「循環型」と「非循環型」に分類されている。
RF電池は、液体活物質流動させる循環型の蓄電池であるため、モデル層において「循環型」にモデル化され、その他のリチウムイオン電池、鉛蓄電池、溶融塩電池及びNAS電池は、モデル層において「非循環型」にモデル化されている。

0038

設備層の「発電」に対応するモデル層の数理モデルは、「燃料発電機」と「再生可能エネルギー発電機」に分類されている。
DG及びGEは、発電に燃料を必要とするため、モデル層において「燃料発電機」(「化石燃料発電機」ともいう。)に分類され、太陽光発電機と風力発電機は、発電に燃料が不要であるから、モデル層において「再生可能エネルギー発電機」に分類されている。

0039

設備層の「負荷」に対応するモデル層の数理モデルは、「工場」と「ビル」と「家庭」に分類されている。
工場負荷は、モデル層において「工場」に分類され、オフィス負荷、病院負荷及び商業施設負荷は、モデル層において「ビル」に分類され、家庭負荷は、モデル層において「家庭」に分類されている。

0040

具体的には、設備層の「家庭」に含まれる負荷は、200V以下の低圧受電の負荷であり、モデル層の「ビル」及び「工場」に含まれる負荷は、200Vを超える高圧受電の負荷である。
また、「ビル」に含まれる負荷は、電力料金契約において「業務用建物」に分類される負荷であり、「工場」に含まれる負荷は、電力料金契約における「産業用建物」に分類される負荷である。

0041

設備層の「系統」に対応するモデル層の数理モデルは、「系統連系」と「離島」に分類されている。
先進国及び途上国の系統では、系統からの買電が可能なので「系統連系」に分類され、系統からの買電が不可能な離島は「離島」に分類されている。

0042

「演算層」は、所望されるサービス(図1の「サービス層」に含まれるサービス)を実現するために必要となるEMSの制御プログラムを類型化するための階層である。
具体的には、sEMSAの演算層では、各種のEMSに採用され得る制御プログラムとして、「電力見える化」(「電力監視」ともいう。)、「発電予測」、「需要予測」、「数理計画法」(「需給計画」ともいう。)及び「計装制御」のなどの制御プログラムに分類されている。

0043

「電力見える化」(電力監視)とは、管理対象の電力網における電力消費量と電力供給量を、ユーザーが監視できるように、液晶ディスプレイなどの表示装置に表示させて可視化するための制御プログラムのことをいう。
「発電予測」とは、管理対象の電力網に含まれる発電機の発電量を予測するための制御プログラムのことをいう。
「需要予測」とは、管理対象の電力網に含まれる負荷の電力消費量を予測するための制御プログラムのことをいう。

0044

「数理計画法」(需給計画)とは、電力供給の信頼度を確保しつつ、例えば経済性の追求を目的として、管理対象の電力網における電力の需要量供給量バランスさせる計画を立てるための制御プログラムのことをいう。
「計装制御」とは、管理対象の電力網に含まれる電力機器のセンシング結果に基づいて、フィードバック又はフィードフォワード制御などの自動制御によって電力機器を稼働させるための制御プログラムのことをいう。

0045

「サービス層」は、EMSによって実現可能なサービス(目的)の種類を類型化するための階層である。
具体的には、sEMSAのサービス層では、各種のEMSで実現され得るサービスとして、「電力コスト最小化」、「BCP」、「需給バランス調整」、「電力品質の維持」及び「CO2排出削減」のなどのサービスに分類されている。

0046

「電力コスト最小化」とは、管理対象の電力網の電力コストを最小にするサービスのことをいう。
「BCP」(Business Continuity Planning)とは、自然災害停電などの緊急事態が発生しても、管理対象の電力網における電力供給を維持するサービスのことをいう。
「需給バランス調整」とは、管理対象の電力網における電力需給をバランスさせるサービスのことをいう。

0047

「電力品質の維持」とは、管理対象の電力網における電圧値周波数が所定の範囲を逸脱しないようにするなどの、電力品質を維持するサービスのことをいう。
「CO2排出削減」とは、管理対象の電力網におけるCO2排出量を削減するサービスのことをいう。

0048

「ビジネス層」は、EMSによってユーザーが実現したいビジネス(経済的メリット)の種類を類型化するための階層である。
具体的には、sEMSAのビジネス層では、各種のEMSにより実現され得るビジネスとして、「省エネコンサル」、「電力市場取引」、「離島向け電力」及び「CO2排出権」などのビジネスに分類されている。

0049

「省エネコンサル」とは、管理対象の電力網の省エネ化に関するコンサルタントビジネスのことをいう。
「電力市場取引」とは、管理対象の電力網において電力の取引を行うビジネスのことをいう。

0050

「離島向け電力」とは、離島地域にある管理対象の電力網のユーザーに対して、離島に適したEMSを開発するビジネスのことをいう。
「CO2排出権」とは、管理対象の電力網において、CO2排出権の売買を行うビジネスのことをいう。

0051

図1のsEMSAにおいて、設備層とモデル層の間に介在する「ネットワークインターフェース」は、物理的な電力機器とEMSのソフトウェアを繋ぐための物理的な接続方法や、EMSサーバとの間で使用する通信規格などを定義するインターフェースである。
例えば、HEMSの通信プロトコルとしてわが国で独自に策定されたECHONET−Lite(ECHONETは登録商標)がネットワークインターフェースに該当する。また、HEMSに関する欧米の通信プロトコルである、SEP2.0(Smart Energy Profile 2.0)もネットワークインターフェースに該当する。

0052

また、ネットワークインターフェースに該当する他の通信規格として、イーサネット(登録商標)とTCP/IPプロトコルの組み合わせよりなるLAN、ZigBee(登録商標)、HEMS関連の家電用リモコンのためのRF4CEなどがある。
更に、ネットワークインターフェースに該当する他の通信規格として、HEMS、BEMS、FEMS及びCEMSにおいてセンサーアクチュエーターとの無線通信を行うための国際規格である、IEEE802.15.4規格もある。

0053

図1のsEMSAにおいて、モデル層と演算層に介在する「モデルインターフェース」は、物理的な電力機器に関する情報に基づいて各種の演算や制御を行うとともに、その電力機器に制御指令を発するためのインターフェースである。
後述の通り、本実施形態のモデルインターフェースは、演算層とモデル層の種類に関係なく記述方式が共通化されたデータ、例えば、「項目」とこれに対応する「値」を並べて記述したテキストデータが採用される。

0054

図1のsEMSAにおいて、演算層とサービス層に介在する「サービスプログラムインターフェース」は、要求されるサービスとそれを実現する制御の対応を定義するインターフェースである。
このインターフェースの具体例としては、例えば、下位の演算層に含まれる制御プログラムの実行によって達成される、上位のサービス層に含まれるサービスの成果グラフや表によりユーザーに提示するGUI画面(図示せず)などが考えられる。

0055

図1のsEMSAにおいて、サービス層とビジネス層に介在する「ビジネス定義インターフェース」は、ビジネスを実現するために必要なサービスとの対応を定義するインターフェースである。
このインターフェースの具体例としては、例えば、上位のビジネス層に含まれるビジネスの種類と、これに対応する下位のサービス層に含まれるサービスの種類との対応関係を予め記載した、仕様書や対応テーブルなどが考えられる。

0056

〔想定されるEMSの構成例〕
図2は、sEMSAによりシステム開発が可能なEMSの構成例を示す説明図である。
図2に示すように、本実施形態では、EMS開発を行う事業者が、HEMS、BEMS、FEMS及びCEMSなどの異なる種類の開発を行うことを想定している。
図2実線は、電力機器が繋がる「電力線」(電力網)を示し、図2の破線は、EMSサーバと電力機器との間の「通信路」を示す。この点は、他の図でも同様である。

0057

電力線は、例えば直流配電線よりなり、系統を含む各電力機器は、図示しないコンバータ(AC/DC又はDC/DCコンバータなど)を介して電力線に接続されている。
また、通信路は、有線又は無線のいずれでもよいが、上述のネットワークインターフェースにおいて定義された物理的な接続方法及び通信プロトコルに従った通信方式が採用される。

0058

〔sEMSAの技術的効果〕
ところで、図2に示す各種のEMSでは、電力機器の種類や数が案件により異なるのが通常である。このため、異なる管理対象に対して同じEMSを使用することはできない。
例えば、1)各種の案件で管理対象となり得る電力設備の種類だけでも、ほぼ無数にあるし、2)顧客によってEMSに求めるサービス内容エネルギーコストの削減、系統からの独立運用、CO2排出量削減など)が異なるので、顧客の目的に応じたアルゴリズムを開発する必要がある。

0059

そして、従来では、上記の1)及び2)の双方を想定して、管理対象ごとにカスタマイズしてEMS開発を行うため、案件ごとに異なるソフトウェアの開発が必要となる。
これに対して、図1のsEMSAに基づいてシステム開発を行えば、特に、上位側の演算層においてEMSに使用可能な制御プログラムの機能が類型化され、下位側のモデル層においてEMSに共通する設備モデルが類型化されているので、既に開発済みのソフトウェアを次回以後に使用することができ、2回目以降のシステム開発を効率化することができる。

0060

例えば、先行して開発したHEMSの演算層とモデル層の開発要件が下記であった場合を想定する。
「演算層」=電力見える化、発電予測、数理計画法、計装制御
「モデル層」=循環型蓄電池、再生可能エネルギー、家庭負荷、離島モデル

0061

次に、後続して開発するBEMSの演算層とモデル層の開発要件が下記であった場合を想定する。
「演算層」=電力見える化、発電予測、数理計画法、計装制御
「モデル層」=循環型蓄電池、燃料発電機、再生可能エネルギー、ビル需要モデル、系統連系モデル

0062

上記の想定において、仮にsEMSAに基づく開発を行わなければ、後続のBEMSのシステム開発が先行のHEMSのシステム開発と別個に行われるため、後続のBEMSに必要な制御プログラムや設備モデルをすべて新規に開発する必要がある。
これに対して、sEMSAに基づいて開発を行えば、先行のHEMSにて開発済みの演算層及びモデル層のソフトウェアを後続のBEMSで使用できる。このため、BEMSの開発では、演算層のプログラムの新規開発が不要となり、モデル層では、燃料発電機モデル、ビル需要モデル、系統連系モデルを開発するだけで足りる。

0063

このように、図1のsEMSAに従ってEMS開発を継続すれば、既に開発済みのソフトウェアを次回以後に使用することができ、2回目以降のシステム開発を効率化することができる。

0064

〔sEMSAと実施例1及び2の対応関係〕
本願発明者は、sEMSAに基づいて、「HEMS」に関する「実施例1」のシステム開発を行ったあと、「FEMS」に関する「実施例2」のシステム開発を行った。以下、これら実施例1及び2の内容を詳述し、図1のsEMSAの有用性を更に説明する。
図3は、sEMSAと実施例1及び2とのビジネス層、サービス層及び設備層での対応関係を示す表である。

0065

図3に示すように、HEMSの実施例1では、ビジネス層の種別が「離島向け電力」であり、サービス層の種別が「BCP対応」及び「需給バランス調整」である。
HEMSの実施例1では、設備層における蓄電の種別が「RF電池」であり、発電の種類が「PV」(具体的には、SiPV(シリコン系PV)、CPV(集光型PV)及びCIGSPV(化合物系PV)の3種類)及び「風力発電機」であり、負荷の種類が「家庭」であり、系統の種類が「離島」(自立)である。

0066

図3に示すように、FEMSの実施例2では、ビジネス層の種別が「省エネコンサル」、「電力市場取引」及び「CO2排出権」であり、サービス層の種別が「電力コスト最小化」、「BCP対応」、「需給バランス調整」及び「CO2排出削減」である。
FEMSの実施例2では、設備層における蓄電の種別が「リチウムイオン電池」であり、発電の種類が「PV」(具体的には、SiPV(シリコン系PV))及び「GE」であり、負荷の種類が「工場」であり、系統の種類が「先進国」(系統連系)である。

0067

〔HEMSの実施例1の詳細〕
図4は、実施例1とsEMSAとの全階層での対応関係を示す説明図であり、図5は、HEMSに関する実施例1の設備構成図である。
図4は、図1のsEMSAに対して、HEMSの実施例1において考慮すべき各階層の種類にハッチングを施した図である。すなわち、実施例1では、図4にハッチングを施した各機能を考慮してHEMSの開発を行った。

0068

図5に示すように、実施例1では、EMSサーバ1の管理対象として、「RF電池」、「SiPV」、「CPV」、「CIGSPV」、「風力発電機」及び「家庭負荷」が電力線に接続されている。
EMSサーバ1は、ネットワークインターフェースで定義されるLANなどの所定の通信規格に従って、各電力機器と通信することができる。

0069

図6は、実施例1のEMSサーバ1のシステム構成図である。
図6に示すように、実施例1のEMSサーバ1は、CPU(Central Processing Unit)などよりなる演算装置10と、RAM(Random Access Memory)などのメモリ及びHDD(Hard Disk Drive)を含む記憶装置18とを備えたコンピュータ装置よりなる。
なお、図6では図示していないが、EMSサーバ1には、マウスキーボードなどを含む入力装置と、有線LANや無線LAN、或いはその他の通信手段によって各種の電気機器と通信可能な通信装置も含まれる。

0070

EMSサーバ1の演算装置10は、記憶装置18に格納された各種の制御プログラムを読み出して実行することにより実現される機能部として、電力監視部11、発電予測部12、需給計画部14及び計装制御部15を備えている。
この演算装置10の各機能部11,12,14,15は、sEMSAの「演算層」で類型化された機能と対応する。すなわち、電力監視部11、発電予測部12、需給計画部14及び計装制御部15は、sEMSAの演算層における「電力見える化」、「発電予測」、「数理計画法」及び「計装制御」の各機能にそれぞれ対応する。

0071

電力監視部11は、パソコンなどの端末装置30に入力されたユーザーからのアクセスにより処理を開始し、現時点における他の機能部12,14,15による演算結果と設備情報を記憶装置18から読み出す。
また、電力監視部11は、読み出した情報を自装置に接続された図示しない液晶ディスプレイなどの表示装置に表示したり、ユーザーの端末装置30に出力したりする。

0072

発電予測部12は、天候予測情報40をインターネットなどの公衆通信網から取得するとともに、管理対象である発電機の設備情報(実施例1では、図7に示す再生可能エネルギー発電機の定格出力値)を記憶装置18から取得する。
また、発電予測部12は、取得した予測情報40と設備情報とから、管理対象である発電機ごとの発電量とその合計値を演算し、その演算結果を記憶装置18に記憶させる。

0073

需給計画部14は、管理対象であるすべての電力機器の設備情報と、予め定められた計画の目的とを記憶装置18から取得する。需給計画部14に設定される計画の目的には、電力コスト最小化やBCP対応などのsEMSA(図4)のサービス層に規定された目的が含まれる。
また、需給計画部14は、取得した設備情報と計画の目的とから、電力網に繋がる発電機及び負荷を稼働させる期間やそのオン又はオフのタイミングなどを演算し、その演算結果を記憶装置18に記憶させる。

0074

計装制御部15は、電力機器と系統を含む各設備から装置の情報(状態情報)を取得し、取得した装置の情報を記憶装置18に記憶させる。
また、計装制御部15は、現時点における制御指令を記憶装置18から読み出し、読み出した制御指令を対応する装置に出力する。

0075

図6に示すように、演算装置10と記憶装置18及び各設備との間でやり取りされる情報は、モデルインターフェースとして統一化された、「項目」とこれに対応する「値」の間にブランクを介在させたテキストデータよりなる。
すなわち、演算装置10は、電力監視部11や発電予測部12などの機能部の種類に関係なく、上記のテキストデータのように記述形式が共通化されたデータを記憶装置18及び各設備との間で送受信する。

0076

実施例1における上記のテキストデータは、例えばRF電池に関する情報伝送の場合には、「設備種別RF電池」、「状態放電」、及び「放電電力4kW」などのデータよりなる。
また、SiPVに関する情報伝送の場合には、「設備種別 SiPV」、「状態 ON」などのデータよりなる。

0077

図7は、HEMSの実施例1において、モデル層の数理モデルを定義する静的パラメータの設定値と関係式の説明図である。
図7に示すように、実施例1では、循環型蓄電池(RF電池)の数理モデルを定義する静的パラメータとして、「蓄電池容量」、「放電可能電力」、「充電可能電力」、「放電効率」及び「充電効率」の5種類のパラメータが選定されており、これらのパラメータの設定値が記憶装置18に記憶されている。

0078

ここで、「蓄電池容量」とは、満充電状態から取り出し可能な蓄電池のエネルギー容量(Wh)のことをいう。
「放電可能電力」とは、蓄電池が放電可能な電力の限界値(W)のことをいう。
「充電可能電力」とは、蓄電池に充電可能な電力の限界値(W)のことをいう。

0079

「放電効率」とは、蓄電池が放電する際の蓄電電力に対する出力電力の比率(%)のことをいう。
「充電効率」とは、蓄電池に充電する際の入力電力に対する蓄電電力の比率(%)のことをいう。

0080

また、実施例1では、6つの家電負荷の数理モデルを定義する静的パラメータとして、それらの家電負荷の「定格消費電力」が選定されており、それらの定格消費電力の設定値が記憶装置18に記憶されている。
なお、家庭負荷の静的パラメータが定格消費電力の理由は、個々の負荷装置の把握及び制御が比較的容易なため、定格消費電力を静的パラメータとして用いることで各種の制御を適切に行えるからである。

0081

更に、実施例1では、4種類の再生可能エネルギー発電機の数理モデルを定義する静的パラメータとして、それらの発電機の「定格出力」が選定されており、それらの定格電力の設定値が記憶装置18に記憶されている。
なお、再生可能エネルギー発電機の静的パラメータが定格出力のみで足りる理由は、再生可能エネルギー発電機の場合は、出力がその時々の気象によって決定するので、定格出力によって定まるその時刻における最大発電量のみを静的パラメータとしても、その他の静的パラメータも利用した場合と同等の各種の制御を行えるからである。

0082

また、実施例1では、自立型の離島モデルを表す数理モデルとして、次の関係式が記憶装置18に記憶されている。
発電電力量−消費電力量+放電電力量−充電電力量≒0
従って、実施例1では、需給計画部14は、管理対象の電力網において上記の関係式がすべての時間帯で成立するように、電力網に繋がる電力機器を制御する演算を行うことができる。なお、上記の関係式における「≒0」(ほぼ0)とは、左辺が厳密に0である場合でもよいし、所定の極小値ε以内の場合でもよいことを意味する。

0083

図8は、電力監視部11が実行する制御内容のフローチャートである。
図8に示すように、電力監視部11は、端末装置30からのユーザーアクセス(図6参照)を契機として処理をスタートさせ、まず、記憶装置18に記憶されている設備情報が更新されたか否かを判定する(ステップS11)。
この判定の結果、設備情報に更新があった場合には、更新後の設備情報を記憶装置18から取得する(ステップS12)。

0084

また、電力監視部11は、設備情報に更新がない場合あるいは更新後の設備情報を取得すると、更に、記憶装置18に記憶されている演算結果が更新されたか否かを判定する(ステップS13)。
この判定の結果、演算結果に更新があった場合には、更新後の演算結果を記憶装置18から取得する(ステップS14)。

0085

電力監視部11は、演算結果に更新がない場合あるいは更新後の演算結果を取得すると、現時点で保持している演算結果を表示装置に表示させるための出力データを生成する(ステップS15)。
そして、電力監視部11は、生成した出力データを自装置の表示装置や端末装置30に出力し(ステップS16)、現時点における電力需給が目に見える状態となるようにユーザーに提示する。

0086

図9は、発電予測部12が実行する制御内容のフローチャートである。
図9に示すように、発電予測部12は、天候の予測情報40(図6参照)をインターネットなどの公衆通信網から取得したあと(ステップS21)、管理対象の電力網に繋がる発電機の静的パラメータの設定値、具体的には、図7に示す3種類の太陽光発電機の定格出力値と風力発電機の定格出力値を記憶装置18から取得する(ステップS22)。

0087

その後、発電予測部12は、取得した予測情報40と定格出力値とから、発電機ごとの発電量とその合計値を演算し、その演算結果を記憶装置18に記憶させる(ステップS24)。

0088

図10は、需給計画部14が実行する制御内容のフローチャートである。
図10に示すように、需給計画部14は、現時点の設備情報(例えば図7に示すような設備の静的なパラメータや現在の状態(充電残量や設備状態運転、停止等)))を記憶装置18から取得し(ステップS41)、計画の目的を記憶装置18から取得する(ステップS42)。
実施例1では、サービス層で選定されたサービスの種類が「BCP対応」と「需給バランス調整」であるから(図4参照)、上記の計画の目的は、これらのサービスに適合する制約式として記憶装置18に記憶されている。

0089

需給計画部14は、取得した設備情報と計画の目的を用いて、例えば線形計画法に基づく最適化演算を行い(ステップS43)、その演算結果を制御指令として記憶装置18に記憶させる(ステップS44)。

0090

図11は、計装制御部15が実行する制御内容のフローチャートである。
図11に示すように、計装制御部15は、まず、記憶装置18に制御指令が記憶されているか否かを判定する(ステップS51)。
この判定の結果、制御指令があった場合には、記憶装置18から取得した制御指令を対応する電力機器に出力する(ステップS52)。

0091

また、計装制御部15は、制御指令がない場合あるいは制御指令を出力したあとに、電力網における設備状態(例えば、電力機器の電流値/電圧値や系統からの供給電力など)に変化があったか否かを判定する。
この判定の結果、設備状態に変化があった場合には、電力機器における現時点のセンシング結果である設備情報を各電力機器から取得し(ステップS54)、その設備情報を記憶装置18に記憶させる(ステップS55)。

0092

〔FEMSの実施例2の詳細〕
図12は、実施例2とsEMSAとの全階層での対応関係を示す説明図であり、図13は、FEMSに関する実施例2の設備構成図である。
図12は、図1のsEMSAに対して、FEMSの実施例2において考慮すべき各階層の種類にハッチングを施した図である。すなわち、実施例2では、図12にハッチングを施した各機能を考慮してFEMSの開発を行った。

0093

図13に示すように、実施例2では、EMSサーバ2の管理対象として、「リチウムイオン電池」、「PV」、「GE」、「工場負荷」及び「先進国系統」が接続されている。なお、先進国系統は、モデル層では「系統連系」に分類されており、買電が可能な系統連系であるものとする。
EMSサーバ2は、ネットワークインターフェースで定義されるLANなどの所定の通信規格に従って、各電力機器と通信することができる。

0094

図14は、実施例2のEMSサーバ2のシステム構成図である。
図14に示すように、実施例2のEMSサーバ2は、CPUなどよりなる演算装置20と、RAMなどのメモリ及びHDDを含む記憶装置28とを備えたコンピュータ装置よりなる。
なお、図14では図示していないが、EMSサーバ2には、マウスやキーボードなどを含む入力装置と、有線LANや無線LAN、或いはその他の通信手段によって各種の電気機器と通信可能な通信装置も含まれる。

0095

EMSサーバ2の演算装置20は、記憶装置28に格納された各種の制御プログラムを読み出して実行することにより実現される機能部として、電力監視部21、発電予測部22、需要予測部23,需給計画部24及び計装制御部25を備えている。
この演算装置20の各機能部21〜25は、sEMSAの「演算層」で類型化された機能と対応する。すなわち、電力監視部21、発電予測部22、需要予測部23、需給計画部24及び計装制御部25は、sEMSAの演算層における「電力見える化」、「発電予測」、「需要予測」、「数理計画法」及び「計装制御」の各機能にそれぞれ対応する。

0096

電力監視部21は、パソコンなどの端末装置30に入力されたユーザーからのアクセスにより処理を開始し、現時点における他の機能部22〜25による演算結果と設備情報を記憶装置28から読み出す。
また、電力監視部21は、読み出した情報を自装置に接続された図示しない液晶ディスプレイなどの表示装置に表示したり、ユーザーの端末装置30に出力したりする。

0097

発電予測部22は、天候の予測情報40をインターネットなどの公衆通信網から取得するとともに、管理対象である発電機の設備情報を記憶装置28から取得する。
また、発電予測部22は、取得した予測情報40と設備情報とから、管理対象である再生可能エネルギー発電機ごとの発電量とその合計値を演算し、その演算結果を記憶装置28に記憶させる。

0098

需要予測部23は、管理対象である負荷の設備情報を記憶装置28から取得する。
また、需要予測部23は、取得した設備情報から、管理対象である負荷が消費する予定需要予測値を演算し、その演算結果を記憶装置28に記憶させる。

0099

需給計画部24は、管理対象であるすべての電力機器の設備情報と、予め定められた計画の目的とを記憶装置28から取得する。需給計画部24に設定される計画の目的には、電力コストを最小化したり、BCPに対応したり、需給バランスを調整したり、CO2の排出削減などのsEMSA(図12)のサービス層に規定された目的が含まれる。
また、需給計画部24は、取得した設備情報と計画の目的とから、電力網に繋がる発電機及び蓄電池の出力値を演算し、その演算結果に基づいて制御指令を算出し、記憶装置28に記憶させる。

0100

計装制御部25は、電力機器と系統を含む各設備から装置の情報(状態情報)を取得し、取得した装置の情報を記憶装置28に記憶させる。
また、計装制御部25は、現時点における制御指令を記憶装置28から読み出し、読み出した制御指令を対応する装置に出力する。

0101

図14に示すように、演算装置20と記憶装置28及び各設備との間でやり取りされる情報も、モデルインターフェースとして統一化された、「項目」とこれに対応する「値」の間にブランクを介在させたテキストデータよりなる。
すなわち、演算装置20は、電力監視部21や発電予測部22などの機能部の種類に関係なく、上記のテキストデータのように記述形式が共通化されたデータを記憶装置28及び各設備との間で送受信する。

0102

実施例2における上記のテキストデータは、例えば、リチウムイオン電池に関する情報伝送の場合には、「設備種別リチウムイオン電池」、「状態放電」、及び「放電電力250kW」などのデータよりなる。
また、GE(燃料発電機)に関する情報伝送の場合には、「設備種別 GE」、「状態 ON」、「出力 600kW」などのデータよりなる。

0103

図15は、FEMSの実施例2において、モデル層の数理モデルを定義する静的パラメータの設定値と関係式の説明図である。
図15に示すように、実施例2では、非循環型蓄電池(リチウムイオン電池)の数理モデルを定義するパラメータとして、「蓄電池容量」、「放電可能電力」、「充電可能電力」、「放電効率」及び「充電効率」の5種類のパラメータが選定されており、これらのパラメータの設定値が記憶装置28に記憶されている。

0104

また、実施例2では、工場負荷の数理モデルを定義する静的パラメータとして、工場の「需要電力」が選定されており、この需要電力の設定値が記憶装置28に記憶されている。
このように、工場負荷の静的パラメータを需要電力としたのは、工場に含まれる負荷装置の数は膨大でかつ将来的に変動することが多いからである。すなわち、個々の負荷装置の消費電力をパラメータとして各種の制御を行うことは困難であり、負荷全体の需要電力を用いる方が簡便かつ効率的な制御を行うことができる。

0105

更に、実施例2では、燃料発電機であるGEの数理モデルを定義する静的パラメータとして、その発電機の「定格出力」、「燃料消費量」及び「出力下限値」が選定されており、これらの設定値が記憶装置28に記憶されている。
燃料発電機の数理モデルを定義する静的パラメータを上記の3種類としたのは、燃料発電機の場合には、取り得る出力値に範囲があり、また、その範囲内で制御可能なので、定格出力のみを静的パラメータとする場合と比較して、演算層に類型化された各種の制御を適切に行えなくなるからである。

0106

また、実施例2では、電力系統の数理モデルを定義する静的パラメータとして、「契約電力」、「契約電気料金」及び「従量料金」が選定されており、これらの設定値が記憶装置28に記憶されている。
従って、実施例2では、需給計画部24は、契約電力と契約電気料金だけでなく、従量料金を加味した電力コストに基づいて、電力コストの最小化を目的とした計画を演算できるなど、電力系統に繋がる電力網に対する制御をより正確に行うことができる。

0107

図16は、需要予測部23が実行する制御内容のフローチャートである。
図16に示すように、需要予測部23は、電力網において発生したこれまでの過去の電力需要を記憶装置28から取得し(ステップS31)、取得した過去の電力需要に基づいて統計的な予測を行う(ステップS32)。

0108

そして、需要予測部23は、予測した演算結果を記憶装置28に記憶させる(ステップS33)。

0109

なお、EMSサーバ2(実施例2)の電力監視部21、発電予測部22、需給計画部24及び計装制御部25の制御内容のフローは、EMSサーバ1(実施例1)の電力監視部11(図8)、発電予測部12(図9)、需給計画部14(図10)及び計装制御部15(図11)の制御内容のフローと同様であるから、詳細な説明を省略する。

0110

〔本実施形態の効果〕
図17は、sEMSAに基づく実施例1及び2の開発内容の対比を示す表である。
図17に示すように、HEMSの実施例1とFEMSの実施例2とでは、管理対象が大きく異なるが、実施例1及び2のモデル層の「再生可能エネルギー」が共通している。
このため、後続の実施例2では、先行の実施例1で行った再生可能エネルギーに関するソフトウェアを使用することができ、システム開発を効率的に行うことができる。

0111

また、演算層においては、「電力見える化」(電力監視)、「発電予測」、「数理計画法」(需給計画)及び「計装制御」の4つの制御プログラムが共通しているので、後続の実施例2では、先行の実施例1で行ったそれらの4つの制御プログラムを使用でき、「需要予測」の制御プログラムのみを新規開発すれば足りる。このため、システム開発を効率的に行うことができる。

0112

なお、本実施形態では、2つの実施例1及び2の場合を例示したが、更に3回目以後の実施例についても、sEMSAに従ってシステム開発を行うことにすれば、過去の実施例1及び2において既に開発済みのソフトウェアを3回目以後のEMS開発の際に使用することができ、3回目以降のシステム開発を効率化することができる。

0113

一方、本実施形態では、蓄電池をモデル化するに当たり、循環型又は非循環型などの種類に関係なく、共通して使用しなければならない静的パラメータである蓄電池容量、放電可能電力、充電可能電力、放電効率及び充電効率という5つのパラメータに簡略化している(図7及び図15参照)。
このため、実施例1及び2などの複数種類のEMSにおいて、演算層に類型化された1又は複数の制御プログラムを正確に実行することができる。従って、複数種類のEMSを開発する場合に、既に開発済みの他のEMSの制御プログラムを使用することが可能となり、EMSを効率的に開発することができる。

0114

ここで、蓄電池のモデル化において、上記の5つのパラメータを選択した理由は次の通りである。
1)蓄電池容量を考慮しなければ、充電残量が実際の蓄電池容量を超えるような制御指令が出てしまう可能性があるがあるからである。
2)放電可能電力を考慮しなければ、蓄電池の放電可能電力を越えた放電を行う制御指令が出てしまう可能性があるからである。

0115

3)充電可能電力を考慮しなければ、蓄電池の充電可能電力を越えた充電を行う制御指令が出てしまう可能性があるからである。
4)充電効率と放電効率を考慮しなければ、実際の充電、放電及び充電残量の関係性を反映した制御ができない可能性があるからである。

0116

なお、上記の4)の理由について数式を用いて更に説明すると、次の通りである。
すなわち、現時点の充電残量の算出に必要な変数を下記のように定義すると、充放電効率を考慮しない場合の時刻t+1における充電残量は、次の式(1)のようになる。
Bsoc(t):時刻tにおける充電残量
Bch(t)(t):時刻tにおける充電電力
Bdis(t):時刻tにおける放電電力
Lch:充電効率
Ldis:放電効率

0117

Bsoc(t+1)=Bsoc(t)+Bch(t)−Bdis(t) …… (1)
一方、充放電効率を考慮する場合の時刻t+1における充電残量は、次の式(2)のようになる。
Bsoc(t+1)=Bsoc(t)+Lch×Bch(t)−Ldis×Bdis(t) …… (2)
式(1)と式(2)を対比すれば明らかな通り、充放電効率を考慮する式(2)の方が蓄電池の状態をより現実的に反映しているので、それらを考慮する方が各種の制御の精度を向上させることができる。

0118

〔その他の変形例〕
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述の実施形態では、蓄電池の数理モデルを定義する静的パラメータが、「蓄電池容量」、「放電可能電力」、「充電可能電力」、「放電効率」及び「充電効率」の5種類であるが(図7及び図15参照)、更に「自然放電率」を加えた6種類のパラメータであってもよい。

0119

ここで、「自然放電率」とは、所定時間(例えば1日)経過後に自然放電により蓄電容量が減少する割合(%)のことをいう。
蓄電池の数理モデルを定義する静的パラメータとして、更に自然放電率を含めると、ほぼ実際値に近い正確な充電残量によって演算層に含まれる各種の制御プログラムの制御を行うことができ、蓄電池の静的パラメータが上記5つである場合に比べて、より正確な制御を行うことができる。

0120

また、上述の実施形態では、図1のsEMSAが5つの階層で構成されているが、少なくとも設備層から演算層までの3つの階層があれば足り、ビジネス層とサービス層を省略してもよい。
更に、上述の実施形態では、sEMSAに従ってHEMS(実施例1)とFEMS(実施例2)をシステム開発する場合を例示したが、sEMSAに従ってBEMS及びCEMSなどの他のEMSをシステム開発することにしてもよい。

0121

1EMSサーバ
2 EMSサーバ
10演算装置
11電力監視部
12発電予測部
14需給計画部
15計装制御部
18記憶装置
20 演算装置
21 電力監視部
22 発電予測部
23需要予測部
24 需給計画部
25 計装制御部
28 記憶装置
30端末装置
40 予測情報

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ