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課題・解決手段

電圧印加時の透明性と電圧印加時の散乱特性が良好で、液晶層垂直液晶配向膜との密着性が高い液晶表示素子を提供する。電極を備えた一対の基板の間に、液晶及び重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、紫外線照射装置により紫外線照射して硬化させた液晶層を有し、かつ基板の少なくとも一方が液晶を垂直に配向させるような液晶配向膜を備える液晶表示素子であって、前記紫外線照射装置が、照射する紫外線の照射光強度波長及び前記一対の基板の表面温度を制御することができる紫外線照射装置であり、前記液晶配向膜が、下記の式[1−1]又は式[1−2]で示される構造を有する重合体を含む液晶配向剤から得られる液晶配向膜であり、前記重合性化合物が、単官能アクリレート化合物、多官能アタクリレート化合物単官能メタクリレート化合物多官能メタクリレート化合物、単官能チオール化合物、多単官能チオール化合物、ウレタンアクリレート化合物、及びウレタンメタクリレート化合物を含むことを特徴とする液晶表示素子。(化1)(X1、X2、X3は単結合等、X4、X5はベンゼン環等、nは0〜4、X6は炭素数1〜18のアルキル基等を示す。)(化2)(X7は単結合等、)、X8は炭素数8〜22のアルキル基等を示す。)

概要

背景

液晶材料を用いた液晶表示素子としては、TN(Twisted Nematic)モードが実用化されている。このモードでは、液晶旋光特性を利用して、光のスイッチングを行うものであり、液晶表示素子として用いる際には、偏光板を用いる必要がある。しかしながら、偏光板を用いることで光の利用効率が低くなる。

偏光板を用いずに光の利用効率の高い液晶表示素子として、液晶の透過状態(透明状態ともいう。)と散乱状態との間でスイッチングを行う液晶表示素子があり、一般的には、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystalともいう)や高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystalともいう。)を用いたものが知られている。

これらの液晶表示素子は、電極を備えた一対の基板の間液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に紫外線により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、液晶組成物の一部又は全体が液晶性を示す状態で前記液晶組成物の硬化を行い、液晶と重合性化合物との硬化物複合体(例えば、重合性化合物により形成されたポリマーネットワーク硬化性樹脂ともいう)中に液晶が存在しているような状態)を形成させる工程を経て製造される液晶表示素子である。そして、この液晶表示素子は、電圧印加により、液晶の透過状態と散乱状態とを制御する。

従来のPDLCやPNLCを用いた液晶表示素子は、電圧無印加時に液晶分子ランダムな方向を向いているため、白濁散乱)状態となり、電圧印加時には液晶が電界方向に配列し、光を透過して透過状態となる(以下、ノーマル型素子ともいう。)。但し、このノーマル型素子では、透過状態を得るために常時電圧を印加しておく必要があるため、透明状態で使用される場合が多い用途、例えば窓ガラスなどで使用する場合には、消費電力が大きい。
上記のノーマル型素子とは反対に電圧無印加時に透過状態となり、電圧印加時には散乱状態になるPDLCを用いたリバース型液晶表示素子(以下、リバース型素子ともいう。)が報告されている(特許文献1、2参照)。

概要

電圧無印加時の透明性と電圧印加時の散乱特性が良好で、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性が高い液晶表示素子を提供する。電極を備えた一対の基板の間に、液晶及び重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、紫外線照射装置により紫外線を照射して硬化させた液晶層を有し、かつ基板の少なくとも一方が液晶を垂直に配向させるような液晶配向膜を備える液晶表示素子であって、前記紫外線照射装置が、照射する紫外線の照射光強度波長及び前記一対の基板の表面温度を制御することができる紫外線照射装置であり、前記液晶配向膜が、下記の式[1−1]又は式[1−2]で示される構造を有する重合体を含む液晶配向剤から得られる液晶配向膜であり、前記重合性化合物が、単官能アクリレート化合物、多官能アタクリレート化合物単官能メタクリレート化合物多官能メタクリレート化合物、単官能チオール化合物、多単官能チオール化合物、ウレタンアクリレート化合物、及びウレタンメタクリレート化合物を含むことを特徴とする液晶表示素子。(化1)(X1、X2、X3は単結合等、X4、X5はベンゼン環等、nは0〜4、X6は炭素数1〜18のアルキル基等を示す。)(化2)(X7は単結合等、)、X8は炭素数8〜22のアルキル基等を示す。)

目的

しかしながら、これら光源では、紫外線の強度、波長及び温度を制御することが難しく、均一な硬化物複合体、即ち、目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
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請求項1

電極を備えた一対の基板の間に、液晶及び重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、紫外線照射装置により紫外線照射して硬化させた液晶層を有し、かつ基板の少なくとも一方が液晶を垂直に配向させるような液晶配向膜を備える液晶表示素子であって、前記紫外線照射装置が、照射する紫外線の照射光強度波長及び前記一対の基板の表面温度を制御することができる紫外線照射装置であり、前記液晶配向膜が、下記の式[1−1]又は式[1−2]で示される構造を有する重合体を含む液晶配向剤から得られる液晶配向膜であり、前記重合性化合物が、単官能アクリレート化合物、多官能アタクリレート化合物単官能メタクリレート化合物多官能メタクリレート化合物、単官能チオール化合物、多単官能チオール化合物、ウレタンアクリレート化合物、及びウレタンメタクリレート化合物を含むことを特徴とする液晶表示素子。(X1は単結合、−(CH2)a−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CH2O−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。X2は単結合又は−(CH2)b−(bは1〜15の整数である)を示す。X3は単結合、−(CH2)c−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CH2O−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。X4はベンゼン環シクロヘキサン環及び複素環からなる群から選ばれる少なくとも1種の2価の環状基、又はステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を示し、前記環状基上の任意の水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基又はフッ素原子置換されていてもよい。X5はベンゼン環、シクロヘキサン環及び複素環からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基又はフッ素原子で置換されていてもよい。nは0〜4の整数を示す。X6は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基及び炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。)(X7は単結合、−O−、−CH2O−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す、X8は炭素数8〜22のアルキル基又は炭素数6〜18のフッ素含有アルキル基を示す。)

請求項2

前記紫外線照射装置が、複数個紫外線発光ダイオード発光部に備えられ、前記発光部が、ワーキングスペース内の任意の位置へ移動可能なように構成されるとともに、照射光指向角度を自在に変更できるように構成され、前記紫外線発光ダイオードから照射される紫外線の照射光強度、処理対象物の表面における明るさ、及び処理対象物の表面温度を測定するセンサーが、前記発光部の近傍に配置され、このセンサーの計測値から、処理対象物に対する紫外線の照射強度、明るさ及び温度を一定の範囲内とするために必要な紫外線発光ダイオードの出力条件が算出され、電力供給部へ出力されるように構成されていることを特徴とする紫外線照射装置、又は多数の紫外線発光ダイオードが平面方向へ整列配置されてなる発光部を一つ又は複数有し、処理対象物に対して、面露光を行うことができるように構成され、前記紫外線発光ダイオードから照射される紫外線の強度、処理対象物の表面における明るさ、及び処理対象物の表面温度を測定するセンサーが、前記発光部の近傍に配置され、このセンサーの計測値から、処理対象物に対する紫外線の照射強度、明るさ及び温度を一定の範囲内とするために必要な紫外線発光ダイオードに出力条件が算出され、電力供給部へ出力されるように構成されていることを特徴とする紫外線照射装置である請求項1に記載の液晶表示素子。

請求項3

前記紫外線照射装置における照射光強度が、1〜40mW/cm2である請求項2に記載の液晶表示素子。

請求項4

前記紫外線照射装置を用いて紫外線を照射する際の処理対象物の表面温度が、15〜30℃である請求項2又は記載の液晶表示素子。

請求項5

前記紫外線照射装置を用いて紫外線を照射する際の紫外線を照射する時間が5〜120秒である請求項2又は3に記載の液晶表示素子。

請求項6

前記液晶配向処理剤が、アクリルポリマーメタクリルポリマーノボラック樹脂ポリヒドロキシスチレンポリイミド前駆体ポリイミドポリアミドポリエステルセルロース及びポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項7

前記液晶配向処理剤が、前記式[1−1]又は式[1−2]で示される側鎖構造を有するジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分との反応で得られるポリイミド前駆体又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドを含む請求項6に記載の液晶表示素子。

請求項8

前記式[1−1]又は式[1−2]で示される側鎖構造を有するジアミンが、下記の式[1a]で示される請求項7に記載の液晶表示素子。(Xは前記式[1−1]又は式[1−2]を示し、mは1〜4の整数を示す。)

請求項9

前記ジアミン成分が、下記の式[2]で示されるジアミンを含有する請求項7又は8に記載の液晶表示素子。(Yは下記の式[2a]〜式[2d]からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を示す。mは1〜4の整数を示す。)(aは0〜4の整数を示す。bは0〜4の整数を示す。Y1、Y2は独立して、炭素数1〜12の炭化水素基を示す。Y3は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)

請求項10

前記ジアミン成分が、下記の式[6a]で示されるジアミンを含む請求項7〜9のいずれか一項に記載の液晶表示素子。(T1は単結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−CH2O−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。T2は炭素数1〜18のアルキレン基、又はベンゼン環、シクロシクロヘキサン環及び複素環からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状基を有する炭素数6〜24の有機基を示し、これら環状基上の任意の水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基又はフッ素原子で置換されていてもよい。T3は単結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−CH2O−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。T4は下記の式[6−a]〜式[6−g]からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。)(Waは水素原子又はベンゼン環を示す。Wbは単結合、ベンゼン環、シクロへキサン環及び複素環からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状基を示す。Wcは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基及び炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。)

請求項11

前記テトラカルボン酸成分が、下記の式[3]で示されるテトラカルボン酸を含む請求項7〜10のいずれか一項に記載の液晶表示素子。(Z1は下記の式[3a]〜式[3k]からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。)(Z2〜Z5は独立して、水素原子、メチル基塩素原子及びベンゼン環からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。Z6、Z7は独立して、水素原子又はメチル基を示す。)

請求項12

前記液晶配向処理剤が、下記の式[A1]で示されるアルコキシシラン重縮合させて得られるポリシロキサン、又は、該式[A1]で示されるアルコキシシランと、下記の式[A2]若しくは式[A3]で示されるアルコキシシランとを重縮合させて得られるポリシロキサンを含む請求項6に記載の液晶表示素子。(A1は前記式[1−1]又は式[1−2]で示される構造を示す。A2は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。A3は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは1又は2の整数を示す。nは0〜2の整数を示す。pは0〜3の整数を示す。ただし、m+n+pは4である。)(B1は、ビニル基エポキシ基アミノ基、メルカプト基イソシアネート基メタクリル基アクリル基ウレイド基及びシンナモイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する炭素数2〜12の有機基を示す。B2は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。B3は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは1又は2の整数を示す。nは0〜2の整数を示す。pは0〜3の整数を示す。ただし、m+n+pは4である。)(D1は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。D2は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは0〜3の整数を示す。)

請求項13

前記液晶配向処理剤が、光ラジカル発生剤光酸発生剤及び光塩基発生剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の発生剤を含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項14

前記液晶配向処理剤が、下記の式[B1]〜式[B8]からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の液晶表示素子。(W1は水素原子又はベンゼン環を示す。W2はベンゼン環、シクロへキサン環及び複素環からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状基を示す。W3は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基及び炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。)

請求項15

前記液晶配向処理剤が、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基シクロカーボネート基ヒドロキシル基ヒドロキシアルキル基及び低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物を含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項16

前記液晶配向処理剤が、1−ヘキサノールシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオールプロピレングリコールモノブチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルジプロピレングリコールジメチルエーテルシクロヘキサノンシクロペンタノン及び下記の式[D1]〜式[D3]で示される溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の液晶表示素子。(D1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。D2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。D3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)

請求項17

前記液晶配向処理剤が、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル2−ピロリドン及びγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含む請求項1〜16のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項18

前記液晶は、相転移温度が40〜120℃であり、屈折率方性(△n)が0.150〜0.350であり、誘電率異方性(△ε)が−1〜−10である請求項1〜17のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項19

前記液晶組成物に含まれる重合性化合物が、多官能チオール化合物と、ウレタンアクリレート化合物若しくはウレタンメタクリレート化合物と、を含む請求項1〜18のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項20

前記液晶組成物が、有機リン酸化合物を含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項21

液晶層の厚みが、5〜20μmである請求項1〜20のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項22

前記液晶表示素子の基板が、ガラス基板又はプラスチック基板である請求項1〜21のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

技術分野

0001

本発明は、電圧印加時に透明状態となり、電圧印加時に散乱状態となる透過散乱型の液晶表示素子に関する。

背景技術

0002

液晶材料を用いた液晶表示素子としては、TN(Twisted Nematic)モードが実用化されている。このモードでは、液晶旋光特性を利用して、光のスイッチングを行うものであり、液晶表示素子として用いる際には、偏光板を用いる必要がある。しかしながら、偏光板を用いることで光の利用効率が低くなる。

0003

偏光板を用いずに光の利用効率の高い液晶表示素子として、液晶の透過状態(透明状態ともいう。)と散乱状態との間でスイッチングを行う液晶表示素子があり、一般的には、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystalともいう)や高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystalともいう。)を用いたものが知られている。

0004

これらの液晶表示素子は、電極を備えた一対の基板の間液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に紫外線により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、液晶組成物の一部又は全体が液晶性を示す状態で前記液晶組成物の硬化を行い、液晶と重合性化合物との硬化物複合体(例えば、重合性化合物により形成されたポリマーネットワーク硬化性樹脂ともいう)中に液晶が存在しているような状態)を形成させる工程を経て製造される液晶表示素子である。そして、この液晶表示素子は、電圧の印加により、液晶の透過状態と散乱状態とを制御する。

0005

従来のPDLCやPNLCを用いた液晶表示素子は、電圧無印加時に液晶分子ランダムな方向を向いているため、白濁(散乱)状態となり、電圧印加時には液晶が電界方向に配列し、光を透過して透過状態となる(以下、ノーマル型素子ともいう。)。但し、このノーマル型素子では、透過状態を得るために常時電圧を印加しておく必要があるため、透明状態で使用される場合が多い用途、例えば窓ガラスなどで使用する場合には、消費電力が大きい。
上記のノーマル型素子とは反対に電圧無印加時に透過状態となり、電圧印加時には散乱状態になるPDLCを用いたリバース型液晶表示素子(以下、リバース型素子ともいう。)が報告されている(特許文献1、2参照)。

先行技術

0006

日本特許2885116号公報
日本特許4132424号公報

発明が解決しようとする課題

0007

PDLCやPNLCでは、硬化物複合体を形成させる紫外線の照射工程において、メタルハライドランプ高圧水銀ランプ光源とする紫外線照射装置が用いられている。しかしながら、これら光源では、紫外線の強度、波長及び温度を制御することが難しく、均一な硬化物複合体、即ち、目的とするポリマーネットワークの大きさや形状を制御することができず、良好な光学特性透過散乱特性ともいう)を得ることができない等の問題がある。そのため、紫外線の照射工程においては、光源の強度、波長及び温度を制御する必要がある。

0008

また、リバース型素子では、液晶を垂直に配向させなければならないため、液晶を垂直に配向させる液晶配向膜垂直液晶配向膜ともいう。)が用いられる。その際、垂直液晶配向膜は疎水性が高い膜であるため、液晶層と液晶配向膜とのの密着性が低くなってしまう。そのため、リバース型素子に用いる液晶組成物には、液晶層と液晶配向膜との密着性を高めるための硬化剤を多く導入しなければならない。しかしながら、硬化剤を多く導入すると、液晶の垂直配向性阻害され、電圧無印加時の透明性と電圧印加時の散乱特性が大きく低下する問題がある。そのため、リバース型素子に用いる液晶配向膜は、液晶の垂直配向性が高いものが必要となる。

0009

加えて、特に液晶組成物中の重合性化合物は、ポリマーネットワークを形成させ、目的とする光学特性を得る役割がある。しかしながら、この重合性化合物は、前記硬化剤としての役割も有することから、少ない導入量で、垂直液晶配向膜との密着性を高める効果が必要となる。

0010

そこで本発明は、上記特性を兼ね備えた液晶表示素子を提供することを目的とする。即ち、本発明は、液晶表示素子であって、良好な光学特性、即ち、電圧無印加時の透明性と電圧印加時の散乱特性が良好で、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性が高い液晶表示素子を提供することを目的とする。特には、液晶表示素子の作製工程において、光源の強度、波長及び温度を制御できる紫外線照射装置を用い、液晶の垂直配向性が高く、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性が高い垂直液晶配向膜を用い、更には、液晶層と液晶配向膜との密着性が高くなる液晶組成物を用いた液晶表示素子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者は、上記の目的を達成するために極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の要旨を有する。
(1)電極を備えた一対の基板の間に、液晶及び重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、紫外線照射装置により紫外線を照射して硬化させた液晶層を有し、かつ基板の少なくとも一方が液晶を垂直に配向させるような液晶配向膜を備える液晶表示素子であって、前記紫外線照射装置が、照射する紫外線の照射光強度、波長及び前記一対の基板の表面温度を制御することができる紫外線照射装置であり、前記液晶配向膜が、下記の式[1−1]又は式[1−2]で示される構造を有する重合体を含む液晶配向剤から得られる液晶配向膜であり、前記重合性化合物が、単官能アクリレート化合物、多官能アタクリレート化合物単官能メタクリレート化合物多官能メタクリレート化合物、単官能チオール化合物、多単官能チオール化合物、ウレタンアクリレート化合物、及びウレタンメタクリレート化合物を含有することを特徴とする液晶表示素子。



(X1は単結合、−(CH2)a−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CH2O−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。X2は単結合又は−(CH2)b−(bは1〜15の整数である)を示す。X3は単結合、−(CH2)c−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CH2O−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。X4はベンゼン環シクロヘキサン環及び複素環からなる群から選ばれる少なくとも1種の2価の環状基、又はステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を示し、前記環状基上の任意の水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基又はフッ素原子置換されていてもよい。X5はベンゼン環、シクロヘキサン環及び複素環からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基又はフッ素原子で置換されていてもよい。nは0〜4の整数を示す。X6は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基及び炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。)



(X7は単結合、−O−、−CH2O−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す、X8は炭素数8〜22のアルキル基又は炭素数6〜18のフッ素含有アルキル基を示す。)

0012

(2)前記紫外線照射装置が、複数個紫外線発光ダイオード発光部に備えられ、前記発光部が、ワーキングスペース内の任意の位置へ移動可能なように構成されるとともに、照射光指向角度を自在に変更できるように構成され、前記紫外線発光ダイオードから照射される紫外線の照射光強度、処理対象物の表面における明るさ、及び処理対象物の表面温度を測定するセンサーが、前記発光部の近傍に配置され、このセンサーの計測値から、処理対象物に対する紫外線の照射強度、明るさ及び温度を一定の範囲内とするために必要な紫外線発光ダイオードの出力条件が算出され、電力供給部へ出力されるように構成されていることを特徴とする紫外線照射装置、又は多数の紫外線発光ダイオードが平面方向へ整列配置されてなる発光部を一つ又は複数有し、処理対象物に対して、面露光を行うことができるように構成され、前記紫外線発光ダイオードから照射される紫外線の強度、処理対象物の表面における明るさ、及び処理対象物の表面温度を測定するセンサーが、前記発光部の近傍に配置され、このセンサーの計測値から、処理対象物に対する紫外線の照射強度、明るさ及び温度を一定の範囲内とするために必要な紫外線発光ダイオードに出力条件が算出され、電力供給部へ出力されるように構成されていることを特徴とする紫外線照射装置である上記(1)に記載の液晶表示素子。
(3)前記紫外線照射装置における照射光強度が、1〜40mW/cm2である上記(2)に記載の液晶表示素子。
(4)前記紫外線照射装置を用いて紫外線を照射する際の処理対象物の表面温度が、15〜30℃である上記(2)又は(3)に記載の液晶表示素子。
(5)前記紫外線照射装置を用いて紫外線を照射する際の紫外線を照射する時間が5〜120秒である上記(2)又は(3)に記載の液晶表示素子。

0013

(6)前記液晶配向処理剤が、アクリルポリマーメタクリルポリマーノボラック樹脂ポリヒドロキシスチレンポリイミド前駆体ポリイミドポリアミドポリエステルセルロース及びポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体を含む上記(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶表示素子。
(7)前記液晶配向処理剤が、前記式[1−1]又は式[1−2]で示される側鎖構造を有するジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分との反応で得られるポリイミド前駆体又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミドを含む上記(6)に記載の液晶表示素子。
(8)前記式[1−1]又は式[1−2]で示される側鎖構造を有するジアミンが、下記の式[1a]で示される上記(7)に記載の液晶表示素子。



(Xは前記式[1−1]又は式[1−2]で示される構造を示す。mは1〜4の整数を示す。)

0014

(9)前記ジアミン成分が、下記の式[2]で示されるジアミンを含有する上記(7)又は(8)に記載の液晶表示素子。



(Yは下記の式[2a]〜式[2d]からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を示す。mは1〜4の整数を示す。)



(aは0〜4の整数を示す。bは0〜4の整数を示す。Y1及びY2は独立して、炭素数1〜12の炭化水素基を示す。Y3は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)

0015

(10)前記ジアミン成分が、下記の式[6a]で示されるジアミンを含有する上記(7)〜(9)のいずれかに記載の液晶表示素子。



(T1は単結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−CH2O−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。T2は炭素数1〜18のアルキレン基、又はベンゼン環、シクロシクロヘキサン環及び複素環からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状基を有する炭素数6〜24の有機基を示し、これら環状基上の任意の水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基又はフッ素原子で置換されていてもよい。T3は単結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−CH2O−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、−COO−及び−OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。T4は後記する式[6−a]〜式[6−g]で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。)

0016

(11)前記テトラカルボン酸成分が、下記の式[3]で示されるテトラカルボン酸を含む上記(7)〜(10)のいずれかに記載の液晶表示素子。



(Z1は、後記する式[3a]〜式[3k]で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。)
(12)前記液晶配向処理剤が、下記の式[A1]で示されるアルコキシシラン重縮合させて得られるポリシロキサン、又は、該式[A1]で示されるアルコキシシランと、下記の式[A2]若しくは式[A3]で示されるアルコキシシランとを重縮合させて得られるポリシロキサンを含む上記(6)に記載の液晶表示素子。



(A1は前記式[1−1]又は式[1−2]で示される構造を示す。A2は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。A3は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは1又は2の整数を示す。nは0〜2の整数を示す。pは0〜3の整数を示す。ただし、m+n+pは4である。)



(B1は、ビニル基エポキシ基アミノ基、メルカプト基イソシアネート基メタクリル基アクリル基ウレイド基及びシンナモイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する炭素数2〜12の有機基を示す。B2は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。B3は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは1又は2の整数を示す。nは0〜2の整数を示す。pは0〜3の整数を示す。ただし、m+n+pは4である。)



(D1は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。D2は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは0〜3の整数を示す。)
(13)前記液晶配向処理剤が、光ラジカル発生剤光酸発生剤及び光塩基発生剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の発生剤を含有する上記(1)〜(12)のいずれかに記載の液晶表示素子。

0017

(14)前記液晶配向処理剤が、後記する式[B1]〜式[B8]で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含有する上記(1)〜(13)のいずれかに記載の液晶表示素子。
(15)前記液晶配向処理剤が、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基シクロカーボネート基ヒドロキシル基ヒドロキシアルキル基及び低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物を含有する上記(1)〜(14)のいずれかに記載の液晶表示素子。
(16)前記液晶配向処理剤が、1−ヘキサノールシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオールプロピレングリコールモノブチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルジプロピレングリコールジメチルエーテルシクロヘキサノンシクロペンタノン及び下記の式[D1]〜式[D3]で示される溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する上記(1)〜(15)のいずれかに記載の液晶表示素子。



(D1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。D2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。D3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)

0018

(17)前記液晶配向処理剤が、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル2−ピロリドン及びγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する上記(1)〜(16)のいずれかに記載の液晶表示素子。
(18)前記液晶は、相転移温度が40〜120℃であり、屈折率方性(△n)が0.150〜0.350であり、誘電率異方性(△ε)が−1〜−10である上記(1)〜(17)のいずれかに記載の液晶表示素子。
(19)前記液晶組成物に含まれる重合性化合物が、多官能チオール化合物と、ウレタンアクリレート化合物若しくはウレタンメタクリレート化合物と、を含む上記(1)〜(18)のいずれかに記載の液晶表示素子。
(20)前記液晶組成物が、有機リン酸化合物を含有する上記(1)〜(19)のいずれかに記載の液晶表示素子。
(21)液晶層の厚みが、5〜20μmである上記(1)〜(20)のいずれかに記載の液晶表示素子。
(22)前記液晶表示素子の基板が、ガラス基板又はプラスチック基板である上記(1)〜(21)のいずれかに記載の液晶表示素子。

発明の効果

0019

本発明により、良好な光学特性、即ち、電圧無印加時の透明性と電圧印加時の散乱特性が良好で、更には、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性が高いリバース型素子の作製が可能となる。
また、本発明で用いる紫外線照射装置(特定紫外線照射装置ともいう。)は、照射する紫外線の照射光強度、波長及び前記一対の基板の表面温度を制御できる。そのため、特定紫外線照射装置を用いると、均一な硬化物複合体、即ち、目的とするポリマーネットワーク(硬化性樹脂)の大きさや形状に制御された液晶層が形成され、良好な光学特性が発現する液晶表示素子を得ることができる。

0020

更に、本発明で用いられる垂直液晶配向膜は、前記式[1−1]又は式[1−2]で示される構造(特定側鎖構造ともいう。)を有する重合体(特定重合体ともいう。)を含む液晶配向処理剤から得られる。なかでも、式[1−1]で示される特定側鎖構造は、剛直な構造を示すことから、かかる特定側鎖構造を有する垂直液晶配向膜を用いた液晶表示素子は、高くて安定な液晶の垂直配向性を得ることができる。更に、特定側鎖構造は、その導入量が少なくても高い垂直配向性を得ることができる。そのため、特定側鎖構造を有する垂直液晶配向膜を用いた得られた液晶表示素子は、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性がより高いものとなる。

0021

加えて、本発明で用いられる液晶組成物には、多官能チオール化合物と、ウレタンアクリレート化合物若しくはウレタンメタクリレート化合物とが含まれるのが好ましい。これらの化合物は、紫外線の照射により、ポリマーネットワークを形成するとともに、垂直液晶配向膜とも化学反応する。そのため、液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性を高めることができる。
かくして、本発明の液晶表示素子は、良好な光学特性、即ち、電圧無印加時の透明性と電圧印加時の散乱特性が良好で、更には、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性が高い液晶表示素子となる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の特定紫外線照射装置−1の構成概念図である。
本発明の特定紫外線照射装置−2の構成概念図である。

0023

<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、電極を備えた一対の基板の間に、液晶組成物を配置し、紫外線照射装置により紫外線を照射して硬化させた液晶層を有し、かつ基板の少なくとも一方が液晶を垂直に配向させるような液晶配向膜を備える液晶表示素子であり、リバース型素子として、好適に用いることができる。
本発明における液晶組成物は、液晶と紫外線により重合する重合性化合物を含有し、この重合性化合物が、ポリマーネットワーク(硬化性樹脂)を形成する役割を担う。また、後述する通り、この重合性化合物には、多官能チオール化合物と、ウレタンアクリレート化合物若しくはウレタンメタクリレート化合物とを含む。また、前記の液晶層は、液晶と重合性化合物の硬化物複合体であり、ここでの硬化物複合体とは、上述した通り、例えば、重合性化合物により形成されたポリマーネットワーク中に液晶が存在しているような状態を意味する。

0024

<特定側鎖構造>
本発明における垂直液晶配向膜は、下記の式[1−1]又は式[1−2]で示される特定側鎖構造を有する特定重合体を含む液晶配向処理剤から得られる。



式[1−1]中、X1、X2、X3、X4、X5、X6及びnは、上記に定義した通りであるが、なかでも、それぞれ、以下のものが好ましい。

0025

X1は、原料入手性や合成の容易さから、単結合、−(CH2)a−(aは1〜10の整数である)、−O−、−CH2O−又は−COO−が好ましい。
X2は、単結合又は−(CH2)b−(bは1〜10の整数である)が好ましい。
X3は、合成の容易さから、単結合、−(CH2)c−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CH2O−又は−COO−が好ましい。
X4は、合成の容易さから、ベンゼン環、シクロへキサン環又はステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基が好ましい。

0026

X5は、ベンゼン環又はシクロへキサン環が好ましい。
X6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基又は炭素数1〜10のフッ素含有アルコキシル基が好ましい。より好ましいのは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシル基である。特に好ましいのは、炭素数1〜9のアルキル基又は炭素数1〜9のアルコキシル基である。
nは、原料の入手性や合成の容易さから、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。

0027

X1、X2、X3、X4、X5、X6及びnの好ましい組み合わせは、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の13頁〜34頁の表6〜表47に掲載される(2−1)〜(2−629)と同じ組み合わせが挙げられる。なお、国際公開公報の各表では、なお、国際公開公報の各表におけるY1〜Y6は、本発明のX1〜X6と読み替えるものとする。また、国際公開公報の各表に掲載される(2−605)〜(2−629)における、ステロイド骨格を有する炭素数12〜25の有機基は、いずれも、本発明におけるステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基と読み替えるものとする。

0028

なかでも、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性及び液晶表示素子における光学特性の点から、(2−25)〜(2−96)、(2−145)〜(2−168)、(2−217)〜(2−240)、(2−268)〜(2−315)、(2−364)〜(2−387)、(2−436)〜(2−483)又は(2−603)〜(2−615)の組み合わせが好ましい。特に好ましい組み合わせは、(2−49)〜(2−96)、(2−145)〜(2−168)、(2−217)〜(2−240)、(2−603)〜(2−606)、(2−607)〜(2−609)、(2−611)、(2−612)又は(2−624)である。

0029

式[1−2]中、X7、X8は上記に定義した通りであるが、なかでも、それぞれ、以下のものが好ましい。X7は、単結合、−O−、−CONH−又は−COO−が好ましい。X8は、炭素数8〜18のアルキル基が好ましい。
本発明における特定側鎖構造としては、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性及び液晶表示素子における光学特性の点から、式[1−1]で示される特定側鎖構造を用いることが好ましい。

0030

<特定重合体>
特定側鎖構造を有する特定重合体としては、特に限定されないが、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリイミド前駆体、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、セルロース及びポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの重合体であることが好ましい。より好ましいのは、ポリイミド前駆体、ポリイミド又はポリシロキサンである。

0031

特定重合体にポリイミド前駆体又はポリイミド(総称してポリイミド系重合体ともいう。)を用いる場合、それらは、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体又はポリイミドであることが好ましい。
ポリイミド前駆体とは、下記の式[A]で示される構造を有する。



(R1は4価の有機基を示す。R2は2価の有機基を示す。A1及びA2は独立して、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。A3及びA4は独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はアセチル基を示す。nは正の整数を示す。)

0032

前記ジアミン成分としては、分子内に1級又は2級のアミノ基を2個有するジアミンが挙げられる。テトラカルボン酸成分としては、テトラカルボン酸化合物テトラカルボン酸二無水物テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物が挙げられる。
ポリイミド系重合体は、下記の式[B]で示されるテトラカルボン酸二無水物と下記の式[C]で示されるジアミンとを原料とすることで、比較的簡便に得られるという理由から、下記の式[D]で示される繰り返し単位構造式から成るポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化させたポリイミドが好ましい。

0033

(R1及びR2は式[A]で定義したものと同義である。)



(R1及びR2は式[A]で定義したものと同義である。)

0034

また、通常の合成手法で、上記で得られた式[D]の重合体に、式[A]で示されるA1及びA2の炭素数1〜8のアルキル基、及び式[A]で示されるA3及びA4の炭素数1〜5のアルキル基又はアセチル基を導入することもできる。
本発明におけるポリイミド系重合体には、液晶表示素子の光学特性の点から、前記式[D]で示されるポリアミド酸又は該ポリアミド酸をイミド化させたポリイミドを用いることが好ましい。

0035

前記の特定側鎖構造をポリイミド系重合体に導入する方法としては、特定側鎖構造を有するジアミンを原料の一部に用いることが好ましい。特に下記の式[1a]で示されるジアミン(特定側鎖型ジアミンともいう。)を用いることが好ましい。



式[1a]中、Xは前記式[1−1]又は式[1−2]で示される構造を示す。また、式[1−1]におけるX1、X2、X3、X4、X5、X6及びnの詳細及び好ましい組み合わせは、前記式[1−1]の通りであり、式[1−2]におけるX7及びX8の詳細及び好ましい組み合わせは、前記式[1−2]の通りである。
mは1〜4の整数を示す。なかでも、1の整数が好ましい。

0036

式[1−1]で示される特定側鎖構造を有する特定側鎖型ジアミンとして、具体的には例えば、下記の式[1a−1]〜式[1a−31]で示される構造が挙げられる。



(R1は、−O−、−OCH2−、−CH2O−、−COOCH2−及び−CH2OCO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。R2は、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルコキシル基、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状フッ素含有アルキル基、又は炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状フッ素含有アルコキシル基を示す。)

0037

(R3は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH2−、−CH2OCO−、−CH2O−、−OCH2−及び−CH2−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。R4は、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルコキシル基、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状フッ素含有アルキル基、又は炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状フッ素含有アルコキシル基を示す。)

0038

(R5は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH2−、−CH2OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2−、−O−及び−NH−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。R6は、フッ素基シアノ基トリフルオロメタン基、ニトロ基アゾ基ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基及び水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。)

0039

(R7は、炭素数3〜12の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、1,4-シクロヘキシレンシス−トランス異性は、トランス異性体である。)

0040

(R8は、炭素数3〜12の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、1,4-シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である。)

0041

(A4はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基を示す。A3は1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を示す。A2は酸素原子又は−COO−*(ただし、「*」を付した結合手がA3と結合する)を示す。A1は酸素原子又は−COO−*(ただし、「*」を付した結合手が(CH2)a2)と結合する)を示す。また、a1は0又は1の整数を示す。a2は2〜10の整数を示す。a3は0又は1の整数を示す。)

0042

0043

0044

0045

0046

0047

上記式[1a−1]〜[1a−31]中、好ましいジアミンは、式[1a−1]〜式[1a−6]、式[1a−9]〜式[1a−13]又は式[1a−22]〜式[1a−31]である。また、下記の式[1a−32]〜式[1a−36]で示されるジアミンが、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性及び液晶表示素子における光学特性の点から、最も好ましい。

0048

(R1は、−CH2O−を示す。R2は、炭素数3〜12のアルキル基を示す。)

0049

(R3は、炭素数3〜12のアルキル基を示し、1,4-シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である。)

0050

前記式[1−2]で示される特定側鎖構造を有する特定側鎖型ジアミンとして、具体的には、例えば、下記の式[1b−1]〜[1b−10]で示されるジアミンが挙げられる。



(A1は、炭素数1〜22のアルキル基又はフッ素含有アルキル基を示す。)

0051

0052

(A1は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH2−、−O−、−CO−及び−NH−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。A2は、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のフッ素含有アルキル基を示す。)

0053

特定側鎖型ジアミンの使用量は、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、及び液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、ジアミン成分全体に対し10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましい。
また、特定側鎖型ジアミンは、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、更には、液晶表示素子における光学特性などの特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。

0054

前記のポリイミド系重合体を作製するためのジアミン成分としては、下記の式[2]で示されるジアミン(第2のジアミンともいう)を用いることが好ましい。



Yは、下記の式[2a]〜式[2d]で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を示す。
mは、1〜4の整数を示す。なかでも、1が好ましい。

0055

aは、0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0又は1の整数が好ましい。
bは、0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0又は1の整数が好ましい。
Y1及びY2は、独立して、炭素数1〜12の炭化水素基を示す。
Y3は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。

0056

下記に第2のジアミンの具体的な構造を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。例えば、2,4−ジメチルm−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸又は3,5−ジアミノ安息香酸の他に、下記の式[2−1]〜[2−6]で示される構造のジアミンを挙げることができる。

0057

0058

なかでも、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、式[2−1]、式[2−2]又は式[2−3]で示されるジアミンが好ましい。特に好ましいのは、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性や液晶表示素子における光学特性の点から、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、3,5−ジアミノ安息香酸、式[2−1]又は式[2−2]で示されるジアミンである。

0059

第2のジアミンの使用割合は、液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、ジアミン成分全体に対して1〜50モル%が好ましく、1〜40モル%がより好ましく、5〜40モル%が特に好ましい。
また、第2のジアミンは、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、更には、液晶表示素子における光学特性などの特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。

0060

前記のポリイミド系重合体を作製するためのジアミン成分は、下記の式[6a]で示されるジアミン(第3のジアミンともいう。)が好ましい。



式[6a]中、T1、T2、T3、T4及びnは、上記に定義した通りであるが、なかでも、それぞれ、以下のものが好ましい。
T1は、単結合、−O−、−CH2O−、−CONH−、−CON(CH3)−又は−COO−が好ましい。より好ましいのは、合成のし易さの点から、単結合、−O−、−CH2O−又は−COO−である。

0061

T2は、炭素数2〜12のアルキレン基、又はベンゼン環及びシクロシクロヘキサン環からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状基を有する炭素数6〜24の有機基が好ましい。より好ましいのは、合成のし易さ及び液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、炭素数2〜12のアルキレン基である。
T3は、単結合、−O−、−NHCO−、−N(CH3)CO−又は−OCO−が好ましい。より好ましいのは、合成のし易さの点から、単結合、−O−、−NHCO−又は−OCO−である。
T4は、前記式[6−a]、式[6−b]、式[6−d]又は式[6−e]が好ましい。合成のし易さ及び液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、式[6−a]、式[6−b]又は式[6−e]がより好ましい。
式[6a]における好ましいT1〜T4の組合せは、下記表1〜表3に示される。

0062

0063

0064

0065

なかでも、(6−2a)〜(6−4a)、(6−6a)〜(6−8a)、(6−10a)〜(6−12a)、(6−14a)〜(6−16a)、(6−18a)〜(6−20a)、(6−22a)〜(6−24a)、(6−26a)〜(6−28a)、(6−30a)〜(6−32a)、(6−34a)〜(6−36a)、(6−38a)〜(6−40a)、(6−42a)〜(6−44a)又は(6−46a)〜(6−48a)の組み合せが好ましい。

0066

より好ましくは、(6−3a)、(6−4a)、(6−7a)、(6−8a)、(6−11a)、(6−12a)、(6−15a)、(6−16a)、(6−19a)〜(6−21a)、(6−23a)、(6−24a)、(6−27a)、(6−28a)、(6−31a)〜(6−33a)、(6−35a)、(6−36a)、(6−39a)、(6−40a)、(6−43a)〜(6−45a)、(6−47a)又は(6−48a)の組み合わせである。
最も好ましいのは、合成のし易さ及び液晶層と垂直液晶配向膜との密着性から、(6−20a)、(6−21a)、(6−28a)、(6−32a)、(6−33a)、(6−40a)、(6−44a)又は(6−45a)の組み合わせである。

0067

式[6a]中、nは1〜4の整数を示す。なかでも、1の整数が好ましい。
第3のジアミンとして具体的には、例えば、下記の式[6a−1]〜式[6a−9]で示される構造が挙げられる。

0068

(nは、2〜12の整数を示す。)

0069

上記式[6a−1]〜[6a−9]中、特に好ましいジアミンは、液晶表示素子における光学特性及び液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、式[6a−1]、式[6a−2]、式[6a−5]、式[6a−6]又は式[6a−9]である。その際、式中のnは、2〜10の整数であることが好ましい。
第3のジアミンの使用割合は、液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、ジアミン成分全体に対して1〜50モル%が好ましく、1〜40モル%がより好ましく、5〜40モル%が特に好ましい。

0070

また、第3のジアミンは、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、更には、液晶表示素子における光学特性などの特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
ポリイミド系重合体を作製するためジアミン成分としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定側鎖型ジアミン、第2のジアミン及び第3のジアミン以外のジアミン(その他ジアミンともいう。)を用いることもできる。下記に、その他ジアミンの具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。

0071

例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’− ジアミノビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニルシラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(3,3’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3’−ジアミノジフェニル)アミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4アミノフェニル)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビスメチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−ビス(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−ビス(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−ビス(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−ビス(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−ビス(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−ビス(3−アミノフェノキシ)ドデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン又は1,12−ジアミノドデカンなどが挙げられる。

0072

また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、下記の式[DA1]〜式[DA11]で示されるジアミンを用いることもできる。



(pは1〜10の整数を示す。)

0073

(mは0〜3の整数を示す。)

0074

(nは1〜5の整数を示す。)

0075

0076

(A1は単結合、−CH2−、−C2H4−、−C(CH3)2−、−CF2−、−C(CF3)2−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH3)−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH3)−及び−N(CH3)CO−からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。m1及びm2は独立して、0〜4の整数を示し、かつm1+m2は1〜4の整数を示す。m3及びm4は独立して、1〜5の整数を示す。A2は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキル基を示す。m5は1〜5の整数を示す。A3は単結合、−CH2−、−C2H4−、−C(CH3)2−、−CF2−、−C(CF3)2−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH3)−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH3)−及び−N(CH3)CO−からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。m6は1〜4の整数を示す。)

0077

更に、本発明の効果を損なわない限りにおいて、下記の式[DA12]又は式[DA13]で示されるジアミンを用いることもできる。

0078

その他ジアミンは、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、更には、液晶表示素子における光学特性などの特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
前記のポリイミド系重合体を作製するためのテトラカルボン酸成分としては、下記の式[3]で示されるテトラカルボン酸二無水物やそのテトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド(すべてを総称して特定テトラカルボン酸成分ともいう)が好ましい。

0079

Z1は下記の式[3a]〜式[3k]で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。

0080

0081

(Z2〜Z5は独立して、水素原子、メチル基塩素原子及びベンゼン環からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。Z6及びZ7は独立して、水素原子又はメチル基を示す。)
式[3]に示される構造中のZは、合成の容易さやポリマーを製造する際の重合反応性のし易さから、式[3a]、式[3c]、式[3d]、式[3e]、式[3f]、式[3g]又は式[3k]で示される構造が好ましい。より好ましいのは、式[3a]、式[3e]、式[3f]、式[3g]又は式[3k]で示される構造であり、特に好ましいのは、液晶表示素子における光学特性の点から、式[3a]、式[3e]、式[3f]又は式[3g]である。

0082

特定テトラカルボン酸成分の使用割合は、全テトラカルボン酸成分に対して1モル%以上であることが好ましい。より好ましいのは、5モル%以上であり、更に好ましいのは、10モル%以上である。なかでも、液晶表示素子における光学特性の点から、10〜90モル%が特に好ましい。
また、前記式[3e]、式[3f]、式[3g]又は式[3k]の構造の特定テトラカルボン酸成分を用いる場合、その使用量を、テトラカルボン酸成分全体の20モル%以上とすることで、所望の効果が得られる。より好ましいのは、30モル%以上である。更に、テトラカルボン酸成分のすべてが、式[3e]、式[3f]、式[3g]又は式[3k]の構造のテトラカルボン酸成分であってもよい。

0083

ポリイミド系重合体には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定テトラカルボン酸成分以外のその他のテトラカルボン酸成分を用いることができる。その他のテトラカルボン酸成分としては、以下に示すテトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸ジハライドジカルボン酸ジアルキルエステル又はジアルキルエステルジハライドが挙げられる。

0084

例えば、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニルエーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸又は1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。

0085

特定テトラカルボン酸成分及びその他のテトラカルボン酸成分は、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、更には、液晶表示素子における光学特性などの特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
前記のポリイミド系重合体を合成する方法は特に限定されない。通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られる。一般的には、テトラカルボン酸及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸成分と、1種又は複数種のジアミンからなるジアミン成分とを反応させて、ポリアミド酸を得る。具体的には、テトラカルボン酸二無水物と1級又は2級のジアミンとを重縮合させてポリアミド酸を得る方法、テトラカルボン酸と1級又は2級のジアミンとを脱水重縮合反応させてポリアミド酸を得る方法、又はジカルボン酸ジハライドと1級又は2級のジアミンとを重縮合させてポリアミド酸を得る方法が用いられる。

0086

ポリアミド酸アルキルエステルを得るには、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸と1級又は2級のジアミンとを重縮合させる方法、カルボン酸基をジアルキルエステル化したジカルボン酸ジハライドと1級又は2級のジアミンとを重縮合させる方法、又はポリアミド酸のカルボキシル基エステルに変換する方法が用いられる。
ポリイミドを得るには、上記のポリアミド酸又はポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。

0087

ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応は、通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを含む溶媒中で行う。その際に用いる溶媒としては、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。下記に、反応に用いる溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルスルホキシド又は1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。また、ポリイミド前駆体の溶媒溶解性が高い場合は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン又は下記の式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒を用いることができる。

0088

(D1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。D2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。D3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。更に、ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、前記の溶媒に混合して使用してもよい。また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、更には生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、有機溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。

0089

ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液攪拌させ、テトラカルボン酸成分をそのまま、又は有機溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸成分を有機溶媒に分散、あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いてもよい。また、ジアミン成分又はテトラカルボン酸成分をそれぞれ複数種用いて反応させる場合は、予め混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、更に個別に反応させた低分子量体混合反応させ重合体としてもよい。その際の重合温度は−20〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5〜100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となる。そのため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。

0090

ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
ポリイミドはポリイミド前駆体を閉環させて得られるポリイミドであり、このポリイミドにおいては、アミド酸基閉環率イミド化率ともいう。)は必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調製することができる。なかでも、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性の点から、30〜80%が好ましい。より好ましいのは、40〜70%である。

0091

ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、又はポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は100〜400℃が好ましく、より好ましいのは、120〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミントリメチルアミントリブチルアミン又はトリオクチルアミンなどを挙げることができ、なかでも、ピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸無水トリメリット酸又は無水ピロメリット酸などを挙げることができ、なかでも、無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量、反応温度及び反応時間を調節することにより制御することができる。

0092

ポリイミド前駆体又はポリイミドの反応溶液から、生成したポリイミド前駆体又はポリイミドを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としてはメタノールエタノールイソプロピルアルコールアセトンヘキサンブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトントルエン、ベンゼン又は水などを挙げることができる。溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の溶媒として、例えば、アルコール類ケトン類又は炭化水素などが挙げられ、これらの内から選ばれる3種以上の溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。

0093

ポリイミド系重合体の分子量は、そこから得られる液晶配向膜の強度、液晶配向膜形成時の作業性及び塗膜性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定したMw(重量平均分子量)で5,000〜1,000,000とするのが好ましく、より好ましくは10,000〜150,000である。
前記の特定重合体にポリシロキサンを用いる場合、下記の式[A1]で示されるアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサン、又は、式[A1]で示されるアルコキシシランと、下記の式[A2]若しくは式[A3]で示されるアルコキシシランとを重縮合させて得られるポリシロキサンである(総称してポリシロキサン系重合体ともいう。)ことが好ましい。

0094

式[A1]中、A1は前記式[1−1]又は式[1−2]で示される構造を示す。また、式[1−1]におけるX1、X2、X3、X4、X5、X6及びnの詳細及び好ましい組み合わせは、前記式[1−1]の通りであり、式[1−2]におけるX7及びX8の詳細及び好ましい組み合わせは、前記式[1−2]の通りである。本発明では、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性及び液晶表示素子における光学特性の点から、式[1−1]で示される特定側鎖構造が好ましい。
式[A1]中、A2、A3、m、n及びpは、上記に定義した通りであるが、なかでも、それぞれ、以下のものが好ましい。A2は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。A3は、重縮合の反応性の点から、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。mは、合成の点からは、1が好ましい。nは、0〜2の整数を示す。
pは、重縮合の反応性の点から、1〜3の整数が好ましく、より好ましいのは、2又は3の整数である。m+n+pは4である。

0095

式[1−1]で示される特定側鎖構造を有するアルコキシシランの具体例としては、下記の式[A1−1]〜式[A1−32]で示されるアルコキシシランを挙げることができる。

0096

0097

0098

0099

(R1は、炭素数1〜3のアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜3のアルキル基を示す。mは2又は3の整数を示す。nは0又は1の整数を示す。)

0100

(R1は、炭素数1〜3のアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜3のアルキル基を示す。mは2又は3の整数を示す。nは0又は1の整数を示す。R3は、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、−OCH2−、−CH2O−、−COOCH2−又は−CH2OCO−を示す。R4は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のフッ素含有アルキル基又は炭素数1〜12のフッ素含有アルコキシ基を示す。)

0101

(R1は、炭素数1〜3のアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜3のアルキル基を示す。mは2又は3の整数を示す。nは0又は1の整数を示す。R3は、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、−OCH2−、−CH2O−、−COOCH2−又は−CH2OCO−を示す。R4は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のフッ素含有アルキル基又は炭素数1〜12のフッ素含有アルコキシ基を示す。)

0102

0103

(R1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。mは2又は3の整数を示す。nは0又は1の整数を示す。R3は、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−N(CH3)CO−、−OCH2−、−CH2O−、−COOCH2−又は−CH2OCO−を示す。R4は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のフッ素含有アルキル基又は炭素数1〜12のフッ素含有アルコキシ基を示す。)

0104

(R1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。mは2又は3の整数を示す。nは0又は1の整数を示す。B4はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20のアルキル基を示す。B3は1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を示す。B2は酸素原子又はCOO−*(但し、「*」を付した結合手がB3と結合する。)を示す。B1は酸素原子又はCOO−*(但し、「*」を付した結合手が(CH2)a2)と結合する。)を示す。a1は0又は1の整数を示す。a2は2〜10の整数を示す。a3は0又は1の整数を示す。)

0105

上記式[A1−1]〜式[A1−32]中、特に好ましい構造のアルコキシシランは、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性及び液晶表示素子における光学特性の点から、式[A1−9]〜式[A1−21]、式[A1−25]〜式[A1−28]又は式[A1−32]である。
式[A1]で示されるアルコキシシランは、ポリシロキサン系重合体の溶媒への溶解性、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、更には、液晶表示素子における光学特性などの特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。

0106

式[A2]で示されるアルコキシシラン



式[A2]中、B1、B2、B3、m、n及びpは、上記に定義した通りであるが、なかでも、それぞれ、以下のものが好ましい。
B1は、入手の容易さから、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、アクリル基又はウレイド基を有する有機基が好ましい。より好ましいのは、メタクリル基、アクリル基又はウレイド基を有する有機基である。B2は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。B3は、重縮合の反応性の点から、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。mは、合成の点からは、1が好ましい。nは、0〜2の整数を示す。pは、重縮合の反応性の点から、1〜3の整数が好ましく、2又は3の整数がより好ましい。m+n+pは4である。

0107

式[A2]で示されるアルコキシシランの具体例としては、例えば、アリトリエトキシシランアリルトリメトキシシランジエトキシメチルビニルシランジメトキシメチルビニルシラントリエトキシビニルシランビニルトリメトキシシランビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、m−スチリルエチルトリエトキシシラン、p−スチリルエチルトリエトキシシラン、m−スチリルメチルトリエトキシシラン、p−スチリルメチルトリエトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピルメチルシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラントリメトキシ[3−(フェニルアミノ)プロピル]シラン、3−メルカプトプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート、3−(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリエトキシシリル)プロピルアクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3−(トリエトキシシリル)エチルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)エチルメタクリレート、3−(トリエトキシシリル)エチルアクリレート、3−(トリメトキシシリル)エチルアクリレート、3−(トリエトキシシリル)メチルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)メチルメタクリレート、 3−(トリエトキシシリル)メチルアクリレート、3−(トリメトキシシリル)メチルアクリレート、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリプロポキシシラン、(R)−N−1−フェニルエチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、(R)−N−1−フェニルエチル−N’−トリメトキシシリルプロピルウレア、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス[3−(トリプロポキシシリル)プロピル]ウレア又は1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ウレアなどが挙げられる。
なかでも、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが好ましい。

0108

特に好ましいのは、液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、3−(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。
式[A2]で示されるアルコキシシランは、ポリシロキサン系重合体の溶媒への溶解性、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、更には、液晶表示素子における光学特性などの特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。

0109

[A3]で示されるアルコキシシラン:



式[A3]中、D1、D2及びnは、上記に定義した通りであるが、なかでも、それぞれ、以下のものが好ましい。D1は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。D2は、重縮合の反応性の点から、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。nは0〜3の整数を示す。

0110

式[A3]で示されるアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシランテトラエトキシシランテトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシランジメチルジエトキシシラン、ジエトキシジエチルシランジブトキシジメチルシラン、(クロロメチル)トリエトキシシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ヘキシルトリメトキシシラン又は3−トリメトキシシリルプロピルクロライド等が挙げられる。

0111

式[A3]中、nが0であるアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン又はテトラブトキシシランが挙げられ、式[A3]のアルコキシシランとしては、これらのアルコキシシランを用いることが好ましい。
式[A3]で示されるアルコキシシランは、ポリシロキサン系重合体の溶媒への溶解性、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、更には、液晶表示素子における光学特性などの特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。

0112

ポリシロキサン系重合体は、前記式[A1]で示されるアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサン、又は式[A1]で示されるアルコキシシランと、前記式[A2]若しくは式[A3]で示されるアルコキシシランとを重縮合させて得られるポリシロキサンである。即ち、ポリシロキサン系重合体は、式[A1]で示されるアルコキシシランのみを重縮合させて得られるポリシロキサン、式[A1]と式[A2]で示される2種のアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサン、式[A1]と式[A3]で示される2種のアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサン、並びに式[A1]、式[A2]及び式[A3]で示される3種のアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサンのうちのいずれか1種である。

0113

なかでも、重縮合の反応性やポリシロキサン系重合体の溶媒への溶解性の点から、複数種のアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサンが好ましい。即ち、式[A1]と式[A2]で示される2種のアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサン、式[A1]と式[A3]で示される2種のアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサン、並びに式[A1]、式[A2]及び式[A3]で示される3種のアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサンのうちのいずれか1種を用いることが好ましい。
ポリシロキサン系重合体を作製する際に複数種のアルコキシランを用いる場合、式[A1]で示されるアルコキシシランの使用割合は、すべてのアルコキシシラン中、1〜40モル%が好ましく、1〜30モル%がより好ましい。また、式[A2]で示されるアルコキシシランの使用割合は、すべてのアルコキシシラン中、1〜70モル%が好ましく、1〜60モル%がより好ましい。更に、式[A3]で示されるアルコキシシランの使用割合は、すべてのアルコキシシラン中、1〜99モル%が好ましくは、1〜80モル%がより好ましい。

0114

ポリシロキサン系重合体を重縮合する方法は特に限定されない。例えば、アルコキシシランをアルコール系溶媒グリコール系溶媒中で、加水分解・重縮合反応させる方法が挙げられる。その際、加水分解・重縮合反応は、部分的に加水分解させても、完全に加水分解させてもよい。完全に加水分解する場合は、理論上、アルコキシシラン中のすべてのアルコキシ基の0.5倍モル量の水を加えれば良いが、0.5倍モル量よりも過剰量の水を加えることが好ましい。本発明におけるポリシロキサン系重合体を得るためには、上記の加水分解・重縮合反応に用いる水の量は、目的に応じて適宜選択することができるが、アルコキシシラン中のすべてのアルコキシ基の0.5倍〜2.5倍モル量であることが好ましい。

0115

また、加水分解・重縮合反応を促進する目的で、塩酸硫酸硝酸酢酸蟻酸蓚酸マレイン酸又はフマル酸などの酸性化合物、更に、アンモニアメチルアミンエチルアミンエタノールアミン又はトリエチルアミンなどのアルカリ性化合物、或いは、塩酸、硝酸又は蓚酸などの金属塩などの触媒を用いることができる。加えて、アルコキシシランが溶解した溶液を加熱することでも、加水分解・重縮合反応を促進させることもできる。その際の加熱温度及び加熱時間は、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、50℃で24時間加熱攪拌して、その後、還流条件下で1時間攪拌するなどの条件が挙げられる。

0116

更に、重縮合する別の方法として、アルコキシシラン、溶媒及び蓚酸の混合物を加熱して、重縮合反応する方法が挙げられる。具体的には、予め、溶媒に蓚酸を加えて、蓚酸の溶液を調製した後、該溶液を加熱した状態で、アルコキシシランを混合する方法である。その際、上記の反応に用いる蓚酸の量は、アルコキシシラン中のすべてのアルコキシ基の1モルに対して、0.2〜2.0モルとすることが好ましい。また、この反応は、溶液の温度が50〜180℃で行うことができるが、溶媒の蒸発揮散が起こらないように、還流下で数十分から数十時間で行うことが好ましい。

0117

ポリシロキサン系重合体を作製する重縮合反応において、式[A1]、式[A2]又は式[A3]で示されるアルコキシシランを複種用いる場合は、複数種のアルコキシシランを予め混合した混合物を用いて反応しても、複数種のアルコキシシランを順次添加しながら反応してもよい。
アルコキシシランの重縮合反応に用いる溶媒としては、アルコキシシランが溶解するものであれば特に限定されない。また、アルコキシシランが溶解しない溶媒であっても、アルコキシシランの重縮合反応の進行とともに溶解するものであればよい。重縮合反応に用いる溶媒としては、一般的に、アルコキシシランの重縮合反応によりアルコールが発生するため、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒、グリコールエーテル系溶媒又はアルコールと相溶性がよい溶媒が用いられる。

0118

このような重縮合反応に用いる溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールブタノール又はジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコールジエチレングリコールプロピレングリコールジプロピレングリコール、へキシレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール又は1,6−ヘキサンジオールなどのグルコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル又はプロピレングリコールジブチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素ヘキサメチルホスホトリアミド又はm−クレゾールなどのアルコールと相性のよい溶媒などが挙げられる。

0119

また、重縮合反応の際、これら溶媒を1種又は2種以上、混合して用いることもできる。得られたポリシロキサン系重合体の溶液は、原料として仕込んだ全アルコキシシランが有する珪素原子をSiO2に換算した濃度(SiO2換算濃度ともいう。)が、20質量%以下であることが好ましい。なかでも、5〜15質量%であることが好ましい。この濃度範囲において任意の濃度を選択することで、溶液中のゲルの発生を抑制することができ、均一なポリシロキサン系重合体の溶液を得ることができる。

0120

本発明においては、前記の方法で得られたポリシロキサン系重合体の溶液をそのまま特定重合体として用いても良いし、必要に応じて上記の方法で得られたポリシロキサン系重合体の溶液を濃縮したり、溶媒を加えて希釈したり、他の溶媒に置換して、特定重合体として用いても良い。
希釈する際に用いる溶媒(添加溶媒ともいう。)は、重縮合反応に用いる溶媒やその他の溶媒であってもよい。この添加溶媒は、ポリシロキサン系重合体が均一に溶解している限りにおいては特に限定されず、1種又は2種以上を任意に選択して使用することができる。このような添加溶媒としては、前記重縮合反応に用いる溶媒に加え、例えば、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒酢酸メチル酢酸エチル又は乳酸エチルなどのエステル系溶媒などが挙げられる。更に、特定重合体にポリシロキサン系重合体とそれ以外の重合体を用いる場合、ポリシロキサン系重合体にそれ以外の重合体を混合する前に、ポリシロキサン系重合体の重縮合反応の際に発生するアルコールを常圧又は減圧で留去しておくことが好ましい。

0121

<液晶配向処理剤>
本発明における液晶配向処理剤は、垂直液晶配向膜を形成するための溶液であり、前記式[1−1]又は式[1−2]で示される特定側鎖構造を有する特定重合体及び溶媒を含有する溶液である。
特定側鎖構造を有する特定重合体としては、上述の通り、特に限定は無いが、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリイミド前駆体、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、セルロース及びポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体であることが好ましい。より好ましいのは、ポリイミド前駆体、ポリイミド又はポリシロキサンである。また、特定重合体には、これら重合体のなかの1種、あるいは2種以上を用いることができる。

0122

液晶配向処理剤におけるすべての重合体成分は、全てが特定重合体であっても良く、それ以外の重合体が混合されていても良い。その際、それ以外の重合体の含有量は、特定重合体100質量部に対して、0.5質量部〜15質量部、好ましいのは、1質量部〜10質量部である。それ以外の重合体としては、前記式[1−1]又は式[1−2]で示される特定側鎖構造を持たない前記の重合体が挙げられる。
液晶配向処理剤中の溶媒の含有量は、液晶配向処理剤の塗布方法や目的とする膜厚を得るという観点から、適宜選択することができる。なかでも、塗布により均一な垂直液晶配向膜を形成するとい観点から、液晶配向処理剤中の溶媒の含有量は50〜99.9質量%であることが好ましく、より好ましいのは、60〜99質量%である。特に好ましいのは、65〜99質量%である。

0123

液晶配向処理剤に用いる溶媒は、特定重合体を溶解させる溶媒であれば特に限定されない。なかでも、特定重合体がポリイミド前駆体、ポリイミド、ポリアミド又はポリエステルの場合、あるいは、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、セルロース又はポリシロキサンの溶媒への溶解性が低い場合は、下記に示すような溶媒(溶媒A類ともいう。)を用いることが好ましい。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン又は4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどである。なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。また、これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。

0124

特定重合体が、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、セルロース又はポリシロキサンである場合、更には、特定重合体がポリイミド前駆体、ポリイミド、ポリアミド又はポリエステルであり、これら特定重合体の溶媒への溶解性が高い場合は、下記に示すような溶媒(溶媒B類ともいう。)を用いることができる。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノールイソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノールイソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール2−ヘプタノール3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン3−ペンタノン、2−ヘキサノン2−ヘプタノン4−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタートプロピレンカーボネートエチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコールトリエチレングリコールモノメチルエーテルトリエチレングリコールモノエチルエーテル乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチルピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル又は前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒などを挙げることができる。

0125

なかでも、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、シクロペンタノン又は前記式[D1]〜式[D3]で示される溶媒を用いることが好ましい。
また、これら溶媒B類を用いる際、液晶配向処理剤の塗布性を改善する目的に、前記溶媒A類のN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンを併用して用いることが好ましい。より好ましいのは、γ−ブチロラクトンを併用することである。

0126

これら溶媒B類は、液晶配向処理剤を塗布する際の垂直液晶配向膜の塗膜性や表面平滑性を高めることができるため、特定重合体にポリイミド前駆体、ポリイミド、ポリアミド又はポリエステルを用いた場合、前記溶媒A類と併用して用いることが好ましい。その際、溶媒B類は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の1〜99質量%であることが好ましい。なかでも、10〜99質量%が好ましい。より好ましいのは、20〜95質量%である。
本発明において液晶配向処理剤には、光ラジカル発生剤、光酸発生剤及び光塩基発生剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の発生剤(特定発生剤ともいう。)を導入することが好ましい。

0127

光ラジカル発生剤としては、紫外線によりラジカルを発生するものであれば特に制限は無く、例えば、tert−ブチルペルオキシ−iso−ブタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルジオキシ)へキサン、1,4−ビス[α−(tert−ブチルジオキシ)−iso−プロポキシ]ベンゼン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルジオキシ)へキセンヒドロペルオキシド、α−(iso−プロピルフェニル)−iso−プロピルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルへキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルジオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルジオキシ)バレレート、シクロへキサノンペルオキシド、2,2’,5,5’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(tert−ブチルペルオキシカルボニル)−4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、tert−ブチルペルオキシベンゾエート又はジ−tert−ブチルジペルオキシイソフタレートなどの有機過酸化物や、9,10−アントラキノン、1−クロロアトラキノン、2−クロロアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノンなどのキノン類ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン又はα−フェニルベンゾインなどのベンゾイン誘導体などが挙げられる。

0128

また、光酸発生剤及び光塩基発生剤としては、紫外線により酸又は塩基を発生するものであれば特に制限は無く、例えば、トリアジン系化合物アセトフェノン誘導体化合物、ジスルホン系化合物、ジアゾメタン系化合物、スルホン酸誘導体化合物ジアリールヨードニウム塩トリアリールスルホニウム塩トリアリールホスホニウム塩又は鉄アレーン錯体などが挙げられる。より具体的には、例えば、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムメシレート、ジフェニルヨードニウムトシレート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(p−tert−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムメシレート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトシレート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムクロリド、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムクロライド、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムクロリド、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリ(p−メトキシフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリ(p−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリ(p−エトキシフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルホスホニウムクロリド、トリフェニルホスホニウムブロミド、トリ(p−メトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ(p−メトキシフェニル)ホスホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリ(p−エトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、ビス[[(2−ニトロベンジルオキシ]カルボニルへキサン−1,6−ジアミン]、ニトロベンジルシクロへキシルカルバメート、ジ(メトキシベンジルヘキサメチレンジカルバメート、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニルへキサン−1,6−ジアミン]、ニトロベンジルシクロへキシルカルバメート又はジ(メトキシベンジル)ヘキサメチレンジカルバメートなどが挙げられる。
なかでも、特定発生剤には、液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、光ラジカル発生剤を用いることが好ましい。

0129

液晶配向処理剤には、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性を高める目的で、下記の式[B1]〜式[B8]で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1種類の構造を有する化合物(特定密着性化合物ともいう。)を導入することが好ましい。

0130

上記式[B1]〜[B7]中、W1は水素原子又はベンゼン環を示す。W2はベンゼン環、シクロへキサン環及び複素環からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状基を示す。W3は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基及び炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。
具体的な特定密着性化合物は、下記の式[7]で示される化合物が好ましい。

0131

式[7]中、M1は下記の式[a−1]〜[a−7]からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。なかでも、製造の容易さから、式[a−1]、式[a−2]、式[a−3]、式[a−5]又は式[a−6]が好ましい。より好ましいのは、式[a−1]、式[a−3]、式[a−5]又は式[a−6]である。

0132

A1は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。なかでも、製造の容易さから、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。より好ましいのは、水素原子又はメチル基である。
A2は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。なかでも、製造の容易さから、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。より好ましいのは、水素原子又はメチル基である。
A3、A5、A6及びA9は独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。なかでも、製造の容易さから、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。より好ましいのは、水素原子又はメチル基である。
A4、A7及びA8は独立して、炭素数1〜3のアルキレン基を示す。なかでも、製造の容易さから、炭素数1〜2のアルキレン基が好ましい。

0133

式[7]中、M2は単結合、−CH2−、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH3)−及び−N(CH3)CO−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。なかでも、製造の容易さから、単結合、−CH2−、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CON(CH3)−又は−N(CH3)CO−が好ましい。より好ましいのは、単結合、−CH2−、−O−、−NH−、−CONH−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−又は−OCO−である。特に好ましいのは、単結合、−O−、−CONH−、−OCH2−、−COO−又は−OCO−である。

0134

式[6]中、M3は炭素数1〜20のアルキレン基、−(CH2−CH2−O)p−(pは1〜10の整数を示す)、−(CH2−O−)q−(qは1〜10の整数を示す)、及び炭素数6〜20のベンゼン環又はシクロヘキサン環を有する有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。その際、前記アルキレン基の任意の−CH2−基は、−COO−、−OCO−、−CONH−、NHCO−、−CO−、−S−、−SO2−、−CF2−、−C(CF3)2−、−Si(CH3)2−、−OSi(CH3)2−又は−Si(CH3)2O−で置き換えられていても良く、任意の炭素原子に結合している水素原子は、水酸基(OH基)、カルボキシル基(COOH基)又はハロゲン原子で置き換えられていても良い。なかでも、製造の容易さから、炭素数1〜20のアルキレン基、−(CH2−CH2−O)p−、−(CH2−O−)q−又は下記の式[c−1]〜式[c−5]が好ましい。より好ましいのは、炭素数1〜15のアルキレン基、−(CH2−CH2−O)p−、−(CH2−O−)q−、下記の式[c−1]、式[c−3]、式[c−4]又は式[c−5]である。特に好ましいのは、炭素数1〜15のアルキレン基、−(CH2−CH2−O)p−、式[c−1]、式[c−4]又は式[c−5]である。

0135

式[7]中、M4は単結合、−CH2−、−OCH2−及びO−CH2−CH2−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合基を示す。なかでも、製造の容易さから、単結合、−CH2−又は−OCH2−で示される構造が好ましい。
式[7]中、M5は前記式[b−1]〜[b−8]で示される構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。なかでも、製造の容易さから、式[b−1]、式[b−2]又は式[b−6]で示される構造が好ましい。より好ましいのは、式[b−1]又は式[b−2]で示される構造である。
式[7]中、nは1〜3の整数を示す。なかでも、製造の容易さから、1又は2が好ましい。より好ましいのは、1である。
式[7]中、mは1〜3の整数を示す。なかでも、製造の容易さから、1又は2が好ましい。

0136

特定密着性化合物は、下記の式[7−1]及び式[7−5]で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。



(nは1〜10の整数を示す。mは1〜10の整数を示す。)

0137

更に特定密着性化合物としては、下記に示すものが挙げられる。例えば、トリメチロールプロパントリ(メタアクリレートペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン又はグリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を分子内に3個有する化合物、更に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート又はヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を分子内に2個有する化合物、加えて、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステル又はN−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの重合性不飽和基を分子内に1個有する化合物が挙げられる。

0138

液晶配向処理剤における特定密着性化合物の含有量は、すべての重合体成分100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましい。架橋反応が進行し目的の効果を発現させるためには、すべての重合体成分100質量部に対して0.1〜100質量部がより好ましく、特に、1〜50質量部が最も好ましい。
特定密着性化合物は、垂直液晶配向膜にした際の液晶の垂直配向性、更には、液晶表示素子における光学特性などの特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液晶配向処理剤には、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基、シクロカーボネート基を有する化合物、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基及び低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物(総称して特定架橋性化合物ともいう。)を導入することが好ましい。その際、これらの基は、化合物中に2個以上有する必要がある。

0139

エポキシ基又はイソシアネート基を有する架橋性化合物としては、例えば、ビスフェノールアセトングリシジルエーテルフェノールノボラックエポキシ樹脂クレゾールノボラックエポキシ樹脂トリグリシジルイソシアヌレートテトラグリシジルアミノジフニレン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビス(アミノエチルシクロヘキサンテトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ビスフェノールヘキサフルオロアセトジグリシジルエーテル、1,3−ビス(1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメチル)ベンゼン、4,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニルトリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、2−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−2−(4−(1,1−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)エチル)フェニル)プロパン又は1,3−ビス(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチル)フェノキシ)−2−プロパノールなどが挙げられる。

0140

オキセタン基を有する架橋性化合物は、下記の式[4]で示されるオキセタン基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。



具体的には、国際公開公報WO2011/132751の58頁〜59頁に掲載される式[4a]〜式[4k]で示される架橋性化合物が挙げられる。

0141

シクロカーボネート基を有する架橋性化合物としては、下記の式[5]で示されるシクロカーボネート基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。



具体的には、国際公開公報WO2012/014898の76頁〜82頁に掲載される式[5−1]〜式[5−42]で示される架橋性化合物が挙げられる。

0142

ヒドロキシル基及びアルコキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する架橋性化合物としては、例えば、ヒドロキシル基又はアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えば、メラミン樹脂尿素樹脂グアナミン樹脂グリコールウリルホルムアルデヒド樹脂スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂又はエチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。具体的には、アミノ基の水素原子がメチロール基又はアルコキシメチル基又はその両方で置換されたメラミン誘導体ベンゾグアナミン誘導体、又はグリコールウリルを用いることができる。このメラミン誘導体又はベンゾグアナミン誘導体は、2量体又は3量体として存在することも可能である。これらはトリアジン環個当たり、メチロール基又はアルコキシメチル基を平均3個以上6個以下有するものが好ましい。

0143

このようなメラミン誘導体又はベンゾグアナミン誘導体の例としては、市販品のトリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均3.7個置換されているMX−750、トリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均5.8個置換されているMW−30(以上、三和ケミカル社製)やサイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712などのメトキシメチル化メラミン、サイメル235、236、238、212、253、254などのメトキシメチル化ブトキシメチル化メラミン、サイメル506、508などのブトキシメチル化メラミン、サイメル1141のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、サイメル1123のようなメトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1123−10のようなメトキシメチル化ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1128のようなブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1125−80のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン(以上、三井サイアナミド社製)が挙げられる。また、グリコールウリルの例として、サイメル1170のようなブトキシメチル化グリコールウリル、サイメル1172のようなメチロール化グリコールウリルなど、パウダーリンク1174のようなメトキシメチロール化グリコールウリルなどが挙げられる。

0144

ヒドロキシル基又はアルコキシル基を有するベンゼン、又はフェノール性化合物としては、例えば、1,3,5−トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(イソプロポキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(sec−ブトキシメチル)ベンゼン又は2,6−ジヒドロキシメチル−p−tert−ブチルフェノールなどが挙げられる。より具体的には、国際公開公報WO2011/132751の62頁〜66頁に掲載される、式[6−1]〜式[6−48]で示される架橋性化合物が挙げられる。

0145

液晶配向処理剤における特定架橋性化合物の含有量は、すべての重合体成分100質量部に対して、0.1〜100質量部であることが好ましい。架橋反応が進行し目的の効果を発現させるためには、すべての重合体成分100質量部に対して0.1〜50質量部がより好ましく、特に、1〜30質量部が最も好ましい。
液晶配向処理剤には、液晶配向膜中の電荷移動を促進し、素子の電荷抜けを促進させるため、国際公開公報WO2011/132751の69頁〜73頁に掲載される、式[M1]〜式[M156]で示される窒素含有複素環アミン化合物を添加することもできる。このアミン化合物は、液晶配向処理剤に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で濃度0.1〜10質量%、好ましくは1〜7質量%の溶液にしてから添加することが好ましい。この溶媒としては、特定重合体を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。

0146

また、液晶配向処理剤には、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向処理剤を塗布した際の垂直液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物を用いることができる。更に、垂直液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物などを用いることもできる。
垂直液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R−30(以上、大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(以上、住友スリエム社製)、アサガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(以上、旭硝子社製)などが挙げられる。界面活性剤の使用量は、液晶配向処理剤に含有されるすべての重合体成分100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましく、より好ましいのは、0.01〜1質量部である。

0147

垂直液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、官能性シラン含有化合物エポキシ基含有化合物が挙げられる。例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン又はN,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。

0148

これらの基板との密着させる化合物の使用割合は、液晶配向処理剤に含有されるすべての重合体成分100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましいのは、1〜20質量部である。0.1質量部未満であると密着性向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると液晶配向処理剤の保存安定性が悪くなる場合がある。
液晶配向処理剤には、上記以外の化合物の他に、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、垂直液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体導電物質を添加してもよい。

0149

<液晶組成物>
液晶組成物は、液晶、及び紫外線により重合する重合性化合物を含有する。
液晶には、ネマチック液晶スメクチック液晶又はコレステリック液晶を用いることができる。なかでも、負の誘電異方性を有するものが好ましい。また、低電圧駆動及び散乱特性の点からは、誘電率の異方性が大きく、屈折率の異方性が大きいものが好ましい。具体的には、誘電率の異方性(△ε:誘電率異方性ともいう。)が−1〜−10が好ましく、より好ましいのは、−3〜−6である。また、屈折率の異方性(△n:屈折率異方性ともいう。)が0.150〜0.350が好ましく、より好ましいのは、0.150〜0.250である。また、液晶の相転移温度は40〜120℃が好ましく、より好ましいのは、80〜100℃である。

0150

また、液晶には、前記の相転移温度、誘電率異方性及び屈折率異方性の各物性値に応じて、2種以上の液晶を混合して用いることができる。
液晶表示素子をTFT(Thin Film Transistor)などの能動素子として駆動させるためには、液晶の電気抵抗が高くて電圧保持率(VHR)が高いことが求められる。そのため、液晶には、電気抵抗が高くて紫外線などの活性エネルギー線によりVHRが低下しないフッ素系や塩素系の液晶が好ましい。
更に、液晶表示素子には、液晶組成物中に二色性染料を溶解させてゲストホスト型の素子とすることもできる。この場合には、電圧無印加時は透明で、電圧印加時に吸収(散乱)となる素子が得られる。また、この液晶表示素子では、液晶のダイレクターの方向(配向の方向)は、電圧印加の有無により90度変化する。そのため、この液晶表示素子は、二色性染料の吸光特性の違いを利用することで、ランダム配向垂直配向でスイッチングを行う従来のゲストホスト型の素子に比べて、高いコントラストが得られる。また、二色性染料を溶解させたゲストホスト型の素子では、液晶が水平方向に配向した場合に有色になり、散乱状態においてのみ不透明となる。そのため、電圧を印加するにつれ、電圧無印加時の無色透明から有色不透明、有色透明の状態に切り替わる素子を得ることもできる。

0151

本発明において、液晶と重合性化合物との硬化物複合体、即ち、液晶層を形成する方法は、特に限定されない。即ち、液晶組成物中に重合性化合物を導入して、液晶表示素子作製時の紫外線の照射により、それらを重合反応させて、ポリマーネットワーク(硬化性樹脂)を形成しても良く、或いは、予め重合性化合物を重合反応させたポリマーを用いても良い、ただし、ポリマーとした場合でも、紫外線の照射により重合反応する部位を有する必要がある。より好ましいのは、液晶組成物の取り扱い、即ち、液晶組成物の高粘度化の抑制及び液晶への溶解性の点から、液晶組成物中に重合性化合物を導入する方法が好ましい。

0152

重合性化合物は、液晶に溶解すれば、どのような化合物であっても良い。また、重合性化合物は、どのような反応形式で重合が進み、硬化性樹脂を形成させても良い。具体的な反応形式としては、ラジカル重合カチオン重合アニオン重合又は重付加反応が挙げられる。
なかでも、重合性化合物の反応形式は、ラジカル重合であることが好ましい。その際、重合性化合物としては、下記のラジカル型の重合性化合物又はそのオリゴマーを用いることができる。また、上述の通り、これらの重合性化合物を重合反応させたポリマーを用いることもできる。

0153

具体的に、単官能重合性化合物としては、例えば、アクリル酸、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレートベンジルアクリレートシクロヘキシルアクリレートヒドロキシエチルアクリレートヒドロキシプロピルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、グリシジルアクリレートテトラヒドロフルフリルアクリレートイソボルニルアクリレートイソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、モルホリンアクリレート、フェノキシエチルアクリレートフェノキシジエチレングリコールアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート又は2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート、又はこれらのメタクリレート化合物が挙げられる。

0154

なかでも、アクリル酸、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、モルホリンアクリレート、フェノキシエチルアクリレート又はフェノキシジエチレングリコールアクリレート、又はこれらのメタクリレート化合物が好ましい。より好ましいのは、アクリル酸、2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、モルホリンアクリレート、フェノキシエチルアクリレート又はフェノキシジエチレングリコールアクリレート、又はこれらのメタクリレート化合物である。

0155

二官能重合性化合物としては、例えば、4,4’−ジアクリロイルオキシスチルベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジメチルスチルベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジエチルスチルベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジプロピルスチルベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジブチルスチルベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジペンチルスチルベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジヘキシルスチルベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジフルオロスチルベン、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタンジオール−1,5−ジアクリレート、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル−1,3−ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、4,4’−ビフェニルジアクリレート、ジエチルスチルストロールジアクリレート、1,4−ビスアクリロイルオキシベンゼン、4,4’−ビスアクリロイルオキシジフェニルエーテル、4,4’−ビスアクリロイルオキシジフェニルメタン、3,9−[1,1−ジメチル−2−アクリロイルオキシエチル]−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン、α,α’−ビス[4−アクリロイルオキシフェニル]−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ビスアクリロイルオキシテトラフルオロベンゼン、4,4’−ビスアクリロイルオキシオクタフルオロビフェニル、ジシクロペンタニルジアクリレート、グリセロールジアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート又はポリプロピレングリコールジアクリレート、又はこれらのジメタクリレート化合物などが挙げられる。

0156

なかでも、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート又はポリプロピレングリコールジアクリレート、又はこれらのジメタクリレート化合物が好ましい。
多官能重合性化合物は、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレートペンタエリスリトールテトラアクリレートペンタエリスリトールトリアクリレートジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレート又はトリアリールイソシアネートなどが挙げられる。

0157

なかでも、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート又はトリアリールイソシアネートが好ましい。
本発明においては、液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、重合性化合物は、下記の多官能チオール化合物が好ましい。

0158

例えば、1,11−ウンデカンジチオール、4−エチル−ベンゼン−1,3−ジチオール、1,2−エタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,18−オクタデカンジチオール、2,5−ジクロロベンゼン−1,3−ジチオール、1,3−(4−クロロフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、1,4−シクロヘキサンジチオール、1,1−シクロヘプタンジチオール、1,1−シクロペンタンジチオール、4,8−ジチオウンデカン−1,11−ジチオール、ジチオペンタエリトリトールジチオトレイトール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル−2’,3’−ジメルカプトプロピルエーテル、2,3−ジヒドロキシプロピル−2’,3’−ジメルカプトプロピルエーテル、2,6−ジメチルオクタン−2,6−ジチオール、2,6−ジメチルオクタン−3,7−ジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、3,3−ジメチルブタン−2,2−ジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、1,3−ジ(4−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、10,11−ジメルカプトウンデカン酸、6,8−ジメルカプトオクタン酸、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,2’−ジメルカプト−ビフェニル、4,4’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビベンジル、3,4−ジメルカプトブタノール、3,4−ジメルカプト酢酸ブチル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、2,3−ジメルカプトプロピオン酸、1,2−ジメルカプトプロピル−メチルエーテル、2.3−ジメルカプトプロピル−2’,3’−ジメトキシプロピルエーテル、3,4−チオフェンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、3,5,5−トリメチルヘキサン−1,1−ジチオール、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、1,9−ノナンジチオール、ノルボルネン−2,3−ジチオール、ビス(2−メルカプトイソプロピル)エーテル、ビス(11−メルカプトウンデシルスルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(18−メルカプトオクタデシル)スルフィド、ビス(8−メルカプトオクチル)スルフィド、ビス(12−メルカプト−デシル)スルフィド、ビス(9−メルカプトノニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトブチル)スルフィド、ビス(3−メルカプトプロピル)エーテル、ビス(3−メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(6−メルカプトヘキシル)スルフィド、ビス(7−メルカプトヘプチル)スルフィド、ビス(5−メルカプトペンチル)スルフィド、2,2’−ビス(メルカプトメチル)酢酸、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、フェニルメタン−1,1−ジチオール、1,2−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、2,2−ブタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,2−ヘキサンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、2,5−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、2,6−ヘプタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、2,4−ペンタンジチオール、3,3−ペンタンジチオール、7,8−ヘプタデカンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、2−メチルシクロヘキサン−1,1−ジチオール、2−メチルブタン−2,3−ジチオール、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2,3−プロパントリチオール、1,2,4−ブタントリチオール、ペンタエリトリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、1,3,5−ベンゼントリチオール、2,4,6−メシチレントリチオール、ネオペンタンテトラチオール、2,4,6−トルエントリチオール、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリストルテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリストールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H.3H.5H)−トリオン、ネオペンタンテトラチオール、2,2’−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)又は1,4−ジチアン−2,5−ジ(メタンチオール)などが挙げられる。

0159

なかでも、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリストールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリストールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H.3H.5H)−トリオン、ネオペンタンテトラチオール、2,2’−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)又は1,4−ジチアン−2,5−ジ(メタンチオール)が好ましい。

0160

より好ましいのは、液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン又は1,4−ジチアン−2,5−ジ(メタンチオール)である。

0161

また、多官能チオール化合物の使用量は、液晶全体100質量部に対して、0.1〜100質量部が好ましく、より好ましいのは、1〜50質量部であり、特に好ましいのは、5〜40質量部である。
更に、液晶表示素子における光学特性の点から、重合性化合物は、ジイソシアネート成分水酸基含有アクリレート化合物(又はメタクリレート)との反応から得られるウレタンアクリレート化合物(又はウレタンメタクリレート)が好ましい。これらは、モノマーであっても、オリゴマーであっても、更にはポリマー化したものでも良い。特に、ジイソシアネート成分は、脂肪族の構造が好ましい。

0162

ジイソシアネート成分の具体的には、エチレンジイソシアネートトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネートノナメチレンジイソシアネート、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネートデカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソイアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアネートメチルオクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン、ビス(イソシアネートエチル)カルボナート、ビス(イソシアナネートエチル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテル−ω,ω’−ジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステルリジントリイソシアネート、2−イソシアネートエチル−,2,6−ジイソシアネートヘキサノアート、2−イソシアネートプロピル−2,6−ジイソシアナネートヘキサノアート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)ベンゼン、ビス(イソシアネートプロピル)ベンゼン、a,a,a’,a’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートブチル)ベンゼン、ビス(イソシアネートメチル)ナフタレン、ビス(イソシアネートメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアネートエチル)フタラート、メシチリレントリイソシアネート又は2,6−ジ(イソシアネートメチル)フランなどの脂肪族化合物イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアネート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−n−ブチリデン)−ペンタエリトリトール、ダイマー酸ジイソシアネート、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−5−イソシアネート−メチル−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−6−イソシアネートメチル−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−5−イソシアネートメチル−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−6−イソシアネートメチル−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−5−(2−イソシアネートメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−5−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン又は2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンなどの脂環式化合物が挙げられる。

0163

また、水酸基含有アクリレート(又はメタクリレート)化合物は、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート又はジペンタエリスリトールペンタアクリレート、又はこれらのメタクリレート化合物などが挙げられる。
ウレタンアクリレート(又はメタクリレート)化合物としては、液晶表示素子における光学特性の点から、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー又はジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、又はこれらのメタクリレート化合物が好ましい。

0164

また、ウレタンアクリレート(又はメタクリレート)化合物の使用量は、液晶全体100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、より好ましいのは、5〜150質量部であり、特に好ましいのは、5〜100質量部である。
本発明における重合性化合物には、前記の多官能チオール化合物及びウレタンアクリレート(又はウレタンメタクリレート)の両方を用いることが好ましい。
重合性化合物には、前記の多官能チオール化合物及びウレタンアクリレート(又はウレタンメタクリレート)化合物と共に、上述した単官能重合性化合物、二官能重合性化合物、及び/又は多官能重合性化合物を併用することが好ましい。

0165

より好ましいのは、多官能チオール化合物、ウレタンアクリレート(又はウレタンメタクリレート)、単官能アクリレート化合物、多官能アクリレート化合物、多官能アクリレート化合物、単官能メタクリレート化合物及び/又は多官能アクリレート化合物を用いることである。より好ましいのは、多官能チオール化合物、ウレタンアクリレート(又はウレタンメタクリレート)化合物、単官能アクリレート、単官能メタクリレート及び/又は多官能メタクリレートを用いることである。
その際、多官能チオール化合物の使用量は、液晶全体100質量部に対して、0.1〜100質量部であることが好ましく、より好ましいのは、1〜50質量部であり、特に好ましいのは、5〜40質量部である。

0166

ウレタンアクリレート(又はウレタンメタクリレート)化合物の使用量は、液晶全体100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、より好ましいのは、5〜150質量部であり、特に好ましいのは、5〜100質量部である。
単官能アクリレート化合物の使用量は、液晶全体100質量部に対して、10〜300質量部であることが好ましく、より好ましいのは、20〜250質量部であり、特に好ましいのは、25〜200質量部である。
単官能メタクリレート化合物の使用量は、液晶全体100質量部に対して、0.1〜100質量部であることが好ましく、より好ましいのは、1〜50質量部であり、特に好ましいのは、1〜25質量部である。
多官能メタクリレート化合物の使用量は、液晶全体100質量部に対して、0.1〜200質量部であることが好ましく、より好ましいのは、1〜150質量部であり、特に好ましいのは、10〜100質量部である。

0167

上記重合性化合物は、液晶表示素子における光学特性や液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
本発明では、重合性化合物のラジカル重合を早めて硬化性樹脂の形成を促進させる目的で、紫外線によりラジカルを発生するラジカル開始剤重合開始剤ともいう)を、液晶組成物中に導入することが好ましい。

0168

具体的には、例えば、tert−ブチルペルオキシ−iso−ブタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルジオキシ)へキサン、1,4−ビス[α−(tert−ブチルジオキシ)−iso−プロポキシ]ベンゼン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルジオキシ)へキセンヒドロペルオキシド、α−(iso−プロピルフェニル)−iso−プロピルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルへキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルジオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルジオキシ)バレレート、シクロへキサノンペルオキシド、2,2’,5,5’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(tert−ブチルペルオキシカルボニル)−4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、tert−ブチルペルオキシ安息香酸、ジ−tert−ブチルジペルオキシイソフタレート、1−メチル−1−フェニルエチルペルオキシド又はクメンハイドロペルオキサイドなどの有機過酸化物、9,10−アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノンなどのキノン類、ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン又はα−フェニルベンゾインなどのベンゾイン誘導体などが挙げられる。

0169

ラジカル開始剤の使用量は、液晶全体100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、より好ましいのは、0.1〜35質量部であり、特に好ましいのは、0.1〜10質量部である。また、これらラジカル開始剤は、液晶表示素子の光学特性や液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
加えて、本発明では、液晶表示素子における液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、有機リン酸化合物を液晶組成物中に導入することが好ましい。

0170

具体的には、例えば、トリフェニルホスフェイト、トリスノニルホスフェイトトリクレジルホスフェイトトリエチルホスフェイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスフェイト、ジエチルハイドロゲンホスフェイト、ジフェニルハイドロゲンホスフェイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスフェイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスフェイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイト又はジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイルフォスフォオキシドなどが挙げられる。なかでも、トリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェイト、ジフェニルハイドロゲンホスフェイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスフェイト又はジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフォンオキシドが好ましい。より好ましいのは、上記効果をより高めることができる点から、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスフェイト又はジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフォンオキシドである。
有機リン酸化合物の使用割合は、液晶全体100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、より好ましいのは、0.1〜20質量部であり、特に好ましいのは、0.1〜10質量部である。

0171

<垂直液晶配向膜及び液晶表示素子の作製方法、及び特定紫外線照射装置>
本発明の液晶表示素子に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板の他、アクリル基板ポリカーボネート基板、PET(ポリエチレンテレフタレート)基板などのプラスチック基板、更にはそれらのフィルムを用いることができる。液晶表示素子をリバース型素子として、調光窓などに用いる場合には、プラスチック基板やフィルムであることが好ましい。また、プロセスの簡素化の観点からは、液晶駆動のためのITO(Indium Tin Oxide)電極、IZO(Indium Zinc Oxide)電極、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)電極、有機導電膜などが形成された基板を用いることが好ましい。また、反射型のリバース型素子とする場合には、片側の基板のみにならば、シリコンウエハアルミニウムなどの金属や誘電体多層膜が形成された基板を使用できる。

0172

本発明の液晶表示素子は、基板の少なくとも一方が、液晶分子を垂直に配向させるような垂直液晶配向膜を有する。この垂直液晶配向膜は、液晶配向処理剤を基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理光照射などで配向処理をして得ることができる。ただし、本発明における垂直液晶配向膜の場合は、これら配向処理無しでも垂直液晶配向膜として用いることもできる。
液晶配向処理剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷オフセット印刷フレキソ印刷インクジェット法ディップ法ロールコータ法スリットコータ法スピンナー法又はスプレー法などがあり、基板の種類や目的とする垂直液晶配向膜の膜厚に応じて、適宜選択できる。

0173

液晶配向処理剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン又はIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、基板の種類や液晶配向処理剤に用いる溶媒に応じて、30〜300℃、好ましくは、30〜250℃の温度で溶媒を蒸発させて垂直液晶配向膜とすることができる。特に、基板にプラスチック基板を用いる場合には、30〜150℃の温度で処理することが好ましい。
焼成後の垂直液晶配向膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは、5〜500nmである。より好ましいのは、10〜300nmであり、特に好ましいのは、10〜250nmである。

0174

本発明で用いる液晶組成物は、そのなかに、液晶表示素子の電極間隙ギャップともいう。)、即ち、液晶層の厚みを制御するためのスペーサーを導入することもできる。液晶組成物の注入方法は、特に限定されないが、例えば、次の方法が挙げられる。即ち、基板にガラス基板を用いる場合、垂直液晶配向膜が形成された一対の基板を用意し、片側の基板の4片を、一部分を除いてシール剤を塗布し、その後、垂直液晶配向膜の面が内側になるようにして、もう片側の基板を貼り合わせた空セルを作製する。そして、シール剤が塗布されていない場所から、液晶組成物を減圧注入して、液晶組成物注入セルを得る方法が挙げられる。更に、基板にプラスチック基板やフィルムを用いる場合には、垂直液晶配向膜が形成された一対の基板を用意し、片側の基板の上にODF(One Drop Filling)法やインクジェット法などで、液晶組成物を滴下し、その後、もう片側の基板を貼り合わせて、液晶組成物注入セルを得る方法が挙げられる。本発明の液晶表示素子では、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性が高いため、基板の4片にシール剤を塗布しなくても良い。

0175

液晶表示素子のギャップは、前記のスペーサーなどで制御することができる。その方法は、前記の通りに液晶組成物中に目的とする大きさのスペーサーを導入する方法や、目的とする大きさのカラムスペーサーを有する基板を用いる方法などが挙げられる。また、基板にプラスチックフィルム基板を用いて、基板の貼り合わせをラミネートで行う場合は、スペーサーを導入せずに、ギャップを制御できる。
液晶表示素子のギャップの大きさ、即ち、液晶層の厚みは、1〜100μmが好ましく、より好ましいのは、3〜50μmであるり、特に好ましいのは、5〜20μmである。液晶層の厚みが薄すぎると、液晶表示素子のコントラストが低下し、液晶層の厚みが厚すぎると、素子の駆動電圧が高くなる。

0176

本発明の液晶表示素子は、紫外線を照射することで液晶組成物の硬化を行い、液晶組成物の硬化物複合体、即ち、液晶層を形成させて得られる。この液晶組成物の硬化は、前記の液晶組成物を注入したセルに、紫外線を照射して行う。その際に用いる紫外線を照射する装置(紫外線照射装置ともいう。)は、公知のものを用いることができる。
具体的に紫外線照射装置の光源としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ又は紫外線発光ダイオードなどが挙げられる。なかでも、本発明における紫外線照射装置の光源には、波長選択フィルターを用いなくても照射光強度のロスが無く、特定の波長の紫外線を照射することができ、更には、光源から発生する熱源を抑制できることから、紫外線発光ダイオード(紫外線発光ダイオードを用いた紫外線照射装置を特定紫外線照射装置ともいう。)を用いることが好ましい。また、この特定紫外線照射装置の光源は、より液晶組成物の硬化を促進させることができることから、装置の上下に配置されていることが好ましい。

0177

特定紫外線照射装置の好ましい具体例は、図1及び図2に示す通りである。
図1に、特定紫外線照射装置の1つ(特定紫外線照射装置−1)の構成図を示す。この図における「2」は発光部を示し、「3」は電力供給部を示す。発光部「2」は、光源として複数個の紫外線発光ダイオードを備えており、それらの紫外線発光ダイオードは、電力供給部「3」よりフレキシブルコード「6」を介して供給される電源電力を受けて発光し、目的とする強度の紫外線が照射できるように構成されている。これら紫外線発光ダイオードは、いずれも単波長の紫外線を発するものであり、液晶表示素子の作製のために必要な波長の紫外線を発するものである。

0178

また、発光部「2」は、図1中には記載されていないマニュピレーターの先端に取り付けられており、既定プログラムに従って、或いは操作者の制御下において、ワーキングスペース内の任意の位置へ自在に移動や停止させることができるようになっている。更に、発光部「2」或いは紫外線発光ダイオードの指向角度を自在に変更することができ、紫外線を目的とする方向へ照射することができる。従って、この特定紫外線照射装置−1は、処理対象物、即ち、前記の液晶組成物注入セルの一部のみを狭い範囲で部分的に露光させる必要がある場合や、複雑な形状や立体構造を有する処理対象物に対して紫外線の照射を行う場合などに、好適に用いることができる。

0179

更に、特定紫外線照射装置−1は、処理対象物、即ち、前記の液晶組成物注入セルに対する紫外線の照射光強度、明るさ及び温度を、常に監視するとともに、それらが一定の範囲内に収まるように制御される構成となっている。具体的には、紫外線発光ダイオードから照射される紫外線の強度及び処理対象物の表面における明るさと温度を測定するセンサー「4」が、発光部「2」の近傍に配置されており、このセンサー「4」による計測値がフレキシブルコード「7」を介して、制御装置「5」に常時入力される。この制御装置「5」は演算回路を内蔵しており、センサー「4」からの計測値を受けて、処理対象物に対する紫外線の照射光強度、明るさ及び温度を、一定の範囲内とするために必要な紫外線発光ダイオードの出力条件(供給電力の値ともいう。)を演算回路によって算出し、現行の出力条件との差をとって出力条件の補正値を算出する。この出力条件の補正値は、制御装置「5」から伝送路「8」を介して、電力供給部「3」へ伝達される。そして、電力供給部「3」は、伝達された補正値を受けて出力条件を変更する。その結果、紫外線の照射光強度、明るさ及び温度を、一定の範囲内に収めることができる。

0180

なお、制御対象項目は、処理対象物、即ち、前記の液晶組成物注入セルの種類や性質などに応じて任意に選択することができ、紫外線の照射光強度、明るさ及び温度のすべても制御することもでき、更には、これらのなかの一つあるいは二つのみを制御することもできる。また、各制御対象項目の上限値や下限値についても、処理対象物の種類や性質などに応じて任意に選択することができる。
加えて、紫外線発光ダイオードの先端に、フォーカシングレンズを設置することもできる。この場合、紫外線の照射光を絞り込むことができ、微小範囲、例えば1μm以下での紫外線の照射が可能となる。更に、フォーカシングレンズを自由に制御することができるようにした場合は、その性能の範囲内で、紫外線の照射範囲を自在に変更することができる。

0181

図2に、上記とは別の特定紫外線照射装置の1つ(特定紫外線照射装置−2)の構成図を示す。
図2に示されているとおり、特定紫外線照射装置−2は、所定の間隔を置いて上下二段に平行に配置された二つの発光部「2a」及び「2b」を有している。各発光部「2a」及び「2b」においては、光源として、多数(n×m個)の紫外線発光ダイオードが、それぞれ水平方向へ格子状(n行×m列)に整列配置されている。なお、特定紫外線照射装置−2は、各発光部「2a」及び「2b」において、紫外線発光ダイオードが、n行×m列の格子状に整列配置されているが、紫外線発光ダイオードが、千鳥状、放射状或いはハニカム状に配置された紫外線照射装置を用いることもできる。また、紫外線発光ダイオードの整列方向は、必ずしも水平方向である必要はなく、平面方向、即ち、一つの平面或いは緩やかな曲面に沿って整列されていれば良い。具体的に例えば、垂直方向に整列された構造の紫外線照射装置であっても良い。

0182

加えて、これら紫外線発光ダイオードは、特定紫外線照射装置−1と同様に、いずれも単波長の紫外線を発するものであり、液晶表示素子を作製するために必要な波長の紫外線を発するものである。
また、上部の発光部「2a」の紫外線発光ダイオードは、いずれも下向きに配置されており、電力供給部「3」よりケーブル「9a」を介して供給される電源電力を受けて発光し、目的の強度の紫外線をした方向へ照射できるようになっている。一方、下段の発光部「2b」の紫外線発光ダイオードは、いずれも上向きに配置されており、電力供給部「3」よりケーブル「9b」を介して供給される電源電力を受けて発光し、目的の強度の紫外線を上方向へ照射するように構成されている。このように、特定紫外線照射装置−2は、処理対象物、即ち、前記の液晶組成物注入セルに対して、面での紫外線の照射が可能であり、かつ、処理対象物の上面側と下面側を同時に紫外線の照射が可能になる。

0183

更に、特定紫外線照射装置−2は、処理対象物、即ち、前記の液晶組成物注入セルに対する紫外線の照射光強度、明るさ及び温度を常に監視するとともに、それらが一定の範囲内に収まるように制御される構成となっている。具体的には、紫外線発光ダイオードから照射される紫外線の強度及び処理対象物の表面における明るさと温度を測定するセンサー「4a」及び「4b」が、発光部「2a」及び「2b」の近傍に、それぞれ配置されており、このセンサー「4a」及び「4b」による計測値がケーブル「10a」及び「10b」を介して、制御装置「5」に常時入力される。この制御装置「5」は演算回路を内蔵しており、センサー「4a」及び「4b」からの計測値を受けて、処理対象物に対する紫外線の照射光強度、明るさ及び温度を、一定の範囲内とするために必要な紫外線発光ダイオードの出力条件(供給電力の値ともいう。)を演算回路によって算出し、現行の出力条件との差をとって出力条件の補正値を算出する。この出力条件の補正値は、制御装置「5」から伝送路「8」を介して、電力供給部「3」へ伝達される。そして、電力供給部「3」は、伝達された補正値を受けて出力条件を変更する。その結果、紫外線の照射光強度、明るさ及び温度を、一定の範囲内に収めることができる。

0184

なお、この特定紫外線照射装置−2においては、発光部「2a」及び「2b」に配置されているすべての紫外線発光ダイオードの出力(電力供給量ともいう。)を、それぞれ個別に調製することができる。また、センサー「4a」及び「4b」は、発光部「2a」及び「2b」に配置されている紫外線発光ダイオードの一つ一つに個別に対応しているため、すべての紫外線発光ダイオードの紫外線の照射光強度、明るさ及び温度を、それぞれ個別に制御することができる。したがって、照射される紫外線の照射光強度、明るさ及び処理対象物、即ち、前記の液晶組成物注入セルの表面温度のばらつきを無くすことができ、処理対象物表面のすべての領域に渡って均一に紫外線の照射を行うことができる。また、処理対象物の種類やその作製工程に応じて、予め、それぞれ適切な制御条件プロファイルともいう。)を作成しておき、紫外線の照射を行う際にそれらを適用することで、処理対象物の特性や目的などに応じた最適な紫外線の照射環境を作ることができる。

0185

プロファイルの具体例としては、(1)すべての紫外線発光ダイオードの照射光強度を100%とする (2)半数の紫外線発光ダイオードの照射光強度を100%とし、残りの半数の紫外線発光ダイオードの照射光強度を50%とする (3)全体の3分の1の紫外線発光ダイオードの照射光強度を50%とし、残りの紫外線発光ダイオードの照射光強度を25%とする などが挙げられる。
本発明の液晶表示素子を作製するためには、照射する紫外線の波長、照射光強度、明るさ及び温度を制御することができることから、前記の特定紫外線照射装置−1又は特定紫外線照射装置−2を用いることが好ましい。特に好ましいのは、特定紫外線照射装置−2を用いることである。

0186

特定紫外線照射装置−1又は特定紫外線照射装置−2を用いた際の紫外線発光ダイオードの紫外線の波長は、200〜500nmが好ましく、より好ましくは、250〜450nmであり、特に好ましいのは、300〜400nmである。
紫外線発光ダイオードの照射光強度は、0.1〜150mW/cm2が好ましく、より好ましいのは、0.1〜100mW/cm2であり、特に好ましいのは、1〜40mW/cm2である。最も好ましいのは、液晶表示素子における光学特性及び液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、1〜20mW/cm2である。

0187

紫外線の照射時間は、1〜600秒であることが好ましく、より好ましいのは、5〜300秒であり、特に好ましいのは、液晶表示素子における光学特性及び液晶層と垂直液晶配向膜との密着性の点から、5〜120秒である。
更に、紫外線を照射する際の処理対象物、即ち、前記の液晶組成物注入セルの表面温度は、0〜100℃であることが好ましく、より好ましいのは、10〜50℃である。特に好ましいのは、15〜30℃である。

0188

上記のように、液晶表示素子の作製工程における紫外線照射装置に、光源の強度、波長及び温度を制御できる特定紫外線照射装置を用い、また、液晶の垂直配向性が高く、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性が高い垂直液晶配向膜を用い、更には、液晶層と液晶配向膜との密着性が高くなる液晶組成物を用いた液晶表示素子は、良好な光学特性、即ち、電圧無印加時の透明性と電圧印加時の散乱特性が良好で、更には、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性が高い液晶表示素子となる。そのため、本発明の液晶表示素子は、表示を目的とする液晶ディスプレイや、光の透過と遮断を制御する調光窓や光シャッター素子などに好適に利用することができる。その際、この液晶表示素子の基板には、プラスチック基板やフィルムを用いることができる。

0189

また、本発明の液晶表示素子(本素子ともいう。)は、自動車鉄道及び航空機などの輸送機器輸送機械に用いる液晶表示素子、具体的には、光の透過と遮断を制御する調光窓やルームミラーに用いる光シャッター素子などに好適に用いることができる。特に、本素子は、前記の通り、電圧無印加時の透明性と電圧印加時の散乱特性が良好であることから、本素子を乗り物ガラス窓に使用した場合は、従来のリバース型素子を使用した場合に比べて、夜間時における光の取り入れ効率が高く、更に、外光からの眩しさを防ぐ効果も高くなる。そのため、乗り物を運転する際の安全性や乗車時の快適性を、より改善することが可能となる。また、本素子をフィルムで作製し、それを乗り物のガラス窓に貼って使用する場合、従来のリバース型素子に比べて素子の信頼性が高くなる。即ち、液晶層と垂直液晶配向膜との密着性が低いことが要因の不良や劣化が起こりにくくなる。

0190

加えて、本素子は、LCD(Liquid Crystal Display)やOLED(Organic Light-emitting Diode)ディスプレイなどのディスプレイ装置導光板やこれらディスプレイを用いた透明ディスプレイの裏板に用いることもできる。具体的には、透明ディスプレイの裏板に用いる場合、例えば、透明ディスプレイと本素子とを合わせて透明ディスプレイ上で画面表示を行う場合に、その背面からの光の入り込みを本素子で抑制するために用いることができる。その際、本素子は、透明ディスプレイ上で画面表示を行う際に電圧印加された散乱状態となり、画面表示を鮮明にすることができ、画面表示が終わった後には、電圧が無印加の透明状態となる。

0191

以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。以下で使用する略語は下記のとおりである。
(液晶)
L1:MLC−6608(メルク社製)
(重合性化合物)
R1〜R3:それぞれ、下記の式で表わされる化合物。
R4:フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー(下記の式[R4]で示される化合物が主成分の重合性化合物)

0192

0193

光開始剤



(化合物)
S1:テトラフェニルジプロピレングリコールジホスフェイト
<ポリイミド系重合体を作製するためのモノマー>

0194

(特定側鎖型ジアミン化合物
A1:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシメチル〕ベンゼン
A2:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)シクロへキシル〕フェノキシ}ベンゼン
A3:下記の式[A3]で示されるジアミン化合物
A4:1,3−ジアミノ−4−オクタデシルオキシベンゼン

0195

0196

(その他のジアミン化合物)
B1:m−フェニレンジアミン
B2:3,5−ジアミノ安息香酸

0197

(テトラカルボン酸成分)
C1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
C2:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
C3:下記の式[C3]で示されるテトラカルボン酸二無水物



<ポリシロキサン系重合体を作製するためのモノマー>
D1:下記の式[D1]で示されるアルコキシシランモノマー
D2:オクタデシルトリエトキシシラン
D3:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
D4:3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン
D5:テトラエトキシシラン

0198

<特定発生剤>

0199

<特定密着性化合物>

0200

<特定架橋性化合物>



<溶媒>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
γ−BL:γ−ブチロラクトン
BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル
PB:プロピレングリコールモノブチルエーテル
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル

0201

「ポリイミド系重合体の分子量測定
常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)(昭和電工社製)、カラム(KD−803,KD−805)(Shodex社製)を用いて、以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L(リットル)、リン酸無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK標準ポリエチレンオキサイド(分子量;約900,000、150,000、100,000及び30,000)(東ソー社製)及びポリエチレングリコール(分子量;約12,000、4,000及び1,000)(ポリマーラボラトリー社製)。

0202

「ポリイミド系重合体のイミド化率の測定」
ポリイミド粉末20mgをNMR核磁気共鳴サンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6,0.05質量%TMSテトラメチルシラン混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
(xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。)

0203

「ポリイミド系重合体の合成」
<合成例1>
C2(3.19g,12.8mmol)、A1(4.59g,11.6mmol)及びB2(2.16g,14.2mmol)をNMP(24.9g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、C1(2.50g,12.8mmol)とNMP(12.4g)を加え、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.85g)及びピリジン(2.40g)を加え、50℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(1)を得た。このポリイミドのイミド化率は56%であり、Mn(数平均分子量)は19,200、Mw(重量平均分子量)は56,900であった。

0204

<合成例2>
C2(1.12g,4.46mmol)、A2(3.91g,9.04mmol)、B2(1.72g,11.3mmol)及びB3(0.46g,2.26mmol)をNEP(21.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、C1(3.50g,17.9mmol)とNEP(10.7g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(2)を得た。このポリアミド酸のMnは20,900、Mwは63,900であった。

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