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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、光化学反応装置電極に対する太陽光の強度が強すぎて発生する異常化学反応を低減させることができる、光化学反応装置用集光装置を提供する。本発明による光化学反応装置用集光装置は、光化学反応装置(91)の電極に太陽光(90)を集光させるレンズ(10)と、レンズを光軸方向に移動させるレンズ移動装置と、光化学反応装置の電極を透過する太陽光の透過光(92)を撮像する撮像装置(16)と、撮像装置で撮像された画像の情報を基に、電極での異常化学反応の有無を検出する異常化学反応検出部と、異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときにレンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するように制御するレンズ位置制御部とを備える。

概要

背景

従来、特許文献1には、請求項7に、太陽電池の温度を安定化させる装置において、フレネルレンズ昇降させることにより集光度を調節することが開示されている。すなわち、太陽を追尾しつつ集光度を調節することが開示されており、例えば、正午では集光度を落とし、午前9時以前では集光度を増加させることが開示されている(段落0016参照)。

概要

本発明は、光化学反応装置電極に対する太陽光の強度が強すぎて発生する異常化学反応を低減させることができる、光化学反応装置用集光装置を提供する。本発明による光化学反応装置用集光装置は、光化学反応装置(91)の電極に太陽光(90)を集光させるレンズ(10)と、レンズを光軸方向に移動させるレンズ移動装置と、光化学反応装置の電極を透過する太陽光の透過光(92)を撮像する撮像装置(16)と、撮像装置で撮像された画像の情報を基に、電極での異常化学反応の有無を検出する異常化学反応検出部と、異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときにレンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するように制御するレンズ位置制御部とを備える。

目的

本発明の目的は、前記問題を解決する、光化学反応装置用集光装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

光化学反応装置電極太陽光集光させるレンズと、前記レンズを光軸方向に移動させるレンズ移動装置と、前記光化学反応装置の前記電極にて起こる光化学反応に関する情報を取得する光化学反応情報取得部と、前記光化学反応情報取得部で取得された前記光化学反応に関する情報を基に、前記電極での異常化学反応の有無を検出する異常化学反応検出部と、前記異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときに前記レンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するように制御するレンズ位置制御部とを備える光化学反応装置用集光装置

請求項2

前記化学反応情報取得部は、前記電極に集光された前記太陽光を撮像して、撮像された前記太陽光の画像の情報を前記光化学反応に関する情報として取得する撮像装置であり、前記異常化学反応検出部は、前記撮像装置で撮像された画像の情報を基に、前記太陽光の光強度分布を検出する光強度分布検出部と、前記光強度分布検出部で検出された前記光強度分布のピーク強度がピーク強度用閾値を超えたか否かを判定する判定部とを備え、前記光強度分布の前記ピーク強度が前記ピーク強度用閾値を超えたと前記判定部で判定した場合に、前記異常化学反応が検出されたと判定し、前記光強度分布の前記ピーク強度が弱くなるように、前記レンズ位置制御部で前記レンズを移動させるように制御する、請求項1に記載の光化学反応装置用集光装置。

請求項3

前記化学反応取得部は、前記電極で発生する電流値を測定して、測定された前記電流値を前記光化学反応に関する情報として取得する電流計であり、前記異常化学反応検出部は、前記電流計で測定された前記電流値が電流値用閾値を超えたか否かを判定する判定部を備え、前記電流値が前記電流値用閾値を超えたと前記判定部で判定した場合に、前記異常化学反応が検出されたと判定し、前記光強度分布の前記電流値が小さくなるように、前記レンズ位置制御部で前記レンズを移動させるように制御する、請求項1に記載の光化学反応装置用集光装置。

請求項4

前記異常化学反応検出部は、さらに、前記撮像装置で撮像された画像の情報を基に、前記太陽光の前記電極でのスポットサイズを算出するスポットサイズ算出部とを備え、前記光強度分布の前記ピーク強度が前記ピーク強度用閾値を超えたと前記判定部で判定した場合に、前記異常化学反応が検出されたと判定し、前記光強度分布の前記ピーク強度が弱くなるように、前記レンズ位置制御部で前記レンズを移動させて、前記太陽光の前記電極でのスポットサイズが前記算出されたスポットサイズよりも大きくなるように制御する、請求項2に記載の光化学反応装置用集光装置。

請求項5

前記光化学反応装置と前記レンズと前記レンズ移動装置とを支持し、太陽の位置に合わせて仰角及び方位角を移動させる追尾機構と、前記光化学反応装置と前記レンズと前記レンズ移動装置とを前記太陽の位置に合わせるように前記追尾機構の仰角及び方位角を移動させるように、前記追尾機構を動作制御する追尾機構制御部と、前記光化学反応装置の前記電極の有効反応領域内において前記太陽の前記太陽光の前記電極でのスポットが移動するように前記追尾機構の仰角及び方位角を移動させるように、前記追尾機構制御部を介して前記追尾機構を動作制御するスポット位置制御部とをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載の光化学反応装置用集光装置。

請求項6

前記スポット位置制御部による前記太陽の前記太陽光の前記電極での前記スポットの移動は、前記電極の有効反応領域内においてランダムに又はスパイラル状に前記スポットが移動する請求項5に記載の光化学反応装置用集光装置。

請求項7

光化学反応装置の電極に太陽光を集光させるレンズと、前記レンズを光軸方向に移動させるレンズ移動装置と、前記光化学反応装置の前記電極にて起こる光化学反応に関する情報を取得する光化学反応情報取得部とを備える光化学反応装置用集光装置の動作を制御する制御プログラムであって、コンピュータに、前記光化学反応情報取得部で取得された前記光化学反応に関する情報を基に、前記電極での異常化学反応の有無を検出する異常化学反応検出部と、前記異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときに前記レンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するように制御するレンズ位置制御部と、として機能させるための光化学反応装置用集光装置用制御プログラム。

技術分野

0001

本発明は、太陽光を利用して光化学反応を行う光化学反応装置の光化学反応装置用集光装置に関する。

背景技術

0002

従来、特許文献1には、請求項7に、太陽電池の温度を安定化させる装置において、フレネルレンズ昇降させることにより集光度を調節することが開示されている。すなわち、太陽を追尾しつつ集光度を調節することが開示されており、例えば、正午では集光度を落とし、午前9時以前では集光度を増加させることが開示されている(段落0016参照)。

先行技術

0003

特開2001−189470号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、前記構造を、太陽電池ではなく、光化学反応装置に適用した場合、光化学反応装置内で適切に光化学反応を起こすことができないという問題があった。

0005

従って、本発明の目的は、前記問題を解決する、光化学反応装置用集光装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。

0007

本発明の1つの態様によれば、光化学反応装置の電極に太陽光を集光させるレンズと、
前記レンズを光軸方向に移動させるレンズ移動装置と、
前記光化学反応装置の前記電極にて起こる光化学反応に関する情報を取得する光化学反応情報取得部と、
前記光化学反応情報取得部で取得された前記光化学反応に関する情報を基に、前記電極での異常化学反応の有無を検出する異常化学反応検出部と、
前記異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときに前記レンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するように制御するレンズ位置制御部とを備える光化学反応装置用集光装置を提供する。

0008

これらの概括的かつ特定の態様の一部は、システム、方法、コンピュータプログラム並びにシステム、方法及びコンピュータプログラムの任意の組み合わせにより実現してもよい。

発明の効果

0009

本発明の前記態様によれば、異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときにレンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するようにレンズ位置制御部で制御することにより、光化学反応装置内で適切に光化学反応を起こすことができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明の第1実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置の概略説明図
本発明の第1実施形態の変形例にかかる光化学反応装置用集光装置の概略説明図
光化学反応装置用集光装置の詳細なブロック図
光化学反応装置用集光装置の一部を示す説明図
第1実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置で使用可能な光化学反応装置の一例としての二酸化炭素還元するための装置の説明図
図4の二酸化炭素を還元するための装置の金属配線が形成されていない対極を示す説明図
図4の装置の複数の直線状の金属配線が形成されている対極を示す説明図
図4の装置のメッシュの形状を有する複数の直線状の金属配線が形成されている対極を示す説明図
図4の装置の対極の1つの具体的な例としてのアノード電極光化学電極)の拡大断面図
図4の装置の対極の別の具体的な例としてのアノード電極(光化学電極)の拡大断面図
図5Dの対極のさらに別の例のアノード電極(光化学電極)の拡大断面図
図5Eの対極のさらに別の例のアノード電極(光化学電極)の拡大断面図
本発明の第1実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置による光化学反応装置用集光方法を説明するためのフローチャート
本発明の第2実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置の詳細なブロック図
本発明の第2実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置でのスポットランダムに移動する状態を説明するための説明図
本発明の第2実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置の追尾機構の正面図
本発明の第2実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置の追尾機構の側面図
本発明の第2実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置による光化学反応装置用集光方法を説明するためのフローチャート
本発明の第3実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置の詳細なブロック図
本発明の第3実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置による光化学反応装置用集光方法を説明するためのフローチャート

実施例

0011

(本開示に至った知見)
特許文献1に記載されている構造を、太陽電池ではなく、光化学反応装置に適用した場合、次のような課題が生じ得る。つまり、レンズを移動させて太陽光を光化学反応装置のアノード電極に集光させるとき、集光度を一定にするように調節することはできるが、電極に対する太陽光の強度が強すぎる場合に集光度を低下させることができない。例えば、曇りから晴れ天候が変化し、電極に対する太陽光の強度が強すぎる場合には、アノード電極において発生した電子のすべてがカソード電極に流れず、アノード電極に過剰な電子が溜まることになる。すると、アノード電極自体で異常な化学反応を起こしてしまい、電極が溶け出すといった問題が生じ得る。

0012

従って、本開示の目的は、前記問題を解決することにあって、光化学反応装置の電極に対する太陽光の強度が強すぎて発生する異常化学反応を低減させることができる、光化学反応装置用集光装置を提供することにある。

0013

以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

0014

以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。

0015

本発明の第1態様によれば、光化学反応装置の電極に太陽光を集光させるレンズと、
前記レンズを光軸方向に移動させるレンズ移動装置と、
前記光化学反応装置の前記電極にて起こる光化学反応に関する情報を取得する光化学反応情報取得部と、
前記光化学反応情報取得部で取得された前記光化学反応に関する情報を基に、前記電極での異常化学反応の有無を検出する異常化学反応検出部と、
前記異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときに前記レンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するように制御するレンズ位置制御部とを備える光化学反応装置用集光装置を提供する。

0016

前記第1態様によれば、異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときにレンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するようにレンズ位置制御部で制御することにより、光化学反応装置内で適切に光化学反応を起こすことができる。具体的には、光化学反応装置の電極に対する太陽光の強度が強すぎて発生する異常化学反応を低減させることができる。

0017

本発明の第2態様によれば、前記化学反応情報取得部は、前記電極に集光された前記太陽光を撮像して、撮像された前記太陽光の画像の情報を前記光化学反応に関する情報として取得する撮像装置であり、
前記異常化学反応検出部は、
前記撮像装置で撮像された画像の情報を基に、前記太陽光の光強度分布を検出する光強度分布検出部と、
前記光強度分布検出部で検出された前記光強度分布のピーク強度がピーク強度用閾値を超えたか否かを判定する判定部とを備え、
前記光強度分布の前記ピーク強度が前記ピーク強度用閾値を超えたと前記判定部で判定した場合に、前記異常化学反応が検出されたと判定し、前記光強度分布の前記ピーク強度が弱くなるように、前記レンズ位置制御部で前記レンズを移動させるように制御する、第1態様に記載の光化学反応装置用集光装置を提供する。

0018

前記第2態様によれば、前記化学反応情報取得部として撮像装置を使用するようにしているので、太陽光の照射具合を直接読み取ることができ、前記異常化学反応の発生を事前予測可能となって、判定部への情報伝達の迅速化を図ることができる。

0019

本発明の第3態様によれば、前記化学反応取得部は、前記電極で発生する電流値を測定して、測定された前記電流値を前記光化学反応に関する情報として取得する電流計であり、
前記異常化学反応検出部は、
前記電流計で測定された前記電流値が電流値用閾値を超えたか否かを判定する判定部を備え、
前記電流値が前記電流値用閾値を超えたと前記判定部で判定した場合に、前記異常化学反応が検出されたと判定し、前記光強度分布の前記電流値が小さくなるように、前記レンズ位置制御部で前記レンズを移動させるように制御する、第1態様に記載の光化学反応装置用集光装置を提供する。

0020

前記第3態様によれば、前記化学反応情報取得部として電流計を使用するようにしているので、前記異常化学反応状態を直接的に把握することができ、判定部への情報伝達を確
実に行うことができる。

0021

本発明の第4態様によれば、前記異常化学反応検出部は、さらに、
前記撮像装置で撮像された画像の情報を基に、前記太陽光の前記電極でのスポットサイズを算出するスポットサイズ算出部とを備え、
前記光強度分布の前記ピーク強度が前記ピーク強度用閾値を超えたと前記判定部で判定した場合に、前記異常化学反応が検出されたと判定し、前記光強度分布の前記ピーク強度が弱くなるように、前記レンズ位置制御部で前記レンズを移動させて、前記太陽光の前記電極でのスポットサイズが前記算出されたスポットサイズよりも大きくなるように制御する、第2態様に記載の光化学反応装置用集光装置を提供する。

0022

前記第4態様によれば、前記異常化学反応検出部はスポットサイズ算出部をさらに備えるので、ピーク強度とスポットサイズの関係より、適切なピーク強度を得るスポットサイズを算出し、スポットサイズとレンズ位置の関係から、適切なレンズ移動距離を直ちに算出することが可能となって、正常な化学反応を得るレンズ位置を常に保持しておくことが可能となる。

0023

本発明の第5態様によれば、前記光化学反応装置と前記レンズと前記レンズ移動装置とを支持し、太陽の位置に合わせて仰角及び方位角を移動させる追尾機構と、
前記光化学反応装置と前記レンズと前記レンズ移動装置とを前記太陽の位置に合わせるように前記追尾機構の仰角及び方位角を移動させるように、前記追尾機構を動作制御する追尾機構制御部と、
前記光化学反応装置の前記電極の有効反応領域内において前記太陽の前記太陽光の前記電極でのスポットが移動するように前記追尾機構の仰角及び方位角を移動させるように、前記追尾機構制御部を介して前記追尾機構を動作制御するスポット位置制御部とをさらに備える、第1〜4のいずれか1つの態様に記載の光化学反応装置用集光装置を提供する。

0024

前記第5態様によれば、電極の有効反応領域内の同一位置に太陽光のスポットが常に配置されるのではなく、時間的に移動させることにより、電極の有効反応領域内の特定の位置でのみ化学反応が発生するのではなく、有効反応領域内で均等に化学反応が発生することにより、電極の長寿命化を図ることができる。

0025

本発明の第6態様によれば、前記スポット位置制御部による前記太陽の前記太陽光の前記電極での前記スポットの移動は、前記電極の有効反応領域内においてランダムに又はスパイラル状に前記スポットが移動する第5態様に記載の光化学反応装置用集光装置を提供する。

0026

前記第6態様によれば、電極の有効反応領域内の同一位置に太陽光のスポットが常に配置されるのではなく、時間的に移動させることにより、電極の有効反応領域内の特定の位置でのみ化学反応が発生するのではなく、有効反応領域内で均等に化学反応が発生することにより、電極の長寿命化を図ることができる。

0027

本発明の第7態様によれば、光化学反応装置の電極に太陽光を集光させるレンズと、
前記レンズを光軸方向に移動させるレンズ移動装置と、
前記光化学反応装置の前記電極にて起こる光化学反応に関する情報を取得する光化学反応情報取得部とを備える光化学反応装置用集光装置の動作を制御する制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記光化学反応情報取得部で取得された前記光化学反応に関する情報を基に、前記電極での異常化学反応の有無を検出する異常化学反応検出部と、
前記異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときに前記レンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するように制御するレンズ位置制御部と、
として機能させるための光化学反応装置用集光装置用制御プログラムを提供する。

0028

前記第7態様によれば、異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときにレンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するようにレンズ位置制御部で制御することにより、光化学反応装置内で適切に光化学反応を起こすことができる。具体的には、光化学反応装置の電極に対する太陽光の強度が強すぎて発生する異常化学反応を低減させることができる。

0029

以下、図面を参照して本発明における第1実施形態を詳細に説明する。

0030

(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置は、図1A図3に示すように、レンズ10と、レンズ移動装置25と、光化学反応情報取得部と、化学反応異常検出部20と、レンズ位置制御部22とを少なくとも備えて構成する。

0031

フレネルレンズなどの集光レンズ10は、太陽光90を、後述する光化学反応装置91の電極104に対して集光する。

0032

レンズ移動装置25は、集光レンズ10を光軸方向Zに進退移動させる。レンズ移動装置25は、連結部11aを有するレンズホルダ11と、ネジ軸12と、モータ13と、エンコーダ15とを備える。

0033

集光レンズ10はレンズホルダ11で保持されている。レンズホルダ11は、一端にナット状に加工された連結部11aを有しており、連結部11aが、レンズ10の光軸方向Zに平行な軸方向を有するネジ軸12にネジ込まれている。ネジ軸12は、モータ13の回転軸カップリング14を介して連結されており、モータ13の回転軸の正逆回転駆動により、ネジ軸12は正逆回転される。ネジ軸12が正逆回転されると、ネジ軸12に対してレンズホルダ11の連結部11aがネジ軸12の軸方向すなわちレンズ光軸方向Zに進退移動し、レンズ10がレンズ光軸方向Zに進退移動する。モータ13の回転軸には、エンコーダ15が連結されており、エンコーダ15でモータ13の回転軸の回転角度を検出して、エンコーダ信号として、後述するレンズ位置制御部22に出力する。

0034

光化学反応情報取得部は、光化学反応装置91の電極104にて起こる光化学反応に関する情報を取得するものであり、一例としては撮像装置である。また、この撮像装置の具体的な一例としては、カメラ16である。カメラ16は、光化学反応装置91の電極104の透過光92の画像を撮像して、画像データを取得して、化学反応異常検出部20に出力する。

0035

化学反応異常検出部20は、一例として、光強度分布検出部17と、スポットサイズ算出部18と、判定部19とで構成されている。

0036

光強度分布検出部17は、カメラ16で撮像した画像データが入力され、画像データを基に、光強度分布のピーク強度(最大光強度)を光強度測定値Imesとして求める。具体的には、光強度分布検出部17は、電極104の透過光92をカメラ16で観測することで検出する。光強度分布検出部17で検出された光強度分布の情報は、スポットサイズ算出部18に出力される。光強度分布の観測例を図2の80のグラフで示す。グラフ80の横軸は透過光92のスポットの位置であり、縦軸は光強度であり、最も高い高さがピーク強度(最大光強度)すなわち光強度測定値Imesである。

0037

スポットサイズ算出部18は、光強度分布検出部17で検出された光強度分布の情報を基に、電極104の透過光92の外径すなわちスポットサイズを算出して、算出結果を判定部19に出力する。スポットの観測例を図2の81の円で示す。円81の直径がスポットサイズである。

0038

判定部19は、光強度分布検出部17で検出された光強度分布のピーク強度がピーク強度用閾値を越えていないかどうかを判定する。もし、検出された光強度分布のピーク強度がピーク強度用閾値を越えていると判定部19で判定された場合には、その判定結果をレンズ位置制御部22に出力する。

0039

レンズ位置制御部22は、光強度分布のピーク強度が弱くなるように、スポットサイズ算出部18で算出されたスポットサイズよりも大きなスポットサイズとなるレンズ10の位置を算出する。ここで、レンズ移動量と光強度とスポットサイズとの関係を表すグラフ又はテーブルを予め作成して記憶部21に記憶させておき、レンズ位置制御部22で記憶部21のグラフ又はテーブルを参照することにより、光強度分布のピーク強度が弱くなるレンズ10の位置を目標値として算出する。一方、レンズ位置制御部22は、スポットサイズ算出部18で算出されたスポットサイズとネジ軸12のネジピッチとエンコーダ15の分解能及び回転角度の情報とから、測定時のレンズ10の位置を算出する。よって、測定時のレンズ10の位置と目標値として算出されたレンズ10の位置との差、すなわち、レンズ移動量をレンズ位置制御部22で求めて、レンズ位置制御部22からモータ13にモータ駆動信号として出力して、モータ13を駆動制御する。この結果、モータ13によりネジ軸12が回転されて、レンズ10が、目標値としてのレンズ10の位置まで光軸方向Zに移動し、光強度分布のピーク強度が弱くなり、電極104での異常化学反応が低減される。

0040

光化学反応装置用集光装置93を使用可能な光化学反応装置91は、一例として、二酸化炭素を還元するための装置が例示される。

0041

図4は、第1実施形態にかかる光化学反応装置91の一例としての二酸化炭素を還元するための装置を示す。当該装置は、陰極室102、陽極室105、及び、固体電解質膜106を具備する。

0042

陰極室102は、作用極101を具備する。

0043

作用極101は、第1電解液107に接している。具体的には、作用極101は第1電解液107に浸漬されている。

0044

作用極101の材料の例は、銅、金、銀、カドミウムインジウム、錫、鉛、又は、これらの合金である。作用極101の材料の好適な例は銅である。蟻酸の量を増やすためには、作用極101の材料の一例としてはインジウムである。作用極101の材料の他の例は、二酸化炭素を還元可能な金属化合物である。当該材料が第1電解液107に接する限り、作用極101の一部のみが第1電解液107に浸漬され得る。

0045

陽極室105は対極(陽極側の電極)104を具備する。

0046

対極104は、第2電解液108に接している。具体的には、対極104は第2電解液108に浸漬されている。

0047

対極104は、図5Aに示されるように、窒化物半導体から形成される窒化物半導体領
域(有効反応領域)302を表面に具備する。当該窒化物半導体は、好ましくは窒化ガリウム又は窒化アルミニウムガリウムである。図5Aでは、対極104の表面の一部に正方形窒化物半導体領域302が形成されている。しかし、対極104の全ての表面に窒化物半導体領域302が形成され得る。窒化物半導体領域302の形状は正方形に限定されない。

0048

図5B及び図5Cに示されるように、一例として、窒化物半導体領域302に金属配線303が設けられる。金属配線303は、一例として、窒化物半導体領域302に接する。窒化物半導体領域302には、レンズ10を介して太陽光90が照射される。太陽光90は金属配線303にも照射される。

0049

図5Bに示されるように、複数の金属配線303が設けられ得る。各金属配線303は線状である。そして、当該複数の金属配線303は互いに平行である。

0050

図5Cに示されるように、メッシュの形状を有する複数の金属配線303が設けられ得る。金属配線303の形状は特に限定されない。

0051

金属配線303は、一例として、窒化物半導体とオーミック接合とを形成し得る。金属配線303の材料の一例は、チタンである。具体的には、金属配線303は、チタン配線、チタン/ニッケル積層配線、チタン/アルミニウム積層配線、チタン/金積層配線、又はチタン/銀積層配線である。金属配線303の材料の好適な例は、チタン/ニッケル積層配線である。

0052

当該窒化物半導体が第2電解液108に接する限り、対極104の一部のみが第2電解液108に浸漬され得る。

0053

対極104の一例について、説明する。

0054

図5Dは、対極104の一例としてのアノード電極(光化学電極)104Aの基本構造を示す。アノード電極104Aは、太陽光が照射される面側から順に、窒化物半導体材料で構成される第1半導体層211と、導電性基材215と、pn接合構造を有する第2半導体層212とが積層された構造を有する。また、アノード電極104Aは、前記構造に加え、導電性基材215と第2半導体層212とを電気的に接続する電極部216と、端子電極部217とを有する。

0055

第1半導体層211は、AlxGa1−xN層(0≦x≦0.25、以下、「AlGaN層」とも記す。)213、及びn型GaN層(以下、「n−GaN層」とも記す。)214から構成される。

0056

第2半導体層212は、pn接合構造を有するものであり、第1半導体層211のn−GaN層214側とp型半導体層を介して電気的に接続される。

0057

アノード電極104Aの作製方法は限定されないが、一般的に下記の方法1と方法2とがある。

0058

方法1は、まず、ベースとなる導電性基材215の一方の面に、n−GaN層214、AlGaN層213の順に第1半導体層211を形成する。次に、導電性基材215の他方の面に、電極部216を介して、pn接合構造を有する第2半導体層212を形成する。なお、第2半導体層212のp型半導体層は、電極部216側となるよう形成される。その後、第2半導体層212のn型半導体層に、端子電極部217を付加する。これによ
り、アノード電極104Aを作製できる。

0059

また、方法2は、まず、ベースとなる導電性基材215の一方の面に、n−GaN層214、AlGaN層213の順に第1半導体層211を形成する。次に、別途作製したpn接合構造を有する第2半導体層212からなる構造体を、電極部216を介して導電性基材215の他方の面に電気的に接続する。その後、第2半導体層212のn型半導体層に、端子電極部217を付加する。これにより、アノード電極104Aを作製できる。なお、方法2により作製されたアノード電極104Aおいて、電極部216は、導電性基材215の他方の面及び第2半導体層212のp型半導体層の表面の一部に設けられる。

0060

端子電極部217は、アノード電極104Aの接続端子であり、導線を介してカソード電極に接続される。その際、アノード電極104Aとカソード電極とは、ポテンショスタット等の外部電源を介することなく、電気的に接続される。

0061

なお、アノード電極104Aを構成する窒化物半導体からなる第1半導体層211は、薄膜として形成することが一般的であり、導電性基材215上へ窒化物半導体の薄膜を形成することが可能な方法であれば、特に限定されない。例えば、有機金属気相エピタキシー法などが挙げられる。

0062

導電性基材215は、第2半導体層212にも光を照射させる必要があることを考慮し、透光性を有するものである。導電性基材215の材料として、例えば、低抵抗単結晶窒化ガリウム(GaN)基材酸化ガリウム(Ga2O3)基材、炭化シリコン(SiC)基材、又は酸化亜鉛(ZnO)基材等が挙げられる。

0063

また、電極部216は、薄膜状の金属層であり、例えば、真空蒸着法により作製される。なお、導電性基材215と第2半導体層212とが損失無く電気的に接続可能な場合は、電極部216を省略し、直接、導電性基材215と第2半導体層212とを接続してもよい。

0064

図5Eは、図5Dの電極部216の代わりに、透明導電層219を介して、第1半導体層211と第2半導体層212とを接合した、対極104の別の例としてのアノード電極104Bを示す断面図である。アノード電極の構成は、第1半導体層211と第2半導体層212とが電気的に接続され、かつ第2半導体層212に第1半導体層211の透過光が照射される構成であれば、接続部の構成は限定されない。

0065

さらに、アノード電極104A及び104Bの酸素生成効率及び耐久性を高めるために、図5Fのアノード電極104C及び図5Gのアノード電極104Dとして示されるように、複数の酸化ニッケル微粒子218が、AlGaN層213の表面に分散され得る。

0066

陰極室102の内部には、第1電解液107が保持される。陽極室105の内部には、第2電解液108が保持される。

0067

第1電解液107の例は、炭酸水素カリウム水溶液炭酸水素ナトリウム水溶液塩化カリウム水溶液硫酸カリウム水溶液、又は、リン酸カリウム水溶液である。第1電解液107の好適な例は、炭酸水素カリウム水溶液である。第1電解液107は、一例として、二酸化炭素が第1電解液107に溶解した状態において弱酸性である。

0068

第2電解液108の例は、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液である。第2電解液108の好適な例は、水酸化ナトリウム水溶液である。第2電解液108は、一例として強塩基性である。

0069

第1電解液107の溶質と第2電解液108の溶質は同一であってもよいが、異なっていてもよい。

0070

第1電解液107は二酸化炭素を含有する。二酸化炭素の濃度は特に限定されない。

0071

第1電解液107を第2電解液108から分離するために、固体電解質膜106は陰極室102及び陽極室105の間に挟まれている。すなわち、本装置では、第1電解液107及び第2電解液108は混ざらない。

0072

固体電解質膜106は、プロトンのみが通過し、かつ、他の物質が通過できない限り、特に限定されない。固体電解質膜106の例は、ナフィオン登録商標)である。

0073

作用極101は作用極端子110を具備する。対極104は対極端子111を具備する。

0074

作用極端子110及び対極端子111は、導線112により電気的に接続されている。すなわち、作用極101は導線112を介して対極104に電気的に接続されている。図5B及び図5Cに示されるように、金属配線303は、対極端子111に電気的に接続されている。本装置では、作用極101及び対極104の間には、電源が電気的に挟まれていない。電源の例は、電池及びポテンシオスタットである。

0075

(二酸化炭素の還元方法
次に、上述された装置を用いて、二酸化炭素を還元する方法を説明する。

0076

二酸化炭素還元装置は、室温かつ大気圧下に置かれ得る。

0077

図4に示されるように、レンズ10を介して、窒化物半導体領域302に太陽光90が照射される。窒化物半導体領域302の少なくとも一部に太陽光90が照射される。窒化物半導体領域302の全てに太陽光90が照射され得るようにしてもよい。太陽光90は、作用極101には照射されない。

0078

金属配線303は、窒化物半導体領域302の表面に設けられ得る。すなわち、太陽光90は金属配線303及び窒化物半導体領域302に照射される。さらに、金属配線303は、一例として、絶縁性材料(図示せず)で被覆されている。

0079

図4に示されるように、本装置は、一例として、上端外気と連通する管109を具備する。一例として、当該管109を通って第1電解液107に二酸化炭素が外気から供給されながら、第1電解液107に含有される二酸化炭素が還元される。管109の下端は、第1電解液107に浸漬されている。別の例としては、二酸化炭素の還元を開始する前に、管109を通って二酸化炭素を供給することによって、充分な量の二酸化炭素を第1電解液107に溶解することも可能である。

0080

作用極101が、銅、金、銀、カドミウム、インジウム、錫、又は、鉛のような金属を具備する場合、第1電解液107に含有される二酸化炭素は還元されて、一酸化炭素又は蟻酸を生成することができる。

0081

次に、光化学反応装置用集光装置93を使用して行う光化学反応装置用集光方法について、図6のフローチャートを基に説明する。

0082

まず、ステップS1において、光化学反応装置91の電極104における光強度分布のピーク強度の設定値Ioptmを決めて、入力装置23などから設定値Ioptmをピーク強度用閾値として記憶部20に記憶させる。この設定値Ioptmは、後のステップにおいて判定部19でピーク強度用閾値としても使用する。設定値Ioptmとしては、光化学反応装置91の電極104が異常に化学反応して溶け出すような異常化学反応が発生する最大限度の光強度Imax(例えば、5W/cm2)を設定してもよい。又は、設定値Ioptmは、平均的な太陽光の強度Iaveとして、例えば、1W/cm2のような値を設定してもよい。また、設定値Ioptmとしては、最大限度の光強度Imaxそのものの値を設定するのではなく、若干の許容範囲を設けるため、最大限度の光強度Imaxから許容範囲の数値だけ小さな値を設定してもよい。

0083

次いで、ステップS2において、記憶部20に記憶させた設定値Ioptmに基づいてレンズ位置制御部22でモータ13を駆動して、レンズ10を光軸方向Zに移動させるとともに、光化学反応装置91の電極104における光強度分布のピーク強度の光強度測定値Imesを測定する。光強度測定値Imesが設定値Ioptmになる位置まで、レンズ位置制御部22でモータ13を駆動して、レンズ10を光軸方向Zに移動させる。光強度分布のピーク強度の光強度測定値Imesは、光強度分布検出部17により光強度分布を検出し、その高さを光強度測定値Imesとする。

0084

次いで、ステップS3において、光化学反応装置91の電極104における光強度測定値Imesが設定値Ioptmになったのち、所定時間後、再び、光強度分布のピーク強度をカメラ16で測定して、光強度分布検出部17で光強度測定値Imesを求めて、光強度測定値Imesを判定部19へ出力する。

0085

このとき、光強度測定値Imesの測定は、まず、カメラ16で、光化学反応装置91の電極104の透過光92を撮像して観測し、撮像画像を光強度分布検出部17に出力する。次いで、光強度分布検出部17では、撮像画像を基に光強度分布のピーク強度を光強度測定値Imesとして求め、求められた光強度分布の情報をスポットサイズ算出部18へ出力する。次いで、スポットサイズ算出部18では、光強度分布の情報を基に、スポットサイズ(透過光92の直径)を求める。スポットサイズ算出部18で求められたスポットサイズと、光強度分布検出部17で求められた光強度分布のピーク強度である光強度測定値Imesとの情報を、スポットサイズ算出部18から判定部19へ出力する。

0086

次いで、ステップS4において、光強度測定値Imesが設定値Ioptm以下であるか否かを判定部19で判定する。

0087

ステップS4において光強度測定値Imesが設定値Ioptm以下であると判定部19で判定する場合、ステップS5に進む。すなわち、光強度測定値Imesが設定値Ioptm以下であると判定部19で判定する場合、光強度不足であり、人工光合成の効率が低下しているので、光強度を上げるようにレンズ10を移動させる必要がある。よって、ステップS5に進み、光強度を上げる方向に、言い換えれば、スポットサイズが小さくなる方向にレンズ10を移動させるためのレンズ移動量をレンズ位置制御部22で算出する。具体的には、レンズ位置制御部22が光強度測定値Imesと設定値Ioptmとの差を求め、その差を基に、レンズ位置制御部22が記憶部21を参照して、レンズ移動量を算出する。その後、ステップS6に進む。

0088

このとき、レンズ移動量は、以下のようにして、レンズ位置制御部22で算出する。

0089

まず、レンズ位置と光強度とスポットサイズとの関係を表すグラフ又はテーブルを予め作成して記憶部21に記憶させておく。光強度測定値Imesが設定値Ioptm以下で
あると判定部19で判定する場合(例えば、光強度測定値Imesが設定値Ioptm以下でかつ両者の差が誤差範囲よりも大きいと判定部19で判定する場合)、光強度測定値Imesと設定値Ioptmとに基づき、レンズ位置制御部22が光強度測定値Imesと設定値Ioptmとの差を求める。次いで、その差と、スポットサイズ算出部18で求められた測定時のスポットサイズと、測定時のレンズ10の位置とを基に、レンズ位置制御部22が、記憶部21を参照して、レンズ移動量を決定する。すなわち、光強度測定値Imesと設定値Ioptmとの差から、測定時のスポットサイズをどこまで大きくするかを算出し、算出したスポットサイズに対応するレンズ10の位置を求め、算出した位置と測定時のレンズ10の位置との差がレンズ移動量である。なお、レンズ位置制御部22は、スポットサイズ算出部18で算出されたスポットサイズとネジ軸12のネジピッチとエンコーダ15の分解能及び回転角度の情報とから、測定時のレンズ10の位置を算出する。

0090

一方、ステップS4において光強度測定値Imesが設定値Ioptmを越えると判定部19で判定する場合、ステップS8に進む。すなわち、光強度測定値Imesが設定値Ioptmを越えると判定部19で判定する場合、光強度が過大であり、先に説明したように光化学反応装置91の電極104に損傷が発生する可能性があるので、光強度を下げるようにレンズ10を移動させる必要がある。よって、ステップS8に進み、光強度を下げる方向に、言い換えれば、スポット径が大きくなる方向にレンズ10を移動させるためのレンズ移動量をレンズ位置制御部22で算出する。具体的には、レンズ位置制御部22が光強度測定値Imesと設定値Ioptmとの差を求め、その差を基に、レンズ位置制御部22が記憶部21を参照して、レンズ移動量を算出する。その後、ステップS6に進む。

0091

次いで、ステップS6において、レンズ位置制御部22では、算出したレンズ移動量に基づき、モータ13を駆動して、レンズ10をレンズ移動量だけ移動させる。その後、ステップS7に進む。

0092

次いで、ステップS7において、レンズ10をレンズ移動量だけ移動させたのち、所定時間後、再び、光強度をカメラ16で測定して、光強度測定値Imesを求めて、判定部19へ出力する。その後、ステップS4に戻る。

0093

ここで、レンズ10を頻繁に移動させるのを避ける場合には、光強度測定値Imesが設定値Ioptm以下であっても、所定の許容範囲内であると判定部19で判定する場合、レンズ10は移動させずに、そのままの位置で維持するようにしてもよい。そして、光強度測定値Imesが設定値Ioptm以下であり、かつ、所定の許容範囲外であると判定部19で判定する場合のみ、光強度不足として、先のレンズ移動動作を行うようにしてもよい。

0094

前記第1実施形態によれば、異常化学反応検出部20で異常化学反応が検出されたときにレンズ10を移動させて、異常化学反応の発生を低減するようにレンズ位置制御部22で制御することにより、光化学反応装置91の電極104に対する太陽光90の強度が強すぎて発生する異常化学反応を低減させることができる。

0095

なお、第1実施形態では、化学反応情報の取得のために、化学反応情報取得部の一例としてのカメラ16を用いてその画像データを取得して、取得した画像データを、図2に示す化学反応異常検出部20に出力している。しかしながら、これに限られるものではなく、化学反応情報の取得には、カメラ16による画像データの代わりに、作用極端子110と対極端子111の間に電流計を化学反応情報取得部の別の例として挿入し、この電流値Amesを化学反応情報として化学反応異常検出部20に出力する構成としてもよい。

0096

即ち、電流値Amesを化学反応異常検出部20内の判定部19に直接入力する構成とする。そして、電流値Amesが電流値用閾値を越えたと判定部19で判定する場合、レンズ10を電極104から遠ざける方向に移動させ、レンズ10による集光を緩めるようにすれば、化学反応は異常状態脱出して正常状態復帰させることができ、その時点でレンズ移動を停止させればよく、化学反応は正常状態を維持することができる。

0097

なお、上述した電流計を挿入する構成の代わりに、作用極端子110と対極端子111間の電位を測定するための電位計を化学反応情報取得部のさらに別の例として構成しても、同様の効果が得られる。

0098

なお、第1実施形態では、電極104の透過光92を撮像装置としてのカメラ16で観測する構成が、カメラ16を光の入射側、即ちレンズ10が配置される側に設置して、透過光ではなく、電極104の反射散乱光を観測することも有効である。この場合、散乱光の強度と光が散乱する範囲、即ち散乱領域が同時に観測されることになり、散乱光の強度の定義をImesとし、散乱領域を前述したスポットサイズに置き換えて処理すればよい。

0099

この場合のカメラ16を設置する位置は、図1Bに示すように、アーム16aを介してカメラ16をレンズ10が配置される側に向けるような箇所である。

0100

(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置について説明する。図7Aに示すように、第2実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置が第1実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置と異なる点は、太陽軌道計算部40と、太陽光追尾機構42と、追尾機構制御部41と、スポット位置制御部43とを備えていることである。

0101

太陽軌道計算部40は、公知のように太陽の軌道を計算して、計算結果として、仰角位置情報方位角位置情報を追尾機構制御部41に出力する。

0102

ここで、太陽を追尾する構成としては、たとえば、太陽追尾装置が太陽光を検出するセンサを備え、このセンサが検出する太陽光の強さに基づいて、太陽を追尾する構成が知られている。すなわち、センサが検出する太陽光が最も強くなる方角に太陽が位置するものとみなし、レンズ10の光軸方向Zを当該方角に向けるという構成である。このほかにも、日付と時刻とに基づいて、太陽の方角(方位角と仰角)を算出し、算出した方角に、レンズ10の光軸方向Zを向けるという構成も知られている。さらに、これら二つの構成を組み合わせた構成も知られている。これらの太陽を追尾する構成により求められた仰角位置情報と方位角位置情報を太陽軌道計算部40から追尾機構制御部41に出力する。

0103

追尾機構制御部41は、太陽軌道計算部40から出力される仰角位置情報と方位角位置情報とを基に、追尾機構42を駆動制御する。

0104

追尾機構42は、図8A及び図8Bに示すように、方位角用モータ51と、方位角用ウォームギヤ52と、方位角用ロータリエンコーダ53と、方位角用旋回機構59と、仰角用モータ55と、仰角用ウォームギヤ56と、仰角用ロータリエンコーダ57と仰角用旋回機構60とを備えて構成する。第1実施形態の光化学反応装置用集光装置は、方位角用旋回機構59の上部に支持されている(図1A参照)。

0105

追尾機構制御部41の制御の下に方位角用モータ51が正逆回転駆動される。方位角用モータ51の正逆回転駆動により方位角用ウォームギヤ52を正逆回転させ、方位角用ウ
ォームギヤ52に螺合した方位角用旋回機構59が方位角用中心軸54周りに正逆回転する。方位角用モータ51の正逆回転は、方位角用ロータリエンコーダ53により検出されて、追尾機構制御部41に出力される。

0106

また、追尾機構制御部41の制御の下に仰角用モータ55が正逆回転駆動される。仰角用モータ55の正逆回転駆動により仰角用ウォームギヤ56を正逆回転させ、仰角用ウォームギヤ56に螺合した仰角用旋回機構60が仰角用中心軸58周りに正逆回転する。仰角用モータ55の正逆回転は、仰角用ロータリエンコーダ57により検出されて、追尾機構制御部41に出力される。

0107

スポット位置制御部43は、光化学反応装置91の電極104の有効反応領域302内において(有効反応領域302内からはみ出ない範囲で)太陽の透過光92のスポットが移動するように追尾機構42の仰角の位置情報及び方位角の位置情報を算出して、算出結果を追尾機構制御部41に出力する。追尾機構制御部41は、スポット位置制御部43から入力された仰角の位置情報及び方位角の位置情報に基づき、追尾機構42を動作制御して、透過光92のスポットを移動させる。スポット位置制御部43による太陽の透過光92のスポットの移動は、電極104の有効反応領域302内においてランダムに(図7B参照)又はスパイラル状に又は円周上を移動するように、スポットが移動する。ただし、図7Bでは、黒丸印は、透過光92のスポットの配置可能な位置であり、電極104の有効反応領域302内で同時にすべての黒丸印に透過光92が配置されるのではなく、いずれか1つの黒丸印にのみ透過光92が配置されることを意味している。スパイラル状にスポットが移動するとは、透過光92のスポットが例えば電極104の有効反応領域302の中心位置から渦巻を描くように外周に向けて旋回しながら移動する状態を意味する。このように、同一位置に透過光92のスポットが常に配置されるのではなく、時間的に移動させることにより、電極104の有効反応領域302内の特定の位置でのみ化学反応が発生するのではなく、有効反応領域302内で均等に化学反応が発生することにより、電極104の長寿命化を図ることができる。

0108

スポット位置制御部43において、光化学反応装置91の電極104の有効反応領域302内で太陽の透過光92のスポットが移動させるタイミングとしては、常時(警告信号の有無とは無関係に、例えば、一日間隔など所定時間間隔で)移動させる場合に限らず、例えば、第1実施形態の判定部19で、検出された光強度分布のピーク強度がピーク強度用閾値を越えていると判定された場合に、判定部19から警告信号をスポット位置制御部43に出力し、判定部19から警告信号がスポット位置制御部43に入力されると、スポットを移動させるようにしてもよい。

0109

このような、警告信号に基づくスポット位置制御について、以下に説明する。

0110

すなわち、図9に示すように、ステップS4で検出された光強度分布のピーク強度がピーク強度用閾値を越えていると判定されてステップS8に進んだ後、ステップS10に進む。

0111

ステップS10では、判定部19からスポット位置制御部43に警告信号を出力する。その後、ステップS6に進む。

0112

ステップS6を第1実施形態と同様に行ったのち、ステップS11に進む。

0113

ステップS11では、判定部19からスポット位置制御部43に警告信号が入力されておれば、前記したスポット位置制御を行う。具体的には、スポット位置制御部43で、光化学反応装置91の電極104の有効反応領域302内において、太陽の透過光92のス
ポットがランダムに又はスパイラル状に又は円周上を移動するように追尾機構42の仰角の位置情報及び方位角の位置情報を算出して、算出結果を追尾機構制御部41に出力する。追尾機構制御部41は、スポット位置制御部43から入力された仰角の位置情報及び方位角の位置情報に基づき、追尾機構42を動作制御して、透過光92のスポットをランダムに又はスパイラル状に又は円周上を移動させる。その後、ステップS7に進む。

0114

この第2実施形態によれば、電極104の有効反応領域302内の同一位置に透過光92のスポットが常に配置されるのではなく、時間的に移動させることにより、電極104の有効反応領域302内の特定の位置でのみ化学反応が発生するのではなく、有効反応領域302内で均等に化学反応が発生することにより、電極104の長寿命化を図ることができる。

0115

なお、第2実施形態では、化学反応状態の検出にカメラ16を用いてその画像データを取得することにより、図7Aに示す化学反応異常検出部20に出力していたが、化学反応状態の検出にはカメラ16による画像データの代わりに、作用極端子110と対極端子111の間に電流計を挿入し、この電流値Amesを化学反応異常検出部20に出力する構成としてもよい。

0116

即ち、電流値Amesを化学反応異常検出部20内の判定部19に直接入力する構成とする。この場合、電流値Amesが閾値を越えたタイミングで警告信号が判定部19からスポット位置制御部43に出力されることとなる。

0117

なお、上述した電流計を挿入する構成の代わりに、作用極端子110と対極端子111間の電位を測定するための電位計を構成しても同様の効果が得られる。

0118

(第3実施形態)
図10は本発明の第3実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置の詳細なブロック図であり、図11は、本発明の第3実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置による光化学反応装置用集光方法を説明するためのフローチャートである。第3実施形態にかかる光化学反応装置用集光装置は、第1実施形態の光化学反応装置用集光装置93Cの化学反応異常検出部20Cにおいて、スポットサイズ算出部を省略して、光強度分布検出部17で検出した光強度分布のピーク強度(最大光強度)である光強度測定値Imesがピーク強度用閾値ITHR以下であるかを判定部19で判定するものである(ステップS4A参照)。

0119

よって、図11のフローチャートにおいて、ステップS1〜ステップS3は第1実施形態と同様の動作を行ったのち、ステップS4Aに進む。

0120

ステップS4Aにおいては、光強度測定値Imesがピーク強度用閾値ITHR以下であると判定部19で判定する場合、ステップS5に進む。すなわち、光強度測定値Imesがピーク強度用閾値ITHR以下であると判定部19で判定する場合、光強度不足であり、人工光合成の効率が低下しているので、光強度を上げるようにレンズ10を移動させる必要がある。よって、ステップS5に進み、光強度を上げる方向に、言い換えれば、スポットサイズが小さくなる方向にレンズ10を移動させるためのレンズ移動量をレンズ位置制御部22で算出する。具体的には、レンズ位置制御部22が光強度測定値Imesとピーク強度用閾値ITHRとの差を求め、その差を基に、レンズ位置制御部22が記憶部21を参照して、レンズ移動量を算出する。その後、ステップS6に進む。

0121

一方、ステップS4Aにおいて光強度測定値Imesがピーク強度用閾値ITHRを越えると判定部19で判定する場合、ステップS8に進む。すなわち、光強度測定値Ime
sがピーク強度用閾値ITHRを越えると判定部19で判定する場合、光強度が過大であり、先に説明したように光化学反応装置91の電極104に損傷が発生する可能性があるので、光強度を下げるようにレンズ10を移動させる必要がある。よって、ステップS8に進み、光強度を下げる方向に、言い換えれば、スポット径が大きくなる方向にレンズ10を移動させるためのレンズ移動量をレンズ位置制御部22で算出する。具体的には、レンズ位置制御部22が光強度測定値Imesとピーク強度用閾値ITHRとの差を求め、その差を基に、レンズ位置制御部22が記憶部21を参照して、レンズ移動量を算出する。その後、ステップS6に進む。

0122

ステップS6などの他のステップの動作は、第1実施形態と同様である。

0123

この第3実施形態によれば、スポットサイズ算出部を省略することができて、構造的によりコンパクトなものとなる。

0124

なお、本発明を第1〜第3実施形態及び変形例に基づいて説明してきたが、本発明は、前記の第1〜第2実施形態及び変形例に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。

0125

前記各部の一部又は全部は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニットディスプレイユニットキーボードマウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各部は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コード複数個組み合わされて構成されたものである。

0126

例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、前記実施形態又は変形例における集光装置の一部を構成する要素の一部又は全部を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、
前記光化学反応情報取得部で取得された前記光化学反応に関する情報を基に、前記電極での異常化学反応の有無を検出する異常化学反応検出部と、
前記異常化学反応検出部で異常化学反応が検出されたときに前記レンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するように制御するレンズ位置制御部と、
として機能させるための制御プログラムである。

0127

また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスク磁気ディスク、又は、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。

0128

また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。

0129

なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。

0130

本発明にかかる光化学反応装置用集光装置は、異常化学反応検出部で異常化学反応が検
出されたときにレンズを移動させて、異常化学反応の発生を低減するようにレンズ位置制御部で制御することにより、光化学反応装置内で適切に光化学反応を起こすことができ、太陽光を利用して光化学反応を行う光化学反応装置の光化学反応装置用集光装置等として有用である。

0131

10レンズ
11レンズホルダ
11a 連結部
12ネジ軸
13モータ
14カップリング
15エンコーダ
16カメラ
17光強度分布検出部
18スポットサイズ算出部
19 判定部
20,20C化学反応異常検出部
21 記憶部
22レンズ位置制御部
23入力装置
25レンズ移動装置
40太陽軌道計算部
41追尾機構制御部
42 追尾機構
43 スポット位置制御部
51方位角用モータ
52 方位角用ウォームギヤ
53 方位角用ロータリエンコーダ
54 方位角用中心軸
55仰角用モータ
56仰角用ウォームギヤ
57 仰角用ロータリエンコーダ
58 仰角中心軸
59 方位角用旋回機構
60 仰角用旋回機構
80 光強度分布の観測例
81 スポットの観測例
90太陽光
91光化学反応装置
92透過光
93,93C 光化学反応装置用集光装置
101作用極
102陰極室
104電極
104A、104B、104C、104Dアノード電極
105陽極室
106固体電解質膜
107 第1電解液
108 第2電解液
109 管
110 作用極端子
111対極端子
112導線
211 第1半導体層
212 第2半導体層
213AlGaN層
214 n型GaN層
215導電性基材
216電極部
217端子電極部
302窒化物半導体領域
303 金属配線

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