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技術 血液浄化治療中に発生した停電等緊急時における自動返血方法

出願人 ニプロ株式会社
発明者 鴨下洋一中村将太
出願日 2014年6月9日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2015-522767
公開日 2017年2月23日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 WO2014-199949
状態 特許登録済
技術分野 体外人工臓器
主要キーワード 調整室 行参照 透析液調製装置 濾過フィルタ 血液浄化装置 透析液室 プライミング液 貯留容器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月23日)のものです。
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図面 (5)

課題・解決手段

緊急時に、制御装置バッテリーを作動させて、血液ポンプを駆動して透析回路新鮮透析液を利用した返血を行う方法を提供する。血液浄化器1と、血液回路2と、血液回路21に設けられた血液ポンプ3と、この血液ポンプ3より上流側の血液回路21に設けられた開閉弁V1と、静脈チャンバ23と、この静脈チャンバ23より下流側の血液回路22に設けられた開閉弁V2と、透析液回路を含んでおり、前記血液ポンプ3と開閉弁V1の間の血液回路にプライミングライン4が設けられており、このプライミングライン4と前記透析液回路の透析液供給回路62とが接続されるとともに、この接続部分42と血液浄化器3の間の透析液供給回路62に開閉弁V3が設けられてなる血液浄化装置において、制御装置に内蔵されたバッテリーを作動させて、血液ポンプ3を駆動して前記透析液回路の新鮮透析液を利用した返血を行う。

概要

背景

従来、腎不全患者や、術後の薬液注入によって水分過多症になった患者などの重篤な状態を改善するために、血液浄化装置を使用する血液透析血液濾過が行われている。そして、血液浄化治療中に停電透析液供給システム故障が発生した場合には、血液ポンプ血液回路開閉弁透析液ラインの開閉弁が全て閉鎖されてしまうため、従来は、制御装置に内蔵されたバッテリーを使用して、血液回路およびプライミングラインの開閉弁の開閉、血液ポンプの作動を行い、血液回路内プライミング液(一般に、生理食塩液)を導入し、回路内に残留した血液を患者の体内に戻していた(この操作を返血という)。

しかしながら、上記の返血方法は、別途プライミングラインを設けて、プライミング容器からプライミング液を血液回路内に導入する操作を必要とするため、手間が係り、また、プライミング液を使用するためコスト的に不利なものであった。

そこで、近年、停電などの緊急時に透析液回路新鮮透析液を利用した返血が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献1の発明は、密閉された透析液回路に、この密閉された透析液回路を外部に解放する解放手段が設けられ、この解放手段よりも下流に設けられた、透析液供給通路流通する新鮮透析液を貯留する透析液の貯留容器と、補液ポンプ、血液ポンプ、解放手段を作動させる補助電源を備えた血液透析装置であり、緊急時には制御手段を補助電源返血モードにすることにより、解放手段および補液ポンプを作動させて、貯留容器に貯留されている新鮮な透析液を、補液通路を介して血液回路に送液するようになっている。従って、新鮮透析液を貯留するための貯留容器と、この貯留容器を血液回路内に送液するための解放手段が別途必要になるため、緊急時が発生しないときには、これら別途設けた手段が無駄になり不経済である。また、エアを血液回路内に引き込んでしまう虞があるため、必ずしも安全な返血を行いうるものとはいえない。

また、特許文献2の発明は、透析液導入ライン濾過フィルタ具備しており、血液回路内の血液を患者の体内に戻す返血時、濾過フィルタ内の透析液を血液回路に向かって供給させつつ血液ポンプを駆動させる制御手段を備えた血液浄化装置である。従って、濾過フィルタ内の透析液を血液回路に向かって供給させる手段(透析液供給ラインにエアを導入する手段と血液ポンプの組み合わせ、または、透析液供給ラインにエアを導入する手段と補液ポンプの組み合わせ)を別途必要としており、緊急時が発生しないときには、これら別途設けた手段が無駄になり不経済である。また、エアを血液回路内に引き込んでしまう虞があるため、必ずしも安全な返血を行いうるものとはいえない。また、プライミングラインを設けた構成、すなわち透析液供給ラインにエアを導入する手段と血液ポンプの組み合わせの場合には、動脈側血液回路の一部の血液を返血できるものではない(明細書の段落番号076、5〜6行参照)。

概要

緊急時に、制御装置のバッテリーを作動させて、血液ポンプを駆動して透析回路の新鮮透析液を利用した返血を行う方法を提供する。血液浄化器1と、血液回路2と、血液回路21に設けられた血液ポンプ3と、この血液ポンプ3より上流側の血液回路21に設けられた開閉弁V1と、静脈チャンバ23と、この静脈チャンバ23より下流側の血液回路22に設けられた開閉弁V2と、透析液回路を含んでおり、前記血液ポンプ3と開閉弁V1の間の血液回路にプライミングライン4が設けられており、このプライミングライン4と前記透析液回路の透析液供給回路62とが接続されるとともに、この接続部分42と血液浄化器3の間の透析液供給回路62に開閉弁V3が設けられてなる血液浄化装置において、制御装置に内蔵されたバッテリーを作動させて、血液ポンプ3を駆動して前記透析液回路の新鮮透析液を利用した返血を行う。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、停電等緊急時に、制御装置のバッテリーを作動させて(但し、停電以外の緊急時には通常の電源も使用できることは勿論である)、血液ポンプを駆動して透析回路の新鮮透析液を利用した返血を行う方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

血液浄化器と、患者から前記血液浄化器へ血液を送る動脈側血液回路および前記血液浄化器から患者へ血液を戻す静脈側血液回路からなる血液回路と、動脈側血液回路に設けられた血液ポンプと、該血液ポンプより上流側の動脈側血液回路に設けられた動脈側開閉弁と、静脈側血液回路に設けられた静脈チャンバと、該静脈チャンバより下流側の静脈側血液回路に設けられた静脈開閉弁と、新鮮透析液を前記血液浄化器に供給する透析液供給回路および前記血液浄化器を通過した使用済みの透析液を回収する透析液排出回路からなる透析液回路と、前記血液ポンプ等の作動を制御する制御装置とを含んでおり、該透析液回路が柔軟な膜で区画されたチャンバを有する密閉式除水制御方式のものであって、前記チャンバは透析液供給回路の一部である新鮮透析液室と透析液排出回路の一部である使用済透析液室とからなっており、新鮮透析液室の入口には第一開閉弁が設けられるとともに出口には第二開閉弁が設けられ、使用済透析液室の入口には第三開閉弁が設けられるとともに出口には第四開閉弁が設けられ、前記血液ポンプと動脈側開閉弁の間にプライミングラインが設けられており、該プライミングラインには第五開閉弁を有するとともに、該プライミングラインと前記透析液供給回路とが前記第二開閉弁の下流で接続され、前記透析液供給回路におけるプライミングライン接続部分と前記血液浄化器との間に第六開閉弁が設けられてなる血液浄化装置において、前記制御装置に内蔵されたバッテリーを作動させて、血液ポンプを駆動して前記透析液回路の新鮮な透析液を利用した返血を行うことを特徴とする、血液浄化治療中に発生した停電等緊急時における自動返血方法。

請求項2

血液浄化治療中に発生した停電等緊急時において、前記制御装置のバッテリーを作動させて行う自動返血方法において、(A)前記第二開閉弁および前記第四開閉弁、前記第五開閉弁、前記静脈側開閉弁をそれぞれ開く工程、(B)前記血液ポンプを正回転させて、前記新鮮透析液室内に残っている新鮮透析液を、前記透析液供給回路、前記プライミングラインを通して、前記プライミングラインとの接続点より下流の血液回路に導入し、該回路内の血液を患者に返血する工程、(C)前記血液ポンプを止め、前記静脈側開閉弁を閉じる工程、(D)前記血液ポンプを所定回数正回転させて、前記血液ポンプより下流側の血液回路に前記新鮮透析液室から所定量の新鮮透析液を圧入する工程、(E)前記第五開閉弁を閉じ、前記動脈側開閉弁を開き、前記血液ポンプを所定回数逆回転させて、圧入工程で前記血液ポンプより下流側の血液回路に圧入された新鮮透析液を、プライミングラインとの接続部分より上流側の血液回路に流入させ、前記血液回路内の血液の一部を返血する工程、(F)前記動脈側開閉弁を閉じ、前記第五開閉弁を開き、前記血液ポンプを所定回数正回転させて、前記血液ポンプより下流側の血液回路に、新鮮透析液室から所定量の新鮮透析液を圧入する工程、(G)前記プライミングラインの開閉弁を閉じ、前記動脈側血液回路の開閉弁を開き、前記血液ポンプを所定回数逆回転させて、(F)の工程で血液ポンプより下流側の血液回路に圧入された新鮮透析液を、前記プライミングラインとの接続部分より上流側の血液回路に流入させ、前記血液回路内の血液の一部を返血する工程、の各工程とからなり返血が完了するまで、(F)、(G)の工程を繰り返すことを含んでなる請求項1に記載の自動返血方法。

請求項3

血液浄化治療中に発生した停電等緊急時において、制御装置のバッテリーを作動させて行う自動返血方法において、前記第二開閉弁および前記第四開閉弁、前記第五開閉弁、前記静脈側開閉弁をそれぞれ開く工程、前記血液ポンプを正回転させて、前記新鮮透析液室内に残っている新鮮透析液を前記透析液供給回路、前記プライミングラインを通して、前記プライミングラインとの接続点より下流の血液回路に導入し、前記血液回路内の血液を患者に返血する工程、第五開閉弁および静脈側開閉弁を閉じ、第六開閉弁と、動脈側開閉弁を開いて、血液ポンプを逆回転させ、逆濾過により前記プライミングラインとの接続部分より上流側の血液回路内の血液を返血する工程、の各工程を含んでなる請求項1に記載の自動返血方法。

技術分野

0001

本発明は、血液浄化治療中に発生した、停電透析供給システム故障などの緊急時に、自動的に返血を行うことが出来るようにする方法に関する。

背景技術

0002

従来、腎不全患者や、術後の薬液注入によって水分過多症になった患者などの重篤な状態を改善するために、血液浄化装置を使用する血液透析血液濾過が行われている。そして、血液浄化治療中に停電や透析液供給システムの故障が発生した場合には、血液ポンプ血液回路開閉弁透析液ラインの開閉弁が全て閉鎖されてしまうため、従来は、制御装置に内蔵されたバッテリーを使用して、血液回路およびプライミングラインの開閉弁の開閉、血液ポンプの作動を行い、血液回路内プライミング液(一般に、生理食塩液)を導入し、回路内に残留した血液を患者の体内に戻していた(この操作を返血という)。

0003

しかしながら、上記の返血方法は、別途プライミングラインを設けて、プライミング容器からプライミング液を血液回路内に導入する操作を必要とするため、手間が係り、また、プライミング液を使用するためコスト的に不利なものであった。

0004

そこで、近年、停電などの緊急時に透析液回路新鮮透析液を利用した返血が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献1の発明は、密閉された透析液回路に、この密閉された透析液回路を外部に解放する解放手段が設けられ、この解放手段よりも下流に設けられた、透析液供給通路流通する新鮮透析液を貯留する透析液の貯留容器と、補液ポンプ、血液ポンプ、解放手段を作動させる補助電源を備えた血液透析装置であり、緊急時には制御手段を補助電源返血モードにすることにより、解放手段および補液ポンプを作動させて、貯留容器に貯留されている新鮮な透析液を、補液通路を介して血液回路に送液するようになっている。従って、新鮮透析液を貯留するための貯留容器と、この貯留容器を血液回路内に送液するための解放手段が別途必要になるため、緊急時が発生しないときには、これら別途設けた手段が無駄になり不経済である。また、エアを血液回路内に引き込んでしまう虞があるため、必ずしも安全な返血を行いうるものとはいえない。

0005

また、特許文献2の発明は、透析液導入ライン濾過フィルタ具備しており、血液回路内の血液を患者の体内に戻す返血時、濾過フィルタ内の透析液を血液回路に向かって供給させつつ血液ポンプを駆動させる制御手段を備えた血液浄化装置である。従って、濾過フィルタ内の透析液を血液回路に向かって供給させる手段(透析液供給ラインにエアを導入する手段と血液ポンプの組み合わせ、または、透析液供給ラインにエアを導入する手段と補液ポンプの組み合わせ)を別途必要としており、緊急時が発生しないときには、これら別途設けた手段が無駄になり不経済である。また、エアを血液回路内に引き込んでしまう虞があるため、必ずしも安全な返血を行いうるものとはいえない。また、プライミングラインを設けた構成、すなわち透析液供給ラインにエアを導入する手段と血液ポンプの組み合わせの場合には、動脈側血液回路の一部の血液を返血できるものではない(明細書の段落番号076、5〜6行参照)。

先行技術

0006

特開2012−5670号公報
特開2012−34782号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、停電等緊急時に、制御装置のバッテリーを作動させて(但し、停電以外の緊急時には通常の電源も使用できることは勿論である)、血液ポンプを駆動して透析回路の新鮮透析液を利用した返血を行う方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の自動返血方法は、
血液浄化器と、
患者から前記血液浄化器へ血液を送る動脈側血液回路および前記血液浄化器から患者へ血液を戻す静脈側血液回路からなる血液回路と、
動脈側血液回路に設けられた血液ポンプと、
該血液ポンプより上流側の動脈側血液回路に設けられた動脈側開閉弁と、
静脈側血液回路に設けられた静脈チャンバと、
該静脈チャンバより下流側の静脈側血液回路に設けられた静脈側開閉弁と、
新鮮透析液を前記血液浄化器に供給する透析液供給回路および前記血液浄化器を通過した使用済みの透析液を回収する透析液排出回路からなる透析液回路と、
前記血液ポンプ等の作動を制御する制御装置とを含んでおり、
該透析液回路が柔軟な膜で区画されたチャンバを有する密閉式除水制御方式のものであって、
前記チャンバは透析液供給回路の一部である新鮮透析液室と透析液排出回路の一部である使用済透析液室とからなりっており、
新鮮透析液室の入口には第一開閉弁が設けられるとともに出口には第二開閉弁が設けられ、
使用済透析液室の入口には第三開閉弁が設けられるとともに出口には第四開閉弁が設けられ、
前記血液ポンプと動脈側開閉弁の間にプライミングラインが設けられており、
該プライミングラインには第五開閉弁を有するとともに、
該プライミングラインと前記透析液供給回路とが前記第二開閉弁の下流で接続され、
前記透析液供給回路におけるプライミングライン接続部分と前記血液浄化器との間に第六開閉弁が設けられてなる血液浄化装置において、
前記制御装置に内蔵されたバッテリーを作動させて、血液ポンプを駆動して前記透析液回路の新鮮な透析液を利用した返血を行うことを特徴とする(但し、停電以外の、例えば透析液供給側の故障により透析液の供給が出来なくなった場合などには、通常の電源を使用できることは勿論である)。

0009

上記の返血方法には、第1の実施形態としての、血液浄化治療中に発生した停電等緊急時において、制御装置のバッテリーを作動させて、
(A)前記第二開閉弁および前記第四開閉弁、前記第五開閉弁、前記静脈側開閉弁をそれぞれ開く工程、
(B)前記血液ポンプを正回転させて、前記新鮮透析液室内に残っている新鮮透析液を、前記透析液供給回路、前記プライミングラインを通して、前記プライミングラインとの接続点より下流の血液回路に導入し、該回路内の血液を患者に返血する工程、
(C)前記血液ポンプを止め、前記静脈側開閉弁を閉じる工程、
(D)前記血液ポンプを所定回数正回転させて、前記血液ポンプより下流側の血液回路に前記新鮮透析液室から所定量の新鮮透析液を圧入する工程、
(E)前記第五開閉弁を閉じ、前記動脈側開閉弁を開き、前記血液ポンプを所定回数逆回転させて、圧入工程で前記血液ポンプより下流側の血液回路に圧入された新鮮透析液を、プライミングラインとの接続部分より上流側の血液回路に流入させ、前記血液回路内の血液の一部を返血する工程、
(F)前記動脈側開閉弁を閉じ、前記第五開閉弁を開き、前記血液ポンプを所定回数正回転させて、前記血液ポンプより下流側の血液回路に、新鮮透析液室から所定量の新鮮透析液を圧入する工程、
(G)前記プライミングラインの開閉弁を閉じ、前記動脈側血液回路の開閉弁を開き、前記血液ポンプを所定回数逆回転させて、(F)の工程で血液ポンプより下流側の血液回路に圧入された新鮮透析液を、前記プライミングラインとの接続部分より上流側の血液回路に流入させ、前記血液回路内の血液の一部を返血する工程、とからなり
返血が完了するまで、(F)、(G)の工程を繰り返す、の各工程を含んでなる返血方法と、第2の実施形態としての、血液浄化治療中に発生した停電等緊急時において、制御装置のバッテリーを作動させて、前記第二開閉弁および前記第四開閉弁、前記第五開閉弁、前記静脈側開閉弁をそれぞれ開く工程、
前記血液ポンプを正回転させて、前記新鮮透析液室内に残っている新鮮透析液を前記透析液供給回路、前記プライミングラインを通して、前記プライミングラインとの接続点より下流の血液回路に導入し、前記血液回路内の血液を患者に返血する工程、
第五開閉弁および静脈側開閉弁を閉じ、第六開閉弁と、動脈側開閉弁を開いて、血液ポンプを逆回転させ、逆濾過により前記プライミングラインとの接続部分より上流側の血液回路内の血液を返血する工程、
の各工程を含んでなる返血方法がある。

0010

第1の実施形態においては、先ず、プライミングラインとの接続部分より上流側の血液回路内の血液を返血した後で、プライミングラインとの接続点より下流の血液回路内の血液を返血するようにしても良い。また、第2の実施形態においては、逆濾過による返血を先にして、先ず、プライミングラインとの接続部分より上流側の血液回路内の血液を返血した後で、プライミングラインとの接続点より下流の血液回路内の血液を返血するようにしても良い。但し、これらの方法を採用する場合には、プライミングラインと血液回路の接続部分において発生する虞のある血栓が患者の体内に入ることが無い様、プライミングラインと血液回路の接続部分より上流側の血液回路に別途血栓除去手段を設ける必要がある。

0011

以上、一般的に本発明を記述したが、より一層の理解は、いくつかの特定の実施例を参照することによって得ることができる。これらの実施例は、本明細書に例示の目的のためにのみ提供されるものであり、他の旨が特定されない限り、限定的なものではない。

発明の効果

0012

本発明によれば、以下のような効果が期待できる。すなわち、従来、停電等の緊急時のために別途プライミングラインや補液ラインを設ける必要があり、このプライミングライン(補液ライン)から導入したプライミング液(補液)を使用して返血を行う必要があったが、本発明の返血方法では、別途プライミングラインや補液ラインを設ける必要がないので、返血に手間がかからず、また、コスト的にも有利である。また、プライミング液として生理食塩液を利用する必要もないので、コスト的に有利である。また、新鮮透析液の利用に際して、透析液供給回路にエアを導入する必要が無いので、血液回路にエアを引き込んでしまう虞が無いので安全である。

図面の簡単な説明

0013

本発明に使用する血液浄化装置の治療時の状態を示す概略説明図である。
本発明の第1および第2の実施形態における静脈側の返血を示す概略説明図である。
本発明の第1の実施形態における動脈側の返血準備を示す概略説明図である。
本発明の第1の実施形態における動脈側の返血を示す概略説明図である。
本発明の第2の実施形態における動脈側の返血を示す概略説明図である。

実施例

0014

先ず、本発明に使用する血液浄化装置について図面に基づいて説明する。
図1には本発明に使用する血液浄化装置の治療時の状態を示す概略説明図が示されている。ここでは、便宜のため、チャンバ2の透析液を使用した治療について説明する。
血液浄化装置としては、密閉式除水制御方式のダブルチャンバ方式のものが例示されており、このものは、新鮮な透析液を貯留し透析液供給回路61、62を通して血液浄化器1に供給する新鮮透析液室511、521と、透析液ポンプ63の駆動により、血液浄化器1から透析液排出回路64、65を通って流入する使用済透析液を貯留する使用済透析液室512、522からなり、これら2つの室が柔軟な膜で仕切られてなるイコライザーになっている。
治療に際しては、図1に示すように、動脈側血液回路21の動脈側開閉弁V1、静脈側血液回路22の開閉弁V2、プライミングライン4と透析液供給回路62との接続部分42と血液浄化器1の間の透析液供給回路62に設けられた開閉弁V3、透析液調製装置(図示していない)からチャンバ51の新鮮透析液室511に新鮮透析液を供給するライン81に設けられた第一開閉弁V5、廃液回路71の第四開閉弁V8、透析液供給回路62の第二開閉弁V10、透析液排出回路65の第三開閉弁V11は開かれ、プライミングライン4の開閉弁V4、透析液供給回路61の第二開閉弁V6、透析液排出回路64の第三開閉弁V7、透析液調製装置からチャンバ52の新鮮透析液室521に新鮮透析液を供給するライン82に設けられた第一開閉弁V9、廃液回路72の第四開閉弁V12は閉じられている。

0015

患者から採取された血液は血液ポンプ3により動脈側血液回路21を通って血液浄化器1に送られ、ここで浄化されて静脈側血液回路22を通って患者に戻される一方、新鮮透析液は透析液ポンプ63によりチャンバ52の新鮮透析液室521から透析液供給回路62を通って血液浄化器1に供給され、ここで血液ポンプ3により血液浄化器1に供給された血液を浄化し、使用済透析液は透析液排出回路65を通って使用済透析液室522に貯留される。この時、チャンバ51では、新鮮透析液室521にライン81を通って透析液調整室から供給される新鮮な透析液が貯留される一方、使用済透析液室512に貯留されている使用済透析液は、ライン81から供給される新鮮透析液と同量排液回路71を通って捨てられる。ここで、符号23は静脈チャンバ、符号61はチャンバ51の透析液供給回路、符号64はチャンバ51の透析液排出回路、符号72はチャンバ52の使用済透析液を使用済透析液室522から捨てる廃液回路であり、符号82はチャンバ52の新鮮透析液室521に透析液調製装置からの新鮮透析液を供給するラインである。

0016

次に本発明の第1の実施形態について、停電が図1に示す状態で発生したものとして説明する。この時開放弁V1〜V12は全て閉じている。
図2は本発明の第1の実施形態における静脈側の返血(正確にはプライミングラインとの接続部分より下流の血液回路内の返血)を示す概略説明図であり、図3は本発明の第1の実施形態における動脈側の返血準備を示す概略説明図で、図4は本発明の第1の実施形態における動脈側の返血(正確にはプライミングラインとの接続部分より上流の血液回路内の返血)を示す概略説明図である。
第1の実施形態では、先ず、血液浄化治療中に発生した停電時において、制御装置(図示していない)のバッテリーを作動させて、図2に示すように、静脈側開閉弁V2、動脈側開閉弁V4、第二開閉弁V6、V10、第四開閉弁V8、V12をそれぞれ開き、血液ポンプ3を正回転させると、第四開閉弁V8、V12が開いているため、廃液回路71、72にエアが流入して、大気圧でチャンバ51、52の柔軟な膜を押すことができる。従って、この膜が新鮮透析液室511、521側に移動して、透析液回路のチャンバ51、52内に残っている新鮮透析液が、透析液供給回路61(62)、プライミングライン4を通して、このプライミングライン4との接続点41より下流の血液回路に導入され、この血液回路内の血液が患者に返血される。次に、一旦血液ポンプ3を止め、次いで、図3に示すように、静脈側開閉弁V2を閉じ、血液ポンプ3を所定回数正回転させると、血液ポンプ3より下流側の血液回路に透析液回路のチャンバ51、52から所定量の新鮮透析液が圧入される。次に、図4に示すように、第五開閉弁V4を閉じ、動脈側開閉弁V1を開いて、血液ポンプ3を所定回数逆回転させると、前の工程で血液ポンプより下流側の血液回路に圧入された新鮮透析液が、プライミングライン4との接続部分41より上流側の血液回路に導入され、この血液回路内の血液の一部が返血される。次に、動脈側開閉弁V1を閉じ、第五開閉弁V4を開いて、血液ポンプ3を所定回数正回転させて、この血液ポンプ3より下流側の血液回路に、透析液回路のチャンバ51、52から所定量の新鮮透析液を圧入する。次に、第五開閉弁V4を閉じ、動脈側開閉弁V1を開いて、血液ポンプ3を所定回数逆回転させ、プライミングライン4との接続部分41より上流側の血液回路内の血液の一部を返血する。後は、返血が完了するまで、図3に示す、血液ポンプ3の正回転による新鮮透析液の圧入と、図4に示す、血液ポンプ3の逆回転による返血、を繰り返せばよい。

0017

次に、本発明の第2の実施形態について説明する(第1の実施形態と同様、図1の状態で停電が発生したとして説明する)。
図2は、第2の実施形態における静脈側の返血(正確にはプライミングラインとの接続部分より下流の血液回路内の返血)を示す概略説明図であり、図5は、第2の実施形態における動脈側の返血(正確にはプライミングラインとの接続部分より上流の血液回路内の返血)を示す概略説明図である。
ここで、図2に示す返血については、第1の実施形態における返血と同様なので説明を省略する。
静脈側の返血が終了すると、次に、図5に示すように、静脈側開閉弁V2、第五開閉弁V4を閉じ、動脈側開閉弁V1、第六開閉弁V3を開いて、血液ポンプ3を逆回転させると、新鮮透析液は逆濾過により、透析液室511、521から透析液供給回路61(62)を通って、血液浄化器1に供給され、血液浄化器1より上流側の血液回路内に導入されて、プライミングライン4との接続部分41より上流側の血液回路内の血液が患者に返血される。

0018

本発明の返血方法では、別途プライミングラインや補液ラインを設ける必要がないので、返血に手間がかからず、また、コスト的にも有利である。また、プライミング液として生理食塩液を利用する必要もないので、コスト的に有利である。また、新鮮透析液の利用に際して、透析液供給回路にエアを導入する必要が無いので、血液回路にエアを引き込んでしまう虞が無いので安全である。

0019

1血液浄化器
2血液回路
21動脈側血液回路
22静脈側血液回路
23静脈チャンバ
3血液ポンプ
4プライミングライン
41 プライミングラインと動脈側血液回路の接続点
42 プライミングラインと透析液供給回路の接続点
51、52透析液回路のチャンバ
511、521新鮮透析液室
512、522使用済透析液室
61、62 透析液供給回路
63透析液ポンプ
64、65透析液排出回路
71、72廃液回路
81、82透析液調製装置から新鮮透析液室に新鮮透析液を供給するライン
V1動脈側開閉弁
V2静脈側開閉弁
V3 第六開閉弁
V4 第五開閉弁
V5、V9 第一開閉弁
V6、V10 第二開閉弁
V7、V11 第三開閉弁
V8、V12 第四開閉弁

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