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技術 ペルフルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー組成物、架橋ゴム物品、及びペルフルオロエラストマーの製造方法

出願人 AGC株式会社
発明者 豊田瑞菜長井宏樹小野寺章山田武志服部裕紀子
出願日 2014年11月19日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-550889
公開日 2017年3月16日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 WO2015-080002
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード ペルフルオロエラストマー シートガスケット 過硫酸類 ポリフルオロアルキレン基 一次架橋 水溶性有機過酸化物 ヘキサフルオロプロピレン系共重合体 架橋ゴムシート
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課題・解決手段

低温特性に優れ、ゴムとしての利用価値を失わず、生産性の低下を引き起こさない、ペルフルオロエラストマーペルフルオロエラストマー組成物架橋ゴム物品、及びペルフルオロエラストマーの製造方法の提供。テトラフルオロエチレンに基づく構成単位(a)、式(1)で表わされるペルフルオロアルキルビニルエーテル(例えば、ペルフルオロメチルビニルエーテル)に基づく構成単位(b)、及び式(2)で表わされるペルフルオロオキサアルキルビニルエーテル(例えば、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF3)に基づく構成単位(c)を含有するペルフルオロエラストマー。

概要

背景

フッ素ゴムは、耐熱性耐薬品性耐油性耐候性等に優れ、汎用ゴムが使用できない過酷な環境下の用途に使用されている。
公知のフッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン系共重合体テトラフルオロエチレンプロピレン系共重合体、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体等が挙げられる。中でも、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体は、ペルフルオロエラストマーとも称され、耐熱性や耐薬品性に優れている。

公知のペルフルオロエラストマーとしては、例えば、特許文献1に、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という。)とペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(以下、「PMVE」という。)との共重合体が開示されている。
また、特許文献2に、TFEとPMVEとペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(以下、「PPVE」という。)との共重合体が開示されている。

概要

低温特性に優れ、ゴムとしての利用価値を失わず、生産性の低下を引き起こさない、ペルフルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー組成物架橋ゴム物品、及びペルフルオロエラストマーの製造方法の提供。テトラフルオロエチレンに基づく構成単位(a)、式(1)で表わされるペルフルオロアルキルビニルエーテル(例えば、ペルフルオロメチルビニルエーテル)に基づく構成単位(b)、及び式(2)で表わされるペルフルオロオキサアルキルビニルエーテル(例えば、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF3)に基づく構成単位(c)を含有するペルフルオロエラストマー。

目的

本発明は、低温特性に優れ、ゴムとしての利用価値を失わず、生産性の低下を引き起こさない、ペルフルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー組成物、架橋ゴム物品、及びペルフルオロエラストマーの製造方法を提供する

効果

実績

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請求項1

テトラフルオロエチレンに基づく構成単位(a)、下記式(1)で表わされるペルフルオロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位(b)、及び下記式(2)で表わされるペルフルオロオキサアルキルビニルエーテルに基づく構成単位(c)を有することを特徴とするペルフルオロエラストマー。CF2=CFORf1・・・(1)[前記式(1)中、Rf1は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。]CF2=CF(OCF2CF2)n−(OCF2)m−ORf2・・・(2)[前記式(2)中、Rf2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、nは0〜3の整数であり、mは0〜4の整数であり、(n+m)は1〜7の整数である。]

請求項2

構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)の合計モル数に対して、構成単位(a)の含有量が40〜70モル%であり、構成単位(b)の含有量が3〜57モル%であり、構成単位(c)の含有量が3〜57モル%である、請求項1に記載のペルフルオロエラストマー。

請求項3

前記式(2)において、Rf2が炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、n=0のときm=3又は4、n=1のときm=2〜4、n=2又は3のときm=0、である請求項1又は2に記載のペルフルオロエラストマー。

請求項4

前記式(2)で表わされるペルフルオロオキサアルキルビニルエーテルが、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF2OCF2OCF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF2OCF3、及びCF2=CFOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF3からなる群から選択される1種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペルフルオロエラストマー。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載のペルフルオロエラストマー及び架橋剤を含有するペルフルオロエラストマー組成物

請求項6

請求項1〜4のいずれか一項に記載のペルフルオロエラストマー又は請求項5に記載のペルフルオロエラストマー組成物を架橋してなる架橋ゴム物品

請求項7

ラジカル重合開始剤の存在下で、原料としてテトラフルオロエチレンと下記式(1)で表わされるペルフルオロアルキルビニルエーテルと下記式(2)で表わされるペルフルオロオキサアルキルビニルエーテルとをラジカル共重合させる工程を有する、ペルフルオロエラストマーの製造方法。CF2=CFORf1・・・(1)[前記式(1)中、Rf1は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。]CF2=CF(OCF2CF2)n−(OCF2)m−ORf2・・・(2)[前記式(2)中、Rf2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、nは0〜3の整数であり、mは0〜4の整数であり、(n+m)は1〜7の整数である。]

請求項8

前記ラジカル共重合は、Rf4I2(Rf4は炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状のポリフルオロアルキレン基である。)で表わされる連鎖移動剤の存在下で行われる、請求項7に記載のペルフルオロエラストマーの製造方法。

請求項9

前記ラジカル共重合が、水性媒体及び乳化剤の存在下で行われる乳化重合である、請求項7又は8に記載のペルフルオロエラストマーの製造方法。

請求項10

前記連鎖移動剤が、1,4−ジヨードペルフルオロブタンである、請求項8又は9に記載のペルフルオロエラストマーの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ペルフルオロエラストマーペルフルオロエラストマー組成物架橋ゴム物品、及びペルフルオロエラストマーの製造方法に関する。

背景技術

0002

フッ素ゴムは、耐熱性耐薬品性耐油性耐候性等に優れ、汎用ゴムが使用できない過酷な環境下の用途に使用されている。
公知のフッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン系共重合体テトラフルオロエチレンプロピレン系共重合体、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体等が挙げられる。中でも、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体は、ペルフルオロエラストマーとも称され、耐熱性や耐薬品性に優れている。

0003

公知のペルフルオロエラストマーとしては、例えば、特許文献1に、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という。)とペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(以下、「PMVE」という。)との共重合体が開示されている。
また、特許文献2に、TFEとPMVEとペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(以下、「PPVE」という。)との共重合体が開示されている。

先行技術

0004

特公昭53−4115号公報
特許第4640021号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1,2に記載のペルフルオロエラストマーは、低温でのゴム物性が充分ではない。これを解決するために、例えば、TFE以外のモノマー含有割合を上げる方法が挙げられる。
しかし、TFE以外のモノマーの含有割合を上げると、引張強さ及び破断伸び等の他の特性が大きく低下するため、ゴムとしての利用価値を失う。また、製造においては、重合速度が遅くなり、生産性が低下する。
そこで、本発明は、低温特性に優れ、ゴムとしての利用価値を失わず、生産性の低下を引き起こさない、ペルフルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー組成物、架橋ゴム物品、及びペルフルオロエラストマーの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、以下の[1]〜[10]の構成を有する、ペルフルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー組成物、架橋ゴム物品、及びペルフルオロエラストマーの製造方法を提供する。
[1]テトラフルオロエチレンに基づく構成単位(a)、下記式(1)で表わされるペルフルオロアルキルビニルエーテルに基づく構成単位(b)、及び下記式(2)で表わされるペルフルオロオキサアルキルビニルエーテルに基づく構成単位(c)を有することを特徴とするペルフルオロエラストマー。
CF2=CFORf1 ・・・(1)
[前記式(1)中、Rf1は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。]
CF2=CF(OCF2CF2)n−(OCF2)m−ORf2 ・・・(2)
[前記式(2)中、Rf2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、nは0〜3の整数であり、mは0〜4の整数であり、(n+m)は1〜7の整数である。]
[2]構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)の合計モル数に対して、構成単位(a)の含有量が40〜70モル%であり、構成単位(b)の含有量が3〜57モル%であり、構成単位(c)の含有量が3〜57モル%である、[1]に記載のペルフルオロエラストマー。
[3]前記式(2)において、Rf2が炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、n=0のときm=3又は4、n=1のときm=2〜4、n=2又は3のときm=0、である[1]又は[2]に記載のペルフルオロエラストマー。
[4]前記式(2)で表わされるペルフルオロオキサアルキルビニルエーテルが、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF2OCF2OCF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF2OCF3、及びCF2=CFOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF3からなる群から選択される1種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載のペルフルオロエラストマー。

0007

[5][1]〜[4]のいずれかに記載のペルフルオロエラストマー及び架橋剤を含有するペルフルオロエラストマー組成物。
[6][1]〜[4]のいずれかに記載のペルフルオロエラストマー又は[5]に記載のペルフルオロエラストマー組成物を架橋してなる架橋ゴム物品。
[7]ラジカル重合開始剤の存在下で、原料としてテトラフルオロエチレンと下記式(1)で表わされるペルフルオロアルキルビニルエーテルと下記式(2)で表わされるペルフルオロオキサアルキルビニルエーテルとをラジカル共重合させる工程を有する、ペルフルオロエラストマーの製造方法。
CF2=CFORf1 ・・・(1)
[前記式(1)中、Rf1は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。]
CF2=CF(OCF2CF2)n−(OCF2)m−ORf2 ・・・(2)
[前記式(2)中、Rf2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、nは0〜3の整数であり、mは0〜4の整数であり、(n+m)は1〜7の整数である。]
[8]前記ラジカル共重合は、Rf4I2(Rf4は炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状のポリフルオロアルキレン基である。)で表わされる連鎖移動剤の存在下で行われる、[7]に記載のペルフルオロエラストマーの製造方法。
[9]前記ラジカル共重合が、水性媒体及び乳化剤の存在下で行われる乳化重合である、[7]又は[8]に記載のペルフルオロエラストマーの製造方法。
[10]前記連鎖移動剤が、1,4−ジヨードペルフルオロブタンである、[8]又は[9]に記載のペルフルオロエラストマーの製造方法。

発明の効果

0008

本発明によれば、低温特性に優れ、ゴムとしての利用価値を失わず、生産性の低下を引き起こさない、ペルフルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー組成物、架橋ゴム物品、及びペルフルオロエラストマーの製造方法を提供できる。

0009

本明細書においては、モノマーが重合することで直接形成される繰り返し単位と、モノマーの重合によって形成される繰り返し単位の置換基の一部乃至全部を他の置換基に化学変換することで形成される単位とを、総称して「構成単位」という。
ペルフルオロオキサアルキル基とは、ペルフルオロアルキル基中の炭素炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有するペルフルオロアルキル基をいう。
以下、ペルフルオロアルキルビニルエーテルを「PAVE」といい、ペルフルオロオキサアルキルビニルエーテルを「POAVE」という。

0010

<ペルフルオロエラストマー>
本発明のペルフルオロエラストマーは、TFEに基づく構成単位(a)、下記式(1)で表わされるPAVEに基づく構成単位(b)、及び下記式(2)で表わされるPOAVEに基づく構成単位(c)を有する。
CF2=CFORf1 ・・・(1)
[前記式(1)中、Rf1は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。]
CF2=CF(OCF2CF2)n−(OCF2)m−ORf2 ・・・(2)
[前記式(2)中、Rf2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、nは0〜3の整数であり、mは0〜4の整数であり、(n+m)は1〜7の整数である。]

0011

(構成単位(a))
構成単位(a)は、TFEに基づく構成単位である。

0012

(構成単位(b))
構成単位(b)は、下記式(1)で表わされるPAVEに基づく構成単位である。
CF2=CFORf1 ・・・(1)
[前記式(1)中、Rf1は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。]
なお、Rf1の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。この範囲であれば、ペルフルオロエラストマーの生産性が向上する。

0013

PAVEの具体例としては、PMVE、ペルフルオロエチルビニルエーテル(以下、「PEVE」という。)、PPVE、ペルフルオロブチルビニルエーテル等が挙げられる。中でも、生産性の点から、PMVE、PEVE、PPVEが好ましい。

0014

(構成単位(c))
構成単位(c)は、下記式(2)で表わされるPOAVEに基づく構成単位である。
CF2=CF(OCF2CF2)n−(OCF2)m−ORf2 ・・・(2)
[前記式(2)中、Rf2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、nは0〜3の整数であり、mは0〜4の整数であり、(n+m)は1〜7の整数である。]
なお、Rf2は、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であることが好ましい。
また、nとmは、n=0のときm=3,4、n=1のときm=2〜4、n=2,3のときm=0であることが好ましく、n=1であってm=2〜4、又はn=2であってm=0であることがより好ましい。
Rf2、及びnとmが以上の範囲であれば、ペルフルオロエラストマーの低温特性がさらに優れたものとなり、また、ペルフルオロエラストマーの生産性が向上する。

0015

式(2)で表わされるPOAVEの具体例としては、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF2OCF2OCF2OCF3(以下、「POAVE1」という。)、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF2OCF3(以下、「POAVE2」という。)、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF3(以下、「POAVE3」という。)、CF2=CFOCF2OCF3、CF2=CFOCF2OCF2OCF3等が挙げられる。中でも、POAVE1、POAVE2、及びPOAVE3が好ましい。

0016

(構成単位(a)、(b)、(c)の含有量)
構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(c)の合計モル数に対する構成単位(a)の含有量は、40〜70モル%が好ましく、50〜70モル%がより好ましく、55〜70モル%が最も好ましい。
また、構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(c)の合計モル数に対する構成単位(b)の含有量は、3〜57モル%が好ましく、5〜57モル%がより好ましく、10〜40モル%が最も好ましい。
また、構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(c)の合計モル数に対する構成単位(c)の含有量は、3〜57モル%が好ましく、5〜57モル%がより好ましく、10〜40モル%が最も好ましい。
構成単位(a)、(b)、(c)の含有量がこれらの範囲であれば、ペルフルオロエラストマーは、低温特性がさらに優れたものになり、また、耐熱性及び耐薬品性がより優れたものになる。

0017

(他のモノマーに基づく構成単位)
本発明のペルフルオロエラストマーには、TFE、PAVE及びPOAVEに基づく構成単位以外のモノマー(以下、「他のモノマー」という。)に基づく構成単位を有していてもよい。他のモノマーに基づく構成単位としては、例えば、以下に説明する構成単位(d)及び構成単位(e)等が挙げられる。

0018

構成単位(d):
構成単位(d)は、下記式(3)で表わされるペルフルオロジビニルエーテル(以下、「PDVE」という。)に基づく構成単位である。
CF2=CFORf3OCF=CF2 ・・・(3)
[式(3)中、Rf3は炭素数1〜25の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキレン基又はペルフルオロオキサアルキレン基を示す。]
中でも、CF2=CFO(CF2)4OCF=CF2に基づく構成単位が好ましい。
ペルフルオロエラストマーが前記式(3)で表わされるPDVEに基づく構成単位(d)を有すれば、架橋性、耐熱性、耐薬品性がより優れたものになる。

0019

構成単位(a)と構成単位(b)と構成単位(c)のモル数の和に対する構成単位(d)の含有割合は、0.01〜5モル%が好ましく、0.01〜2モル%がより好ましい。構成単位(d)の含有割合がこの範囲であれば、ペルフルオロエラストマーは、耐熱性、耐薬品性がより優れたものになる。

0020

構成単位(e):
構成単位(d)以外の他のモノマーに基づく構成単位としては、ブロモトリフルオロエチレンヨードトリフルオロエチレン等の、フッ素基及びフッ素以外のハロゲン基を有するモノマー;CF2=CFO(CF2)5CNやペルフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ1−オクテン)等の、フッ素基及びニトリル基を有するモノマーに基づく構成単位(e)が挙げられる。

0021

構成単位(a)と構成単位(b)と構成単位(c)のモル数の和に対する構成単位(e)の含有割合は、0.01〜5モル%が好ましく、0.01〜3モル%がより好ましい。構成単位(e)の含有割合がこの範囲であれば、ペルフルオロエラストマーは、架橋性がより優れたものとなり、また、耐熱性、耐薬品性がより優れたものになる。

0022

ヨウ素原子
本発明のペルフルオロエラストマーの側鎖や末端は、ヨウ素原子と結合していてもよい。
ヨウ素原子の含有量は、ペルフルオロエラストマー中に0.01〜1.5質量%が好ましく、0.01〜1.0質量%がより好ましい。この範囲であれば、ペルフルオロエラストマーは架橋性に優れ、また、架橋ゴム物品は耐熱性、耐薬品性に優れる。

0023

<ペルフルオロエラストマーの製造方法>
本発明のペルフルオロエラストマーは、TFE、PAVE、POAVE、及び必要により他のモノマーを共重合することにより得られる。
重合方法としては、ラジカル重合法が好ましい。
ラジカル重合開始源としては、ラジカル重合開始剤、レドックス重合開始剤、加熱、電離性放射線照射等が挙げられる。中でも、ペルフルオロエラストマーの生産性に優れる点から、ラジカル重合開始剤が好ましい。

0024

(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤は、公知のものが適宜用いられる。
具体的なラジカル重合開始剤としては、水溶性開始剤が好ましく、その具体例としては、過硫酸アンモニウム過硫酸ナトリウム過硫酸カリウム等の過硫酸類過酸化水素ジコハク酸ペルオキシドジグタル酸ペルオキシド、tert−ブチルヒドロキシペルオキシド等の水溶性有機過酸化物アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩等の有機開始剤が挙げられる。さらに、過硫酸類又は過酸化水素と、亜硫酸水素ナトリウムチオ硫酸ナトリウム等の還元剤との組合せからなるレドックス系開始剤;さらに少量の鉄、第一鉄塩硫酸銀等を共存させた系の無機系開始剤も挙げられる。
特に、後述する乳化重合で使用されるラジカル重合開始剤としては、水溶性開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、生成したペルフルオロエラストマーの質量に対して0.0001〜5質量%が好ましく、0.001〜2質量%がより好ましい。

0025

(連鎖移動剤)
重合開始にラジカル重合開始剤を用いる場合には、連鎖移動剤の存在下で行うのが好ましい。
連鎖移動剤としては、メタノールエタノール等のアルコール類;1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等のクロフルオロハイドロカーボンペンタンヘキサンシクロヘキサン等のハイドロカーボン;Rf4I2(Rf4は、炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状のポリフルオロアルキレン基である。);Rf4IBr(該Rf4は、前記Rf4I2のRf4と同様である。);tert−ドデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン等のメルカプタン類等が挙げられる。
これらの中でも、ペルフルオロエラストマーが架橋性に優れ、架橋ゴム物品が物性に優れる点から、Rf4I2が好ましい。Rf4としては、ペルフルオロアルキレン基がより好ましい。
Rf4I2としては、例えば、1,4−ジヨードペルフルオロブタン、1,6−ジヨードペルフルオロヘキサン、1,8−ジヨードペルフルオロオクタン等が挙げられる。中でも、重合反応性に優れる点から、1,4−ジヨードペルフルオロブタンが好ましい。

0026

連鎖移動剤の使用量は、使用する連鎖移動剤の連鎖移動定数に基づき適宜設定される。
例えば、Rf4I2を用いる場合は、生成したペルフルオロエラストマーの質量に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましい。

0027

(重合方法)
重合方法としては、乳化重合、溶液重合懸濁重合塊状重合等が挙げられる。中でも、分子量及び共重合組成の調整、生産性に優れる点から、乳化重合が好ましい。

0028

乳化重合:
乳化重合は、水性媒体及び乳化剤の存在下で行われる。
水性媒体としては、水、水と水溶性有機溶媒との混合物等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、tert−ブタノールプロピレングリコールジプロピレングリコールジプロピレングリコールモノメチルエーテルトリプロピレングリコール等が挙げられる。中でも、モノマーの重合速度が低下しないという点から、tert−ブタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
水性媒体が水溶性有機溶媒を含有すると、モノマーの分散性及び生成したペルフルオロエラストマーの分散性に優れ、また、ペルフルオロエラストマーの生産性に優れる。
水溶性有機溶媒の含有量は、水の100質量部に対して1〜40質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましい。

0029

乳化剤は、公知のものが適宜用いられる。
具体的な乳化剤としては、アニオン性乳化剤ノニオン性乳化剤カチオン性乳化剤等が挙げられる。中でも、ラテックス機械的及び化学的定性がより優れる点から、アニオン性乳化剤が好ましい。
アニオン性乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の炭化水素系乳化剤ペルフルオロオクタン酸アンモニウム、ペルフルオロオクタン酸ナトリウム、ペルフルオロヘキサン酸アンモニウム、一般式F(CF2)nO(CF(X)CF2O)mCF(Y)COOA(X及びYは互いに独立にフッ素原子又は炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基、Aは水素原子アルカリ金属、又はNH4、nは2〜10の整数、mは0又は1〜3の整数である。)で表わされる化合物等の含フッ素系乳化剤が挙げられる。
F(CF2)nO(CF(X)CF2O)mCF(Y)COOAで表わされる化合物としては、C2F5OCF2CF2OCF2COONH4、F(CF2)3O(CF(CF3)CF2O)2CF(CF3)COONH4、F(CF2)3OCF2CF2OCF2COONH4、F(CF2)3O(CF2CF2O)2CF2COONH4、F(CF2)4OCF2CF2OCF2COONH4、F(CF2)4O(CF2CF2O)2CF2COONH4、F(CF2)3OCF2CF2OCF2COONa、F(CF2)3O(CF2CF2O)2CF2COONa、F(CF2)4OCF2CF2OCF2COONa、F(CF2)4O(CF2CF2O)2CF2COONa、F(CF2)2OCF2CF2OCF2COONH4、F(CF2)2O(CF2CF2O)2CF2COONH4、F(CF2)2OCF2CF2OCF2COONa、F(CF2)2O(CF2CF2O)2CF2COONa等が挙げられる。

0030

これらの中でも、ペルフルオロオクタン酸アンモニウム、C2F5OCF2CF2OCF2COONH4、F(CF2)4OCF2CF2OCF2COONH4、F(CF2)3OCF2CF2OCF2COONH4が好ましい。
乳化剤の使用量は、水性媒体の100質量部に対して0.01〜15質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。

0031

重合方法に乳化重合を採用すれば、ペルフルオロエラストマーを含むラテックスが得られる。ペルフルオロエラストマーは凝集によりラテックスから分離できる。
凝集方法としては、金属塩の添加、塩酸等の無機酸の添加、機械的剪断凍結解凍等による方法が挙げられる。

0032

重合条件
ラジカル重合の重合条件は、モノマー組成、ラジカル重合開始剤の分解温度により適宜選択される。
重合圧力は、0.1〜20MPaGが好ましく、0.3〜10MPaGがより好ましく、0.3〜5MPaGが最も好ましい。
重合温度は、0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が最も好ましい。
重合時間は、1〜72時間が好ましく、1〜24時間がより好ましく、1〜12時間が最も好ましい。

0033

<ペルフルオロエラストマー組成物>
本発明のペルフルオロエラストマー組成物は、上述のペルフルオロエラストマー及び架橋剤を含有する。また、ペルフルオロエラストマー組成物は、架橋助剤、その他の配合等を含有していてもよい。

0034

(架橋剤)
架橋剤としては、有機過酸化物ポリオールアミントリアジン等が挙げられる。中でも、架橋ゴム物品の生産性、耐熱性、耐薬品性に優れる点から、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物の具体例としては、ジtert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、α,α−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン−3等のジアルキルペルオキシド類、1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゼン、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルオキシマレイン酸、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等が挙げられる。中でも、ジアルキルペルオキシド類が好ましい。

0035

架橋剤の配合量は、ペルフルオロエラストマーの100質量部に対して、0.3〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましく、0.5〜3質量部が最も好ましい。この範囲であれば、強度と伸びバランスに優れた架橋物性が得られる。

0036

(架橋助剤)
前記ペルフルオロエラストマー組成物は、架橋剤に加え、架橋助剤をさらに配合するのが好ましい。架橋助剤を配合すると、架橋効率がより高くなる。
架橋助剤の具体例としては、トリアリルシアヌレートトリアリルイソシアヌレートトリメタリルイソシアヌレート、1,3,5−トリアクリイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、トリアリルトリメリテートm−フェニレンジアミンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、p,p‘−ジベンゾイルキノンジオキシム、ジプロパルギルテレフタレートジアリルフタレート、N,N’,N‘’,N‘’‘−テトラアリルテレフタールアミドビニル基含有シロキサンオリゴマーポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルビニルシロキサン等)等が挙げられる。中でも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレートが好ましく、トリアリルイソシアヌレートがより好ましい。
架橋助剤の配合量は、ペルフルオロエラストマーの100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。この範囲であれば、強度と伸びのバランスに優れた架橋物性が得られる。

0037

(その他の配合)
前記ペルフルオロエラストマー組成物は、必要に応じて金属酸化物を配合していてもよい。金属酸化物を配合すれば、架橋反応を速やかにかつ確実に進行させることができる。
金属酸化物の具体例としては、酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化亜鉛酸化鉛等の2価金属の酸化物が挙げられる。
金属酸化物の配合量は、ペルフルオロエラストマーの100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。この範囲であれば、強度と伸びのバランスに優れた架橋物性が得られる。

0038

前記ペルフルオロエラストマー組成物は、着色させるための顔料充填剤補強材等を配合していてもよい。
充填剤又は補強材の具体例としては、カーボンブラック酸化チタン二酸化珪素クレータルクポリ四フッ化エチレンポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルポリクロロトリフルオロエチレン、四フッ化エチレンエチレン共重合体、四フッ化エチレン/プロピレン共重合体、四フッ化エチレン/フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。

0039

(ペルフルオロエラストマー組成物の製造方法)
本発明のペルフルオロエラストマー組成物は、2本ロールニーダーバンバリーミキサー等の公知の混練装置を用いる混練方法により、上述のペルフルオロエラストマーに、上記架橋剤、必要により、上記架橋助剤及び上記その他の配合物混練し、配合することにより得られる。

0040

<架橋ゴム物品>
本発明の架橋ゴム物品は、上述のペルフルオロエラストマー又はペルフルオロエラストマー組成物を架橋したものである。
架橋ゴム物品としては、架橋ゴムシート、Oリングシートガスケットオイルシールダイヤフラム、V−リング、半導体装置用シール材、耐薬品性シール材塗料電線被覆材等が挙げられる。
本発明の架橋ゴム物品の物性としては、引張強さは2〜14MPaが好ましく、6〜9MPaがより好ましい。また、破断伸びは300〜500%が好ましく、350〜450%がより好ましい。ガラス転移点は、—30〜0℃が好ましく、—25〜—10℃がより好ましい。

0041

(架橋ゴム物品の製造方法)
本発明の架橋ゴム物品は、公知の方法により、上述のペルフルオロエラストマー組成物を適宜成形し、架橋することにより得られる。
架橋方法としては、加熱による方法、電離性放射線照射による方法等が挙げられる。
成形方法としては、射出成形押出成形共押出成形ブロー成形圧縮成型インフレーション成形トランスファー成型又はカレンダー成形等が挙げられる。

0042

ペルフルオロエラストマー組成物が架橋剤として有機過酸化物を含有する場合、加熱による架橋が好ましい。
加熱架橋による架橋ゴム物品の具体的な製造方法としては、例えば、熱プレス成形法が挙げられる。熱プレス成形法では、加熱した金型を用い、目的の形状を有する金型のキャビティにペルフルオロエラストマー組成物を充填して、加熱することによって成形と同時に架橋(熱プレス架橋という。)を行うことで、架橋ゴム物品が得られる。加熱温度は、好ましくは130〜220℃、より好ましくは140〜200℃、最も好ましくは150〜180℃である。
また、熱プレス成形法を用いる場合、熱プレス架橋(一次架橋ともいう。)で得られた架橋ゴム物品を、必要により、電気熱風蒸気等を熱源とするオーブン等でさらに加熱して、架橋を進行させること(二次架橋ともいう。)も好ましい。二次架橋時の温度は、好ましくは150〜280℃、より好ましくは180℃〜260℃、最も好ましくは200〜250℃である。二次架橋時間は、好ましくは1〜48時間、より好ましくは、4〜24時間である。充分に二次架橋することにより、架橋ゴム物品の架橋ゴム特性が向上する。また、架橋ゴム物品に含有される過酸化物の残渣が分解、揮散して、低減される。熱プレス成形法は、シール材等の成形に適用することが好ましい。

0043

電離性放射線照射による方法における電離性放射線としては、電子線、γ線等が挙げられる。電離性放射線照射により架橋する場合には、予め、ペルフルオロエラストマー又はペルフルオロエラストマー組成物を、目的の形状に成形した後、電離性放射線を照射して架橋させる方法が好ましい。成形方法としては、ペルフルオロエラストマー若しくはペルフルオロエラストマー組成物を適当な溶媒中に溶解分散した懸濁溶液を塗布し、乾燥し塗膜とする方法、又はペルフルオロエラストマー若しくはペルフルオロエラストマー組成物を押出し成形し、ホース電線の形状に成形する方法等が用いられる。電離性放射線の照射量は、適宜設定される。1〜300kGyが好ましく、10〜200kGyがさらに好ましい。

0044

<本発明による作用効果
以上、本発明のペルフルオロエラストマーは、構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)を組合せて有することにより、ガラス転移点が低い。したがって、本発明は低温特性に優れるという作用効果を奏するものである。この作用効果は、充分に明らかにされてはいないものの、構成単位(c)において、前記式(2)中のペルフルオロオキサアルキル基中にエーテル結合所定間隔で存在することにより発揮されるものと考えられる。
また、本発明のペルフルオロエラストマーでは、構成単位(c)を含まず、構成単位(b)等の含有割合が高い場合に生じる引張強さ及び破断伸び等の特性の低下が抑えられているため、本発明のペルフルオロエラストマーから得られる架橋ゴム物品のゴムとしての利用価値を失わない。
また、原料としてTFE、前記式(1)で表わされるPAVE及び前記式(2)で表わされるPOAVEを組合せて用いると重合速度が遅くならないため、本発明によれば、生産性を低下させずにペルフルオロエラストマーを製造できる。

0045

以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されない。<評価方法
ペルフルオロエラストマー中の構成単位(a)と構成単位(b)と構成単位(c)のモル比(以下、「(a):(b):(c)」と表す。)の算出、架橋ゴム物品の物性の測定、及びペルフルオロエラストマーのガラス転移温度の決定は、以下の方法により行った。

0046

((a):(b):(c))
IR法、NMR法等を用いる通常の分析方法では、ペルフルオロエラストマー中に含まれるPAVEに基づく構成単位とPOAVEに基づく構成単位の質量を分離して測定できなかった。そこで、以下の方法により、ペルフルオロエラストマー中の各構成単位の含有量を算出した。
ペルフルオロエラストマー中のPOAVEに基づく構成単位の質量(C)は、添加したPOAVEの質量から、重合後回収した未反応のPOAVEの質量を差引くことにより求めた。該重合後回収した未反応のPOAVEの質量は、分析天秤メトラートレド社製、ML204)を用いて測定した。
得られたペルフルオロエラストマーの質量から上記(C)を差引くことで、ペルフルオロエラストマー中のTFEに基づく構成単位の質量(A)及びPAVE基づく構成単位の質量(B)の合計質量(A+B)を求めた。
(A+B)は、重合が開始した後、重合の進行に伴い、重合開始後圧入したTFE及びPAVEの合計質量と一致していた。このことは、ペルフルオロエラストマー中の構成単位の質量比(A:B:C)は、「重合開始後に圧入したTFEの質量:重合開始後に圧入したPAVEの質量:(C)」に等しいことを意味する。
したがって、「(a):(b):(c)」は、「重合開始後に圧入したTFEの質量:重合開始後に圧入したPAVEの質量:C」から、各構成単位の分子量を用いて換算し求めた。

0047

(架橋ゴム物品の物性)
ペルフルオロエラストマーの100質量部、カーボンブラックの10質量部、トリアリルイソシアヌレートの5質量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン(日本油脂社製パーヘキサ25B)の1質量部、酸化マグネシウムの3質量部の割合で、2本ロールで混練し、ペルフルオロエラストマー組成物を得た。
該ペルフルオロエラストマー組成物を150℃で20分間の熱プレスを行った後、250℃のオーブン内で4時間の2次架橋を行い、厚さ2mmの架橋ゴムシートを得た。
得られた架橋ゴムシートを3号ダンベル打ち抜き試料を作成し、JIS K6251に準じて引張強さ及び破断伸びを測定した。

0048

(ガラス転移温度)
熱分析装置セイコーインスツルメンツ社製、TMA6100)を使用し、昇温速度1℃/分、荷重5gの条件で、ペルフルオロエラストマー組成物の熱膨張係数を測定した。熱膨張係数の変曲点をガラス転移温度(℃)とした。

0049

<実施例1>
アンカー翼を備えた内容積2100mLのステンレス製耐圧反応器脱気した後、イオン交換水の900g、C2F5OCF2CF2OCF2COONH4の30%溶液の60g、POAVE1の123g、リン酸水素二ナトリウム・12水和物の1.6g、1,4−ジヨードペルフルオロブタンの0.57gを仕込み気相窒素置換した。アンカー翼を用いて600rpmの速度で撹拌しながら、内温を80℃になってからTFEの15g、PMVEの38gを容器内に圧入した。反応器内圧は0.5MPaであった。過硫酸アンモニウムの2.5質量%水溶液の5mlを添加し、重合を開始した。
なお、重合開始前に圧入するモノマー(以下、「初期モノマー」と略す。)の添加比をモル比で表すと、TFE:PMVE:POAVE1=25:38:37である(表1参照)。

0050

重合の進行に伴い、反応器内圧が0.45MPaに低下した時点でTFEを圧入し、反応器内圧を0.5MPaに昇圧させた。これを繰り返し、TFEの8gを圧入する毎にPOAVE1の7.5gも圧入した。また、TFEの16gを圧入する毎にPMVEの7gも圧入した。
TFEの総添加量が64gとなった時点で、重合開始後に圧入するモノマー(以下、「後添加モノマー」と略す。)の添加を停止し、反応器内温を10℃に冷却させ、重合反応を停止させ、ペルフルオロエラストマーを含むラテックスを得た。
なお、重合時間は4.5時間であった。
また、後添加モノマーの総添加質量は、TFEが64g、PMVEが28g、POAVE1が90gであり、これをモル比に換算すると、TFE:PMVE:POAVE1=66:17:17であった(表1参照)。

0051

ラテックスを硫酸アルミニウムカリウムの5質量%水溶液に添加して、ペルフルオロエラストマーを凝集、分離した。ペルフルオロエラストマーを濾過し、超純水により洗浄し、50℃で真空乾燥させ、白色のペルフルオロエラストマーの154gを得た。

0052

<実施例2>
POAVE1の代わりにPOAVE2を用い、初期モノマー及び後添加モノマーの添加比(モル比)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、白色のペルフルオロエラストマーの232gを得た。
なお、重合時間は4.4時間であった。

0053

<実施例3>
POAVE1の代わりにPOAVE3を用い、初期モノマー及び後添加モノマーの添加比(モル比)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、白色のペルフルオロエラストマーの132gを得た。
なお、重合時間は4.4時間であった。

0054

<実施例4>
POAVE1の代わりにPOAVE3を用い、初期モノマー及び後添加モノマーの添加比(モル比)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、白色のペルフルオロエラストマーの160gを得た。
なお、重合時間は4.5時間であった。

0055

<比較例1>
POAVE1の代わりにCF2=CFOCF2CF2CF2OCF3(以下、「POAVE4」という。)を用い、初期モノマー及び後添加モノマーの添加比(モル比)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、白色のペルフルオロエラストマーの224gを得た。
なお、重合時間は4.4時間であった。

0056

<比較例2>
アンカー翼を備えた内容積2100mLのステンレス製耐圧反応器を脱気した後、イオン交換水の900g、C2F5OCF2CF2OCF2COONH4の30%溶液の60g、リン酸水素二ナトリウム・12水和物の1.6g、1,4−ジヨード−パーフルオロブタンの0.57gを仕込み、気相を窒素置換した。アンカー翼を用いて600rpmの速度で撹拌しながら、内温を80℃になってからTFEの11g、PMVEの53gを容器内に圧入した。反応器内圧は0.5MPaであった。過硫酸アンモニウムの2.5質量%水溶液の5mlを添加し、重合を開始した。
なお、初期モノマーの添加比をモル比で表すと、TFE:PMVE=26:74である(表1参照)。

0057

重合の進行に伴い、反応器内圧が0.45MPaに低下した時点でTFEを圧入し、反応器内圧を0.5MPaに昇圧させた。これを繰り返し、TFEの8g圧入毎にPMVEの7gを圧入した。TFEの総添加量が64gとなった時点で、後添加モノマーの添加を停止し、反応器内温を10℃に冷却させ、重合反応を停止させ、ペルフルオロエラストマーを含むラテックスを得た。
なお、重合時間は6.5時間であった。
また、後添加モノマーの総添加質量は、TFEが100g、PMVEが85gであり、これをモル比に換算すると、TFE:PMVE=66:34である(表1参照)。

0058

以降の手順は実施例1と同様に行い、白色のペルフルオロエラストマーの185gを得た。
上述の実施例1〜4及び比較例1,2について、用いたモノマーの種類及び添加比、並びに評価結果を、表1に示す。

0059

実施例

0060

以上の結果、前記式(2)で表されるPOAVEに属しないPOAVE4に基づく構成単位を有する比較例1のペルフルオロエラストマーは、ゲル状になり、引張強さ、破断伸び、及びガラス転移温度を測定できなかった。
また、前記式(2)で表されるPOAVEに属するPOAVE1〜3に基づく構成単位(c)を有する実施例1〜4のペルフルオロエラストマーは、該構成単位(c)を有しない比較例2に比べ、引張強さが低く、破断伸びが高く、ガラス転移温度が低かった。

0061

本発明のペルフルオロエラストマーは、通常のゴム製品に用いることができるが、低温特性に優れていることから、特に、低温環境下で使用されるOリング、シートガスケット、オイルシール、ダイヤフラム、V−リング等に好適に用いることができる。また、半導体装置用シール材、耐薬品性シール材、塗料、電線被覆材等にも好適に用いることができる。
なお、2013年11月26日に出願された日本特許出願2013−243731号の明細書、特許請求の範囲、要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

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