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技術 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池

出願人 三菱化学株式会社
発明者 伊藤加奈子藤井隆山口亮中村健史渡邉展澤脩平
出願日 2014年9月26日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-528769
公開日 2017年3月9日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 WO2015-046475
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード 通常動作範囲 保存ガス 初期レート 初期ガス リン含有有機化合物 初期コンディショニング Si微粒子 レート容量
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重要な関連分野

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課題・解決手段

電池初期効率が高く、初期容量に優れなおかつ過充電時安全性に優れた非水系電解液電池、及びそれを与える非水系電解液を提供することを課題とする。電解質及び非水溶媒を含む非水系電解液であって、該非水系電解液が、更に式(I)(式中、R1〜R5は、独立して、水素ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、R6及びR7は、独立して、炭素数1以上12以下の炭化水素基であるが、R1〜R7のうち少なくとも2つは一緒になって環を形成していてもよく、ただし、式(I)は、(A)及び(B):(A)R1〜R5のうち少なくとも1つは、ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基である、(B)R1〜R7の炭素数の合計は、3以上20以下である、のうち少なくとも一方の条件を満たす)で表される芳香族化合物を含有することを特徴とする非水系電解液、及びこれを含む非水系電解液電池。

概要

背景

携帯電話ノートパソコン等のいわゆる民生用の電源から自動車用等の駆動用車載電源まで広範な用途に、リチウム二次電池等の非水系電解液電池が実用化されつつある。しかしながら、近年の非水系電解液電池に対する高性能化の要求はますます高くなっており、特に、高容量、低温使用特性高温保存特性サイクル特性過充電時安全性等の種々の電池特性の改善が要望されている。

非水系電解液電池に用いる電解液は、通常、主として電解質と非水溶媒とから構成されている。非水溶媒の主成分には、エチレンカーボネートプロピレンカーボネート等の環状カーボネートジメチルカーボネートジエチルカーボネートエチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネートγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル等が用いられている。

こうした非水系電解液電池の負荷特性、サイクル特性、保存特性等の電池特性を改良したり、過充電時の電池の安全性を高めるために、非水溶媒や電解質、添加剤について種々の検討がなされている。
特許文献1〜3では、シクロヘキシルベンゼン等の各種芳香族化合物を、電解液に添加する方法が提案され、過充電時安全性向上と耐久性の問題をある程度解決した。

特許文献4,5では、非水系電解液二次電池のサイクル特性と過充電時安全性を両立させるために、フェニル基に第3級アルキル基直接結合することで第四級炭素を形成している化合物、2,2−ジフェニルプロパン等を、電解液に添加する方法が提案されている。

特許文献6〜8では、tert−ブチルベンゼン、tert−ペンチルベンゼン等を、非水系電解液二次電池の電解液に添加する方法が提案されている。

概要

電池の初期効率が高く、初期容量に優れなおかつ過充電時安全性に優れた非水系電解液電池、及びそれを与える非水系電解液を提供することを課題とする。電解質及び非水溶媒を含む非水系電解液であって、該非水系電解液が、更に式(I)(式中、R1〜R5は、独立して、水素ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、R6及びR7は、独立して、炭素数1以上12以下の炭化水素基であるが、R1〜R7のうち少なくとも2つは一緒になって環を形成していてもよく、ただし、式(I)は、(A)及び(B):(A)R1〜R5のうち少なくとも1つは、ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基である、(B)R1〜R7の炭素数の合計は、3以上20以下である、のうち少なくとも一方の条件を満たす)で表される芳香族化合物を含有することを特徴とする非水系電解液、及びこれを含む非水系電解液電池。

目的

本発明は上記問題に鑑み、電池の初期効率が高く、かつ過充電時安全性に優れた非水系電解液電池、及びそれを与える非水系電解液を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

電解質及び非水溶媒を含む非水系電解液であって、該非水系電解液が、更に式(I):(式中、R1〜R5は、独立して、水素ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、R6及びR7は、独立して、炭素数1以上12以下の炭化水素基であるが、R1〜R7のうち少なくとも2つは一緒になって環を形成していてもよく、ただし、式(I)は、(A)及び(B):(A)R1〜R5のうち少なくとも1つは、ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基である、(B)R1〜R7の炭素数の合計は、3以上20以下である、のうち少なくとも一方の条件を満たす)で表される芳香族化合物を含有することを特徴とする非水系電解液。

請求項2

前記式(I)におけるR1、R6及びR7のうち2つが一緒になって環を形成している、請求項1に記載の非水系電解液。

請求項3

前記式(I)におけるR1とR6が一緒になって環を形成している、請求項2に記載の非水系電解液。

請求項4

前記式(I)におけるR1〜R5のうち少なくとも1つが、炭素数1以上5以下の炭化水素基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系電解液。

請求項5

前記式(I)で表される芳香族化合物が、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダンである、請求項3又は4に記載の非水系電解液。

請求項6

前記式(I)におけるR6とR7が一緒になって環を形成している、請求項2に記載の非水系電解液。

請求項7

前記式(I)で表される芳香族化合物が、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニルシクロペンタン又は1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサンである、請求項6記載の非水系電解液。

請求項8

前記非水系電解液が、式(I)で表される芳香族化合物を、0.001質量%以上10質量%以下で含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系電解液。

請求項9

前記非水系電解液が、2種以上の電解質を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水系電解液。

請求項10

2種以上の電解質が、モノフルオロリン酸塩ジフルオロリン酸塩ホウ酸塩シュウ酸塩及びフルオロスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項9に記載の非水系電解液。

請求項11

前記非水系電解液が、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩及びフルオロスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、0.001質量%以上20質量%以下で含有する、請求項10に記載の非水系電解液。

請求項12

前記非水系電解液が、更に、フッ素含有環状カーボネート硫黄含有有機化合物リン含有有機化合物シアノ基を有する有機化合物イソシアネート基を有する有機化合物、ケイ素含有化合物、式(I)以外の芳香族化合物、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、フッ素非含有カルボン酸エステル環状エーテル及びイソシアヌル酸骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の非水系電解液。

請求項13

前記非水系電解液が、フッ素含有環状カーボネート、硫黄含有有機化合物、リン含有有機化合物、シアノ基を有する有機化合物、イソシアネート基を有する有機化合物、ケイ素含有化合物、式(I)以外の芳香族化合物、炭素‐炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、フッ素非含有カルボン酸エステル、環状エーテル及びイソシアヌル酸骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、0.001質量%以上20質量%以下で含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の非水系電解液。

請求項14

リチウムイオン吸蔵・放出可能な負極及び正極、ならびに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が請求項1〜13のいずれか1項に記載の非水系電解液である、非水系電解液電池。

技術分野

0001

本発明は、非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池に関するものである。

背景技術

0002

携帯電話ノートパソコン等のいわゆる民生用の電源から自動車用等の駆動用車載電源まで広範な用途に、リチウム二次電池等の非水系電解液電池が実用化されつつある。しかしながら、近年の非水系電解液電池に対する高性能化の要求はますます高くなっており、特に、高容量、低温使用特性高温保存特性サイクル特性過充電時安全性等の種々の電池特性の改善が要望されている。

0003

非水系電解液電池に用いる電解液は、通常、主として電解質と非水溶媒とから構成されている。非水溶媒の主成分には、エチレンカーボネートプロピレンカーボネート等の環状カーボネートジメチルカーボネートジエチルカーボネートエチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネートγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル等が用いられている。

0004

こうした非水系電解液電池の負荷特性、サイクル特性、保存特性等の電池特性を改良したり、過充電時の電池の安全性を高めるために、非水溶媒や電解質、添加剤について種々の検討がなされている。
特許文献1〜3では、シクロヘキシルベンゼン等の各種芳香族化合物を、電解液に添加する方法が提案され、過充電時安全性向上と耐久性の問題をある程度解決した。

0005

特許文献4,5では、非水系電解液二次電池のサイクル特性と過充電時安全性を両立させるために、フェニル基に第3級アルキル基直接結合することで第四級炭素を形成している化合物、2,2−ジフェニルプロパン等を、電解液に添加する方法が提案されている。

0006

特許文献6〜8では、tert−ブチルベンゼン、tert−ペンチルベンゼン等を、非水系電解液二次電池の電解液に添加する方法が提案されている。

先行技術

0007

特開2001−15155号公報
特開2002−56892号公報
特開2003−109660号公報
特開平11−162512号公報
特開2011−154963号公報
特開2001−167791号公報
特開2002−298909号公報
WO2002/59999号公報

発明が解決しようとする課題

0008

特許文献1〜8に記載されている芳香族基アルキル基を合わせ持つ化合物を含有する電解液を非水系電解液二次電池に用いると、過充電時の安全性が高まり、高温保存サイクル等の耐久特性が改良されるが、その一方で、初期不可逆容量が増大し初期容量特性が低下してしまい、電池としては、未だ満足しうるものではなかった。
本発明は上記問題に鑑み、電池の初期効率が高く、かつ過充電時安全性に優れた非水系電解液電池、及びそれを与える非水系電解液を提供することを目的とする。更に、本発明は、高温連続充電特性といった高温耐久特性に優れた非水系電解液電池、及びそれを与える非水系電解液を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、特定の構造を有する化合物を電解液中に含有させることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、下記に示すとおりである。
本発明1は、電解質及び非水溶媒を含む非水系電解液であって、該非水系電解液が、更に式(I):




(式中、
R1〜R5は、独立して、水素ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、
R6及びR7は、独立して、炭素数1以上12以下の炭化水素基であるが、
R1〜R7のうち少なくとも2つが一緒になって環を形成していてもよく、
ただし、式(I)は、(A)及び(B):
(A)R1〜R5のうち少なくとも1つは、ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基である、
(B)R1〜R7の炭素数の合計は、3以上20以下である、
のうち少なくとも一方の条件を満たす)
で表される芳香族化合物を含有することを特徴とする非水系電解液に関する。
本発明2は、前記式(I)におけるR1、R6及びR7のうち2つが一緒になって環を形成している、本発明1の非水系電解液に関する。
本発明3は、前記式(I)におけるR1とR6が一緒になって環を形成している、本発明2の非水系電解液に関する。
本発明4は、前記式(I)におけるR1〜R5のうち少なくとも1つが、炭素数1以上5以下の炭化水素基であることを特徴とする、本発明1〜3のいずれかの非水系電解液に関する。
本発明5は、前記式(I)で表される芳香族化合物が、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダンである、本発明3又は4の非水系電解液に関する。
本発明6は、前記式(I)におけるR6とR7が一緒になって環を形成している、本発明2の非水系電解液に関する。
本発明7は、前記式(I)で表される芳香族化合物が、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニルシクロペンタン又は1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサンである、本発明6の非水系電解液。
本発明8は、前記非水系電解液が、式(I)で表される芳香族化合物を、0.001質量%以上10質量%以下で含有する、本発明1〜7のいずれかの非水系電解液に関する。
本発明9は、前記非水系電解液が、2種以上の電解質を含む、本発明1〜8のいずれかの非水系電解液に関する。
本発明10は、2種以上の電解質が、モノフルオロリン酸塩ジフルオロリン酸塩ホウ酸塩シュウ酸塩及びフルオロスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、本発明9の非水系電解液に関する。
本発明11は、前記非水系電解液が、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩及びフルオロスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、0.001質量%以上20質量%以下で含有する、本発明10の非水系電解液に関する。
本発明12は、前記非水系電解液が、更に、フッ素含有環状カーボネート、硫黄含有有機化合物リン含有有機化合物シアノ基を有する有機化合物イソシアネート基を有する有機化合物、ケイ素含有化合物、式(I)以外の芳香族化合物、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、フッ素非含有カルボン酸エステル環状エーテル及びイソシアヌル酸骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、本発明1〜11のいずれかの非水系電解液に関する。
本発明13は、前記非水系電解液が、フッ素含有環状カーボネート、硫黄含有有機化合物、リン含有有機化合物、シアノ基を有する有機化合物、イソシアネート基を有する有機化合物、ケイ素含有化合物、式(I)以外の芳香族化合物、炭素‐炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、フッ素非含有カルボン酸エステル環状エーテル及びイソシアヌル酸骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、0.001質量%以上20質量%以下で含有する、本発明1〜11のいずれかの非水系電解液に関する。
本発明14は、リチウムイオン吸蔵・放出可能な負極及び正極、ならびに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が本発明1〜13のいずれかの非水系電解液である、非水系電解液電池に関する。

発明の効果

0010

本発明によれば、電池の初期効率が高く、かつ過充電時安全性に優れた非水系電解液電池を提供することができ、非水系電解液電池の小型化、高性能化を達成することができる。更に本発明によれば、高温保存特性や高温連続充電特性といった高温耐久特性に優れた非水系電解液電池、及びそれを与える非水系電解液を提供することができる。
本発明に係る非水系電解液を用いた非水系電解液電池が、過充電時の安全性に優れ、更に高温耐久特性にも優れる理由は明らかではないが、次のように推察される。ただし、本発明は下記作用原理等によって制限されるものではない。

0011

一般に、炭化水素基を持つ芳香族化合物は酸化されやすく、非水系電解液電池の電解液中に含有させると、過充電時に高電位の正極上で反応し、過充電ガスを発生する。このような電池では、過充電ガスにより内圧が高まり遮断弁発動させることを利用して、過充電時安全性を得ることができる。しかし、上記の芳香族化合物は、その反応性の高さから電池の通常動作電圧範囲でも不可逆に酸化されて電池の不可逆容量を増加させ、容量、抵抗等の電池特性を悪化させうる。炭化水素基が直接芳香族環に結合することで第4級炭素を形成している化合物は、酸化耐性が強く、電池特性を悪化させにくいが、酸化電位が貴にシフトし、過充電時の反応性が低く過充電時安全性が低下しうる。

0012

本発明においては、第4級炭素に直接芳香族環が2つ結合している構造とすることで、過充電時の反応性を保ちつつ、酸化反応活性化エネルギーを上昇させ、高温等における電池耐久試験時に電極上での副反応を抑制し、高温耐久特性を向上させると推測している。これによって電池の保存特性を向上させることも可能と考えられる。
特に、本発明で用いられる芳香族環に結合している炭化水素基の炭素数が一定以上である化合物は、ベンゼン環の安定化効果が高く、活性の高い正極との副反応を更に抑制することができ、同時に置換基の特性を適切に設定することで、過充電のように高いエネルギー状態では反応するようになる。よって、この化合物を電解液に使用することにより、電池の過充電時の安全性を高めながら、高温耐久特性を確保することができると考えられる。また、高温保存後の電池特性の低下を抑制する効果が高いと考えられる。

0013

これに対して、特許文献1〜3等に記載されているような、芳香族環に直接結合した炭素が第4級炭素ではない化合物は、ベンジル位水素の反応性が高く、通常の電池動作範囲内で初期から反応が進行し、初期不可逆容量が大きくなってしまう。
特許文献4〜9等に記載されているような、芳香族環に直接結合した炭素が第4級炭素以外である化合物は、酸化耐性が高いものの、過充電時の反応性が低いため安全性が低下してしまう。
本発明者らは、式(I)で表される芳香族化合物を非水系電解液中に含有させることによって、上記課題を解決できることを見出した。式(I)で表される芳香族化合物は、第4級炭素に直接芳香族環が2つ結合し、更に芳香族環に結合している炭化水素基の炭素数が一定数であることで、電池の通常動作範囲では反応しにくいが、通常動作範囲より高い電位では容易に反応する。通常動作範囲では、特に正極上酸化を抑制できると考えられる。その結果、このような化合物を電解液に含有させることにより、優れた初期効率のみならず、過充電時安定性に加えて、更には良好な高温耐久特性を有する、より優れた電池特性を有する電池を与えることができる。

0014

以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらの形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。

0015

1.<非水系電解液>
1−1 式(I)で表される芳香族化合物
本発明の非水系電解液は、式(I)で表される芳香族化合物を含有することを特徴とする。なお、式(I)で表される芳香族化合物においては光学異性体の区別はつけないものとし、異性体単独又はこれらの混合として適用することもできる。

0016

(式中、
R1〜R5は、独立して、水素、ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、
R6及びR7は、独立して、炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、
R1〜R7のうち少なくとも2つが一緒になって環を形成していてもよく、
ただし、式(I)は、(A)及び(B):
(A)R1〜R5のうち少なくとも1つは、ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基である、
(B)R1〜R7の炭素数の合計は、3以上20以下である、
のうち少なくとも一方の条件を満たす)
で表される芳香族化合物である。R1〜R7のうち少なくとも2つが一緒になって環を形成している場合、R1〜R7のうち2つが一緒になって環を形成していることが好ましい。

0017

R6及びR7は、独立して、炭素数1以上12以下の炭化水素基(例えば、アルキル基、アリール基)であり、R6とR7は一緒になって環(例えば、炭化水素基である環式基)を形成していてもよい。初期効率及び溶解性や保存特性向上の観点から、R6及びR7は、好ましくは炭素数1以上12以下の炭化水素基であるか、R6とR7が一緒になって形成した炭化水素基である環式基であり、より好ましくはメチル基エチル基プロピル基ブチル基、tert−ブチル基であるか、R6とR7が一緒になって形成した炭化水素基である5〜8員の環式基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、R6とR7が一緒になって形成したシクロヘキシル基シクロペンチル基、であり、最も好ましくはメチル基、エチル基、R6とR7が一緒になって形成したシクロヘキシル基である。

0018

R1〜R5は、独立して、水素、ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基(例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基)であり、これらのうち2つは一緒になって環(例えば、炭化水素基である環式基)を形成していてもよい。初期効率及び溶解性や保存特性向上の観点から、好ましくは水素、フッ素、非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、より好ましくは水素、フッ素、非置換もしくはフッ素置換の炭素数1以上10以下の炭化水素基であり、更に好ましくは水素、フッ素、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基、tert−ヘプチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基ノナフルオロtert−ブチル基、1−メチル−1−フェニル−エチル基、1−エチル−1−フェニル−プロピル基であり、特に好ましくは水素、フッ素、tert−ブチル基、1−メチル−1−フェニル−エチル基であり、最も好ましくは水素、tert−ブチル基、1−メチル−1−フェニル−エチル基である。

0019

R1〜R5のいずれか1つとR6が一緒になって環(例えば、炭化水素基である環式基)を形成してもよい。好ましくはR1とR6とが一緒になって環(例えば、炭化水素基である環式基)を形成してしている。この場合、R7は、アルキル基であることが好ましい。R7がメチル基で、R1とR6が一緒になって環を形成した化合物として、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、2,3−ジヒドロ1,3−ジメチル−1−(2−メチル−2−フェニルプロピル)−3−フェニル−1H−インダン等が挙げられる。

0020

式(I)は、(A)及び(B):
(A)R1〜R5のうち少なくとも1つは、ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基である、
(B)R1〜R7の炭素数の合計は、3以上20以下である、
のうち少なくとも一方の条件を満たす。
式(I)は、通常の電池動作電圧範囲内における正極上での酸化抑制の点から、(A)を満たしていることが好ましく、電解液への溶解性の点から、(B)を満たしていることが好ましい。式(I)は、(A)と(B)の両方を満たしていてもよい。

0021

(A)について、R1〜R5のうち少なくとも1つが、ハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基であれば、他は水素原子であっても、環を形成していてもよい。電解液への溶解性の観点から、非置換もしくはハロゲン置換の炭化水素基の炭素数は1以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、更に好ましくは1以上3以下、更により好ましくは1又は2、最も好ましくは1である。
(B)について、R1〜R7の炭素数の合計は3以上20以下であれば、R1〜R7のうち少なくとも2つが一緒になって環を形成していてもよい。R1〜R7のうち少なくとも2つが一緒になって環を形成している場合、炭素数の合計の算出にあたっては、環を形成する炭素のうち、R1〜R7に相当しない炭素(R1〜R5については、これらが結合しているベンゼン環を構成する炭素、R6及びR7については、ベンジル位の炭素)はカウントしないこととする。また、R1〜R7のうち少なくとも2つが一緒になって環を形成している場合、環を構成する炭素鎖構造式矛盾しない限り任意の位置で分けて、環を構成するR1〜R7に適宜振り分けて炭素数をカウントすることができる。炭素数の合計は、電解液への溶解度の点から、好ましくは3以上14以下であり、より好ましくは3以上10以下である。例えば、R7がメチル基で、R1とR6が一緒になって環を形成している化合物として1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン、2,3−ジヒドロ1,3−ジメチル−1−(2−メチル−2−フェニルプロピル)−3−フェニル−1H−インダン等が挙げられるが、これは(B)の条件を満たす。

0022

式(I)で表される芳香族化合物としては、以下が挙げられる。
R6及びR7が、独立して、炭素数1以上20以下の炭化水素基であり(ただし、R6及びR7の合計は炭素数3以上20以下である)、R1〜R5が水素である化合物((B)を満たす)。
2,2−ジフェニルブタン、3,3−ジフェニルペンタン、3,3−ジフェニルヘキサン、4,4−ジフェニルヘプタン、5,5−ジフェニルオクタン、6,6−ジフェニルノナン、1,1−ジフェニル−1,1−ジ−tert−ブチル−メタン

0023

R6及びR7が一緒になって環を形成しており、R1〜R5が水素である化合物((B)を満たす)。
1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニルシクロペンタン、1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサン。

0024

下記の化合物であってもよい(上記例示の化合物と重複する場合があるが、構造式で示すこととする)。

0025

R1〜R5のうち少なくとも1つがハロゲン又は非置換もしくはハロゲン置換の炭素数1以上20以下の炭化水素基である化合物((A)を満たす)。
1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン。

0026

下記の化合物であってもよい(上記例示の化合物と重複する場合があるが、構造式で示すこととする)。

0027

R7が炭素数1以上20以下の炭化水素基(例えば、炭素数1以上20以下のアルキル基であり、好ましくはメチル基)であり、R1とR6が一緒になって環を形成している化合物((B)を満たす)。
1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン。

0028

下記の化合物であってもよい(上記例示の化合物と重複する場合があるが、構造式で示すこととする)。

0029

中でも、初期の負極上での還元性の観点から好ましいのは、
2,2−ジフェニルブタン、3,3−ジフェニルペンタン、1,1−ジフェニル−1,1−ジ−tert−ブチル−メタン、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニルシクロペンタン、1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサン、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダンである。

0030

下記の化合物も好ましいものとして挙げられる(上記好ましい化合物と重複する場合があるが、構造式で示すこととする)。

0031

より好ましいのは、
2,2−ジフェニルブタン、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサン、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダンである。

0032

下記の化合物もより好ましいものとして挙げられる(上記より好ましい化合物と重複する場合があるが、構造式で示すこととする)。

0033

更に好ましいのは1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,1−ジフェニル−4−メチルシクロヘキサン、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダンである。

0034

下記の化合物も更に好ましいものとして挙げられる(上記更に好ましい化合物と重複する場合があるが、構造式で示すこととする)。

0035

特に好ましいのは1,1−ジフェニルシクロヘキサン、1,3−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−ベンゼン、1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダンであり、下記の構造式で表される。

0036

最も好ましくは1−フェニル−1,3,3−トリメチルインダン化合物であり、以下の構造式で表される。

0037

式(I)で表される芳香族化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。非水系電解液全量(100質量%)中、式(I)で表される芳香族化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2.5質量%以下である。上記範囲内にあることにより、本発明の効果が発現しやすく、また、電池の抵抗増大を防ぐことができる。

0038

1−2 式(I)で表される芳香族化合物に加えて含有することができる化合物
本発明の非水系電解液は、フッ素含有環状カーボネート、硫黄含有有機化合物、リン含有有機化合物、シアノ基を有する有機化合物、イソシアネート基を有する有機化合物、ケイ素含有化合物、式(I)以外の芳香族化合物、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、フッ素非含有カルボン酸エステル、環状エーテル及びイソシアヌル酸骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことができる。
中でも、フッ素含有環状カーボネート、硫黄含有有機化合物、リン含有有機化合物、シアノ基を有する有機化合物、イソシアネート基を有する有機化合物、ケイ素含有化合物、式(I)以外の芳香族化合物、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、フッ素非含有カルボン酸エステル、及びイソシアヌル酸骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が、初期特性高温耐久後特性のバランスの観点から正極上に良質な複合被膜を形成するため好ましい。
フッ素含有環状カーボネート、硫黄含有有機化合物、リン含有有機化合物、シアノ基を有する有機化合物、イソシアネート基を有する有機化合物、ケイ素含有化合物、式(I)以外の芳香族化合物、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、及びフッ素非含有カルボン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が、より好ましい。理由としては、比較的低分子量の被膜を負極上に形成するこれら添加剤は、形成される負極被膜が緻密であることから、効率良く式(I)で表される芳香族化合物の副反応による劣化を抑制することが挙げられ、副反応を効果的に抑制しまた抵抗上昇を抑制し、初期や高温耐久時の副反応抑制による体積変化抑制と高温耐久後安全性確保、またレート特性を向上させるためである。
特にフッ素含有環状カーボネート、硫黄含有有機化合物、リン含有有機化合物、シアノ基を有する有機化合物、式(I)以外の芳香族化合物、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、及びフッ素非含有カルボン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が、負極上に形成する添加剤由来の被膜と式(I)で表される芳香族化合物が静電反発を起こし、副反応が特異的に抑制されるので更に好ましい。

0039

本発明の電解液が上記化合物を含む場合、上記化合物は単独でも、2種以上を併用してよい。所望の特性にあわせて、含有させる化合物を選ぶことができる。非水系電解液全量(100質量%)中、上記化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上であり、また、20質量%以下であることができ、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。上記化合物の含有量が上記範囲内であると、式(I)で表される芳香族化合物を含有させることによる効果を十分享受できる。

0040

本発明の電解液に、上記化合物を配合する方法は、特に制限されない。上記化合物を直接電解液に添加する方法の他に、電池内又は電解液中において上記化合物を発生させる方法が挙げられる。上記化合物を発生させる方法としては、これらの化合物以外の化合物を添加し、電解液等の電池構成要素を酸化又は加水分解等して発生させる方法が挙げられる。更には、電池を作製して、充放電等の電気的な負荷をかけることによって、発生させる方法も挙げられる。

0041

以下に、本発明の電解液が上記化合物を含む態様を説明する。上記化合物と組み合わせる式(I)で表される芳香族化合物に関しては、式(I)で表される芳香族化合物に関する上記の記載が、例示及び好ましい例も含めて適用される。また、ある化合物を含む態様において、上記化合物におけるそれ以外の化合物が含まれていてもよい。

0042

1−2−1.フッ素含有環状カーボネート
本発明の電解液は、更にフッ素含有環状カーボネートを含むことができる。フッ素含有環状カーボネートは、フッ素原子を有する環状カーボネートであれば、特に制限されない。本発明の電解液において、上記式(I)で表される芳香族化合物とフッ素含有環状カーボネートは、相互に作用して、負極上に複合的な界面保護被膜を形成し、これにより、電池の高温保存特性の向上を図ることができると考えられる。また、同時に、電池に優れた初期レート特性も付与することができる。

0043

フッ素含有環状カーボネートとしては、炭素数2以上6以下のアルキレン基を有する環状カーボネートのフッ素化物、及びその誘導体が挙げられ、例えばエチレンカーボネートのフッ素化物(以下、「フッ素化エチレンカーボネート」と記載する場合がある)、及びその誘導体が挙げられる。エチレンカーボネートのフッ素化物の誘導体としては、アルキル基(例えば、炭素数1以上4以下のアルキル基)で置換されたエチレンカーボネートのフッ素化物が挙げられる。中でもフッ素数1以上8以下のフッ素化エチレンカーボネート、及びその誘導体が好ましい。

0044

フッ素数1〜8個のフッ素化エチレンカーボネート及びその誘導体としては、モノフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(ジフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(トリフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−4−フルオロエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−5−フルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジメチルエレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5,5−ジメチルエチレンカーボネート等が挙げられる。

0045

中でも、モノフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネートが、電解液に高イオン伝導性を与え、かつ安定な界面保護被膜を容易に形成しやすい点で好ましい。

0046

フッ素化環状カーボネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。フッ素化環状カーボネートの量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更により好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上、最も好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。また、フッ素化環状カーボネートを非水溶媒として用いる場合の配合量は、非水溶媒100体積%中、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上、更に好ましくは10体積%以上であり、また、好ましくは50体積%以下、より好ましくは35体積%以下、更に好ましくは25体積%以下である。

0047

また、フッ素含有環状カーボネートとして、不飽和結合とフッ素原子とを有する環状カーボネート(以下、「フッ素化不飽和環状カーボネート」と記載する場合がある)を用いることもできる。フッ素化不飽和環状カーボネートが有するフッ素数は1以上であれば、特に制限されない。フッ素数は6以下とすることができ、好ましくは4以下であり、1又は2がより好ましい。

0048

フッ素化不飽和環状カーボネートとしては、フッ素化ビニレンカーボネート誘導体芳香環又は炭素−炭素二重結合を有する置換基で置換されたフッ素化エチレンカーボネート誘導体等が挙げられる。
フッ素化ビニレンカーボネート誘導体としては、4−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−フェニルビニレンカーボネート、4−アリル−5−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルビニレンカーボネート等が挙げられる。

0049

芳香環又は炭素−炭素二重結合を有する置換基で置換されたフッ素化エチレンカーボネート誘導体としては、4−フルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−アリルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート等が挙げられる。

0050

中でも、フッ素化不飽和環状カーボネートとしては、4−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルビニレンカーボネート、4−アリル−5−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−アリルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネートが、安定な界面保護被膜を形成するので好ましい。

0051

フッ素化不飽和環状カーボネートの分子量は、特に制限されない。分子量は、好ましくは50以上、また、250以下である。この範囲であれば、非水系電解液に対するフッ素化環状カーボネートの溶解性を確保しやすく、本発明の効果が発現されやすい。フッ素化不飽和環状カーボネートの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。分子量は、より好ましくは100以上であり、また、より好ましくは200以下である。

0052

フッ素化不飽和環状カーボネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0053

フッ素化不飽和環状カーボネート(2種以上の場合は合計量)の量は、電解液100質量%中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上で、特に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。この範囲内であれば、非水系電解液電池は十分なサイクル特性向上効果を発現しやすく、また、高温保存特性が低下し、ガス発生量が多くなり、放電容量維持率が低下するといった事態を回避しやすい。

0054

上記式(I)で表される芳香族化合物とフッ素含有環状カーボネートの質量比は、負極上での複合的な界面保護被膜形成の点から、0.4:100〜100:100であることが好ましく、1:100〜50:100であることがより好ましく、1.4:100〜35:100であることが更に好ましい。この範囲で配合した場合、各添加剤正負極での副反応を効率よく抑制でき、電池特性が向上する。特に、高温保存特性の向上に有用である。

0055

1−2−2.硫黄含有有機化合物
本発明の電解液は、更に硫黄含有有機化合物を含むことができる。硫黄含有有機化合物は、分子内に硫黄原子を少なくとも1つ有している有機化合物であれば、特に制限されないが、好ましくは分子内にS=O基を有している有機化合物であり、鎖状スルホン酸エステル環状スルホン酸エステル鎖状硫酸エステル環状硫酸エステル、鎖状亜硫酸エステル及び環状亜硫酸エステルが挙げられる。ただしフルオロスルホン酸塩に該当するものは、1−2−2.硫黄含有有機化合物ではなく、後述する電解質であるフルオロスルホン酸塩に包含されるものとする。

0056

中でも、鎖状スルホン酸エステル、環状スルホン酸エステル、鎖状硫酸エステル、環状硫酸エステル、鎖状亜硫酸エステル及び環状亜硫酸エステルが好ましく、より好ましくはS(=O)2基を有する化合物である。
これらのエステルは、置換基を有していてもよい。ここで置換基とは、炭素原子、水素原子、窒素原子酸素原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1以上の原子で構成された基であり、好ましくは、炭素原子、水素原子、酸素原子及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1以上の原子で構成された基であり、より好ましくは、炭素原子、水素原子及び酸素原子からなる群から選ばれる1以上の原子で構成された基である。置換基としては、ハロゲン原子;非置換又はハロゲン置換の、アルキル基、アルケニル基アルキニル基、アリール基又はアルコキシ基;シアノ基;イソシアナト基アルコキシカルボニルオキシ基アシル基カルボキシ基アルコキシカルボニル基アシルオキシ基アルキルスルホニル基アルコキシスルホニル基ジアルコキシホスファントリイル基;ジアルコキシホスホリル基及びジアルコキシホスホリルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子;アルコキシ基;非置換又はハロゲン置換の、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基;イソシアナト基;シアノ基;アルコキシカルボニルオキシ基;アシル基;アルコキシカルボニル基;アシルオキシ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、非置換アルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基;アシル基;アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、非置換アルキル基及びアルコキシカルボニル基である。これらの置換基に関する例示及び好ましい例は、後述する式(2−1)におけるA12及びA13、ならびに式(2−2)におけるA14の定義中の置換基に適用される。

0057

更に好ましくは鎖状スルホン酸エステル及び環状スルホン酸エステルであり、中でも、式(2−1)で表される鎖状スルホン酸エステル及び式(2−2)で表される環状スルホン酸エステルが好ましい。

0058

1−2−2−1.式(2−1)で表される鎖状スルホン酸エステル




(式中、
A12は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のn21価の炭化水素基であり、
A13は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、
n21は、1以上4以下の整数であり、
n21が2の場合、A12及びA13は、同一であっても、異なっていてもよい。)

0059

式(2−1)において、A12及びA13は一緒になって環を形成しておらず、よって式(2−1)は鎖状スルホン酸エステルである。

0060

n21は、1以上3以下の整数が好ましく、1以上2以下の整数がより好ましく、2が更に好ましい。

0061

A12における炭素数1以上12以下のn21価の炭化水素基としては、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基等の1価の炭化水素基;
アルキレン基、アルケニレン基アルキニレン基及びアリーレン基等の2価の炭化水素基;
アルカントリイル基アルケントリイル基、アルキントリイル基及びアレーントリイル基等の3価の炭化水素基;
アルカンテトライル基、アルケンテトライル基、アルキンテトライル基及びアレーンテトライル基等の4価の炭化水素基;
等が挙げられる。

0062

これらのうち、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基及びアリーレン基等の2価の炭化水素基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。これらは、n21が2の場合に対応する。

0063

炭素数1以上12以下のn21価の炭化水素基のうち、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基等の炭素数1〜5のアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基等の炭素数2以上5以下のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基等の炭素数2以上5以下のアルキニル基が挙げられる。
2価の炭化水素基としては、メチレン基エチレン基トリメチレン基テトラメチレン基ペンタメチレン基等の炭素数1以上5以下のアルキレン基;ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基等の炭素数2以上5以下のアルケニレン基;エチニレン基プロピニレン基、1−ブチニレン基、2−ブチニレン基、1−ペンチニレン基及び2−ペンチニレン基等の炭素数2以上5以下のアルキニレン基等が挙げられ、好ましくはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数1〜5のアルキレン基であり、より好ましくはエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数2以上5以下のアルキレン基であり、更に好ましくはトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数3以上5以下のアルキレン基である。
3価及び4価の炭化水素基としては、上記1価の炭化水素基に対応する、3価及び4価の炭化水素基が挙げられる。

0064

A12における置換基を有していている炭素数1以上12以下のn21価の炭化水素基とは、上記置換基と上記炭素数1以上12以下のn21価の炭化水素基を組み合わせた基を意味する。A12としては、置換基を有さない炭素数1以上5以下のn21価の炭化水素基が好ましい。

0065

A13における炭素数1以上12以下の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基等の1価の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。

0066

炭素数1以上12以下の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基等の炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基であり、更に好ましくはエチル基、n−プロピル基である。

0067

A13における置換基を有している炭素数1以上12以下の炭化水素基とは、上記置換基と上記炭素数1以上12以下の炭化水素基を組み合わせた基を意味する。A13としては、置換基を有していてもよい炭素数1以上5以下の炭化水素基が好ましく、より好ましくは置換基を有している炭素数1以上5以下の炭化水素基が好ましく、置換基としてアルコキシカルボニル基を有するアルキル基が更に好ましい。中でも、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、1−メトキシカルボニルプロピル基、1−エトキシカルボニルプロピル基、2−メトキシカルボニルプロピル基、2−エトキシカルボニルプロピル基、3−メトキシカルボニルプロピル基、3−エトキシカルボニルプロピル基が好ましく、より好ましくは1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基である。

0068

式(2−1)で表される鎖状スルホン酸エステルを更に含む本発明の電解液を用いた電池は、初期ガス抑制及び保存ガス抑制効果に優れる。式(2−1)で表される鎖状スルホン酸エステルの含有量(2種以上の場合は合計の含有量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1.5質量%以下である。この範囲内であると、高温保存特性が良好である。

0069

1−2−2−2.式(2−2)で表される環状スルホン酸エステル




(式中、
A14は置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の炭化水素基である。)

0070

A14における炭素数1以上12以下の2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基及びアリーレン基等が挙げられ、好ましくはアルキレン基、アルケニレン基である。
炭素数1以上12以下の2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数1〜5のアルキレン基;ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基等の炭素数2〜5のアルケニレン基;
エチニレン基、プロピニレン基、1−ブチニレン基、2−ブチニレン基、1−ペンチニレン基及び2−ペンチニレン基等の炭素数2〜5のアルキニレン基等が挙げられる。
これらのうち、好ましくはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数1〜5のアルキレン基ならびにビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基等の炭素数2〜5のアルケニレン基であり、より好ましくはトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数3〜5のアルキレン基ならびに1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基等の炭素数3〜5のアルケニレン基であり、更に好ましくはトリメチレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基である。
なお、A14における置換基を有していいる炭素数1以上12以下の2価の炭化水素基とは、上記置換基と上記炭素数1以上12以下の2価の炭化水素基を組み合わせた基のことを意味する。A14は、好ましくは置換基を有さない炭素数1以上5以下の2価の炭化水素基である。

0071

式(2−2)で表される環状スルホン酸エステルを更に含む本発明の電解液を用いた電池は、初期容量ロスを小さくし、高温保存後の容量回復率が良好である。更に、過充電時安全性を一層向上させることもできる。式(2−2)で表される環状スルホン酸エステルの含有量(2種以上の場合は合計の含有量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1.5質量%以下である。

0072

硫黄含有有機化合物としては、以下を挙げることができる。

0073

≪鎖状スルホン酸エステル≫
フルオロスルホン酸メチル及びフルオロスルホン酸エチル等のフルオロスルホン酸エステル;
メタンスルホン酸メチルメタンスルホン酸エチルメタンスルホン酸2−プロピニル、メタンスルホン酸3−ブチニル、ブスルファン、2−(メタンスルホニルオキシプロピオン酸メチル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸エチル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸2−プロピニル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸3−ブチニル、メタンスルホニルオキシ酢酸メチル、メタンスルホニルオキシ酢酸エチル、メタンスルホニルオキシ酢酸2−プロピニル及びメタンスルホニルオキシ酢酸3−ブチニル等のメタンスルホン酸エステル;
ビニルスルホン酸メチル、ビニルスルホン酸エチル、ビニルスルホン酸アリル、ビニルスルホン酸プロパルギル、アリルスルホン酸メチル、アリルスルホン酸エチル、アリルスルホン酸アリル、アリルスルホン酸プロパルギル及び1,2−ビス(ビニルスルホロキシエタン等のアルケニルスルホン酸エステル
メタンジスルホン酸メトキシカルボニルメチル、メタンジスルホン酸エトキシカルボニルメチル、メタンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、メタンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、1,2−エタンジスルホン酸メトキシカルボニルメチル、1,2−エタンジスルホン酸エトキシカルボニルメチル、1,2−エタンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、1,2−エタンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、1,3−プロパンジスルホン酸メトキシカルボニルメチル、1,3−プロパンジスルホン酸エトキシカルボニルメチル、1,3−プロパンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、1,3−プロパンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、1,3−ブタンジスルホン酸メトキシカルボニルメチル、1,3−ブタンジスルホン酸エトキシカルボニルメチル、1,3−ブタンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、1,3−ブタンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル等のアルキルジスルホン酸エステル

0074

≪環状スルホン酸エステル≫
1,3−プロパンスルトン、1−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、2−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、3−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、1−メチル−1,3−プロパンスルトン、2−メチル−1,3−プロパンスルトン、3−メチル−1,3−プロパンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトン、2−プロペン−1,3−スルトン、1−フルオロ−1−プロペン−1,3−スルトン、2−フルオロ−1−プロペン−1,3−スルトン、3−フルオロ−1−プロペン−1,3−スルトン、1−フルオロ−2−プロペン−1,3−スルトン、2−フルオロ−2−プロペン−1,3−スルトン、3−フルオロ−2−プロペン−1,3−スルトン、1−メチル−1−プロペン−1,3−スルトン、2−メチル−1−プロペン−1,3−スルトン、3−メチル−1−プロペン−1,3−スルトン、1−メチル−2−プロペン−1,3−スルトン、2−メチル−2−プロペン−1,3−スルトン、3−メチル−2−プロペン−1,3−スルトン、1,4−ブタンスルトン及び1,5−ペンタンスルトン等のスルトン化合物
メチレンメタンジスルホネートエチレンメタンジスルホネート等のジスルホネート化合物;

0075

1,2,3−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、3H−1,2,3−オキサチアゾール−2,2−ジオキシド、5H−1,2,3−オキサチアゾール−2,2−ジオキシド、1,2,4−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、1,2,5−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、1,2,3−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、5,6−ジヒドロ−1,2,3−オキサチアジン−2,2−ジオキシド及び1,2,4−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド等の含窒素化合物

0076

1,2,3−オキサチアスラン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアホスラン−2,2,3−トリオキシド、3−メトキシ−1,2,3−オキサチアホスラン−2,2,3−トリオキシド、1,2,4−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド、1,2,5−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド、1,2,3−オキサチアホスフナン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシド、3−メトキシ−1,2,3−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシド、1,2,4−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、1,2,5−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド及び1,2,6−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド等の含リン化合物

0077

≪鎖状硫酸エステル≫
ジメチルスルフェート、エチルメチルスルフェート及びジエチルスルフェート等のジアルキルスルフェート化合物

0078

≪環状硫酸エステル≫
1,2−エチレンスルフェート、1,2−プロピレンスルフェート、1,3−プロピレンスルフェート、1,2−ブチレンスルフェート、1,3−ブチレンスルフェート、1,4−ブチレンスルフェート、1,2−ペンチレンスルフェート、1,3−ペンチレンスルフェート、1,4−ペンチレンスルフェート及び1,5−ペンチレンスルフェート等のアルキレンスルフェート化合物。

0079

≪鎖状亜硫酸エステル≫
ジメチルスルファイト、エチルメチルスルファイト及びジエチルスルファイト等のジアルキルスルファイト化合物。

0080

≪環状亜硫酸エステル≫
1,2−エチレンスルファイト、1,2−プロピレンスルファイト、1,3−プロピレンスルファイト、1,2−ブチレンスルファイト、1,3−ブチレンスルファイト、1,4−ブチレンスルファイト、1,2−ペンチレンスルファイト、1,3−ペンチレンスルファイト、1,4−ペンチレンスルファイト及び1,5−ペンチレンスルファイト等のアルキレンスルファイト化合物。

0081

これらのうち、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸メチル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸エチル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸2−プロピニル、プロパンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、プロパンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、ブタンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、ブタンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、1,3−プロパンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトン、1,4−ブタンスルトン、1,2−エチレンスルフェート、1,2−エチレンスルファイト、メタンスルホン酸メチル及びメタンスルホン酸エチルが保存特性向上の点から好ましく、プロパンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、プロパンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、ブタンジスルホン酸1−メトキシカルボニルエチル、ブタンジスルホン酸1−エトキシカルボニルエチル、1,3−プロパンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトン、1,2−エチレンスルフェート、1,2−エチレンスルファイトがより好ましく、1,3−プロパンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトンが更に好ましい。

0082

硫黄含有有機化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。

0083

硫黄含有有機化合物の含有量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。この範囲にあると、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。

0084

上記式(I)で表される芳香族化合物と硫黄含有有機化合物の質量比は、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、20:80〜80:20が特に好ましい。この範囲で配合した場合、各添加剤の正負極での副反応を効率よく抑制でき、電池特性が向上する。特に、高温保存特性の向上に有用である。

0085

1−2−3.リン含有有機化合物
本発明の電解液は、更にリン含有有機化合物を含むことができる。リン含有有機化合物は、分子内に少なくとも1つリン原子を有している有機化合物であれば、特に制限されない。リン含有有機化合物を含有する本発明の電解液を用いた電池は、高温保存後のガス発生が抑制され、回復率も良好であり、かつ良好な初期充放電効率を有する。

0086

リン含有有機化合物としては、リン酸エステルホスホン酸エステルホスフィン酸エステル亜リン酸エステルが好ましく、より好ましくはリン酸エステル及びホスホン酸エステルであり、更に好ましくはホスホン酸エステルである。これらのエステルは、置換基を有していてもよい。ここで置換基とは、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1以上の原子で構成された基であり、好ましくは、炭素原子、水素原子、酸素原子及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1以上の原子で構成された基である。置換基としては、ハロゲン原子;非置換又はハロゲン置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアルコキシ基;シアノ基;イソシアナト基;アルコキシカルボニルオキシ基;アシル基;カルボキシ基;アルコキシカルボニル基;アシルオキシ基;アルキルスルホニル基;アルコキシスルホニル基;ジアルコキシホスファントリイル基;ジアルコキシホスホリル基及びジアルコキシホスホリルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子;アルコキシ基;アルコキシカルボニルオキシ基;アシル基;カルボキシル基及びアシルオキシ基等が挙げられ、より好ましくはハロゲン原子及びアシルオキシ基であり、更に好ましくはアシルオキシ基である。上記アシルオキシ基としては、アセトキシ基プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基アクリロイルオキシ基メタクリロイルオキシ基及びクロトニルオキシ基等が挙げられ、好ましくはアクリロイルオキシ基である。これらの置換基に関する例示及び好ましい例は、後述する式(3−1)におけるA6〜A8の定義中の置換基に適用される。

0087

更に好ましくはリン酸エステル及びホスホン酸エステルであり、中でも、式(3−1)で表されるリン酸エステル及び式(3−2)で表されるホスホン酸エステルが好ましい。

0088

1−2−3−1.式(3−1)で表されるリン酸エステル




(式中、
A6、A7及びA8は、独立して、置換基を有していてもよい炭素数1以上5以下のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基であるが、ただし、A6〜A8のうち少なくとも1つは炭素−炭素不飽和結合を有することとする。)

0089

炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基等のアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基等のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基等のアルキニル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ビニル基、2−プロペニル基(アリル基)、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、3−ブチニル基及び4−ペンチニル基が好ましく、メチル基、エチル基、2−プロペニル基(アリル基)及び2−プロピニル基(プロパルギル基)がより好ましく、メチル基、エチル基及び2−プロペニル基(アリル基)が更に好ましい。

0090

なお、置換基を有する炭素数1以上5以下のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基とは、上記置換基と上記炭素数1以上5以下のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を組み合わせた基のことを意味し、好ましくは2−アクリロイルオキシメチル基及び2−アクリロイルオキシエチル基である。

0091

式(3−1)で表される化合物としては、以下を挙げることができる。
<炭素−炭素不飽和結合を1つ有する化合物>
ジメチルビニルホスフェート、ジエチルビニルホスフェート、ジプロピルビニルホスフェート、ジブチルビニルホスフェート及びジペンチルビニルホスフェート等のビニル基を有する化合物;
アリルジメチルホスフェート、アリルジエチルホスフェート、アリルジプロピルホスフェート、アリルジブチルホスフェート及びアリルジペンチルホスフェート等のアリル基を有する化合物;
プロパルギルジメチルホスフェート、プロパルギルジエチルホスフェート、プロパルギルジプロピルホスフェート、プロパルギルジブチルホスフェート及びプロパルギルジペンチルホスフェート等のプロパルギル基を有する化合物;
2−アクリロイルオキシメチルジメチルホスフェート、2−アクリロイルオキシメチルジエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシメチルジプロピルホスフェート、2−アクリロイルオキシメチルジブチルホスフェート及び2−アクリロイルオキシメチルジペンチルホスフェート等の2−アクリロイルオキシメチル基を有する化合物;
2−アクリロイルオキシエチルジメチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルジエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルジプロピルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルジブチルホスフェート及び2−アクリロイルオキシエチルジペンチルホスフェート等の2−アクリロイルオキシエチル基を有する化合物;

0092

<炭素−炭素不飽和結合を2つ有する化合物>
メチルジビニルホスフェート、エチルジビニルホスフェート、プロピルジビニルホスフェート、ブチルジビニルホスフェート及びペンチルジビニルホスフェート等のビニル基を有する化合物;
ジアリルメチルホスフェート、ジアリルエチルホスフェート、ジアリルプロピルホスフェート、ジアリルブチルホスフェート及びジアリルペンチルホスフェート等のアリル基を有する化合物;
ジプロパルギルメチルホスフェート、ジプロパルギルエチルホスフェート、ジプロパルギルプロピルホスフェート、ジプロパルギルブチルホスフェート及びジプロパルギルペンチルホスフェート等のプロパルギル基を有する化合物;
ビス(2−アクリロイルオキシメチル)メチルホスフェート、ビス(2−アクリロイルオキシメチル)エチルホスフェート、ビス(2−アクリロイルオキシメチル)プロピルホスフェート、ビス(2−アクリロイルオキシメチル)ブチルホスフェート及びビス(2−アクリロイルオキシメチル)ペンチルホスフェート等の2−アクリロイルオキシメチル基を有する化合物;
ビス(2−アクリロイルオキシエチル)メチルホスフェート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)エチルホスフェート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)プロピルホスフェート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ブチルホスフェート及びビス(2−アクリロイルオキシエチル)ペンチルホスフェート等の2−アクリロイルオキシエチル基を有する化合物;

0093

<炭素−炭素不飽和結合を3つ有する化合物>
トリビニルホスフェート、トリアリルホスフェート、トリプロパルギルホスフェート、トリス(2−アクリロイルオキシメチル)ホスフェート及びトリス(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート等
これらのうち、電池特性向上の観点から炭素−炭素不飽和結合を3つ有する化合物が好ましく、トリアリルホスフェート及びトリス(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェートがより好ましい。

0094

1−2−3−2.式(3−2)で表されるホスホン酸エステル




(式中、
A9、A10及びA11は、独立して、非置換又はハロゲン置換の、炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基であり、
n32は、0〜6の整数である。)

0095

炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基等のアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基等のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基等のアルキニル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ビニル基、2−プロペニル基(アリル基)、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、3−ブチニル基及び4−ペンチニル基が好ましく、メチル基、エチル基、2−プロペニル基(アリル基)及び2−プロピニル基(プロパルギル基)がより好ましく、メチル基、エチル基及び2−プロピニル基(プロパルギル基)が更に好ましい。

0096

式(3−2)で表されるホスホン酸エステルとしては以下の化合物を挙げることができる。

0097

<式(3−2)においてn32=0の化合物>
トリメチルホスホノフォルメート、メチルジエチルホスホノフォルメート、メチルジプロピルホスホノフォルメート、メチルジブチルホスホノフォルメート、トリエチルホスホノフォルメート、エチルジメチルホスホノフォルメート、エチル ジプロピルホスホノフォルメート、エチル ジブチルホスホノフォルメート、トリプロピルホスホノフォルメート、プロピル ジメチルホスホノフォルメート、プロピル ジエチルホスホノフォルメート、プロピル ジブチルホスホノフォルメート、トリブチルホスホノフォルメート、ブチルジメチルホスホノフォルメート、ブチル ジエチルホスホノフォルメート、ブチル ジプロピルホスホノフォルメート、メチルビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノフォルメート、エチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノフォルメート、プロピル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノフォルメート、ブチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノフォルメート等。

0098

<式(3−2)においてn32=1の化合物>
トリメチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテート、メチルジプロピルホスホノアセテート、メチルジブチルホスホノアセテート、トリエチルホスホノアセテート、エチルジメチルホスホノアセテート、エチル ジプロピルホスホノアセテート、エチル ジブチルホスホノアセテート、トリプロピルホスホノアセテート、プロピル ジメチルホスホノアセテート、プロピル ジエチルホスホノアセテート、プロピル ジブチルホスホノアセテート、トリブチルホスホノアセテート、ブチルジメチルホスホノアセテート、ブチル ジエチルホスホノアセテート、ブチル ジプロピルホスホノアセテート、メチルビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノアセテート、エチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノアセテート、プロピル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノアセテート、ブチル ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノアセテート、アリル ジメチルホスホノアセテート、アリル ジエチルホスホノアセテート、2−プロピニルジメチルホスホノアセテート、2−プロピニル ジエチルホスホノアセテート等。

0099

<式(3−2)においてn32=2の化合物>
トリメチル3−ホスホノプロピオネート、メチル3−(ジエチルホスホノ)プロピオネート、メチル 3−(ジプロピルホスホノ)プロピオネート、メチル 3−(ジブチルホスホノ)プロピオネート、トリエチル3−ホスホノプロピオネート、エチル3−(ジメチルホスホノ)プロピオネート、エチル 3−(ジプロピルホスホノ)プロピオネート、エチル 3−(ジブチルホスホノ)プロピオネート、トリプロピル3−ホスホノプロピオネート、プロピル 3−(ジメチルホスホノ)プロピオネート、プロピル 3−(ジエチルホスホノ)プロピオネート、プロピル 3−(ジブチルホスホノ)プロピオネート、トリブチル3−ホスホノプロピオネート、ブチル3−(ジメチルホスホノ)プロピオネート、ブチル 3−(ジエチルホスホノ)プロピオネート、ブチル 3−(ジプロピルホスホノ)プロピオネート、メチル 3−(ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ)プロピオネート、エチル 3−(ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ)プロピオネート、プロピル 3−(ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ)プロピオネート、ブチル 3−(ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ)プロピオネート等。

0100

<式(3−2)においてn32=3の化合物>
トリメチル4−ホスホノブチレート、メチル4−(ジエチルホスホノ)ブチレート、メチル 4−(ジプロピルホスホノ)ブチレート、メチル 4−(ジブチルホスホノ)ブチレート、トリエチル4−ホスホノブチレート、エチル4−(ジメチルホスホノ)ブチレート、エチル 4−(ジプロピルホスホノ)ブチレート、エチル 4−(ジブチルホスホノ)ブチレート、トリプロピル4−ホスホノブチレート、プロピル 4−(ジメチルホスホノ)ブチレート、プロピル 4−(ジエチルホスホノ)ブチレート、プロピル 4−(ジブチルホスホノ)ブチレート、トリブチル4−ホスホノブチレート、ブチル4−(ジメチルホスホノ)ブチレート、ブチル 4−(ジエチルホスホノ)ブチレート、ブチル 4−(ジプロピルホスホノ)ブチレート等。

0101

電池特性向上の観点からn32=0、1、2の化合物が好ましく、n32=0、1の化合物がより好ましく、n32=1の化合物が更に好ましく、n32=1の化合物の中でも、A9〜A11が飽和炭化水素基である化合物が好ましい。

0102

特にトリメチルホスホノアセテート、トリエチルホスホノアセテート、2−プロピニルジメチルホスホノアセテート、2−プロピニルジエチルホスホノアセテートが好ましい。

0103

リン含有有機化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。

0104

リン含有有機化合物(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0.5質量%以下である。この範囲であると、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。

0105

上記式(I)で表される芳香族化合物とリン含有有機化合物の質量比は、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、20:80〜80:20が特に好ましい。この範囲で配合した場合、各添加剤の正負極での副反応を効率よく抑制でき、電池特性が向上する。特に、高温保存特性の向上に有用である。

0106

1−2−4.シアノ基を有する有機化合物
本発明の電解液は、シアノ基を有する有機化合物を含むことができる。シアノ基を有する本発明の電解液を用いた電池は、初期容量ロスが小さく、高温保存後のガス発生が抑制される。シアノ基を有する有機化合物としては、分子内にシアノ基を少なくとも1つ有している有機化合物であれば、特に制限されないが、好ましくは式(4−1)、式(4−2)及び式(4−3)で表される化合物であり、より好ましくは式(4−1)及び式(4−2)で表される化合物であり、更に好ましくは、式(4−2)で表される化合物である。

0107

1−2−4−1.式(4−1)で表される化合物
A1−CN (4−1)
(式中、Aは炭素数2以上20以下の炭化水素基を示す。)

0108

式(4−1)で表される化合物の分子量は、特に制限されない。分子量は、好ましくは55以上であり、より好ましくは65以上、更に好ましくは80以上であり、また、好ましくは310以下であり、より好ましくは185以下であり、更に好ましくは155以下である。この範囲であれば、非水系電解液に対する式(4−1)で表される化合物の溶解性を確保しやすく、本発明の効果が発現されやすい。式(4−1)で表される化合物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。

0109

式(4−1)中、炭素数2以上20以下の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基等が挙げられ、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、tert−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、ドデシル基トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシ基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等のアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル、1−ペンテニル基等のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、i−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、i−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基キシリル基ベンジル基フェネチル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基等のアリール基等が好ましい。
中でも、分子全体に対するシアノ基の割合が多く、電池特性向上効果が高いという観点から、炭素数2以上15以下の直鎖又は分岐状のアルキル基及び炭素数2以上4以下のアルケニル基がより好ましく、炭素数2以上12以下の直鎖又は分岐状のアルキル基が更に好ましく、炭素数4以上11以下の直鎖又は分岐状のアルキル基が特に好ましい。

0110

式(4−1)で表される化合物としては、プロピオニトリルブチロニトリル、ペンタンニトリルヘキサンニトリル、ヘプタンニトリル、オクタンニトリル、ペラルゴノニトリルデカンニトリル、ウンデカンニトリル、ドデカンニトリル、シクロペンタンカルボニトリルシクロヘキサンカルボニトリルアクリロニトリルメタクリロニトリルクロトノニトリル、3−メチルクロトノニトリル、2−メチル−2−ブテン二トリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−2−ペンテンニトリル、3−メチル−2−ペンテンニトリル及び2−ヘキセンニトリル等が挙げられる。
中でも、化合物の安定性、電池特性、製造面の観点から、ペンタンニトリル、オクタンニトリル、デカンニトリル、ドデカンニトリル及びクロトノニトリルが好ましく、ペンタンニトリル、デカンニトリル、ドデカンニトリル及びクロトノニトリルがより好ましく、ペンタンニトリル、デカンニトリル及びクロトノニトリルが好ましい。

0111

式(4−1)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。式(4−1)で表される化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、非水系電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0.5質量%以下である。上記範囲であれば、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。

0112

1−2−4−2.式(4−2)で表される化合物
NC−A2−CN (4−2)
(式中、
A2は、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の原子で構成された炭素数1以上10以下の有機基である。)

0113

水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の原子で構成された炭素数1以上10以下の有機基とは、炭素原子及び水素原子から構成される有機基の他に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、又はハロゲン原子を含んでいてもよい有機基を包含する。窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい有機基には、炭素原子及び水素原子から構成される基における骨格の炭素原子の一部が、これらの原子に置換されている有機基、又はこれらの原子で構成された置換基を有する有機基を包含する。

0114

式(4−2)で表される化合物の分子量は、特に制限されない。分子量は、好ましくは、65以上であり、より好ましくは80以上、更に好ましくは90以上であり、また、好ましくは270以下であり、より好ましくは160以下であり、更に好ましくは135以下である。この範囲であれば、非水系電解液に対する式(4−2)で表される化合物の溶解性を確保しやすく、本発明の効果が発現されやすい。式(4−2)で表される化合物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。

0115

式(4−2)で表される化合物におけるA2としては、アルキレン基又はその誘導体、アルケニレン基又はその誘導体、シクロアルキレン基又はその誘導体、アルキニレン基又はその誘導体、シクロアルケニレン基又はその誘導体、アリーレン基又はその誘導体、カルボニル基又はその誘導体、スルホニル基又はその誘導体、スルフィニル基又はその誘導体、ホスホニル基又はその誘導体、ホスフィニル基又はその誘導体、アミド基又はその誘導体、イミド基又はその誘導体、エーテル基又はその誘導体、チオエーテル基又はその誘導体、ボリン酸基又はその誘導体、ボラン基又はその誘導体等が挙げられる。

0116

中でも、電池特性向上の点から、アルキレン基又はその誘導体、アルケニレン基又はその誘導体、シクロアルキレン基又はその誘導体、アルキニレン基又はその誘導体、アリーレン基又はその誘導体が好ましい。また、A2が置換基を有してもよい炭素数2以上5以下のアルキレン基であることがより好ましい。

0117

式(4−2)で表される化合物としては、マロノニトリルスクシノニトリルグルタロニトリルアジポニトリルピメロニトリル、スベロニトリル、アゼラニトリル、セバコニトリル、ウンデカンジニトリル、ドデカンジニトリル、メチルマロノニトリル、エチルマロノニトリル、イソプロピルマロノニトリル、tert−ブチルマロノニトリル、メチルスクシノニトリル、2,2−ジメチルスクシノニトリル、2,3−ジメチルスクシノニトリル、2,3,3−トリメチルスクシノニトリル、2,2,3,3−テトラメチルスクシノニトリル、2,3−ジエチル−2,3−ジメチルスクシノニトリル、2,2−ジエチル−3,3−ジメチルスクシノニトリル、ビシクロヘキシル−1,1−ジカルボニトリル、ビシクロヘキシル−2,2−ジカルボニトリル、ビシクロヘキシル−3,3−ジカルボニトリル、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジカルボニトリル、2,3−ジイソブチル−2,3−ジメチルスクシノニトリル、2,2−ジイソブチル−3,3−ジメチルスクシノニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2,3−ジメチルグルタロニトリル、2,4−ジメチルグルタロニトリル、2,2,3,3−テトラメチルグルタロニトリル、2,2,4,4−テトラメチルグルタロニトリル、2,2,3,4−テトラメチルグルタロニトリル、2,3,3,4−テトラメチルグルタロニトリル、マレオニトリルフマロニトリル、1,4−ジシアノペンタン、2,6−ジシアノヘプタン、2,7−ジシアノオクタン、2,8−ジシアノノナン、1,6−ジシアノデカン、1,2−ジジアノベンゼン、1,3−ジシアノベンゼン、1,4−ジシアノベンゼン、3,3’−(エチレンジオキシ)ジプロピオニトリル、3,3’−(エチレンジチオ)ジプロピオニトリル及び3,9−ビス(2−シアノエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。

0118

これらのうち、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、アゼラニトリル、セバコニトリル、ウンデカンジニトリル、ドデカンジニトリル及び3,9−ビス(2−シアノエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、フマロニトリルが保存特性向上の点から好ましい。更に、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、グルタロニトリル及び3,9−ビス(2−シアノエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンは、保存特性向上効果が特に優れ、また電極での副反応による劣化が少ないためにより好ましい。通常、ジニトリル化合物は、分子量が小さいほど一分子におけるシアノ基の量割合が大きくなり、分子の粘度が上昇する一方、分子量が大きくなるほど、化合物の沸点が上昇する。よって、作業効率の向上の点から、スクシノスクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル及びピメロニトリルが更に好ましい。

0119

式(4−2)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。式(4−2)で表される化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下の濃度で含有させる。上記範囲を満たした場合は、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等の効果がより向上する。

0120

1−2−4−3.式(4−3)で表される化合物




(式中、
A3は、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の原子で構成された炭素数1以上12以下の有機基であり、n43は0以上5以下の整数である。)

0121

水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の原子で構成された炭素数1以上12以下の有機基とは、炭素原子及び水素原子から構成される有機基の他に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい有機基を包含する。窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい有機基には、炭素原子及び水素原子から構成される基における骨格の炭素原子の一部が、これらの原子に置換されている有機基、又はこれらの原子で構成された置換基を有する有機基を包含する。
上記n43は0以上5以下、好ましくは0以上3以下、より好ましくは0以上1以下の整数であり、特に好ましくは0である。
また、上記A3は、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる1種以上の原子で構成された炭素数1以上12以下の有機基であることが好ましく、水素原子、炭素原子及び酸素原子からなる群より選ばれる1種以上の原子で構成された炭素数1以上12以下の有機基であることがより好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の脂肪族炭化水素基であることが更に好ましい。
ここで置換基とは、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1以上の原子で構成された基のことを表す。
置換基としては、ハロゲン原子;非置換又はハロゲン置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基;イソシアナト基;アルコキシカルボニルオキシ基;アシル基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基;アシルオキシ基;アルキルスルホニル基;アルコキシスルホニル基;ジアルコキシホスファントリイル基;ジアルコキシホスホリル基及びジアルコキシホスホリルオキシ基等が挙げられ、好ましくはハロゲン原子;アルコキシ基又は非置換もしくはハロゲン置換のアルキル基であり、より好ましくはハロゲン原子又は非置換もしくはハロゲン置換のアルキル基であり、更に好ましくは非置換のアルキル基である。
上記脂肪族炭化水素基は、特に制限されないが、炭素数は1以上であることができ、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、12以下であることができ、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。
脂肪族炭化水素基としては、n43に応じて、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、アルカンペンタイル基、アルカンテトライル基、アルケントリイル基、アルケンテトライル基、アルケンペンタイル基、アルケンテトライル基、アルキントリイル基、アルキンテトライル基、アルキンペンタイル基及びアルキンテトライル基等が挙げられる。
これらのうち、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、アルカンペンタイル基及びアルカンテトライル基等の飽和炭化水素基がより好ましく、アルカントリイル基が更に好ましい。

0122

更に、上記式(4−3)で表される化合物は式(4−3’)で示される化合物であることがより好ましい。




(式中、A4及びA5は、上記A3と同義である。)
また、上記A4及びA5は、置換基を有していていもよい炭素数1以上5以下の炭化水素基であることがより好ましい。
炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラエチレン基、ペンタメチレン基、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、エチニレン基、プロピニレン基、1−ブチニレン基、2−ブチニレン基、1−ペンチニレン基及び2−ペンチニレン基等が挙げられる。
これらのうち、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラエチレン基、ペンタメチレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基がより好ましい。
上記A4及びA5は、互いに同一でなく、異なることが好ましい。

0123

式(4−3)で表される化合物の分子量は、特に制限されない。分子量は、好ましくは、90以上であり、より好ましくは120以上、更に好ましくは150以上であり、また、好ましくは450以下であり、より好ましくは300以下であり、更に好ましくは250以下である。この範囲であれば、非水系電解液に対する式(4−3)で表される化合物の溶解性を確保しやすく、本発明の効果が発現されやすい。式(4−3)で表される化合物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。

0124

式(4−3)で表される化合物としては、以下の化合物が挙げられる。

0125

これらのうち、




が保存特性向上の点から好ましい。

0126

シアノ基を有する有機化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。

0127

式(4−3)で表される化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下の濃度で含有させる。この範囲にあると、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。

0128

式(I)で表される芳香族化合物とシアノ基を有する有機化合物の質量比は、シアノ基を有する有機化合物:式(I)で表される芳香族化合物が、50:50以上であることができ、好ましくは40:60以上、更に好ましくは35:65以上であり、また、1:99以下であることができ、好ましくは10:90以下、より好ましくは20:80以下である。この範囲であれば、電池特性、特に保存特性を著しく向上させることができる。この原理については定かではないが、この比率で混合させることで、電極上での添加剤の副反応を最小限に抑えられるためと考えられる。

0129

1−2−5.イソシアネート基を有する有機化合物
本発明の電解液は、イソシアネート基を有する有機化合物を含むことができる。イソシアネート基を有する有機化合物は、分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有する有機化合物であれば、特に制限されない。イソシアネート基の数は、一分子中、好ましくは1以上4以下、より好ましくは2以上3以下、更に好ましくは2である。

0130

本発明の電解液において、式(I)で表される芳香族化合物とイソシアネート基を有する化合物とを併用することによって、この電解液を用いた電池において、負荷特性を維持しつつ、高温保存時のガス発生が抑制できる一方で、過充電時にガスを発生させ安全性を確保することができる。イソシアネート基を有する有機化合物は、好ましくは、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキレン基とアルキレン基が連結した構造、芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基とアルキレン基が連結した構造、エーテル構造(−O−)、エーテル構造(−O−)とアルキレン基が連結した構造、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボニル基とアルキレン基とが連結した構造、スルホニル基(−S(=O)−)、スルホニル基とアルキレン基とが連結した構造又はこれらがハロゲン化された構造等を有する化合物にイソシアネート基が結合した化合物であり、より好ましくは、直鎖状或いは分岐状のアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキレン基とアルキレン基が連結した構造、芳香族炭化水素基又は芳香族炭化水素基とアルキレン基が連結した構造にイソシアネート基が結合した化合物であり、更に好ましくは、シクロアルキレン基とアルキレン基が連結した構造にイソシアネート基が結合した化合物である。イソシアネート基を有する有機化合物の分子量は特に制限されない。分子量は、好ましくは80以上であり、より好ましくは115以上、更に好ましくは170以上であり、また、300以下であり、より好ましくは230以下である。この範囲であれば、非水系電解液に対するイソシアネート基を有する有機化合物の溶解性を確保しやすく、本発明の効果が発現されやすい。イソシアネート基を有する有機化合物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。また、市販品を用いてもよい。

0131

イソシアネート基を有する有機化合物としては、メチルイソシアネートエチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ターシャルブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネートヘキシルイソシアネートシクロヘキシルイソシアネート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネートエチニルイソシアネート、プロパルギルイソシアネート、フェニルイソシアネートフロロフェニルイソシアネート等のイソシアネート基を1個有する有機化合物;

0132

モノメチレンジイソシアネートジメチレンジイソシアネートトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,4−ジイソシアナト−2−ブテン、1,4−ジイソシアナト−2−フルオロブタン、1,4−ジイソシアナト−2,3−ジフルオロブタン、1,5−ジイソシアナト−2−ペンテン、1,5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン、1,6−ジイソシアナト−2−ヘキセン、1,6−ジイソシアナト−3−ヘキセン、1,6−ジイソシアナト−3−フルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,4−ジフルオロヘキサン、トルエンジイソシアネートキシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−1,1’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ジイソシアン酸イソホロンカルボニルジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトブタン−1,4−ジオン、1,5−ジイソシアナトペンタン−1,5−ジオン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート等のイソシアネート基を2個有する有機化合物;
等が挙げられる。

0133

これらのうち、モノメチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ジイソシアン酸イソホロン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート等のイソシアネート基を2個有する有機化合物が保存特性向上の点から好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ジイソシアン酸イソホロン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートがより好ましく、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジイルビス(メチルイソシアネート)が更に好ましい。

0134

イソシアネート基を有する有機化合物は、分子内に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物から誘導される三量体化合物、又はそれに多価アルコールを付加した脂肪族ポリイソシアネートであってもよい。例えば、下記式(5−1)〜(5−4)の基本構造で示されるビウレットイソシアヌレートアダクト及び二官能のタイプの変性ポリイソシアネート等が挙げられる。

0135

(式中、R51〜R54及びR54’は、独立して、2価の炭化水素基(例えば、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基)であり、R53’は、独立して、3価の炭化水素基である。)

0136

分子内に少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機化合物には、ブロック剤ブロックして保存安定性を高めた、いわゆるブロックイソシアネートも含まれる。ブロック剤には、アルコール類フェノール類有機アミン類オキシム類ラクタム類を挙げることができ、具体的には、n−ブタノールフェノールトリブチルアミン、ジエチルエタノールアミンメチルエチルケトキシム、ε−カプロラクタム等を挙げることができる。

0137

イソシアネート基を有する有機化合物に基づく反応を促進し、より高い効果を得る目的で、ジブチルスズジラウレート等のような金属触媒や、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7のようなアミン系触媒等を併用することも好ましい。

0138

イソシアネート基を有する有機化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。

0139

イソシアネート基を有する有機化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。この範囲であれば、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。

0140

上記式(I)で表される芳香族化合物とイソシアネート基を有する有機化合物の質量比は、イソシアネート基を有する有機化合物:式(I)で表される芳香族化合物が、50:50以上であることができ、好ましくは40:60以上、更に好ましくは25:75以上であり、また、1:99以下であることができ、好ましくは5:95以下、より好ましくは10:90以下である。この範囲であれば、電池特性、特に保存特性を著しく向上させることができる。この原理については定かではないが、この比率で混合させることで、電極上での添加剤の副反応を最小限に抑えられるためと考えられる。

0141

1−2−6.ケイ素含有化合物
本発明の電解液は、ケイ素含有化合物を含むことができる。ケイ素含有化合物は、分子内に少なくとも1つのケイ素原子を有する化合物であれば、特に制限されない。本発明の電解液において、式(I)で表される芳香族化合物とケイ素含有化合物を併用することによって、初期体積変化率を一層小さくし、高温保存後のレート容量率及び過充電時安全性を向上させることができる。

0142

ケイ素含有化合物としては、下記式(6)で表される化合物が好ましい。

0143

(式中、
R61、R62及びR63は、独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数10以下の炭化水素基であり、
X61は、酸素原子、窒素原子及びケイ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1個の原子を含む有機基である。)

0144

炭化水素基については、式(I)における炭化水素基の例示及び好ましい例が適用される。R61、R62及びR63は、好ましくは水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tertert−ブチル基、フェニル基であり、より好ましくはメチル基である。

0145

X61は、酸素原子、窒素原子及びケイ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1個の原子を含む有機基であり、好ましくは、酸素原子又はケイ素原子を少なくとも含む有機基である。ここで、有機基とは、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、リン原子及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1個以上の原子で構成された基のことを表す。有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、CN基、イソシアナト基、フルオロ基アルキルスルホン酸基及びトリアルキルシリル基等が挙げられる。なお、1価の有機基の一部はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、有機基の炭素数は、1以上であることができ、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、また、15以下であることができ、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。

0146

これらのうち、アルキルスルホン酸基、トリアルキルシリル基、ホウ酸基リン酸基及び亜リン酸基が好ましい。
ケイ素含有化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
ホウ酸トリストリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリメトキシシリル)、ホウ酸トリス(トリエチルシリル)、ホウ酸トリス(トリエトキシシリル)、ホウ酸トリス(ジメチルビニルシリル)及びホウ酸トリス(ジエチルビニルシリル)等のホウ酸化合物リン酸トリス(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリエチルシリル)、リン酸トリス(トリプロピルシリル)、リン酸トリス(トリフェニルシリル)、リン酸トリス(トリメトキシシリル)、リン酸トリス(トリエトキシシリル)、リン酸トリス(トリフエノキシシリル)、リン酸トリス(ジメチルビニルシリル)及びリン酸トリス(ジエチルビニルシリル)等のリン酸化合物

0147

亜リン酸トリス(トリメチルシリル)、亜リン酸トリス(トリエチルシリル)、亜リン酸トリス(トリプロピルシリル)、亜リン酸トリス(トリフェニルシリル)、亜リン酸トリス(トリメトキシシリル)、亜リン酸トリス(トリエトキシシリル)、亜リン酸トリス(トリフエノキシシリル)、亜リン酸トリス(ジメチルビニルシリル)及び亜リン酸トリス(ジエチルビニルシリル)等の亜リン酸化合物
メタンスルホン酸トリメチルシリル、テトラフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等のスルホン酸化合物
ヘキサメチルジシラン、ヘキサエチルジシラン、1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジフェニルテトラメチルジシラン及び1,1,2,2−テトラフェニルジシラン等のジシラン化合物
等が挙げられる。

0148

これらのうち、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリメチルシリル)、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)、メタンスルホン酸トリメチルシリル、テトラフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、ヘキサメチルジシラン、ヘキサエチルジシラン、1,2−ジフェニルテトラメチルジシラン及び1,1,2,2−テトラフェニルジシランが好ましく、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリメチルシリル)、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)及びヘキサメチルジシランがより好ましい。

0149

なお、これらケイ素含有化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0150

ケイ素含有化合物(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。この範囲であれば、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。

0151

上記式(I)で表される芳香族化合物とケイ素含有化合物(2種以上の場合は合計量)の質量比は、99:1〜1:99が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、20:80〜80:20が特に好ましい。この範囲であると、出力特性、高温耐久性等のバランスを保ちやすい。

0152

1−2−7.式(I)以外の芳香族化合物
本発明の電解液は、式(I)以外の芳香族化合物を含むことができる。
式(I)以外の芳香族化合物としては、分子内に芳香族環を有している式(I)以外の有機化合物であれば特にその種類は限定されないが、好ましくは下記式(7)で表される少なくとも1つの置換基を有する芳香族化合物である。本発明の電解液に、式(I)以外の芳香族化合物を含有させることによって、電解液を用いた電池の過充電時安全性を一層向上させ、良好な高温保存特性を付与することができる。

0153

(式中、
置換基X71はハロゲン原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基を表す。ヘテロ原子を有していてもよい有機基とは、炭素数1以上12以下の直鎖又は分岐鎖又は環状の飽和炭化水素基、カルボン酸エステル構造を有する基、カーボネート構造を有する基、リン原子を有する基、硫黄原子を有する基、ケイ素原子を有する基を示す。また、それぞれの置換基は更にハロゲン原子、炭化水素基、芳香族基、ハロゲン含有炭化水素基ハロゲン含有芳香族基などで置換されていてもよい。また置換基X71の数n71は1以上6以下であり、複数の置換基を有する場合それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよく、また環を形成していてもよい。)

0154

中でも、炭素数1以上12以下の直鎖又は分岐鎖又は環状の飽和炭化水素基、カルボン酸エステル構造を有する基、カーボネート構造を有する基が電池特性の観点から好ましい。より好ましくは炭素数3以上12以下の直鎖又は分岐鎖又は環状の飽和炭化水素基、カルボン酸エステル構造を有する基である。
置換基X71の数n71は好ましくは1以上5以下であり、より好ましくは1以上3以下であり、更に好ましくは1以上2以下であり、特に好ましくは1である。

0155

X71はハロゲン原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基を表す。
ハロゲン原子として、塩素、フッ素等が挙げられ、好ましくはフッ素である。
ヘテロ原子を有さない有機基として、炭素数3以上12以下の直鎖状、分岐状、環状の飽和炭化水素基が挙げられ、直鎖状、分岐状のものは環構造を持つものも含まれる。炭素数1以上12以下の直鎖状、分岐状、環状の飽和炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、等が挙げられる。炭素数は好ましくは3以上12以下、より好ましくは3以上10以下、更に好ましくは3以上8以下、更により好ましくは3以上6以下、最も好ましくは3以上5以下である。
ヘテロ原子を有する有機基を構成するヘテロ原子として、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子等が挙げられる。酸素原子を有するものとして、カルボン酸エステル構造を有する基、カーボネート構造を有する基等が挙げられる。硫黄原子を有するものとして、スルホン酸エステル構造を有する基等が挙げられる。リン原子を有するものとして、リン酸エステル構造を有する基、ホスホン酸エステル構造を有する基等が挙げられる。ケイ素原子を有するものとして、ケイ素炭素構造を有する基等が挙げられる。

0156

式(7)で表される芳香族化合物としては、例えば以下の具体例が挙げられる。
X71がハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい有機基であるものとして、
クロロベンゼンフルオロベンゼンジフルオロベンゼントリフルオロベンゼンテトラフルオロベンゼンペンタフルオロベンゼンヘキサフルオロベンゼンベンゾトリフルオライド等が挙げられ、好ましくはフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼンである。より好ましくはフルオロベンゼンである。

0157

X71が炭素数1〜12の炭化水素基であるものとして、
2,2−ジフェニルプロパン、1,4−ジフェニルシクロヘキサン、シクロペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、シス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサントランス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサン、シス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、トランス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン等が挙げられ、好ましくは2,2−ジフェニルプロパン、1,4−ジフェニルシクロヘキサン、シクロペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、シス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサン、トランス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサン、シス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、トランス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、トルエンエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼンであり、より好ましくは2,2−ジフェニルプロパン、シクロペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロヘキサン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼンであり、更に好ましくはシクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼンである。

0158

X71がカルボン酸エステル構造を有する基であるものとして、
酢酸フェニル酢酸ベンジル、酢酸2−フェニルエチル、酢酸3−フェニルプロピル、酢酸4−フェニルブチル、プロピオン酸フェニル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸2−フェニルエチル、プロピオン酸3−フェニルプロピル、プロピオン酸4−フェニルブチル、酪酸フェニル、酪酸ベンジル、酪酸2−フェニルエチル、酪酸3−フェニルプロピル、酪酸4−フェニルブチル、2,2−ビス(4−アセトキシフェニル)プロパン等が挙げられ、好ましくは酢酸2−フェニルエチル、酢酸3−フェニルプロピル、プロピオン酸2−フェニルエチル、プロピオン酸3−フェニルプロピル、2,2−ビス(4−アセトキシフェニル)プロパンであり、より好ましくは酢酸2−フェニルエチル、酢酸3−フェニルプロピルである。

0159

X71がカーボネート構造を有する基であるものとして、
2,2−ビス(4−メトキシカルボニルオキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−メトキシカルボニルオキシフェニル)シクロヘキサン、ジフェニルカーボネートメチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、
2−tert−ブチルフェニルメチルカーボネート、2−tert−ブチルフェニルエチルカーボネート、ビス(2−tert−ブチルフェニル)カーボネート、4−tert−ブチルフェニルメチルカーボネート、4−tert−ブチルフェニルエチルカーボネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)カーボネート、ベンジルメチルカーボネート、ベンジルエチルカーボネート、ジベンジルカーボネート等が挙げられ、好ましくは2,2−ビス(4−メトキシカルボニルオキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−メトキシカルボニルオキシフェニル)シクロヘキサン体、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネートであり、より好ましくはジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネートであり、更に好ましくはメチルフェニルカーボネートである。

0160

X71がスルホン酸エステル構造を有する基であるものとして、
メチルフェニルスルホネート、エチルフェニルスルホネート、ジフェニルスルホネート、
フェニルメチルスルホネート、2−tert−ブチルフェニルメチルスルホネート、4−tert−ブチルフェニルメチルスルホネート、シクロヘキシルフェニルメチルスルホネート等が挙げられ、好ましくはメチルフェニルスルホネート、ジフェニルスルホネート、2−tert−ブチルフェニルメチルスルホネート、4−tert−ブチルフェニルメチルスルホネート、シクロヘキシルフェニルメチルスルホネートであり、より好ましくはメチルフェニルスルホネート、2−tert−ブチルフェニルメチルスルホネート、4−tert−ブチルフェニルメチルスルホネート、シクロヘキシルフェニルメチルスルホネートである。

0161

X71がケイ素−炭素構造を有する基であるものとして、
トリメチルフェニルシラン、ジフェニルシラン、ジフェニルテトラメチルジシラン等が挙げられ、好ましくはトリメチルフェニルシランである。

0162

X71がリン酸エステル構造を有する基であるものとして、
トリフェニルホスフェート、トリス(2−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(3−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(2−tert−アミルフェニル)ホスフェート、トリス(3−tert−アミルフェニル)ホスフェート、トリス(4−tert−アミルフェニル)ホスフェート、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、トリス(3−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、トリス(4−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、ジエチル(4−メチルベンジルホスホネート等が挙げられ、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリス(2−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(3−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(2−tert−アミルフェニル)ホスフェート、トリス(3−tert−アミルフェニル)ホスフェート、トリス(4−tert−アミルフェニル)ホスフェート、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、トリス(3−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、トリス(4−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、であり、より好ましくはトリス(2−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、トリス(4−シクロヘキシルフェニル)ホスフェートである。

0163

X71がホスホン酸エステル構造を有する基であるものとして、
ジメチルフェニルホスホネート、ジエチルフェニルホスホネート、メチルフェニルフェニルホスホネート、エチルフェニルフェニルホスホネート、ジフェニルフェニルホスホネート、ジメチル−(4−フルオロフェニル)−ホスホネート、ジメチルベンジルホスホネート、ジエチルベンジルホスホネート、メチルフェニルベンジルホスホネート、エチルフェニルベンジルホスホネート、ジフェニルベンジルホスホネート、ジメチル−(4−フルオロベンジル)ホスホネート、ジエチル−(4−フルオロベンジル)ホスホネート等が挙げられ、好ましくはジメチルフェニルホスホネート、ジエチルフェニルホスホネート、ジメチル−(4−フルオロフェニル)-ホスホネート、ジメチルベンジルホスホネート、ジエチルベンジルホスホネート、ジメチル−(4−フルオロベンジル)ホスホネート、ジエチル−(4−フルオロベンジル)ホスホネートであり、より好ましくはジメチルフェニルホスホネート、ジエチルフェニルホスホネート、ジメチルベンジルホスホネート、ジエチルベンジルホスホネート、ジメチル−(4−フルオロベンジル)ホスホネート、ジエチル−(4−フルオロベンジル)ホスホネートである。

0164

また、式(I)以外の芳香族化合物としては、上記芳香族化合物のフッ素化体も含まれる。具体的には、
トリフルオロメチルベンゼン、2−フルオロトルエン、3−フルオロトルエン、4−フルオロトルエン、トリフルオロメチルベンゼン、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の炭化水素基を有するものの部分フッ素化物;2−フルオロフェニルアセテート、4−フルオロフェニルアセテート等のカルボン酸エステル構造を有するものの部分フッ素化物;トリフルオロメトキシベンゼン、2−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール、4−トリフルオロメトキシアニソール等のエーテル構造を有するものの部分フッ素化物等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチルベンゼン、2−フルオロトルエン、3−フルオロトルエン、4−フルオロトルエン、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の炭化水素基を有するものの部分フッ素化物;2−フルオロフェニルアセテート、4−フルオロフェニルアセテート等のカルボン酸エステル構造を有するものの部分フッ素化物;トリフルオロメトキシベンゼン2−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、4−トリフルオロメトキシアニソール等のエーテル構造を有するものの部分フッ素化物等であり、より好ましくは2−フルオロトルエン、3−フルオロトルエン、4−フルオロトルエン、等の炭化水素基を有するものの部分フッ素化物;2−フルオロフェニルアセテート、4−フルオロフェニルアセテート等のカルボン酸エステル構造を有するものの部分フッ素化物;トリフルオロメトキシベンゼン、2−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、4−トリフルオロメトキシアニソール等のエーテル構造を有するものの部分フッ素化物等である。

0165

式(I)以外の芳香族化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。式(I)以外の芳香族化合物の量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更により好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上、特により好ましくは3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。上記範囲内にあることにより、本発明の効果が発現しやすく、また、電池の抵抗増大を防ぎやすい。

0166

上記式(I)で表される芳香族化合物と式(I)以外の芳香族化合物(2種以上の場合は合計量)の質量比は、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、20:80〜80:20が特に好ましい。この範囲であると、電池特性が低下せずに過充電特性を向上させることができる。

0167

1−2−8.炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート
炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート(以下、「不飽和環状カーボネート」ともいう)としては、炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合を有する環状カーボネートであれば、特に制限はない。芳香環を有する環状カーボネートも、不飽和環状カーボネートに包含されることとする。不飽和環状カーボネートを含有する本発明の電解液を用いた電池は、初期不可逆容量及び放電保存後OCVに優れている。フッ素化された炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートは、フッ素含有環状カーボネートに包含されることとする。

0168

不飽和環状カーボネートとしては、炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ五員環構造を有する環状カーボネート、炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ六員環構造を有する環状カーボネートが挙げられ、好ましくは炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ五員環構造を有する環状カーボネートである。
炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ五員環構造を有する環状カーボネートとしては、ビニレンカーボネート類、芳香環もしくは炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート類カテコールカーボネート類が挙げられ、炭素−炭素不飽和結合を有し、かつ六員環構造を有する環状カーボネートとしては、4H−1,3−ジオキシン−2−オン類、等が挙げられる。

0169

ビニレンカーボネート類としては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、4,5−ビニルビニレンカーボネート、アリルビニレンカーボネート、4,5−ジアリルビニレンカーボネート等が挙げられる。

0170

芳香環もしくは炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート類としては、ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−ビニルエチレンカーボネート、4−アリル−5−ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、4,5−ジエチニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−エチニルエチレンカーボネート、4−ビニル−5−エチニルエチレンカーボネート、4−アリル−5−エチニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、4,5−ジフェニルエチレンカーボネート、4−フェニル−5−ビニルエチレンカーボネート、4−アリル−5−フェニルエチレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−メチル−5−アリルエチレンカーボネート等が挙げられる。
4H−1,3−ジオキシン−2−オン類の具体例としては、
4H−1,3−ジオキシン−2−オン、4−メチル−4H−1,3−ジオキシン−2−オン、5−メチル−4H−1,3−ジオキシン−2−オン、6−メチル−4H−1,3−ジオキシン−2−オン、4、5−ジメチル−4H−1,3−ジオキシン−2−オン、4、6−ジメチル−4H−1,3−ジオキシン−2−オン、5、6−ジメチル−4H−1,3−ジオキシン−2−オン、4−フェニル−4H−1,3−ジオキシン−2−オン、5−フェニル−4H−1,3−ジオキシン−2−オン、6−フェニル−4H−1,3−ジオキシン−2−オン等が挙げられる。
芳香環又は炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合を有する置換基で置換されたトリメチレンカーボネート類の具体例としては、
4−ビニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,5−ジビニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−5−ビニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−アリル−5−ビニル−1,3−ジオキサン−2−オン、エチニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,5−ジエチニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−5−エチニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−ビニル−5−エチニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−アリル−5−エチニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−フェニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,5−ジフェニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−フェニル−5−ビニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−アリル−5−フェニル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−アリル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,5−ジアリル−1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−5−アリル−1,3−ジオキサン−2−オン等が挙げられる。

0171

中でも、特に式(I)で表される芳香族化合物と併用するのに好ましい不飽和環状カーボネートとしては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、4,5−ビニルビニレンカーボネート、アリルビニレンカーボネート、4,5−ジアリルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−ビニルエチレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−メチル−5−アリルエチレンカーボネート、4−アリル−5−ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、4,5−ジエチニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−エチニルエチレンカーボネート、4−ビニル−5−エチニルエチレンカーボネートが挙げられる。また、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネートは更に安定な界面保護被膜を形成するので、特に好ましい。

0172

不飽和環状カーボネートの分子量は、好ましくは86以上であり、また、好ましくは250以下、より好ましくは150以下である。この範囲であれば、非水系電解液に対する不飽和環状カーボネートの溶解性を確保しやすく、本発明の効果が十分に発現されやすい。不飽和環状カーボネートの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。

0173

不飽和環状カーボネートは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。

0174

不飽和環状カーボネートの量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは5質量%であることができ、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。この範囲内であれば、非水系電解液電池が十分なサイクル特性向上効果を発現しやすく、また、高温保存特性が低下し、ガス発生量が多くなり、放電容量維持率が低下するといった事態を回避しやすい。

0175

上記式(I)で表される芳香族化合物と不飽和環状カーボネート(2種以上の場合は合計量)の質量比は、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、20:80〜80:20が特に好ましい。この範囲であると、電池特性が低下せずに放電保存後OCVを向上させることができる。

0176

1−2−9.フッ素非含有カルボン酸エステル
本発明の電解液は、フッ素非含有カルボン酸エステルを含むことができる。本発明の電解液において、式(I)で表される芳香族化合物とフッ素非含有カルボン酸エステルを併用することにより、電池の高温保存特性を改善することができる。フッ素非含有カルボン酸エステルは、分子内にフッ素原子を有さないカルボン酸エステルであれば、特に制限されないが、好ましくはフッ素非含有の鎖状カルボン酸エステルである。フッ素非含有の鎖状カルボン酸エステルの総炭素数は、好ましくは3以上7以下、より好ましくは4以上6以下、更に好ましくは5である。

0177

フッ素非含有鎖状カルボン酸エステルとしては、以下が挙げられる。
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−tert−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸−tert−ブチル、酪酸メチル酪酸エチル、酪酸−n−プロピル、酪酸イソプロピルイソ酪酸メチルイソ酪酸エチル、イソ酪酸−n−プロピル、イソ酪酸イソプロピル。

0178

これらのうち、粘度低下によるイオン伝導度の向上の点から、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸−n−プロピル、酪酸−n−ブチル等が好ましく、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸イソプロピルがより好ましく、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルが更に好ましい。

0179

フッ素非含有カルボン酸エステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0180

フッ素非含有カルボン酸エステルの量(2種以上の場合は合計量)は、0.1質量%以上であることができ、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下である。非水溶媒100体積%中、1体積%以上で含有させることができ、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、さら好ましくは20体積%以上であり、また、50体積%以下で含有させることができ、より好ましくは45体積%以下、更に好ましくは40体積%以下である。このような範囲であれば、負極抵抗の増大を抑制し、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性を制御しやすい。

0181

1−2−10.環状エーテル
環状エーテルとしては、分子内に環状構造を有するエーテルであれば、特に限定されないが、好ましくは式(10)で表される化合物である。環状エーテルは、電池の高温保存特性の向上に寄与するものであり、本発明の電解液においては、式(I)で表される芳香族化合物と併用することで、良好な初期特性をも保持することができる。




(式中、
A15〜A20は、独立して、水素原子、フッ素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上5以下の炭化水素基を表す。n101は1以上4以下の整数であり、n101が2以上の整数の場合は、複数のA17及びA18は同一であっても異なっていてもよい。)
尚、A15〜A20から選ばれる2つが互いに結合して環を形成してもよい。この場合、A17及びA18で環構造を形成することが好ましい。また、A15〜A20の炭素数の総和が、好ましくは0以上8以下、より好ましくは0以上4以下、更に好ましくは0以上2以下、特に好ましくは0以上1以下である。

0182

置換基の具体例としては、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、そして、シアノ基、イソシアナト基、エーテル基、カーボネート基、カルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、スルホニル基、ホスファントリイル基及びホスホリル基などが挙げられる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、そして、イソシアナト基、シアノ基、エーテル基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子で置換されていないアルキル基、シアノ基及びエーテル基である。

0183

式(10)中、n101は1以上3以下の整数であることが好ましく、1以上2以下の整数であることがより好ましく、n101が2であることが更に好ましい。

0184

A15〜A20における炭素数1以上5以下の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基等の1価の炭化水素基;
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基及びアリーレン基等の2価の炭化水素基;等が挙げられる。これらのうち、アルキル基、アルキレン基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
炭素数1以上5以下の炭化水素基の具体例としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基等の炭素数1以上5以下のアルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基等の炭素数2以上5以下のアルケニル基;
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基等の炭素数2以上5以下のアルキニル基;
メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数1以上5以下のアルキレン基;
ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基等の炭素数2以上5以下のアルケニレン基;
エチニレン基、プロピニレン基、1−ブチニレン基、2−ブチニレン基、1−ペンチニレン基及び2−ペンチニレン基等の炭素数2以上5以下のアルキニレン基等が挙げられる。これらのうち、好ましくはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数1以上5以下のアルキレン基であり、より好ましくはエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数2以上5以下のアルキレン基であり、更に好ましくはトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数3以上5以下のアルキレン基である。

0185

A15〜A20における水素原子、フッ素原子又は炭素数1以上5以下の炭化水素基とは、水素原子、フッ素原子又は上記置換基と上記炭素数1以上5以下の炭化水素基を組み合わせた基のことを表し、好ましくは水素原子、置換基を有さない炭素数1以上5以下の炭化水素基及びアルキレン基の炭素鎖の一部がエーテル基で置換されたエーテル構造を有するアルキレン基であり、より好ましくは水素原子である。

0186

式(10)で表される化合物としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。

0187

中でも、




等の化合物が好ましい。

0188

がより好ましい。

0189

環状エーテルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。環状エーテルの量(2種以上の場合は合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。上記範囲を満たした場合は、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。

0190

1−2−11.イソシアヌル酸骨格を有する化合物
イソシアヌル酸骨格を有する化合物は、イソシアヌル酸骨格を有していれば、特に限定されないが、好ましくは下記式(11)で表される化合物である。

0191

(式中、
R111〜R113は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の原子で構成された炭素数1以上12以下の有機基を表す。)
なお、R111〜R113は互いに結合して環を形成しない。

0192

ここで、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の原子で構成された炭素数1以上12以下の有機基とは、炭素原子及び水素原子から構成される有機基の他に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい有機基を意味する。窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子又はハロゲン原子を含んでいてもよい有機基とは、骨格の炭素原子の一部がこれらの原子に置換されている有機基、或いはこれらの原子で構成された置換基を有する有機基を含むことを意味する。
また、R111〜R113は、好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1以上5以下の炭化水素基である。

0193

上記置換基の具体例としては、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、そして、シアノ基、イソシアナト基、エーテル基、カーボネート基、カルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、スルホニル基、ホスファントリイル基及びホスホリル基などが挙げられる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、エーテル基、カーボネート基、カルボニル基、カルボキシル基及びアシルオキシ基などが挙げられ、より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、シアノ基及びアシルオキシ基であり、更に好ましくはアルキル基、シアノ基およりアシルオキシ基であり、特に好ましくはアルキル基である。

0194

また、好ましくはR111〜R113のうち少なくとも1つは炭素−炭素不飽和結合あるいはシアノ基を有する有機基であり、更に好ましくは、R111〜R113のうち少なくとも1つは炭素−炭素不飽和結合を有する有機基である。
上記炭化水素基としては、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基である。
上記炭素数1以上10以下の炭化水素基の具体例としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基等のアルキニル基;
フェニル基、トリル基、ベンジル基、フェネチル基等のアリール基;
等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、又は、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基等のアルケニル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基であり、更に好ましくは、エチル基、n−プロピル基、2−プロペニル基(アリル基)である。
なお、置換基を有していてもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基とは、上記置換基と上記炭素数1以上10以下の炭化水素基を組み合わせた基のことを表し、例えば、2−メチルアリル基(メタリル基)、2−シアノエチル基、2−アクリロイルオキシエチル基、2−メタクリロイルオキシエチル基などが挙げられ、好ましくは、2−メチルアリル基(メタリル基)、2−アクリロイルオキシエチル基であり、より好ましくは、2−プロペニル基(アリル基)である。ただし、置換基を有さない炭素数1以上10以下の炭化水素基が好ましい。

0195

本発明に用いる化合物は、式(11)で表される化合物が使用されるが、具体的な例としては以下の構造の化合物が挙げられる。

0196

好ましくは、以下の構造の化合物が挙げられる。

0197

更に好ましくは、以下の構造の化合物が挙げられる。

0198

特に好ましくは、以下の構造の化合物が挙げられる。

0199

最も好ましくは、以下の構造の化合物が挙げられる。




また、これら最も好ましい化合物の中でも、負極被膜形成能の観点から以下の構造の化合物が好ましい。

0200

0201

イソシアヌル酸骨格を有する化合物に関して、製造方法にも特に制限はなく、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。

0202

イソシアヌル酸骨格を有する化合物で表される化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有してもよい。イソシアヌル酸骨格を有する化合物の量(2種以上の場合合計量)は、電解液100質量%中、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0.5質量%以下である。上記範囲内にあると、還元生成物が負極表面を過剰に覆ってしまうことによる、電極反応阻害を防ぐ。また、電極界面での作用がより好適に進行するため、電池特性を最適にすることが可能となる。

0203

イソシアヌル酸骨格を有する化合物は、非水系電解液に含有させ実際に非水系電解液二次電池の作製に供すると、その電池を解体して再び非水系電解液を抜き出しても、その中の含有量が著しく低下している場合が多い。従って、電池から抜き出した非水系電解液から、イソシアヌル酸骨格を有する化合物が極少量でも検出できるものは本発明に含まれるとみなされる。また、イソシアヌル酸骨格を有する化合物は、非水系電解液として実際に非水系電解液二次電池の作製に供すると、その電池を解体して再び抜き出した非水系電解液にはイソシアヌル酸骨格を有する化合物が極少量しか含有されていなかった場合であっても、非水系電解液二次電池の他の構成部材である正極、負極若しくはセパレータ上で検出される場合も多い。従って、正極、負極、セパレータからイソシアヌル酸骨格を有する化合物が検出された場合は、その合計量を非水系電解液に含まれていたと仮定することができる。この仮定の下、特定化合物は上記範囲になるように含まれていることが好ましい。

0204

1−3.電解質
電解質は特に制限なく、電解質として公知のものを任意に用いることができる。リチウム二次電池の場合は、通常リチウム塩が用いられる。具体的には、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAlF4、LiSbF6、LiTaF6、LiWF7等の無機リチウム塩;LiWOF5等のタングステン酸リチウム類;HCO2Li、CH3CO2Li、CH2FCO2Li、CHF2CO2Li、CF3CO2Li、CF3CH2CO2Li、CF3CF2CO2Li、CF3CF2CF2CO2Li、CF3CF2CF2CF2CO2Li等のカルボン酸リチウム塩類;FSO3Li、CH3SO3Li、CH2FSO3Li、CHF2SO3Li、CF3SO3Li、CF3CF2SO3Li、CF3CF2CF2SO3Li、CF3CF2CF2CF2SO3Li等のスルホン酸リチウム塩類;LiN(FCO)2、LiN(FCO)(FSO2)、LiN(FSO2)2、LiN(FSO2)(CF3SO2)、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のリチウムイミド塩類;LiC(FSO2)3、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3等のリチウムメチド塩類;リチウムビス(マロナト)ボレート、リチウムジフルオロ(マロナト)ボレート等のリチウム(マロナト)ボレート塩類;リチウムトリス(マロナト)ホスフェート、リチウムジフルオロビス(マロナト)ホスフェート、リチウムテトラフルオロ(マロナト)ホスフェート等のリチウム(マロナト)ホスフェート塩類;その他、LiPF4(CF3)2、LiPF4(C2F5)2、LiPF4(CF3SO2)2、LiPF4(C2F5SO2)2、LiBF3CF3、LiBF3C2F5、LiBF3C3F7、LiBF2(CF3)2、LiBF2(C2F5)2、LiBF2(CF3SO2)2、LiBF2(C2F5SO2)2等の含フッ素有機リチウム塩類;リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムビス(オキサラト)ボレート等のリチウムオキサラトボレート塩類;
リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート等のリチウムオキサラトホスフェート塩類;等が挙げられる。

0205

中でも、LiPF6、LiSbF6、LiTaF6、FSO3Li、CF3SO3Li、LiN(FSO2)2、LiN(FSO2)(CF3SO2)、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiC(FSO2)3、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3、LiBF3CF3、LiBF3C2F5、LiPF3(CF3)3、LiPF3(C2F5)3、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、等が出力特性やハイレート充放電特性、高温保存特性、サイクル特性等を向上させる効果がある点から特に好ましい。

0206

非水系電解液中のこれらの電解質の濃度は、本発明の効果を損なわない限り、その含有量は特に制限されないが、電解液の電気伝導率を良好な範囲とし、良好な電池性能を確保する点から、非水系電解液中のリチウムの総モル濃度は、好ましくは0.3mol/L以上、より好ましくは0.4mol/L以上、更に好ましくは0.5mol/L以上であり、また、好ましくは3mol/L以下、より好ましくは2.5mol/L以下、更に好ましくは2.0mol/L以下である。この範囲であれば、荷電粒子であるリチウムが少なすぎず、また粘度を適切な範囲とすることができるため、良好な電気伝導度を確保しやすくなる。

0207

2種以上の電解質を併用する場合、少なくとも1種は、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩及びフルオロスルホン酸塩からなる群より選ばれる塩であることも好ましい。これらのうちリチウム塩が好ましい。モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩及びフルオロスルホン酸塩からなる群より選ばれる塩は、0.01質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上であり、また、20質量%以下であることができ、好ましくは10質量%以下である。

0208

電解質として、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、ホウ酸塩、シュウ酸塩及びフルオロスルホン酸塩からなる群より選ばれる1種以上と、それ以外の塩の1種以上を含むことが好ましい。それ以外の塩としては、上記で例示したリチウム塩が挙げられ、特に、LiPF6、LiN(FSO2)(CF3SO2)、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiC(FSO2)3、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3、LiBF3CF3、LiBF3C2F5、LiPF3(CF3)3、LiPF3(C2F5)3が好ましく、LiPF6が更に好ましい。それ以外の塩は、電解液の電導度と粘度の適切なバランスを確保する観点から0.01質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上であり、また、20質量%以下であることができ、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。

0209

電解質の合計量は、良好な電池性能を確保する点から、非水系電解液中、好ましくは0.3mol/L以上、より好ましくは0.4mol/L以上、更に好ましくは0.5mol/L以上であり、また、好ましくは3mol/L以下、より好ましくは2.5mol/L以下、更に好ましくは2.0mol/L以下、特に好ましくは1.5mol/L以下である。

0210

1−3−1.モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩は、それぞれ、分子内に少なくとも1つのモノフルオロリン酸又はジフルオロリン酸構造を有する塩であれば、特に制限されない。本発明の電解液において、上記式(I)で表される芳香族化合物とモノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩から選ばれる1種以上とを併用することにより、電池の初期充放電後の体積変化を著しく抑制し、過充電時安全性の一層の向上を図ることができる。また、併用によって、電池の初期不可逆容量を小さくし、放電保存特性を向上させることもできる。これと同時に、電池は優れた高温サイクル特性を有することができる。

0211

モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩におけるカウンターカチオンは、特に制限されず、リチウム、ナトリウムカリウムマグネシウムカルシウム、NR121R122R123R124(式中、R121〜R124は、独立して、水素原子又は炭素数1以上12以下の有機基である)で表されるアンモニウム等が挙げられる。上記アンモニウムのR121〜R124で表わされる炭素数1以上12以下の有機基は特に制限されず、例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいアリール基、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環基等が挙げられる。中でもR121〜R124は、独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又は窒素原子含有複素環基等が好ましい。カウンターカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムが好ましく、中でもリチウムが好ましい。

0212

モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩としては、モノフルオロリン酸リチウムモノフルオロリン酸ナトリウムモノフルオロリン酸カリウムジフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸ナトリウム、ジフルオロリン酸カリウム等が挙げられ、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウムが好ましく、ジフルオロリン酸リチウムがより好ましい。

0213

モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0214

モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩から選ばれる1種以上の量(2種以上の場合は合計量)は、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、5質量%以下であることができ、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。この範囲内であると、初期不可逆容量向上の効果が顕著に発現される。

0215

上記式(I)で表される芳香族化合物とモノフルオロリン酸塩及び塩から選ばれる1種以上(2種以上の場合は合計量)の質量比は、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、20:80〜80:20が特に好ましい。この範囲であると、他の電池特性を低下せずに目的である特性を向上させることができる。

0216

1−3−2.ホウ酸塩
ホウ酸塩は、分子内にホウ素原子を少なくとも1つ有している塩であれば、特に制限されない。ただしシュウ酸塩に該当するものは、1−3−2.ホウ酸塩ではなく、後述する1−3−3.シュウ酸塩に包含されるものとする。
本発明の電解液において、式(I)で表される芳香族化合物とホウ酸塩とを併用することによって、初期充放電後の体積変化が抑制され、良好な高温サイクル特性を有する電池が得られる。これと同時に、電池は良好な過充電時安全性を有することができる。

0217

ホウ酸塩におけるカウンターカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ルビジウムセシウムバリウム等が挙げられ、中でもリチウムが好ましい。

0218

ホウ酸塩としては、リチウム塩が好ましく、含ホウ酸リチウム塩も好適に使用することができる。例えばLiBF4、LiBF3CF3、LiBF3C2F5、LiBF3C3F7、LiBF2(CF3)2、LiBF2(C2F5)2、LiBF2(CF3SO2)2、LiBF2(C2F5SO2)2等が挙げられる。中でも、LiBF4が初期充放電効率と高温サイクル特性等を向上させる効果がある点からより好ましい。

0219

ホウ酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0220

ホウ酸塩の量(2種以上の場合は合計量)は、0.05質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上であり、また、10.0質量%以下であることができ、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、特に好ましくは1.0質量%以下である。この範囲内であると、電池負極の副反応が抑制され抵抗を上昇させにくい。

0221

上記式(I)で表される芳香族化合物とホウ酸塩の質量比は、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、20:80〜80:20が特に好ましい。この範囲であると、電池中での正負極上副反応を抑制し、電池の抵抗を上昇させにくい。

0222

1−3−3.シュウ酸塩
シュウ酸塩は、分子内に少なくとも1つのシュウ酸構造を有する化合物であれば、特に制限されない。シュウ酸塩を含有する本発明の電解液を用いた電池は、初期充放電体積変化率が小さく、高温サイクル後の電池の膨れが抑制される

0223

シュウ酸塩としては、下記式(9)で表される金属塩が好ましい。この塩は、オキサラト錯体アニオンとする塩である。

0224

(式中、
M1は、周期表における1族、2族及びアルミニウム(Al)からなる群より選ばれる元素であり、
M2は、遷移金属、周期表の13族、14族及び15族からなる群より選ばれる元素であり、
R91は、ハロゲン、炭素数1以上11以下のアルキル基及び炭素数1以上11以下のハロゲン置換アルキル基からなる群より選ばれる基であり、
a及びbは正の整数であり、
cは0又は正の整数であり、
dは1〜3の整数である。)

0225

M1は、本発明の電解液をリチウム二次電池に用いたときの電池特性の点から、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが好ましく、リチウムが特に好ましい。
M2は、リチウム二次電池に用いる場合の電気化学的安定性の点で、ホウ素及びリンが特に好ましい。
R91としては、フッ素、塩素、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、フッ素、トリフルオロメチル基が好ましい。

0226

式(9)で表される金属塩としては、以下が挙げられる。
リチウムジフルオロオキサラトボレート及びリチウムビス(オキサラト)ボレート等のリチウムオキサラトボレート塩類;
リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート等のリチウムオキサラトホスフェート塩類;
これらのうち、リチウムビス(オキサラト)ボレート及びリチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートが好ましく、リチウムビス(オキサラト)ボレートがより好ましい。

0227

シュウ酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0228

シュウ酸塩の量(2種以上の場合は合計量)は、0.001質量%以上であることができ、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。この範囲にあると、出力特性、負荷特性、低温特性、サイクル特性、高温保存特性等を制御しやすい。

0229

上記式(I)で表される芳香族化合物とシュウ酸塩の質量比は、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、20:80〜80:20が特に好ましい。この範囲であると、電池の正負極上での副反応をバランスよく抑制し、電池特性を向上させやすい。

0230

1−3−4.フルオロスルホン酸塩
フルオロスルホン酸塩としては、分子内に少なくとも1つのフルオロスルホン酸構造を有している塩であれば、特に制限されない。本発明の電解液において、上記式(I)で表される芳香族化合物とフルオロスルホン酸塩とを併用することにより、電池の初期不可逆容量を小さくし、高温サイクル特性を向上させることができる。この電池は、過充電時安全性も確保されている。

0231

フルオロスルホン酸塩におけるカウンターカチオンは、特に制限されず、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び、NR131R132R133R134(式中、R131〜R134は、各々独立に、水素原子又は炭素数1以上12以下の有機基である)で表されるアンモニウム等が挙げられる。R131〜R134に関する例示及び好ましい例については、上記1−2−2におけるR131〜R134が適用される。カウンターカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムが好ましく、中でもリチウムが好ましい。

0232

フルオロスルホン酸塩としては、フルオロスルホン酸リチウム、フルオロスルホン酸ナトリウム、フルオロスルホン酸カリウム、フルオロスルホン酸ルビジウム、フルオロスルホン酸セシウム等が挙げられ、フルオロスルホン酸リチウムが好ましい。リチウムビス(フルオロスルホニルイミド等のフルオロスルホン酸構造を有するイミド塩もフルオロスルホン酸塩として使用することができる。

0233

フルオロスルホン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0234

フルオロスルホン酸塩の含有量(2種以上の場合は合計量)は、0.05質量%以上であることができ、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上であり、また、10質量%以下であることができ、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。この範囲内であると、電池中での副反応が少なく、抵抗を上昇させにくい。

0235

上記式(I)で表される芳香族化合物とフルオロスルホン酸塩の質量比は、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、20:80〜80:20が特に好ましい。この範囲であると、電池中での副反応を適切に抑制し、高温耐久特性を低下させにくい。

0236

1−4.非水溶媒
本発明における非水溶媒について特に制限はなく、公知の有機溶媒を用いることが可能である。具体的には、フッ素原子を有していない環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状及び鎖状カルボン酸エステル、エーテル系化合物スルホン系化合物等が挙げられる。
また、本明細書において、非水溶媒の体積は25℃での測定値であるが、エチレンカーボネートのように25℃で固体のものは融点での測定値を用いる。

0237

1−4−1.フッ素原子を有していない環状カーボネート
フッ素原子を有していない環状カーボネートとしては、炭素数2〜4のアルキレン基を有する環状カーボネートが挙げられる。

0238

炭素数2〜4のアルキレン基を有する、フッ素原子を有していない環状カーボネートの具体的な例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートが挙げられる。中でも、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートがリチウムイオン解離度の向上に由来する電池特性向上の点から特に好ましい。
フッ素原子を有していない環状カーボネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0239

フッ素原子を有していない環状カーボネートの配合量は、特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、1種を単独で用いる場合の配合量は、非水溶媒100体積%中、5体積%以上、より好ましくは10体積%以上である。この範囲とすることで、非水系電解液の誘電率の低下に由来する電気伝導率の低下を回避し、非水系電解液電池の大電流放電特性、負極に対する安定性、サイクル特性を良好な範囲としやすくなる。また、95体積%以下、より好ましくは90体積%以下、更に好ましくは85体積%以下である。この範囲とすることで、非水系電解液の粘度を適切な範囲とし、イオン伝導度の低下を抑制し、ひいては非水系電解液電池の負荷特性を良好な範囲としやすくなる。

0240

1−4−2.鎖状カーボネート
鎖状カーボネートとしては、炭素数3〜7の鎖状カーボネートが好ましく、炭素数3〜7のジアルキルカーボネートがより好ましい。
鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n−プロピルイソプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、イソブチルメチルカーボネート、tert−ブチルメチルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、イソブチルエチルカーボネート、tert−ブチルエチルカーボネート等が挙げられる。

0241

中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n−プロピルイソプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネートが好ましく、特に好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートである。
また、フッ素原子を有する鎖状カーボネート類(以下、「フッ素化鎖状カーボネート」と記載する場合がある)も好適に用いることができる。

0242

フッ素化鎖状カーボネートが有するフッ素原子の数は、1以上であれば特に制限されないが、通常6以下であり、好ましくは4以下である。フッ素化鎖状カーボネートが複数のフッ素原子を有する場合、それらは互いに同一の炭素に結合していてもよく、異なる炭素に結合していてもよい。
フッ素化鎖状カーボネートとしては、フッ素化ジメチルカーボネート及びその誘導体、フッ素化エチルメチルカーボネート及びその誘導体、フッ素化ジエチルカーボネート及びその誘導体等が挙げられる。

0243

フッ素化ジメチルカーボネート及びその誘導体としては、フルオロメチルメチルカーボネート、ジフルオロメチルメチルカーボネート、トリフルオロメチルメチルカーボネート、ビス(フルオロメチル)カーボネート、ビス(ジフルオロ)メチルカーボネート、ビス(トリフルオロメチル)カーボネート等が挙げられる。
フッ素化エチルメチルカーボネート及びその誘導体としては、2−フルオロエチルメチルカーボネート、エチルフルオロメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、2−フルオロエチルフルオロメチルカーボネート、エチルジフルオロメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルフルオロメチルカーボネート、2−フルオロエチルジフルオロメチルカーボネート、エチルトリフルオロメチルカーボネート等が挙げられる。

0244

フッ素化ジエチルカーボネート及びその誘導体としては、エチル−(2−フルオロエチル)カーボネート、エチル−(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、エチル−(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、2,2−ジフルオロエチル−2’−フルオロエチルカーボネート、ビス(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル−2’−フルオロエチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル−2’,2’−ジフルオロエチルカーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート等が挙げられる。

0245

鎖状カーボネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。鎖状カーボネートの配合量は、非水溶媒100体積%中、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、更に好ましくは15体積%以上である。このように下限を設定することにより、非水系電解液の粘度を適切な範囲とし、イオン伝導度の低下を抑制し、ひいては非水系電解液電池の大電流放電特性を良好な範囲としやすくなる。また、鎖状カーボネートは、非水溶媒100体積%中、90体積%以下、より好ましくは85体積%以下であることが好ましい。このように上限を設定することにより、非水系電解液の誘電率の低下に由来する電気伝導率の低下を回避し、非水系電解液電池の大電流放電特性を良好な範囲としやすくなる。

0246

1−4−3.環状カルボン酸エステル
環状カルボン酸エステルとしては、炭素数が3〜12のものが好ましい。
具体的には、ガンマブチロラクトンガンマバレロラクトン、ガンマカプロラクトンイプシロンカプロラクトン等が挙げられる。中でも、ガンマブチロラクトンがリチウムイオン解離度の向上に由来する電池特性向上の点から特に好ましい。

0247

環状カルボン酸エステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
環状カルボン酸エステルの配合量は、通常、非水溶媒100体積%中、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上である。この範囲であれば、非水系電解液の電気伝導率を改善し、非水系電解液電池の大電流放電特性を向上させやすくなる。また、環状カルボン酸エステルの配合量は、好ましくは50体積%以下、より好ましくは40体積%以下である。このように上限を設定することにより、非水系電解液の粘度を適切な範囲とし、電気伝導率の低下を回避し、負極抵抗の増大を抑制し、非水系電解液二次電池の大電流放電特性を良好な範囲としやすくなる。

0248

1−4−4.エーテル系化合物
エーテル系化合物としては、一部の水素がフッ素にて置換されていてもよい炭素数3〜10の鎖状エーテル、及び炭素数3〜6の環状エーテルが好ましい。
炭素数3〜10の鎖状エーテルとしては、
ジエチルエーテル、ジ(2−フルオロエチル)エーテル、ジ(2,2−ジフルオロエチル)エーテル、ジ(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテル、エチル(2−フルオロエチル)エーテル、エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテル、エチル(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エーテル、(2−フルオロエチル)(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテル、(2−フルオロエチル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エーテル、エチル−n−プロピルエーテル、エチル(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、エチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、エチル(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、エチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、2−フルオロエチル−n−プロピルエーテル、(2−フルオロエチル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(2−フルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2−フルオロエチル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2−フルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、2,2,2−トリフルオロエチル−n−プロピルエーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−n−プロピルエーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ−n−プロピルエーテル、(n−プロピル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(n−プロピル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(n−プロピル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(3−フルオロ−n−プロピル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3−フルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3−フルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジメトキシメタンメトキシエトキシメタン、メトキシ(2−フルオロエトキシ)メタン、メトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタンメトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジエトキシメタン、エトキシ(2−フルオロエトキシ)メタン、エトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタン、エトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジ(2−フルオロエトキシ)メタン、(2−フルオロエトキシ)(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタン、(2−フルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタンジ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタン、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジメトキシエタン、メトキシエトキシエタン、メトキシ(2−フルオロエトキシ)エタン、メトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、メトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジエトキシエタン、エトキシ(2−フルオロエトキシ)エタン、エトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、エトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジ(2−フルオロエトキシ)エタン、(2−フルオロエトキシ)(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、(2−フルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。

0249

炭素数3〜6の環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等、及びこれらのフッ素化化合物が挙げられる。
中でも、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、エトキシメトキシメタン、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルが、リチウムイオンへの溶媒和能力が高く、イオン解離性を向上させる点で好ましく、特に好ましくは、粘性が低く、高いイオン伝導度を与えることから、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、エトキシメトキシメタンである。

0250

エーテル系化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エーテル系化合物の配合量は、通常、非水溶媒100体積%中、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、更に好ましくは15体積%以上、また、好ましくは70体積%以下、より好ましくは60体積%以下、更に好ましくは50体積%以下である。この範囲であれば、鎖状エーテルのリチウムイオン解離度の向上と粘度低下に由来するイオン伝導度の向上効果を確保しやすく、負極活物質炭素質材料の場合、鎖状エーテルがリチウムイオンと共に共挿入されて容量が低下するといった事態を回避しやすい。

0251

1−4−5.スルホン系化合物
スルホン系化合物としては、炭素数3〜6の環状スルホン、及び炭素数2〜6の鎖状スルホンが好ましい。1分子中のスルホニル基の数は、1又は2であることが好ましい。
炭素数3〜6の環状スルホンとしては、モノスルホン化合物であるトリメチレンスルホン類テトラメチレンスルホン類、ヘキサメチレンスルホン類;
ジスルホン化合物であるトリメチレンジスルホン類、テトラメチレンジスルホン類、ヘキサメチレンジスルホン類等が挙げられる。

0252

中でも誘電率と粘性の観点から、テトラメチレンスルホン類、テトラメチレンジスルホン類、ヘキサメチレンスルホン類、ヘキサメチレンジスルホン類がより好ましく、テトラメチレンスルホン類(スルホラン類)が特に好ましい。
スルホラン類としては、スルホラン及び/又はスルホラン誘導体(以下、スルホランも含めて「スルホラン類」と記載する場合がある)が好ましい。スルホラン誘導体としては、スルホラン環を構成する炭素原子上に結合した水素原子の1以上がフッ素原子やアルキル基で置換されたものが好ましい。

0253

中でも、2−メチルスルホラン、3−メチルスルホラン、2−フルオロスルホラン、3−フルオロスルホラン、2,2−ジフルオロスルホラン、2,3−ジフルオロスルホラン、2,4−ジフルオロスルホラン、2,5−ジフルオロスルホラン、3,4−ジフルオロスルホラン、2−フルオロ−3−メチルスルホラン、2−フルオロ−2−メチルスルホラン、3−フルオロ−3−メチルスルホラン、3−フルオロ−2−メチルスルホラン、4−フルオロ−3−メチルスルホラン、4−フルオロ−2−メチルスルホラン、5−フルオロ−3−メチルスルホラン、5−フルオロ−2−メチルスルホラン、2−フルオロメチルスルホラン、3−フルオロメチルスルホラン、2−ジフルオロメチルスルホラン、3−ジフルオロメチルスルホラン、2−トリフルオロメチルスルホラン、3−トリフルオロメチルスルホラン、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)スルホラン、3−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)スルホラン、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)スルホラン、5−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)スルホラン等が、イオン伝導度が高く、入出力特性が高い点で好ましい。

0254

また、炭素数2〜6の鎖状スルホンとしては、
ジメチルスルホンエチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、n−プロピルメチルスルホン、n−プロピルエチルスルホン、ジ−n−プロピルスルホン、イソプロピルメチルスルホン、イソプロピルエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、n−ブチルメチルスルホン、n−ブチルエチルスルホン、tert−ブチルメチルスルホン、tert−ブチルエチルスルホン、モノフルオロメチルメチルスルホン、ジフルオロメチルメチルスルホン、トリフルオロメチルメチルスルホン、モノフルオロエチルメチルスルホン、ジフルオロエチルメチルスルホン、トリフルオロエチルメチルスルホン、ペンタフルオロエチルメチルスルホン、エチルモノフルオロメチルスルホン、エチルジフルオロメチルスルホン、エチルトリフルオロメチルスルホン、パーフルオロエチルメチルスルホン、エチルトリフルオロエチルスルホン、エチルペンタフルオロエチルスルホン、ジ(トリフルオロエチル)スルホン、パーフルオロジエチルスルホン、フルオロメチル−n−プロピルスルホン、ジフルオロメチル−n−プロピルスルホン、トリフルオロメチル−n−プロピルスルホン、フルオロメチルイソプロピルスルホン、ジフルオロメチルイソプロピルスルホン、トリフルオロメチルイソプロピルスルホン、トリフルオロエチル−n−プロピルスルホン、トリフルオロエチルイソプロピルスルホン、ペンタフルオロエチル−n−プロピルスルホン、ペンタフルオロエチルイソプロピルスルホン、トリフルオロエチル−n−ブチルスルホン、トリフルオロエチル−tert−ブチルスルホン、ペンタフルオロエチル−n−ブチルスルホン、ペンタフルオロエチル−tert−ブチルスルホン等が挙げられる。

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