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技術 光電変換装置およびその製造方法

出願人 シャープ株式会社
発明者 夏秋和弘内田雅代瀧本貴博粟屋信義石原数也中野貴司名倉満
出願日 2014年7月11日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2015-532760
公開日 2017年3月2日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 WO2015-025637
状態 特許登録済
技術分野 受光素子3(フォトダイオード・Tr)
主要キーワード 隣接開口 受光用開口 シールドメタル 相互影響 表面プラズモン効果 電気シールド スリット構造 スリットピッチ
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図面 (20)

課題・解決手段

本来、透過しない波長の光の異常透過を防ぐことができて、分光波形半値幅を小さくすることができる光電変換装置およびその製造方法を提供する。基板(100)に第1の光電変換素子(101)を形成し、この第1の光電変換素子(101)の上に、周期的または非周期的に配置された複数の開口(41)を有する第1の金属膜(31)を、絶縁膜(1,2,3)を介して形成する。上記第1の金属膜(31)の複数の開口(41)の一部を覆う第2の金属膜(32)を設ける。

概要

背景

人の目は部屋の照明色温度が異なっても、色の変化をあまり感じないようになっており、一般的にこの特性は色順応と呼ばれている。例えば、青っぽい(色温度が高い)蛍光灯照明の部屋から、黄色っぽい(色温度が低い)白熱灯照明の部屋に入ると、部屋の白い壁が最初は黄色っぽく見える。しかし、しばらく経つと黄色っぽく見えていた壁が白く見えるようになる。

このように人間の視覚に色順応という特性があるために、部屋の照明の色が異なると、テレビの画像の色が同じでも、その画像は異なった色に見えることになる。近年、液晶テレビ高画質化に伴い、部屋の照明の種類によって画像の色味を変えることにより、部屋の照明の色温度が変化しても、自然な画像に見えるようにする機能に対する要望が高まってきている。そのため、部屋の色温度を検出して、目の色順応に対応するように画像の色味を自動的にコントロールすることができるように、部屋の色温度を検出するカラーセンサの液晶テレビへの搭載が進んでいる。また、スマートフォンタブレットPC(パソコン)等のように持ち運びが可能な機器に搭載される液晶画面の場合、周囲の照明が視聴場所によって刻々と変化するため、カラーセンサのように自動的に色温度を検出するセンサはより重要となっている。

このカラーセンサは、環境光から可視光領域におけるR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の分光を別々センシングすることにより構成される。(以下、カラーセンサをRGBセンサと言う。)
このRGBセンサでは、環境光をセンシングするために、複数の光電変換素子が用いられ、この光電変換素子となるデバイスは一般にフォトダイオードにより構成されている。このフォトダイオード自体は色を識別することができず、光の強さ(光量)しか検出することができない。そこで、画像を電気信号に変換する場合、色を識別するために、各フォトダイオード上にカラーフィルタを被せて、各フォトダイオードで光の3原色であるR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の光の光量を検出することで、フォトダイオードから色信号を取得する。

従来、RGBセンサにおいては、環境光をR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の三原色の光に分けるために、材料の吸収による遮光もしくは光の干渉により特定の波長のみを透過または反射させるカラーフィルタを用いる方法が一般的である。

一方、デジタルスチルカメラビデオカメラ等、被写体を2次元固体撮像素子から成る光電変換素子にて撮影して画像化する2次元固体撮像装置も増加してきている。そして、現在主流の固体撮像素子であるCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)撮像素子やCMOS(相補形金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ:Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子の画素上にもオンチップフィルタとしてR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の材料の吸収による遮光もしくは光の干渉により特定の波長のみを透過または反射させるカラーフィルタが搭載され、これらカラーフィルタでは赤外光が除去できないためパッケージ赤外カットフィルタが搭載されている。

しかしながら、上記従来のRGBセンサにおいては、RGBの三原色の光を振り分けるカラーフィルタを形成するために、3種類のフォトマスクが必要であり、この3種類のフォトマスクが必要であることが、製造工程において時間とコストを引き上げ要因となっている。

これらの時間とコストを引き下げるために、上述のカラーフィルタに代わる光波長選択性フィルタとして、金属薄膜ナノスケール微細加工を施した構造がある。この構造の光波長選択性フィルタは、入射された光によって、励起される表面プラズモン共鳴による光の異常透過現象を用いる。

この表面プラズモン共鳴を用いた波長選択性フィルタについては、特許文献1(特開平11−72607号公報)に詳しく説明されている。この異常透過現象を発生させる手段として様々な方法があるが、例えば、図8に示すように、50〜200nm程度の薄い金属膜501を形成し、この金属膜501に透過波長よりも微細ホールアレイ502,502,502,…をパターニングして、フィルタ層500を形成する方法がある。このフィルタ層500に光が入射した時に透過する分光波形が図9に示されている。但し、表面プラズモン効果は、ある金属膜および絶縁膜または空気との界面で生じる表面プラズモンと、入射光により生じるエバネッセント光との共鳴で生じるため、表面プラズモン効果を効率よく発生させるためには、金属膜や絶縁膜は単一構造(材料、屈折率などの物性の均一性ホールピッチや形状の均一性)とすることが望ましい。例えば、金属材料としてはAu、Ag、Al等が使用される。

特に、Alは、
(i)プラズマ周波数が高いために短波長まで共鳴現象が生じる
(ii)通常の半導体プロセスで使用される材料であり、プロセスインテグレーションの点でも特殊な装置や材料が不要である
(iii)材料が安価である
(iv)作製プロセスが単純であり、それぞれの波長に対応したフィルタ一括して形成可能である
等の利点があり、採用される場合が多い。

但し、表面プラズモン効果を生じさせる金属膜を形成するにあたっては、デザインルールで65nm〜0.13umレベルの開口の微細加工が必要となる。

非特許文献1(フォーカス26<第3回>表面プラズモン共鳴を利用したカラーフィルタの開発 NIMS、豊田中央研究所)によれば、波長300nmの紫外光を透過させるためには、200nm程度のホール間ピッチが必要となる。400nm程度の波長を有する青色光を透過させるAl膜を形成するためには、図10に示すように、ホール502,502,502…間ピッチを260nm程度にする必要があり、ホール502の径は80〜180nm程度とする必要がある。RGBの波長の光を透過させる金属膜フィルタを形成するためには、上述のように、青色光透過のために260nm程度のホール502,502,502…間ピッチが必要である。

概要

本来、透過しない波長の光の異常透過を防ぐことができて、分光波形の半値幅を小さくすることができる光電変換装置およびその製造方法を提供する。基板(100)に第1の光電変換素子(101)を形成し、この第1の光電変換素子(101)の上に、周期的または非周期的に配置された複数の開口(41)を有する第1の金属膜(31)を、絶縁膜(1,2,3)を介して形成する。上記第1の金属膜(31)の複数の開口(41)の一部を覆う第2の金属膜(32)を設ける。

目的

本発明の課題は、ホール径にばらつきがなくて、本来、透過しない波長の光の異常透過を防ぐことができて、分光波形の半値幅を小さくすることができる光電変換装置およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

基板(100)に設けられた第1の光電変換素子(101)と、上記第1の光電変換素子(101)の上に絶縁膜(1,2,3)を介して形成されると共に、プラズモニックフィルタ領域を構成するための周期的または非周期的に配置された複数の開口(41,841)を有する第1の金属膜(31,131,231,831)と、上記第1の金属膜(31,131,231,831)の複数の開口(41,841)の一部を覆う第2の金属膜(32,132,232,832)とを備えることを特徴とする光電変換装置

請求項2

請求項1に記載の光電変換装置において、上記第2の金属膜(32,132,232,832)は、上記第1の金属膜(31,131,231,831)の複数の開口(41,841)のうちで少なくとも最外周に位置する開口の一部(41a,841a,841b)を覆うことを特徴とする光電変換装置。

請求項3

請求項1または2に記載の光電変換装置において、さらに、上記基板(100)に設けられた第2の光電変換素子(102)を備え、上記第1の金属膜(131)は、上記第1および第2の光電変換素子(101,102)の上に絶縁膜(1,2,3)を介して形成され、上記第2の金属膜(132)は、上記第1の光電変換素子(101)上の第1の金属膜(131)の複数の開口(41)の一部と上記第2の光電変換素子(102)上の第1の金属膜(131)の複数の開口(41)の一部とを覆うと共に、上記第1の光電変換素子(101)と上記第2の光電変換素子(102)との間の領域を覆っていることを特徴とする光電変換装置。

請求項4

請求項1から3のいずれか1つに記載の光電変換装置において、さらに、上記基板(100)に設けられた回路部(110)と、上記基板(100)上に絶縁膜(1,2,3)を介して形成された複数の配線層(11,12,232,832)からなる多層配線とを備え、上記第1の金属膜(231,831)は上記多層配線よりも上方に形成され、上記第2の金属膜(232,832)は、上記多層配線の複数の配線層(11,12,232,832)のうちの1つの配線層(232,832)を兼ねることを特徴とする光電変換装置。

請求項5

請求項1から4のいずれか1つに記載の光電変換装置において、上記第1の金属膜(831)の上記複数の開口(841)はスリット(841)であることを特徴とする光電変換装置。

請求項6

請求項1から5のいずれか1つに記載の光電変換装置において、上記第1の金属膜(831)のうちで、少なくとも、上記プラズモニックフィルタ領域(1200)を構成する部分は、接地されていることを特徴とする光電変換装置。

請求項7

基板(100)上に光電変換素子(101,102)を形成し、上記基板(100)上に、複数の配線層(11,12,132,232,832)を、順次、絶縁膜(1,2,3)を介して形成すると共に、上記複数の配線層(11,12,132,232,832)のうちの最上層の配線層(132,232,832)を、第2の金属膜(132,232,832)を兼ねるように形成し、上記光電変換素子(101)の上に、プラズモニックフィルタ領域を構成するための周期的または非周期的に配置された複数の開口(41,841)を有する第1の金属膜(131,231,831)を、この第1の金属膜(131,231,831)の複数の開口(41,841)の一部が上記第2の金属膜(132,232,832)で覆われるように、絶縁膜(1,2,3,4)を介して形成することを特徴とする光電変換装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、カラーセンサ等の光電変換装置およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

人の目は部屋の照明色温度が異なっても、色の変化をあまり感じないようになっており、一般的にこの特性は色順応と呼ばれている。例えば、青っぽい(色温度が高い)蛍光灯照明の部屋から、黄色っぽい(色温度が低い)白熱灯照明の部屋に入ると、部屋の白い壁が最初は黄色っぽく見える。しかし、しばらく経つと黄色っぽく見えていた壁が白く見えるようになる。

0003

このように人間の視覚に色順応という特性があるために、部屋の照明の色が異なると、テレビの画像の色が同じでも、その画像は異なった色に見えることになる。近年、液晶テレビ高画質化に伴い、部屋の照明の種類によって画像の色味を変えることにより、部屋の照明の色温度が変化しても、自然な画像に見えるようにする機能に対する要望が高まってきている。そのため、部屋の色温度を検出して、目の色順応に対応するように画像の色味を自動的にコントロールすることができるように、部屋の色温度を検出するカラーセンサの液晶テレビへの搭載が進んでいる。また、スマートフォンタブレットPC(パソコン)等のように持ち運びが可能な機器に搭載される液晶画面の場合、周囲の照明が視聴場所によって刻々と変化するため、カラーセンサのように自動的に色温度を検出するセンサはより重要となっている。

0004

このカラーセンサは、環境光から可視光領域におけるR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の分光を別々センシングすることにより構成される。(以下、カラーセンサをRGBセンサと言う。)
このRGBセンサでは、環境光をセンシングするために、複数の光電変換素子が用いられ、この光電変換素子となるデバイスは一般にフォトダイオードにより構成されている。このフォトダイオード自体は色を識別することができず、光の強さ(光量)しか検出することができない。そこで、画像を電気信号に変換する場合、色を識別するために、各フォトダイオード上にカラーフィルタを被せて、各フォトダイオードで光の3原色であるR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の光の光量を検出することで、フォトダイオードから色信号を取得する。

0005

従来、RGBセンサにおいては、環境光をR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の三原色の光に分けるために、材料の吸収による遮光もしくは光の干渉により特定の波長のみを透過または反射させるカラーフィルタを用いる方法が一般的である。

0006

一方、デジタルスチルカメラビデオカメラ等、被写体を2次元固体撮像素子から成る光電変換素子にて撮影して画像化する2次元固体撮像装置も増加してきている。そして、現在主流の固体撮像素子であるCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)撮像素子やCMOS(相補形金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ:Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子の画素上にもオンチップフィルタとしてR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の材料の吸収による遮光もしくは光の干渉により特定の波長のみを透過または反射させるカラーフィルタが搭載され、これらカラーフィルタでは赤外光が除去できないためパッケージ赤外カットフィルタが搭載されている。

0007

しかしながら、上記従来のRGBセンサにおいては、RGBの三原色の光を振り分けるカラーフィルタを形成するために、3種類のフォトマスクが必要であり、この3種類のフォトマスクが必要であることが、製造工程において時間とコストを引き上げ要因となっている。

0008

これらの時間とコストを引き下げるために、上述のカラーフィルタに代わる光波長選択性フィルタとして、金属薄膜ナノスケール微細加工を施した構造がある。この構造の光波長選択性フィルタは、入射された光によって、励起される表面プラズモン共鳴による光の異常透過現象を用いる。

0009

この表面プラズモン共鳴を用いた波長選択性フィルタについては、特許文献1(特開平11−72607号公報)に詳しく説明されている。この異常透過現象を発生させる手段として様々な方法があるが、例えば、図8に示すように、50〜200nm程度の薄い金属膜501を形成し、この金属膜501に透過波長よりも微細ホールアレイ502,502,502,…をパターニングして、フィルタ層500を形成する方法がある。このフィルタ層500に光が入射した時に透過する分光波形図9に示されている。但し、表面プラズモン効果は、ある金属膜および絶縁膜または空気との界面で生じる表面プラズモンと、入射光により生じるエバネッセント光との共鳴で生じるため、表面プラズモン効果を効率よく発生させるためには、金属膜や絶縁膜は単一構造(材料、屈折率などの物性の均一性ホールピッチや形状の均一性)とすることが望ましい。例えば、金属材料としてはAu、Ag、Al等が使用される。

0010

特に、Alは、
(i)プラズマ周波数が高いために短波長まで共鳴現象が生じる
(ii)通常の半導体プロセスで使用される材料であり、プロセスインテグレーションの点でも特殊な装置や材料が不要である
(iii)材料が安価である
(iv)作製プロセスが単純であり、それぞれの波長に対応したフィルタ一括して形成可能である
等の利点があり、採用される場合が多い。

0011

但し、表面プラズモン効果を生じさせる金属膜を形成するにあたっては、デザインルールで65nm〜0.13umレベルの開口の微細加工が必要となる。

0012

非特許文献1(フォーカス26<第3回>表面プラズモン共鳴を利用したカラーフィルタの開発 NIMS、豊田中央研究所)によれば、波長300nmの紫外光を透過させるためには、200nm程度のホール間ピッチが必要となる。400nm程度の波長を有する青色光を透過させるAl膜を形成するためには、図10に示すように、ホール502,502,502…間ピッチを260nm程度にする必要があり、ホール502の径は80〜180nm程度とする必要がある。RGBの波長の光を透過させる金属膜フィルタを形成するためには、上述のように、青色光透過のために260nm程度のホール502,502,502…間ピッチが必要である。

0013

特開平11−72607号公報

先行技術

0014

フォーカス26<第3回>表面プラズモン共鳴を利用したカラーフィルタの開発 NIMS、豊田中央研究所

発明が解決しようとする課題

0015

ところで、光電変換素子上にこのホールアレイを形成するためには、P型シリコン基板上に、リンなどのN型不純物層をイオン注入等で導入して、光電変換素子を形成する。この上に、SiO2等の絶縁膜を介してAlCu材料電極を形成した後、再度SiO2を形成してCMP(化学機械研磨:Chemical Mechanical Polishing)等で平坦化する。この上に、Al材料を、スパッタ装置を用いて150nm程度形成し、さらに、この上にレジスト等を塗布する。このレジストを、ホールアレイのパターンを施したマスクを用いて、スキャナー等の露光装置露光して、現像した後、エッチング設備でエッチングしてパターニングを完了する。

0016

ここで、ホールアレイは、図10のように、密集してホール502を形成するため、通常の露光以上に注意深く条件出しが行われなくてはならない。例えば、ホール径が100nm以下でピッチが200nmといった近距離で多数のホールが隣接して存在する場合、図13のような通常のマスクでは各ホールを透過した光が干渉し、思った通りのレジストへの現像ができないといった問題があった。そこで、図14のようなハーフトーンマスクなどが用いられるが、さらに近い距離になるとやはり相互に影響する。このため、この相互影響も考慮して条件出しを行うことが多かった。

0017

このとき、ホールの周囲を完全に囲むように別のホールが存在する場合、周囲からの干渉を受けるが、最外周等の周囲が囲まれないホールでは、前述の影響を一部しか受けないため、ホール径が違ってしまうといった問題があった(この記載は従来技術の記載ではなく、本件発明者が発見した問題である。)。例えば、このような不均一な条件で露光を行った場合の開口形状を示す一例を図11に示す。露光時、周囲をホールで囲まれない外周部(およびその周辺)のホール径は干渉を受ける周囲のホールが無い分、小さく加工されることとなる。

0018

このレジストの露光/現像の後、エッチング設備により反応ガス雰囲気下でプラズマを発生させ、金属膜にエッチングを行うことでホールを加工する。この際、パターンの粗密によってエッチングにバラツキを生じる。この現象をマイクロローディング効果という。密な部分に比べて、粗な部分ではエッチングレートが速い傾向がある。この原因として、寄与するラジカル消費量の増加や、レジストから放出される炭素酸素窒素により形成される側壁保護膜の減少が考えられている。周囲をホールで囲まれたパターンに比べて、囲まれていない最外周部ではエッチングレートが遅く、場合によっては、図12のように最外周(およびその近傍)のみ大きく加工される場合がある。

0019

エッチング後、レジスト剥離を行い、SiO2デポ装置でSiO2膜を堆積し、プラズモニックフィルタを構成する。

0020

このような製造方法により、ホール径が不均一な状態でホールアレイが形成された場合、フィルタの透過特性は不均一になり、光電変換素子を用いて分光感度を取得すると、図15に示すように、破線で示す均一な開口の加工が行われた場合に比べて、実線に示す不均一な開口が行われた場合、透過特性が悪化する。例えば、透過する分光波形の半値幅が大きくなったり、本来透過が抑えられるはずの波長の透過が起こったりする。このように、プラズモニックフィルタは、ホールピッチおよびホール径により波長を選択的に透過するため、ホール径がばらつくと、透過特性も不均一となり所望の特性を得られないといった問題があった。

0021

そこで、本発明の課題は、ホール径にばらつきがなくて、本来、透過しない波長の光の異常透過を防ぐことができて、分光波形の半値幅を小さくすることができる光電変換装置およびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0022

上記課題を解決するため、本発明の光電変換装置は、
基板に設けられた第1の光電変換素子と、
上記第1の光電変換素子の上に絶縁膜を介して形成されると共に、プラズモニックフィルタ領域を構成するための周期的または非周期的に配置された複数の開口を有する第1の金属膜と、
上記第1の金属膜の複数の開口の一部を覆う第2の金属膜と
を備える
ことを特徴としている。

0023

また、本発明の光電変換装置の製造方法は、
基板上に光電変換素子を形成し、
上記基板上に、複数の配線層を、順次、絶縁層を介して形成すると共に、上記複数の配線層のうちの最上層の配線層を、第2の金属膜を兼ねるように形成し、
上記光電変換素子の上に、プラズモニックフィルタ領域を構成するための周期的または非周期的に配置された複数の開口を有する第1の金属膜を、この第1の金属膜の複数の開口の一部が上記第2の金属膜で覆われるように、絶縁膜を介して形成する
ことを特徴としている。

発明の効果

0024

本発明によれば、プラズモニックフィルタ領域を構成する第1の金属膜の複数の開口の一部を第2の金属膜で覆っているので、露光時の隣接開口部からの干渉光の影響やエッチング時のマイクロローディング効果により形状が不均一になりやすい開口からの透過光遮断することができ、したがって、所望の波長選択性を確保することができる。

図面の簡単な説明

0025

本発明の第1実施形態の光電変換装置の断面図である。
本発明の第1実施形態の製造方法を説明する断面図である。
本発明の第1実施形態の製造方法を説明する断面図である。
本発明の第1実施形態の製造方法を説明する断面図である。
本発明の第1実施形態の製造方法を説明する断面図である。
本発明の第2実施形態の光電変換装置の断面図である。
本発明の第3実施形態の光電変換装置の断面図である。
特許文献1に記載のホールアレイをパターニングしたフィルタ層の斜視図である。
特許文献1に記載のフィルタ層を透過した分光波形を示すグラフである。
青色光透過フィルタのホールアレイの一例を示す図である。
微細露光時のフォト後SEM走査型電子顕微鏡写真である。
微細加工(エッチング)後のSEM写真である。
通常マスクのホール間の透過光の干渉を説明する図である。
ハーフトーンマスクのホール間の透過光の干渉を説明する図である。
加工状態の違いによるフィルタ透過特性を示す図である。
Alの誘電関数を示すグラフである。
Auの誘電関数を示すグラフである。
本発明の第4実施形態の光電変換装置の平面図である。
本発明の第4実施形態の光電変換装置の断面図である。

実施例

0026

以下、本発明を図示の実施形態により詳細に説明する。

0027

(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の光電変換装置の断面図である。図1において、100は基板の一例としての第1導電型(例えば、P型)の半導体基板、101はRGBの夫々に対応して設けられ、夫々RGBの三原色の光量を検出する例えばフォトダイオードなどからなる光電変換素子、1,2,3,4は例えばSiO2等からなる絶縁膜、11は配線層、20はビアホール、200はプラズモニックフィルタ領域、31はプラズモニックフィルタ領域200を構成するための第1の金属膜、32は第2の金属膜、41は第1の金属膜31に形成された複数の開口、41aは上記複数の開口41のうちで最外周に位置する開口である。

0028

上記プラズモニックフィルタ領域200を構成する第1の金属膜31の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aは、第2の金属膜32で覆っている。

0029

上記構成の光電変換装置によれば、プラズモニックフィルタ領域200を構成する第1の金属膜31の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aは、別の第2の金属膜32で覆われているので、露光時の隣接開口部からの干渉光の影響やエッチング時のマイクロローディング効果により形状が不均一になりやすい最外周の開口41aからの透過光を遮断することができて、所望の波長選択性を確保したプラズモニックフィルタを形成することができる。

0030

したがって、この第1実施形態の光電変換装置によれば、本来透過しない波長の光の異常透過を防ぐことができて、分光波形の半値幅を小さくすることができる。

0031

次に、上記第1実施形態の光電変換装置の製造方法について、図2から図5を用いて説明する。

0032

図2に示すように、基板の一例としての第1導電型(P型)の半導体基板100上の所定の位置に、第2導電型(N型)の不純物をイオン注入などで導入して熱処理を行うことによって、入射した光を電気信号に変換するフォトダイオードなどの光電変換素子101を形成する。この半導体基板100上をSiO2などの絶縁膜1で覆い、この絶縁層1上に配線層11を形成する。この配線層11は、光電流を取り出すために、第1の光電変換素子101のカソード側、アノード側にビアホール20を介して接続する。

0033

次に、図3に示すように、上記絶縁膜1および配線層11上に、SiO2等からなる層間絶縁膜としての絶縁層2を形成する。その上にスパッタなどを用いて、AlやAlCu等の金属で第2の金属膜32を形成する。露光機を用いたフォトリソグラフィドライエッチャーを用いたエッチングにより、第2の金属膜32の所定の位置の部分を除去し、その第2の金属膜32の残っている部分および絶縁膜2上に、SiO2等で第2の金属膜32を覆うように層間絶縁膜としての絶縁膜3を形成する。この絶縁膜3の形成後は、第2の金属膜32のある部分とない部分で、上記絶縁膜3に段差が発生するが、CMPにより、絶縁膜3が完全に平坦になるまで加工を行う。このCMPにより完全に平坦にされた絶縁膜3の表面に、第1の金属膜31を塗布し、この第1の金属膜31に、特定の光(例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)等)を透過させるための波長選択フィルタ微細パターンのフォトリソグラフィを行うので、この表面の平坦化は重要である。

0034

次に、図4に示すように、平坦化された絶縁膜3上に、フィルタ材料としての第1の金属膜31をスパッタにて150nmの厚さに形成する。このフィルタ材料の第1の金属膜31の金属は、Alが材料の単一性より最も望ましいが、より一般的に半導体製造に使用されているAlCuやAlSiでもよい。また、第1の金属膜31の膜厚は50〜200nm程度が望ましい。また、この同一の第1の金属膜31で、図示しない遮光メタル部も形成するため、第1の金属膜31には300nm〜1200nmの光波長をブロックできる膜厚が必要となる。

0035

この第1の金属膜31の塗布後、図4に示すように、第1の金属膜31の上にフォトレジスト61を塗布し、このフォトレジスト61にフォトリソグラフィで開口61a,61a,…のパターンを形成する。この開口61a,61a,…のパターンは、光電変換素子101上の受光用開口部の上の第1の金属膜31の部分の上に形成すると共に、最外周の開口61a−1は第2の金属膜32ですべて覆われるように形成する。そして、上記第1の金属膜31を、フォトレジスト61をマスクとして、エッチングして、図5に示すように、複数の開口41,41,…を有する第1に金属膜31を形成する。上記複数の開口41のうちで、最外周の開口41aは第2の金属膜32で覆われている。

0036

このように、上記第1に金属膜31の複数の開口41のうちで、最外周の開口41aを第2の金属膜32で覆うことによって、露光時の干渉光の影響やエッチング時のマイクロローディング効果により、開口形状が不均一となりやすい最外周の開口41aを透過した光を遮断することができ、透過光の半値幅の増大や本来透過しない波長の光の透過等異常な透過を抑えることができる。

0037

その後、上記第1の金属膜31および絶縁膜3上に、図5に示すように、SiO2からなる保護膜として機能する絶縁膜4を形成する。この際、前工程にて形成された第1の金属膜31の複数の開口(貫通穴または凹部)41を、絶縁膜4、つまり、SiO2で埋める必要があるため、SiO2からなる絶縁膜4を高密度プラズマCVD(化学的気相成長)法で形成する。

0038

上記第1の金属膜31の複数の開口41,41,…のパターンは二次元状に周期的に配置されている。この開口41は、貫通穴または凹部で形成される。これらの開口41の形状は円形四角形三角形などの形状で作成される。この周期的な複数の開口41を、第1の光電変換素子101上の第1の金属膜31に形成することによって、第1の金属膜31に光が入射した際に、第1の金属膜31上に二次元状に周期的に配列された開口41に表面プラズモン分散関係が組み込まれて、光によって表面プラズモンが励起できるようになり、この第1の金属膜31を波長選択フィルタとして機能させることができる。このとき、隣接する開口41,41でも同様に電子振動し、表面全体集団励起として振舞うので、隣接する開口41と開口41とのホールピッチは同じ距離をとるような配列が最適であり、図10のように6つの開口が1つの開口を囲むような千鳥状の配列ならばホールピッチが一定となり高い色分解能を得ることができる。

0039

この第1の金属膜31に周期的に形成した複数の開口41,41,…によって、R(レッド:波長660nm)、G(グリーン:波長540nm)、B(ブルー:波長440nm)の波長の光を透過させるためには、それぞれ異なる周期のホールアレイ(開口41のアレイ)を形成しなければならない。第1の金属膜31の材料にAlまたはAlCu、AlSiを使用し、SiO2からなる絶縁膜4でホールアレイを被膜する場合には、光の垂直入射により表面プラズモンを励起する条件は、規格化周波数a/λ=0.65となる。この式より、それぞれの光を透過させるホールアレイの周期aは420nm(R:レッド)、340nm(G:グリーン)、260nm(B:ブルー)と算出される。この式より、開口41の配列の周期を変えることによって、透過させる光を選択できるので、1枚のフォトマスク上に異なった周期の配列のパターンを形成することで、1回のフォトリソグラフィで、R、G、Bの波長選択フィルタを同時に形成することが可能である。

0040

上記第1実施形態では、第1の金属膜31の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aを、第2の金属膜32で覆っているが、場合によっては、最外周から数列目までの開口41を第2の金属膜32で覆ってもよく、また、最外周に位置する開口41aのうちでコーナに位置する開口41aのみを第2の金属膜32で覆ってもよい。

0041

(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態の光電変換装置の断面図である。図6において、図1に示す第1実施形態の光電変換装置の構成要素と同一構成要素については、図1の構成要素と同一参照番号を付して詳しい説明は省略し、異なる構成要素のみについて以下に説明する。

0042

この第2実施形態の光電変換装置は、第1の光電変換素子101に加えて、第2の光電変換素子102を備え、第1の金属膜131は、第1および第2の光電変換素子101,102の上に、開口41を有するプラズモニックフィルタ領域200,200を形成し、さらに、遮光メタル領域301,301,301を形成する遮光メタル部131a,131a,131aを有する。

0043

上記プラズモニックフィルタ領域200を構成する第1の金属膜131の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aは、第2の金属膜132で覆っている。

0044

上記構成の光電変換装置によれば、プラズモニックフィルタ領域200を構成する第1の金属膜131の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aは、別の第2の金属膜132で覆われているので、露光時の隣接開口部からの干渉光の影響やエッチング時のマイクロローディング効果により形状が不均一になりやすい最外周の開口41aからの透過光を遮断することができて、所望の波長選択性を確保したプラズモニックフィルタを形成することができる。

0045

したがって、この第2実施形態の光電変換装置によれば、本来透過しない波長の光の異常透過を防ぐことができて、分光波形の半値幅を小さくすることができる
また、上記遮光メタル領域301を形成する第1の金属膜131の遮光メタル部131aおよびこの遮光メタル部131aに対向する第2の金属膜132は、第1および第2の光電変換素子101,102の外側の領域を覆っている。これにより、迷光が第1および第2の光電変換素子101,102に侵入するのを防止して、偽信号の発生を防止でき、誤作動の防止、耐久性の向上をすることができる。

0046

次に、第2実施形態の光電変換装置の製造方法について、図6を用いて説明する。

0047

図6に示すように、基板の一例としての第1導電型(P型)の半導体基板100上の所定の位置にイオン注入等の所定の方法によりN型の不純物を導入し、アニールなど1200℃、600分程度の熱処理を行うことによって、第1および第2の光電変換素子101,102などの2つ以上の光電変換素子(例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ等)を並んで配置する。上記半導体基板100上の2つの第1および第2の光電変換素子101,102の上方には絶縁膜1,2を介して配線層11と第2の金属膜132とを形成する。この第2の金属膜132は、配線層としても機能して、配線層11と共に多層配線を構成する。この第2の金属膜132は、後述する第1の金属膜131の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aを覆うと共に、第1の光電変換素子101と第2の光電変換素子102との間の領域も遮光メタル部132aで覆っている。もし仮に、遮光メタル部132aが無くて、第2の金属膜132が最外周の開口41aのみを覆っただけであるとすると、第1および第2の光電変換素子101,102周辺の半導体基板へ不均一な開口41aから漏れた光が入り込み、対応する上方の開口41aが覆われた第1および第2の光電変換素子101,102だけでなく、隣接した第1および第2の光電変換素子101,102にまで光が漏れるケースがある。このような隣接した第1および第2の光電変換素子101,102への漏れ光を防止するため、第1および第2の光電変換素子101,102の間の領域も遮光メタル部132aで覆うことで、斜め入射等、光電変換素子から漏れた光が隣接した光電変換素子に入射するのを防ぐと同時に、最外周のホール径や形状が不均一な開口41aから漏れた光が隣接光電変換素子に入射するのを防ぐことができる。

0048

次に、上記第2の金属膜132の更に上方に特定の波長のみを透過するフィルタとしての第1の金属膜131を形成するために、絶縁膜3の形成を行う。上記絶縁膜3の形成後は、第2の金属膜132がある部分とない部分とで段差が発生するが、CMPにより、絶縁膜3が完全に平坦になるまで加工を行う。この絶縁膜3の表面には、後でAlやAlCu材料を用いた第1の金属膜131を形成するが、この第1の金属膜131に、特定の光(例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)等)を透過させるための波長選択フィルタの微細パターンのフォトリソグラフィを行うので、この表面の平坦化は重要である。

0049

次に、平坦化された絶縁膜3上にフィルタ材料としての第1の金属膜131をスパッタにて150nm形成する。このフィルタ材料の金属はAlが材料の単一性より最も望ましいが、より一般的に半導体製造に使用されているAlCuやAlSiでもよいし、赤外領域の波長選択膜を形成したい場合は、AuやCuといった金属でもよい。また、第1の金属膜131の膜厚は50〜200nm程度が望ましい。また、この同一の第1の金属膜131で遮光メタル部131aも形成するため、第1の金属膜131には例えば、300nm〜1200nmの光波長をブロックできる膜厚が必要となる。図示しない電極取り出し部であるPADパッド)部には、第1の金属膜131は形成しない。

0050

この第1の金属膜131の塗布後、第1の金属膜131の上に図示しないフォトレジストを塗布し、このフォトレジストにフォトリソグラフィで波長選択フィルタの開口パターンを形成する。この波長選択フィルタの開口パターンは、第1および第2の光電変換素子101,102上の受光用開口部の上の第1の金属膜131上に形成すると共に、最外周の開口は第2の金属膜132で全て覆われるように形成する。そして、上記第1の金属膜31を、フォトレジストをマスクとして、エッチングして、図6に示すように、複数の開口41,41,…を有する第1に金属膜131を形成する。上記複数の開口41のうちで、最外周の開口41aは第2の金属膜132で覆っている。

0051

このように、上記第1の金属膜131の複数の開口41のうちで、最外周の開口41aを第2の金属膜132で覆うことによって、露光時の干渉光の影響やエッチング時のマイクロローディング効果により、開口形状が不均一となりやすい最外周の開口41aを透過した光を遮断することができ、透過光の半値幅の増大や本来透過しない波長の光の透過等異常な透過を抑えることができる。

0052

また、遮光メタル領域301を構成する第1の金属膜131の遮光メタル部131aおよび第2の金属膜132の遮光メタル部132aは、第1光電変換素子101と第2の光電変換素子102との間、および、第1,第2の光電変換素子101,102の外側に対応する箇所に設けて、迷光が第1,第2の光電変換素子101,102に侵入するのを防止している。

0053

上記開口41は、貫通穴または凹部で形成され、複数の開口41のパターンは二次元状に周期的なものである。この周期的な開口41を第1の金属膜131に形成することで、この第1の金属膜131に光が入射した際に、第1の金属膜131上に二次元状に周期的に配列された開口41に表面プラズモン分散関係が組み込まれ、光によって表面プラズモンが励起できるようになり、この第1の金属膜131を波長選択フィルタとして機能させることがきる。このとき、隣接する開口41でも同様に電子が振動し、表面全体で集団励起として振舞うので、隣接する開口41と開口41のホールピッチは同じ距離をとるような配列が最適であり、図10のように6つの開口が1つの開口を囲むような千鳥状の配列ならばホールピッチが一定となり高い色分解能を得ることができる。

0054

上記第1の金属膜131の加工後、保護膜として機能するSiO2からなる絶縁膜4を形成する。この際、前工程にて形成された第1の金属膜131の開口41の貫通穴または凹部もSiO2で埋まるように形成する必要があるため、高密度プラズマCVD法でSiO2からなる絶縁膜4を第1の金属膜131上に被膜する。

0055

上記第2実施形態では、上記第2の金属膜132が、第1の光電変換素子101上の第1の金属膜131の複数の開口41の一部である不均一に形成される開口41aと、第2の光電変換素子102上の第1の金属膜131の複数の開口41の一部である不均一に形成される開口41aとを覆うと共に、遮光メタル部131a,132aによって、第1の光電変換素子101と第2の光電変換素子102との間の領域を覆っているので、不均一に形成される開口41aを透過した光や迷光が第1および第2の光電変換素子101,102に入射するのを阻止できる。

0056

さらに、上記第1の金属膜131は上記多層配線よりも上方に形成され、かつ、上記第2の金属膜132は、上記多層配線の複数の配線層11,132のうちの1つの配線層132を兼ねるので、第2の金属膜132を専用に単独に新たに形成する必要が無く、コスト増を防ぐことができる。

0057

また、上記第2の金属膜132は、上記多層配線の複数の配線層11,132のうちの最上層の配線層132を兼ねるので、第1の金属膜131と第2の金属膜132との距離が小さくなって、第1や第2の光電変換素子101,102への漏れ光を確実に遮断することができる。

0058

もし仮に、プラズモニックフィルタ領域を構成するための第1の金属膜131と第2の金属膜132との距離が大きいと、一部の光が第1や第2の光電変換素子101,102に漏れて、分光感度を悪化させる恐れがあるのである。

0059

(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態の光電変換装置の断面図である。図7において、図1に示す第1実施形態の光電変換装置の構成要素と同一構成要素については、図1の構成要素と同一参照番号を付して詳しい説明は省略し、異なる構成要素のみについて以下に説明する。

0060

この第3実施形態の光電変換装置は、回路内蔵光電変換装置であり、基板の一例としての半導体基板100に、第1の光電変換素子101に加えて、回路部110を設けている。また、この光電変換装置の第1の金属膜231は、第1光電変換素子101の上に、複数の開口41を有するプラズムニックフィルタ領域200を形成し、さらに、遮光メタル領域302を形成する遮光メタル部231a,231aを有する。

0061

上記プラズモニックフィルタ領域200を構成する第1の金属膜231の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aは、最上層の配線層としても機能する第2の金属膜232で覆っている。

0062

上記構成の光電変換装置によれば、プラズモニックフィルタ領域200を構成する第1の金属膜231の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aは、別の第2の金属膜232で覆われているので、露光時の隣接開口部からの干渉光の影響やエッチング時のマイクロローディング効果により形状が不均一になりやすい最外周の開口41aからの透過光を遮断することができて、所望の波長選択性を確保したプラズモニックフィルタを形成することができる。

0063

したがって、この第3実施形態の光電変換装置によれば、本来透過しない波長の光の異常透過を防ぐことができて、分光波形の半値幅を小さくすることができる
また、上記遮光メタル領域302を形成する第1の金属膜231の遮光メタル部231aおよび第2の金属膜232は、第1の光電変換素子101および回路部110の外側の領域、および、第1の光電変換素子101と回路部110との間の領域を覆っている。これにより、迷光が第1の光電変換素子101および回路部110に侵入するのを防止して、偽信号の発生を防止して、誤作動の防止、耐久性の向上をすることができる。

0064

また、上記第1の金属層231、ひいては、遮光メタル部231aは、図示しない配線を介して、接地されていて、接地電位とされている。これにより、第1の金属層231,遮光メタル部231aは、光の遮断だけでなく、電気的なノイズに対してもシールド効果を有する。例えば、電気的ノイズが第1の金属層231、あるいは、遮光メタル部231aに飛来した場合、この電気的ノイズは接地された電位逃げることができるため、第1の金属層231、遮光メタル部231aよりも下の回路部110に電気的ノイズが悪影響することがない。つまり、遮光メタル部231aは、光の侵入を防ぐことと電気的ノイズから回路部110等を守るシールドとして機能する。

0065

また、上記遮光メタル部231aは、基板100の表面の1/2以上の面積を覆っている。これにより、元の第1の金属層231のエッチングされる面積を減らすことができて、メタルエッチャー等で元の第1の金属層231をエッチングする際にデポ物等の発生を抑制することができる。

0066

次に、第3実施形態の光電変換装置の製造方法について、図7を用いて説明する。

0067

図7に示すように、基板の一例としての半導体基板100の所定の位置に、フォトリソグラフィ/イオン注入/エッチング設備を用いて、第1の光電変換素子101と、その第1の光電変換素子101からの電気信号を処理する回路部110を形成する。この回路部は、CMOSでもよいし、バイポーラ素子でもよい。この際、回路部100以外に電気信号を出力するための端子であるPAD(パッド)部401を形成する領域も同時に確保する。この半導体基板100上の第1の光電変換素子101周辺や回路部110の上方には、絶縁膜1〜3を介して多層配線を構成する配線層11,12,232が配置される。この配線層232は、第2の金属膜232であって、プラズモニックフィルタ領域200を構成する第1の金属膜231の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aを覆う。この第2の金属膜232は、通常の多層配線のための配線層としての機能と、第1の金属膜231の複数の開口41のうちで最外周に位置する開口41aを覆う機能とを有する。

0068

次に、上記第2の金属膜232の更に上方に、特定の波長のみを透過するフィルタとして機能する第1の金属膜231を形成するために、絶縁膜4を形成する。この絶縁膜4の形成後は、第2の金属膜232のある部分とない部分とで段差が発生するが、第2の金属膜232にシールドメタル部を形成しないで、第2の金属膜232上に絶縁膜4を形成しているため、絶縁膜4には突起状の段差のみが生じる。この突起状の段差は、平面状の段差とは異なり、CMP工程で局所的に研磨圧力が付加されるため、研磨されやすく、容易に平坦化できると共に、研磨時間を抑制することができる。これによりディッシングの発生が抑制されて、平坦化しやすい形状となっている。この際、スラリーは、より平坦性を確保するためセリアが望ましい。セリアによるCMPにより完全に平坦になるまで加工を行う。この絶縁膜4の表面には、後ほど,第1の金属膜231を形成して、特定の光(例えば、R、G、B等)を透過させるための第1の金属膜231の波長選択フィルタの微細パターンのフォトリソグラフィを行うため、この表面の平坦化は重要である。これは、微細化のために露光の開口数(NA)を高めることで、焦点深度が浅くなっても,平坦化することにより正確に露光できるようするためである。

0069

次に、平坦化された絶縁膜4の表面上にフィルタ材料として第1の金属膜231をスパッタや蒸着装置を用いて150nmの厚さに形成する。このフィルタ材料の金属はAlが材料の単一性より最も望ましいが、より一般的に半導体製造に使用されているAlCuやAlSiでもよい。また、第1の金属膜231の膜厚は50〜200nm程度が望ましい。また、この同一の第1の金属膜231に遮光メタル部231aを形成するため、第1の金属膜231には300nm〜1200nmの光波長の光をブロックできる膜厚が必要となる。電極取り出し部であるPAD部401上には、金属膜は形成しない。

0070

この第1の金属膜231の塗布後、この第1の金属膜231上に図示しないSiO2膜と有機系のBARC(Bottom Anti Reflective Coating)を形成する。このSiO2膜は、後ほど行うエッチング時にフィルタ表面に形成されるデポ物をリフトオフにより除去するために必要である。また、BARCはAlなどの金属表面での反射を抑え、微細加工を行いやすくするために用いられる。本来であれば、半導体プロセスの多層配線ではTi/TiNのような非反射(Anti-Reflection)層がAlCuの表面に形成されているが、プラズモン共鳴をAlで発生させるため、今回のフィルタでは使用することができず、このような膜を形成して表面反射を抑える。この後、図示しないレジストを塗布し、フォトリソグラフィで波長選択フィルタの開口パターンを形成する。B(ブルー)の用途としては、例えば、260nmピッチで130nmの開口を形成する。G(グリーン)の用途としては、例えば、340nmピッチで170nmの開口を形成する。R(レッド)の用途としては、例えば、420nmピッチで210nmの開口を形成する。この後、メタルエッチャーによりBARC/SiO2/Alの順でエッチングを行い、レジスト/BARC/SiO2を除去することで、第1の金属膜231の波長選択フィルタである複数の開口41のパターンを形成する。波長選択フィルタの複数の開口41のパターンは、第1の光電変換素子101上の受光用開口部の上の第1の金属膜231上に形成する。開口41のパターンは二次元状に周期的に配置されており、貫通穴または凹部で形成される。この周期的な開口41を第1の金属膜231に形成することで、この回路内蔵光電変換装置の第1の金属膜231に光が入射した際に、第1の金属膜231上に二次元状に周期的に配列された開口41に表面プラズモン分散関係が組み込まれ、光によって表面プラズモンが励起できるようになり、この第1の金属膜231を波長選択フィルタとして機能させることがきる。このとき、隣接する開口41でも同様に電子が振動し、表面全体で集団励起として振舞うので、隣接する開口41と開口41のホールピッチは同じ距離をとるような配列が最適であり、図8,10のように6つの開口が1つの開口を囲むような千鳥状の配列ならば、ホールピッチが一定となり高い色分解能を得ることができる。

0071

上記第1の金属膜231の加工後は、図7に示すように、SiO2からなる保護膜として機能する絶縁膜5を形成する。この際、前工程にて形成された第1の金属膜231の開口(貫通穴または凹部)41もSiO2で埋まるように形成する必要があるため、高密度プラズマCVD法でSiO2からなる絶縁膜5を形成する。

0072

最後に、電極取り出しのためのPAD部401上のSiO2膜406を除去しPAD部401を露出させる。

0073

上記第3実施形態では、上記第2の金属膜232が、第1の光電変換素子101上の第1の金属膜231の複数の開口41の一部である不均一に形成される開口41aを覆うと共に、第1の金属膜231の遮光メタル部231aによって、第1の光電変換素子101と回路部110との間の領域を覆っているので、迷光が第1の光電変換素子101および回路部110に入射するのを阻止できる。

0074

さらに、上記第1の金属膜231は上記多層配線よりも上方に形成され、かつ、上記第2の金属膜232は、上記多層配線の複数の配線層11,12,232のうちの1つの配線層232を兼ねるので、第2の金属膜232を専用に単独に新たに形成する必要が無く、コスト増を防ぐことができる。

0075

さらに、上記回路部110を含む回路内蔵光電変換装置自体のプロセスを変えることなく、第1の金属膜231を追加して搭載できることに加えて、第2の金属膜232に、多層配線の配線層232を兼ねさせることができるから、プロセスインテグレーションし易いというメリットがある。

0076

また、上記第2の金属膜232は、上記多層配線の複数の配線層11,12,232のうちの最上層の配線層232を兼ねるので、第1の金属膜231と第2の金属膜232との距離が小さくなって、第1の光電変換素子101や回路部110への漏れ光を確実に遮断することができる。

0077

もし仮に、プラズモニックフィルタ領域を構成するための第1の金属膜231と第2の金属膜232との距離が大きいと、一部の光が第1の光電変換素子101や回路部110に漏れて、分光感度を悪化させる恐れがあるのである。

0078

(第4実施形態)
図18と19は、本発明の第4実施形態の光電変換装置の平面図と断面図である。図19において、図7に示す第3実施形態の光電変換装置の構成要素と同一構成要素については、図7の構成要素と同一参照番号を付して詳しい説明は省略し、異なる構成要素のみについて以下に説明する。

0079

この第4実施形態の光電変換装置は、図18の平面図に示すように、第1の金属膜831に、複数の開口の一例としての複数のスリット841を設けている。この複数のスリット841,841,841…は、一定間隔で、横方向に並んでいる。第2の金属膜832は、図18および19に示すように、複数のスリット841,841,841…のうちの両端のスリット841a,841aの全ての領域と、両端以外の複数のスリット841,841,841…の各々の長手方向の両端部841b,841b,841b…を覆っている。すなわち、上記第2の金属膜832は、複数のスリット841,841,841…の最外周に位置する部分を覆っている。

0080

上記第1の金属膜831は、複数のスリット841によって、第1の光電変換素子101の上方に位置するプラズモニックフィルタ領域1200を形成し、遮光メタル部831aによって、遮光メタル領域1302を形成する。

0081

また、上記第1の金属膜831は、図示しない配線によって、接地していて、プラズモニックフィルタ領域1200の金属膜831の部分と遮光メタル部831とを接地電位にしている。

0082

この第4実施形態では、上記金属膜831のプラズモニックフィルタ領域1200に対応する部分と、遮光メタル部831とは、電気的に接続しているが、上記金属膜831のプラズモニックフィルタ領域1200に対応する部分と、遮光メタル部831とが電気的に分離していてもよい。この場合、上記金属膜831のプラズモニックフィルタ領域1200に対応する部分を接地して、接地電位にするのが、プラズモニックフィルタの波長選択機能を良好にする上で、重要である。

0083

上記構成の光電変換装置によれば、プラズモニックフィルタ領域1200を構成する第1の金属膜831の複数の開口としての複数のスリット841,841,841…のうちの両端のスリット841a,841aの全ての領域と、両端以外の複数のスリット841,841,841…の各々の長手方向の両端部841b,841b,841b…とが、第2の金属膜832によって、覆われているので、露光時の隣接開口部からの干渉光の影響やエッチング時のマイクロローディング効果により形状が不均一になりやすい両端のスリット841a,841aやスリット841,841,841…の各々の長手方向の両端部841b,841b,841b…からの透過光を第2の金属膜832で遮断することができて、スリット構造でも、所望の波長選択性を確保したプラズモニックフィルタを形成することができる。

0084

したがって、この第4実施形態の光電変換装置によれば、本来透過しない波長の光の異常透過を防ぐことができて、分光波形の半値幅を小さくすることができる
また、上記第2の金属膜832は、第1の光電変換素子101の外側の領域を覆っている。これにより、迷光が第1の光電変換素子101に侵入するのを防止して、偽信号の発生を防止でき、誤作動の防止、耐久性の向上をすることができる。

0085

また、上記第1の金属膜831は、接地されて、接地電位となっているので、プラズモニックフィルタ領域1200を構成する第1の金属膜831の部分の電位が安定して、電子の挙動が安定して、波長選択性が良好になる。もし、仮に、プラズモニックフィルタ領域1200の第1の金属膜831の部分の電位が変動すると、波長選択性に悪影響がでるのである。

0086

また、上記第1の金属膜831の遮光メタル部831aが接地されていて、接地電位となっているので、遮光メタル部831aは、光を遮断して第1の光電変換素子101への光の侵入を防ぐ光シールドとしての機能だけでなく、電気的ノイズから回路部110等を守る電気シールドとしても機能する。

0087

また、上記遮光メタル部831aは、基板100の表面の1/2以上の面積を覆っている。これにより、元の第1の金属層831のエッチングされる面積を減らすことができて、メタルエッチャー等で元の第1の金属層831をエッチングする際にデポ物等の発生を抑制することができる。

0088

次に、第4実施形態の光電変換装置の製造方法について、図18および19を参照しながら説明する。

0089

図19に示すように、基板の一例としての半導体基板100の所定の位置に、フォトリソグラフィ/イオン注入/エッチング設備を用いて、第1の光電変換素子101と、その第1の光電変換素子101からの電気信号を処理する回路部110を形成する。この回路部110は、CMOSでもよいし、バイポーラ素子でもよい。この際、回路部100以外に電気信号を出力するための端子であるPAD(パッド)部401を形成する領域も同時に確保する。

0090

この半導体基板100上の第1の光電変換素子101周辺や回路部110の上方には、絶縁膜1〜3を介して多層配線を構成する配線層11,12,832が配置される。この配線層832は、第2の金属膜832であって、プラズモニックフィルタ領域1200を構成する第1の金属膜831の複数の開口としての複数のスリット841のうちで横方向の最外端に位置するスリット841aと、図18に示す横方向の両端以外の複数のスリット841,841,841…の各々の長手方向の両端部841b,841b,841b…とを覆う。この第2の金属膜832は、通常の多層配線のための配線層としての機能と、第1の金属膜831の複数のスリット841の最外周(複数のスリット841のうちで横方向の最外端に位置するスリット841a,841aと、横方向の両端以外の複数のスリット841の長手方向の両端部841b,841b)とを覆う機能とを有する。

0091

次に、上記第2の金属膜832の更に上方に、特定の波長のみを透過するフィルタとして機能する第1の金属膜831を形成するために、絶縁膜4を形成する。この絶縁膜4の形成後は、第2の金属膜832のある部分とない部分とで段差が発生するが、配線層11,12,832にシールドメタル部を形成しないで、配線層(第2の金属膜)832上に絶縁膜4を形成しているため、絶縁膜4には突起状の段差のみが生じる。この突起状の段差は、平面状の段差とは異なり、CMP工程で局所的に研磨圧力が付加されるため、研磨されやすく、容易に平坦化できると共に、研磨時間を抑制することができる。これによりディッシングの発生が抑制されて、平坦化しやすい形状となっている。この際、スラリーは、より平坦性を確保するためセリアが望ましい。セリアによるCMPにより完全に平坦になるまで加工を行う。この絶縁膜4の表面には、後ほど,第1の金属膜831を形成して、特定の光(例えば、R、G、B等)を透過させるための第1の金属膜831の波長選択フィルタの微細パターンのフォトリソグラフィを行うため、この表面の平坦化は重要である。これは、微細化のために露光の開口数(NA)を高めることで、焦点深度が浅くなっても、平坦化することにより正確に露光できるようするためである。

0092

次に、上記平坦化された絶縁膜4の表面上にフィルタ材料として第1の金属膜831をスパッタや蒸着装置を用いて150nmの厚さに形成する。このフィルタ材料の金属はAlが材料の単一性より最も望ましいが、より一般的に半導体製造に使用されているAlCuやAlSiでもよい。また、第1の金属膜831の膜厚は50〜200nm程度が望ましい。また、この同一の第1の金属膜831に遮光メタル部831aを形成するため、第1の金属膜831には300〜1200nmの光波長の光をブロックできる膜厚が必要となる。電極取り出し部であるPAD部401上には、金属膜は形成しない。

0093

この第1の金属膜831の塗布後、この第1の金属膜831上に図示しないSiO2膜と有機系のBARC(Bottom Anti Reflective Coating)を形成する。このSiO2膜は、後ほど行うエッチング時にフィルタ表面に形成されるデポ物をリフトオフにより除去するために必要である。また、BARCはAlなどの金属表面での反射を抑え、微細加工を行いやすくするために用いられる。本来であれば、半導体プロセスの多層配線ではTi/TiNのような非反射(Anti-Reflection)層がAlCuの表面に形成されているが、プラズモン共鳴をAlで発生させるため、今回のフィルタでは使用することができず、このような膜を形成して表面反射を抑える。この後、図示しないレジストを塗布し、フォトリソグラフィで波長選択フィルタの開口パターンをスリット構造で形成する。B(ブルー)の用途としては、例えば、260nmピッチで幅130nmの開口をスリット構造で形成する。G(グリーン)の用途としては、例えば、340nmピッチで幅170nmの開口をスリット構造で形成する。R(レッド)の用途としては、例えば、420nmピッチで幅210nmの開口をスリット構造で形成する。この後、メタルエッチャーによりBARC/SiO2/Alの順でエッチングを行い、レジスト/BARC/SiO2を除去することで、第1の金属膜831の波長選択フィルタであるスリット構造の複数の開口(スリット)841のパターンを形成する。波長選択フィルタの複数の開口841のパターンは、第1の光電変換素子101上の受光用開口部の上の第1の金属膜831上に形成する。開口(スリット)841の配列パターンは、スリット841を横方向に周期的に並べたスリット構造であり、このスリット841は細長い貫通穴または凹部で形成される。この周期的なスリット841を第1の金属膜831に形成することで、この回路内蔵光電変換装置の第1の金属膜831に光が入射した際に、第1の金属膜831上にスリット構造で周期的に配列された開口841に表面プラズモン分散関係が組み込まれ、光によって表面プラズモンが励起できるようになり、この第1の金属膜831を波長選択フィルタとして機能させることがきる。このとき、隣接するスリット841でも同様に電子が振動し、表面全体で集団励起として振舞うので、隣接するスリット841とスリット841とのスリットピッチは同じ距離をとるような配列が最適である。図18の平面図に示すように、加工精度の良くない最外周のスリット(複数のスリット841のうちの横方向の最外端のスリット841a,841aおよび複数のスリット841の長手方向の両端部841b,841b)が第2の金属膜832により遮光されるため、プラズモニックフィルタとして寄与しないから、スリットピッチが一定となって、高い色分解能を得ることができる。

0094

上記第1の金属膜831の加工後は、図19に示すように、SiO2からなる保護膜として機能する絶縁膜5を形成する。この際、前工程にて形成された第1の金属膜831の開口(貫通穴または凹部)841もSiO2で埋まるように形成する必要があるため、高密度プラズマCVD法でSiO2からなる絶縁膜5を形成する。

0095

最後に、電極取り出しのためのPAD部401上のSiO2膜406を除去しPAD部401を露出させる。

0096

上記第1〜第4実施形態では、プラズモニックフィルタ領域200,1200を構成する第1の金属膜31,131,231,831と、基板100との間に、この第1の金属膜32,132,232,831の複数の開口41,841のうちで最外周に位置する開口41a,841a,開口841の端部841bを覆う第2の金属膜32,132,232,832を設けたが、プラズモニックフィルタ領域を構成する第1の金属膜の上側に、最外周に位置する開口を覆う第2の金属膜を設けてもよい。つまり、第2の金属膜と基板との間に、プラズモニックフィルタ領域を構成する第1の金属膜を設けてもよい。

0097

本発明および実施形態を纏めると、次のようになる。

0098

本発明の光電変換装置は、
基板100に設けられた第1の光電変換素子101と、
上記第1の光電変換素子101の上に絶縁膜1,2,3を介して形成されると共に、プラズモニックフィルタ領域を構成するための周期的または非周期的に配置された複数の開口41,841を有する第1の金属膜31,131,231,831と、
上記第1の金属膜31,131,231,831の複数の開口41,841の一部を覆う第2の金属膜32,132,232,832と
を備える
ことを特徴としている。

0099

上記構成によれば、不均一に形成されると予想される第1の金属膜31,131,231,831の開口41,841の一部を第2の金属膜32,132,232,832で覆って、第1の金属膜31,131,231,831の開口41,841の不均一な一部を透過する光を第2の金属膜32,132,232,832によって遮断して、第1の光電変換素子101へ届かないようにすることができる。したがって、本来透過しない波長の光の異常な透過を防ぐことができて、開口41,841の不均一な一部によって乱された透過光が光電流として寄与せず、半値幅の増大を防止することができる。

0100

なお、上記第1の金属膜31,131,231の複数の開口41,841の一部には、上記第1の金属膜31,131,231の複数の開口41,841のうちで最外周に位置する開口41a,841a,841bに限らず、最外周の開口41a,841aよりも内側に有る例えば外側から2番目の開口41,841なども含めても良い。

0101

1実施形態では、
上記第2の金属膜32,132,232,832は、上記第1の金属膜31,131,231,831の複数の開口41,841のうちで少なくとも最外周に位置する開口の一部41a,841a,841bを覆う。

0102

上記第1の金属膜31,131,231,831の複数の開口41,841のうちで最外周に位置する開口の一部41a,841a,841bは、周囲を開口41,841で囲まれていないから、周囲を開口41,841に囲まれた中央の領域の開口41,841と比較して特異的であって、露光やエッチングにより不均一になり易い。

0103

したがって、この実施形態のように、上記第1の金属膜31,131,231,831の複数の開口41,841のうちで少なくとも最外周に位置する開口の一部41a,841a,841bを覆うことによって、この特異な開口の一部41a,841a,841bを透過した光を、第2の金属膜32,132,232,832によって遮断できるから、不均一な開口の一部41a,841a,841bによって乱された透過光が光電流として寄与せず、半値幅の増大を防止することができる。

0104

図11、12に示すように、第1の金属膜31,131,231の複数の開口41のうちで最外周の開口41aが特異な大きさになるが、特にコーナ部の開口41aが特異なサイズになるから、最外周の開口41aのうちで、特にコーナ部の開口41aを第2の金属膜32,132,232で覆うのが好ましい。

0105

1実施形態では、
さらに、上記基板100に設けられた第2の光電変換素子102を備え、
上記第1の金属膜131は、上記第1および第2の光電変換素子101,102の上に絶縁膜1,2,3を介して形成され、
上記第2の金属膜132は、上記第1の光電変換素子101上の第1の金属膜131の複数の開口41の一部と上記第2の光電変換素子102上の第1の金属膜131の複数の開口41の一部とを覆うと共に、上記第1の光電変換素子101と上記第2の光電変換素子102との間の領域を覆っている。

0106

上記実施形態によれば、第1の金属膜131の複数の開口41のうちで不均一に形成される開口41aを第2の金属膜132で覆って、その開口41aを透過した光を第2の金属膜132で遮断して、第1および第2の光電変換素子101,102に入射するのを阻止でき、かつ、上記第2の金属膜132が上記第1の光電変換素子101と上記第2の光電変換素子102との間の領域を覆っているので、この第2の金属膜132が迷光を遮る遮光メタルとしても機能することができる。

0107

1実施形態では、
さらに、上記基板100に設けられた回路部110と、
上記基板100上に絶縁膜1,2,3を介して形成された複数の配線層11,12,232,832からなる多層配線と
を備え、
上記第1の金属膜231,831は上記多層配線よりも上方に形成され、
上記第2の金属膜232,832は、上記多層配線の複数の配線層11,12,232,832のうちの1つの配線層232,832を兼ねる。

0108

上記実施形態によれば、上記第2の金属膜232,832は、上記多層配線の複数の配線層11,12,232,832のうちの1つの配線層232,832を兼ねるから、第2の金属膜232,832を専用に単独に新たに形成する必要が無く、コスト増を防ぐことができる。さらに、上記回路部110を含む回路内蔵光電変換装置自体のプロセスを変えることなく、第1の金属膜231を追加して搭載できることに加えて、第2の金属膜232,832を多層配線の配線層232,832を兼ねさせることができるから、プロセスインテグレーションし易いというメリットがある。

0109

1実施形態では、
上記第2の金属膜132,232,832は、上記多層配線の複数の配線層11,12,132,232のうちの最上層の配線層132,232,832を兼ねる。

0110

上記実施形態によれば、上記第2の金属膜132,232,832は、上記多層配線の複数の配線層11,12,132,232,832のうちの最上層の配線層132,232,832を兼ねるから、上記第1の金属膜131,231,831と第2の金属膜132,232,832との距離が小さくなって、第1や第2の光電変換素子101,102や回路部110への漏れ光を確実に遮断することができる。

0111

もし仮に、プラズモニックフィルタ領域を構成するための第1の金属膜131,231,831と第2の金属膜132,232,832との距離が大きいと、一部の光が第1や第2の光電変換素子101,102や回路部110に漏れて、分光感度を悪化させたり、誤動作させる恐れがあるのである。

0112

1実施形態では、
上記第1および第2の金属膜31,131,231,831,32,132,232,832はAlまたはAlCuで構成される。

0113

Alの誘電関数を図16に示す。一般的にプラズモン共鳴を起こしやすい物性は、誘電関数の実部が小さく、虚部が大きい方が望ましい。今回のアプリケーションのように光の三原色を意識したものに対しては、Alのように波長300−700nmの領域で上記条件を満たしているAlまたはAlCuの金属が望ましい。逆に、長波長の透過フィルタを、プラズモン共鳴現象を用いて形成する場合は、図17のAuのように波長700nm以上で上記条件を満たす材料とすることが望ましい。

0114

1実施形態では、
上記第2の金属膜32,132,232,832の厚さは少なくとも光の透過を防止する厚みである。

0115

1実施形態では、
上記第2の金属膜32,132,232,832で光の透過を防止する光の波長は300nm以上1200nm以下である。

0116

1実施形態では、
上記第1の金属膜31,131,231,831は光の三原色を透過する。

0117

1実施形態では、
上記第1の金属膜831の上記複数の開口841はスリット841である。

0118

上記実施形態によれば、スリット構造で、プラズモン共鳴現象を用いて、波長選択性を有するフィルタを得ることができる。

0119

1実施形態では、
上記第1の金属膜831のうちで、少なくとも、上記プラズモニックフィルタ領域1200を構成する部分は、接地されている。

0120

上記実施形態によれば、上記第1の金属膜831のうちで、少なくとも、上記プラズモニックフィルタ領域1200を構成する部分が接地されて、接地電位となっているので、プラズモニックフィルタ領域1200を構成する第1の金属膜831の部分の電位が安定して、電子の挙動が安定して、波長選択性が良好になる。

0121

本発明の光電変換装置の製造方法は、
基板100上に光電変換素子101,102を形成し、
上記基板100上に、複数の配線層11,12,132,232,832を、順次、絶縁膜1,2,3を介して形成すると共に、上記複数の配線層11,12,132,232,832のうちの最上層の配線層132,232,832を、第2の金属膜132,232,832を兼ねるように形成し、
上記光電変換素子101の上に、プラズモニックフィルタ領域を構成するための周期的または非周期的に配置された複数の開口41,841を有する第1の金属膜131,231,831を、この第1の金属膜131,231,831の複数の開口41,841の一部が上記第2の金属膜132,232,832で覆われるように、絶縁膜1,2,3,4を介して形成する
ことを特徴としている。

0122

本発明によれば、本来、透過しない波長の光の異常透過を防ぐことができて、分光波形の半値幅を小さくすることができる光電変換装置を製造することができる。

0123

第1〜第4実施形態および変形例で述べた構成要素は、適宜、組み合わせてもよく、また、適宜、選択、置換、あるいは、削除してもよいのは、勿論である。

0124

1,2,3,4,5絶縁膜
11,12,132,232,832配線層
31,131,231,831 第1の金属膜
32,132,232,832 第2の金属膜
100半導体基板
101 第1の光電変換素子
102 第2の光電変換素子
110回路部
131a,132a,831a遮光メタル部
200,1200 プラズモニックフィルタ領域
301,302,1302 遮光メタル領域

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