図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2017年3月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

グルタチオン等の−SH基を含有する化合物検出用新規蛍光プローブ、当該蛍光プローブを用いた検出方法、及び当該プローブを含む検出キットを提供する。

解決手段

以下の式(I)で表される化合物又はその塩を含む、−SH基を含有する化合物の検出用蛍光プローブ:

化1

〔式中、Xは、Si(Ra)(Rb)、Ge(Ra)(Rb)、Sn(Ra)(Rb)、C(Ra)(Rb)、又はOを表し(ここで、Ra及びRbは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表す);R1は、水素原子、シアノ基、又はそれぞれ置換されていてもよいアルキル基、カルボキシル基エステル基アルコキシ基アミド基、及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;R2は、水素原子、ハロゲン原子ヒドロキシル基、シアノ基、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール、又はヘテロアリールを表し;R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、又はヒドロキシル基、ハロゲン原子、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、スルホ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を表し;R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、ここで、R5又はR6は、それぞれR3と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよく、R7又はR8は、それぞれR4と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい。〕

概要

背景

グルタチオン(GSH)は細胞内において主要な抗酸化剤として機能しており、酸化ストレスの関わる種々の病態生理において重要な役目を担っている。また、癌細胞においてグルタチオン濃度は正常細胞より高く維持されているとされており、放射線抗がん剤に対する治療抵抗性の一因と考えらえている。

従って、かかるグルタチオンの細胞内濃度を測定することは種々の病態における酸化ストレスの関与等を明らかにするにあたり重要である。さらには癌細胞のグルタチオン濃度を推定することにより治療抵抗性の予測を可能とするなど実診療において非常に有用なツールとなりうる。

そのため、グルタチオンとの反応前後において蛍光強度発光強度が変化する試薬を用いてグルタチオン濃度を測定する方法が研究されている。しかしながら、既存のグルタチオン測定試薬および文献報告されている手法(非特許分文献1等)は、細胞内のグルタチオンと反応させるために細胞を破砕する必要があるため、生細胞においては測定が不可能である。また、生細胞に適用可能なグルタチオン感受性蛍光プローブの報告はあるがいずれも定量性には乏しく、またグルタチオンとの不可逆的な反応を利用しているため経時的な測定ができないといった問題点が存在する。

概要

グルタチオン等の−SH基を含有する化合物検出用新規な蛍光プローブ、当該蛍光プローブを用いた検出方法、及び当該プローブを含む検出キットを提供する。以下の式(I)で表される化合物又はその塩を含む、−SH基を含有する化合物の検出用蛍光プローブ:〔式中、Xは、Si(Ra)(Rb)、Ge(Ra)(Rb)、Sn(Ra)(Rb)、C(Ra)(Rb)、又はOを表し(ここで、Ra及びRbは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表す);R1は、水素原子、シアノ基、又はそれぞれ置換されていてもよいアルキル基、カルボキシル基エステル基アルコキシ基アミド基、及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;R2は、水素原子、ハロゲン原子ヒドロキシル基、シアノ基、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール、又はヘテロアリールを表し;R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、又はヒドロキシル基、ハロゲン原子、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、スルホ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を表し;R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、ここで、R5又はR6は、それぞれR3と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよく、R7又はR8は、それぞれR4と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい。〕

目的

そこで、本発明は、生細胞において可逆的に細胞内グルタチオン濃度を測定する手法を開発することを目的とし、グルタチオンとの可逆的な反応を利用した蛍光制御機構を開発し、生細胞において適用可能な新規蛍光プローブを開発することを課題とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

以下の式(I)で表される化合物又はその塩を含む、−SH基を含有する化合物の検出用蛍光プローブ:〔式中、Xは、Si(Ra)(Rb)、Ge(Ra)(Rb)、Sn(Ra)(Rb)、C(Ra)(Rb)、又はOを表し(ここで、Ra及びRbは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表す);R1は、水素原子、シアノ基、又はそれぞれ置換されていてもよいアルキル基、カルボキシル基エステル基アルコキシ基アミド基、及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;R2は、水素原子、ハロゲン原子ヒドロキシル基、シアノ基、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール、又はヘテロアリールを表し;R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、又はヒドロキシル基、ハロゲン原子、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、スルホ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を表し;R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、ここで、R5又はR6は、それぞれR3と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよく、R7又はR8は、それぞれR4と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい。〕

請求項2

前記−SH基を含有する化合物が、システイン残基を有する化合物である、請求項1に記載の蛍光プローブ。

請求項3

前記−SH基を含有する化合物が、グルタチオンである、請求項1に記載の蛍光プローブ。

請求項4

Xが、Si(Ra)(Rb)である、請求項1〜3のいずれか1に記載の蛍光プローブ。

請求項5

R2が、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、それぞれ置換されていてもよいC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、又はフェニル基であり;R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である、請求項1〜4のいずれか1に記載の蛍光プローブ。

請求項6

R1が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとなる蛍光団を有する、請求項1〜5のいずれか1に記載の蛍光プローブ。

請求項7

R5、R6、R7又はR8が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとなる蛍光団を有する、請求項1〜5のいずれか1に記載の蛍光プローブ。

請求項8

前記蛍光団が、キサンテン骨格を有する化合物である、請求項6又は7に記載の蛍光プローブ。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の蛍光プローブを用いる、−SH基を含有する化合物の検出方法

請求項10

前記−SH基を含有する化合物と前記蛍光プローブとの反応による蛍光応答又は吸光度変化観測することにより、−SH基を含有する化合物の存在を検出することを特徴とする、請求項9に記載の検出方法。

請求項11

前記蛍光応答が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)による蛍光変化である、請求項10に記載の検出方法。

請求項12

蛍光イメージング手段を用いて前記蛍光応答を可視化することを特徴とする、請求項10に記載の検出方法。

請求項13

前記−SH基を含有する化合物が、システイン残基を有する化合物である、請求項9〜12のいずれか1に記載の検出方法。

請求項14

前記−SH基を含有する化合物が、グルタチオンである、請求項9〜12のいずれか1に記載の検出方法。

請求項15

請求項1〜8のいずれか1項に記載の蛍光プローブを含む、−SH基を含有する化合物の検出用キット

請求項16

前記−SH基を含有する化合物が、システイン残基を有する化合物である、請求項15に記載のキット

請求項17

前記−SH基を含有する化合物が、グルタチオンである、請求項15に記載のキット。

技術分野

0001

本発明は、グルタチオン等の−SH基を含有する化合物検出用新規蛍光プローブに関する。より詳細には、可逆的に細胞内のグルタチオン濃度を検出するための蛍光プローブ、当該蛍光プローブを用いた検出方法、及び当該プローブを含む検出キットに関する。

背景技術

0002

グルタチオン(GSH)は細胞内において主要な抗酸化剤として機能しており、酸化ストレスの関わる種々の病態生理において重要な役目を担っている。また、癌細胞においてグルタチオン濃度は正常細胞より高く維持されているとされており、放射線抗がん剤に対する治療抵抗性の一因と考えらえている。

0003

従って、かかるグルタチオンの細胞内濃度を測定することは種々の病態における酸化ストレスの関与等を明らかにするにあたり重要である。さらには癌細胞のグルタチオン濃度を推定することにより治療抵抗性の予測を可能とするなど実診療において非常に有用なツールとなりうる。

0004

そのため、グルタチオンとの反応前後において蛍光強度発光強度が変化する試薬を用いてグルタチオン濃度を測定する方法が研究されている。しかしながら、既存のグルタチオン測定試薬および文献報告されている手法(非特許分文献1等)は、細胞内のグルタチオンと反応させるために細胞を破砕する必要があるため、生細胞においては測定が不可能である。また、生細胞に適用可能なグルタチオン感受性蛍光プローブの報告はあるがいずれも定量性には乏しく、またグルタチオンとの不可逆的な反応を利用しているため経時的な測定ができないといった問題点が存在する。

先行技術

0005

Anderson、Methodsin Enzymol.、1985、113,548

発明が解決しようとする課題

0006

そこで、本発明は、生細胞において可逆的に細胞内グルタチオン濃度を測定する手法を開発することを目的とし、グルタチオンとの可逆的な反応を利用した蛍光制御機構を開発し、生細胞において適用可能な新規蛍光プローブを開発することを課題とするものである。

0007

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、グルタチオン等の−SH基を含有する化合物が濃度依存的にローダミンおよびローダミン類骨格(以下、まとめて「ローダミン類似骨格」という。)のキサンテン環9位へ求核攻撃を起こし、ローダミン類似骨格を有する化合物の可視光領域の吸収及び蛍光を消失させるという事象に着目し、生理的グルタチオン濃度において可逆的かつ濃度依存的に蛍光強度が変化する蛍光団を見出し、本発明を完成するに至った。また、当該蛍光団をアクセプターとする蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)型蛍光プローブを開発し、生細胞におけるグルタチオン濃度変化の可逆的な検出を達成できることを見出した。本発明は、−SH基を含有する化合物であればグルタチオン以外の化合物の検出にも適用可能である。

0008

すなわち、本発明は、一態様において、
(1)以下の式(I)で表される化合物又はその塩を含む、−SH基を含有する化合物の検出用蛍光プローブを提供するものである。





〔式中、
Xは、Si(Ra)(Rb)、Ge(Ra)(Rb)、Sn(Ra)(Rb)、C(Ra)(Rb)、又はOを表し(ここで、Ra及びRbは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表す);
R1は、水素原子、シアノ基、又はそれぞれ置換されていてもよいアルキル基、カルボキシル基エステル基アルコキシ基アミド基、及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子ヒドロキシル基、シアノ基、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール、又はヘテロアリールを表し;
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又はヒドロキシル基、ハロゲン原子、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、スルホ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を表し;
R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、
ここで、R5又はR6は、それぞれR3と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよく、
R7又はR8は、それぞれR4と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい。〕

0009

本発明は、好ましい態様において、
(2)前記−SH基を含有する化合物が、システイン残基を有する化合物である、上記(1)に記載の蛍光プローブ;
(3)前記−SH基を含有する化合物が、グルタチオンである、上記(1)に記載の蛍光プローブ;
(4)Xが、Si(Ra)(Rb)である、上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の蛍光プローブ;
(5)R2が、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、それぞれ置換されていてもよいC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、又はフェニル基であり;R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である、
上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の蛍光プローブ;
(6)R1が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとなる蛍光団を有する、上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の蛍光プローブ;
(7)R5、R6、R7又はR8が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとなる蛍光団を有する、上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の蛍光プローブ;及び
(8)前記蛍光団が、キサンテン骨格を有する化合物である、上記(6)又は(7)に記載の蛍光プローブ
を提供するものである。

0010

また、別の側面において、本発明は、
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1に記載の蛍光プローブを用いる、−SH基を含有する化合物の検出方法;
(10)前記−SH基を含有する化合物と前記蛍光プローブとの反応による蛍光応答又は吸光度変化観測することにより、−SH基を含有する化合物の存在を検出することを特徴とする、上記(9)に記載の検出方法;
(11)前記蛍光応答が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)による蛍光変化である上記(10)に記載の検出方法;
(12)蛍光イメージング手段を用いて前記蛍光応答を可視化することを特徴とする、上記(10)に記載の検出方法;
(13)前記−SH基を含有する化合物が、システイン残基を有する化合物である、上記(9)〜(12)のいずれか1に記載の検出方法;及び
(14)前記−SH基を含有する化合物が、グルタチオンである、上記(9)〜(12)のいずれか1に記載の検出方法
を提供するものである。

0011

さらに、別の側面において、本発明は、
(15)上記(1)〜(8)のいずれか1に記載の蛍光プローブを含む、−SH基を含有する化合物の検出用キット
(16)前記−SH基を含有する化合物が、システイン残基を有する化合物である、上記(15)に記載のキット;及び
(17)前記−SH基を含有する化合物が、グルタチオンである、上記(15)に記載のキット
を提供するものである。

発明の効果

0012

本発明によれば、グルタチオンを可逆的かつ濃度依存的に蛍光応答により検出することができるため、生細胞において可逆的かつ経時的に正確なグルタチオン濃度測定を行なう可能となる。また、本発明の検出方法は、通常の細胞イメージングが行える顕微鏡施行可能であり、特別な機器を必要としない。また経時的な定量が可能であることより同一細胞において種々の刺激を与えたり、繰り返し付加した場合のグルタチオンの低下や酸化ストレス暴露からの回復の経過をとらえることができる。本発明は、−SH基を含有する化合物であればグルタチオン以外のシステイン残基を有する化合物やペプチドの検出にも適用できる。開発したプローブの基礎研究上、産業上の利用価値経済効果は極めて大きいものといえる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、本発明の蛍光プローブである「2Me SiR600」のグルタチオン添加に伴う吸収スペクトル変化を示した図である。
図2は、本発明の蛍光プローブである化合物1「2Me SiR600」のグルタチオン添加に伴う蛍光スペクトル変化を示した図である。
図3は、本発明の蛍光プローブ化合物1および化合物2にグルタチオンを添加し、その後、N−エチルマレイミド(NEM)を添加した際の吸収スペクトル強度変化の時間依存性を示したグラフである。
図4は、本発明の蛍光プローブである化合物1「2Me SiR600」を用いて癌培養細胞における蛍光イメージングを行った結果を示す画像である。
図5は、本発明の蛍光プローブである化合物8「2Me SiR600−TMR」のグルタチオン添加に伴う吸収スペクトル変化を示した図である。
図6は、本発明の蛍光プローブである化合物8「2Me SiR600−TMR」のグルタチオン添加に伴う蛍光スペクトル変化を示した図である。
図7は、図6の蛍光スペクトルにおいて、アクセプターのピーク波長(615nm)とドナーのピーク波長(584nm)の強度変化をそれぞれプロットしたグラフである。
図8は、本発明の蛍光プローブである化合物8「2Me SiR600−TMR」を用いて癌培養細胞における蛍光イメージングを行った結果を示す画像である。
図9は、本発明の蛍光プローブである化合物9「2Me SiR600−TMR(Me)」を用いて癌培養細胞における蛍光イメージングを行った結果を示す画像である。

0014

以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。

0015

1.定義
明細書中において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子塩素原子臭素原子、又はヨウ素原子を意味する。

0016

本明細書中において、「アルキル」は直鎖状分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなる脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば、炭素数1〜20個(C1〜20)、炭素数3〜15個(C3〜15)、炭素数5〜10個(C5〜10)である。炭素数を指定した場合は、その数の範囲の炭素数を有する「アルキル」を意味する。例えば、C1〜8アルキルには、メチルエチル、n−プロピルイソプロピルn−ブチルイソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシルイソヘキシル、n−ヘプチルn−オクチル等が含まれる。本明細書において、アルキル基は任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アルキル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキル部分を含む他の置換基(例えばアルコシ基アリールアルキル基など)のアルキル部分についても同様である。

0017

本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」と定義されている場合には、置換基の種類、置換位置、及び置換基の個数は特に限定されず、2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、スルホ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基オキソ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらの置換基にはさらに置換基が存在していてもよい。このような例として、例えば、ハロゲン化アルキル基ジアルキルアミノ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。

0018

本明細書中において、「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を有している直鎖又は分枝鎖の炭化水素基をいう。例えば、その非限定的な例として、ビニルアリル、1−プロペニルイソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタンジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1,3−ペンタンジエニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル及び1,4−ヘキサンジエニル)を含む。二重結合についてシス配座またはトランス配座のいずれであってもよい。

0019

本明細書中において、「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有している直鎖又は分枝鎖の炭化水素基をいう。例えば、その非限定的な例として、エチニルプロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチニルなどがあるを含む。

0020

本明細書中において、「シクロアルキル」は、上記のアルキルよりなる単環または多環式の非芳香環系をいう。当該シクロアルキルは、置換されていないか同一もしくは異なっても良い1以上の置換基によって置換されていることができ、単環式シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピルシクロペンチルシクロヘキシルおよびシクロヘプチルなどがあり、多環式のシクロアルキルの非限定的な例には、1−デカニル、2−デカリニル、ノルボルニルアダマンチルなどが挙げられる。また、当該シクロアルキルは、環構成原子としてヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子など)を1個以上含むヘテロシクロアルキルであってもよい。ヘテロシクロアルキル環中の任意の−NHは、例えば−N(Boc)基、−N(CBz)基および−N(Tos)基としてのように保護されていてもよく、環中の窒素原子または硫黄原子が対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシド酸化されたものであってもよい。例えば、単環式ヘテロシクロアルキルの非限定的な例には、ジアザパニル、ピペリジニルピロリジニルピペラジニルモルホリニルチオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニルテトラヒドロフラニルテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニルラクタムおよびラクトン等が挙げられる。

0021

本明細書中において、「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む、単環または多環式の非芳香環系をいう。当該シクロアルケニルは、置換されていないか同一もしくは異なっても良い1以上の置換基によって置換されていることができ、単環式のシクロアルケニルの非限定的な例には、シクロペンテニルシクロヘキセニルおよびシクロヘプタ−1,3−ジエニルなどがあり、多環式のシクロアルケニルの非限定的な例には、ノルボルニレニル等が挙げられる。また、当該シクロアルキルは、環構成原子としてヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子など)を1個以上含むヘテロシクロアルケニルであってもよいヘテロシクロアルケニル環中の窒素原子または硫黄原子を、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへ酸化してもよい。

0022

本明細書中において、「アリール」は単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、環構成原子としてヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子など)を1個以上含む芳香族複素環であってもよい。この場合、これを「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」と呼ぶ場合もある。アリールが単環および縮合環のいずれである場合も、すべての可能な位置で結合しうる。単環式のアリールの非限定的な例としては、フェニル基(Ph)、チエニル基(2−又は3−チエニル基)、ピリジル基フリル基チアゾリル基オキサゾリル基ピラゾリル基、2−ピラジニル基、ピリミジニル基ピロリル基イミダゾリル基ピリダジニル基、3−イソチアゾリル基、3−イソオキサゾリル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基等が挙げられる。縮合多環式のアリールの非限定的な例としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−インデニル基、2−インデニル基、2,3−ジヒドロインデン−1−イル基、2,3−ジヒドロインデン−2−イル基、2−アンスリル基、インダゾリル基キノリル基イソキノリル基、1,2−ジヒドロイソキノリル基、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基、フタラジニル基キノキサリニル基、ベンゾフラニル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−1−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル基、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−1−イル基、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−2−イル基、ベンゾチアゾリル基ベンズイミダゾリル基、フルオレニル基又はチオキサンテニル基等が挙げられる。本明細書において、アリール基はその環上に任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アリール基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリール部分を含む他の置換基(例えばアリールオキシ基やアリールアルキル基など)のアリール部分についても同様である。

0023

本明細書中において、「アリールアルキル」は、上記アリールで置換されたアルキルを表す。アリールアルキルは、任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アシル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリールアルキルの非限定的な例としては、ベンジル基、2−チエニルメチル基、3−チエニルメチル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−フリルメチル基、3−フリルメチル基、2−チアゾリルメチル基、4−チアゾリルメチル基、5−チアゾリルメチル基、2−オキサゾリルメチル基、4−オキサゾリルメチル基、5−オキサゾリルメチル基、1−ピラゾリルメチル基、3−ピラゾリルメチル基、4−ピラゾリルメチル基、2−ピラジニルメチル基、2−ピリミジニルメチル基、4−ピリミジニルメチル基、5−ピリミジニルメチル基、1−ピロリルメチル基、2−ピロリルメチル基、3−ピロリルメチル基、1−イミダゾリルメチル基、2−イミダゾリルメチル基、4−イミダゾリルメチル基、3−ピリダジニルメチル基、4−ピリダジニルメチル基、3−イソチアゾリルメチル基、3−イソオキサゾリルメチル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イルメチル基又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルメチル基等が挙げられる。

0024

同様に、本明細書中において、「アリールアルケニル」は、上記アリールで置換されたアルケニルを表す。

0025

本明細書中において、「アルコキシ基」とは、前記アルキル基が酸素原子に結合した構造であり、例えば直鎖状、分枝状、環状又はそれらの組み合わせである飽和アルコキシ基が挙げられる。例えば、メトキシ基エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロブトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロプロピルエチルオキシ基シクロブチルメチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプロピルプロピルオキシ基、シクロブチルエチルオキシ基又はシクロペンチルメチルオキシ基等が好適な例として挙げられる。

0026

本明細書中において、「アリールオキシ基」とは、前記アリール基が酸素原子を介して結合する基である。アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−チエニルオキシ基、3−チエニルオキシ基、2−ピリジルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基、2−フリルオキシ基、3−フリルオキシ基、2−チアゾリルオキシ基、4−チアゾリルオキシ基、5−チアゾリルオキシ基、2−オキサゾリルオキシ基、4−オキサゾリルオキシ基、5−オキサゾリルオキシ基、1−ピラゾリルオキシ基、3−ピラゾリルオキシ基、4−ピラゾリルオキシ基、2−ピラジニルオキシ基、2−ピリミジニルオキシ基、4−ピリミジニルオキシ基、5−ピリミジニルオキシ基、1−ピロリルオキシ基、2−ピロリルオキシ基、3−ピロリルオキシ基、1−イミダゾリルオキシ基、2−イミダゾリルオキシ基、4−イミダゾリルオキシ基、3−ピリダジニルオキシ基、4−ピリダジニルオキシ基、3−イソチアゾリルオキシ基、3−イソオキサゾリルオキシ基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イルオキシ基、又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルオキシ基等が例示される。

0027

本明細書中において、「アルキレン」とは、直鎖状または分枝状の飽和炭化水素からなる二価の基であり、例えば、メチレン、1−メチルメチレン、1,1−ジメチルメチレン、エチレン、1−メチルエチレン、1−エチルエチレン、1,1−ジメチルエレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジエチルエチレン、1,2−ジエチルエチレン、1−エチル−2−メチルエチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、1,2−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、1,1−ジエチルトリメチレン、1,2−ジエチルトリメチレン、2,2−ジエチルトリメチレン、2−エチル−2−メチルトリメチレン、テトラメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、1,1−ジメチルテトラメチレン、1,2−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジ−n−プロピルトリメチレン等が挙げられる。

0028

本明細書中において、「アルケニレン」とは、直鎖状または分枝状の少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有している不飽和炭化水素からなる二価の基であり、例えば、エテニレン、1−メチルエテニレン、1−エチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレン、1,2−ジエチルエテニレン、1−エチル−2−メチルエテニレン、プロペニレン、1−メチル−2−プロペニレン、2−メチル−2−プロペニレン、1,1−ジメチル−2−プロペニレン、1,2−ジメチル−2−プロペニレン、1−エチル−2−プロペニレン、2−エチル−2−プロペニレン、1,1−ジエチル−2−プロペニレン、1,2−ジエチル−2−プロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、1,1−ジメチル−2−ブテニレン、1,2−ジメチル−2−ブテニレン等が挙げられる。

0029

本明細書中において、「アリーレン」及び「アリールアルキレン」は、それぞれ上記「アリール」及び「アリールアルキル」に基づく二価の基を意味する。同様に、「オキシアルキレン」及び「アリーレンオキシ」は、それぞれ上記「アルコキシ」及び「アリールオキシ」に基づく二価の基を意味する。

0030

本明細書中において、「アルキルアミノ」及び「アリールアミノ」は、−NH2基の水素原子が上記アルキル又はアリールの1又は2で置換されたアミノ基を意味する。例えば、メチルアミノジメチルアミノエチルアミノジエチルアミノエチルメチルアミノベンジルアミノ等が挙げられる。同様に、「アルキルチオ」及び「アリールチオ」は、−SH基の水素原子が上記アルキル又はアリールで置換された基を意味する。例えば、メチルチオエチルチオベンジルチオ等が挙げられる。

0031

本明細書中において用いられる「アミド」とは、RNR’CO−(R=アルキルの場合、アルカミノカルボニル−)およびRCONR’−(R=アルキルの場合、アルキルカルボニルアミノ−)の両方を含む。

0032

本明細書中において用いられる「エステル」とは、ROCO−(R=アルキルの場合、アルコキシカルボニル−)およびRCOO−(R=アルキルの場合、アルキルカルボニルオキシ−)の両方を含む。

0033

本明細書中において、「環構造」という用語は、二つの置換基の組み合わせによって形成される場合、複素環または炭素環基を意味し、そのような基は飽和、不飽和、または芳香族であることができる。従って、上記において定義した、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、及びヘテロアリールを含むものである。例えば、シクロアルキル、フェニル、ナフチル、モルホリニル、ピペルジニル、イミダゾリル、ピロリジニル、およびピリジルなどが挙げられる。本明細書中において、置換基は、別の置換基と環構造を形成することができ、そのような置換基同士が結合する場合、当業者であれば、特定の置換、例えば水素への結合が形成されることを理解できる。従って、特定の置換基が共に環構造を形成すると記載されている場合、当業者であれば、当該環構造は通常の化学反応によって形成することができ、また容易に生成することを理解できる。かかる環構造およびそれらの形成過程はいずれも、当業者の認識範囲内である。

0034

2.本発明の−SH基含有化合物の検出用蛍光プローブ
本発明の蛍光プローブは、一態様において、以下の式(I)で表される構造を有する化合物を含むものである。

0035

上記式(I)において、Xは、Si(Ra)(Rb)、Ge(Ra)(Rb)、Sn(Ra)(Rb)、又はC(Ra)(Rb)を表す。ここで、Ra及びRbは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表す。Ra及びRbが、アルキル基である場合、それらは1以上の置換基を有することができ、そのような置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基などを1個又は2個以上有していてもよい。Ra及びRbは、いずれもメチル基であることが好ましい。また、場合によっては、Ra及びRbは互いに結合して環構造を形成していてもよい。例えば、Ra及びRbがともにアルキル基である場合に、Ra及びRbが互いに結合してスピロ炭素環を形成することができる。形成される環は、例えば5ないし8員環程度であることが好ましい。Xは、好ましくは、Si(Ra)(Rb)であり、より好ましくはSi(CH3)2である。

0036

R1は、水素原子、シアノ基、又はそれぞれ置換されていてもよいアルキル基(例えば、「置換されていてもよいアルキル基」には、フルオロアルキル等のハロアルキルが含まれ得る)、カルボキシル基、エステル基、アルコキシ基、アミド基、及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表す。R1が水素原子以外である場合、そのベンゼン環における位置は特に限定されないが、R2を有する置換基に対してメタ位であることが好ましい。また、ベンゼン環上に2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。細胞内におけるプローブ分子局在化を抑制する観点からは、R1は、例えば、イミノ二酢酸エステルであることが好ましい。

0037

また、後述のように、R1が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとなる蛍光団を有することもできる。この場合、典型的には、R1はアミド基であることが好適である。かかる蛍光団としては、式(I)におけるローダミン類似骨格部位をアクセプターとして、それに対するドナーとなり得る蛍光団であれば、FRETに関する技術分野において公知の蛍光団を用いることができ、その非限定的な例として、ピレンペリレンクマリンフルオレセイン、ローダミン、シアニンボロンジピロメテンBODIPY)、オキサジンなどを挙げることができる。好ましくは、そのような蛍光団はキサンテン骨格を有する化合物である。

0038

R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール、又はヘテロアリールを表す。好ましくは、ヒドロキシル基、シアノ基、それぞれ置換されていてもよいC1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、又はフェニル基である。より好ましくは、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、メトキシ基である。

0039

R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、又はヒドロキシル基、ハロゲン原子、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、スルホ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基及びアジド基よりなる群から独立に選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を表す。好ましくは、R3及びR4は、いずれも水素原子である。また、上記R1と同様に、R3又はR4が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとなる蛍光団を有することもできる。

0040

R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。上記R1と同様に、R5、R6、R7又はR8が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとなる蛍光団を有することもできる。ここで、R5又はR6のいずれかがアルキル基の場合に、R3と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい。その場合、R5とR3、又はR6とR3の組み合わせのいずれか一方のみが環構造を形成してもよいし、いずれもが環構造を形成してもよい。当該環構造には、上記窒素原子以外の更なるヘテロ原子を含むこともできる。

0041

同様に、R7又はR8のいずれかがアルキル基の場合に、R4と一緒になって、それらが結合する窒素原子を含む環構造を形成してもよい。その場合、R7とR4、又はR8とR4の組み合わせのいずれか一方のみが環構造を形成してもよいし、いずれもが環構造を形成してもよい。当該環構造には、上記窒素原子以外の更なるヘテロ原子を含むこともできる。

0042

本発明のーSH基含有化合物の蛍光イメージング用プローブとして特に適切な式(I)の化合物の具体例としては、








が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。

0043

上記式(I)で表される化合物は、R7及びR8が連結するN原子において1価の正電荷を有するため、通常は塩として存在する。そのような塩としては、塩基付加塩酸付加塩アミノ酸塩などを挙げることができる。塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム塩カリウム塩カルシウム塩マグネシウム塩などの金属塩アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩ピペリジン塩モルホリン塩などの有機アミン塩を挙げることができ、酸付加塩としては、例えば、塩酸塩硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩トリフルオロ酢酸塩などのカルボン酸塩メタンスルホン酸塩パラトルエンスルホン酸塩、クエン酸塩シュウ酸塩などの有機酸塩を挙げることができる。アミノ酸塩としてはグリシン塩などを例示することができる。もっとも、これらの塩に限定されることはない。

0044

式(I)で表される化合物は、置換基の種類に応じて1個または2個以上の不斉炭素を有する場合があり、光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体が存在する場合がある。純粋な形態の立体異性体、立体異性体の任意の混合物ラセミ体などはいずれも本発明の範囲に包含される。

0045

式(I)で表される化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。溶媒和物を形成する溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、エタノールアセトンイソプロパノールなどの溶媒を例示することができる。

0046

上記の蛍光プローブは、必要に応じて試薬の調製に通常用いられる添加剤を配合して組成物として用いてもよい。例えば、生理的環境で用いるための添加剤として、溶解補助剤pH調節剤緩衝剤等張化剤などの添加剤を用いることができ、これらの配合量は当業者に適宜選択可能である。これらの組成物は、粉末形態の混合物、凍結乾燥物顆粒剤錠剤液剤など適宜の形態の組成物として提供され得る。

0047

本明細書の実施例には、式(I)で表される本発明の化合物に包含される代表的化合物についての製造方法が具体的に示されているので、当業者は本明細書の開示を参照することにより、及び必要に応じて出発原料や試薬、反応条件などを適宜選択することにより、式(I)に包含される任意の化合物を容易に製造することができる。

0048

3.本発明の蛍光プローブを用いた−SH基含有化合物の検出方法
本発明の蛍光プローブは、式(I)で示されるキサンテン様の縮合環の9位が、以下に示すように、グルタチオン等におけるチオール(SH)基によって求核攻撃されると可視光領域の吸収及び蛍光とも消失するという機構を用いるものである(ここで、グルタチオン等の-SH基を含有する化合物を「R−SH」と示している。)。当該反応は可逆性を有する。これにより、グルタチオン等の−SH基を有する化合物を可逆的、経時的、かつ定量的に検出をすることができるのである。なお、当該「-SH基を含有する化合物」の例としては、ここで挙げたグルタチオンに限らず、広くシステイン残基を有する化合物やペプチドを含むことができ、以下の反応が進行する限り、これらの化合物等についても本発明の蛍光プローブが適用可能である。

0049

また、式(I)の分子内に蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとなり得る更なる蛍光団を設けることによって、式(I)のローダミン類似骨格がアクセプターとなる蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によって、−SH基含有化合物との反応を発光波長変化として検出することも可能となる。すなわち、−SH基含有化合物が存在しない環境では、ローダミン類似骨格に固有蛍光波長における発光が見られるが、式(I)の化合物と−SH基含有化合物との反応によって、当該ローダミン類似骨格由来の蛍光が消光するとともに、上記ドナー蛍光団に固有の蛍光波長における発光が増大することによって、−SH基含有化合物の検出を蛍光発光として検出することができるのである。そのため、ドナー蛍光団の蛍光スペクトルは、ローダミン類似骨格の吸収スペクトルと重なり、また、ドナー蛍光団の蛍光波長は、ローダミン類似骨格の蛍光波長とは異なる波長領域であることが好ましい。上記のように、かかるドナー蛍光団は、式(I)におけるR1、R3〜R8のいずれかに存在することができ、好ましくは、R1、R5、R6、R7又はR8に存在することができる。

0050

以上の発光機構に従い、本発明の−SH基含有化合物の検出方法では、SH基を含有する化合物と前記蛍光プローブとの反応による蛍光応答又は吸光度変化を観測することにより、−SH基を含有する化合物の存在を検出することを特徴とする。本明細書において「検出」という用語は、定量、定性など種々の目的の測定を含めて最も広義解釈されるべきである。上述のように、前記蛍光応答が、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)による蛍光変化であることが好ましい。

0051

蛍光応答を観測する手段は、広い測定波長を有する蛍光光度計を用いることができるが、前記蛍光応答を2次元画像として表示可能な蛍光イメージング手段を用いて可視化することもできる。蛍光イメージングの手段を用いることによって、蛍光応答を二次元で可視化できるため、グルタチオン等の瞬時に視認することが可能となる。蛍光イメージング装置としては、当該技術分野において公知の装置を用いることができる。

0052

測定対象である−SH基含有化合物試料と蛍光プローブを接触させる手段としては、代表的には、蛍光プローブを含む溶液試料添加、塗布、或いは噴霧することが挙げられるが、上記試料の形態や測定環境等に応じて適宜選択することが可能である。

0053

本発明の蛍光プローブの適用濃度は特に限定されないが、例えば0.1〜1,0μM程度の濃度の溶液を適用することができる。

0054

本発明の蛍光プローブとしては、上記式(I)で表される化合物又はその塩をそのまま用いてもよいが、必要に応じて、試薬の調製に通常用いられる添加剤を配合して組成物として用いてもよい。例えば、生理的環境で試薬を用いるための添加剤として、溶解補助剤、pH調節剤、緩衝剤、等張化剤などの添加剤を用いることができ、これらの配合量は当業者に適宜選択可能である。これらの組成物は、一般的には、粉末形態の混合物、凍結乾燥物、顆粒剤、錠剤、液剤など適宜の形態の組成物として提供されるが、使用時に注射用蒸留水や適宜の緩衝液に溶解して適用すればよい。

0055

4.本発明の蛍光プローブを用いた−SH基含有化合物の検出用キット
本発明の検出方法においては、上記蛍光プローブを含む−SH基含有化合物の検出用キットを用いることが好ましい。当該キットにおいて、通常、本発明の蛍光プローブは溶液として調製されているが、例えば、粉末形態の混合物、凍結乾燥物、顆粒剤、錠剤、液剤など適宜の形態の組成物として提供され、使用時に注射用蒸留水や適宜の緩衝液に溶解して適用することもできる。

0056

また、当該キットには、必要に応じてそれ以外の試薬等を適宜含んでいてもよい。例えば、添加剤として、溶解補助剤、pH調節剤、緩衝剤、等張化剤などの添加剤を用いることができ、これらの配合量は当業者に適宜選択可能である。

0057

以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。

0058

[試薬、装置等]
以下に示す反応に用いる有機溶媒は、すべて脱水グレードのものを用いた。市販の原料試薬メーカー(和光純薬株式会社、東京化成工業株式会社、関東化学株式会社、Sigma-Aldrich Co. Ltd., Acros Co. Ltd.)より購入した。

0059

高速液体クロマトグラフィーによる精製は、以下の装置およびカラムを用いた。
ポンプ:PU-2080およびPU-2087(日本分光株式会社)
検出器:MD-2010(日本分光株式会社)
・カラム:InertsilODS-3(10 x 250 mm or 20 x 250 mm, GL Science Inc.)

0060

HPLCによる分離精製に際しては、特に断りがない限り以下の溶媒AおよびBを用い、これらを任意の組成で混合して精製を行った。
A:精製水(1%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸を含む)
B: アセトニトリル(1%精製水を含む)
C: 精製水(0.2M酢酸-トリエチルアミンを含む)
HPLC分離における送液は、それぞれ25 ml/min (ポンプ:PU-2087,カラム:20 x 250 mm)、5 ml/min (ポンプ:PU-2080, カラム:10 x 250 mm)、1 ml/min (ポンプ:PU-2080, カラム:4.6 x 200 mm)にて行った。中圧カラムクロマトグラフィーによる精製は、YFLC-Al580(山善株式会社)を用いて行った。

0061

NMR測定は、AVANCE III 400 Nanobay (Bruker, Co. Ltd.) を用いて行った(400MHz for 1H NMR, 101 MHz for 13C NMR)。質量分析測定は、MicrOTOF (ESI-TOF, Bruker, Co. Ltd.)を用いて行った。High-resolution MS (HRMS)測定に際しては、外部標準物質としてギ酸ナトリウムを用いた。

0062

1.蛍光プローブの合成
化合物1(2Me SiR600)の合成
以下のスキーム1に従って、本発明の蛍光プローブである化合物1(2Me SiR600)を合成した。なお、化合物A2の合成については、Kushida K et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 22 (2012) 3908-3911に開示されており、これに基づいて合成を行なった。





スキーム1

0063

2-ブロモトルエン(化合物A1 34.2 mg, 0.2 mmol, 6 eq) をTHF(5ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、-78℃で10分間撹拌した。1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液( 0.2 ml,0.2 mmol,6 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物A2(14.5 mg, 0.034 mmol, 1 eq.)をTHF(3 ml)に溶かして加え、-78℃で1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相飽和食塩水洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 45min)、化合物A3(13.3mg 73.0 %)を青色個体として得た。ついで化合物A3(7.7 mg, 0.014 mmol)をメタノール(5 ml)に溶かし氷浴し、次いで水素化ホウ素ナトリウムを徐々に加え、濃青色の溶液が無色になったところで水を加えて反応を終了させた。そこにジクロロメタンを加えて抽出し、有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、真空乾燥した。得られた残渣をアルゴン雰囲気下にて脱酸素ジクロロメタン(5 ml)に溶かし、これを1,3-ジメチルバルビツール酸(54.3 mg, 0.35 mmol, 24 eq.)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(3.2 mg, 0.0028 mmol, 0.2 eq.)を含むに試験管に加え、アルゴン雰囲気下、35℃にて60 分間撹拌した。さらにクロラニル(5.0 mg, 0.02 mmol, 1.5 eq.)を加えて室温にて60 分間撹拌した。溶媒を減圧留去したのち、HPLCにて精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 45min)、目的化合物1 (1.2 mg, 18.4 %)を青紫固体として得た。

0064

化合物2(Ph SiR650)の合成
以下のスキーム2に従って、本発明の蛍光プローブである化合物2(Ph SiR650)を合成した。なお、化合物 B1の合成については、Y. Koide et al., J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 5029-5031.に開示されており、これに基づいて合成を行なった。





スキーム2

0065

化合物B1(12.5 mg, 0.039 mmol, 1.0 eq.)をTHF(2 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、-78 oCで撹拌した。1.9 Mフェニルリチウムジブチルエーテル溶液(100 μl, 0.193 mmol, 5.0 eq.)をゆっくり加え、-78 oCで10分、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物2 (15.8 mg, 82%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.58 - 7.56 (m, 3H), 7.36 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 7.29 - 7.26 (m, 2H), 7.15 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 6.77 (dd, J = 9.6 Hz, 2.8 Hz, 2H), 3.34 (s, 12H), 0.60 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 171.1 (C), 155.7 (C), 149.6 (C), 143.3 (CH), 140.6 (C), 130.4 (CH), 129.8 (CH), 129.3 (CH), 129.0 (C), 122.1 (CH), 114.8 (CH), 40.8 (CH3), -1.1 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C25H29N2Si: 385.20945; found: 385.20719 (2.3 mDa, 5.9 ppm).

0066

化合物3(2OMe SiR650)の合成
以下のスキーム3に従って、本発明の蛍光プローブである化合物3(2OMe SiR650)を合成した。





スキーム3

0067

2-ブロモアニソール(化合物C1, 50 mg, 0.293 mmol, 8.4 eq.)をTHF(2 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、-78 oCで10分間撹拌した。1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(250 μl, 0.250 mmol, 7.1 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物B1(10 mg, 0.035 mmol, 1 eq.)をTHF(2 ml)に溶かして加え、-78 oCで1時間、室温で6時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物3 (15.3 mg, 94%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.56 (dt, J = 7.4 Hz, 1.8 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 7.22-7.16 (m, 3H) 7.15 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 7.4 Hz, 1.8 Hz, 1H), 6.75 (dd, J = 9.6 Hz, 2.8 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.34 (s, 12H), 0.61 (s, 3H), 0.58 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD) δ 169.5, 158.1, 155.7, 149.4, 142.7, 131.8, 131.4, 129.2, 129.1, 121.8, 121.4, 114.9, 112.3, 56.2, 40.8, -1.0, -1.4 ppm.

0068

化合物4(2OH SiR650)の合成
以下のスキーム4に従って、本発明の蛍光プローブである化合物4(2OH SiR650)を合成した。





スキーム4

0069

化合物3(8.8 mg, 16.7 μmol, 1 eq.)をジクロロメタン(500 μl)に溶かし、アルゴン雰囲気下、-78 oCで撹拌した。三臭化ホウ素(8 μl, 84.6 μmol, 5.1 eq.)をゆっくり加え、-78 oCで撹拌し、徐々に室温に戻して終夜撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物4 (8.2 mg, 95%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.42-7.38 (m, 1H), 7.32 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 9.6Hz, 2H), 7.03 - 7.01 (m, 2H), 6.98 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 9.6 Hz, 2.8 Hz, 2H), 3.34 (s, 12H), 0.62 (s, 3H), 0.58 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD) δ 170.2, 155.8, 155.7, 149.6, 143.0, 131.6, 131.5, 129.3, 127.5, 121.8, 120.3, 116.6, 114.9, 40.8, -0.9, -1.4 ppm.

0070

化合物5(2CN SiR650)の合成
以下のスキーム5に従って、本発明の蛍光プローブである化合物5(2CN SiR650)を合成した。





スキーム5

0071

[化合物D2の合成]
2-シアノフェニルボロン酸(化合物 D1, 162 mg, 1.10 mmol)を110℃にて6時間減圧乾燥させ、化合物D2(140 mg, 0.367 mmol, 100%)を白色固体として得た。化合物D2は分離精製せず、そのまま次の反応に用いた。

0072

[化合物5(2CN SiR650)の合成]
化合物B1 (55.6 mg, 0.171 mmol, 1 eq.)を脱酸素アセトニトリル(10 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、室温にて撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(40 μl,
0.238 mmol, 1.4 eq.)をゆっくり加え、室温にてさらに15分撹拌した後、化合物D2(82.3 mg, 0.210 mmol, 1.2 eq.)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(23.7 mg, 0.034 mmol, 0.2 eq.)および炭酸ナトリウム(53.2 mg, 0.503 mmol, 3.0eq.)を加え、60℃にて終夜撹拌した。室温に戻し、セライト濾過にて不溶物を除去し、濾液を減圧瑠去し、得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物5 (12.4 mg, 13%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ7.97 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.90 (dt, J = 1.2 Hz, 7.7 Hz, 1H), 7.77 (dt, J = 1.2 Hz, 7.8 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 2.8 Hz,2H), 6.95 (d, J = 9.7 Hz, 2H), 6.81 (dd, J = 9.7 Hz, 2.8 Hz, 2H), 3.37 (s, 12H), 0.64 (s, 3H), 0.60 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 164.8 (C), 155.8 (C), 149.6 (C), 14.4 (C), 141.8 (CH), 134.10 (CH), 134.06 (CH), 131.7 (CH), 130.7 (CH), 128.5 (C), 122.7 (CH), 117.8 (C), 115.5 (CH), 114.4 (C), 41.0 (CH3), -0.8 (CH3), -1.8 (CH3).

0073

化合物6(2OMe OxaSiR diMe)の合成
以下のスキーム6に従って、本発明の蛍光プローブである化合物6(2OMe OxaSiR diMe)を合成した。





スキーム6

0074

[化合物E2の合成]
アルゴン雰囲気下、4-ブロモ2-ニトロフェノール(化合物E1, 15.0 g, 68.8 mmol, 1 eq.)、ブロモ酢酸メチル(6.7 ml, 72.2 mmol, 1.05 eq.)および炭酸カリウム(11.4 g, 82.6 mmol, 1.2 eq.)をDMF(70 ml)に溶かし、70oCにて終夜撹拌した。室温に戻し、溶媒を減圧留去したのちに酢酸エチルを加え、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液ノルマルヘキサン/酢酸エチル = 95/5 to 90/10)、目的化合物E2(19.6 g, 98%)を薄黄色固体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.01 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.52 (dd, J = 2.5 Hz, 8.9 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 4.79 (s, 2H), 3.81 (s, 3H).; 13C NMR (CDCl3): δ 168.0(C), 150.5 (C), 140.8 (C), 136.9 (CH), 128.6 (CH), 117.0 (CH), 113.6 (C), 66.6 (CH2), 52.7 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ calcd for C9H8BrNNaO5: 311.94781; found: 311.94834 (-0.5 mDa, -1.7 ppm).

0075

[化合物E3の合成]
化合物E2(13.1 g, 68.8 mmol, 1 eq.)を酢酸(50 ml)に溶かして氷浴し、そこに鉄粉(15.0 g, 271 mmol, 6 eq.)を5回に分けて20分かけて加えた。さらに20分室温にて撹拌し、次いで酢酸(50 ml)を新たに加え、加熱還流にて3時間撹拌した。反応終了後、反応系を室温に戻して鉄粉を減圧濾過にて除去し、濾液を減圧留去した。得られた残渣に少量のメタノールを加え、得られた固体を減圧濾過し、濾物を水およびメタノールにて洗浄し、目的化合物E3 (9.02 g, 88%)を薄茶色針状結晶として得た。
1H NMR(DMSO-d6): δ 10.8 (s, 1H), 7.07 (dd, J = 2.4 Hz, 8.5 Hz, 1H), 7.02 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.59 (s, 2H).; 13C NMR (DMSO-d6): δ 164.7 (C), 142.6 (C), 129.1 (C), 125.3 (CH), 118.1 (CH), 118.0 (CH), 113.3 (C), 66.6 (CH2).

0076

[化合物E4の合成]
アルゴン雰囲気下、化合物E3(1.0 g, 4.4 mmol, 1 eq.)をTHF(20 ml)に溶かして氷浴し、そこに1Mボラン-THF錯体THF溶液(7.0 ml, 7.0 mmol, 1.6 eq.)を加え、加熱還流にて終夜撹拌した。反応系を室温に戻し、メタノールを少しずつ加え、溶媒を減圧留去したのち酢酸エチルで希釈し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 98/2)、目的化合物E4 (817 mg, 87%)を無色液体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 6.71 (dd, J = 2.3 Hz, 8.4 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.20 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 3.80 (br s, 1H), 3.38 (t, J = 4.4 Hz, 2H).; 13C NMR (CDCl3): δ 143.1 (C), 135.2 (C), 121.2 (CH), 118.1 (CH), 117.7 (CH), 113.2 (C), 65.1 (CH2), 40.6 (CH2).; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C8H9BrNO: 213.98620; found: 213.98626 (-0.1 mDa, -0.3 ppm).

0077

[化合物E5の合成]
アルゴン雰囲気下、化合物E4(1.90 g, 8.88 mmol, 1 eq.)をアセトニトリル(20 ml)に溶かし、そこに炭酸カリウム(1.98 g, 14.3 mmol, 1.6 eq.)およびヨウ化メチル(3.0 ml, 47.5 mmol, 5 eq.)を加え、50oCにて終夜撹拌した。反応系を室温に戻し、溶媒を減圧留去したのちに酢酸エチルで希釈し、不溶物を減圧濾過にて留去し、濾液を減圧除去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ノルマルヘキサン/酢酸エチル = 98/2 to 90/10)、目的化合物E5 (1.77 g, 87%)を薄黄色固体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 6.73-6.70 (m, 2H), 6.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.25 (t, J = 4.4Hz, 2H), 3.26 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 2.86 (s, 3H).; 13C NMR (CDCl3): δ 143.3 (C), 137.9 (C), 120.5 (CH), 117.2 (CH), 114.9 (CH), 113.8 (C), 64.8 (CH2), 48.8 (CH2), 38.7 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C9H11BrNO: 228.00185; found: 228.00168 (0.2 mDa, 0.8 ppm).

0078

[化合物E6の合成]
化合物E5(360 mg, 1.58 mmol, 2 eq.)を酢酸(1 ml)に溶かし、そこに37%ホルムアルデヒド水溶液(320 μl, 3.96 mmol, 5 eq.)を加え、90oCにて40分加熱撹拌した。反応系を室温に戻し、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に少しずつ加えて中和し、次いで酢酸エチルを加えて2回抽出した。得られた有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ノルマルヘキサン/酢酸エチル = 85/15 to 70/30)、目的化合物E6 (280 mg, 76%)を白色固体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 6.81 (s, 2H), 6.43 (s, 2H), 4.23 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 3.88 (s, 2H), 3.21 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 2.84 (s, 6H).; 13C NMR (CDCl3): δ 143.7 (C), 136.2 (C), 128.7 (C), 117.7 (CH), 115.9 (CH), 115.7 (C), 65.0 (CH2), 48.9 (CH2), 40.3 (CH2), 38.8 (CH3).

0079

[化合物E7の合成]
アルゴン雰囲気下、化合物E6(253 mg, 540 mmol, 1 eq.)をTHF(20 ml)に溶かし、-78oCにて10分間撹拌した。そこに1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(1.2 ml, 1.32 mmol, 2.4 eq.)をゆっくり加え、30分間撹拌した。次いでジクロロジメチルシラン(80 μl, 0.651 mmol, 1.2 eq.)をTHF(5 ml)に希釈して加えて徐々に室温に戻し、2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、THFを減圧留去した。得られた水層を酢酸エチルで抽出し、次いで有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ノルマルヘキサン/酢酸エチル = 95/5 to 80/20)、目的化合物E7 (123 mg, 62%)を薄黄色固体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 6.85 (s, 2H), 6.72 (s, 2H), 4.29 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 3.86 (s, 2H), 3.21 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 2.89 (s, 6H), 0.41 (s, 6H).; 13C NMR (CDCl3): δ 145.3 (C), 137.3 (C), 134.7 (C), 127.3 (C), 117.3 (CH), 115.8 (CH), 65.2 (CH2), 49.7 (CH2), 39.39 (CH2), 39.2 (CH3), -2.0 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C21H27N2O2Si: 367.18363; found: 367.18354 (0.1 mDa, 0.3 ppm).

0080

[化合物E8の合成]
化合物E7(75.0 mg, 0.205 mmol, 1 eq.)をアセトン(2 ml)に溶かし、-15oCにて10分間撹拌した。そこに過マンガン酸カリウム(70.0 mg, 0.443 mmol, 2.0 eq.)を2回に分けて10分おきに加え、反応の終了をTLCにて確認した。反応系をセライト濾過し、ジクロロメタンにて洗浄し、濾液を減圧留去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル= 95/5)、目的化合物E8 (49.5mg, 64%)を黄色固体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 7.88 (s, 2H), 6.72 (s, 2H), 4.27 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 3.39 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 3.03 (s, 6H), 0.42 (s, 6H).; 13C NMR (CDCl3): δ 184.8 (C), 145.2 (C), 139.5 (C), 133.0 (C), 131.9 (C), 117.0 (CH), 114.4 (CH), 64.3 (CH2), 49.0 (CH2), 38.4 (CH3), -0.7 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C21H25N2O3Si: 380.16290; found: 381.16209 (0.8 mDa, 2.1 ppm).

0081

[化合物6の合成]
2-ブロモアニソール(化合物E9, 40 μl, 0.318 mmol, 11 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、-78 oCで10分間撹拌した。1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(250 μl, 0.250 mmol, 8.6 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物E8(11.0 mg, 0.029 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、徐々に室温に戻しながら2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物6(13.4 mg, 79%)を青緑色固体として得た。
1H NMR(CD3CN): δ 7.55 (ddd, J = 8.4 Hz, 7.4 Hz, 1.8 Hz, 1H), 7.22 (s, 2H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.13 (dt, J = 7.4 Hz, 0.9 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 7.4 Hz, 1.8 Hz, 1H), 6.44 (s, 2H), 4.13 (m, 4H), 3.67 (s, 3H), 3.64 (t, J = 4.6 Hz, 4H),3.30 (s, 6H), 0.55 (s, 3H), 0.53 (s, 3H).; 13C NMR (CD3CN): δ 167.9 (C), 157.3(C), 145.5 (C), 144.64 (C), 144.56 (C), 131.6 (CH), 130.9 (CH), 130.4 (C), 128.9 (C), 123.6 (CH), 121.3 (CH), 121.0 (CH), 112.4 (CH), 64.0 (CH2), 56.4 (CH3), 50.4 (CH2), 39.6 (CH3), -1.0 (CH3), -1.2 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C28H31N2O3Si: 471.20985; found: 471.20890 (0.9 mDa, 2.0 ppm).

0082

化合物7(2OH OxaSiR diMe)の合成
以下のスキーム7に従って、本発明の蛍光プローブである化合物7(2OH OxaSiR diMe)を合成した。





スキーム7

0083

化合物6(4.0 mg, 6.85 μmol, 1 eq.)をジクロロメタン(2 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、-78 oCで撹拌した。三臭化ホウ素(2滴)をゆっくり加え、-78 oCで撹拌し、徐々に室温に戻して終夜撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、化合物7 (3.2 mg, 82%)を青緑色固体として得た。
1H NMR(CD3CN): δ 7.40 (m, 1H), 7.21 (s, 2H), 7.07-7.02 (m, 3H), 6.51 (s, 2H), 4.14 (m, 4H), 3.64 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.30 (s, 6H), 0.55 (s, 3H), 0.52 (s, 3H); 13C NMR (CD3OD): δ 169.9 (C), 155.5 (C), 145.8 (C), 145.5 (C), 145.1 (C), 131.5 (CH), 131.32 (CH), 131.20 (C), 127.8 (C), 124.9 (CH), 120.7 (CH), 120.3 (CH), 116.7 (CH), 64.3 (CH2), 50.7 (CH2), 39.0 (CH3), -1.0 (CH3), -1.4 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C27H29N2O3Si: 457.19420; found: 457.19403 (0.2 mDa, 0.4 ppm).

0084

化合物8(2Me SiR600 -TMR)の合成
以下のスキーム8に従って、本発明の蛍光プローブである化合物8(2Me SiR600 - TMR)を合成した。なお、化合物F1、F5の合成については、それぞれAlfons Smeets et al. Macromolecules, 2011, 44, 6017-6025、Karine Caron et al. Org. Biomol. Chem., 2011, 9, 185-197に開示されており、これらに基づいて合成を行なった。





スキーム8

0085

[化合物F3の合成]
4-ブロモ-3-メチルtert-ブチル安息香酸(化合物F1 54.2 mg, 0.2 mmol, 10 eq) をTHF(5ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、-78 oCで10分間撹拌した。1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液( 0.2 ml,0.2 mmol,10 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物A1(8.6 mg, 0.02 mmol, 1 eq.)をTHF(3 ml)に溶かして加え、-78 oCで1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、化合物F2(5.1 mg,42.2 %)を青色固体として得た。ついで化合物F2(29.3 mg, 0.049 mmol, 1 eq.)をメタノール(10 ml)に溶かし氷浴し、次いで水素化ホウ素ナトリウムを徐々に加え、濃青色の溶液が無色になったところで水を加えて反応を終了させた。そこにジクロロメタンを加えて抽出し、有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、真空乾燥した。得られた残渣をアルゴン雰囲気下にて脱酸素ジクロロメタン(7 ml)に溶かし、これを1,3-ジメチルバルビツール酸(187.4 mg, 1.20 mmol, 24 eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(40.1 mg, 0.034 mmol, 0.7 eq.)を含むに試験管に加え、アルゴン雰囲気下、35℃にて60 分間撹拌した。さらにクロラニル(14.3 mg, 0.058 mmol, 1.2 eq.)を加えて室温にて60 分間撹拌し、濃青色の反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 100/0 to 80/20)にて分離し、青色のフラクション回収して溶媒を減圧留去した。残渣をジクロロメタン(5 ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(5 ml)を加え室温で2 時間撹拌した。溶媒を減圧留去したのち、HPLCにて精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物F3 (8.5 mg, 45 %)を青緑色固体として得た。
1H NMR(MeOD): δ 8.06-8.02 (m, 2H), 7.26 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 6.97 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 6.58 (dd, J = 2.4 Hz, 9.3 Hz, 2H), 2.12 (s, 3H), 0.56 (s, 3H), 0.54 (s, 3H). ; 13C NMR (MeOD) δ 170.2, 169.2, 158.6, 150.4, 144.8, 143.5, 137.6, 132.6, 132.5, 130.5, 128.1, 127.9, 124.6, 117.1, 19.4, -1.5, -1.7 ppm. HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C23H23N2O2Si: 387.15233; found: 387.15225 (0.1 mDa, 0.2 ppm).

0086

[化合物F6の合成]
5-carboxylTMR(化合物F4, 5.0 mg, 0.012 mmol,1 eq)をDMF(2 ml)に溶かしN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.5 mg,0.036 mmol,3 eq)およびN,N,N’,N’-テトラメチル-O-(N-スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボラート(TSTU)(5.25 mg,0.018 mmol,1.5 eq)を加え、撹拌した後、トランス-N-Boc-1,4-シクロヘキサンジアミン(化合物F5, 3.8 mg, 0.018 mmol,1.5 eq)を加え、アルゴン雰囲気下に室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、真空乾燥したのち残渣をジクロロメタン(5 ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(5 ml)を加え室温にて2時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 40 min)、化合物F6 (4.5 mg,71.0 %)を暗赤色固体として得た。
1H NMR(MeOD): δ 8.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.26 (dd, J = 1.8 Hz, 8.0Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 7.06 (dd, J = 2.4 Hz, 9.5 Hz,2H), 7.00 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.99-3.98 (m, 1H), 3.31 (s, 12H), 3.18-3.13 (m,1H), 2.18-2.16 (m, 4H), 1.65-1.55 (m, 4H). HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C31H35N4O4: 527.26528; found: 527.26265 (2.6 mDa, 5.0 ppm).

0087

[化合物8(2Me SiR600 -TMR)の合成]
化合物F6 (0.45 mg,0.0011 mmol, 1.5 eq)をDMSO(0.3 ml)に溶かしN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.12 mg,0.0009 mmol,1.2 eq)およびN,N,N’,N’-テトラメチル-O-(N-スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボラート(TSTU)(0.3 mg,0.0009 mmol,1.2 eq)を加え、撹拌した後、化合物F3(0.4 mg,0.00076 mmol, 1eq)を加え、アルゴン雰囲気下に室温で24時間撹拌した。反応溶液をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 40 min)、化合物8(0.24 mg,35.2 %)を紫色固体として得た。
HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C54H55N6O5Si: 895.39977; found: 895.39688 (2.9 mDa, 3.2 ppm).

0088

化合物9(2Me SiR600 -TMR(Me))の合成
以下のスキーム9に従って、本発明の蛍光プローブである化合物9(2Me SiR600 - TMR(Me))を合成した。





スキーム9

0089

[化合物G1の合成]
化合物F6 (3.0 mg,0.006 mmol,1 eq)をメタノール(5 ml)に溶かし、濃硫酸を1滴加え、加熱還流にて終夜撹拌した。反応系を室温に戻し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 40 min)、化合物G1 (2.8 mg,86.2 %)を暗赤色固体として得た。
HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C32H37N4O4: 541.28093; found: 541.28234 (-1.4 mDa, -2.6 ppm).

0090

[化合物9の合成]
化合物G1 (0.23 mg, 0.0006 mmol,1.1 eq)をDMSO(0.3 ml)に溶かしN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.107 mg,0.00082 mmol,1.5 eq)およびN,N,N’,N’-テトラメチル-O-(N-スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボラート(TSTU)(0.25 mg,0.00082 mmol,1.5eq)を加え、撹拌した後、DMSO(0.2ml)に溶かした化合物6(0.3 mg,0.00055 mmol, 1eq)を加え、アルゴン雰囲気下に室温で24時間撹拌した。反応溶液をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 40 min)、化合物9 (0.3 mg,55.3 %)を紫色固体として得た。
HRMS-ESI (m/z): [M+2H]2+ calcd for C55H58N6O5Si: 455.21135; found: 455.21238 (-1.0 mDa, -2.3 ppm).

0091

化合物10(2Me SiR600 - Fl(diAc))の合成
以下のスキーム10に従って、本発明の蛍光プローブである化合物10(2Me SiR600 -Fl(diAc))を合成した。





スキーム10

0092

[化合物H1の合成]
化合物F3 (3.1 mg, 0.008 mmol,1 eq)をDMF(2 ml)に溶かしN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.55 mg,0.024 mmol,3 eq)およびN,N,N’,N’-テトラメチル-O-(N-スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボラート(TSTU)(3.6 mg,0.012 mmol,1.5 eq)を加え、
撹拌した後、トランス-N-Boc-1,4-シクロヘキサンジアミン(2.6 mg,0.012 mmol,1.5 eq)を加え、アルゴン雰囲気下に室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、真空乾燥したのち残渣をジクロロメタン(2 ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(2 ml)を加え室温にて2時間撹拌した。飽和重曹水を加えて溶液を中和した後これを減圧除去し真空乾燥した。得られた残渣をメタノールで溶解し、塩をろ過したのちろ液を減圧除去し、これをHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 40 min)、化合物H1(2.9 mg,74 %)を青紫色固体として得た。
1H NMR(MeOD): δ 8.48 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.85-7.80 (m, 2H), 7.24 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 6.97 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 6.57 (dd, J = 2.4 Hz, 9.3Hz, 2H), 2.16-2.14 (m, 4H), 2.11 (s, 3H), 1.60-1.55 (m, 4H), 0.55 (s, 3H), 0.54 (s, 3H).
HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C29H35N4OSi: 483.25746; found: 483.25559 (1.9 mDa, 3.9 ppm).

0093

[化合物10(2Me SiR600 - Fl(diAc))の合成]
化合物H1 (0.45 mg,0.0009 mmol,1 eq)をDMSO(0.3 ml)に溶かしN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.22 mg,0.0016 mmol,1.8 eq)およびN,N,N’,N’-テトラメチル-O-(N-スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボラート(TSTU)(0.56 mg,0.0018 mmol,2 eq)を加え、撹拌した後、5-カルボキシ-フルオレセインジアセタート(化合物H2、0.64 mg,0.0014 mmol,1.5 eq)を加え、アルゴン雰囲気下に室温で24時間撹拌した。反応溶液をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 40 min)、化合物10 (0.1 mg, 12 %)を紫色固体として得た。
MS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C54H49N4O9Si: 925.32633; found: 925.32230 (4.0 mDa, 4.4 ppm).

0094

[化合物11の合成]
以下のスキーム11に従って、本発明の蛍光プローブである化合物11を合成した。





スキーム11

0095

1-ブロモ-2-エチルベンゼン(化合物I1, 100 μl, 0.728 mmol, 15.5 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1.1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(250 μl, 0.275 mmol, 5.9 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物A2 (20 mg, 0.047 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物をメタノール(2 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウムを溶液の色が淡黄色になるまで加えた。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物を脱酸素したジクロロメタン(5 ml)に溶かし、1,3-ジメチルバルビツール酸(185 mg, 1.17 mmol, 25 eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(8.0 mg, 6 μmol, 0.1 eq.)を加え、40oCにて90分撹拌した。室温まで冷却した後、クロラニル(15.1 mg, 0.062 mmol, 1.3 eq.)を加えて室温にて10分撹拌し、濃青紫色の反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 100/0 to 50/50)にて分離し、青紫色のフラクションを回収して溶媒を減圧留去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物11 (14.4 mg, 66%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.53 − 7.34 (m, 2H), 7.51 (dt, J = 1.4 Hz, 7.3 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.08 (dd, J = 7.5 Hz, 1.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 6.56 (dd, J = 9.3 Hz, 2.5 Hz, 2H), 2.37 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.04 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.55 (s, 3H), 0.53 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 172.0 (C), 158.5 (C), 150.4 (C), 144.2 (CH), 142.9 (C), 139.4 (C), 130.27 (CH), 130.16 (CH), 129.7 (CH), 128.9 (C), 126.6 (CH), 124.4 (CH), 116.7 (CH), 27.1 (CH2), 15.2 (CH3), −1.4 (CH3), −1.9 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C23H25N2Si: 357.17815; found: 357.17900 (−0.8 mDa, −2.4 ppm).

0096

[化合物12の合成]
同様に上記スキーム11に従って合成を行い、目的化合物12(16.7 mg, 74%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.56 − 7.54 (m, 2H), 7.36 − 7.32 (m, 1H), 7.19 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.08 − 7.07 (m, 1H), 7.06 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 6.57 (dd, J = 9.3 Hz, 2.5 Hz, 2H), 2.62 (sept, J = 6.8 Hz, 1H), 1.08 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 0.548 (s, 3H), 0.540 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 172.2 (C), 158.5 (C), 150.3 (C), 147.7 (C), 144.2 (CH), 138.6 (C), 130.5 (CH), 129.9 (CH), 129.1 (C), 127.1 (CH), 126.6 (CH), 124.4 (CH), 116.5 (CH), 32.3 (CH3), 24.2 (CH3), −1.5 (CH3), −1.7 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C24H27N2Si: 371.19380; found: 371.19394 (−0.1 mDa, −0.4 ppm).

0097

[化合物13〜15の合成]
以下のスキーム12に従って、本発明の蛍光プローブである化合物13〜15を合成した。





スキーム12

0098

[化合物J3の合成]
N,N-ジメチルホルムアミド(4.5 ml, 58.4 mmol, 4.4 eq.)を1,2-ジクロロエタン(10 ml)に溶かし、氷浴下にて撹拌した。次いで塩化ホスホリル(2.5 ml, 26.7 mmol, 2 eq.)を加え、さらに15分間撹拌した。化合物J1(3.35 g, 13.3 mmol, 1 eq.)を1,2-ジクロロエタン(10 ml)に溶かし、反応溶液に加え、3時間加熱還流した。室温まで冷却後、氷浴下にて1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル/ジエチルエーテル混合溶媒にて2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物をジクロロメタン/メタノール混合溶媒(10 ml/10 ml)に溶かし、氷浴下にて撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(785 mg, 20.0 mmol, 1.5 eq.)を加え、室温にて30分撹拌した。水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルにて抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル = 90/10 to 70/30)にて分離精製し、化合物J3 (3.13 g, 84%)を無色透明液体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 7.20 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 8.5 Hz, 2.6 Hz, 1H), 5.82 (ddt, J = 15.2 Hz, 10.4 Hz, 4.8 Hz, 2H), 5.19 − 5.13 (m, 4H), 4.62 (s, 2H), 3.90 − 3.89 (m, 4H), 1.86 (s, 1H).; 13C NMR (CDCl3): δ 149.5 (C), 133.2 (CH), 130.6 (CH), 127.1 (C), 124.6 (C), 116.5 (CH2), 116.0 (CH), 111.5 (CH), 65.2 (CH2), 52.9 (CH2).; HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ calcd for C13H16NBrNNaO: 304.03075; found: 304.03036 (0.4 mDa, 1.3 ppm).

0099

[化合物J5の合成]
化合物J4(5.00 g, 26.9 mmol, 1 eq.)をテトラヒドロフラン(50 ml)に溶かし、次いで炭酸ナトリウム(7.85 g, 56.9 mmol, 2.1 eq.)および臭化アリル(3.5 ml, 40.3 mmol, 1.5 eq.)を加えて終夜加熱還流し、さらに臭化アリル(3.5 ml, 40.3 mmol, 1.5 eq.)を加えて2日間加熱還流した。空冷後、反応液を濾別して濾液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル= 100/0 to 90/10)にて分離精製し、化合物J5 (5.53 g, 72%)を無色透明の液体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 7.05 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.83 − 6.79 (m, 2H), 6.61 (dd, J = 8.4 Hz, 2.2 Hz, 1H), 5.81 (ddt, J = 17.0 Hz, 10.4 Hz, 4.9 Hz, 1H), 5.16 (dq, J = 10.4 Hz, 1.6 Hz, 1H), 5.14 (dq, J = 17.0 Hz, 1.6 Hz, 1H), 3.90 (dt, J = 4.9 Hz, 1.6 Hz, 2H), 2.93 (s, 3H).; 13C NMR (CDCl3): δ 150.7 (C), 133.1 (CH), 130.4 (CH), 123.5 (C), 119.1 (CH), 116.5 (CH2), 115.1 (CH), 111.0 (CH), 55.1 (CH2), 38.2 (CH2).; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C10H13NBrN: 226.02259; found: 226.02478 (−2.2 mDa, −9.7 ppm).

0100

[化合物J6の合成]
化合物J3(1.00 g, 3.54 mmol, 1 eq.)および化合物J5(0.800 g, 3.54 mmol, 1 eq.)をジクロロメタン(20 ml)に溶かし、氷浴下にて撹拌した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(650 μl, 5.46 mmol, 1.5 eq.)を加え、反応液を終夜加熱還流した。空冷後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンにて抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル= 85/15 to 70/30)にて分離精製し、化合物J6 (1.58 g, 91%)を無色透明の液体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 6.92 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.56 (dd, J = 8.6 Hz, 2.7 Hz, 1H), 6.54 (dd, J = 8.6 Hz, 2.7 Hz, 1H), 5.87 − 5.76 (m, 3H), 5.19 − 5.12 (m, 6H), 3.70 (s, 2H), 3.88 − 3.87 (m, 6H), 2.90 (s, 3H).; 13C NMR (CDCl3): δ 149.1 (C), 148.3 (C), 133.7 (CH), 133.5 (CH), 130.99 (CH), 130.89 (CH), 127.10 (C), 127.07 (C), 125.78 (C), 125.68 (C), 116.52 (CH2), 116.41 (CH2), 116.20 (CH), 116.13 (CH), 111.87 (CH), 111.79 (CH), 55.3 (CH2), 52.9 (CH2), 39.9 (CH2), 38.2 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C23H27Br2N2: 489.05355; found: 489.05309 (0.5 mDa, 0.9 ppm).

0101

[化合物J8の合成]
アルゴン雰囲気下、化合物J6(765 mg, 1.56 mmol, 1 eq.)をTHF(20 ml)に溶かし、-78oCにて10分間撹拌した。そこに1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(3.5 ml, 3.5 mmol, 2.2 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。次いでジクロロジメチルシラン(250 μl, 2.05 mmol, 1.3 eq.)をTHF(5 ml)に希釈して加えて徐々に室温に戻し、2.5時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、THFを減圧留去した。得られた水層を酢酸エチルで抽出し、次いで有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ノルマルヘキサン/酢酸エチル = 100/0 to 90/10)で精製した。得られた化合物をアセトン(15 ml)に溶かし、-15oCにて10分間撹拌した。そこに過マンガン酸カリウム(400 mg, 2.53 mmol, 1.6 eq.)を4回に分けて10分おきに加え、反応の終了をTLCにて確認した。反応系をセライト濾過し、ジクロロメタンにて洗浄し、濾液を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ヘキサン/ジクロロメタン = 40/60 to 0/100)、目的化合物J8 (78.1 mg, 12%)を黄色固体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.39 − 8.35 (m, 2H), 6.85 − 6.80 (m, 4H), 5.93 − 5.82 (m, 3H), 5.23 − 5.16 (m, 6H), 4.04 − 4.02 (m, 6H), 3.08 (s, 3H), 0.44 (s, 6H).; 13C NMR (CDCl3): δ 185.1 (C), 150.7 (C), 150.2 (C), 140.52 (C), 140.47 (C), 133.1 (CH), 132.8 (CH), 131.70 (CH), 131.67 (CH), 130.0 (C), 129,8 (C), 116.6 (CH2), 114.8 (CH), 114.5 (CH), 113.5 (CH), 113.3 (CH), 54.7 (CH2), 52.7 (CH2), 38.1 (CH3), −1.1 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C25H31N2OSi: 403.22002; found: 403.21907 (0.9 mDa, 2.3 ppm).

0102

[化合物13の合成]
2-ブロモトルエン(化合物A1, 50 μl, 0.417 mmol, 12 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(200 μl, 0.200 mmol, 5.7 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物J8 (14 mg, 0.035 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物をメタノール(3 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウムを溶液の色が淡黄色になるまで加えた。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物を脱酸素したジクロロメタン(3 ml)に溶かし、1,3-ジメチルバルビツール酸(108 mg, 0.697 mmol, 20 eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4.5 mg, 4 μmol, 0.1 eq.)を加え、40oCにて4時間撹拌した。クロラニル(11.0 mg, 0.045 mmol, 1.2 eq.)を加えて室温にて10分撹拌し、濃青紫色の反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 100/0 to 60/40)にて分離し、青紫色のフラクションを回収して溶媒を減圧留去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物13 (5.9 mg, 36%)を青紫色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.48 − 7.35 (m, 3H), 7.20 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.12 − 6.80 (m, 2H), 7.00 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 9.3 Hz, 2.4 Hz, 1H), 6.56 (dd, J = 9.3 Hz, 2.5 Hz, 1H), 3.06 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 0.56 (s, 3H), 0.54 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 171.6 (C), 158.3 (C), 157.5 (C), 150.1 (C), 143.5 (CH), 140.1 (C), 136.9 (C), 131.3 (CH), 130.10 (CH), 130.04 (CH), 128.63 (C), 128.57 (C), 126.8 (CH), 124.2 (CH), 116.8 (CH), 30.0 (CH3), 19.4 (CH3), −1.4 (CH3), −1.6 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C23H25N2Si: 357.17815; found: 357.17925 (−1.1 mDa, −3.1 ppm).

0103

[化合物14の合成]
2-ブロモアニソール(化合物C1, 50 μl, 0.408 mmol, 16 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1.1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(200 μl, 0.220 mmol, 9 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物J8 (10 mg, 0.025 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物をメタノール(2 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウムを溶液の色が淡黄色になるまで加えた。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物を脱酸素したジクロロメタン(2 ml)に溶かし、1,3-ジメチルバルビツール酸(78.0 mg, 0.500 mmol, 20 eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.0 mg, 2 μmol, 0.1 eq.)を加え、室温にて終夜撹拌した。クロラニル(10.1 mg, 0.042 mmol, 1.7 eq.)を加えて室温にて10分撹拌し、濃青紫色の反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 100/0 to 60/40)にて分離し、青紫色のフラクションを回収して溶媒を減圧留去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物14 (4.5 mg, 37%)を青紫色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.56 (ddd, J = 8.5 Hz, 7.4 Hz, 1.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.17 − 7.07 (m, 6H), 6.59 (dd, J = 9.3 Hz, 2.0 Hz, 1H), 6.54 (dd, J = 9.3 Hz, 2.5 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.05 (s, 3H), 0.55 (s, 3H), 0.52 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 170.1 (C), 158.16 (C), 158.06 (C), 157.4 (C), 149.9 (C), 143.8 (CH), 131.7 (CH), 131.4 (CH), 129.22 (C), 129.17 (C), 129.13 (C), 123.9 (CH), 121.4 (CH), 116.5 (CH), 112.3 (CH), 56.2 (CH3), 30.0 (CH3), −1.3 (CH3), −1.7 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C23H25N2OSi: 373.17307; found: 373.17276 (0.3 mDa, 0.8 ppm).

0104

[化合物15の合成]
1-ブロモ-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン(化合物J11, 86 mg, 0.398 mmol, 16 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1.1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(200 μl, 0.220 mmol, 9 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物J8 (10 mg, 0.025 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物をメタノール(2 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウムを溶液の色が淡黄色になるまで加えた。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物を脱酸素したジクロロメタン(2 ml)に溶かし、1,3-ジメチルバルビツール酸(72.8 mg, 0.468 mmol, 19 eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(3.5 mg, 2 μmol, 0.1 eq.)を加え、室温にて終夜撹拌した。クロラニル(11.3 mg, 0.046 mmol, 1.8 eq.)を加えて室温にて10分撹拌し、濃青紫色の反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 100/0 to 60/40)にて分離し、青紫色のフラクションを回収して溶媒を減圧留去した。得られた化合物をトリフルオロ酢酸(2 ml)および水(200 μl)に溶かし、室温にて1時間撹拌した。溶媒を濃縮後、得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物15 (0.5 mg, 4%)を青紫色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.42 − 7.37 (m, 1H), 7.27 (br s, 1H), 7.18 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.04 − 7.02 (m, 2H), 6.98 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.61 (dd, J = 9.6 Hz, 2.0 Hz, 1H), 6.56 (dd, J = 9.3 Hz, 2.5 Hz, 1H), 3.06 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 0.56 (s, 3H), 0.52 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 170.1 (C), 158.2 (C), 157.4 (C), 155.6 (C), 144.0 (C), 131.51 (CH), 131.44 (CH), 129.35 (C), 129.30 (C), 127.5 (C), 123.9 (CH), 120.3 (CH), 116.6 (CH), 116.5 (CH), 30.0 (CH3), −1.2 (CH3), −1.7 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C22H23N2OSi: 359.15742; found: 359.15767 (−0.3 mDa, −0.7 ppm).

0105

[化合物16及び17の合成]
以下のスキーム13に従って、本発明の蛍光プローブである化合物16及び17を合成した。





スキーム13

0106

[化合物K1の合成]
化合物J5(3.00 g, 13.3 mmol, 1 eq.)を酢酸(12 ml)に溶かし、そこに37%ホルムアルデヒド水溶液(1.81 g, 66.3 mmol, 5 eq.)を加え、80oCにて1時間加熱撹拌した。反応系を室温に戻し、溶媒を減圧留去し、そこに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に少しずつ加えて中和し、次いでジクロロメタンを加えて3回抽出した。得られた有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ノルマルヘキサン/酢酸エチル= 100/0 to 80/20)、目的化合物K1 (1.85 g, 60%)を淡黄色液体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 2.92 (s, 6H), 3.89 (d, 4H, J = 5.0 Hz), 4.01 (s, 2H,), 5.15-5.19 (m, 4H), 5.83 (ddt, 2H, J = 5.0, 9.8, 17.6 Hz), 6.59 (dd, 2H, J = 2.7, 8.6 Hz), 6.86 (d, 2H, J = 8.6 Hz), 6.95 (d, 2H, J = 2.7 Hz)。; 13C NMR (100MHz, CDCl3): δ 38.1, 39.9, 55.2, 111.8, 116.1, 116.5, 125.7, 127.0, 130.9, 133.4, 149.0; HRMS-ESI: Calcd for [M+H]+, 463.03790, Found, 463.03830 (+0.4 mDa).

0107

[化合物K3の合成]
アルゴン雰囲気下、化合物K1(1.01 g, 2.18 mmol, 1 eq.)をTHF(60 ml)に溶かし、-78oCにて10分間撹拌した。そこに1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(6.53 ml, 6.53 mmol, 3 eq.)をゆっくり加え、20分間撹拌した。次いでジクロロジメチルシラン(400 μl, 4.35 mmol, 2 eq.)をTHF(10 ml)に希釈して加えて徐々に室温に戻し、2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、THFを減圧留去した。得られた水層を酢酸エチルで抽出し、次いで有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ノルマルヘキサン/酢酸エチル = 100/0 to 88/12)で精製した。得られた化合物をアセトン(20 ml)に溶かし、0oCにて10分間撹拌した。そこに過マンガン酸カリウム(1.00 g, 6.10 mmol, 2.8 eq.)を4回に分けて10分おきに加え、反応の終了をTLCにて確認した。反応系をセライト濾過し、ジクロロメタンにて洗浄し、濾液を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル = 80/20 to 60/40)、目的化合物K3 (93.9 mg, 11%)を黄色固体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 0.44 (m, 6H), 3.08 (s, 6H), 4.03-4.04 (m, 4H), 5.16-5.21 (m, 4H), 5.86 (ddt, 2H, J = 4.9, 10.5, 16.9 Hz), 6.79 (d, 2H, J = 2.8 Hz), 6.83 (dd, 2H, J = 2.8, 9.0 Hz), 8.37 (d, 2H, J = 9.0 Hz); 13C NMR (CDCl3): δ -0.95, 38.1, 54.8, 113.4, 114.6, 116.7, 130.0, 131.8, 132.9, 140.6, 150.8, 185.3; HRMS-ESI: Calcd for [M+H]+, 377.20437, Found, 377.20544 (+1.1 mDa).

0108

[化合物16の合成]
2-ブロモアニソール(化合物J9, 50 μl, 0.408 mmol, 16 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(200 μl, 0.200 mmol, 5.7 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物K3 (15 mg, 0.040 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物をメタノール(2 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウムを溶液の色が淡黄色になるまで加えた。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物を脱酸素したジクロロメタン(3 ml)に溶かし、1,3-ジメチルバルビツール酸(78.9 mg, 0.508 mmol, 13 eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(6.4 mg, 5 μmol, 0.1 eq.)を加え、40oCにて1.5時間撹拌した。クロラニル(13.1 mg, 0.053 mmol, 1.3 eq.)を加えて室温にて10分撹拌し、濃青色の反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 100/0 to 60/40)にて分離し、青色のフラクションを回収して溶媒を減圧留去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物16 (12.5 mg, 63%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.55 (dt, J = 1.5 Hz, 7.5 Hz, 1H), 7.22 − 7.07 (m, 5H), 7.16 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 6.58 (dd, J = 9.4 Hz, 2.4 Hz, 2H), 3.72 (s, 3H), 3.05 (s, 6H), 0.56 (s, 3H), 0.53 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 169.7 (C), 158.1 (C), 157.2 (C), 143.7 (C), 131.7 (CH), 131.4 (CH), 129.26 (C), 129.16 (C), 121.4 (CH), 112.3 (CH), 56.2 (CH3), 29.9 (CH3), −1.2 (CH3), −1.6 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C24H27N2OSi: 387.18872; found: 387.18804 (0.7 mDa, 1.7 ppm).

0109

[化合物17の合成]
1-ブロモ-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン(化合物J10, 100 mg, 0.462 mmol, 12 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1.1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(250 μl, 0.275 mmol, 7 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物K3 (15 mg, 0.040 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物をメタノール(2 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウムを溶液の色が淡黄色になるまで加えた。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物を脱酸素したジクロロメタン(3 ml)に溶かし、1,3-ジメチルバルビツール酸(80.4 mg, 0.517 mmol, 13 eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5.0 mg, 4 μmol, 0.1 eq.)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。クロラニル(12.2 mg, 0.050 mmol, 1.2 eq.)を加えて室温にて10分撹拌し、濃青色の反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 100/0 to 60/40)にて分離し、青色のフラクションを回収して溶媒を減圧留去した。得られた化合物をトリフルオロ酢酸(2 ml)および水(200 μl)に溶かし、室温にて1時間撹拌した。溶媒を濃縮後、得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物17 (12.7 mg, 66%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.40 − 7.37 (m, 1H), 7.25 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.02 − 6.98 (m, 3H), 6.59 (dd, J = 9.4 Hz, 2.4 Hz, 2H), 3.04 (s, 6H), 0.56 (s, 3H), 0.53 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 170.3 (C), 157.2 (C), 155.6 (C), 131.52 (CH), 131.39 (CH), 129.4 (C), 127.5 (C), 120.2 (CH), 116.6 (CH), 29.9 (CH3), −1.1 (CH3), −1.6 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C23H25N2OSi: 373.17307; found: 373.17252 (0.5 mDa, 1.5 ppm).

0110

化合物18〜22の合成
以下のスキーム14に従って、本発明の蛍光プローブである化合物18〜22を合成した。





スキーム14

0111

[化合物18の合成]
1-ブロモ-2-フルオロベンゼン(化合物L1, 100 μl, 0.925 mmol, 15 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1.9 Mフェニルリチウムジブチルエーテル溶液(200 μl, 0.380 mmol, 6.1 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物B1 (20 mg, 0.062 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで10分間、室温で4時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物18 (23.8 mg, 75%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.66 − 7.60 (m, 1H), 7.40 (dt, J = 7.5 Hz (t), 4JH−F = 1.0 Hz (d), 1H), 7.37 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 7.33 (ddd, J = 8.3 Hz, 0.8 Hz, 4JH−F = 8.6 Hz, 1H), 7.28 (ddd, J = 7.4 Hz, 1.7 Hz, 3JH−F = 9.2 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 9.6 Hz, 6JH−F = 0.9 Hz, 2H), 6.80 (dd, J = 9.6 Hz, 2.9 Hz, 2H), 3.36 (s, 12H), 0.614 (s, 3H), 0.602 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 164.0 (C), 160.7 (d, 1JC−F = 245 Hz, C), 155.8 (C), 149.4 (C), 142.2 (CH), 132.53 (d, 4JC−F = 2.5 Hz, CH), 132.48 (d, 3JC−F = 2.9 Hz, CH), 128.8 (C), 127.8 (d, 2JC−F = 17.0 Hz, C), 125.5 (d, 3JC−F = 3.6 Hz, CH), 122.4 (CH), 116.8 (d, 2JC−F = 21.7 Hz, CH), 115.3 (CH), 40.9 (CH3), −1.10 (CH3), −1.22 (CH3).; 19F{1H} NMR (CD3OD): δ −114.1.; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C25H28FN2Si: 403.20003; found: 403.20007 (0.0 mDa, −0.1 ppm).

0112

[化合物19及び20の合成]
化合物L2(100 μl, 0.470 mmol, 5 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した1.1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(400 μl, 0.440 mmol, 4.8 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物B1 (30 mg, 0.092 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで1時間、室温で1時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、化合物19 (4.3 mg, 9%) および化合物20 (48.1 mg, 87%) をそれぞれ青色固体として得た。
化合物19: 1H NMR(CD3OD): δ 7.70 − 7.68 (m, 1H), 7.61 − 7.55 (m, 2H), 7.35 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.30 − 7.28 (m, 1H), 7.05 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 6.77 (dd, J = 9.6 Hz, 2.9 Hz, 2H), 3.40 (s, 1H), 3.35 (s, 12H), 0.63 (s, 3H), 0.57 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 169.3 (C), 155.7 (C), 149.6 (C), 143.5 (C), 142.5 (CH), 133.9 (CH), 130.6 (CH), 129.9 (CH), 129.6 (CH), 128.9 (C), 123.6 (C), 122.1 (CH), 115.1 (CH), 83.4 (CH), 82.0 (C), 40.9 (CH3), −0.8 (CH3), −1,7 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C27H29N2Si: 409.20945; found: 409.20922 (0.2 mDa, 0.6 ppm).
化合物20: 1H NMR (CD3OD): δ 7.63 − 7.61 (m, 1H), 7.57 − 7.54 (m, 2H), 7.37 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 7.30 − 7.27 (m, 1H), 7.07 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 6.78 (dd, J = 9.6 Hz, 2.8 Hz, 2H), 3.35 (s, 12H), 0.620 (s, 3H), 0.604 (s, 3H), −0.12 (s, 9H).; 13C NMR (CD3OD): δ 169.6 (C), 155.7 (C), 149.5 (C), 143.6 (C), 142.7 (CH), 133.1 (CH), 130.6 (CH), 130.0 (CH), 129.5 (CH), 128.9 (C), 124.4 (C), 122.0 (CH), 115.0 (CH), 104.0 (C), 100.2 (C), 40.9 (CH3), −0.3 (CH3), −0.93 (CH3), −0.99 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C30H37N2Si2: 481.24898; found: 481.24886 (0.1 mDa, 0.2 ppm).

0113

[化合物21の合成]
1-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)ベンゼン(化合物L3, 100 μl, 0.470 mmol, 5 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1.1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(500 μl, 0.550 mmol, 9 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物B1 (20 mg, 0.062 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで10分間、室温で1時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、化合物21(13.8 mg, 40%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.90 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.80 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.57 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 9.7 Hz, 2H), 6.80 (dd, J = 9.7 Hz, 2.9 Hz, 2H), 3.36 (s, 12H), 0.617 (s, 3H), 0.613 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 168.0 (C), 155.7 (C), 149.6 (C), 142.7 (CH), 141.7 (C), 134.2 (CH), 132.1 (q, 2JC−F = 36 Hz, C), 130.5 (CH), 128.7 (C), 127.0 (q, 3JC−F = 3.7 Hz, CH), 126.6 (q, 3JC−F = 4.1 Hz, CH), 122.5 (CH), 115.2 (CH), 40.9 (CH3), −1.2 (CH3).;19F NMR (CD3OD): δ −61.7.; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C26H28F3N2Si: 453.19684; found: 453.19603 (0.8 mDa, 1.8 ppm).

0114

[化合物22の合成]
1-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(化合物L4, 100 μl, 0.470 mmol, 5 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1.1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(500 μl, 0.550 mmol, 9 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物B1 (20 mg, 0.062 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで10分間、室温で1時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、化合物22(10.0 mg, 29%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.89 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 9.7 Hz, 2H), 6.79 (dd, J = 9.7 Hz, 2.9 Hz, 2H), 3.35 (s, 12H), 0.61 (s, 6H).; 13C NMR (CD3OD): δ 168.4 (C), 155.7 (C), 149.6 (C), 144.8 (C), 142.7 (CH), 131.8 (q, 2JC−F = 33 Hz, C), 131.3 (CH), 126.4 (q, 3JC−F = 3.7 Hz, CH), 125.5 (q, 1JC−F = 273 Hz, C), 122.5 (CH), 115.2 (CH), 40.9 (CH3), −1.1 (CH3).; 19F{1H} NMR (CD3OD): δ −61.7.; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C26H28F3N2Si: 453.19684; found: 453.19653 (0.3 mDa, 0.7 ppm).

0115

化合物23〜25の合成
以下のスキーム15に従って、本発明の蛍光プローブである化合物23〜25を合成した。





スキーム15

0116

[化合物23の合成]
2-クロロフェニルボロン酸(化合物M1)を110℃にて6時間減圧乾燥させ、化合物M4を白色固体として得た。化合物M4は分離精製せず、そのまま次の反応に用いた。
化合物B1 (30 mg, 0.092 mmol, 1 eq.)を脱酸素アセトニトリル(10 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、室温にて撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(20 μl, 0.112 mmol, 1.2 eq.)をゆっくり加え、室温にてさらに15分撹拌した後、化合物M4(61.1 mg, 0.144 mmol, 1.6 eq.)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(13.1 mg, 0.018 mmol, 0.2 eq.)、および炭酸ナトリウム(62.3 mg, 0.587 mmol, 6.2 eq.)を加え、70℃にて終夜撹拌した。室温に戻し、反応溶液に水を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール= 100/0 to 90/10)およびHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物23 (3.0 mg, 6%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.65 (dd, J = 8.0 Hz, 1.4 Hz, 1H), 7.59 (ddd, J = 8.0 Hz, 7.3 Hz, 1.8 Hz, 1H), 7.53 (dt, J = 1.4 Hz. 7.3 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 7.3 Hz, 1.8 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 6.80 (dd, J = 9.6 Hz, 2.8 Hz, 2H), 3.36 (s, 12H), 0.613 (s, 3H), 0.598 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 167.0 (C), 155.8 (C), 149.5 (C), 142.0 (CH), 139.3 (C), 134.1 (C), 132.2 (CH), 131.7 (CH), 130.9 (CH), 128.4 (C), 128.1 (CH), 122.3 (CH), 115.3 (CH), 40.9 (CH3), −1.1 (CH3), −1.4 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C25H28ClN2Si: 419.17048; found: 419.16962 (0.9 mDa, 2.0 ppm).

0117

[化合物24の合成]
化合物24に関しても同様にスキーム15に従って合成を行い、目的化合物24(11.1 mg, 23%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.95 (ddd, J = 7.6 Hz, 1.6 Hz, 1.2 Hz, 1H), 7.77 (dt, J = 0.5 Hz, 7.8 Hz, 1H), 7.70 (dt, J = 0.5 Hz, 1.6 Hz, 1H), 7.60 (ddd, J = 7.8 Hz, 1.6 Hz, 1.2 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 9.7 Hz, 2H), 6.80 (dd, J = 9.7 Hz, 2.9 Hz, 2H), 3.36 (s, 12H), 0.610 (s, 3H), 0.605 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 167.1 (C), 155.7 (C), 149.6 (C), 142.7 (CH), 142.0 (C), 135.0 (CH), 133.8 (CH), 133.5 (CH), 130.7 (CH), 128.6 (C), 122.6 (CH), 119.1 (C), 115.2 (CH), 113.9 (C), 40.9 (CH3), −1.10 (CH3), −1.15 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C26H28N3Si: 410.20470; found: 410.20416 (0.5 mDa, 1.3 ppm).

0118

[化合物25の合成]
化合物25に関しても同様にスキーム15に従って合成を行い、目的化合物25(9.2 mg, 19%)を青色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.95 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 9.7 Hz, 2H), 6.79 (dd, J = 9.7 Hz, 2.9 Hz, 2H), 3.36 (s, 12H), 0.61 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 167.7 (C), 155.7 (C), 149.6 (C), 145.6 (C), 142.6 (CH), 133.3 (CH), 131.6 (CH), 128.3 (C), 122.6 (CH), 119.1 (C), 115.2 (CH), 113.8 (C), 40.9 (CH3), −1.1 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C26H28N3Si: 410.20470; found: 410.20464 (0.1 mDa, 0.2 ppm).

0119

[化合物26の合成]
以下のスキーム16に従って、本発明の蛍光プローブである化合物26を合成した。





スキーム16

0120

[化合物N1の合成]
化合物J3(1.00 g, 3.54 mmol, 1 eq.)および3-ブロモ-N,N-ジメチルアニリン(0.540 μl, 3.72 mmol, 1.05 eq.)をジクロロメタン(15 ml)に溶かし、氷浴下にて撹拌した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(650 μl, 5.46 mmol, 1.5 eq.)を加え、反応液を終夜加熱還流した。空冷後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンにて抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル= 100/0 to 50/50)にて分離精製し、化合物N1 (1.39 g, 85%)を無色透明の液体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 6.93 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.59 (dd, J = 8.6 Hz, 2.7 Hz, 1H), 6.54 (dd, J = 8.6 Hz, 2.7 Hz, 1H), 5.83 (ddt, J = 17.5 Hz, 10.0 Hz, 4.9 Hz, 2H), 5.18 − 5.14 (m, 4H), 3.98 (s, 2H), 3.88 − 3.87 (m, 4H), 2.91 (s, 6H).; 13C NMR (CDCl3): δ 150.2 (C), 148.3 (C), 133.7 (CH), 130.96 (CH), 130.86 (CH), 127.25 (C), 127.06 (C), 125.75 (C), 125.67 (C), 116.41 (CH2), 116.39 (CH), 116.1 (CH), 112.0 (CH), 111.8 (CH), 52.9 (CH2), 40.7 (CH3), 39.9 (CH2).; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C21H25Br2N2: 463.03790; found: 463.03667 (1.2 mDa, 2.7 ppm).

0121

[化合物N3の合成]
アルゴン雰囲気下、化合物J6(1.05 g, 2.26 mmol, 1 eq.)をTHF(30 ml)に溶かし、-78oCにて10分間撹拌した。そこに1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(5.0 ml, 5.0 mmol, 2.2 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。次いでジクロロジメチルシラン(350 μl, 2.88 mmol, 1.3 eq.)をTHF(5 ml)に希釈して加えて徐々に室温に戻し、2.5時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、THFを減圧留去した。得られた水層を酢酸エチルで抽出し、次いで有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を中圧シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ノルマルヘキサン/酢酸エチル = 100/0 to 90/10)で精製した。得られた化合物をアセトン(15 ml)に溶かし、-15oCにて10分間撹拌した。そこに過マンガン酸カリウム(450 mg, 2.85 mmol, 1.3 eq.)を3回に分けて10分おきに加え、反応の終了をTLCにて確認した。反応系をセライト濾過し、ジクロロメタンにて洗浄し、濾液を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液:ヘキサン/ジクロロメタン = 40/60 to 0/100)、目的化合物N3 (123 mg, 14%)を黄色固体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.38 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.83 (dd, J = 9.0 Hz, 2.9 Hz, 1H), 6.83 − 6.80 (m, 2H), 6.78 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 5.88 (ddt, J = 17.2 Hz, 9.8 Hz, 4.8 Hz, 2H), 5.23 − 5.18 (m, 4H), 4.03 − 4.02 (m, 4H), 3.09 (s, 6H), 0.44 (s, 6H).; 13C NMR (CDCl3): δ 185.1 (C), 151.4 (C), 150.1 (C), 140.5 (C), 133.0 (CH), 131.6 (CH), 129.9 (C), 129.6 (C), 116.6 (CH2), 144.8 (CH), 144.3 (CH), 113.4 (CH), 113.1 (CH), 52.7 (CH2), 40.0 (CH3), −1.0 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C23H29N2OSi: 377.20437; found: 377.20398 (0.4 mDa, 1.0 ppm).

0122

[化合物26の合成]
2-ブロモトルエン(化合物A1, 50 μl, 0.420 mmol, 12 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(200 μl, 0.200 mmol, 5.7 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物N3 (13.2 mg, 0.035 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物をメタノール(2 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウムを溶液の色が淡黄色になるまで加えた。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物を脱酸素したジクロロメタン(3 ml)に溶かし、1,3-ジメチルバルビツール酸(68.1 mg, 0.436 mmol, 12 eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4.2 mg, 4 μmol, 0.1 eq.)を加え、40oCにて1.5時間撹拌した。クロラニル(10.5 mg, 0.042 mmol, 1.2 eq.)を加えて室温にて10分撹拌し、濃青色の反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 100/0 to 60/40)にて分離し、青色のフラクションを回収して溶媒を減圧留去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物26 (12.0 mg, 71%)を青紫色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 7.47 − 7.37 (m, 3H), 7.35 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.21 (m, 1H), 7.11 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.76 (dd, J = 9.7 Hz, 2.8 Hz, 1H), 6.57 (dd, J = 9.3 Hz, 2.5 Hz, 1H), 3.34 (s, 6H), 2.04 (s, 3H), 0.581 (s, 3H), 0.565 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 171.4 (C), 158.5 (C), 155.8 (C), 150.7 (C), 149.3 (C), 143.6 (CH), 142.6 (CH), 140.1 (C), 136.9 (C), 131.3 (CH), 130.09 (CH), 130.04 (CH), 128.7 (C), 128.3 (C), 126.8 (CH), 124.4 (CH), 122.1 (CH), 116.9 (CH), 115.1 (CH), 40.9 (CH3), 19.4 (CH3), −1.3 (CH3), −1.5 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C24H27N2Si: 371.19380; found: 371.19406 (−0.3 mDa, −0.7 ppm).

0123

[化合物27の合成]
以下のスキーム17に従って、本発明の蛍光プローブである化合物27を合成した。





スキーム17

0124

[化合物27の合成]
2-ブロモトルエン(化合物A1, 20 μl, 0.180 mmol, 6 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1 M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(100 μl, 0.100 mmol, 3.3 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物E8(11.5 mg, 0.030 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、徐々に室温に戻しながら2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、目的化合物27(9.8 mg, 57%)を青緑色固体として得た。
1H NMR(CD3CN): δ 7.48 − 7.44 (m, 1H), 7.41 − 7.35 (m, 2H), 7.23 (s, 2H), 7.10 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.34 (s, 2H), 4.12 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.64 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.31 (s, 6H), 2.01 (s, 3H), 0.56 (s, 3H), 0.54 (s, 3H).; 13C NMR (CD3CN): δ 169.6 (C), 145.5 (C), 145.0 (C), 144.7 (C), 140.1 (C), 136.5 (C), 131.2 (CH), 129.91 (C), 129.88 (CH), 129.6 (CH), 126.6 (CH), 123.3 (CH), 121,1 (CH), 64.0 (CH2), 50.4 (CH2), 39.6 (CH3), 19.5 (CH3), −1.1 (CH3), −1.2 (CH3). HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C28H31N2O2Si: 455.21493; found: 455.21407 (0.9 mDa, 1.9 ppm).

0125

[化合物28の合成]
以下のスキーム18に従って、本発明の蛍光プローブである化合物28を合成した。





スキーム18

0126

[化合物O1の合成]
化合物F1(150 mg, 0.550 mmol, 12 eq.)をTHF(5 ml)に溶かし、アルゴン雰囲気下、−78 oCで10分間撹拌した。1.6 M tert-ブチルリチウムペンタン溶液(300 μl, 0.472 mmol, 10 eq.)をゆっくり加え、10分間撹拌した。化合物J8 (19 mg, 0.047 mmol, 1 eq.)をTHF(5 ml)に溶かして加え、−78 oCで1時間、室温で2時間撹拌した。1 N塩酸を加えて酸性にし、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物をメタノール(2 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウムを溶液の色が淡黄色になるまで加えた。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた化合物を脱酸素したジクロロメタン(2 ml)に溶かし、1,3-ジメチルバルビツール酸(145 mg, 0.922 mmol, 20 eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(6.0 mg, 5 μmol, 0.1 eq.)を加え、40oCにて1時間撹拌した。クロラニル(15.1 mg, 0.061 mmol, 1.3 eq.)を加えて室温にて10分撹拌し、濃青色の反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール = 100/0 to 60/40, 0.5% TFA)にて分離し、青色のフラクションを回収して溶媒を減圧留去した。得られた化合物をトリフルオロ酢酸(1 ml)および水(200 μl)に溶かし、室温にて30分撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をHPLCで精製し(1回目: A/B = 90/10 to 10/90, 25 min;2回目: 70/30 to 30/70)、目的化合物O1 (16.2 mg, 67%)を青紫色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 8.06 (s, 1H), 8.02 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.02 (br s, 1H), 6.94 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.62 (dd, J = 9.4 Hz, 1.8 Hz, 1H), 6.58 (dd, J = 9.3 Hz, 2.5 Hz, 1H), 3.07 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 0.562 (s, 3H), 0.549 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 169.8 (C), 169.2 (C), 158.4 (C), 157.5 (C), 150.0 (C), 144.9 (C), 143.1 (CH), 137.6 (C), 132.57 (C), 132.47 (CH), 130.5 (C), 128.08 (CH), 128.04 (C), 127.97 (C), 124.5 (CH), 117.0 (CH), 30.1 (CH3), 19.4 (CH3), −1.4 (CH3), −1.6 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C24H25N2O2Si: 401.16798; found: 401.16723 (0.8 mDa, 1.9 ppm).

0127

[化合物28の合成]
化合物G1 (2.9 mg, 3.8 μmol, 1 eq.)、化合物O1(2.4 mg, 4.5 μmol, 1.2 eq.)およびヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジノホスホニウム(4.0 mg, 7.6 μmol, 2.0 eq.) をDMF(200 μl)に溶かし、室温にて撹拌した. N,N-ジイソプロピルエチルアミン(10 μl, 56 μmol, 15 eq.)を加えてさらに室温で1.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をHPLCにて分離精製し (1回目; A/B = 90/10 to 10/90, 25 min: 2回目; C/B = 90/10 to 10/90, 25 min) 、目的化合物28(2.3 mg, 53%) を濃紫色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 8.79 − 8.77 (m, 1H, NH), 8.77 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 7.9 Hz, 1H, NH), 8.31 (dd, J = 7.9 Hz, 1.5 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.85 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.22 (br s, 1H), 7.21 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 7.07 (dd, J = 9.5 Hz, 2.3 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 7.09 − 7.02 (m, 1H), 6.97 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.57 (dd, J = 9.3 Hz, 2.4 Hz), 4.03 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.33 (s, 12H), 3.08 (s, 3H), 2.18 − 2.16 (m, 4H), 2.13 (s, 3H), 1.72 − 1.61 (m, 4H), 0.571 (s, 3H), 0.558 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 170.0 (C), 169.0 (C), 167.5 (C), 166.4 (C), 165.5 (C), 159.9 (C), 159.09 (C), 159.06 (C), 158.4 (C), 150.2 (C), 143.4 (C), 143.2 (CH), 138.01 (C), 137.93 (C), 137.6 (C), 136.5 (C), 132.7 (CH), 132.08 (CH), 131.94 (CH), 131.84 (CH), 131.1 (CH), 130.5 (CH), 130.2 (CH), 128.19 (C), 128.12 (C), 125.8 (CH), 124.4 (CH), 116.9 (CH), 115.7 (CH), 114.7 (C), 97.6 (CH), 53.1 (CH3), 50.2 (CH), 49.9 (CH), 41.0 (CH3), 32.35 (CH2), 32.32 (CH2), 30.1 (CH3), 19.5 (CH3), −1.44 (CH3), −1.63 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]2+/2 calcd for C56H60N6O5Si: 462.21917; found: 462.21878 (0.4 mDa, 0.9 ppm).

0128

[化合物29の合成]
以下のスキーム19に従って、本発明の蛍光プローブである化合物29を合成した。





スキーム33

0129

[化合物P2の合成]
化合物P1 (15.0 mg, 31 μmol, 1 eq.)、化合物F5(10.5 mg, 49 μmol, 1.6 eq.)およびヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(26.0 mg, 50 μmol, 1.5 eq.) をDMF(500 μl)に溶かし、室温にて撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(40 μl, 230 μmol, 7.5 eq.)を加えてさらに室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をHPLCにて分離精製し (1回目; A/B = 90/10 to 10/90, 25 min: 2回目; C/B = 90/10 to 10/90, 25 min) 、目的化合物P2 (5.0 mg, 23%) を橙色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 8.74 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.74 (d, J = 7.4 Hz, 1H, CONH), 8.24 (dd, J = 8.0 Hz, 1.8 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.83 (d, J = 2.1 Hz, 2H), 6.81 (dd, J = 8.9 Hz, 2.1 Hz, 2H), 3.98 (m, 1H), 3.16 (m, 1H), 2.18 − 2.15 (m, 4H), 1.65 − 1.54 (m, 4H).; 13C NMR (CD3OD): δ 167.8 (C), 167.4 (C), 161.3 (C), 161.1 (C), 160.0 (C), 138.2 (C), 137.7 (C), 132.77 (C), 132.69 (CH), 132.4 (CH), 131.9 (CH), 131.3 (CH), 117.9 (CH), 114.7 (C), 98.4 (CH), 50.6 (CH), 49.5 (CH), 31.1 (CH2), 30.7 (CH2).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C27H27N4O4: 471.20268; found: 471.20113 (1.6 mDa, 3.3 ppm).

0130

[化合物P3の合成]
化合物P2 (5.0 mg, 7 μmol, 1 eq)をメタノール(2 ml)に溶かし、濃硫酸を3滴加え、加熱還流にて終夜撹拌した。反応系を室温に戻し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、化合物P3 (4.6 mg, 90 %)を橙色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 8.75 (d, J = 7.9 Hz, 1H, CONH), 8.73 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.26 (dd, J = 8.0 Hz, 1.8 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 6.84 (d, J = 2.1 Hz, 2H), 6.81 (dd, J = 9.1 Hz, 2.1 Hz, 2H), 3.98 (m, 1H), 3.67 (s 3H), 3.17 (m, 1H), 2.18 − 2.16 (m, 4H), 1.65 − 1.55 (m, 4H).; 13C NMR (CD3OD): δ 167.6 (C), 166.3 (C), 161.4 (C), 160.3 (C), 159.7 (C), 138.0 (C), 137.8 (C), 132.63 (CH), 132.61 (CH), 132.02 (CH), 131.85 (C), 131.1 (CH), 118.0 (CH), 114.6 (C), 98.5 (CH), 53.1 (CH3), 50.6 (CH), 49.5 (CH), 31.1 (CH2), 30.7 (CH2).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C28H29N4O4: 485.21833; found: 485.21863 (−0.3 mDa, −0.6 ppm).

0131

[化合物29の合成]
化合物P3 (2.6 mg, 3.7 μmol, 1 eq.)、化合物O1(2.3 mg, 4.4 μmol, 1.2 eq.)およびヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(3.3 mg, 6.3 μmol, 1.7 eq.) をDMF(200 μl)に溶かし、室温にて撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5 μl, 27 μmol, 7.5 eq.)を加えてさらに室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をHPLCにて分離精製し (A/B = 90/10 to 10/90, 25 min) 、目的化合物29 (3.0 mg, 75%) を濃橙色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 8.76 (d, J = 7.4 Hz, 1H, -CONH-), 8.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H, -CONH-), 8.29 (dd, J = 8.0 Hz, 1.8 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.85 (dd, J = 7.9 Hz, 1.5 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.22 (br s, 1H), 7.20 (d, J = 2.5 Hz), 7.03 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.03 (m, 1H)*, 6.98 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 2.1 Hz, 2H), 6.82 (dd, J = 9.1 Hz, 2.1 Hz, 2H), 6.62 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.57 (dd, J = 9.3 Hz, 2.5 Hz, 1H), 4.03 (m, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.08 (s, 3H), 2.17 − 2.15 (m, 4H), 2.13 (s, 3H), 1.72 − 1.60 (m, 4H), 0.570 (s, 3H), 0.558 (s, 3H).; HRMS-ESI (m/z): [M]2+/2 calcd for C55H55N6O5Si: 434.18787; found: 434.18723 (0.6 mDa, 1.5 ppm).

0132

[化合物30及び31の合成]
以下のスキーム20に従って、本発明の蛍光プローブである化合物30及び31を合成した。





スキーム20

0133

[化合物Q1の合成]
化合物O1 (5.1 mg, 0.010 mmol,1 eq)、トランス-N-Boc-1,4-シクロヘキサンジアミン(化合物F5, 4.0 mg,0.019 mmol,1.9 eq)およびヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(9.1 mg, 0.018 mmol, 1.7 eq.)をDMF(400 μl)に溶かし、室温にて撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(15 μl, 0.088 mmol,8.8 eq)を加え、さらに30分撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をトリフルオロ酢酸(1 ml)および水(100 μl)を加え室温にて30分撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 25 min)、化合物Q1(6.8 mg, 95 %)を青紫色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 8.48 (d, J = 7.8 Hz, 1H, NH), 7.86 (s, 1H), 7.82 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.20 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.02 (br s, 1H), 6.94 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.56 (dd, J = 9.3 Hz, 2.4 Hz, 1H), 3.95 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 3.07 (s, 3H), 2.14 (d, J = 6.9 Hz, 4H), 2.11 (s, 3H), 1.64 − 1.52 (m, 4H), 0.560 (s, 3H), 0.548 (s, 3H).; 13C NMR (CD3OD): δ 169.9 (C), 169.1 (C), 158.3 (C), 157.5 (C), 150.1 (C), 143.5 (C), 143.1 (CH), 137.6 (C), 136.3 (C), 130.45 (CH), 130.19 (CH), 128.15 (C), 128.07 (C), 125.8 (CH), 124.4 (CH), 116.9 (CH), 50.6 (CH), 31.1 (CH2), 30.7 (CH2), 30.0 (CH3), 19.5 (CH3), −1.46 (CH3), −1.65 (CH3).; HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C30H37N4OSi: 497.27311; found: 497.27302 (0.1 mDa, 0.2 ppm).

0134

[化合物30の合成]
化合物Q1 (3.4 mg, 4.7 μmol, 1 eq.)、化合物Q2(7.4 mg, 7.0 μmol, 1.2 eq.)およびヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(5.8 mg, 11 μmol, 2.2 eq.) をDMF(300 μl)に溶かし、室温にて撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(8 μl, 70 μmol, 10 eq.)を加えてさらに室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をHPLCにて分離精製し (A/B = 70/30 to 30/70, 25 min) 、目的化合物30 (1.8 mg, 24%) を青紫色固体として得た。
1H NMR(CD3OD): δ 8.68 (d, J = 7.9 Hz, 1H, NH), 8.48 (s, 1H), 8.47 (d, J = 7.9 Hz, 1H, NH), 8.23 (dd, J = 8.0 Hz, 1.4 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.84 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.21 (br s, 1H), 7.20 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.05 (br s, 1H), 6.97 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.93 (s, 4H), 6.62 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.57 (dd, J = 9.3 Hz, 2.4 Hz, 1H), 5.71 (d, 2JH−H = 7.2 Hz, 4H), 5.70 (d, 2JH−H = 7.2 Hz, 4H), 4.37 (d, 2JH−H = 12.6 Hz, 2H), 4.33 (d, 2JH−H = 12.6 Hz, 2H), 4.00 (m, 2H), 3.74 (s, 8H), 3.08 (s, 3H), 2.35 (s, 6H), 2.15 − 2.14 (m, 4H), 2.12 (s, 3H), 1.99 (s, 12H), 1.68 − 1.57 (m, 4H), 0.567 (s, 3H), 0.555 (s, 3H).; HRMS-ESI (m/z): [M+Na]2+/2 calcd for C77H81N6NaO25Si: 770.24537; found: 770.24500 (0.4 mDa, 0.5 ppm).

0135

[化合物31の合成]
化合物30 (0.24 mg, 0.15 μmol, 1 eq.)をメタノール(40 μl)に溶かし、室温にて撹拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液(10 μl)を加え、5分間撹拌した。反応液をメタノール(0.1%トリフルオロ酢酸)を加えて停止し、HPLCにて分離精製し (A/B = 90/10 to 10/90, 25 min) 、目的化合物31を青紫色固体として得た。
HRMS-ESI (m/z): [M+H]+ calcd for C61H61N6O15Si: 1145.39587; found: 1145.39346 (2.4 mDa, 2.1 ppm).

0136

[化合物32の合成]
以下のスキーム21に従って、本発明の蛍光プローブである化合物32を合成した。





スキーム21

0137

[化合物R2の合成]
化合物F3 (5.9 mg, 15.2 μmol)、N-Boc−4−アミノメチルピペリジン(化合物R1, 6.4 μl, 30.4 μmol)およびDMT-MM (9.0 mg, 30.4 μmol)をDMF(1.5 ml)に溶かし、室温にて撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.3 μl)を加え、さらに2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をHPLCで精製した(A/B = 90/10 to 10/90, 40 min)。得られた化合物をトリフルオロ酢酸(5 ml)に溶かし、反応が終了するまで室温にて撹拌した。溶液を減圧留去し、得られた残渣をHPLCで精製し(A/B = 90/10 to 10/90, 40 min)、化合物R2(5.1 mg, 69%)を青紫色固体として得た。
HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C29H35N4OSi: 483.25746; found: 483.25686 (0.6 mDa, 1.2 ppm).

0138

[化合物32の合成]
化合物R2 (2.3 mg, 4.8 μmol)、化合物H2(2.2 mg, 4.8 μmol)およびDMT-MM (10 mg) をDMF(3 ml)に溶かし、室温にて撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.8 μl, 9.6 μmol)を加えてさらに室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をHPLCにて分離精製し (A/B = 90/10 to 10/90, 40 min) 、目的化合物32 (4.9 mg, quant.) を青紫色固体として得た。
HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C54H49N4O9Si: 925.32633; found: 925.32417 (2.2 mDa, 2.3 ppm).

0139

[化合物33及び34の合成]
以下のスキーム22に従って、本発明の蛍光プローブである化合物33及び34を合成した。





スキーム22

0140

[化合物33の合成]
化合物R2 (2.8 mg, 5.9 μmol)、化合物Q2(6.1 mg, 5.9 μmol)およびDMT-MM (10 mg) をDMF(3 ml)に溶かし、室温にて撹拌した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.0 μl, 11.8 μmol)を加えてさらに室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をHPLCにて分離精製し (A/B = 90/10 to 10/90, 40 min) 、目的化合物33 (5.1 mg, 57%) を青紫色固体として得た。
HRMS-ESI (m/z): [M]+ calcd for C76H79N6O25Si: 1503.4858; found: 1503.4872 (-1.3 mDa, -0.9 ppm).

0141

[化合物34の合成]
化合物33をメタノール(5 ml)および水(3 ml)に溶かし、1N水酸化カリウム水溶液を加えて室温にて撹拌した。溶媒を減圧留去し、HPLCにて分離精製し (A/B = 90/10 to 10/90, 40 min) 、目的化合物34を青紫色固体として得た。

0142

グルタチオンに対する蛍光アッセイ
実施例1で合成した蛍光プローブ2Me SiR600(化合物1)にグルタチオンを作用させ、その蛍光アッセイを行った。紫外可視吸光分光分析および蛍光分光分析は、Shimadzu UV-2450 (島津製作所)およびHitachi F-7000(日立製作所)を用いて行った。溶液条件は、蛍光プローブの濃度は1μM、0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、0.1〜1%のDMSOを含む溶液を用いた。添加するグルタチオンの濃度を1μM〜100mMの範囲で変化させた際の吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した。励起波長は590nmとした。得られた結果を図1及び2に示す。

0143

図1及び2に示すように、グルタチオンの添加によって吸収及び蛍光強度の顕著な減少が認められた。吸収ピーク波長(593nm)及び蛍光ピーク波長(614nm)の強度変化のグルタチオン濃度依存性をプロットし、解離定数Kd(mM)を算出した結果、それぞれ、1.0mM及び1.1mMが得られた。

0144

同様に、他のプローブである化合物2「Ph SiR650」、化合物3「2OMe SiR650」、化合物4「2OH SiR650」、化合物5「2CN SiR650」、化合物6「2OMe OxaSiR diMe」、及び化合物7「2OH OxaSiR diMe」についても、同様の条件でアッセイを行った結果をあわせて表1に示す(Kdは、蛍光スペクトル変化に基づいて算出した結果である)。

0145

表1の結果から、グルタチオンに対する解離定数Kdは、蛍光プローブの構造に依存することが分かった。特に、細胞内におけるグルタチオンの存在濃度といわれている、100μM〜10mM程度のKdを有するプローブが好適である。また、蛍光のピーク波長は、613〜739nmの範囲で調節が可能であり、いずれの量子収率も高いことが分かった。すなわち、これらの蛍光プローブは、細胞内におけるグルタチオンの検出に有用であることが実証された。特に化合物1(2-Me SiR600)の吸収・蛍光の波長ピーク値は、既存の色素(フルオレセインやローダミン等)との波長の重なりが良好であるため、FRETを利用した波長変化型蛍光プローブへの応用にも適していることが示唆された。

0146

同様に、実施例1で合成した化合物11〜27についても同条件でアッセイを行った。その結果を表2に示す。表2の結果から、これらの蛍光プローブも、細胞内におけるグルタチオンの検出に有用であることが実証された。

0147

蛍光応答の可逆性の評価
蛍光プローブとグルタチオンの反応が可逆性であることを、グルタチオンの添加及びチオールのスカベンジャーを添加した際の吸収スペクトル強度変化を観測することにより評価を行なった。測定は化合物1「2Me SiR600」及び化合物2「Ph SiR650」の蛍光プローブを用いて行なった。結果を図3に示す。

0148

図3の結果から、これらの蛍光プローブは、グルタチオンと速やかに応答し(平衡に達するまでの時間: 10秒以下)、グルタチオン量に依存して吸収スペクトル強度の変化が生じることが分かった。さらに、チオールのスカベンジャーであるN−エチルマレイミド(NEM)を加えることで、吸光度がグルタチオン無添加時と同じ値まで戻ることから、グルタチオンに対する応答性が可逆的であることを確認した。

0149

化合物1(2Me SiR600)による細胞イメージング
次に、蛍光プローブとして、化合物1(2Me SiR600)を用いて癌培養細胞における蛍光イメージングを行った。測定は、共焦点顕微鏡を用いて行なった。得られた画像を図4に示す。蛍光プローブの投与後速やかに蛍光像が観察され、N−エチルマレイミド(NEM)添加によるグルタチオン枯渇条件下において蛍光強度の増大が認められたことから、細胞内グルタチオン濃度の変化を反映しているものと考えられた。

0150

FRETを用いる蛍光プローブによるアッセイ
分子内のドナー蛍光団を有するプローブである、実施例1で合成した化合物8(2Me SiR600 -TMR)について、実施例2と同様にグルタチオン添加に伴う吸収及び蛍光スペクトル変化を測定した。溶液条件は、蛍光プローブの濃度は0.5μM、0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、0.1%のDMSOを含む溶液を用いた。添加するグルタチオンの濃度を1μM〜10mMの範囲で変化させた。励起波長は550nmとした。得られた結果をそれぞれ図5及び6に示す。また、図6の蛍光スペクトルにおいて、アクセプターのピーク波長(615nm)とドナーのピーク波長(584nm)の強度変化のプロットを図7に示す。

0151

これらの図6及び7から分かるように、グルタチオン添加に伴って615nmのピークの蛍光強度が減少するとともに、584nmのピークの蛍光強度の増加がえら得た。この結果は、当該蛍光プローブ(化合物8)では、実施例2のような消光型の検出ではなく、FRETの機構によって発光型(波長変化型)によって生理的濃度のグルタチオン検出が達成されたことを示すものである。

実施例

0152

化合物8(2Me SiR600 -TMR)による細胞イメージング
蛍光プローブとして化合物8(2Me SiR600 - TMR)を用いて実施例4と同様に、癌培養細胞における蛍光イメージングを行った(図8)。NEM添加による蛍光強度比の変化が観測されたことから、当該蛍光プローブが、細胞内の細胞内グルタチオンと反応していることが示唆される。
同様に、実施例1で合成した化合物9「2Me SiR600 - TMR(Me)」についても細胞イメージングを行なった結果(図9)、NEM添加による蛍光強度比の変化が観測された。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ