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技術 二次電池の製造方法

出願人 日本電気株式会社
発明者 入山次郎乙幡牧宏松本和明島貫伊紀子
出願日 2014年8月8日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2015-552343
公開日 2017年3月16日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 WO2015-087580
状態 特許登録済
技術分野 電池の電槽・外装及び封口 二次電池(その他の蓄電池) 電池の電極及び活物質
主要キーワード 駆動用機器 体積増加率 水系増 スラリー塗布法 無置換アルキレン基 ガス抜き用 ハロゲン化環状カーボネート テトラヒドロピラン化合物
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月16日)のものです。
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図面 (3)

課題・解決手段

本発明の目的は、ハロゲン含有化合物を含む電解液を備える場合においても、外装体内の水分を除去することができる二次電池の製造方法を提供することである。本実施形態は、支持塩非水溶媒及びハロゲン含有化合物を含む電解液と、負極及び正極を含む電極集合体と、外装体と、を備える二次電池の製造方法であって、(1)前記外装体内に、少なくとも前記支持塩及び前記非水溶媒を含む第一の溶液と、前記電極集合体と、を配置する工程と、(2)前記電極集合体を充電する工程と、(3)前記充電によって発生したガスを前記外装体から排出する工程と、(4)前記ガスが排出された後、少なくとも前記ハロゲン含有化合物を含む第二の溶液を前記外装体内に注入する工程と、を有し、前記第一の溶液は、前記ハロゲン含有化合物を含まず、前記電解液は前記第一の溶液及び前記第二の溶液からなることを特徴とする二次電池の製造方法である。

概要

背景

モバイル型タブレット端末スマートフォン電気自動車定置蓄電システムなどの急速な市場拡大に伴い、性能に優れた二次電池が求められている。

二次電池の製造方法において、二次電池を製造した後の初回充電後に、外装体開封し、初回充電時に発生したガスを抜いてから再び外装体を封止する方法が知られている。この方法により、初回充電によって電池中に含まれる水分を分解し、発生したガスを外装体内から取り除くことにより、電池内の水分による影響を低減することができる。

例えば、特許文献1は、初期充電時に発生するガスを簡単にガス抜きできるシート型電池の製造方法を開示している。

また、特許文献2は、電極等を容器内に配置した後に容器内から水分を除去し、それ以降、容器内に水分が入り込まないようにして二次電池を製造する方法を開示している。

また、特許文献3は、電解液注入する工程と、初回充電する工程と、所定の温度範囲保管するエージング工程と、プレス工程と、外装シート内のガスを抜いて該シートを封止するデガスシーリング工程と、を有する二次電池の製造方法を開示している。

また、特許文献4は、特定のカーボネート化合物を含む第1電解液を注入する第1注液工程と、第1充電工程と、環式スルホン酸エステルを含む第2電解液を注入する第2注液工程と、第2充電工程と、を含む二次電池の製造方法を開示している。これにより、第1電解液による被膜と第2電解液による被膜とがこの順で負極活物質層上に形成され、この結果、サイクル特性に優れる二次電池が得られると記載されている。

また、特許文献5は、充放電によって非水電解質が分解して発生したがガスを放出するためのガス抜き用開閉部を備える二次電池を開示している。また、特許文献6では、電解液を複数回に分けて注入する方法が記載されている。

概要

本発明の目的は、ハロゲン含有化合物を含む電解液を備える場合においても、外装体内の水分を除去することができる二次電池の製造方法を提供することである。本実施形態は、支持塩非水溶媒及びハロゲン含有化合物を含む電解液と、負極及び正極を含む電極集合体と、外装体と、を備える二次電池の製造方法であって、(1)前記外装体内に、少なくとも前記支持塩及び前記非水溶媒を含む第一の溶液と、前記電極集合体と、を配置する工程と、(2)前記電極集合体を充電する工程と、(3)前記充電によって発生したガスを前記外装体から排出する工程と、(4)前記ガスが排出された後、少なくとも前記ハロゲン含有化合物を含む第二の溶液を前記外装体内に注入する工程と、を有し、前記第一の溶液は、前記ハロゲン含有化合物を含まず、前記電解液は前記第一の溶液及び前記第二の溶液からなることを特徴とする二次電池の製造方法である。

目的

本発明の目的は、ハロゲン含有化合物を含む電解液を備える二次電池を製造する場合においても、外装体内の水分を除去することができる二次電池の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

支持塩非水溶媒及びハロゲン含有化合物を含む電解液と、負極及び正極を含む電極集合体と、外装体と、を備える二次電池の製造方法であって、(1)前記外装体内に、少なくとも前記支持塩及び前記非水溶媒を含む第一の溶液と、前記電極集合体と、を配置する工程と、(2)前記電極集合体を充電する工程と、(3)前記充電によって発生したガスを前記外装体から排出する工程と、(4)前記ガスが排出された後、少なくとも前記ハロゲン含有化合物を含む第二の溶液を前記外装体内に注入する工程と、を有し、前記第一の溶液は、前記ハロゲン含有化合物を含まず、前記電解液は前記第一の溶液及び前記第二の溶液からなることを特徴とする二次電池の製造方法。

請求項2

前記ハロゲン含有化合物は、ハロゲン含有カーボネート化合物、ハロゲン含有エーテル化合物、及びハロゲン含有エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の二次電池の製造方法。

請求項3

前記ハロゲン含有化合物は、ハロゲン含有カーボネート化合物である請求項1に記載の二次電池の製造方法。

請求項4

前記ハロゲン含有化合物は、ハロゲン含有エーテル化合物である請求項1に記載の二次電池の製造方法。

請求項5

前記ハロゲン含有化合物は、ハロゲン含有エステル化合物である請求項1に記載の二次電池の製造方法。

請求項6

前記ハロゲン含有カーボネート化合物は、下記式(1−1)又は下記式(1−2)で表される請求項2又は3に記載の二次電池の製造方法: [式(1−1)において、R101は、フッ素置換アルキレン基又はフッ素置換アルケニレン基である。]; [式(1−2)において、R102及びR103は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R102及びR103の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。]。

請求項7

前記ハロゲン含有エーテル化合物は、下記式(2−1)又は下記式(2−2)で表される請求項2又は4に記載の二次電池の製造方法: [式(2−1)において、R201及びR202は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R201及びR202の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。]; [式(2−2)において、R203は、炭素原子の間に配置されるエーテル基を1つ含んでもよい、フッ素置換アルキレン基を表す。]。

請求項8

前記ハロゲン含有エステル化合物は、下記式(3−1)で表される請求項2又は5に記載の二次電池の製造方法: [式(3−1)において、R301及びR302は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R301及びR302の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。]。

請求項9

前記充電は、電圧が2.3V以上となるまで行う請求項1乃至8に記載の二次電池の製造方法。

請求項10

前記ハロゲン含有化合物の前記第二の溶液中の含有量は、6.0質量%以上である請求項1乃至9のいずれかに記載の二次電池の製造方法。

請求項11

前記第二の溶液は、前記ハロゲン含有化合物に加え、さらに前記支持塩及び前記非水溶媒を含む請求項1乃至10のいずれかに記載の二次電池の製造方法。

請求項12

前記電解液中の前記ハロゲン含有化合物の含有量は、0.1〜10質量%である請求項1乃至11のいずれかに記載の二次電池の製造方法。

請求項13

前記負極は負極活物質層を有し、該負極活物質層は負極活物質負極結着剤とを含み、前記負極結着剤が水分散系ポリマーである請求項1乃至12のいずれかに記載の二次電池の製造方法。

請求項14

前記正極は正極活物質層を有し、該正極活物質層は正極活物質正極結着剤とを含み、前記正極結着剤が水分散系ポリマーである請求項1乃至13のいずれかに記載の二次電池の製造方法。

請求項15

前記工程(2)の後であって、前記工程(4)の間に、放電する工程を有する請求項1乃至14のいずれかに記載の二次電池の製造方法。

請求項16

前記二次電池が積層ラミネート型である請求項1乃至15のいずれかに記載の二次電池の製造方法。

請求項17

請求項1乃至16のいずれかに記載の二次電池の製造方法で作製された二次電池。

技術分野

0001

本発明は、二次電池の製造方法に関する。

背景技術

0002

モバイル型タブレット端末スマートフォン電気自動車定置蓄電システムなどの急速な市場拡大に伴い、性能に優れた二次電池が求められている。

0003

二次電池の製造方法において、二次電池を製造した後の初回充電後に、外装体開封し、初回充電時に発生したガスを抜いてから再び外装体を封止する方法が知られている。この方法により、初回充電によって電池中に含まれる水分を分解し、発生したガスを外装体内から取り除くことにより、電池内の水分による影響を低減することができる。

0004

例えば、特許文献1は、初期充電時に発生するガスを簡単にガス抜きできるシート型電池の製造方法を開示している。

0005

また、特許文献2は、電極等を容器内に配置した後に容器内から水分を除去し、それ以降、容器内に水分が入り込まないようにして二次電池を製造する方法を開示している。

0006

また、特許文献3は、電解液注入する工程と、初回充電する工程と、所定の温度範囲保管するエージング工程と、プレス工程と、外装シート内のガスを抜いて該シートを封止するデガスシーリング工程と、を有する二次電池の製造方法を開示している。

0007

また、特許文献4は、特定のカーボネート化合物を含む第1電解液を注入する第1注液工程と、第1充電工程と、環式スルホン酸エステルを含む第2電解液を注入する第2注液工程と、第2充電工程と、を含む二次電池の製造方法を開示している。これにより、第1電解液による被膜と第2電解液による被膜とがこの順で負極活物質層上に形成され、この結果、サイクル特性に優れる二次電池が得られると記載されている。

0008

また、特許文献5は、充放電によって非水電解質が分解して発生したがガスを放出するためのガス抜き用開閉部を備える二次電池を開示している。また、特許文献6では、電解液を複数回に分けて注入する方法が記載されている。

先行技術

0009

特開2001−093580号公報
特開2004−349011号公報
特開2013−149477号公報
特開2013−110017号公報
特開2003−229112号公報
特開2012−043691号公報

発明が解決しようとする課題

0010

上述のように、二次電池の製造方法において、初回充電によって水分を分解した後に、発生したガスを外装体内から除去し、電池内の水分による影響を低減する方法が知られている。

0011

しかし、ハロゲン含有化合物(とくに、ハロゲン含有カーボネート化合物、ハロゲン含有エーテル化合物、又はハロゲン含有エステル化合物)を含む電解液を用いた場合、初期充電における水分の分解が抑制される傾向があるため、上記の方法を適用しても、外装体内に水分が多く残る場合がある。外装体内に水分が多く残った場合、電池のサイクル特性に影響を与える場合がある。

0012

そこで、本発明の目的は、ハロゲン含有化合物を含む電解液を備える二次電池を製造する場合においても、外装体内の水分を除去することができる二次電池の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

本実施形態の一つは、
支持塩非水溶媒及びハロゲン含有化合物を含む電解液と、負極及び正極を含む電極集合体と、外装体と、を備える二次電池の製造方法であって、
(1)前記外装体内に、少なくとも前記支持塩及び前記非水溶媒を含む第一の溶液と、前記電極集合体と、を配置する工程と、
(2)前記電極集合体を充電する工程と、
(3)前記充電によって発生したガスを前記外装体から排出する工程と、
(4)前記ガスが排出された後、少なくとも前記ハロゲン含有化合物を含む第二の溶液を前記外装体内に注入する工程と、
を有し、
前記第一の溶液は、前記ハロゲン含有化合物を含まず、
前記電解液は前記第一の溶液及び前記第二の溶液からなることを特徴とする二次電池の製造方法である。

0014

本実施形態の一つは、上記二次電池の製造方法によって作製された二次電池である。

発明の効果

0015

本実施形態によれば、ハロゲン含有化合物を含む電解液を備える二次電池を製造する場合においても、外装体内の水分を除去することができる二次電池の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

二次電池の構成例を示す概略断面図である。
本実施形態の製造方法を説明するための模式的平面図である。

0017

以下、本発明の実施形態について説明する。

0018

本実施形態の製造方法により得られる二次電池は、電解液と、負極と、正極と、外装体と、を少なくとも備える。

0019

本実施形態の製造方法において、まず、外装体内に、少なくとも支持塩及び溶媒を含む第一の溶液と、負極及び正極を含む電極集合体と、を配置する。ここで、第一の溶液は、ハロゲン含有化合物を含まない。ハロゲン含有化合物が溶液中に含まれていると、溶液と電極との濡れ性が低くなり、反応に寄与しない電極部分の面積が増えるため、初期充電時の水分の分解が抑制される傾向がある。とくに、ハロゲン含有カーボネート化合物、ハロゲン含有エーテル化合物、又はハロゲン含有エステル化合物を含む場合、初期充電時の水分の分解が阻害される。そのため、第一の溶液にはハロゲン含有化合物を添加しない。

0020

次に、外装体内に配置した電極集合体を充電する(充電工程)。この充電(初期充電)により、外装体内に含まれる水分、すなわち主に負極や正極中に含まれる水分が水素酸素に分解される。なお、この充電工程は、外装体が封止された状態で行ってもよく、開封された状態で行ってもよい。しかし、外装体が封止された状態で充電工程を行うことが好ましい。

0021

充電によって発生したガスは、外装体から排出される(排出工程)。該工程は、例えば、外装体を開封することで行うことができる。また、外装体の一部に開口を設け、ガスを排出してもよい。また、必要に応じて、開封した又は開口を設けた外装体を減圧下に置いてもよい。また、充電工程中にガスが排出されてもよく、例えば、外装体を開封した状態で充電工程を行った場合は、充電工程中に少なくとも一部のガスが排出される。

0022

外装体からガスが排出された後、少なくともハロゲン含有化合物を含む第二の溶液を外装体内に注入する。

0023

電解液は外装体内に注入された第一の溶液及び第二の溶液からなる。第二の溶液にハロゲン含有化合物が含まれているため、第一の溶液に第二の溶液を加えることにより、ハロゲン含有化合物を含む電解液を得ることができる。

0024

本実施形態の構成とすることにより、ハロゲン含有化合物を含む電解液を備える二次電池を製造する場合であっても、外装体内の水分を除去して二次電池を製造することができる。

0025

以下、本実施形態の各構成要件について説明する。

0026

[1]電解液
本実施形態において、電解液は、支持塩、非水溶媒、及びハロゲン含有化合物を含み、上述のように、少なくとも支持塩及び非水溶媒を含む第一の溶液と、少なくともハロゲン含有化合物を含む第二の溶液からなる。第一の溶液にハロゲン含有化合物を添加しないことにより、初期充電時に水分を効率的に除去することができる。

0027

<第一の溶液>
第一の溶液は、支持塩及び非水溶媒を含み、ハロゲン含有化合物は含まない。ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン含有カーボネート化合物、ハロゲン含有エーテル化合物、又はハロゲン含有エステル化合物等が挙げられる。

0028

支持塩としては、特に制限されるものではないが、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)2、LiN(CF3SO2)2等のリチウム塩が挙げられる。支持塩は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。

0029

支持塩の第一の溶液中の濃度は、0.5〜1.5mol/Lであることが好ましい。支持塩の濃度をこの範囲とすることにより、密度や粘度、電気伝導率等を適切な範囲に調整し易くなる。

0030

非水溶媒としては、特に制限されるものではないが、ハロゲン原子を含まない化合物(非ハロゲン化化合物)であることが好ましい。非水溶媒としては、例えば、環状カーボネート類及び鎖状カーボネート類等のカーボネート類脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ラクトン類環状エーテル類、並びに鎖状エーテル類等(これらのいずれもハロゲン原子を含まない;非ハロゲン化)が挙げられる。非水溶媒は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。

0031

環状カーボネート類(非ハロゲン化)としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネートVC)等が挙げられる。非水溶媒は、ビニレンカーボネート(VC)を含んでいてもよく、含まなくてもよい。

0032

鎖状カーボネート類(非ハロゲン化)としては、例えば、ジメチルカーボネートDMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネートEMC)、ジプロピルカーボネートDPC)等が挙げられる。

0033

脂肪族カルボン酸エステル類(非ハロゲン化)としては、例えば、ギ酸メチル酢酸メチルプロピオン酸エチル等が挙げられる。

0034

γ−ラクトン類(非ハロゲン化)としては、例えば、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。

0035

環状エーテル類(非ハロゲン化)としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。

0036

鎖状エーテル類(非ハロゲン化)としては、例えば、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等が挙げられる。

0037

非水溶媒としては、その他にも、例えば、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソランホルムアミドアセトアミドジメチルホルムアミドアセトニトリルプロピルニトリルニトロメタンエチルモノグライムリン酸トリエステルトリメトキシメタンジオキソラン誘導体スルホランメチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体テトラヒドロフラン誘導体エチルエーテル、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらは、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。

0038

非水溶媒は、非ハロゲン化カーボネート類を含むことが好ましい。非ハロゲン化カーボネート類は、非ハロゲン化環状カーボネート類又は非ハロゲン化鎖状カーボネート類を含む。非ハロゲン化カーボネート類は、比誘電率が大きいため電解液のイオン解離性が向上し、さらに、電解液の粘度が下がるのでイオン移動度が向上するという利点を有する。非ハロゲン化カーボネート類の電解液中の含有量は、例えば、30質量%以上であり、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。

0039

<第二の溶液>
第二の溶液は、ハロゲン含有化合物を含む。ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロゲン含有化合物は、ハロゲン含有カーボネート化合物、ハロゲン含有エーテル化合物、又はハロゲン含有エステル化合物等が挙げられる。これらは、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。すなわち、ハロゲン含有化合物は、ハロゲン含有カーボネート化合物、ハロゲン含有エーテル化合物、及びハロゲン含有エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。

0040

第二の溶液は、第一の溶液と同じように、支持塩を含んでもよく、非水溶媒を含んでもよい。また、第二の溶液は、ハロゲン含有化合物のみから構成されていてもよい。

0041

また、第二の溶液は、第一の溶液と同じ支持塩及び非水溶媒を含むことが好ましい。また、支持塩及び非水溶媒の第二の溶液中の含有量(濃度)は、第一の溶液と同じであることが好ましい。

0042

ハロゲン含有化合物の第二の溶液中の含有量は、例えば、5質量%より大きい。また、ハロゲン含有化合物の含有量は、6質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。ハロゲン含有化合物の含有量を6質量%以上とすることにより、第二の溶液の注入量を減らすことができるため第一の溶液の注入量を増やすことができ、その結果、初期充電を効果的に行うことができる。

0043

ハロゲン含有化合物の第二の溶液中の含有量は、例えば、100質量%以下である。また、ハロゲン含有化合物の含有量は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。ハロゲン含有化合物の含有量を50質量%以下とすることにより、第二の溶液の注入量を適度に多くすることができ、電解液中のハロゲン含有化合物の分布が均一になり易くなる。

0044

{「第一の溶液」/(「第一の溶液」+「第二の溶液」)}は、初期充電時の水分除去の観点から、6/10以上であることが好ましく、7/10以上であることがより好ましく、8/10以上であることがさらに好ましい。また、{「第一の溶液」/(「第一の溶液」+「第二の溶液」)}は、第二の溶液を添加するスペースを確保する観点から、9/10以下であることが好ましい。

0045

支持塩の電解液中の濃度は、0.5〜1.5mol/Lであることが好ましい。支持塩の濃度をこの範囲とすることにより、密度や粘度、電気伝導率等を適切な範囲に調整し易くなる。

0046

ハロゲン含有化合物の電解液中の含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜8質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。

0047

[ハロゲン含有カーボネート化合物]
ハロゲン含有カーボネート化合物は、カーボネート基(−OCOO−)を有するカーボネート化合物の水素原子の一部あるいは全部をハロゲン原子に置換した構造を有する化合物である。ハロゲン含有カーボネート化合物は、環状及び鎖状のものを含み、具体的には、環状ハロゲン含有カーボネート化合物(例えば、環状フッ素含有カーボネート化合物)、鎖状ハロゲン含有カーボネート化合物(例えば、鎖状フッ素含有カーボネート化合物)が挙げられる。また、ハロゲン含有カーボネート化合物は、フッ素含有カーボネート化合物であることが好ましく、環状フッ素含有カーボネート化合物又は鎖状フッ素含有カーボネート化合物であることが好ましい。

0048

環状フッ素含有カーボネート化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)又はビニルエチレンカーボネートの水素原子の一部あるいは全部をフッ素原子に置換した構造を有する化合物が挙げられる。環状フッ素含有カーボネート化合物としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン等のフルオロエチレンカーボネート(以下FECとも称す)、(cis又はtrans)4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、トリフルオロプロピレンカーボネート(TFPC)等を用いることができる。これらの中でも、二次電池のサイクル特性の観点から、フルオロエチレンカーボネート(FEC)が好ましい。

0049

鎖状フッ素含有カーボネート化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート又はメチルプロピルカーボネートの水素原子の一部あるいは全部をフッ素原子に置換した構造を有する化合物が挙げられる。鎖状フッ素含有カーボネート化合物としては、より具体的には、例えば、ビスフルオロエチル)カーボネート、3−フルオロプロピルメチルカーボネート、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルカーボネート、ビス(トリフルオロメチル)カーボネート(炭酸ジ(トリフルオロメチル))、ビス(トリフルオロエチル)カーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネート等が挙げられる。

0050

フッ素含有カーボネート化合物の電解液中の含有量は、例えば、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜8質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。

0051

環状フッ素含有カーボネート化合物としては、二次電池のサイクル特性の観点から、下記式(1−1)で表される化合物が好ましく挙げられる。

0052

0053

[式(1−1)において、R101は、フッ素置換アルキレン基又はフッ素置換アルケニレン基である。]。

0054

フッ素置換アルキレン基とは、無置換アルキレン基の水素原子の一部あるいは全部がフッ素原子で置換された構造を有する置換アルキレン基を表す。フッ素置換アルケニレン基とは、無置換アルケニレン基の水素原子の一部あるいは全部がフッ素原子で置換された構造を有する置換アルケニレン基を表す。

0055

式(1−1)において、フッ素置換アルキレン基又はフッ素置換アルケニレン基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものを含む。フッ素置換アルキレン基は直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。フッ素置換アルケニレン基は直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。

0056

フッ素置換アルキレン基の炭素数は、2〜8であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましい。

0057

フッ素置換アルケニレン基の炭素数は、2〜8であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましい。

0058

環状フッ素含有カーボネート化合物としては、上記と重複するものも含むが、例えば、以下の化合物が挙げられる。

0059

4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、等のフルオロエチレンカーボネート(FEC)。

0060

4−フルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ジフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−フルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−ジフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−フルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−ジフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、等のフルオロプロピレンカーボネート。

0061

4−(2−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(2,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(1−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(1,1−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(1,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(1,1,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−(2−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−(2,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−(1−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−(1,1−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−(1,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−(1,1,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−(1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−(2−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−(2,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−(1−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−(1,1−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−(1,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−(1,1,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−フルオロ−4−(1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−(2,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−(1−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−(1,1−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−(1,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−(1,1,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4−(1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5,5−ジフルオロ−4−(2−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5,5−ジフルオロ−4−(2,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5,5−ジフルオロ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5,5−ジフルオロ−4−(1−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5,5−ジフルオロ−4−(1,1−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5,5−ジフルオロ−4−(1,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5,5−ジフルオロ−4−(1,1,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5,5−ジフルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、5,5−ジフルオロ−4−(1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−トリフルオロ−4−(2−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−トリフルオロ−4−(2,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−トリフルオロ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−トリフルオロ−4−(1−フルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−トリフルオロ−4−(1,1−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−トリフルオロ−4−(1,2−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−トリフルオロ−4−(1,1,2−トリフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−トリフルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5,5−トリフルオロ−4−(1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、等のフルオロブチレンカーボネート。

0062

4−フルオロ−1,3−ジオキソール−2−オン、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソール−2−オン、等のフルオロビニレンカーボネート。

0063

これらの環状フッ素含有カーボネート化合物は、一種を単独で用いてもよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。

0064

鎖状フッ素含有カーボネート化合物としては、二次電池のサイクル特性の観点から、下記式(1−2)で表される化合物が好ましく挙げられる。

0065

0066

[式(1−2)において、R102及びR103は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R102及びR103の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。]。

0067

フッ素置換アルキル基とは、無置換アルキル基の水素原子の一部あるいは全部がフッ素原子で置換された構造を有する置換アルキル基を表す。

0068

式(1−2)において、アルキル基又はフッ素置換アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものを含む。アルキル基は直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。フッ素置換アルキル基は直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。

0069

R102及びR103において、アルキル基又はフッ素置換アルキル基の炭素数は、それぞれ独立に、1〜8であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましく、1〜3であることが特に好ましい。

0070

例えば、R102及びR103は、それぞれ独立に、フッ素置換アルキル基である。また、例えば、R102がアルキル基であり、R103がフッ素置換アルキル基である。また、例えば、R102がフッ素置換アルキル基であり、R103がアルキル基である。

0071

鎖状フッ素含有カーボネート化合物としては、上記と重複するものも含むが、例えば、メチル−2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、エチル−2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、メチル2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルカーボネート、メチル3,3,3−トリフルオロプロピルカーボネート、メチル2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルカーボネート、フルオロメチルメチルカーボネート、(ジフルオロメチル)メチルカーボネート、ビス(フルオロメチル)カーボネート、(1−フルオロエチル)メチルカーボネート、(2−フルオロエチル)メチルカーボネート、エチルフルオロメチルカーボネート、(1−フルオロエチル)フルオロメチルカーボネート、(2−フルオロエチル)フルオロメチルカーボネート、(1,2−ジフルオロエチル)メチルカーボネート、(1,1−ジフルオロエチル)メチルカーボネート、(1−フルオロエチル)エチルカーボネート、(2−フルオロエチル)エチルカーボネート、エチル(1,1−ジフルオロエチル)カーボネート、エチル(1,2−ジフルオロエチル)カーボネート、ビス(1−フルオロエチル)カーボネート、ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、(1−フルオロエチル)(2−フルオロエチル)カーボネート、などが挙げられる。鎖状フッ素含有カーボネート化合物は、一種を単独で用いてもよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。

0072

[ハロゲン含有エーテル化合物]
ハロゲン含有エーテル化合物は、エーテル基(−O−)を有するエーテル化合物の水素原子の一部あるいは全部をハロゲン原子に置換した構造を有する化合物である。ハロゲン含有エーテル化合物は、環状及び鎖状のものを含み、具体的には、鎖状ハロゲン含有エーテル化合物(例えば、鎖状フッ素含有エーテル化合物)、環状ハロゲン含有エーテル化合物(例えば、環状フッ素含有エーテル化合物)が挙げられる。

0073

鎖状フッ素含有エーテル化合物は、例えば、ジメチルエーテルジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル化合物の水素原子の一部あるいは全部をフッ素原子に置換した構造を有する化合物である。

0074

鎖状フッ素含有エーテル化合物は、二次電池のサイクル特性の観点から、下記式(2−1)で表される化合物が好ましく挙げられる。

0075

0076

[式(2−1)において、R201及びR202は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R201及びR202の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。]。

0077

R201及びR202において、アルキル基又はフッ素置換アルキル基の炭素数は、それぞれ独立に、1〜8であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましく、1〜3であることが特に好ましい。

0078

式(2−1)において、アルキル基又はフッ素置換アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものを含む。アルキル基は直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。フッ素置換アルキル基は直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。

0079

R201及びR202は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のフッ素置換アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基であることがより好ましい。

0080

鎖状フッ素含有エーテル化合物は、耐電圧性と他の電解質との相溶性の観点から、下記式(I)で表される化合物であることが好ましい。

0081

X1−(CX2X3)n−CH2O−(CX4X5)m−X6 (I)
(式(I)において、nは1〜8であり、mは1〜4であり、X1〜X6は、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子である。ただし、X1〜X3の少なくとも1つはフッ素原子であり、X4〜X6の少なくとも1つはフッ素原子である。)。

0082

式(I)において、nが2以上の場合、X2及びX3は、結合する炭素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。mが2以上の場合、X4及びX5は、結合する炭素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。

0083

鎖状フッ素含有エーテル化合物は、耐電圧性と他の電解質との相溶性の観点から、下記式(II)で表される化合物であることが好ましい。

0084

Y1−(CY2Y3)n−CH2O−CY4Y5−CY6Y7−Y8 (II)
(式(II)中、nは1〜8であり、Y1〜Y8は、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子である。ただし、Y1〜Y3の少なくとも1つはフッ素原子であり、Y4〜Y8の少なくとも一つはフッ素原子である。)。

0085

式(II)において、nが2以上の場合、Y2及びY3は、結合する炭素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。

0086

鎖状フッ素含有エーテル化合物としては、例えば、CF3OCH3、CF3OC2H6、F(CF2)2OCH3、F(CF2)2OC2H5、F(CF2)3OCH3、F(CF2)3OC2H5、F(CF2)4OCH3、F(CF2)4OC2H5、F(CF2)5OCH3、F(CF2)5OC2H5、F(CF2)8OCH3、F(CF2)8OC2H5、F(CF2)9OCH3、CF3CH2OCH3、CF3CH2OCHF2、CF3CF2CH2OCH3、CF3CF2CH2OCHF2、CF3CF2CH2O(CF2)2H,CF3CF2CH2O(CF2)2F、HCF2CH2OCH3,H(CF2)2OCH2CH3、H(CF2)2OCH2CF3,H(CF2)2CH2OCHF2、H(CF2)2CH2O(CF2)2H、H(CF2)2CH2O(CF2)3H、H(CF2)3CH2O(CF2)2H、(CF3)2CHOCH3、(CF3)2CHCF2OCH3、CF3CHFCF2OCH3、CF3CHFCF2OCH2CH3、CF3CHFCF2CH2OCHF2、H(CF2)2CH2OCF2CHFCF3、CHF2−CH2−O−CF2CFH−CF3、F(CF2)2CH2OCF2CFHCF3などが挙げられる。

0087

鎖状フッ素含有エーテル化合物は、一種を単独で用いてもよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。

0088

環状フッ素含有エーテル化合物は、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、2−メチルテトラヒドロピラン、3−メチルテトラヒドロピラン、4−メチルテトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、2−メチル−1,4−ジオキサン、2−エチル−1,4−ジオキサン、2−プロピル−1,4−ジオキサン、2,3−ジメチル−1,4−ジオキサン1,3−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、5−メチル−1,3−ジオキサン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキサン、又は4−エチル−1,3−ジオキサン等の環状エーテル化合物の水素原子の一部あるいは全部をフッ素原子に置換した構造を有する化合物である。これらのうち、二次電池のサイクル特性の観点から、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン又は1,4−ジオキサンの水素原子の一部あるいは全部をフッ素原子に置換した構造を有する化合物であることが好ましい。

0089

環状フッ素含有エーテル化合物は、二次電池のサイクル特性の観点から、下記式(2−2)で表される化合物が好ましく挙げられる。

0090

0091

[式(2−2)において、R203は、炭素原子の間に配置されるエーテル基を1つ含んでもよい、フッ素置換アルキレン基を表す。]。

0092

式(2−2)において、フッ素置換アルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものも含む。フッ素置換アルキレン基は直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。

0093

式(2−2)において、炭素原子の間に配置されるエーテル基を1つ含む場合、フッ素置換アルキレン基の炭素数は、3〜9であることが好ましく、3〜7であることがより好ましく、3〜5であることがさらに好ましい。エーテル基を含まない場合、フッ素置換アルキレン基の炭素数は、4〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましく、4〜6であることがさらに好ましい。

0094

環状フッ素含有エーテル化合物は、例えば、下記式(2−2−1)で表されるフッ素含有テトラヒドロフラン化合物が挙げられる。

0095

0096

[式(2−2−1)において、R1乃至R8は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はフッ素置換アルキル基であり、R1乃至R8のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素置換アルキル基である。]。

0097

環状フッ素含有エーテル化合物としては、例えば、下記式(2−2−2)で表されるフッ素含有ジオキソラン化合物が挙げられる。

0098

0099

[式(2−2−2)において、R9乃至R14は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はフッ素置換アルキル基であり、R9乃至R14のうち少なくとも1つは、フッ素原子又はフッ素置換アルキル基である。]。

0100

環状フッ素含有エーテル化合物としては、例えば、下記式(2−2−3)で表されるフッ素含有テトラヒドロピラン化合物が挙げられる。

0101

0102

[式(2−2−3)において、R15乃至R24は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はフッ素置換アルキル基であり、R15乃至R24のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素置換アルキル基である。]。

0103

環状フッ素含有エーテル化合物としては、例えば、下記式(2−2−4)で表されるフッ素含有1,4−ジオキサン化合物が挙げられる。

0104

0105

[式(2−2−4)において、R25乃至R32は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はフッ素置換アルキル基であり、R25乃至R32のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素置換アルキル基である。]。

0106

環状フッ素含有エーテル化合物としては、例えば、下記式(2−2−5)で表されるフッ素含有1,3−ジオキサン化合物が挙げられる。

0107

0108

[式(2−2−5)において、R33乃至R40は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はフッ素置換アルキル基であり、R33乃至R40のうち少なくとも1つは、フッ素原子又はフッ素置換アルキル基である。]。

0109

式(2−2−1)〜(2−2−5)において、アルキル基の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。また、アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であり、直鎖状であることが好ましい。

0110

式(2−2−1)〜(2−2−5)において、フッ素置換アルキル基の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。また、フッ素置換アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であり、直鎖状であることが好ましい。

0111

環状フッ素含有エーテル化合物は、一種を単独で用いてもよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。

0112

[ハロゲン含有エステル化合物]
ハロゲン含有エステル化合物は、エステル基(−COO−)を有するエステル化合物の水素原子の一部あるいは全部をハロゲン原子に置換した構造を有する化合物である。ハロゲン含有エステル化合物としては、例えば、鎖状ハロゲン含有エステル化合物(例えば、鎖状フッ素含有エステル化合物)が挙げられる。

0113

鎖状フッ素含有エステル化合物は、二次電池のサイクル特性の観点から、下記式(3−1)で表される化合物が好ましく挙げられる。

0114

0115

[式(3−1)において、R301及びR302は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R301及びR302の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。]。

0116

R301及びR302において、アルキル基又はフッ素置換アルキル基の炭素数は、それぞれ独立に、1〜8であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましく、1〜3であることが特に好ましい。

0117

式(3−1)において、アルキル基又はフッ素置換アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものを含む。アルキル基は直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。フッ素置換アルキル基は直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。

0118

R301及びR302は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のフッ素置換アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基であることがより好ましい。

0119

前記鎖状フッ素含有エステル化合物は、下記(3−1−1)で表される化合物であることが好ましい。

0120

F(CZ1Z2)nCOO(CZ3Z4)mCH3 (3−1−1)
(式(3−1−1)において、nは1〜4であり、mは1〜4であり、Z1〜Z4は、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子である。)。

0121

式(I)において、nが2以上の場合、Z1及びZ2は、結合する炭素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。また、mが2以上の場合、Z3及びZ4は、結合する炭素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。

0122

鎖状フッ素含有エステル化合物としては、例えば、CF3COOCH3、CF3COOC2H6、F(CF2)2COOCH3、F(CF2)2COOC2H5、F(CF2)3COOCH3、F(CF2)3COOC2H5、F(CF2)4COOCH3、F(CF2)4COOC2H5、F(CF2)5COOCH3、F(CF2)5COOC2H5、F(CF2)8COOCH3、F(CF2)8COOC2H5、F(CF2)9COOCH3、CF3CH2COOCH3、CF3CH2COOCHF2、CF3CF2CH2COOCH3、CF3CF2CH2COOCHF2、CF3CF2CH2COO(CF2)2H,CF3CF2CH2COO(CF2)2F、HCF2CH2COOCH3、H(CF2)2COOCH2CH3、H(CF2)2COOCH2CF3,H(CF2)2CH2COOCHF2、H(CF2)2CH2COO(CF2)2H、H(CF2)2CH2COO(CF2)3H、H(CF2)3CH2COO(CF2)2H、(CF3)2CHCOOCH3、(CF3)2CHCF2COOCH3、CF3CHFCF2COOCH3、CF3CHFCF2COOCH2CH3、CF3CHFCF2CH2COOCHF2、H(CF2)2CH2COOCF2CHFCF3、CHF2−CH2−COO−CF2CFH−CF3、F(CF2)2CH2COOCF2CFHCF3などが挙げられる。

0123

鎖状フッ素含有エステル化合物は、一種を単独で用いてもよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。

0124

[2]負極
本実施形態の二次電池は、負極を備える。負極は負極活物質を有する。負極活物質は負極結着剤によって負極集電体上に結着されることができる。負極としては、例えば、負極集電体上に、負極活物質と負極結着剤を含む負極活物質層が形成されたものを用いることができる。

0125

負極活物質としては、特に制限されるものではないが、例えば、リチウム金属リチウム合金可能な金属(a)、リチウムイオン吸蔵、放出し得る金属酸化物(b)、又はリチウムイオンを吸蔵、放出し得る炭素材料(c)等が挙げられる。負極活物質は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。

0126

金属(a)としては、例えば、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La、又はこれらの2種以上の合金等が挙げられる。これらの金属又は合金は2種以上混合して用いてもよい。これらの金属又は合金は1種以上の非金属元素を含んでもよい。これらの中でも、負極活物質としてシリコン、スズ、又はこれらの合金を用いることが好ましい。シリコン又はスズを負極活物質として用いることにより、重量エネルギー密度体積エネルギー密度に優れたリチウム二次電池を提供することができる。

0127

金属酸化物(b)としては、例えば、酸化シリコン酸化アルミニウム酸化スズ酸化インジウム酸化亜鉛酸化リチウム、又はこれらの複合物等が挙げられる。これらの中でも、負極活物質として酸化シリコンを用いることが好ましい。また、金属酸化物(b)は、窒素ホウ素及びイオウの中から選ばれる一種又は二種以上の元素を、例えば0.1〜5質量%の範囲で含有することができる。

0128

炭素材料(c)としては、例えば、黒鉛非晶質炭素ダイヤモンド状炭素カーボンナノチューブ、又はこれらの複合物等が挙げられる。

0130

負極は、例えば、負極集電体上に、負極活物質と負極結着剤を含む負極活物質層を形成することで作製することができる。この負極活物質層は、一般的なスラリー塗布法で形成することができる。具体的には、負極活物質、負極結着剤および溶媒を含むスラリーを調製し、これを負極集電体上に塗布し、乾燥し、必要に応じて加圧することで、負極を得ることができる。負極スラリー塗布方法としては、ドクターブレード法ダイコーター法、ディップコーティング法が挙げられる。予め負極活物質層を形成した後に、蒸着スパッタ等の方法で銅、ニッケル又はそれらの合金の薄膜集電体として形成して、負極を得ることもできる。

0131

また、負極結着剤としては、水分散系ポリマーを用いることが好ましい。負極結着剤は、水系のディスパージョン状態で用いることができる。水分散系ポリマーとしては、例えば、スチレンブタジエン系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリレートポリウレタンなどが挙げられる。これらのポリマーを水に分散させて用いることができる。より具体的には、水分散系ポリマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴムSBR)、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム(NBR)、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体ゴム(MBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ABR)、スチレンブタジエン・スチレン共重合体SBS)、ブチルゴム(IIR)、チオコールウレタンゴムケイ素ゴム、又はフッ素ゴム等が挙げられる。これらは、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。

0132

また、水分散系ポリマーを負極結着剤として用いる場合、水系増粘剤を用いることが好ましい。水系増粘剤としては、例えば、メチルセルロースカルボキシメチルセルロースCMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースリチウム塩、ヒドロキシエチルセルロースポリエチレンオキサイドポリビニルアルコールPVA)、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、又はポリエチレンオキサイド等を挙げることができる。これらは、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。

0133

水分散系ポリマーを負極結着剤として用いた場合、水分が多く含まれる状態で負極が作製される。この水分を除去するために乾燥工程が施されるが、この乾燥工程によっても充分に水分が除去されない場合がある。そのため、水分散系ポリマーを負極結着剤として用いた場合、負極に水分が多く含まれる状態となり、二次電池のサイクル特性に影響を及ぼす場合がある。本実施形態の製造方法は、水分を有効に除去できるため、水分散系ポリマーを用いた場合に特に効果的に利用することができる。

0134

負極結着剤の量は、負極活物質100質量部に対して、5〜25質量部であることが好ましい。

0135

水系増粘剤の含有量は、例えば、負極活物質100質量部に対して、0.1〜5.0質量部であり、好ましくは、0.5〜3.0質量部である。

0136

分散媒体しては水を用いることが好ましいが、水の他に、アルコール系溶剤アミン系溶剤カルボン酸溶剤ケトン系溶剤などの水溶性溶剤を分散媒体として含んでいてもよい。

0137

負極は、例えば、以下のように作製することができる。まず、負極活物質と、水系増粘剤と、水分散系ポリマーと、水と、を混練し、負極スラリーを調製する。次に、この水性スラリーを負極集電体に塗布して乾燥させ、プレスして負極を作製する。

0138

負極を作製した後の負極活物質層に含まれる水分量は、50ppm以上であることが好ましく、1000ppm以下であることが好ましい。また、負極活物質層に含まれる水分量は、500ppm以下であることがより好ましい。負極活物質層に含まれる水分量は、例えば、カールフィッシャー測定器を用いた電量滴定法により測定することができる。

0139

負極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、ステンレスクロム、銅、銀、およびそれらの合金が好ましい。その形状としては、例えば、箔、平板状、メッシュ状等が挙げられる。

0140

負極活物質層は、導電性を向上させる観点から、カーボン等の導電助剤を含んでいてもよい。

0141

負極スラリーは、必要に応じてその他の成分を含んでも良く、その他の成分としては、例えば、界面活性剤消泡材等が挙げられる。負極スラリーが界面活性剤を含有することにより、負極結着剤の分散安定性を向上させることができる。また、負極スラリーが消泡剤を含有することにより、界面活性剤を含有させたスラリーを塗布する際の泡立ちを抑制することができる。

0142

[3]正極
本実施形態の二次電池は、正極を備える。正極は正極活物質を有する。正極活物質は正極結着剤によって正極集電体上に結着されることができる。正極は、正極集電体上に、正極活物質と正極結着剤を含む正極活物質層が形成されたものを用いることができる。

0143

正極活物質としては、特に制限されるものではないが、例えば、リチウム複合酸化物リン酸鉄リチウムが挙げられる。また、これらのリチウム複合酸化物の遷移金属の少なくとも一部を他元素で置き換えたものでもよい。また、金属リチウム対極電位で4.2V以上にプラトーを有するリチウム複合酸化物を用いることもできる。リチウム複合酸化物としては、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物オリビン型リチウム含有複合酸化物、逆スピネル型リチウム含有複合酸化物等が挙げられる。

0144

リチウム複合酸化物としては、例えば、LiMnO2、LixMn2O4(0<x<2)等の層状構造を持つマンガン酸リチウムまたはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、またはこれらのマンガン酸リチウムのMnの一部をLi、Mg、Al、Co、B,Ti,Znからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素で置き換えたもの;LiCoO2等のコバルト酸リチウム、またはコバルト酸リチウムのCoの一部をNi,Al、Mn、Mg、Zr,Ti,Znからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素で置き換えたもの;LiNiO2等のニッケル酸リチウム、またはニッケル酸リチウムのNiの一部をCo、Al、Mn、Mg、Zr,Ti,Znからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素で置き換えたもの;LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2などの特定の遷移金属が半数を超えないリチウム遷移金属酸化物、または該リチウム遷移金属酸化物の遷移金属の一部をCo、Al、Mn、Mg、Zrからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素で置き換えたもの;これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論組成よりもLiを過剰にしたもの等が挙げられる。特に、リチウム複合酸化物としては、LiαNiβCoγAlδO2(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)、またはLiαNiβCoγMnδO2(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.4、γ≦0.4)、またはこれらの複合酸化物の遷移金属の一部をAl,Mg,Zrからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素で置き換えたものが好ましい。これらのリチウム複合酸化物は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。

0145

リチウム複合酸化物としては、下記の式で表される化合物が好ましく挙げられる。

0146

Lia(MxMn2−x)O4
(上記の式において、xは0<x<2を満たし、aは0<a<1.2を満たし、Mは、Ni、Co、Fe、CrおよびCuよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素である。)。

0147

また、正極活物質としては、高電圧が得られるという観点から、リチウムに対して4.5V以上の電位で動作する活物質(以下、5V級活物質とも称す)を用いることができる。5V級活物質を用いた場合、電解液の分解等によるガス発生が起こり易いが、本実施形態の化合物を含む電解液を用いることにより、ガス発生を抑制できる。

0148

5V級活物質としては、例えば、下記式(A)で表されるリチウムマンガン複合酸化物を用いることができる。

0149

Lia(MxMn2−x−yYy)(O4−wZw) (A)
(式(A)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1である。MはCo、Ni、Fe、Cr及びCuからなる群より選ばれる少なくとも一種である。Yは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、K及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種である。Zは、F及びClからなる群より選ばれる少なくとも一種である。)。

0150

また、5V級活物質としては、十分な容量を得ることと高寿命化の観点から、このような金属複合酸化物の中でも、下記式(B)で表されるスピネル型化合物が好ましく用いられる。

0151

LiNixMn2−x−yAyO4 (B)
(式(B)中、0.4<x<0.6、0≦y<0.3、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti及びSiからなる群より選ばれる少なくとも一種である。)。

0152

式(B)中、0≦y<0.2であることがより好ましい。

0153

また、リチウムに対して4.5V以上の電位で動作する活物質としては、オリビン型の正極活物質が挙げられる。オリビン型の5V活物質としては、例えば、LiCoPO4、又はLiNiPO4が挙げられる。

0154

また、リチウムに対して4.5V以上の電位で動作する活物質としては、Si複合酸化物が挙げられる。このようなSi複合酸化物としては、例えば、下記式(C)で示される化合物が挙げられる。

0155

Li2MSiO4 (C)
(式(C)中、Mは、Mn、Fe及びCoからなる群より選ばれる少なくとも一種である)。

0156

また、リチウムに対して4.5V以上の電位で動作する活物質は、層状構造を有していてもよい。層状構造を含む5V級活物質としては、例えば、下記式(D)で示される化合物が挙げられる。

0157

Li(M1xM2yMn2−x−y)O2 (D)
(式(D)中、M1は、Ni、Co及びFeからなる群より選ばれる少なくとも一種である。M2は、Li、Mg及びAlからなる群より選ばれる少なくとも一種である。0.1<x<0.5、0.05<y<0.3)。

0158

5V級活物質としては、下記(E)〜(G)で示されるリチウム金属複合酸化物を用いることができる。

0159

LiMPO4 (E)
(式(E)中、Mは、Co及びNiからなる群より選ばれる少なくとも一種である。)。

0160

Li(MyMnz)O2 (F)
(式(F)中、0.1≦y≦0.5、0.33≦z≦0.7であって、Mは、Li、Co及びNiからなる群より選ばれる少なくとも一種である。)。

0161

Li(LixMyMnz)O2 (G)
(式(G)中、0.1≦x<0.3、0.1≦y≦0.4、0.33≦z≦0.7であって、Mは、Li、Co及びNiからなる群より選ばれる少なくとも一種である。)。

0162

正極は、例えば、以下のように作製することができる。まず、正極活物質、正極結着剤及び溶媒(さらに必要により導電補助材)を含む正極スラリーを調製する。この正極スラリーを正極集電体上に塗布し、乾燥し、必要に応じて加圧することにより、正極集電体上に正極活物質層を形成し、正極を作製する。

0163

正極結着剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、負極結着剤と同様のものを用いることができる。汎用性や低コストの観点から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。正極結着剤の含有量は、トレードオフの関係にある結着力エネルギー密度の観点から、正極活物質100質量部に対して1〜25質量部の範囲であることが好ましく、2〜20質量部の範囲であることがより好ましく、2〜10質量部の範囲であることがさらに好ましい。ポリフッ化ビニリデン(PVdF)以外の結着剤としては、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、又はポリアミドイミド等が挙げられる。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることができる。

0164

正極結着剤としては、水分散系ポリマーを用いることが好ましい。また、水分散系ポリマーを正極結着剤として用いる場合、水系増粘剤を用いることが好ましい。上述した通り、本実施形態の製造方法は、水分を有効に除去できるため、水分散系ポリマーを用いた場合に特に効果的に利用することができる。

0165

正極集電体としては、特に制限されるものではないが、例えば、アルミニウム、チタンタンタル、ニッケル、銀、又はそれらの合金が挙げられる。正極集電体の形状としては、例えば、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。正極集電体としては、アルミニウム箔を好適に用いることができる。

0166

正極の作製に際して、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、例えば、グラファイトカーボンブラックアセチレンブラック等の炭素質微粒子が挙げられる。

0167

[4]セパレータ
セパレータとしては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の多孔質フィルムや不織布を用いることができる。また、セパレータとしては、セパレータとして用いられるポリマー基材セラミックを含むコーティングを形成したセラミックコートセパレータを用いることもできる。また、セパレータとしては、それらを積層したものを用いることもできる。

0168

[5]外装体
外装体としては、特に制限されるものではないが、例えば、ラミネートフィルムを用いることができる。例えば積層ラミネート型の二次電池の場合、アルミニウム、シリカをコーティングしたポリプロピレン、ポリエチレン等のラミネートフィルムを用いることができる。

0169

外装体としてラミネートフィルムを用いた二次電池の場合、外装体として金属缶を用いた二次電池に比べて、ガス発生による電極集合体(積層体)の歪みが大きくなる。これは、ラミネートフィルムが金属缶に比べて二次電池の内圧により変形しやすいためである。さらに、外装体としてラミネートフィルムを用いた二次電池を封止する際には、通常、電池内圧大気圧より低くするため、内部に余分な空間がなく、ガスが発生した場合にそれが直ちに電池の体積変化や電極集合体の変形につながりやすい。本実施形態の製造方法では、ハロゲン含有化合物を用いる場合でも水分を効果的に除去することができるため、体積増加等のサイクル特性を改善することができる。したがって、本実施形態の製造方法は、積層ラミネート型の二次電池の製造に特に有効である。

0170

[6]二次電池
本実施形態に係る二次電池の構成としては、特に制限されるものではないが、例えば、正極および負極が対向配置された電極集合体と、電解液とが外装体に内包されている構成を挙げることができる。

0171

以下、例として積層ラミネート型のリチウムイオン二次電池について説明する。図1は、本実施形態による二次電池の基本構成の一例を示す概略構成図である。正極においては、正極活物質層1が正極集電体3上に成膜されている。負極においては、負極活物質層2が負極集電体4上に成膜されている。これらの正極と負極は、セパレータ5を介して対向配置されている。セパレータ5は、正極活物質層1及び負極活物質層2に対して略平行に積層配置されている。正極および負極の電極対と電解液が外装体6および7に内包されている。正極に接続された正極タブ9と、負極に接続された負極タブ8が、外装体から露出するように設けられている。本実施形態による二次電池の形状としては、特に制限はないが、例えば、ラミネート外装型、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などが挙げられる。

0172

[製造工程]
以下に、本実施形態の製造工程例について図面を参照して説明する。

0173

以下、図面を参照して、本実施形態について説明する。なお、同一の機能を有する構成には、添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。

0174

図2は、積層ラミネート型二次電池の構成例を説明するための概略構成図である。図2(a)は、正極を示す模式的平面図であり、図2(b)はセパレータを示す模式的平面図であり、図2(c)は負極を示す模式的平面図である。図2(d)は、積層ラミネート型二次電池を示し模式的平面図である。

0175

正極113には正極端子103が設けられ、負極114には負極端子104が設けられている。シート状のセパレータ115としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂製の微多孔性フィルムが用いられる。

0176

上述した正極113と負極114とがセパレータ115を介して交互に積層されることで、電極集合体としての積層体118が構成される。また、正極端子103と負極端子104とが同じ方向を向くように正極113と負極114とが積層される。つまり、積層体118の同じ辺に正極端子103と負極端子104とが位置している。ただし、正極端子103と負極端子104とが接触して短絡すること防止するため、正極端子103と負極端子104とが重ならないように配置することが好ましい。

0177

各正極端子103は正極リード123に接続され、各負極端子104は負極リード124に接続される。

0178

積層体118は、電解液と共に例えばアルミ箔などの金属箔の両面を樹脂層で覆った可とう性のラミネートフィルムで構成される外装体111内に配置される。正極リード123と負極リード124は外装体111から導出させる。ラミネートフィルムは、第一の溶液を注入するための第一の開口以外の部分を熱融着する。第一の開口の位置は特に制限さえるものではなく、例えば、図1(d)の上側の端辺に設けることができる。

0179

次に、第一の開口から、上記第一の溶液を外装体内に注入する。第一の溶液を注入した後、必要に応じて内部を減圧し、第一の開口を仮封止する。仮封止は、例えば熱融着により行うことができる。

0180

次に、電極集合体としての積層体118を充電する。

0181

この充電により、外装体内に存在する水分を分解する。第一の溶液にはハロゲン含有化合物が含まれていないため、阻害されずに水分を分解することができる。

0182

充電条件は、CCCV充電により行うことが好ましい。CCCV充電とは、所定の電圧までは一定電流で充電し、所定の電圧に達した後は、その電圧を保ったまま一定時間充電する方法である。所定の電圧までの電流は0.05Cから2Cの範囲であることが好ましく、0.2Cから0.5Cの範囲であることがより好ましい。電流が0.05C以上である場合、充電時間を短くすることができる。電流が2C以下である場合、電極における反応が均一に生じ易くなり、水分の分解をより効率的に行うことができる。

0183

充電は、電圧が2.3V以上となるまで行うことが好ましく、2.8V以上となるまで行うことがより好ましく、3.2V以上となるまで行うことがさらに好ましく、3.6V以上となるまで行うことが特に好ましい。電圧が2.3V以上となるまで充電を行うことにより、外装体内に存在する水分を効果的に分解することができる。

0184

充電時の電圧の上限は、4.3V以下であることが好ましく、4.1V以下であることがより好ましい。電圧の上限を4.3V以下とすることにより、正極の劣化や電解液の分解を抑制することができる。

0185

次に、外装体を開口し、充電によって発生したガスを外装体から排出する。ガスを排出させる方法としては、特に制限されるものではないが、外装体に第二の開口を設け、その第二の開口からガスを排出させればよい。また、必要に応じて、減圧手段を用いてよい。また、針等を用いてガスを吸い出してもよい。

0186

より具体的には、例えば、第二の開口を設けた外装体11をチャンバーに配置し、チャンバー内を減圧することで、外装体からガスを排出することができる。チャンバー内の圧力は、第二の開口の形状や、外装体111の大きさ、あるいは積層体118の大きさなどを考慮して決定することができる。

0187

次に、必要に応じて、放電する工程(放電工程)を設けてもよい。第二の溶液を注入する前に放電工程を設けることにより、操作の安全性を向上することができる。放電は、2.8V以下となるまで行うことが好ましく、2.5V以下となるまで行うことがより好ましい。

0188

次に、上記第二の溶液を外装体内に注入する。

0189

第一の溶液に第二の溶液を加えることにより、ハロゲン含有化合物を含む電解液を構成することができる。

0190

第二の溶液を外装体内に加えた後、必要に応じて内部を減圧し、外装体を封止する。

0191

以上の工程により、二次電池を製造することができる。

0192

以下、本発明の実施形態を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0193

(実施例A1)
<負極>
負極活物質として、黒鉛を用いた。この負極活物質と、負極結着剤としてのポリフッ化ビニリデンと、導電補助材としてのアセチレンブラックとを、75:20:5の質量比で計量した。そして、これらをN−メチルピロリドンと混合して、負極スラリーを調製した。負極スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布した後に乾燥し、さらに窒素雰囲気下で120℃の熱処理を行うことで、負極を作製した。

0194

<正極>
正極活物質として、LiMn2O4とLiNiO2を7:3の質量比で混合したものを用いた。この正極活物質と、導電補助材としてのカーボンブラックと、正極結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、90:5:5の質量比で計量した。そして、これらをN−メチルピロリドンと混合して、正極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミ箔に塗布した後に乾燥し、さらにプレスすることで、正極を作製した。

0195

<電極集合体>
上記の正極と負極を3cm×3cmに切り出した。得られた正極の3層と負極の4層を、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質フィルムを挟みつつ交互に重ねた。正極活物質に覆われていない正極集電体および負極活物質に覆われていない負極集電体の端部をそれぞれ溶接した。さらに、その溶接箇所に、アルミニウム製の正極端子およびニッケル製の負極端子をそれぞれ溶接して、平面的な積層構造を有する電極集合体を得た。

0196

<第一の溶液>
非水溶媒としては、ECとDECの混合溶媒体積比:EC/DEC=30/70)を用いた。支持塩としては、LiPF6を用いた。LiPF6の第一の溶液中の濃度が1Mとなるように、LiPF6を混合溶媒に添加し、第一の溶液を調製した。

0197

<第二の溶液>
第二の溶液として、ハロゲン含有化合物、支持塩及び非水溶媒を含む溶液を用いた。

0198

ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン含有カーボネート化合物である4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FC1)を用いた。非水溶媒としてECとDECの混合溶媒(体積比:EC/DEC=30/70)を用いた。支持塩としては、LiPF6を用いた。FC1の第二の溶液中の含有量が6.0質量%となるように、また、LiPF6の第二の溶液中の濃度が1Mとなるように、FC1及びLiPF6を混合溶媒に添加し、第二の溶液を調製した。

0199

<二次電池の製造>
電極集合体を外装体としてのアルミニウムラミネートフィルム内に収容し、外装体内に第一の溶液4.0mLを注入した。その後、0.1気圧まで減圧しつつ外装体を仮封止し、電池前駆体を作製した。

0200

次に、電池前駆体を充電した。充電は、1Cで3.6Vまで充電した後、合計で1.5時間定電圧充電を行った。その後、1Cで2.5Vまで定電流放電した。

0201

次に、外装体を開口し、充電工程で発生したガスを排出した。次に、第二の溶液1.0mLを外装体内に注入した。その後、0.1気圧まで減圧しつつ外装体を封止し、二次電池を作製した。

0202

<評価>
作製した二次電池に対し、55℃に保った恒温槽中で、2.5Vから4.1Vの電圧範囲で充放電を繰り返す試験を行い、体積増加率(%)及び容量維持率(%)について評価した。充電は、1Cで4.1Vまで充電した後、合計で2.5時間定電圧充電を行った。放電は、1Cで2.5Vまで定電流放電した。

0203

結果を表1に示す。

0204

「体積増加率(%)」は、(200サイクル後の体積容量)/(サイクル前の体積容量)×100(%)(単位:%)で算出される。

0205

「容量維持率(%)」は、(200サイクル後の放電容量)/(5サイクル後の放電容量)×100(単位:%)で算出される。

0206

(実施例A2)
FC1の第二の溶液中の含有量を10.0質量%としたこと以外は、実施例A1と同様に二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0207

(実施例A3)
FC1の第二の溶液中の含有量を20.0質量%としたこと以外は、実施例A1と同様に二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0208

(実施例A4)
第一の溶液の注入量を4.5mLとし、第二の溶液の注入量を0.5mLとしたこと以外は、実施例A2と同様に二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0209

(実施例A5)
FC1の代わりに4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FC2)を用いたこと以外は、実施例A2と同様に二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0210

(実施例A6)
FC1の代わりにトリフルオロプロピレンカーボネート(FC3)を用いたこと以外は、実施例A2と同様に二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0211

(実施例A7)
FC1の代わりにビス(フルオロエチル)カーボネート(FC4)を用いたこと以外は、実施例A2と同様に二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0212

(実施例A8)
FC1の代わりにビス(トリフルオロメチル)カーボネート(FC5)を用いたこと以外は、実施例A2と同様に二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0213

(実施例A9)
FC1の代わりに4−フルオロ−1,3−ジオキソール−2−オン(FC6)を用いたこと以外は、実施例A2と同様に二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0214

(比較例A1)
比較として、第一の溶液にハロゲン含有化合物を含ませ、第二の溶液にはハロゲン含有化合物を含ませないで二次電池を作製した。本比較例の詳細を以下に説明する。

0215

第一の溶液として、ハロゲン含有化合物、支持塩及び非水溶媒を含む溶液を用いた。より具体的には、非水溶媒としてECとDECの混合溶媒(体積比:EC/DEC=30/70)を用い、支持塩としてLiPF6を用い、ハロゲン含有化合物としてFC1を用いた。FC1の第一の溶液中の含有量が1.5質量%となるように、またLiPF6の第一の溶液中の濃度が1Mとなるように、FC1及びLiPF6を混合溶媒に添加し、第一の溶液を調製した。

0216

第二の溶液として、支持塩及び非水溶媒を含む溶液を用いた。より具体的には、非水溶媒としてECとDECの混合溶媒(体積比:EC/DEC=30/70)を用い、支持塩としてLiPF6を用いた。LiPF6の第二の溶液中の濃度が1Mとなるように、LiPF6を混合溶媒に添加し、第二の溶液を調製した。

0217

上記電極集合体を外装体としてのアルミニウムラミネートフィルム内に収容し、外装体内に本比較例の第一の溶液4.0mLを注入した。その後、0.1気圧まで減圧しつつ外装体を仮封止し、電池前駆体を作製した。

0218

次に、電池前駆体を充電した。充電は、1Cで3.6Vまで充電した後、合計で1.5時間定電圧充電を行った。その後、1Cで2.5Vまで定電流放電した。

0219

次に、外装体を開口し、充電工程で発生したガスを排出した。次に、本比較例の第二の溶液1.0mLを外装体内に注入した。その後、0.1気圧まで減圧しつつ外装体を封止し、二次電池を作製した。

0220

得られた二次電池について、実施例A1に記載の方法により体増加率(%)及び容量維持率(%)を測定した。結果を表1に示す。

0221

(比較例A2)
FC1の第一の溶液中の含有量を2.5質量%としたこと以外は、比較例A1と同様に二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0222

(比較例A3)
比較として、一般的な方法により二次電池を作製した。本比較例の詳細を以下に説明する。

0223

電解液として、ハロゲン含有化合物、支持塩及び非水溶媒を含む溶液を用いた。ハロゲン含有化合物としてはFC1を用い、非水溶媒としてはECとDECの混合溶媒(体積比:EC/DEC=30/70)を用い、支持塩としてはLiPF6を用いた。FC1の電解液中の含有量が1.2質量%となるように、また、LiPF6の電解液中の濃度が1Mとなるように、FC1及びLiPF6を混合溶媒に添加し、電解液を調製した。

0224

上記電極集合体を外装体としてのアルミニウムラミネートフィルム内に収容し、外装体内に電解液5.0mLを注入した。その後、0.1気圧まで減圧しつつ外装体を封止し、二次電池を作製した。

0225

得られた二次電池について、実施例A1に記載の方法により体積増加率(%)及び容量維持率(%)を測定した。結果を表1に示す。

0226

(比較例A4)
FC1の電解液中の含有量を2.0質量%としたこと以外は、比較例A3と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0227

(比較例A5)
FC1の代わりに、FC4を用いたこと以外は、比較例A2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0228

(比較例A6)
FC1の代わりに、FC4を用いたこと以外は、比較例A4と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。

0229

0230

実施例では、初期充電にて水分を分解することができ、作製した二次電池は体積増加率について良好な結果を得ることができた。

0231

比較例では、外装体内(特に電極中)に水分が残った状態で二次電池が作製されたため、体積増加率が高い値となった。

0232

比較例A1、A2、A5においては、第一の溶液にハロゲン含有化合物が含まれていたため、第一の溶液と電極(特に負極)との濡れ性が低くなり、第一の溶液が電極に浸透し難くなり、電極内の水分を充電により十分に分解できなかったと考えられる。そのため、電池内に水分が残留し、この残留した水分がサイクル試験中に分解してガスが発生することにより、体積増加が大きくなったと考えられる。また、サイクル試験中に発生したガスが電極間に溜まって電極間を広げることにより、セル抵抗(電極集合体の抵抗)が増大し、容量維持率が低下したと考えられる。

0233

(実施例B1)
FC1の代わりにフッ素含有エーテル化合物としての1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(FE1)を用いたこと以外は、実施例A1と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0234

(実施例B2)
FC1の代わりにFE1を用いたこと以外は、実施例A2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0235

(実施例B3)
FE1の代わりに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル(FE2)を用いたこと以外は、実施例B2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0236

(実施例B4)
FE1の代わりに1,1,3−トリフルオロプロピル−2−フルオロプロピルエーテル(FE3)を用いたこと以外は、実施例B2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0237

(実施例B5)
FE1の代わりにヘキサフルオロオキセタン(FE4)を用いたこと以外は、実施例B2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0238

(実施例B6)
FE1の代わりにオクタフルオロテトラヒドロフラン(FE5)を用いたこと以外は、実施例B2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0239

(実施例B7)
FE1の代わりに2−フルオロテトラヒドロフラン(FE6)を用いたこと以外は、実施例B2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0240

(比較例B1)
FC1の代わりにFE1を用いたこと以外は、比較例A2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0241

(比較例B2)
FC1の代わりにFE1を用いたこと以外は、比較例A4と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0242

(比較例B3)
FC1の代わりにFE4を用いたこと以外は、比較例A2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0243

(比較例B4)
FC1の代わりにFE4を用いたこと以外は、比較例A4と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。

0244

0245

(実施例C1)
FC1の代わりにフッ素含有エステル化合物としてのCF3COOCH3(FES1)を用いたこと以外は、実施例A1と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0246

(実施例C2)
FC1の代わりにFES1を用いたこと以外は、実施例A2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0247

(実施例C3)
FES1の代わりにCF3COOC2H6(FES2)を用いたこと以外は、実施例C2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0248

(実施例C4)
FES1の代わりにCF3COOCH2CF3(FES3)を用いたこと以外は、実施例C2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0249

(実施例C5)
FES1の代わりにF(CF2)2COOCH2CF3(FES4)を用いたこと以外は、実施例C2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0250

(実施例C6)
FES1の代わりにF(CF2)2COOC2H5(FES5)を用いたこと以外は、実施例C2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0251

(実施例C7)
FES1の代わりにF(CF2)2COOCH3(FES6)を用いたこと以外は、実施例C2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0252

(比較例C1)
FC1の代わりにFES1を用いたこと以外は、比較例A2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0253

(比較例C2)
FC1の代わりにFES1を用いたこと以外は、比較例A4と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0254

(比較例C3)
FC1の代わりにFES4を用いたこと以外は、比較例A2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0255

(比較例C4)
FC1の代わりにFES4を用いたこと以外は、比較例A4と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表3に示す。

0256

0257

(実施例D1)
実施例A1に記載の負極の代わりに、以下の負極(水分散系ポリマー及び水系増粘剤を使用)を用いたこと以外は、実施例A1と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0258

負極活物質として、黒鉛を用いた。この負極活物質と、負極結着剤としてのスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)と、導電補助材としてのアセチレンブラックとを、96:2:1:1の質量比で計量した。なお、SBRとしては、ゴム粒子分散体固形分40質量%)を用い、結着材の固形分が上記質量比となるように計量して用いた。

0259

そして、これらを水と混合して、負極スラリーを調製した。負極スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布した後に、窒素雰囲気下で80℃の熱処理を8時間行うことで乾燥させた。そして、得られた負極を露点−10℃の環境に3時間保存し、負極を得た。その後、負極の負極活物質層における水分量を、カールフィッシャ測定器(三菱化学アナリテック社製)を用いて、電量滴定法により150〜200℃の測定温度で測定した。測定した結果、負極活物質層の水分量は、346ppmであった。

0260

(実施例D2)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例A2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0261

(実施例D3)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例A5と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0262

(実施例D4)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例A6と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0263

(実施例D5)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例A7と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0264

(実施例D6)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例A8と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0265

(実施例D7)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例A9と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0266

(実施例D8)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例B2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0267

(実施例D9)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例B5と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0268

(実施例D10)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例C2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0269

(実施例D11)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、実施例C5と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0270

(比較例D1)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、比較例A4と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0271

(比較例D2)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、比較例A6と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0272

(比較例D3)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、比較例B2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0273

(比較例D4)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、比較例B4と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0274

(比較例D5)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、比較例C2と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0275

(比較例D6)
実施例A1に記載の負極の代わりに、実施例D1で記載の負極を用いたこと以外は、比較例C4と同様にして二次電池を作製し、評価した。結果を表4に示す。

0276

0277

この出願は、2013年12月11日に出願された日本出願特願2013−255971を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

実施例

0278

以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。

0279

本発明の実施形態による二次電池は、例えば、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車電動バイク電動アシスト自転車などの駆動用機器電動工具などの工具類携帯端末ノートパソコンなどの電子機器家庭用蓄電システムや太陽光発電システムなどの蓄電池などに適用できる。

0280

1正極活物質層
2負極活物質層
3正極集電体
4負極集電体
5セパレータ
ラミネート外装体
7 ラミネート外装体
8負極タブ
9正極タブ
103正極端子
104負極端子
111外装体
113 正極
114 負極
115 セパレータ
118積層体
123正極リード
124 負極リード

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