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技術 メンテナンス必要個所を推定可能な自動システム

出願人 株式会社FUJI
発明者 飼沼涼藤田政利永田良城戸隆志
出願日 2013年7月5日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2015-524985
公開日 2017年2月23日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 WO2015-001659
状態 特許登録済
技術分野 フィードバック制御一般 電気部品の供給・取り付け 制御系の試験・監視
主要キーワード トルク数 コンベヤレール レベリングボルト 運動伝達機構 基材保持装置 補給間隔 自動メンテナンス 適応制御装置
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課題・解決手段

制御対象装置とそれを制御する制御装置とを含む自動システムにおいて、制御対象装置のメンテナンスの要否、要メンテナンス個所を精度よく推定可能とすること。 自動システムにおいて、制御装置(100)を、制御対象装置の駆動源たるX軸モータ(78)を制御する制御指令を出力する位置制御系(112)と、制御指令と制御対象装置からの制御対象出力とに基づいて制御対象装置の状態を示すパラメータを推定する適応同定器(114)と、その適応同定器(114)により推定されたパラメータに基づいて、位置制御系から制御対象装置への制御指令を、パラメータの変化にかかわらず制御対象装置が予定通りの作動を行うように補償する適応補償器(118)とを含む適応制御装置とし、かつ、適応同定器(114)により推定されたパラメータに基づいて制御対象装置のメンテナンスの要否および要メンテナンス個所を推定するメンテナンス要否判定部(130)を含むものとする。

概要

背景

下記特許文献1に、電子回路部品装着機に異常が発生した場合に、その異常の原因を提示する発明が記載されている。電子回路部品装着機における部品実装ミス発生状況記憶装置に記憶させておくとともに、実装ミスの発生状況とその原因との対応関係を数式化しておき、実際に実装ミスが発生した場合にその数式に基づいて原因を推定するものであり、特に、装置が設置された環境に合わせて上記対応関係の数式を修正することを特徴とするものである。
また、下記特許文献2に、プラントを構成する機器等を時間の経過に従って順次観測して得た時系列データのうち、互いに因果関係があると推定される2つのデータを入力データおよび出力データとし、入力データの上昇傾向下降傾向振動傾向等、制御システム特有のデータの変化種別毎に、入力データに対する出力データの応答性に関する情報を抽出し、応答性に関する情報の偏差から異常データの候補を取得する発明が記載されている。

概要

制御対象装置とそれを制御する制御装置とを含む自動システムにおいて、制御対象装置のメンテナンスの要否、要メンテナンス個所を精度よく推定可能とすること。 自動システムにおいて、制御装置(100)を、制御対象装置の駆動源たるX軸モータ(78)を制御する制御指令を出力する位置制御系(112)と、制御指令と制御対象装置からの制御対象出力とに基づいて制御対象装置の状態を示すパラメータを推定する適応同定器(114)と、その適応同定器(114)により推定されたパラメータに基づいて、位置制御系から制御対象装置への制御指令を、パラメータの変化にかかわらず制御対象装置が予定通りの作動を行うように補償する適応補償器(118)とを含む適応制御装置とし、かつ、適応同定器(114)により推定されたパラメータに基づいて制御対象装置のメンテナンスの要否および要メンテナンス個所を推定するメンテナンス要否判定部(130)を含むものとする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

制御対象装置と、その制御対象装置を制御する制御装置とを含む自動システムであって、前記制御装置が、前記制御対象装置を制御する制御指令を出力する制御器と、その制御器から出力される制御指令と前記制御対象装置から出力される制御対象出力とに基づいて制御対象装置の状態を示す1つ以上のパラメータ推定する適応同定器と、その適応同定器により推定された前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記制御器から前記制御対象装置への前記制御指令を、その1つ以上のパラメータの変化にかかわらず前記制御対象装置が予定通りの作動を行うように補償する適応補償器とを含む適応制御装置であり、かつ、前記適応同定器により推定された前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記制御対象装置がメンテナンスを要する状態となったことを検出する要メンテナンス検出部を含むことを特徴とする自動システム。

請求項2

さらに、前記適応同定器により推定された前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記制御対象装置のメンテナンスを要する個所である要メンテナンス個所を推定する要メンテナンス個所推定部を含む請求項1に記載の自動システム。

請求項3

前記要メンテナンス個所推定部による推定結果に基づいて、前記制御対象装置の要メンテナンス個所を報知する要メンテナンス個所報知部と、必要なメンテナンスを自動で実施する自動メンテナンス部との少なくとも一方を含む請求項2に記載の自動システム。

請求項4

前記1つ以上のパラメータが前記制御対象装置の相対移動部における摩擦力を含み、前記要メンテナンス個所推定部により推定される要メンテナンス個所が前記相対移動部である請求項2または3に記載の自動システム。

請求項5

前記相対移動部に対して必要なメンテナンスが前記相対移動部への潤滑剤の補給であり、その潤滑剤の補給が行われた後、前記要メンテナンス個所推定部により前記相対移動部が再び要メンテナンス個所として推定されるまでの経過時間と制御対象装置の累積運転時間との少なくとも一方である潤滑剤補給間隔を取得する潤滑剤補給間隔取得部と、その潤滑剤補給間隔取得部により取得された潤滑剤補給間隔が設定間隔以下である場合に前記相対移動部が異常状態にあることを報知する異常報知装置と前記相対移動部の相対移動を禁止する相対移動禁止部との少なくとも一方とを含む請求項4に記載の自動システム。

請求項6

前記1つ以上のパラメータが電動アクチュエータトルク定数あるいは推力定数を含み、前記要メンテナンス個所推定部により推定される要メンテナンス個所が前記電動アクチュエータ自体とその電動アクチュエータを冷却する冷却装置との少なくとも一方を含む請求項2ないし5のいずれかに記載の自動システム。

請求項7

前記要メンテナンス個所が前記冷却装置の冷却ファンフィルタとの少なくとも一方を含む請求項6に記載の自動システム。

請求項8

前記電動アクチュエータ自体に対して必要なメンテナンスが、その電動アクチュエータを一旦停止させ、その停止から設定時間が経過した後におけるトルク定数あるいは推力定数の検出を含み、検出された定数の低下が不可逆的低下である場合に、電動アクチュエータに対するメンテナンスが当該電動アクチュエータの交換を含む請求項6または7に記載の自動システム。

請求項9

前記1つ以上のパラメータが、前記制御対象装置の1つ以上の構成要素の固有振動数を含み、前記要メンテナンス個所推定部が、その1つ以上の構成要素の固有振動数が設定値以上変化した場合にその固有振動数を有する構成要素を前記要メンテナンス個所と推定する請求項2ないし8のいずれかに記載の自動システム。

請求項10

制御対象装置が、固有振動数を互いに異にする複数の構成要素を含み、前記要メンテナンス個所推定部が、前記複数の構成要素の各々の固有振動数を各構成要素と対応付けて記憶した固有振動数記憶部と、その固有振動数記憶部に記憶された複数の固有振動数の1つが設定量以上変化した場合に、その固有振動数に対応付けられている構成要素を要メンテナンス装置と推定する要メンテナンス構成要素推定部とを含む請求項9に記載の自動システム。

請求項11

前記1つ以上の構成要素が、レベリング装置を介して床面上に設置される前記制御対象装置の本体フレームを含み、前記要メンテナンス個所推定部がその本体フレームを要メンテナンス個所として推定する部分を含む請求項9または10に記載の移動システム

請求項12

前記制御対象装置が、回路基材に対して予め定められた作業を行う対回路基材作業機である請求項1ないし11のいずれかに記載の自動システム。

請求項13

前記対回路基材作業機が、回路基材を保持する基材保持装置と、電子回路部品を保持する部品保持具およびその部品保持具と前記基材保持装置とを相対的に移動させる相対移動装置を備え、前記部品保持具により保持した電子回路部品を前記基材保持装置により保持された回路基材に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機である請求項12に記載の自動システム。

技術分野

0001

本発明は、例えば、電子回路部品装着機のような制御対象装置と、それを制御する制御装置とを含む自動システムに関するものであり、特に、制御対象装置がメンテナンスの必要な状態となった場合に、その事実を逸早く検出し、望ましくは、メンテナンスの必要な個所推定し得る技術に関するものである。

背景技術

0002

下記特許文献1に、電子回路部品装着機に異常が発生した場合に、その異常の原因を提示する発明が記載されている。電子回路部品装着機における部品実装ミス発生状況記憶装置に記憶させておくとともに、実装ミスの発生状況とその原因との対応関係を数式化しておき、実際に実装ミスが発生した場合にその数式に基づいて原因を推定するものであり、特に、装置が設置された環境に合わせて上記対応関係の数式を修正することを特徴とするものである。
また、下記特許文献2に、プラントを構成する機器等を時間の経過に従って順次観測して得た時系列データのうち、互いに因果関係があると推定される2つのデータを入力データおよび出力データとし、入力データの上昇傾向下降傾向振動傾向等、制御システム特有のデータの変化種別毎に、入力データに対する出力データの応答性に関する情報を抽出し、応答性に関する情報の偏差から異常データの候補を取得する発明が記載されている。

先行技術

0003

特開2011−159699
特開2012−128583

発明が解決しようとする課題

0004

これらはいずれも、過去における異常発生状況のデータを記憶装置に記憶させておき、実際に異常が発生し、あるいは異常発生の予兆が現れたときに、過去における異常発生の状況のデータに基づいて異常発生の原因を推定するものである。
それに対し、本発明は、全く異なる着想に基づいて、制御対象装置がメンテナンスを要する状態となったことを逸早く検出し得、望ましくは、さらにその異常原因ないしメンテナンス必要個所の推定を行い得る自動システムを得たものである。

0005

すなわち、本発明は、制御対象装置とそれを制御する制御装置とを含む自動システムにおいて、制御装置を、(a)制御対象装置に対して制御指令を出力する制御器と、(b)その制御器から出力される制御指令と前記制御対象装置から出力される制御対象出力とに基づいて前記制御対象装置の状態を示す1つ以上のパラメータを推定する適応同定器と、(c)その適応同定器により推定された前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記制御器から前記制御対象装置への制御指令を、その1つ以上のパラメータの変化にかかわらず前記制御対象装置が予定通りの作動を行うように補償する適応補償器とを含む適応制御装置とするとともに、その適応制御装置に、適応同定器により推定された1つ以上のパラメータに基づいて、制御対象装置がメンテナンスを要する状態となったことを検出する要メンテナンス検出部を含み、さらに望ましくは、制御対象装置のメンテナンスを要する個所を推定する要メンテナンス個所推定部を設けることを特徴とするものである。

発明の効果

0006

適応制御は状況の変化に合わせて制御対象装置のモデルのパラメータを変化させ、状況に応じた制御により状況の変化にかかわらず常に良好に目的を達成できることを特長とするものであるが、逆の見方をすれば、パラメータの変化に注目することにより制御対象装置の状態変化を逸早く、しかも数値的に把握することができる制御であるということができる。本発明は、この点を積極的に利用して、制御対象装置の異常の兆候ないし異常を逸早く把握し、制御対象装置がメンテナンスを要する状態になったことを検出し、望ましくは、さらに、メンテナンスの必要な個所を推定しようというものである。
従来は、出力の異常を発見し、その原因を特定することが行われていたのであるが、出力に異常が生じても一般にそれが把握され難い。それに対し、適応制御において得られるパラメータの変化に基づけば、逸早く異常の兆候ないし異常を発見することができ、また、異常の原因推定の精度を高めることができる。例えば、相対移動部の摩擦力駆動源たるリニアモータ推力定数あるいは回転モータトルク定数、装置本体等構成要素の共振周波数等、制御対象装置の特性の変化をパラメータの変化として数値で取得することが可能である。したがって、制御対象装置に異常の兆候ないし異常が生じてメンテナンスを要する状態となったことを逸早く検出することができ、さらに一歩進めて、異常の発生を事前に回避し、あるいは異常を解消するためのメンテナンスが必要な個所を高い精度で推定することができる。
制御対象装置においては、潤滑剤の補給フィルタ清掃交換等のメンテナンスを行うことが不可欠であるが、メンテナンスの実行中は装置を停止させざるを得ずスループットが低下するため、メンテナンスの実行間隔は長い方がよい。しかし、メンテナンスの実行が遅れれば装置の故障につながる危険がある。本発明によれば、メンテナンスを要する状態になったこと、さらにはメンテナンスの必要な個所を自動的に検出することができ、適切な時期にメンテナンスを行うことが可能となって、過剰なメンテナンスによるスループットの低下回避と、メンテナンス不足による故障の発生とを共に良好に回避することができる。

図面の簡単な説明

0007

本発明の一実施形態である電子回路部品装着機を示す平面図である。
上記電子回路部品装着機を示す側面図である。
上記電子回路部品装着機の制御装置のうち、装着装置の駆動源である電動モータを制御する適応制御部を示すブロック図である。

実施例

0008

以下、本発明の一実施形態である対回路基材作業機の一例としての電子回路部品装着機(以下、装着機略称する)を、図を参照しつつ説明する。なお、本発明は、下記実施形態の他、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。

0009

装着機10は装着機本体12を備えており、その装着機本体12は、図2に示すように、レベリング装置14を介して床面16上に設置されている。レベリング装置14としては種々のものが採用可能であるが、図2には、4つの高さ調整ねじ装置20を含むものが例示されている。各高さ調整ねじ装置20は、装着機本体12に形成された図示を省略する雌ねじ穴と、床面16に支持される頭部と上記雌ねじ穴に螺合される雄ねじ部とを備えたレベリングボルト22と、そのレベリングボルト22に螺合されたロックナット24とから成っている。高さ調整ねじ装置20は、レベリングボルト22の雌ねじ穴への螺合量の調整により、装着機本体12の4個所を、床面16の平面度のいかんを問わず、床面16に均等に支持させるとともに、装着機本体12を精度良く水平に保つ。

0010

装着機本体12上には、基材搬送保持装置30,部品供給装置32および装着装置34が配設されている。基材搬送保持装置30は回路基材の一例たる回路基板40の両側縁部を支持して搬送する1対のベルトコンベヤ42と、それらの間に昇降可能に配設された昇降台44とを含んでいる。昇降台44は上昇位置において、ベルトコンベヤ42の1対のコンベヤレール46(図2参照)の上端に固定された長手形状受け部材48と共同して回路基板40の両側縁部を挟んで固定する。

0011

部品供給装置32は基材搬送保持装置30の片側あるいは両側に配設されて、それぞれ1種類の電子回路部品(以後、部品と略称する)を供給する複数のフィーダ(図示の例はテープフィーダ50)を含んでいる。装着装置34は、それら複数のテープフィーダ50から部品を受け取り、基材搬送保持装置30に位置を固定して保持された回路基板40に装着する。そのために、装着装置34は、図2に示すように、部品52を保持する部品保持具(図示の例は部品52を負圧により吸着して保持する吸着ノズル54)を備えた装着ヘッド56と、吸着ノズル54を互いに直交するX,Y,Z軸方向に移動させる保持具移動装置たる吸着ノズル移動装置60とを備えている。吸着ノズル移動装置60は、一対のX軸ガイドレール62(図2参照)上を摺動可能なX軸スライド64と、そのX軸スライド64に設けられた一対のY軸ガイドレール66(図2参照)上を摺動可能なY軸スライド68と、そのY軸スライド68に着脱可能なヘッド本体70と、そのヘッド本体70に保持されたZ軸アクチュエータ72とを含んでいる。

0012

上記X軸スライド64は、一対のX軸ガイドレール62に平行に配設された一対のX軸送りねじ76(図1参照)およびそれを回転駆動するX軸モータ78によりX軸方向の任意の位置へ移動させられる。Y軸スライド68は、一対のY軸ガイドレール66に平行に配設された1本のY軸送りねじ80およびそれを回転駆動するY軸モータ82(図1参照)によりY軸方向の任意の位置へ移動させられる。そのY軸スライド68に対し、吸着ノズル54がZ軸アクチュエータ72によりZ軸方向に移動、すなわち鉛直方向に昇降させられる。装着機本体12には、それのX,YおよびZ3軸方向の振動を検出する加速度センサ振動センサ90として取り付けられている。図1においては、振動センサ90が昇降台44の下方に1つ図示されているが、例えば、複数の高さ調整ねじ装置20の上方位置等、複数個所に設けることも可能である。

0013

装着機10は、上記基板搬送保持装置30,部品供給装置32および装着装置34等を制御する制御装置100(図3参照)を備えており、その制御装置100にオペレータにより操作される操作装置102およびディスプレイ104が接続されている。また、制御装置100の一部として適応制御部110が設けられている。図3はこの適応制御部110のうち、X軸モータ78に関連する部分を代表的に示したものである。制御装置100は、装着プログラム実行部106において、プログラム記憶部から回路基板40に対する部品52の装着に関連するプログラムを順次読み出して実行するが、それに伴ってX軸モータ78に対して位置指令が発せられる。適応制御部110は、この位置指令を実行するための位置制御系112を備えており、X軸モータ78に向かって電流を供給する。この電流は図3概念的に示すように、一旦正方向に増大した後減少し、続いて逆方向に増大した後減少するように変化させられ、その結果、X軸モータ78が図3に概念的に示すように、所定量回転して停止し、X軸スライド64をX軸方向に所定距離移動させて停止させる。

0014

上記の供給電流の制御に応じたX軸スライド64の移動は、X軸モータ78のトルク定数とX軸スライド64の摩擦抵抗との影響を受ける。X軸モータ78にはエンコーダが設けられており、このエンコーダの出力が設定値に達するまではX軸モータ78が作動させられるため、X軸スライド64は必ず設定位置に停止させられるのであるが、上記電流の変化状態はX軸モータ78のトルク定数とX軸スライド64の摩擦抵抗との影響を受ける。X軸モータ78のトルク定数が変動する主な原因は磁石熱減磁であり、この熱減磁には可逆的なものと不可逆的なものとがある。正常な運転時における減磁は、運転の継続に伴う磁石の温度上昇に伴って生じ、温度が低下すれば回復する可逆的なものであり、実装機10の設計時に考慮済みであるので問題はない。しかし、可逆的な減磁であっても、望ましくない事態の発生に伴って生じるものがある。X軸モータ78には、図示は省略するが冷却ファンとフィルタとが設けられており、これらの異常がX軸モータ78の通常より多い温度上昇を引き起こすことがその一例である。冷却ファンはX軸モータ78の回転に伴って回転し、X軸モータ78を冷却するものであるが、ファン内部の摺動面が疲労により剥離したり、物理的な衝撃で疵付いたりすることによる摩擦抵抗の増加や、グリース等潤滑剤の不足にによる摩擦抵抗の増加等によって回転が不足し、X軸モータ78の冷却が不足して予定以上の温度上昇が生じ、磁石に予定以上の減磁が生じることがあるのである。また、フィルタは冷却ファンの吸入側に設けられて、X軸モータ78内へ送られる空気から塵埃等を除去するものであるが、これが許容状態以上に詰まれば、やはりX軸モータ78の冷却が不足して、磁石に予定以上の減磁が生じることがあるのである。

0015

X軸スライド64の摩擦抵抗は、X軸スライド64とX軸ガイドレール62との摩擦抵抗や、X軸送りねじ76とX軸スライド64との摩擦抵抗である。X軸スライド64とX軸ガイドレール62との間の潤滑が不足すれば、摩擦抵抗が増大する。また、X軸スライド64をがたつき無く滑らかに移動させるために、X軸スライド64とX軸ガイドレール62との間に常に所定の荷重(予圧)が作用するようにされているのが普通であるが、グリース等の潤滑剤が排出されれば、相対移動部の構成要素(例えば、X軸送りねじ76がボールねじである場合のボール)が摩耗して摩擦抵抗が低下するというように、摩擦抵抗が予定値より大きくなったり、小さくなったりする。いずれにしても、X軸スライド64の摩擦抵抗が変化すれば、位置制御系112から供給される電流の増減状態が変化する。そして、摺動面間の潤滑が不足すれば、疵発生の一因となり、相対移動部の構成要素の許容量以上の摩耗はX軸スライド64の位置決め精度低下の一因となる。

0016

以上説明した磁石の減磁や供給電流の変化は、冷却ファン,フィルタ,相対移動部等の点検と、その結果発見された原因の解消(例えば、潤滑剤の補給や、フィルタ,シール部材の交換等)とを含むメンテナンスの実行により解消される。しかし、磁石の減磁が不可逆的なものにまで達する状況となれば、X軸モータ78のトルク定数が低下したままとなり、X軸モータ78の電力効率や実装機10のスループットが低下してしまう。また、相対移動部の点検の結果、例えば、相対移動部のシール装置,冷却ファンの損傷等が発見され、あるいはX軸ガイドレール62に疵が発生していることが発見されることもある。その場合には、X軸モータ78,シール装置,冷却ファンの取換えや、ガイドレール疵除去等、いわゆる修理のメンテナンスが必要になる。

0017

上に述べたように、X軸モータ78の作動にはX軸モータ78自体のトルク定数やX軸モータ78により駆動される相対移動部の摩擦力が影響するため、適応制御部110はこれらトルク定数や摩擦力をパラメータとして含む数式により表されるモデルを記憶しており、このモデルに基づいて、位置指令の実行のために必要な供給電流の増減量演算し、位置制御系から供給される電流指令値を修正する。そのために、適応制御部110は、位置制御系112に供給される位置指令と、X軸モータ78のエンコーダからフィードバックされる位置情報とに基づいて、X軸モータ78のトルク定数および相対移動部の摩擦力を推定する適応同定器114と、それにより推定されたトルク定数および摩擦力に基づいて上記電流増減量を演算し、加算器116に供給する適応補償器118とを備えている。上記数式で表されるモデルは、初期においてはトルク定数や摩擦力の値として、設計上予想される設定値を含むものとされているが、実際の実装機10におけるトルク定数や摩擦力の値は正確に設定値に等しいとは限らず、むしろある程度異なることが多く、かつ、これらは実装機10の作動継続につれて変化もする。そこで、適応制御部110は、上記適応同定器114と適応補償器118とにおける推定と補償とを繰り返すことにより、数式におけるトルク定数や摩擦力の値を実際のトルク定数や摩擦力に近づけ、それらトルク数や摩擦力の初期設定値不適切を修正し、あるいは実装機10の作動継続に伴う変動にかかわらず、X軸スライド64に可及的に速やかにかつ正確に位置指令通りの位置への移動を完了させるように、X軸モータ78を制御する。

0018

このように、適応制御部110は、本来、トルク定数や摩擦力の初期設定値の不適切や運転継続に伴う変動にかかわらず、X軸スライド64に良好な移動を行わせることができることを特長とするものであるが、本発明の発明者は、適応制御部110が実際のトルク定数や摩擦力の推定を繰り返すものであり、かつ、実装機10の作動が安定した状態ではトルク定数や摩擦力の推定値の変動が小さくなるものであって、実装機10の作動が安定しているはずの時期に、トルク定数や摩擦力の推定値が設定値以上変化した場合には、X軸モータ78やX軸スライド64になんらかの異常発生の予兆が生じた、あるいは異常が生じたと考え得ることに気付いた。

0019

そこで、図3に示すように、適応制御部110に、メンテナンス要否判定部130,メンテナンス報知部132および自動メンテナンス実行部134を付加することを考えた。メンテナンス要否判定部130は、適応同定器114によるトルク定数や摩擦力の推定値の変化状態に基づいて、制御対象装置がメンテナンスの必要な状態になったか否かを判定する部分であり、具体的には、例えば、トルク定数や摩擦力の推定値と設定値との差の絶対値がしきい値以上である場合に「メンテナンス要」と判定するものとすることができる。

0020

なお、ここにおいては、制御対象装置は、(a)X軸スライド64と、(b)そのX軸スライド64の駆動源たるX軸モータ78と、(c)そのX軸モータ78の回転をX軸スライド64の直線運動に変換するX軸送りねじ76および雌ねじ部から成る運動変換装置と、(d)X軸スライド64の移動を案内する案内装置たるX軸ガイドレール62とを含む部分である。また、メンテナンス報知部132は、メンテナンス要否判定部130がメンテナンスが必要と判定した場合に、その事実と、必要なメンテナンスの内容とをディスプレイ104を利用して報知する部分であり、自動メンテナンス実行部134は、例えば潤滑剤の補給のように、自動で実行可能なメンテナンスを実行する部分である。メンテナンスのうち、自動で実行可能なものは、自動メンテナンス実行部134により自動で実行されるとともに、その事実がディスプレイ104に表示される。また、自動で実行不可能なものは、実装機10の作動が停止させられるとともに、その事実がディスプレイ104に表示される。

0021

以上は、X軸スライド64およびX軸モータ78について述べたが、Y軸スライド68およびY軸モータ82についても同様な適応制御部が設けられ、吸着ノズル54およびZ軸アクチュエータ72についても類似の適応制御部が設けられており、同様あるいは類似の作用,効果が得られる。

0022

なお、相対移動部に対して必要なメンテナンスが、そこへの潤滑剤の補給である場合に、要メンテナンス個所推定部による推定に応じて潤滑剤の補給が行われた後、再び同じ相対移動部への潤滑剤の補給が必要と推定されるまでの経過時間、あるいは制御対象装置たる装着機10の累積運転時間である潤滑剤補給間隔を取得する潤滑剤補給間隔取得部を設け、その潤滑剤補給間隔取得部により取得される潤滑剤補給間隔が設定間隔以下である場合に、その相対移動部が異常状態にあることを異常報知装置に報知させ、それと共にあるいはそれに代えて、相対移動禁止部に吸着ノズル移動装置60の作動を禁止させることも可能である。

0023

また、X軸モータ78,Y軸モータ82,Z軸アクチュエータ72等、吸着ノズル移動装置60の駆動源に対してメンテナンスが必要である場合に、その駆動源を一旦停止させ、その停止から設定時間が経過した後に再度トルク定数を検出し、トルク定数の低下が不可逆的低下である場合に、その駆動源の交換が必要であることを、メンテナンス報知部132によりディスプレイ104に表示させることも可能である。

0024

さらに、適応制御部110に、前記振動センサ90によるY軸スライド68の振動検出の結果、検出振動周波数設定周波数レベリングが正常に行われている場合の装着機本体12の固有振動数)から設定値以上外れている場合、例えば、設定値以上低くなっている場合に、レベリング装置14による装着機本体12の支持状態が不適切であり、再レベリング作業、あるいはレベリング装置14の修理が必要であるとの判定を行う適応同定器,適応補償器およびメンテナンス要否判定部を設けることも可能である。
また、前記振動センサ90と共に、あるいはそれに代えて、別の個所に振動センサを設け、装着機本体12以外の構成要素、例えば、送りねじ,運動伝達機構等の振動周波数を検出し、その検出結果に基づいて、その別の構成要素の状態(例えば支持状態)が異常であるとの判定が行われるようにすることも可能である。それにより、適切な時期に適切なメンテナンスを行い、スループットや装着精度の低下を事前に回避することができる。

0025

前記実施形態においては、適応制御部110が、実装機10の作動継続に伴う変動にかかわらず、吸着ノズル54に可及的に速やかにかつ正確に位置指令通りの位置への移動を完了させるように、X軸スライド64等、吸着ノズル移動装置60の駆動源を制御するようにされていたが、制御則として、適応制御において一般的に採用されているモデル規範制御等を採用することも勿論可能である。また、モデルの同定において、同定に用いる情報として、位置指令に対する電流の変化状態の他に、外乱オブザーバで推定した外乱の変化状態を使用することも可能であり、さらに、同定でパラメータを算出するアルゴリズムとして、実際の装置の応答の、本来あるべき応答に対する差を評価関数として捉え、その評価関数を最小とする最小二乗法等を採用することも可能である。

0026

以上、装着機10を例として説明したが、装着機10以外の対回路基材作業機、例えば、回路基板にクリーム状はんだ印刷するスクリーン印刷機、回路基材に接着剤を塗布する接着剤塗布機、クリーム状はんだの溶融前あるいは溶融後に回路基材に対する電子回路部品の装着状態検査する装着状態検査機等に対して本発明を適用することが可能であり、さらに広く、生産機械一般や、その他の装置、例えば既に適応制御が採用されている装置に本発明を適用することが可能である。

0027

10:電子回路部品装着機(装着機) 12:装着機本体 14:レベリング装置16:床面 30:基材搬送保持装置32:部品供給装置34:装着装置40:回路基板52:電子回路部品(部品) 54:吸着ノズル56:装着ヘッド60:吸着ノズル移動装置62:X軸ガイドレール64:X軸スライド66:Y軸ガイドレール 68:Y軸スライド 70:ヘッド本体 72:Z軸アクチュエータ76:X軸送りねじ78:X軸モータ80:Y軸送りねじ 82:Y軸モータ 90:振動センサ

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