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技術 光重合開始剤

出願人 国立大学法人群馬大学
発明者 山路稔
出願日 2014年9月9日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-536575
公開日 2017年3月2日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 WO2015-037567
状態 特許登録済
技術分野 重合方法(一般) 窒素含有縮合複素環(3) ピラン系化合物
主要キーワード 逓倍波 チタンサファイヤレーザー プラスチック加工技術 還流終了後 ピーク情報 二光子吸収断面積 紫外線分解 光アンテナ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題・解決手段

紫外線から近赤外光までの幅広波長作動可能光重合開始剤を提供することを課題とし、光重合開始剤は、以下の一般式(1)〜(3)のいずれかで示される化合物を含む。

概要

背景

光重合開始剤は、紫外線電子線などの照射により組成物重合高分子化し、溶解性粘土接着性をはじめとする物性に変化を与えるもので、光硬化性組成物の一成分として多方面で用いられている。特に液体から個体に変化する現象は極めて有用で、塗料印刷インキ歯科材料フォトレジストなどの表面加工分野に用いられている。
しかし、重合基質が紫外光により障害を受ける(分解する)状況では、紫外光により動作させる従来の光重合開始剤は使用に適さない。例えば、ガラスファイバー光硬化樹脂で接続する場合、ガラスファイバーが紫外光により白くなり光の散乱まねく(ノイズが発生する)等の問題が生じる。
そこで、可視光近赤外光など幅広波長作動可能な光重合開始剤が求められていたが、現在のところ、近赤外光でも作動可能な光重合開始剤は知られていない。

クマリンアントラセンにPh-O-CH2-基を付加した化合物は公知であるが(特許文献1,2)、Ph-S-CH2-基を付加した化合物は知られておらず、そのような化合物の重合開始剤としての用途も示唆されていない。

概要

紫外線から近赤外光までの幅広い波長で作動可能な光重合開始剤を提供することを課題とし、光重合開始剤は、以下の一般式(1)〜(3)のいずれかで示される化合物を含む。

目的

本発明の課題は、紫外線から近赤外光までの幅広い波長で作動可能な光重合開始剤を提供する

効果

実績

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請求項1

以下の一般式(1)〜(3)のいずれかで示される化合物を含む、光重合開始剤。m、nは0、1または2を示し、R1は、以下のいずれかであり、R2、R3、R4、及びR5は互いに独立して、水素原子アルキル基ハロゲン原子水酸基アルコキシ基、又はフッ素置換アルキル基を示し、Arはアリーレン基を示す。R6及びR7は互いに独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を示す。R8及びR9は互いに独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を示す。

請求項2

前記化合物が、以下のいずれかの化合物である、請求項1に記載の光重合開始剤。

請求項3

請求項1または2に記載の光重合開始剤を用いて光重合性モノマー重合させる工程を含む、光重合モノマー重合体の製造方法。

請求項4

以下の一般式(1)〜(3)のいずれかで示される化合物。m、nは0、1または2を示し、R1は、以下のいずれかであり、R2、R3、R4、及びR5は互いに独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、又はフッ素置換アルキル基を示し、Arはアリーレン基を示す。R6及びR7は互いに独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を示す。R8及びR9は互いに独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を示す。

請求項5

前記化合物が以下のいずれかの化合物である、請求項4に記載の化合物。

技術分野

0001

本発明は、新規化合物および該化合物からなる光重合開始剤並びに該光重合開始剤を用いた光重合性モノマー重合体の製造方法に関する。

背景技術

0002

光重合開始剤は、紫外線電子線などの照射により組成物重合高分子化し、溶解性粘土接着性をはじめとする物性に変化を与えるもので、光硬化性組成物の一成分として多方面で用いられている。特に液体から個体に変化する現象は極めて有用で、塗料印刷インキ歯科材料フォトレジストなどの表面加工分野に用いられている。
しかし、重合基質が紫外光により障害を受ける(分解する)状況では、紫外光により動作させる従来の光重合開始剤は使用に適さない。例えば、ガラスファイバー光硬化樹脂で接続する場合、ガラスファイバーが紫外光により白くなり光の散乱まねく(ノイズが発生する)等の問題が生じる。
そこで、可視光近赤外光など幅広波長作動可能な光重合開始剤が求められていたが、現在のところ、近赤外光でも作動可能な光重合開始剤は知られていない。

0003

クマリンアントラセンにPh-O-CH2-基を付加した化合物は公知であるが(特許文献1,2)、Ph-S-CH2-基を付加した化合物は知られておらず、そのような化合物の重合開始剤としての用途も示唆されていない。

先行技術

0004

特開2012-193378号公報
特開平9-268204号公報

0005

本発明の課題は、紫外線から近赤外光までの幅広い波長で作動可能な光重合開始剤を提供することである。

0006

本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、Ph-S-CH2-基を含み、クマリン骨格やアントラセン部位などの補色団であってカルボニル基を含んだ補色団を有する、新規化合物を合成することに成功し、これらが紫外光だけでなく、可視光や近赤外光も吸収可能な光重合開始剤として使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0007

すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]下記の一般式(1)〜(3)のいずれかで示される化合物を含む、光重合開始剤。

[2]下記の一般式(1)〜(3)のいずれかで示される化合物を含む光重合開始剤を用いて光重合性モノマーを重合させる工程を含む、光重合モノマー重合体の製造方法。
[3]下記一般式(1)〜(3)のいずれかで示される化合物。

発明の効果

0008

本発明により、紫外線から近赤外光までの幅広い波長で作動可能な光重合開始剤を提供できる。本発明の光重合開始剤は、炭素イオウ結合を有することで低エネルギーの光(可視光)でも光解離が起き、非共鳴二光子吸収確率の大きいクマリン骨格やアントラセン部位などの補色団を光アンテナ部位に導入することで、紫外可視域の光だけでなく近赤外光のエネルギーも効率的に捕集でき、さらに、カルボニル基を導入することで三重項での光解離が起こり、発生するラジカル量を増加させることができる。これらの性質により、光重合高効率化高感度化を実現できた。

0009

本発明により、光重合開始剤の励起光として紫外線から近赤外光までの幅広い波長の光を選択することが可能となった。これにより、従来は紫外線分解使用不可能であった重合基質も利用可能になることで、工業的な応用範囲が拡大する。紫外線・可視光線で駆動させる場合、従来の開始剤と同様二次元表面使用可能であるが、近紫外光を用いた場合は、二光子吸収の特徴である深度方向での極微三次元造形高感度で行えるので、非常に有用である。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明の重合開始剤(JuCMSPh)による可視光(405nm)でのPETAの重合を示すDSCチャートである。
図2は、本発明の重合開始剤(HOCMSPh)と比較例の重合開始剤(MeOCMSPh)による紫外光(365nm)でのPETAの重合を示すDSCチャートである。
図3は、本発明の重合開始剤(HOCMSPh)と比較例の重合開始剤(MeOCMSPh)による紫外光(365nm)でのUV-2000Aの重合を示すDSCチャートである。
図4は、本発明の重合開始剤(BEAMPS:BzoyAntSPh)と比較例の重合開始剤(BzoyAntMeおよびBzoyAntOPh)による可視光(405nm)でのUV-2000Aの重合を示すDSCチャートである。
図5は、本発明の重合開始剤(BEAMPS:BzoyAntSPh)と従来の重合開始剤(Irg184およびBP)による紫外光(365nm)でのUV-2000Aの重合を示すDSCチャートである。
図6は、本発明の重合開始剤(BEAMPS:BzoyAntSPh)と従来の重合開始剤(TPO)による可視光(405nm)でのUV-2000Aの重合を示すDSCチャートである。
図7は、本発明の重合開始剤(JuCMSPh)の非共鳴二光子吸収による近赤外光(800nm)吸収実験(Z-スキャン)結果を示すDSCチャートである。
図8は、本発明の重合開始剤(JuCMSPh)の近赤外励起光に対する非共鳴二光子吸収断面積(●)と一光子吸収スペクトル実線)である。

0011

以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の化合物は、以下の(1)〜(3)である。

0012

m、nは0、1または2である。
R1は、以下のいずれかである。

0013

R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立して、水素原子アルキル基ハロゲン原子水酸基アルコキシ基、又はフッ素置換アルキル基を示す。
アルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基エチル基プロピル基ブチル基がより好ましく、ハロゲン原子としては塩素臭素またはフッ素が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基エトキシ基プロポキシ基、ブトキシ基が好ましく、フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基トリフルオロエチル基が好ましい。
Arはアリーレン基を示し、具体的にはフェニレン基ナフタニレン基、アセチレニレン基が挙げられ、これらはアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基などの置換基を1または複数有してもよい。

0014

R6及びR7はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を示す。アルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基がより好ましく、ハロゲン原子としては塩素、臭素またはフッ素が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。

0015

R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を示す。アルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基がより好ましく、ハロゲン原子としては塩素、臭素またはフッ素が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。

0016

具体的には、以下のような化合物が例示される。



これらの化合物は実施例に記載されたような方法で合成することができる。

0017

本発明の化合物は、光解離が起きる炭素−硫黄結合を有し、非共鳴二光子吸収確率の高い補色団を有することで、紫外線から近赤外光までの幅広い波長を励起光として選択できる光重合開始剤として利用可能である。
芳香族化合物は、一般に一分子につき一つの光子を吸収する。しかしクマリンやアントラセン部位を持つ分子は、紫外から可視の波長領域での一光子吸収に加え、近赤外光を二光子吸収する特性が知られている(非共鳴二光子吸収過程)。しかし、クマリンやアントラセン部位単独では、光励起によりラジカルは発生せず光重合開始剤としては働かない。そこで、「光吸収によって炭素−イオウ結合解離を起こさせることでラジカルを発生させる」機構を、クマリンやアントラセン部位に融合させることにより、光重合開始剤として紫外光から近赤外光の幅広い範囲の励起光で駆動させることができる点が特徴である。

0018

以下に、本発明の化合物の一つであるJuCMSPhを例に挙げて、励起光によるラジカル発生メカニズムを示す。化合物に励起光を照射することで、炭素−硫黄結合が解離しラジカルを発生する。そのラジカルが重合のきっかけとなる。

0019

次に、本発明の重合開始剤を用いた重合方法について説明する。
重合に用いることのできる光重合性モノマーとしては、(メタアクリル酸エステルモノマースチレン系モノマービニルエステルモノマーアクリル酸メタクリル酸アクリルアミドメタクリルアミドアクリロイルモルフォリンメタクリロイルモルフォリンN−ビニル−2−ピロリドンアクリロニトリルメタクリロニトリルマレイン酸無水マレイン酸マレイン酸イミド等が挙げられるが特にこれらに限定はされない。これらのモノマーは、単独でも、2種以上混合して用いてもよい。

0020

(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert- ブチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルペンタエリスリトールトリアクリレートトリシクロデカンジメタノールジアクリレート等が挙げられる。

0021

スチレン系モノマーとしては、スチレンα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m-メチルスチレン、o-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、p-エチルスチレン、p-イソプロピルスチレン、p-クロロメチルスチレン、p-(2-クロロエチル)スチレン等が挙げられる。

0022

ビニルエステルモノマーとしては、酢酸ビニル蟻酸ビニルプロピオン酸ビニル酪酸ビニル、n-カプロン酸ビニル、イソカプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニルオクタン酸ビニル、ラウリン酸ビニルミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルピバリン酸ビニルトリメチル酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、トリクロロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。

0025

光重合性モノマーに対する光重合開始剤の好ましい配合割合は、重合性モノマー100重量部に対して0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.05〜5重量部である。

0026

本発明の光重合開始剤にはその性能を低下させない範囲で、有機溶媒、および増粘剤等を添加することが可能である。有機溶媒としては、ヘキサンヘプタンオクタントルエンジクロロメタンクロロホルムメタノールエタノールイソプロパノールアセトニトリルプロピオニトリルアセトンメチルエチルケトンペンタノンヘキサノン酢酸エチル酢酸プロピルジメチルスルホキシド等が例示される。

0027

重合反応の温度は、重合が進行し、重合体が得られる温度であれば特に限定されないが、例えば、0〜100℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは20〜40℃である。

0028

光重合反応を開始させるためには、光重合性モノマーと光重合開始剤を含む組成物に、光重合開始剤からラジカルを発生させうる適当な波長の光を照射すればよい。照射する光の強度は特に制限されないが、例えば0.5 〜 500 W/m2である。

0029

照射する光線としては、光重合開始剤を分解させラジカルを発生させることが可能であれば、特に種類を選ばない。可視光線、紫外線、近赤外線などが挙げられる。これらの光線を発生させるために用いるランプとしては、低圧水銀ランプ高圧水銀ランプ超高圧水銀ランプメタルハライドランプキセノンランプ、紫外線LED、青色LED、白色LED、フュージョン社製のHランプ、Dランプ、Vランプ、カーボンアークタングステンランプ蛍光灯ヘリウムカドミウムレーザーアルゴンレーザー、Nd:YAGレーザー炭酸ガスレーザーチタンサファイヤレーザーエキシマ-レーザー等が挙げられる。太陽光の使用も可能である。

0030

近赤外光の照射手段としては、レーザーの基本波および逓倍波を直接照射する方法があげられる。

0031

照射時間および照射強度は、光源の波長、モノマーの種類、目的重合体の性状などによって適宜設定することができ、予備的な実験等によって予め決定しておくことが好ましい。

0032

以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

0033

<化合物の合成>
I. Phenylthiylmethylcoumarin誘導体(XCMSPh)の合成法
以下の3種類の化合物を合成した。

0034

0035

1. (4-Thiophenoxy)acetoethylacetate (1)の合成
4-Chloroacetoacetone (2 ml, 15 mmol)、 thiophenol (7.7 ml, 45 mmol), K2CO3 (10g, 72.3 mmol)を窒素雰囲気下、acetone 100 ml中で12 h還流した。反応終了後溶液濾過し、濾液を留去後、ベンゼン飽和食塩水生成物洗浄有機層をMgSO4・5H2O で乾燥させ、シリカカラムクロマトグラフにより分離精製を行い、化合物1を得た。

0036

0037

2. XCMSPhの合成
化合物1と各phenol誘導体をInCl3の存在下、窒素雰囲気中65℃で1 h還流を行って反応させた。得られた反応物を有機溶媒で抽出後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフにより分離精製を行った。
以下にJuCMSPhの合成方法の具体例を示す。なお、X = OHであるHOCMSPhおよびX =OMeであるMeOCMSPhは、8-Hydroxyjulolidine の代わりにo-hydroxyphenolおよびo-methoxyphenolをそれぞれ用いることにより合成した。

0038

8-Hydroxyjulolidine (300 mg, 1.6 mmol)、1 (0.6 ml, 2.4 mmol), InCl3 (0.12 g, 0.5 mmol) を窒素雰囲気中65℃で1 h還流後、benzene 150 mlを加えて飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄後、MgSO4・5H2Oで乾燥させた。Benzene/ethylacetate (10 :1 v/v) を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフにより分離精製を行い、JuCMSPhを233 mg、収率40%で得た。

0039

0040

II. (9-Benzoyl)anthrylmethyl phenyl sulfide (BAMPS)の合成

0041

BAMPSは9-methylanthraceneから3段階で合成した。以下に合成方法の具体例を示す。

0042

1. 9-Benzoyl-10-methylanthracene (BMA)の合成
9-Methylanthracene(化合物2) (1.0 g, 5.2 mmol)、benzoyl chloride (0.8 ml, 6.8 mmol) をCH2Cl2 30 mlに溶解し、AlCl3 (2.1 g , 15.7 mmol) を4回に分けて加え、窒素雰囲気下、室温で4h攪拌した。反応終了後、有機層をベンゼンで抽出し、ベンゼン層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。n-Hexane:CHCl3 (1:2 v/v) を展開溶媒としたTLCで、Rf = 0.54に生成物のスポットを確認した。Hexane:CHCl3 (1:2 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルのカラムクロマトグラフでBMA 0.76 g (収率49 %)を得た。

0043

0044

2. 9-Benzoyl-10-bromomethylanthracene (BBMA)の合成

0045

BMA (0.2 g, 0.67 mmol)、N-bromosuccinimide (NBS, 0.14 g, 0.8 mmol)、CCl4 30 ml、 benzoyl peroxide (BPO, 0.11 g, 0.34 mmol) を加え、窒素雰囲気下 80 ℃ で4 h還流した。反応溶液を濾過後、n-Hexane:CHCl3 (1:2 v/v) を展開溶媒としたTLCにおいて Rf = 0.57 に新たなスポットを確認した。NMR測定により BBMA の生成を確認した。BBMAは不安定なため、精製しないで次の反応に用いた。

0046

3. BAMPSの合成
BMA (0.2 g, 0.67 mmol) のブロモ化により準備した未精製のBBMAとthiophenol (0.34 ml, 3.35 mmol)、K2CO3 (0.46 g, 3.35 mmol)をacetone 30mlに加え、窒素雰囲気下 80 ℃ で 12 h還流した。反応液溶媒を留去後ベンゼンで抽出し、ベンゼン層を飽和食塩水で有機層を洗浄した。n-Hexane:CHCl3 (1:2 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで、 Rf = 0.57 に新たなスポットを確認された。n-Hexane:CHCl3 (1:2 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフによりBAMPS(0.21 g,収率78%)を得た。

0047

0048

III. Diphenylacetylene誘導体の合成

0049

合成したDiphenylacetylene 誘導体

0050

1. p-Phenylethynyltoluene (PET) の合成
p-Ethynyltoluene (0.28 ml, 2.5 mmol)、 iodobenzene (0.32 ml, 2.5 mmol)、 Pd(PPh3)2Cl2(0.09 g, 0.13 mmol)、 CuI (0.048 g, 0.25 mmol)、 triethylamine (TEA, 10 ml) を窒素雰囲気下、室温で10分攪拌した。ベンゼンを加えた後、濾過し、チオ硫酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で有機層を洗浄した。n-Hexane:CHCl3 (5:1, v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで、Rf = 0.42に生成物のスポットを確認した。n-Hexane:CHCl3 (5:1, v/v) を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラムにより0.40 gのPET を単離した。収率は83%であった。

0051

0052

2. p-Phenylethynylbenzylbromide (PEBB) の合成
PET (0.2 g, 1.0 mmol)、NBS(0.22 g, 1.2 mmol)、 benzoyl peroxide (BPO, 0.16g, 0.5 mmol)をbenzene 30 ml に溶解し、窒素雰囲気下、80 ℃ で4 h還流した。還流終了後、溶液を濾過し、飽和食塩水で洗浄した。n-Hexane:CHCl3 (5:1, v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで Rf = 0.35 に生成物のスポットが現れた。n-Hexane:CHCl3 (5:1, v/v) を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフにより 0.17 g の PEBB を分離した。収率は60%であった。

0053

0054

3. p-Phenylethynylbenzyl phenyl sulfide (PEBPS) の合成
PEBB (0.2 g, 0.74 mmol)、thiophenol (0.38 ml, 3.7 mmol)、 K2CO3 (0.51 g, 3.7 mmol) をacetone 30 mlに加え、窒素雰囲気下 80℃ で12 h還流した。還流終了後、溶媒を留去し、benzene150 mlを加え、溶液を飽和食塩水で洗浄した。n-Hexane:CHCl3 (3:1, v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで Rf = 0.50 に生成物のスポットを確認した。n-Hexane:CHCl3 (3:1, v/v) を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフにより0.13 g のPEBPSを単離した。収率は59%であった。

0055

0056

IV. Benzoylethynylanthrylmethyl phenyl sulfide (BEAMPS)およびbenzoylethynylbenzyl phenyl sulfide (BEBPS)の合成

0057

0058

1. BEAMPSの合成
全体の合成経路を以下に示す。

0059

0060

a ) 9-Bromo-10-methylanthracene (BMA) の合成
0 ℃に冷却した9-Methylanthracene (MA, 0.30 g, 1.6 mmol)のCHCl3 (30 ml)溶液に、Br2 (0.10 ml, 1.6 mmol) の CHCl3(20 ml) 溶液を滴下し、30 分攪拌した。反応終了後、飽和NaHCO3水溶液と飽和食塩水で有機層を洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (3:1 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで、Rf = 0.50 に生成物のスポットを確認した。Hexaneを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフにより 0.17 g の BMA を分離した。収率は40 %であった。

0061

b) 9-Methyl-10-trimethylsilylethynylanthracene (TMSEMA) の合成
BMA (0.30 g, 1.2 mmol)、ethynyltrimethylsilane (0.20 ml, 1.4 mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(0.05 g, 0.06 mmol)、CuI (0.02 g, 0.12 mmol)、 triphenylphosphine (PPh3, 0.02 g, 0.08 mmol)、 triethylamine (TEA, 10 ml)、THF 10 ml を加え、窒素雰囲気下、80 ℃ で 12 h還流した。還流終了後、benzene100 ml加え、濾過し、水洗し、飽和食塩水で有機層を洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (3:1 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで Rf = 0.47 に生成物のスポットを確認した。n-Hexane : CHCl3(3:1 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフによって 0.21 g の TMSEMAを分離した。収率は65 %であった。

0062

c) 9-Ethynyl-10-methylanthracene (EMA) の合成
TMSEMA (0.50 g, 1.7 mmol)、K2CO3(1.0 g, 7.2 mmol)を methanol 15 mlとCH2Cl2 10mlの混合溶媒中に加え、窒素雰囲気下、室温で 3 h反応させた。反応終了後、溶媒を留去した。Benzeneを加え濾過後、溶液を水洗し、次いで飽和食塩水で洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (3:1v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで Rf = 0.43 に生成物のスポットを確認した。生成物が反応性富むため精製せずに次の反応に用いた。

0063

d) 9-Benzoylethynyl-10-methylanthracene (BEMA) の合成
TMSEMA (0.5 g, 1.7 mmol) から上記cの方法で作製したEMAとbenzoylchloride (0.34 ml, 2.8 mmol)、 Pd(PPh3)2Cl2 (0.1 g, 0.12 mmol)、CuI (0.05 g, 0.24 mmol)、PPh3(0.08 g, 0.32 mmol)、 TEA 15 ml、THF 15 ml を加え、窒素雰囲気下、80 ℃ で 9 h還流した。還流終了後、benzeneを加え濾過後、溶液を水洗し、次いで飽和食塩水で洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (1:1 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで Rf = 0.33 に生成物のスポットを確認した。Hexane : CHCl3(1:1 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフによって 0.26 g のBEMAを単離した。収率は48 %であった。

0064

e) 9-Benzoylethynyl-10-bromomethylanthracene (BEBMA) の合成
BEMA (0.26 g, 0.8 mmol)、NBS(0.26 g, 1.4 mmol)、 benzoyl peroxide (BPO, 0.24 g, 0.6 mmol)をCCl4 60 ml に溶解し、窒素雰囲気下、70℃ で3 h還流した。還流終了後、溶液を濾過し、濾液を飽和食塩水で洗浄した。n-Hexane:CHCl3 (1:2, v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで Rf = 0.58 にスポットが現れたが、これは原料のBEMAと同じRf値であったため、精製分離せずに、つぎの反応に用いた。

0065

f) 9-Benzoylethynylanthrylmethyl phenyl sulfide (BEAMPS)の合成
BEMA (0.26 g, 0.8 mmol)から上記過程eで作製したBEBMAとthiophenol (0.4 ml, 4 mmol)、K2CO3 (0.54 g, 4 mmol) をacetone 60 ml 中、窒素雰囲気下で12 h還流した。還流後、溶液を濾過後、濾液を水、飽和食塩水で洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (1:2 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルTLCで Rf = 0.38 に生成物のスポットを確認した。n-Hexane : CHCl3 (1:1 v/v) を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフによって 0.10 g のBEAMPSを単離した。収率は30 %であった。

0066

2. BEBPSの合成
BEBPSの合成はethynyltoluene(ET)を用い、上記BEAMPSの工程d以降の方法に準拠した。

0067

0068

V. 9-(4-Trifluoromethyl) benzoylethynyl-10-anthrylmethyl-4'-methoxyphenyl sulfide (TFMBEAntSPhOMe) の合成
TFMBEAntSPhOMe の合成スキームを以下に示す。

0069

0070

a ) 9-Bromo-10-bromomethylanthracene (BrAntBr)の合成
9-Bromo-10-methylanthracene (BrAntMe, 1.7 g, 6.4 mmol)、 N-bromosuccinimide (1.36 g, 7.7 mmol)、benzoylperoxide (1.1 g, 3.4 mmol)、CCl4 60 ml を加え、窒素雰囲気下、80 ℃で30 分還流した。還流終了後、吸引濾過をし、重曹、塩水により洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (3:1 v/v) を展開溶媒としたTLCで、Rf = 0.24 に新たなスポットを確認した。生成物が不安定であるため精製せず、次の反応に用いた。

0071

b) 9-Bromo-10-anthrylmethyl-4'-methoxyphenyl sulfide (BrAntSPhOMe) の合成
前段階で合成したBrAntBr と p-methoxythiophenol (0.95 ml, 7.7 mmol)、K2CO3 (1.7 g, 12.8 mmol)、acetone 60 ml を加え、窒素雰囲気下、70 ℃で 3 h還流した。還流終了後、溶媒を留去し、ベンゼンで抽出した。吸引濾過し、水洗し、続いて塩水により洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (1:1 v/v) を展開溶媒としたTLCで Rf = 0.45 に新たなスポットが確認された。シリカゲルカラムによって 0.58 g の BrAntSPhOMe を分離した。BrAntMe (1.7 g, 6.4 mmol) に対して収率は 22 %であった。

0072

c) 9-Trimethylsilylethynyl-10-anthrylmethyl-4'-methoxyphenyl sulfide (TMSEAntSPhOMe)の合成
BrAntSPhOMe (0.58 g, 1.4 mmol)、ethynyltrimethylsilane (0.44 ml, 2.1 mmol)、trans-dichlorobis(triphenylphosphine) palladium(II) (Pd(PPh3)2Cl2) (55 mg, 0.07 mmol)、 copper(I)iodide (CuI, 27 mg, 0.14 mmol)、triphenylphosphine (PPh3, 22 mg, 0.1 mmol)、triethylamine (TEA) 10 ml、 THF 10 ml を加え、窒素雰囲気下、80 ℃ で 12 h還流した。還流終了後、有機層をベンゼンで抽出し、吸引濾過し、水洗し、続いて塩水により洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (1:1 v/v) を展開溶媒としたTLCで Rf = 0.40 に新たなスポットが確認された。シリカゲルカラムによって 360 mg の TMSEAntSPhOMe を分離した。収率は 60 %であった。

0073

d) 9-Ethynyl-10-anthrylmethyl p-methoxyphenyl sulfide (EAntSPhOMe)の合成
TMSEAntSPhOMe (0.36 g, 0.84 mmol)、K2CO3 (0.5 g, 3.6 mmol)、methanol 5 ml、 dichloromethane 5 mlを加え、窒素雰囲気下、室温で 3 h反応させた。反応終了後、溶媒を留去した。ベンゼンを加え、吸引濾過し、濾液を水洗後、塩水により洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (1:1 v/v) を展開溶媒としたTLCで原料と同じ Rf = 0.38 に新たなスポットを確認した。生成物が不安定であるため精製せず、次の反応に用いた。

0074

e) 9-(4-Trifluoromethyl) benzoylethynyl-10-anthrylmethyl p-methoxyphenyl surufide (TFMBEAntSPhOMe)の合成
前段階で合成したEAntSPhOMe と4-trifluoromethylbenzoylchloride (0.3 ml, 2.0 mmol)、 Pd(PPh3)2Cl2(48 mg, 0.06 mmol)、CuI (24 mg, 0.12 mmol)、PPh3 (20 mg, 0.08 mmol)、TEA 5 ml、THF 5 ml を加え、窒素雰囲気下、80 ℃ で 9 時間還流した。還流終了後、有機層をベンゼンで抽出し、吸引濾過し、水洗後、塩水により洗浄した。n-Hexane : CHCl3 (1:1 v/v) を展開溶媒としたTLCで Rf = 0.21 に新たなスポットが確認された。シリカゲルカラムによって 100 mg の TFMBEAntSPhOMe を分離した。TMSEAntSPhOMe (0.36 g, 0.84 mmol) に対して収率は 23 %であった。NMR測定にて目的物の生成を確認した。NMRスペクトルピーク情報は以下のとおりであった。
400MHz 1H NMR(CDCl3δ) 8.63 (d, 2H, J = 8.7 Hz), 8.48 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 8.21 (d, 2H, J = 8.9 Hz), 7.86 (d, 2H, J = 8.2 Hz), 7.66 (t, 2H, J = 6.6 Hz), 7.54 (t, 2H, J = 8.7 Hz), 7.31 (d, 2H, J = 6.9 Hz), 6.76 (d, 2H, J = 8.9 Hz), 4.98 (s, 2H) , 3.77 (s, 3H).

0075

VI. 4-(4'-Benzoylphenylethynyl)benzyl phenyl sulfide (BPEBPS) と4-(4'-Benzoylphenylethynyl)anthrylmethyl phenyl sulfide (BPEAMPS) の合成

0076

BPEBPSとBPEAMPSは下記の合成経路により合成することができる。

0077

1. BPEBPSの合成
4-Iodobenzophenone (IBP)とethynyltoluene (ET)から化合物3を合成する。化合物3をブロモ化する事により化合物4を得る。化合物4とthiophenolを用いて目的化合物BPEBPSを得る。

0078

0079

2. BPEAMPSの合成
4-Iodobenzophenone (IBP)とethynymethylanthracene (EMA)から化合物5を合成する。化合物5をブロモ化する事により化合物6を得る。化合物6とthiophenolを用いて目的化合物BPEAMPSを得る。

0080

0081

評価方法(実施例1〜3)
光照射示差熱走査熱量計はPhotoDSC204 F1 Phoenixτ-Sensor (NETZSCH製)を用いた。
照射光源は XeランプMAX-302(分光製)を用い、適宜バンドパスフィルタ(405nmまたは365 nm)を用いて、20mW/cm2で単色光を照射した。
25 ℃、窒素雰囲気または空気雰囲気下で光照射を行った。

0082

(実施例1)クマリン誘導体JuCMSPhを光重合開始剤(Photoinitiator, PI) として使用した実験(可視光)
試料条件
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) (500 mg) + 光重合開始剤JuCMSPh (5mg) に対し、溶媒として炭酸プロピレン(34 mg)を使用した。可視光線(405nm)を照射した結果を図1および表1に示す。図中、hνは5秒後に光照射を開始したことを示している。
図1から、可視光による光重合が起きていることが確認できる。

0083

(実施例2−1)クマリン誘導体HOCMSPhを光重合開始剤(Photoinitiator, PI) として使用した実験(紫外光)
試料条件
PETA (500 mg) + 光重合開始剤HOCMSPh (5 mg) に対し、溶媒として炭酸プロピレン(34 mg)を使用した。紫外光線(365nm)を照射した結果を図2および表1に示す。なお、比較例2−1の開始剤としてMeOCMSPhを用いた。
図2から、MeOCMSPhでは重合反応は起きていないが、HOCMSPhでは紫外光による光重合が起きていることが確認できる。また、光重合開始能酸素存在下よりも、脱酸素状態の方が大きいことより、HOCMSPhの重合開始能溶存酸素量が少ない方が良い効率を示すことが判る。

0084

(実施例2−2)クマリン誘導体HOCMSPhを光重合開始剤(Photoinitiator, PI) として使用した実験(紫外光)
試料条件
UV-2000A(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(一般名A-DCP))(1.0g) に 光重合開始剤HOCMSPh (1 mg) を溶解させ試料を作製した。なお、比較例2−2の開始剤としてMeOCMSPhを用いた。紫外光線(365nm)を照射した結果を図3に示す。
図3から、HOCMSPhは光重合開始剤として有効であること、およびPETA以外のモノマーでも光重合が可能であることがわかった。また、溶存酸素量が少ないほど良い重合開始能を示すことが判る。

0085

0086

(実施例3−1)アントラセン誘導体BEAMPSを光重合開始剤(Photoinitiator, PI) として使用した実験(可視光)
試料条件
UV-2000A (1.0 g) に対し 光重合開始剤BEAMPS (1 mg) を溶解させ試料を作製した。
なお、図面ではBEAMPSをBzoyAntSPhと記載している。比較例の開始剤としては以下のものを用いた。

0087

0088

可視光線(405nm)を照射した結果を図4に示す。BEAMPSでは光重合が効率よく起こったが、BzoyAntMeやBzoyAntOPhでは光重合反応が起こらなかった。これらの結果により、光重合開始剤の構造には-SPhが含まれることが重要であることがわかった。

0089

(実施例3−2)アントラセン誘導体BEAMPSを光重合開始剤(Photoinitiator, PI) として使用した実験(紫外光:公知化合物との比較)
BEAMPSのUV-2000Aに対する光重合開始能を以下の公知の光重合開始剤と比較した。

0090

0091

紫外光(365nm)を照射した結果を図5に示す。この結果から、本発明にかかるBEAMPSは汎用品の光重合開始剤と同等以上の硬化性をもっていることがわかった。

0092

(実施例3−3)アントラセン誘導体BEAMPSを光重合開始剤(Photoinitiator, PI) として使用した実験(可視光:公知化合物との比較)
BEAMPSのUV-2000Aに対する光重合開始能を以下の公知の光重合開始剤と比較した。

0093

0094

可視光(405nm)を照射した結果を図6に示す。この結果から、本発明にかかるBEAMPSは汎用品TPOとほぼ同等の硬化性をもっていることがわかる。

0095

(実施例4)光重合開始剤(JuCMSPh)の非共鳴二光子吸収による近赤外光吸収実験
JuSCMSPhのアセトニトリル溶液(8.7mM)にチタンサファイヤレーザー光(800 nm)を照射したときのZ-スキャンを行ったときの結果を図7に示す。解析により非共鳴二光子吸収断面積を9.3 ± 2.6GMと決定できた。このことから本発明にかかるJuCMSPhは通常の一電子吸収では吸収できない近赤外光を非共鳴二光子吸収過程により吸収し、重合開始能を発現出来ることがわかる。

0096

(実施例5)
JuCMSPhの、近赤外励起光に対して得られた 非共鳴二光子吸収断面積(σ(2))(●) と一光子吸収スペクトル(ε)(実線)を図8に示す。波長の範囲は二光子吸収が650〜950nmであり、一光子吸収が325〜475nmである。JuCMSPh の σ(2) のプロファイルは一光子吸収スペクトルのプロファイルと一致した。800nmの励起光に対するJuCMSPhのσ(2) は9.3 ± 2.6GMであった。

実施例

0097

0098

本発明の光重合開始剤は、プラスチック加工技術、フォトレジストなどの分野で有用である。

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