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課題・解決手段

本発明は、鉄(II)イオン高感度かつ迅速に蛍光検出できる鉄(II)イオン検出剤及びそれを用いた鉄(II)イオン検出方法を提供する。一般式(I):(式中、R1及びR2は低級アルキル基等であり、R3及びR4は水素原子等であり、R5は水素原子、水酸基又は式(A):−NR51R52(式中、R51及びR52は低級アルキル基等である。)で示される基であり、R6及びR7は水素原子等であり、環Aは芳香環等であり、VはO又はSiR10R11(R10及びR11は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示す。)であり、WはCH2、CO等であり、ZはO等であり、m及びnは同一又は異なって0又は1である。)で表される化合物蛍光プローブ)と、3個以上の配位座を有する化合物と組み合わせてなる鉄(II)イオン検出剤、並びにそれを用いた鉄(II)イオン検出方法に関する。

概要

背景

鉄は人体中において最も多く含まれている遷移金属種であり、酸素運搬呼吸器系における電子伝達などをはじめ、様々な生命現象関与している。一方、体内における鉄の濃度異常はがんアルツハイマー病パーキンソン病などの重篤疾患に関与することが指摘されており、特に、生体内遊離鉄イオンの大半を占める鉄(II)イオンはその高い活性酸素種生成能のために、最近アスベスト発がんC型肝炎においてもその関与が示唆されている。(例えば、特許文献1及び2、非特許文献1〜5)。そのため、生細胞や生組織中において鉄(II)イオンを選択的に検知できかつ濃度変化鋭敏に検知できる蛍光プローブが開発できれば、鉄(II)イオンが関与する病態や生命現象の研究、医薬品開発等において非常に重要な手法となる。

近年、生体分子、イオン等を標識できる蛍光プローブの開発が積極的に行われており、例えば、フルオレセインローダミン等の蛍光団基本骨格として有する蛍光プローブが数多く報告されている(例えば、特許文献3及び4、非特許文献6及び7等)。

これまで、鉄イオンを検知する蛍光プローブとしては消光型鉄イオン検出プローブの報告例はあるが(例えば、非特許文献8及び9等)、このプローブでは鉄イオンの検知感度選択性が低く濃度変化を鋭敏に検知することが困難であった。

また、特許文献5には、アルミニウムイオン及び/又は第二鉄イオン測定用の蛍光プローブが報告されているが、対象が鉄(III)イオンであり鉄(II)イオンを対象とするものではないし、金属イオンの選択性も充分ではなかった。

上記の課題を解決するべく、特許文献6には、N−オキシド部分構造を有する鉄(II)イオン検出蛍光プローブ(例えば、RhoNox-1等、図1を参照)が報告されている。この蛍光プローブは、N−オキシド部分が鉄(II)イオンと反応して脱酸素化反応を受けることで蛍光が増大する特性を利用している。このような鉄(II)イオンに対し発蛍光型の応答を示す蛍光プローブは、従来の消光型の応答を示す蛍光プローブとは一線を画す極めて独創的なものであり、当該蛍光プローブは、鉄(II)イオンの検知感度や選択性に優れているという特徴を有している。

さらに、非特許文献10〜12には、特許文献6の蛍光プローブ(RhoNox-1等)を改良した蛍光プローブが報告されている。特許文献10〜12の蛍光プローブは、具体的には、RhoNox-1のローダミン骨格カルボキシル基ヒドロキシル基へ変換した化合物(例えば、HMRhoNox-M、HMRhoNox-E等、図1を参照)である。

概要

本発明は、鉄(II)イオンを高感度かつ迅速に蛍光検出できる鉄(II)イオン検出剤及びそれを用いた鉄(II)イオン検出方法を提供する。一般式(I):(式中、R1及びR2は低級アルキル基等であり、R3及びR4は水素原子等であり、R5は水素原子、水酸基又は式(A):−NR51R52(式中、R51及びR52は低級アルキル基等である。)で示される基であり、R6及びR7は水素原子等であり、環Aは芳香環等であり、VはO又はSiR10R11(R10及びR11は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示す。)であり、WはCH2、CO等であり、ZはO等であり、m及びnは同一又は異なって0又は1である。)で表される化合物(蛍光プローブ)と、3個以上の配位座を有する化合物と組み合わせてなる鉄(II)イオン検出剤、並びにそれを用いた鉄(II)イオン検出方法に関する。

目的

しかし、鉄(II)イオンに対する応答速度が必ずしも充分ではなく、臨床検査薬検出キット自動測定装置等への展開を考えた場合、より迅速な蛍光応答性能をもつ鉄(II)イオン検出剤が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

一般式(I):(式中、R1及びR2は同一又は異なって、低級アルキル基カルボキシ低級アルキル基、アリール基又はアリール低級アルキル基であり、R3及びR4は同一又は異なって、水素原子ハロゲン原子又は低級アルキル基であり、R1及びR2が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環ピペリジン環モルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよく、R1及びR3が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R2及びR4が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R5は水素原子、保護されていてもよい水酸基、低級アルコキシ基又は式(A):−NR51R52(式中、R51及びR52は同一又は異なって、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基、アリール基又はアリール低級アルキル基であり、或いはR51及びR52が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよい。)で示される基であり、R6及びR7は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基であり、R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR6が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R52及びR7が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、環Aは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環であり、VはO又はSiR10R11(R10及びR11は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示す。)であり、WはCH2、CO又はS(O)pであり、ZはO又はNR9(R9は水素原子又はアルキル基を示す。)であり、m及びnは同一又は異なって、0又は1であり、pは1又は2である。)で表される化合物蛍光プローブ)、並びに3個以上の配位座を有する化合物を組み合わせてなる鉄(II)イオン検出剤。

請求項2

前記3個以上の配位座を有する化合物が、アミノ基、水酸基、カルボキシル基ホスホン酸基及び含窒素ヘテロ芳香環からなる群より選ばれる同一又は異なる3個以上の配位座を有する化合物である請求項1に記載の鉄(II)イオン検出剤。

請求項3

前記3個以上の配位座を有する化合物が、イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸NTA)、N,N,N',N'−エチレンジアミン四酢酸EDTA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸HEDTA)、トリエチレンテトラミン酢酸(TTHA)、1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸(CyDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA又はEGTA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジルエチレンジアミン二酢酸(HBED)、エチレンジアミン二プロピオン酸(EDDP)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA−OH)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ヘキサメチレンジアミン四酢酸(HDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジアミノプロパン四酢酸(Methyl−EDTA)、ニトリロ三プロピオン酸(NTP)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、O,O'−ビス−2−アミノフェニル−N,N,N',N'−四酢酸(BAPTA)、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸)(EDTPO)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(NTPO)、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、ホスホノブタンカルボン酸(PBTC)、トリス(2−ピリジルメチルアミン(TPA)、ジピコリルアミン(DPA)、o−アミノフェノール−N,N,O−三酢酸(APTRA)、ポルフィリン若しくはその誘導体フタロシアニン若しくはその誘導体、1,4,7−トリアザシクロノナン(TACN)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(CYCLEN)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(CYCLAM)、又はこれらの塩類である請求項1又は2に記載の鉄(II)イオン検出剤。

請求項4

一般式(I)において、環Aが、式(a):(式中、R8は、保護されていてもよい水酸基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、−N=C=O、−N=C=S、スルホ基又は活性エステル基であり、qは0、1、2又は3であり、qが2又は3のとき、R8は同一又は異なっていてもよい。)で表される環である請求項1〜3のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

請求項5

一般式(I)において、R1及びR2が同一又は異なって、C1〜C6アルキル基であり、R1及びR2が互いに結合して隣接する窒素原子と共にモルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよく、R3及びR4が水素原子であり、或いはR1及びR3が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R2及びR4が結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R5が保護されていてもよい水酸基又は式(A):−NR51R52で示される基であり、R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR52は同一又は異なって、C1〜C6アルキル基であり、R6及びR7が水素原子であり、或いはR51及びR6が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R52及びR7が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、qが0であり、WがCH2又はCOであり、ZがOであり、mが0であり、nが0である、請求項1〜4のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

請求項6

一般式(I)において、R1及びR2が同一又は異なって、C1〜C3アルキル基であり、R3及びR4が水素原子であり、R5が保護されていてもよい水酸基又は式(A):−NR51R52で示される基であり、R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR52は同一又は異なって、C1〜C3アルキル基であり、R6及びR7が水素原子であり、qが0であり、WがCH2又はCOであり、ZがOであり、mが0であり、nが0である、請求項1〜5のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

請求項7

一般式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)と3個以上の配位座を有する化合物とが混合されてなる、請求項1〜6のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

請求項8

一般式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)を含む容器、及び3個以上の配位座を有する化合物を含む容器を有してなるキットの形態である、請求項1〜6のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

請求項9

鉄(II)イオン検出方法であって、(1)鉄(II)イオンを含む検体と、項1〜8のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤とを混合する工程、及び(2)得られた混合物蛍光スペクトルを測定する工程を含むことを特徴とする検出方法。

請求項10

鉄(II)イオンの検出感度を増強する方法であって、(1)鉄(II)イオンを含む検体と、項1〜8のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤とを混合する工程、及び(2)得られた混合物の蛍光スペクトルを測定する工程を含むことを特徴とする検出感度の増強方法

請求項11

鉄(II)イオン検出剤の製造方法であって、一般式(I):(式中、R1及びR2は同一又は異なって、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基、アリール基又はアリール低級アルキル基であり、R3及びR4は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基であり、R1及びR2が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよく、R1及びR3が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R2及びR4が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R5は水素原子、保護されていてもよい水酸基、低級アルコキシ基又は式(A):−NR51R52(式中、R51及びR52は同一又は異なって、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基、アリール基又はアリール低級アルキル基であり、或いはR51及びR52が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよい。)で示される基であり、R6及びR7は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基であり、R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR6が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R52及びR7が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、環Aは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環であり、VはO又はSiR10R11(R10及びR11は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示す。)であり、WはCH2、CO又はS(O)pであり、ZはO又はNR9(R9は水素原子又はアルキル基を示す。)であり、m及びnは同一又は異なって、0又は1であり、pは1又は2である。)で表される化合物(蛍光プローブ)と、3個以上の配位座を有する化合物とを混合することを特徴とする製造方法。

技術分野

0001

本発明は鉄(II)イオン検出剤に関する。具体的には、試験管内及び生細胞内の鉄(II)イオンを選択的かつ高感度で測定することができる鉄(II)イオン検出剤に関する。

背景技術

0002

鉄は人体中において最も多く含まれている遷移金属種であり、酸素運搬呼吸器系における電子伝達などをはじめ、様々な生命現象関与している。一方、体内における鉄の濃度異常はがんアルツハイマー病パーキンソン病などの重篤疾患に関与することが指摘されており、特に、生体内遊離鉄イオンの大半を占める鉄(II)イオンはその高い活性酸素種生成能のために、最近アスベスト発がんC型肝炎においてもその関与が示唆されている。(例えば、特許文献1及び2、非特許文献1〜5)。そのため、生細胞や生組織中において鉄(II)イオンを選択的に検知できかつ濃度変化鋭敏に検知できる蛍光プローブが開発できれば、鉄(II)イオンが関与する病態や生命現象の研究、医薬品開発等において非常に重要な手法となる。

0003

近年、生体分子、イオン等を標識できる蛍光プローブの開発が積極的に行われており、例えば、フルオレセインローダミン等の蛍光団基本骨格として有する蛍光プローブが数多く報告されている(例えば、特許文献3及び4、非特許文献6及び7等)。

0004

これまで、鉄イオンを検知する蛍光プローブとしては消光型鉄イオン検出プローブの報告例はあるが(例えば、非特許文献8及び9等)、このプローブでは鉄イオンの検知感度選択性が低く濃度変化を鋭敏に検知することが困難であった。

0005

また、特許文献5には、アルミニウムイオン及び/又は第二鉄イオン測定用の蛍光プローブが報告されているが、対象が鉄(III)イオンであり鉄(II)イオンを対象とするものではないし、金属イオンの選択性も充分ではなかった。

0006

上記の課題を解決するべく、特許文献6には、N−オキシド部分構造を有する鉄(II)イオン検出蛍光プローブ(例えば、RhoNox-1等、図1を参照)が報告されている。この蛍光プローブは、N−オキシド部分が鉄(II)イオンと反応して脱酸素化反応を受けることで蛍光が増大する特性を利用している。このような鉄(II)イオンに対し発蛍光型の応答を示す蛍光プローブは、従来の消光型の応答を示す蛍光プローブとは一線を画す極めて独創的なものであり、当該蛍光プローブは、鉄(II)イオンの検知感度や選択性に優れているという特徴を有している。

0007

さらに、非特許文献10〜12には、特許文献6の蛍光プローブ(RhoNox-1等)を改良した蛍光プローブが報告されている。特許文献10〜12の蛍光プローブは、具体的には、RhoNox-1のローダミン骨格カルボキシル基ヒドロキシル基へ変換した化合物(例えば、HMRhoNox-M、HMRhoNox-E等、図1を参照)である。

0008

特開2011-79834号公報
米国特許出願公開第2009/137612号明細書
国際公開第01/62755号
国際公開第99/01447号
特開2004-101389号公報
特開2013-193990号公報

先行技術

0009

Bartzokis, G. et al. In vivo evaluation of brain iron in Alzheimer's disease and normal subjects usingMRI. Biol. Psychiatry 35, 480-487 (1994)
Cuajungco, M.P. et al. Metal chelation as a potential therapy for Alzheimer's disease. Ann. N. E. Acad. Sci. 920: 292-304 (2000)
Dexter, D. T. et al. Increased Nigral Iron Content and Alterations in Other Metal Ions Occurring in Brain in Parkinson's Disease. J. Neurochem. 52, 1830-1836 (1989)
Toyokuni, S. Elucidation of Asbestos-induced Carcinogenesis and Its Application to Prevention, Diagnosis and Treatment in Relation to Iron. Japan. J. of Lung Cancer 49(4), 362-367 (2009)
Nishina S, Korenaga M, Hidaka I, Shinozaki A, Sakai A, Gondo T, Tabuchi M, Kishi F, Hino K. Hepatitis C virus protein and iron overload induce hepatic steatosis through the unfolded protein response in mice. Liver Int. 30(5) 683-92 (2010)
Kikuchi, K., Komatsu, K. & Nagano, T. Zinc sensing for cellular application. Current opinion in chemical biology 8, 182-91 (2004)
Que, E.L., Domaille, D.W. & Chang, C.J. Metals in neurobiology: probing their chemistry and biology with molecular imaging. Chemical reviews 108, 1517-49 (2008)
Fakih, S. et al. Targeting the lysosome: fluorescent iron(III) chelators to selectively monitor endosomal/lysosomal labile iron pools. Journal of medicinal chemistry 51, 4539-52 (2008)
Rauen, U. et al. Assessment of Chelatable Mitochondrial Iron by Using Mitochondrion-Selective Fluorescent Iron Indicators with Different Iron-Binding Affinities. ChemBioChem 8, 341-352 (2007)
日本ケミカルバイオロジー学会第8回年会(2013年)学会要旨集159頁
第7回バイオ関連化学シンポジウム(2013年)学会要旨集、101頁
日本化学会第93季年会(2013年)学会要旨集、発表番号2E3−49

発明が解決しようとする課題

0010

上記の特許文献6には、鉄(II)イオンの検知感度や選択性に優れた蛍光プローブが報告されている。しかし、鉄(II)イオンに対する応答速度が必ずしも充分ではなく、臨床検査薬検出キット自動測定装置等への展開を考えた場合、より迅速な蛍光応答性能をもつ鉄(II)イオン検出剤が望まれていた。

0011

本発明は、特許文献6に記載された蛍光プローブと比べて、鉄(II)イオンを高感度かつ迅速に蛍光検出できる鉄(II)イオン検出剤及びそれを用いた検出方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特許文献6に記載された鉄(II)イオン選択的蛍光プローブに、ニトリロ三酢酸NTA)、エチレンジアミン四酢酸EDTA)等のアミノ酢酸キレート化合物共存させることで、鉄(II)イオン蛍光プローブの蛍光応答の応答速度及び蛍光応答のコントラストが大きく増大することを見出した。つまり、特許文献6に記載された蛍光プローブの鉄(II)イオンに対する蛍光応答をさらに高感度化できることを見出した。かかる知見に基づきさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。

0013

本発明は、下記の鉄(II)イオン検出剤を提供する。

0014

項1.一般式(I):

0015

0016

(式中、
R1及びR2は同一又は異なって、低級アルキル基カルボキシ低級アルキル基、アリール基又はアリール低級アルキル基であり、
R3及びR4は同一又は異なって、水素原子ハロゲン原子又は低級アルキル基であり、
R1及びR2が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環ピペリジン環モルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよく、
R1及びR3が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、
R2及びR4が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、
R5は水素原子、保護されていてもよい水酸基、低級アルコキシ基又は式(A):−NR51R52(式中、R51及びR52は同一又は異なって、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基、アリール基又はアリール低級アルキル基であり、或いはR51及びR52が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよい。)で示される基であり、
R6及びR7は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基であり、
R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR6が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R52及びR7が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、
環Aは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環であり、
VはO又はSiR10R11(R10及びR11は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示す。)であり、
WはCH2、CO又はS(O)pであり、
ZはO又はNR9(R9は水素原子又はアルキル基を示す。)であり、
m及びnは同一又は異なって、0又は1であり、
pは1又は2である。)
で表される化合物(蛍光プローブ)、並びに3個以上の配位座(coordinating positions)を有する化合物を組み合わせてなる鉄(II)イオン検出剤。

0017

項2.前記3個以上の配位座を有する化合物が、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ホスホン酸基及び含窒素ヘテロ芳香環からなる群より選ばれる同一又は異なる3個以上の配位座を有する化合物である項1に記載の鉄(II)イオン検出剤。

0018

項3.前記3個以上の配位座を有する化合物が、イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、N,N,N',N'−エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸HEDTA)、トリエチレンテトラミン酢酸(TTHA)、1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸(CyDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA又はEGTA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジルエチレンジアミン二酢酸(HBED)、エチレンジアミン二プロピオン酸(EDDP)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA−OH)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ヘキサメチレンジアミン四酢酸(HDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジアミノプロパン四酢酸(Methyl−EDTA)、ニトリロ三プロピオン酸(NTP)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、O,O'−ビス−2−アミノフェニル−N,N,N',N'−四酢酸(BAPTA)、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸)(EDTPO)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(NTPO)、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、ホスホノブタンカルボン酸(PBTC)、トリス(2−ピリジルメチルアミン(TPA)、ジピコリルアミン(DPA)、o−アミノフェノール−N,N,O−三酢酸(APTRA)、ポルフィリン若しくはその誘導体フタロシアニン若しくはその誘導体、1,4,7−トリアザシクロノナン(TACN)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(CYCLEN)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(CYCLAM)、又はこれらの塩類である項1又は2に記載の鉄(II)イオン検出剤。

0019

項4.一般式(I)において、環Aが、式(a):

0020

0021

(式中、R8は、保護されていてもよい水酸基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、−N=C=O、−N=C=S、スルホ基又は活性エステル基であり、qは0、1、2又は3であり、qが2又は3のとき、R8は同一又は異なっていてもよい。)
で表される環である項1〜3のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

0022

項5.一般式(I)において、R1及びR2が同一又は異なって、C1〜C6アルキル基であり、R1及びR2が互いに結合して隣接する窒素原子と共にモルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよく、R3及びR4が水素原子であり、或いはR1及びR3が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R2及びR4が結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R5が保護されていてもよい水酸基又は式(A):−NR51R52で示される基であり、R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR52は同一又は異なって、C1〜C6アルキル基であり、R6及びR7が水素原子であり、或いはR51及びR6が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R52及びR7が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、qが0であり、WがCH2又はCOであり、ZがOであり、mが0であり、nが0である、項1〜4のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

0023

項6.一般式(I)において、R1及びR2が同一又は異なって、C1〜C3アルキル基であり、R3及びR4が水素原子であり、R5が保護されていてもよい水酸基又は式(A):−NR51R52で示される基であり、R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR52は同一又は異なって、C1〜C3アルキル基であり、R6及びR7が水素原子であり、qが0であり、WがCH2又はCOであり、ZがOであり、mが0であり、nが0である、項1〜5のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

0024

項7.一般式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)と3個以上の配位座を有する化合物とが混合されてなる、項1〜6のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

0025

項8.一般式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)を含む容器、及び3個以上の配位座を有する化合物を含む容器を有してなるキットの形態である、項1〜6のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤。

0026

項9.鉄(II)イオンの検出方法であって、
(1)鉄(II)イオンを含む検体と、項1〜8のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤とを混合する工程、及び
(2)得られた混合物蛍光スペクトルを測定する工程
を含むことを特徴とする検出方法。

0027

項10.鉄(II)イオンの検出感度を増強する方法であって、
(1)鉄(II)イオンを含む検体と、項1〜8のいずれかに記載の鉄(II)イオン検出剤とを混合する工程、及び
(2)得られた混合物の蛍光スペクトルを測定する工程
を含むことを特徴とする検出感度の増強方法

0028

項11.鉄(II)イオン検出剤の製造方法であって、一般式(I):

0029

0030

(式中、
R1及びR2は同一又は異なって、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基、アリール基又はアリール低級アルキル基であり、
R3及びR4は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基であり、
R1及びR2が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよく、
R1及びR3が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、
R2及びR4が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、
R5は水素原子、保護されていてもよい水酸基、低級アルコキシ基又は式(A):−NR51R52(式中、R51及びR52は同一又は異なって、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基、アリール基又はアリール低級アルキル基であり、或いはR51及びR52が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成していてもよい。)で示される基であり、
R6及びR7は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基であり、
R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR6が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R52及びR7が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、
環Aは置換されていてもよい芳香環又は置換されていてもよいヘテロ芳香環であり、
VはO又はSiR10R11(R10及びR11は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示す。)であり、
WはCH2、CO又はS(O)pであり、
ZはO又はNR9(R9は水素原子又はアルキル基を示す。)であり、
m及びnは同一又は異なって、0又は1であり、
pは1又は2である。)
で表される化合物(蛍光プローブ)と、3個以上の配位座を有する化合物とを混合することを特徴とする製造方法。

発明の効果

0031

本発明の鉄(II)イオン検出剤は、一般式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)と3個以上の配位座を有する化合物を含んでおり、蛍光プローブのみと比べて、鉄(II)イオンを高感度かつ迅速に蛍光検出できる。

0032

具体的には、当該蛍光プローブは、鉄(II)イオンと選択的に反応してN−オキシドが還元されアミノ基に変換されて強い蛍光を発する。特許文献6(特開2013-193990号公報)によれば、当該蛍光プローブは、2,2’−ビピリジル等のキレート剤で安定化された不活性な鉄(II)イオンとは反応しないと認識されていた(特許文献6の段落[0024]、[0098]、図7等)。しかし、今回予想に反して、蛍光プローブに3個以上の配位座を有する化合物を添加することにより、鉄(II)イオンを更に高感度かつ迅速に蛍光検出できることが分かった。例えば、当該蛍光プローブだけを用いて1時間かかっていた測定時間を、5分から10分程度に大幅に短縮することができる(例えば、試験例1、図2の(e)及び(f)を参照)。

0033

本発明の鉄(II)イオン検出方法は、NTA(ニトリロ三酢酸)やエチレンジアミン四酢酸等(EDTA)等の安価かつ入手容易な3個以上の配位座を有する化合物を当該蛍光プローブと混合して使用するだけでよく、極めて簡便な操作で実施することができる。そのため汎用性も高い。

0034

本発明の鉄(II)イオン検出剤は、試験管内及び細胞内における鉄(II)イオンの増減蛍光顕微鏡等で選択的かつ定量的に、しかも迅速且つ高感度に検出できるため、鉄の関与が疑われる疾患の病態解明研究において極めて有用である。また、医療現場、医薬品開発等の迅速な試験が必要となる場面においても極めて有用である。

0035

また、材料としての鉄の腐食始期では鉄(II)イオンが鍵となっていることから、船舶等における鉄の腐食機構の解明研究にも用いることができる。そのため、本発明の鉄(II)イオン検出剤は、医学のみならず材料科学分野にも貢献し得る。

図面の簡単な説明

0036

上段:RhoNox-1とヒドロキシメチルローダミン(HMRhoNox-M、HMRhoNox-E)及びヒドロキシメチルロドール(HMFluNox-M、HMFluNox-E)を蛍光団としたN-オキシド型鉄(II)イオン蛍光プローブ分子の構造を示す。下段:今回用いた多座配位子化合物の構造と名称を示す。
(a)〜(d)は、RhoNox-1に対して硫酸鉄(II)を各種多座配位子化合物の存在下で加えた時の蛍光スペクトル変化を示す。(a) 多座配位子化合物無し、(b)NTA、(c)EDTA、(d)TPA。点線は多座配位子化合物無しの場合の1時間後の蛍光強度を示す。(e) 各スペクトル変化の575 nmにおける蛍光強度の時間変化を示す。灰色丸:多座配位子化合物無し、黒四角:NTA、黒三角:EDTA、黒丸:TPA。(f) 上記(e)の0秒から900秒までの部分を拡大したもの。測定条件:2 μM RhoNox-1、20 μM FeSO4、200 μM多座配位子化合物、50 mMHEPES緩衝溶液(pH 7.4)中で測定した。励起波長:540 nm。
(a)及び(b)は、HMRhoNox-Mに対して硫酸鉄(II)をNTAの存在下で加えた時の蛍光スペクトル変化を示す。(a)NTA無し、(b) NTA。 (c) 各スペクトル変化の575 nmにおける蛍光強度の時間変化を示す。灰色丸:NTA無し、黒丸:NTA。(d) (c)の0秒から900秒までの部分を拡大したもの。測定条件:2 μM HMRhoNox-M、20 μM FeSO4、200 μMNTA、50 mM HEPES緩衝溶液(pH 7.4)中で測定した。励起波長:550 nm。(e)及び(f)は、HMFluNox-Mに対して硫酸鉄(II)をNTAの存在下で加えた時の蛍光スペクトル変化を示す。(e)NTA無し、(f) NTA。 (g) 各スペクトル変化の535 nmにおける蛍光強度の時間変化を示す。灰色丸:NTA無し、黒丸:NTA。(h) (g)の0秒から900秒までの部分を拡大したもの。測定条件:2 μM HMFluNox-M、20 μM FeSO4、200 μMNTA、50 mM HEPES緩衝溶液(pH 7.4)中で測定した。励起波長:520 nm。
(a)は、FluNox-1の構造を示す。(b)〜(e)は、FluNox-1に対して各種金属化合物を各種多座配位子化合物の存在下で加えてから30分後の蛍光強度をマイクロプレートリーダーで測定した結果を示す。縦軸は、蛍光プローブのみを加えた場合(図中、「no metal」)の蛍光強度を「1」とした、相対値である。 (b) IDA、(c) NTA、(d) EDTA、(e) TPA。励起波長:490 nm、測定波長:510〜570 nm。
(a)は、FluNox-2の構造を示す。(b)〜(e)は、FluNox-2に対して各種金属化合物を各種多座配位子化合物の存在下で加えてから30分後の蛍光強度をマイクロプレートリーダーで測定した結果を示す。縦軸は、蛍光プローブのみを加えた場合(図中、「no metal」)の蛍光強度を「1」とした、相対値である。(b) IDA、(c) NTA、(d) EDTA、(e) TPA。励起波長:490 nm、測定波長:510〜570 nm。
(a)は、RhoNox-1の構造を示す。(b)〜(e)は、RhoNox-1に対して各種金属化合物を各種多座配位子化合物の存在下で加えてから30分後の蛍光強度をマイクロプレートリーダーで測定した結果を示す。縦軸は、蛍光プローブのみを加えた場合(図中、「no metal」)の蛍光強度を「1」とした、相対値である。(b) IDA、(c) NTA、(d) EDTA、(e) TPA。励起波長:525 nm、測定波長:580〜640 nm。
(a)は、RhoNox-2の構造を示す。(b)〜(e)は、RhoNox-2に対して各種金属化合物を各種多座配位子化合物の存在下で加えてから30分後の蛍光強度をマイクロプレートリーダーで測定した結果を示す。縦軸は、蛍光プローブのみを加えた場合(図中、「no metal」)の蛍光強度を「1」とした、相対値である。(b) IDA、(c) NTA、(d) EDTA、(e) TPA。励起波長:525 nm、測定波長:580〜640 nm。
(a)は、RhoNox-3の構造を示す。(b)〜(e)は、RhoNox-3に対して各種金属化合物を各種多座配位子化合物の存在下で加えてから30分後の蛍光強度をマイクロプレートリーダーで測定した結果を示す。縦軸は、蛍光プローブのみを加えた場合(図中、「no metal」)の蛍光強度を「1」とした、相対値である。(b) IDA、(c) NTA、(d) EDTA、(e) TPA。励起波長:525 nm、測定波長:580〜640 nm。
(a)は、Si-RhoNox-1の構造を示す。(b)は、Si-RhoNox-1に対して各種金属化合物をTPAの存在下で加えてから30分後の蛍光強度をマイクロプレートリーダーで測定した結果を示す。縦軸は、蛍光プローブのみを加えた場合(図中、「no metal」)の蛍光強度を「1」とした、相対値である。励起波長:625 nm、測定波長:660〜720 nm。
(a)〜(f)は、蛍光プローブに対して硫酸鉄(II)を各種多座配位子化合物の存在下で加えてからの、蛍光強度の時間変化を分光蛍光光度計で測定した結果を示す。縦軸は、蛍光プローブのみを加えた場合の蛍光強度を「1」とした、相対値である。 (a) FluNox-1、(b) FluNox-2、(c) RhoNox-1、(d) RhoNox-2、(e) RhoNox-3、(f) Si-RhoNox-1。灰色丸:多座配位子化合物無し、黒三角:IDA、黒四角:NTA、黒丸:EDTA、黒逆三角:TPA。励起波長:500 nm (FluNox-1及びFluNox-2)、530 nm (RhoNox-1、RhoNox-2、及びRhoNox-3)、630 nm (SiRhoNox-1)。測定波長:530 nm (FluNox-1及びFluNox-2)、570 nm (RhoNox-1、RhoNox-2、及びRhoNox-3)、665 nm (SiRhoNox-1)。

0037

以下、本発明について詳細に説明する。
1.本発明の鉄(II)イオン検出剤
本発明の鉄(II)イオン検出剤は、一般式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)、及び3個以上の配位座を有する化合物(以下、「多座配位子化合物」と表記する場合がある)を組み合わせてなる。

0038

(1)一般式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)
一般式(I)で表される化合物はN−オキシド部位を有し、この部位が鉄(II)イオンと選択的に反応してアミノ基に変換される。得られたアミノ基含有化合物は強い蛍光を発することから、一般式(I)で表される化合物は、鉄(II)イオンを高選択的かつ高感度で検出できる蛍光特性を有しているため、鉄(II)イオン選択的な蛍光プローブとして有用である。

0039

なお、本発明において、検出対象である鉄(II)イオンは、遊離の鉄(II)イオンのみならず、鉄(II)イオンと配位子様化合物クエン酸アミノ酸プロトポルフィリンIX等)と配位した化合物も包含される。

0040

R1、R2、R3、R4、R51、R52、R6及びR7で示される「低級アルキル基」としては、例えば、直鎖又は分枝鎖のC1〜C6アルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基のC1〜C3アルキル基であり、より好ましくは、メチル基又はエチル基である。

0041

R1、R2、R51及びR52で示される「カルボキシ低級アルキル基」としては、上記「低級アルキル基」の1個以上の水素原子がカルボキシル基で置換された基であり、例えば、1〜3個(特に、1個)のカルボキシル基を有する直鎖又は分枝鎖のC1〜C6アルキル基が挙げられ、具体的には、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基等が挙げられる。好ましくは2−カルボキシエチル基である。

0042

R1、R2、R51及びR52で示される「アリール基」としては、例えば、単環又は二環のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基トルイル基、キシリル基ナフチル基等が挙げられる。好ましくはフェニル基である。

0043

R1、R2、R51及びR52で示される「アリール基低級アルキル基」としては、上記「低級アルキル基」の1個以上の水素原子がアリール基で置換された基であり、例えば、ベンジル基フェネチル基等のフェニルC1〜6アルキル基が挙げられる。好ましくはベンジル基である。

0044

R3、R4、R6及びR7で示される「ハロゲン原子」としては、フッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子が挙げられる。

0045

R5で示される「低級アルコキシ基」としては、例えば、直鎖又は分枝鎖のC1〜C6アルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシル基オキシ、イソヘキシルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基等が挙げられる。

0046

R5で示される「保護されていてもよい水酸基」における保護基としては、例えば、メトキシメチル基(MOM)、2−テトラヒドロピラニルTHP)基、アセチル基(Ac)等が挙げられる。

0047

R1及びR2が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環を形成するとは、好ましくは、式:

0048

0049

(式中、R1又はR2は前記に同じ。)
で示される基が、式:

0050

0051

(式中、XはO、CH2、又はNR12(R12は水素又はアルキルカルボニル基を示す。)である。)
で示される基であることを意味する。

0052

R12で示される「アルキルカルボニル基」としては、例えば、C2〜C6アルキルカルボニル基が挙げられ、具体的には、アセチル基、プロピオニル基ブチリル基イソブチリル基等が挙げられる。好ましくは、アセチル基、プロピオニル基等のC2〜C3アルキルカルボニル基であり、より好ましくは、アセチル基である。

0053

R1及びR3が互いに結合してトリメチレン基(-CH2CH2CH2-;以下同じ)を形成する、及び/又は、R2及びR4が互いに結合してトリメチレン基を形成するとは、式:

0054

0055

(式中、R1、R2、R3及びR4は前記に同じ。)
で示される基が、式:

0056

0057

(式中、R1、R2、R3及びR4は前記に同じ。)
で示される基であることを意味する。

0058

R5が式(A)で示される基の場合、R51及びR52が互いに結合して隣接する窒素原子と共にピロリジン環、ピペリジン環又はモルホリン環を形成するとは、好ましくは、式:

0059

0060

(式中、R51又はR52は前記に同じ。)
で示される基が、式:

0061

0062

(式中、YはO、CH2、又はNR13(R13は水素又はアルキルカルボニル基を示す。)である。)
で示される基であることを意味する。

0063

R13で示される「アルキルカルボニル基」としては、例えば、C2〜C6アルキルカルボニル基が挙げられ、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基等が挙げられる。好ましくは、アセチル基、プロピオニル基等のC2〜C3アルキルカルボニル基であり、より好ましくは、アセチル基である。

0064

R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR6が互いに結合してトリメチレン基を形成する、及び/又は、R52及びR7が互いに結合してトリメチレン基を形成するとは、式:

0065

0066

(式中、R51、R52、R6、R7及びnは前記に同じ。)
で示される基が、式:

0067

0068

(式中、R51、R52、R6及びR7は前記に同じ。)
で示される基であることを意味する。

0069

環Aで示される置換されていてもよい芳香環における、芳香環としては、単環、二環又は三環式の芳香環が挙げられ、例えば、ベンゼン環ナフタレン環アントラセン環フェナントレン環等が挙げられる。芳香環の置換基としては、例えば、保護されていてもよい水酸基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、−N=C=O、−N=C=S、スルホ基又は活性エステル基等が挙げられる。これらの置換基は芳香環上に1〜3個有していてもよい。

0070

環Aで示される置換されていてもよいヘテロ芳香環における、ヘテロ芳香環としては、単環、二環又は三環式の酸素窒素及び硫黄からなる群より選ばれる1〜3個の原子を含むヘテロ芳香環が挙げられる。例えば、チオフェン環フラン環ピロール環イミダゾール環ピリジン環ピラジン環ピリミジン環ピリダジン環、インドール環キノリン環イソキノリン環フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、アクリジン環等が挙げられる。ヘテロ芳香環の置換基としては、例えば、保護されていてもよい水酸基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、−N=C=O、−N=C=S、スルホ基又は活性エステル基等が挙げられる。これらの置換基はヘテロ芳香環上に1〜3個有していてもよい。

0071

環Aとして好ましくは、式(a):

0072

0073

(式中、R8は、保護されていてもよい水酸基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、−N=C=O、−N=C=S、スルホ基又は活性エステル基であり、qは0、1、2又は3であり、qが2又は3のとき、R8は同一又は異なっていてもよい。)
で表される環である。

0074

環A上の置換基(R8を含む)である「保護されていてもよい水酸基」における保護基としては、例えば、メトキシメチル基(MOM)、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、アセチル基(Ac)等が挙げられる。

0075

環A上の置換基(R8を含む)である「低級アルコキシ基」としては、例えば、直鎖又は分枝鎖のC1〜C6(特にC1〜C3)アルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基等が挙げられる。

0076

環A上の置換基(R8を含む)である「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。

0077

環A上の置換基(R8を含む)である「低級アルコキシカルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基等の直鎖又は分枝鎖の(C1〜C6アルコキシ基)カルボニル基が挙げられる。

0078

環A上の置換基(R8を含む)である活性エステル基としては、カルボキシル基(−COOH)が反応性の高い活性エステルに変換された基であり、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミドを用いた活性エステル基(例えば、−C(=O)OSu:Suはコハク酸イミド基)、カルボン酸を混合酸無水物にした基(例えば、−C(=O)OC(=O)R:RはC1〜C6アルキル基)、CDIを用いたイミダゾライド基(例えば、−C(=O)−Im:Imは1−イミダゾリル基)等が挙げられる。

0079

式(a)において、qは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。qが1のとき、R8が結合するベンゼン環の結合位置として好ましくは、

0080

0081

(式中、R8、W及びZは前記に同じ。)
が挙げられる。 WはCH2、CO又はS(O)pであり、好ましくはCH2又はCOであり、より好ましくはCOである。

0082

ZはO又はNR9(R9は水素原子又はアルキル基を示す。)であり、好ましくはOである。

0083

R9で示されるアルキル基としては、例えば、直鎖又は分岐のC1〜C6アルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。

0084

mは0又は1であり、好ましくは0である。

0085

nは0又は1であり、好ましくは0である。

0086

pは1又は2であり、好ましくは2である。

0087

一般式(I)で表される化合物の好ましいものとしては、R1及びR2が同一又は異なって、C1〜C6アルキル基であり、R1及びR2が互いに結合して隣接する窒素原子と共にモルホリン環、又は置換されていてもよいピペラジン環(好ましくは置換されていてもよいピペラジン環、より好ましくはアルキルカルボニル基で置換されているピペラジン環)を形成していてもよく、R3及びR4が水素原子であり、或いはR1及びR3が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R2及びR4が結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R5が保護されていてもよい水酸基又は式(A):−NR51R52で示される基であり、R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR52は同一又は異なって、C1〜C6アルキル基であり、R6及びR7が水素原子であり、或いはR51及びR6が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R52及びR7が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、qが0であり、WがCH2又はCOであり、ZがOであり、mが0であり、nが0である、化合物が挙げられる。

0088

一般式(I)で表される化合物のより好ましいものとしては、R1及びR2が同一又は異なって、C1〜C6アルキル基であり、R3及びR4が水素原子であり、或いはR1及びR3が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R2及びR4が結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R5が保護されていてもよい水酸基又は式(A):−NR51R52で示される基であり、R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR52は同一又は異なって、C1〜C6アルキル基であり、R6及びR7が水素原子であり、或いはR51及びR6が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、R52及びR7が互いに結合してトリメチレン基を形成していてもよく、qが0であり、WがCH2又はCOであり、ZがOであり、mが0であり、nが0である、化合物が挙げられる。

0089

本発明の化合物のよりさらに好ましいものとしては、一般式(I)において、R1及びR2が同一又は異なって、C1〜C3アルキル基であり、R3及びR4が水素原子であり、R5が保護されていてもよい水酸基又は式(A):−NR51R52で示される基であり、R5が式(A)で示される基のとき、R51及びR52は同一又は異なって、C1〜C3アルキル基であり、R6及びR7が水素原子であり、R8が水素原子であり、qが0であり、WがCH2又はCOであり、ZがOであり、mが0であり、nが0である、化合物が挙げられる。

0090

本発明の化合物の特に好ましいものとしては、一般式(IA):

0091

0092

(式中、W’はCH2又はCOであり、R1、R2、R3、R4、R51、R52、R6、R7、及びVは前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。

0093

VはO又はSiR10R11であり、好ましくはOである。R10及びR11は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基であり、好ましくは低級アルキル基である。R10又はR11で低級アルキル基としては、例えば直鎖又は分枝のC1〜C4のアルキル基であり、好ましくはC1〜2のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。

0094

このうち特に好ましいものとしては、VがOであり、R1、R2、R51及びR52が同一又は異なって、C1〜C3アルキル基(さらにメチル基又はエチル基、特にエチル基)であり、R3、R2、R6及びR7が水素原子である化合物が挙げられる。

0095

一般式(I)で表される化合物は、基R5が電子供与性の窒素原子や酸素原子等を有する場合(例えば、−NR51R52、水酸基)、その電子供与により、キサンテン骨格のベンゼン環の共役系が移動して環が開環した化合物となる場合もある。例えば、基R5が−NR51R52の場合には、開環して一般式(Ia):

0096

0097

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、V、W、Z、環A、m及びnは前記に同じ。)
で表される化合物となる。別の例として、基R5が水酸基の場合には、開環して一般式(Ib):

0098

0099

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、V、W、Z、環A、m及びnは前記に同じ。)
で表わされる化合物となる。
一般式(I)で表される化合物及び/又は一般式(Ia)で表される化合物を媒体溶媒)に溶解した場合には、通常、一般式(I)で表される化合物及び一般式(Ia)で表される化合物の平衡状態にあり、その媒体(溶媒)の極性やpH等によりその平衡偏りが変動し得る。そのため、本明細書では、一般式(I)で表される化合物及び一般式(Ia)で表される化合物をまとめて、一般式(I)で表される化合物として表記することとする。

0100

上記一般式(I)で表される化合物は、例えば次のようにして製造することができる。

0101

0102

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、V、W、Z、環A、m及びnは前記に同じ。)
一般式(II)で表される化合物は容易に入手できるか、或いは公知の方法に従い又は準じて製造することができる。

0103

一般式(II)で表される化合物のうちWがC=Oである化合物は、市販されているか、或いは、例えば、Bioorg. Med. Chem. 17 (2009) 6952-6958、Org. Lett. 12 (2007) 496-499、Org. Lett. 13 (2010), 6354-6357、Tetrahedron 61 (2005) 3097-3105等の記載に従い又は準じて製造することができる。

0104

また、一般式(II)で表される化合物のうちWがCH2である化合物は、例えば、Organic Letters 2010, 12, 3219−21、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 12960−3等の記載に従い又は準じて製造することができる。

0105

一般式(I)で表される化合物は、一般式(II)で表される化合物を酸化反応(窒素原子のN−オキサイド化反応)に付すことにより製造することができる。例えば、特許文献6の記載に従い又は準じて製造することができる。

0106

原料である一般式(II)で表される化合物は、基R1及びR2が結合する窒素原子からの電子供与により、キサンテン骨格のベンゼン環の共役系が移動して環が開環した、一般式(IIa):

0107

0108

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、V、W、Z、環A、m及びnは前記に同じ。)
で表される化合物となる場合もある。この化合物は、通常、強い蛍光を発する。一般式(II)で表される化合物及び/又は一般式(IIa)で表される化合物を媒体(溶媒)に溶解した場合には、通常、一般式(II)で表される化合物及び一般式(IIa)で表される化合物の平衡状態にあり、その媒体(溶媒)の極性やpH等によりその平衡の偏りが変動し得る。そのため、本明細書では、一般式(II)で表される化合物及び一般式(IIa)で表される化合物をまとめて、一般式(II)で表される化合物として表記することとする。
(2)3個以上の配位座を有する化合物
3個以上の配位座を有する化合物(多座配位子化合物)としては、例えば、アミノ基、水酸基、エーテル基(−O−)、カルボキシル基、ホスホン酸基及び含窒素ヘテロ芳香環からなる群より選ばれる同一又は異なる3個以上の配位座を有する化合物が挙げられる。

0109

ここで、アミノ基とは、sp3混成軌道を有する窒素原子を含む部分構造を意味する。

0110

また、含窒素ヘテロ芳香環とは、窒素原子を1〜3個含むヘテロ芳香環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、ピロール環等)の部分構造を意味する。当該含窒素ヘテロ芳香環は置換基(例えば、フェニル、トルイル、キシリルメシチル等のアリール基;メチルエチル等のアルキル基等)を1〜3個有していてもよい。

0111

上記配位座のうち、アミノ基、カルボキシル基、ホスホン酸基及び含窒素ヘテロ芳香環(ピリジン環、ピロール環等)が好ましく、さらにアミノ基、カルボキシル基及びピリジジン環がより好ましく、アミノ基、及びピリジン環がさらに好ましい。化合物中の配位座の数は、通常、3〜16個、好ましくは4〜12個、より好ましくは4〜10個、さらに好ましくは4〜5個である。

0112

3個以上の配位座を有する化合物が窒素原子を含む場合、その数は5個以内であることが好ましい。

0113

3個以上の配位座を有する化合物がピリジン環を含む場合、その数は3個以内であることが好ましい。

0114

この3個以上の配位座を有する化合物は速やかに鉄(II)イオンと錯体を形成し、その錯体が式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)と反応してN−オキシドの還元反応(脱酸素化反応)を促進していると考えられる。この反応機構を考慮すると、3個以上の配位座を有する化合物としては、鉄(II)イオンと錯形成した時に、蛍光プローブが反応できる空配位サイトができるものが好適である。

0115

3個以上の配位座を有する化合物として具体的には、例えば、イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、N,N,N',N'−エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸(CyDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA又はEGTA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸(HBED)、エチレンジアミン二プロピオン酸(EDDP)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA−OH)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ヘキサメチレンジアミン四酢酸(HDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジアミノプロパン四酢酸(Methyl−EDTA)、ニトリロ三プロピオン酸(NTP)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、O,O'−ビス−2−アミノフェニル−N,N,N',N'−四酢酸(BAPTA)、o−アミノフェノール−N,N,O−三酢酸(APTRA)等のアミノカルボン酸化合物;エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(EDTPO)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(NTPO)、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、ホスホノブタン三カルボン酸(PBTC)等のホスホン酸化合物;トリス(2−ピリジルメチル)アミン(TPA)、ジピコリルアミン(DPA)、等のピリジルメチルアミン化合物;1,4,7−トリアザシクロノナン(TACN)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(CYCLEN)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(CYCLAM)等の環状ポリアミン化合物;ポルフィリン若しくはその誘導体、プロトポルフィリンIX若しくはその誘導体、フタロシアニン若しくはその誘導体、環状ポリピロール誘導体;又はこれらの塩類が挙げられる。これらの中でも、好ましくはピリジルメチルアミン化合物、アミノカルボン酸化合物等が挙げられ、より好ましくはピリジルメチルアミン化合物が挙げられる。

0116

3個以上の配位座を有する化合物の塩類としては、例えば、アルカリ金属塩リチウム塩ナトリウム塩カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩カルシウム塩等)、アンモニウム塩テトラアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。特に、カルボン酸を含む化合物の場合、アルカリ金属塩(ナトリウム塩)が好ましい。

0117

(3)鉄(II)イオン検出剤
本発明の鉄(II)イオン検出剤は、一般式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)と3個以上の配位座を有する化合物(多座配位子化合物)を組み合わせてなるものである。

0118

本発明の鉄(II)イオン検出剤は、上記の2成分を含むものであれば特に限定はなく、種々の形態が含まれる。例えば、一般式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)と3個以上の配位座を有する化合物(多座配位子化合物)が混合されてなる形態(例えば、組成物配合剤等)、或いは、両者が別々の容器に収容されている形態(例えば、キットの形態)が挙げられる。混合形態の場合には、固体粉末結晶等)状態、媒体(例えば、水、緩衝液等)に溶解又は分散した状態のいずれの場合も包含する。両者が別々の容器に収容された形態の場合にも、それぞれが固体状態、媒体(例えば、水、緩衝液等)に溶解又は分散した状態のいずれであってもよい。

0119

2.鉄(II)イオン検出方法
本発明の鉄(II)イオンを測定(又は検出)する方法は、(1)鉄(II)イオンを含む検体と、本発明の鉄(II)イオン検出剤とを混合する工程、及び(2)得られた混合物の蛍光スペクトルを測定する工程を含むことを特徴とする。具体的には、適当な緩衝液中で鉄(II)イオンを含む検体及び本発明の鉄(II)イオン検出剤を混合しインキュベートした後、この混合物に励起光を当てて蛍光を測定することで鉄(II)イオンを測定できる。

0120

緩衝液としては特に限定はなく、例えば、HEPES緩衝液(pH 7.4)等の公知のものを用いることができる。

0121

緩衝液中の式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)の濃度は特に限定はなく、通常、0.1μM〜1mM程度、好ましくは1μM〜0.1mM程度、より好ましくは5μM〜20μM程度である。また、緩衝液中の3個以上の配位座を有する化合物(多座配位子化合物)の濃度も特に限定はなく、通常、0.1μM〜10mM程度、好ましくは1μM〜1mM程度、より好ましくは10μM〜500μM程度である。

0122

緩衝液中において、3個以上の配位座を有する化合物(多座配位子化合物)は、式(I)で表される化合物(蛍光プローブ)1モルに対して、通常、1〜1000モル程度、好ましくは10〜100モル程度である。

0123

インキュベーションの温度及び時間は、特に限定されず、例えば、0〜40℃程度で10分〜2時間程度である。検体が細胞又は組織である場合には、その培養に適した温度(例えば、ヒト由来の細胞又は組織であれば37℃)であることが好ましい。

0124

蛍光の測定は、市販の蛍光計を用いることができる。細胞内の鉄(II)イオンの動態を調べる場合には、蛍光顕微鏡、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡等の公知の方法を用いて観察することができる。

0125

本発明の方法を採用することで、特許文献6に記載された蛍光プローブと比べて、鉄(II)イオンを高感度かつ迅速に蛍光検出することができる。

0126

本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0127

下記実施例において、化合物の精製にはシリカゲルカラムクロマトグラフィー又はアルミナクロマトグラフィーを使用し、化合物の同定には薄層クロマトグラフィーTLC)、ESI-MS(JEOL JMS-T100TD)、1H-NMR, 13C-NMR(JEOL ECA-500 spectrometer)を使用した。

0128

実施例1
3’−(ジエチルアミノ)−N,N−ジエチル−3−オキソ−3H−スピロイソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−6’−アミンオキサイド(以下、「RhoNox-1」と表記する)を、特許文献6に従って合成した。

0129

実施例2
(1)3'−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチル−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−6'−アミンオキシド(以下、「HMRhoNox-M」又は「RhoNox-2」と表記する)を次のようにして合成した。

0130

前駆化合物であるN3’,N3’,N6’,N6’−テトラメチル−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−3',6'−ジアミンを、Organic Letters 2010, 12, 3219−21、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 12960−3等に従い合成した。N3’,N3’,N6’,N6’−テトラメチル−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−3',6'−ジアミン90 mg(0.24 mmol)を酢酸エチル18 mLに溶解し、撹拌しながら0 ℃に冷却した。ここにメタクロロ過安息香酸83 mg(0.48 mmol)をゆっくり加え、室温に戻し、1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(クロロホルムメタノール=50:1から20:1)にて精製し、HMRhoNox-Mを無色の粉末として得た(64 mg、収率71%)。

0131

1H NMR(400MHz, CDCl3) δ: 7.91 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.6 Hz, 2.3 Hz, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.26 (m, 1H), 7.04 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 6.9Hz, 1H), 6.46 (m, 2H), 5.30 (dd, J = 20.0 Hz, 12.6 Hz, 2H), 3.58 (d, J = 4.0 Hz, 6H), 2.97 (s, 6H).
13C NMR ( MHz, CDCl3) δ: 154.5, 151.5, 151.3, 150.9, 144.5, 139.1, 129.9, 129.2, 128.4, 128.2, 128.2, 125.7, 123.8, 120.7, 114.2, 111.7, 109.2, 109.0, 98.5, 83.3, 72.1, 63.2, 63.1, 40.3.
HRMS (ESI+): m/z calculated for C24H25N2O3+: 389.1860, found 389.1871.

0132

(2)3'−(ジエチルアミノ)−N,N−ジエチル−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−6'−アミンオキシド(以下、「HMRhoNox-E」と表記する)を次のようにして合成した。

0133

前駆化合物であるN3’,N3’,N6’,N6’−テトラエチル−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−3',6'−ジアミンはOrganic Letters 2010, 12, 3219−21、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 12960−3等に従い合成した。N3’,N3’,N6’,N6’−テトラエチル−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−3',6'−ジアミン267 mg(0.62 mmol)を酢酸エチル20 mLに溶解し、撹拌しながら0 ℃に冷却した。ここにメタクロロ過安息香酸214 mg(1.24 mmol)をゆっくり加え、室温に戻し、1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1から10:1)にて精製し、HMRhoNox-Eを淡紫色の粉末として得た(145 mg、収率53%)。

0134

1H NMR(500MHz, CDCl3) δ : 7.78 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.28 (m, 2H), 7.03 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.42 (m, 4H), 5.29 (dd, J = 16.4 Hz, 12.6 Hz, 2H), 3.70 (m, 4H), 3.35 (q, J = 7.1 Hz, 4H), 1.16 (q, J = 6.6 Hz, 12H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ : 151.7, 151.0, 149.0, 148.8, 144.4, 139.2, 129.6, 129.4, 128.3, 128.1, 125.5, 123.8, 120.6, 115.5, 111.1, 110.7, 108.5, 97.5, 83.3, 71.9, 66.9, 44.4, 12.5, 8.3.
HRMS (ESI+): m/z calculated for C28H33N2O3+: 445.2486, found 445.2501.

0135

(3)3'−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−6'−アミンオキシド(以下、「HMFluNox-M」と表記する)を次のようにして合成した。

0136

前駆化合物である3'−(ジメチルアミノ)−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−6'−オールはOrganic Letters 2010, 12, 3219−21、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 12960−3等に従い合成した。3'−(ジメチルアミノ)−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−6'−オール34 mg(0.098 mmol)を酢酸エチル4 mLに溶解し、撹拌しながら0 ℃に冷却した。ここにメタクロロ過安息香酸34 mg(0.20 mmol)をゆっくり加え、室温に戻し、1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1から8:1)にて精製し、HMFluNox-Mを無色の粉末として得た(21 mg、収率58%)。

0137

1H NMR(400MHz, CDCl3) δ : 8.47 (s, 1H), 7.28 (s, 2H), 7.18-7.17 (m, 1H), 7.11 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.93(s, 2H), 6.83(d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.48 (dd, J = 8.8 Hz, 2.4 Hz, 1H) 5.24, (m, 2H), 3.52 (s, 6H).
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ : 159.8, 153.7, 151.5, 151.0, 144.4, 139.0, 129.9, 129.4, 128.4, 128.2, 126.1, 124.0, 120.6, 113.7, 113.4, 112.8, 110.5, 103.1, 83.3, 72.1, 63.1, 62.2.
HRMS (ESI+): m/z calculated for C22H20NO4+ : 362.1387, found 362.1389.

0138

(4)3'−ヒドロキシ−N,N−ジエチル−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−6'−アミンオキシド(以下、「HMFluNox-E」と表記する)を次のようにして合成した。

0139

前駆化合物である3'−(ジエチルアミノ)−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−6'−オールはOrganic Letters 2010, 12, 3219−21、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 12960−3等に従い合成した。3'−(ジエチルアミノ)−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9'−キサンテン]−6'−オール100 mg(0.27 mmol)を酢酸エチル10 mLに溶解し、撹拌しながら0 °Cに冷却した。ここにメタクロロ過安息香酸93 mg(0.54 mmol)をゆっくり加え、室温に戻し、1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1から10:1)にて精製し、HMFluNox-Eを無色の粉末として得た(102 mg、収率97%)。

0140

1H NMR(400MHz, CDCl3) δ : 7.72 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.33 (m, 3H), 7.19 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.55 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.46 (dd, J = 8.7 Hz, 2.4 Hz, 1H), 5.24 (s, 1H), 3.76 (m, 2H), 3.56 (m, 1H), 1.01 (m, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ : 158.8, 151.1, 150.1, 148.3, 144.6, 138.7, 130.0, 129.8, 128.3, 126.0, 123.2, 120.8, 115.8, 115.2, 112.2, 110.8, 101.7, 83.3, 72.2, 66.4, 29.3, 22.2, 13.0, 7.22.
HRMS (ESI+): m/z calculated for C24H24NO4+: 390.1700, found 390.1695.

0141

(5)4−(3’−ヒドロキシ−3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−6’−イルモルフォリン4−オキサイド(以下、「FluNox-1」と表記する)を次のようにして合成した。

0142

前駆化合物である、3’−ヒドロキシ−6’−モルフォリノ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、Organic Letters, 2011, 13, 6354−6357等に従い合成した。3’−ヒドロキシ−6’−モルフォリノ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン100 mg(0.23 mmol)をジメチルホルムアミド10 mLに溶解し、0 ℃で10分間撹拌した。ここにメタクロロ過安息香酸47 mg(0.27 mmol)をゆっくり加え、室温に戻し、3時間撹拌し、それから追加のメタクロロ過安息香酸47 mg(0.27 mmol)をゆっくり加えた。3時間撹拌後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=7:1)にて精製し、FluNox-1を得た(37 mg、収率63%)。

0143

1H NMR(CD3OD, 500MHz) δ:8.10 (d, 1H, J = 2.3 Hz), 8.05 (d, 1H, J = 7.4 Hz), 7.80-7.71 (m, 2H), 7.67 (dd, 1H, J = 9.2, 2.3 Hz), 7.22 (d, 1H, J = 7.4 Hz), 7.00 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 6.65-6.58 (m, 2H), 4.47 (t, 2H, J = 11.2 Hz), 4.18-1.12 (m, 2H), 3.94 (d, 2H, J = 12.6 Hz), 3.23 (m, 2H).
13C NMR (CD3OD, 125 MHz) δ:169.7, 160.1, 155.2, 115.3, 113.0, 109.9, 109.2, 102.4, 82.4, 66.9, 61.6.
HRMS (ESI+): m/z calculated for C24H20NO6+: 418.1285, found: 418.1304.

0144

(6)4−アセチル−1−(3’−ヒドロキシ−3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−6’−イル)−ピペラジン1−オキサイド(以下、「FluNox-2」と表記する)を次のようにして合成した。

0145

前駆化合物である3’−ヒドロキシ−6’−(ピペラジン−1−イル)−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オンを、Chemical Communications, 2013, 49, 10474−10476等に従い合成した。3’−ヒドロキシ−6’−(ピペラジン−1−イル)−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン78 mg(0.16 mmol)をピリジン2 mLに溶解し、そこへ無水酢酸148μL(1.6 mmol)を0 ℃でゆっくり加えた。室温に戻して1時間撹拌後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から100:1)にて精製し、3’−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−6’−イルアセテートを淡黄色の粉末として得た(68 mg、収率91%)。

0146

1H NMR(CDCl3, 500MHz) δ: 8.02 (dd, J = 7.6 Hz, 1H), 7.64 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.62 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.81−6.76 (m, 2H), 6.69 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 8.9 Hz, 2.2 Hz, 1H), 3.75−3.72 (m, 2H), 3.60−3.58 (m, 2H), 3.25−3.20 (m, 4H), 2.32 (s, 3H), 2.12 (s, 3H).
13C NMR (CD3OD, 125 MHz) δ:169.2, 168.9, 168.8, 152.7, 152.4, 152.0, 151.8, 151.7, 135.0, 129.7, 129.0, 128.7, 126.4, 124.9, 123.9, 117.2, 116.6, 112.2, 110.1, 109.2, 102.2, 82.5, 48.1, 47.9, 45.6, 40.8, 21.2, 21.0.
HRMS (ESI+): m/z calculated for C28H24N2O6Na+: 507.1527, found 507.1554.

0147

続いて、得られた3’−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−6’−イルアセテート90 mg(0.19 mmol)をジクロロメタン5 mLに溶解し、そこへメタクロロ過安息香酸48 mg(0.28 mmol)を0 ℃でゆっくり加えた。室温に戻して5時間撹拌後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、1−(3’−アセトキシ−3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−6’−イル)−4−アセチルピペリジン1−オキシドを無色の粉末として得た(26 mg、収率28%)。

0148

1H NMR(CDCl3, 500MHz) δ: 8.25 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.72−7.66 (m, 2H), 7.61 (dd, J = 8.7 Hz, 2.0 Hz, 1H), 7.18 (t, J = Hz, 1H), 7.14 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.96 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 6.85 (s, 2H), 4.67 (d, J = 13.7 Hz, 2H), 4.43 (t, J = 12.5 Hz, 2H), 3.86−3.73 (m, 4H), 3.21 (t, J = 10.6 Hz, 4H), 2.33 (s, 3H), 2.18 (s, 3H).
HRMS (ESI+): m/z calculated for C28H24N2O7Na+: 523.1476, found 523.1483.

0149

続いて、得られた無色の粉末18 mg(0.036 mmol)をメタノール1.5 mLに溶解し、そこへ炭酸カリウム15 mg(0.11 mmol)の水溶液0.5 mLを加えた。室温で30分間撹拌後、1 M Hclaqを加えて中和した。得られた中和物からジクロロメタンで抽出した(5 mL×5)。有機層硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1から7:1)にて精製し、FluNox-2を無色の粉末として得た(14 mg、収率82%)。

0150

1H NMR(CD3OD, 500MHz) δ: 8.11 (dd, J = 5.2 Hz, 2.3 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.78 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.73 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.66−7.63 (m, 1H), 7.20 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 8.6 Hz, 2.3 Hz, 1H), 4.61 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 4.12−4.10 (m, 2H), 4.00−3.98 (m, 2H), 3.64−3.59 (m, 1H), 3.27−3.26 (m, 2H), 2.16 (s, 3H).
13C NMR (CD3OD, 125 MHz) δ:170.5, 169.6, 160.2, 155.3, 152.8, 152.1, 151.7, 135.6, 130.2, 129.3, 128.9, 126.2, 124.8, 123.8, 120.8, 115.4, 112.9, 109.9, 109.2, 102.3, 66.6, 41.1, 36.3, 19.7.
HRMS (ESI+): m/z calculated for C26H23N2O6+: 459.1551, found 459.1553.

0151

(7)4−アセチル−1−(3’−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−6’−イル)ピペラジン 1−オキサイド(以下、「RhoNox-3」と表記する)を次のようにして合成した。

0152

前駆化合物であるジ−ターシャリー−ブチル4,4’−(3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]3’,6’−ジイル)ビス(ピペラジン−1−カルボキシラート)をOrg. Lett. 2011, 13, 6354−6357等に従い合成した。ジ−ターシャリー−ブチル 4,4’−(3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]3’,6’−ジイル)ビス(ピペラジン−1−カルボキシラート)188 mg(0.028 mmol)をメタノール3 mLに溶解し、そこへ2 M HCl /メタノール溶液3 mLを0 ℃で滴下した。室温に戻して10時間撹拌後、減圧留去し、残渣(黒紫色の粉末)を得た。この残渣を乾燥ジクロロメタン5 mLに溶解し、そこへトリエチルアミン196 μL(1.41 mmol)及びピリジン68 μL(0.84 mmol)を加えた。0 ℃に冷却し、塩化アセチル60 μL(0.28 mmol)のジクロロメタン溶液(3 mL)を加えた。室温に戻して窒素雰囲気下で3時間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30 mLでクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(30 mL×5)。有機層を水50 mL及び塩水50 mLで洗浄した。得られた溶液無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた紫色の粉末をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1から10:1)にて精製し、1,1’−(4,4’−(3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3’,6’−ジイル)ビス(ピペラジン−4,1−ジイル)ジエタノンを紫色の粉末として得た(142 mg、収率92%)。

0153

1H NMR(CDCl3, 400MHz) δ: 8.00 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.65- 7.60 (m, 2H), 7.17 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.69 (m, 2H), 6.67 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.61 (dd, J = 8.8 Hz, 2.4 Hz, 2H), 3.77- 3.76 (m, 4H), 3.66- 3.61 (m, 4H), 3.26- 3.22 (m, 8H), 2.15 (s, 6H).
13C NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 171.8, 171.7, 154.6, 152.1, 135.9, 131.0, 130.1, 129.6, 126.4, 125.8, 113.5, 111.3, 102.7, 46.9, 42.3, 21.2.
HRMS (ESI+): m/z calculated for C32H32N4NaO5+: 575.2265, found 575.2288.

0154

続いて、得られた1,1’−(4,4’−(3−オキソ−3Hスピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3’,6’−ジイル)ビス(ピペラジン−4,1−ジイル)ジエタノン133 mg(0.24 mmol)を酢酸エチル4 mL及びジクロロメタン2 mLに溶解し、そこへメタクロロ過安息香酸46 mg(0.27 mmol)を0 ℃でゆっくり加えた。室温に戻して1時間撹拌後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1から8:1)にて精製し、RhoNox-3を白色の粉末として得た(60 mg、収率44%)。

0155

1H NMR(CD3OD, 500MHz) δ: 8.12 (dd, J = 5.2 Hz, 2.3 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.78 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.73 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.65− 7.62 (m, 1H), 7.20 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 8.6 Hz, 2.3 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 4.15− 4.12 (m, 2H), 4.02− 3.96 (m, 2H), 3.72− 3.61 (m, 5H), 3.32− 3.25 (m, 6H), 2.18 (s, 3H), 2.13 (s, 1H).
13C NMR (CD3OD, 500 MHz) δ: 170.5, 170.4, 169.7, 155.3, 153.1, 152.8, 152.1, 151.9, 135.5, 130.2, 129.3, 128.4, 126.3, 124.7, 123.8, 120.8, 115.3, 112.6, 109.9, 108.4, 101.8, 82.3, 66.6, 45.7, 41.1, 41.0, 36.3, 19.8, 19.7.
HRMS (ESI+): m/z calculated for C32H33N4O6+: 569.2395, found 569.2390.

0156

(8)3−(ジエチルアミノ)−N,N−ジエチル−5,5−ジメチル−3’−オキソ−3’H,5Hスピロ[ジベンゾ[b,e]シリン−10,1’−イソベンゾフラン]−7−アミンオキサイド(以下、「Si-RhoNox-1」と表記する)を次のようにして合成した。

0157

前駆化合物である3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5,5−ジメチル−3’H,5Hスピロ[ジベンゾ[b,e]シリン−10,1’−イソベンゾフラン]−3’−オン(Si-Rhodamine)をChemical Communications 2014, 50, 14374−14377等に従い合成した。Si-Rhodamine 300 mg(0.6 mmol)を、炭酸水素ナトリウム104 mg(1.2 mmol)の酢酸エチル溶液15 mLに溶解し、そこへメタクロロ過安息香酸182 mg(0.74 mmol)を0 ℃でゆっくり加えた。室温まで温めてから30分間撹拌した。セライトパッド濾過することにより不溶物を除去し、減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=15:1)にて精製し、Si-RhoNox-1を橙色の粉末として得た(172 mg、収率55%)。

0158

1H NMR(400MHz, CDCl3) δ: 8.31 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 8.01 (d, 1H, J = 7.7 Hz), 7.72 (t, 1H, J = 7.0 Hz), 7.61 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 7.41 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 7.01 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 6.94 (d, 1H, J = 2.9 Hz), 6.83 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 6.51 (dd, 1H, J = 9.2, 2.9 Hz), 3.66 − 3.62 (m, 4H), 3.37 (q, 4H, J = 7.1 Hz), 1.16 − 1.12 (m, 12H), 0.68 (d, 6H, J = 14.0 Hz) ;
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ: −2.12, 8.01, 8.03, 12.13. 18.11, 43.92, 66.43, 66.51, 76.89, 90.45, 112.06, 115.59, 121.67, 124.48, 125.77, 126.53, 126.64, 127.34, 128.14, 128.92, 133.53, 136.47, 138.43, 145.18, 146.49, 152.51, 169.76;
HRMS (ESI+): m/z calculated for C30H37N2O3Si+: 501.2568, found 501.2571.

0159

試験例1(RhoNox-1及び多座配位子化合物)
実験ではRhoNox-1を蛍光プローブとして用いた。ここではすべて1 mMのRhoNox-1のジメチルスルホキシド溶液を調製し、これを希望最終濃度となるよう緩衝溶液に加えて使用した。

0160

50 mMHEPES緩衝溶液(pH 7.4)に最終濃度が2 μMとなるようRhoNox-1を添加し、さらに最終濃度が200 μMとなるよう各種多座配位子化合物(NTA、EDTA及びTPA)を添加した。ここに最終濃度20 μMとなるよう硫酸鉄(II)を添加し、室温で撹拌しながら5分おきに蛍光測定を実施した。励起波長:540 nm。

0161

図2の(a)から(d)に示すように、鉄(II)イオンのみの添加の場合は1時間で約30倍の蛍光強度の増大であったのに対して、鉄(II)イオン+NTAでは100倍、鉄(II)イオン+TPAでは200倍、鉄(II)イオン+EDTAでは80倍の蛍光増大を示すことが分かった。また、図2の(e)及び(f)から、575 nmにおける蛍光強度の時間変化において特に、初期に顕著な差が見られ、添加して5分程度で一気に多座配位子化合物無しの1時間後の蛍光強度とほぼ同等の蛍光を示すことが分かった。以上のことから、これら多座配位子化合物の添加により鉄(II)イオンを高感度で検出できることが確認された。

0162

試験例2(HMRhoNox-M及びNTA)
本実験ではHMRhoNox-Mを蛍光プローブとして用いた。ここではすべて1 mMのHMRhoNox-Mのジメチルスルホキシド溶液を調製し、これを希望の最終濃度となるよう緩衝溶液に加えて使用した。

0163

50 mMHEPES緩衝溶液(pH 7.4)に最終濃度が2 μMとなるようHMRhoNox-Mを添加し、さらに最終濃度が200 μMとなるよう多座配位子化合物NTAを添加した。ここに最終濃度20 μMとなるよう硫酸鉄(II)を添加し、室温で撹拌しながら5分おきに蛍光測定を実施した。励起波長:520 nm。

0164

図3の(a)から(d)に示すように、ヒドロキシメチル型のHMRhoNox-MについてNTA存在下で蛍光測定したところ、鉄(II)イオンを高感度で検出できることが確認された。

0165

試験例3(HMFluNox-M及びNTA)
本実験ではHMFluNox-Mを蛍光プローブとして用いた。ここではすべて1 mMのHMFluNox-Mのジメチルスルホキシド溶液を調製し、これを希望の最終濃度となるよう緩衝溶液に加えて使用した。

0166

50 mMHEPES緩衝溶液(pH 7.4)に最終濃度が2 μMとなるようHMFluNox-Mを添加し、さらに最終濃度が200 μMとなるよう多座配位子化合物NTAを添加した。ここに最終濃度20 μMとなるよう硫酸鉄(II)を添加し、室温で撹拌しながら5分おきに蛍光測定を実施した。

0167

図3の(e)から(h)に示すように、ヒドロキシメチル型のHMFluNox-MについてNTA存在下で蛍光測定したところ、鉄(II)イオンを高感度で検出できることが確認された。

0168

以上の実験事実から、一般式(I)で表される蛍光プローブに各種多座配位子化合物を共存させることで、鉄(II)イオンへの応答性について、応答速度及び蛍光強度増強比ともに大幅に向上することが分かった。よって、本発明の鉄(II)イオン検出剤は、各種検体に含まれる鉄(II)イオンを高選択的、高感度かつ迅速に検出することができる。

0169

試験例4(鉄(II)イオンの選択的検出
本実験では、蛍光プローブとしてFluNox-1、FluNox-2、RhoNox-1、RhoNox-2、RhoNox-3、又はSi-RhoNox-1を、多座配位子化合物としてIDA、NTA、EDTA、又はTPAを、金属化合物としてMnSO4、CoSO4、NiSO4、FeSO4、FeCl3、CuSO4、ZnSO4、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、又は[Cu(MeCN)4PF6]を用いた。まず、以下のストック溶液を調製した。

0170

<金属化合物ストック溶液>
[Cu(MeCN)4PF6]以外の遷移金属化合物:1 mM水溶液
アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物:100 mM水溶液
[Cu(MeCN)4PF6]:1 mMアセトニトリル溶液

0171

<蛍光プローブストック溶液>
1 mMジメチルホルムアミド溶液

0172

<多座配位子化合物ストック溶液>
IDA(ナトリウム塩):100 mM水溶液
NTA(ナトリウム塩):100 mM水溶液
EDTA(ナトリウム塩):100 mM水溶液
TPA:100 mMジメチルスルホキシド溶液。

0173

これらのストック溶液を希望の最終濃度となるよう緩衝溶液に加えて使用した。具体的には次の通りである。50 mMHEPES緩衝溶液(pH 7.4)に、最終濃度が2 μMとなるように蛍光プローブを添加し、さらに最終濃度が200 μMとなるように多座配位子化合物を添加した。得られた溶液100 μLを96ウェルプレートのそれぞれのウェルに入れた。ここに、最終濃度20 μMとなるように遷移金属化合物を添加し、或いは最終濃度2 mMとなるようにアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物を添加した。室温で撹拌しながら30分間インキュベートした後、蛍光強度をマイクロプレートリーダー(GloMax、プロメガ社製)で測定した。測定には各蛍光プローブ波長に対応したフィルターセットを用い、蛍光強度を測定した。具体的にはFluNox-1およびFluNox-2は励起波長に490 nmを用い、510 nmから 570 nmの蛍光強度を測定した。RhoNox-1、RhoNox-2およびRhoNox-3は励起波長に525 nmを用い、580 nmから 640 nmの蛍光強度を測定した。Si-RhoNox-1は励起波長に625 nmを用い、660 nmから 720 nmの蛍光強度を測定した。測定結果図4〜9に示す。

0174

試験例5
本実験では、蛍光プローブとしてFluNox-1、FluNox-2、RhoNox-1、RhoNox-2、RhoNox-3、又はSi-RhoNox-1を、多座配位子化合物としてIDA、NTA、EDTA、又はTPAを、金属化合物としてFeSO4を用いた。ストック溶液は試験例4と同様に調製した。

実施例

0175

ストック溶液を希望の最終濃度となるよう緩衝溶液に加えて使用した。具体的には次の通りである。50 mMHEPES緩衝溶液(pH 7.4) 3 mLに、最終濃度が2 μMとなるように蛍光プローブを添加し、さらに最終濃度が200 μMとなるように多座配位子化合物を添加した。ここに、最終濃度20 μMとなるようにFeSO4を添加した。添加から、0秒経過、10秒経過、以降は300秒経過毎に、60分経過まで、蛍光スペクトラムを分光蛍光光度計(FP-6600、JASCO社製)で測定した。励起波長は、500 nm (FluNox-1及びFluNox-2)、530 nm (RhoNox-1、RhoNox-2、及びRhoNox-3)、630 nm (SiRhoNox-1)とした。530 nm (FluNox-1及びFluNox-2)、570 nm (RhoNox-1、RhoNox-2、及びRhoNox-3)、665 nm (SiRhoNox-1)の発光強度を測定した。測定結果を図10に示す。

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