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技術 乳汁中のストレプトコッカス属の菌を検出する方法

出願人 旭化成株式会社
発明者 内海貴光前花浩志松山健二
出願日 2014年12月17日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2015-553592
公開日 2017年3月23日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 WO2015-093546
状態 特許登録済
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物・酵素関連装置 酵素・酵素の調製 生物学的材料の調査,分析 微生物、その培養処理
主要キーワード 除去用部材 労働負担 含浸部材 ライン強度 非金属粒子 混合体積比 クロマト展開 平均ポアサイズ
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この項目の情報は公開日時点(2017年3月23日)のものです。
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図面 (3)

課題・解決手段

家畜乳汁を用いて乳房炎原因菌がStreptococcus属の菌であるか否かを検出するため、種々のStreptococcus属の菌を乳汁中で効率よく溶菌し、菌体内特定抗原物質を放出させる溶菌方法溶菌処理液およびイムノクロマト装置からなる検出方法を提供することを課題とする。ストレプトコッカス属の菌の溶菌方法であって、家畜から得た乳汁に、溶菌酵素を含有する溶菌剤を混合して乳汁中に存在するストレプトコッカス属の菌を溶菌する工程を含む方法を提供する。溶菌酵素は、リゾチーム、ラビアーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼからなる群より選択される少なくとも一つである。

概要

背景

ヤギに代表される家畜乳汁無菌的なものではなく、疾患や環境が原因で何らかの微生物混入している場合がある。特に乳房への微生物の感染による疾患ではしばしば乳汁中に多くの微生物を排菌することが知られている。微生物の感染が原因で引き起こされる代表的な家畜の疾患に乳房炎がある。

乳房炎とは、乳管系乳腺組織の炎症であり、主に微生物が乳房内侵入定着し、増殖することによって引き起こされる。乳房炎は多くの動物罹患するが、特に乳牛における牛乳房炎は乳牛全体の15〜40%が罹患すると言われ、酪農家にとって極めて重要な疾患の一つである。乳牛が乳房炎に罹患すると、乳汁の合成機能阻害され、泌乳量の減少や場合によっては泌乳の停止が起こるだけでなく、治療費や、乳質の悪化による乳価のペナルティーなど多大な経済的損失を酪農家に与える。さらには、伝染防止のために乳房炎罹患分房を個別に搾乳するなど、酪農家にかかる労働負担も増加する。

乳房炎は様々な微生物の感染によって引き起こされる。中でもストレプトコッカス(Streptococcus)属の細菌(連鎖球菌ということもある。)は、発生頻度の多い原因菌として知られている。

乳汁からのStreptococcus属の細菌の検出方法としては培養法が広く用いられている。培養法は結果が得られるのに数日間を要し迅速な原因菌特定には適さない。一方、原因菌に特異的な成分に対する抗体を用いる抗原抗体反応による同定法、特にイムノクロマトグラフ法は、数10分で結果を判定できるため、迅速・簡便な検査方法として広く用いられている(例えば特許文献1)。本発明者らは、イムノクロマトグラフ法を、家畜の乳汁中の物質を検出するための方法としても検討してきた(特許文献2)。

イムノクロマトグラフ法などの免疫測定法では、抗原菌体内成分の場合は菌体溶菌し、菌体内の抗原を菌体外に放出させる必要がある。他方、Streptococcus属の菌に対しては、ラビアーゼが溶菌活性を示すことが知られている(非特許文献1)。しかしながら、非特許文献1では乳汁のような高タンパク、高脂肪溶液中での溶菌効果については記載されていない。

概要

家畜の乳汁を用いて乳房炎の原因菌がStreptococcus属の菌であるか否かを検出するため、種々のStreptococcus属の菌を乳汁中で効率よく溶菌し、菌体内の特定抗原物質を放出させる溶菌方法溶菌処理液およびイムノクロマト装置からなる検出方法を提供することを課題とする。ストレプトコッカス属の菌の溶菌方法であって、家畜から得た乳汁に、溶菌酵素を含有する溶菌剤を混合して乳汁中に存在するストレプトコッカス属の菌を溶菌する工程を含む方法を提供する。溶菌酵素は、リゾチーム、ラビアーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼからなる群より選択される少なくとも一つである。

目的

本発明は、家畜の乳汁を用いて乳房炎の原因菌がStreptococcus属の菌であるか否かを検出するため、種々のStreptococcus属の菌を乳汁中で効率よく溶菌し、菌体内の特定抗原物質を放出させる溶菌方法、溶菌処理液およびイムノクロマト装置からなる検出方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

乳汁中ストレプトコッカス属の菌の溶菌方法であって、乳汁に、リゾチーム、ラビアーゼおよび非イオン界面活性剤を含有する溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程、または乳汁に、リゾチーム、ラビアーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼからなる群より選択される少なくとも一つを含有する溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程であって、このときストレプトコッカス属の菌が、ストレプトコッカスアガラチアである、工程を含む、溶菌方法。

請求項2

該菌が、ストレプトコッカスウベリスまたはストレプトコッカスアガラクチアである、請求項1に記載の溶菌方法。

請求項3

該非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルおよび/またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する、請求項1または2に記載の溶菌方法。

請求項4

乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程において、該非イオン界面活性剤の終濃度が、0.03%以上3%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶菌方法。

請求項5

乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程において、該リゾチームの終濃度が、0.5mg/ml以上200mg/ml以下であり;および/または乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程において、該ラビアーゼの終濃度が、0.05mg/ml以上20mg/ml以下である、請求項4に記載の溶菌方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に定義した、乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程を含み、および溶菌により放出された菌体内由来特定物質を検出する工程をさらに含む、乳汁中のストレプトコッカス属の菌の検出方法

請求項7

検出方法が、イムノクロマトグラフ方法により実施される請求項6に記載の方法。

請求項8

該イムノクロマトグラフ方法が、(1)特定物質を含む乳汁を、該特定物質に対する標識された第一の抗体または標識された該特定物質が保持された第1部分と、該第1部分の下流に連結され、かつ該特定物質に対する第二の抗体が固定化された第2部分と、該第1部分または該第2部分の上流に連結され、かつ該乳汁中の乳脂肪球を除去できる空隙を有する第3部分とを有する試験片に対して、該乳汁を該第3部分またはそれより上流部に接触させる工程;および(2)該乳汁を該第2部分またはそれより下流部まで流し、該第2部分またはそれより下流部で該標識による検出可能な信号を得る工程:を含む、請求項7に記載の検出方法。

請求項9

該第1部分に、該特定物質に対する標識された第一の抗体が保持されている、請求項8に記載の検出方法。

請求項10

第3部分がそれぞれ異なる粒子サイズの乳脂肪球を除去できる空隙を有する2種以上の部材より構成されている、請求項8または9に記載の検出方法。

請求項11

第3部分が下流に配置された第一の部材、および上流に配置された第二の部材により構成され、第二の部材の保持粒子サイズが第一の部材の保持粒子サイズより大きい、請求項10に記載の検出方法。

請求項12

請求項1〜5のいずれか1項に定義された、溶菌剤。

請求項13

家畜乳房炎診断する方法において用いるための、請求項12に記載の溶菌剤。

請求項14

請求項12または13に記載の溶菌剤と、該特定物質に対する標識された第一の抗体または標識された該特定物質が保持された第1部分と、該第1部分の下流に連結され、かつ該特定物質に対する第二の抗体が固定化された第2部分と、該第1部分または該第2部分の上流に連結され、かつ該乳汁中の乳脂肪球を除去できる空隙を有する第3部分とを有する試験片を含む、乳汁中の特定物質を検出するためのイムノクロマトグラフ装置とを含む、乳汁中のストレプトコッカス属の菌の検出用キット

技術分野

0001

本発明は、家畜乳汁中から乳房炎原因菌であるStreptococcus属の菌を検出するための、溶菌方法および検出方法に関するものである。

背景技術

0002

ヤギに代表される家畜の乳汁無菌的なものではなく、疾患や環境が原因で何らかの微生物混入している場合がある。特に乳房への微生物の感染による疾患ではしばしば乳汁中に多くの微生物を排菌することが知られている。微生物の感染が原因で引き起こされる代表的な家畜の疾患に乳房炎がある。

0003

乳房炎とは、乳管系乳腺組織の炎症であり、主に微生物が乳房内侵入定着し、増殖することによって引き起こされる。乳房炎は多くの動物罹患するが、特に乳牛における牛乳房炎は乳牛全体の15〜40%が罹患すると言われ、酪農家にとって極めて重要な疾患の一つである。乳牛が乳房炎に罹患すると、乳汁の合成機能阻害され、泌乳量の減少や場合によっては泌乳の停止が起こるだけでなく、治療費や、乳質の悪化による乳価のペナルティーなど多大な経済的損失を酪農家に与える。さらには、伝染防止のために乳房炎罹患分房を個別に搾乳するなど、酪農家にかかる労働負担も増加する。

0004

乳房炎は様々な微生物の感染によって引き起こされる。中でもストレプトコッカス(Streptococcus)属の細菌(連鎖球菌ということもある。)は、発生頻度の多い原因菌として知られている。

0005

乳汁からのStreptococcus属の細菌の検出方法としては培養法が広く用いられている。培養法は結果が得られるのに数日間を要し迅速な原因菌特定には適さない。一方、原因菌に特異的な成分に対する抗体を用いる抗原抗体反応による同定法、特にイムノクロマトグラフ法は、数10分で結果を判定できるため、迅速・簡便な検査方法として広く用いられている(例えば特許文献1)。本発明者らは、イムノクロマトグラフ法を、家畜の乳汁中の物質を検出するための方法としても検討してきた(特許文献2)。

0006

イムノクロマトグラフ法などの免疫測定法では、抗原菌体内成分の場合は菌体溶菌し、菌体内の抗原を菌体外に放出させる必要がある。他方、Streptococcus属の菌に対しては、ラビアーゼが溶菌活性を示すことが知られている(非特許文献1)。しかしながら、非特許文献1では乳汁のような高タンパク、高脂肪溶液中での溶菌効果については記載されていない。

0007

特開平1-244370号公報
特開2012-122921号公報

先行技術

0008

Microbiol Immunol 2009; 53: 45-48

発明が解決しようとする課題

0009

乳房炎は細菌など様々な微生物の感染によって引き起こされるが、原因菌によって治療に効果を示す抗生物質が異なる。したがって乳房炎の早期診断、治療は大変重要となる。また、特定の細菌が乳房炎を起こした場合では個体の他の分房や個体間に伝染することもあり乳汁中に存在する原因菌を迅速・簡便に同定することが極めて重要となる。

0010

菌の検出方法として広く用いられている培養法は、結果が得られるのに数日間を要するという問題がある。一方、イムノクロマトグラフ法などの抗原抗体反応に基づく免疫測定法は、迅速・簡便に原因菌を検出することが可能となり早期の抗菌薬治療が可能となる利点がある。免疫測定法にて原因菌の菌体内の特定物質高感度に検出するには、抗原が菌体内成分の場合、菌体を高効率に溶菌し、菌体内の抗原を菌体外に放出させる必要がある。しかしながら、乳汁を検体として用いた場合、乳汁中に多量に含まれるカゼインなどのタンパク質乳脂肪球などの影響により従来技術では溶菌が十分に行われないことが多い。発明者らの検討によると、乳汁を含む系では、一般的な溶菌酵素活性が大きく低下することが判明している。このように乳汁中のStreptococcus属の菌を高効率に検出するための有効な溶菌方法は従来技術では知られていなかった。

0011

本発明は、家畜の乳汁を用いて乳房炎の原因菌がStreptococcus属の菌であるか否かを検出するため、種々のStreptococcus属の菌を乳汁中で効率よく溶菌し、菌体内の特定抗原物質を放出させる溶菌方法、溶菌処理液およびイムノクロマト装置からなる検出方法を提供することを解決すべき課題とした。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、乳汁中のStreptococcus uberisを効率的に溶菌するためには、少なくともリゾチームまたはラビアーゼを含む、Streptococcus agalactiaeを溶菌するためには、リゾチーム、ラビアーゼ、β-N-アセチルグルコサミニダーゼより選ばれる溶菌酵素を含む、溶菌剤を使用することで効率的に溶菌できることを見出した。さらに、乳汁中のStreptococcus属の溶菌処理を効率的に達成する為には、溶菌効果を有するとして知られているラビアーゼ酵素に、特定量のリゾチームをさらに追添することでより高効率に溶菌でき、菌体内のL7/L12タンパクを放出させることが可能であり、高感度なStreptococcus属の菌の検出に用いうることを見出し、本発明を完成するに至った。

0013

本発明は、以下を提供する。
[1]ストレプトコッカス(Streptococcus)属の菌の溶菌方法であって、
家畜から得た乳汁に、リゾチーム、ラビアーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼからなる群より選択される少なくとも一つを含有する溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程を含むが、
ストレプトコッカス属の菌が、ストレプトコッカスウベリス(Streptococcus uberis)であり、溶菌剤が、リゾチームおよびラビアーゼの少なくとも一つを含有するか、または
ストレプトコッカス属の菌が、ストレプトコッカス アガラチア(Streptococcus agalactiae)であり、溶菌剤が、リゾチーム、ラビアーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼからなる群より選択される少なくとも一つを含有する、方法。
[2] ストレプトコッカス属の菌の溶菌方法であって、家畜から得た乳汁に、少なくともリゾチームおよびラビアーゼを含有する溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程を含む、方法。
[3] 乳汁中のストレプトコッカス属の菌を溶菌するための、リゾチーム、ラビアーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼからなる群より選択される少なくとも一つを含有するか、または少なくともリゾチームおよびラビアーゼを含有する、溶菌剤。
[4] 家畜の乳房炎を診断する方法において用いるための、[3]に記載の溶菌剤。
[5] [1]または[2]の方法を含み、溶菌により放出された菌体内由来の特定物質を検出する工程をさらに含む、家畜乳汁中のストレプトコッカス属の菌の検出方法。
[6] 特定物質の検出工程が、イムノクロマトグラフ方法により実施される、[5]に記載の方法。

0014

本発明は、以下も提供する。
[1]乳汁中のストレプトコッカス属の菌の溶菌方法であって、
乳汁に、リゾチーム、ラビアーゼおよび非イオン界面活性剤を含有する溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程または、
乳汁に、リゾチーム、ラビアーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼからなる群より選択される少なくとも一つを含有する溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程であって、このときストレプトコッカス属の菌が、ストレプトコッカス アガラクチアである、工程
を含む、溶菌方法。
[2] 該菌が、ストレプトコッカスウベリスまたはストレプトコッカス アガラクチアである、[1]に記載の溶菌方法。
[3] 該非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルおよび/またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する、[1]または[2]に記載の溶菌方法。
[4] 乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程において、該非イオン界面活性剤の終濃度が、0.03%以上3%以下である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の溶菌方法。
[5] 乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程において、該リゾチームの終濃度が、0.5mg/ml以上200mg/ml以下であり;および/または
乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程において、該ラビアーゼの終濃度が、0.05mg/ml以上20mg/ml以下である、[4]に記載の溶菌方法。
[6] [1]〜[5]のいずれか1項に定義した、乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程
を含み、
溶菌により放出された菌体内由来の特定物質を検出する工程
をさらに含む、乳汁中のストレプトコッカス属の菌の検出方法。
[7] 検出方法が、イムノクロマトグラフ方法により実施される[6]に記載の方法。
[8] 該イムノクロマトグラフ方法が、(1)特定物質を含む乳汁を、該特定物質に対する標識された第一の抗体または標識された該特定物質が保持された第1部分と、該第1部分の下流に連結され、かつ該特定物質に対する第二の抗体が固定化された第2部分と、該第1部分または該第2部分の上流に連結され、かつ該乳汁中の乳脂肪球を除去できる空隙を有する第3部分とを有する試験片に対して、該乳汁を該第3部分またはそれより上流部に接触させる工程;および(2)該乳汁を該第2部分またはそれより下流部まで流し、該第2部分またはそれより下流部で該標識による検出可能な信号を得る工程:を含む、[7]に記載の検出方法。
[9] 該第1部分に、該特定物質に対する標識された第一の抗体が保持されている、[8]に記載の検出方法。
[10] 第3部分がそれぞれ異なる粒子サイズの乳脂肪球を除去できる空隙を有する2種以上の部材より構成されている、 [8]または[9]に記載の検出方法。
[11] 第3部分が下流に配置された第一の部材、および上流に配置された第二の部材により構成され、第二の部材の保持粒子サイズが第一の部材の保持粒子サイズより大きい、[10]に記載の検出方法。
[12] [1]〜[5]のいずれか1項に定義された、溶菌剤。
[13]家畜の乳房炎を診断する方法において用いるための、[12]に記載の溶菌剤。
[14] [12]または[13]に記載の溶菌剤と、
該特定物質に対する標識された第一の抗体または標識された該特定物質が保持された第1部分と、該第1部分の下流に連結され、かつ該特定物質に対する第二の抗体が固定化された第2部分と、該第1部分または該第2部分の上流に連結され、かつ該乳汁中の乳脂肪球を除去できる空隙を有する第3部分とを有する試験片を含む、乳汁中の特定物質を検出するためのイムノクロマトグラフ装置
を含む、乳汁中のストレプトコッカス属の菌の検出用キット

発明の効果

0015

Streptococcus uberisまたはStreptococcus agalactiaeを溶菌するためには、菌種ごとに特定の溶菌酵素を使用すること、またStreptococcus属として菌を溶菌するためには、溶菌酵素としてラビアーゼと特定量のリゾチームを併用することにより、高効率に溶菌できることを発見した。

図面の簡単な説明

0016

酵素免疫測定法ELISA)によるStreptococcus属の菌の検出における溶菌酵素の効果を示す。
実施例3で作製したイムノクロマトグラフ装置の試験片の断面模式図を示す。1:標識抗体含浸部材(第1部分)、2:クロマト展開用膜担体(第2部分)、3:捕捉部位、4:試料添加用部材かつ脂肪球除去用部材(第3部分)、5:吸収用部材、6:基材、および7:脂肪球除去用部材(第3部分)

0017

以下、本発明について更に詳細に説明する。なお、本発明において、数値範囲を「X〜Y」で表すときは、両端の値を含む。「%」は、特に記載した場合を除き、質量に基づく割合を示す。「Aおよび(ならびに)/またはB」は、AとBの少なくとも一方の意であり、Aのみである場合、Bのみである場合、並びにAおよびBである場合がある。

0018

本発明は、乳汁中のStreptococcus属の菌を溶菌するための溶菌剤を提供する。本発明の溶菌剤は、溶菌酵素を含む。
[溶菌酵素]
本発明における溶菌酵素の種類は特に限定されず、任意の2種以上の溶菌酵素を適宜組み合わせて用いてもよい。本発明においては、リゾチーム、ラビアーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼからなる群より選択される少なくとも一つを用いることが好ましく、Streptococcus属の菌が、Streptococcus uberisである場合は、溶菌剤が、リゾチームおよびラビアーゼの少なくとも一つを含有することが好ましく;Streptococcus属の菌が、Streptococcus agalactiaeである場合は、溶菌剤が、リゾチーム、ラビアーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼからなる群より選択される少なくとも一つを含有することが好ましい。

0019

ラビアーゼ(Labiase)は、Streptomyces fulvissimus TU-6 株の培養液上清より調製され、β−N−アセチル−D−グルコサミニダーゼムラミダーゼ主体とする複合酵素である。ラビアーゼは、上記菌株培養上清から調製することもでき、また市販品の購入により入手することが可能である。

0020

ラビアーゼを用いる場合、効率的に溶菌を行う等との観点からは、本明細書の実施例で用いたものを使用する場合には、終濃度として、好ましくは0.05 mg/ml以上、好ましくは0.1 mg/ml以上、より好ましくは0.5 mg/ml以上とすることができ、またいずれの場合も、20 mg/ml以下、好ましくは10 mg/ml以下、より好ましくは5 mg/ml以下とすることができる。あるいは、終濃度として、好ましくは0.0005 units/ml以上、好ましくは0.001 units/ml以上、より好ましくは0.005 units/ml以上とすることができ、またいずれの場合も、0.2 units/ml以下、好ましくは0.1 units/ml以下、より好ましくは0.05 units/ml以下とすることができる。なお、本明細書でラビアーゼに関し、酵素単位(unit)をいうときは、特に記載した場合を除き、β-N-アセチル-D-グルコミニダ−ゼ活性としての値を指し、p-ニトロフェニル-β-N-アセチル-D-グルコサミン基質として酵素を作用させたとき、1分間に1μmolのp-ニトロフェノール遊離する酵素活性を1 unitとする。

0021

リゾチームは、14.6kDaの単一ペプチドのタンパク質であり、ペプチドグリカン層でN−アセチルムラミン酸N−アセチルグルコサミンとの間のβ(1−4)グリコシド結合を切断することによりバクテリア細胞を溶解することができる。リゾチームは市販品の購入により入手することが可能である。

0022

リゾチームを用いる場合、効率的に溶菌を行う等との観点からは、本明細書の実施例で用いたものを使用する場合には、終濃度として、好ましくは0.5 mg/ml以上、好ましくは1 mg/ml以上、より好ましくは5 mg/ml以上とすることができ、またいずれの場合も、200 mg/ml以下、好ましくは100 mg/ml以下、より好ましくは50 mg/ml以下とすることができる。あるいは、リゾチームの終濃度として、好ましくは0.4 mg/ml以上、好ましくは0.8 mg/ml以上、より好ましくは4 mg/ml以上とすることができ、またいずれの場合も、160 mg/ml以下、好ましくは80 mg/ml以下、より好ましくは40 mg/ml以下とすることができる。なお、本明細書でリゾチームに関し、リゾチームとしての量をいうときは、特に記載した場合を除き、Micrococcus Lysodeikticus乾燥菌体リン酸緩衝液懸濁液を基質として作用させたときの吸光度(640nm)の減少に基づく値である。

0023

β-N-アセチルグルコサミニダーゼは、β-N-アセチルヘキソサミニダーゼともよばれ、種々の基質から末端β結合N-アセチルグルコサミンおよびN-アセチルガラクトサミンを遊離させる酵素である。β-N-アセチルグルコサミニダーゼは、市販品の購入により入手することが可能である。

0024

β-N-アセチルグルコサミニダーゼを用いる場合、効率的に溶菌を行う等との観点からは、本明細書の実施例で用いたものを使用する場合には、終濃度として、好ましくは0.5 mg/ml以上、好ましくは1 mg/ml以上、より好ましくは5 mg/ml以上とすることができ、またいずれの場合も、200 mg/ml以下、好ましくは100 mg/ml以下、より好ましくは50 mg/ml以下とすることができる。あるいは、終濃度として、好ましくは0.05 units/ml以上、好ましくは0.1 units /ml以上、より好ましくは0.5 units /ml以上とすることができ、またいずれの場合も、200 units /ml以下、好ましくは100 units /ml以下、より好ましくは50 units /ml以下とすることができる。なお、本明細書でβ-N-アセチルグルコサミニダーゼに関し、酵素単位(unit)をいうときは、特に記載した場合を除き、p-ニトロフェニル-β-N-アセチル-D-グルコサミンを基質として酵素を作用させたとき、1分間に1μmolのp-ニトロフェノールを遊離する酵素活性を1 unitとする。

0025

本発明ではStreptococcus属の菌を含有する乳汁中にラビアーゼ酵素に加え、さらにリゾチーム酵素を追加添加することにより、広範囲のStreptococcus属の菌に適用可能な、高効率の溶菌効果を達成できる。効率的に溶菌を行う等との観点からは、本明細書の実施例の項に記載したラビアーゼおよび本明細書の実施例の項に記載したリゾチームを用いる場合には、ラビアーゼ1 mg/mlに対して、追加添加するリゾチームの添加量は、好ましくは3 mg/ml以上、より好ましくは5 mg/ml以上、さらに好ましくは7 mg/ml以上、さらに好ましくは9 mg/ml以上を含み、また好ましくは100mg/ml以下、より好ましくは50 mg/ml以下、さらに好ましくは20 mg/ml以下である。あるいは、ラビアーゼ0.1 unit/mlに対して、さらに追加添加するリゾチームとしての添加量は、好ましくは2.4 mg/ml以上、より好ましくは4 mg/ml以上、さらに好ましくは5.6 mg/ml以上、さらに好ましくは7.2 mg/ml以上を含み、またいずれの場合も、好ましくは80mg/ml以下、より好ましくは40 mg/ml以下、さらに好ましくは16 mg/ml以下である。

0026

界面活性剤
水に溶かしたときに、電離してイオンとなる界面活性剤をイオン界面活性剤またはイオン性界面活性剤といい、イオンにならない界面活性剤を非イオンノニオン)界面活性剤という。イオン界面活性剤はさらに、陰イオンアニオン)界面活性剤、陽イオンカチオン)界面活性剤および両性界面活性剤分類される。

0027

溶菌剤には、溶菌酵素に加えて界面活性剤を添加することにより、溶菌効果を高められることが期待できる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤陰イオン界面活性剤および両性界面活性剤を単独またはいずれかを組み合わせて用いてもよい。

0028

本発明の溶菌剤は非イオン界面活性剤を含有させることができる。非イオン界面活性剤の共存は、得られた溶菌液をイムノクロマトグラフ法に供する場合に特に好ましいと考えられる。非イオン性界面活性剤としては、エステルエーテル型エステル型、エーテル型のいずれも好適に用いることができると考えられ、より具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステルアルキルポリグルコシド脂肪酸ジエタノールアミドアルキルモノグリセリルエーテルポリソルベート類(脂肪酸ソルビタンエステルにエチレンオキシドが数十分子縮合したもの)などがあげられるが、特に限定されない。特に好ましい例の一つは、ポリソルベート類、より特定すると、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(60)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(65)ソルビタントリステアレート、およびポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノオレエート等、ならびにポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、より特定するとポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル等である。

0029

溶菌剤中での非イオン界面活性剤の含量(複数の非イオン界面活性剤を用いる場合は、非イオン界面活性剤総量としての含量を指す。)は、例えばイムノクロマトグラフ法を用いる場合は展開液の流れが確保される限り、特に限定されないが、いずれの場合であっても、下限は、乳汁と混合した場合の終濃度が0.03%以上となるようにすることができ、好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.075%以上であり、さらに好ましくは0.1%以上であり、特に好ましくは0.3%以上である。また非イオン界面活性剤の含量の上限値は、溶菌酵素による反応や抗原抗体反応を著しく阻害しない程度であればよく、いずれの場合であっても、10%以下とすることができ、好ましくは7.5%以下であり、より好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは2%以下である。

0030

陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸塩スルホン酸塩硫酸エステル塩、その他のいずれも好適に用いることができる。より具体的な例として、アルキルエーテルカルボン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、ジアルキルスルホコハク酸塩ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物アルキル硫酸エステル塩(AS)、高級アルコールにエチレンオキシドを付加して硫酸化したポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩AES)、高級アルコールやそのエチレンオキシド付加物などのリン酸エステル塩等をあげることができる。さらに具体的な例として、ドデシル硫酸ナトリウムミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸ナトリウム、N-ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N-ミリストイルザルコシン酸ナトリウム等のN-アシルザルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N-パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN-アシルグルタミン酸塩、N-メチル-N-アシルアラニンナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウムをあげることができる。

0031

陽イオン界面活性剤としては、アミン塩型、第4級アンモニウム塩型のいずれも好適に用いることができ、より具体的な例として、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム塩化ベンザルコニウムヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド等をあげることができる。

0032

両性界面活性剤としては、アミノ酸系アルキルアミノ脂肪酸塩)、ベタイン系 (アルキルベタイン)、アミンオキシド系(アルキルアミンオキシド)等があげられるが、特に限定されない。より特定された例としては、ジメチルアンモニオプロパンスルホイトドデシルジメチルアンモニオブチレイトラウリル酸ベタイン、およびアミドプロピルベタインがあげられる。より具体的な例としては、n-Tetradecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate、n-Decyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate、n-Dodecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate、n-Tetradecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate、n-Hexadecyl-N,N-dimethyl-3-ammonio-1-propanesulfonate、N-Dodecyl-N,N-(dimethylammonio)butyrateがあげられる。

0033

[配合例]
特に好ましい態様においては、溶菌剤は、リゾチーム、ラビアーゼおよび非イオン界面活性剤を含有する。このような溶菌剤は種々のストレプトコッカス属の菌に有効であるが、特にストレプトコッカスウベリスまたはストレプトコッカス アガラクチアに対して有効である。リゾチーム、ラビアーゼおよび非イオン界面活性剤を含有する溶菌剤において、非イオン界面活性剤の特に好ましい例は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルおよび/またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであり、より好ましい例は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む。このような溶菌剤における各成分の濃度は、乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程において、リゾチームの終濃度が、0.6mg/ml以上50mg/ml以下であり、ラビアーゼの終濃度が、0.05mg/ml以上20mg/ml以下であり、かつ非イオン界面活性剤の終濃度が、0.03%以上3%以下であるようにするとよい。リゾチーム、ラビアーゼおよび非イオン界面活性剤を含有する溶菌剤のより好ましい態様は、乳汁に溶菌剤を混合して乳汁中に存在する該菌を溶菌する工程において、リゾチームの終濃度が、0.5mg/ml以上50mg/ml以下であり、ラビアーゼの終濃度が0.1mg/ml以上10mg/ml以下であり、かつ非イオン界面活性剤の終濃度が、0.10%以上2.6%以下である、

0034

[その他の成分]
本発明の溶菌剤は、溶菌酵素および界面活性剤以外に、意図した効果を著しく損なわない限り、一種またはそれ以上の他の成分を含むことができる。溶菌酵素および界面活性剤以外の成分の好ましい例は、溶菌を促進する効果を有する物質である。具体的には、グルタルアルデヒドハロゲン化合物クロルヘキシジンアルコール類(例えば、メタノールエタノール1−プロパノール2−プロパノール、1−ブタノール2−ブタノール2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール)、フェノール過酸化水素アクリノールグアニジンおよびその塩、キレート剤有機酸(例えば、デカン酸)およびその塩、多価アルコール類(例えば、エチレングリコールプロピレングリコールジエチレングリコールグリセリンモノカプリリン)、ならびに2−メルカプトエタノールジチオスレイトールシスチンおよびチオフェノールなどの還元剤をあげることができるが、これらに限定されない。

0035

例えばグアニジンおよびその塩(例えば、グアニジンチオシアン酸塩)のいずれかを用いる場合、乳汁と混合した場合の終濃度の下限値(複数種類を用いる場合は、総量としての濃度を指す。上限値についても同じ。)は、0.1mM以上とすることができ、好ましくは1mM以上とすることができ、より好ましくは1mM以上とすることができる。いずれの場合も、乳汁と混合した場合の終濃度の上限値は、500mM以下とすることができ、好ましくは200mM以下とすることができ、より好ましくは100mM以下とすることができる。

0036

キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸EDTA)およびその塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)およびその塩、ポリリン酸及びその塩、並びにメタリン酸及びその塩が挙げられる。乳汁と混合した場合の終濃度の下限値(複数のキレート剤を用いる場合は、キレート剤総量としての濃度を指す。上限値についても同じ。)は、0.001mM以上とすることができ、好ましくは0.01mM以上とすることができ、より好ましくは0.1mM以上とすることができる。いずれの場合も乳汁と混合した場合の終濃度の上限値は、抗原抗体反応の阻害抑制の観点から、100mM以下とすることができ、好ましくは10mM以下とすることができ、より好ましくは5mM以下とすることができる。

0037

[溶菌条件、溶菌率]
本発明においては、溶菌剤は、乳汁に混合して用いることができる。乳汁と溶菌剤との混合比は、溶菌酵素等の終濃度が適切に維持され、十分な溶菌率が確保できる限り、特に限定されない。乳汁に対して比較的少量の溶菌剤を用いる場合は、乳汁が希釈されない。したがって、より高い感度で菌体を検出できると期待できる。また乳汁に対して比較的大量の溶菌剤を用いる場合は、乳汁中の脂肪滴やタンパク質による影響が減じられ、より短時間で菌体を検出できると期待できる。乳汁と溶菌剤との混合物における乳汁の割合比(乳汁/(乳汁+溶菌剤)×100)は、高いほど検出感度を上げることができるとの観点からは、他の条件がいずれの場合であっても、例えば、5%以上とすることができ、10%以上とすることが好ましく、20%以上とすることがより好ましく、30%以上とすることがさらに好ましい。上限値は、他の条件がいずれの場合であっても、乾燥等の手段によって固形化した溶菌剤を用いることにより、乳汁の割合を100%とすることができる。また、他の条件がいずれの場合であっても、乳汁の割合は90%以下とすることができ、80%以下、70%以下、60%以下、または50%以下とすることができる。上限値は、混合の容易さ、溶菌剤の溶液としての安定性等を考慮して決定してもよい。

0038

本発明においては、乳汁は溶菌剤と単に混合すればよい。混合する際の温度、およびそれに続く酵素が作用するための処理時間は、用いる溶菌酵素が活性を発揮できる温度であれば特に限定されず、通常、室温でよい。混合後の処理時間のために必要な時間は、当業者であれば、溶菌率を考慮して、適宜設計することができる。本発明においては、Streptococcus属の菌に対して適切な組み合わせおよび濃度の溶菌酵素を用いているので、処理時間を、通常の溶菌方法を用いる場合よりも短くすることができる。本発明における処理時間は、いずれの場合であっても、概ね数十分間〜数時間以内であり、より具体的には240分間以内とすることができ、150分以内とすることが好ましく、90分以内とすることがさらに好ましく、60分以内とすることがさらに好ましく、45分以内とすることがさらに好ましく、25分間以内とすることがさらに好ましく、20分以内とすることがさらに好ましく、15分以内とすることがさらに好ましい。処理時間を、実質0とする(乳汁と溶菌剤を混合して、直ちに測定に供する)こともできる。温度は、いずれの場合であっても、2℃〜50℃、例えば35〜40℃とすることができ、用いる酵素や処理時間を考慮して、適宜設計することができる。処理に際し、静置してもよく、また撹拌してもよい。このような短時間であっても、本発明に依れば必要な溶菌が達成でき、Streptococcus属の菌の検出が実施できる。本発明においては、さらに、溶菌酵素に界面活性剤を組み合わせて用いることもできる。この場合、処理時間を、溶菌酵素のみを用いる場合よりも短くできるか、または同じ処理時間であってもより溶菌率を高めることができる可能性がある。処理時間は、概ね数十分間〜数時間以内であり、より具体的には240分間以内とすることができ、150分以内とすることが好ましく、90分以内とすることがさらに好ましく、60分以内とすることがさらに好ましく、45分以内とすることがさらに好ましく、25分間以内とすることがさらに好ましく、20分以内とすることがさらに好ましく、15分以内とすることがさらに好ましい。処理時間を、実質0とする(乳汁と溶菌剤を混合して、直ちに測定に供する)こともできる。界面活性剤と組み合わせる際も、温度は、いずれの場合であっても、2℃〜50℃、例えば35〜40℃とすることができ、用いる酵素や処理時間を考慮して、適宜設計することができる。処理に際しても同様に、静置してもよく、また撹拌してもよい。

0039

なお本発明で溶菌率というときは、特に記載した場合を除き、対象となるStreptococcus属の菌を含む液を、あらかじめ適切な濃度の非イオン界面活性剤で処理した後、さらに超音波処理し、必要に応じ十分な酵素処理を行ったものの溶菌率を100%とすることができる。

0040

[検出手段]
本発明により溶菌されたStreptococcus属の菌は、菌体由来の成分を抗原として、各種の免疫学的方法によりを検出することができる。ためには、例えばStreptococcus属の菌のリボソームL7/L12蛋白質からなる抗原をイムノクロマトグラフ法またはイムノクロマトグラフ法に代えて他の免疫学的測定方法により上記抗原を検出することもできる。イムノクロマトグラフ以外の免疫学的測定方法としては、例えば、イムノクロマトグラフ法、凝集反応法、酵素免疫測定法(ELISA法)、放射能免疫測定法(RIA法)、または蛍光免疫測定法(FIA法)などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。

0041

免疫学的方法の実施に際し、非特異吸着を防ぐためのブロッキングのための物質や、対象菌以外の菌との交差反応を防ぐための物質を用いてもよい。特に、用いる抗体と黄色ブドウ球菌が保有するプロテインAとの反応を防ぐために、抗原との反応に関与しないグロブリンを添加することができる。グロブリンを用いる場合、偽陽性を抑制するという観点からは、反応時の終濃度として、0.01μg/ml以上、好ましくは0.1μg/ml以上、より好ましくは1μg/ml以上とすることができ、またいずれの場合も、対象の抗原抗体反応を阻害しないという観点から、10mg/ml以下、好ましくは5mg/ml以下、より好ましくは1mg/ml以下とすることができる。このような終濃度の条件は、イムノクロマトグラフ法に特に適する。

0042

イムノクロマトグラフ法を用いる場合、典型的には、次のように実施することができる。

0043

[イムノクロマトグラフ法、イムノクロマトグラフ装置]
抗原抗体反応は、第1部分に保持されている「特定物質に対する標識された第一の抗体」と、第2部分に固定化された「特定物質に対する第二の抗体」を用いて、サンドイッチアッセイ法により検出することができる。あるいは抗原抗体反応は、第1部分に保持されている標識された特定物質と、第2部分に固定化された特定物質に対する抗体を用いて競合法にて検出してもよい。但し、本発明においては、検出感度が高く、陽性で抗体検出ライン出現するサンドイッチアッセイ法が好ましい。

0044

イムノクロマトグラフ装置は、イムノクロマトグラフ法によって乳汁中の特定物質を検出するための装置であって、該特定物質に対する標識された第一の抗体または標識された該特定物質が保持された第1部分と、該第1部分の下流に連結され、かつ該特定物質に対する第二の抗体が固定化された第2部分と、該第1部分または該第2部分の上流に連結され、かつ該乳汁中の乳脂肪球を除去できる空隙を有する第3部分とを有する試験片を含む装置である。具体的な試験片の構成としては、図2に断面模式図を示した試験片が挙げられる。図2においては、脂肪球除去用部材(第3部分)7は、試料添加用部材4の下流、かつ標識抗体含浸部材(第1部分)1の上流に設置されている。

0045

イムノクロマトグラフ装置は公知の方法にて市販の材料を用いて作製することができる。 第1部分に使用する材料は、イムノクロマトグラフを行えるものであれば特に限定されないが、好ましくは、セルロース誘導体等の繊維マトリックス濾紙ガラス繊維、布、綿等である。

0046

第2部分に使用する材料は、イムノクロマトグラフを行えるものであれば特に限定されないが、好ましくは、ニトロセルロース、混合ニトロセルロースエステル、ポリビニリデンフロライドナイロン等である。

0047

第3部分に使用する材料は、乳汁中に含まれる直径1〜10数μmの乳脂肪球を除去できる空隙を有していることが好ましい。第3部分は、試料溶液孔径数10〜数100nmの多孔性メンブレンからなる上記第2部分の上流側に配置されている必要があり、試料溶液が最初に接触・通過できる位置である、上記第1部分の上流側に配置されていることが好ましい。

0048

第3部分が有する空隙は乳脂肪球を分離できる大きさであればよく、保持粒子サイズは好ましくは0.1から10μmであり、より好ましくは1から3.5μmである。材料は上記の範囲の空隙を有するものであれば特に限定されないが、好ましくはセルロース誘導体等繊維マトリックス、濾紙、ガラス繊維、布、綿等である。保持粒子サイズとは、そのサイズ以上の粒子サイズを有する乳脂肪球が空隙を通過できずに第3部分に保持される乳脂肪球の粒子サイズのことであり、第3部分の空隙の平均ポアサイズに実質的に対応しているが、そのサイズ以上の粒子サイズを有する乳脂肪球の50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは98%以上が空隙を通過できずに第3部分に保持される。保持される乳脂肪球の割合は当業者に周知の方法で測定することができる。例えば、GEヘルスケアバイオサイエンス社から提供されているGF/Bは保持粒子サイズ(保持効率98%の粒子直径のこと。本明細書で保持粒子サイズというときは、特に記載した場合を除き、この意味である。)が1.0μmであることが同製品カタログにおいて明らかにされているが、当業者に周知の方法で上記の粒子サイズを確認することが可能である。

0049

上記第3部分は、特定の保持粒子サイズを有する材料のみを用いてもよく、乳脂肪球の分離効率を高めるために保持粒子サイズが大きいものから小さいものを段階的に張り合わせて用いてもよい。上記第3部分がそれぞれ異なる粒子サイズの乳脂肪球を除去できる空隙を有する2種以上の部材により構成される場合は本発明の好ましい態様であり、第3部分が下流に配置された第一の部材、および上流に配置された第二の部材により構成され、第二の部材の保持粒子サイズが第一の部材の保持粒子サイズより大きい場合は本発明のさらに好ましい態様である。第3部分を2種の部材により構成する場合には、下流に配置された第一の部材の保持粒子サイズが1.0〜2.0μmであり、上流に配置された第二の部材の保持粒子サイズが3.0〜3.5μmであることが好ましい。高濃度で広い粒径分布を有する乳脂肪球を含む乳汁、好ましくは搾乳後の未希釈の乳汁から特定物質を高感度に検出するためは、第3部分を保持粒子サイズの小さな部材と保持粒子サイズの大きな部材との組み合わせにより構成することが好ましい。

0050

上記第1部分には、特定物質に対する標識された第一の抗体、または標識された特定物質が保持されている。第1部分に、特定物質に対する標識された第一の抗体が保持されている場合には、サンドイッチアッセイ法により特定物質を検出することができる。また、第1部分に標識された特定物質が保持されている場合には、競合法により特定物質を検出することができる。本発明においては、検出感度が高く、陽性で抗体検出ラインが出現するサンドイッチアッセイ法の方が好ましいことから、第1部分には、特定物質に対する標識された第一の抗体が保持されていることが好ましい。

0051

第1部分に特定物質に対する標識された第一の抗体を保持させる場合には、特定物質に対する第一の抗体と、特定物質に対する第二の抗体の、2種類の抗体を用いる。サンドイッチアッセイ法により特定物質を検出することができるように、上記第一の抗体と上記第二の抗体は、当該特定物質に同時に結合できることができる抗体であり、上記第一の抗体が認識する当該特定物質のエピトープは、上記第二の抗体が認識する当該特定物質のエピトープとは異なることが好ましい。

0052

本発明において、検出可能な信号を得るために、第1部分に保持される第一の抗体または特定物質は標識されている。本発明で用いる標識としては、着色粒子、酵素、ラジオアイソトープなどが挙げられるが、特殊な設備不要で目視によって検出可能な着色粒子を使用することが好ましい。着色粒子としては、金や白金などの金属微粒子非金属粒子ラテックス粒子などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。着色粒子は、試験片の空隙内を通って下流に輸送されることができるサイズであればいかなるサイズでもよいが、直径が1nmから10μmが好ましい。より好ましくは、5nmから1μmであり、さらに好ましくは10nmから100nmである。

0053

検出対象
本発明により、乳汁中のStreptococcus菌を検出できる。本発明でStreptococcus属の菌というときは、特に記載した場合を除き、Streptococcus uberis、Streptococcus agalactiae、Streptococcus dysgalactiae、Streptococcus equinus、Streptococcus canis、Streptococcus bovis、Streptococcus pluranimalium、Streptococccus parauberis、Streptococcus mutans、Streptococcus acidominimusが含まれる。本発明においては、溶菌酵素と界面活性剤が適切に配合された溶菌剤を用いることにより、牛等の家畜から得られた、脂肪球と高濃度のタンパク質を含有する乳汁そのものに含まれるStreptococcus 属の菌を検出することができる。

0054

本発明で測定される特定物質は、イムノクロマトグラフ法等の免疫学的な方法で測定できる物質であれば何れでも可能であるが、細菌の成分または細菌が分泌する物質であることが好ましい。さらに好ましくは、細菌のL7/L12リボゾームタンパク質である。L7/L12リボソームタンパク質は、細胞内に多コピー存在するために検出感度が高い。

0055

[抗体]
本発明に用いる抗体は、国際公開第00/06603号パンフレットに記載の方法で作製することができる。細菌リボゾームタンパク質L7/L12を抗原とする場合は、細菌リボゾームタンパク質L7/L12の全長タンパク質あるいはその部分ペプチドを抗原として用いて作製することができるが、全長タンパク質を抗原として作製することが好ましい。この部分ペプチドあるいは全長タンパク質をそのまま、またはキャリアタンパク質架橋した後必要に応じてアジュバントとともに動物へ接種せしめ、その血清回収することでL7/L12リボソームタンパク質を認識する抗体(ポリクローナル抗体)を含む抗血清を得ることができる。また抗血清より抗体を精製して使用することもできる。接種する動物としてはヒツジウマ、ヤギ、ウサギマウスラット等であり、特にポリクローナル抗体作製にはヒツジ、ウサギなどが好ましい。また、抗体としてはハイブリドーマ細胞を作製する公知の方法により取得したモノクローナル抗体を適用することがより好ましいが、この場合はマウスが好ましい。当該モノクローナル抗体として、乳房炎の原因となる特定の細菌のリボゾームタンパク質L7/L12と反応し、前記特定の細菌以外の乳房炎の原因となる細菌のリボゾームタンパク質L7/L12とは反応しないモノクローナル抗体をスクリーニングすることにより、当該細菌による感染症にかかっているかどうかの診断に役立てることが可能となる。

0056

抗体が乳房炎の原因となる特定の細菌の成分または該細菌が分泌する物質と反応し、前記特定の細菌以外の乳房炎の原因となる細菌の成分または該細菌が分泌する物質とは反応しないモノクローナル抗体であれば、リボゾームタンパク質L7/L12以外を抗原として認識する抗体であっても使用することができる。

0057

また、モノクローナル抗体としては、乳汁中に含まれる特定物質以外の夾雑物により抗原抗体反応が阻害されないモノクローナル抗体を用いることが好ましい。例えば、乳汁中にはカゼインなどのタンパク質が大量に含まれており、特定物質とモノクローナル抗体との反応を阻害する場合がある。特定物質に対するモノクローナル抗体を常法により製造するにあたり、例えばカゼインなどにより抗原抗体反応が阻害を受けないモノクローナル抗体や、抗原抗体反応への影響が少ないモノクローナル抗体を適宜選択して用いることが好ましい場合がある。このようなモノクローナル抗体は、通常の方法に従って抗原に対して特異的に反応するモノクローナル抗体を製造した後に、カゼインなどの夾雑物の存在下で抗原抗体反応が阻害されるか否かを調べて、実質的に反応の阻害を受けないモノクローナル抗体を選択することにより容易に取得することができる。

0058

実施例1:
(1)リボゾームタンパク質L7/L12抗体の作製国際公開WO00/06603号パンフレットの実施例に記載の方法に準じて、L7/L12リボゾームタンパク質を取得し、同タンパク質を用いてモノクローナル抗体を作製した。当該モノクローナル抗体は、上記L7/L12リボゾームタンパク質の別のサイトに同時に結合しうる2種の組合せを選択した。

0059

(2)ELISAによる溶菌活性の評価 S. uberisまたはS. agalactiae菌を1×109(cells/ml)となるように生理食塩水で調整して菌調整液とした。また、表1に示す6種の酵素は、1 mg/mlあるいは10 mg/mlとなるように各バッファーと市販の牛乳体積比1:1で混合した液を用いて希釈し、酵素調整液とした。

0060

*1: β-N-Acetyl-D-glucosaminidase Activity: 19.13 U/g・powder Protein: 24.00 mg/protein/g-powder Lysis of lactic acid bacterium cells by 0.5%(w/v)Labiase
*2:力価0.8mgリゾチーム/mg以上(和光薬製品規格
*3: > 80units/mg protein

0061

陽性コントロールとして、S. uberis菌またはS. agalactiae菌を、非イオン性界面活性剤TritonX-100を1%含むMOPSOバッファー(0.1M)中で終夜撹拌した後、超音波処理(出力10%、1min×10回)することにより得た菌調整液を用いた。

0062

10μg/mlのモノクローナル抗体-1(0.05%NaN3/PBS)50μlを96穴ELISAプレート(Nunc社Maxisorp ELISAプレート)に分注し4℃で一晩吸着させた。上澄み除去後、1%牛血清アルブミン溶液(PBS中)200μlを添加し、室温で1時間反応させてブロッキングした。上澄み除去後、洗浄液(0.05%Tween20/PBS)で数回洗浄した。

0063

先に準備した菌調整液と酵素調整液を体積比1:1となるように混合し、37℃インキュベータで1時間処理した。これを0.05%Tween20/PBSで100倍希釈し、プレートに50μl添加し、37℃にて1時間反応させた。上澄み液を除去し洗浄液で数回洗浄後、パーオキシダーゼ標識したモノクローナル抗体-2(1μg/ml、0.05%Tween20/PBS)を50ul添加し、室温にて1時間反応させた。上澄み除去後さらに洗浄液で数回洗浄したのち、TMB溶液(KPL社製)を100μlずつ加え室温で10分間反応させ、1mol/lの塩酸を100μl添加して反応を停止したのち450nmにおける吸光度を測定した。

0064

陽性コントロールでの溶菌率を100%として、陽性コントロールの吸光度との比から、各酵素による溶菌率を算出した。5%以上の溶菌率を有するものを+、溶菌率が5%未満のものを−とし、結果を表2に示す。

0065

0066

リゾチームおよびラビアーゼは、単独で双方の菌に効果があった。β-Nアセチルグルコサミニダーゼは、単独でS. agalactiaeに対して効果があった。

0067

実施例2:
終濃度がラビアーゼ0.5mg/ml、リゾチーム4.5mg/mlとなるように、クエン酸-リン酸Naバッファー/牛乳(混合体積比1:1)を用いて調整し、上記方法と同様に菌を処理した。ELISAにより溶菌率を算出した結果を図1に示す。すると、リゾチームやラビアーゼ単体の使用ではS. uberisまたはS. agalactiaeのどちらかの菌には不十分な溶菌活性であったものが、ある濃度範囲で混合して併用することにより、いずれの菌も高効率で溶菌できることが明らかとなった。

0068

実施例3:イムノクロマトグラフ装置の作製
イムノクロマトグラフ装置は以下のように作製できる。(a)金コロイド標識含浸部材BBInternational社製金コロイド溶液(粒径60nm)0.9mlに0.1Mリン酸カリウムpH7.0を混合し、金コロイド標識するモノクローナル抗体-1を100μg/ml加え室温で10分間静置し、この抗体を金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が1%となるようにウシ血清アルブミンBSA)10%水溶液を加え、この金コロイド粒子の残余の表面をBSAでブロッキングして、金コロイド標識したモノクローナル抗体-1(以下、「金コロイド標識抗体」と記す)溶液を調製する。この溶液を遠心分離(15000×rpm、5分間)して金コロイド標識抗体を沈殿せしめ、上清液を除いて金コロイド標識抗体を得る。この金コロイド標識抗体を0.25%BSA、2.5%スクロース、35mM NaClを含有する20mMトリス塩酸緩衝液(pH7)に懸濁して金コロイド標識抗体溶液を得る。10mm×300mmの帯状グラスファイバーパットに、金コロイド標識抗体溶液2mlを含浸せしめ、これを室温で減圧乾燥させて金コロイド標識抗体含浸部材1(第1部分)とする。

0069

(b)抗原および金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位幅25mm、長さ300mmのニトロセルロース膜クロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体2(第2部分)として用意する。モノクローナル抗体-2 1.5mg/mlが含有されてなる溶液を、このクロマト展開用膜担体2におけるクロマト展開開始点側の末端から10mmの位置に1μl/cmでライン状に塗布して、これを50℃で30分間乾燥し、その後、0.5%スクロース溶液に30分浸し、一晩室温で乾燥させた。リボソームタンパク質L7/L12抗原と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位3とする。

0070

(c)イムノクロマトグラフ装置の作製 イムノクロマトグラフ装置断面図を図2に示す。上記標識抗体含浸部材1、上記クロマト展開用膜担体2の他に、試料添加用部材と脂肪球除去用部材(第3部分)とを兼ねる部材として25mmのGF/DVA(GEヘルスケアバイオサイエンス製:ガラス繊維からなる、厚み776μm、保持粒子サイズ3.5μmのフィルター部材4)および20mmのGF/AVA(GEヘルスケアバイオサイエンス製:ガラス繊維からなる、厚み299μm、保持粒子サイズ1.7μmのフィルター部材7)を貼り合わせ、さらに、吸収用部材5として濾紙を用意する。そして、これらの部材を基材6(厚さ254μm、ポリスチレン製で部材を貼り合わせるための粘着材がついたもの)に貼り合せた後、5mm幅に切断し、イムノクロマトグラフ装置を作製する。

0071

実施例4:イムノクロマトによる評価1
イムノクロマト装置による牛乳の測定は以下の様に行った。マイクロチューブに終濃度1×105(CFU/ml)のストレプトコッカスウベリスを添加した乳汁を300μl分取し、溶菌処理液を500μl添加し、室温で30分間処理した。牛乳汁は市販の飲用品を用いた。同混合溶液に上記イムノクロマトグラフ装置を試料添加用部材4から浸漬して、室温で30分静置して展開後、上記補足部位3で補足されたリボソームタンパク質L7/L12抗原と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉の有無を捕捉量に比例して増減する赤紫色ライン強度を測定した。各条件における溶菌効率を表3に示す。

0072

0073

ラビアーゼのみを使用した条件1と比較して、リゾチームを併用した条件2や、さらに界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTween20を添加した条件3では、溶菌効率が向上していることが明らかとなった。また、非特許文献1に開示されている条件(比較例3)を追試したところ、低い溶菌効率が認められた。

0074

実施例5:イムノクロマトによる溶菌活性の評価2
ラビアーゼに併用するリゾチームの添加量について、実施例4と同様の手順で評価した。結果を表4に示す。リゾチームを適量添加すると、溶菌効率が向上する事が確かめられた。

0075

0076

実施例6:イムノクロマトによる界面活性剤濃度の評価
界面活性剤の濃度について、実施例4と同様に評価した結果を表5に示す。TritonX100とTween20の添加量を適切化することにより、溶菌効率がさらに向上することが明らかとなった。

0077

0078

実施例7:牛乳汁中の生菌の検出感度
牛乳に各濃度のストレプトコッカスウベリスを添加した検体を、条件1および条件10の溶菌剤により処理し、イムノクロマトによる測定を実施した。出現した赤紫色のラインを目視により判定した(強陽性++、陽性+、陰性−)。

0079

0080

実施例8:添加剤による溶菌効率の向上
実施例6に記載の条件9に記載の溶菌剤に、さらに種々の添加剤を加え溶菌効率を評価した結果を表7に示す。

実施例

0081

※モノカプリリン:東京化成工業(株)製 1-モノオクタノイルグリセロール

0082

本発明により、イムノクロマト法などによる家畜乳房炎の迅速診断に利用することができる。

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