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技術 病理染色液

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 岡田文徳高梨健作
出願日 2014年7月24日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2015-528346
公開日 2017年3月2日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 WO2015-012374
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 秤量精度 固体密度 液詰まり B型粘度計 染色対象 フタ付き 内包粒子 ジイソキノリン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月2日)のものです。
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図面 (4)

課題・解決手段

[課題]蛍光免疫染色に用いる病理染色液であって、一ヶ月冷蔵保存した後においても、蛍光ナノ粒子が沈降しない分散液からなる病理染色液を提供する。[解決手段]平均粒径が50〜200nmの蛍光ナノ粒子からなる蛍光標識体と、溶媒とを含む、下記式(1)を満たす分散液からなる病理染色液。 (ρ−ρw)/η ≦ 0.02 ・・・(1)(式(1)中、ρは20℃における蛍光ナノ粒子の固体密度(g/cm3)を表し、ρwは20℃における分散液の密度(g/cm3)を表し、ηは20℃における分散液の粘度(g/cm・sec)を表す。)

概要

背景

免疫組織化学(Immunohistochemistry; IHC)は、抗体を用いて、病理組織などの生体組織内に存在するタンパク質多糖又はmRNAなど抗原となりうる物質を検出する組織化学的手法として広く知られている。この免疫組織化学は、本来不可視である抗原抗体反応可視化するために発色操作を行うことから、「免疫染色」などと呼ばれる。抗原抗体反応の所在を可視化するという特徴により、免疫組織化学は、生体組織内の生体高分子の所在を検出する目的で、医学および生命化学の分野において広く用いられている。

免疫染色では、DAB(ジアミノベンジジン)法などに代表される酵素を用いた染色法がよく知られているが、この方法は、染色濃度が温度又は時間等の環境条件により大きく左右されるため、目的の抗原分子を正確に測定することが困難である。そこで、これに代わる標識試薬として、定量性能の高い蛍光色素が免疫染色に用いられており、近年、高輝度蛍光標識体の開発が盛んに進められている。

本発明者は、蛍光物質が複数結合した蛍光ナノ粒子からなる蛍光標識体を用いて、生体組織に対して蛍光免疫染色を行う方法を開発してきており、組織標本に含まれる生体高分子に対して、抗体が結合した蛍光ナノ粒子を含む病理染色液を添加することにより、抗原抗体反応を起こさせ、抗原抗体結合物励起光照射することにより観察される輝点を定量する方法を開発してきた(例えば、特許文献1および非特許文献1)。

蛍光免疫染色に用いる病理染色液は通常、高濃度で保存され、蛍光免疫染色を行う際に希釈して用いられる。しかしながら、この病理染色液は、蛍光標識体を分散させた分散液であるため、静置保存中に蛍光標識体の粒子が徐々に凝集又は沈降する。このため、蛍光免疫染色を実施する場合は、病理染色液に超音波をあてて、凝集または沈殿した粒子を再度分散させてから、分散後の病理染色液を希釈する必要がある。

したがって、蛍光免疫染色に用いる病理染色液として、安定した分散性を維持することができるものであることが望まれている。なお、対策のひとつとして、病理染色液の粘度を上げることが考えられるが、吐出に過大な力が必要となること、また、吐出時に液切れが悪くなる等の問題がある。

そのため、上記のような問題を解決し、取り扱い容易な病理染色液を提供するという観点から、病理染色液の分散系の粘度と分散性との関係を改善する必要があった。

概要

[課題]蛍光免疫染色に用いる病理染色液であって、一ヶ月冷蔵保存した後においても、蛍光ナノ粒子が沈降しない分散液からなる病理染色液を提供する。[解決手段]平均粒径が50〜200nmの蛍光ナノ粒子からなる蛍光標識体と、溶媒とを含む、下記式(1)を満たす分散液からなる病理染色液。 (ρ−ρw)/η ≦ 0.02 ・・・(1)(式(1)中、ρは20℃における蛍光ナノ粒子の固体密度(g/cm3)を表し、ρwは20℃における分散液の密度(g/cm3)を表し、ηは20℃における分散液の粘度(g/cm・sec)を表す。)

目的

したがって、蛍光免疫染色に用いる病理染色液として、安定した分散性を維持することができるものであることが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

平均粒径が50〜200nmの蛍光ナノ粒子からなる蛍光標識体と、溶媒とを含む、下記式(1)を満たす分散液からなる病理染色液。(ρ−ρw)/η ≦ 0.02・・・(1)(式(1)中、ρは20℃における蛍光ナノ粒子の固体密度(g/cm3)を表し、ρwは20℃における分散液の密度(g/cm3)を表し、ηは20℃における分散液の粘度(g/cm・sec)を表す。)

請求項2

前記式(1)中、分散液の粘度η(g/cm・sec)が、1<η<100である、請求項1に記載の病理染色液。

請求項3

前記蛍光標識体と溶媒とに加えて、さらに密度および/または粘度調節添加剤として単糖類二糖類またはX線造影剤を含む、請求項1又は2に記載の病理染色液。

請求項4

前記密度および/または粘度調節用添加剤が、スクロースグリセロールソルビトールフルクトース、およびイオパミドールからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項3に記載の病理染色液。

請求項5

分散液が蛍光標識体と、チキソトロピー付与剤と、これら2成分を分散または溶解するための水系溶媒とを含有する水分散液である請求項1に記載の病理染色液。

請求項6

前記チキソトロピー付与剤が水溶性高分子である、請求項5に記載の病理染色液。

技術分野

0001

本発明は、病理染色液に関する。

背景技術

0002

免疫組織化学(Immunohistochemistry; IHC)は、抗体を用いて、病理組織などの生体組織内に存在するタンパク質多糖又はmRNAなど抗原となりうる物質を検出する組織化学的手法として広く知られている。この免疫組織化学は、本来不可視である抗原抗体反応可視化するために発色操作を行うことから、「免疫染色」などと呼ばれる。抗原抗体反応の所在を可視化するという特徴により、免疫組織化学は、生体組織内の生体高分子の所在を検出する目的で、医学および生命化学の分野において広く用いられている。

0003

免疫染色では、DAB(ジアミノベンジジン)法などに代表される酵素を用いた染色法がよく知られているが、この方法は、染色濃度が温度又は時間等の環境条件により大きく左右されるため、目的の抗原分子を正確に測定することが困難である。そこで、これに代わる標識試薬として、定量性能の高い蛍光色素が免疫染色に用いられており、近年、高輝度蛍光標識体の開発が盛んに進められている。

0004

本発明者は、蛍光物質が複数結合した蛍光ナノ粒子からなる蛍光標識体を用いて、生体組織に対して蛍光免疫染色を行う方法を開発してきており、組織標本に含まれる生体高分子に対して、抗体が結合した蛍光ナノ粒子を含む病理染色液を添加することにより、抗原抗体反応を起こさせ、抗原抗体結合物励起光照射することにより観察される輝点を定量する方法を開発してきた(例えば、特許文献1および非特許文献1)。

0005

蛍光免疫染色に用いる病理染色液は通常、高濃度で保存され、蛍光免疫染色を行う際に希釈して用いられる。しかしながら、この病理染色液は、蛍光標識体を分散させた分散液であるため、静置保存中に蛍光標識体の粒子が徐々に凝集又は沈降する。このため、蛍光免疫染色を実施する場合は、病理染色液に超音波をあてて、凝集または沈殿した粒子を再度分散させてから、分散後の病理染色液を希釈する必要がある。

0006

したがって、蛍光免疫染色に用いる病理染色液として、安定した分散性を維持することができるものであることが望まれている。なお、対策のひとつとして、病理染色液の粘度を上げることが考えられるが、吐出に過大な力が必要となること、また、吐出時に液切れが悪くなる等の問題がある。

0007

そのため、上記のような問題を解決し、取り扱い容易な病理染色液を提供するという観点から、病理染色液の分散系の粘度と分散性との関係を改善する必要があった。

0008

特開2012−194013号公報

先行技術

0009

HER2-Targeted Therapy: Lessons learned and Future Directions, Rita Nahta and Francisco J. Esteva, Clin. Cancer Res., Nov. 2003; 9; 5078-5084

発明が解決しようとする課題

0010

例えば、特許文献1に記載の蛍光物質内包シリカ粒子を含む病理染色液を、一ヶ月程度保存すると、病理染色液に分散した蛍光標識体の粒子が凝集又は沈降してしまう。
本発明は、蛍光免疫染色に用いる病理染色液であって、調製後、一定の期間保存した後においても、蛍光ナノ粒子が凝集又は沈降しない分散液からなる病理染色液を提供することを課題とする。

0011

また、本発明は、病理染色液の調製に用いることができる、長時間保存した後においても標識体粒子が凝集又は沈降しない水分散液を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、蛍光標識体の粒子および分散液の密度と、分散液の粘度とが、凝集又は沈降に影響を及ぼすことに着目し、これらの関係を検討した結果、式(1)を満たす場合に、一定の期間保存した後においても、粒子が凝集又は沈降しないことを見出した。
また、本発明者は、水分散液の粘度が、標識体粒子の凝集又は沈降に影響を及ぼすことに着目し、水分散液にチキソトロピー性を持たせることにより、上記の問題を解決することを見出し、本発明を完成させた。

0013

すなわち、本発明は、以下の事項からなる。
[1]平均粒径が50〜200nmの蛍光ナノ粒子からなる蛍光標識体と、溶媒とを含む、下記式(1)を満たす分散液からなる病理染色液。
(ρ−ρw)/η ≦ 0.02 ・・・(1)
(式(1)中、ρは20℃における蛍光ナノ粒子の固体密度(g/cm3)を表し、ρwは20℃における分散液の密度(g/cm3)を表し、ηは20℃における分散液の粘度(g/cm・sec)を表す。)

0014

[2]前記式(1)中、分散液の粘度η(g/cm・sec)が、1<η<100である、[1]に記載の病理染色液。

0015

[3]前記分散液が、前記蛍光標識体と溶媒とに加えて、さらに密度および/または粘度調節添加剤として単糖類二糖類またはX線造影剤を含む、[1]又は[2]に記載の病理染色液。

0016

[4]前記密度および/または粘度調節用添加剤が、スクロースグリセロールソルビトールフルクトース、およびイオパミドールからなる群より選ばれる少なくとも一種である、[3]に記載の病理染色液。

0017

[5]微粒子状標識体と、チキソトロピー付与剤と、これら2成分を分散または溶解するための水系溶媒とを含有する水分散液。

0018

[6]前記チキソトロピー付与剤が水溶性高分子である、[5]に記載の水分散液。
[7]前記水溶性高分子がカルボキシメチルセルロース塩である、[6]に記載の水分散液。

0019

[8]B型粘度計を用いて、25℃及び60rpmの条件下で測定したみかけ粘度が10〜50mPa・sである、[5]〜[7]のいずれか一項に記載の水分散液。
[9]pH6〜8である、[5]〜[8]のいずれか一項に記載の水分散液。

0020

[10]前記微粒子状標識体が微粒子状蛍光標識体である、[5]〜[9]のいずれか一項に記載の水分散液。
[11]前記微粒子状蛍光標識体が、蛍光ナノ粒子が標識体化されたものである、[10]に記載の水分散液。

0021

[12]前記微粒子状標識体が、病理染色用生体関連物質複合体化されているものである、[5]〜[11]のいずれか一項に記載の水分散液。
[13][12]に記載の水分散液を含有する病理染色液。
[14][12]に記載の病理染色液が充填された、自動染色装置用の試薬ボトル
[15]分散液が蛍光標識体と、チキソトロピー付与剤と、これら2成分を分散または溶解するための水系溶媒とを含有する水分散液である[1]に記載の病理染色液。
[16]前記チキソトロピー付与剤が水溶性高分子である、[15]に記載の病理染色液。

発明の効果

0022

本発明の病理染色液は、調製後一定の期間(例えば一ヶ月間)保存した後においても、該分散液中の蛍光標識体等の粒子が凝集又は沈降しないため、該分散液に超音波をあてて粒子を分散する操作を行うことなく、蛍光免疫染色に用いることができる。
本発明の病理染色液は、ピペットで容易に吸い上げることができ、また、吐出する際も病理染色液がピペット内に残留しないため、取り扱いが容易である。

0023

また、本発明によれば、水分散液にチキソトロピー付与剤を添加して保存時の粘性を高くすることにより、蛍光ナノ粒子のような標識体の沈降または凝集が抑制される病理染色液を調製することができる。標識体が病理染色液中で沈降または凝集せず安定的に分散することで、染色の際に個々の標識体が生体組織上の染色対象分子偏在することがなく結合でき、輝点数の計測および染色対象分子数の評価を正確に行うことができるようになる。また、このような病理染色液は、使用時には吐出によるせん断力が加わるため粘性が下がり、生体組織上にむらなく載せることができる。

図面の簡単な説明

0024

図1は、自動染色装置の試薬ボトルから生体組織上に病理染色液を吐出する様子を示す概略図である。従来技術では、病理染色液中で蛍光標識体の粒子が凝集又は沈降するため、吐出量や濃度が不安定となり、また、粒子が凝集又は沈降すると生体組織上での粒子の分布が不均一となり、輝点数が正確に測定できないのに対し、本発明では、病理染色液の分散性が保たれるため、沈降や凝集が防止され、蛍光標識体を生体組織上に均一に載せることができる。
図2は、比較例5−1および実施例5−1で測定した、水分散液(病理染色液)を自動染色装置の試薬ボトルから、吐出量を150μLに設定して5回吐出したときの吐出量の変動(1回目の吐出量を基準としたときの、各回の吐出量の変化率[%])を示すグラフである。チキソトロピー付与剤を添加しなかった比較例5−1では吐出量が一定しないのに対し、チキソトロピー付与剤である寒天を添加した実施例5−1では水分散液が安定的に吐出されることが分かる。
図3は、比較例6−1および実施例6−1で測定した、APSコートスライドガラス上に水分散液(病理染色液)を吐出したときの輝度ヒストグラム縦軸に輝点数、横軸輝度)である。チキソトロピー付与剤を添加しなかった比較例6−1では、蛍光標識体粒子の凝集により、輝度ヒストグラムがブロードな分布を示すのに対し、チキソトロピー付与剤キサンタンガムを添加した実施例7−1では、水分散液中で蛍光標識体粒子の凝集が抑えられ、輝度ヒストグラムの分布が狭いことが分かる。
図4は、生体組織上で抗原に結合した蛍光標識体の輝点の様子を示す、蛍光顕微鏡での撮影画像である。

0025

本発明の病理染色液について以下に詳細に説明する。
[蛍光ナノ粒子]
本発明の病理染色液は、平均粒径が50〜200nmの蛍光ナノ粒子からなる蛍光標識体と、溶媒とを含む分散液からなる。

0026

本発明で用いられる蛍光ナノ粒子は、免疫染色用の標識体および免疫染色に用いることができるものであれば、既存の如何なるものでも構わない。例えば、本発明で用いられる蛍光ナノ粒子は、次に述べる(A)無機蛍光ナノ粒子、(B)蛍光色素内包ナノ粒子、(C)蛍光ナノ粒子内包粒子のいずれであってもよい。

0027

上記蛍光ナノ粒子は、平均粒径が50〜200nm、好ましくは80〜150nmの粒子である。蛍光ナノ粒子の平均粒径が200nmを超えると、反応効率が低下することにより輝点数が減少する場合があり、蛍光ナノ粒子の平均粒径が50nm未満であると、輝度が低下することにより輝点数が減少する場合がある。

0028

上記蛍光ナノ粒子の平均粒径のばらつきを示す変動係数も特に限定されないが、通常15%以下であり、好ましくは10%以下である。
上記蛍光ナノ粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡写真撮影し、蛍光ナノ粒子の断面積を計測し、その計測値を相当する円の面積としたときの直径(面積円相当径)として測定することができる。蛍光ナノ粒子の集団の粒子サイズの平均(粒径)および変動係数は、充分な数(例えば1000個)の蛍光色素内包ナノ粒子について上記のようにして粒子サイズ(粒径)を測定した後、平均粒径はその算術平均として算出され、変動係数は式:100×粒径の標準偏差/平均粒径、により算出される。

0029

(A)無機蛍光ナノ粒子
無機蛍光ナノ粒子としては、半導体ナノ粒子およびその他の無機蛍光体からなるナノ粒子が挙げられる。

0030

半導体には、例えば、II−VI族半導体であるZnSe、ZnTe、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、PbTe等やII−VI族半導体であるAlAs、AlSb、GaPGaAs、GaSb、InPInAs、InSb等を用いることができ、毒性の観点から、GaP、InPを好適に用いることができる。これらは単独でまたは組み合わせて使用することができる。
その他の無機蛍光体は、例えば、母体にY2O3、YVO4、ZnO、ZnS等を用い、発光中心にEuやNd等を単独でまたは組み合わせて使用することができる。

0031

(B)蛍光色素内包ナノ粒子
蛍光色素内包ナノ粒子とは、有機物または無機物でできた粒子(母体)中に複数の蛍光色素が内包された構造を有するナノサイズの粒子である。本発明で用いる蛍光色素内包ナノ粒子は、適切な蛍光色素および粒子を形成する有機物または無機物を原料として選択した上で、公知の方法により作製することができる。

0032

粒子を形成する有機物または無機物としては、例えば、ポリスチレンポリアミドポリ乳酸ポリアクリロニトリルポリグリシジルメタクリレートメラミン樹脂ポリウレアポリベンゾグアナミンポリフラン、ポリキシレンフェノール樹脂、多糖、シリカ等、安定的に蛍光色素を内包できるものが挙げられる。メラミン樹脂としては、例えば、水溶性メラミン樹脂「ニカラックMX−035」(日本カーバイド工業社製)が挙げられる。

0033

内包される蛍光色素は、例えば、ローダミン系色素分子、スクアリリウム系色素分子、シアニン系色素分子、芳香環系色素分子オキサジン系色素分子、カルボピロニン系色素分子、ピロセン系色素分子、等の中から選択することができる。あるいはAlexa Fluor(登録商標インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、Cy(登録商標、GEヘルスケア社製)系色素分子、DY(登録商標、DYOMICS社製)系色素分子、HiLyte(登録商標、アナスペック社製)系色素分子、DyLight(登録商標、サーモサイエンティフィック社製)系色素分子、ATTO(登録商標、ATTO−TEC社製)系色素分子、MFP(登録商標、Mobitec社製)系色素分子等の中から選択することができる。なお、これら色素分子の総称は、化合物中の主要な構造(骨格)または登録商標に基づき命名されており、それぞれに属する蛍光色素の範囲は当業者であれば過度試行錯誤を要することなく適切に把握できるものである。

0034

ローダミン系色素分子の具体例としては、5−カルボキシローダミン、6−カルボキシ−ローダミン、5,6−ジカルボキシ−ローダミン、ローダミン 6G、テトラメチルローダミン、X−ローダミン、テキサスレッドスペクトラムレッド(Spectrum Red)、LD700パークレート(LD700 PERCHLORATE)、などが挙げられる。

0035

スクアリリウム系色素分子の具体例としては、SRfluor, 680−carboxylate、1,3−ビス[4−(ジメチルアミノ)−2−ヒドロキシフェニル]−2,4−ジヒドロキシシクロブテンイリウムジヒドロキシド(1,3-bis[4-(dimethylamino)-2-hydroxyphenyl]-2,4-dihydroxycyclobutenediylium dihydroxide)、ビス、1,3−ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2,4−ジヒドロキシシクロブテンジイリウムジヒドロキシド(bis, 1,3-bis[4-(dimethylamino)phenyl]-2,4-dihydroxycyclobutenediylium dihydroxide)ビス、2−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−(ジエチルミニオ)−2−ヒドロキシシクロヘキサ−2,5−ジエニリデン)−3−オキソシクロブテ−1−エノレート(bis, 2-(4-(diethylamino)-2-hydroxyphenyl)-4-(4-(diethyliminio)-2-hydroxycyclohexa-2,5-dienylidene)-3-oxocyclobut-1-enolate)、2−(4−(ジブチルアミノ)−2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−(ジブチルイミニオ)−2−ヒドロキシシクロヘキサ−2,5−ジエニリデン)−3−オキソシクロブテ−1−エノレート(2-(4-(dibutylamino)-2-hydroxyphenyl)-4-(4-(dibutyliminio) -2-hydroxycyclohexa-2,5-dienylidene)-3-oxocyclobut-1-enolate)、2−(8−ヒドロキシ−1,1,7,7−テトラメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロピリド[3,2,1−ij]キノリン−9−イル)−4−(8−ヒドロキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−ピリド[3,2,1−ij]キノリニウム−9(5H)−イリデン)−3−オキソシクロブテ−1−エノレート(2-(8-Hydroxy-1,1,7,7-tetramethyl-1,2,3,5,6,7-hexahydropyrido[3,2,1-ij]quinolin-9-yl)-4-(8-hydroxy-1,1,7,7-tetramethyl-2,3,6,7-tetrahydro-1H-pyrido[3,2,1-ij]quinolinium-9(5h)-ylidene)-3-oxocyclobut-1-enolate)、などが挙げられる。

0036

シアニン系色素分子の具体例としては、1−ブチル−2−[5−(1−ブチル−1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−2H−インドール−2−イリデン)−ペンタ−1,3−ジエニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウムヘキサフルオロホスフェート(1-butyl-2-[5-(1-butyl-1,3-dihydro-3,3-dimethyl-2H-indol-2-ylidene)-penta-1,3-dienyl]-3,3-dimethyl-3H-indolium hexafluorophosphate)、1−ブチル−2−[5−(1−ブチル−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−イリデン)−3−クロロペンタ−1,3−ジエニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウムヘキサフルオロホスフェート(1-butyl-2-[5-(1-butyl-3,3-dimethyl-1,3-dihydro-indol-2-ylidene)-3-chloropenta-1,3-dienyl]-3,3-dimethyl-3H-indolium hexafluorophosphate)、3−エチル−2−[5−(3−エチル−3H−ベンゾチオアゾール−2−イリデン)−ペンタ−1,3−ジエニル]−ベンゾチアゾール−3−イウム-アイオダイド(3 -ethyl-2-[5-(3-ethyl-3H-benzothiazol-2-ylidene)-penta-1,3-dienyl]-benzothiazol-3-ium iodide)、などが挙げられる。

0037

芳香環系色素分子の具体例としては、N, N−ビス−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,7,12−(4−tert−ブチルフェノキシ)−ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(N, N-bis-(2,6-diisopropylphenyl)-1,6,7,12-(4-tert-butylphenoxy)-perylen-3,4,9,10-tetracarboxylic acid diimide)、N,N'−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,7,12−テトラフェノキシペリレン−3,4:9,10−テトラカルボキシジイミド(N,N'-bis(2,6-diisopropylphenyl)-1,6,7,12-tetraphenoxyperylene-3,4:9,10-tetracarboxdiimide)、N,N'−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−ビス(ジカルボイミド)(N,N'-bis(2,6-diisopropylphenyl)perylene-3,4,9,10-bis(dicarbimide))、16N,N'−ビス(2,6−ジメチルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(16N,N'-bis(2,6-dimethylphenyl)perylene-3,4,9,10-tetracarboxylic diimide)、4,4'−[(8,16−ジヒドロ−8,16−ジオキソジベンゾ[a,j]ペリレン−2,10−ジイルジオキシ]ジブチル酸(4,4'-[(8,16-dihydro-8,16-dioxodibenzo[a,j]perylene-2,10-diyl)dioxy]dibutyric acid)、2,10−ジヒドロキシ−ジベンゾ[a,j]ペリレン−8,16−ジオン(2,10-dihydroxy-dibenzo[a,j]perylene-8,16-dione)、2,10−ビス(3−アミノプロポキシ)ジベンゾ[a,j]ペリレン−8,16−ジオン(2,10-bis(3-aminopropoxy)dibenzo[a,j]perylene-8,16-dione)、 3,3'−[(8,16−ジヒドロ−8,16−ジオキソジベンゾ [a,j]ペリレン−2,10−ジイル)ジオキシ]ジプロピルアミン(3,3'-[(8,16-dihydro-8,16-dioxodibenzo[a,j]perylen-2,10-diyl)dioxy]dipropylamine])、17−ビス(オクチルオキシアントラ[9,1,2−cde−]ベンゾ[rst]ペンタフェン−5−10−ジオン(17-bis(octyloxy)anthra[9,1,2-cde-]benzo[rst]pentaphene-5-10-dione)、オクタデカン酸、 5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソアントラ [9,1,2−cde]ベンゾ[rst]ペンタフェン−16,17−ジイルエステル(octadecanoic acid, 5,10-dihydro-5,10-dioxoanthra[9,1,2-cde]benzo[rst]pentaphene-16,17-diyl ester)、ジヒドロキシジベンズアントロン(dihydroxydibenzanthrone)、ベンゼンスルホン酸,4,4',4'',4'''−[[2,9−ビス[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−1,2,3,8,9,10−ヘキサヒドロ−1,3,8,10−テトラオキソアントラ [2,1,9−def:6,5,10−d'e'f']ジイソキノリン−5,6,12,13−テトライル]テトラキスオキシ)]テトラキス−,ベンゼンエタンアミニウム(benzenesulfonic acid, 4,4',4'',4'''-[[2,9-bis[2,6-bis(1-methylethyl)phenyl]-1,2,3,8,9,10-hexahydro-1,3,8,10-tetraoxoanthra[2,1,9-def:6,5,10-d'e'f']diisoquinoline-5,6,12,13-tetrayl]tetrakis(oxy)]tetrakis-,benzeneethanaminium)、 4,4',4'',4'''−[[2,9−ビス[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−1,2,3,8,9,10−ヘキサヒドロ−1,3,8,10−テトラオキソアントラ [2,1,9−def:6,5,10−d'e'f']ジイソキノリン−5,6,12,13−テトライル]テトラキス(オキシ)]テトラキス[N,N,N−トリメチル−](4,4',4'',4'''-[[2,9-bis[2,6-bis(1-methylethyl)phenyl]-1,2,3,8
,9,10-hexahydro-1,3,8,10-tetraoxoanthra[2,1,9-def:6,5,10-d'e'f']diisoquinoline-5,6,12,13-tetrayl]tetrakis(oxy)]tetrakis[N,N,N-trimethyl-])、などが挙げられる。

0038

オキサジン系色素分子の具体例としては、Cresyl violet、Oxazine 170、EVOblue30、Nile Blueなどが挙げられる。
カルボピロニン系色素分子の具体例としては、CARBOPYRONIN 149などが挙げられる。

0039

ピロメセン系色素分子の具体例としては、PYRROMETHENE 650などが挙げられる。
Alexa Fluor系色素分子の具体例としては、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750など(以上、インビトロジェン社製)が挙げられる。

0040

BODIPY系色素分子の具体例としては、BODIPYFL、BODIPYTMR、BODIPY 493/503、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665(以上、インビトロジェン社製)などが挙げられる。

0041

Cy系色素分子の具体例としては、Cy3.5、Cy5、Cy5.5(以上、GEヘルスケア社製)などが挙げられる。
DY系色素分子の具体例としては、DY-590、DY-610、DY-615、DY-630、DY-631、DY-632、DY-633、DY-634(以上、DYOMICS社製)、などが挙げられる。

0042

HiLyte系色素分子の具体例としては、HiLyte Fluor 594、HiLyte Fluor TR(以上、アナスペック社製)などが挙げられる。
DyLight系色素分子の具体例としては、DyLight 594、DyLight 633(以上、サーモサイエンティフィック社製)などが挙げられる。

0043

ATTO系色素分子の具体例としては、ATTO590、ATTO610、ATTO620、ATTO633、ATTO655など(以上、ATTO−TEC社製)が挙げられる。
MFP系色素分子の具体例としては、MFP590、MFP631(以上、Mobitec社製)などが挙げられる。

0044

その他色素としては、C−フィコシアニン(C-phycocyanin)、フィコシアニン(phycocyanin)、APCアロフィコシアニン(allo phycocyanin))、APC-XL、Northern Lights 637(R&D Systems社製)、等が挙げられる。

0045

また、これらの誘導体(蛍光色素として機能しうるもの、例えば、公知の誘導体)を挙げることができる。
以上のような蛍光色素は、蛍光色素内包ナノ粒子中に、いずれか一種を単独で内包させるようにしても、複数種を混合して内包させるようにしてもよい。

0046

例えば、ローダミン系色素分子、芳香環系色素分子などの蛍光色素は比較的耐光性が高いため好ましく、なかでも芳香環系色素分子に属するペリレン(perylene)、特にペリレンジイミド(perylene diimide)が好ましい。一方、比較的耐光性の低い蛍光色素であっても、適切な母体を選択することにより、本発明による所定の輝度保持率の条件を満たす蛍光色素内包ナノ粒子を作製できる可能性がある。

0047

蛍光色素内包ナノ粒子の製造方法は特に限定されるものではない。粒子原料であるモノマーに色素分子を結合させて粒子を合成する方法、粒子に色素を吸着させて導入する方法等、粒子への色素の導入には如何なる方法を用いても構わない。

0048

ここで、モノマーとしては、所定の官能基を予め側鎖に有する(コ)モノマーを(共)重合させるか、上記有機物または無機物粒子(母体)の作製後に、それを構成しているモノマー単位に結合した官能基を試薬処理して該所定の官能基に変換する方法が挙げられる。

0049

具体的には、スチレンと共にグリシジルメタクリレートをモノマーとして用いて共重合させることにより、表面にエポキシ基を有するポリスチレン系樹脂粒子を製造する実施形態や、メラミンホルムアルデヒドとをモノマーとして用いて共重合させることにより、メラミン系樹脂を製造する実施形態等が挙げられる。なお、グリシジルメタクリレートが有するエポキシ基は、所定の試薬処理によりアミノ基に変換することもできる。

0050

(C)無機蛍光ナノ粒子内包粒子
本発明で用いられる無機蛍光ナノ粒子内包粒子とは、有機物または無機物でできた粒子(母体)に対し、上記(A)で説明した無機蛍光ナノ粒子が内包されてなるものである。無機蛍光ナノ粒子は、蛍光色素内包ナノ粒子中に、いずれか一種を単独で内包させるようにしても、複数種を混合して内包させるようにしてもよい。

0051

蛍光色素内包ナノ粒子の製造方法は特に限定されるものではない。粒子原料である上記モノマーに無機蛍光ナノ粒子を結合させて粒子を合成する方法、粒子に無機蛍光ナノ粒子を吸着させて導入する方法等、粒子への無機蛍光ナノ粒子の導入は如何なる方法を用いても構わない。
上記(A)無機蛍光ナノ粒子、(B)蛍光色素内包ナノ粒子、および(C)無機蛍光ナノ粒子内包粒子のうち、(B)蛍光色素内包ナノ粒子が好ましい。

0052

蛍光標識体
特定の抗原に対して免疫染色を行う際には、蛍光ナノ粒子と一次抗体とを連結させた標識体(コンジュゲート)を作製し、抗原に直接結合させる方法(一次抗体法);蛍光ナノ粒子と二次抗体とを連結させた標識体を作製し、抗原に結合した一次抗体に結合させる方法(二次抗体法);蛍光ナノ粒子とアビジンまたはストレプトアビジンとを連結させた標識体を作製し、抗原に結合したビオチン修飾一次抗体が有するビオチンまたは一次抗体に結合したビオチン修飾二次抗体が有するビオチンに結合させる方法、あるいはこれらの結合様式におけるビオチンとアビジンまたはストレプトアビジンとを入れ替えた方法(ビオチン−アビジン法)などがある。

0053

本発明の蛍光ナノ粒子は、これらの方法に基づき、上記のような標識体の形態にして用いられる。ここで、蛍光ナノ粒子は、標識体化していない状態で分散液として保存しておき、免疫染色を行う直前にその蛍光ナノ粒子と標識体化のための試薬とを反応させて標識体化して、病理染色液を調製するようにしてもよいが、免疫染色を行う際に直ちに使用できるよう、あらかじめ標識体化した状態で分散液として保存しておくことが好適である。すなわち、本発明で用いる蛍光ナノ粒子はあらかじめ標識体化されたものが好ましく、本発明に係る病理染色液は、そのような標識体化された蛍光ナノ粒子の分散液からなること、ないし当該分散液と必要に応じて添加されるさらなる成分を含有するものとして規定される。この場合、病理染色液の用途(免疫染色の対象とする抗原)が限定されない汎用的なものとなるよう、蛍光ナノ粒子は、アビジンまたはストレプトアビジンが連結して複合体化されていることが好ましい。

0054

なお、蛍光ナノ粒子が複合体化している場合、分散液の密度および粘度については、そのような複合体化した蛍光ナノ粒子を含有した状態で測定される一方、蛍光ナノ粒子の固体密度については、複合体化していない蛍光ナノ粒子の固体密度を、複合体化した蛍光ナノ粒子の固体密度とみなすこととする(これらの固体密度の差は極めて小さい)。

0055

免疫染色に用いる一次抗体は如何なるものでも構わず、免疫染色を行いたい対象によって変わる。例えば、Ki67を抗原とする免疫染色を行う場合には、抗Ki67抗体を用いる。また、二次抗体は如何なるものを用いても構わず、一次抗体によって変わる。例えば、抗マウスラビットヤギ・チキン抗体が挙げられる。

0056

蛍光ナノ粒子と抗体やビオチンの結合は既存の如何なる方法を用いても構わない。例えば、アミンカルボン酸の反応によるアミド化マレイミドチオールの反応によるスルフィド化アルデヒドとアミンの反応によるイミン化、エポキシとアミンの反応によるアミノ化等を用いることができる。

0057

免疫染色の対象となりうる抗原には、前述したKi67以外にも、HER−2、HER−3、HER−4(Human Epidermal Growth Factor Receptor(ヒト上皮成長因子受容体))、EGFR(Epidermal Growth Factor Receptor(上皮成長因子受容体))、PDGFR(Platelet-Derived Growth Factor(血小板由来増殖因子受容体))、VEGRR(Vascular Endothelial Growth Factor Receptor(血管内皮細胞増殖因子受容体))、NGFR(Nerve Growth Factor Receptor(神経成長因子受容体))、FGFR(Fibroblast Growth Factor Receptor(繊維芽細胞増殖因子受容体))、IR(Insulin Receptor(インスリン受容体))、ER(Estrogen Receptor(エストロゲン受容体))、PgR(Progesterone Receptor(プロゲステロン受容体))、c−Met(肝細胞増殖因子受容体)、TNF−α(Tumor Necrosis Factor(腫瘍壊死因子))受容体、IL−6(Interleukin(インターロイキン))受容体、c−Kit(幹細胞因子受容体)、ALK(Anaplastic lymphoma kinase(未分化リンパ腫キナーゼ))など、サイトカインのような各種の生体関連物質に対する、細胞表面に発現する受容体;CD31(PECAM−1)(Platelet Endothelial Cell Adhesion Molecule-1(血小板内皮細胞接着分子1))、CD34(Endothelial cell marker(内皮細胞マーカー))、GPC3(Glypican(グリピカン)3)など、細胞表面に発現するマーカー分子糖タンパク質等);CK7(Cytokeratin(サイトケラチン))、Actin(アクチン)、p53など、細胞内に発現する分子;RSVFタンパク質B型肝炎ウイルス表面抗原、B型肝炎ウイルスコア抗原C型肝炎ウイルスコア抗原、NS3(Non-structural protein(非構造タンパク質)3)等のウイルスで発現する分子などが挙げられる。これらの抗原は、特定のウイルスまたは細胞(たとえばがん細胞、白血球)における発現量が多いことなどから、それらを検出するための対象として利用することができる。

0058

微粒子状標識体は、免疫染色の目的に応じて、通常用いられる濃度で水分散液中に含まれていればよく、水分散液1mLに対し、通常0.01〜2.00 mmol、好ましくは0.04〜1.00 mmolの割合で添加する。水分散液中の微粒子状標識体の量が上記範囲内にあると、自動染色装置内の試薬ボトルに水分散液を入れて長時間保存しても、粒子の分散性が良好に維持される。

0059

[チキソトロピー付与剤]
本発明におけるチキソトロピー付与剤としては、水分散液にチキソトロピー性を付与できるものであれば既存の如何なるものでも構わない。一般的に、増粘多糖類増粘剤乳化安定剤などとして知られている物質を、本発明におけるチキソトロピー付与剤として用いることができる。

0060

ここで、チキソトロピー性とは、低せん断速度下で粘度が高く、かつ、高せん断速度下で粘度の低下を起こす性質をいう。
上記チキソトロピー付与剤としては、水溶性高分子、例えば、キサンタンガム、ウェランガムサクシノグリカングアーガムローカストビーンガムタマリンドガムペクチン及びこれらの誘導体、カルボキシメチルセルロースCMC塩類ヒドロキシエチルセルロースアルギン酸塩類グルコマンナン、寒天、カラギナン等、ゲル化能を有する増粘多糖類;メタクリル酸アルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体架橋性アクリル酸重合体などの合成樹脂、PEG系HLB8〜12のノニオン系増粘剤(界面活性剤)などが挙げられる。

0061

これらのうち、分散安定性の点から、キサンタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)塩、及びPEG系のノニオン系増粘剤などの水溶性高分子が、より好ましい。カルボキシメチルセルロース(CMC)塩のようにカルボン酸塩スルホン酸塩を形成している場合、たとえばナトリウム塩カリウム塩リチウム塩アンモニウム塩、などの1価の塩がより好ましい。

0062

上記チキソトロピー付与剤は、水分散液1mL中に、通常1〜800mg、好ましくは1〜100mg添加する。水分散液中のチキソトロピー付与剤の量が上記範囲内にあると、自動染色装置内の試薬ボトルに水分散液を入れて長時間保存しても、病理染色用等の標識体(たとえば蛍光色素内包蛍光ナノ粒子)の分散性が良好に維持される。

0063

[溶媒]
本発明で用いられる溶媒は、免疫染色に用いることができる、好ましくは粘度調節用添加剤を溶解させて所定の粘度に調節することができるものであれば、既存の如何なるものでも構わない。一般的には、水(純水)またはPBSリン酸緩衝液生理的食塩水)等の緩衝液が用いられる。

0064

[水系溶媒]
また、本発明の水分散液は、微粒子状標識体及びチキソトロピー付与剤の他に、これら2成分を分散または溶解させるための水系溶媒を含む。上記水系溶媒としては、免疫染色に用いることができる、具体的にはチキソトロピー付与剤を溶解させて所定の粘度に調節することができるものであれば、既存の如何なるものでも構わない。一般的には、水(純水)又はPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)等の緩衝液が用いられる。本発明の水分散液に配合される溶媒は、病理診断への用途において要求される生体親和性や透明性などを考慮すると、実質的に水系溶媒のみからなり有機溶媒は含有しない(水分散液に配合する各種の成分にその調製時に用いたものが付着しているなど、完全には排除しがたい有機溶媒の混入許容されるが、意図的には有機溶媒を添加しない)ことが好ましい。

0065

[水分散液]
本発明の水分散液は、上述したような微粒子状標識体、チキソトロピー付与剤、及び水系溶媒を含有する。このような水分散系は、主として後述するような病理染色液として利用する、あるいは病理染色液の調製に利用することが好適であるが、微粒子状標識体が沈殿、凝集しにくいという特性を活かした他の用途において利用することも可能である。

0066

本発明の水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、好ましくは10〜200mPa・sであり、より好ましくは10〜50mPa・sである。
ここで、本発明において、みかけ粘度とは、水分散液の流動の特性について、B型粘度計を使用し、所定の回転数ローターを回転させたときのトルクを測定し、ずり速度ずり応力の関係(ずり応力/ずり速度)を求めたものである。

0067

B型粘度計を用いて、1%キサンタンガム水溶液のみかけ粘度を測定する方法を具体例を挙げて説明する。
共栓付き300mL三角フラスコに約2.2gのキサンタンガムを精し、次式に従って溶解水を加える。
溶解水(g)=キサンタンガム(g)×(99−水分(%))

0068

得られた水溶液を一夜間放置後、マグネチックスターラーで約5分間かき混ぜ、完全な溶液とした後、口径約45mm、高さ約145mmのフタ付き容器に移し、25±0.2℃の恒温槽に30分間静置した後、ガラス棒で溶液をゆるくかき混ぜて、B型粘度計(BII形粘度計)に、ローター及びガードを取り付け、ローターを回転させ、3分後にB型粘度計の目盛を読み取る。ローターの種類(No.1〜4)および回転数に応じて、表1の係数を乗じて粘度とする。なお、ローターの種類および回転数は、キサンタンガム水溶液の粘度の高低に応じて選択する。
粘度(mPa・s)=読み取り目盛×係数

0069

0070

水分散液のみかけ粘度が上記範囲を超えると、自動染色装置を使って生体組織上に水分散液を添加する際に水分散液の粘度が高くて正確な量で吐出できなくなることがあり、上記範囲を下回ると、水分散液中で粒子の凝集又は沈降が生じ、生体組織上に均一に標識体を載せることができなくなることがある。

0071

本発明の水分散液のpHは、好ましくは6〜8、より好ましくは7付近である。pHが中性から外れると、すなわち、酸性側又は塩基性側に傾くと、中性のときに比べて、生体組織上に水分散液を吐出した後の生体組織上の輝点数が減少する。これは、pHが酸性又は塩基性であると、中性のときに比べて、例えば、アビジン複合体ビオチン標識タンパク質との反応が起こり難くなるなど、抗原抗体反応が進みにくくなり、免疫染色の染色性が低下するためである。

0072

本発明の水分散液の密度は、通常1.00〜3.00g/cm3、好ましくは1.00〜2.00g/cm3である。水分散液の密度が上記範囲を超えると、水分散液中の粒子の運動が抑制され、免疫染色の染色性が低下することがある。

0073

本発明の水分散液は透明であることが好ましい。水分散液に、不純物などの固体成分が含まれていると、生体組織上に水分散液を吐出した後、励起光を照射したときにこれらの不純物も反射するため、生体組織上の輝点数を正確に計測できなくなることがある。

0074

[分散液]
本発明で用いられる分散液は、上記蛍光ナノ粒子からなる蛍光標識体を上記溶媒に分散させてなる。

0075

上記分散液は、免疫染色の目的に応じて、通常用いられる濃度に分散されていればよく、例えば、上記溶媒1mLに対して、上記蛍光ナノ粒子からなる標識体を通常0.02〜1.2nM、好ましくは0.3nMの割合で分散させる。

0076

上記分散液は、下記式(1)を満たす。
(ρ−ρw)/η ≦ 0.02 ・・・(1)
上記式(1)中、ρは20℃における蛍光ナノ粒子の固体密度(g/cm3)を表し、ρwは20℃における分散液の密度(g/cm3)を表し、ηは20℃における分散液の粘度(g/cm・sec)を表す。

0077

ここで、20℃における蛍光ナノ粒子の固体密度ρ(g/cm3)は、密度勾配遠心法を用いて測定する。
20℃における分散液の密度ρw(g/cm3)は、メスフラスコで所定の容量の分散液を取り、その重量を秤量することにより測定する。

0078

20℃における分散液の粘度η(g/cm・sec)は、音叉型振動式粘度計を用いて測定する。
このような条件を満たす分散液は、用いる蛍光標識体の粒子および溶媒、さらに必要に応じて用いられる後述する密度および/粘度調節用添加剤の種類(性状)および量を、好ましくは本明細書中に記載するような範囲内で調節することにより、調製することができる。例えば、固体密度ρが比較的小さな(水の比重に近い)蛍光ナノ粒子からなる標識体を用いる場合は、分散液の密度ρwとの差(つまり式(1)の左辺の分子)が比較的小さくなるので、分散液の粘度ηをあまり大きくしなくとも式(1)を満たす分散液を調製しやすい。逆に、固体密度ρが比較的大きな蛍光ナノ粒子を用いる場合は、分散液の密度ρwとの差が比較的大きくなるので、例えば増粘作用の強い添加剤を用いて、分散液の粘度ηを大きくすると式(1)を満たす分散液を調製しやすい。

0079

上記式(1)において、分散液の粘度η(g/cm・sec)は1<η<100であることが好ましく、1<η<30であることがより好ましい。
分散液が上記式(1)の関係を満たすと、該分散液からなる病理染色液を調製後、4℃で一定期間(例えば約一ヶ月間)保存した後も、分散液中で蛍光ナノ粒子等の粒子が凝集又は沈降しないため、希釈前に超音波をあてて粒子を分散させる操作をしなくても、病理染色液を直ちに希釈して生体組織上に適用することができる。また、病理組織に適用する際に、病理染色液をピペットで吸い上げて吐出するが、このときにピペット内に病理染色液が残留しないため、取り扱いが容易である。

0080

本発明の病理染色液は、上記蛍光ナノ粒子からなる標識体を上記溶媒に分散させることにより調製される。調製方法は特に限定されるものではなく、室温で蛍光ナノ粒子を溶媒中に添加したのち、ピペットマン等を使ってピペッティングにより攪拌する。

0081

本発明の病理染色液は、分散液中に蛍光ナノ粒子と溶媒とに加えて、さらに密度および/または粘度調節用添加剤(以下単に「添加剤」ともいう。)を含んでいてもよい。
添加剤は、免疫染色に用いることができるものであり、密度および/または粘度を調節することができるものであれば、既存の如何なるものでも構わないが、例えば、スクロース、グリセロール、ソルビトール、フルクトース、マンニトールガラクトースマンノースリボースデオキシリボース、ガラクトース、トレハロース、等の単糖類または二糖類(糖アルコール)、又はイオパミドール、イオジキサノールイオヘキソール、イオトロラン、イオメプロール、イオベルソール、イオプロミド、等のX線造影剤が用いられる。このうち、スクロース、グリセロール、ソルビトール、フルクトースおよびイオパミドール等が好ましい。これらの添加剤は、いずれか一種を単独で用いてもよいし、必要に応じて複数種を組み合わせて用いてもよい。

0082

添加剤は、病理染色液の分散系の粘度と分散性との関係が上記式(1)の関係を満たすように添加することができ、例えば、溶媒1mLに対して、通常0.6〜0.9gの割合で添加する。添加剤の添加量は、その種類に応じて、分散液の密度が前述したような所定の範囲となるよう、好ましくはさらに分散液の粘度が前述したような所定の範囲となるよう、適宜調節することができる。
添加剤の添加方法は、特に限定されるものではなく、室温で分散液中に添加し、必要に応じて、ピペットマン等を使ってピペッティングにより攪拌すればよい。

0083

[病理染色液]
病理染色液の使用方法
本発明の病理染色液は、免疫染色に使用される。免疫染色の方法の一例を示す。

0084

免疫染色の方法は、一般的な生体物質検出方法と同様に、通常は、含アミノ基シランカップリング剤で処理した基材ガラスに病理組織を載せ、脱パラフィン処理をした後、ブロッキング剤を添加する工程(i)と、該病理組織上に上記病理染色液を添加し、病理組織中の抗原に対して抗体を反応させ、免疫染色する工程(ii)とからなる。

0085

工程(i)で用いられる含アミノ基シランカップリング剤で処理した基材ガラスとは、例えば、アミノシランコートスライドガラスのように、病理組織の切片ガラス面との接着剤として、基材ガラスにシランコートを施したものをいう。この含アミノ基シランカップリング剤で処理した基材ガラスを、以下単に「アミノシランコートスライドガラス」ともいう。

0086

上記アミノシランコートスライドガラスは、例えば、アミノプロピルトリエトキシシランアミノプロピルトリメトキシシラン又はアミノプロピルメチルジメトキシシラン等をスライドガラスにコートすることにより作製することができる。アミノシランコートスライドガラスには、S08110(硝子工業社製APS(アミノシラン)コートスライドグラス)およびシラン1106(武化学社製剥離防止剤コートスライド)などの市販品を使用してもよい。

0087

脱パラフィン処理とは、ガラス容器等に入れた充分な量の脱パラフィン剤に、病理組織を貼り付けたアミノシランコートスライドガラスを浸漬し、病理組織全体が浸かるようにして、パラフィンを溶かし出して病理組織から除去するものである。脱パラフィン剤を清浄なものに入れ替えて、あるいは脱パラフィン剤を容器ごと替えて、浸漬を複数回繰り返してもよい。脱パラフィン剤には、通常、キシレンが用いられる。

0088

上記ブロッキング剤には、人工合成ポリマー正常血清ウサギ血清ヤギ血清およびラット血清などの動物血清ウシ血清アルブミンゼラチンおよびカゼインなどの既存のものが特に制限なく用いられる。このうち、動物血清およびウシ血清アルブミンなどが好ましく、動物血清がより好ましい。

0089

ブロッキング剤の添加は、アミノシランコートスライドガラスに固定した病理組織に対して添加することにより行う。病理組織に対するブロッキング剤の適切な添加量は、病理組織を覆うことができる程度の量であればよく、通常30〜800μL、好ましくは50〜300μLである。

0090

病理組織には、例えば、癌などの非自己物質を含む病理切片が用いられる。具体的には、乳がんなどの組織を1〜20μm程度の厚さにスライスしたものが用いられる。また、例えば、肝臓がん組織スライド(US Biomax社製T031)などの市販品を使用してもよい。この肝臓がん組織スライドは、肝臓がんのサンプルとして一般的に使用されるものである。

0091

工程(ii)は免疫染色工程である。すなわち、例えば、PBSで5倍程度に希釈した本発明の病理染色液を病理組織切片上に添加して、検出の対象とする病理組織を染色し、次いで、封入剤を添加した後、カバーガラスを載せて、評価スライドとする。

0092

なお、上記の免疫染色は、組織染色に限定されるものではなく、細胞染色に適用することも可能である。また、検出の対象とする病理組織物質は、蛍光標識体と特異的に結合する物質が存在するものであれば特に限定されるものではない。典型的には、上記のように抗原および抗体の組み合わせが用いられるが、例えば、核酸分子オリゴヌクレオチドポリヌクレオチド)およびそれに相補的に結合しうる配列を有する核酸分子の組み合わせを用いることも可能である。

0093

免疫染色をした組織切片は、有機溶媒により脱水および透徹した後、封入剤で封入する。
脱水および透徹は、染色した組織切片をPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)等の水系洗浄液洗浄後、エタノールによる脱水およびキシレン置換により行う。エタノールによる脱水は、エタノールの水含有率を、例えば、50%、30%、10%、0%というように水含有率を下げたエタノールに組織切片を順次漬けていき、エタノールに置換することにより行う。エタノール置換した切片をキシレンに漬けることで、キシレン置換が行われ、切片が透徹される。キシレン置換した切片に封入剤を載せ、カバーガラス等を載せることで封入が行われる。
封入剤には油系封入剤が好ましく、例えば、コスモバイオ社製マウントクイックなどの他、メルク社製エンテラニューなどの市販品が挙げられる。

0094

[病理染色液]
・病理染色液の使用方法
本発明の病理染色液は前述したような水分散液を含有するものとして調製することができる。すなわち、前述したような本発明の水分散液をそのまま病理染色液として使用してもよいし、水分散液に病理染色への用途に応じてさらに添加剤を配合して病理染色液を調製してもよい。

0095

本発明の病理染色液は、自動染色装置用、すなわち自動染色装置にセッティングして用いられる試薬ボトルに充填するためのものとして用いることが好適である。
病理染色液を用いた免疫染色の方法の一例を示す。

0096

蛍光観察
上記工程により得られた評価スライドに、所定の波長を有する励起光(例えば、励起波長575〜600nm、蛍光波長612〜682nm)を照射することにより、その蛍光ナノ粒子が発する蛍光を観察する。これにより、その病理組織内に存在する所定の生体分子を検出することができる。

0097

励起光の照射には、一般的な蛍光観察と同様の照射手段を用いればよく、例えば、蛍光顕微鏡が備えるレーザー光源から、必要に応じて所定の波長を選択的に透過させるフィルターを用いて、適切な波長および出力の励起光を染色された組織切片に照射すればよい。

0098

蛍光の観察は、蛍光顕微鏡の鏡筒から行ってもよいし、蛍光顕微鏡に設置されたカメラが撮影した画像を別途モニタ等の表示手段に表示して行ってもよい。また、必要に応じて所定の波長を選択的に透過させるフィルターを用いてもよい。

0099

具体的には、アミノシランコートスライドガラスに載せた病理組織内に存在する輝点数を計測する。観察視野全体の核の面積および核に存在する輝点数を計測し、単位面積当たりの輝点数(個/μm2)を算出し、3視野における平均値を求めることで、シグナルとして算出する。

0100

以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1−1]
(1)病理染色液の調製
抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子(平均粒径150nm)の調製
SulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)14.4mgを水22mLに加えて溶解した後、エマルゲン430(花王社製)の5%水溶液を2mL加えた。ホットスターラー上で撹拌しながら70℃に加熱した後、メラミン樹脂原料ニカラックMX−035(日本カーバイド工業社製)0.65gを加えた。ドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学社製)の10%水溶液を680μL加え、70℃、50分間加熱撹拌した。その後、90℃に昇温して20分間加熱撹拌した。得られた粒子液から余剰樹脂原料や色素等の不純物を取り除くため、純水による洗浄を行なった。遠心分離機(クボタ社製マイクロ冷却遠心機3740)にて20000Gで15分遠心分離し、上澄み除去後、超純水を加えて超音波照射し再分散した。遠心分離機、上澄み除去、超純水への再分散を5回繰り返した。

0101

得られた粒子0.1mgをEtOH1.5mL中に分散し、アミノプロピルトリメトキシシランLS−3150(信越化学工業社製)2μLを加えて8時間反応させて表面アミノ化処理を行なった。

0102

得られた色素内包ナノ粒子を、EDTAエチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleomidopropionamid)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。この混合液を10,000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで末端マレイミド基が付いた蛍光色素内包粒子を得た。

0103

一方、ストレプトアビジン(和光純薬工業社製)をN−succinimidyl S−acetylthioacetate(SATA)を用いてチオール基付加処理を行ったのち、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、色素内包ナノ粒子に結合可能なストレプトアビジン溶液を得た。

0104

上記の蛍光ナノ粒子とストレプトアビジンとを、EDTAを2mM含有したPBS中で混合し、1時間反応させた。10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムを用いて未反応ストレプトアビジン等を除去し、ストレプトアビジン結合Texas Red色素内包メラミンナノ粒子を得た。

0105

病理染色液の調製
抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子(平均粒径150nm)0.3nM、および添加剤としてスクロース(ナカライテスク社製製品名スクロース)7.0gをMilliQ水(比抵抗値が18 MΩ・cmの水)10mLに分散させて、添加剤の濃度が0.7g/mLの分散液を調製し、病理染色液とした。

0106

病理染色液について、超遠心分離機日立社製、CS120FNX)を用いて密度勾配遠心法により、粒子の固体密度ρおよび分散液の密度ρwを測定し、音叉型振動式粘度計SV−1H(エー・アンド・デイ社製)を用いて粘度ηを測定した。
病理染色液の粒子の固体密度ρ、密度ρwおよび(ρ−ρw)/ηの値を表2に示す。

0107

(2)分散性の評価
病理染色液を4℃で一ヶ月保存した後、分散液中の沈殿の有無を目視により評価した。
ピペッティングによる分散性の評価は、ピペットマン(ギルソン社製、PIPETMANP−200)の目盛を200μLに設定して、病理染色液を吸い上げ、吐き出した後に、ピペットチップに残留する病理染色液の有無を目視により行った。

0108

(3)免疫染色方法および評価
ピペットマンの目盛を200μLに設定して、病理染色液を吸い上げ、吐き出す操作を5回繰り返した後に、この病理染色液にPBS800μLを添加して濃度0.06nMにまで希釈し、希釈後の病理染色液を遠心フィルター(日本ミリポア社製、ウルトラフリーMC DV 0.65μm)に投入し、卓上遠心機を用いて遠心させることによりろ過した。

0109

一方、病理組織スライド(US Biomax社製、製品名 Breast Tissue Microarray)上のHER2タンパクに、一次抗体(Ventana Medical Systems社製、製品名PATHWAY anti-HER2/neu(4B5) Rabbit Monoclonal Primary Antibody)を反応させる。次いで、ビオチン標識二次抗体(Ventana Medical Systems社製、製品名Universal Secondary Antibody)を反応させて病理組織スライド上に抗原抗体反応結合物を形成させた。この結合物に、希釈後の病理染色液を添加して染色した。

0110

染色後、蛍光顕微鏡(カールツァイス社製)を用いて蛍光画像を取得した。励起波長575〜600nm、蛍光波長612〜682nmとした。
添加剤を添加しなかった病理染色液、すなわち、後述する比較例1−1、2−1、3−1および4−1の病理染色液を超音波プローブにより分散させた病理染色液を用いて蛍光免疫染色を行ったサンプルをリファレンスとした。
組織内に存在する輝点数を、画像から目視にて計測した。輝点数がリファレンスの80%以上である場合、染色できたとした。結果を表2に示す。

0111

[実施例1−2]および[実施例1−3]
実施例1−1において、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性(沈殿結果およびピペットによる秤量精度)の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0112

[比較例1−1]
実施例1−1において、添加剤を用いなかったこと以外は、実施例1−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0113

[比較例1−2]
実施例1−1において、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色の評価を行った。結果を表2に示す。

0114

[実施例1−4]
実施例1−1において、添加剤として、スクロースに代えてグリセロールを用いたことと、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0115

[比較例1−3]および[比較例1−4]
実施例1−4において、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−4と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0116

[実施例1−5]および[実施例1−6]
実施例1−1において、添加剤として、スクロースに代えてソルビトールを用いたことと、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0117

[比較例1−5]
実施例1−5において、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−5と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0118

[実施例1−7]および[実施例1−8]
実施例1−1において、添加剤として、スクロースに代えてフルクトースを用いたことと、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0119

[比較例1−6]
実施例1−7において、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−7と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0120

[実施例1−9]
実施例1−1において、添加剤として、スクロースに代えてイオパミドールを用いたことと、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0121

[比較例1−7]
実施例1−1において、添加剤として、スクロースに代えてトレハロースを用いたことと、添加剤の濃度(g/mL)を表2に示す数値にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0122

[比較例1−8]
比較例1−7において、添加剤として、トレハロースに代えてマルトースを用いたこと以外は、比較例1−7と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表2に示す。

0123

0124

[実施例2−1]
(1)病理染色液の調製
抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子(平均粒径50nm)の調製
SulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)8.1mgを水22mLに加えて溶解した後、エマルゲン430(花王社製)の5%水溶液を2mL加えた。ホットスターラー上で撹拌しながら70℃に加熱した後、メラミン樹脂原料ニカラックMX−035(日本カーバイド工業社製)0.37gを加えた。ドデシルベンスルホン酸(関東化学社製)の10%水溶液を680μL加え、70℃、50分間加熱撹拌した。その後、90℃に昇温して20分間加熱撹拌した。得られた粒子液から余剰の樹脂原料や色素等の不純物を取り除くため、純水による洗浄を行なった。遠心分離機(クボタ社製マイクロ冷却遠心機3740)にて20000Gで15分遠心分離し、上澄み除去後、超純水を加えて超音波照射し再分散した。遠心分離機、上澄み除去、超純水への再分散を5回繰り返した。

0125

得られた粒子0.1mgをEtOH1.5mL中に分散し、アミノプロピルトリメトキシシランLS−3150(信越化学工業社製)2μLを加えて8時間反応させて表面アミノ化処理を行なった。

0126

得られた色素内包ナノ粒子を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleomidopropionamid)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。この混合液を10,000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで末端にマレイミド基が付いた蛍光色素内包粒子を得た。

0127

一方、ストレプトアビジン(和光純薬工業社製)をN−succinimidyl S−acetylthioacetate(SATA)を用いてチオール基付加処理を行ったのち、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、色素内包ナノ粒子に結合可能なストレプトアビジン溶液を得た。

0128

上記の蛍光ナノ粒子とストレプトアビジンとを、EDTAを2mM含有したPBS中で混合し、1時間反応させた。10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムを用いて未反応ストレプトアビジン等を除去し、ストレプトアビジン結合Texas Red色素内包メラミンナノ粒子を得た。

0129

病理染色液の調製
抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子(平均粒径50nm)0.3nM、および添加剤としてスクロース(ナカライテスク社製、製品名スクロース)7.0gをMilliQ水(比抵抗値が18 MΩ・cmの水)10mLに分散させて、添加剤の濃度が0.7g/mLの分散液を調製し、病理染色液とした。

0130

病理染色液について、超遠心分離機(日立工機社製、CS120FNX)を用いて密度勾配遠心法により、粒子の固体密度ρおよび分散液の密度ρwを測定し、音叉型振動式粘度計SV−1H(エー・アンド・デイ社製)を用いて粘度ηを測定した。
病理染色液の粒子の固体密度ρ、密度ρwおよび(ρ−ρw)/ηの値を表3に示す。

0131

(2)分散性の評価
病理染色液を4℃で一ヶ月保存した後、分散液中の沈殿の有無を目視により評価した。
ピペッティングによる分散性の評価は、ピペットマン(ギルソン社製、PIPETMANP−200)の目盛を200μLに設定して、病理染色液を吸い上げ、吐き出した後に、ピペットチップに残留する病理染色液の有無を目視により行った。

0132

(3)免疫染色方法および評価
ピペットマンの目盛を200μLに設定して、病理染色液を吸い上げ、吐き出す操作を5回繰り返した後に、この病理染色液にPBS800μLを添加して濃度0.06nMにまで希釈し、希釈後の病理染色液を遠心フィルター(日本ミリポア社製、ウルトラフリーMC DV 0.65μm)に投入し、卓上遠心機を用いて遠心させることによりろ過した。

0133

一方、病理組織スライド(US Biomax社製、製品名 Breast Tissue Microarray)上のHER2タンパクに、一次抗体(Ventana Medical Systems社製、製品名PATHWAY anti-HER2/neu(4B5) Rabbit Monoclonal Primary Antibody)を反応させる。次いで、ビオチン標識二次抗体(Ventana Medical Systems社製、製品名Universal Secondary Antibody)を反応させて病理組織スライド上に抗原抗体反応結合物を形成させた。この結合物に、希釈後の病理染色液を添加して染色した。

0134

染色後、蛍光顕微鏡(カールツァイス社製)を用いて蛍光画像を取得した。
励起波長575〜600nm、蛍光波長612〜682nmとした。
組織内に存在する輝点数を、画像から目視にて計測した。輝点数がリファレンスの80%以上である場合、染色できたとした。結果を表3に示す。

0135

[実施例2−2]および[実施例2−3]
実施例2−1において、添加剤の濃度(g/mL)を表3に示す数値にしたこと以外は、実施例2−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性(沈殿結果およびピペットによる秤量精度)の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表3に示す。

0136

[実施例2−4]
実施例2−1において、添加剤として、スクロースに代えてイオパミドールを用いたことと、添加剤の濃度(g/mL)を表3に示す数値にしたこと以外は、実施例2−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表3に示す。

0137

[比較例2−1]
実施例2−1において、添加剤を用いなかったこと以外は、実施例2−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表3に示す。

0138

[比較例2−2]
実施例2−1において、添加剤の濃度(g/mL)を表3に示す数値にしたこと以外は、実施例2−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色の評価を行った。結果を表3に示す。

0139

0140

[実施例3−1]
(1)病理染色液の調製
抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子(平均粒径200nm)の調製
SulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)17.6mgを水22mLに加えて溶解した後、エマルゲン430(花王社製)の5%水溶液を2mL加えた。ホットスターラー上で撹拌しながら70℃に加熱した後、メラミン樹脂原料ニカラックMX−035(日本カーバイド工業社製)0.80gを加えた。ドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学社製)の10%水溶液を680μL加え、70℃、50分間加熱撹拌した。その後、90℃に昇温して20分間加熱撹拌した。得られた粒子液から余剰の樹脂原料や色素等の不純物を取り除くため、純水による洗浄を行なった。遠心分離機(クボタ社製マイクロ冷却遠心機3740)にて20000Gで15分遠心分離し、上澄み除去後、超純水を加えて超音波照射し再分散した。遠心分離機、上澄み除去、超純水への再分散を5回繰り返した。

0141

得られた粒子0.1mgをEtOH1.5mL中に分散し、アミノプロピルトリメトキシシランLS−3150(信越化学工業社製)2μLを加えて8時間反応させて表面アミノ化処理を行なった。

0142

得られた色素内包ナノ粒子を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleomidopropionamid)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。この混合液を10,000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで末端にマレイミド基が付いた蛍光色素内包粒子を得た。

0143

一方、ストレプトアビジン(和光純薬工業社製)をN−succinimidyl S−acetylthioacetate(SATA)を用いてチオール基付加処理を行ったのち、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、色素内包ナノ粒子に結合可能なストレプトアビジン溶液を得た。

0144

上記の蛍光ナノ粒子とストレプトアビジンとを、EDTAを2mM含有したPBS中で混合し、1時間反応させた。10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムを用いて未反応ストレプトアビジン等を除去し、ストレプトアビジン結合Texas Red色素内包メラミンナノ粒子を得た。

0145

病理染色液の調製
抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子0.3nM、および添加剤としてスクロース(ナカライテスク社製、製品名スクロース)7.0gをMilliQ水(比抵抗値が18MW・cmの水)10mLに分散させて、添加剤の濃度が0.7g/mLの分散液を調製し、病理染色液とした。

0146

病理染色液について、超遠心分離機(日立工機社製、CS120FNX)を用いて密度勾配遠心法により、粒子の固体密度ρおよび分散液の密度ρwを測定し、音叉型振動式粘度計SV−1H(エー・アンド・デイ社製)を用いて粘度ηを測定した。
病理染色液の粒子の固体密度ρ、密度ρwおよび(ρ−ρw)/ηの値を表4に示す。

0147

(2)分散性の評価
病理染色液を4℃で一ヶ月保存した後、分散液中の沈殿の有無を目視により評価した。
ピペッティングによる分散性の評価は、ピペットマン(ギルソン社製、PIPETMANP−200)の目盛を200μLに設定して、病理染色液を吸い上げ、吐き出した後に、ピペットチップに残留する病理染色液の有無を目視により行った。

0148

(3)免疫染色方法および評価
ピペットマンの目盛を200μLに設定して、病理染色液を吸い上げ、吐き出す操作を5回繰り返した後に、この病理染色液にPBS800μLを添加して濃度0.06nMにまで希釈し、希釈後の病理染色液を遠心フィルター(日本ミリポア社製、ウルトラフリーMC DV 0.65μm)に投入し、卓上遠心機を用いて遠心させることによりろ過した。

0149

病理組織スライド(US Biomax社製、製品名 Breast Tissue Microarray)上のHER2タンパクに一次抗体(Ventana Medical Systems社製、製品名PATHWAY anti-HER2/neu(4B5) Rabbit Monoclonal Primary Antibody)を反応させる。次いで、ビオチン標識二次抗体(Ventana Medical Systems社製、製品名Universal Secondary Antibody)を反応させて病理組織スライド上に抗原抗体反応結合物を形成させた。この結合物に、希釈後の病理染色液を添加して染色した。

0150

染色後、蛍光顕微鏡(カールツァイス社製)を用いて蛍光画像を取得した。
励起波長575〜600nm、蛍光波長612〜682nmとした。
組織内に存在する輝点数を、画像から目視にて計測した。輝点数がリファレンスの80%以上である場合、染色できたとした。結果を表4に示す。

0151

[実施例3−2]および[実施例3−3]
実施例3−1において、添加剤の濃度(g/mL)を表4に示す数値にしたこと以外は、実施例3−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性(沈殿結果およびピペットによる秤量精度)の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表4に示す。

0152

[実施例3−4]
実施例3−1において、添加剤として、スクロースに代えてイオパミドールを用いたことと、添加剤の濃度(g/mL)を表4に示す数値にしたこと以外は、実施例3−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表4に示す。

0153

[比較例3−1]
実施例3−1において、添加剤を用いなかったこと以外は、実施例3−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表4に示す。

0154

[比較例3−2]
実施例3−1において、添加剤の濃度(g/mL)を表4に示す数値にしたこと以外は、実施例3−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色の評価を行った。結果を表4に示す。

0155

0156

[実施例4−1]
(1)病理染色液の調製
抗体結合蛍光シリカ粒子(平均粒径150nm)の調製
SulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)14.4mgをDMF1mlに加えて溶解したものと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(3−aminopropyltrimetoxysilane、信越シリコーン社製KBM903)3μLとを混合し、オルガノアルコキシシラン化合物を得た。得られたオルガノアルコキシシラン化合物0.6mlを、48mlのエタノール、0.6mlのTEOS(テトラエトキシシラン)、2mlの水、2mlの28%アンモニア水と3時間混合した。上記工程で作製した混合液を遠心分離機(クボタ社製マイクロ冷却遠心機3740)にて20000Gで15分遠心分離し、上澄みを除去した。上澄み除去後、超純水を加えて超音波照射し再分散した。遠心分離機、上澄み除去、超純水への再分散を5回繰り返した。

0157

得られた粒子0.1mgをEtOH1.5mL中に分散し、アミノプロピルトリメトキシシランLS−3150(信越化学工業社製)2μLを加えて8時間反応させて表面アミノ化処理を行なった。

0158

得られた色素内包ナノ粒子を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleomidopropionamid)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。この混合液を10,000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで末端にマレイミド基が付いた蛍光色素内包粒子を得た。

0159

一方、ストレプトアビジン(和光純薬工業社製)をN−succinimidyl S−acetylthioacetate(SATA)を用いてチオール基付加処理を行ったのち、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、色素内包ナノ粒子に結合可能なストレプトアビジン溶液を得た。

0160

上記の蛍光ナノ粒子とストレプトアビジンとを、EDTAを2mM含有したPBS中で混合し、1時間反応させた。10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムを用いて未反応ストレプトアビジン等を除去し、ストレプトアビジン結合Texas Red色素内包シリカナノ粒子を得た。

0161

病理染色液の調製
抗体結合蛍光シリカ粒子0.3nM、および添加剤としてスクロース(ナカライテスク社製、製品名スクロース)7.0gをMilliQ水(比抵抗値が18 MΩ・cmの水)10mLに分散させて、添加剤の濃度が0.8g/mLの分散液を調製し、病理染色液とした。

0162

一方、病理染色液について、超遠心分離機(日立工機社製、CS120FNX)を用いて密度勾配遠心法により、粒子の固体密度ρおよび分散液の密度ρwを測定し、音叉型振動式粘度計SV−1H(エー・アンド・デイ社製)を用いて粘度ηを測定した。
病理染色液の粒子の固体密度ρ、密度ρwおよび(ρ−ρw)/ηの値を表5に示す。

0163

(2)分散性の評価
病理染色液を4℃で一ヶ月保存した後、分散液中の沈殿の有無を目視により評価した。
ピペッティングによる分散性の評価は、ピペットマン(ギルソン社製、PIPETMANP−200)の目盛を200μLに設定して、病理染色液を吸い上げ、吐き出した後に、ピペットチップに残留する病理染色液の有無を目視により行った。

0164

(3)免疫染色方法および評価
ピペットマンの目盛を200μLに設定して、病理染色液を吸い上げ、吐き出す操作を5回繰り返した後に、この病理染色液にPBS800μLを添加して濃度0.06nMにまで希釈し、希釈後の病理染色液を遠心フィルター(日本ミリポア社製、ウルトラフリーMC DV 0.65μm)に投入し、卓上遠心機を用いて遠心させることによりろ過した。

0165

病理組織スライド(US Biomax社製、製品名 Breast Tissue Microarray)上のHER2タンパクに、一次抗体(Ventana Medical Systems社製、製品名PATHWAY anti-HER2/neu(4B5) Rabbit Monoclonal Primary Antibody)を反応させる。次いで、ビオチン標識二次抗体(Ventana Medical Systems社製、製品名Universal Secondary Antibody)を反応させて病理組織スライド上に抗原抗体反応結合物を形成させた。この結合物に、希釈後の病理染色液を添加して染色した。

0166

染色後、蛍光顕微鏡(カールツァイス社製)を用いて蛍光画像を取得した。
励起波長575〜600nm、蛍光波長612〜682nmとした。
組織内に存在する輝点数を、画像から目視にて計測した。輝点数がリファレンスの80%以上である場合、染色できたとした。結果を表5に示す。

0167

[実施例4−2]
実施例4−1において、添加剤の濃度(g/mL)を表5に示す数値にしたこと以外は、実施例4−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性(沈殿結果およびピペットによる秤量精度)の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表5に示す。

0168

[比較例4−1]
実施例4−1において、添加剤を用いなかったこと以外は、実施例4−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表5に示す。

0169

[比較例4−2]および[比較例4−3]
実施例4−1において、添加剤の濃度(g/mL)を表5に示す数値にしたこと以外は、実施例4−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表5に示す。

0170

[比較例4−4]
実施例4−1において、添加剤として、スクロースに代えてイオパミドールを用いたことと、添加剤の濃度(g/mL)を表5に示す数値にしたこと以外は、実施例4−1と同様にして、病理染色液を調製し、分散性の評価および免疫染色結果の評価を行った。結果を表5に示す。

0171

0172

[調製例1]抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子の調製
蛍光色素としてSulfoRhodamine101(シグマアルドリッチ社製)14.4mgを水22mLに加えて溶解した。その後、この溶液に乳化重合用乳化剤のエマルゲン(登録商標)430(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、花王社製)の5%水溶液を2mL加えた。この溶液をホットスターラー上で撹拌しながら70℃まで昇温させた後、この溶液にメラミン樹脂原料ニカラックMX−035(日本カーバイド工業社製)を0.65g加えた。さらに、この溶液に反応触媒兼界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学社製)の10%水溶液を1000μL加え、70℃で50分間加熱撹拌した。その後、90℃に昇温して20分間加熱撹拌した。得られた色素樹脂粒子の分散液から、余剰の樹脂原料や蛍光色素等の不純物を除くため、純水による洗浄を行った。

0173

具体的には、遠心分離機(クボタ社製マイクロ冷却遠心機3740)にて20000Gで15分間、遠心分離し、上澄み除去後、超純水を加えて超音波照射して再分散した。遠心分離、上澄み除去および超純水への再分散による洗浄を5回繰り返した。得られたメラミン粒子はメラミン樹脂自体が骨格に多くのアミノ基を含むことから、プラス電荷となった。樹脂粒子の電荷の評価は、IR等による樹脂組成分析と、ゼータ電位測定により行なった。

0174

上記洗浄したメラミン樹脂粒子0.67nM水分散液1mLと1,2-Bis(2-aminoethoxy)ethane 20mgを混合し、温度70℃で20分反応させ、表面をアミノ基に変換するアミノ化処理を行なった。すなわち、メラミン樹脂粒子の水酸基に1,2-Bis(2-aminoethoxy)ethaneのアミノ基を反応させて、アミノ基を導入した。得られたメラミン樹脂粒子を、遠心による上澄み除去および超純水への再分散による洗浄を3回繰り返した。

0175

アミノ基を導入したメラミン粒子は、THFに分散後、遠心により粒子沈殿し、再度THFに分散することで脱水を行なった。その際の粒子濃度が0.67nMとなるようにした。その後、濃度調整した色素樹脂粒子の分散液に対して、SM(PEG)12(Succinimidyl−[(N−maleоmidopropionamid)−dodecaethyleneglycol]ester、サーモサイエンティフィック社製)3mgを混合し、20℃1時間反応させて、末端にマレイミドがついた蛍光色素を有する色素樹脂粒子を含む混合液を得た。

0176

この混合液を10000Gで20分間遠心分離を行い、上澄みを除去した後、2mMのEDTAを含有したPBSを加えて沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による上記洗浄を3回行った。

0177

(ストレプトアビジンの調製)
一方、ストレプトアビジン(和光純薬工業社製)と2-Iminothiolane・HCl(略称:Traut's試薬)を用いて、ストレプトアビジンに対してチオール基の付加処理を行い、ゲル濾過を行って色素樹脂粒子に結合可能なストレプトアビジンを別途用意した。

0178

(樹脂粒子とストレプトアビジンの結合)
上記色素樹脂粒子とストレプトアビジンを、2mMのEDTAを含有したPB中で混合後、室温で1時間反応させて、両者を結合させる反応を行った。反応後、10mMメルカプトエタノールを添加して反応を停止させた。得られた溶液をφ=0.65μmの遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲル濾過カラムを用いて未反応のストレプトアビジン等を除去し、ストレプトアビジンが結合した色素樹脂粒子を得た。

0179

[実施例5−1]
水分散液の調製
抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子を0.3nMの濃度で含む1%BSA(ダコ社製)/PBS分散液1mLに、チキソトロピー付与剤としてキサンタンガムを0.5mg添加し、キサンタンガムの濃度が0.5mg/mLの水分散液を調製した。なお、BSAには、ダコ社製BSA(ウシ血清アルブミン)を用いた。
水分散液を一週間保存した後の安定性の評価(以下「評価1」という。)

0180

自動染色装置(ベンタナ社製、XTシステムディスカバリー)の試薬ボトルに水分散液を投入し、150μLずつ5回吐出し、それぞれの粒子濃度から標準偏差を計算した。水分散液を試薬ボトルに入れたまま一週間経った後、再び150μLずつ5回吐出し、それぞれの粒子濃度から標準偏差を計算した。粒子濃度は蛍光光度計(日立製作所社製 F−7000)による輝度とし、吐出前の同量の分散液輝度を100として計算した。

0181

標準偏差が小さい値であるほど、水分散液中の粒子のばらつきが少ないことを示し、水分散液を投入してすぐに測定したときの標準偏差と、一週間経過後に測定したときの標準偏差の差が小さいほど、保存安定性に優れることを示す。
結果を以下に示す。
標準偏差(投入後すぐに測定) 5
標準偏差(一週間経過後) 8

0182

みかけ粘度の測定
水分散液10mLを一夜間放置後、マグネチックスターラーで約5分間かき混ぜ、完全な溶液とした後、口径約45mm、高さ約145mmのフタ付き容器に移し、25±0.2℃の恒温槽に30分間静置した後、ガラス棒で溶液をゆるくかき混ぜて、B型粘度計(東機産業社製BII形粘度計)のローター(No.1)及びガードを取り付け、ローターを回転させ、3分後の目盛を読み取った。
粘度(mPa・s)=読み取り目盛×係数
水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、45mPa.sであった。

0183

[実施例5−2]
実施例5−1において、チキソトロピー付与剤として、キサンタンガムの代わりにカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)を用いたこと以外は、実施例5−1と同様にして、CMC−Naの濃度が20mg/mLの水分散液を調製した。
上記水分散液を用いて評価1を行った結果を以下に示す。
標準偏差(投入後すぐに測定) 4
標準偏差(一週間静置後) 5

0184

みかけ粘度の測定
実施例5−1と同条件でみかけ粘度を測定し、水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、70rpm)は、56mPa.sであった。

0185

[実施例5−3]
実施例5−1において、チキソトロピー付与剤として、キサンタンガムの代わりにグアーガムを用いたこと以外は、実施例5−1と同様にして、グアーガムの濃度が1mg/mLの水分散液を調製した。
上記水分散液を用いて評価1を行った結果を以下に示す。
標準偏差(投入後すぐに測定) 6
標準偏差(一週間静置後) 8

0186

みかけ粘度の測定
実施例5−1と同条件でみかけ粘度を測定し、水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、72mPa.sであった。

0187

[実施例5−4]
実施例5−1において、チキソトロピー付与剤として、キサンタンガムの代わりにPEG系のノニオン系増粘剤であるエマノーン3299V(花王社)を用いたこと以外は、実施例5−1と同様にして、エマノーン3299Vの濃度が10mg/mLの水分散液を調製した。
上記水分散液を用いて評価1を行った結果を以下に示す。
標準偏差(投入後すぐに測定) 5
標準偏差(一週間静置後) 6

0188

みかけ粘度の測定
実施例5−1と同条件でみかけ粘度を測定し、水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、80mPa.sであった。

0189

[比較例5−1]
実施例5−1において、チキソトロピー付与剤を用いなかったこと以外は、実施例5−1と同様にして、水分散液を調製した。
上記水分散液を用いて評価1を行った結果を以下に示す。
標準偏差(投入後すぐに測定) 13
標準偏差(一週間静置後) 85

0190

みかけ粘度の測定
実施例5−1と同条件でみかけ粘度を測定し、水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、1.8mPa.sであった。

0191

[比較例5−2]
実施例5−1において、チキソトロピー付与剤の代わりにスクロースを用いたこと以外は、実施例5−1と同様にして、スクロースの濃度が750mg/mLの水分散液を調製した。
上記水分散液を用いて評価1を行った結果を以下に示す。
標準偏差(投入後すぐに測定) 8
標準偏差(一週間静置後) 52

0192

みかけ粘度の測定
実施例5−1と同条件でみかけ粘度を測定し、水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、50mPa.sであった。

0193

[比較例5−3]
実施例5−1において、チキソトロピー付与剤の代わりにグリセロールを用いたこと以外は、実施例5−1と同様にして、グリセロールの濃度が950mg/mLの水分散液を調製した。
上記水分散液を用いて評価1を行った結果を以下に示す。
標準偏差(投入後すぐに測定) 11
標準偏差(一週間静置後) −(測定不能)

0194

比較例5−1〜5−3では、実施例5−1〜5−3と比べて、水分散液を投入してすぐに測定したときと、一週間静置後に測定したときのいずれにおいても、標準偏差の値が大きく、また、水分散液を投入してすぐに測定したときの標準偏差と、一週間静置後に測定したときの標準偏差との差(ばらつきの上がり方)も大きいことがわかる。

0195

したがって、実施例5−1〜5−3は、比較例5−1〜5−3と比べて、チキソトロピー付与剤を添加することにより、水分散液中の粒子のばらつきが少なく、一週間静置後の保存安定性にも優れることがわかる。

0196

みかけ粘度の測定
実施例5−1と同条件でみかけ粘度を測定し、水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、40mPa.sであった。

0197

[実施例6−1]
水分散液の調製
抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子を0.3nMの濃度で含む1%BSA/PBS分散液1mLに、チキソトロピー付与剤としてキサンタンガムを1.0mg添加し、キサンタンガムの濃度が1.0mg/mLの水分散液を調製した。

0198

みかけ粘度の測定
水分散液10mLを一夜間放置後、マグネチックスターラーで約5分間かき混ぜ、完全な溶液とした後、口径約45mm、高さ約145mmのフタ付き容器に移し、25±0.2℃の恒温槽に30分間静置した後、ガラス棒で溶液をゆるくかき混ぜて、B型粘度計(東機産業社製BII形粘度計)のローター(No.1)及びガードを取り付け、ローターを回転させ、3分後の目盛を読み取った。
粘度(mPa・s)=読み取り目盛×係数
水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、80mPa.sであった。

0199

APSコートスライドガラス上の粒子の分散性評価(以下「評価2」という。)
自動染色装置(ベンタナ社製、XTシステムディスカバリー)の試薬ボトルに、水分散液を投入し、5枚のAPS(アミノシラン)コートスライドガラス(松浪硝子工業社製)上にそれぞれ150μLずつ続けて吐出し、各APSコートスライドガラス上の輝点数を蛍光顕微鏡(オリンパス社製、BX53)により計測し、輝点数から標準偏差を計算した。

0200

輝点数が多いほど、水分散液中で粒子が凝集又は沈殿を起こさず、良好な分散性を維持していることを示す。したがって、輝点数の平均値が高く、標準偏差が小さいほど、APSコートスライドガラス上における輝点数の分散性が良好であることを示す。
5回実施した輝点数の平均値及び標準偏差を以下に示す。
輝点数(平均値) 2930
標準偏差 14

0201

[実施例6−2]
実施例6−1において、チキソトロピー付与剤としてキサンタンガムを1.0mgではなく、0.5mg添加し、キサンタンガムの濃度を1.0mg/mLではなく、0.5mg/mLとしたこと以外は、実施例6−1と同様にして、分散液を調製した。

0202

水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、45mPa.sであった。
上記水分散液を用いて評価2を行った結果を以下に示す。
輝点数(平均値) 4632
標準偏差7

0203

[実施例6−3]
実施例6−1において、チキソトロピー付与剤として、キサンタンガムの代わりにカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)を用いたこと以外は実施例6−1と同様にして、分散液を調製した。濃度も22mg/mLと実施例6−1と同じとした。

0204

水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、70mPa.sであった。
上記水分散液を用いて評価2を行った結果を以下に示す。
輝点数(平均値) 2239
標準偏差12

0205

[実施例6−4]
実施例6−3において、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)の濃度を1.0mg/mLではなく、20mg/mLとしたこと以外は、実施例6−3と同様にして、分散液を調製した。

0206

水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、56mPa.sであった。
上記水分散液を用いて評価2を行った結果を以下に示す。
輝点数(平均値) 3150
標準偏差11

0207

[実施例6−5]
実施例6−3において、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)の濃度を1.0mg/mLではなく、16mg/mLとしたこと以外は、実施例6−3と同様にして、分散液を調製した。

0208

水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、30mPa.sであった。
上記水分散液を用いて評価2を行った結果を以下に示す。
輝点数(平均値) 5212
標準偏差4

0209

[実施例6−6]
実施例6−1において、チキソトロピー付与剤として、キサンタンガムの代わりにグアーガムを用いたこと以外は実施例6−1と同様にして、分散液を調製した。濃度も1.0mg/mLと実施例6−1と同じとした。

0210

水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、72mPa.sであった。
上記水分散液を用いて評価2を行った結果を以下に示す。
輝点数(平均値) 3042
標準偏差10

0211

[実施例6−7]
実施例6−1において、チキソトロピー付与剤として、キサンタンガムの代わりにPEG系のノニオン系増粘剤であるエマノーン3299V(花王社)を用いたこと以外は実施例6−1と同様にして、分散液を調製した。濃度も1.2mg/mLと実施例6−1と同じとした。

0212

水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、80mPa.sであった。
上記水分散液を用いて評価2を行った結果を以下に示す。
輝点数(平均値) 3120
標準偏差12

0213

[比較例6−1]
実施例6−1において、チキソトロピー付与剤を用いなかったこと以外は実施例6−1と同様にして、分散液を調製した。

0214

水分散液の粘度をB型粘度計(東機産業社製BII形粘度計)で測定し、1.8mPa.sであった。
上記水分散液を用いて評価2を行った結果を以下に示す。
輝点数(平均値) 750
標準偏差15

0215

比較例6−1では、実施例6−1〜6−5と比べて、粘度が低く、輝点数の平均値が小さい。これは、粘度が低いために分散液中で粒子が凝集又は沈殿し、吐出時に液詰まりを起こし、水分散液をAPSコートスライドガラス上に正確な量で載せることができなかったためである。

0216

すなわち、実施例6−1〜6−5は、比較例6−1と比べて、チキソトロピー付与剤を添加することにより、APSコートスライドガラス上における粒子の分散性が向上することがわかる。

0217

[参考例6−1]
ここで、参考として、濃度が0.05%、0.25%、0.50%及び1.00%であるキサンタンガム水溶液について、B型粘度計(東機産業社製BII形粘度計)およびローター(NO.1)を使って、ローター(NO.1)の回転数を6rpm、12rpm、30rpm及び60rpmとしたときのローターの回転数とみかけ粘度との関係を表6に示す。

0218

表6から、キサンタンガム水溶液が上記いずれの濃度であっても、粘度計のローターの回転数が多くなるほど、みかけ粘度が低下するのがわかる。

0219

[実施例7−1]
水分散液の調製
抗体結合蛍光メラミン樹脂粒子を0.3nMの濃度を含む1%BSA/PBS分散液1mLに、チキソトロピー付与剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)を20mg添加し、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)の濃度が20mg/mLの水分散液を調製した。この水分散液に、酢酸を添加し、pHメーター(堀場製作所社製)を用いて、pHを5とした。

0220

水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、56mPa.sであった。
所定のpH条件下での免疫組織染色の評価(以下「評価3」という。)
自動染色装置(ベンタナ社製、XTシステムディスカバリー)の試薬ボトルに水分散液を投入し、組織切片を載せたAPSコートスライドガラス上に150μL吐出し、APSコートスライドガラス上の輝点数を蛍光顕微鏡(オリンパス社製、BX53)により計測し、目視で確認した。
結果を以下に示す。
輝点数 2342

0221

[実施例7−2]
実施例7−1において、pHを5ではなく、9としたこと以外は、実施例7−1と同様にして分散液を調製し、評価3を行った。
結果を以下に示す。
輝点数 2845

0222

[実施例7−3]
実施例7−1において、pHを5ではなく、7としたこと以外は、実施例7−1と同様にして分散液を調製し、評価3を行った。
結果を以下に示す。
輝点数 4532

0223

実施例7−3では、実施例7−1及び7−2に比べ、輝点数が多く観察されることから、pHが中性に近いほど、染色性が良いことがわかる。この原因として、pHが中性から外れると、アビジン−ビオチン反応が進みにくくなることが考えられる。

0224

[参考例7−1]
実施例7−3において、チキソトロピー付与剤を用いなかったことと、水分散液の25℃におけるみかけ粘度(B型粘度計、60rpm)は、56mPa.sではなく、1.8mPa.sとしたこと以外は、実施例3−3と同様にして、分散液を調製し、評価3を行った。
結果を以下に示す。
輝点数 532

0225

0226

実施例

0227

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