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技術 ポリチオール化合物およびその製造方法

出願人 三菱瓦斯化学株式会社
発明者 西森慶彦嘉村輝雄堀越裕
出願日 2014年10月28日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2015-544990
公開日 2017年3月9日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 WO2015-064548
状態 特許登録済
技術分野 光学要素・レンズ 有機低分子化合物及びその製造 ポリウレタン,ポリ尿素
主要キーワード Stepan社製 長期保管後 電子設計 レンズ物性 ハーゼン 混合均一 塩化反応 アミン系塩基
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月9日)のものです。
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課題・解決手段

本発明によれば、全窒素量が50ppm以上600ppm以下のポリチオール化合物を提供することができる。更に、本発明によれば、上記ポリチオール化合物を製造する方法であって、ポリアルコールチオ尿素とを反応させてチウロニウム塩を調製する工程と、有機溶媒の存在下、前記チウロニウム塩に(抱水)ヒドラジンアンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基無機塩基(ただし、(抱水)ヒドラジンおよびアンモニアを除く)とを加えて加水分解する工程を有することを特徴とするポリチオール化合物の製造方法を提供することができる。

概要

背景

プラスチックレンズは軽量かつ靭性に富み、染色も容易である。プラスチックレンズに特に要求される性能は、低比重高透明性および低黄色度光学性能として高屈折率高アッベ数高耐熱性、高強度などである。高屈折率はレンズ薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減する。
近年、眼鏡用プラスチックレンズ原料として、硫黄原子を有する有機化合物が数多く報告されている。中でも硫黄原子を有するポリチオール化合物は、イソシアネートと反応させて耐衝撃性に優れたポリチオウレタン樹脂、あるいはエピスルフィドと反応させて屈折率に優れた樹脂として用いられるなど、有用な化合物として知られている(特許文献1、2)。しかしながら、ポリチオール化合物は長期保管時輸送時などに高温にさらされることで着色しやすく、ポリチオール化合物を重合させて得られる光学材料色相悪化の原因となるという問題があった。

概要

本発明によれば、全窒素量が50ppm以上600ppm以下のポリチオール化合物を提供することができる。更に、本発明によれば、上記ポリチオール化合物を製造する方法であって、ポリアルコールチオ尿素とを反応させてチウロニウム塩を調製する工程と、有機溶媒の存在下、前記チウロニウム塩に(抱水)ヒドラジンアンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基無機塩基(ただし、(抱水)ヒドラジンおよびアンモニアを除く)とを加えて加水分解する工程を有することを特徴とするポリチオール化合物の製造方法を提供することができる。

目的

本発明の課題は、長期保管や高温による色相悪化の起こりにくい光学レンズ用ポリチオール化合物および、その製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

全窒素量が50ppm以上600ppm以下のポリチオール化合物

請求項2

下記式(1)で表される構造を有する請求項1に記載のポリチオール化合物。

請求項3

請求項1または2に記載のポリチオール化合物とポリイソシアネート化合物とを含む光学材料用組成物

請求項4

請求項1または2に記載のポリチオール化合物とエピスルフィド化合物とを含む光学材料用組成物。

請求項5

請求項3または4に記載の光学材料用組成物を重合硬化してなる光学材料

請求項6

請求項1または2に記載のポリチオール化合物を製造する方法であって、ポリアルコールチオ尿素とを反応させてチウロニウム塩を調製する工程と、有機溶媒の存在下、前記チウロニウム塩に(抱水)ヒドラジンアンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基無機塩基(ただし、(抱水)ヒドラジンおよびアンモニアを除く)とを加えて加水分解する工程を有することを特徴とするポリチオール化合物の製造方法。

請求項7

前記有機溶媒が、ジエチルエーテルベンゼントルエンキシレンジクロロエタンクロロホルム及びクロロベンゼンからなる群より選択される1以上である、請求項6に記載のポリチオール化合物の製造方法。

請求項8

前記無機塩基が、炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸マグネシウム炭酸カルシウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群より選択される1以上である、請求項6または7に記載のポリチオール化合物の製造方法。

請求項9

前記(抱水)ヒドラジン、アンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基の添加量が、前記チウロニウム塩中のチウロニウム基に対して0.4から1.2等量である、請求項6から8のいずれかに記載のポリチオール化合物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、窒素成分含有量の少ないポリチオール化合物及びその製造方法に関し、特に、プラスチックレンズプリズム光ファイバー情報記録基盤フィルター等の光学材料、中でもプラスチックレンズに好適に使用されるポリチオール化合物及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

プラスチックレンズは軽量かつ靭性に富み、染色も容易である。プラスチックレンズに特に要求される性能は、低比重高透明性および低黄色度光学性能として高屈折率高アッベ数高耐熱性、高強度などである。高屈折率はレンズ薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減する。
近年、眼鏡用プラスチックレンズ原料として、硫黄原子を有する有機化合物が数多く報告されている。中でも硫黄原子を有するポリチオール化合物は、イソシアネートと反応させて耐衝撃性に優れたポリチオウレタン樹脂、あるいはエピスルフィドと反応させて屈折率に優れた樹脂として用いられるなど、有用な化合物として知られている(特許文献1、2)。しかしながら、ポリチオール化合物は長期保管時輸送時などに高温にさらされることで着色しやすく、ポリチオール化合物を重合させて得られる光学材料の色相悪化の原因となるという問題があった。

先行技術

0003

特開平2−270859号公報
特開平10−298287号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の課題は、長期保管や高温による色相悪化の起こりにくい光学レンズ用ポリチオール化合物および、その製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ポリチオール化合物の色相悪化は含有される窒素成分に起因することを見出した。さらに検討を行った結果、チウロニウム塩を経てポリチオールを製造する際の加水分解工程においてアミン無機塩基を併用することで、窒素成分の含有量の少ない長期にわたって色相悪化の起こりにくいポリチオール化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
<1>全窒素量が50ppm以上600ppm以下のポリチオール化合物である。
<2> 下記式(1)で表される構造を有する上記<1>に記載のポリチオール化合物である。



<3> 上記<1>または<2>に記載のポリチオール化合物とポリイソシアネート化合物とを含む光学材料用組成物である。
<4> 上記<1>または<2>に記載のポリチオール化合物とエピスルフィド化合物とを含む光学材料用組成物である。
<5> 上記<3>または<4>に記載の光学材料用組成物を重合硬化してなる光学材料である。
<6> 上記<1>または<2>に記載のポリチオール化合物を製造する方法であって、ポリアルコールチオ尿素とを反応させてチウロニウム塩を調製する工程と、有機溶媒の存在下、前記チウロニウム塩に(抱水)ヒドラジンアンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基と無機塩基(ただし、(抱水)ヒドラジンおよびアンモニアを除く)とを加えて加水分解する工程を有することを特徴とするポリチオール化合物の製造方法である。
<7> 前記有機溶媒が、ジエチルエーテルベンゼントルエンキシレンジクロロエタンクロロホルム及びクロロベンゼンからなる群より選択される1以上である、上記<6>に記載のポリチオール化合物の製造方法である。
<8> 前記無機塩基が、炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸マグネシウム炭酸カルシウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムからなる群より選択される1以上である、上記<6>または<7>に記載のポリチオール化合物の製造方法である。
<9> 前記(抱水)ヒドラジン、アンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基の添加量が、前記チウロニウム塩中のチウロニウム基に対して0.4から1.2等量である、上記<6>から<8>のいずれかに記載のポリチオール化合物の製造方法である。

発明の効果

0006

本発明により、長期保管や高温による色相悪化の起こりにくい光学材料用ポリチオール化合物を得ることが可能となった。

0007

本発明は、全窒素量が50〜600ppmであるポリチオール化合物であり、高度数レンズなど厚みがあるレンズを作製することを考慮すると、より好ましくは50〜300ppmであり、特に好ましくは50〜150ppmである。窒素含有量は50ppm未満でも問題ないが精製が困難である。ポリチオール化合物中の全窒素量が、50〜600ppmの範囲内であれば長期間ポリチオール化合物の色相の大幅な悪化は起こらず、長期保管後のポリチオール化合物を用いても得られる樹脂の色相悪化はわずかでありブルーイング剤の配合量の変更などを行う必要がない。また、ポリチオール化合物の劣化を防止するための温度管理なども不要になるため、レンズ物性の向上のみならずコストの削減にもつながる。

0008

全窒素量はポリチオール化合物を酸洗浄することで、ある程度の低減が可能であるが、酸洗浄のみでは600ppm以下まで低減することは難しく、全窒素量を低減可能な製造法が必要であった。

0009

以下に本発明のポリチオール化合物の製造方法を前記式(1)の化合物を例に詳細に説明する。
前記式(1)のポリチオール化合物の原料である下記式(2)で表されるポリアルコールは、エピクロロヒドリン2−メルカプトエタノールとをアルカリ存在下反応させて合成する。



合成したポリアルコールを鉱酸中、チオ尿素と反応させ、得られたチウロニウム塩を有機溶媒共存下、(抱水)ヒドラジン、アンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基(以下、「アミン系塩基」と呼ぶことがある)と無機塩基(ただし、(抱水)ヒドラジンおよびアンモニアを除く)により加水分解を行うことで前記式(1)で表されるポリチオールが得られる。(抱水)ヒドラジンとはヒドラジンまたは抱水ヒドラジンを指す。

0010

具体的に、式(2)で表されるポリアルコールから式(1)で表されるポリチオール化合物を合成する方法としては、例えば以下のようにチウロニウム塩化工程、加水分解工程を経て行う。チウロニウム塩化工程では、式(2)で表されるポリアルコールに、分子内のヒドロキシ基と等量である3等量以上、2等量過剰である5等量未満、好ましくはヒドロキシ基に対して1.1等量、つまりポリアルコールに対して3.3等量以上、1等量過剰である4等量未満のチオ尿素を加え反応させる。チオ尿素が少ないと得られるポリチオールの純度が低下し、多すぎると未反応の原材料余剰が多くなり経済的に好ましくない。反応は、式(2)で表されるポリアルコールに対して3等量以上、好ましくは3等量以上6等量以下の鉱酸水溶液中において室温から還流温度の範囲で行う。鉱酸としては、塩酸臭化水素酸ヨウ化水素酸硫酸リン酸等が使用できる。十分な反応速度が得られ、しかも製品の着色を制御する観点から、塩酸が好ましい。

0011

続いて、加水分解反応では、上記の反応液と有機溶媒を撹拌、混合させながらアミン系塩基及び無機塩基を含む塩基を加えて行う。有機溶媒は反応を進行させるのであれば特に制限はないが、好ましくはエーテル類芳香族炭化水素類ハロゲン化炭化水素類が用いられる。具体例としては、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等が挙げられる。中でも好ましくはトルエンである。加水分解時に有機溶媒を共存させることによりポリチオール化合物中の窒素成分を除去する効果を向上することが可能となる。適切な量の塩基を加えて加水分解を行うことで生成したポリチオールを速やかに有機層に抽出することが可能となり、窒素成分とポリチオール化合物を分離する効果が得られる。

0012

加水分解工程で加える(抱水)ヒドラジン、アンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基としては、例えば、アンモニア、(抱水)ヒドラジン、メチルアミンエチルアミンプロピルアミンイソプロピルアミンブチルアミンジメチルアミンジエチルアミンジイソプロピルアミンジプロピルアミンジブチルアミンなどを挙げることができる。これらの中で好ましい具体例は、アンモニア、(抱水)ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、及びブチルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物であり、より好ましくは、アンモニアと(抱水)ヒドラジンであり、さらに好ましくは(抱水)ヒドラジンである。(抱水)ヒドラジンとしては抱水ヒドラジンが好ましい。加水分解工程で用いる(抱水)ヒドラジン、アンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基の量は、チウロニウム塩化合物中のチウロニウム基に対して0.4から1.2等量、より好ましくは、チウロニウム基に対して0.6〜1等量である。加える(抱水)ヒドラジン、アンモニアおよびアミンからなる群から選択される1種以上の塩基の量が少なすぎると収率が低下し、多すぎると全窒素量が増加する。

0013

加水分解反応で用いる無機塩基は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。好ましくは水酸化ナトリウムと水酸化カリウム、より好ましくは、水酸化ナトリウムである。加える無機塩基の量は、無機塩基とアミン系塩基の添加量の和がチウロニウム塩化反応工程での鉱酸使用量に対して0.9等量以上3等量以下、より好ましくは1等量以上2等量以下となる量である。少なすぎると反応進行が不十分となり、多すぎると収率が低下する。

0014

こうして生成する式(1)で表されるポリチオール化合物は、有機層を取り出した後に、酸洗水洗濃縮濾過により精製を行うことができる。

0015

本発明で使用するポリイソシアネート化合物は、一分子中に少なくとも2個以上のイソシアネートを有する化合物であれば特に限定されないが、その具体例としては、ジエチレンジイソシアネートテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,6−ビス(イソシアネートメチル)デカヒドロナフタレンリジントリイソシアネートトリレンジイソシアネートo−トリジンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートジフェニルエーテルジイソシアネート、3−(2’−イソシアネートシクロヘキシルプロピルイソシアネート、イソプロピリデンビスシクロヘキシルイソシアネート)、2,2’−ビス(4−イソシアネートフェニルプロパントリフェニルメタントリイソシアネート、ビス(ジイソシアネートトリルフェニルメタン、4,4’,4’’−トリイソシアネート−2,5−ジメトキシフェニルアミン、3,3’−ジメトキシベンジジン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートビフェニル、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルビフェニルジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,1’−メチレンビス(4−イソシアネートベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−メチル−4−イソシアネートベンゼン)、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(2−イソシアネート−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ナフタレン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)ジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、ビス(イソシアネートメチル)ノルボルネン、ビス(イソシアネートメチル)アダマンタンチオジエチルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、ビス〔(4−イソシアネートメチル)フェニルスルフィド、2,5−ジイソシアネート−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアネートメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアネートメチルチオフェンジチオジエチルジイソシアネート、ジチオジプロピルジイソシアネートを挙げることができる。

0016

これらのなかで好ましい具体例は、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアネートメチル)ノルボルネン、および2,5−ジイソシアネートメチル−1,4−ジチアンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物であり、中でも好ましい化合物は、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジイソシアネートであり、さらに好ましい化合物は、イソホロンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンであり、最も好ましい化合物はm−キシリレンジイソシアネートである。

0017

しかしながら、本発明の対象となるポリイソシアネート化合物に関してはこれらに限定されるわけではなく、また、これらは単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
本発明で使用するポリイソシアネート化合物の使用割合モル比)は、特に限定されないが通常はNCO/(SH+OH)=0.7〜2.5の範囲内、好ましくは0.8〜2.25の範囲内、さらに好ましくは1.0〜2.0の範囲内である。上記割合を下回るとレンズ成型時に黄色く着色する場合があり、上回ると耐熱性が低下する場合がある。

0018

本発明で使用するエピスルフィド化合物の例としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタンなどのエピスルフィド類が挙げられる。これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
しかしながら、本発明の対象となるエピスルフィド化合物に関してはこれらに限定されるわけではなく、また、これらは単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
中でも好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドであり、最も好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィドである。

0019

本発明において、複数のポリチオール化合物を併用しても良い。ポリチオール化合物は単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
その具体例としては、メタンジチオール、メタントリチオール、1,2−ジメルカプトエタン、1,2−ジメルカプトプロパン、1,3−ジメルカプトプロパン、2,2−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、ビス(2−メルカプトエチルエーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルオキシ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、1,2,3−トリメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,4−ジメルカプトブタン、2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、2,4−ジメルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチグリコレート、トリメチロールプロパントリスメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1−チアン、2,5−ジメルカプトエチル−1−チアン、2,5−ジメルカプトメチルチオフェン、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビフェニル、ビス(4−メルカプトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)スルホン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3,4−チオフェンジチオール、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンを挙げることができる。
これらのなかで好ましい具体例は、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート)、トリメチロールプロパントリスメルカプトプロピオネートであり、より好ましくは、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ビス(2−メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレートであり、最も好ましい化合物は、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアンである。

0020

本発明の光学材料用組成物を重合硬化して光学材料を得るに際して、重合触媒を添加することが好ましい。重合触媒としては公知のウレタン化触媒、エピスルフィド重合触媒などを用いることができる。好ましくは、有機スズ、アミン、ホスフィンオニウム塩が用いられるが、特に有機スズ、オニウム塩、中でも有機スズ、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩が好ましい。
重合触媒の添加量は、組成物の成分、混合比および重合硬化方法によって変化するため一概には決められないが、通常は光学材料用組成物の合計100質量%に対して、0.0001質量%〜10質量%、好ましくは、0.001質量%〜5質量%、より好ましくは、0.01質量%〜1質量%、最も好ましくは、0.01質量%〜0.5質量%である。重合触媒の添加量が10質量%より多いと急速に重合する場合がある。また、重合触媒の添加量が0.0001質量%より少ないと光学材料用組成物が十分に硬化せず耐熱性が不良となる場合がある。

0021

また、本発明の光学材料を製造する際、光学材料用組成物に紫外線吸収剤、ブルーイング剤、顔料等の添加剤を加え、得られる光学材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。
紫外線吸収剤の好ましい例としてはベンゾトリアゾール系化合物であり、特に好ましい化合物は、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである。
紫外線吸収剤の添加量は、通常、光学材料用組成物の合計100質量%に対して0.01〜5質量%である。

0022

光学材料用組成物を重合硬化させる際に、必要に応じて内部離型剤酸化防止剤重合調整剤等の公知の添加剤を加えても良い。

0023

このようにして得られた光学材料用組成物はモールド等の型に注型し、重合させて光学材料とする。
本発明の光学材料用組成物の注型に際し、0.1〜5μm程度の孔径のフィルター等で不純物を濾過し除去することは、本発明の光学材料の品質を高める上からも好ましい。
本発明の光学材料用組成物の重合は通常、以下のようにして行われる。即ち、硬化時間は通常1〜100時間であり、硬化温度は通常−10℃〜140℃である。重合は所定の重合温度で所定時間保持する工程、0.1℃〜100℃/hの昇温を行う工程、0.1℃〜100℃/hの降温を行う工程によって、又はこれらの工程を組み合わせて行う。
また、硬化終了後、得られた光学材料を50〜150℃の温度で10分〜5時間程度アニール処理を行うことは、本発明の光学材料の歪を除くために好ましい処理である。さらに得られた光学材料に対して、必要に応じて染色、ハードコート、耐衝撃性コート、反射防止防曇性付与等の表面処理を行ってもよい。
本発明の光学材料は光学レンズとして好適に用いることができる。

0024

以下、本発明を合成例、実施例、および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
・ポリチオール化合物の保存安定性試験
ポリチオールを窒素雰囲気下50℃で2か月間保管した。
・ポリチオール化合物のΔAPHA色相変化):
ハーゼンメーターHM−4(株式会社エックス電子設計製)を用いて50℃、2か月の保存試験前後のポリチオール化合物のAPHA値を測定し、その変化量をΔAPHAとした。
・ポリチオール化合物の全窒素量(TN):
製造したポリチオール化合物をTN−2100H(三菱化学アナリテック社製)を用いて全窒素量を測定した。
・プラスチックレンズの色相変化(ΔYI値):
50℃、2か月の保存試験を行う前後のポリチオール化合物を用いて厚さ10mm、φ83mmの樹脂を作製して、それらの樹脂のYIを分光色彩計JS555(カラーテクノシステム社製)を用いて測定し、その値の差をΔYI値とした。

0025

合成例(ポリアルコール化合物の合成とチウロニウム塩化反応)
攪拌機還流冷却管窒素ガスパージ管、および温度計を取り付けた2L4つ口反応フラスコ内に、水76.0質量部と48質量%の水酸化ナトリウム水溶液90.0質量部(1.08mol)を装入した。20℃にて2−メルカプトエタノール169質量部(2.16mol)を10分かけて滴下装入した後、エピクロロヒドリン99.9質量部(1.08mol)を同温度にて2時間かけて滴下装入した後に30℃に昇温し1時間熟成を行った。
次に、36質量%塩酸水450.1質量部(4.44mol)、チオ尿素271.7質量部(3.57mol)を装入し3.5時間110℃加熱還流を行ってチウロニウム塩化を行った。

0026

実施例1
合成例で合成したチウロニウム塩を50℃に冷却し、トルエン450.0質量部を加えた後に、有機層と水層が均一に混ざるように撹拌を行いながら抱水ヒドラジン97.5質量部(1.95mol)、48%水酸化ナトリウム225.7質量部(2.71mol)を装入して加水分解反応を2時間行った後に水層を酸性にして式(1)で表される化合物を主成分とするポリチオールのトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を、400mLの5%硫酸水溶液で1回、400mLの水で2回洗浄を行った後に加熱減圧下で低沸分を除去し、濾過することで式(1)の化合物を主成分とするポリチオール219質量部を得た。得られたポリチオール化合物の全窒素量は60ppmで保存安定性試験前後の色相変化ΔAPHAは0であった。

0027

実施例2〜7
実施例1においてアミン系塩基、及び無機塩基の種類、及び等量比を変更した他は実施例1に従って式(1)の化合物を主成分とするポリチオールを得た。それらのポリチオールの分析結果を表1に示す。

0028

比較例1、2
実施例1において無機塩基を加えずアミン系塩基のみを用いた他は実施例1に従って式(1)の化合物を主成分とするポリチオールを得た。それらのポリチオールの分析結果を表1に示す。

0029

比較例3
実施例1においてアミン系塩基を加えず水酸化ナトリウム水溶液のみを用いた他は実施例1に従って式(1)の化合物を主成分とするポリチオールを得た。そのポリチオールの分析結果を表1に示す。

0030

比較例4
実施例1においてトルエンを加えずに加水分解反応を行った他は実施例1に従って式(1)の化合物を主成分とするポリチオールを得た。そのポリチオールの分析結果を表1に示す。

0031

チオウレタン樹脂の製造
m−キシリレンイソシアナート52質量部、ジ−n−ブチルスズジクロライド0.015質量部、Stepan社製レックUNを0.1質量部、共同薬品社製バイオソーブ583を0.05質量部混合溶解させた。15℃にて各実施例、比較例にて合成した式(1)の化合物を主成分とするポリチオール、及び保存安定性試験後のポリチオール48質量部を装入混合し、混合均一液とした。この混合均一液を600Paにて30分脱泡を行った。その後、1μmPTFEフィルターにて濾過を行った後、ガラスモールドテープからなるモールド型注入した。このモールド型をオーブン投入し、10℃から120℃まで徐々に加温し、20時間で重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型して樹脂を得た。得られた樹脂をさらに130℃で2時間アニールを行いチオウレタン樹脂からなる光学材料を得た。各ポリチオールを用いたチオウレタン樹脂のΔYIの評価結果を表1に示す。

0032

エピスルフィド樹脂の製造
ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド77質量部、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン9質量部、さらに各実施例、比較例にて合成した式(1)の化合物を主成分とするポリチオール、及び保存安定性試験後のポリチオール14質量部に、重合触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイド0.2質量部、ジブチルスズジクロライド0.05質量部を添加し、室温で均一液とした。この混合均一液を600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmのPTFEフィルターにて濾過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入し、20℃から100℃まで20時間かけて加熱し重合硬化させた。その後脱型し、エピスルフィド樹脂からなる光学材料を得た。各ポリチオールを用いたエピスルフィド樹脂のΔYIの評価結果を表1に示す。

0033

実施例

0034

表1の結果より、本発明のポリチオール化合物は、ΔAPHA(色相変化)が0〜5と低く優れていることがわかる。一方、比較例1〜4のポリチオール化合物のΔAPHA(色相変化)は11〜16であり、本発明より劣っている。また、本発明のポリチオール化合物を用いたチオウレタン樹脂は、ΔYI値(色相変化)が0〜0.5と低く優れていることがわかる。一方、比較例1〜4のポリチオール化合物を用いたチオウレタン樹脂のΔYI値(色相変化)は1.5〜2.1であり、本発明より劣っている。更に、本発明のポリチオール化合物を用いたエピスルフィド樹脂は、ΔYI値(色相変化)が0〜0.2と低く優れていることがわかる。一方、比較例1〜4のポリチオール化合物を用いたエピスルフィド樹脂のΔYI値(色相変化)は0.6〜0.9であり、本発明より劣っている。

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