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技術 蓄電池管理システムおよび蓄電池管理方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 石田隆張安藤慎輔佐藤弘起小林秀行正直和也
出願日 2014年2月28日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2016-504973
公開日 2017年3月30日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 WO2015-129032
状態 特許登録済
技術分野 特定用途計算機 電池等の充放電回路 交流の給配電 二次電池の保守(充放電、状態検知)
主要キーワード 休止領域 基本プロファイル 最大電圧差 二次計画法 総容量値 充放電データ 基準プロファイル 残存価値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題・解決手段

異なる複数の観点で蓄電池の制御を管理できる蓄電池管理システムを提供すること。蓄電池管理システム1は、各蓄電池の生み出す利益を計算する利益計算部103と、各蓄電池の稼働率を計算する稼働率計算部104と、各蓄電池の劣化分析する劣化分析部101と、各蓄電池を制御するための制御パラメータを各蓄電池に設定する制御パラメータ設定部105を備える。制御パラメータ設定部は、各蓄電池の状態に応じて第1パラメータを計算し、算出した第1パラメータを各蓄電池に設定する第1設定部と、利益と稼働率と劣化度合とに基づいて蓄電池ごとの第2パラメータを計算し、算出した第2パラメータを各蓄電池に設定する第2設定部と、を有する。

概要

背景

特許文献1には、電力料金上のメリットを得ながら、コスト以外の他の要素でも高い評価を得ることができるようにした技術が開示されている。特許文献2には、蓄電池劣化を抑制すべく蓄電池の充放電グループを形成し、充放電グループごとに充放電計画を作成する技術が開示されている。さらに、特許文献2には、蓄電池の残存価値を判断し、劣化した蓄電池の二次利用先を推奨することも開示されている。なお、非特許文献1には、電池の劣化を予測する方法が開示されている。

概要

異なる複数の観点で蓄電池の制御を管理できる蓄電池管理システムを提供すること。蓄電池管理システム1は、各蓄電池の生み出す利益を計算する利益計算部103と、各蓄電池の稼働率を計算する稼働率計算部104と、各蓄電池の劣化を分析する劣化分析部101と、各蓄電池を制御するための制御パラメータを各蓄電池に設定する制御パラメータ設定部105を備える。制御パラメータ設定部は、各蓄電池の状態に応じて第1パラメータを計算し、算出した第1パラメータを各蓄電池に設定する第1設定部と、利益と稼働率と劣化度合とに基づいて蓄電池ごとの第2パラメータを計算し、算出した第2パラメータを各蓄電池に設定する第2設定部と、を有する。

目的

本発明の目的は、異なる複数の観点で蓄電池の制御を管理できるようにした蓄電池管理システムおよび蓄電池管理方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

複数の蓄電池の制御を管理する蓄電池管理システムであって、前記各蓄電池の生み出す利益を計算する利益計算部と、前記各蓄電池の稼働率を計算する稼働率計算部と、前記各蓄電池の劣化分析する劣化分析部と、前記各蓄電池を制御するための制御パラメータを前記各蓄電池に設定する制御パラメータ設定部と、を備え、前記制御パラメータ設定部は、前記各蓄電池の状態に応じて第1パラメータを計算し、前記算出した第1パラメータを前記各蓄電池に設定する第1設定部と、前記利益計算部の計算する前記各利益と、前記稼働率計算部の計算する前記各稼働率と、前記劣化分析部の計算する劣化の進行を示す各劣化度合とに基づいて前記蓄電池ごとの第2パラメータを計算し、前記算出した第2パラメータを前記各蓄電池に設定する第2設定部と、を有する、蓄電池管理システム。

請求項2

前記第1パラメータおよび前記第2パラメータは、前記蓄電池を充電する場合の充電電流値として算出され、前記第1設定部は、前記劣化度合が小さくなるように、前記各蓄電池の電圧に基づいて前記第1パラメータとしての充電電流値を設定する、請求項1に記載の蓄電池管理システム。

請求項3

前記第1設定部は、前記各蓄電池が劣化する前の充電時の基準電圧と前記各蓄電池を充電するときの充電電圧との電圧差に基づいて、前記蓄電池の充電電流補正するための電流補正値を算出し、前記基準電圧に対応する基準電流値から前記電流補正値を減じた充電電流値を前記第1パラメータとして前記各蓄電池に設定する、請求項2に記載の蓄電池管理システム。

請求項4

前記第1設定部は、予め設定される第1周期ごとに前記電圧差を算出し、前記電圧差に比例するようにして前記電流補正値を算出し、定電流での充電期間が終了するまでの間、前記第1周期で前記充電電流値を段階的に変化させる、請求項3に記載の蓄電池管理システム。

請求項5

前記第1設定部は、前記各蓄電池の充電電圧の時間変化を示す履歴データを用いることで、前記基準電圧と前記充電電圧との電圧差の最大値を算出し、前記電圧差の最大値に比例するようにして前記電流補正値を算出し、定電流での充電期間が終了するまでの間、前記基準電流値から前記電流補正値を減じた充電電流値を前記第1パラメータとして前記各蓄電池に設定する、請求項3に記載の蓄電池管理システム。

請求項6

前記第1設定部は、前記充電電圧の時間変化を示す履歴データを解析することで将来時点における充電電圧の時間変化を予測し、予測した充電電圧と前記基準電圧との電圧差の最大値に比例するようにして前記電流補正値を算出し、定電流での充電期間が終了するまでの間、前記基準電流値から前記電流補正値を減じた充電電流値を前記第1パラメータとして前記各蓄電池に設定する、請求項5に記載の蓄電池管理システム。

請求項7

前記第2設定部は、前記各利益と前記各稼働率と前記各劣化度合の逆数とが最大となるように、前記第2パラメータを設定する、請求項3に記載の蓄電池管理システム。

請求項8

前記第2設定部は、前記各利益と前記各稼働率と前記各劣化度合の逆数とが最大となるように、前記第1周期よりも長く設定される第2周期ごとに、前記第2パラメータを設定する、請求項4に記載の蓄電池管理システム。

請求項9

前記第2設定部は、予め設定される所定の制約条件を変化させながら、前記各利益と前記各稼働率と前記各劣化度合の逆数とが最大となるように前記第2パラメータを計算する、請求項7または8のいずれかに記載の蓄電池管理システム。

請求項10

前記利益計算部は、前記各蓄電池が貯蔵電力電力系統売電して得る収入と、前記各蓄電池が前記電力系統から買電して充電するときの支出との金額差から、前記利益を計算する、請求項9に記載の蓄電池管理システム。

請求項11

前記稼働率計算部は、前記稼働率を、前記各蓄電池が充電または放電している時間の合計値が所定期間に占める割合として計算する、請求項10に記載の蓄電池管理システム。

請求項12

前記劣化分析部は、前記各蓄電池の充電電流および放電電流から、前記劣化度合を計算する、請求項11に記載の蓄電池管理システム。

請求項13

前記制御パラメータの値を提供するための提供部をさらに備える、請求項1に記載の蓄電池管理システム。

請求項14

複数の蓄電池の制御をコンピュータを用いて管理する蓄電池管理方法であって、前記コンピュータは前記各蓄電池と通信可能に接続されており、前記コンピュータは、前記各蓄電池の生み出す利益を計算し、前記各蓄電池の稼働率を計算し、前記各蓄電池の劣化の嗜好を示す劣化度合を計算し、前記各蓄電池の状態に応じて第1パラメータを計算し、前記算出した第1パラメータを前記各蓄電池に設定し、前記各利益と、前記各稼働率と、前記各劣化度合とに基づいて前記蓄電池ごとの第2パラメータを計算し、前記算出した第2パラメータを前記各蓄電池に設定する、蓄電池管理方法。

技術分野

0001

本発明は、蓄電池管理システムおよび蓄電池管理方法に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、電力料金上のメリットを得ながら、コスト以外の他の要素でも高い評価を得ることができるようにした技術が開示されている。特許文献2には、蓄電池劣化を抑制すべく蓄電池の充放電グループを形成し、充放電グループごとに充放電計画を作成する技術が開示されている。さらに、特許文献2には、蓄電池の残存価値を判断し、劣化した蓄電池の二次利用先を推奨することも開示されている。なお、非特許文献1には、電池の劣化を予測する方法が開示されている。

0003

特開2013−78193号公報
特開2012−29451号公報

先行技術

0004

石田隆張, 嶋津秀昭,本宗久:”移動体エネルギーストレージシステムの技術動向-充電ログを用いたリチウムイオン電池劣化のビッグデータ分析”平成25年電気学会産業応用部門大会,4−S7−6, 2013.

発明が解決しようとする課題

0005

従来技術には、蓄電池のコストメリットを増加したり、蓄電池の劣化を抑制したりすることが記載されている。蓄電池のコストメリットを目的にする場合、蓄電池の稼働率を高める必要がある。しかし、蓄電池の稼働率が高まると、蓄電池の劣化が進み、寿命が低下する。また、蓄電池のコストメリットを目的にする場合、電力料金の高い時間帯でのみ蓄電池を使用することになり、稼働率が低下する。蓄電池の劣化抑制を目的にする場合、稼働率が低下するため、蓄電池の生み出す利益も低下し、投資コストや維持コスト回収に影響する可能性がある。このように複数の観点から蓄電池の制御を管理するのは難しく、従来技術では考察されていない。

0006

そこで、本発明の目的は、異なる複数の観点で蓄電池の制御を管理できるようにした蓄電池管理システムおよび蓄電池管理方法を提供することにある。本発明の他の目的は、相反する複数の観点のうち劣化抑制の観点に基づいて各蓄電池の制御を管理し、さらに、蓄電池の生む利益、稼働率および劣化度合とを総合的に考慮して各蓄電池の制御を管理できるようにした蓄電池管理システムおよび蓄電池管理方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決すべく、本発明に従う蓄電池管理システムは、複数の蓄電池の制御を管理する蓄電池管理システムであって、各蓄電池の生み出す利益を計算する利益計算部と、各蓄電池の稼働率を計算する稼働率計算部と、各蓄電池の劣化を分析する劣化分析部と、各蓄電池を制御するための制御パラメータを各蓄電池に設定する制御パラメータ設定部と、を備え、制御パラメータ設定部は、各蓄電池の状態に応じて第1パラメータを計算し、算出した第1パラメータを各蓄電池に設定する第1設定部と、利益計算部にて計算する各利益と、稼働率計算部にて計算する各稼働率と、劣化分析部にて計算する劣化の進行を示す各劣化度合とに基づいて蓄電池ごとの第2パラメータを計算し、算出した第2パラメータを各蓄電池に設定する第2設定部と、を有する。

0008

第1パラメータおよび第2パラメータは、蓄電池を充電する場合の充電電流値として算出され、第1設定部は、劣化度合が小さくなるように、各蓄電池の電圧に基づいて第1パラメータとしての充電電流値を設定してもよい。

発明の効果

0009

本発明によれば、最初に第1パラメータを設定して各蓄電池の制御を管理し、次に第2パラメータを設定して各蓄電池の制御を管理することができる。さらに、本発明によれば、各蓄電池の生み出す利益、稼働率および劣化度合を考慮して、各蓄電池の制御を管理することができる。

図面の簡単な説明

0010

蓄電池システムの全体構成を示す説明図である。
蓄電アグリゲータ機能構成を示す説明図である。
蓄電池の充電時の電圧、電流、SOCの関係を示す特性図である。
蓄電池への充電時の様子を示し、(a)は劣化した蓄電池と劣化する前の蓄電池との充電電圧の違いを示し、(b)は劣化した蓄電池の充電電圧と劣化する前の蓄電池の充電電圧との差の時間変化を示し、(c)は充電電圧の変化に応じて充電電流を低下させる様子を示す。
劣化抑制の観点で蓄電池の充電電流を補正する処理のフローチャート
蓄電池の充放電パターンの一例を示す説明図。
利益、稼働率および劣化抑制の観点を総合的に考慮して、蓄電池の充電電流を補正する処理を示すフローチャート。
蓄電池の制御を管理する画面の例を示す説明図。
第2実施例に係る蓄電池システムの全体構成を示す。
充電電流の補正方法を示す説明図。
第3実施例に係り、蓄電池の製造開始時点からの経過時間に由来するカレンダー劣化を考慮して蓄電池の充電電流を補正する様子を示す説明図。
第4実施例に係る蓄電池システムの全体構成を示す。
蓄電池の劣化をリアルタイムで把握する方法の例を示す説明図。

0011

以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下に述べるように、本実施形態では、各蓄電池の生む利益、稼働率、劣化抑制という、相反するおそれのある複数の(3つの)観点で各蓄電池を最適制御する。そのため、本実施形態では、まず劣化抑制の観点から蓄電池の充電電流を補正し、次に利益、稼働率および劣化抑制の3つの観点から総合的に蓄電池の充電電流を補正する。換言すれば、本実施形態では、充電電圧の上昇に伴って充電電流を低下させる個別の制御を各蓄電池においてそれぞれ実施すると共に、利益と稼働率および劣化抑制の観点から蓄電池群全体としての最適化も図るようになっている。本実施形態では、各蓄電池への充電電流の値を、個別最適化と全体最適化の2つの段階で補正する。

0012

本実施形態では、ひとまとまりの蓄電池を蓄電池3と呼ぶ。ひとまとまりの蓄電池3は、少なくとも一つの蓄電モジュールを含む。系統4に分散して配置される複数の蓄電池3を蓄電池群と呼ぶ。

0013

以下に述べる実施形態では、蓄電池の稼働率を上げて、トータルコストを低減すべく、蓄電池3の充放電量を設定するための蓄電池充放電量設定装置10を設ける。蓄電池充放電量設定装置10は、財産価値計算装置103と、稼働率計算装置104を有する。

0014

さらに、蓄電池充放電量設定装置10は、蓄電池3の劣化を分析するための劣化分析装置101を有する。劣化分析装置101は、蓄電池3の充放電時の電圧および電流値からなる充電データに基づいて、蓄電池3の劣化をリアルタイムで分析する。

0015

さらに、蓄電池充放電量設定装置10は、蓄電池3の充電時に購入する電力の料金、および/または、蓄電池3から放電する電力を電力会社などの放電先が買い取る場合の料金、を取得するための電力料金取得装置102を有する。

0016

蓄電池充放電量設定装置10の有する最適制御計算装置105は、上述した劣化分析装置101、電力料金取得装置102、財産価値計算装置103、稼働率計算装置104からそれぞれ出力されるデータに基づいて、各蓄電池3の充放電電力を最適化したり、各蓄電池3の運転スケジュールを最適化したりする。なお、本明細書における「最適化」とは、最も適した状態にするという厳密な意味だけではなく、以前よりも良い状態にするという程度も含む。

0017

本実施形態では、蓄電池3の交換回数およびメンテナンス回数を低減し、さらに蓄電池3の劣化を抑制することで蓄電池3内での熱損失を低減する。これにより、本実施形態では、蓄電池群を運用するためのトータルコストを削減する。

0018

図1図8を用いて第1実施例を説明する。図1は、電力系統4に連系する蓄電池群を制御するシステムの全体構成の例を示す。

0019

蓄電アグリゲータ1は、「蓄電池管理システム」の一例であり、蓄電池制御装置2を介して各蓄電池3の制御を管理する。蓄電アグリゲータ1は、蓄電池群の充放電管理の効率化などを請け負う業者が運用するコンピュータである。ISO(Independent System Operator)5は、日本の場合は、例えば各電力会社の保有する中央給電指令所に相当する。ISO5は、電力系統4に連系する蓄電池群全体としての充放電について蓄電アグリゲータ1に指令する。ISO5の発する指令は、各制御時刻における、あるいは、スケジュール設定時における、対象とする蓄電池群全体の充放電電力量の総和である。

0020

蓄電アグリゲータ1は、ISO5からの指令を受けて、各蓄電池3の充放電量をそれぞれ決定し、蓄電池制御装置2に指示する。蓄電池制御装置2は、蓄電アグリゲータ1からの指示を受けて、各蓄電池3の動作を制御する。

0021

蓄電アグリゲータ1は、例えば、蓄電池充放電量設定装置10、通信装置11、充電データ記憶部12、蓄電池基本データ記憶部13、電力料金情報記憶部14を備える。蓄電アグリゲータ1は、例えば、演算装置(Central Processing Unit :CPU)、メモリ補助記憶装置通信インターフェースユーザインターフェース(いずれも不図示)などの資源を有するコンピュータとして構成することができる。演算装置は、メモリまたは補助記憶装置に格納された所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行することで、蓄電池充放電量設定装置10などの機能を実現する。

0022

メモリまたは補助記憶装置が提供する記憶領域を用いることで、充電データ記憶部12、蓄電池基本データ記憶部13、電力料金情報記憶部14がそれぞれ実現される。なお、図中では、「充電データ記憶部12」を「充電データ12」と示すように、「記憶部」という言葉を割愛している。なお、蓄電アグリゲータ1は、単一のコンピュータとして構成してもよいし、複数のコンピュータを連携させることで構成してもよい。

0023

蓄電池充放電量設定装置10は、電力系統4に接続された各蓄電池3の充放電量を決定し、決定した値を蓄電池制御装置2を介して各蓄電池3に設定する。以下、蓄電池充放電量設定装置10を、設定装置10と略記する場合がある。設定装置10の構成は図2で後述する。

0024

通信部11は、通信ネットワーク6を介してISO5と通信する。通信ネットワーク6は、例えば、専用回線公衆回線、あるいはインターネットなどでもよい。図1では、図示はしていないが、設定装置10は通信部11を介して蓄電池制御装置2と通信する構成としてもよい。または、ISO5と通信するための通信部11と、蓄電池制御装置2と通信するための通信装置とを別々に設けてもよい。

0025

充電データ記憶部12は、各蓄電池3について劣化が始まる前の充電データ120を記憶する。充電データ120は、例えば、測定時刻、測定時刻に測定した電流値および電圧値、SOC(State Of Charge)などを対応付けている。劣化開始前充放電プロファイルを示す充電データ120は、例えば、基本充放電プロファイルデータ基準プロファイルなどと呼ぶことができる。充電データ120には、上述したデータ以外のデータを含めてもよい。

0026

蓄電池基本データ記憶部13は、各蓄電池3の基本性能仕様)を示す蓄電池基本データ130を記憶する。蓄電池基本データ130は、例えば、蓄電池識別子、最大容量、充放電時の最大電流および最大電圧などを対応付けて記憶する。充放電時の最小電流最小電圧などを含んでもよい。

0027

電力料金情報記憶部14は、買電時の電力料金および売電時の電力料金を示す電力料金情報140を記憶する。電力料金情報140には、例えば、電力系統4の電力を消費する場合の料金(買電時の電力料金)と、電力系統4へ電力を供給する場合の料金(売電時の電気料金)、電力需要の大きい期間でのピーク時料金、電力需要の小さい期間でのオフピーク時料金などがある。さらに、電力料金情報140は、例えば、契約内容ごとに、時間帯と料金との関係を記憶することもできる。契約内容は、例えば、利用可能な系統電圧の値などで異なる。電力料金情報140は、例えば、電力会社の運営するコンピュータなどから収集する。

0028

図2は、蓄電池充放電量設定装置10の詳細を示す。設定装置10は、例えば、劣化分析装置101、電力料金取得装置102、財産価値計算装置103、稼働率計算装置104、最適制御計算装置105を含む。

0029

各装置101〜105の詳細は後述するが、先に簡単に説明する。「劣化分析部」の例である劣化分析装置101は、例えば、各蓄電池3への充電時における充電電圧と基準となる電圧との差に基づいて、蓄電池3の劣化を分析する。電力料金取得装置102は、電力料金情報記憶部14から電力料金情報140を取得する。「利益計算部」の例である財産価値計算部103は、蓄電池3の電力を売却することで得られる利益と、蓄電池3に充電するための電力を買うための費用との差を、蓄電池3の財産価値として算出する。「稼働率計算部」の例である稼働率計算装置104は、蓄電池3の充電期間および放電期間が所定の単位期間に占める割合を稼働率として計算する。「制御パラメータ設定部」の例である最適制御計算装置105は、複数段階で各蓄電池3の充電電流の値を管理する。第1段階として、最適制御計算装置105は、各蓄電池3の劣化に基づいて充電電流を個別に決定する。第2段階として、最適制御計算装置105は、蓄電池の財産価値、稼働率、劣化抑制(劣化の逆数)が最大化するように、各蓄電池3の充電電流を決定する。

0030

劣化分析装置101の詳細を説明する。劣化分析装置101は、蓄電池3の基本プロファイルである充電データ120から、充電時の電圧および電流の値を取得し、それら取得したデータから図3に示す充電モデルを得る。

0031

図3は、蓄電池3へ充電する際の定電流充電および定電圧充電のモデル図である。図3には、電圧プロファイル301と、電流プロファイル302と、SOCのプロファイル303とが示されている。

0032

蓄電池3へは、始めに一定電流で充電され、次に一定電圧で充電される。充電開始から時間Tが経過した切替時刻304になると、定電流充電から定電圧充電に充電モード切り替わる。

0033

図4は、蓄電池3へ充電する場合の電圧変化および電流変化などを示す。図4(a)は、劣化した蓄電池と劣化する前の蓄電池との充電電圧の違いを示す。図4(b)は、劣化した蓄電池の充電電圧と劣化する前の蓄電池の充電電圧との差の時間変化を示す。図4(c)は、充電電圧の変化に応じて充電電流を低下させる様子を示す。

0034

図4(a)に示すように、劣化が進行していない蓄電池3へ充電する場合の電圧プロファイル310と、ある程度劣化が進行した蓄電池へ充電する場合の電圧プロファイル311とは相違する。特に、電圧が一定になるまでの過渡期で、電圧差が発生する。

0035

蓄電池3の劣化が進行すると、定電流充電時内部抵抗が増加する。このため、蓄電池3の劣化が進んだ場合(310)は、劣化が進んでいない場合(311)と比較して、内部抵抗の分だけ電圧が大きくなる。蓄電池3の劣化は、内部抵抗の増加と関係が深いこと、および、充放電電流積算値に比例することが知られている。

0036

充放電時の電力は、電圧と電流との積で求めることができる(電力=電圧*電流)。従って、蓄電池3の劣化に応じて充電電圧が基準値(劣化前の値)よりも高くなるのであれば、充電電流を基準値(劣化前の値)よりも低く設定したとしても、劣化する前と後とで同じ電力を充放電できる。

0037

そこで、本実施例では、各蓄電池3の劣化の度合に応じて、充放電時の電流値を指令値よりも低い値に補正することで、期待された電力量の充放電を達成する。さらに、本実施例では、劣化に応じた分だけ充電電流を低い値に補正することで、充電電流の積算値が増大するのを抑制できる。これにより、本実施例では、蓄電池3の劣化の進行を遅らせ、蓄電池3の寿命を延ばすことができる。

0038

具体的には、図4(b)に示すように、任意の充電時刻tにおいて、劣化進行前の電圧プロファイル311の電圧Vtと劣化進行後の電圧プロファイル312の電圧との差分ΔVtを用いて、充電電流の補正値Δitを下記の数1から算出する。

0039

0040

図4(c)に示すように、劣化前の電流プロファイル313から数1で算出した補正値Δitを差し引く。これにより、劣化後の電流プロファイル314では、劣化前の電流プロファイル313よりも充電電流を低くすることができる。充電電流の値を低く制御することで、充電電流の積算値が増大するのを抑制することができ、この結果、蓄電池3の劣化を遅らせることができる。

0041

図5は、電圧プロファイルから判断可能な蓄電池3の劣化に基づいて、充電電流の値を個別に制御する充電制御処理を示すフローチャートである。なお、本実施例では、充電制御を中心に説明するが、放電制御の場合も同様である。劣化の前後における放電電圧の差に応じて、放電電流を制御すればよい。従って、本実施例を含む各実施例は、充電制御だけでなく、放電制御にも適用することができる。

0042

ここでは、動作の主体を設定装置10であるとして説明する。設定装置10は、「第1周期」の例である制御周期ごとに、図5に示す処理を実行する。制御周期は、タイマによって管理される。

0043

設定装置10は、制御周期用のタイマを初期化し(S10)、現在の充電電圧を検出する(S11)。蓄電池3の充電電圧の値は、蓄電池制御装置2から取得できる。

0044

設定装置10は、現在の充電電圧の値と、充電データ120に記録されている劣化前の基準電圧との差である電圧差ΔVtを計算する(S12)。設定装置10は、数1に基づいて充電電流の補正値Δitを算出し(S13)、指定された充電電流、即ち劣化前の状態での定電流充電に用いる電流値から、補正値Δitを減算する(S14)。

0045

設定装置10は、ステップS14で補正した充電電流の値を蓄電池制御装置2に通知して、定電流充電を実行させる(S15)。図5では、定電流をCC、定電圧をCVと表示する。

0046

設定装置10は、定電流充電が終了したか判定する(S16)。設定装置10は、対象とする蓄電池3の充電電圧が規定値に対して一定範囲に収束した時に、定電流充電が終了したと判定する。

0047

設定装置10は、定電流充電が終了していないと判定すると(S16:NO)、タイマを1単位増加させて(S17)、ステップS11へ戻る。つまり、次の制御周期に移行する。設定装置10は、定電流充電が終了したと判定すると(S16:YES)、定電圧充電に切り替えて充電を実行させる(S18)。

0048

なお、後述するように、最適充電量計算装置105は、蓄電池3の財産価値、稼働率および劣化抑制を総合的に考慮して、補正値Δitに対する係数を求める。つまり、一つの観点(劣化抑制)で決定した補正値Δitを、複数の観点(劣化抑制、財産価値、稼働率)に基づいてさらに補正する。

0049

図6を用いて、稼働率計算装置104について説明する。図6は、蓄電池3の充放電サイクルの一例を示す。図6縦軸は、上方向(プラス方向)が充電電流を示し、下方向(マイナス方向)が放電電流を示す。横軸は時間を表す。

0050

領域Ch1、Ch2は、電力系統4の電力を蓄電池3へ充電する充電領域を示す。dCh1は、蓄電池3の電力を電力系統4へ放出する放電領域を示す。領域p1、p2、p3は、充電も放電も行っていない休止領域を示す。図6に示す充放電サイクルの場合、蓄電池3の稼働率は例えば下記数2で求めることができる。

0051

0052

図6を用いて、財産価値計算装置103について説明する。財産価値計算装置103は、電力料金取得装置102を介して電力料金情報140を取得する。ここでは、充電領域Ch1では料金R1で電力を購入し、放電領域dCh1では料金R2で電力を売却し、充電期間Ch2では料金R3で電力を購入すると仮定する。図6では、通貨単位を「円」で示すが、ドル、元、ユーロなどの他の通貨でもよい。

0053

ここでは、一回目の充電Ch1の開始から二回目の充電Ch2の終了までを一回の充放電サイクルとして扱う。この場合、1つの蓄電池3の財産価値は、下記数3に示すように定義することができる。

0054

0055

数3において、idch、ich1、ich2は、充放電時の平均電力量を示す。

0056

最適制御計算装置105は、劣化分析装置101の計算結果、財産価値計算装置103の計算結果、および稼働率計算装置104の計算結果を基にして、蓄電池3を充放電する場合の制御電流値(充電電流、および/または放電電流)を決定する。

0057

図7のフローチャートを用いて、最適制御計算装置105の処理を説明する。最適制御計算装置105は、時刻tを初期化し(S20)、電力料金情報記憶部14から電力料金情報140を取得する(S21)。最適制御計算装置105は、各蓄電池3についての特性データを取得する(S22)。

0058

最適制御計算装置105は、図3図6にて説明した数1、数2、数3を用いて、最適化計算を行う(S23)。最適化計算では、蓄電池3の財産価値、稼働率(稼働時間)、積算電流量の逆数を目的関数とする。制約条件には、例えば、充放電電力量、各蓄電池に対するSOCの上下限値、蓄電池3の物理的な最大稼働時間のうち、少なくともいずれか一つを含むものとする。最適制御計算装置105は、財産価値f(t)、稼働時間g(t)、積算電流値の逆数I(t)の関数((f(t)+g(t)+I(t))を、上述した所定の制約条件の下で最大化する解を求める。

0059

ステップS23での具体的計算手法として、例えば、二次計画法ニューラルネットワークをはじめとしたヒュリスティクな方法等、既存の手法を用いることができる。最適制御計算装置105は、ステップS23にて最適化計算を行った後に、制御電流の解が求まったかどうか判定する(S24)。最適制御計算装置105は、最適解である制御電流値が求まった場合(S24:YES)、本処理を終了し、求めた制御電流値を蓄電池制御装置2へ指示する。

0060

最適制御計算装置105は、解が求まらなかった場合(S24:NO)、本処理の実行回数が予め設定された上限回数に達したか判定する(S25)。最適制御計算装置105は、実行回数が上限回数に達していない場合(S25:NO)、制約条件を緩和して(S26)、ステップS23に戻る。

0061

制約条件の緩和とは、例えば、SOCの上下限の範囲を拡大する、蓄電池の最大稼働時間を長くする、充放電電力量を一時的に大きな値まで許容する、などである。ステップS26で制約条件を緩和した後に、ステップS23に戻って最適化計算を行う。

0062

最適制御計算装置105は、本処理の実行回数が上限回数に達している場合(S25:YES)、エラーメッセージを出力して本処理を終了する。エラーメッセージは、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタ出力電子メールなどを用いて、蓄電アグリゲータ1の管理者に通知される。

0063

図8は、蓄電アグリゲータ1が管理者に提供する「提供部」としての管理画面400の例を示す。この管理画面400は、蓄電池3を用いて電力系統4の周波数を安定化させるという、いわゆるアンシラリーサービスを対象とした画面である。なお、管理画面400は、例えば、蓄電池3のトータルコストを低減するシステム、充放電時に発生する熱損失の低減を目的とするシステムなどにも適用可能である。

0064

管理画面400は、蓄電アグリゲータ1に直接的にまたは間接的に接続されたディスプレイ装置に表示される。蓄電アグリゲータ1に間接的に接続されるディスプレイ装置としては、例えば、通信ネットワークを用いて蓄電アグリゲータ1のユーザインターフェースを使用する情報端末パーソナルコンピュータ携帯電話などを含む)がある。

0065

図8(a)に示すように、管理画面400は、蓄電アグリゲータ1の管理対象である各蓄電池3の蓄電池状態表示部401を有する。蓄電池状態表示部401は、例えば蓄電池3の名称(および/または識別子)、端子電圧端子電流、SOCを示す。

0066

管理画面400は、系統状態表示部402を備える。系統状態表示部402は、例えば、電力系統4の状態としての周波数変化を表示する。

0067

蓄電池状態表示部401には、詳細表示ボタン403が設けられている。蓄電アグリゲータ1の管理者が所望の蓄電池についての詳細表示ボタン403を操作すると、図8(b)に示すように、補助画面410が表示される。

0068

補助画面410は、グラフ表示部411と、詳細表示部412を含む。グラフ表示部411は、蓄電池の電流値や電圧値をグラフで表す。詳細表示部412は、例えば蓄電池の充放電のモード(充電モード、放電モード)、SOC、SOH(State Of Health)、生涯積算電力、電流のうち、少なくとも一つあるいはそれらの任意の組合せを表示する。

0069

補助画面410は、管理画面400の上に重ねて表示してもよいし、管理画面400の代わりに表示してもよい。管理者がクローズボタン413を操作すると、補助画面410は消える。なお、管理画面400は、図8に示す例に限らない。

0070

このように構成される本実施例によれば、蓄電池3の充電電圧と基準電圧との差に基づいて充電電流を補正し、さらに、蓄電池3の財産価値、稼働率(稼働時間)、劣化抑制を最大化するための係数を算出して、充電電流をさらに補正する。

0071

従って、本実施例によれば、最初に、蓄電池3の劣化抑制の観点で充電電流を補正した後で、財産価値なども考慮して充電電流をさらに補正するため、蓄電池3の制御を複数の段階でそれぞれ管理することができる。さらに、本実施例では、異なる複数の観点から蓄電池群の全体を最適に管理できるように、各蓄電池3の充電電流値を補正する。

0072

これにより、本実施例では、蓄電池3の劣化を抑制して、交換回数およびメンテナンス回数を低減することができるため、蓄電池3の運用コスト下げることができる。さらに、本実施例では、劣化抑制を図りつつ蓄電池3の財産価値を最大化できるため、蓄電池3による収益改善を期待できる。これによっても、蓄電池3の運用コストを低減できる。さらに、本実施例では、充電電圧の増加に伴って充電電流を蓄電池3ごとに個別に低下させるため、蓄電池内の熱損失を小さくできる。これにより、電気エネルギーが無駄に熱として捨てられてしまうのを抑制し、蓄電池の効率を高めることができる。

0073

図9および図10を用いて、第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例は、第1実施例の変形例に該当するため、第1実施例との相違を中心に説明する。本実施例では、蓄電池3における充放電データをリアルタイムで取得し、充電履歴データ120Aとして管理する。本実施例の蓄電池充放電量設定部10Aは、充電履歴データ120Aに基づいて、各蓄電池3の劣化状況推定し、推定した劣化状況に基づいて充電電流を制御する。

0074

図9は、本実施例の蓄電アグリゲータ1Aの構成例を示す。蓄電アグリゲータ1Aは、通信線15を介して各蓄電池3と接続されており、各蓄電池3から充電に関するデータをリアルタイムで取得する。充電に関するデータは、例えば、充電時の電流値、電圧値、SOCを含む。蓄電アグリゲータ1Aは、各蓄電池3から取得したデータを、充電履歴データ記憶部12A内の充電履歴データ120Aに記憶する。

0075

図10を参照する。図10(a)は、図4(a)で述べたと同様に、蓄電池の劣化する前の充電電圧の特性311と、蓄電池の劣化した後の充電電圧の特性310とを比較して示している。第1実施例では、図4および図5で述べたように、制御周期ごとにΔitを求めて、定電流充電時の電流値を補正する。

0076

これに対し、本実施例の設定装置10Aは、図10(b)に示すように、充電履歴データ120Aに基づいて、蓄電池3の充電時の電圧値と基準電圧値との最大の差maxΔVtを事前に推定する。図10(c)に示すように、設定装置10Aは、その最大電圧差maxΔVtから、充電電流の補正値Δicorrectを算出する。補正値Δicorrectは下記数4から算出する。

0077

0078

このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、充電電圧プロファイルにおいて基準電圧との差が最大となる値maxΔvを基に充電電流の補正値Δicorrectを予め求めて、定電流充電期間が終了するまでの間(時刻t1)、充電電流を一定値(=基準電流−Δicorrect)に補正して充電する。従って、本実施例では、充電電流を制御周期ごとに算出する手間がいらず、計算の負荷を低減することができる。これにより、蓄電アグリゲータ1Aの管理する蓄電池3の数が多い場合でも、蓄電アグリゲータ1Aの計算負荷が増加するのを抑制できる。

0079

図11を用いて第3実施例を説明する。本実施例では、蓄電池3のカレンダー劣化を考慮して充電電流の値を補正する。ここでカレンダー劣化とは、蓄電池3が製造されてからの経過時間で定まる劣化を意味する。

0080

上述した第1実施例および第2実施例では、充電電圧のプロファイルと基準電圧との比較に基づいて、蓄電池3の劣化の度合を判定する。これに対し、本実施例では、蓄電池特有のカレンダー劣化(時間経過に伴う劣化)を考慮して、定電流充電時の充電電流量の補正値を算出する。これにより、本実施例では、蓄電池3の将来の劣化を予測して、充電制御を行うことで、蓄電池3の劣化をさらに低減する。

0081

図11グラフにおいて、縦軸は充電時の電圧を示し、横軸は充電に要する時間を示し、奥から手前に向かう軸は蓄電池3が製造されてからの経過時間を示す。経過時間ごとに、充電電圧のプロファイル変化を示すグラフ321(1)、321(2)、321(3)が配置されている。なお、本実施例では、特に区別しない場合、括弧付きの数字を除いて表現する。例えば、充電電圧グラフ321などと呼ぶ。

0082

充電電圧グラフ321は、劣化前の蓄電池3の充電電圧プロファイル(基準電圧プロファイル)341と、劣化後の充電電圧のプロファイル331とを含む。充電電圧グラフ321において、縦軸は電圧値、横軸は時間を示す。

0083

図11において、特性線351は、充電開始時点を経過時間ごとに結んだ線である。特性線352は、定電流充電時において、基準電圧プロファイルとの差分が最も大きい時点を経過時間ごとに結んだ線である。特性線353は、定電流充電の終了時刻を経過時間ごとに結んだ線である。

0084

このように特性線351、352、353を作成することで、将来時点の蓄電池3の劣化状況を精度良く予測することができる。そして、予測結果に応じて充電電流値を補正することができる。第1実施例で述べた数1に対応する数式として、本実施例では数5を使用する。数5において、蓄電池3が製造されてから経過した時間の平方根を√tと示している。

0085

0086

このように構成される本実施例も前記各実施例と同様の作用効果を奏する。しかし、 第1実施例および第2実施例では、経過時間に応じた蓄電池の劣化という概念を考慮していないため、充電電流値はグラフ321(1)、321(2)、321(3)のそれぞれの時間断面だけで決定する。これに対し、本実施例では、カレンダー劣化という経過時間に応じた劣化を考慮するため、将来の時間断面における蓄電池の劣化状況を精度良く予測し、効率的かつ適切な制御を実現できる。従って、本実施例では、第1実施例および第2実施例に比べて、蓄電池3の劣化をさらに抑制することができる。

0087

図12および図13を用いて、第4実施例を説明する。図12は、本実施例の蓄電アグリゲータ1Bの構成例を示す。本実施例では、蓄電アグリゲータ1Bと蓄電池制御装置2および蓄電池群とは別々の場所に設けられており、通信ネットワーク7を介して接続されている。

0088

蓄電アグリゲータ1Bは、時系列の充電履歴データ120Bを記憶部12Bで保有している。蓄電アグリゲータ1Bは、遠隔地に設置された各蓄電池3からデータを取得して劣化を分析するための蓄電池劣化分析装置16を備える。蓄電池劣化分析装置16による分析結果は、充電履歴データ120Bに対応付けられて、記憶部12Bに格納される。

0089

図13を用いて、蓄電池3の劣化をリアルタイムで把握する方法の一例を、非特許文献1に基づき説明する。

0090

図13(a)に示すように、本実施例の蓄電アグリゲータ1Bは、任意の電圧プロファイルの履歴データ(電圧、電流、SOC)と、電池総容量とが対応付けられているデータベース17を有する。

0091

図13(b)には、充電電圧プロファイルの時系列データ362と、充電電圧プロファイルの履歴データ361とが示されている。ここで、電圧プロファイルの時系列データ362を、下記数6で定義する。

0092

0093

電圧プロファイル履歴データ361であるjと電圧プロファイル実績データ362であるiとの距離Distijを、下記数7で定義する。

0094

0095

距離Distijが最小となるjの電池総容量値を、実績データiに対する電池総容量値の推定値とする。ただし、ここでNは比較する電圧プロファイルの持続時間(充電時間)を示している。本実施例の蓄電池劣化分析装置16は、上述したパターンマッチング処理を対象となる履歴データの全てに対して行い、距離距離Distijが最も小さい履歴データの電池総容量値を劣化診断結果として出力する。

0096

このように構成される本実施例も前記各実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、蓄電池3の制御のみならず、蓄電池3の劣化をリアルタイムで把握して、蓄電池3の交換時期遠隔診断できる。本実施例では、各蓄電池3から充電時のデータを収集する期間を長くすることができる。これにより、蓄電池3の劣化診断の精度も向上し、その結果を用いることで蓄電池の制御も向上するため、第一から第三の実施例と比較して、より熱損失エネルギーの低減に貢献することが可能となる。

0097

なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。例えば、本発明は、充電制御のみならず放電制御にも適用することができる。

実施例

0098

従って、例えば、「前記第1パラメータおよび前記第2パラメータは、前記蓄電池を充放電する場合の充放電電流値として算出され、前記第1設定部は、前記劣化度合が小さくなるように、前記各蓄電池の電圧に基づいて前記第1パラメータとしての充放電電流値を設定する。」、「前記第1設定部は、前記各蓄電池が劣化する前の充放電時の基準電圧と前記各蓄電池を充放電するときの充放電圧との電圧差に基づいて、前記蓄電池の充放電電流を補正するための電流補正値を算出し、前記基準電圧に対応する基準電流値から前記電流補正値を減じた充放電電流値を前記第1パラメータとして前記各蓄電池に設定する。」のように表現することもできる。

0099

1,1A,1B:蓄電アグリゲータ、2:蓄電池制御装置、3:蓄電池、4:電力系統、5:ISO、6,7:通信ネットワーク、10,10A,10B:蓄電池充放電量設定部

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