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技術 未油調重ね合わせカツ

出願人 プリマハム株式会社
発明者 藤島康
出願日 2014年2月3日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2014-551458
公開日 2017年3月23日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 WO2015-114832
状態 特許登録済
技術分野 肉類、卵、魚製品 食品の凍結・冷却及び乾燥
主要キーワード 油膜層 棒状成形物 受け取り台 ホーリング 工場規模 回転切断刃 連続成型 出荷待ち
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

フライすることにより一枚肉からなるカツ食感を維持しつつも、柔らかでジューシーなカツを最適な状態で容易に提供可能であり、かつ、工場規模での提供を可能とする未油調重ね合わせカツを提供すること。

解決手段

未油調重ね合わせカツ1を重ね合わせられた複数のスライス肉3により構成し、互いに隣り合うスライス肉3との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま工場で加熱し、その後にスライス肉群5に衣7を付けるようにする。

概要

背景

豚肉牛肉又は鶏肉を用いたカツレツは一般的な料理として広く食されており、例えば、豚肉を用いたトンカツ作り方としては、一枚の豚ロース肉包丁の先を使い、筋の部分に浅い切れ目を入れ、包丁の背又は肉たたきで表面を軽く叩き、塩、コショウ味付けをする。

その後、味付けした豚ロース肉に薄力粉をまんべんなく両面にまぶし、余分な粉をはたき落とし、溶きに浸し、広げたパン粉の上に置き、上からパン粉をかけ、肉を覆うようにして衣をつけ、油で揚げる、家庭などにおけるトンカツの作り方がよく知られている。

また、脂身部分赤身部分をもつスライス肉を、脂身部分の上には赤み部分がくるように重ね、これに衣を付けたことにより、スライスにより柔らかな食感を与えるとともに、スライス肉の間に肉汁を溜めて肉汁豊かなカツレツ材料(特許文献1)が知られている。

一方、トンカツ等のカツレツの工場規模での製造に関する従来技術は数少なく、例えば、豚肉をミンチ状細断してなる主原料ピックル液とを混合する原料混合工程と、該混合原料を−2〜0℃の温度範囲まで冷却する冷却工程と、その冷却状態である混合原料を連続成型器で連続して製品形状に成型する成型工程と、その成型品衣付けする衣付け工程と、その衣付け成型品を凍結する凍結工程とを行うことにより、比較的安価な豚肉を使用してコストを低く抑えることができ、かつ大きさ及び形状を揃えることができる冷凍トンカツの製造方法(特許文献2)が知られている。

また、揚げ物素材を必要に応じて真空包装等の包装をして加熱手段を用いて素材の中心温が素材のタンパク質凝固する温度域であって分水作用開始温度下の低温領域で芯まで十分に火を入れ、加熱処理した肉等の身や具にα化したバッター粉をつけ、褐色促進タイプのパン粉をまぶし、冷凍状態のまま油を付着させて油膜層を表面に形成し、冷凍することにより、バラツキが少なく、保形性が向上し、油で揚げることを必要としない食感・風味を改善する即席タイプの揚げ物用冷凍食品の製造方法(特許文献3)等が知られている。

また、カツレツ用の畜肉を柔らかくする技術としては、例えば、原料豚ロース肉を真空パックして、2℃〜未凍結温度域で所定期間熟成した後、シルバースキンを切断し、次いでホーリングした後、回転ドラム中でマッサージすることを特徴とする未加熱トンカツの製造方法(特許文献4)が提案されている。

概要

フライすることにより一枚肉からなるカツの食感を維持しつつも、柔らかでジューシーなカツを最適な状態で容易に提供可能であり、かつ、工場規模での提供を可能とする未油調重ね合わせカツを提供すること。未油調重ね合わせカツ1を重ね合わせられた複数のスライス肉3により構成し、互いに隣り合うスライス肉3との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま工場で加熱し、その後にスライス肉群5に衣7を付けるようにする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

重ね合わせられた複数のスライス肉と、表面を覆う衣から構成される未だ油で揚げていない未油調重ね合わせカツであって、畜肉からなる棒状成形物スライスして前記複数のスライス肉を、互いに隣り合う前記スライス肉との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま製造する工程と、その後、前記複数のスライス肉をケーシング充填する工程と、その後、前記ケーシングに充填された前記複数のスライス肉に加熱する工程と、その後、前記ケーシングを前記複数のスライス肉から除去する工程と、その後、前記複数のスライス肉に衣を付ける工程によって製造されることを特徴とする未油調重ね合わせカツ。

請求項2

前記複数のスライス肉への加熱は、互いに隣り合う前記スライス肉がタンパク変性による結着が生じるまで少なくとも行うことを特徴とする請求項1に記載の未油調重ね合わせカツ。

請求項3

前記畜肉は、もも肉であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の未油調重ね合わせカツ。

請求項4

前記棒状成形物は前記畜肉を他のケーシング内に充填した状態で、少なくとも前記棒状成形物の表面を凍結させた状態とし、その後、前記他のケーシングを除去してスライスを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の未油調重ね合わせカツ。

請求項5

前記ケーシングは、通気性ケーシングであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の未油調重ね合わせカツ。

請求項6

前記他のケーシングは、通気性ケーシングであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1に記載の未油調重ね合わせカツ。

請求項7

前記未油調重ね合わせカツは、衣付けの後、凍結又は冷却されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1に記載の未油調重ね合わせカツ。

請求項8

前記棒状成形物は、単数又は複数の畜肉塊より構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の未油調重ね合わせカツ。

請求項9

前記未油調重ね合わせカツは、衣に焼き色が付くまで油で揚げるのみで食べることができることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1に記載の未油調重ね合わせカツ。

技術分野

0001

本発明は、フライすることにより一枚肉からなるカツ食感を維持しつつも、柔らかでジューシーなカツを最適な状態で容易に提供可能な未油調重ね合わせカツに関する。

背景技術

0002

豚肉牛肉又は鶏肉を用いたカツレツは一般的な料理として広く食されており、例えば、豚肉を用いたトンカツ作り方としては、一枚の豚ロース肉包丁の先を使い、筋の部分に浅い切れ目を入れ、包丁の背又は肉たたきで表面を軽く叩き、塩、コショウ味付けをする。

0003

その後、味付けした豚ロース肉に薄力粉をまんべんなく両面にまぶし、余分な粉をはたき落とし、溶きに浸し、広げたパン粉の上に置き、上からパン粉をかけ、肉を覆うようにして衣をつけ、油で揚げる、家庭などにおけるトンカツの作り方がよく知られている。

0004

また、脂身部分赤身部分をもつスライス肉を、脂身部分の上には赤み部分がくるように重ね、これに衣を付けたことにより、スライスにより柔らかな食感を与えるとともに、スライス肉の間に肉汁を溜めて肉汁豊かなカツレツ材料(特許文献1)が知られている。

0005

一方、トンカツ等のカツレツの工場規模での製造に関する従来技術は数少なく、例えば、豚肉をミンチ状細断してなる主原料ピックル液とを混合する原料混合工程と、該混合原料を−2〜0℃の温度範囲まで冷却する冷却工程と、その冷却状態である混合原料を連続成型器で連続して製品形状に成型する成型工程と、その成型品衣付けする衣付け工程と、その衣付け成型品を凍結する凍結工程とを行うことにより、比較的安価な豚肉を使用してコストを低く抑えることができ、かつ大きさ及び形状を揃えることができる冷凍トンカツの製造方法(特許文献2)が知られている。

0006

また、揚げ物素材を必要に応じて真空包装等の包装をして加熱手段を用いて素材の中心温が素材のタンパク質凝固する温度域であって分水作用開始温度下の低温領域で芯まで十分に火を入れ、加熱処理した肉等の身や具にα化したバッター粉をつけ、褐色促進タイプのパン粉をまぶし、冷凍状態のまま油を付着させて油膜層を表面に形成し、冷凍することにより、バラツキが少なく、保形性が向上し、油で揚げることを必要としない食感・風味を改善する即席タイプの揚げ物用冷凍食品の製造方法(特許文献3)等が知られている。

0007

また、カツレツ用の畜肉を柔らかくする技術としては、例えば、原料豚ロース肉を真空パックして、2℃〜未凍結温度域で所定期間熟成した後、シルバースキンを切断し、次いでホーリングした後、回転ドラム中でマッサージすることを特徴とする未加熱トンカツの製造方法(特許文献4)が提案されている。

先行技術

0008

特開2002−65214号公報
特開平5−84052号公報
特開平9−9886号公報
特開2001−333741号公報

発明が解決しようとする課題

0009

一般にカツレツは、一枚肉から製造されるため、一枚肉の厚さや、肉質によって、肉が固くなり噛み切りにくい場合がある。

0010

また、特許文献1のようなスライス肉を重ね合わせた重ね合わせカツは、一枚肉からなるカツレツに比して、柔らかい食感であり、噛み切りやすさがあるものの、一枚肉のような食べ応え欠ける側面がある。

0011

また、カツレツを工場で製造する場合、畜肉に対してホーリングや、マッサージといった畜肉を柔らかくするための種々の工程が必要となっている。

0012

さらに、カツレツを工場で製造する場合、一般的にコンビニエンスストアスーパーマーケット、家庭で未加熱カツレツ加熱調理(油調)して提供又は食することとなるが、加熱しすぎたような場合は、肉汁等が蒸発することにより、ジューシー感が損なわれてしまい、最適な条件下でカツレツを提供等できない場合がある。

0013

そこで発明者は、これらの課題を解決するべく、日々の試行錯誤の結果、フライすることにより一枚肉からなるカツの食感を維持しつつも、柔らかでジューシーなカツを最適な状態で容易に提供可能であり、かつ、工場規模での提供を可能とする未油調重ね合わせカツを発明するに至ったものである。

課題を解決するための手段

0014

上記目的達成のため、本発明の未油調重ね合わせカツは、重ね合わせられた複数のスライス肉と、表面を覆う衣から構成される未だ油で揚げていない未油調重ね合わせカツであって、畜肉からなる棒状成形物をスライスして前記複数のスライス肉を、互いに隣り合う前記スライス肉との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま製造する工程と、その後、前記複数のスライス肉をケーシング充填する工程と、その後、前記ケーシングに充填された前記複数のスライス肉に加熱する工程と、その後、前記ケーシングを前記複数のスライス肉から除去する工程と、その後、前記複数のスライス肉に衣を付ける工程によって製造されることを特徴とする。

0015

また、本発明における前記複数のスライス肉への加熱は、互いに隣り合う前記スライス肉がタンパク変性による結着が生じるまで少なくとも行うことを特徴とする。

0016

また、本発明における前記畜肉は、もも肉であることを特徴とする。

0017

また、本発明における前記棒状成形物は前記畜肉を他のケーシング内に充填した状態で、少なくとも前記棒状成形物の表面を凍結させた状態とし、その後、前記他のケーシングを除去してスライスを行うことを特徴とする。

0018

また、本発明における前記ケーシングは、通気性ケーシングであることを特徴とする。

0019

また、本発明における前記他のケーシングは、通気性ケーシングであることを特徴とする。

0020

また、本発明における前記未油調重ね合わせカツは、衣付けの後、凍結又は冷却されることを特徴とする。

0021

また、本発明における前記棒状成形物は、単数又は複数の畜肉塊より構成されることを特徴とする。

0022

また、本発明における前記未油調重ね合わせカツは、衣に焼き色が付くまで油で揚げるのみで食べることができることを特徴とする。

発明の効果

0023

本発明によれば、フライすることにより一枚肉からなるカツの食感を維持しつつも、柔らかでジューシーなカツを最適な状態で容易に提供可能であり、かつ、工場規模での提供が可能である。

0024

即ち、本発明は複数のスライス肉から製造されるため、厚さ、肉質によって、肉が固くなり噛み切りにくい一枚肉と異なり、柔らかで噛み切りやすい。かつ、本発明は、複数のスライス肉を、互いに隣り合う前記スライス肉との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま製造しているため、柔らかで噛み切りやすい食感を維持したまま、一枚肉と同等の食べ応え(肉食感)を備えている。

0025

また、本発明は、畜肉からなる棒状成形物をスライスして使用するため、従来、カツレツを工場で製造するにあたり行ってきた畜肉に対するホーリングや、マッサージといった畜肉を柔らかくするための種々の工程が必要とすることなく、柔らかなカツを提供可能である。

0026

また、本発明は、工場において既にスライス肉群が加熱されていることにより、互いに隣り合うスライス肉においてタンパク変性による結着が生じ、そのため、スライス肉からスライス肉間にあふれ出た肉汁を外に漏れださせることなく、スライス肉間に抱え込むことが可能となるため、肉汁あふれるジューシーな状態を維持可能である。

0027

また、本発明は、工場において既にスライス肉群が加熱されて最適な状態、即ち、肉汁あふれるジューシーな状態となっており、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、家庭で提供又は食する場合は、外側の衣部分に揚げ色がつく程度に加熱(油調)するのみで、最適な状態でカツを提供可能である。

0028

さらに、本発明によれば、安価であることから、工場で大量に製造される肉製品に適した豚もも肉のような、脂身が少ない畜肉であっても、工場で最適な状態にまで加熱されているため、赤身部分から生じる肉汁をスライス肉感に閉じ込めたままの状態で食することができ、安価な畜肉であっても、その脂身の少なさを生かしてヘルシー、かつ、赤身部分から生じる肉汁によってジューシー感あふれるカツとして提供可能である。

図面の簡単な説明

0029

本発明に係る未油調重ね合わせカツの断面概要図である。
本発明に係る未油調重ね合わせカツの製造方法のフローチャートである。
本発明に係る未油調重ね合わせカツの製造にあたり使用する棒状成形物の長手方向の断面概要図である。
図3の棒状成形物を筋繊維の位置的連続性を維持した状態のままスライスした状態の概要図である。
図4の棒状成形物に加熱した状態の概要図である。
図5の棒状成形物を加熱後、一定の厚さでカットした状態におけるスライス肉群の断面概要図である。

実施例

0030

以下、図面を参照して、本発明による未油調重ね合わせカツを実施するための形態について説明する。

0031

尚、本発明の未油調重ね合わせカツは、重ね合わせられた複数のスライス肉を互いに隣り合うスライス肉との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま工場で加熱し、その後に衣を付けていることから、フライすることにより一枚肉からなるカツの食感を維持しつつも、柔らかでジューシーなカツを最適な状態で容易に提供可能であり、かつ、工場規模での提供を可能とするものである。

0032

尚、未油調重ね合わせカツとは、油調理(油調)することによりカツレツとなる、油調前のカツレツのことをいい、油調する方法としては、油を用いる調理方法であれば特に制限されるものではないが、通常行われているような油で揚げる(フライ)方法や、冷凍状態のまま油を付着させて油膜層を表面に形成させたものを加熱する方法や、マイクロカプセル化した油脂を表面に付着させたものを加熱する方法などを具体的に例示することができる。

0033

[本発明による未油調重ね合わせカツの構成]
本発明による未油調重ね合わせカツの構成を図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る未油調重ね合わせカツの断面概要図である。

0034

図1に示すように、本発明による未油調重ね合わせカツ1は、衣7を付けた外観自体は、周知のカツレツと変わるものではないが、スライス肉3を複数枚重ねたスライス肉群5の構造に特徴を有するものである。

0035

即ち、スライス肉3が複数枚重ねられたスライス肉群5は、図1中のハッチングに示すように、畜肉からなる棒状成形物をスライスするにあたり、スライス後もスライス前の筋繊維の位置的連続性を維持した状態となっている。

0036

換言すると、複数のスライス肉3を、互いに隣り合うスライス肉3との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のままスライスしたものである。

0037

そして、その状態で加熱を行うことにより、互いに隣り合うスライス肉3においてタンパク変性による結着が生じる。そのため、スライス肉3と隣り合う他のスライス肉3とが結着したことから、スライス肉3からスライス肉間にあふれ出た肉汁6を外に漏れださせることなく、肉汁6スライス肉間に抱え込まれた状態となっている。

0038

そして、その状態の後、スライス肉群5に衣7が付けられている。

0039

また、本発明におけるスライス肉3(スライス肉群5)を構成する畜肉としては、豚肉、牛肉、鶏肉というように各種畜肉を利用することができ、さらには、豚もも肉のような脂身が少ないことから安価な畜肉であっても、赤身部分から生じる肉汁をスライス肉感に閉じ込めたままの状態で食することができることから、その脂身の少なさを生かしてヘルシー、かつ、赤身部分から生じる肉汁によってジューシー感あふれるカツとして提供可能である。

0040

また、畜肉には、必要に応じて加工でん粉大豆たん白香辛料調味料食塩、水等がピックル液として必要に応じて注入インジェクション)されている。

0041

また、衣7は、パン粉、打粉、バッター粉、食塩、香辛料、調味料、水等を混ぜ合わせて構成される。

0042

[本発明による未油調重ね合わせカツの製造工程]
本発明による未油調重ね合わせカツの工場における製造工程を図1の他、図2乃至図6を用いて説明する。図2は、本発明に係る未油調重ね合わせカツの製造方法のフローチャートである。図3は、本発明に係る未油調重ね合わせカツの製造にあたり使用する棒状成形物の長手方向の断面概要図である。図4は、図3の棒状成形物を筋繊維の位置的連続性を維持した状態のままスライスした状態の概要図である。図5は、図4の棒状成形物に加熱した状態の概要図である。図6は、図5の棒状成形物を加熱後、一定の厚さでカットした状態におけるスライス肉群の断面概要図である。

0043

まず、本発明による未油調重ね合わせカツ1の主原料となる豚もも肉等の畜肉の塊を受け入れ(原料受入:ステップ1)、畜肉のすじ部分等の食べるに適していない部分の除去を行う(材料処理:ステップ2)。

0044

そして、すじ等が除去された畜肉の塊を後の工程に適した形状及び大きさ等に整える(整形:ステップ3)。次に、肉質を柔らかくしたり、増量させる作用を持つピックル液を注射して肉質を改善するインジェクションを行う(インジェクション:ステップ4)。例えば、本発明では塩漬係数140%(原料肉100%に対してピックル液40%)の条件でインジェクションを行う。

0045

次に図3に示す棒状成形物2を製造するべく、インジェクションされた単数又は複数の畜肉の塊をケーシング(図示せず)に充填する(充填:ステップ5)。ケーシングに畜肉を充填することにより畜肉の形状を安定させて歩留りを向上させるのにも役立つものである。

0046

ケーシングは、その種類が限定されるものではないが、複数の肉塊により棒状成形物2を製造する場合、複数の肉塊をケーシングに充填後に肉塊と肉塊と間のエアが残ったままでは、棒状成形物2の中にエア部分が空間として残ってしまい、穴開きのある製品となってしまうことから、通気性ケーシングとすることにより、肉塊間に残ったエアをケーシング内からケーシング外へと排出し、空間(穴開き)の発生を防止することが可能である。

0047

尚、非通気性ケーシングを用いた場合であっても、例えば1mmの間隔で穴をあけて通気性を確保することも可能である。

0048

また、ケーシングは、例えば、折径110mm・130mm・150mmのもの等を適宜選択して使用する。ケーシングの価格、ケーシングの仕入れ状況、所望のカツレツの重量等により適宜適切なものを使用すればよい。これにより、カツレツとして食するに適した大きさとなるものである。

0049

次に、ケーシングに充填された状態の棒状成形物2を凍結させる(凍結:ステップ6)この凍結工程は、後に棒状成形物2をスライスするために行うものであり、そのため、ケーシングを除去した状態において棒状成形物2の形状を固定された状態とするためのものであり、したがって、棒状成形物2全体を凍結させる必要はなく、表面のみの凍結でも可能である。

0050

その後、ナイフ等で凍結している棒状成形物2の表面に配されたケーシングを切り、ケーシングを除去する(ケーシング除去:ステップ7)。これによって、図3に示す棒状成形物2となる。

0051

そして、図3の棒状成形物2を切断して、図4に示すように多数のスライス肉3を製造する(スライス:ステップ8)。その場合、図4に示すように多数のスライス肉3は、互いに隣り合うスライス肉3との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のままスライスする。図4中のハッチングは、図3の棒状成形物2の筋繊維の位置的連続性が保たれていることを示している。

0052

この場合、筋繊維の位置的連続性とは、筋繊維自体は、スライスにより切断されているものの、切断後も切断前と同じ筋繊維の位置関係を維持していることを意味する。

0053

これによって、本発明の未油調重ね合わせカツ1は複数のスライス肉から製造されるため、厚さ、肉質によって、肉が固くなり噛み切りにくい一枚肉と異なり、柔らかで噛み切りやすい。それと同時に、複数のスライス肉3を、互いに隣り合うスライス肉3との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま製造しているため、柔らかで噛み切りやすい食感を維持したまま、一枚肉と同等の食べ応え(肉食感)を備えている。

0054

このスライス後における棒状成形物2の筋繊維の位置的連続性は、例えば、以下の方法により実現することが可能である。

0055

即ち、一例として、図3の状態のケーシングを除去した棒状成形物2を回転切断刃(図示せず)により所定の厚さに切断してスライス肉3(図4参照)を製造する。すると、スライス肉3は、棒状成形物2から切断されると回転切断刃の遠心力により、跳ね飛ばされて、図4に示すスライス肉受取台9上に落下する。

0056

回転切断刃による切断動作を繰り返すと、各々のスライス肉3は、回転切断刃の遠心力により同じ個所に跳ね飛ばされて、図4の如くスライス肉3が筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま積み上げられていく。これにより、複数のスライス肉3が、互いに隣り合うスライス肉3との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま製造され、スライス前の棒状成形物2の全体形状を保ったままスライスされた状態(図4)となる。

0057

また、他の例として、図3の状態のケーシングを除去した棒状成形物2を回転切断刃(図示せず)により所定の厚さに切断してスライス肉3を製造する。すると、スライス肉3は、棒状成形物2からの切断により、スライス前の棒状成形物から切り離される。切り離されたスライス肉はスライス肉受取台(図示せず)に一方の切断面全体が接するように載置され、その上方にさらに次に切断されたスライス肉が覆い被さる。

0058

回転切断刃による切断動作を繰り返すと、各々のスライス肉3は、スライス肉受け取り台の同じ場所に積み上げられて、図4の如くスライス肉3が筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま積み上げられていく。これにより、複数のスライス肉3が、互いに隣り合うスライス肉3との筋繊維の位置的連続性を維持した状態のまま製造され、スライス前の棒状成形物2の全体形状を保ったままスライスされた状態となる。

0059

尚、スライス肉受取部は、製造工程の必要上、搬送手段により常時又は間欠的に移動している場合があり、その場合、切断されたスライス肉は、スライス肉受取台上に各々が所定の間隔分のみずれて階段状に積み上げられていく場合がある(図示せず)。

0060

この場合においては、スライス肉が凍結していることから、階段状に積み上げられたスライス肉を、筋繊維の位置的連続性を維持した状態へと、人手により容易に修正可能である。

0061

尚、スライス肉3の厚さは、食べ応え、食感等を考慮し、適宜選択され、例えば、1.5mm厚にスライスされる。

0062

次に図4に示すスライス後の棒状成形物2をケーシング(図示せず)に充填する(充填:ステップ9)。ケーシングにスライス後の棒状成形物2を充填することにより、スライスされた棒状成形物2の形状を安定させて、ばらばらになってしまうのを防止して歩留りを向上させるのにも役立つものである。

0063

ケーシングは、その種類が限定されるものではないが、後の加熱工程において適度に棒状成形物2の水分を飛ばすために通気性ケーシングが適している。

0064

尚、非通気性ケーシングを用いた場合であっても、例えば1mmの間隔で穴をあけて通気性を確保することも可能である。

0065

また、ケーシングは、例えば、ステップ5(充填)で用いたケーシングと同じ折径のものを使用する。これは、ステップ5において用いたケーシングに対応させたものであり、これにより、スライス後の棒状成形物2を丁度良く充填可能となる。

0066

次に、熱処理設備を用いて、ケーシングに充填されたスライス後の棒状成形物2を加熱する(熱処理:ステップ10)。この棒状成形物2への加熱は、互いに隣り合うスライス肉3がタンパク変性による結着が生じるまで少なくとも行う。例えば、中心温度70℃で1分以上の加熱を行う。

0067

これにより、互いに隣り合うスライス肉3においてタンパク変性による結着が生じ、そのため、スライス肉3からスライス肉間にあふれ出た肉汁を外に漏れださせることなく、スライス肉間に抱え込むことが可能となるため、肉汁あふれるジューシーな状態を維持可能となる。

0068

次に、棒状成形物2の中心温度が10℃以下となるまで冷却を行い(冷却:ステップ11)、その後、ナイフ等で冷却された棒状成形物2の表面に配されたケーシングを切り、ケーシングを除去する(ケーシング除去:ステップ12)。これによって、図5に示す棒状成形物2となる。

0069

図5においては、加熱により互いに隣り合うスライス肉3においてタンパク変性による結着が生じているため、スライス肉3とスライス肉3の間は、図面上破線の如く表現した。

0070

その後、加熱後の棒状成形物2を所定の厚さにカットしてスライス肉群を製造する(カット:ステップ13)。例えば、カットした各々のスライス肉群が約45g/個となるように、図5におけるHの厚さ(例えば10mm)でカットする。

0071

このカットにより、図6に示すスライス肉群5の状態となり、その断面は同図に示すように、スライス肉3と隣り合う他のスライス肉3との間に、肉汁6があふれ、かつ、加熱により互いに隣り合うスライス肉3においてタンパク変性による結着が生じているため、スライス肉3からスライス肉間にあふれ出た肉汁を外に漏れださせることなく、スライス肉間に抱え込むことが可能となり、肉汁あふれるジューシーな状態を維持可能となっている。

0072

その後、スライス肉群5に衣を付け(衣付け:ステップ14)、図1の状態となり、本発明の未油調重ね合わせカツ1を得ることができる。

0073

衣付けが終わった後の未油調重ね合わせカツ1は、例えば、−35℃以下で急速凍結され(急速凍結:ステップ15)、例えば、60g以上/個か否か計量され、規格外品は除外される(計量:ステップ16)。

0074

その後、品質管理のためのX線検査及び金属検出が行われ(異物検査:ステップ17)、品質が確認された後、袋詰めされ(袋詰め:ステップ18)、箱詰めされて(箱詰め:ステップ19)、例えば、−18℃以下で保管されて(保管:ステップ20)、出荷待ちの状態となる。

0075

尚、ステップ15で急速凍結を行わず、冷却のみ行いチルド状態で未油調重ね合わせカツ1を流通させることも当然可能である。

0076

未油調重ね合わせカツ1は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、家庭で提供又は食されることとなるが、その場合、工場において既にスライス肉群が加熱されて最適な状態、即ち、肉汁あふれるジューシーな状態となっており、外側の衣部分に揚げ色がつく程度に加熱(油調)するのみで、最適な状態でカツを食することができる。

0077

この発明は、その本質的特性から逸脱することなく、数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。

0078

1 未油調重ね合わせカツ
2棒状成形物
3スライス肉
5 スライス肉群
6肉汁
7 衣
9 スライス肉受取台

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  • 有限会社林屋川魚店の「 稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法」が 公開されました。( 2019/05/09)

    【課題】化学添加物を使用することがなく安全であり、安価で製造できるとともに、保存期間が長く、そのままの状態で手軽に頭から骨まで食べられる稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法を提供する。【解決手段】養殖され... 詳細

  • 鈴木徹の「 冷凍二枚貝の製造方法」が 公開されました。( 2019/05/09)

    【課題】本発明の課題は、臭みが抑制され、甘味が感じられる冷凍二枚貝の製造方法を提供することである。【解決手段】二枚貝を、中心温度が45〜65℃に到達する温度で加熱する加熱工程、加熱工程の後に行われる、... 詳細

  • 学校法人藤田学園の「 魚アレルギーの抗原」が 公開されました。( 2019/05/09)

    【課題・解決手段】本発明は、魚に対するアレルギーの新規抗原、魚に対するアレルギーの診断方法および診断キット、当該抗原を含む医薬組成物、当該抗原が除去された魚、魚卵、当該魚もしくは当該魚卵加工品、または... 詳細

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