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技術 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 岩本達矢内村裕二
出願日 2014年9月30日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2014-549240
公開日 2017年3月9日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 WO2015-046585
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの接着 積層体(2)
主要キーワード LED照明器 カリウム元素 落下点 ヘッドフォーム マグネシウム元素 部分剥離 可塑剤溶液 追加試験
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月9日)のものです。
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図面 (3)

課題・解決手段

合わせガラス耐貫通性を高めることができる合わせガラス用中間膜を提供する。 本発明に係る合わせガラス用中間膜1は、ポリビニルアセタール樹脂可塑剤とを含む第1の層2と、第1の層2の第1の表面2a側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第2の層3とを備え、第1の層2に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基含有率が、第2の層3に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の各水酸基の含有率よりも高く、第1の層2に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する第1の層2に含まれる上記可塑剤の含有量が、第2の層3に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する第2の層3に含まれる上記可塑剤の含有量よりも少ない。

概要

背景

合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラス破片飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、上記合わせガラスは、自動車鉄道車両航空機船舶及び建築物等に広く使用されている。上記合わせガラスは、一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより、製造されている。

下記の特許文献1には、合わせガラスの高周波域での遮音性を広い温度範囲渡り高めることができる中間膜が開示されている。この中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂可塑剤とを含む第1の層と、上記第1の層の第1の表面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第2の層と、上記第1の層の上記第1の表面とは反対の第2の表面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第3の層とを備える。この中間膜では、上記第1の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基含有率が、上記第2,第3の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の各水酸基の含有率よりも低く、上記第1の層の厚みの上記第2の層と上記第3の層との合計厚みに対する比が0.14以下である。

また、下記の特許文献2には、広い温度範囲に渡り耐貫通性を高めることができる中間膜が開示されている。特許文献2では、耐貫通性を高めるために、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基炭素数を小さくしたり、炭素数が小さいアルデヒドを用いた共アセタール樹脂を用いたりすることが記載されている。

概要

合わせガラスの耐貫通性を高めることができる合わせガラス用中間膜を提供する。 本発明に係る合わせガラス用中間膜1は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第1の層2と、第1の層2の第1の表面2a側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第2の層3とを備え、第1の層2に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、第2の層3に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の各水酸基の含有率よりも高く、第1の層2に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する第1の層2に含まれる上記可塑剤の含有量が、第2の層3に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する第2の層3に含まれる上記可塑剤の含有量よりも少ない。

目的

本発明の目的は、合わせガラスの耐貫通性を高めることができる合わせガラス用中間膜を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

ポリビニルアセタール樹脂可塑剤とを含む第1の層と、前記第1の層の第1の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第2の層とを備え、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基含有率が、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率よりも高く、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第1の層に含まれる前記可塑剤の含有量が、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第2の層に含まれる前記可塑剤の含有量よりも少ない、合わせガラス用中間膜

請求項2

前記第1の層の前記第1の表面とは反対の第2の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第3の層を備え、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率よりも高く、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第1の層に含まれる前記可塑剤の含有量が、前記第3の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第3の層に含まれる前記可塑剤の含有量よりも少ない、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項3

前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、32モル%以上である、請求項1又は2に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項4

合わせガラス用中間膜の厚みは700μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項5

前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率と、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率との差の絶対値が、2モル%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項6

前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率と、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率との差の絶対値が、3モル%を超える、請求項5に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項7

前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は34モル%を超える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項8

前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は33.9モル%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項9

前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂はポリビニルブチラール樹脂であり、前記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は61.5モル%以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項10

前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率と、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率との差の絶対値が、4.8モル%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項11

前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第1の層に含まれる前記可塑剤の含有量と、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第2の層に含まれる前記可塑剤の含有量との差の絶対値が、2重量部以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項12

前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第1の層に含まれる前記可塑剤の含有量と、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第2の層に含まれる前記可塑剤の含有量との差の絶対値が、8.1重量部以上である、請求項11に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項13

合わせガラス用中間膜の厚みをTとしたときに、前記第1の層の厚みが0.14T以上である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項14

合わせガラス用中間膜の厚みが700μm以下であり、前記第1の層の厚みは前記第2の層の厚みよりも薄い、請求項1〜13のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項15

第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、請求項1〜14のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜とを備え、前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラス。

技術分野

0001

本発明は、合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜に関する。また、本発明は、上記合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。

背景技術

0002

合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラス破片飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、上記合わせガラスは、自動車鉄道車両航空機船舶及び建築物等に広く使用されている。上記合わせガラスは、一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより、製造されている。

0003

下記の特許文献1には、合わせガラスの高周波域での遮音性を広い温度範囲渡り高めることができる中間膜が開示されている。この中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂可塑剤とを含む第1の層と、上記第1の層の第1の表面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第2の層と、上記第1の層の上記第1の表面とは反対の第2の表面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第3の層とを備える。この中間膜では、上記第1の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基含有率が、上記第2,第3の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の各水酸基の含有率よりも低く、上記第1の層の厚みの上記第2の層と上記第3の層との合計厚みに対する比が0.14以下である。

0004

また、下記の特許文献2には、広い温度範囲に渡り耐貫通性を高めることができる中間膜が開示されている。特許文献2では、耐貫通性を高めるために、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基炭素数を小さくしたり、炭素数が小さいアルデヒドを用いた共アセタール樹脂を用いたりすることが記載されている。

先行技術

0005

WO2012/043816A1
WO2006/038332A1

発明が解決しようとする課題

0006

近年、合わせガラスを軽量化するために、合わせガラスの厚みを薄くすることが検討されている。しかし、合わせガラスの厚みを薄くすると、合わせガラスの耐貫通性が低くなりやすいという問題がある。

0007

そこで、従来の中間膜と比較して、耐貫通性がより一層高められた中間膜の開発が求められている。

0008

本発明の目的は、合わせガラスの耐貫通性を高めることができる合わせガラス用中間膜を提供することである。また、本発明は、上記合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明の広い局面によれば、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第1の層と、前記第1の層の第1の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第2の層とを備え、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率よりも高く、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第1の層に含まれる前記可塑剤の含有量が、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第2の層に含まれる前記可塑剤の含有量よりも少ない、合わせガラス用中間膜が提供される。

0010

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第1の層の前記第1の表面とは反対の第2の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第3の層を備え、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、前記第3の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率よりも高く、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第1の層に含まれる前記可塑剤の含有量が、前記第3の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第3の層に含まれる前記可塑剤の含有量よりも少ない。

0011

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、32モル%以上である。

0012

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記合わせガラス用中間膜の厚みは700μm以下である。

0013

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率と、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率との差の絶対値が、好ましくは2モル%以上、より好ましくは3モル%を超える。

0014

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は34モル%を超える。

0015

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は33.9モル%以下である。

0016

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂はポリビニルブチラール樹脂であり、前記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は61.5モル%以上である。

0017

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率と、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率との差の絶対値が、4.8モル%以下である。

0018

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第1の層に含まれる前記可塑剤の含有量と、前記第2の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記第2の層に含まれる前記可塑剤の含有量との差の絶対値が、好ましくは2重量部以上、より好ましくは8.1重量部以上である。

0019

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、合わせガラス用中間膜の厚みをTとしたときに、前記第1の層の厚みが0.14T以上である。

0020

本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、合わせガラス用中間膜の厚みが700μm以下であり、前記第1の層の厚みは前記第2の層の厚みよりも薄い。

0021

本発明の広い局面によれば、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上述した合わせガラス用中間膜とを備え、前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラスが提供される。

発明の効果

0022

本発明に係る合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第1の層と、上記第1の層の第1の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む第2の層とを備えており、更に、上記第1の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、上記第2の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率よりも高く、かつ、上記第1の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記第1の層に含まれる上記可塑剤の含有量が、上記第2の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記第2の層に含まれる上記可塑剤の含有量よりも少ないので、本発明に係る合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの耐貫通性を高めることができる。

図面の簡単な説明

0023

図1は、本発明の一実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す部分切欠断面図である。
図2は、図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す部分切欠断面図である。

実施例

0024

以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより本発明を明らかにする。

0025

図1に、本発明の一実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に部分切欠断面図で示す。

0026

図1に示す中間膜1は、2層以上の積層構造を有する多層の中間膜である。中間膜1は、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜1は、合わせガラス用中間膜である。中間膜1は、第1の層2と、第1の層2の第1の表面2a側に配置された第2の層3と、第1の層2の第1の表面2aとは反対の第2の表面2b側に配置された第3の層4とを備える。第2の層3は、第1の層2の第1の表面2aに積層されている。第3の層4は、第1の層2の第2の表面2bに積層されている。第1の層2は、中間層である。第2の層3及び第3の層4は、例えば、保護層であり、本実施形態では表面層である。第1の層2は、第2の層3と第3の層4との間に配置されており、挟み込まれている。従って、中間膜1は、第2の層3と第1の層2と第3の層4とがこの順で積層された多層構造を有する。

0027

第2の層3の第1の層2側とは反対側の表面3aは、合わせガラス部材が積層される表面であることが好ましい。第3の層4の第1の層2側とは反対側の表面4aは、合わせガラス部材が積層される表面であることが好ましい。

0028

なお、第1の層2と第2の層3との間、及び、第1の層2と第3の層4との間にはそれぞれ、他の層が配置されていてもよい。第1の層2と第2の層3、及び、第1の層2と第3の層4とはそれぞれ、直接積層されていることが好ましい。他の層として、ポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂を含む層、及びポリエチレンテレフタレート等を含む層が挙げられる。

0029

第1の層2、第2の層3及び第3の層4はそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む。第1の層2に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、第2の層3に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率よりも高い。第1の層2に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する第1の層2に含まれる上記可塑剤の含有量は、第2の層3に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する第2の層3に含まれる上記可塑剤の含有量よりも少ない。

0030

中間膜1では、上述した構成が備えられているので、中間膜1を用いた合わせガラスの耐貫通性を高めることができる。同じ厚みの中間膜で耐貫通性を比べたときに、上述した構成を備える中間膜の耐貫通性は、上述した構成を備えていない中間膜の耐貫通性よりも高くなる。また、中間膜1の厚みを薄くしたり、中間膜1を用いた合わせガラスの厚みを薄くしたりしても、充分に高い耐貫通性を維持することができる。

0031

中間膜1では、第1の層2の両面に第2の層3と第3の層4とが1層ずつ積層されている。上記第1の層の上記第1の表面側に上記第2の層が配置されていればよい。上記第1の層の上記第1の表面側に上記第2の層が配置されており、かつ上記第1の層の上記第2の表面側に上記第3の層が配置されていなくてもよい。但し、上記第1の層の上記第1の表面側に上記第2の層が配置されており、かつ上記第1の層の上記第2の表面側に上記第3の層が配置されていることが好ましい。上記第1の層の上記第2の表面側に上記第3の層が配置されていることにより、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。さらに、中間膜の両側の表面で、合わせガラス部材などに対する接着性を調整することができる。なお、上記第3の層が存在しない場合には、中間膜の上記第2の層の外側の表面の合わせガラス部材に対する接着性を調整することができる。

0032

また、中間膜を用いた合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記第3の層は、ポリビニルアセタール樹脂を含むことが好ましく、可塑剤を含むことが好ましい。中間膜を用いた合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記第1の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、上記第3の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率よりも高いことが好ましい。中間膜を用いた合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記第1の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記第1の層に含まれる上記可塑剤の含有量が、上記第3の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記第3の層に含まれる上記可塑剤の含有量よりも少ないことが好ましい。

0033

以下、本発明に係る合わせガラス用中間膜を構成する上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層の詳細、並びに上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層に含まれる各成分の詳細を説明する。

0034

(ポリビニルアセタール樹脂)
上記第1の層は、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(1)と記載することがある)を含む。上記第2の層は、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(2)と記載することがある)を含む。上記第3の層は、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂(2)と上記ポリビニルアセタール樹脂(3)とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。

0035

上記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより製造できる。上記ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルけん化することにより得られる。上記ポリビニルアルコールのけん化度は、一般に70〜99.9モル%である。

0036

上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは1000以上、特に好ましくは1300以上、最も好ましくは1500以上、好ましくは3000以下、より好ましくは2700以下、更に好ましくは2400以下である。上記平均重合度が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記平均重合度が上記上限以下であると、中間膜の成形が容易になる。

0037

合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、1500以上、3000以下であることが特に好ましい。

0038

上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。

0039

上記ポリビニルアセタール樹脂に含まれるアセタール基の炭素数は特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する際に用いるアルデヒドは特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数は3〜5であることが好ましく、3又は4であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数が3以上であると、中間膜のガラス転移温度が充分に低くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。

0040

上記アルデヒドは特に限定されない。上記アルデヒドとして、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒドアセトアルデヒドプロピオンアルデヒドn−ブチルアルデヒドイソブチルアルデヒドn−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒドn−デシルアルデヒド、及びベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましく、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒドがより好ましく、n−ブチルアルデヒドが更に好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。

0041

上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは31.5モル%以上、より好ましくは32モル%以上、更に好ましくは32.5モル%以上、特に好ましくは34モル%を超え、好ましくは36.5モル%以下、より好ましくは36モル%以下、更に好ましくは33.9モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、中間膜の機械的強度がより一層高くなり、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。特に、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率が31.5モル%以上であると、合わせガラスの耐貫通性が効果的に高くなる。合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなることから、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は34モル%を超えることが好ましい。また、上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。

0042

上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の各含有率は、好ましくは28モル%以上、より好ましくは28.5モル%以上、更に好ましくは29モル%以上、特に好ましくは29.5モル%以上、好ましくは32モル%以下、より好ましくは31モル%以下、更に好ましくは30.5モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、中間膜の機械的強度がより一層高くなる。また、上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。

0043

合わせガラスの耐貫通性を高めるために、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率よりも高い。合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率よりも高いことが好ましい。

0044

合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率との差の絶対値、並びに、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは1モル%以上、更に好ましくは1.5モル%以上、更に一層好ましくは2モル%以上、特に好ましくは3モル%以上、最も好ましくは3.1モル%以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率との差の絶対値、並びに、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは8.5モル%以下、より好ましくは7モル%以下、更に好ましくは6モル%以下、特に好ましくは5モル%以下、最も好ましくは4.8モル%以下である。耐貫通性がより一層高くなることから、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率との差の絶対値、並びに、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率との差の絶対値はそれぞれ、3モル%を超えることが好ましい。

0045

上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率百分率で示した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。

0046

上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度アセチル基量)は、好ましくは0.3モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上、更に好ましくは0.7モル%以上、特に好ましくは1.1モル%以上、好ましくは8モル%以下、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは2モル%以下、特に好ましくは1.8モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜の機械的強度がより一層高くなる。

0047

上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の各アセチル化度は、好ましくは0.3モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上、更に好ましくは0.8モル%以上、好ましくは2モル%以下、より好ましくは1.8モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜の機械的強度がより一層高くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度は、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の各アセチル化度と異なることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度と、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)のアセチル化度との差の絶対値、並びに、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度と、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは0.2モル%以上である。

0048

上記アセチル化度は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。

0049

上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは61.5モル%以上、より好ましくは61.7モル%以上、更に好ましくは62モル%以上、好ましくは69モル%以下、より好ましくは68.2モル%以下、更に好ましくは68モル%以下、特に好ましくは67モル%以下、最も好ましくは64.9モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。

0050

上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の各アセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは65モル%以上、より好ましくは67モル%以上、更に好ましくは67.2モル%以上、特に好ましくは68.1モル%以上、好ましくは71.7モル%以下、より好ましくは71.5モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。

0051

上記アセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、算出され得る。

0052

なお、上記水酸基の含有率(水酸基量)、アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出することが好ましい。但し、ASTMD1396−92JIS K6728による測定を用いてもよい。ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、上記水酸基の含有率(水酸基量)、上記アセタール化度(ブチラール化度)及び上記アセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。

0053

(可塑剤)
上記第1の層は可塑剤(以下、可塑剤(1)と記載することがある)を含む。上記第2の層は可塑剤(以下、可塑剤(2)と記載することがある)を含む。上記第3の層は可塑剤(以下、可塑剤(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との併用により、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む層の合わせガラス部材又は他の層に対する接着力が適度に高くなる。上記可塑剤は特に限定されない。上記可塑剤(1)と上記可塑剤(2)と上記可塑剤(3)とは同一であってもよく、異なっていてもよい。上記可塑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。

0054

上記可塑剤としては、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などの有機リン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。

0055

上記一塩基性有機酸エステルとしては、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコールテトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸イソ酪酸カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、n−ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。

0056

上記多塩基性有機酸エステルとしては、多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物等が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。

0057

上記有機エステル可塑剤としては、トリエチレングリコールジ−2−エチルプロパノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートトリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケートジオクチルアゼレートジブチルカルビトールアジペートエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレートアジピン酸ジヘキシルアジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物アジピン酸ジイソノニルアジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。上述のアジピン酸エステル以外の他のアジピン酸エステルを用いてもよい。

0059

上記可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。

0060

0061

上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数2〜10の有機基を表し、R3は、エチレン基イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、炭素数5〜10の有機基であることが好ましく、炭素数6〜10の有機基であることがより好ましい。

0062

上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)又はトリエチレングリコールジ−2−エチルプロパノエートであることが好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート又はトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートであることがより好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートであることが更に好ましい。

0063

上記ポリビニルアセタール樹脂(1)100重量部に対する上記可塑剤(1)の含有量(以下、含有量(1)と記載することがある)は好ましくは20重量部以上、より好ましくは25重量部以上、更に好ましくは27.1重量部以上、好ましくは35重量部以下、より好ましくは32重量部以下、更に好ましくは30重量部以下である。上記含有量(1)が上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。上記含有量(1)が上記上限以下であると、中間膜の機械的強度がより一層高くなり、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。特に、上記含有量(1)が35重量部以下であると、合わせガラスの耐貫通性が効果的に高くなる。

0064

上記ポリビニルアセタール樹脂(2)100重量部に対する上記可塑剤(2)の含有量(以下、含有量(2)と記載することがある)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)100重量部に対する上記可塑剤(3)の含有量(以下、含有量(3)と記載することがある)はそれぞれ、好ましくは32重量部以上、より好ましくは35重量部以上、更に好ましくは37重量部以上、特に好ましくは38重量部以上、好ましくは50重量部以下、より好ましくは45重量部以下、更に好ましくは42重量部以下、特に好ましくは41重量部以下、最も好ましくは39.9重量部以下である。上記含有量(2)及び上記含有量(3)がそれぞれ上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。上記含有量(2)及び上記含有量(3)がそれぞれ上記上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。

0065

合わせガラスの耐貫通性を高めるために、上記含有量(1)は上記含有量(2)よりも少ない。合わせガラスの耐貫通性を高める観点からは、上記含有量(1)は上記含有量(3)よりも少ないことが好ましい。

0066

合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記含有量(1)と上記含有量(2)との差の絶対値、並びに上記含有量(1)と上記含有量(3)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは2重量部以上、より好ましくは5重量部以上、更に好ましくは8重量部以上、特に好ましくは8.1重量部以上、最も好ましくは9重量部以上である。上記含有量(1)と上記含有量(2)との差の絶対値、並びに上記含有量(1)と上記含有量(3)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは22重量部以下、より好ましくは20重量部以下、更に好ましくは15重量部以下、特に好ましくは12重量部以下である。

0067

(他の成分)
上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層はそれぞれ、必要に応じて酸化防止剤紫外線遮蔽剤光安定剤難燃剤帯電防止剤顔料染料接着力調整剤、耐湿剤、蛍光増白剤及び赤外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。

0068

上記第2の層及び上記第3の層は接着力調整剤を含むことが好ましい。接着力調整剤として、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩又はマグネシウムの塩であることが好ましい。上記第2の層及び上記第3の層の接着力を容易に制御することができることから、接着力調整剤は、マグネシウムの塩又はカリウムの塩であることが好ましく、カルボン酸のマグネシウムの塩又はカルボン酸のカリウムの塩であることがより好ましい。カルボン酸のマグネシウムの塩は特に限定されないが、酢酸マグネシウムプロピオン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム等が挙げられる。上記第2の層及び上記第3の層中のマグネシウム元素の含有量は200ppm以下であることが好ましく、150ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることが更に好ましく、80ppm以下であることが特に好ましい。上記マグネシウム元素は、マグネシウムの塩に由来するマグネシウムとして含んでもよく、ポリビニルアセタールを合成する際に用いる中和剤に由来するマグネシウムとして含んでもよい。カルボン酸のカリウムの塩は特に限定されないが、ギ酸カリウム酢酸カリウムプロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。上記第2の層及び上記第3の層中のカリウム元素の含有量は400ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましく、250ppm以下であることが更に好ましく、200ppm以下であることが特に好ましく、180ppm以下であることが最も好ましい。上記カリウム元素は、カリウム塩に由来するカリウムとして含んでもよく、ポリビニルアセタールを合成する際に用いる中和剤に由来するカリウムとして含んでもよい。なお、上記カリウム元素や上記マグネシウム元素の含有量は、ICP発光分析装置島津製作所社製「ICPE−9000」)により測定することができる。

0069

(合わせガラス用中間膜の他の詳細)
本発明に係る合わせガラス用中間膜の厚みは特に限定されない。実用面の観点、並びに遮熱性を充分に高める観点からは、中間膜の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.25mm以上、好ましくは3mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。中間膜の厚みが上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性が高くなる。中間膜の厚みが上記上限以下であると、中間膜の透明性がより一層良好になる。

0070

また、本発明に係る合わせガラス用中間膜では、該中間膜の厚みが薄くても、耐貫通性を高めることができる。また、中間膜の厚みが薄いほど、合わせガラスを軽量化できる。耐貫通性を高く維持しつつ、合わせガラスをより一層軽量化する観点からは、中間膜の厚みは、好ましくは700μm以下、より好ましくは600μm以下である。

0071

中間膜の厚みをTとする。合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記第1の層の厚みは、好ましくは0.14T以上、より好ましくは0.16T以上、好ましくは0.72T以下、より好ましくは0.67T以下である。

0072

中間膜の柔軟性を高め、中間膜の取扱いを容易にする観点からは、上記第2の層及び上記第3の層の各厚みは、好ましくは0.14T以上、より好ましくは0.16T以上、好ましくは0.43T以下、より好ましくは0.42T以下である。また、上記第2の層及び上記第3の層の各厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、可塑剤のブリードアウトを抑制できる。

0073

合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、中間膜が上記第2の層と上記第3の層とを備える場合に、上記第2の層と上記第3の層との合計の厚みは、好ましくは0.28T以上、より好ましくは0.33T以上、好ましくは0.86T以下、より好ましくは0.84T以下である。また、上記第2の層と上記第3の層との合計の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、可塑剤のブリードアウトを抑制できる。

0074

また、合わせガラスを自動車等の車両のフロントガラスに使用する場合、車両の事故等により、フロントガラスに車両の乗員の頭部が衝突することがある。乗員の頭部がフロントガラスに衝突した場合、乗員がフロントガラスを貫通し、車両の外部に飛び出してしまうことがある。乗員の安全を守るために、乗員の頭部がフロントガラスに衝突したとしても乗員がフロントガラスを貫通しないことが好ましい。本発明に係る合わせガラス用中間膜を用いると、乗員がフロントガラスを貫通することを防止できる。中間膜の厚みが薄くても、乗員がフロントガラスを貫通することを防止できることから、中間膜の厚み(=T)が700μm以下であることが好ましく、上記第1の層の厚みは上記第2の層又は上記第3の層の厚みよりも薄いことが好ましく、10μm以上薄いことがより好ましく、20μm以上薄いことが特に好ましく、30μm以上薄いことが最も好ましい。同様に、中間膜の厚みが薄くても、乗員がフロントガラスを貫通することを防止できることから、第1の層の厚みの好ましい下限は50μm、より好ましい下限は100μm、特に好ましい下限は150μm、好ましい上限は400μm、より好ましい上限は300μm、特に好ましい上限は250μm、最も好ましい上限は200μmである。更に、上記第2の層と上記第3の層との合計の厚みは、好ましくは0.6T以上、より好ましくは0.65T以上、更に好ましくは0.7T以上、好ましくは0.9T以下、より好ましくは0.85T以下、更に好ましくは0.8T以下である。

0075

本発明に係る合わせガラス用中間膜の製造方法としては特に限定されないが、各層を形成するための各樹脂組成物を用いて各層をそれぞれ形成した後に、例えば、得られた各層を積層する方法、並びに各層を形成するための各樹脂組成物を押出機を用いて共押出することにより、各層を積層する方法等が挙げられる。連続的な生産に適しているため、押出成形する製造方法が好ましい。

0076

中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の層と上記第3の層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂が含まれていることが好ましく、上記第2の層と上記第3の層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂及び同一の可塑剤が含まれていることがより好ましく、上記第2の層と上記第3の層とが同一の樹脂組成物により形成されていることが更に好ましい。

0077

(合わせガラス)
図2に、本発明の一実施形態に係る合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に断面図で示す。

0078

図2に示す合わせガラス11は、第1の合わせガラス部材21と、第2の合わせガラス部材22と、中間膜1とを備える。中間膜1は、第1の合わせガラス部材21と第2の合わせガラス部材22との間に配置されており、挟み込まれている。

0079

中間膜1の第1の表面1aに、第1の合わせガラス部材21が積層されている。中間膜1の第1の表面1aとは反対の第2の表面1bに、第2の合わせガラス部材22が積層されている。中間膜1の第2の層3の外側の表面3aに第1の合わせガラス部材21が積層されている。中間膜1の第3の層4の外側の表面4aに第2の合わせガラス部材22が積層されている。

0080

このように、本発明に係る合わせガラスは、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上記第1の合わせガラス部材と第2の合わせガラス部材との間に配置された中間膜とを備えており、該中間膜が、本発明の合わせガラス用中間膜である。

0081

上記合わせガラス部材としては、ガラス板及びPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。合わせガラスには、2枚のガラス板の間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスだけでなく、ガラス板とPETフィルム等との間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスも含まれる。上記合わせガラスは、ガラス板を備えた積層体であり、少なくとも1枚のガラス板が用いられていることが好ましい。上記第1の合わせガラス部材及び上記第2の合わせガラス部材がそれぞれ、ガラス板又はPETフィルムであり、上記第1の合わせガラス部材及び上記第2の合わせガラス部材の内の少なくとも一方が、ガラス板であることが好ましい。

0082

上記ガラス板としては、無機ガラス及び有機ガラスが挙げられる。上記無機ガラスとしては、フロート板ガラス熱線吸収板ガラス熱線反射板ガラス磨き板ガラス型板ガラス網入り板ガラス、及び線入り板ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラスとしては、ポリカーボネート板及びポリメタアクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。

0083

上記合わせガラス部材の厚みは、好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。また、上記合わせガラス部材がガラス板である場合に、該ガラス板の厚みは、好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。上記合わせガラス部材がPETフィルムである場合に、該PETフィルムの厚みは、好ましくは0.03mm以上、好ましくは0.5mm以下である。

0084

上記合わせガラスの製造方法は特に限定されない。例えば、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材との間に、中間膜を挟んで、押圧ロールに通したり、又はゴムバッグに入れて減圧吸引したりして、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材と中間膜との間に残留する空気を脱気する。その後、約70〜110℃で予備接着して積層体を得る。次に、積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120〜150℃及び1〜1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、合わせガラスを得ることができる。

0085

上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、車両用又は建築用の中間膜及び合わせガラスであることが好ましく、車両用の中間膜及び合わせガラスであることがより好ましい。上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラスリアガラス又はルーフガラス等に使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車に好適に用いられる。

0086

以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。

0087

以下の実施例及び比較例で用いたポリビニルブチラール(PVB)樹脂に関しては、ブチラール化度(アセタール化度)、アセチル化度及び水酸基の含有率はJIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定した。なお、ASTMD1396−92により測定した場合も、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法と同様の数値を示した。

0088

(実施例1)
第1の層を形成するための組成物Xの作製:
ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)の平均重合度1700、水酸基の含有率32.6モル%、アセチル化度0.7モル%、ブチラール化度66.7モル%)100重量部と、可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)30重量部とを混合し、第1の層を形成するための組成物Xを得た。

0089

第2の層及び第3の層を形成するための組成物Yの作製:
可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部に、酢酸マグネシウムと2−エチル酪酸マグネシウムとの混合物(酢酸マグネシウムの混合比:2−エチル酪酸マグネシウムとの混合比=50重量%:50重量%)を添加し、混合し、可塑剤溶液とした。なお、酢酸マグネシウムと2−エチル酪酸マグネシウムとの混合物は、第2の層及び第3の層中のマグネシウム元素の濃度が50ppmとなるように調整した。

0090

ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)の平均重合度1700、水酸基の含有率30.6モル%、アセチル化度1.0モル%、ブチラール化度68.4モル%)100重量部と、可塑剤溶液全量とを混合し、第2の層及び第3の層を形成するための組成物Yを得た。

0091

中間膜の作製:
第1の層を形成するための組成物Xと、第2の層及び第3の層を形成するための組成物Yとを、共押出機を用いて共押出しすることにより、第2の層(厚み100μm)/第1の層(厚み380μm)/第3の層(厚み100μm)の積層構造を有する中間膜(厚み580μm)を作製した。

0092

合わせガラスの作製:
得られた中間膜(多層)を、縦35cm×横35cmに切り出した。次に、2枚のクリアガラス(縦30cm×横30cm×厚み2.5mm)の間に中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、積層体を得た。積層体において、ガラスからはみ出た中間膜部分を切り落とし、合わせガラスを得た。

0093

(実施例2〜20)
ポリビニルアセタール樹脂の種類及び含有量、可塑剤の種類及び含有量、並びに第1の層,第2の層及び第3の層の各厚みを下記の表2,3に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを作製した。

0094

(比較例1)
第1の層を形成するための組成物Xの作製:
ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)の平均重合度1700、水酸基の含有率31.0モル%、アセチル化度1.0モル%、ブチラール化度68.0モル%)100重量部と、可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部とを混合し、第1の層を形成するための組成物Xを得た。

0095

第2の層及び第3の層を形成するための組成物Yの作製:
可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部に、酢酸マグネシウムと2−エチル酪酸マグネシウムとの混合物(酢酸マグネシウムの混合比:2−エチル酪酸マグネシウムとの混合比=50重量%:50重量%)を添加し、混合し、可塑剤溶液とした。なお、酢酸マグネシウムと2−エチル酪酸マグネシウムとの混合物は、第2の層及び第3の層中のマグネシウム元素の濃度が65ppmとなるように調整した。

0096

ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)の平均重合度1700、水酸基の含有率31.0モル%、アセチル化度1.0モル%、ブチラール化度68.0モル%)100重量部と、可塑剤溶液全量とを混合し、第2の層及び第3の層を形成するための組成物Yを得た。

0097

中間膜の作製:
第1の層を形成するための組成物Xと、第2の層及び第3の層を形成するための組成物Yとを、共押出機を用いて共押出しすることにより、第2の層(厚み100μm)/第1の層(厚み380μm)/第3の層(厚み100μm)の積層構造を有する中間膜(厚み580μm)を作製した。
また、得られた中間膜の押出方向とは垂直方向幅方向)における一端と他端との最短距離Xで中間膜を切断し、一端から0.1X、一端から0.5X(他端から0.5X)、及び、一端から0.9X(他端から0.1X)において、それぞれ第1の層の厚み、第2の層の厚み及び第3の層の厚みを測定した。第1の層の厚み、第2の層の厚み及び第3の層の厚みの平均値は、第1の層の厚みが380μm、第2の層の厚みが100μm、第3の層の厚みが100μmであった。なお、厚みの測定は、LED照明器キュービック300の上に切断された中間膜を置き、切断された部分を光学顕微鏡KEYENCE社製「デジタルマイクスコープVHX−100」)で観察し、測定した。

0098

(比較例2〜5)
ポリビニルアセタール樹脂の種類及び含有量、可塑剤の種類及び含有量、並びに第1の層,第2の層及び第3の層の各厚みを下記の表4に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを作製した。

0099

合わせガラスの作製:
得られた中間膜を用いたこと以外は実施例1と同様にして、合わせガラスを作製した。

0100

(評価)
(1)合わせガラスのパンメル値の測定
得られた合わせガラスを−18℃±0.6℃の温度にて16時間調整し、この合わせガラスの中央部(縦150mm×横150mmの部分)を頭部が0.45kgのハンマーで打って、ガラスの粒径が6mm以下になるまで粉砕し、ガラスが部分剥離した後の膜の露出度を測定し、下記表1によりパンメル値を求めた。なお、パンメル値とは、合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力の度合いを調べる値であり、合わせガラスを−18℃±0.6℃の温度にて16時間調整し、この合わせガラスの中央部(縦150mm×横150mmの部分)を頭部が0.45kgのハンマーで打って、ガラスの粒径が6mm以下になるまで粉砕し、ガラスが部分剥離した後の膜の露出度(面積%)により規定した値であり、表1で定義される。すなわち、パンメル値が高いほど、中間膜とガラスとの接着力が高く、ガラスの飛散防止性が優れていることを意味する。

0101

0102

(2)耐貫通性
得られた合わせガラス(縦30cm×横30cm)を、表面温度が23℃となるように調整した。次いで、JIS R3212:1998に準拠して、4mの高さから、6枚の合わせガラスに対してそれぞれ、質量2260g及び直径82mmの剛球を、合わせガラスの中心部分に落下させた。6枚の合わせガラス全てについて、剛球が衝突した後5秒以内に剛球が貫通しなかった場合を合格とした。剛球が衝突した後5秒以内に剛球が貫通しなかった合わせガラスが3枚以下であった場合は不合格とした。4枚の場合には、新しく6枚の合わせガラスの耐貫通性を評価した。5枚の場合には、新しく1枚の合わせガラスを追加試験し、剛球が衝突した後5秒以内に剛球が貫通しなかった場合を合格とした。同様の方法で、4.5m、5.0m、5.5m、及び6.0mの高さから、6枚の合わせガラスに対してそれぞれ、質量2260g及び直径82mmの剛球を、合わせガラスの中心部分に落下させ、合わせガラスの耐貫通性を評価した。

0103

(3)ヘッドフォームの評価
合わせガラスの作製:
得られた中間膜(多層)を、縦1100mm×横500mmに切り出した。次に、2枚のクリアガラス(縦1100mm×横500mm×厚み2.5mm)の間に中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、積層体を得た。積層体において、ガラスからはみ出た中間膜部分を切り落とし、ヘッドフォームの評価用合わせガラスを得た。

0104

ヘッドフォーム試験を、JIS R3212:1998に準拠して、ヘッドフォーム(質量が10±0.2kg)と合わせガラスサンプ固定用支持枠とを用いて実施した。得られた合わせガラスは、試験直前まで少なくとも4時間、23±2℃の温度で保管した。4枚の合わせガラスに対して、各1回限りでヘッドフォームを高さ4mから落下させて試験を行った。落下点は、合わせガラスの幾何学的中心から40mm以内とした。落下後の状態について合わせガラスを以下の4項目について観察した。1)落下点を中心とする円形状の多数のき裂が生じ、落下点に最も近いき裂は、落下点から80mm以内にあること。2)ガラスと中間膜が接着していること。ただし、落下点の中心から60mmの外側では幅4mm未満のはく離があってもよい。3)落下面で20cm2を超える中間膜の露出がないこと。4)中間膜の裂目の長さは35mm以下であること。以上の4項目から、ヘッドフォームを下記の基準で判定した。

0105

[ヘッドフォームの判定基準
○○:4枚中3枚以上が1)〜4)の項目を満たす
○:4枚中2枚が1)〜4)の項目を満たす
△:4枚中1枚が1)〜4)の項目を満たす
×:4枚中1枚も1)〜4)の項目を満たさない

0106

結果を下記の表2〜4に示す。

0107

0108

0109

0110

1…中間膜
1a…第1の表面
1b…第2の表面
2…第1の層
2a…第1の表面
2b…第2の表面
3…第2の層
3a…外側の表面
4…第3の層
4a…外側の表面
11…合わせガラス
21…第1の合わせガラス部材
22…第2の合わせガラス部材

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