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技術 FGFRゲートキーパー変異遺伝子およびそれを標的とする医薬

出願人 中外製薬株式会社
発明者 中西義人秋山貫則森上賢治
出願日 2014年12月26日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2015-555047
公開日 2017年3月23日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 WO2015-099127
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 操作指示書 増大抑制 造礁サンゴ 開発コード 陽子数 SP炭素 幾何学的形態 C領域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題・解決手段

本発明者らは、FGFRについて新規ゲートキーパー変異を同定することに成功した。さらに、該変異を有する変異FGFRは、AZD4547などの公知のFGFR阻害剤に対して耐性を示す一方、特定の化合物に対しては感受性を示すことを見出した。該変異を有する変異ポリペプチドを、FGFR阻害剤による癌治療におけるバイオマーカーとして利用することにより、従前のFGFR阻害剤による治療における副作用発現を未然に防止し、且つ最善の治療効果が得られるよう治療態様をコントロールすることが可能であり、個別化医療が可能となる。

概要

背景

従来から、癌という疾患は、あらゆる臓器および組織で発生し、難治性かつ致死性の高い極めて厄介な疾患であることは言うまでもないが、最近の統計データにおいても、2人に1人が一生のうちに癌と診断され、また、男性では4人に1人が、女性では6人に1人が癌で死亡するという状況であり、極めて深刻な疾患である。

線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)は、受容体型チロシンキナーゼファミリーに属しているキナーゼで、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4によりFGFRファミリーを構成している。リガンド線維芽細胞増殖因子(FGF)であり、22種の構造的に類似したタンパク質がファミリーを構成している。

FGFRを介して伝達されるシグナルMAPK経路やPI3K/AKT経路に流れ、このシグナル伝達は、癌においては、細胞増殖血管新生細胞遊走、浸潤転移などに関わっていること、またFGFRは、過剰発現、遺伝子過増幅、変異、転座によって活性化することが報告されている(非特許文献1)。例えば、FGFR3は、多発性骨髄腫遺伝子転座(非特許文献2)、膀胱癌遺伝子変異(非特許文献3)、卵巣癌非小細胞性肺癌肝細胞癌で過剰発現が知られている。

これらのことから、FGFRと癌との関連性が示唆されており、FGFRを阻害する活性を有する化合物抗癌剤としての開発が試みられている(非特許文献4、非特許文献5)。

現在、各種キナーゼに特異的な種々の分子標的薬が上市されているが、例えば、ゲフェニチブやエルロニチブなどの標的分子であるEGFRチロシンキナーゼにおいて、ある種のアミノ酸変異がその抵抗性獲得要因となっている。このような変異をゲートキーパー(GK)変異といい、FGFR2においてもGK変異に関する報告がある(非特許文献6)。

概要

本発明者らは、FGFRについて新規なゲートキーパー変異を同定することに成功した。さらに、該変異を有する変異FGFRは、AZD4547などの公知のFGFR阻害剤に対して耐性を示す一方、特定の化合物に対しては感受性を示すことを見出した。該変異を有する変異ポリペプチドを、FGFR阻害剤による癌治療におけるバイオマーカーとして利用することにより、従前のFGFR阻害剤による治療における副作用発現を未然に防止し、且つ最善の治療効果が得られるよう治療態様をコントロールすることが可能であり、個別化医療が可能となる。

目的

本発明は、他のFGFR阻害剤に対して、当該変異を獲得することにより耐性を獲得したFGFRを有する癌に対しても高い抗癌作用を有する、新たな抗腫瘍薬を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記式(I)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む癌治療用医薬組成物であって、FGFRポリペプチドにおける、配列番号53もしくは54に記載される部分アミノ酸配列のうち、N末端側から7番目アミノ酸であるバリンフェニルアラニンへの置換、および/もしくはN末端側から5番目のアミノ酸であるバリンのロイシンへの置換を含むFGFR変異ポリペプチド発現するか、あるいは該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを有する患者投与されるように用いられることを特徴とする、癌治療用医薬組成物:(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に以下の基を示す;R1は、水素ヒドロキシハロゲンシアノ、ニトロ、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリールC1−4アルキル、−OR5、−NR6R7、−(CR8R9)nZ1、−C(O)NR12R13、−SR14、−SOR15、−SO2R16、−NR17SO2R18、COOH、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリル、−COR19、−COOR20、−OC(O)R21、−NR22C(O)R23、−NR24C(S)R25、−C(S)NR26R27、−SO2NR28R29、−OSO2R30、−SO3R31または−Si(R32)3を示し;R2は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリールC1−4アルキル、−OR5、−NR6R7、−(CR8R9)nZ1、−C(O)NR12R13、−SR14、−SOR15、−SO2R16、−NR17SO2R18、COOH、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリル、−COR19、−COOR20、−OC(O)R21、−NR22C(O)R23、−NR24C(S)R25、−C(S)NR26R27、−SO2NR28R29、−OSO2R30、−SO3R31または−Si(R32)3を示し;またはR1およびR2は、それらが結合している原子一緒になって、3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成し、ここで該ヘテロシクリルまたは該ヘテロアリールは、ハロゲンで置換されていてもよく;R3はメチルを示し;R4は水素を示し;Aはインドールであり;R5はC1−5アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−3アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C1−3アルコキシC1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アミノアルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−3アルキル、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキルまたはC1−6トリヒドロキシアルキルを示し;R6およびR7は、同一でも異なってもよく、それぞれ、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C6−10アリールC1−3アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキル、C1−6トリヒドロキシアルキル、3〜10員ヘテロシクリル、C1−4アミノアルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキルまたはシアノ(C1−3アルキル)を示すか、またはR6およびR7は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成し;nは1〜3を示し;R8およびR9は、同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキルまたはハロゲンを示すか、またはR8およびR9は、それらが結合している炭素原子と一緒になって脂環式環を形成してもよく;Z1は、水素、NR10R11、-OH、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリールを示し;R10およびR11は、同一でも異なってもよく、それぞれC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、シアノ(C1−3アルキル)またはC1−3アルキルスルホニルC1−4アルキルを示すか、またはR10およびR11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;R12およびR13は同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリールC1−4アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、シアノ(C1−3アルキル)、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、3〜10員脂環式環、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示すか、またはR12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;R14は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R15は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R16は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R17は、水素またはC1−4アルキルを示し;R18は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R19は、水素、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R20は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R21は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R22は、水素、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルを示し;R23は、水素、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R24は、水素、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルを示し;R25は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R26およびR27は、同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシルC1−4アルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリールC1−4アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、シアノ(C1−3アルキル)、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、または3〜10員脂環式環を示すか、またはR26およびR27は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;R28およびR29は、同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシルC1−4アルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリールC1−4アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、シアノ(C1−3アルキル)、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、または3〜10員脂環式環を示すか、またはR28およびR29は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;R30は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R31は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;R32は、C1−4アルキルまたはC6−10アリールを示し;<P群>ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、−OH、C1−3アルコキシ、C1−3ハロアルコキシ、3〜10員ヘテロシクリルアミノ、−SO2R16、−CN、−NO2、および3〜10員ヘテロシクリル。<Q群>ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、−OH、C1−3アルコキシ、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキルまたはC1−6トリヒドロキシアルキル、3〜10員ヘテロシクリルアミン、−SO2R16、−CN、−NO2、C3−7シクロアルキル、−COR19、およびC1−4アルキルで置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリル。

請求項2

下記式で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、請求項1記載の医薬組成物:。

請求項3

FGFRポリペプチドにおける、配列番号53もしくは54に記載される部分アミノ酸配列のうち、N末端側から7番目のアミノ酸であるバリンのフェニルアラニンへの置換、および/もしくはN末端側から5番目のアミノ酸であるバリンのロイシンへの置換を含むFGFR変異ポリペプチド。

請求項4

請求項3記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。

請求項5

請求項4記載のポリヌクレオチドを含むベクター

請求項6

請求項5記載のベクターを含む組み換え細胞

請求項7

請求項3記載の変異ポリペプチドに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片

請求項8

請求項3記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む、該ポリヌクレオチドの検出または増幅のための一対のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブ

請求項9

請求項3記載の変異ポリペプチドをコードするmRNAポリヌクレオチドに結合し、該mRNAポリヌクレオチドのタンパク質への翻訳阻害する活性を有するオリゴヌクレオチド。

請求項10

該オリゴヌクレオチドが、mRNAポリヌクレオチドを切断するsiRNAである、請求項9記載のオリゴヌクレオチド。

請求項11

請求項3記載の変異ポリペプチドに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を用いて、被験者から単離された試料中において、該変異ポリペプチドを検出する工程を含む、FGFR変異ポリペプチドの検出方法

請求項12

請求項3記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む、該ポリヌクレオチドの検出または増幅のための一対のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブを用いて、被験者から単離された試料中において、該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを検出する工程を含む、FGFR変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの検出方法。

請求項13

請求項3記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む、該ポリヌクレオチドの検出または増幅のための一対のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブを含む、FGFR変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの検出用キット

請求項14

請求項3記載の変異ポリペプチドに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、FGFR変異ポリペプチドの検出用キット。

請求項15

被験者から単離された試料中において、請求項3記載の変異ポリペプチドまたは該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を決定し、該変異ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドが検出された場合に、請求項1または2記載の医薬組成物を当該被験者に投与して、癌を治療する方法。

請求項16

該癌が、膀胱癌脳腫瘍、頭頸部扁平上皮癌肺癌肺腺癌扁平上皮癌、皮膚黒色腫子宮体癌乳癌前立腺癌大腸癌食道癌胃癌胆管癌胆道癌または肝癌である、請求項15記載の方法。

請求項17

以下の工程を含む、請求項1または2記載の医薬組成物が適用される患者を選択する方法:(a)被験者から単離された試料中において、請求項3記載の変異ポリペプチドの存否を決定する工程;(b)該変異ポリペプチドの存在が確認された被験者を該医薬組成物が適用される患者として選択する工程。

請求項18

以下の工程を含む、請求項1または2記載の医薬組成物が適用される患者を選択する方法:(a)被験者から単離された試料中において、請求項3記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を決定する工程;(b)該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存在が確認された被験者を該医薬組成物が適用される患者として選択する工程。

請求項19

該癌が、膀胱癌、脳腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、皮膚黒色腫、子宮体癌、乳癌、前立腺癌、大腸癌、食道癌、胃癌、胆管癌、胆道癌または肝癌である、請求項18記載の方法。

請求項20

請求項3記載の変異ポリペプチドを発現するか、または該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを有する患者における癌の治療において使用するための、請求項1または2で定義される化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項21

前記癌が、膀胱癌、脳腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、皮膚黒色腫、子宮体癌、乳癌、前立腺癌、大腸癌、食道癌、胃癌、胆管癌、胆道癌または肝癌である、請求項20記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項22

下記式で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、FGFRポリペプチドにおける、配列番号53もしくは54に記載される部分アミノ酸配列のうち、N末端側から7番目のアミノ酸であるバリンのフェニルアラニンへの置換、および/もしくはN末端側から5番目のアミノ酸であるバリンのロイシンへの置換を含むFGFR変異ポリペプチドの発現する癌の治療用医薬組成物:。

請求項23

FGFRポリペプチドにおける、配列番号53もしくは54に記載される部分アミノ酸配列のうち、N末端側から7番目のアミノ酸であるバリンのフェニルアラニンへの置換、および/もしくはN末端側から5番目のアミノ酸であるバリンのロイシンへの置換を含むFGFR変異ポリペプチドの機能を阻害するか発現を阻害する物質を有効成分として含有する癌治療用医薬組成物。

技術分野

0001

本発明は、新規ゲートキーパー変異を含む変異ポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むベクター、該ベクターを含む細胞、該ポリペプチドに特異的に結合する抗体およびその断片、該ポリヌクレオチドにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブ、該ポリペプチドの発現を抑制するオリゴヌクレオチド、該抗体または該オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物、該変異ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドの検出方法ならびに検出用キット、該変異ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドの存否を基準とするFGFR阻害剤に対する耐性の有無についての試験方法、FGFR阻害剤が適用される癌患者を選択する方法、FGFR阻害活性を有する化合物若しくはその薬学的に許容される塩を該変異ポリペプチドを発現または該ポリヌクレオチドを有する患者投与されるように用いられることを特徴とする癌治療用医薬組成物、FGFR阻害活性を有する化合物若しくはその薬学的に許容される塩の有効量を該変異ポリペプチドを発現または該ポリヌクレオチドを有する患者に投与することを含む癌の治療または予防方法、該変異ポリペプチドを発現または該ポリヌクレオチドを有する患者に投与するための癌治療用医薬組成物の製造におけるFGFR阻害活性を有する化合物若しくはその薬学的に許容される塩の使用、該変異ポリペプチドを発現または該ポリヌクレオチドを有する患者の治療または予防における使用のためのFGFR阻害活性を有する化合物若しくはその薬学的に許容される塩、ならびにFGFR阻害剤を同定する方法、等に関する。

背景技術

0002

従来から、癌という疾患は、あらゆる臓器および組織で発生し、難治性かつ致死性の高い極めて厄介な疾患であることは言うまでもないが、最近の統計データにおいても、2人に1人が一生のうちに癌と診断され、また、男性では4人に1人が、女性では6人に1人が癌で死亡するという状況であり、極めて深刻な疾患である。

0003

線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)は、受容体型チロシンキナーゼファミリーに属しているキナーゼで、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4によりFGFRファミリーを構成している。リガンド線維芽細胞増殖因子(FGF)であり、22種の構造的に類似したタンパク質がファミリーを構成している。

0004

FGFRを介して伝達されるシグナルMAPK経路やPI3K/AKT経路に流れ、このシグナル伝達は、癌においては、細胞増殖血管新生細胞遊走、浸潤転移などに関わっていること、またFGFRは、過剰発現、遺伝子過増幅、変異、転座によって活性化することが報告されている(非特許文献1)。例えば、FGFR3は、多発性骨髄腫遺伝子転座(非特許文献2)、膀胱癌遺伝子変異(非特許文献3)、卵巣癌非小細胞性肺癌肝細胞癌で過剰発現が知られている。

0005

これらのことから、FGFRと癌との関連性が示唆されており、FGFRを阻害する活性を有する化合物の抗癌剤としての開発が試みられている(非特許文献4、非特許文献5)。

0006

現在、各種キナーゼに特異的な種々の分子標的薬が上市されているが、例えば、ゲフェニチブやエルロニチブなどの標的分子であるEGFRチロシンキナーゼにおいて、ある種のアミノ酸変異がその抵抗性獲得要因となっている。このような変異をゲートキーパー(GK)変異といい、FGFR2においてもGK変異に関する報告がある(非特許文献6)。

先行技術

0007

Cytokine & Growth Factor Reviews, 2005, 16: 139-149
Blood, 2003, 101: 4569-4575
Nature Genetics, 1999 Sep., 23(1): 18-20
Cancer Research, 2012, 72: 2045-2056
J. Med. Chem., 2011, 54: 7066-7083
Neoplasia (2013), 15(8), 975-988

発明が解決しようとする課題

0008

本発明者らは、FGFR遺伝子の新規なゲートキーパー変異を見出し、さらに、特定のFGFR阻害剤が、当該変異を有するFGFRに対して、変異を有さないFGFRと同等に阻害活性を有することを見出した。
即ち、本発明は、他のFGFR阻害剤に対して、当該変異を獲得することにより耐性を獲得したFGFRを有する癌に対しても高い抗癌作用を有する、新たな抗腫瘍薬を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは上記課題を解決すべく、FGFRの結晶構造解析を行い、様々のFGFRのゲートキーパー変異となりうる変異遺伝子について精力的に研究を行った。その結果、新規なGK変異(例えば、配列番号1における変異V564F)および当該GK変異に準ずる変異(例えば、配列番号1における変異V562L)を見出し、当該変異を有するFGFRはAZD4547などの公知のFGFR阻害剤に対して耐性を示す一方、化合物Aに対しては感受性であることを見出し、本願発明を完成した。

0010

即ち本発明は、具体的には、以下に記載される、新規なゲートキーパー変異を含むFGFR変異ポリペプチド、該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むベクター、該ベクターを含む細胞、該変異ポリペプチドに特異的に結合する抗体およびその断片、該ポリヌクレオチドにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブ、該変異ポリペプチドの発現を阻害するオリゴヌクレオチド、該変異ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドの検出方法および検出用キット、該変異ポリペプチドを発現する患者に投与されるように用いられることを特徴とする癌治療用医薬組成物、該変異ポリペプチドを発現する患者に該医薬組成物を投与して癌を治療または予防する方法、ならびに該医薬組成物が適用される患者を選択する方法、該変異ポリペプチドを発現する患者における癌の治療において使用するための該医薬組成物等に関する。

0011

以下に、本発明の基本的な諸特徴および種々の態様を列挙する。
〔1〕下記式(I)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む癌治療用医薬組成物であって、
FGFRポリペプチドにおける、配列番号53もしくは54に記載される部分アミノ酸配列のうち、N末端側から7番目アミノ酸であるバリンフェニルアラニンへの置換、および/もしくはN末端側から5番目のアミノ酸であるバリンのロイシンへの置換を含むFGFR変異ポリペプチドを発現するか、あるいは該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを有する患者に投与されるように用いられることを特徴とする、癌治療用医薬組成物:



(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に以下の基を示す;
R1は、水素ヒドロキシハロゲンシアノ、ニトロ、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリールC1−4アルキル、−OR5、−NR6R7、−(CR8R9)nZ1、−C(O)NR12R13、−SR14、−SOR15、−SO2R16、−NR17SO2R18、COOH、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリル、−COR19、−COOR20、−OC(O)R21、−NR22C(O)R23、−NR24C(S)R25、−C(S)NR26R27、−SO2NR28R29、−OSO2R30、−SO3R31または−Si(R32)3を示し;
R2は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリールC1−4アルキル、−OR5、−NR6R7、−(CR8R9)nZ1、−C(O)NR12R13、−SR14、−SOR15、−SO2R16、−NR17SO2R18、COOH、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリル、−COR19、−COOR20、−OC(O)R21、−NR22C(O)R23、−NR24C(S)R25、−C(S)NR26R27、−SO2NR28R29、−OSO2R30、−SO3R31または−Si(R32)3を示し;
またはR1およびR2は、それらが結合している原子一緒になって、3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成し、ここで該ヘテロシクリルまたは該ヘテロアリールは、ハロゲンで置換されていてもよく;
R3はメチルを示し;
R4は水素を示し;
Aはインドールであり;
R5はC1−5アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−3アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C1−3アルコキシC1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アミノアルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−3アルキル、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキルまたはC1−6トリヒドロキシアルキルを示し;
R6およびR7は、同一でも異なってもよく、それぞれ、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C6−10アリールC1−3アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキル、C1−6トリヒドロキシアルキル、3〜10員ヘテロシクリル、C1−4アミノアルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキルまたはシアノ(C1−3アルキル)を示すか、またはR6およびR7は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成し;
nは1〜3を示し;
R8およびR9は、同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキルまたはハロゲンを示すか、またはR8およびR9は、それらが結合している炭素原子と一緒になって脂環式環を形成してもよく;
Z1は、水素、NR10R11、-OH、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリールを示し;
R10およびR11は、同一でも異なってもよく、それぞれC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、シアノ(C1−3アルキル)またはC1−3アルキルスルホニルC1−4アルキルを示すか、またはR10およびR11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;
R12およびR13は同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリールC1−4アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、シアノ(C1−3アルキル)、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、3〜10員脂環式環、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示すか、またはR12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;
R14は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R15は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R16は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R17は、水素またはC1−4アルキルを示し;
R18は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R19は、水素、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R20は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R21は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R22は、水素、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルを示し;
R23は、水素、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R24は、水素、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルを示し;
R25は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R26およびR27は、同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシルC1−4アルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリールC1−4アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、シアノ(C1−3アルキル)、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、または3〜10員脂環式環を示すか、またはR26およびR27は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;
R28およびR29は、同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシルC1−4アルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリールC1−4アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、シアノ(C1−3アルキル)、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、または3〜10員脂環式環を示すか、またはR28およびR29は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;
R30は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R31は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R32は、C1−4アルキルまたはC6−10アリールを示し;
<P群>
ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、−OH、C1−3アルコキシ、C1−3ハロアルコキシ、3〜10員ヘテロシクリルアミノ、−SO2R16、−CN、−NO2、および3〜10員ヘテロシクリル。
<Q群>
ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、−OH、C1−3アルコキシ、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキルまたはC1−6トリヒドロキシアルキル、3〜10員ヘテロシクリルアミン、−SO2R16、−CN、−NO2、C3−7シクロアルキル、−COR19、およびC1−4アルキルで置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリル。
〔2〕下記式で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、〔1〕記載の医薬組成物:


〔3〕FGFRポリペプチドにおける、配列番号53もしくは54に記載される部分アミノ酸配列のうち、N末端側から7番目のアミノ酸であるバリンのフェニルアラニンへの置換、および/もしくはN末端側から5番目のアミノ酸であるバリンのロイシンへの置換を含むFGFR変異ポリペプチド。
〔4〕〔3〕記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
〔5〕〔4〕記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
〔6〕〔5〕記載のベクターを含む組み換え細胞
〔7〕〔3〕記載の変異ポリペプチドに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片
〔8〕〔3〕記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む、該ポリヌクレオチドの検出または増幅のための一対のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブ。
〔9〕〔3〕記載の変異ポリペプチドをコードするmRNAポリヌクレオチドに結合し、該mRNAポリヌクレオチドのタンパク質への翻訳を阻害する活性を有するオリゴヌクレオチド。
〔10〕該オリゴヌクレオチドが、mRNAポリヌクレオチドを切断するsiRNAである、〔9〕記載のオリゴヌクレオチド。
〔11〕〔3〕記載の変異ポリペプチドに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を用いて、被験者から単離された試料中において、該変異ポリペプチドを検出する工程を含む、FGFR変異ポリペプチドの検出方法。
〔12〕〔3〕記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む、該ポリヌクレオチドの検出または増幅のための一対のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブを用いて、被験者から単離された試料中において、該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを検出する工程を含む、FGFR変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの検出方法。
〔13〕〔3〕記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む、該ポリヌクレオチドの検出または増幅のための一対のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブを含む、FGFR変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの検出用キット。
〔14〕〔3〕記載の変異ポリペプチドに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を含む、FGFR変異ポリペプチドの検出用キット。
〔15〕被験者から単離された試料中において、〔3〕記載の変異ポリペプチドまたは該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を決定し、該変異ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドが検出された場合に、〔1〕または〔2〕記載の医薬組成物を当該被験者に投与して、癌を治療する方法。
〔16〕該癌が、膀胱癌、脳腫瘍、頭頸部扁平上皮癌肺癌肺腺癌扁平上皮癌、皮膚黒色腫子宮体癌乳癌前立腺癌大腸癌食道癌胃癌胆管癌胆道癌または肝癌である、〔15〕記載の方法。
〔17〕以下の工程を含む、〔1〕または〔2〕記載の医薬組成物が適用される患者を選択する方法:
(a) 被験者から単離された試料中において、〔3〕記載の変異ポリペプチドの存否を決定する工程;
(b) 該変異ポリペプチドの存在が確認された被験者を該医薬組成物が適用される患者として選択する工程。
〔18〕以下の工程を含む、〔1〕または〔2〕記載の医薬組成物が適用される患者を選択する方法:
(a) 被験者から単離された試料中において、〔3〕記載の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を決定する工程;
(b) 該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存在が確認された被験者を該医薬組成物が適用される患者として選択する工程。
〔19〕該癌が、膀胱癌、脳腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、皮膚黒色腫、子宮体癌、乳癌、前立腺癌、大腸癌、食道癌、胃癌、胆管癌、胆道癌または肝癌である、〔18〕記載の方法。
〔20〕〔3〕記載の変異ポリペプチドを発現するか、または該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを有する患者における癌の治療において使用するための、〔1〕または〔2〕で定義される化合物またはその薬学的に許容される塩。
〔21〕前記癌が、膀胱癌、脳腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、皮膚黒色腫、子宮体癌、乳癌、前立腺癌、大腸癌、食道癌、胃癌、胆管癌、胆道癌または肝癌である、〔20〕記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
〔22〕下記式で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、FGFRポリペプチドにおける、配列番号53もしくは54に記載される部分アミノ酸配列のうち、N末端側から7番目のアミノ酸であるバリンのフェニルアラニンへの置換、および/もしくはN末端側から5番目のアミノ酸であるバリンのロイシンへの置換を含むFGFR変異ポリペプチドの発現する癌の治療用医薬組成物


〔23〕FGFRポリペプチドにおける、配列番号53もしくは54に記載される部分アミノ酸配列のうち、N末端側から7番目のアミノ酸であるバリンのフェニルアラニンへの置換、および/もしくはN末端側から5番目のアミノ酸であるバリンのロイシンへの置換を含むFGFR変異ポリペプチドの機能を阻害するか発現を阻害する物質を有効成分として含有する癌治療用医薬組成物。
〔24〕〔3〕記載の変異ポリペプチドを発現するか、または該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを有する患者に投与するための癌治療または予防用の医薬組成物の製造における、前記〔1〕または〔2〕で定義される化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
〔25〕以下の工程を含む、PD173074、AZD4547、BGJ398、およびAZD2171からなる群より選択されるFGFR阻害剤に対する耐性を検出する方法:
(a) 被験者から単離された試料中において、〔3〕記載の変異ポリペプチドまたは該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を決定する工程;
(b) 該変異ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドの存在が確認された被験者を、該FGFR阻害剤に対する耐性を有すると判定する工程。
〔25〕PD173074、AZD4547、BGJ398、およびAZD2171からなる群より選択されるFGFR阻害剤に対する耐性の検出において使用するための、〔7〕記載の抗体もしくはその抗原結合断片、または〔8〕記載のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブ。
〔26〕PD173074、AZD4547、BGJ398、およびAZD2171からなる群より選択されるFGFR阻害剤に対する耐性を検出するための、〔7〕記載の抗体もしくはその抗原結合断片、または〔8〕記載のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブの使用。
〔27〕以下の工程を含む、PD173074、AZD4547、BGJ398、およびAZD2171からなる群より選択されるFGFR阻害剤による治療に対する癌患者の応答予測する方法:
(a) 患者から単離された試料中において、〔3〕記載の変異ポリペプチドまたは該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を決定する工程;
(b) 該変異ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドの存在が確認された患者を、該FGFR阻害剤に対する感受性が低いと判定する工程。
〔28〕PD173074、AZD4547、BGJ398、およびAZD2171からなる群より選択されるFGFR阻害剤による治療に対する癌患者の応答の予測において使用するための、〔7〕記載の抗体もしくはその抗原結合断片、または〔8〕記載のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブ。
〔29〕PD173074、AZD4547、BGJ398、およびAZD2171からなる群より選択されるFGFR阻害剤による治療に対する癌患者の応答を予測するための、〔7〕記載の抗体もしくはその抗原結合断片、または〔8〕記載のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブの使用。
〔30〕〔7〕記載の抗体もしくはその抗原結合断片、または〔8〕記載のオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブを含む、癌治療におけるFGFR阻害剤の効果を予測するためのキット
〔31〕前記FGFR阻害剤がPD173074、AZD4547、BGJ398、およびAZD2171からなる群より選択される、〔30〕記載のキット。

発明の効果

0012

本発明により、他のFGFR阻害剤に対して耐性を獲得したFGFRを有する癌に対して高い抗癌作用を有する、新たな抗腫瘍薬を提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

0013

野生型FGFR2、FGFR2 V564F変異体またはFGFR2 V562L変異体を発現させた細胞におけるFGFRのチロシンリン酸化に対する、化合物AおよびCの影響を示す図である。
野生型FGFR2、FGFR2 V564F変異体またはFGFR2 V562L変異体を発現させた細胞の増殖に対する、化合物A、BおよびCによる阻害効果を示すグラフである。
TEL融合野生型FGFR2またはTEL融合FGFR2 V564F変異体を発現させた細胞の増殖に対する、化合物A、B、C、DおよびEによる阻害効果を示すグラフである。
TEL融合野生型FGFR2またはTEL融合FGFR2 V564F変異体を発現する腫瘍細胞担持するマウスにおける腫瘍増殖に対する、化合物AおよびCによる抑制効果を示すグラフである。
TEL融合野生型FGFR2またはTEL融合FGFR2 V564F変異体を発現する腫瘍細胞を担持するマウスにおける腫瘍リン酸化に対する、化合物AまたはCによる抑制効果を示すグラフである。

0014

本発明は、上述した〔1〕〜〔31〕に例示的に記載されるとおりの発明であって、新規なゲートキーパー変異を含むFGFR変異ポリペプチド、該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むベクター、該ベクターを含む細胞、該変異ポリペプチドに特異的に結合する抗体およびその断片、該ポリヌクレオチドにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブ、該変異ポリペプチドの発現を阻害するオリゴヌクレオチド、該変異ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドの検出方法および検出用キット、該変異ポリペプチドを発現する患者に投与されるように用いられることを特徴とする癌治療用医薬組成物、該変異ポリペプチドを発現する患者に該医薬組成物を投与して癌を治療または予防する方法、該医薬組成物が適用される患者を選択する方法、該変異ポリペプチドを発現する患者の癌の治療または予防において使用するためのFGFR阻害活性を有する化合物若しくはその薬学的に許容される塩、該変異ポリペプチドを発現する患者に投与するための癌治療または予防用の医薬組成物の製造におけるFGFR阻害活性を有する化合物若しくはその薬学的に許容される塩の使用、FGFR阻害剤に対する耐性を検出する方法、ならびにFGFR阻害剤による治療に対する癌患者の応答を予測する方法、等を提供する。

0015

本発明における「FGFR」とは、受容体型チロシンキナーゼファミリーに属しているキナーゼである線維芽細胞増殖因子受容体(fibroblast growth factor receptor; FGFR)であって、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4によりFGFRファミリーに属する任意のFGFRを意味する(Cytokine & Growth Factor Reviews, 2005, 16: 139-149)。また、本発明のFGFRは、如何なる由来のFGFRを意味し、好ましくは、哺乳動物(ヒト、マウス、ラットモルモットウサギヒツジサルヤギロバウシウマブタ、等)のFGFRであって、さらに好ましくはヒトのFGFRであり、特に好ましくはヒトFGFR2、ヒトFGFR1、FGFR3であり、それぞれ多くのアイソフォームが知られている。

0016

本発明における「ヒトFGFR2」は、配列番号1、2、37、38、39、40、41、42、43、もしくは44に記載されるアミノ酸配列からなるヒトFGFR2の野生型ポリペプチドGenBankAccession No.:それぞれNP_000132.3、NP_075259.4、NP_001138385.1、NP_001138386.1、NP_001138387.1、NP_001138388.1、NP_001138389.1、NP_001138390.1、NP_001138391.1、NP_075418.1)、または該野生型ポリペプチドにおいて1若しくは複数(好ましくは1乃至10個、特に好ましくは1乃至5個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されている変異ポリペプチドである。
本発明における「ヒトFGFR1」は、配列番号21、45、46、47、48、49、もしくは50に記載されるアミノ酸配列からなるヒトFGFR1の野生型ポリペプチド(GenBank Accession No.:それぞれNP_001167538.1、NP_001167534.1、NP_001167535.1、NP_001167536.1、NP_001167537.1、NP_075594.1、NP_075598.2)、または該野生型ポリペプチドにおいて1若しくは複数(好ましくは1乃至10個、特に好ましくは1乃至5個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されている変異ポリペプチドである。
本発明における「ヒトFGFR3」は、配列番号22、51、もしくは52に記載されるアミノ酸配列からなるヒトFGFR3の野生型ポリペプチド(GenBank Accession No.:それぞれNP_000133.1、NP_001156685.1、NP_075254.1)、または該野生型ポリペプチドにおいて1若しくは複数(好ましくは1乃至10個、特に好ましくは1乃至5個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されている変異ポリペプチドである。

0017

該変異ポリペプチドにはまた、該野生型ポリペプチドのアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するポリペプチド、好ましくは80%以上の相同性を有するポリペプチド、さらに好ましくは90%以上の相同性を有するポリペプチド、より好ましくは95%以上の相同性を有するポリペプチドが包含される。

0018

アミノ酸配列(または塩基配列)の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993)90:5873-7)によって決定することができる。このアルゴリズムに基づいて、BLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul et al.,J.Mol.Biol.(1990)215:403-10)。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore = 100、wordlength = 12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore = 50、wordlength = 3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(NCBI (National Center for Biotechnology Information)の BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)のウェブサイトの情報を参照することができる。

0019

本発明における「変異ポリペプチド」は、FGFRポリペプチドにおける、配列番号53もしくは54に記載される部分アミノ酸配列のうち、N末端側から7番目のアミノ酸であるバリンのフェニルアラニンへの置換、および/もしくはN末端側から5番目のアミノ酸であるバリンのロイシンへの置換を含むFGFR変異ポリペプチドを意味し、本発明の変異を含むポリペプチドとも称される。
ここで、本発明の変異ポリペプチドは、上記2種類の変異のうち少なくとも一方を有するFGFR変異ポリペプチドであれば、上述の全長アミノ酸配列からなる野生型FGFRポリペプチドのアミノ酸配列に当該変異が導入されているアミノ酸配列からなるFGFR変異ポリペプチドに限定されることはなく、当該変異を含むそれらのペプチド断片、およびそれらのFGFR変異ポリペプチドまたはペプチド断片と他のペプチドとの融合ポリペプチドも含み、当該変異の位置以外において1もしくは複数(好ましくは1乃至10個、特に好ましくは1乃至5個)のアミノ酸が置換、欠失、付加もしくは挿入されていてもよい。

0020

ここで、上記FGFR変異ポリペプチドまたはそれらのペプチド断片との融合ポリペプチドを構成する「他のペプチド」として、例えばTEL(別名ETV6、Cancer Research, 2001, 61: 8371-8374およびBlood, 2005, 105(5): 2115-2123参照)ポリペプチド(配列番号33に記載されるアミノ酸配列からなる野生型ポリペプチドもしくは該野生型ポリペプチドにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加若しくは挿入されている変異ポリペプチドまたはそれらのペプチド断片)、BAIA2P2L1ポリペプチド(配列番号31に記載されるアミノ酸配列からなる野生型ポリペプチドもしくは該野生型ポリペプチドにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加若しくは挿入されている変異ポリペプチドまたはそれらのペプチド断片)、TACC3ポリペプチド(配列番号32に記載されるアミノ酸配列からなる野生型ポリペプチドもしくは該野生型ポリペプチドにおいて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加若しくは挿入されている変異ポリペプチドまたはそれらのペプチド断片)などが挙げられるが、他にも数々のFGFR融合ポリペプチドが知られており(Cancer Discovery 2013;3:636-647参照)、これらの融合ポリペプチドに本発明の変異が導入されたFGFR融合ポリペプチドも本発明の変異ポリペプチドに含まれる。

0021

好ましくは、本発明の変異ポリペプチドとしては、以下の(1)〜(20)より選択されるFGFR変異ポリペプチド、もしくはそれらの変異を含む(1)〜(20)のペプチド断片、または(1)〜(20)のFGFR変異ポリペプチドもしくはそれらのペプチド断片と他のペプチドとの融合ポリペプチドを意味する:
(1)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号1)のうち少なくとも変異V564Fおよび/もしくはV562Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、
(2)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)のうち少なくとも変異V565Fおよび/もしくはV563Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、
(3)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号37)のうち少なくとも変異V565Fおよび/もしくはV563Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、もしくは
(4)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号38)のうち少なくとも変異V452Fおよび/もしくはV450Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、
(5)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号39)のうち少なくとも変異V475Fおよび/もしくはV473Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、
(6)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号40)のうち少なくとも変異V449Fおよび/もしくはV447Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、
(7)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号41)のうち少なくとも変異V448Fおよび/もしくはV446Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、
(8)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号42)のうち少なくとも変異V447Fおよび/もしくはV445Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、
(9)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号43)のうち少なくとも変異V476Fおよび/もしくはV474Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、
(10)上述の野生型FGFR2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号44)のうち少なくとも変異V475Fおよび/もしくはV473Lを含むFGFR2変異ポリペプチド、
(11)上述の野生型FGFR1ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号21)のうち少なくとも変異V559Fおよび/もしくはV557Lを含むFGFR1変異ポリペプチド、
(12)上述の野生型FGFR1ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号45)のうち少なくとも変異V559Fおよび/もしくはV557Lを含むFGFR1変異ポリペプチド、
(13)上述の野生型FGFR1ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号46)のうち少なくとも変異V551Fおよび/もしくはV549Lを含むFGFR1変異ポリペプチド、
(14)上述の野生型FGFR1ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号47)のうち少なくとも変異V559Fおよび/もしくはV557Lを含むFGFR1変異ポリペプチド、
(15)上述の野生型FGFR1ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号48)のうち少なくとも変異V472Fおよび/もしくはV470Lを含むFGFR1変異ポリペプチド、
(16)上述の野生型FGFR1ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号49)のうち少なくとも変異V470Fおよび/もしくはV468Lを含むFGFR1変異ポリペプチド、
(17)上述の野生型FGFR1ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号50)のうち少なくとも変異V561Fおよび/もしくはV559Lを含むFGFR1変異ポリペプチド、
(18)上述の野生型FGFR3ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号22)のうち少なくとも変異V555Fおよび/もしくはV553Lを含むFGFR3変異ポリペプチド、
(19)上述の野生型FGFR3ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号51)のうち少なくとも変異V557Fおよび/もしくはV555Lを含むFGFR3変異ポリペプチド、もしくは
(20)上述の野生型FGFR3ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号52)のうち少なくとも変異V443Fおよび/もしくはV441Lを含むFGFR3変異ポリペプチド。

0022

特に好ましくは、本発明のFGFR変異ポリペプチドとしては、配列番号9、10、29、または30に示されるアミノ酸配列を含むFGFR2変異ポリペプチド、配列番号25または26に示されるアミノ酸配列を含むFGFR1変異ポリペプチド、および配列番号27または28に示されるアミノ酸配列を含むFGFR3変異ポリペプチド、ならびに配列番号35または36に示されるアミノ酸配列を含むTEL融合FGFR2変異ポリペプチドが挙げられる。

0023

好ましくは、本発明のFGFR変異ポリペプチドは、野生型FGFRポリペプチドと同程度またはそれより強い生物学的活性(例えば、FGFR細胞内ドメインのチロシンリン酸化活性、細胞増殖活性血管新生活性、細胞遊走活性、細胞浸潤活性、細胞転移活性、好ましくは細胞増殖活性)を保持している。本発明のFGFR変異ポリペプチドがこのような生物学的活性を有することは、当業者に公知のアッセイ方法(例えば、下記実施例に記載の方法)によって決定することができる。

0024

本発明のポリヌクレオチドは、前述の本発明のFGFR変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって、本発明のFGFR変異ポリペプチドをコードし得るいかなるポリヌクレオチドをも包含し、ゲノミックDNAまたはcDNAのいずれをも包含する。ゲノミックDNAは、エキソンおよびイントロンを含む。またcDNAは、イントロン配列の一部に由来する核酸配列であってアミノ酸配列をコードする核酸配列を含んでいてもよい。
また、該ポリヌクレオチドは、同一のアミノ酸をコードするコドンであればどのようなコドンから構成される縮重ポリヌクレオチドをも含む。

0025

また、本発明におけるポリヌクレオチドは、哺乳動物由来の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを包含し、好ましい態様としては、ヒト由来の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが挙げることができる。

0026

本発明のポリヌクレオチドは、いかなる方法で得られるものであってもよい。例えばmRNAから調製される相補DNA(cDNA)、ゲノムDNAから調製されるDNA、化学合成によって得られるDNA、RNAまたはDNAを鋳型としてPCR法で増幅させて得られるDNAおよびこれらの方法を適当に組み合わせて構築されるDNAをも全て包含する。

0027

本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、常法に従って本発明の変異ポリペプチドをコードするmRNAからcDNAをクローン化する方法、ゲノムDNAを単離してスプライシング処理する方法、化学合成する方法等により取得することができる。

0028

例えば、本発明の変異ポリペプチドをコードするmRNAからcDNAをクローン化する方法としては、まず、本発明の変異ポリペプチドを発現、産生する任意の組織あるいは細胞から常法に従って該本発明の変異ポリペプチドをコードするmRNAを調製する。例えばグアニジンチオシアネート法、熱フェノール法もしくはAGPC法等の方法を用いて調製した全RNAをオリゴ(dT)セルロースポリUセファロース等によるアフィニティクロマトグラフィーにかけることによって行うことができる。

0029

次いで得られたmRNAを鋳型として、例えば逆転写酵素を用いる等の公知の方法(Mol.Cell.Biol., Vol.2, p.161, 1982; Mol.Cell. Biol., Vol.3, p.280, 1983; Gene, Vol.25, p.263, 1983)等によりcDNA鎖を合成し、cDNAの二本鎖cDNAへの変換し、このcDNAをプラスミドベクターファージベクターまたはコスミドベクター等に組み込み、大腸菌形質転換して、あるいはインビトロパッケージング後、大腸菌に形質移入トランスフェクト)することによりcDNAライブラリーを作製する。
本発明はまた、上述の本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するベクター(組み換えベクター)に関する。

0030

本発明のベクターとしては、原核細胞及び/または真核細胞の各種の宿主内で複製保持または自己増殖できるものであれば特に制限されず、プラスミドベクターおよびファージベクターが包含される。

0031

クローニング用ベクターとしては例えば、pUC19、λgt10、λgt11等が例示される。なお、本発明の変異ポリペプチドを宿主細胞内で発現し得る細胞を単離する場合には、該ポリヌクレオチドを発現し得るプロモーターを有したベクターであることが好ましい。

0032

本発明の組換えベクターとしては、簡便には当業界において入手可能な組換え用ベクター(プラスミドDNAおよびバクテリオファージDNA)に本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを常法により連結することによって調製することができる。

0033

用いられる組換え用ベクターとして、例えば、大腸菌由来のプラスミド(pBR322、pBR325、pUC12、pUC13、pUC19、等)、酵母由来プラスミド(pSH19、pSH15、等)、枯草菌由来プラスミド(pUB110、pTP5、pC194、等)が例示される。

0034

また、ファージとしては、λファージなどのバクテリオファージが、さらにレトロウイルスワクシニヤウイルス、核多角体ウイルス、レンチウイルスなどの動物昆虫のウイルス(pVL1393、インビトロゲン製)が例示される。

0035

本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現させ本発明の変異ポリペプチドを生産させる目的においては、発現ベクターが有用である。発現ベクターとしては、原核細胞および/または真核細胞の各種の宿主細胞中で本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現し、これらポリペプチドを生産する機能を有するものであれば特に制限されない。

0036

例えば、pMAL C2 、pEF-BOS(NucleicAcid Research, Vol.18, 1990, p.5322、等)あるいはpME18S(実験医学別冊遺伝子工学ハンドブック」、1992年等)等を挙げることができる。

0037

また、本発明の変異ポリペプチドは他の別のタンパクとの融合蛋白として製造することもできる。例えば、GST(Glutathione S-transferase)との融合蛋白として調製する場合には、本発明の変異ポリペプチドをコードするcDNAを、例えば、プラスミドpGEX4T1(Pharmacia製)中にサブクローニングし、大腸菌DH5αを形質転換して該形質転換体を培養することにより調製することができる。

0038

あるいは、HAインフルエンザ凝集素)、イムノグロブリン定常領域β−ガラクトシダーゼ、MBP(マルトース結合タンパク質)等との融合体として調製することができる。さらには、例えば、FLAG(Hopp, T. P. et al., BioTechnology (1988) 6, 1204-1210)、6個のHis(ヒスチジン)残基からなる6×His、10×His、インフルエンザ凝集素(HA)、ヒトc-mycの断片、VSV-GPの断片、p18HIVの断片、T7-tag、HSV-tag、E-tag、SV40T抗原の断片、lck tag、α-tubulinの断片、B-tag、Protein C の断片、Stag、StrepTag、HaloTag等の公知のペプチドとの融合体として調製することができる。

0039

本発明のベクターは、宿主細胞として細菌、特に大腸菌を用いる場合、該ベクターは、少なくともプロモーター−オペレーター領域開始コドン、本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、終止コドンターミネーター領域および複製可能単位を含んでいることが好ましい。

0040

宿主として酵母動物細胞または昆虫細胞を用いる場合には、発現ベクターは、少なくともプロモーター、開始コドン、本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、終止コドンを含んでいることが好ましい。

0041

また該ベクターは、シグナルペプチドをコードするDNA、エンハンサー配列、本発明のタンパクをコードする遺伝子の5'側および3'側の非翻訳領域、スプライシング接合部、ポリデニレーション部位、選択マーカー領域または複製可能単位などを含んでいてもよい。

0042

また、所望により、遺伝子増幅および形質転換された宿主を選抜することを可能とするマーカー遺伝子(遺伝子増幅遺伝子、薬剤耐性遺伝子、等)を含んでいてもよい。

0044

細菌中で本発明の変異ポリペプチドを発現させるためのプロモーター−オペレータ−領域は、プロモーター、オペレーター及びShine-Dalgarno(SD) 配列(例えば、AAGGなど)を含むことができる。

0045

例えば宿主がエシェリキア属菌の場合、例えばTrpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、tacプロモーターなどを含むものが例示される。

0046

酵母中で本発明の変異ポリペプチドを発現させるためのプロモーターとしては、PH05プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターが挙げられる。
宿主がバチルス属菌の場合は、SL01プロモーター、SP02プロモーター、penPプロモーターなどが挙げられる。

0047

また、宿主が哺乳動物細胞等の真核細胞である場合、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、ヒートショックプロモーターなどが挙げられる。好ましくは、SV40、レトロウイルスである。しかし、特にこれらに限定されるものではない。また、発現にはエンハンサーの利用も効果的な方法である。

0048

好適な開始コドンとしては、メチオニンコドン(ATG)が例示される。終止コドンとしては、常用の終止コドン(例えば、TAG、TGA、TAA)が例示される。ターミネーター領域としては、通常用いられる天然または合成のターミネーターを用いることができる。

0049

複製可能単位とは、宿主細胞中でその全DNA配列を複製することができる能力をもつDNAを言い、天然のプラスミド、人工的に修飾されたプラスミド(天然のプラスミドから調製されたDNAフラグメント)および合成プラスミド等が含まれる。好適なプラスミドとしては、E. coli ではプラスミドpBR322、もしくはその人工的修飾物(pBR322を適当な制限酵素で処理して得られるDNAフラグメント)が、酵母では酵母2μプラスミド、もしくは酵母染色体DNAが、また哺乳動物細胞ではプラスミドpRSVneoATCC37198、プラスミドpSV2dhfr ATCC 37145、プラスミドpdBPV-MMTneo ATCC 37224、プラスミドpSV2neo ATCC 37149等があげられる。

0050

エンハンサー配列、ポリアデニレーション部位およびスプライシング接合部位については、例えばそれぞれSV40に由来するもの等、当業者において通常使用されるものを用いることができる。

0051

本発明の発現ベクターは、少なくとも、上述のプロモーター、開始コドン、本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、終止コドンおよびターミネーター領域を連続的かつ環状に適当な複製可能単位に連結することによって調製することができる。またこの際、所望により制限酵素での消化やT4DNAリガーゼを用いるライゲーション等の常法により適当なDNAフラグメント(例えば、リンカー、他の制限酵素切断部位など)を用いることができる。

0052

本発明はまた、上述した本発明のベクターで形質転換された組み換え細胞に関し、本発明の組み換え細胞は、上述の発現ベクターを宿主細胞に導入することにより調製することができる。

0053

本発明で用いられる宿主細胞としては、前記の発現ベクターに適合し、形質転換されうるものであれば特に限定されず、本発明の技術分野において通常使用される天然細胞あるいは人工的に樹立された組換細胞など種々の細胞(例えば、細菌(エシェリキア属菌、バチルス属菌)、酵母(サッカロマイセス属ピキア属など)、動物細胞または昆虫細胞などが例示される。

0054

好ましくは大腸菌あるいは動物細胞であり、例えば、大腸菌(DH5α、TB1、HB101等)、マウス由来細胞(COP、L、C127、Sp2/0、NS-1またはNIH3T3等)、ラット由来細胞(PC12,PC12h)、ハムスター由来細胞(BHK及びCHO等)、サル由来細胞(COS1、COS3、COS7、CV1及びVelo等)およびヒト由来細胞(Hela、2倍体線維芽細胞に由来する細胞、ミエローマ細胞およびHepG2等)などが例示される。

0055

発現ベクターの宿主細胞への導入(形質転換(形質移入))は常法に従って行うことができる([E.coli、Bacillus subtilis 等の場合]: Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol.69, p.2110, 1972; Mol. Gen. Genet., Vol.168, p.111, 1979; J. Mol.Biol., Vol.56, p.209, 1971; [Saccharomyces cerevisiaeの場合]: Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol.75, p.1927, 1978; J. Bacteriol., Vol.153, p.163, 1983); [動物細胞の場合]: Virology, Vol.52, p.456, 1973; [昆虫細胞の場合]: Mol. Cell. Biol., Vol.3, p.2156-2165, 1983)。

0056

本発明の変異ポリペプチドは、上記の如く調製される発現ベクターを含む形質転換組み換え細胞(以下、封入体を包含する意味で使用する。)を、常法に従って、栄養培地で培養することによって製造することができる。
本発明の変異ポリペプチドは、上述のような組み換え細胞、特に動物細胞を培養し、培養上清中に分泌させることにより製造することができる。

0057

得られた培養物濾過または遠心分離等の方法で培養濾液上清)を得、該培養濾液から天然または合成蛋白質を精製並びに単離するために一般に用いられる常法に従って該本発明の変異ポリペプチドを精製、単離する。
単離、精製方法としては、例えば塩析溶媒沈澱法等の溶解度を利用する方法、透析限外濾過ゲル濾過ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動など分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーなどの荷電を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動などの等電点の差を利用する方法などが挙げられる。

0058

一方、本発明の変異ポリペプチドが培養された組み換え細胞(大腸菌など)のペリプラズムまたは細胞質内に存在する場合は、培養物を濾過または遠心分離などの常法に付して菌体あるいは細胞を集め、適当な緩衝液に懸濁し、例えば超音波リゾチーム及び凍結融解などの方法で細胞等の細胞壁および/または細胞膜破壊した後、遠心分離やろ過などの方法で本発明のタンパクを含有する膜画分を得る。該膜画分をトライトン−X100等の界面活性剤を用いて可溶化して粗溶液を得る。そして、当該粗溶液を先に例示したような常法を用いることにより、単離、精製することができる。

0059

本発明はまた、上述の本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(cDNAやゲノミックDNA)にハイブリダイズする任意のオリゴヌクレオチドに関する。

0060

本発明のオリゴヌクレオチドは、当該cDNAやゲノミックDNAの塩基配列の任意の部分塩基配列相補的な塩基配列を有し、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction;PCR)におけるセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーからなる一対のオリゴヌクレオチドプライマーとして有用である。該一対のオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRにより、本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの任意の一部または全部の塩基配列を増幅することができる。

0061

本発明のオリゴヌクレオチドプライマーとしては、本発明のポリヌクレオチドの塩基配列に相補的な任意の塩基長のオリゴヌクレオチドが包含されるが、好ましくは、連続する少なくとも12塩基、好ましくは12〜50塩基、より好ましくは12〜20塩基の配列を有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。

0062

本発明のオリゴヌクレオチドはまた、DNAハイブリダーゼーションまたはRNAハイブリダイゼーションの操作におけるプローブとしても有用である。当該DNAをプローブとして用いる目的においては、本発明のポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションする、連続した15塩基以上の部分塩基配列が挙げられ、好ましくは、連続した50塩基以上の部分塩基配列、さらに好ましくは連続した100塩基以上の部分塩基配列、より好ましくは連続した200塩基以上の部分塩基配列、特に好ましくは連続した300塩基以上の部分塩基配列が挙げられる。

0063

本発明はまた、本発明の変異ポリペプチドをコードするmRNAポリヌクレオチドに結合し、該mRNAのタンパク質への翻訳を阻害する活性を有するオリゴヌクレオチドに関する。特に好ましくは、本発明の変異ポリペプチドをコードするmRNAポリヌクレオチドに結合し、該mRNAを切断するsiRNAが挙げられる。

0064

このオリゴヌクレオチドは、本発明の変異ポリペプチドをコードするmRNAに結合しその発現を阻害するオリゴヌクレオチドであって、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドリボザイムまたはsiRNA(short interfering RNA)を意味する。これらは、該mRNAに結合した後、該mRNAのタンパク質への翻訳を阻害する。

0065

アンチセンスオリゴヌクレオチドとは、ゲノムDNAおよび/またはmRNAと特異的にハイブリダイズし、その転写および/または翻訳を阻害することによりそのタンパク質の発現を阻害するオリゴヌクレオチドを意味する。

0066

標的ポリヌクレオチド(mRNA等)への結合は一般的な塩基対相補性によるものでもよく、または、例えば、DNAデュープレックスへの結合の場合には、二重ヘリックス主溝における特異的相互作用によるものでもよい。アンチセンスオリゴヌクレオチドの標的部位としては、mRNAの5'末端、例えばAUG開始コドンまでおよびこれを含む5'非翻訳配列またはmRNAの3'非翻訳配列またはコーディング領域の配列もが挙げられる。

0067

本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いる目的においては、連続した5乃至100塩基の部分塩基配列が挙げられ、好ましくは、連続した5乃至70塩基の部分塩基配列、さらに好ましくは連続した5乃至50塩基の部分塩基配列、より好ましくは連続した5乃至30塩基の部分塩基配列が挙げられる。

0068

また、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドには、患者の体内に投与された場合の血中半減期の増大(安定性)、細胞内膜透過性の増大、あるいは経口投与の場合の消化器官での分解耐性の増大若しくは吸収の増大などの目的のために、該オリゴヌクレオチドの一部に化学修飾を施すことが可能である。化学修飾としては、例えば、オリゴヌクレオチドの構造中のリン酸結合リボース核酸塩基糖部位、3'及び/または5'末端等の化学修飾が挙げられる。

0069

リン酸結合の修飾としては、1以上の該結合を、ホスホジエステル結合(D-オリゴ)、ホスホロチオエート結合ホスホジチオエート結合(S-オリゴ)、メチルホスホネート結合(MP-オリゴ)、ホスホロアデート結合、非リン酸結合及びメチルホスホノチオエート結合のいずれかまたはそれらの組み合わせへの変更を挙げることができる。リボースの修飾としては、2'-フルオロリボースあるいは2'-O-メチルリボースへなどへの変更を挙げることができる。核酸塩基の修飾としては、5-プロピニルウラシルまたは2-アミノアデニンなどへの変更が挙げられる。

0070

リボザイムとは、mRNAを切断する触媒活性を有するオリゴヌクレオチドを意味する。リボザイムは、一般に、エンドヌクレアーゼリガーゼまたはポリメラーゼ活性を示し、種々のタイプのトランス作用性リボザイム、例えばハンマーヘッドおよびヘアピンタイプのリボザイムが包含される。

0071

siRNAとは、RNA干渉(RNA interference)を行うことができる二本鎖オリゴヌクレオチドを意味する(例えば、Bass,2001, Nature, 411, 428-429; Elbashir et al., 2001, Nature, 411,494-498)。

0072

siRNAは、配列特異的にmRNAを切断し、その結果mRNAのタンパク質への翻訳が阻害される。siRNAは、標的とするポリヌクレオチド配列に相補的な配列を含む20〜25塩基対の長さの二本鎖RNAが挙げられる。本発明のsiRNAには、化学的に修飾されたヌクレオチドおよび非ヌクレオチドが含まれるオリゴヌクレオチドも包含される。

0073

本発明はまた上述の本発明の変異ポリペプチドに結合する抗体またはその抗原結合断片に関する。
本発明の抗体は、その由来、形状、機能などで限定されず、如何なる抗体でもよい。本発明の抗体はモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよいが、モノクローナル抗体であることが好ましい。本発明の抗体はヒト抗体マウス抗体ラット抗体など、如何なる動物由来の抗体でもよい。また、キメラ(chimeric)抗体やヒト化(humanized)抗体などの組換え抗体でもよい。本発明の好ましい抗体としては、キメラ抗体、ヒト抗体またはヒト化抗体を挙げることができる。

0074

本発明のヒト化抗体は当業者に既知の方法を用いて作製することができる。抗体の可変領域は、通常、4つのフレーム(FR)にはさまれた3つの相補性決定領域(complementarity determining region ;CDR)で構成されている。CDRは、実質的に、抗体の結合特異性を決定している領域である。CDRのアミノ酸配列は多様性富む。一方FRを構成するアミノ酸配列は、異なる結合特異性を有する抗体の間でも、高い相同性を示すことが多い。そのため、一般に、CDRの移植によって、ある抗体の結合特異性を、他の抗体に移植することができるといわれている。

0075

ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、これは、ヒト以外の哺乳動物、例えばマウス抗体のCDRをヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている(欧州特許出願公開番号EP 125023号公報、WO 96/02576号公報参照)。

0076

具体的には、例えばCDRがマウス抗体由来である場合には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)とを連結するように設計したDNA配列を、CDRおよびFR両方の末端領域にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCR法により合成する(WO98/13388号公報に記載の方法を参照)。得られたDNAを、ヒト抗体定常領域をコードするDNAと連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 239400、国際特許出願公開番号WO 96/02576参照)。

0077

CDRと連結されるヒト抗体のフレームワーク領域は、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように、抗体の可変領域におけるフレームワーク領域のアミノ酸を置換、欠失、付加および/または挿入等してもよい。たとえば、マウスCDRのヒトFRへの移植に用いたPCR法を応用して、FRにアミノ酸配列の変異を導入することができる。具体的には、FRにアニーリングするプライマーに部分的な塩基配列の変異を導入することができる。このようなプライマーによって合成されたFRには、塩基配列の変異が導入される。アミノ酸を置換した変異型抗体の抗原への結合活性を上記の方法で測定し評価することによって所望の性質を有する変異FR配列が選択できる(Sato, K.etal., CancerRes.(1993)53, 851-856)。

0078

ヒト化抗体の定常領域には、通常、ヒト抗体のものが使用される。
使用されるヒト抗体の定常領域は特に限定されず、例えば重鎖定常領域の場合、ヒトIgG1の定常領域、ヒトIgG2の定常領域、ヒトIgG3の定常領域、ヒトIgG4の定常領域、ヒトIgMIgAIgEIgDの定常領域などを用いることができる。又、軽鎖定常領域の場合、ヒトκ鎖定常領域、ヒトλ鎖定常領域などを使用することができる。さらに、ヒト抗体由来の定常領域は天然由来の配列を有するものでもよいし、天然由来の配列において1又は複数のアミノ酸が改変(置換、欠失、付加および/または挿入)された配列を有する定常領域でもよい。

0079

なお、ヒト化抗体を作製した後に、可変領域(例えば、CDR、FR)や定常領域中のアミノ酸を他のアミノ酸で置換、欠失、付加および/または挿入等してもよく、本発明のヒト化抗体には、そのようなアミノ酸置換等されたヒト化抗体も含まれる。

0080

ヒト化抗体におけるCDRの由来は特に限定されず、どのような動物由来でもよい。例えば、マウス抗体、ラット抗体、ウサギ抗体ラクダ抗体などの配列を用いることが可能であるが、好ましくはマウス抗体のCDR配列である。
ヒト化抗体はヒト体内における免疫原性が低下しているため、治療目的などでヒトに投与する場合に有用である。

0081

キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物、例えば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる抗体である。キメラ抗体は、既知の方法を用いて作製することができる。例えば、抗体遺伝子ハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入することによって行うことが可能である(例えば、Carl, A. K. Borrebaeck, James, W. Larrick, THERAPEUTIC MONOCLONALANTIBODIES, Published in the United Kingdom by MACMILLAN PUBLISHERSLTD, 1990参照)。具体的には、ハイブリドーマのmRNAから逆転写酵素を用いて抗体の可変領域(V領域)のcDNAを合成する。目的とする抗体のV領域をコードするDNAが得られれば、これを所望のヒト抗体定常領域(C領域)をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターへ組み込む。または、抗体のV領域をコードするDNAを、ヒト抗体C領域のDNAを含む発現ベクターへ組み込んでもよい。発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、キメラ抗体を発現させることができる。

0082

また、ヒト抗体も当業者に公知の方法により取得することが可能である。例えば、ヒトリンパ球をin vitroで所望の抗原または所望の抗原を発現する細胞で感作し、感作リンパ球ヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、抗原への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1-59878参照)。また、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物を所望の抗原で免疫することで所望のヒト抗体を取得することができる(国際特許出願公開番号WO 93/12227, WO 92/03918,WO 94/02602, WO 94/25585,WO 96/34096, WO 96/33735参照)。

0083

また、ヒトリンパ球プールから、抗原への結合活性をもつ抗体を発現するB細胞をFlow cytometryまたは細胞アレイなどを用いて単離し、選択されたB細胞の抗体遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体のDNA配列を決定することができる(Jin, A. et al., Nature Medicine (2009) 15, 1088-92, Scheid, J.F. et al., Nature(2009)458, 636-640,Wrammert, J. et al., Nature(2008)453, 667-672, Tiller, T. et al, Journal of Immunological Methods(2008) 329, 112-124)。抗原に結合する抗体のDNA配列が明らかになれば、当該配列を有する適当な発現ベクターを作製し、ヒト抗体を取得することができる。これらの方法は周知であり、WO 92/01047, WO 92/20791, WO 93/06213, WO 93/11236, WO 93/19172, WO 95/01438, WO 95/15388などを参考にすることができる。

0084

さらに、ヒト抗体ファージライブラリーを用いて、パニング法によりヒト抗体を取得する技術も知られている。例えば、ヒト抗体の可変領域を一本鎖抗体(scFv)としてファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、抗原に結合するファージを選択することができる。選択されたファージの遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコードするDNA配列を決定することができる。抗原に結合するscFvのDNA配列が明らかになれば、当該配列を有する適当な発現ベクターを作製し、ヒト抗体を取得することができる。これらの方法は周知であり、WO 92/01047, WO 92/20791, WO 93/06213, WO 93/11236, WO 93/19172, WO 95/01438, WO 95/15388などを参考にすることができる。

0085

本発明の抗体には、IgGに代表される二価抗体だけでなく、一価抗体、若しくはIgMに代表される多価抗体も含まれる。又、本発明の抗体には、異なる抗原に結合することができるBispecific抗体も含まれる。
本発明の抗体には、抗体の全長分子に限らず、低分子化抗体等の任意の抗原結合断片が包含される。
さらに、本発明の抗体には細胞傷害性物質などが結合した修飾抗体も含まれる。さらに、本発明の抗体は抗体の糖鎖が改変されていてもよい。

0086

本発明の抗原結合断片に包含される低分子化抗体(minibody)は、全長抗体(whole antibody、例えばwholeIgG等)の一部分が欠損している抗体断片を含む抗体であり、本発明の変異ポリペプチドへの結合活性を有する限り特に限定されない。

0087

本発明において低分子化抗体は、全長抗体の一部分を含む限り特に限定されないが、抗原結合部位が含まれることが好ましい。抗原結合部位は通常、抗体のCDRであり、好ましくは抗体の6つのCDRである。従って、抗原結合部位の好ましい例としては、抗体の6つのCDRや、可変領域(重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域)を挙げることができる。

0088

本発明における低分子化抗体は、全長抗体よりも分子量が小さくなることが好ましいが、例えば、ダイマートリマーテトラマーなどの多量体を形成すること等もあり、全長抗体よりも分子量が大きくなることもある。

0089

本発明の抗原結合断片の他の具体例としては、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fvなどを挙げることができる。また、低分子化抗体の具体例としては、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、scFv(single chain Fv)、Diabody、sc(Fv)2(single chain (Fv)2)などを挙げることができる。これら抗体の多量体(例えば、ダイマー、トリマー、テトラマー、ポリマー)も、本発明の低分子化抗体に含まれる。

0090

抗原結合断片は、例えば、抗体を酵素で処理して抗体断片を生成させることによって得ることができる。抗体断片を生成する酵素として、例えばパパインペプシン、あるいはプラスミンなどが公知である。あるいは、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させることができる(例えば、Co, M.S. et al., J. Immunol.(1994)152, 2968-2976、Better, M. & Horwitz, A. H. Methodsin Enzymology(1989)178, 476-496、Plueckthun, A. & Skerra, A. Methods in Enzymology(1989)178, 476-496、Lamoyi, E., Methods in Enzymology(1989)121, 652-663、Rousseaux, J. et al., Methods in Enzymology(1989)121, 663-669、Bird, R. E. et al., TIBTECH(1991)9, 132-137参照)。

0091

消化酵素は、抗体断片の特定の位置を切断し、次のような特定の構造の抗体断片を与える。このような酵素的に得られた抗体断片に対して、遺伝子工学的手法を利用すると、抗体の任意の部分を欠失させることができる。
上述の消化酵素を用いた場合に得られる抗体断片は以下のとおりである。
パパイン消化:F(ab)2またはFab
ペプシン消化:F(ab')2またはFab'
プラスミン消化:Facb
本発明における低分子化抗体は、本発明の変異ポリペプチドへの結合活性を有する限り、任意の領域を欠失した抗体断片を含むことができる。

0092

ダイアボディーは、遺伝子融合により構築された二価(bivalent)の抗体断片を指す(Holliger P et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90: 6444-6448 (1993)、EP404,097号、WO93/11161号等)。ダイアボディーは、2本のポリペプチド鎖から構成されるダイマーである。通常、ダイマーを構成するポリペプチド鎖は、各々、同じ鎖中でVL及びVHがリンカーにより結合されている。ダイアボディーにおけるリンカーは、一般に、VLとVHが互いに結合できない位に短い。具体的には、リンカーを構成するアミノ酸残基は、例えば、5残基程度である。そのため、同一ポリペプチド鎖上にコードされるVLとVHとは、単鎖可変領域フラグメントを形成できず、別の単鎖可変領域フラグメントと二量体を形成する。その結果、ダイアボディーは2つの抗原結合部位を有することとなる。

0093

scFv抗体は、重鎖可変領域([VH])及び軽鎖可変領域([VL])をリンカー等で結合して一本鎖ポリペプチドにした抗体である(Huston, J. S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1988) 85, 5879-5883、 Plickthun「The Pharmacology of Monoclonal Antibodies」Vol.113, Resenburg 及び Moore編, Springer Verlag, New York, pp.269-315, (1994))。scFvにおけるH鎖V領域およびL鎖V領域は、本明細書に記載されたいずれの抗体由来であってもよい。V領域を連結するペプチドリンカーには、特に制限はない。例えば3から25残基程度からなる任意の一本鎖ペプチドをリンカーとして用いることができる。具体的には、たとえば後述のペプチドリンカー等を用いることができる。

0094

両鎖のV領域は、例えば上記のようなPCR法によって連結することができる。PCR法によるV領域の連結のために、まず次のDNAのうち、全部あるいは所望の部分アミノ酸配列をコードするDNAが鋳型として利用される。
抗体のH鎖またはH鎖V領域をコードするDNA配列、および
抗体のL鎖またはL鎖V領域をコードするDNA配列

0095

増幅すべきDNAの両端の配列に対応する配列を有する一対のプライマーを用いたPCR法によって、H鎖とL鎖のV領域をコードするDNAがそれぞれ増幅される。次いで、ペプチドリンカー部分をコードするDNAを用意する。ペプチドリンカーをコードするDNAもPCRを利用して合成することができる。このとき利用するプライマーの5'側に、別に合成された各V領域の増幅産物と連結できる塩基配列を付加しておく。次いで、[H鎖V領域DNA]−[ペプチドリンカーDNA]−[L鎖V領域DNA]の各DNAと、アセンブリーPCR用のプライマーを利用してPCR反応を行う。

0096

アセンブリーPCR用のプライマーは、[H鎖V領域DNA]の5'側にアニールするプライマーと、[L鎖V領域DNA]の3'側にアニールするプライマーとの組み合わせからなる。すなわちアセンブリーPCR用プライマーとは、合成すべきscFvの全長配列をコードするDNAを増幅することができるプライマーセットである。一方[ペプチドリンカーDNA]には各V領域DNAと連結できる塩基配列が付加されている。その結果、これらのDNAが連結され、さらにアセンブリーPCR用のプライマーによって、最終的にscFvの全長が増幅産物として生成される。一旦scFvをコードするDNAが作製されると、それらを含有する発現ベクター、および該発現ベクターにより形質転換された組換え細胞が常法に従って取得できる。また、その結果得られる組換え細胞を培養して該scFvをコードするDNAを発現させることにより、該scFvが取得できる。
結合される重鎖可変領域と軽鎖可変領域の順序は特に限定されず、どのような順序で並べられていてもよく、例えば、以下のような配置を挙げることができる。
[VH]リンカー[VL]
[VL]リンカー[VH]

0097

sc(Fv)2は、2つのVH及び2つのVLをリンカー等で結合して一本鎖にした低分子化抗体である(Hudson et al、J Immunol. Methods 1999;231:177-189)。sc(Fv)2は、例えば、scFvをリンカーで結ぶことによって作製できる。

0098

また2つのVH及び2つのVLが、一本鎖ポリペプチドのN末端側を基点としてVH、VL、VH、VL([VH]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VL])の順に並んでいることを特徴とする抗体が好ましいが、2つのVHと2つのVLの順序は特に上記配置に限定されず、どのような順序で並べられていてもよい。例えば以下のような配置も挙げることができる。
[VL]リンカー[VH]リンカー[VH]リンカー[VL]
[VH]リンカー[VL]リンカー[VL]リンカー[VH]
[VH]リンカー[VH]リンカー[VL]リンカー[VL]
[VL]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VH]
[VL]リンカー[VH]リンカー[VL]リンカー[VH]

0099

分子抗体中の重鎖可変領域又は軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、置換、欠失、付加及び/又は挿入されていてもよい。さらに、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を会合させた場合に、抗原結合活性を有する限り、一部を欠損させてもよいし、他のポリペプチドを付加してもよい。又、可変領域はキメラ化やヒト化されていてもよい。

0100

本発明において、抗体の可変領域を結合するリンカーは、遺伝子工学により導入し得る任意のペプチドリンカー、又は合成化合物リンカー、例えば、Protein Engineering, 9(3), 299-305, 1996に開示されるリンカーを用いることができる。

0101

本発明において好ましいリンカーはペプチドリンカーである。ペプチドリンカーの長さは特に限定されず、目的に応じて当業者が適宜選択することが可能であるが、通常、1〜100アミノ酸、好ましくは3〜50アミノ酸、更に好ましくは5〜30アミノ酸、特に好ましくは12〜18アミノ酸(例えば、15アミノ酸)である。
ペプチドリンカーのアミノ酸配列としては、例えば、以下のような配列を挙げることができる。
Ser
Gly・Ser
Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Ser(配列番号:13)
Ser・Gly・Gly・Gly(配列番号:14)
Gly・Gly・Gly・Gly・Ser(配列番号:15)
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly(配列番号:16)
Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Ser(配列番号:17)
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly(配列番号:18)
Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Ser(配列番号:19)
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly(配列番号:20)
(Gly・Gly・Gly・Gly・Ser(配列番号:15))n
(Ser・Gly・Gly・Gly・Gly(配列番号:16))n
[nは1以上の整数である]等を挙げることができる。

0102

ペプチドリンカーのアミノ酸配列は、目的に応じて当業者が適宜選択することができる。たとえば上記のペプチドリンカーの長さを決定するnは、通常1〜5、好ましくは1〜3、より好ましくは1または2である。

0103

合成化合物リンカー(化学架橋剤)は、ペプチドの架橋に通常用いられている架橋剤、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビススルホスクシンイミジル)スベレート(BS3)、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP)、ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホスクシンイミジルスクシネート)(スルホ−EGS)、ジスクシンイミジル酒石酸塩(DST)、ジスルホスクシンイミジル酒石酸塩(スルホ−DST)、ビス[2-(スクシンイミドオキシカルボニルオキシエチルスルホンBSOCOES)、ビス[2-(スルホスクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(スルホ−BSOCOES)などであり、これらの架橋剤は市販されている。
4つの抗体可変領域を結合する場合には、通常、3つのリンカーが必要となる。複数のリンカーは、同じでもよいし、異なるリンカーを用いることもできる。

0104

また、本発明の抗体には、本発明の抗体のアミノ酸配列に1又は複数個のアミノ酸残基が付加された抗体も含まれる。また、これら抗体と他のペプチド又はタンパク質とが融合した融合タンパク質も含まれる。融合タンパク質を作製する方法は、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドと他のペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをフレームが一致するように連結してこれを発現ベクターに導入し、宿主で発現させればよく、当業者に公知の手法を用いることができる。本発明の抗体との融合に付される他のペプチド又はポリペプチドとしては、例えば、FLAG(Hopp, T. P. et al., BioTechnology (1988) 6, 1204-1210)、6個のHis(ヒスチジン)残基からなる6×His、10×His、インフルエンザ凝集素(HA)、ヒトc-mycの断片、VSV-GPの断片、p18HIVの断片、T7-tag、HSV-tag、E-tag、SV40T抗原の断片、lck tag、α-tubulinの断片、B-tag、Protein C の断片、Stag、StrepTag、HaloTag等の公知のペプチドを使用することができる。また、本発明の抗体との融合に付される他のポリペプチドとしては、例えば、GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)、HA(インフルエンザ凝集素)、イムノグロブリン定常領域、β−ガラクトシダーゼ、MBP(マルトース結合タンパク質)等が挙げられる。市販されているこれらペプチドまたはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドと融合させ、これにより調製された融合ポリヌクレオチドを発現させることにより、融合ポリペプチドを調製することができる。

0105

また本発明の抗体は、ポリエチレングリコール(PEG)やヒアルロン酸などの高分子物質放射性物質蛍光物質発光物質、酵素、トキシン等の各種分子と結合したコンジュゲート抗体でもよい。このようなコンジュゲート抗体は、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。なお、抗体の修飾方法はこの分野においてすでに確立されている(例えば、US5057313、US5156840)。本発明における「抗体」にはこれらのコンジュゲート抗体も包含される。

0106

さらに、本発明で使用される抗体は二重特異性抗体(bispecific antibody)であってもよい。二重特異性抗体とは、異なるエピトープを認識する可変領域を同一の抗体分子内に有する抗体を言う。本発明において、二重特異性抗体は本発明の変異ポリペプチド分子の異なるエピトープを認識する二重特異性抗体であってもよいし、一方の抗原結合部位が本発明の変異ポリペプチドを認識し、他方の抗原結合部位が他の物質を認識する二重特異性抗体とすることもできる。

0107

二重特異性抗体を製造するための方法は公知である。たとえば、認識抗原が異なる2種類の抗体を結合させて、二重特異性抗体を作製することができる。結合させる抗体は、それぞれがH鎖とL鎖を有する1/2分子であっても良いし、H鎖のみからなる1/4分子であっても良い。あるいは、異なるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを融合させて、二重特異性抗体産生融合細胞を作製することもできる。さらに、遺伝子工学的手法により二重特異性抗体が作製できる。

0108

本発明の抗体は、後述する抗体を産生する細胞や宿主あるいは精製方法により、アミノ酸配列、分子量、等電点又は糖鎖の有無や形態などが異なり得る。しかしながら、得られた抗体が、本発明の抗体と同等の機能を有している限り、本発明に含まれる。例えば、本発明の抗体を原核細胞、例えば大腸菌で発現させた場合、本来の抗体のアミノ酸配列のN末端にメチオニン残基が付加される。本発明の抗体はこのような抗体も包含する。

0109

本発明の抗体は糖鎖が改変された抗体であってもよい。抗体の糖鎖を改変する方法は当業者に公知であり、例えば、抗体のグリコシル化を修飾することによりADCC活性を改良する方法、抗体の糖鎖におけるフコースの存否によりADCC活性を調節する方法、YB2/0細胞において抗体を産生せしめることによりα-1,6core fucoseを含まない糖鎖を有する抗体を調製する方法、バイクティングGlcNAcを有する糖鎖を付加する方法、などが知られている(WO 99/54342、WO 00/61739、WO 02/31140、WO 02/79255など)。

0110

本発明の抗体は、本発明の変異ポリペプチド(ヒトやマウス等の哺乳動物に由来)またはその断片ペプチド免疫原として、公知の方法によって作製することが出来る。すなわち、所望の抗原や所望の抗原を発現する細胞を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって非ヒト哺乳動物を免疫する。被免疫動物から得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナル抗体産生細胞(ハイブリドーマ)を選別し、該細胞を培養することによって、モノクローナル抗体を作製することが可能である。

0111

免疫される非ヒト哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、サル、ヤギ、ロバ、ウシ、ウマ、ブタが挙げられる。抗原の調製は、本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを用い、公知の方法、例えばバキュロウイルスを用いた方法(WO98/46777など)等に準じて行うことができる。

0112

ハイブリドーマの作製は、たとえば、ミルステインらの方法(Kohler. G. and Milstein, C., MethodsEnzymol. (1981) 73: 3-46 )等に準じて行うことができる。抗原の免疫原性が低い場合には、アルブミン等の免疫原性を有する巨大分子と結合させ、免疫を行ってもよい。

0113

本発明の変異ポリペプチドに結合する抗体の一態様として、本発明の変異ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体が挙げられる。本発明の変異ポリペプチドに対する結合活性を有するモノクローナル抗体を作製するための免疫原としては、本発明の変異ポリペプチドに対する結合活性を有する抗体を作製できる限り、特に限定されない。
また、本発明の変異ポリペプチドに対する抗体の結合活性の測定は当業者に公知の方法により行うことができる。

0114

また、モノクローナル抗体は、DNA免疫(DNA Immunization)によっても得ることができる。DNA免疫とは、免疫動物中で抗原タンパク質をコードする遺伝子が発現できるような態様で構築されたベクターDNAを当該免疫動物に投与し、免疫抗原を免疫動物の生体内で発現させることによって、免疫刺激を与える方法である。蛋白質抗原を投与する一般的な免疫方法と比べて、DNA免疫には、次のような優位性を期待できる。
膜蛋白質の構造を維持して免疫刺激を与えることができる
−免疫抗原を精製する必要が無い

0115

DNA免疫によってモノクローナル抗体を得るには、まず、本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを免疫動物に投与する。本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、上述した方法に従って、PCRなどの公知の方法によって合成することができる。得られたDNA(ポリヌクレオチド)を適当な発現ベクターに挿入し、免疫動物に投与する。発現ベクターとしては、上述したような任意のベクター(例えば、pcDNA3.1などの市販の発現ベクター)を利用することができる。ベクターを生体に投与する方法も、一般に用いられている方法を利用することができる。たとえば、発現ベクターを吸着させた金粒子を、遺伝子銃(gene gun)で細胞内に打ち込むことによってDNA免疫を行うことができる。DNA免疫後に、本発明の変異ポリペプチド発現細胞による追加免疫(boost)を行うことは、モノクローナル抗体を得る好ましい方法である。

0116

このように哺乳動物が免疫され、血清中における所望の抗体量の上昇が確認された後に、哺乳動物から免疫細胞が採取され、細胞融合に付される。好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が使用できる。

0117

上記の免疫細胞と融合される細胞として、哺乳動物のミエローマ細胞が用いられる。ミエローマ細胞は、スクリーニングのための適当な選択マーカーを備えていることが好ましい。選択マーカーとは、特定の培養条件の下で生存できる(あるいはできない)形質を指す。選択マーカーには、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損(以下HGPRT欠損と省略する)、あるいはチミジンキナーゼ欠損(以下TK欠損と省略する)などが公知である。HGPRTやTKの欠損を有する細胞は、ヒポキサンチン−アミノプテリンチミジン感受性(以下HAT感受性と省略する)を有する。HAT感受性の細胞はHAT選択培地中でDNA合成を行うことができず死滅するが、正常な細胞と融合すると正常細胞のサルベージ回路を利用してDNAの合成を継続することができるためHAT選択培地中でも増殖するようになる。

0118

HGPRT欠損やTK欠損の細胞は、それぞれ6チオグアニン、8アザグアニン(以下8AGと省略する)、あるいは5'ブロモデオキシウリジンを含む培地で選択することができる。正常な細胞はこれらのピリミジンアナログをDNA中に取り込んでしまうので死滅するが、これらの酵素を欠損した細胞は、これらのピリミジンアナログを取り込めないので選択培地の中で生存することができる。この他、G418耐性と呼ばれる選択マーカーは、ネオマイシン耐性遺伝子によって2-デオキシストレプタミン系抗生物質ゲンタマイシン類似体)に対する耐性を与える。細胞融合に好適な種々のミエローマ細胞が公知である。

0119

基本的には公知の方法、たとえば、ケーラーとミルステインらの方法(Kohler. G. and Milstein, C.、MethodsEnzymol.(1981)73, 3-46)等に準じて、免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合が行われる。

0120

より具体的には、例えば細胞融合促進剤の存在下で通常の栄養培養液中で、細胞融合が実施できる。融合促進剤としては、例えばポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルスHVJ)等を使用することができる。更に融合効率を高めるために所望によりジメチルスルホキシド等の補助剤を加えることもできる。

0121

免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は任意に設定できる。例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1から10倍とするのが好ましい。細胞融合に用いる培養液としては、例えば、ミエローマ細胞株の増殖に好適なRPMI1640培養液、MEM培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液を利用することができる。さらに、牛胎児血清FCS)等の血清補液を培養液に添加することができる。

0122

細胞融合は、免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を培養液中でよく混合し、予め37℃程度に加温したPEG溶液を混合することによって目的とする融合細胞(ハイブリドーマ)が形成される。細胞融合法においては、例えば平均分子量1000から6000程度のPEGを、通常30から60%(w/v)の濃度で添加することができる。続いて、上記に挙げた適当な培養液を逐次添加し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことによりハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等が除去される。

0123

このようにして得られたハイブリドーマは、細胞融合に用いられたミエローマが有する選択マーカーに応じた選択培養液を利用することによって選択することができる。例えばHGPRTやTKの欠損を有する細胞は、HAT培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)で培養することにより選択できる。すなわち、HAT感受性のミエローマ細胞を細胞融合に用いた場合、HAT培養液中で、正常細胞との細胞融合に成功した細胞を選択的に増殖させることができる。目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するのに十分な時間、上記HAT培養液を用いた培養が継続される。具体的には、一般に、数日から数週間の培養によって、目的とするハイブリドーマを選択することができる。ついで、通常の限界希釈法を実施することによって、目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングおよび単一クローニングが実施できる。

0124

目的とする抗体のスクリーニングおよび単一クローニングは、公知の抗原抗体反応に基づくスクリーニング方法によって好適に実施できる。例えば、ポリスチレン等でできたビーズや市販の96ウェルマイクロタイタープレート等の担体に抗原を結合させ、ハイブリドーマの培養上清と反応させる。次いで担体を洗浄した後に酵素で標識した二次抗体等を反応させる。もしも培養上清中に感作抗原と反応する目的とする抗体が含まれる場合、二次抗体はこの抗体を介して担体に結合する。最終的に担体に結合する二次抗体を検出することによって、目的とする抗体が培養上清中に存在しているかどうかが決定できる。抗原に対する結合能を有する所望の抗体を産生するハイブリドーマを限界希釈法等によりクローニングすることが可能となる。

0125

また、ヒト以外の動物に抗原を免疫することによって上記ハイブリドーマを得る方法以外に、ヒトリンパ球を抗原感作して目的とする抗体を得ることもできる。具体的には、まずインビトロにおいてヒトリンパ球を本発明の変異ポリペプチドで感作する。次いで免疫感作されたリンパ球を適当な融合パートナーと融合させる。融合パートナーには、たとえばヒト由来であって永久分裂能を有するミエローマ細胞を利用することができる(特公平1-59878号公報参照)。この方法によって得られる抗体は、本発明の変異ポリペプチドへの結合活性を有するヒト抗体である。

0126

上述の方法等により取得された本発明の変異ポリペプチドに結合する抗体をコードする塩基配列、アミノ酸配列は当業者に公知の方法により得ることが可能である。

0127

得られた本発明の変異ポリペプチドに結合する抗体の配列を基に、当業者に公知の遺伝子組換え技術を用いて本発明の変異ポリペプチドに結合する抗体を作製することが可能である。具体的には、本発明の変異ポリペプチドを認識する抗体の配列を基に抗体をコードするポリヌクレオチドを構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させればよい(例えば、Co, M. S. et al., J. Immunol. (1994) 152, 2968-2976 ; Better, M. and Horwitz, A. H., MethodsEnzymol. (1989) 178, 476-496 ; Pluckthun, A. and Skerra, A., Methods Enzymol. (1989) 178, 497-515 ; Lamoyi, E., Methods Enzymol. (1986) 121, 652-663 ; Rousseaux, J. et al., Methods Enzymol. (1986) 121, 663-669 ; Bird, R. E. and Walker, B. W., Trends Biotechnol. (1991) 9, 132-137参照)。

0128

ベクターの例としては、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Scriptなどが挙げられる。また、cDNAのサブクローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクターの他に、例えば、pGEM-T、pDIRECT、pT7などが挙げられる。本発明の抗体を生産する目的においてベクターを使用する場合には、特に、発現ベクターが有用である。発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を目的とした場合は、ベクターが大腸菌で増幅されるような上記特徴を持つほかに、宿主をJM109、DH5α、HB101、XL1-Blueなどの大腸菌とした場合においては、大腸菌で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Wardら, Nature (1989) 341, 544-546;FASEB J. (1992) 6, 2422-2427)、araBプロモーター(Betterら, Science (1988) 240, 1041-1043)、またはT7プロモーターなどを持っていることが不可欠である。このようなベクターとしては、上記ベクターの他にpGEX-5X-1(ファルマシア製)、「QIAexpress system」(キアゲン製)、pEGFP、またはpET(この場合、宿主はT7RNAポリメラーゼを発現しているBL21が好ましい)などが挙げられる。

0129

また、ベクターには、抗体分泌のためのシグナル配列が含まれていてもよい。抗体分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379)を使用すればよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カルシウム法エレクトロポレーション法を用いて行うことができる。

0130

大腸菌以外にも、例えば、本発明の抗体を製造するためのベクターとしては、哺乳動物由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3(インビトロゲン社製)や、pEF-BOS (Nucleic Acids. Res.1990, 18(17),p5322)、pEF、pCDM8)、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば「Bac-to-BAC baculovirus expression system」(ギブコBRL製)、pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHSV、pMV、pAdexLcw)、レトロウィルス由来の発現ベクター(例えば、pZIPneo)、酵母由来の発現ベクター(例えば、「Pichia Expression Kit」(インビトロゲン製)、pNV11、SP-Q01)、枯草菌由来の発現ベクター(例えば、pPL608、pKTH50)が挙げられる。

0131

CHO細胞、COS細胞、NIH3T3細胞等の動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモーター(Mulliganら, Nature (1979) 277, 108)、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushimaら, Nucleic AcidsRes. (1990) 18, 5322)、CMVプロモーターなどを持っていることが不可欠であり、細胞への形質転換を選抜するための遺伝子(例えば、薬剤ネオマイシン、G418など)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好ましい。このような特性を有するベクターとしては、例えば、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、pOP13などが挙げられる。

0132

さらに、遺伝子を安定的に発現させ、かつ、細胞内での遺伝子のコピー数の増幅を目的とする場合には、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pSV2-dhfr(「Molecular Cloning 2nd edition」 Cold Spring Harbor Laboratory Press, (1989))など)を導入し、メトトレキセート(MTX)により増幅させる方法が挙げられ、また、遺伝子の一過性の発現を目的とする場合には、SV40T抗原を発現する遺伝子を染色体上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクター(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製開始点としては、また、ポリオーマウィルスアデノウィルスウシパピローマウィルス(BPV)等の由来のものを用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH)遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。

0133

これにより得られた本発明の抗体は、宿主細胞内または細胞外(培地など)から単離し、実質的に純粋で均一な抗体として精製することができる。抗体の分離、精製は、通常の抗体の精製で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。例えば、クロマトグラフィーカラムフィルター、限外濾過、塩析、溶媒沈殿溶媒抽出蒸留免疫沈降、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動等電点電気泳動法、透析、再結晶等を適宜選択、組み合わせれば抗体を分離、精製することができる。

0134

クロマトグラフィーとしては、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー吸着クロマトグラフィー等が挙げられる(Strategies for Protein Purification and Characterization: A Laboratory Course Manual. Ed Daniel R. Marshak et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1996)。これらのクロマトグラフィーは、液相クロマトグラフィー、例えばHPLC、FPLC等の液相クロマトグラフィーを用いて行うことができる。アフィニティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、プロテインAカラムプロテインGカラムが挙げられる。例えば、プロテインAを用いたカラムとして、Hyper D, POROS, SepharoseFF(GE Amersham Biosciences)等が挙げられる。本発明は、これらの精製方法を用い、高度に精製された抗体も包含する。

0135

得られた抗体の本発明の変異ポリペプチドに対する結合活性の測定は、当業者に公知の方法により行うことが可能である。例えば、抗体の抗原結合活性を測定する方法として、ELISA酵素結合免疫吸着検定法)、EIA酵素免疫測定法)、RIA放射免疫測定法)あるいは蛍光抗体法を用いることができる。例えば、酵素免疫測定法を用いる場合、抗原をコーティングしたプレートに、抗体を含む試料、例えば、抗体産生細胞の培養上清や精製抗体を加える。アルカリフォスファターゼ等の酵素で標識した二次抗体を添加し、プレートをインキュベートし、洗浄した後、p-ニトロフェニル燐酸などの酵素基質を加えて吸光度を測定することで抗原結合活性を評価することができる。

0136

本発明における「癌」とは、一般に、悪性新生物を表すために用いられ、それは、転移性または非転移性であってよい。例えば、消化管や皮膚等の上皮組織から発生した癌腫の非限定な例として、脳腫瘍、皮膚癌頭部癌、食道癌、肺癌、胃癌、十二指腸癌、乳癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、膵臓癌肝臓癌、大腸癌、結腸癌、膀胱癌、および卵巣癌等が例示される。また、筋肉等の非上皮性組織(間質)から発生した肉腫の非限定な例として、骨肉腫軟骨肉腫横紋筋肉腫平滑筋肉腫脂肪肉腫、および血管肉腫等が例示される。さらに、造血器由来の血液がんの非限定な例として、ホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma)および非ホジキンリンパ腫(non Hodgkin's lymphoma)を含む悪性リンパ腫急性(acute myelocytic leukemia)または慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia)、および急性(acute lymphatic leukemia)または慢性リンパ性白血病(chronic lymphatic leukemia)を含む白血病、ならびに多発性骨髄腫(multiple myeloma)が例示される。

0137

本発明における癌には、新たに生じたいかなる病的組織腫瘍(新生物)をも包含される。本発明においては、新生物は腫瘍の形成を生じ、それは部分的に血管形成を特徴とする。新生物は、例えば、血管腫神経膠腫奇形腫等の良性、あるいは、例えば、癌腫、肉腫、膠細胞腫、星状膠細胞腫神経芽細胞腫網膜芽腫等の悪性でありうる。
本発明における癌の好適な例としては、膀胱癌、脳腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、皮膚黒色腫、子宮体癌、乳癌、前立腺癌、大腸癌、食道癌、胃癌、胆管癌、胆道癌または肝癌等が挙げられる。

0138

本発明における「癌組織」とは、少なくとも一つの癌細胞を含む組織を意味する。したがって、例えば癌組織が癌細胞と血管を含んでいるように、癌細胞および内皮細胞を含む腫瘤(tumor mass)の形成に寄与するすべての細胞型をいう。本発明において、腫瘤とは腫瘍組織(a foci of tumor tissue)をいう。「腫瘍」という用語は、一般に、良性新生物または悪性新生物を意味するために用いられる。

0139

本発明は上述した本発明の抗体若しくはその抗原結合断片、またはオリゴヌクレオチド、あるいは本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。
本発明において医薬組成物とは、通常、疾患の治療もしくは予防、あるいは検査・診断のための薬剤をいう。

0140

本発明の医薬組成物は、当業者に公知の方法を用いて製剤化され得る。例えば、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤注射剤の形で非経口的に使用され得る。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水生理食塩水植物油乳化剤懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤賦形剤ベヒクル防腐剤結合剤等と適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態混和することによって製剤化され得る。これら製剤における有効成分量は、指示された範囲の適当な容量が得られるように設定される。

0141

注射のための無菌組成物注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施にしたがって処方され得る。注射用水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬(例えばD-ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール塩化ナトリウム)を含む等張液が挙げられる。適切な溶解補助剤、例えばアルコールエタノール等)、ポリアルコールプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、非イオン性界面活性剤ポリソルベート80TM、HCO-50等)が併用され得る。

0142

油性液としてはゴマ油大豆油が挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル及び/またはベンジルアルコールも併用され得る。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液及び酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩酸プロカイン)、安定剤(例えば、ベンジルアルコール及びフェノール)、酸化防止剤と配合され得る。調製された注射液は通常、適切なアンプル充填される。

0143

本発明の医薬組成物は、好ましくは非経口投与により投与される。例えば、注射剤型、経鼻投与剤型、経肺投与剤型経皮投与型の組成物が投与される。例えば、静脈内注射筋肉内注射腹腔内注射皮下注射などにより全身または局部的に投与され得る。

0144

投与方法は、患者の年齢、症状により適宜選択され得る。抗原結合分子を含有する医薬組成物の投与量は、例えば、一回につき体重1 kgあたり0.0001 mgから1000 mgの範囲に設定され得る。または、例えば、患者あたり0.001〜100000 mgの投与量が設定され得るが、本発明はこれらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与量及び投与方法は、患者の体重、年齢、症状などにより変動するが、当業者であればそれらの条件を考慮し適当な投与量及び投与方法を設定することが可能である。

0145

なお、本発明に記載するアミノ酸配列に含まれるアミノ酸は翻訳後に修飾(例えば、N末端のグルタミンピログルタミル化によるピログルタミン酸への修飾は当業者によく知られた修飾である)を受ける場合もあるが、そのようにアミノ酸が翻訳後修飾された場合であっても当然のことながら本発明に記載するアミノ酸配列に含まれる。

0146

本発明はまた、被験者(癌患者および健常人を含む)の試料中における上述した本発明の変異ポリペプチドおよび該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを検出する方法に関する。

0147

被験者の試料中における本発明の変異ポリペプチドの存否は、例えば、被験者(癌患者、癌に罹患している可能性のある者、癌に罹患するリスクを有す者、健常人。ただし、ヒトに限定されない。)から採取した試料(腫瘍組織、正常組織、癌細胞若しくは正常細胞を含む各種体液(血液、血清、尿、唾液腹水胸水、等))に、上述した本発明の変異ポリペプチドに結合する抗体またはその抗原結合断片を接触させることによる抗原抗体反応を利用することにより試験、決定することができる。
この抗原抗体反応による抗原(即ち、本発明の変異ポリペプチド)の検出は、例えば、慣用されているイムノアッセイを用いて行うことができる。

0148

本発明におけるイムノアッセイとは、抗原(即ち、本発明の変異ポリペプチド)と該抗原に結合する抗体若しくはその抗原結合断片との反応の原理に基づき、試料(腫瘍組織、正常組織、癌細胞若しくは正常細胞を含む各種体液(血液、血清、尿、唾液、腹水、胸水、等))中に含まれる本発明の変異ポリペプチドの検出を行う方法を意味し、この検出を可能とする方法であればどのようなイムノアッセイも包含される。

0149

本発明におけるイムノアッセイには、例えば、酵素免疫測定法(第3版、石川榮治ら編集医学書院発行、1987年)に記載されているような種々方法の原理を応用することができる。即ち、該種々方法においては、検出しようとする試料中の目的の抗原の捕捉キャプチャーリングトラッピング)のための該目的抗原に結合する1つ以上の抗体を用いて実施することができる。

0150

応用できる原理としては、例えば、一抗体固相法、二抗体液相法、二抗体固相法サンドイッチ法、及び特公平2-39747号公報に記載されているようなワンポット法を好適な例として挙げることができる。また、抗原抗体反応を利用したアッセイとしては、EMIT法(Enzyme multiplied immunoassay technique)、エンザイムチャネリングアッセイ(Enzyme channeling immunoassay)、酵素活性修飾物質標識イムノアッセイ(Enzyme modulator mediated enzyme immunoassay、EMMIA)、酵素阻害物質標識イムノアッセイ(Enzyme inhibitor immunoassay)、イムノエンザイムメトリックアッセイ(Immunoenzymometric assay)、酵素活性増強イムノアッセイ(Enzyme enhanced immunoassay)及びプロキシマールリンケージイムノアッセイ(Proximal linkage immunoassay)等も包含される。
本発明においては、このようなイムノアッセイのいずれかの原理を、試験の目的に応じて適宜選択して用いることができる。

0151

また、96穴マイクロプレートに代表されるような多数のウェルを有するマルチウェルマイクロタイタープレート、酵素あるいはビオチンにより標識された標識抗体とを用いるサンドイッチ法、あるいはビーズと、ペルオキシダーゼ等の酵素あるいはビオチンにより標識された標識抗体とを用いるワンポット法も包含される。

0152

上述のとおり、本発明におけるイムノアッセイにおいて用いられる本発明の変異ポリペプチドに結合する抗体若しくはその抗原結合断片は、単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質により標識されていてもよい。

0153

この標識物質としては、例えば、酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジンあるいは放射性同位体等であり、さらに具体的には、ペルオキシダーゼ(例えば、horseradish peroxidase)、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼグルコースオキシダーゼグルコ−ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼアルコール脱水素酵素リンゴ酸脱水素酵素ペニシリナーゼカタラーゼアポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等の酵素、フルオレスセイイソチオシアネートフィビリタンパク、希土類金属キレートダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質、3H、14C、125I若しくは131I等の放射性同位体、ビオチン、アビジン、または化学発光物質が挙げられる。
ここで、放射性同位体及び蛍光物質は、単独で検出可能なシグナルをもたらすことができる。

0154

一方、酵素、化学発光物質、ビオチン及びアビジンは、単独では検出可能なシグナルをもたらすことができないため、さらに1種以上の他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらす。

0155

例えば、酵素の場合には少なくとも基質が必要であり、酵素活性を測定する方法(比色法蛍光法生物発光法あるいは化学発光法等)に依存して種々の基質が用いられる。例えば、ペルオキシダーゼの場合には、基質として過酸化水素を用いる。また、ビオチンの場合には少なくともアビジンあるいは酵素修飾アビジンを反応させるのが一般的であるが、この限りではない。必要に応じてさらに該基質に依存する種々の発色物質が用いられる。

0156

被験者の試料中における本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否は、例えば、被験者(癌患者、癌に罹患している可能性のある者、癌に罹患するリスクを有す者、健常人。ただし、ヒトに限定されない。)から採取した試料(腫瘍組織、正常組織、癌細胞若しくは正常細胞を含む各種体液(血液、血清、尿、唾液、腹水、胸水、等))に含まれるmRNA、該mRNAを鋳型にして調製したcDNA、ゲノミックDNA等を利用した各種の遺伝子解析法を利用して、上述した本発明の各種のオリゴヌクレオチド(一対のオリゴヌクレオチドプライマー、オリゴヌクレオチドプローブ、等)を用いて常法に従って試験、決定することができる。当該遺伝子解析法には、例えば、ノーザンブロッティング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、サザーンブロッティング、LCR(Ligase chain reaction)、SDA(Strand displacement amplification)、NASBA(Nucleic acid sequence-based amplification)、ICAN(Isothermal and chimeric primer-initiated amplification of nucleic acids)、LAMP(Loop-mediated isothermal amplification)法、TMA法(Gen-Probe's TMA system)、マイクロアレー、次世代シークエンス法等が挙げられる。

0157

なお、これらのアッセイにおいては、該試料に由来する本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドへの本発明のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを利用するが、該ハイブリダイゼーションにおいて所望により適用されるストリンジェントな条件とは、例えば、6M尿素、0.4% SDS、0.5 xSSC、37℃の条件またはこれと同等のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件を例示できる。目的により、よりストリンジェンシーの高い条件、例えば、6M 尿素、0.4% SDS、0.1 x SSCの条件、42℃も適用することができる。

0158

本発明はまた、上述した被験者(癌患者および健常人を含む)の試料中における上述した本発明の変異ポリペプチドおよび該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの検出に用いられる検出用キットに関する。

0159

本発明の検出用キットは、具体的には、上述した本発明の変異ポリペプチドに結合する抗体またはその抗原結合断片(上述した各種の標識物質で標識された抗体またはその抗原結合断片を含む)を含み、また、上述した各種のイムノアッセイの実施の目的に応じて各種の検出用試薬(酵素、基質、等)および実験操作指示書を含むことができる。

0160

本発明の検出用キットは、具体的には、上述した本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに由来するmRNA、該mRNAを鋳型にして調製したcDNA、ゲノミックDNA等にハイブリダイズする上述した本発明の各種オリゴヌクレオチド(一対のオリゴヌクレオチドプライマー、オリゴヌクレオチドプローブ、等)を含み、また、上述した各種の遺伝子解析の実施の目的に応じて各種の試薬(酵素、他のオリゴヌクレオチド、核酸反応液、等)および実験操作指示書を含むことができる。

0161

本発明はまた、被験者から単離された試料中にける本発明の変異ポリペプチドまたは該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を基準として、各種FGFR阻害剤に対する耐性の有無、FGFR阻害剤による治療に対する被験者の応答の予測、または癌治療におけるFGFR阻害剤の効果の予測について試験する方法に関する。

0162

本発明の方法としては、具体的には、被験者(癌患者、癌に罹患している可能性のある者、癌に罹患するリスクを有する者、健常人。ただし、ヒトに限定されない。)から採取した試料(腫瘍組織、正常組織、癌細胞若しくは正常細胞を含む各種体液(血液、血清、尿、唾液、等))における本発明の変異ポリペプチドの存否を、上述した本発明の変異ポリペプチドを検出する方法および検出用キットを用いて試験、決定し、該変異ポリペプチドが検出された場合には各種FGFR阻害剤に対する耐性を有するという基準に基づき、各種FGFR阻害剤に対する耐性の有無、FGFR阻害剤による治療に対する被験者の応答の予測、または癌治療におけるFGFR阻害剤の効果の予測について試験する方法が挙げられる。

0163

本発明の方法としては、さらに、被験者(癌患者、癌に罹患している可能性のある者、癌に罹患するリスクを有する者、健常人。ただし、ヒトに限定されない。)から採取した試料(腫瘍組織、正常組織、癌細胞若しくは正常細胞を含む各種体液(血液、血清、尿、唾液、等))における本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を、上述した本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの検出方法および検出用キットを用いて試験、決定し、該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが検出された場合には各種FGFR阻害剤に対する耐性を有するという基準に基づき、各種FGFR阻害剤に対する耐性の有無、FGFR阻害剤による治療に対する被験者の応答の予測、または癌治療におけるFGFR阻害剤の効果の予測について試験する方法が挙げられる。

0164

本発明はまた、被験者から単離された試料中にける本発明の変異ポリペプチドまたは該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を基準として、FGFR阻害活性を有する化合物を含有する抗癌剤(以下で説明するとおり)が適用される患者を選択する方法に関する。

0165

本発明の方法としては、具体的には、被験者(癌患者または癌に罹患している可能性のある者。ヒトに限定されない。)から採取した試料(腫瘍組織、正常組織、癌細胞若しくは正常細胞を含む各種体液(血液、血清、尿、唾液、等))における本発明の変異ポリペプチドの存否を、上述した本発明の変異ポリペプチドを検出する方法および検出用キットを用いて試験、決定し、該変異ポリペプチドが検出された場合には、該被験者を、FGFR阻害活性を有する化合物を含有する抗癌剤(または癌治療用医薬組成物:以下で説明するとおり)が適用される患者として選択する方法が挙げられる。ここで、FGFR阻害活性を有する化合物としては、一般式(I)の化合物が好ましい。

0166

本発明の方法としては、さらに、被験者(癌患者または癌に罹患している可能性のある者。ヒトに限定されない。)から採取した試料(腫瘍組織、正常組織、癌細胞若しくは正常細胞を含む各種体液(血液、血清、尿、唾液、等))における本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存否を、上述した本発明の変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの検出方法および検出用キットを用いて試験、決定し、該変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが検出された場合には、該被験者を、FGFR阻害活性を有する化合物を含有する抗癌剤(以下で説明するとおり)が適用される患者として選択する方法が挙げられる。ここで、FGFR阻害活性を有する化合物としては、一般式(I)の化合物が好ましい。

0167

本発明における「FGFR阻害剤」または「FGFR阻害活性を有する化合物」は、それぞれ互換的に用いられ、上述した本発明におけるFGFR、即ち、受容体型チロシンキナーゼファミリーに属しているキナーゼである線維芽細胞増殖因子受容体(fibroblast growth factor receptor; FGFR)であって、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4を含むFGFRファミリーに属する1つ以上の任意のFGFRの活性を阻害する活性を有する化合物を意味し、好ましくは、ヒトのFGFRの活性を阻害する活性を有する化合物を意味し、さらに好ましくは、配列番号1または2に記載されるアミノ酸配列からなるヒトFGFR2(cDNA配列:それぞれ配列番号3、4/GenBankAccession No.:それぞれNM_000141.4、NM_022970.3)の活性を阻害する活性を有する化合物を意味する。
本発明におけるFGFR阻害剤には、その化合物がFGFRの活性を阻害する活性を有する限り任意のFGFR阻害剤が包含される。

0168

具体的には、(1)FGFRのKinase活性の阻害、(2)FGFR、TACC3、およびBAIAP2L1の間における二量体の形成(ダイマー化)の阻害、(3)FGFRを介したシグナル伝達(MAPK経路、PI3K/AKT経路)の阻害(例えば、MEK阻害剤、RAF阻害剤ERK阻害剤、PI3K阻害剤、mTOR阻害剤、AKT阻害剤、PDK阻害剤、S6K阻害剤、等)、(4)FGFRの発現量の阻害(例えば、siRNA、HSP90阻害剤、等)の作用機序を有する任意の化合物、抗体、核酸医薬(siRNA、アンチセンス核酸、リボザイム、等)が包含される。

0169

本発明におけるFGFR阻害剤として包含されるFGFRの活性を阻害する活性を有する抗体には、次の開発コード識別される抗体が包含される(RG7444、FP-1039、AV370、PRO-001)。

0170

本発明におけるFGFR阻害剤として包含されるFGFRの活性を阻害する活性を有する低分子化合物には、例えば、(1)次の特許文献または非特許文献に開示されている化合物(Cancer Research, 2012, 72: 2045-2056; J. Med. Chem., 2011, 54: 7066-7083;国際公開WO2011/016528号)、(2)次の一般名称または開発コードで識別される化合物: AZD-4547(後述の表1の化合物C)、BGJ-398(後述の表1の化合物D)、LY-2874455、cediranib(AZD2171;後述の表1の化合物E)、PD173074(後述の表1の化合物B)、regorafenib、ponatinib、orantinib、nintedanib、masitinib、lenvatinib、dovitinib(TKI258)、brivanib、volasertib、golvatinib、ENMD-2076、E-3810、XL-999、XL-228、ARQ087、Tivozanib、motesanib、regorafenib、および(3)例えば以下に示される化合物が包含されるが、この限りではない。

0171

(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に以下の基を示す;
R1は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリールC1−4アルキル、−OR5、−NR6R7、−(CR8R9)nZ1、−C(O)NR12R13、−SR14、−SOR15、−SO2R16、−NR17SO2R18、COOH、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリル、−COR19、−COOR20、−OC(O)R21、−NR22C(O)R23、−NR24C(S)R25、−C(S)NR26R27、−SO2NR28R29、−OSO2R30、−SO3R31または−Si(R32)3を示し;
R2は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリールC1−4アルキル、−OR5、−NR6R7、−(CR8R9)nZ1、−C(O)NR12R13、−SR14、−SOR15、−SO2R16、−NR17SO2R18、COOH、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリル、−COR19、−COOR20、−OC(O)R21、−NR22C(O)R23、−NR24C(S)R25、−C(S)NR26R27、−SO2NR28R29、−OSO2R30、−SO3R31または−Si(R32)3を示し;
またはR1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成し、ここで該ヘテロシクリルまたは該ヘテロアリールは、ハロゲンで置換されていてもよく;
R3はメチルを示し;
R4は水素を示し;
Aはインドールであり;
R5はC1−5アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−3アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C1−3アルコキシC1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アミノアルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−3アルキル、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキルまたはC1−6トリヒドロキシアルキルを示し;
R6およびR7は、同一でも異なってもよく、それぞれ、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C6−10アリールC1−3アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキル、C1−6トリヒドロキシアルキル、3〜10員ヘテロシクリル、C1−4アミノアルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキルまたはシアノ(C1−3アルキル)を示すか、またはR6およびR7は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成し;
nは1〜3を示し;
R8およびR9は、同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキルまたはハロゲンを示すか、またはR8およびR9は、それらが結合している炭素原子と一緒になって脂環式環を形成してもよく;
Z1は、水素、NR10R11、-OH、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリールを示し;
R10およびR11は、同一でも異なってもよく、それぞれC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、シアノ(C1−3アルキル)またはC1−3アルキルスルホニルC1−4アルキルを示すか、またはR10およびR11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;
R12およびR13は同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリールC1−4アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、シアノ(C1−3アルキル)、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、3〜10員脂環式環、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示すか、またはR12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;
R14は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R15は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R16は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R17は、水素またはC1−4アルキルを示し;
R18は、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R19は、水素、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R20は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R21は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R22は、水素、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルを示し;
R23は、水素、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R24は、水素、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルを示し;
R25は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R26およびR27は、同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシルC1−4アルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリールC1−4アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、シアノ(C1−3アルキル)、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、または3〜10員脂環式環を示すか、またはR26およびR27は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;
R28およびR29は、同一でも異なってもよく、それぞれ水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシルC1−4アルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリール、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリールC1−4アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、シアノ(C1−3アルキル)、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、または3〜10員脂環式環を示すか、またはR28およびR29は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成してもよく;
R30は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R31は、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールまたは3〜10員ヘテロシクリルを示し;
R32は、C1−4アルキルまたはC6−10アリールを示し;
<P群>
ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、−OH、C1−3アルコキシ、C1−3ハロアルコキシ、3〜10員ヘテロシクリルアミノ、−SO2R16、−CN、−NO2、および3〜10員ヘテロシクリル。
<Q群>
ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、−OH、C1−3アルコキシ、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキルまたはC1−6トリヒドロキシアルキル、3〜10員ヘテロシクリルアミン、−SO2R16、−CN、−NO2、C3−7シクロアルキル、−COR19、およびC1−4アルキルで置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリル。

0172

0173

0174

0175

0176

0177

本明細書における「アルキル」は、脂肪族炭化水素から任意の水素原子を1個除いて誘導される1価の基であり、骨格中ヘテロ原子または不飽和炭素炭素結合を含有せず、水素および炭素原子を含有するヒドロカルビルまたは炭化水素基構造の部分集合を有する。アルキル基は直鎖状および分枝鎖状の構造を含む。アルキル基としては、好ましくは炭素原子数1〜6(C1−6、以下「Cp−q」とは炭素原子数がp〜q個であることを意味する。)のアルキル基、C1−5アルキル基、C1−4アルキル基、C1−3アルキル基などが挙げられる。

0178

アルキルとしては、具体的には、たとえば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基イソペンチル基、2,3−ジメチルプロピル基、3,3−ジメチルブチル基ヘキシル基などが挙げられる。

0179

本明細書における「アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合(2個の隣接SP2炭素原子)を有する1価の炭化水素基であり、直鎖状または分枝鎖状のものを含む。二重結合および置換分(存在する場合)の配置によって、二重結合の幾何学的形態は、エントゲゲン(E)またはツザンメン(Z)、あるいはシスまたはトランス配置をとることができる。アルケニル基として、好ましくは、C2−6アルケニル基などが挙げられる。

0180

アルケニルとして、具体的には、たとえば、ビニル基アリル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基(シス、トランスを含む)、3−ブテニル基、ペンテニル基ヘキセニル基などが挙げられる。

0181

本明細書における「アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合(2個の隣接SP炭素原子)を有する、1価の炭化水素基であり、直鎖状または分枝鎖状のものを含む。好ましくはC2−6アルキニル基が挙げられる。

0182

アルキニルとしては具体的には、たとえば、エチニル基、1−プロピニル基プロパルギル基、3−ブチニル基、ペンチニル基ヘキシニル基などが挙げられる。

0183

アルケニルまたはアルキニルには、それぞれ1個または2個以上の二重結合または三重結合を有することができる。

0184

本明細書における「シクロアルキル」は、飽和または部分的に飽和した環状の1価の脂肪族炭化水素基を意味し、単環、ビシクロ環スピロ環を含む。シクロアルキルとして、好ましくは、C3−7シクロアルキル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては具体的には、たとえば、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基などが挙げられる。

0185

本明細書における「シクロアルキルアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の水素原子を、前記定義「シクロアルキル」で置換した基を意味する。シクロアルキルアルキルとして、好ましくは、C3−7シクロアルキルC1−3アルキルなどが挙げられ、具体的には、たとえば、シクロプロピルメチル基シクロプロピルエチル基などが挙げられる。

0186

本明細書における「ヘテロ原子」は、窒素原子(N)、酸素原子(O)または硫黄原子(S)を意味する。

0187

本明細書における「ハロゲン」は、フッ素原子塩素原子臭素原子またはヨウ素原子を意味する。

0188

本明細書における「ハロアルキル」は、同一又は異なる、好ましくは1〜9個、さらに好ましくは1〜5個の前記「ハロゲン原子」が前記「アルキル」に結合した基を示す。
具体的には、たとえば、クロロメチル基ジクロロメチル基トリクロロメチル基フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、−CF2CF3など)、2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられる。

0189

本明細書における「アルコキシ」は、前記定義の「アルキル」が結合したオキシ基であることを意味し、好ましくはC1−4アルコキシ基、C1−3アルコキシ基などが挙げられる。アルコキシとして、具体的には、たとえば、メトキシ基エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などがあげられる。
本明細書における「ハロアルコキシ」は、同一又は異なる、好ましくは1〜9個、さらに好ましくは1〜5個の前記「ハロゲン原子」が前記「アルコキシ」に結合した基を示す。
具体的には、たとえば、クロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられる

0190

本明細書における「アリール」は、1価の芳香族炭化水素環を意味し、好ましくはC6−10アリールなどが挙げられる。アリールとしては具体的には、たとえば、フェニル基ナフチル基(たとえば、1−ナフチル基、2−ナフチル基)などが挙げられる。

0191

本明細書における「脂環式環」は、1価の非芳香族炭化水素環を意味する。脂環式環は、環中不飽和結合を有してもよく、2個以上の環を有する多環性の基であってもよい。また環を構成する炭素原子は酸化されてカルボニルを形成してもよい。脂環式環を構成する原子の数は、好ましくは3〜10である(3〜10員脂環式環)。脂環式環としては、例えば、シクロアルキル環シクロアルケニル環シクロアルキニル環などが挙げられる。

0192

本明細書における「ヘテロアリール」は、環を構成する原子中に好ましくは1〜5個のヘテロ原子を含有する芳香族性の1価の複素環基を意味する。ヘテロアリールは、部分的に飽和されていてもよく、単環でも縮合環(たとえば、ベンゼン環または単環へテロアリール環縮合した2環式ヘテロアリール)でもよい。環を構成する原子の数は好ましくは5〜10である(5〜10員ヘテロアリール)。

0194

本明細書における「ヘテロシクリル」は、環を構成する原子中に好ましくは1〜5個のヘテロ原子を含有する、非芳香族の1価の複素環基を意味する。ヘテロシクリルは、環中に二重、三重結合を有していてもよく、炭素原子は酸化されてカルボニルを形成してもよく、単環でも縮合環でもよい。環を構成する原子の数は好ましくは3〜10である(3〜10員ヘテロシクリル)。

0195

ヘテロシクリルとしては具体的には、たとえば、オキセタニル基ジヒドロフリル基、テトラヒドロフリル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基テトラヒドロピリジル基、モルホリニル基チオモルホリニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基ピペラジニル基ピラゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、オキサゾリジニル基、イソオキサゾリジニル基、チアゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、チアジアゾリジニル基、アゼチジニル基、オキサゾリドン基、ベンゾジオキサニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などが挙げられる。

0196

本明細書における「アリールアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の水素原子を、前記定義「アリール」で置換した基を意味する。アリールアルキルとしては、好ましくはC6−10アリールC1−4アルキル、C6−10アリールC1−3アルキルなどが挙げられる。具体的には、たとえば、ベンジル基フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。

0197

本明細書における「ヘテロアリールアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の水素原子を、前記定義「ヘテロアリール」で置換した基を意味する。ヘテロアリールアルキルとして、好ましくは、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキルなどが挙げられ、具体的には、たとえば、ピロリルメチル基、イミダゾリルメチル基、チエニルメチル基、ピリジルメチル基、ピリミジルメチル基、キノリルメチル基、ピリジルエチル基などが挙げられる。

0198

本明細書における「ヘテロシクリルアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の水素原子を、前記定義「ヘテロシクリル」で置換した基を意味する。ヘテロシクリルアルキルとして、好ましくは、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキルなどが挙げられ、具体的にはたとえば、モルホリニルメチル基、モルホリニルエチル基、チオモルホリニルメチル基、ピロリジニルメチル基、ピペリジニルメチル基、ピペラジニルメチル基、ピペラジニルエチル基、オキセタニルメチル基などが挙げられる。

0199

本明細書における「モノヒドロキシアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の1個の水素原子を1個の水酸基で置換した基を意味する。モノヒドロキシアルキルとして、好ましくは、C1−6モノヒドロキシアルキル、C2-6モノヒドロキシアルキルなどが挙げられ、具体的には、たとえば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基などがこれに含まれる。

0200

本明細書における「ジヒドロキシアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の2個の水素原子を2個の水酸基で置換した基を意味する。ジヒドロキシアルキルとして、好ましくは、C1−6ジヒドロキシアルキル、C2−6ジヒドロキシアルキルなどが挙げられ、具体的には、たとえば1,2−ジヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基、1,3−ジヒドロキシプロピル基などがこれに含まれる。

0201

本明細書における「トリヒドロキシアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の3個の水素原子を3個の水酸基で置換した基を意味する。トリヒドロキシアルキルとして、好ましくは、C1−6トリヒドロキシアルキル、C2−6トリヒドロキシアルキルなどが挙げられる。

0202

本明細書における「アルコキシアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の水素原子を、前記定義の「アルコキシ」で置換した基を意味する。アルコキシアルキルとして、好ましくは、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C1−3アルコキシC2−4アルキルなどが挙げられ、具体的には、例えば、メトキシエチルなどがこれに含まれる。

0203

本明細書における「アルコキシアルコキシアルキル」は、前記定義「アルコキシアルキル」中の末端のアルキル中の任意の水素原子を、前記定義の「アルコキシ」で置換した基を意味する。アルコキシアルコキシアルキルとして、好ましくは、C1−3アルコキシC1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−3アルコキシC2−4アルコキシC2−4アルキルなどが挙げられる。

0204

本明細書における「アミノアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の水素原子を、アミノ基で置換した基を意味する。アミノアルキル基として、好ましくは、C1−4アミノアルキル、C2−4アミノアルキルなどが挙げられる。

0205

本明細書における「アルキルアミノ」は、前記定義の「アルキル」が1個結合したアミノ基であることを意味する。アルキルアミノとして、好ましくは、C1−4アルキルアミノなどが挙げられる。

0206

本明細書における「ジアルキルアミノ」は、前記定義の「アルキル」が2個結合したアミノ基であることを意味し、該アルキルは同一でも異なってもよい。ジアルキルアミノとして、好ましくは、ジ(C1−4アルキル)アミノなどが挙げられる。

0207

本明細書における「アルキルアミノアルキル」は、前記定義の「アルキル」中の任意の水素原子を、前記定義の「アルキルアミノ」で置換した基を意味する。アルキルアミノアルキルとして、好ましくは、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、C1−4アルキルアミノC2−4アルキルなどが挙げられる。

0208

本明細書における「ジアルキルアミノアルキル」は、前記定義の「アルキル」中の任意の水素原子を、前記定義の「ジアルキルアミノ」で置換した基を意味する。ジアルキルアミノアルキルとして、好ましくは、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノC2−4アルキルなどが挙げられる。

0209

本明細書における「ヘテロシクリルアミノ」は、前記定義の「ヘテロシクリル」が1個結合したアミノ基であることを意味する。ヘテロシクリルアミノとして、好ましくは、3〜10員ヘテロシクリルアミノなどが挙げられる。

0210

本明細書における「シアノアキル」は、前記定義の「アルキル」中の任意の水素原子をシアノ基で置換した基を意味する。シアノアルキルとして、好ましくは、シアノ(C1−3アルキル)などが挙げられる。

0211

本明細書における「アルキルスルホニル」は、前記定義の「アルキル」が結合したスルホニル基(即ち、アルキル−SO2−)であることを意味する。アルキルスルホニルとして、好ましくは、C1−3アルキルスルホニルなどが挙げられ、具体的には、メチルスルホニルエチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、i−プロピルスルホニルなどがこれに含まれる。

0212

本明細書における「アルキルスルホニルアルキル」は、前記定義「アルキル」中の任意の水素原子を前記定義の「アルキルスルホニル」で置換した基を意味する。アルキルスルホニルアルキルとして、好ましくは、C1−3アルキルスルホニルC1−4アルキル、C1−3アルキルスルホニルC2−4アルキルなどが挙げられる。

0213

前記式(I)で表される化合物として、好適には、以下のとおりである。

0214

前記R1は、好ましくは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリールC1−4アルキル、−OR5、−NR6R7、−(CR8R9)nZ1、−C(O)NR12R13、−SR14、−SOR15、−SO2R16、−NR17SO2R18、COOH、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリル、−COR19、−COOR20、−OC(O)R21、−NR22C(O)R23、−NR24C(S)R25、−C(S)NR26R27、−SO2NR28R29、−OSO2R30、−SO3R31または−Si(R32)3である。

0215

前記R1は、より好ましくは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリールC1−4アルキル、−OR5、−NR6R7、−(CR8R9)nZ1、−C(O)NR12R13、−SR14、−SO2R16、−NR17SO2R18、COOH、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、またはQ群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリルである。ここでいう5〜10員ヘテロアリールとしては具体的にはイミダゾリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基が特に好ましく、3〜10員ヘテロシクリルとしては具体的にはモルホリニル基、テトラヒドロピリジル基、ピペリジニル基が特に好ましい。

0216

前記R2は、好ましくは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−10アリールC1−4アルキル、−OR5、−NR6R7、−(CR8R9)nZ1、−C(O)NR12R13、−SR14、−SOR15、−SO2R16、−NR17SO2R18、COOH、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールもしくは3〜10員ヘテロシクリル、−COR19、−COOR20、−OC(O)R21、−NR22C(O)R23、−NR24C(S)R25、−C(S)NR26R27、−SO2NR28R29、−OSO2R30、−SO3R31または−Si(R32)3である。

0217

前記R2は、より好ましくは、水素、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、−OR5、P群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいC6−10アリール、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい5〜10員ヘテロアリールである。ここでいう5〜10員ヘテロアリールとしては具体的にはピリジル基が特に好ましい。

0218

前記R1および前記R2は、好ましくは、それらが結合している原子と一緒になって、3〜10員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成することができる。ここで、該ヘテロシクリルまたは該ヘテロアリールは、ハロゲン原子を置換基に有することができる。結合している原子と一緒になって形成する3〜10員ヘテロシクリルとしては具体的にはジオキソラニル基、ジオキサニル基が特に好ましい。

0219

前記R3は、好ましくは、水素、C1−5アルキル、C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−4ハロアルキルであり、より好ましくは、水素、C1−4アルキル、C6−10アリールC1−4アルキルまたはC1−3ペルフルオロアルキルであり、特に好ましくはC1アルキルである。

0220

前記R4は、好ましくは、水素、ハロゲン、C1−3アルキル、C1−4ハロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1−4アルコキシ、−(CH2)nZ1、−NR6R7、−OR5、−C(O)NR12R13、−SR14、−SOR15、−SO2R16、NR17SO2R18、COOH、−COR19、−COOR20、−OC(O)R21、−NR22C(O)R23、−NR24C(S)R25、−C(S)NR26R27、−SO2NR28R29、−OSO2R30−SO3R31または−Si(R32)3である。

0221

前記R4は、より好ましくは、水素、ハロゲン、C1−3アルキル、C1−3ペルフルオロアルキル、シアノ、メタンスルホニルヒドロキシル、アルコキシまたはアミノであり、特に好ましくは、水素、またはハロゲンである。

0222

前記A環としては、好ましくは、5〜10員ヘテロアリール環またはC6−10アリール環であり、より好ましくは、ベンゼン、インドール、アザインドールベンゾフランベンゾチオフェンベンゾチアゾールキノリンまたはピロールであり、特に好ましくはインドールまたはピロールである。

0223

前記R5は、好ましくは、C1−5アルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−3アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C1−3アルコキシC1−4アルコキシC1−4アルキル、C1−4アミノアルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−3アルキル、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキルまたはC1−6トリヒドロキシアルキルである。

0224

前記R5は、より好ましくは、C1−5アルキル、C3−7シクロアルキルC1−3アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC1−4アルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−3アルキル、Q群から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、3〜10員ヘテロシクリルである。ここでいう3〜10員ヘテロシクリルアルキルとしては、具体的にはピペラジニルエチル基、オキセタニルメチル基、モルホリニルエチル基が特に好ましく、3〜10員ヘテロシクリルとしては具体的にはオキセタニル基、テトラヒドロピラニル基が特に好ましい。

0225

前記R6および前記R7は、好ましくは、同一でも異なってもよく、それぞれ、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−4ハロアルキル、C1−3アルコキシC2−4アルキル、C6−10アリールC1−3アルキル、3〜10員ヘテロシクリルC1−3アルキル、5〜10員ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−6モノヒドロキシアルキル、C1−6ジヒドロキシアルキル、C1−6トリヒドロキシアルキル、3〜10員ヘテロシクリル、C1−4アミノアルキル、C1−4アルキルアミノC1−4アルキル、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、またはシアノ(C1−3アルキル)である。

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