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技術 ポリエステル樹脂組成物および接着剤組成物

出願人 東洋紡株式会社
発明者 麻田裕子伊藤武
出願日 2014年12月3日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-552404
公開日 2017年3月16日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 WO2015-087761
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 密閉保管 金属化粧板 腐食物 腐食物質 被圧着物 押え蓋 ロール荷重 核磁気共鳴分光測定
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月16日)のものです。
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課題・解決手段

特別な装置や基材を必要とせず、接着性耐湿熱性耐腐食性に優れるポリエステル樹脂組成物およびこれを用いた接着剤組成物を提供する。ガラス転移温度が15℃以下、エステル基濃度が8500〜11000当量/106gであるポリエステル樹脂(A)およびポリイソシアネート(B)を含有し、下記(1)〜(2)を満足するポリエステル樹脂組成物。(1)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の60℃における貯蔵弾性率が4.8×106Pa以下である(2)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の200℃における貯蔵弾性率が2.0×105Pa以上である

概要

背景

家電外装建材など各種プラスチックフィルムアルミニウムなどの金属箔ラミネートには主に溶剤系の2液型ドライラミネート接着剤が用いられている。2液型ドライラミネート接着剤とは、末端水酸基を有するポリウレタンポリエステル主剤とし、該水酸基と反応するイソシアネート基を有する硬化剤を混合して使用する接着剤であり、さらに湿熱性などの耐久特性を上げるためにエポキシ化合物を添加する処方が提案されている。

しかし、従来の2液型ドライラミネート接着剤を電気冷蔵庫の外装やユニットバス内装に用いられる化粧鋼板用の化粧シートに使用した場合、プラスチックフィルムに透湿性があるため、調味料温水等の影響による高温高湿度状態で接着剤が劣化してしまう問題があった。特に、長期間の使用により、調味料や温水等がプラスチックフィルムを透過し、もしくは端部に溜まることでフィルムや接着剤の劣化を促進し、積層界面での剥離膨れが発生する問題があった。さらに劣化が進むと水分や食品、調味料が化粧シートのアルミニウム箔腐蝕し、発生した錆が化粧面に浮いてきて意匠性を悪化させるという問題があった。

上記課題に対して、透湿性を低減させるため酸化珪素または酸化マグネシウムにより無機物防湿層を設ける処方が開発されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、この処方では、無機物の透湿層を設けるためには真空蒸着が必要となるため、専用の大きな設備が必要であるという問題があった。

また、透明樹脂フィルムを金属箔の裏打ち層として設け、金属箔とできるだけ近い線膨張係数を持つ透明樹脂フィルムを用いることで腐蝕により金属表面の色調が変化しない化粧シートが提案されている(例えば、特許文献2)。

概要

特別な装置や基材を必要とせず、接着性耐湿熱性耐腐食性に優れるポリエステル樹脂組成物およびこれを用いた接着剤組成物を提供する。ガラス転移温度が15℃以下、エステル基濃度が8500〜11000当量/106gであるポリエステル樹脂(A)およびポリイソシアネート(B)を含有し、下記(1)〜(2)を満足するポリエステル樹脂組成物。(1)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の60℃における貯蔵弾性率が4.8×106Pa以下である(2)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の200℃における貯蔵弾性率が2.0×105Pa以上である

目的

本発明は特別な装置や基材を必要とせず、接着性、耐湿熱性、耐腐食性に優れるポリエステル樹脂組成物およびこれを用いた接着剤組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

ガラス転移温度が15℃以下、エステル基濃度が8500〜11000当量/106gであるポリエステル樹脂(A)およびポリイソシアネート(B)を含有し、下記(1)〜(2)を満足するポリエステル樹脂組成物。(1)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の60℃における貯蔵弾性率が4.8×106Pa以下である(2)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の200℃における貯蔵弾性率が2.0×105Pa以上である

請求項2

ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、ポリイソシアネート(B)を1.5〜20質量部含有する請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。

請求項3

さらに、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、エポキシ樹脂(C)を0〜45質量部含有する請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。

請求項4

湿熱試験後のゲル分率が50%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。

請求項5

ポリイソシアネート(B)が、ビウレットヘキサメチレンジイソシアネートまたはアロファネート型ヘキサメチレンジイソシアネートである請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。

請求項6

エポキシ樹脂(C)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である請求項3〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。

請求項7

請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を含有する接着剤組成物

請求項8

請求項7に記載の接着剤組成物で接着されたアルミニウム箔もしくはアルミニウム蒸着層プラスチックフィルムとの積層体

請求項9

請求項8に記載の積層体を含有する化粧シート

技術分野

0001

本発明は、接着性耐湿熱性耐腐食性に優れるポリエステル樹脂組成物およびこれを用いた接着剤組成物に関する。さらに詳しくは、建材家電製品等に用いられるアルミニウムラミネートフィルム化粧シート用の接着剤組成物に関するものである。

背景技術

0002

家電外装や建材など各種プラスチックフィルムアルミニウムなどの金属箔ラミネートには主に溶剤系の2液型ドライラミネート接着剤が用いられている。2液型ドライラミネート接着剤とは、末端水酸基を有するポリウレタンポリエステル主剤とし、該水酸基と反応するイソシアネート基を有する硬化剤を混合して使用する接着剤であり、さらに湿熱性などの耐久特性を上げるためにエポキシ化合物を添加する処方が提案されている。

0003

しかし、従来の2液型ドライラミネート接着剤を電気冷蔵庫の外装やユニットバス内装に用いられる化粧鋼板用の化粧シートに使用した場合、プラスチックフィルムに透湿性があるため、調味料温水等の影響による高温高湿度状態で接着剤が劣化してしまう問題があった。特に、長期間の使用により、調味料や温水等がプラスチックフィルムを透過し、もしくは端部に溜まることでフィルムや接着剤の劣化を促進し、積層界面での剥離膨れが発生する問題があった。さらに劣化が進むと水分や食品、調味料が化粧シートのアルミニウム箔腐蝕し、発生した錆が化粧面に浮いてきて意匠性を悪化させるという問題があった。

0004

上記課題に対して、透湿性を低減させるため酸化珪素または酸化マグネシウムにより無機物防湿層を設ける処方が開発されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、この処方では、無機物の透湿層を設けるためには真空蒸着が必要となるため、専用の大きな設備が必要であるという問題があった。

0005

また、透明樹脂フィルムを金属箔の裏打ち層として設け、金属箔とできるだけ近い線膨張係数を持つ透明樹脂フィルムを用いることで腐蝕により金属表面の色調が変化しない化粧シートが提案されている(例えば、特許文献2)。

先行技術

0006

特開2004−42343号公報
特許4616634号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献2の方法では、特別な製造や基材を必要とするうえ、煩雑な工程を得なければならず、実用化に耐え得るものではなかった。本発明は特別な装置や基材を必要とせず、接着性、耐湿熱性、耐腐食性に優れるポリエステル樹脂組成物およびこれを用いた接着剤組成物を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討し、以下の発明を提案するに至った。即ち本発明は、以下の通りである。

0009

ガラス転移温度が15℃以下、エステル基濃度が8500〜11000当量/106gであるポリエステル樹脂(A)およびポリイソシアネート(B)を含有し、下記(1)〜(2)を満足するポリエステル樹脂組成物。
(1)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の60℃における貯蔵弾性率が4.8×106Pa以下である
(2)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の200℃における貯蔵弾性率が2.0×105Pa以上である

0010

前記ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、ポリイソシアネート(B)を1.5〜20質量部含有することが好ましい。

0011

さらに、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、エポキシ樹脂(C)を0〜45質量部含有することが好ましい。

0012

湿熱試験後のゲル分率が50%以上であることが好ましい。

0013

前記ポリイソシアネート(B)は、ビウレットヘキサメチレンジイソシアネートまたはアロファネート型ヘキサメチレンジイソシアネートであることが好ましい。

0014

前記エポキシ樹脂(C)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることが好ましい。

0015

前記ポリエステル樹脂組成物を含有する接着剤組成物。

0016

前記接着剤組成物で接着されたアルミニウム箔もしくはアルミニウム蒸着層とプラスチックフィルムとの積層体

0017

前記積層体を含有する化粧シート。

発明の効果

0018

本発明のポリエステル樹脂組成物は、接着性、耐湿熱性、耐腐食性に優れるため、アルミニウムラミネートフィルム用の接着剤に好適である。特に、高い意匠性を要求される建材や家電に用いられる化粧シート用途に好適である。

実施例

0019

<ポリエステル樹脂(A)>
本発明に用いられるポリエステル樹脂(A)は、多価カルボン酸成分多価アルコール成分を共重合成分とするポリエステルであることが好ましく、ジカルボン酸成分とグリコール成分を共重合成分とすることがより好ましい。

0020

ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分としては、特に限定されないが、芳香族ジカルボン酸脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン酸が挙げられ、特に芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸を併用することが好ましい。

0021

芳香族ジカルボン酸の共重合量は、カルボン酸成分の合計量を100モル%とした場合、50モル%以上が好ましく、より好ましくは60モル%以上である。少なすぎるとエステル基濃度が高くなりすぎて耐湿熱性に優れたポリエステル樹脂(A)を得られないことがある。また、90モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましい。多すぎると60℃での貯蔵弾性率が大きくなりすぎて基材への接着性が低下することがある。

0022

芳香族ジカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、テレフタル酸イソフタル酸オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上併用して使用することができる。特にこのうちのテレフタル酸、イソフタル酸を用いることが、耐湿熱性の観点から好ましい。

0023

脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、炭素数4以上10以下の脂肪族ジカルボン酸を使用することが好ましい。脂肪族ジカルボン酸のより好ましい炭素数は5以上であり、さらに好ましくは炭素数6以上である。また、炭素数10以下がより好ましい。前記範囲の炭素数の脂肪族ジカルボン酸を使用することによって、エステル基濃度の良好なポリエステル樹脂(A)を得ることが期待できる。脂肪族ジカルボン酸の共重合量は、カルボン酸成分の合計量を100モル%とした場合、50モル%以下が好ましく、より好ましくは40モル%以下である。また、10モル%以上が好ましく、より好ましくは20モル%以上である。少なすぎると60℃での貯蔵弾性率が大きくなりすぎて基材への接着性が低下することがある。多すぎるとエステル基濃度が高くなりすぎて耐湿熱性に優れたポリエステル樹脂(A)を得られないことがある。

0024

脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、アジピン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカンジオン酸オクタデカジオン酸等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上併用して使用することができる。特にこのうちのアジピン酸、セバシン酸を用いることが、入手性の観点から好ましい。

0025

脂環族ジカルボン酸の共重合量は、カルボン酸成分の合計量を100モル%とした場合、50モル%以下が好ましく、より好ましくは40モル%以下であり、さらに好ましくは30モル%以下であり、特に好ましくは20モル%以下であり、最も好ましくは10モル%以下であり、0モル%であっても差し支えない。多すぎると耐湿熱性に優れたポリエステル樹脂を得られないことがある。脂環族ジカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上併用して使用することができる。特にこのうちの1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが、入手性の観点から好ましい。

0026

ポリエステル樹脂(A)に酸価分岐を付与する目的で無水多価カルボン酸を使用することができる。酸価や分岐を付与することによって、ポリイソシアネート(B)との反応性が向上し、アルミニウム等の基材への接着性を向上させることが期待できる。無水多価カルボン酸としては、特に限定されないが、無水フタル酸無水ピロメリット酸無水トリメリット酸エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート等の芳香族無水多価カルボン酸;無水フマル酸無水マレイン酸無水コハク酸無水イタコン酸、ドデセニル無水コハク酸等の脂肪族無水多価カルボン酸;ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂環族無水多価カルボン酸を挙げることができる。これらを単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。

0027

前記無水多価カルボン酸のうち、芳香族無水多価カルボン酸が脂肪族無水多価カルボン酸や脂環族無水多価カルボン酸に比べてより酸価や分岐付与効果が高いため好ましい。なかでも無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテートが好ましく、入手性の観点から無水トリメリット酸がより好ましい。

0028

分岐の付与方法としては、特に限定されないが、3官能以上の無水多価カルボン酸をポリエステル樹脂(A)の共重合成分として、他の多価カルボン酸や多価アルコールとともに脱水エステル化工程を経て重合する方法がある。酸価の付与方法としては、特に限定されないが、ポリエステル樹脂(A)を重合した後、続いて系内に3官能以上の無水多価カルボン物を投入し酸価を付与する方法が挙げられる。無水多価カルボン酸の共重合量は、カルボン酸成分の合計量を100モル%とした場合、5モル%以下であることが好ましく、2モル%以下であることがより好ましく、1モル%以下であることがさらに好ましい。多すぎると薄膜等の力学物性が低下することがあり、また重合中にゲル化を起こす可能性がある。

0029

ポリエステル樹脂(A)の酸価は、0当量/106g以上であればよく、0.5当量/106g以上であることが好ましく、1当量/106g以上であることがより好ましく、5当量/106g以上であることがさらに好ましい。一方、200当量/106g以下であることが好ましく、180当量/106g以下であることがより好ましく、160当量/106g以下であることがさらに好ましく、140当量/106g以下であることが特に好ましい。高すぎるとポリエステル樹脂(A)が加水分解され耐湿熱性が低下することがある。

0030

本発明に用いるポリエステル樹脂(A)を構成する多価アルコール成分としては、特に限定されないが、脂肪族グリコール、芳香族グリコールまたは脂環族グリコールが挙げられ、特に脂肪族グリコールを使用することが好ましい。

0031

脂肪族グリコールは、直鎖状の脂肪族グリコール、分岐状の脂肪族グリコールのいずれでもよい。脂肪族グリコールとしては、特に限定されないが、炭素数2以上10以下のグリコールが好ましい。脂肪族グリコールのより好ましい炭素数は2以上である。炭素数9以下が好ましく、炭素数8以下がより好ましく、炭素数7以下がさらに好ましく、炭素数6以下が特に好ましい。脂肪族グリコールの共重合量は、グリコール成分の合計量を100モル%とした場合、40モル%以上が好ましく、より好ましくは50モル%以上であり、さらに好ましくは60モル%以上であり、よりさらに好ましくは70モル%以上であり、特に好ましくは80モル%以上であり、最も好ましくは90モル%以上であり、100モル%であっても差し支えない。脂肪族グリコールの共重合量が少なすぎるとガラス転移温度が上がり、柔軟性が低下するため、アルミニウム等の基材への接着性が低下することがある。

0032

脂肪族グリコールの具体例としては、特に限定されないが、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールメチルペンタンジオールペンタンジオールヘキサンジオールヘプタンジオールオクタンジオールノナンジオールデカンジオールドデカンジオール等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上併用して使用することができる。特にこのうちのエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールを用いることが好ましい。

0033

脂環族グリコールとしては、特に限定されないが、シクロヘキサンジオールシクロヘキサンジメタノール水添キシリレングリコール等が挙げられる。芳香族グリコールとしては、特に限定されないが、キシリレングリコール等が挙げられる。

0034

ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(以下、Tgともいう)は15℃以下であることが必要である。より好ましいガラス転移温度は14℃以下であり、さらに好ましくは13℃以下であり、特に好ましくは12℃以下である。ガラス転移温度が高すぎると柔軟性が低下するため接着性が低下することがある。下限は特に限定されないが、好ましくは−10℃以上であり、より好ましくは−5℃以上である。

0035

本発明におけるガラス転移温度は示差走査型熱量計(SII社、DSC−200)により測定したものである。具体的には、サンプル(試料)約5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ密封し、液体窒素を用いて−50℃まで冷却、次いで150℃まで20℃/分にて昇温させる。その過程にて得られる吸熱曲線において、吸熱ピークが出る前のベースラインと、吸熱ピークに向かう接線との交点の温度をもって、ガラス転移温度(Tg、単位:℃)とする。

0036

ポリエステル樹脂(A)のエステル基濃度は、8500当量/106g以上11000当量/106g以下である必要がある。好ましいエステル基濃度は8600当量/106g以上であり、より好ましくは8700当量/106g以上であり、さらに好ましくは8800当量/106g以上であり、特に好ましくは8900当量/106g以上であり、最も好ましくは9000当量/106g以上である。また、10900当量/106g以下が好ましく、10800当量/106g以下がより好ましく、10700当量/106g以下がさらに好ましく、10600当量/106g以下が特に好ましく、10500当量/106g以下が最も好ましい。エステル基濃度が低すぎるとポリイソシアネート(B)との反応性が不十分となり接着性が低下することがあり、高すぎるとポリエステル樹脂(A)が加水分解され耐湿熱性が低下することがある。

0037

本発明におけるエステル基濃度の単位は、ポリエステル樹脂(A)1tあたりの当量数で表し、ポリエステル樹脂(A)の組成及びその共重合比から算出される値である。

0038

ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は5000以上であることが好ましく、6000以上であることがより好ましく、7000以上であることがさらに好ましく、8000以上であることが特に好ましく、10000以上であることが最も好ましい。また、50000以下であることが好ましく、45000以下であることがより好ましく、40000以下であることがさらに好ましく、35000以下であることが特に好ましく、30000以下であることが最も好ましい。数平均分子量が5000より低いと、接着剤としての機械特性不足し、アルミニウム等の基材への十分な接着性、加工性、耐湿熱性が得られないことがある。数平均分子量が50000より高いと、本接着剤を溶剤に溶解して使用する場合に、溶液粘度が高くなりすぎて、実使用できない等の問題が生じることがある。

0039

<ポリイソシアネート(B)>
本発明に用いられるポリイソシアネート(B)は、分子内に2以上のイソシアネート基を有するものであれば、特に限定されないが、耐候性の観点から脂肪族ポリイソシアネート脂環族ポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネート化合物の具体例としては、特に限定されないが、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIともいう)、テトラメチレンジイソシアナート、3、3’−ジメトキシ−4,4’ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−キシリレンジイソシアネート、1,3ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、およびこれらを用いて多官能化した化合物、或いは、ポリオールに上記イソシアネートを用いて変性した化合物等が挙げられる。これらを単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。なかでも脂肪族ポリイソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネートを好適な例として挙げることができる。さらにはビュレット構造を有するビュウレット型のHDIポリイソシアネートやアロファネート構造を有するアロファネート型HDIポリイソシアネートが好ましい。このような構造を有するポリイソシアネートを使用することにより高温時の接着強度が高くなることが期待できる。

0040

ポリイソシアネート(B)は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、1.5質量部以上であることが好ましい。より好ましくは2質量部以上であり、さらに好ましくは2.5質量部以上であり、特に好ましくは3質量部以上であり、最も好ましくは3.5質量部以上である。また、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは19質量部以下であり、さらに好ましくは18質量部以下であり、特に好ましくは17質量部以下であり、最も好ましくは16質量部以下である。少なすぎるとポリエステル樹脂(A)と十分な反応をすることができず、耐湿熱性が低下することがある。多すぎると塗膜が硬くなり、湿熱下での基材の変化に追随できず、基材と接着剤組成物間に隙間を生じることがある。そのため、腐食成分が浸入し、耐腐食性が低下することがある。

0041

<ポリエステル樹脂組成物>
本発明のポリエステル樹脂組成物は、前記ポリエステル樹脂(A)とポリイソシアネート(B)を含み、かつ(1)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の60℃における貯蔵弾性率が4.8×106Pa以下であること、(2)ポリエステル樹脂組成物で薄膜を作製したときに、該薄膜の200℃における貯蔵弾性率が2.0×105Pa以上であること、を満足する組成物である。また、ポリエステル樹脂組成物には、後述するエポキシ樹脂(C)や本発明の特徴を損なわない範囲で添加剤等を配合しても差し支えない。また、溶剤に溶解しても良い。

0042

前記(1)について説明する。ポリエステル樹脂組成物は、当該ポリエステル樹脂組成物で25μmの薄膜を作製したときに、該薄膜の動的粘弾性引張法10Hzでの60℃における貯蔵弾性率が4.8×106Pa以下であることが必要である。好ましい貯蔵弾性率は3.5×106Pa以下である。60℃での貯蔵弾性率を4.8×106Pa以下にすることで、高温湿熱下(60℃95%RH)での耐腐食性(耐酸耐アルカリ、耐醤油、耐塩水)、耐湿熱性を発現することができる。高すぎるとポリエステル樹脂組成物から得られる接着剤組成物や接着剤層が硬くなり、高温湿熱下での酸等よる基材の変化に追随できないため、耐腐食性が低下する傾向となる。一方、下限は特に限定されないが、2.0×106Pa以上が好ましく、2.5×106Pa以上がさらに好ましい。

0043

前記(2)について説明する。ポリエステル樹脂組成物は、当該ポリエステル樹脂組成物で25μmの薄膜を作製したときに、該薄膜の動的粘弾性引張法10Hzでの200℃における貯蔵弾性率が2.0×105Pa以上であることが必要である。好ましい貯蔵弾性率は5.0×105Pa以上である。200℃での貯蔵弾性率を2.0×105Pa以上にすることで、ポリエステル樹脂組成物から得られる接着剤組成物の耐湿熱性を発現することができる。低すぎると、エリクセン加工の際に変形を保持できず、剥がれが生じてしまい耐湿熱性を発現できないことがある。一方、上限は特に限定されないが、9.0×105Pa以下が好ましい。

0044

本発明で使用することができる溶剤は、ポリエステル樹脂組成物を溶解できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、トルエンキシレンテトラメチルベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、テトラリン等の芳香族炭化水素系デカリンヘキサンヘプタンオクタンデカン等の脂肪族炭化水素系酢酸メチル酢酸エチル酢酸イソプロピル酢酸ブチル等のエステル系メタノールエタノールプロパノールブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系、アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノン等のケトン系、(ジ)エチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルジプロピレングリコールジエチルエーテルジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、セロソルブアセテートエチルセロソルブブチルセロソルブ等のセロソルブ系、カルビトールブチルカルビトールブチルカルビトールアセテート等のカルビトール類の各種溶剤を使用することができ、これら溶剤は単独で、又は2以上を併用して使用することができる。

0045

ここで、腐食物質とは金属と接することで化学反応を起こし、基材が溶けたり腐食生成物を生成したり、基材の厚さが減少したり、孔が開いたりする物質のことを指す。本発明における腐食物質としては、特に限定されないが、水、塩水、アルカリ成分を含む物質、酸成分を含む物質、醤油などを例示することができる。本発明ではこのような腐食物質に対して優れた耐腐食性を発現するが、特に醤油に対して優れた耐腐食性を発現する。

0046

<薄膜>
前記薄膜は、下記の手順によって得られたものを指す。すなわち、前記ポリエステル樹脂組成物をポリプロピレンフィルム(厚み50μm)の非コロナ面に乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターで塗布する。塗布後、約120℃で約1分間乾燥し、溶剤を揮発させる。乾燥後、25℃、湿度30%RH以下の環境下で7日間エージングを行ってポリエステル樹脂組成物を硬化させる。硬化後、ポリエステル樹脂組成物層をポリプロピレンフィルムから剥がして得られた膜厚25μmの膜を薄膜とする。

0047

本発明のポリエステル樹脂組成物は、湿熱試験後のゲル分率が50%以上であることが好ましい。より好ましくは60%以上である。湿熱試験後のゲル分率を50%以上とすることで、エリクセン加工の際に変形を保持することができ、優れた耐湿熱性を発現することができる。湿熱試験後のゲル分率は、下記手順で行われたものを指す。すなわち、50μmのポリプロピレンフィルムに、ポリエステル樹脂組成物を乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターで塗布する。塗布後、約120℃で約3分間乾燥し、溶剤を揮発させる。乾燥後、25℃、湿度30%RH以下の環境下で7日間エージングを行ってポリエステル樹脂組成物を硬化させる。その後恒温恒湿機(ヤマト(株)製)を用いて60℃、95%RHで、1000時間の環境負荷を与える。ポリプロピレンフィルム/ポリエステル樹脂組成物の積層体を縦2.5cm横10cmの短冊状に切り取って重量を測定し(この重量をAとする)、トルエン/メチルエチルケトン=1/1(体積比)の混合溶液に1時間浸漬させる。浸漬後、該積層体を取り出して1時間熱風乾燥機で乾燥させ、重量を測定する(この重量をBとする)。その後、該積層体のポリエステル樹脂組成物層を削り取り、ポリプロピレンフィルムの重量を測定する(この重量をCとする)。下記式で算出した数値を湿熱試験後のゲル分率(%)とする。
ゲル分率(%)={(B−C)/(A−C)}×100

0048

<エポキシ樹脂(C)>
本発明のポリエステル樹脂組成物に、さらにエポキシ樹脂(C)を配合することができる。エポキシ樹脂(C)を配合することによって、ポリエステル樹脂組成物の湿熱環境下での分解抑制が期待できる。

0049

エポキシ樹脂(C)のエポキシ当量は、300g/eq以上であることが好ましく、500g/eq以上であることがより好ましく、700g/eq以上であることがさらに好ましく、900g/eq以上であることが特に好ましい。300g/eq未満では硬化に対する寄与が小さく接着性改善の効果が認められないことがある。また、3000g/eq以下であることが好ましく、2800g/eq以下であることがより好ましく、2600以下であることがさらに好ましく、2400g/eq以下であることが特に好ましい。3000g/eqより大きいと基材への接着性が低下してしまうことがある。

0050

エポキシ樹脂(C)は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0質量部以上であることが好ましく、より好ましくは1質量部以上であり、さらに好ましくは5質量部以上であり、特に好ましくは10質量部以上である。また、45質量部以下であることが好ましく、より好ましくは44質量部以下であり、さらに好ましくは43質量部以下である。少なすぎるとポリエステル樹脂組成物の湿熱環境下での分解を抑制できないことがある。また、多すぎると接着剤層が硬くなりすぎて耐腐食性が低下することがある。

0051

エポキシ樹脂(C)の具体例としては、特に限定されないが、例えばビスフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテルジシクロペンタンジエンブロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテルタイプ;ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステルタイプ;トリグリシジルイソシアヌレートテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミン;3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレートエポキシ化ポリブタジエンエポキシ化大豆油等の脂環族あるいは脂肪族エポキサイドが挙げられる。これらを単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。金属との接着性や、ポリイソシアネート(B)の反応性が向上することから、分子内に水酸基を有するエポキシ樹脂(C)が好ましい。エポキシ樹脂(C)の分子内に水酸基を有していると、ポリイソシアネート(B)との架橋反応がより進みやすくなり、より低温での硬化反応が可能になる。このことから、なかでもビスフェノールAジグリシジルエーテルを用いることが好ましい。

0052

<接着剤組成物>
本発明の接着剤組成物は、前記ポリエステル樹脂組成物と、必要に応じて前記エポキシ樹脂(C)および、本発明の特徴を損なわない範囲で接着剤組成物への添加剤として広く用いられているものを配合することができる。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、紫外線吸収剤酸化防止剤シランカップリング剤可塑剤、種々粘着性樹脂成分等の公知の添加剤を挙げることができ、これらを単独でまたは2種以上併用して含有させることができる。

0053

また、反応性を制御するために硬化触媒を使用してもよい。触媒としては特に限定されないが、ポリイソシアネート硬化用触媒が好ましく、さらに好ましくは錫系又はアミン系のポリイソシアネート硬化用触媒が挙げられる。特に限定されないが、具体的には、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンビスビスマレイン酸モノブチルエステルジオクチルチンビスビスマレイン酸モノブチルエステル、テトラブチルジアセトキシジスタノキサン等の錫系触媒トリブチルアミントリエチレンジアミン、N’−メチル−N−(2−ジメチルアミノエチルピペラジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン,1,2−ジメチルイミダゾール等のアミン系触媒が挙げられる。特にフリーのポリイソシアネートと組み合わせる場合はこれらの3級アミン化合物フェノール等により塩を形成させたものが好ましい。

0054

<接着剤層>
本発明にかかる接着剤組成物を用いて接着剤層を作製することができる。本発明の接着剤層は、前記接着剤組成物を基材1に塗布し、乾燥し、エージング等を行って硬化させた後の接着剤組成物の層をいう。接着剤層の好ましい膜厚は4μm以上であり、より好ましくは5μm以上である。薄すぎると接着剤としての効果が発現されないことがある。また、30μm以下が好ましく、より好ましくは25μm以下である。

0055

接着剤層は、動的粘弾性引張法10Hzでの60℃における貯蔵弾性率が4.8×106Pa以下であることが好ましく、3.5×106Pa以下がより好ましい。60℃での貯蔵弾性率を4.8×106Pa以下にすることで、高温湿熱下(60℃95%RH)での耐腐食性(耐酸、耐アルカリ、耐醤油、耐塩水)、耐湿熱性を発現することができる。高すぎると接着剤層が硬くなり、高温湿熱下での酸等よる基材の変化に追随できないため、耐腐食性が低下する傾向となる。一方、下限は特に限定されないが、2.0×106Pa以上が好ましく、2.5×106Pa以上がさらに好ましい。また、動的粘弾性引張法10Hzでの200℃における貯蔵弾性率が2.0×105Pa以上であることが好ましく、5.0×105Pa以上であることが好ましい。200℃での貯蔵弾性率を2.0×105Pa以上にすることで、接着剤層の耐湿熱性を発現することができる。低すぎると、耐湿熱性を発現できないことがある。一方、上限は特に限定されないが、9.0×105Pa以下が好ましい。

0056

<積層体>
本発明の積層体は、前記接着剤層と基材1との2層の積層体(基材1/接着剤層)、または接着剤層の面に基材2を貼り合わせた3層の積層体(基材1/接着剤層/基材2)、さらに3層の積層体に2層の積層体を貼り合わせた積層体(基材1/接着剤層/基材2/接着剤層/基材3)をいう。

0057

本発明で使用することのできる基材1、基材2および基材3としては、特に限定されないが、金属、プラスチック、木、布または紙類が挙げられる。金属の素材としては、特に限定されないが、アルミニウム、SUS、銅、鉄、亜鉛等の各種金属、及びそれぞれの合金、めっき品等金属板、金属箔または蒸着層等を例示することができる。プラスチックとしては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィンポリアミドポバールまたはポリウレタン等のプラスチックシートまたはプラスチックフィルムを例示することができる。布としては、特に限定されないが、綿、の他、ポリエステル等の合成繊維等を例示することができる。紙類としては、特に限定されないが、上質紙クラフト紙、ロール紙、グラシン紙等を例示することができる。

0058

前記基材1、基材2および基材3は同じ種類のものであってもよく、異なるものであってもよい。また、これらから選ばれる複数の基材を積層しても良い。特に好ましい態様としては、基材1がアルミニウム箔、基材2がプラスチックフィルムであり、このアルミニウム箔/接着剤層/プラスチックフィルムの3層積層体をアルミニウムラミネートフィルムという。また、意匠性を付与したラミネートフィルムを化粧シートという。

0059

<実施例>
以下、本発明を更に詳細に説明するため、実施例を挙げるが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中に単に部とあるのは質量部を示す。

0060

ポリエステル樹脂(A)の製造例(a−1)
温度計撹拌機還流冷却管および蒸留管具備した反応容器にテレフタル酸49.8部、イソフタル酸49.8部、アジピン酸58.4部、エチレングリコール35.4部、ネオペンチルグリコール69.3部、1,4−ブタンジオール60.0部、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート(以下、TBT略記する場合がある)を全酸成分に対して0.03モル%仕込み、160℃から240℃まで4時間かけて昇温しながらエステル交換反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて90分間重縮合反応を行った。窒素気流下、220℃まで冷却し、無水トリメリット酸を2部投入し、30分間反応を行い、ポリエステル樹脂(a−1)を得た。得られたポリエステル樹脂(a−1)の結果を表1に示す。

0061

ポリエステル樹脂(a−2)〜(a−8)の製造例
ポリエステル樹脂(a−1)の製造例に準じて、但し、原料の種類と配合比率を変更して、ポリエステル樹脂(a−2)〜(a−8)を製造した。結果を表1に示す。

0062

0063

1.ポリエステル樹脂(A)の組成
ポリエステル樹脂(A)の組成及び組成比の決定は共鳴周波数400MHzの1H−NMR測定プロトン型核磁気共鳴分光測定)にて行った。測定装置はVARIAN社製1H−NMR装置400−MRを用い、溶媒には重クロロホルムを用いた。

0064

2.ガラス転移温度(Tg)
示差走査型熱量計(SII社製、DSC−200)により測定した。サンプルは試料(ポリエステル樹脂)5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れて密封したものを用いた。まず、液体窒素を用いて−50℃まで試料を冷却し、次いで150℃まで20℃/分にて昇温した。この過程にて得られる吸熱曲線において、吸熱ピークが出る前のベースラインと、吸熱ピークに向かう接線との交点の温度をもって、ガラス転移温度(Tg、単位:℃)とした。

0065

3.酸価(AV)
試料(ポリエステル樹脂)0.2gを精しクロロホルム40mlに溶解し、0.01−Nの水酸化カリウムエタノール溶液滴定を行った。指示薬にはフェノールフタレインを用いた。測定値を試料106gあたりの当量に換算し、単位は当量/106gとした。

0066

4.エステル基濃度
ポリエステル樹脂(A)1tあたりの当量数で表し、ポリエステル樹脂(A)の組成及びその共重合比から算出される値である。ポリエステル樹脂(A)が、3官能以上の無水多価カルボン酸をポリエステル樹脂(A)の共重合成分として、他の多価カルボン酸や多価アルコールとともに脱水エステル化工程を経て重合する方法で得られた場合は、そのままの値を採用する。一方、ポリエステル樹脂を重合した後、続いて系内に3官能以上の無水多価カルボン酸を投入し酸価を付与する方法で得られた場合は、付加後(3官能以上の無水多価カルボン酸投入後)のポリエステル樹脂1tあたりの当量数を指すものとする。

0067

5.数平均分子量(Mn)
試料(ポリエステル樹脂)を、樹脂濃度が0.5%程度となるようにテトラヒドロフランに溶解または希釈し、孔径0.5μmのポリ四フッ化エチレンメンブランフィルター濾過したものを測定用試料とした。測定用試料について、テトラヒドロフランを移動相とし示差屈折計検出器とするゲル浸透クロマトグラフィーにより分子量を測定した。流速は1mL/分、カラム温度は30℃とした。カラムには昭和電工製KF−802、804L、806Lを用いた。分子量標準には単分散ポリスチレンを使用した。但し、測定用試料がテトラヒドロフランに溶解しない場合は、テトラヒドロフランに変えてN,N−ジメチルホルムアミドを用いた。

0068

表1において、ポリエステル樹脂の共重合成分は下記の略号を用いて表した。
TPA:テレフタル酸残基テレフタル酸分子量:166.14
IPA:イソフタル酸残基イソフタル酸分子量:166.14
AA:アジピン酸残基アジピン酸分子量:146.14
SA:セバシン酸残基 セバシン酸分子量:202.25
TMA:無水トリメリット酸残基 無水トリメリット酸分子量:192.13
EG:エチレングリコール残基エチレングリコール分子量:62.07
2MG:2−メチル−1,3−プロパンジオール残基 2−メチル−1,3−プロパンジオール分子量:90.12
PG:ネオペンチルグリコール残基 ネオペンチルグリコール分子量:104.15
BD:1,4−ブタンジオール残基 1,4−ブタンジオール分子量:90.12
HD:1,6−ヘキサンジオール残基 1,6−ヘキサンジオール分子量:118.17

0069

実施例1
温度計、撹拌機、還流式冷却管を具備した反応容器に、ポリエステル樹脂(a−3)100部、メチルエチルケトン270部を仕込み溶解した。その後、エポキシ樹脂(c−1)11部を仕込み溶解した。この溶液にポリイソシアネート(b−2)4部を添加し、接着剤組成物1を得た。結果を表2に示す。

0070

実施例2〜8、比較例1〜6
実施例1に準じて、但し、原料の種類と配合比率を変更して、接着剤組成物2〜14を製造した。結果を表2、3に示す。

0071

0072

0073

表2、3において、ポリイソシアネート(B)、エポキシ樹脂(C)は以下のものを用いた。
ポリイソシアネート(b−1):HDIイソシアヌレート体「日本ポリウレタンコロネート(登録商標)HX」
ポリイソシアネート(b−2):HDIビューレット体「住化バイエル製 デスモジュール(登録商標)N3200」
ポリイソシアネート(b−3):HDIアダクト体「日本ポリウレタン製 コロネート(登録商標)HL」
ポリイソシアネート(b−4):HDIアロファネート体「住化バイエル製 デスモジュール(登録商標)XP2580」
ポリイソシアネート(b−5):HDIビューレット体「旭化成ケミカルズデュラネート(登録商標)D101」
エポキシ樹脂(c−1):YD−014(ビスフェノールA型エポキシ、新日鉄住金化学社製)

0074

6.積層体サンプルの作製
下記3種類の積層体サンプルを作製した。

0075

<積層体サンプル(X)>
50μmのPETフィルムに、ポリエステル樹脂組成物を乾燥後の膜厚が8μmとなるようにアプリケーターで塗布した。塗布後、約120℃で約1分間乾燥し、溶剤を揮発させた。乾燥後、ポリエステル樹脂組成物の塗布面にドライラミネーターを用いてアルミニウム箔と圧着させた。圧着は、ロール温度60℃、ロール荷重3kg/cm、被圧着物速度1m/分、で行った。次いで、25℃、湿度30%RH以下の環境下で7日間エージングを行い、ポリエステル樹脂組成物を硬化させ、アルミニウム箔/接着剤層/PETフィルムの積層体サンプル(X)を得た。

0076

<積層体サンプル(Y)>
50μmのポリプロピレンフィルムに、ポリエステル樹脂組成物を乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケーターで塗布した。塗布後、約120℃で約1分間乾燥し、溶剤を揮発させた。乾燥後、25℃、湿度30%RH以下の環境下で7日間エージングを行い、ポリエステル樹脂組成物を硬化させ、ポリプロピレンフィルム/接着剤層の積層体サンプル(Y)を得た。

0077

<積層体サンプル(Z)>
50μmのPETフィルムに、ポリエステル樹脂組成物を乾燥後の膜厚が8μmになるようにアプリケーターで塗布した。塗布後、約120℃で約1時間乾燥し、溶剤を揮発させた。このサンプルを2枚用意し、その1枚をドライラミネーターでアルミニウム箔と圧着させた。圧着は、ロール温度60℃、ロール荷重3kg/cm、被圧着物速度1m/分、で行った。そのアルミニウム箔面と、もう1枚のサンプルの接着剤層面とを貼り合わせ、ドライラミネーターで圧着し、PETフィルム/接着剤層/アルミニウム箔/接着剤層/PETフィルムの積層体を作製した。その後、25℃、湿度30%RH以下の環境下で7日間エージングを行い、積層体サンプル(Z)を得た。

0078

7.耐湿熱性の評価
耐湿熱性は、初期および湿熱後の接着強度、並びにゲル分率によって評価した。

0079

8.初期および湿熱後接着強度
前記積層体サンプル(X)を幅25mmの短冊状に切り取り島津社製オートグラフでアルミニウム箔とPETフィルムの剥離強度(T型ピール剥離、引っ張り速度50mm/分)を測定し、初期の接着力とした。また、幅25mmの短冊状に切り取った積層体サンプル(X)を恒温恒湿機(ヤマト(株)製)を用いて60℃、95%RH、1000時間の環境負荷を与えた後、アルミニウム箔とPETフィルムの剥離強度(T型ピール剥離、引っ張り速度50mm/分)を測定し、湿熱後の接着力とした。初期の接着力が高く、湿熱後の接着力の接着強度に変化がないほど、耐湿熱性が良好といえる。なお、測定温度は25±3℃と60±3℃とした。
接着強度保持率(%)=湿熱後接着力/初期接着力×100
接着性の評価基準25±3℃、60℃±3℃両方の環境下において
◎:初期の接着強度が7N/25mm以上でかつ湿熱後の接着強度保持率が80%以上
○:初期の接着強度が5N/25mm以上で7N/25mm未満でかつ湿熱後の接着強度保持率が80%以上
△:初期の接着強度が5N/25mm以上でかつ湿熱後の接着強度保持率が50%以上80%未満
×:初期の接着強度が5N/25mm未満もしくは湿熱後の接着強度保持率が50%未満

0080

9.湿熱試験後のゲル分率
前記積層体サンプル(Y)を恒温恒湿機(ヤマト(株)製)を用いて60℃、95%RH、1000時間の環境負荷を与えた。その後、縦2.5cm横10cmの短冊状に切り取って重量を測定した(この重量をAとする)。次いで該積層体をトルエン/メチルエチルケトン=1/1(体積比)の混合溶液に1時間浸漬させた。浸漬後、該積層体を取り出して1時間熱風乾燥機で乾燥させ、重量を測定した(この重量をBとする)。その後、該積層体の接着剤層を削り取り、ポリプロピレンフィルムの重量を測定した(この重量をCとする)。下記式で算出した数値を湿熱試験後のゲル分率(%)とした。
ゲル分率(%)={(B−C)/(A−C)}×100
評価基準◎:湿熱試験後のゲル分率60%以上
○:湿熱試験後のゲル分率50%以上60%未満
×:湿熱試験後のゲル分率50%未満

0081

10.貯蔵粘弾性率(E’)の測定
動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御(株)製、DVA 200)を用い、下記の条件下で、積層体サンプル(Y)から接着剤層を剥がし、接着剤層における60℃及び200℃での貯蔵弾性率(E’)を求めた。
(a)サンプル:長さ15mm(掴み代除く)×幅4mm
(b)測定温度範囲:−50〜200℃
(c)周波数:10Hz
(d)昇温速度:4℃/min
評価基準
60℃において 貯蔵弾性率4.8×106Paを超える:×
貯蔵弾性率4.8×106Pa以下3.5×106Paを越える:○
貯蔵弾性率3.5×106Pa以下:◎
200℃において 貯蔵弾性率2.0×105Pa未満:×
貯蔵弾性率2.0×105Pa以上5.0×105Pa未満:○
貯蔵弾性率5.0×105Pa以上:◎

0082

11.加工性の評価
熔融亜鉛めっきを施した0.5mm厚みの鋼板に、接着剤(東洋紡社製バイロン(登録商標)300/三菱化学社製エピコート(登録商標)1004/日本ポリウレタン製コロネート(登録商標)L=100/10/6(重量比))をバーコーターによって25μmの厚みに塗布して接着層を設け、該鋼板を230℃で3分加熱した。その後、鋼板の接着層に、前記積層体サンプル(Z)をゴムロール加圧接着し、次いで冷却水急冷却し、金属化粧板を得た。エリクセン試験機(JIS B 7729−2005に準拠)で鋼板側より6mm押し出して得られたサンプルを、60℃、95%RH、1000時間の環境負荷を与えた後、積層体サンプル(Z)における、PETフィルム/接着剤層/アルミニウム箔の剥がれを目視にて確認した。
評価基準○:剥がれなし
×:剥がれあり

0083

12.腐食性の評価
前記積層体サンプル(Z)をキムワイプ包み、所定の腐食物丸大豆醤油)に浸漬し、60℃、95%RHの条件下で5日間密閉保管した後、積層体サンプル(Z)を取り出し、その腐食を目視にて判断した。
評価基準◎:腐食なし
○:端部に若干腐食あり
×:全面的に腐食あり

0084

本発明の接着剤組成物は、接着性、耐湿熱性、耐腐食性に優れるので、食品レトルト包装建築材料アルミニウム部材との張り合わせ用接着剤に利用することができる。

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