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技術 化学強化用ガラス

出願人 JAPAN3DDEVICES株式会社
発明者 大垣昭男木下将也武島延仁
出願日 2014年1月23日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2015-523874
公開日 2017年2月23日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 WO2014-208112
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの表面処理 ガラス組成物(第三版)
主要キーワード 網目骨格 表面圧縮応力値 白金ノズル 成分バランス 熔融槽 化学強化ガラス板 網目形成酸化物 圧縮応力値
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重要な関連分野

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課題・解決手段

化学強化用ガラスは、モル%表示で、SiO2:55〜70%、Al2O3:2〜5%、B2O3:0〜5%(ただし、5%は含まない。)、Na2O:10〜20%、K2O:0〜2%、MgO:1〜5%、CaO:0〜6%、MgO+CaO:1〜8%、SrO:0〜3%、BaO:0〜3%、ZnO:0〜3%、TiO2:0.5〜5%、ZrO2:0.5〜7%、Sb2O3:0〜0.5%、CeO2:0〜0.5%、を含有し、Li2Oを含有しない。

概要

背景

ガラスは、表面平滑性表面強度に優れているため、ディスプレイ用基板カバーガラスタッチパネル等),情報記録媒体用基板磁気ディスク基板等)等に適している。しかし、ガラスには割れクラックが生じやすいという欠点がある。その対策として、急冷イオン交換による表面への圧縮応力の付与、いわゆる強化処理が知られている。強化処理のなかでもイオン交換による化学強化処理は、薄いガラス板の強化処理に適している。

化学強化用ガラスとしては、特許文献1〜5等で提案されているものが挙げられる。例えば特許文献1には、イオン交換を伴う化学強化処理により、大きい強化度を付与することを目的としたガラス組成が提案されている。特許文献2には、比較的低温で短時間の化学強化により、十分な強度を得ることを目的としたガラス組成範囲が提案されている。

概要

化学強化用ガラスは、モル%表示で、SiO2:55〜70%、Al2O3:2〜5%、B2O3:0〜5%(ただし、5%は含まない。)、Na2O:10〜20%、K2O:0〜2%、MgO:1〜5%、CaO:0〜6%、MgO+CaO:1〜8%、SrO:0〜3%、BaO:0〜3%、ZnO:0〜3%、TiO2:0.5〜5%、ZrO2:0.5〜7%、Sb2O3:0〜0.5%、CeO2:0〜0.5%、を含有し、Li2Oを含有しない。

目的

例えば特許文献1には、イオン交換を伴う化学強化処理により、大きい強化度を付与することを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

モル%表示で、SiO2:55〜70%、Al2O3:2〜5%、B2O3:0〜5%(ただし、5%は含まない。)、Na2O:10〜20%、K2O:0〜2%、MgO:1〜5%、CaO:0〜6%、MgO+CaO:1〜8%、SrO:0〜3%、BaO:0〜3%、ZnO:0〜3%、TiO2:0.5〜5%、ZrO2:0.5〜7%、Sb2O3:0〜0.5%、CeO2:0〜0.5%、を含有し、Li2Oを含有しない化学強化用ガラス

請求項2

MgOとTiO2とZrO2との合計含有量と、Al2O3の含有量との比(MgO+TiO2+ZrO2)/Al2O3の値が0.9〜7である請求項1記載の化学強化用ガラス。

請求項3

Na2Oの含有量が15〜20%である請求項1又は2記載の化学強化用ガラス。

請求項4

ZrO2とTiO2との合計含有量が、2.5〜10%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。

請求項5

K2OとCaOとSrOとBaOとZnOとB2O3との合計含有量が10%未満である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。

請求項6

B2O3の含有量と、Na2OとK2Oとの合計含有量との比B2O3/(Na2O+K2O)の値が0.11〜0.27である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。

請求項7

Na2Oの含有量が15〜20%であり、ZrO2とTiO2との合計含有量が2.5〜6.6%であり、ガラス転移点(Tg)が590℃未満である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。

請求項8

請求項1から7のいずれか1項に記載のガラスから成る化学強化用ガラス板

請求項9

ガラス転移点Tgが500℃以上である請求項8記載の化学強化用ガラス板。

請求項10

前記ガラスの原料溶融した後、プレス法で成形して成る請求項8又は9記載の化学強化用ガラス板。

請求項11

前記プレス法での成形により得られた成形体徐冷して室温に冷却した後、所望の部分を残して切断及び研磨加工を施して成る請求項10記載の化学強化用ガラス板。

請求項12

請求項8〜11のいずれか1項に記載のガラス板を温度400℃以下の硝酸カリウムを含む溶融塩に3時間以下浸漬することにより化学強化処理されたカバーガラスであって、ガラス表面の圧縮応力層の厚みが5〜20μmであり、表面圧縮応力が600MPa以上である化学強化カバーガラス。

請求項13

ガラス表面の圧縮応力層の厚みが5〜10μmであり、表面圧縮応力が800MPa以上である請求項12記載の化学強化カバーガラス。

技術分野

0001

本発明は化学強化用ガラスに関するものである。更に詳しくは、化学強化用ガラス、そのガラスから成る化学強化用ガラス板、そのガラス板化学強化処理を施して成るカバーガラスに関するものである。

背景技術

0002

ガラスは、表面平滑性表面強度に優れているため、ディスプレイ用基板(カバーガラス,タッチパネル等),情報記録媒体用基板磁気ディスク基板等)等に適している。しかし、ガラスには割れクラックが生じやすいという欠点がある。その対策として、急冷イオン交換による表面への圧縮応力の付与、いわゆる強化処理が知られている。強化処理のなかでもイオン交換による化学強化処理は、薄いガラス板の強化処理に適している。

0003

化学強化用ガラスとしては、特許文献1〜5等で提案されているものが挙げられる。例えば特許文献1には、イオン交換を伴う化学強化処理により、大きい強化度を付与することを目的としたガラス組成が提案されている。特許文献2には、比較的低温で短時間の化学強化により、十分な強度を得ることを目的としたガラス組成範囲が提案されている。

先行技術

0004

特開2005−15328号公報
特開2012−20921号公報
WO2011/114821A1
特開2009−57271号公報
特開2011−201711号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に開示されている組成のガラス板を、実際に400℃の硝酸カリウム溶融塩中に3時間浸漬させて化学強化処理したところ、表面圧縮応力層の深さは14μmに止まっていたが、表面圧縮応力は316MPaと小さいものであった。したがって、特許文献1に開示されているガラス組成では、十分な強度を得ることは困難である。なお、特許文献4に記載のものにも同様の問題がある。

0006

特許文献2に開示されているガラス組成・化学強化処理条件では、表面圧縮応力層深さが20μmを超えて発達し、表面圧縮応力が600MPa未満となっている。圧縮応力層の厚みが20μmよりも大きいと、化学強化後、切断,穴空け,エッチング等の加工時にガラス板が破損しやすくなる。また、表面圧縮応力が600MPa未満でしかないため、十分な強度を得ることは困難である。なお、特許文献3に記載のものにも同様の問題がある。

0007

特許文献5に開示されているガラス組成・化学強化処理条件では4時間という短時間の化学強化で概ね150μmもの表面圧縮応力層深さを実現しているが、カバーガラスのような1mm以下のガラス板の場合には、表面圧縮応力層深さが深いために、ガラス板が破損する際に破片が粉々になってしまい、非常に危険である。また、20μm程度以下の表面圧縮応力層深さを実現するためには、処理時間を短縮する必要があり、十分な表面圧縮応力が得られないことが推測できる。

0008

本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、比較的低温かつ短時間の化学強化で形成される比較的薄い表面圧縮応力層により、高い表面圧縮応力が得られる組成のガラス、そのガラスから成るガラス板、そのガラス板に化学強化処理を施して成るカバーガラスを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明の化学強化用ガラスは、モル%表示で、SiO2:55〜70%、Al2O3:2〜5%、B2O3:0〜5%(ただし、5%は含まない。)、Na2O:10〜20%、K2O:0〜2%、MgO:1〜5%、CaO:0〜6%、MgO+CaO:1〜8%、SrO:0〜3%、BaO:0〜3%、ZnO:0〜3%、TiO2:0.5〜5%、ZrO2:0.5〜7%、Sb2O3:0〜0.5%、CeO2:0〜0.5%、を含有し、Li2Oを含有しないことを特徴とする。また、Na2Oの含有量は15〜20モル%であることが更に好ましい。以下、特に断りのない限り「%」は「モル%」を意味するものとする。

0010

本発明の化学強化用ガラス板は、上記化学強化用ガラスから成ることを特徴とする。化学強化用ガラス板のガラス転移点Tgは500℃以上であることが好ましい。また、化学強化用ガラス板は、前記ガラスの原料溶融した後、プレス法で成形して成るものであることが好ましく、前記プレス法での成形により得られた成形体徐冷して室温に冷却した後、所望の部分を残して切断及び研磨加工を施して成るものであることが更に好ましい。

0011

本発明の化学強化カバーガラスは、上記ガラス板を温度400℃以下の硝酸カリウムを含む溶融塩に3時間以下浸漬することにより化学強化処理されたカバーガラスであって、ガラス表面の圧縮応力層の厚みが5〜15μmであり、表面圧縮応力が600MPa以上であることを特徴とする。好ましくは、ガラス表面の圧縮応力層の厚みが5〜10μmであり、表面圧縮応力が800MPa以上である。

発明の効果

0012

本発明によれば、比較的低温かつ短時間の化学強化処理でも、それにより形成される比較的薄い表面圧縮応力層により高い表面圧縮応力が得られるので、カバーガラスの強度向上を効率的かつ十分に達成することができる。

0013

以下、本発明に係る化学強化用ガラス、そのガラスから成る化学強化用ガラス板、そのガラス板に化学強化処理を施して成るカバーガラスを説明する。比較的低温かつ短時間の化学強化で形成される比較的薄い表面圧縮応力層により、高い表面圧縮応力が得られる組成のガラスを実現するためには、厳格成分バランスが必要である。本発明に係る化学強化用ガラスは、モル%表示で、SiO2:55〜70%、Al2O3:2〜5%、B2O3:0〜5%(ただし、5%は含まない。)、Na2O:10〜20%、K2O:0〜2%、MgO:1〜5%、CaO:0〜6%、MgO+CaO:1〜8%、SrO:0〜3%、BaO:0〜3%、ZnO:0〜3%、TiO2:0.5〜5%、ZrO2:0.5〜7%、Sb2O3:0〜0.5%、CeO2:0〜0.5%、を含有し、Li2Oを含有しないことを特徴としている。このガラスから成る化学強化用ガラス板に化学強化処理を施すと、化学強化ガラス板(例えば、化学強化カバーガラス)が得られる。なお、以下の説明において「%」は特に断りのない限り「モル%」を意味するものとする。

0014

本発明では、目的の化学強化条件で比較的薄い表面圧縮応力層により高い表面圧縮応力を得るために、ガラス中の非架橋酸素の作用に注目した。通常、ガラス形成酸化物であるSiO2を中間酸化物のAl2O3に置換していくと、Al2O3はガラスの網目形成酸化物として働き、非架橋酸素が減少する。非架橋酸素は架橋酸素より負の電荷密度が高く、アルカリイオンをより強く引き付ける作用がある。よってアルカリイオンは非架橋酸素を含まないガラス中の方が動きやすい。つまり、イオン交換が進みやすい。一方、ガラスの網目骨格は非架橋酸素が少ないほど強く、応力緩和を起こしにくく、大きな圧縮応力を得られる。このような現象は、中間酸化物であるMgOの場合にも知られている。

0015

本発明者は、中間酸化物であるAl2O3をあえて少量使用に限定し、同じく中間酸化物であるMgO,TiO2,ZrO2を同時に一定の範囲で使用することでイオン交換し易い環境を整え、かつ、イオン交換を阻害することが知られているK2O,CaO,SrO,BaO,ZnO,B2O3の使用を一定の範囲に制限することで、イオン交換が高密度で起こる領域があることを見出し発明に至った。また、SiO2,Al2O3,Na2Oを所定の量に限定し、MgOとZrO2とTiO2を同時に一定の量で存在させ、K2O,CaO,SrO,BaO,ZnO,B2O3を一定量以下に制限することで、比較的低温かつ短時間の化学強化で圧縮応力層の厚みが薄く抑えられ、十分な強度が得られることを見出し本発明に至った。

0016

本発明に係る化学強化用ガラス板を製造するには、ガラス原料熔融した後、プレス法により所望の形状に成型するか、又は1面以上をプレス法により所望の形状に成型した後、残りの5面以下を研削・研磨加工により形成するのが好ましい。また、プレス法での成形により得られた成形体を徐冷して室温に冷却した後、所望の部分を残して切断及び研磨加工を施してもよい。

0017

上記のような方法で所望の形状にした後、化学強化処理としてイオン交換処理を行うと、化学強化ガラス板(例えば、化学強化カバーガラス)が得られる。イオン交換処理は、例えば、400℃以下の硝酸カリウムの溶融塩中にガラス板を1〜3時間浸漬することによって行うことができる。浸漬液として硝酸カリウムの一部を硝酸ナトリウムに置き換えてもよい。また、イオン交換後にガラス板の一部分に、切断,研削,エッチング等を施してもよい。

0018

本発明に係る化学強化用ガラス板の厚みは1.2mm以下が好ましい。ガラス板の厚みが薄いほど軽量化できるため、1.0mm以下がより好ましく、0.8mm以下が更に好ましく、0.5mm以下が最も好ましい。

0019

本発明に係る化学強化用ガラス板は、ガラス転移点Tgが500℃以上であることが好ましい。ガラス転移点Tgが高いとイオン交換中に応力緩和が起こりにくくなるため、高い表面圧縮応力を得ることが容易になる。

0020

本発明に係る化学強化用ガラス板は、100〜300℃の線膨張係数αが、80〜120×10-7/℃であることが好ましく、85〜110×10-7/℃であることがより好ましく、90〜105×10-7/℃であることが更に好ましい。ガラスの線膨張係数αを上記範囲とすれば、プレス成形時のガラスの引け金型形状により修正でき、所望の形状が得やすくなる。また、ガラスより線膨張係数αの大きい金型を使用しても、プレス後の冷却時の温度変化による材料の膨張差に起因するガラスの割れ,破損等を抑制することができる。

0021

次に、本発明に係る化学強化用ガラスにおける各成分の組成範囲(モル%表記)について、前記のように限定した理由等を説明する。

0022

SiO2は、ガラスを構成する主要成分であり必須成分である。その量が55%未満では、ガラスの化学的耐久性が悪化する。また、ガラス転移点Tgを500℃以上に維持するために、SiO2の含有量は55%以上であることが好ましい。一方、SiO2が70%を超えると、溶融時の高温でのガラスの粘性が高くなり、脱泡が困難となる。このため、SiO2の含有量は55%〜70%の範囲であり、58%〜65%の範囲が好ましく、58%〜64%の範囲がより好ましく、60%〜64%の範囲が更に好ましい。

0023

Na2Oは、溶融塩中でKイオン等の他の陽イオンと置換されることにより、ガラスの強度を向上させる必須成分である。その量が10%未満では、イオン交換が不足し十分な効果が得られない。一方、20%を超えるとガラスの線膨張係数αが大きくなり過ぎて、耐熱性が低下する。よって、Na2Oの含有量は10%〜20%の範囲である。特に、Na2Oの量を15%〜20%と多く用いれば、NaイオンからKイオンへのイオン交換を表層付近で高密度に完結させ、浅い圧縮応力層のままに止めるのに有利である。したがって、Na2Oの含有量は15〜20%であることが更に好ましい。

0024

中間酸化物であるAl2O3は、ガラス転移温度Tgを高め、化学強化に大きな影響を及ぼす成分である。また、網目形成酸化物として働き、イオン交換を促進する作用がある。2%未満ではその効果が十分でなく、5%を超えると他の中間酸化物であるMgO,TiO2,ZrO2が網目形成酸化物として働きにくくなる。したがって、Al2O3の含有量は2〜5%の範囲であり、3〜5%の範囲がより好ましい。

0025

ZrO2は、ガラス転移温度Tgを高め、主に表面の圧縮応力を大きくする効果がある。また、網目形成酸化物として働き、イオン交換を促進する作用もある。0.5%未満ではその効果が十分でなく、7%を超えると溶融時にガラスに未溶として残りやすくなる。したがって、0.5%〜7%の範囲であり、1.5%〜6%の範囲がより好ましく、2.5%〜5%の範囲が更に好ましい。

0026

TiO2は、ガラス転移温度Tgを高め、主に表面の圧縮応力を大きくする効果がある。また、網目形成酸化物として働き、イオン交換を促進する作用もある。0.5%未満ではその効果が十分でなく、5%を超えるとガラスが着色しやすくなる。したがって、0.5〜5%の範囲であり、1〜4%の範囲がより好ましく、2〜4%の範囲が更に好ましい。

0027

ZrO2とTiO2との合計含有量は、2.5〜10%の範囲が好ましく、4.0〜10%であることが更に好ましい。また、Na2Oが15〜20%の時ZrO2とTiO2との合計含有量は2.5〜6.6%であることが好ましい。これによりガラス転移温度Tgを590℃未満にすることが容易となる。ガラス製品プレス成型により形成する場合に、金型温度はガラス転移温度Tg付近に設定するため、ガラス転移温度Tgが590℃以上になると金型寿命が短くなる。

0028

MgOは、ガラスの高温粘度を下げ溶融性を良くする。また、網目形成酸化物として働き、イオン交換を促進する作用もある。1%未満ではその効果が十分でなく、5%を超えると網目修飾酸化物になりやすく、イオン交換を阻害するおそれがある。したがって、1〜5%の範囲であり、2〜4%の範囲がより好ましい。

0029

中間酸化物であるAl2O3とZrO2とTiO2、及びMgOを同時に使用することで、比較的低温かつ短時間の化学強化でのイオン交換を高密度で起こり易くする環境が整う。中間酸化物としてAl2O3とZrO2とTiO2とMgOを共存させることにより、網目形成の偏りが小さくなり、ばらつきの少ない網目が形成されると考えられる。そのため、より効率的に非架橋酸素が減少し、イオン交換し易い環境が整ったものと考えられる。さらに、ばらつきの少ない網目が形成されるため、イオン交換が深く進行するのを抑制しているものと考えられる。短時間でのイオン交換を高密度で促進して圧縮応力値を大きくするとともに、イオン交換が深く進行するのを抑制するために、ガラス成分中の、MgOとTiO2とZrO2との合計含有量と、Al2O3の含有量との比(MgO+TiO2+ZrO2)/Al2O3の値が0.9〜7であることが好ましく、1.4〜4.5であることが更に好ましい。

0030

CaOは、ガラスの高温粘度を下げて溶融性を良くするが、イオン交換を阻害し、表面の圧縮応力を低下させる作用がある。6%を超えると、ガラスが失透しやすくなる。したがって、0〜6%の範囲であり、1〜5%の範囲がより好ましく、1.5〜4%の範囲がより好ましい。

0031

MgOとCaOの合量が1%未満ではガラスの溶融性が悪くなり、また8%を超えるとイオン交換の阻害が大きくなり、低温かつ短時間でのイオン交換では表面圧縮応力を600Mpa以上にするのが困難になる。したがって、1〜8%の範囲であり、2〜7%の範囲がより好ましい。

0032

SrOとBaOはガラスを失透し難くする作用があるが、BaOは劇物であり、SrOはBaOに類似した性質があるので、それぞれ3%以下の使用に止める。1%以下がより好ましく、0.5%以下が更に好ましく、含有しないのが最も好ましい。

0033

B2O3は、ガラスの液相温度,高温粘度を下げ、溶融性を良くする作用がある。また、圧縮応力層の厚みを薄くさせる作用があるが、表面の圧縮応力を低下させる作用もある。このような観点から、0〜5%(ただし、5%は含まない。)の範囲であり、2〜5%がより好ましく、2〜3%が更に好ましい。

0034

K2Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であるが、表面の圧縮応力層厚みを深くする作用があり、また表面の圧縮応力を低下させる作用がある。2%を超えると、表面圧縮応力層厚みを20μm未満の浅い状態に保つのが困難となる。したがって、2%以下の使用である。1.5%以下がより好ましく、1.0%以下が更に好ましい。

0035

ZnOはガラスの高温での溶融性を良くするが、ZrO2やMgOを含んだガラスに導入するとガラスが失透しやすくなるので、0〜3%であり、0〜1%がより好ましく、含有しないのが最も好ましい。

0036

以上の観点から、ガラスの溶融性を良くするとともに、比較的浅い圧縮応力層深さで大きな圧縮応力を実現するためには、K2OとCaOとSrOとBaOとZnOとB2O3との合計含有量が10%未満であることが好ましい。

0037

また、好ましい線膨張係数αを実現するためには、B2O3の含有量と、Na2OとK2Oとの合計含有量との比B2O3/(Na2O+K2O)の値が0.11〜0.27であることが好ましい。

0038

Li2Oは化学強化中に溶融塩にリチウムイオンとして溶け出し、必要とするナトリウムイオンカリウムイオンイオン交換反応を阻害する。このため、安定した化学強化が困難となる。また、必要以上に表面圧縮応力層の厚みを大きくする作用が大きいので、本発明では不含有としている。

0039

Sb2O3やCeO2は脱泡剤として使用できるが、0.5%以下でその効果は十分である。したがって、それぞれ0〜0.5%である。好ましくは0.05〜0.5%である。その他の脱泡剤として、公知であるSO3,塩化物,SnO2の群から1種以上選択し、0.001〜3%の範囲で使用してもよい。これらの脱泡剤の中ではSb2O3が最も好ましい。CeO2は黄色に着色しやすく、無色のガラスが要求される場合にはSb2O3の使用が好ましい。また、SnO2は1550℃以上の高温時に脱泡剤としての効果が顕著になるが、高温時にはアルカリ成分揮発しやすく組成が変化してしまう虞がある。塩化物は白金との反応性が大きく、熔融槽に白金を用いた場合、熔融槽の損傷が発生しやすくなる。SO3は脱泡剤として用いるとガラス中にSO2として溶解するため、ガラスが流出する際、白金ノズル通電することになり、発泡が起こりやすくなる。

0040

本発明に係る化学強化用ガラス板によれば、比較的低温かつ短時間の化学強化処理でも、それにより形成される比較的薄い表面圧縮応力層により高い表面圧縮応力が得られる。したがって、高い強度を有し、かつ、効率的な製造が可能な化学強化ガラス板を実現することができる。そして、本発明に係る化学強化ガラス板は、ディスプレイ用基板(カバーガラス,タッチパネル等),情報記録媒体用基板(磁気ディスク基板等)等として好適に用いることができる。

0041

以下、本発明を実施した化学強化用ガラスの構成等を、実施例1〜42及び比較例1〜4を挙げて更に具体的に説明する。なお、比較例1は前記特許文献1記載の実施例1(重量%表記)をモル%表記に換算した組成になっており、比較例2は前記特許文献2記載の実施例D1(モル%表記)の組成になっている。また、比較例3は前記特許文献3記載の試作例61(モル%表記)の組成になっており、比較例4は前記特許文献4記載の実施例8(wt%表記)をモル%表記に換算した組成になっている。

0042

表1〜8に示す実施例1〜42と表9に示す比較例1〜4を、次のように作製した。まず、表1〜9に示すガラス組成(モル%)となるように、酸化物水酸化物炭酸塩硝酸塩等、一般に使用されているガラス原料を選択し、ガラスとして1kgとなるように量した後混合した。ついで、白金坩堝に入れて、1400〜1600℃の電気炉投入し、3〜5時間溶融し、脱泡・撹拌により均質化した後、金型に流し込ガラス転移温度付近での温度で徐冷し、ガラスブロックを得た。このガラスブロックを切断・研削後、両面を鏡面に研磨して、厚み0.90mm,幅40mm,長さ40mmの形状のガラス板を得た。このガラス板を360〜400℃のKNO3塩に2〜3時間浸漬した後、洗浄し、乾燥後、表面圧縮応力(単位:MPa)と圧縮応力層の厚み(単位:μm)を、折原製作所製FSM−6000LEにて測定した。ガラス転移温度Tg及びガラス屈伏点At及び100〜300℃間の線膨張係数αは、セイコーインスツルメンツ社製の熱機械的分析装置「TMA/SS6000」を用いて、毎分10℃の昇温条件で測定した。表1〜9に、測定結果を合わせて示す。なお、実施例28〜30は圧縮応力層の厚みを15μm〜20μmとしたものであり、実施例31〜42は強化条件を変更したものである。

0043

実施例1〜30は、表1〜6に示すように、圧縮応力層の厚みが20μm未満でありながら、表面圧縮応力が600MPaを超えていて大きな強度を示すことが分かる。これに対し表9に示す比較例1のガラスは、圧縮応力層の厚みが14μmで比較的浅いが、表面圧縮応力が316MPaとやや小さく、大きな強度が得られない。中間酸化物であるAl2O3の量が多いためMgO,ZrO2の中間酸化物が網目形成酸化物として働きにくく、またイオン交換を阻害するCaOも7%とやや多いため、イオン交換し易い環境に至らなかったと考えられる。実施例31〜42は、表7〜8に示すように、強化条件の変更によっても圧縮応力層の厚みが進行せず、圧縮応力層の厚みが20μm未満を保ちながらも表面圧縮応力が600MPaを超えており、大きな強度を示すことがわかる。

0044

比較例2のガラスは、圧縮応力層の厚みが90μmにまで進行し、表面圧縮応力が500MPaとやや小さく、大きな強度が得られない。Li2O成分を含有しているため必要以上に圧縮応力層の厚みが厚くなったと推測される。比較例3のガラスは、中間酸化物のAl2O3量が1%と少なく、また中間酸化物のTiO2,ZrO2成分を含んでいないため、イオン交換し易い環境に至らず、表面圧縮応力層の厚みが29.0μmと深く、圧縮応力が262MPになったと推測される。比較例4のガラスは、Al2O3の量が8.5%と多いため、含まれているMgO,TiO2,ZrO2の網目形成酸化物としての働きが悪く、NaイオンからKイオンへのイオン交換が進みにくくなり、400℃×3時間の化学強化条件では圧縮応力層の厚みが4.3とやや浅く、表面圧縮応力は544MPaと小さくなったと推定される。

0045

圧縮応力層の厚みが20μmを超えると、化学強化後にカバーガラスの一部を切断,穴あけ等の加工を行うとき、表面から割れが発生し易くなるので、圧縮応力層の厚みは20μm未満が好ましく、15μm以下が更に好ましく、10μm以下が更に好ましい。表面圧縮応力層の厚みが5μmより浅いとガラス表面に傷がついた場合、ガラスが割れ易くなり、また十分な表面圧縮応力値を得るのが困難となる。また、表面圧縮応力は600MPa未満ではカバーガラスの十分な強度が得られないため、600MPa以上が好ましく、800MPa以上がより好ましく1000MPa以上が更に好ましい。

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実施例

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