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技術 端子、ワイヤハーネス、端子と被覆導線の接続方法およびワイヤハーネス構造体

出願人 古河AS株式会社古河電気工業株式会社
発明者 外池翔川村幸大木原泰折戸博阿部久太郎青井恒夫山中浩司川村知生
出願日 2014年10月15日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-542627
公開日 2017年3月9日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 WO2015-056692
状態 特許登録済
技術分野 はんだ付け、接着又は永久変形による接続 つきさし又はネジ・ナットによる接続 電気接続器の製造又は製造方法(2)
主要キーワード 延び量 丸型端子 部分平面 押圧処理 金属条 部分展開 圧着金型 被覆圧
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月9日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

導線圧着部(7)には、軸方向に所定の間隔をおいて、線状の係止部である凹部(13a、13b、13c)が設けられる。凹部(13a、13b、13c)は、圧着部(5)の内面に、凹状に連続した溝である。上金型(30a)には、導線圧着部(7)に対応する部に、ストレート部が形成され、その前後方向にはテーパ部が形成される。すなわち、上金型(30a)は、圧着方向に中央部が突出する逆台形状に形成される。したがって、ストレート部とテーパ部との境界には、金型角部(32)が形成される。上金型(30a)のストレート部に対応する部位には、凹部(13a)が設けられ、金型角部(32)に対応する部位には凹部(13b)が設けられる。

概要

背景

従来、被覆導線に接続される端子として、圧着部と端子本体とからなる端子が用いられている。このような端子の圧着部の圧着面には、導線の一部を係止するものとして、セレーション(凹部)とよばれる係止部が所定間隔を隔てて複数列形成される。セレーションは、被覆導線の被覆から露出した導線に圧着時に食い込むことにより、圧着部からの導線の抜けを防ぐ(例えば、特許文献1)。

概要

導線圧着部(7)には、軸方向に所定の間隔をおいて、線状の係止部である凹部(13a、13b、13c)が設けられる。凹部(13a、13b、13c)は、圧着部(5)の内面に、凹状に連続した溝である。上金型(30a)には、導線圧着部(7)に対応する部に、ストレート部が形成され、その前後方向にはテーパ部が形成される。すなわち、上金型(30a)は、圧着方向に中央部が突出する逆台形状に形成される。したがって、ストレート部とテーパ部との境界には、金型角部(32)が形成される。上金型(30a)のストレート部に対応する部位には、凹部(13a)が設けられ、金型角部(32)に対応する部位には凹部(13b)が設けられる。

目的

本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、圧着部における割れを抑制することが可能な端子等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

端子本体と筒状の圧着部からなり、被覆導線に接続される端子であって、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記導線圧着部の内面には、複数の凹部が設けられ、前記凹部は、前記導線圧着部の軸方向に対して複数列に形成され、前記導線圧着部の軸方向の略中央に形成される主凹部と、前記主凹部の両側に形成される副凹部とを含み、前記主凹部は、前記被覆圧着部の略全周にわたって形成され、前記副凹部は、前記主凹部よりも形成範囲が短く、前記被覆圧着部の上方には形成されないことを特徴とする端子。

請求項2

前記凹部は、複数の小凹部が前記導線圧着部の周方向に併設されて構成されることを特徴とする請求項1記載の端子。

請求項3

前記小凹部は、前記導線圧着部の周方向において、圧着方向に対応する略上下部に設けられる第1小凹部と、前記導線圧着部の圧着方向に略垂直な両側部に設けられる第2小凹部と、前記第1小凹部と前記第2小凹部との間に設けられる第3小凹部と、を具備し、前記第1小凹部の周方向の長さは、前記第3小凹部の周方向の長さよりも短く、前記第2小凹部の周方向の長さは、前記第3小凹部の周方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項2に記載の端子。

請求項4

被覆導線と端子とが接続されるワイヤハーネスであって、前記端子は、端子本体と筒状の圧着部からなり、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記導線圧着部の内面には、複数の凹部が設けられ、前記凹部は、前記導線圧着部の軸方向に対して複数列に形成され、前記導線圧着部の軸方向に対して、略中央に形成される主凹部と、前記主凹部の両側に形成される副凹部とを含み、前記主凹部は、前記被覆圧着部の略全周にわたって形成され、前記副凹部は、前記主凹部よりも形成範囲が短く、前記被覆圧着部の上方には形成されず、前記導線圧着部は、前記導線圧着部の軸方向の略中央のストレート部の圧縮率が高く、前記導線圧着部の軸方向の前記ストレート部の両側にテーパ部が形成され、前記ストレート部には、前記主凹部が位置し、前記ストレート部と前記テーパ部の境界部には、前記副凹部が位置することを特徴とするワイヤハーネス。

請求項5

前記導線がアルミニウム系材料で構成されることを特徴とする請求項4記載のワイヤハーネス。

請求項6

端子と被覆導線の接続方法であって、前記端子は、端子本体と筒状の圧着部からなり、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記導線圧着部の内面には、複数の凹部が設けられ、前記凹部は、前記導線圧着部の軸方向に対して複数列に形成され、前記導線圧着部の軸方向に対して、略中央に形成される主凹部と、前記主凹部の両側に形成される副凹部とを含み、前記主凹部は、前記被覆圧着部の略全周にわたって形成され、前記副凹部は、記主凹部よりも形成範囲が短く、前記被覆圧着部の上方には形成されず、前記圧着部に前記被覆導線を挿入し、前記導線圧着部を金型で圧着する際に、前記金型は、前記導線圧着部の軸方向の略中央に対応する部位にストレート部が形成され、前記導線圧着部の軸方向の前記ストレート部の両側に対応する部位にはテーパ部が形成され、前記金型は、前記ストレート部で、前記主凹部が配置された部位を圧縮し、前記ストレート部と前記テーパ部の境界部で、前記副凹部が配置された部位を圧縮することを特徴とする端子と被覆導線の接続方法。

請求項7

複数本のワイヤハーネスが束ねられたワイヤハーネス構造体であって、前記ワイヤハーネスは、被覆導線と端子とが接続されており、前記端子は、端子本体と筒状の圧着部からなり、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記導線圧着部の内面には、複数の凹部が設けられ、前記凹部は、前記導線圧着部の軸方向に対して複数列に形成され、前記導線圧着部の軸方向の略中央に形成される主凹部と、前記主凹部の両側に形成される副凹部とを含み、前記主凹部は、前記被覆圧着部の略全周にわたって形成され、前記副凹部は、前記主凹部よりも形成範囲が短く、前記被覆圧着部の上方には形成されないことを特徴とするワイヤハーネス構造体。

技術分野

0001

本発明は、ワイヤハーネスと、これに用いられる端子、端子と被覆導線接続方法およびワイヤハーネス構造体に関する。

背景技術

0002

従来、被覆導線に接続される端子として、圧着部と端子本体とからなる端子が用いられている。このような端子の圧着部の圧着面には、導線の一部を係止するものとして、セレーション(凹部)とよばれる係止部が所定間隔を隔てて複数列形成される。セレーションは、被覆導線の被覆から露出した導線に圧着時に食い込むことにより、圧着部からの導線の抜けを防ぐ(例えば、特許文献1)。

先行技術

0003

特開2012−009178号公報

発明が解決しようとする課題

0004

近年、ワイヤハーネスを軽量化するために、アルミニウム製の導線が用いられる場合がある。導線がアルミニウム製である場合、圧着部にセレーションを設けることで、導線の抜けが防止されるだけでなく、アルミニウムの酸化被膜破壊する効果も得ることができる。

0005

一方、このような圧着部を圧着するために用いられる金型として、導線部を強圧着する部位をストレート部とし、その前後方向の両側にテーパ部を形成したものがある。テーパ部によって、導線を強圧着する部位から、両側に急激な形状変化部が形成されることが防止される。

0006

しかし、圧着金型のストレート部とテーパ部の境界部の角部で圧着された部位には、応力が集中するため割れが生じやすい。特に、セレーションを設けた部位は、端子の肉厚が薄くなるため、割れの起点となりやすい。

0007

本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、圧着部における割れを抑制することが可能な端子等を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

前述した目的を達成するために、第1の発明は、端子本体と筒状の圧着部からなり、被覆導線に接続される端子であって、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記導線圧着部の内面には、複数の凹部が設けられ、前記凹部は、前記導線圧着部の軸方向に対して複数列に形成され、前記導線圧着部の軸方向に対して、略中央に形成される主凹部と、前記主凹部の両側に形成される副凹部とを含み、前記主凹部は、前記被覆圧着部の略全周にわたって形成され、前記副凹部は、記主凹部よりも形成範囲が短く、前記被覆圧着部の上方には形成されないことを特徴とする端子である。

0009

また、前記凹部は、複数の小凹部が前記導線圧着部の周方向に併設されて構成されてもよい。

0010

前記小凹部は、前記導線圧着部の周方向において、圧着方向に対応する略上下部に設けられる第1小凹部と、前記導線圧着部の圧着方向に略垂直な略両側部に設けられる第2小凹部と、前記第1小凹部と前記第2小凹部との間に設けられる第3小凹部と、を具備し、前記第1小凹部の周方向の長さは、前記第3小凹部の周方向の長さよりも短く、前記第2小凹部の周方向の長さは、前記第3小凹部の周方向の長さよりも長くしてもよい。

0011

第1の発明によれば、導線が主に圧着される部位に主凹部が形成され、その前後方向の両側には副凹部が設けられる。この際、副凹部は周方向の長さが短いため、前述した金型のストレート部とテーパ部との境界部で圧着される部位には形成されない。したがって、圧着時に応力が集中する部位に、肉厚の薄い部位が存在せず、割れの発生を抑制することができる。

0012

また、凹部は、複数の小凹部を併設することもできる。このようにすることで、導線を構成する金属がそれぞれの小凹部に流動して、より強固に導線の抜けを防止することができる。

0013

また、圧着部の周方向の位置によって、小凹部の周方向の長さを変えることで、圧着部の圧着時における変形方向を考慮した形態とすることができる。例えば、圧着時に周方向に引っ張り方向の変形が進行する部位は、周方向の長さをあらかじめ短くしておき、圧着時に周方向に圧縮方向の変形が進行する部位は、周方向の長さをあらかじめ長くしておくことで、圧着後の周方向の長さを略均一にすることができる。

0014

第2の発明は、被覆導線と端子とが接続されるワイヤハーネスであって、前記端子は、端子本体と筒状の圧着部からなり、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記導線圧着部の内面には、複数の凹部が設けられ、前記凹部は、前記導線圧着部の軸方向に対して複数列に形成され、前記導線圧着部の軸方向に対して、略中央に形成される主凹部と、前記主凹部の両側に形成される副凹部とを含み、前記主凹部は、前記被覆圧着部の略全周にわたって形成され、前記副凹部は、記主凹部よりも形成範囲が短く、前記被覆圧着部の上方には形成されず、前記導線圧着部は、前記導線圧着部の軸方向の略中央のストレート部の圧縮率が高く、前記導線圧着部の軸方向の前記ストレート部の両側にテーパ部が形成され、前記ストレート部には、前記主凹部が位置し、前記ストレート部と前記テーパ部の境界部には、前記副凹部が位置することを特徴とするワイヤハーネスである。前記導線がアルミニウム系材料で構成されてもよい。

0015

第2の発明によれば、圧着時に前述した金型のストレート部とテーパ部との境界における応力集中部薄肉部が形成されることがなく、信頼性に優れたワイヤハーネスを得ることができる。

0016

第3の発明は、端子と被覆導線の接続方法であって、前記端子は、端子本体と筒状の圧着部からなり、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記導線圧着部の内面には、複数の凹部が設けられ、前記凹部は、前記導線圧着部の軸方向に対して複数列に形成され、前記導線圧着部の軸方向に対して、略中央に形成される主凹部と、前記主凹部の両側に形成される副凹部とを含み、前記主凹部は、前記被覆圧着部の略全周にわたって形成され、前記副凹部は、記主凹部よりも形成範囲が短く、前記被覆圧着部の上方には形成されず、前記圧着部に前記被覆導線を挿入し、前記導線圧着部を金型で圧着する際に、前記金型は、前記導線圧着部の軸方向の略中央に対応する部位にストレート部が形成され、前記導線圧着部の軸方向の前記ストレート部の両側に対応する部位にはテーパ部が形成され、前記金型は、前記ストレート部で、前記主凹部が配置された部位を圧縮し、前記ストレート部と前記テーパ部の境界部で、前記副凹部が配置された部位を圧縮することを特徴とする端子と被覆導線の接続方法である。

0017

第3の発明によれば、圧着時に端子の割れの発生を抑制可能な端子と被覆導線の接続方法を得ることができる。

0018

第4の発明は、複数本のワイヤハーネスが束ねられたワイヤハーネス構造体であって、前記ワイヤハーネスは、被覆導線と端子とが接続されており、前記端子は、端子本体と筒状の圧着部からなり、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記導線圧着部の内面には、複数の凹部が設けられ、前記凹部は、前記導線圧着部の軸方向に対して複数列に形成され、前記導線圧着部の軸方向の略中央に形成される主凹部と、前記主凹部の両側に形成される副凹部とを含み、前記主凹部は、前記被覆圧着部の略全周にわたって形成され、前記副凹部は、前記主凹部よりも形成範囲が短く、前記被覆圧着部の上方には形成されないことを特徴とするワイヤハーネス構造体である。

0019

本発明では、複数本のワイヤハーネスを束ねて用いることもできる。

発明の効果

0020

本発明によれば、圧着部における割れを抑制することが可能な端子等を提供することができる。

図面の簡単な説明

0021

端子1の一部を展開した状態を示す図。
端子1の断面図。
端子1の断面図であり、図2のA部拡大図。
端子1および被覆導線23を示す分解斜視図。
端子1に被覆導線23を挿入した状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は部分断面図。
上金型30a、下金型30bを示す断面図であり、図5(b)びB−B線断面図。
端子1と被覆導線23を圧着した状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は部分断面図。
上金型30a、下金型30bを示す断面図であり、図5(a)びC−C線断面図。
(a)は圧着後の凹部13aの位置を示す図で、図7(b)のD−D線断面図、(b)は圧着後の凹部13bの位置を示す図で、図7(b)のE−E線断面図。
端子1aの一部を展開した状態を示す斜視図。
端子1aの一部を展開した状態を示す部分平面図。
端子1bの一部を展開した状態を示す部分平面図。
端子1cの一部を展開した状態を示す部分平面図。
(a)は小凹部13fを示す図、(b)は小凹部13hを示す図、(c)は小凹部13gを示す図。
圧着後の端子の断面図。
(a)本発明の実施形態に係る電動発電機圧着端子が適用されるステータの構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)のステータに使用される電動発電機用圧着端子付き導線の構成を概略的に示す図である。
本実施形態に係る電動発電機用圧着端子が導線に圧着された状態を示す斜視図である。
図17における筒状圧着部の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は部分断面図である。
(a)〜(e)は、図16(a)の電動発電機用圧着端子付き導線の製造方法を説明するための図である。
図19(b)に示すレーザ溶接工程の詳細を説明する図である。
(a)は、図19(d)に示す押圧工程を説明する図であり、(b)は図19(e)の押圧工程を説明する図である。
(a)および(b)は、図17の電動発電機用圧着端子に取り付けられる平角線を示す図である。
本実施形態に係る電動発電機用圧着端子の変形例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は部分断面図である。

実施例

0022

以下、図面に基づいて、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。図1は、端子1の一部を展開した状態を示す図であり、図2は、端子1の断面図である。

0023

図1図2に示すように、端子1は、端子本体3と圧着部5とからなる。端子1は、銅製である。端子本体3は、所定の形状の板材を、図1に示すように、断面が矩形筒体に形成したものである。端子本体3は、前端部17に、板材を矩形の筒体内に折り込んで形成される弾性接触片15を有する。端子本体3は、前端部17から雄端子などが挿入されて接続される。

0024

圧着部5は、断面が円形の筒体となるように丸められ、側縁部同士接合して一体化することにより形成される。なお、以下の説明において、圧着部5の縁端部同士を接合した側(図2の左側)を端子の上方とし、その対向面側(図2の右側)を端子の下方とする。すなわち、後述する凹部13cが形成される側が下方となる。筒状に形成された圧着部5の後端部19から、後述する被覆導線23が挿入される。圧着部5は、被覆部圧着部9、導線圧着部7からなる。被覆部圧着部9は、後述する被覆導線の被覆部を圧着する部位である。導線圧着部7は、被覆線の被覆部を剥がして露出させた導線25を圧着する部位である。

0025

なお、圧着部5は、略同一円断面の筒状としたが、後端部19から、端子本体3側に複数段に径を変えてもよい。例えば、被覆部圧着部9の内径に対して、導線圧着部7の内径を、やや小さくしてもよい。

0026

導線圧着部7には、圧着部5の軸方向に所定の間隔をおいて、線状の係止部である凹部13a、13b、13cが設けられる。凹部13a、13b、13cは、圧着部5の内面に、凹状に連続した溝である。

0027

図1に示すように、主凹部である凹部13aは、圧着部5の幅方向(筒状にした状態の周方向)の略全体にわたって形成される。なお、幅方向の両縁部は、溶接部となるため、凹部13aは、縁部のわずかに手前まで形成される。副凹部である凹部13bは、凹部13aよりも長さが短い。例えば、凹部13aの半分程度の長さとなる。このため、圧着部5を筒状にすると、凹部13bは、筒の略下半分の半円部分に形成される。凹部13cは、凹部13bよりもさらに短い。凹部13cは、例えば、端子本体3の下面程度の幅に形成される。

0028

図3は、図2のA部拡大図である。凹部13aは、圧着部5の軸方向(図3の左右方向であって、被覆導線の挿入方向)に対して、導線圧着部7の略中央近傍に形成される。凹部13bは、圧着部5の軸方向に対して、凹部13aの両側(前後)に形成される。凹部13cは、凹部13bよりも前方(端子本体3側)に形成される。なお、凹部13a、13b、13cの本数は、図示した例には限られず、適宜設計される。

0029

図4は、ワイヤハーネスを形成する工程を示す図であり、筒状の圧着部5に被覆導線23を挿入する状態を示す図である。前述したように、圧着部5は、略筒状に丸められて、縁部同士が接合部21で接合される。また、圧着部5の前端部(端子本体3側)には封止部22が設けられる。すなわち、圧着部5は、被覆導線23が挿入される後端部19以外は、封止される。なお、接合部21および封止部22は、例えばレーザ溶接等によって溶接される。

0030

被覆導線23は、導線25が絶縁性の被覆部27によって被覆される。被覆導線23を圧着部5に挿入する際には、被覆導線23の先端の一部の被覆部27が剥離され、導線25を露出させておく。なお、被覆部27としては、ポリ塩化ビニルPVC)、ポリエチレン等、この技術の分野において通常用いられるものを選択することができる。

0031

このようにすることで、後述する圧着後において、被覆部圧着部9と被覆部27との密着によって圧着部5を封止することができる。この際、圧着部5の後端部19以外の他の部位は、接合部21および封止部22によって水密に封止されるため、圧着部5への水分の浸入を防止することができる。

0032

次に、図5(a)に示すように、圧着部5に被覆導線23の先端を挿入する。図5(b)は、圧着部5を圧着する上金型30a、下金型30bを配置した状態の部分断面図であり、図6は、図5(b)のB−B線断面図である。

0033

上金型30aには、導線圧着部7に対応する部位に、圧着部5の軸方向に対して断面が略ストレートであるストレート部が形成され、その前後方向にはテーパ部が形成される。すなわち、上金型30aは、圧着方向の略中央部が突出する逆台形状に形成される。したがって、ストレート部は、圧縮率が高く、強圧着部となる。ストレート部とテーパ部との境界には、金型角部32が形成される。上金型30aのストレート部に対応する部位には、凹部13aが設けられ、金型角部32に対応する部位には凹部13bが設けられる。

0034

図7(a)は、圧着部5を圧着した後のワイヤハーネスを示す斜視図であり、図7(b)は、圧着時の上金型30a、下金型30bを含む断面図、図8は、図7(b)のD−D線断面図(凹部は不図示)である。上金型30aと下金型30bとで圧着部5を挟み込み、導線圧着部7と導線25を圧着させる。

0035

図9は、圧着された状態の導線圧着部7を示す断面図(金型は不図示)で、図9(a)は、図7(b)のD−D線断面図であり、凹部13aの位置の断面図、図9(b)は、図7(b)のE−E線断面図であり、凹部13bの位置の断面図である。導線25は、凹部13a、13b、13cに押し込まれるようにして流動する。導線25が凹部13a、13b、13cに押し込まれることで、高い圧着力を確保することができる。また、導線25の表面が流動することで、表面の酸化被膜が破壊され、導線25と導線圧着部7との電気抵抗を低減することができる。このような効果は、特に、導線25がアルミニウム系材料製であることで発揮される。

0036

図9(a)に示すように、上金型30aのストレート部で圧着された部位において、凹部13aは、導線圧着部7の略全周にわたって形成される。したがって、導線25が凹部13aに流動し、導線圧着部7の略全周において、導線25を保持することができる。

0037

一方、金型角部32で圧着された部位においては、凹部13bが形成される。金型角部32は、圧着時に応力が集中する部位となる。このため、上金型30aによって圧着した際、金型角部32に対応する部位では、割れが生じやすい。このため、凹部13bの形成位置が金型角部32によって圧縮されると、凹部13bにより薄肉となる部位に割れが生じやすくなる。本発明では、端子の長手方向に対する導線圧着部7の先後端側の形状変化部(金型によって形成される部位であり、段差部や屈曲部などの応力集中部)においては、凹部13bが形成されない。なお、形状変化部は導線圧着部7の周方向の一部(すなわち金型30aとの接触部)に形成されるため、形状変化部の周方向の他の位置(すなわち金型30bとの接触部)の少なくとも一部には、凹部13bが形成される。このように、凹部13bは、形状変化の無い周方向位置にのみ形成される。一方、周方向の全周にわたって形状変化部の無い部位には凹部13aが略全周にわたって形成される。このように、凹部13bは、端子の長手方向に対して導線圧着部7の形状変化部がない略下半周分にのみ形成され、形状変化部がある導線圧着部7の上面には形成されない。したがって、金型角部32に対応する部位に、薄肉部が形成されず、割れの発生を抑制することができる。

0038

なお、導線25が圧着されると、導線25は軸方向に伸ばされる。このため、圧着部5の前端部側に流動する。凹部13cには、流動した導線25の先端部近傍が押し込まれて、導線25を保持する。なお、本発明では、金型角部32に対応する部位の凹部13bを他の部位よりも短くして、凹部13bが導線圧着部7の上面まで配置されなければよい。このため、凹部13cは必ずしも必要ではなく、また、凹部13cを、圧着部5の略全周に形成してもよい。

0039

このように、第1の実施の形態では、凹部13a、13b、13cに導線25が押し込まれるため、導線25を確実に保持することができる。また、導線圧着部7の、金型角部32に対応する部位には、凹部13bが設けられる。凹部13bは、圧着部5の上面まで連続せず、下半周分程度に形成される。このため、金型角部32に押圧される部位に薄肉部が形成されることを防止することができる。このため、金型角部32によって、圧着部5に割れが生じることを抑制することができる。

0040

次に、第2の実施の形態について説明する。図10は、端子1aの部分展開図であり、図11は、部分平面図である。なお、以下の説明において、端子1と同一の機能を奏する構成については、図1図9と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。端子1aは、端子1とほぼ同様の構成であるが、凹部の形態が異なる。

0041

端子1aは、端子1とは異なり、凹部が連続した線状ではなく、複数の小凹部13dによって形成される。小凹部13dは、略長方形(または略正方形)の矩形形状であり、圧着部5の幅方向(筒状に形成された後の周方向)に所定間隔で複数併設される。

0042

小凹部13dが併設される範囲は、端子1における凹部13a、13b、13cと同様である。すなわち、圧着時に、前述した上金型30aのストレート部に対応する部位には、圧着部5の略全周(すなわち端子1の凹部13aに対応する範囲)にわたって小凹部13dが併設され、金型角部32に対応する部位には、それよりも短い範囲(すなわち、端子1の凹部13bに対応する範囲)に小凹部13dが配置される。また、同様に、端子1の凹部13cに対応する範囲に、小凹部13dが配置される。

0043

このように、本実施の形態では、凹部が複数の小凹部13dによって形成されるため、導線25が流動した際に、金属が各小凹部13dに分断されて押し込まれる。このため、端子1aでは、凹部が連続した端子1よりも、圧着時に導線25の表面をより複雑に流動させることができ、表面の酸化被膜の破壊を促進し、高い圧着力を確保することができる。

0044

なお、図12に示す端子1bのように、小凹部13dに代えて、小凹部13eとすることもできる。端子1bは、小凹部13eが平行四辺形に形成される以外は、端子1aと同様である。すなわち、小凹部13eが複数併設されて、所定の範囲に形成される。

0045

このように、第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、小凹部13d、13eを併設して所定の範囲に凹部を形成することで、導線25の表面の流動が複雑になることから、酸化被膜の破壊の促進や高い圧着力を確保することができる。

0046

次に、第3の実施の形態について説明する。図13は、端子1cの展開図の部分平面図である。端子1cは、端子1a、1bと同様に、凹部が複数の小凹部で形成されるが、小凹部13d、13eに代えて、小凹部13f、13g、13hが設けられる点で異なる。

0047

小凹部13f、13g、13hが設けられる範囲は、端子1の凹部13a、13b、13cが設けられた範囲とほぼ同様である。すなわち、端子1a、1bの小凹部13d、13eが設けられた範囲とほぼ同様である。

0048

小凹部13f、13g、13hは、圧着部5の軸方向の長さ(図中矢印G方向)は、略同一であるが、圧着部5の幅方向(筒状にした後の周方向であって、図中矢印H方向)の長さがそれぞれ異なる。

0049

図14(a)〜(c)は、小凹部13f、13g、13hの拡大図である。図14(a)に示すように、第1小凹部である小凹部13fの長さ(図中矢印G方向の長さ。以下同様。)をI1とし、幅(周方向長さ)(図中矢印H方向の長さ。以下同様。)をJ1とする。また、図14(b)に示すように、第2小凹部である小凹部13hの長さをI2とし、幅(周方向長さ)をJ2とする。また、図14(c)に示すように、第3小凹部である小凹部13gの長さをI3とし、幅(周方向長さ)をJ3とする。この場合、I1≒I2≒I3であり、J3>J2>J1の関係を満たす。

0050

図13に示すように、圧着部5の幅(周)方向の略中央部には小凹部13fが併設される(図中領域C)。また、略中央の領域Cの両側には、小凹部13hが併設される(図中領域E)。また、それぞれの領域Eのさらに両側には、小凹部13gが併設される(図中領域D)。また、それぞれの領域Dのさらに両側には、小凹部13h、13fが順に併設される(図中領域E、C)。すなわち、圧着部5は、中央部から順に、領域C→E→D→E→Cの順に区分され、領域Cには小凹部13f、領域Dには小凹部13g、領域Eには小凹部13hが併設される。

0051

図15は、圧着後の導線圧着部7の断面図である。このようにして各小凹部が配置された導線圧着部7を前述したように金型で圧着すると、導線圧着部7は、図15に示すように変形する。ここで、導線圧着部7の断面は、圧着方向(図中矢印K方向)に対して潰される。この際、導線圧着部7は、圧着方向である略上下面(図中領域N)と、圧着方向に略垂直な面である両側面(図中領域O)と、それぞれの間であって、略コーナー部に対応する領域Pに区分される。

0052

この場合、領域Nは、圧着時に周方向に引張変形する(図中矢印L方向)。一方、領域Oでは、圧着時に周方向に圧縮変形する(図中矢印M方向)。また、領域Pでは、その中間であって、引張変形や圧縮変形がほとんど生じない部位となる。

0053

ここで、図13に示した展開図において、圧着部5の両縁部を接合して圧着部5を筒状にすると、領域Nには、導線圧着部7の領域Cが対応し、領域Oには、導線圧着部7の領域Dが対応し、領域Pには、導線圧着部7の領域Eが対応する。

0054

したがって、前述したように、領域Nには、小凹部13fが設けられ、領域Oには、小凹部13gが設けられ、領域Pには、小凹部13hが設けられる。小凹部13fは、圧着前では最も幅が小さいが、圧着時には、その周方向への引張変形によって周方向に伸ばされる。また、小凹部13gは、圧着前では最も幅が大きいが、圧着時には、その周方向への圧縮変形によって周方向に縮められる。また、小凹部13hは、圧着前後で、幅には大きな変動がない。

0055

この結果、圧着後では、小凹部13f、13g、13hの幅が互いに近づき、概ね同一の形状となる。なお、小凹部13f、13g、13hは、圧着時に導線25の一部が入り込みやすいサイズがある。例えば、小凹部13f、13g、13hが小さすぎると、導線25は小凹部13f、13g、13hへ押し込まれにくくなる。一方、小凹部13f、13g、13hが大きすぎると、凹部を複数の小凹部に分割した効果が小さくなる。

0056

本実施の形態では、圧着後に、各小凹部の大きさが、導線25が押し込まれやすく、かつ、表面の酸化被膜の破壊や圧着力の確保に適したサイズとなるように、圧着前の各小凹部のサイズを最適化したものである。したがって、圧着後の導線圧着部7の周方向のいずれの一位おいても、適切な小凹部のサイズを確保することができる。なお、本発明では、例えば小凹部13hの形状を、幅0.4mm×長さ0.2mm程度とし、小凹部13f、13gは、これを基準に幅を増減させればよい。

0057

なお、上述の各実施例は当然に組み合わせることができる。例えば、端子1cにおいて、各小凹部を平行四辺形にすることもできる。また、小凹部の形状は、矩形のみではなく、円形(楕円形)などの他の形状としてもよい。また、実施例は、電線にアルミニウムを使った場合を記載したが、これに限定されず、電線に銅を使っても良い。

0058

次に、他の実施の形態について説明する。以下の実施形態は、電動発電機のステータ等に使用される平角線に関する。平角線は、例えば特開2009−112186号公報に開示されている。以下の実施形態の目的は、ステータの平角線と圧着端子とが異種金属である場合であっても、良好な電気的接続および止水性両立して、優れた密着性を実現することができる圧着端子、圧着端子付き導線および圧着端子付き導線の製造方法を提供することにある。

0059

図16(a)は、本発明の実施形態に係る電動発電機用圧着端子が適用されるステータのコイルの構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)のステータに巻かれる電動発電機用圧着端子付き導線の構成を概略的に示す図である。

0060

図16に示すように、電動発電機のステータは、複数の各相巻線で形成される三相のコイル101と、ステータコア(不図示)とを備えている。このコイル101の巻線は、複数の導線102で構成され、導線102の端部には電動発電機用圧着端子110(以下、単に圧着端子という)が取り付けられている。圧着端子110は、ボルトなどの係合部材103を介して、他の圧着端子あるいは外部回路電気的に接続される。

0061

電動発電機用圧着端子付き導線105は、図16(b)に示すように、連続したパターン形状を有する導線102と、該導線の端部に圧着された圧着端子110とで構成されている。導線102のパターン形状は、コイル101に組み込むために、予め曲げ加工によって形成される。

0062

図17は、圧着端子110が導線102に圧着された状態を示す斜視図である。なお、図17の圧着端子は、その一例を示すものであり、本発明に係る圧着端子の構成は、図16のものに限られないものとする。

0063

図17に示す如く、圧着端子110は、外部端子と電気的に接続されるコネクタ部120と、該コネクタ部とトランジション部130を介して一体的に設けられ、断面略矩形の導線102(平角線)と圧着される筒状圧着部140とを備えている。圧着端子110は、例えば、銅あるいは銅合金一体形成され、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製の導体芯線)を有する導線102に取り付けられる。本実施形態では、コネクタ部120と筒状圧着部140とが一体成形されるが、コネクタ部と筒状圧着部を別体で成形し、これらを接合、もしくは溶接することで圧着端子を作製してもよい。

0064

コネクタ部120は、孔121が形成された丸型端子LA端子)であり、孔121にボルト等が挿入されて他の端子あるいは外部回路と接続されることで、コネクタ部120が外部と導通する。コネクタ部120は丸型端子であるが、他の端子あるいは外部回路と係止あるいは嵌合して電気的に接続し得るものであれば、他の形状であってもよい。

0065

筒状圧着部140は、図18(a)に示すように、トランジション部130側が閉塞された断面略矩形の筒状体であって、導線102が挿入される挿入口141と、導線102の被覆部と圧着される被覆圧着部142と、該被覆圧着部のトランジション部130側に配置され、導線102の導体と圧着される導体圧着部143と、挿入口141側からトランジション部130側に向かって縮径する縮径部144とを有している。すなわち本実施形態では、断面略矩形の導線102端部に、断面略矩形の筒状圧着部140が圧着される。

0066

この筒状圧着部140では、導線102端部を挿入口141に挿入した状態で筒状圧着部140を加締めることで、筒状圧着部140が塑性変形して導線102の被覆部および導体と圧着され、これにより、筒状圧着部140と導線102の導体とが電気的に接続される。

0067

具体的には、導体圧着部143は、筒状圧着部140の内側に突出し、且つ導線102の導体と電気的に接続される突起部143a(第1突起部)を有している(図18(b))。また、被覆圧着部142は、筒状圧着部140の内側に突出し、且つ導線102の被覆部に嵌入される突起部142a(第2突起部)を有する。突起部143aの高さH1は、突起部142aの高さH2よりも高く設計されており、また、突起部143aは、導線102の被覆部を突き破って導体に到達できるよう、頂角部143bを有する先細形状となっている。

0068

突起部143a,143aは、それぞれ筒状圧着部140の面145a,145b(一対の対向面)に形成されており、各突起部は、筒状圧着部140の長手方向に略直角に形成された突条(第1突条)をなしている。また、突起部142a,142a,142a,142aは、それぞれ筒状圧着部140の4面145a〜145dに形成されており、各突起部は、筒状圧着部140の長手方向に略直角に形成された突条(第2突条)をなしている。

0069

突起部143aは導線102の被覆部を突き破って導体と導通し、また、突起部142aは導線の被覆部を突き破ること無く当該被覆部に嵌入される。なお本実施形態では、筒状圧着部140の一面に2つの突条が形成されているが、突条が1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、突起部143aは条形状でなくてもよく、導通を確保しうる形状であれば他の形状であってもよい。また、突起部142aも、止水性を確保しうる形状であれば他の形状でもよい。

0070

次に、圧着端子および圧着端子付き導線の製造方法を、図19を用いて説明する。

0071

先ず、銅合金、アルミ合金、鋼などの金属からなる板材を圧延して、所定厚さの金属条を作製する。そして金属条を打ち抜き加工して、圧着端子が平面展開した基材161を形成する(図19(a))。このとき、コネクタ部120およびトランジション部130が形成される。

0072

次に、基材161に曲げ加工を施して、断面略矩形の圧着部用筒状体162を形成する(図19(b))。このとき、圧着部用筒状体162の上部には、突き合わせ部170が、圧着部用筒状体の一面の略中央に、当該筒状体の長手方向に沿って形成される(図19(c),図20)。そして、圧着部用筒状体162の上方からファイバレーザ光Lを照射し、突き合わせ部170に沿ってファイバレーザ光Lを掃引し、当該部分にレーザ溶接を施す。上記打ち抜き加工において突き合わせ部170が圧着部用筒状体162の幅方向略中央に形成されるように打ち抜きを行い、上記曲げ加工において基材161に左右均等な圧力を加えることで、突き合わせ部170が面接触し、溶接性が向上する。また、突き合わせ部170が圧着部用筒状体162の幅方向略中央に形成されることで、レーザ加工がしやすくなる。

0073

また、圧着部用筒状体162のトランジション部130側端部を閉塞するべく、突き合わせ部170と略直角に、当該筒状体の幅全体に亘ってレーザ溶接を施す。これにより、断面略矩形の筒状圧着部が形成され、電動発電機用圧着端子が製造される。

0074

次いで、筒状圧着部140に断面略矩形の導線102を挿入する(図19(c))。このとき、筒状圧着部140に導線が隙間無く挿入されることで優れた止水性を実現することができ、特に、図23に示すように予め突起部を筒状圧着部に形成する場合と比較して、止水性が向上する。また本実施形態では、導線挿入前の筒状圧着部140内に突起部が形成されていないため、挿入作業を容易に行うことが可能である。また、筒状圧着部140の所望の位置まで導線102を確実に挿入することができる。

0075

その後、筒状圧着部140のトランジション部130側の所定位置を押圧して、筒状圧着部140の内側に突出する突起部143aを形成すると共に該突起部と導線102の導体102aを電気的に接続する(図19(d))。このとき、先細形状の突起171a,171bがそれぞれ形成されたプレス面172a,172bで、筒状圧着部140の面145a,145bを押圧する(図21(a))。これにより、筒状圧着部140の上下面に突起部143aが形成される。また、導線102は、後述するように、導体102a、内側層102bおよび外側層102cを有しているが、本押圧工程により、突起部143aが形成されると同時に先細形状の頂角部143bが形成されるため、突起部143aが内側層102bおよび外側層102cを突き破って導体102aに到達し、筒状圧着部140と導体102aとが電気的に接続される。なお、本押圧処理を施すと、導体102aがトランジション部130側に若干延びるため、上記挿入工程において、導体102aの延び量を考慮して導線102の位置決めを行う。

0076

次に、筒状圧着部140の挿入口141側の所定位置を押圧して、筒状圧着部140の内側に突出する突起部142aを形成すると共に該突起部と導線102の外側層102cを嵌着する(図19(e))。このとき、突起173a〜173dがそれぞれ形成されたプレス面174a〜174dで、筒状圧着部140の面145a〜145d(4面)を押圧する(図21(b))。これにより、筒状圧着部140の上下左右の面に突起部143aが形成される。またこのとき、プレス面174aにおける突起173aは、その高さが突起171aよりも低く、また、内側層102bおよび外側層102cの厚さを考慮して決定されるため、突起部143aが導体102aまで到達することはない。本押圧工程により、筒状圧着部140の全周が突起部142aによって内側層102bに嵌着され、突起部142aを境界として筒状圧着部140の内部空間と外部とが遮断され、止水性が確保される。

0077

なお、上記製造方法において、突起部142aと導線102の外側層102cとを嵌着する工程(図19(e))は、突起部143aと導線102の導体102aとを電気的に接続する工程(図19(d))の後のタイミングで実行されるが、これに限らず、突起部143aと導線102の導体102aとを電気的に接続する工程と同じタイミングで実行されてもよい。

0078

図22(a)は、図17の圧着端子110に取り付けられる導線102を示す図である。

0079

同図に示すように、導線102は、断面略矩形の導体102aと、導体102aを被覆する内側層102bと、内側層102bを被覆する外側層102cとを有している。内側層102bは、耐熱性・絶縁性の観点から、例えばポリイミドポリアミドイミドからなり、エナメル塗料を導体102aに塗布することにより形成される。外側層102cは、例えばナイロンなどの絶縁材からなる。内側層102bがエナメルの場合、その厚さによっては内側層102bが硬い被覆層となる場合があるが、本実施形態では突起部143aが頂角部143bを有しているため、該頂角部が内側層102bを確実に突き破ることができ、筒状圧着部140と導体102aとの導通が確保される。

0080

なお、本実施形態において、導線102は、内側層102bおよび外側層102cからなる被覆部を有するが、図22(b)に示すように、1層の被覆部を有する導線が使用されてもよい。例えば導線180は、銅又は銅合金からなる導体181と、ポリイミドやポリアミドイミドからなる被覆層182とで構成されてもよい。

0081

上述したように、本実施形態によれば、筒状圧着部140が、導線102が挿入される断面略矩形の筒状体であり、筒状体は、導線102の導体102aと電気的に接続される突起部143aと、導線102の外側層102cに嵌入される突起部142aとを有している。すなわち、突起部143aが導体102aまで突設することで導体102aと導通し、さらに、突起部142aが導体102aと接触することなく外側層102cまで突設することで筒状体内部と外部とが遮断される。したがって、平角線である導線102と圧着端子110とが異種金属である場合であっても、良好な電気的接続および止水性を両立して、優れた密着性を実現することができる。

0082

また上記製造方法によれば、筒状圧着部140の一部を押圧して、突起部143aを形成すると共に突起部143aと導線102の導体102aを電気的に接続し、さらに、筒状圧着部140の他の一部を押圧して、突起部142aを形成すると共に突起部142aと導線102の外側層102cを嵌着する。これにより、良好な電気的接続および止水性を両立して、優れた密着性を実現することができる。また、導線102端部の被覆部を剥がす端末処理が必要なく、導線102を筒状圧着部140に挿入して圧着処理を行うことで上記効果を実現することができ、製造工程を簡略化することが可能となる。

0083

以上、上記実施形態に係る圧着端子の製造方法について述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。

0084

例えば、上記実施形態では、導線圧着時に筒状圧着部140に突起部142a,143aを形成したが、これに限らず、導線圧着前に筒状圧着部に突起部が形成されていてもよい。例えば、図23(a)に示すように、圧着端子190は、外部端子と電気的に接続されるコネクタ部191と、該コネクタ部とトランジション部192を介して一体的に設けられ、平角線と圧着される筒状圧着部193とを備える。そして、筒状圧着部193は、導線が挿入される挿入口194と、導線の被覆部と圧着される被覆圧着部195と、該被覆圧着部のトランジション部192側に配置され、導線の導体と圧着される導体圧着部196と、挿入口194側からトランジション部192側に向かって縮径する縮径部197とを有している。導体圧着部196は、筒状圧着部193の内側に突出し、且つ導線の導体と電気的に接続される突起部196aを有する(図23(b))。また、被覆圧着部195は、筒状圧着部193の内側に突出し、且つ導線の被覆部に嵌入される突起部195aを有する。突起部196aの高さH1’は、突起部195aの高さH2’より高い。また、突起部196aの高さH1’は、突起部143aの高さH1よりも小さく(H1’<H1)、突起部195aの高さH2’は、突起部142aの高さH2よりも小さい(H2’<H2)。これら突起部195a,196aは、圧着時に内側に押圧されることで更に内側に突出し、それぞれ図18(b)に示す突起部142a,143aと同じ高さとなる。

0085

このように、導線圧着前に筒状圧着部193に突起部195a,196aが予め形成されることで、圧着時に突起部195a,196aあるいはその近傍の板厚が薄くなるのを抑制することができ、筒状圧着部193の機械的強度を更に高めることが可能となる。

0086

また、上記実施形態では、溶接工程前に、圧着用筒状体に突き合わせ部が形成されるが、重ね合わせ部のみが形成されてもよく、また、突き合わせ部および重ね合わせ部の双方が形成されてもよい。

0087

また、溶接工程ではファイバレーザ溶接を施すが、これに限らず、突き合わせ部あるいは重ね合わせ部を溶接することができる他の溶接方法が採用されてもよい。

0088

また、上記実施形態では、電動発電機用圧着端子付き導線105は、導線102と圧着端子110とで構成されているが、更に確実な止水性を実現するために、筒状圧着部140の挿入口141側の端部を覆うように樹脂等を塗布して形成されたシール部を有していてもよい。

0089

このように、本実施形態に係る圧着端子は、外部端子と電気的に接続されるコネクタ部と、前記コネクタ部と連結され、断面略矩形の導線と圧着される筒状圧着部とを備える圧着端子であって、前記筒状圧着部は、前記導線が挿入される断面略矩形の筒状体であり、前記筒状体は、該筒状体の内側に突出し、前記導線の導体と電気的に接続される第1突起部と、前記筒状体の内側に突出し、前記導線の被覆部に嵌入される第2突起部とを有することを特徴とする。

0090

前記第1突起部の高さは、前記第2突起部の高さより高い。

0091

前記第2突起部は、前記筒状体の4面に形成され、前記筒状体の長手方向に略直角に形成された第2突条である。

0092

また、本実施形態の目的を達成するために、本実施形態に係る圧着端子付き導線は、端部に圧着端子が圧着された断面略矩形の圧着端子付き導線であって、前記圧着端子は、外部端子と電気的に接続されるコネクタ部と、前記コネクタ部と連結され、前記導線と圧着される筒状圧着部と備え、前記筒状圧着部は、前記導線が挿入される断面略矩形の筒状体であり、前記筒状体は、該筒状体の内側に突出し、前記導線の導体と電気的に接続される第1突起部と、前記筒状体の内側に突出し、前記導線の被覆部に嵌入される第2突起部とを有することを特徴とする。

0093

また、前記第1突起部の高さは、前記第2突起部の高さより高い。

0094

また、前記第2突起部は、前記筒状体の4面に形成され、前記筒状体の長手方向に略直角に形成された第2突条である。

0095

前記導線は、曲げ加工により形成されたパターン形状を有していてもよい。

0096

また、前記圧着端子が銅又は銅合金からなり、前記導体がアルミニウム又はアルミニウム合金からなるのが好ましい。

0097

また、本実施形態の目的を達成するために、本実施形態に係る圧着端子付き導線の製造方法は、外部端子と電気的に接続されるコネクタ部、および前記コネクタ部と連結され、導線と圧着される筒状圧着部を備える圧着端子と、断面略矩形の導線とで構成される圧着端子付き導線の製造方法であって、板材に曲げ加工を施して、突き合わせ部を有する断面略矩形の筒状体を成形する工程と、前記筒状体の突き合わせ部を溶接して、筒状圧着部を形成する工程と、前記筒状圧着部に断面略矩形の導線を挿入する工程と、前記筒状圧着部の一部を押圧して、内側に突出する第1突起部を形成すると共に前記第1突起部と前記導線の導体とを電気的に接続する工程と、前記筒状圧着部の他の一部を押圧して、内側に突出する第2突起部を形成すると共に前記第2突起部と前記導線の被覆部とを嵌着する工程と、を有し、前記第2突起部と導線の被覆部とを嵌着する工程は、前記第1突起部と前記導線の導体とを電気的に接続する工程と同じか又はその後のタイミングで実行されることを特徴とする。

0098

本実施形態の圧着端子および圧着端子付き導線によれば、筒状圧着部は、導線が挿入される断面略矩形の筒状体であり、筒状体は、導線の導体と電気的に接続される第1突起部と、導線の被覆部に嵌入される第2突起部とを有している。すなわち、第1突起部が導体まで突設することで導体と導通し、さらに、第2突起部が導体と接触することなく被覆部まで突設することで筒状体内部と外部とが遮断される。したがって、ステータの平角線と圧着端子とが異種金属である場合であっても、良好な電気的接続および止水性を両立して、優れた密着性を実現することができる。

0099

また、本発明の製造方法によれば、筒状圧着部の一部を押圧して、内側に突出する第1突起部を形成すると共に第1突起部と導線の導体を電気的に接続し、さらに、筒状圧着部の他の一部を押圧して、内側に突出する第2突起部を形成すると共に第2突起部と導線の被覆部を嵌着する。これにより、良好な電気的接続および止水性を両立して、優れた密着性を実現することができる。また、導線端部の被覆部を剥がす端末処理が必要なく、導線を筒状圧着部に挿入して圧着処理を行うことで上記効果を実現することができ、製造工程を簡略化することが可能となる。

0100

本実施形態の圧着端子および該圧着端子付き導線は、例えば電動発電機に適用することができ、また、省スペース化を目的とした電線や、自動車用ハーネス等に用いることができる。

0101

以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0102

また、本発明にかかるワイヤハーネスを複数本束ねて使用することもできる。本発明では、このように複数本のワイヤハーネスが束ねられた構造体を、ワイヤハーネス構造体と称する。

0103

1、1a、1b、1c………端子
3………端子本体
5………圧着部
7………導線圧着部
9………被覆部圧着部
13a、13b、13c………凹部
13d、13e、13f、13g、13h………小凹部
15………弾性接触片
17………前端部
19………後端部
21………接合部
22………封止部
23………被覆導線
25………導線
27………被覆部
30a………上金型
30b………下金型
32………金型角部
101………コイル
102………導線
102a………導体
102b………内側層
102c………外側層
103………係合部材
105………電動発電機用圧着端子付き導線
110………圧着端子
120………コネクタ部
121………孔
130………トランジション部
140………筒状圧着部
141………挿入口
142………被覆圧着部
142a………突起部
143………導体圧着部
143a………突起部
143b………頂角部
144………縮径部
145a,145b,145c,145d………面
161………基材
162………圧着部用筒状体
170………突き合わせ部
171a,171b………突起
172a,172b………プレス面
173a,173b,173c,173d………突起
174a,174b,174c,174d………プレス面
180………導線
181………導体
182………被覆層
190………圧着端子
191………コネクタ部
192………トランジション部
193………筒状圧着部
194………挿入口
195………被覆圧着部
195a………突起部
196………導体圧着部
196a………突起部
197………縮径部

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