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技術 車両

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 本多智一小林章良吉見慎太郎
出願日 2014年7月30日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-529584
公開日 2017年3月2日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 WO2015-016236
状態 特許登録済
技術分野 駆動装置の関連制御、車両の運動制御 車両の電気的な推進・制動 ハイブリッド電気車両
主要キーワード 滑り度合い 前側モータ 空気エンジン 六輪車 フィードフォワード制御用 直流式 ブラシレス式 読み込み値
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図面 (10)

課題・解決手段

加速旋回時における車両の姿勢制御又は操作性能を改善することが可能な車両を提供する。車両(10)は、原動機(16、18)に接続された左駆動輪(36a)及び右駆動輪(36b)と、要求駆動動力量を入力する要求駆動動力量入力装置(64)と、要求旋回量を入力する要求旋回量入力装置(62)とを備える。さらに、車両(10)は、前記要求旋回量に加えて、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて左駆動輪(36a)及び右駆動輪(36b)の動力差(ΔT)を調整する旋回制御装置(28)を有する。

概要

背景

米国特許出願公開第2005/0217921号公報(以下「US 2005/0217921 A1」という。)では、前後輪駆動力配分比及び前輪又は後輪の左右の駆動力配分比を的確に制御可能な4輪駆動車両駆動力制御方法を提供することを目的としている([0009]、要約)。当該目的を達成するため、US 2005/0217921 A1では、横G信号の絶対値の増大に応じて、前後輪の駆動力配分比を後輪配分比が大きくなるように制御すると共に、前輪又は後輪の左右の駆動力配分比を旋回外輪側駆動力が大きくなるように制御する。横G信号は、横Gセンサ信号を舵角及び車速に基づいて算出される推定横G信号で補正した制御横G信号を使用する(要約)。

特開2005−219580号公報(以下「JP 2005−219580 A」という。)では、旋回中の車両が加速又は減速を開始するときの車両挙動変化を抑制し、車両安定性を向上させることができる車両の挙動制御装置を提供することを目的としている([0006]、要約)。当該目的を達成するため、JP 2005−219580 Aの挙動制御装置1は、複数の車輪10FR〜10RLそれぞれに個別に駆動力を付加する駆動手段(電動モータ11FR〜11RL、[0024])と、車両Vの旋回状態を検出する走行状態検出手段(横加速度センサ25、[0035])と、車両Vが旋回状態であるときに車両Vを加速させる場合、旋回外輪に駆動力の付加が開始された後に旋回内輪に駆動力の付加が開始されるように前記駆動手段を制御する駆動力制御手段(モータECU20、[0032])とを備える(請求項3、[0052])。

JP 2005−219580 Aの挙動制御装置1によれば、旋回中の車両Vが加速される場合、旋回外輪から先に駆動力の付加が開始されることにより旋回方向と同方向のヨーモーメントが発生する。このヨーモーメントが車両の加速に伴い発生する旋回方向と逆方向のヨーモーメントを相殺するため加速開始時における車両挙動変化を抑制することができるとされている([0012])。

車両Vが旋回状態であるかの判定は、横加速度センサ25が検出した横加速度が、所定値以上であるか否かに基づいて行われる([0034]、[0035])。

また、JP 2005−219580 Aでは、旋回外輪に駆動力の付加を開始した後に旋回内輪に駆動力の付加を開始する制御を行う条件として、アクセルペダル開度変化速度の絶対値(変化速度|dAcc/dt|)が所定値TH1以上であり、且つ、アクセルペダル開度の前回読み込み値と今回読み込み値との偏差の絶対値(偏差|ΔAcc|)が所定値TH2以上であること(図3のS106:YES)を設けている([0037])。当該条件は、変化速度|dAcc/dt|又は偏差|ΔAcc|の一方のみでもよいとされている([0037])。

概要

加速旋回時における車両の姿勢制御又は操作性能を改善することが可能な車両を提供する。車両(10)は、原動機(16、18)に接続された左駆動輪(36a)及び右駆動輪(36b)と、要求駆動動力量を入力する要求駆動動力量入力装置(64)と、要求旋回量を入力する要求旋回量入力装置(62)とを備える。さらに、車両(10)は、前記要求旋回量に加えて、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて左駆動輪(36a)及び右駆動輪(36b)の動力差(ΔT)を調整する旋回制御装置(28)を有する。

目的

)では、前後輪の駆動力配分比及び前輪又は後輪の左右の駆動力配分比を的確に制御可能な4輪駆動車両の駆動力制御方法を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

原動機(12、12a、14、14a、16、16a、18、18a)に接続された左駆動輪(36a)及び右駆動輪(36b)と、要求駆動動力量を入力する要求駆動動力量入力装置(64)と、要求旋回量を入力する要求旋回量入力装置(62)とを備える車両(10、10A、10B、10C)であって、前記要求旋回量に加えて、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて前記左駆動輪(36a)及び前記右駆動輪(36b)の動力差を調整する旋回制御装置(28)をさらに備えることを特徴とする車両(10、10A、10B、10C)。

請求項2

請求項1に記載の車両(10、10A、10B、10C)において、前記旋回制御装置(28)は、前記要求駆動動力量の時間微分値が大きいほど、前記動力差を大きくすることを特徴とする車両(10、10A、10B、10C)。

請求項3

請求項1又は2に記載の車両(10、10A)において、前記原動機は、前記左駆動輪(36a)と接続される第1原動機(16、16a)と、前記右駆動輪(36b)と接続される第2原動機(18、18a)とを含み、前記旋回制御装置(28)は、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて、前記第1原動機(16、16a)及び前記第2原動機(18、18a)の動力を制御して前記動力差を調整することを特徴とする車両(10、10A)。

請求項4

請求項3に記載の車両(10、10A)において、前記第1原動機(16、16a)及び前記第2原動機(18、18a)は、それぞれ前記車両(10、10A)の前進方向及び後進方向の動力を発生可能な電動機(16、16a、18、18a)であり、前記旋回制御装置(28)は、前記第1原動機(16、16a)及び前記第2原動機(18、18a)のうち前記車両(10、10A)の旋回方向における外輪に対応するものに前記前進方向の動力を発生させ、内輪に対応するものに前記後進方向の動力を発生させることにより、前記動力差を調整することを特徴とする車両(10、10A)。

請求項5

請求項1又は2に記載の車両(10B)において、前記原動機(12)と前記左駆動輪(36a)とは第1動力伝達機構(98)を介して接続され、前記原動機(12)と前記右駆動輪(36b)とは第2動力伝達機構(102)を介して接続され、前記旋回制御装置(28)は、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて、前記第1動力伝達機構(98)及び前記第2動力伝達機構(102)を制御して前記動力差を調整することを特徴とする車両(10B)。

請求項6

請求項5に記載の車両(10B)において、前記第1動力伝達機構(98)は、前記原動機(12)と前記左駆動輪(36a)との間で動力伝達を行う接続状態と、前記原動機(12)と前記左駆動輪(36a)との間で動力遮断を行う遮断状態とを切替可能な第1断続手段(98)を含み、前記第2動力伝達機構(102)は、前記原動機(12)と前記右駆動輪(36b)との間で動力伝達を行う接続状態と、前記原動機(12)と前記右駆動輪(36b)との間で動力遮断を行う遮断状態とを切替可能な第2断続手段(102)を含み、前記旋回制御装置(28)は、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて、前記第1断続手段(98)及び前記第2断続手段(102)を接続状態と遮断状態とに切り替えることにより、前記動力差を調整することを特徴とする車両(10B)。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両(10、10A、10B、10C)において、前記旋回制御装置(28)は、前記要求駆動動力量の時間微分値が等しい場合、前記左駆動輪(36a)の回転数が低い時よりも高い時の方が、又は前記右駆動輪(36b)の回転数が低い時よりも高い時の方が、前記動力差を小さくすることを特徴とする車両(10、10A、10B、10C)。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両(10、10A、10B、10C)において、前記旋回制御装置(28)は、前記要求駆動動力量の時間微分値が等しい場合、前記要求旋回量が大きい時よりも小さい時の方が、前記動力差を小さくすることを特徴とする車両(10、10A、10B、10C)。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両(10、10A、10B、10C)において、前記旋回制御装置(28)は、前記左駆動輪(36a)及び前記右駆動輪(36b)のうち前記車両(10、10A、10B、10C)の旋回方向における外輪の動力に加算する加算動力と、内輪の動力から減算する減算動力とを、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて算出し、前記加算動力の絶対値と前記減算動力の絶対値とを等しくすることを特徴とする車両(10、10A、10B、10C)。

請求項10

請求項3に記載の車両(10、10A)において、前記第1原動機(16、16a)及び前記第2原動機(18、18a)は、それぞれ前記車両(10、10A)の前進方向及び後進方向の動力を発生可能な電動機(16、16a、18、18a)であり、前記車両(10、10A)は、それぞれの前記電動機(16、16a、18、18a)と電気的に接続される蓄電装置(20)をさらに備えることを特徴とする車両(10、10A)。

請求項11

請求項5に記載の車両(10B)において、前記車両(10B)は、前記原動機(12)からの動力を前記左駆動輪(36a)と前記右駆動輪(36b)とに配分する差動機構(94)をさらに備え、前記第1動力伝達機構(98)は、前記左駆動輪(36a)と前記差動機構(94)との間に配置され、前記第2動力伝達機構(102)は、前記右駆動輪(36b)と前記差動機構(94)との間に配置されることを特徴とする車両(10B)。

請求項12

請求項1又は2に記載の車両(10C)において、前記車両(10C)は、前記原動機(12)からの動力を前記左駆動輪(36a)と前記右駆動輪(36b)とに配分する差動機構(94)と、前記差動機構(94)によって前記左駆動輪(36a)に配分された動力の一部又は全部を前記右駆動輪(36b)に伝達する第1再配分機構(110)と、前記差動機構(94)によって前記右駆動輪(36b)に配分された動力の一部又は全部を前記左駆動輪(36a)に伝達する第2再配分機構(112)とをさらに備え、前記旋回制御装置(28)は、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて、前記第1再配分機構(110)及び前記第2再配分機構(112)を制御して前記動力差を調整することを特徴とする車両(10C)。

技術分野

0001

本発明は、左右の車輪駆動輪)の駆動力を調整可能な車両に関する。

背景技術

0002

米国特許出願公開第2005/0217921号公報(以下「US 2005/0217921 A1」という。)では、前後輪駆動力配分比及び前輪又は後輪の左右の駆動力配分比を的確に制御可能な4輪駆動車両駆動力制御方法を提供することを目的としている([0009]、要約)。当該目的を達成するため、US 2005/0217921 A1では、横G信号の絶対値の増大に応じて、前後輪の駆動力配分比を後輪配分比が大きくなるように制御すると共に、前輪又は後輪の左右の駆動力配分比を旋回外輪側の駆動力が大きくなるように制御する。横G信号は、横Gセンサ信号を舵角及び車速に基づいて算出される推定横G信号で補正した制御横G信号を使用する(要約)。

0003

特開2005−219580号公報(以下「JP 2005−219580 A」という。)では、旋回中の車両が加速又は減速を開始するときの車両挙動変化を抑制し、車両安定性を向上させることができる車両の挙動制御装置を提供することを目的としている([0006]、要約)。当該目的を達成するため、JP 2005−219580 Aの挙動制御装置1は、複数の車輪10FR〜10RLそれぞれに個別に駆動力を付加する駆動手段(電動モータ11FR〜11RL、[0024])と、車両Vの旋回状態を検出する走行状態検出手段(横加速度センサ25、[0035])と、車両Vが旋回状態であるときに車両Vを加速させる場合、旋回外輪に駆動力の付加が開始された後に旋回内輪に駆動力の付加が開始されるように前記駆動手段を制御する駆動力制御手段(モータECU20、[0032])とを備える(請求項3、[0052])。

0004

JP 2005−219580 Aの挙動制御装置1によれば、旋回中の車両Vが加速される場合、旋回外輪から先に駆動力の付加が開始されることにより旋回方向と同方向のヨーモーメントが発生する。このヨーモーメントが車両の加速に伴い発生する旋回方向と逆方向のヨーモーメントを相殺するため加速開始時における車両挙動変化を抑制することができるとされている([0012])。

0005

車両Vが旋回状態であるかの判定は、横加速度センサ25が検出した横加速度が、所定値以上であるか否かに基づいて行われる([0034]、[0035])。

0006

また、JP 2005−219580 Aでは、旋回外輪に駆動力の付加を開始した後に旋回内輪に駆動力の付加を開始する制御を行う条件として、アクセルペダル開度変化速度の絶対値(変化速度|dAcc/dt|)が所定値TH1以上であり、且つ、アクセルペダル開度の前回読み込み値と今回読み込み値との偏差の絶対値(偏差|ΔAcc|)が所定値TH2以上であること(図3のS106:YES)を設けている([0037])。当該条件は、変化速度|dAcc/dt|又は偏差|ΔAcc|の一方のみでもよいとされている([0037])。

0007

上記のように、JP 2005−219580 Aでは、アクセルペダル開度の変化速度の絶対値(変化速度|dAcc/dt|)に着目されている。しかしながら、変化速度|dAcc/dt|は、旋回外輪に駆動力の付加を開始した後に旋回内輪に駆動力の付加を開始する制御を行う条件の1つとしてしか用いられていない。

0008

アクセルペダル開度の変化速度|dAcc/dt|は、アクセルペダルの操作、すなわち、運転者加減速意図(又は将来的な車両の加減速状態)を直接的に反映するものである。しかしながら、JP 2005−219580 Aでは、変化速度|dAcc/dt|自体に応じて車輪トルクを変化させることについては開示も示唆もない。換言すると、アクセルペダルの操作(又は車両の要求駆動動力量)に直接対応させて車両の姿勢を制御するという発想については何ら触れられていない。そのため、JP 2005−219580 Aでは、加速旋回時における車両の姿勢制御又は操作性能(アクセルペダルの操作等に対する応答性)の観点から改善の余地がある。この点に関して、US 2005/0217921 A1にも開示も示唆も存在しない。

0009

本発明は、上記のような課題を考慮してなされたものであり、加速旋回時における車両の姿勢制御又は操作性能を改善することが可能な車両を提供することを目的とする。

0010

本発明に係る車両は、原動機に接続された左駆動輪及び右駆動輪と、要求駆動動力量を入力する要求駆動動力量入力装置と、要求旋回量を入力する要求旋回量入力装置とを備えるものであって、前記要求旋回量に加えて、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて前記左駆動輪及び前記右駆動輪の動力差を調整する旋回制御装置をさらに備えることを特徴とする。

0011

本発明によれば、要求旋回量と要求駆動動力量の時間微分値とに基づいて左右駆動輪の動力差を調整する。このため、同じ要求旋回量でも、要求駆動動力量の時間微分値によって左右駆動輪の動力差が変わる。従って、例えば、要求駆動動力量の時間微分値が大きいほど左右駆動輪の動力差を大きくする場合、車両(車体)を安定して旋回させ易くなる。このことは、特に、操舵に対する車両の挙動の応答性が低い低速領域で顕著である。従って、上記制御により、車両の姿勢がより安定し又は運転者の意思高速旋回)に対する応答性を高めることが可能となる。

0012

前記旋回制御装置は、前記要求駆動動力量の時間微分値が大きいほど、前記動力差を大きくしてもよい。或いは、前記旋回制御装置は、前記要求駆動動力量の時間微分値が大きいほど、前記動力差を小さくしてもよい。

0013

前記原動機は、前記左駆動輪と接続される第1原動機と、前記右駆動輪と接続される第2原動機とを含み、前記旋回制御装置は、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて、前記第1原動機及び前記第2原動機の動力を制御して前記動力差を調整してもよい。上記によれば、第1原動機及び第2原動機の動力を制御することで左右駆動輪の動力差を調整する。これにより、左右駆動輪に対してそれぞれ原動機が接続されるので、左右駆動輪の出力を別個独立に制御することが可能となる。

0014

前記第1原動機及び前記第2原動機は、それぞれ前記車両の前進方向及び後進方向の動力を発生可能な電動機であり、前記旋回制御装置は、前記第1原動機及び前記第2原動機のうち前記車両の旋回方向における外輪に対応するものに前記前進方向の動力を発生させ、内輪に対応するものに前記後進方向の動力を発生させることにより、前記動力差を調整してもよい。

0015

上記によれば、旋回制御装置は、左右駆動輪に接続される第1原動機及び第2原動機によって左右駆動輪の動力差を調整する。一般に、電動機は、動力の制御を高応答及び高精細に行うことができるものが多い。このため、上記構成により、左右駆動輪の動力差を高応答且つ高精細に発生させることが可能となる。

0016

また、第1原動機及び第2原動機のうち外輪に対応するものに車両の前進方向の動力を発生させ、内輪に対応するものに車両の後進方向の動力を発生させることにより、左駆動輪と右駆動輪との間の動力差を調整する。このため、左右駆動輪の両方の動力を前進方向(正の値)にしなければならないとの制限を受けずに、柔軟に動力差を設定することが可能となる。従って、場面に応じてさらに車両の姿勢制御又は操作性能を高めることが可能となる。

0017

或いは、前記原動機と前記左駆動輪とは第1動力伝達機構を介して接続され、前記原動機と前記右駆動輪とは第2動力伝達機構を介して接続され、前記旋回制御装置は、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて、前記第1動力伝達機構及び前記第2動力伝達機構を制御して前記動力差を調整してもよい。これにより、要求駆動動力量の時間微分値に基づく原動機の出力変化を待たずに、左右駆動輪の動力差を調整することが可能となる。

0018

前記第1動力伝達機構は、前記原動機と前記左駆動輪との間で動力伝達を行う接続状態と、前記原動機と前記左駆動輪との間で動力遮断を行う遮断状態とを切替可能な第1断続手段を含み、前記第2動力伝達機構は、前記原動機と前記右駆動輪との間で動力伝達を行う接続状態と、前記原動機と前記右駆動輪との間で動力遮断を行う遮断状態とを切替可能な第2断続手段を含み、前記旋回制御装置は、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて、前記第1断続手段及び前記第2断続手段を接続状態と遮断状態とに切り替えることにより、前記動力差を調整してもよい。

0019

上記によれば、旋回制御装置は、第1断続手段及び第2断続手段の断接によって左右駆動輪の動力差を調整する。これにより、第1断続手段及び第2断続手段の接続及び遮断によって左右駆動輪の動力差を調整することが可能となる。このため、左右駆動輪の動力差を高い応答性で発生させることが可能となる。

0020

前記旋回制御装置は、前記要求駆動動力量の時間微分値が等しい場合、前記左駆動輪の回転数が低い時よりも高い時の方が、又は前記右駆動輪の回転数が低い時よりも高い時の方が、前記動力差を小さくしてもよい。

0021

上記によれば、高車速時には要求駆動動力量の時間微分値に基づく左右駆動輪の動力差が小さくなる。このため、高車速時に左右駆動輪の動力差が過度に発生することによって、車両の挙動が不安定になることを防止可能となる。

0022

前記旋回制御装置は、前記要求駆動動力量の時間微分値が等しい場合、前記要求旋回量が大きい時よりも小さい時の方が、前記動力差を小さくしてもよい。これにより、要求旋回量が小さい時には要求駆動動力量の時間微分値に基づく左右駆動輪の動力差が小さくなる。このため、例えば、路面のうねり若しくは轍等を理由としてハンドルを取られたとき、又は運転者が細かな操舵を行ったときに、左右駆動輪の動力差が過度に発生して車両の挙動が乱れることを防止することが可能となる。

0023

前記旋回制御装置は、前記左駆動輪及び前記右駆動輪のうち前記車両の旋回方向における外輪の動力に加算する加算動力と、内輪の動力から減算する減算動力とを、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて算出し、前記加算動力の絶対値と前記減算動力の絶対値とを等しくしてもよい。これにより、原動機が発生させる動力(合計値)を変化させることなく、左右駆動輪の動力差を調整することが可能となる。このため、動力差の調整に伴い原動機の動力(合計値)が変化することにより、運転者に違和感を与えることを回避することが可能となる。

0024

前記第1原動機及び前記第2原動機は、それぞれ前記車両の前進方向及び後進方向の動力を発生可能な電動機である場合、前記車両は、それぞれの前記電動機と電気的に接続される蓄電装置を備えてもよい。

0025

前記車両は、前記原動機からの動力を前記左駆動輪と前記右駆動輪とに配分する差動機構をさらに備え、前記第1動力伝達機構は、前記左駆動輪と前記差動機構との間に配置され、前記第2動力伝達機構は、前記右駆動輪と前記差動機構との間に配置されてもよい。

0026

或いは、前記車両は、前記原動機からの動力を前記左駆動輪と前記右駆動輪とに配分する差動機構と、前記差動機構によって前記左駆動輪に配分された動力の一部又は全部を前記右駆動輪に伝達する第1再配分機構と、前記差動機構によって前記右駆動輪に配分された動力の一部又は全部を前記左駆動輪に伝達する第2再配分機構とをさらに備え、前記旋回制御装置は、前記要求駆動動力量の時間微分値に基づいて、前記第1再配分機構及び前記第2再配分機構を制御して前記動力差を調整してもよい。

図面の簡単な説明

0027

本発明の一実施形態に係る車両の駆動系及びその周辺概略構成図である。
種センサと駆動電子制御装置機能ブロックとを示すブロック図である。
左右後輪のうち外輪についてのフィードフォワード制御用トルクの一例を示す図である。
アクセルペダル微分フィードフォワード制御AP微分FF制御)のフローチャートである。
図4の前記AP微分FF制御を用いた場合の各種データの一例を示す図である。
前記AP微分FF制御を用いる場合と用いない場合の出力の一例を示す図である。
本発明の第1変形例に係る車両の駆動系及びその周辺の概略構成図である。
本発明の第2変形例に係る車両の駆動系及びその周辺の概略構成図である。
本発明の第3変形例に係る車両の駆動系及びその周辺の概略構成図である。

実施例

0028

I.一実施形態
A.構成
A−1.車両10の駆動系
図1は、本発明の一実施形態に係る車両10の駆動系及びその周辺の概略構成図である。図1に示すように、車両10は、車両10の前側に直列配置されたエンジン12及び第1走行モータ14と、車両10の後ろ側に配置された第2走行モータ16及び第3走行モータ18と、高圧バッテリ20(以下「バッテリ20」ともいう。)と、第1〜第3インバータ22、24、26と、駆動電子制御装置28(以下「駆動ECU28」という。)とを有する。

0029

以下では、第1走行モータ14を「第1モータ14」又は「前側モータ14」ともいう。また、以下では、第2走行モータ16を「第2モータ16」、「後ろ側第1モータ16」又は「後ろ側モータ16」若しくは「左後ろ側モータ16」ともいう。さらに、以下では、第3走行モータ18を「第3モータ18」、「後ろ側第2モータ18」又は「後ろ側モータ18」若しくは「右後ろ側モータ18」ともいう。

0030

エンジン12及び第1モータ14は、トランスミッション30を介して左前輪32a及び右前輪32b(以下「前輪32」と総称する。)に駆動力(以下「前輪駆動力Ff」という。)を伝達する。エンジン12及び第1モータ14は、前輪駆動装置34を構成する。例えば、車両10が低負荷のときに第1モータ14のみによる駆動を行い、中負荷のときにエンジン12のみによる駆動を行い、高負荷のときにエンジン12及び第1モータ14による駆動を行う。

0031

第2モータ16は、その出力軸左後輪36aの回転軸に接続されており、左後輪36aに駆動力を伝達する。第3モータ18は、その出力軸が右後輪36bの回転軸に接続されており、右後輪36bに駆動力を伝達する。第2モータ16及び第3モータ18は、後輪駆動装置38を構成する。前輪駆動装置34と後輪駆動装置38とは、機械的に非接続とされ、別個独立に設けられる。以下では、左後輪36a及び右後輪36bを合わせて後輪36と総称する。また、後輪駆動装置38から後輪36に伝達される駆動力を後輪駆動力Frという。

0032

高圧バッテリ20は、第1〜第3インバータ22、24、26を介して第1〜第3モータ14、16、18に電力を供給すると共に、第1〜第3モータ14、16、18からの回生電力Pregを充電する。

0033

駆動ECU28は、各種センサ及び各電子制御装置(以下「ECU」という。)からの出力に基づいてエンジン12及び第1〜第3インバータ22、24、26を制御することにより、エンジン12及び第1〜第3モータ14、16、18の出力を制御する。駆動ECU28は、入出力部、演算部及び記憶部(いずれも図示せず)を有する。また、駆動ECU28は、複数のECUを組み合わせたものであってもよい。例えば、エンジン12及び第1〜第3モータ14、16、18それぞれに対応して設けた複数のECUと、エンジン12及び第1〜第3モータ14、16、18の駆動状態を管理するECUとにより駆動ECU28を構成してもよい。

0034

エンジン12は、例えば、6気筒型エンジンであるが、2気筒、4気筒又は8気筒型等のその他のエンジンであってもよい。また、エンジン12は、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジン空気エンジン等のエンジンとすることができる。

0035

第1〜第3モータ14、16、18は、例えば、3相交流ブラシレス式であるが、3相交流ブラシ式、単相交流式、直流式等のその他のモータであってもよい。第1〜第3モータ14、16、18の仕様は等しくても異なるものであってもよい。本実施形態の第1〜第3モータ14、16、18は、いずれも正転(車両10を前進させる回転)及び逆転(車両10を後進させる回転)が可能である。

0036

第1〜第3インバータ22、24、26は、3相ブリッジ型の構成とされて、直流交流変換を行い、直流を3相の交流に変換して第1〜第3モータ14、16、18に供給する一方、第1〜第3モータ14、16、18の回生動作に伴う交流/直流変換後の直流を高圧バッテリ20に供給する。

0037

高圧バッテリ20は、複数のバッテリセルを含む蓄電装置(エネルギストレージ)であり、例えば、リチウムイオン2次電池ニッケル水素次電池又はキャパシタ等を利用することができる。本実施形態ではリチウムイオン2次電池を利用している。なお、第1〜第3インバータ22、24、26と高圧バッテリ20との間に図示しないDC/DCコンバータを設け、高圧バッテリ20の出力電圧又は第1〜第3モータ14、16、18の出力電圧を昇圧又は降圧してもよい。

0038

車両10の駆動系の構成としては、例えば、米国特許出願公開第2012/0015772号公報に記載のものを用いることができる。

0039

A−2.駆動ECU28の構成(機能ブロック)
[2−1.概要
図2は、各種センサと駆動ECU28の機能ブロックとを示すブロック図である。図3は、左右後輪36a、36bのうち外輪についてのフィードフォワード制御用トルクの一例を示す図である。駆動ECU28では、図2に示す各ブロックの機能をプログラム処理する。但し、必要に応じて、駆動ECU28の一部をアナログ回路又はデジタル回路置換してもよい。

0040

図2に示すように、車両10は、車速センサ50と、舵角センサ52と、横加速度センサ54(以下「横Gセンサ54」という。)と、車輪速センサ56と、アクセルペダル開度センサ58(以下「AP開度センサ58」という。)と、ヨーレートセンサ60とを有する。

0041

また、駆動ECU28は、舵角比例フィードフォワード制御部70(以下「舵角比例FF制御部70」又は「FF制御部70」という。)と、アクセルペダル微分フィードフォワード制御部72(以下「AP微分FF制御部72」又は「FF制御部72」という。)と、第1加算器74と、第2加算器76と、ローパスフィルタ78と、フィードバック制御部80(以下「FB制御部80」という。)と、第1減算器82と、第2減算器84とを有する。

0042

[2−2.各種センサ]
車速センサ50は、車両10の車速V[km/h]を検出してFF制御部70、72及びFB制御部80に出力する。舵角センサ52は、ハンドル62の舵角θst[度]を検出してFF制御部70、72及びFB制御部80に出力する。横Gセンサ54は、車両10(車体)に掛かる横加速度Glat[m/s2]を検出してFF制御部70及びFB制御部80に出力する。

0043

車輪速センサ56は、各車輪32a、32b、36a、36bの回転速度(以下「車輪速Vwfl、Vwfr、Vwrl、Vwrr」といい、「車輪速Vw」と総称する。)を検出してFF制御部72に出力する。AP開度センサ58は、アクセルペダル64の開度θap(以下「アクセルペダル開度θap」又は「AP開度θap」という。)を検出してFF制御部72に出力する。なお、アクセルペダル64は、車両10の駆動要求(駆動力の制御)のみを行うものに限らず、車両10の駆動要求及び制動要求(駆動力及び制動力の制御)の両方を行うものであってもよい。ヨーレートセンサ60は、車両10(車体)に掛かるヨーレートYrを検出して、FB制御部80に出力する。

0044

[2−3.駆動ECU28の各機能ブロック]
(2−3−1.舵角比例FF制御部70)
舵角比例FF制御部70は、舵角比例フィードフォワード制御(以下「舵角比例FF制御」という。)を実行する。舵角比例FF制御では、舵角θst及びこれに伴う横加速度Glatに対応して駆動輪(ここでは、後輪36a、36b)のトルク(駆動力)を制御する。

0045

具体的には、FF制御部70は、左後輪36a用の舵角比例トルクTff1lを算出して第1加算器74に出力し、右後輪36b用の舵角比例トルクTff1rを算出して第2加算器76に出力する。以下では、舵角比例トルクTff1l、Tff1rを「舵角比例トルクTff1」又は「トルクTff1」と総称する。図3には、左右後輪36a、36bのうち外輪に対するトルクTff1の一例が示されている。

0046

FF制御部70では、US 2005/0217921 A1のフィードフォワード制御部(US 2005/0217921 A1の図5の84)と同様の構成及び処理によりトルクTff1を算出する。

0047

すなわち、FF制御部70は、エンジン12のトルク(エンジントルクTeng)と、第1〜第3モータ14、16、18のトルク(第1〜第3モータトルクTmot1、Tmot2、Tmot3)に基づいて後輪36a、36b用の車輪駆動力Fを算出する。

0048

また、FF制御部70は、車速センサ50からの車速Vと舵角センサ52からの舵角θstに基づいて横加速度Glatの推定値推定横加速度Glat_e)を算出する。FF制御部70は、横Gセンサ54からの横加速度Glat(実測値)と推定横加速度Glat_eを加算した横加速度Glatの補正値補正横加速度Glat_c)を算出する。

0049

そして、FF制御部70は、補正横加速度Glat_cに基づいて、左右後輪36a、36bのどちらが外輪であるかを判断する。また、FF制御部70は、補正横加速度Glat_cに基づいて前後配分比及び左右配分比を算出する。FF制御部70は、判断した外輪並びに算出された前後配分比及び左右配分比に基づいて後輪36a、36bに関する外輪/内輪トルク配分比を算出する。

0050

次いで、FF制御部70は、後輪36a、36b用の車輪駆動力Fに対して外輪/内輪トルク配分比に基づく割合を乗算して舵角比例トルクTff1l、Tff1rを算出する。

0051

(2−3−2.AP微分FF制御部72)
AP微分FF制御部72は、アクセルペダル微分フィードバック制御(以下「AP微分FF制御」という。)を実行する。AP微分FF制御では、アクセルペダル開度θapの時間微分値である変化速度Vap[度/sec]に対応して駆動輪(ここでは、後輪36a、36b)のトルク(駆動力)を制御する。

0052

具体的には、FF制御部72は、左後輪36a用のアクセルペダル微分トルクTff2l(以下「AP微分トルクTff2l」という。)を算出して第1加算器74に出力し、右後輪36b用のアクセルペダル微分トルクTff2r(以下「AP微分トルクTff2r」という。)を算出して第2加算器76に出力する。以下では、AP微分トルクTff2l、Tff2rを「AP微分トルクTff2」又は「トルクTff2」と総称する。図3には、左右後輪36a、36bのうち外輪に対するトルクTff2の一例が示されている。

0053

FF制御部72は、主として、AP開度θapの変化速度Vapに基づいてトルクTff2を算出する。トルクTff2は、変化速度Vapに応じた左右後輪36a、36bのトルク差ΔT[N・m]を設定するためのトルクである。トルク差ΔTは、左右後輪36a、36bそれぞれのトルク(ここでは、目標値)の差である。AP微分FF制御の詳細は、図4のフローチャートを参照して後述する。

0054

(2−3−3.第1加算器74及び第2加算器76)
第1加算器74は、FF制御部70からのトルクTff1lとFF制御部72からのトルクTff2lとの和(以下「フィードフォワード合計トルクTff_total_l」又は「FF合計トルクTff_total_l」という。)を算出する。

0055

第2加算器76は、FF制御部70からのトルクTff1rとFF制御部72からのトルクTff2rとの和(以下「フィードフォワード合計トルクTff_total_r」又は「FF合計トルクTff_total_r」という。)を算出する。

0056

以下では、FF合計トルクTff_total_l、Tff_total_rを「FF合計トルクTff_total」又は「トルクTff_total」と総称する。図3には、左右後輪36a、36bのうち外輪に対するトルクTff_totalの一例が示されている。

0057

(2−3−4.ローパスフィルタ78)
ローパスフィルタ78は、左後輪36a用のFF合計トルクTff_total_lのうち低周波数成分のみを通過させて第1減算器82に出力する。また、ローパスフィルタ78は、右後輪36b用のFF合計トルクTff_total_rのうち低周波数成分のみを通過させて第2減算器84に出力する。これにより、FF合計トルクTff_totalの急激な変化を避けることが可能となる。その結果、AP微分トルクTff2の急激な増加に対する運転者の違和感を避けることが可能となる。

0058

(2−3−5.FB制御部80)
FB制御部80は、フィードバック制御(以下「FB制御」という。)を実行する。FB制御では、車両10の旋回時における駆動輪(ここでは、後輪36a、36b)のスリップを避けるように駆動輪のトルク(駆動力)を制御する。

0059

具体的には、FB制御部80は、左後輪36a用のフィードバックトルクTfbl(以下「FBトルクTfbl」という。)を算出して第1減算器82に出力し、右後輪36b用のフィードバックトルクTfbr(以下「FBトルクTfbr」という。)を算出して第2減算器84に出力する。以下では、FBトルクTfbl、Tfbrを「FBトルクTfb」又は「トルクTfb」と総称する。

0060

FB制御部80では、US 2005/0217921 A1のフィードバック制御部(US 2005/0217921 A1の図5の86)と同様の構成及び処理によりトルクTfbを算出する。

0061

すなわち、FB制御部80は、車速センサ50で検出した車速V、舵角センサ52で検出した舵角θst、横Gセンサ54で検出した横加速度Glat及びヨーレートセンサ60で検出したヨーレートYrに基づいて、車両10のスリップ角を算出する。また、FB制御部80は、車速センサ50で検出した車速V及び横Gセンサ54で検出した横加速度Glatに基づいてスリップ角閾値を算出する。

0062

FB制御部80は、前記スリップ角と前記スリップ角閾値との差に基づいて、後輪トルク低減量及び外輪トルクの低減量を算出するようにFBトルクTfbl、Tfbrを算出する。すなわち、車両10のスリップ角が所定値よりも大きいときには車両10が不安定状態にあると判断し、この不安定状態を解消するために後輪配分トルクを低減し、外輪配分トルクを低減するようにFBトルクTfbl、Tfbrを算出する。

0063

(2−3−6.第1減算器82及び第2減算器84)
第1減算器82は、ローパスフィルタ78からのFF合計トルクTff_total_lとFB制御部80からのFBトルクTfblとの差(以下「合計トルクTtotal_l」又は「トルクTtotal_l」という。)を算出する。第2減算器84は、ローパスフィルタ78からのFF合計トルクTff_total_rとFB制御部80からのFBトルクTfbrとの差(以下「合計トルクTtotal_r」又は「トルクTtotal_r」という。)を算出する。以下では、合計トルクTtotal_l、Ttotal_rを「合計トルクTtotal」又は「トルクTtotal」と総称する。

0064

[2−4.駆動ECU28の出力(トルクTff1、Tff2、Tff_total)]
図3には、左右後輪36a、36bのうち外輪についての舵角比例トルクTff1、AP微分トルクTff2及びFF合計トルクTff_totalの一例が示されている。図3からわかるように、アクセルペダル64が踏み込まれると、舵角比例トルクTff1及びAP微分トルクTff2が増加する。この際、舵角比例トルクTff1は、比較的立ち上がりが遅い。このため、舵角比例トルクTff1よりも立ち上がりが速いAP微分トルクTff2を加えることで、FF合計トルクTff_total全体としての立ち上がりを速めることが可能となる。

0065

B.AP微分FF制御
B−1.AP微分FF制御の流れ
図4は、AP微分FF制御のフローチャートである。図5は、図4のAP微分FF制御を用いた場合の各種データの一例を示す図である。図5において、破線は、所定の車速V及び舵角θstである場合のデータを示し、実線は、破線と同じ車速V且つ破線よりも大きい舵角θstである場合のデータを示す。また、図5は、定速走行をしている状態において、時点t1でアクセルペダル64を強く踏み込んだ場合のデータを示している。

0066

図4のステップS1において、AP微分FF制御部72は、AP開度センサ58からAP開度θapを、舵角センサ52から舵角θstを、車輪速センサ56から車輪速Vwを、横Gセンサ54から横加速度Glatを取得する。

0067

ステップS2において、FF制御部72は、AP開度θapの時間微分値である変化速度Vapを算出する。ステップS3において、FF制御部72は、AP開度θapが増加中又は最大値であるかを判定する。AP開度θapが増加中であるか否かは、変化速度Vapが正の値であるか否かを見ることで判定する。また、AP開度θapの最大値とは、アクセルペダル64をそれ以上踏み込むことができない状態での値を意味する。

0068

AP開度θapが増加中又は最大値である場合(S3:YES)、ステップS4において、FF制御部72は、舵角θstと車輪速Vwの組合せに基づいてマップを選択する。ここでのマップは、変化速度VapとAP微分トルクTff2との関係を規定したマップである。本実施形態では、舵角θstと車輪速Vwの組合せ毎の複数の上記マップを駆動ECU28の記憶部(図示せず)に記憶しておく。なお、ここでの車輪速Vwは、左右の駆動力配分比を変更可能な車輪(ここでは、後輪36a、36b)についてのものであり、例えば、車輪速Vwrl、Vwrrの平均値を用いることができる。或いは、車輪速Vwrl、Vwrrのうち大きい方又は小さい方の値を用いてもよい。また、後述するように、マップの利用以外の方法を用いることも可能である。

0069

各マップでは、AP開度θapの変化速度Vapが等しいとき、左右後輪36a、36bの車輪速Vwが低い場合よりも、車輪速Vwが高い場合のAP微分トルクTff2が小さくなるように、変化速度VapとAP微分トルクTff2との関係が規定される。また、各マップでは、AP開度θapの変化速度Vapが等しいとき、舵角θstが大きい場合よりも、舵角θstが小さい場合のAP微分トルクTff2が小さくなるように、変化速度VapとAP微分トルクTff2との関係が規定される。

0070

ステップS5において、FF制御部72は、ステップS4で選択したマップにおいて、ステップS2で算出した変化速度Vapに対応するAP微分トルクTff2を選択する。

0071

ステップS3に戻り、AP開度θapが増加中でなく且つ最大値でもない場合(S3:NO)、運転者は、定速走行又は減速走行を望んでいるものと考えられる。この場合、ステップS6において、FF制御部72は、AP微分トルクTff2を減少させるためのレートリミット処理を行う。なお、AP開度θapが最大値である状態が所定時間継続した場合、AP開度θapが最大値であっても、FF制御部72は、ステップS6に進む。

0072

具体的には、FF制御部72は、AP微分トルクTff2の前回値(以下「AP微分トルクTff2(前回)」という。)から特定の正の値αを引いた値を、AP微分トルクTff2の今回値(以下「AP微分トルクTff2(今回)」という。)とする(Tff2(今回)←Tff2(前回)−α)。なお、トルクTff2の最低値はゼロであるため、トルクTff2は負の値にはならない。

0073

また、本実施形態の値αは、AP開度θapが最大値であるときから減少するとき、いずれの舵角θst及び車輪速Vwの場合も、AP開度θapがゼロになるまでの時間を等しくするように設定する。

0074

例えば、図5の場合、時点t1及びその周辺では、車輪速Vwが等しく、舵角θstが異なっている。このため、図5では、AP微分トルクTff2の最大値は、舵角θstが大きいときの方が大きくなる。このため、仮に値αが等しい場合、AP微分トルクTff2が最大値からゼロになるまでの時間は、舵角θstが大きいときの方が長くなる。

0075

しかしながら、本実施形態では、AP開度θapが最大値であるときから減少するとき、いずれの舵角θst及び車輪速Vwの場合も、AP開度θapがゼロになるまでの時間を等しくするように設定する。このため、舵角θstが大きいときの方が値αを大きくする。

0076

ステップS5又はS6の後、ステップS7において、FF制御部72は、ステップS1で取得した横加速度Glatに基づいて車両10の旋回方向を特定する。

0077

続くステップS8において、FF制御部72は、左右後輪36a、36bのうち外輪に対してAP微分トルクTff2を適用し、内輪に対してAP微分トルクTff2にマイナス掛けた値−Tff2を適用する。すなわち、FF制御部72は、外輪については第1加算器74又は第2加算器76に対してAP微分トルクTff2を出力し、内輪については第1加算器74又は第2加算器76に対してAP微分トルクTff2にマイナスを掛けた値−Tff2を出力する。

0078

なお、上記のように、第2モータ16及び第3モータ18は、正転及び逆転が可能である。この点を考慮し、本実施形態では、左右後輪36a、36bのうち内輪に対して用いる値−Tff2は、内輪のトルクが負の値になることを許容する。例えば、所定の舵角θst及び車輪速VwにおいてAP開度θapの変化速度Vapが閾値を超えた場合、制御部72は、左右後輪36a、36bのうち内輪のトルクが負の値になるように値−Tff2を設定する。これにより、旋回時において内輪は負方向のトルクを出力することで、車両10の旋回を補助する。この際、内輪に対応するモータ(モータ16、18の一方)では回生を行う。

0079

B−2.AP微分FF制御の有無による比較
図6は、AP微分FF制御を用いる場合と用いない場合の出力の一例を示す図である。図6では、本実施形態(すなわち、舵角比例FF制御及びAP微分FF制御の両方を行う場合)のトルク差ΔTと、比較例のトルク差ΔTを示している。比較例では、舵角比例FF制御を行うが、AP微分FF制御を行わない。

0080

図6からわかるように、時点t11にてAP開度θapが増加を開始すると、比較例と比較して本実施形態のトルク差ΔTは、直ちに変化が大きくなる。このため、横加速度Glatの変化が小さい時点であっても、AP開度θapの変化速度Vapが大きくなれば、左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを直ちに大きくすることができる。従って、旋回時におけるアクセルペダル64の操作に対する応答性を高めることが可能となる。

0081

C.本実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、舵角θst(要求旋回量)とAP開度θapの変化速度Vap(要求駆動動力量の時間微分値)とに基づいて左右後輪36a、36b(左右駆動輪)のトルク差ΔT(動力差)を調整する(図2図4)。このため、同じ舵角θstでも、変化速度Vapによって左右後輪36a、36bのトルク差ΔTが変わる。従って、変化速度Vapが高いほど左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを大きくする場合、車両10(車体)を安定して旋回させ易くなる。このことは、特に、操舵に対する車両10の挙動の応答性が低い低速領域で顕著である。従って、上記制御により、車両10の姿勢がより安定し又は運転者の意思(高速旋回)に対する応答性を高めることが可能となる。

0082

本実施形態では、左後輪36a(左駆動輪)と接続される後ろ側第1モータ16(第1原動機)と、右後輪36b(右駆動輪)と接続される後ろ側第2モータ18(第2原動機)とが含まれる(図1)。また、駆動ECU28(旋回制御装置)は、AP開度θapの変化速度Vapに基づいて、モータ16、18のトルクを制御して左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを調整する(図4のS5、S7、S8)。

0083

上記によれば、モータ16、18のトルクを制御することで左右後輪36a、36b(左右駆動輪)のトルク差ΔTを調整する。これにより、左右後輪36a、36bに対してそれぞれモータ(原動機)が接続されるので、左右後輪36a、36bの出力を別個独立に制御することが可能となる。

0084

本実施形態において、後ろ側第1モータ16(第1原動機)及び後ろ側第2モータ18(第2原動機)は、それぞれ車両10の前進方向及び後進方向のトルクを発生可能な電動機である。また、駆動ECU28(旋回制御装置)は、必要に応じて、モータ16、18のうち車両10の旋回方向における外輪に対応するものに前進方向のトルク(正の値)を発生させ、内輪に対応するものに後進方向のトルク(負の値)を発生させることにより、トルク差ΔTを調整する(図4のS5、S7、S8)。

0085

上記によれば、駆動ECU28は、左右後輪36a、36bに接続されるモータ16、18によって左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを調整する。一般に、モータ(電動機)は、トルクの制御を高応答及び高精細に行うことができるものが多い。このため、上記構成により、左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを高応答且つ高精細に発生させることが可能となる。

0086

また、モータ16、18のうち外輪に対応するものに車両10の前進方向のトルクを発生させ、内輪に対応するものに車両10の後退方向のトルクを発生させることにより(図4のS8)、左後輪36a(左駆動輪)と右後輪36b(右駆動輪)との間のトルク差ΔTを調整する。このため、左右後輪36a、36bの両方のトルクを前進方向(正の値)にしなければならないとの制限を受けずに、柔軟にトルク差ΔTを設定することが可能となる。従って、場面に応じてさらに車両10の姿勢制御又は操作性能を高めることが可能となる。

0087

本実施形態において、駆動ECU28(旋回制御装置)は、AP開度θapの変化速度Vap(要求駆動動力量の時間微分値)が等しい場合、左後輪36a(左駆動輪)と右後輪36b(右駆動輪)の回転数(車輪速Vw)が低い時よりも高い時の方が、トルク差ΔTを小さくする(図4のS4、S5)。

0088

上記によれば、車速Vが高い時にはAP開度θapの変化速度Vapに基づく左右後輪36a、36bのトルク差ΔTが小さくなる。このため、高車速時に左右後輪36a、36bのトルク差ΔTが過度に発生することによって、車両10の挙動が不安定になることを防止可能となる。

0089

上記実施形態において、駆動ECU28(旋回制御装置)は、AP開度θapの変化速度Vap(要求駆動動力量の時間微分値)が等しい場合、舵角θst(要求旋回量)が大きい時よりも小さい時の方が、トルク差ΔTを小さくする(図4のS4、S5。図5のAP微分トルクTff2も参照)。

0090

上記によれば、舵角θstが小さい時にはAP開度θapの変化速度Vapに基づく左右後輪36a、36bのトルク差ΔTが小さくなる。このため、例えば、路面のうねり若しくは轍等を理由としてハンドル62を取られたとき、又は運転者が細かな操舵を行ったときに、左右後輪36a、36bのトルク差ΔTが過度に発生して車両10の挙動が乱れることを防止することが可能となる。

0091

上記実施形態において、駆動ECU28(旋回制御装置)は、左後輪36a(左駆動輪)及び右後輪36b(右駆動輪)のうち車両10の旋回方向における外輪に加算するAP微分トルクTff2(加算トルク)と、内輪から減算するAP微分トルクTff2にマイナスを掛けた値−Tff2(減算トルク)とを、AP開度θapの変化速度Vapに基づいて算出し(図4のS5、S7、S8)、加算トルクTff2の絶対値と減算トルク−Tff2の絶対値は等しい。これにより、後ろ側第1モータ16及び後ろ側第2モータ18が発生させるトルクの合計値(後輪駆動力Fr)を変化させることなく、左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを調整することが可能となる。このため、トルク差ΔTの調整に伴いトルク又は後輪駆動力Frが変化することにより、運転者に違和感を与えることを回避することが可能となる。

0092

II.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。

0093

A.車両10(適用対象
上記実施形態では、自動四輪車である車両10について説明した(図1)。しかしながら、例えば、舵角θstに加えて、AP開度θapの変化速度Vapに基づいて左後輪36a(左駆動輪)及び右後輪36b(右駆動輪)のトルク差ΔT(動力差)を調整する観点からすれば、これに限らない。例えば、自動三輪車及び自動六輪車のいずれであってもよい。

0094

上記実施形態では、車両10は、1つのエンジン12及び3つの走行モータ14、16、18を駆動源(原動機)として有したが(図1)、駆動源はこの組合せに限らない。例えば、車両10は、前輪32用の1つ又は複数の走行モータと、後輪36用の1つ又は複数の走行モータを駆動源として有してもよい。例えば、前輪32用又は後輪36用に1つの走行モータのみを用いることができる。この場合、差動装置を用いて左右輪に駆動力を分配すればよい。また、全ての車輪それぞれに個別の走行モータ(いわゆるインホイールモータを含む。)を割り当てる構成も可能である。

0095

上記実施形態では、エンジン12及び第1モータ14を有する前輪駆動装置34により前輪32を駆動し、第2及び第3モータ16、18を有する後輪駆動装置38により後輪36を駆動した。しかしながら、例えば、舵角θstに加えて、AP開度θapの変化速度Vapに基づいて左後輪36a(左駆動輪)及び右後輪36b(右駆動輪)のトルク差ΔT(動力差)を調整する観点からすれば、これに限らない。例えば、上記実施形態では、トルク差ΔT(動力差)を調整する対象が左右後輪36a、36bであったが、車両10の構成によっては、左右前輪32a、32bのトルク差ΔTを調整することも可能である。

0096

A−1.第1変形例
図7は、本発明の第1変形例に係る車両10Aの駆動系及びその周辺の概略構成図である。車両10Aでは、上記実施形態に係る車両10の前輪駆動装置34及び後輪駆動装置38の構成が反対になっている。すなわち、車両10Aの前輪駆動装置34aは、車両10Aの前側に配置された第2及び第3走行モータ16a、18aを備える。また、車両10Aの後輪駆動装置38aは、車両10Aの後ろ側に直列配置されたエンジン12a及び第1走行モータ14aを備える。

0097

A−2.第2変形例
図8は、本発明の第2変形例に係る車両10Bの駆動系及びその周辺の概略構成図である。車両10Bでは、エンジン12からの駆動力(以下「駆動力Feng」という。)を前輪32a、32b及び後輪36a、36bに伝達する。これにより、前輪32a、32b(主駆動輪)に加え、後輪36a、36b(副駆動輪)を駆動輪とする。なお、前記実施形態(図1)と同様、エンジン12にモータ14が接続されてもよい。

0098

車両10Bは、トランスファクラッチ90と、プロペラシャフト92と、デファレンシャルギア94と、デファレンシャルギア出力軸96a、96b(以下「出力軸96a、96b」ともいう。)と、第1クラッチ98と、左出力軸100と、第2クラッチ102と、右出力軸104とを有する。

0099

トランスファクラッチ90は、プロペラシャフト92を介して後輪36a、36bに配分されるエンジン12からの駆動力Fengを調整する。デファレンシャルギア94は、プロペラシャフト92を介して伝達された後輪36a、36bへの駆動力Fengを左右の出力軸96a、96bに均等配分する。

0100

第1クラッチ98は、駆動ECU28からの指令に基づいて締結度合いを調整して出力軸96aからの駆動力を、左後輪36aに連結固定された左出力軸100に伝達する。第2クラッチ102は、駆動ECU28からの指令に基づいて締結度合いを調整して出力軸96bからの駆動力を、右後輪36bに連結固定された右出力軸104に伝達する。

0101

上記のような構成により、車両10Bでは、後輪36a、36bの駆動力(トルク)を個別に調整することができる。車両10Bのより詳細な構成としては、例えば、US 2005/0217921 A1に記載のものを用いることができる。

0102

第2変形例に係る車両10Bでは、エンジン12(原動機)と左後輪36a(左駆動輪)とは第1クラッチ98(第1動力伝達機構)を介して接続され、エンジン12と右後輪36b(右駆動輪)とは第2クラッチ102(第2動力伝達機構)を介して接続される。第1クラッチ98及び第2クラッチ102は、接続状態と遮断状態の単なる切替えのみならず、滑り度合いを調整して接続状態又は遮断状態を複数段階に切り替えることが可能である。また、駆動ECU28(制御部)は、AP開度θapの変化速度Vapに基づいて、第1クラッチ98及び第2クラッチ102を制御して、左後輪36a及び右後輪36bのトルク差ΔTを調整する。これにより、AP開度θapに基づくエンジン12の出力変化を待たずに、左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを調整することが可能となる。

0103

また、第1クラッチ98は、エンジン12と左後輪36aとの間で動力伝達を行う接続状態と、エンジン12と左後輪36aとの間で動力遮断を行う遮断状態とを切替可能である。同様に、第2クラッチ102は、エンジン12と右後輪36bとの間で動力伝達を行う接続状態と、エンジン12と右後輪36bとの間で動力遮断を行う遮断状態とを切替可能である。さらに、駆動ECU28は、AP開度θapの変化速度Vapに基づいて、第1クラッチ98及び第2クラッチ102の接続状態と遮断状態とを切り替えることにより、左後輪36aと右後輪36bのトルク差ΔTを調整する。

0104

上記によれば、駆動ECU28は、第1クラッチ98及び第2クラッチ102の断接によって左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを調整する。これにより、第1クラッチ98及び第2クラッチ102の接続及び遮断によって左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを調整することが可能となる。このため、トルク差ΔTを高い応答性で発生させることが可能となる。

0105

A−3.第3変形例
図9は、本発明の第3変形例に係る車両10Cの駆動系及びその周辺の概略構成図である。第2変形例に係る車両10Bと同様、車両10Cでは、エンジン12からの駆動力(駆動力Feng)を前輪32a、32b及び後輪36a、36bに伝達する。これにより、前輪32a、32b(主駆動輪)に加え、後輪36a、36b(副駆動輪)を駆動輪とする。車両10Bと同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。なお、前記実施形態(図1)と同様、エンジン12にモータ14が接続されてもよい。

0106

車両10Cは、トランスファクラッチ90、プロペラシャフト92、デファレンシャルギア94、デファレンシャルギア出力軸96a、96b(出力軸96a、96b)、左出力軸100及び右出力軸104に加え、第1再配分機構110及び第2再配分機構112を有する。

0107

第1再配分機構110は、車両10Cの左折時において、デファレンシャルギア94から左後輪36a用に配分又は分岐された駆動力の一部又は全部を右後輪36bに伝達する。第1再配分機構110は、左旋回クラッチ、左後輪36a用サンギア、3連ピニオンギア及び右後輪36b用サンギア(いずれも図示せず)を備える。

0108

第2再配分機構112は、車両10Cの右折時において、デファレンシャルギア94から右後輪36b用に配分又は分岐された駆動力の一部又は全部を左後輪36aに伝達する。第2再配分機構112は、右旋回クラッチ、右後輪36b用サンギア、3連ピニオンギア及び左後輪36a用サンギア(いずれも図示せず)を備える。

0109

なお、第1再配分機構110の左旋回クラッチ及び第2再配分機構112の右旋回クラッチは、接続状態と遮断状態の単なる切替えのみならず、滑り度合いを調整して接続状態又は遮断状態を複数段階に切り替えることが可能である。

0110

上記のような構成により、車両10Cでは、後輪36a、36bの駆動力を個別に調整することができる。車両10Cのより詳細な構成としては、例えば、特開2011−131618号公報に記載のものを用いることができる。

0111

第3変形例に係る車両10Cでは、第2変形例に係る車両10Bと同様、AP開度θapに基づくエンジン12の出力変化を待たずに、左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを調整することが可能となる。加えて、トルク差ΔTを高い応答性で調整することが可能となる。

0112

B.第1〜第3走行モータ14、16、18
上記実施形態では、第1〜第3走行モータ14、16、18を3相交流ブラシレス式としたが、これに限らない。例えば、第1〜第3走行モータ14、16、18を3相交流ブラシ式、単相交流式又は直流式としてもよい。

0113

上記実施形態では、第1〜第3走行モータ14、16、18は、高圧バッテリ20から電力が供給されたが、これに加え、燃料電池から電力を供給されてもよい。

0114

C.トルク制御
C−1.全体
上記実施形態では、舵角比例FF制御、AP微分FF制御及びFB制御のそれぞれを行った(図2参照)。しかしながら、例えば、AP微分FF制御に着目すれば、舵角比例FF制御及びFB制御の一方又は両方を省略することも可能である。

0115

上記実施形態では、運転者によるアクセルペダル64の操作に基づき前輪駆動装置34及び後輪駆動装置38のトルクを制御した。しかしながら、例えば、前輪駆動装置34及び後輪駆動装置38のトルクを制御する観点からすれば、これに限らない。例えば、車両10において前輪駆動装置34及び後輪駆動装置38のトルクを自動的に制御する構成(いわゆる自動運転を行う構成)にも、本発明を適用可能である。なお、ここにいう自動運転は、前輪駆動装置34及び後輪駆動装置38のトルクに限らず、操舵についても自動で行うものであってもよい。

0116

上記実施形態において、駆動ECU28は、前輪駆動装置34及び後輪駆動装置38のトルク自体を演算対象とする制御を行った。しかしながら、例えば、前輪駆動装置34及び後輪駆動装置38のトルク(駆動動力量)を制御する観点からすれば、これに限らない。例えば、駆動ECU28は、トルクに代えて、トルクと換算可能な出力又は駆動力を演算対象とする制御を行うことも可能である。

0117

C−2.AP微分FF制御
上記実施形態では、舵角θst及び車輪速Vwに基づくマップをAP微分トルクTff2の算出(選択)に用いた(図4のS4、S5)。しかしながら、例えば、AP微分トルクTff2の利用に着目すれば、これに限らない。例えば、AP開度θapの変化速度VapとトルクTff2との関係を規定した単一のマップを設けておき、当該単一のマップを用いてトルクTff2を選択又は算出してもよい。

0118

上記実施形態では、左右後輪36a、36bのうち外輪に対してトルクTff2を加え、内輪からトルクTff2を引いた(換言すると、−Tff2を加えた)。しかしながら、例えば、舵角θstに加えて、AP開度θapの変化速度Vapに基づいて左後輪36a(左駆動輪)及び右後輪36b(右駆動輪)のトルク差ΔT(動力差)を調整する観点からすれば、これに限らない。例えば、外輪に対してトルクTff2を加えるのみの構成又は内輪からトルクTff2を引くのみの構成とすることも可能である。

0119

上記実施形態では、AP開度θapの変化速度Vapが速い場合、トルク差ΔTを大きくした(図4のS5)。しかしながら、反対に、AP開度θapの変化速度Vapが速い場合、トルク差ΔTを小さくすることも可能である。これにより、例えば、雪道発進の場合に車両10がスリップすることを防止し易くすることが可能となる。

0120

C−3.その他
上記実施形態では、AP微分FF制御において、AP開度θapの変化速度Vapに応じて左右後輪36a、36bのトルク差ΔTを変化させた(図4のS5)。しかしながら、例えば、AP開度θapの変化速度Vapに応じて左右後輪36a、36bのトルクを変化させる観点からすれば、これに限らない。例えば、トルク差ΔTの調整に加えて又はこれに代えて、変化速度Vapに応じてFF合計トルクTff_total(例えば、トルクTff2)を増加又は減少させることも可能である。例えば、変化速度Vapが増加した場合、FF合計トルクTff_totalを増加させることができる。当該制御によっても、車両10の姿勢がより安定し又は運転者の意思(高速旋回)に対する応答性を高めることが可能となる。

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