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技術 生体物質の付着抑制能を有するイオンコンプレックス材料及びその製造方法

出願人 日産化学株式会社
発明者 広井佳臣大谷彩子岸岡高広西野泰斗小澤智行
出願日 2014年6月9日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-521512
公開日 2017年2月23日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 WO2014-196650
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤 医療用材料 積層体(2) 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 定量モード 全反応物質 半金属炭化物 半金属窒化物 無機固体材料 化粧品用材料 次近似曲線 膜センサー
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課題・解決手段

生体物質の付着抑制能を有するコーティング膜、該コーティング膜の製造方法、特定のモノマー混合物重合させることにより得られる共重合体、特定の組成を有するコーティング膜形成用組成物、該膜を形成するためのコーティング膜形成用組成物の原料として使用される共重合体含有ワニスの製造方法、並びにコーティング膜を形成するためのゾルを提供する。特に、式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体と、溶媒とを含むコーティング膜形成用組成物を、基体に塗布する工程、及び温度−200℃乃至200℃にて乾燥させる工程、を含む方法により得られるコーティング膜を提供する(式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3、並びにAn−は、本明細書及び特許請求の範囲に定義したとおりである)。

概要

背景

人工透析器人工臓器医療器具等の医療用器具器材等の生体物質付着抑制のために様々な、生体物質の付着抑制能を有するコーティング材料が提案されている。それらの中にはエチレングリコール鎖を側鎖に持つポリマーコーティングすることで生体物質の付着を阻害するような材料が知られており、例えば特許文献1においては、2−メトキシエチルアクリレート共重合体血液フィルター人工透析フィルターなどの不織布にコーティングする例が記載されている。また、非特許文献1では、人工透析膜の基体として使われるポリスルホン(PSF)やポリエーテルスルホン(PES)などに対して生体物質の付着抑制能を付与するために、親水性を持つポリビニルピロリドンPVP)がコーティングされることが記載されている。しかしながらこれらの材料は、親水性等の効果から期待される生体物質の付着抑制能を有する一方、ポリマー自体の水に対する溶解性を抑えアルコール有機溶媒への溶解性を高めていることから、除菌用のエタノールなどによる洗浄、高粘度の生体物質等によるコーティング膜へのずり応力せん断応力)、長期間の使用等が原因となりコーティング膜自体の溶出が確認されており、ひいてはその溶出物によるアレルギーなどが懸念されている。

一方で、カチオンアニオンを側鎖に含む高分子材料を表面に有する材料は、その静電気的バランスにより、該表面が電気的に中性に保たれることで生体物質(蛋白質細胞等)の吸着を防ぐ作用があることが知られている。また、それらの機能を用いたコーティング材料も提案されており、ガラスポリマー基板などへの固着・固定化方法に関しても様々な報告がされている。例えば、非特許文献2では、電荷中和ユニットとしてリン脂質類似分子構造をもつ2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンMPC)とシランカップリング基を有するメタクリル酸3−(トリメトキシシリルプロピルを共重合させたポリマーによりガラス基板との化学吸着による表面修飾を達成したことを報告しており、一方で、ポリマー基板上には疎水性相互作用による物理吸着をねらいメタクリル酸ブチルを共重合させたポリマーにより基板への固定化させることを報告している。しかしながら、これらの方法では基板の種類によってポリマー種を選ぶ必要がある。

また、特許文献2においてはリン酸エステル基を有する重合体含有コーティング液から形成された膜を200乃至450℃で加熱処理して得たコーティング膜が記載されている。コーティング膜の水系媒体への溶出を抑えるために基体にコーティング後、200乃至450℃の高温で加熱処理する必要があるため、加熱処理のためにオーブンホットプレート等の加熱装置が必要である。また樹脂材料等の耐熱性が低い基材には適用し難い等の問題があった。さらに該コーティング膜を形成するためのコーティング液を作製するために種々のポリマーを重合しているが、実施例において重合反応はエタノール中で行なっており、水の中での重合反応性は不明である。

また、特許文献3においては、アクリル酸性リン酸エステル単量体に水の存在下にてアミン類を反応させ、酸塩基反応を選択進行させて得られた新規アクリル系リン酸エステルアミン塩単量体(ハーフ塩)並びにその製造方法が記載されている。このアミン塩(ハーフ塩)は、この単量体はゴム弾性付与や、油溶性物質変性剤として、感光性樹脂分野において幅広い用途及び有用性があるとの記載があるが、当該アミン塩(ハーフ塩)単量体自体の水の中での重合反応性や、得られた重合体の生体物質への付着抑制能については不明である。またメタノール等の極性溶媒中での重合時における、全使用単量体中における上記アクリル系酸性リン酸エステル単量体の使用比率は主として5%前後から1%前後の例が多く、多すぎるとゲル化してしまうとの記載がある。

また、特許文献4には、ポリビニルピロリドン(PVP)を含む中空糸膜を有する血液浄化器が開示されており、その中空糸中のPVPの動的光散乱法により測定される粒径分布において最も大粒径側にあるピークモード径が300nm以下であることが記載され、そのPVPコーティング液を使用して、中空糸内をコーティングすることが記載されている。

概要

生体物質の付着抑制能を有するコーティング膜、該コーティング膜の製造方法、特定のモノマー混合物を重合させることにより得られる共重合体、特定の組成を有するコーティング膜形成用組成物、該膜を形成するためのコーティング膜形成用組成物の原料として使用される共重合体含有ワニスの製造方法、並びにコーティング膜を形成するためのゾルを提供する。特に、式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体と、溶媒とを含むコーティング膜形成用組成物を、基体に塗布する工程、及び温度−200℃乃至200℃にて乾燥させる工程、を含む方法により得られるコーティング膜を提供する(式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3、並びにAn−は、本明細書及び特許請求の範囲に定義したとおりである)。

目的

本発明は、(1)水系媒体への溶出を抑えるため200乃至450℃もの高温での加熱処理により得られるコーティング膜が必要、(2)基材の種類によりコーティング膜材料を適切に選ぶ必要がある、(3)上記コーティング膜形成用組成物中に使用される共重合体はワニス製造時にゲル化しやすい、といった上記3点の課題を克服すべく、特に低温乾燥工程のみで容易に形成可能な生体物質付着抑制能を有するコーティング膜、該コーティング膜の製造方法、特定のモノマー混合物を重合させることにより得られる共重合体、特定の組成を有するコーティング膜形成用組成物、該膜を形成するためのコーティング膜形成用組成物の原料として使用される共重合体含有ワニスの製造方法、並びにコーティング膜を形成するためのゾルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

下記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン無機イオン水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表すと、溶媒とを含むコーティング膜形成用組成物を、基体に塗布する工程、及び温度−200℃乃至200℃にて乾燥させる工程を含む方法により得られるコーティング膜。

請求項2

溶媒が、水又はアルコールを含む、請求項1に記載のコーティング膜。

請求項3

コーティング膜形成用組成物中の共重合体の濃度が、0.01質量%乃至4質量%である、請求項1又は2に記載のコーティング膜。

請求項4

基体が、ガラス金属含有化合物半金属含有化合物及び樹脂からなる群より選ばれる、請求項1乃至3の何れか1項に記載のコーティング膜。

請求項5

生体物質の付着抑制能を有する、請求項1乃至4の何れか1項に記載のコーティング膜。

請求項6

共重合体が、下記式(a1)及び式(b1):式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表すの繰り返し単位を含む、請求項1乃至5の何れか1項に記載のコーティング膜。

請求項7

mが1であり、Ra及びRbが、それぞれ独立して、エチレン基又はプロピレン基を表す、請求項1乃至6の何れか1項に記載のコーティング膜。

請求項8

コーティング膜形成用組成物を予めpH調整する工程を含む、請求項1乃至7の何れか1項に記載のコーティング膜。

請求項9

乾燥工程後に得られた膜を、さらに水及び電解質を含む水溶液からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒で洗浄する工程を含む、請求項1乃至8の何れか1項に記載のコーティング膜。

請求項10

下記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表すと、溶媒とを含むコーティング膜形成用組成物を、基体に塗布する工程、及び温度−200℃乃至200℃にて乾燥させる工程を含むコーティング膜の製造方法。

請求項11

下記式(A)及び(B):式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表すで表される化合物と、下記式(C)又は(D):式中、Tc、Td及びUdは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Rc及びRdは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表すで表される化合物とを少なくとも含むモノマー混合物重合させることにより得られる、共重合体。

請求項12

(i)下記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表す;(ii)溶媒;及び(iii)pH調整剤を含む、コーティング膜形成用組成物。

請求項13

共重合体が、下記式(a1)及び式(b1):式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表すの繰り返し単位を含む、請求項12に記載の組成物

請求項14

下記式(A)及び式(B):式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表すで表される化合物を、溶媒中で、両化合物合計濃度0.01質量%乃至4質量%にて反応させる工程を含む、共重合体含有ワニスの製造方法。

請求項15

mが1であり、Ra及びRbが、それぞれ独立して、エチレン基又はプロピレン基を表す、請求項14に記載の共重合体含有ワニスの製造方法。

請求項16

溶媒が、水又はアルコールを含む、請求項14又は15に記載の共重合体含有ワニスの製造方法。

請求項17

溶媒が、水を10質量%乃至100質量%含む、請求項14乃至16の何れか1項に記載の共重合体含有ワニスの製造方法。

請求項18

溶媒が、アルコールを10質量%乃至100質量%含む、請求項14乃至16の何れか1項に記載の共重合体含有ワニスの製造方法。

請求項19

下記式(A)及び式(B):式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表すで表される化合物、溶媒及び重合開始剤を含む混合物を、重合開始剤の10時間半減期温度より高い温度に保持した溶媒に滴下し、反応させる工程を含む、共重合体含有ワニスの製造方法。

請求項20

下記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表すを含むゾル

請求項21

動的光散乱法により測定される粒径分布において、平均粒径が2nm以上500nm以下である、請求項20に記載のゾル。

技術分野

0001

本発明は、生体物質の付着抑制能を有するイオンコンプレックス材料及びその製造方法に関するものである。具体的に本発明は、生体物質の付着抑制能を有するコーティング膜、該コーティング膜の製造方法、特定のモノマー混合物重合させることにより得られる共重合体、特定の組成を有するコーティング膜形成用組成物、該膜を形成するためのコーティング膜形成用組成物の原料として使用される共重合体含有ワニスの製造方法、並びにコーティング膜を形成するためのゾルに関するものである。

背景技術

0002

人工透析器人工臓器医療器具等の医療用器具器材等の生体物質付着抑制のために様々な、生体物質の付着抑制能を有するコーティング材料が提案されている。それらの中にはエチレングリコール鎖を側鎖に持つポリマーコーティングすることで生体物質の付着を阻害するような材料が知られており、例えば特許文献1においては、2−メトキシエチルアクリレートの共重合体を血液フィルター人工透析フィルターなどの不織布にコーティングする例が記載されている。また、非特許文献1では、人工透析膜の基体として使われるポリスルホン(PSF)やポリエーテルスルホン(PES)などに対して生体物質の付着抑制能を付与するために、親水性を持つポリビニルピロリドンPVP)がコーティングされることが記載されている。しかしながらこれらの材料は、親水性等の効果から期待される生体物質の付着抑制能を有する一方、ポリマー自体の水に対する溶解性を抑えアルコール有機溶媒への溶解性を高めていることから、除菌用のエタノールなどによる洗浄、高粘度の生体物質等によるコーティング膜へのずり応力せん断応力)、長期間の使用等が原因となりコーティング膜自体の溶出が確認されており、ひいてはその溶出物によるアレルギーなどが懸念されている。

0003

一方で、カチオンアニオンを側鎖に含む高分子材料を表面に有する材料は、その静電気的バランスにより、該表面が電気的に中性に保たれることで生体物質(蛋白質細胞等)の吸着を防ぐ作用があることが知られている。また、それらの機能を用いたコーティング材料も提案されており、ガラスポリマー基板などへの固着・固定化方法に関しても様々な報告がされている。例えば、非特許文献2では、電荷中和ユニットとしてリン脂質類似分子構造をもつ2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンMPC)とシランカップリング基を有するメタクリル酸3−(トリメトキシシリルプロピルを共重合させたポリマーによりガラス基板との化学吸着による表面修飾を達成したことを報告しており、一方で、ポリマー基板上には疎水性相互作用による物理吸着をねらいメタクリル酸ブチルを共重合させたポリマーにより基板への固定化させることを報告している。しかしながら、これらの方法では基板の種類によってポリマー種を選ぶ必要がある。

0004

また、特許文献2においてはリン酸エステル基を有する重合体含有コーティング液から形成された膜を200乃至450℃で加熱処理して得たコーティング膜が記載されている。コーティング膜の水系媒体への溶出を抑えるために基体にコーティング後、200乃至450℃の高温で加熱処理する必要があるため、加熱処理のためにオーブンホットプレート等の加熱装置が必要である。また樹脂材料等の耐熱性が低い基材には適用し難い等の問題があった。さらに該コーティング膜を形成するためのコーティング液を作製するために種々のポリマーを重合しているが、実施例において重合反応はエタノール中で行なっており、水の中での重合反応性は不明である。

0005

また、特許文献3においては、アクリル酸性リン酸エステル単量体に水の存在下にてアミン類を反応させ、酸塩基反応を選択進行させて得られた新規アクリル系リン酸エステルアミン塩単量体(ハーフ塩)並びにその製造方法が記載されている。このアミン塩(ハーフ塩)は、この単量体はゴム弾性付与や、油溶性物質変性剤として、感光性樹脂分野において幅広い用途及び有用性があるとの記載があるが、当該アミン塩(ハーフ塩)単量体自体の水の中での重合反応性や、得られた重合体の生体物質への付着抑制能については不明である。またメタノール等の極性溶媒中での重合時における、全使用単量体中における上記アクリル系酸性リン酸エステル単量体の使用比率は主として5%前後から1%前後の例が多く、多すぎるとゲル化してしまうとの記載がある。

0006

また、特許文献4には、ポリビニルピロリドン(PVP)を含む中空糸膜を有する血液浄化器が開示されており、その中空糸中のPVPの動的光散乱法により測定される粒径分布において最も大粒径側にあるピークモード径が300nm以下であることが記載され、そのPVPコーティング液を使用して、中空糸内をコーティングすることが記載されている。

0007

特開2001−323030号公報
特開2007−63459号公報
特開平6−92979号公報
特開2010−233999号公報

先行技術

0008

人工臓器、39巻、1号、pp.77(2010)
高分子論文集、Vol.65,No.3,pp.228,(2008)

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、(1)水系媒体への溶出を抑えるため200乃至450℃もの高温での加熱処理により得られるコーティング膜が必要、(2)基材の種類によりコーティング膜材料を適切に選ぶ必要がある、(3)上記コーティング膜形成用組成物中に使用される共重合体はワニス製造時にゲル化しやすい、といった上記3点の課題を克服すべく、特に低温乾燥工程のみで容易に形成可能な生体物質付着抑制能を有するコーティング膜、該コーティング膜の製造方法、特定のモノマー混合物を重合させることにより得られる共重合体、特定の組成を有するコーティング膜形成用組成物、該膜を形成するためのコーティング膜形成用組成物の原料として使用される共重合体含有ワニスの製造方法、並びにコーティング膜を形成するためのゾルを提供する。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、
第1観点として、下記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:

0011

0012

(式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン無機イオン水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表す)と、溶媒とを含むコーティング膜形成用組成物を、基体に塗布する工程、及び温度−200℃乃至200℃にて乾燥させる工程、を含む方法により得られるコーティング膜、
第2観点として、溶媒が水又はアルコールを含む、第1観点に記載のコーティング膜、
第3観点として、コーティング膜形成用組成物中の共重合体の濃度が、0.01質量%乃至4質量%である、第1観点又は第2観点に記載のコーティング膜、
第4観点として、基体が、ガラス、金属含有化合物半金属含有化合物及び樹脂からなる群より選ばれる、第1観点乃至第3観点の何れかに記載のコーティング膜、
第5観点として、生体物質の付着抑制能を有する、第1観点乃至第4観点の何れかに記載のコーティング膜、
第6観点として、共重合体が、下記式(a1)及び式(b1):

0013

0014

(式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表す)の繰り返し単位を含む、第1観点乃至第5観点の何れかに記載のコーティング膜、
第7観点として、mが1であり、Ra及びRbが、それぞれ独立して、エチレン基又はプロピレン基を表す、第1観点乃至第6観点の何れかに記載のコーティング膜、
第8観点として、コーティング膜形成用組成物を予めpH調整する工程を含む、第1観点乃至第7観点の何れかに記載のコーティング膜、
第9観点として、乾燥工程後に得られた膜を、さらに水及び電解質を含む水溶液からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒で洗浄する工程を含む、第1観点乃至第8観点の何れかに記載のコーティング膜、
に関する。

0015

また本発明は、
第10観点として、下記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:

0016

0017

(式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表す)と、溶媒とを含むコーティング膜形成用組成物を、基体に塗布する工程、及び温度−200℃乃至200℃にて乾燥させる工程、を含むコーティング膜の製造方法、
に関する。

0018

第11観点として、下記式(A)及び(B):

0019

0020

(式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表す)で表される化合物と、下記式(C)又は(D):

0021

0022

(式中、Tc、Td及びUdは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Rc及びRdは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表す)で表される化合物とを少なくとも含むモノマー混合物を重合させることにより得られる、共重合体、
に関する。

0023

また本発明は、
第12観点として、(i)下記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:

0024

0025

(式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表す)、
(ii)溶媒;及び
(iii)pH調整剤
を含む、コーティング膜形成用組成物、
第13観点として、共重合体が、下記式(a1)及び式(b1):

0026

0027

(式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表す)の繰り返し単位を含む、第12観点にコーティング膜形成用組成物
に関する。

0028

さらに本発明は、
第14観点として、下記式(A)及び(B):

0029

0030

(式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表す)で表される化合物を、溶媒中で、両化合物合計濃度0.01質量%乃至4質量%にて反応させる工程を含む、共重合体含有ワニスの製造方法、
第15観点として、mが1であり、Ra及びRbが、それぞれ独立して、エチレン基又はプロピレン基を表す、第14観点に記載の共重合体含有ワニスの製造方法、
第16観点として、溶媒が、水又はアルコールを含む、第14観点又は第15観点に記載の共重合体含有ワニスの製造方法、
第17観点として、溶媒が、水を10質量%乃至100質量%含む、第14観点乃至第16観点の何れかに記載の共重合体含有ワニスの製造方法、
第18観点として、溶媒が、アルコールを10質量%乃至100質量%含む、第14観点乃至第16観点の何れかに記載の共重合体含有ワニスの製造方法、
に関する。

0031

さらに本発明は、
第19観点として、下記式(A)及び式(B):

0032

0033

(式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、RaとRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表す)で表される化合物、溶媒及び重合開始剤を含む混合物を、重合開始剤の10時間半減期温度より高い温度に保持した溶媒に滴下し、反応させる工程を含む、共重合体含有ワニスの製造方法、
に関する。

0034

さらに本発明は、
第20観点として、下記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:

0035

0036

(式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表す)を含むゾル、
第21観点として、動的光散乱法により測定される粒径分布において、平均粒径が2nm以上500nm以下である、第20観点に記載のゾル
に関する。

発明の効果

0037

本発明のコーティング膜は、式(a)で表されるアニオンと、式(b)で表されるカチオンとを含む共重合体を含むコーティング膜形成用組成物を基体に塗布後、低温乾燥(−200℃乃至200℃)工程を経ることで形成することができる。本発明のコーティング膜は、式(a)で表されるアニオンと、式(b)で表されるカチオンとがイオン結合(イオンコンプレックス)を形成することで、ガラス、金属含有化合物若しくは半金属含有化合物又は樹脂(合成樹脂及び天然樹脂)等、基体の種類を選ばず固着することができ、また固着後は水系溶媒(水、リン酸緩衝生理食塩水PBS)、アルコール等)への耐久性に優れたコーティング膜となる。また、共重合体のイオンバランスを調節するために、コーティング膜形成用組成物を予めpH調整剤等によりpHを調整したり、乾燥後のコーティング膜を水及び/又は電解質を含む水溶液で洗浄したりすることにより、生体物質の付着抑制能に優れたコーティング膜となる。
さらに本発明のコーティング膜形成用組成物に含まれる共重合体を合成する場合、該共重合体の側鎖であるリン酸エステル基は、例えば特許文献3に記載のように、会合性が強く重合条件によってはゲル化してしまうことが知られているが、本発明では、共重合体を合成するための化合物の、反応溶媒中での合計濃度を4質量%以下に制御したり、反応基質試薬添加順序や添加温度を制御したりすることで、ゲル化せず透明な共重合体含有ワニスを得るための製造方法を提供することができる。この方法によれば、本発明に係る共重合体中にリン酸エステル基を有する繰り返し単位を例えば50モル%程度有する重合体であってもゲル化せず透明な共重合体含有ワニスが製造できる。この共重合体含有ワニスは、本発明のコーティング膜を形成するためのコーティング膜形成用組成物として、又はそれらを作成するための原料として使用できる。

0038

本発明のコーティング膜は、下記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:

0039

0040

(式中、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖又は分岐アルキル基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表す)と、溶媒とを含むコーティング膜形成用組成物を、基体に塗布する工程、及び温度−200℃乃至200℃にて乾燥させる工程、を含む方法により得られるコーティング膜である。

0041

本発明に係る共重合体は、上記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、上記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体であれば特に制限は無い。該重合体は、上記式(a)で表される有機基を含むモノマーと、上記式(b)で表される有機基を含むモノマーとをラジカル重合して得られたものが望ましいが、重縮合重付加反応させたものも使用できる。共重合体の例としては、オレフィンが反応したビニル重合ポリマー、ポリアミドポリエステルポリカーボネートポリウレタン等が挙げられるが、これらの中でも特にオレフィンが反応したビニル重合ポリマー又は(メタアクリレート化合物を重合させた(メタ)アクリルポリマーが望ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリレート化合物とは、アクリレート化合物とメタクリレート化合物の両方を意味する。例えば(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸を意味する。

0042

本発明において、「ハロゲン化物イオン」とは、フッ化物イオン塩化物イオン臭化物イオン又はヨウ化物イオンを意味する。
本発明において、「無機酸イオン」とは、炭酸イオン硫酸イオンリン酸イオンリン酸水素イオンリン酸二水素イオン硝酸イオン過塩素酸イオン又はホウ酸イオンを意味する。
上記An−として好ましいのは、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンであり、特に好ましいのはハロゲン化物イオンである。

0043

本発明において、「炭素原子数1乃至5の直鎖又は分岐アルキル基」としては、例えばメチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基又は1−エチルプロピル基が挙げられる。Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3として好ましいのは、水素原子、メチル基又はエチル基が挙げられるが、式(a)のUa1及びUa2には水素原子、式(b)のUb1、Ub2及びUb3にはメチル基がより好ましい。

0044

本発明に係る共重合体中における式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位の割合は、20モル%乃至80モル%であり、好ましくは30モル%乃至70モル%であり、さらに好ましくは40モル%乃至60モル%である。なお、本発明に係る共重合体は、2種以上の式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位を含んでいてもよい。

0045

本発明に係る共重合体中における式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位の割合は、全共重合体に対して上記式(a)を差し引いた残部全てでも良いし、上記式(a)と下記に記述する第3成分との合計割合を差し引いた残部であってもよい。なお、本発明に係る共重合体は、2種以上の式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位を含んでいてもよい。

0046

本発明のコーティング膜形成用組成物に含まれる溶媒としては、水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、アルコールが挙げられる。アルコールとしては、炭素数2乃至6のアルコール、例えば、エタノール、プロパノールイソプロパノール、1−ブタノール2−ブタノールイソブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘプタノール2−ヘプタノール、2,2−ジメチル1−プロパノールネオペンチルアルコール)、2−メチル−1−プロパノール2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール(t−アミルアルコール)、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール及びシクロヘキサノールが挙げられ、単独で又はそれらの組み合わせの混合溶媒を用いてもよいが、共重合体の溶解の観点から、水、PBS及びエタノールから選ばれるのが好ましい。

0047

本発明に係るコーティング膜形成用組成物中の固形分の濃度としては、均一にコーティング膜を形成させるために、0.01乃至50質量%が望ましい。また、コーティング膜形成用組成物中の共重合体の濃度としては、好ましくは0.01乃至4質量%、より好ましくは0.01乃至3質量%、特に好ましくは0.01乃至2質量%、さらに好ましくは0.01乃至1質量%である。共重合体の濃度が0.01質量%以下であると、得られるコーティング膜形成用組成物の共重合体の濃度が低すぎて十分な膜厚のコーティング膜が形成できず、4質量%以上であると、コーティング膜形成用組成物の保存安定性が悪くなり、溶解物析出やゲル化が起こる可能性がある。

0048

さらに本発明のコーティング膜形成用組成物は、上記共重合体と溶媒の他に、必要に応じて得られるコーティング膜の性能を損ねない範囲で他の物質を添加することもできる。他の物質としては、防腐剤界面活性剤、基材との密着性を高めるプライマー防カビ剤及び糖類等が挙げられる。

0049

本発明に係るコーティング膜形成用組成物中の共重合体のイオンバランスを調節するために、本発明のコーティング膜を得る際には、さらにコーティング膜形成用組成物中のpHを予め調整する工程を含んでいてもよい。pH調整は、例えば上記共重合体と溶媒を含む組成物にpH調整剤を添加し、該組成物のpHを3.5〜8.5、さらに好ましくは4.0〜8.0とすることにより実施してもよい。使用しうるpH調整剤の種類及びその量は、上記共重合体の濃度や、そのアニオンとカチオンの存在比等に応じて適宜選択される。pH調整剤の例としては、アンモニアジエタノールアミンピリジン、N−メチル−D−グルカミントリス(ヒドロキシメチルアミノメタン等の有機アミン水酸化カリウム水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物塩化カリウム塩化ナトリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物硫酸リン酸塩酸炭酸等の無機酸又はそのアルカリ金属塩コリン等の4級アンモニウムカチオン、あるいはこれらの混合物(例えば、リン酸緩衝生理食塩水等の緩衝液)を挙げることができる。これらの中でも、アンモニア、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、コリン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが好ましく、特にアンモニア、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム及びコリンが好ましい。

0050

したがって本発明は、(i)上記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、上記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体、(ii)溶媒、及び(iii)pH調整剤を含む、コーティング膜形成用組成物に関する。共重合体、溶媒及びpH調整剤の具体例は、上記のとおりである。

0051

本発明はまた、上記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、上記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体を含むゾルに関する。ゾルが含む共重合体、溶媒の具体例は、上記のとおりである。
好ましくは、本発明のゾルはさらにpH調整剤を含む。pH調整剤の具体例は上記のとおりである。より好ましくは、本発明のゾルは、コーティング膜形成用ゾルであって、コーティング膜形成用組成物の一態様である。

0052

本発明に係るコーティング膜形成用組成物を基体に塗布し、乾燥させてコーティング膜を形成する。
本発明のコーティング膜を形成するための基体としては、ガラス、金属含有化合物若しくは半金属含有化合物、活性炭又は樹脂を挙げることができる。金属含有化合物若しくは半金属含有化合物は、例えば基本成分が金属酸化物で、高温での熱処理によって焼き固めた焼結体であるセラミックスシリコンのような半導体、金属酸化物若しくは半金属酸化物シリコン酸化物アルミナ等)、金属炭化物若しくは半金属炭化物金属窒化物若しくは半金属窒化物シリコン窒化物等)、金属ホウ化物若しくは半金属ホウ化物などの無機化合物成形体など無機固体材料アルミニウムニッケルチタンステンレス(SUS304、SUS316、SUS316L等)が挙げられる。

0053

樹脂としては、天然樹脂又は合成樹脂いずれでもよく、天然樹脂としてはセルロース三酢酸セルロース(CTA)、デキストラン硫酸を固定化したセルロース等、合成樹脂としてはポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエステル系ポリマーアロイ(PEPA)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレートPMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン(PU)、エチレンビニルアルコールEVAL)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、各種イオン交換樹脂又はポリエーテルスルホン(PES)等が好ましく用いられる。本発明のコーティング膜は、低温乾燥にて形成できるため、耐熱性が低い樹脂等にも適用可能である。

0054

本発明のコーティング膜を形成すべく、上記のコーティング膜形成用組成物を基体の表面の少なくとも一部に塗布する。塗布方法としては特に制限は無く、通常のスピンコートディップコート溶媒キャスト法等の塗布法が用いられる。

0055

本発明に係るコーティング膜の乾燥工程は、大気下又は真空下にて、温度−200℃乃至200℃の範囲内で行なう。乾燥工程により、上記コーティング膜形成用組成物中の溶媒を取り除くと共に、本発明に係る共重合体の式(a)及び式(b)同士がイオン結合を形成して基体へ完全に固着する。

0056

コーティング膜は、例えば室温(10℃乃至35℃、例えば25℃)での乾燥でも形成することができるが、より迅速にコーティング膜を形成させるために、例えば40℃乃至50℃にて乾燥させてもよい。またフリーズドライ法による極低温低温(−200℃乃至−30℃前後)での乾燥工程を用いてもよい。フリーズドライ真空凍結乾燥と呼ばれ、通常乾燥させたいものを冷媒で冷却し、真空状態にて溶媒を昇華により除く方法である。フリーズドライで用いられる一般的な冷媒は、ドライアイスとメタノールを混合媒体(−78℃)、液体窒素(−196℃)等が挙げられる。

0057

乾燥温度が−200℃以下であると、一般的ではない冷媒を使用しなければならず汎用性に欠けることと、溶媒昇華のために乾燥に長時間を要し効率が悪い。乾燥温度が200℃以上であると、コーティング膜表面のイオン結合反応が進みすぎて該表面が親水性を失い、生体物質付着抑制能が発揮されない。より好ましい乾燥温度は10℃乃至180℃、より好ましい乾燥温度は25℃乃至150℃である。

0058

乾燥後、該コーティング膜上に残存する不純物未反応モノマー等を無くすため、さらには膜中の共重合体のイオンバランスを調節するために、水及び電解質を含む水溶液から選ばれる1以上の溶媒で流水洗浄又は超音波洗浄等で洗浄することが望ましい。上記水及び電解質を含む水溶液は例えば40℃乃至95℃の範囲で加温されたものでもよい。電解質を含む水溶液は、PBS、生理食塩水(塩化ナトリウムのみを含むもの)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水HEPES緩衝生理食塩水及びベロナール緩衝生理食塩水が好ましく、PBSが特に好ましい。固着後は水、PBS及びアルコール等で洗浄してもコーティング膜は溶出せずに基体に強固に固着したままである。形成されたコーティング膜は生体物質が付着してもその後水洗等にて容易に除去することができ、本発明のコーティング膜が形成された基体表面は、生体物質の付着抑制能を有する。

0059

本発明のコーティング膜の応用事例として例えば人工透析器のフィルター用コーティング膜があるが、本発明のコーティング膜はフィルターへ使用される合成樹脂(例えばPES、PS及びPSF等)へのコーティング膜の固着性、固着後の耐久性も良好である。基体の形態は特に制限されず、基板、繊維、粒子ゲル形態多孔質形態等が挙げられ、形状は平板でも曲面でもよい。
例えば人工透析器のフィルター用コーティング膜とする場合は、上記素材で作成された例えば直径0.1乃至500μmの中空糸形状をしたフィルターの内側に本発明に係るコーティング膜形成用組成物を通液し、その後乾燥工程、洗浄工程(熱水(例えば40℃乃至95℃)洗浄等)を経て作製することができる。
必要に応じて、滅菌のためにγ線エチレンオキサイドオートクレーブ等の処理がされる場合もある。

0060

本発明のコーティング膜の膜厚は、好ましくは10〜1000Åであり、さらに好ましくは10〜500Åである。

0061

生体物質としては、蛋白質、糖、核酸及び細胞又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば蛋白質としてはフィブリノゲン牛血清アルブミンBSA)、ヒトアルブミン、各種グロブリンβ−リポ蛋白質、各種抗体(IgGIgAIgM)、ペルオキシダーゼ、各種補体、各種レクチンフィブロネクチンリゾチームフォン・ヴィレブランド因子(vWF)、血清γ−グロブリンペプシン卵白アルブミンインシュリンヒストンリボヌクレアーゼコラーゲンシトクロームc、例えば糖としてはグルコースガラクトースマンノースフルクトースヘパリンヒアルロン酸、例えば核酸としてはデオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、例えば細胞としては線維芽細胞骨髄細胞Bリンパ球Tリンパ球好中球赤血球血小板マクロファージ単球骨細胞、骨髄細胞、周皮細胞樹枝状細胞ケラチノサイト脂肪細胞間葉細胞上皮細胞表皮細胞内皮細胞血管内皮細胞肝実質細胞軟骨細胞卵丘細胞神経系細胞グリア細胞ニューロンオリゴデンドロサイトマイクログリア星状膠細胞心臓細胞食道細胞筋肉細胞(例えば、平滑筋細胞又は骨格筋細胞)、膵臓ベータ細胞メラニン細胞造血前駆細胞単核細胞胚性幹細胞ES細胞)、胚性腫瘍細胞胚性生殖幹細胞人工多能性幹細胞iPS細胞)、神経幹細胞造血幹細胞間葉系幹細胞肝幹細胞幹細胞筋幹細胞、生殖幹細胞、腸幹細胞、癌幹細胞毛包幹細胞、及び各種細胞株(例えば、HCT116、Huh7、HEK293(ヒト胎児腎細胞)、HeLa(ヒト子宮頸癌細胞株)、HepG2(ヒト肝癌細胞株)、UT7/TPO(ヒト白血病細胞株)、CHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞株)、MDCK、MDBK、BHK、C−33A、HT−29、AE−1、3D9、Ns0/1、Jurkat、NIH3T3、PC12、S2、Sf9、Sf21、High Five、Vero)等が挙げられ、本発明のコーティング膜は、特に血小板に対して高い付着抑制能を有する。又本発明のコーティング膜は、蛋白質、糖が混在する血清に対して特に高い付着抑制能を有する。

0062

本発明のコーティング膜は、生体物質の付着抑制能を有するので、医療用基材用コーティング膜として好適に用いることができる。例えば、白血球除去フィルター輸血フィルター、ウイルス除去フィルター微小凝血塊除去フィルター血液浄化用モジュール人工心臓人工肺血液回路人工血管、血管バイパスチューブ医療用チューブ人工弁カニューレステントカテーテル、血管内カルテルバルーンカテーテルガイドワイヤー縫合糸留置針シャント人工関節人工股関節血液バッグ、血液保存容器手術用補助器具癒着防止膜創傷被覆材などにおいて好適に用いることができる。ここで、血液浄化用モジュールとは、血液を体外に循環させて、血中の老廃物有害物質を取り除く機能を有したモジュールのことをいい、人工腎臓毒素吸着フィルターカラムなどが挙げられる。
また、本発明のコーティング膜は、フラスコディッシュプレート等の細胞培養容器や、蛋白質の付着を抑えた各種研究用器具のコーティング膜として有用である。
また、本発明のコーティング膜は、化粧品用材料コンタクトレンズケア用品用材料、スキンケア用繊維加工剤生化学研究診断薬用材料、臨床診断法で広く用いられている酵素免疫測定ELISA)法やラテックス凝集法における非特異的吸着を抑制するためのブロッキング剤酵素や抗体などの蛋白質を安定化するための安定化剤としても有用である。
さらに本発明のコーティング膜は、トイレタリーパーソナルケア用品洗剤医薬品、医薬部外品、繊維、防汚材向けのコーティング膜としても有用である。

0063

本発明に係るコーティング膜形成用組成物及びゾルに含まれる共重合体は、下記式(a1)及び式(b1)の繰り返し単位を含む共重合体が特に好ましく用いられる。

0064

0065

式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖又は分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表す。

0066

本発明において、「エステル結合」は、−C(=O)−O−若しくは−O−C(=O)−を意味し、「アミド結合」は、−NHC(=O)−若しくは−C(=O)NH−を意味する。

0067

本発明において、「ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基」は、炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基、あるいは1以上のハロゲン原子で置換された炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を意味する。ここで、「炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基」としては、上記アルキル基に対応する2価の有機基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基テトラメチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、ジメチルエレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、1−メチル−テトラメチレン基、2−メチル−テトラメチレン基、1,1−ジメチル−トリメチレン基、1,2−ジメチル−トリメチレン基、2,2−ジメチル−トリメチレン基、1−エチル−トリメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基及びデカメチレン基等が挙げられ、これらの中で、エチレン基、プロピレン基、オクタメチレン基及びデカメチレン基が好ましく、炭素原子数1乃至5の直鎖又は分岐アルキレン基、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基がより好ましく、特にエチレン基又はプロピレン基が好ましい。「1以上のハロゲン原子で置換された炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基」は、上記アルキレン基の1以上の任意の水素原子が、ハロゲン原子で置き換えられているものを意味し、特に、エチレン基又はプロピレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換えられているものが好ましい。

0068

ハロゲン原子は、フッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子が挙げられる。

0069

式(a1)において、mは0乃至6の整数を表すが、好ましくは0乃至3の整数を表し、より好ましくは1又は2の整数を表し、特に好ましくは1である。

0070

本発明に係る共重合体中に含まれる式(a1)で表される繰り返し単位の割合は、20モル%乃至80モル%であり、好ましくは30モル%乃至70モル%であり、さらに好ましくは40モル%乃至60モル%である。なお、本発明に係る共重合体は、2種以上の式(a1)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。

0071

本発明に係る共重合体に含まれる式(b1)で表される繰り返し単位の割合は、全共重合体に対して上記式(a1)を差し引いた残部全てでも良いし、上記式(a1)と下記に記述する第3成分との合計割合を差し引いた残部であってもよい。なお、本発明に係る共重合体は、2種以上の式(b1)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。

0072

本発明のコーティング膜を形成するためのコーティング膜形成用組成物中に含まれる共重合体は、望ましくは下記式(A)及び式(B):

0073

0074

(式中、Ta、Tb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2及びUb3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Qa及びQbは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表し、An−は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表し、mは、0乃至6の整数を表す)で表される化合物を含むモノマー混合物を、溶媒中にて反応(重合)させることで合成できる。

0075

上記式(A)の具体例としては、ビニルホスホン酸アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシメチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、この中でもビニルホスホン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(=リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル)及びアシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタアクリレートが好ましく用いられる。

0076

ビニルホスホン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(=リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル)及びアシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート構造式は、それぞれ下記式(A−1)〜式(A−3)で表される。

0077

0078

これらの化合物は、合成時において、後述する一般式(C)又は(D)で表されるような、2つの官能基を有する(メタ)アクリレート化合物を含む場合がある。

0079

上記式(B)の具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−(t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、メタクロイルコリンクロリド等が挙げられるが、この中でもジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メタクロイルコリンクロリド又は2−(t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。

0080

ジメチルアミノエチルアクリレート(=アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(=メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル)、メタクロイルコリンクロリド及び2−(t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート(=メタクリル酸2−(t−ブチルアミノ)エチルの構造式は、それぞれ下記式(B−1)〜式(B−4)で表される。

0081

0082

本発明に係る共重合体は、さらに任意の第3成分が共重合していてもよい。例えば、第3成分として2以上の官能基を有する(メタ)アクリレート化合物が共重合しており、ポリマーの一部が部分的に3次元架橋していてもよい。そのような第3成分として、例えば、下記式(C)又は(D):

0083

0084

(式中、Tc、Td及びUdは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、Rc及びRdは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至10の直鎖又は分岐アルキレン基を表す)で表される2官能性モノマーが挙げられる。すなわち本発明に係る共重合体は、好ましくは、このような2官能性モノマーから誘導される架橋構造を含むものである。

0085

式(C)及び(D)において、Tc及びTdは、好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基である。

0086

式(C)及び(D)において、Udは、好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくは、水素原子である。

0087

式(C)及び(D)において、Rc及びRdは、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至3の直鎖又は分岐アルキレン基であり、より好ましくは、それぞれ独立して、エチレン基若しくはプロピレン基であるか、あるいは1つの塩素原子で置換されたエチレン基若しくはプロピレン基であり、特に好ましくは、エチレン基若しくはプロピレン基である。

0088

式(C)で表される2官能性モノマーは、好ましくは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。式(D)で表される2官能性モノマーは、好ましくは、リン酸ビス[(2−メタクリロイルオキシ)メチル]、リン酸ビス[(2−メタクリロイルオキシ)エチル]、リン酸ビス[(2−メタクリロイルオキシ)プロピル]等が挙げられる。

0089

また、3官能(メタ)アクリレート化合物としては、トリアクリル酸ホスフィニリジントリス(オキシ−2,1−エタンジイル)が挙げられる。

0090

これら第3成分の中でも、特に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びリン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]が好ましく、その構造式は、それぞれ、下記式(C−1)及び式(D−1)で表される。

0091

0092

共重合体には、これらの第3成分の1種又は2種以上が含まれていてもよい。上記の中でも、式(D)で表される2官能性モノマーが好ましく、特に、式(D−1)で表される2官能性モノマーが好ましい。
上記共重合体中における第3成分、例えば、上記式(C)又は(D)で表される2官能性モノマーから誘導される架橋構造の割合は、0モル%乃至50モル%である。

0093

式(A)で表される化合物の、上記共重合体を形成するモノマー全体に対する割合は、20モル%乃至80モル%であり、好ましくは30モル%乃至70モル%であり、さらに好ましくは40モル%乃至60モル%である。また、式(A)で表される化合物は、2種以上であってもよい。
式(B)で表される化合物の、上記共重合体を形成するモノマー全体に対する割合は、上記式(A)の割合を差し引いた残部全てでも良いし、上記式(A)と上記第3成分との合計割合を差し引いた残部であってもよい。また、式(B)で表される化合物は、2種以上であってもよい。

0094

本発明に係る共重合体の合成方法としては、一般的なアクリルポリマー又はメタクリルポリマー等の合成方法であるラジカル重合、アニオン重合カチオン重合などの方法により合成することができる。その形態は溶液重合懸濁重合乳化重合塊状重合など種々の方法が可能である。
本発明に係るコーティング膜形成用組成物は、所望の共重合体を、所望の溶媒にて所定の濃度に希釈することにより調製してもよい。
さらに本発明に係るコーティング膜形成用組成物は、本発明の共重合体含有ワニスから調製してもよい。一の実施態様では、本発明の共重合体含有ワニスは、上記式(A)及び(B)で表される化合物を、溶媒中で、両化合物の合計濃度0.01質量%乃至4質量%にて反応(重合)させる工程を含む製造方法により調製することができる。

0095

重合反応における溶媒としては、水、リン酸緩衝液又はエタノール等のアルコール又はこれらを組み合わせた混合溶媒でもよいが、水又はエタノールを含むことが望ましい。さらには水又はエタノールを10質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。さらには水又はエタノールを50質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。さらには水又はエタノールを80質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。さらには水又はエタノールを90質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。好ましくは水とエタノールの合計が100質量%である。

0096

反応濃度としては、例えば上記式(A)又は式(B)で表される化合物の反応溶媒中の濃度を、0.01質量%乃至4質量%とすることが好ましい。濃度が4質量%以上であると、例えば式(A)で表されるリン酸基の有する強い会合性により共重合体が反応溶媒中でゲル化してしまう場合がある。濃度0.01質量%以下では、得られたワニスの濃度が低すぎるため、十分な膜厚のコーティング膜を得るためのコーティング膜形成用組成物の作成が困難である。濃度が、0.01質量%乃至3質量%、例えば3質量%又は2質量%であることがより好ましい。

0097

また本発明に係る共重合体の合成においては、例えば式(1)に記載の酸性リン酸エステル単量体(ハーフ塩)を作成後、重合して共重合体を作製してもよい。

0098

0099

リン酸基含有モノマー会合し易いモノマーのため、反応系中に滴下されたとき、速やかに分散できるように反応溶媒中に少量ずつ滴下してもよい。

0100

さらに、反応溶媒はモノマー及びポリマーの溶解性を上げるために加温(例えば40℃乃至100℃)してもよい。

0101

重合反応を効率的に進めるためには、重合開始剤を使用することが望ましい。重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シア吉草酸)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イルプロパン二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチルプロピオンアミド和光純薬社製品名;VA−086、10時間半減期温度;86℃)、過酸化ベンゾイル(BPO)、2,2’−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)n−水和物(和光純薬社製品名;VA−057、10時間半減期温度;57℃)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシド)(和光純薬社製品名;VA−501)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(和光純薬社製品名;VA−044、10時間半減期温度;44℃)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリジン−2−イル)プロパン]ジスルファートジヒドレート(和光純薬社製品名;VA−046B、10時間半減期温度;46℃)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリジン−2−イル)プロパン](和光純薬社製品名;VA−061、10時間半減期温度;61℃)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(和光純薬社製品名;V−50、10時間半減期温度;56℃)、ペルオキソ二硫酸又はt−ブチルヒドロペルオキシド等が用いられるが、この中でもイオンバランス、水への溶解性を考慮して2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)n−水和物、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリジン−2−イル)プロパン]ジスルファートジヒドレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリジン−2−イル)プロパン]又は2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド又はペルオキソ二硫酸の何れかを用いることが望ましい。

0102

重合開始剤の添加量としては、重合に用いられるモノマーの合計重量に対し、0.05質量%〜10質量%である。

0103

反応条件反応容器オイルバス等で50℃乃至200℃に加熱し、1時間乃至48時間、より好ましくは80℃乃至150℃、5時間乃至30時間攪拌を行うことで、重合反応が進み本発明の共重合体が得られる。反応雰囲気窒素雰囲気が好ましい。

0104

反応手順としては、全反応物質を室温の反応溶媒に全て入れてから、上記温度に加熱して重合させてもよいし、あらかじめ加温した溶媒中に、反応物質の混合物全部又は一部を少々ずつ滴下してもよい。

0105

後者の反応手順によれば、本発明の共重合体含有ワニスは、上記式(A)及び(B)で表される化合物、溶媒及び重合開始剤を含む混合物を、重合開始剤の10時間半減期温度より高い温度に保持した溶媒に滴下し、反応(重合)させる工程を含む製造方法により調製することができる。

0106

この実施態様では、上記の反応手順と温度条件を採用することにより、上記式(A)又は式(B)で表される化合物の反応溶媒中の濃度を、例えば、0.01質量%乃至10質量%とすることができる。この実施態様では、濃度が4質量%を超えても、反応前に滴下相及び反応相が透明均一な溶液となり、反応後の共重合体の反応溶媒中でのゲル化を抑制することができる。この実施態様におけるその他の条件は、上記と同様である。

0107

本発明に係る共重合体の分子量は数千から数百万程度であれば良く、好ましくは5,000乃至5,000,000である。さらに好ましくは、10,000乃至2,000,000である。また、ランダム共重合体ブロック共重合体グラフト共重合体のいずれでも良く、該共重合体を製造するための共重合反応それ自体には特別の制限はなく、ラジカル重合やイオン重合光重合マクロマー、乳化重合を利用した重合等の公知の溶液中で合成される方法を使用できる。これらは目的の用途によって、本発明の共重合体のうちいずれかを単独使用することもできるし、複数の共重合体を混合し、且つその比率は変えて使用することもできる。

0108

また、このようにして製造される種々の共重合体は、2次元ポリマーでも3次元ポリマーであってもよく、水を含有する溶液に分散した状態である。つまり、これらのポリマーを含むワニスでは、不均一なゲル化や白濁沈殿ができることは好ましくはなく、透明なワニス、分散コロイド状のワニス、若しくはゾルであるのが好ましい。

0109

本発明に係る共重合体は、その分子内にカチオン、アニオンの両方を有するため、イオン結合による共重合体同士が結合し、ゾルとなる場合がある。また前記のように、例えば、第3成分として2以上の官能基を有する(メタ)アクリレート化合物が共重合している共重合体の場合、共重合体の一部が部分的に3次元架橋してゾルとなる場合がある。

0110

本発明のゾルは、動的光散乱法により測定される粒径分布において、平均粒径が2nm以上500nm以下である。さらに好ましい平均粒径は、2nm以上400nm以下であり、さらに好ましい平均粒径は、2nm以上300nm以下であり、最も好ましい平均粒径は、2nm以上200nm以下である。

0111

さらに本発明は、基体のコーティングにおける、上記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、上記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体と、溶媒とを含むコーティング膜形成用組成物の使用に関する。また本発明は、生体物質の付着抑制のための、上記式(a)で表される有機基を含む繰り返し単位と、上記式(b)で表される有機基を含む繰り返し単位とを含む共重合体と、溶媒とを含むコーティング膜形成用組成物の使用にも関する。共重合体、溶媒及び基体等の具体例や、組成物の使用の具体的な態様は、上記のとおりである。

0112

以下、合成例、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらに
限定されない。

0113

下記合成例に示す重量平均分子量はGel Filtration Chromatography(以下、GFCと略称する)による測定結果である。測定条件等は次のとおりである。
・装置:Prominence(島津製作所製)
・GFCカラム:TSKgelGMPWXL (7.8mmI.D.×30cm)×2本
流速:1.0 ml/min
溶離液イオン性水溶液
カラム温度:40℃
検出器RI
注入濃度ポリマー固形分0.1質量%
注入量:100 uL
検量線:三次近似曲線
標準試料ポリエチレンオキサイド(Agilent社製)×10種

0114

原料組成測定方法
リン含有化合物を含む原料の、各リン含有化合物の濃度(質量%)測定は、31P−NMRにより行った。下記標準物質を用いて原料中に含まれる各リン含有化合物の絶対濃度(絶対質量%)を算出した。

0115

(測定条件)
・モード:逆ゲートデカップリングモード(定量モード
・装置:varian 400MHz
・溶媒:CD3OD(重メタノール)(30重量%)
回転数:0 Hz
データポイント:64000
フリップ角:90°
待ち時間:70 s
積算回数:16回,n=4,
・標準物質:トリメチルリン酸+D2O (75%TMP溶液を調製)

0116

<合成例1>
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(式(A−2)の化合物、製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)6.00gとメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(式(B−2)の化合物、東京化成工業(株)社製)4.12gと2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(製品名;VA−086、和光純薬工業(株)製)0.24gを、純水446.34gとエタノール49.59gに溶解してナスフラスコに入れ、窒素を吹き込み窒素置換後、100℃のオイルバス中で24時間重合反応させ固形分2質量%の共重合体含有ワニス506.05gを得た。

0117

<合成例2>
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)6.00gとメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(東京化成工業(株)社製)4.12gと2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(製品名;VA−086、和光純薬工業(株)製)0.24gを、純水490.87gに溶解してナスフラスコに入れ、窒素を吹き込み窒素置換後、100℃のオイルバス中で24時間重合反応させ固形分3質量%の共重合体含有ワニス506.05gを得た。

0118

<合成例3>
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)6.00gとメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(東京化成工業(株)社製)4.12gと2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(製品名;VA−086、和光純薬工業(株)製)0.24gを、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、シグマアルドリッチ社製)490.87gに溶解してナスフラスコに入れ、窒素置換を吹き込んだ後に、100℃のオイルバス中で24時間重合反応させ固形分3質量%の共重合体含有ワニス506.05gを得た。

0119

<合成例4>
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)1.50gに純水0.3gを加え60℃で攪拌している中へメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(東京化成工業(株)製)1.03gを3時間かけて滴下し、その後70℃で12時間攪拌してハーフ塩水和物を調製した。上記ハーフ塩水和物をエバポレーターで60℃まで加熱しながら水を揮発させ、含水率が1%以下になったものをアシッドホスホオキシエチルメタクリレートのメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルハーフ塩とした(式(1)の化合物)。このハーフ塩に2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド(製品名;VA−086、和光純薬工業(株)製)0.03gを、純水73.63gとエタノール8.18gに溶解してナスフラスコに入れ、窒素を吹き込み窒素置換後、100℃のオイルバス中で24時間重合反応させ固形分3質量%の共重合体含有ワニス84.34gを得た。

0120

<合成例5>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)6.00gに純水12.40gを加え十分に溶解し、さらにエタノール12.40g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル4.12g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(製品名;VA−086、和光純薬工業(株)製)0.10gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水471.13g、エタノール37.20gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約2質量%の透明重合液506.05gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約810,000であった。

0121

<合成例6>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)10.00gに純水68.88gを加え十分に溶解し、さらにエタノール29.52g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル7.63g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.09gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水373.89g、エタノール29.52gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約3.5質量%の透明重合液509.60gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約280,000であった。

0122

<合成例7>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)12.00gに純水56.56gを加え十分に溶解し、さらにエタノール24.24g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル9.16g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.11gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水307.05g、エタノール16.16gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約5質量%の透明重合液425.28gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約610,000であった。

0123

<合成例8>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)14.00gに純水54.41gを加え十分に溶解し、さらにエタノール23.32g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル10.68g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)社製)0.12gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水295.38g、エタノール15.55gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約6質量%の透明重合液413.47gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約1,010,000であった。

0124

<合成例9>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)10.00gにメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル7.63g(東京化成工業(株)製)を加え室温にて、30℃以下になるまで約1時間撹拌した。そこにさらに純水59.24g、エタノール25.39g、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.09gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水321.61g、エタノール16.93gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約4質量%の透明重合液440.80gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約500,000であった。

0125

<合成例10>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)2.00gに純水51.32gを加え十分に溶解し、さらにエタノール21.99g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル1.53g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.18gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水278.59g、エタノール14.66gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約1質量%の透明重合液370.10gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約38,000であった。

0126

<合成例11>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)6.00gに純水50.93gを加え十分に溶解し、さらにエタノール21.83g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル9.16g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.08gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水276.49g、エタノール14.55gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約4質量%の透明重合液378.96gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約720,000であった。

0127

<合成例12>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)10.00gに純水64.03gを加え十分に溶解し、さらにエタノール27.44g、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル8.96g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.09gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水347.60g、エタノール18.29gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約4質量%の透明重合液476.33gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約290,000であった。

0128

<合成例13>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)7.00gに純水56.58gを加え十分に溶解し、さらにエタノール47.15g、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル12.55g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.10gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水367.75gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約4質量%のわずかに白濁した重合液491.02gを得た。得られた液体の濾過後のGFCにおける重量平均分子量は約300,000であった。

0129

<合成例14>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)9.00gに純水60.64gを加え十分に溶解し、さらにエタノール17.33g、メタクロイルコリンクロリド80%水溶液(東京化成工業(株)製)11.31g、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.10gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水326.94g、エタノール17.33gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約4質量%の透明重合液453.48gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約130,000であった。

0130

<合成例15>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)10.00gに純水56.95gを加え十分に溶解し、さらにエタノール24.41g、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル6.95g(式(B−1)の化合物、東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)社製)0.0848gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水56.95g、エタノール16.27gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートをセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約4質量%の透明重合液423.77gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約150,000であった。

0131

<合成例16>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ライトエステルP−1M、共栄社化学(株)製、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(42.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](16.9質量%)、その他の物質(40.9質量%)の混合物)10.00gに純水59.89gを加え十分に溶解し、さらにエタノール25.67g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル7.83g(東京化成工業(株)社製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.09gを20℃以下に保ちながら、ライトエステルP−1Mの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水325.13g、エタノール17.11gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約4質量%の透明重合液445.63gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約410,000であった。

0132

<合成例17>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)10.00gに純水47.84gを加え十分に溶解し、さらにエタノール15.95g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル7.63g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.09gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水95.69gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、1時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約10質量%の透明重合液177.11gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約582,000であった。

0133

<合成例18>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)5.00gに純水25.39gを加え十分に溶解し、さらにエタノール10.88g、メタクリル酸2−((t−ブチルアミノ)エチル4.50g(Sigma-Aldrich(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.05gを20℃以下に保ちながら、ホスマーMの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水137.82g、エタノール7.25gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約5質量%の透明重合液190.84gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約225,000であった。

0134

<合成例19>
アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタアクリレート(製品名;ホスマーPE、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:94.9%)5.00gに純水19.54gを加え十分に溶解し、さらにエタノール8.37g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル2.31g(東京化成工業(株)社製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.04gを20℃以下に保ちながら、ホスマーPEの水溶液に順に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水106.05g、エタノール5.58gを冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約5質量%の透明重合液146.84gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約146,000であった。

0135

<合成例20>
2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.12gを純水43.73gに20℃以下に保ちながら加え、十分に攪拌して均一となったVA−057水溶液を滴下ロートに導入した。一方で、別途ビニルホスホン酸10.00g(式(A−1)の化合物、東京化成工業(株)社製)に純水174.92gを加え十分に溶解し、さらにメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル14.17g(東京化成工業(株)製)を加えて十分に攪拌して溶解した。この混合液を冷却管付きの3つ口フラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながら60℃まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記VA−057水溶液を導入した滴下ロートをセットし、0.5時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、24時間上記環境を維持した状態で加熱撹拌することで固形分約10質量%の透明重合液242.83gを得た。得られた透明液体のGFCにおける重量平均分子量は約535,000であった。

0136

<比較合成例1>
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(東京化成工業(株)製)2.00gと2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(製品名;VA−086、和光純薬工業(株)製)0.02gを、純水58.20gとエタノール6.47gに溶解してナスフラスコに入れ、窒素置換を吹き込んだ後に、100℃のオイルバスを中で24時間重合反応させ固形分3質量%の共重合体含有ワニス506.05gを得た。

0137

<比較合成例2>
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(式(A−2)の化合物、製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)6.00gとメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(式(B−2)の化合物、東京化成工業(株)社製)4.12gと2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド(製品名;VA−086、和光純薬工業(株)製)0.24gを、純水173.07gとエタノール19.23gに溶解してナスフラスコに入れ、窒素置換を吹き込んだ後に、100℃のオイルバスを中で24時間重合反応させ固形分5質量%の共重合体含有ワニスを期待したが、得られたものは白濁し固体がフラスコの淵についたゲル状の溶液であった。

0138

<比較合成例3>
アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)1.50gに純水0.3gを加え60℃で攪拌している中へメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(東京化成工業(株)製)1.03gを3時間かけて滴下し、その後70℃で12時間攪拌してハーフ塩水和物を調製した。上記ハーフ塩水和物をエバポレーターで60℃まで加熱しながら水を揮発させ、含水率が1%以下になったものをアシッドホスホオキシエチルメタクリレートのメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルハーフ塩とした(式(1)の化合物)。このハーフ塩2.53gに2,2’−アゾ(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(製品名;VA−086、和光純薬工業(株)製)0.03gを、純水43.27gとエタノール4.81gに溶解してナスフラスコに入れ、窒素を吹き込み窒素置換後、100℃のオイルバス中で24時間重合反応させ固形分5質量%の共重合体含有ワニスを期待したが、得られたものは白濁し固体がフラスコの淵についたゲル状の溶液であった。

0139

<比較合成例4>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)10.00gに純水38.98gを加え十分に溶解し、さらにエタノール12.99g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル7.63g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)製)0.09gを20℃以下に保ちながら順にホスマーMの水溶液に加えた。十分に攪拌して均一となった上記全てのものが入った混合液を、滴下ロートに導入した。一方で、別途純水77.97gを冷却管付きの3つ口フラスコに加えて窒素フローし、撹拌しながらリフラックス温度まで昇温した。この状態を維持しつつ、上記混合液を導入した滴下ロートを3つ口フラスコにセットし、1時間かけて混合液を純水とエタノールの沸騰液内に滴下した。滴下後、環境を維持した状態で加熱撹拌すると10分でゲル化した固体となった。

0140

<比較合成例5>
アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート(製品名;ホスマーM、ユニケミカル(株)製、乾固法100℃・1時間における不揮発分:91.8%、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(44.2質量%)、リン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル](28.6質量%)、その他の物質(27.2質量%)の混合物)5.00gに純水151.51gを加え十分に溶解し、さらにエタノール16.83g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル3.82g(東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](製品名;VA−057、和光純薬工業(株)社製)0.04gを20℃以下に保ちながら加えて攪拌し、均一に混合させた。この混合液を冷却管付きのフラスコに入れ、これを窒素フローし、撹拌しながら0.5時間かけてリフラックス温度まで昇温するとリフラックス後10分でゲル化した固体となった。

0141

(合成例1で得た共重合体含有ワニスを用いたコーティング膜形成用組成物(A)の調製)
上記合成例1で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水0.90g、エタノール0.10gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物(A)を調製した。

0142

シリコンウェハの準備)
半導体評価用の市販のシリコンウエハをそのまま用いた。

0143

血小板付着実験用ガラス基板(G)の準備)
ガラス基板(TEMPAX Float〔登録商標〕φ=12mm)をUV/オゾン洗浄装置(UV253E、フィルジェン株式会社製)で10分間洗浄し表面を清浄化しガラス基板(G)を得た。

0144

<実施例1>
上記コーティング膜形成用組成物(A)をシリコンウェハ又は上記ガラス基板(G)にスピン塗布し、オーブンにて45℃、12時間乾燥させた。その後、コーティング膜上に付着している未硬化膜形成用組成物を純水中で5分間超音波洗浄し、PBSと純水でさらに十分に洗浄を行って、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ又はガラス基板を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ25Åであった。

0145

<実施例2>
上記合成例2で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水2.00gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。得られたコーティング膜形成用組成物を用い、実施例1と同様の方法にてコーティング膜が形成されたシリコンウェハ又はガラス基板を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ21Åであった。

0146

<実施例3>
上記合成例3で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、PBS2.00gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。得られた膜形成用組成物を用い、実施例1と同様の方法にてコーティング膜が形成されたシリコンウェハ又はガラス基板を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ12Åであった。

0147

<実施例4>
上記コーティング膜形成用組成物(A)にシリコンウェハ又は上記ガラス基板(G)を24時間ディップし過剰の組成物をAirブラシで除去後、乾燥工程として45℃のオーブンで12時間ベークした。その後、洗浄工程として過剰についた未硬化のコーティング膜形成用組成物を純水中で5分間超音波洗浄し、PBSと純水で十分に洗浄して、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ又はガラス基板を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ21Åであった。

0148

<実施例5>
上記コーティング膜形成用組成物(A)にシリコンウェハ又は上記ガラス基板(G)を24時間ディップし過剰分をAirブラシで除去後、乾燥工程として室温25℃/湿度40%の環境下で24時間放置した。その後、洗浄工程として過剰についた未硬化のコーティング膜形成用組成物を純水中で5分間超音波洗浄し、PBSと純水で十分に洗浄して、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ又はガラス基板を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ22Åであった。

0149

<実施例6>
ホットプレートにて乾燥温度150℃、乾燥時間0.5時間に変えた以外は実施例1と同様の方法にてコーティング膜が形成されたシリコンウェハ又はガラス基板を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ62Åであった。

0150

<実施例7>
実施例1の上記ガラス基板(G)を下記のポリスチレン(PS)基板に変更した以外は、実施例1と同様の方法にてシリコンウェハ又はPS基板に形成されたコーティング膜を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ25Åであった。

0151

(PS基板の作製)
ポリスチレン(平均分子量35,000)(Aldrich社製)0.01gをトルエン0.99gに溶解して透明になるまで攪拌してPS溶液を調製した。上記PS溶液を上記ガラス基板(G)にスピン塗布し、150℃のホットプレートで5分間ベークしたものをPS基板とした。

0152

<実施例8>
実施例1の上記ガラス基板(G)を下記のポリエーテルスルホン(PES)基板に変更した以外は、実施例1と同様の方法にてシリコンウェハ又はPES基板に形成されたコーティング膜を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ25Åであった。

0153

(PES基板の作製)
ポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン)(Aldrich社製)0.01gを1,1,2,2−テトラクロロエタン(東京化成工業(株)製)0.99gに溶解して透明になるまで攪拌してPES溶液を調製した。上記PES溶液を上記ガラス基板(G)にスピン塗布し、200℃のホットプレートで5分間ベークしたものをPES基板とした。

0154

PESフィルム
バーコート法により作成された、市販のポリエーテルスルホン(PES)のフィルム(約0.1mm)を約1cm角にカットしたものをPESフィルムとした。

0155

(ポリエチレン(PE)樹脂基板、ポリプロピレン(PP)樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂基板及びポリテトラフルオロエチレンPTFE)樹脂基板)
カットプラドトコム(http://www.cutpla.com/ )から購入した各種基板を用いた。

0156

<実施例9>
SiO2蒸着された水晶振動子(Q−Sense,QSX304)を、UV/オゾン洗浄装置(UV253E、フィルジェン株式会社製)を用いて10分間洗浄した。上記コーティング膜形成用組成物(A)をスピン塗布し、乾燥工程として45℃のオーブンで12時間ベークした。その後、洗浄工程として過剰についた未硬化のコーティング膜形成用組成物を純水中で5分間超音波洗浄し、さらにPBSと純水で十分に洗浄し、表面処理済みQCMセンサー(SiO2)を得た。

0157

<実施例10>
上記コーティング膜形成用組成物(A)を、シリコンウェハ3枚に各々スピン塗布し、ホットプレートにて50℃にて各々10分、12時間、24時間乾燥させた。その後、コーティング膜上に付着している未硬化の膜形成用組成物を純水中で5分間超音波洗浄し、PBSと純水でさらに十分に洗浄を行って、コーティング膜が形成されたシリコンウェハを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ乾燥時間10分では22Å、乾燥時間12時間では21Å、乾燥時間24時間では36Åであった。

0158

<実施例11>
上記コーティング膜形成用組成物(A)を、シリコンウェハ2枚に各々スピン塗布し、ホットプレートにて100℃にて各々10分、12時間乾燥させた。その後、コーティング膜上に付着している未硬化の膜形成用組成物を純水中で5分間超音波洗浄し、PBSと純水でさらに十分に洗浄を行って、コーティング膜が形成されたシリコンウェハを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ乾燥時間10分では30Å、乾燥時間12時間では89Åであった。

0159

<実施例12>
上記コーティング膜形成用組成物(A)を、シリコンウェハにスピン塗布し、ホットプレートにて200℃にて10分乾燥させた。その後、コーティング膜上に付着している未硬化の膜形成用組成物を純水中で5分間超音波洗浄し、PBSと純水でさらに十分に洗浄を行って、コーティング膜が形成されたシリコンウェハを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ145Åであった。

0160

<実施例13>
上記コーティング膜形成用組成物(A)を、上記PES基板2枚に各々スピン塗布し、ホットプレートにて50℃にて各々12時間、24時間乾燥させた。その後、コーティング膜上に付着している未硬化の膜形成用組成物を純水中で5分間超音波洗浄し、PBSと純水でさらに十分に洗浄を行って、コーティング膜が形成されたPES基板を得た。上記PES基板にて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ乾燥時間12時間では29Å、乾燥時間24時間では29Åであった。

0161

(QCMセンサー(PES)の作成)
Au蒸着された水晶振動子(Q−Sense,QSX304)を、UV/オゾン洗浄装置(UV253E、フィルジェン株式会社製)を用いて10分間洗浄し、直後に1−デカンチオンール(東京化成工業(株)製)0.1012gをエタノール100mlに溶解した溶液中に24時間浸漬した。エタノールでセンサー表面を洗浄後自然乾燥し、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン)(Aldrich社製)1.00gを1,1,2,2−テトラクロロエタン99.00gに溶解したワニスをスピンコーターにて3500rpm/30secで膜センサー側にスピンコートし、205℃/1min乾燥することでQCMセンサー(PES)とした。

0162

<実施例14>
上記合成例5で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水5.10g、エタノール0.57gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。得られたコーティング膜形成用組成物中に、上記PESフィルム、シリコンウェハ又は上記ガラス基板(G)をディップし、オーブンにて45℃、12時間乾燥させた。その後、コーティング膜上に付着している未硬化の膜形成用組成物をPBSと純水で十分に洗浄を行って、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、PESフィルム又はガラス基板を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ65Åであった。また、上記コーティング膜形成用組成物を3500rpm/30secでQCMセンサー(PES)にスピンコートし、乾燥工程として45℃のオーブンで12時間ベークした。その後、洗浄工程として過剰についた未硬化のコーティング膜形成用組成物をPBSと超純水にて各2回ずつ洗浄し、表面処理済みQCMセンサー(PES)とした。

0163

<実施例15>
上記合成例6で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水7.27g、エタノール3.39gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、PESフィルム、ポリエチレン(PE)樹脂基板、ポリプロピレン(PP)樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂基板、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂基板、又は表面処理済みQCMセンサー(PES)を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ44Åであった。

0164

<実施例16>
上記合成例7で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水10.78g、エタノール4.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ59Åであった。

0165

<実施例17>
上記合成例8で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水13.11g、エタノール5.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ62Åであった。

0166

<実施例18>
上記合成例9で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水8.44g、エタノール3.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ55Åであった。

0167

<実施例19>
上記合成例10で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水14.35g、エタノール0.90gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ13Åであった。

0168

<実施例20>
上記合成例11で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水11.10g、エタノール1.23gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、PESフィルム、又は表面処理済みQCMセンサー(PES)を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ68Åであった。

0169

<実施例21>
上記合成例12で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水8.44g、エタノール3.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ49Åであった。

0170

<実施例22>
上記合成例13で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水8.44g、エタノール3.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、PESフィルム又はガラス基板を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ49Åであった。

0171

<実施例23>
上記合成例14で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水8.44g、エタノール3.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ50Åであった。

0172

<実施例24>
上記合成例15で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水8.44g、エタノール3.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ22Åであった。

0173

<実施例25>
上記合成例16で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水8.44g、エタノール3.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ22Åであった。

0174

<実施例26>
上記合成例6で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水4.85g、エタノール5.72g、1mol/Lアンモニア水0.095gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ39Åであった。

0175

<実施例27>
上記合成例6で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水4.95g、エタノール5.72g、ジエタノールアミン0.02g(東京化成工業(株)社製)を加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、PESフィルム、又は表面処理済みQCMセンサー(PES)を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ45Åであった。

0176

<実施例28>
上記合成例6で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水0.06g、エタノール10.60g、ジエタノールアミン0.20g(東京化成工業(株)社製)を加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、PESフィルム、又は表面処理済みQCMセンサー(PES)を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ68Åであった。

0177

<実施例29>
上記合成例6で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水0.02g、エタノール10.60g、コリン(48−50%水溶液)(東京化成工業(株)製)0.07gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、PESフィルム、又は表面処理済みQCMセンサー(PES)を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ122Åであった。

0178

<実施例30>
上記合成例6で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水4.99g、エタノール5.74g、水酸化ナトリウム0.05gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ38Åであった。

0179

<実施例31>
上記合成例6で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水4.01g、エタノール5.72g、1mol/Lアンモニア水0.95gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、PESフィルム、又は表面処理済みQCMセンサー(PES)を得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ40Åであった。

0180

<実施例32>
上記合成例6で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、PBS7.27g、エタノール3.39gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ55Åであった。

0181

<実施例33>
上記合成例17で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水22.45g、エタノール9.88gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ79Åであった。

0182

<実施例34>
上記合成例18で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水10.78g、エタノール4.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ28Åであった。

0183

<実施例35>
上記合成例19で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水10.78g、エタノール4.89gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ82Åであった。

0184

<実施例36>
上記合成例20で得られた共重合体含有ワニス1.00gに、純水22.45g、エタノール9.88gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。実施例14と同様の方法にて、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ11Åであった。

0185

<比較例1>
上記比較合成例1で得られた重合液1.00gに、純水1.80g、エタノール0.20gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。得られたコーティング膜形成用組成物を実施例1と同様の方法で処理したガラス基板又はシリコンウェハを得た。左記シリコンウェハを、光学式干渉膜厚計で膜厚を確認したところコーティング膜が製膜できていなかった(膜厚0Å)。

0186

<比較例2>
上記コーティング膜形成用組成物(A)を用い、乾燥工程を行なわない以外は実施例4と同様の方法で処理したシリコンウェハ又はガラス基板を得た。左記シリコンウェハを、光学式干渉膜厚計で膜厚を確認したところコーティング膜が製膜できていなかった(膜厚0Å)。

0187

<比較例3>
乾燥温度205℃、乾燥時間12時間以外は実施例1と同様の方法でシリコンウェハ又はガラス基板に形成されたコーティング膜を得た。光学式干渉膜厚計でコーティング膜の膜厚を確認したところ78Åであった。

0188

<比較例4>
コーティング膜形成用組成物を使用しない以外は実施例1と同じ方法にて処理を行い、ガラス基板を得た。

0189

<比較例5>
コーティング膜形成用組成物を使用しない以外は実施例7と同じ方法の処理を行ない、PS基板を得た。

0190

<比較例6>
コーティング膜形成用組成物を使用しない以外は実施例8と同じ方法の処理を行ない、PES基板を得た。

0191

<比較例7>
乾燥工程を行なわない以外は実施例9と同じ方法で表面処理済みQCMセンサーを得た。

0192

<比較例8>
コーティング膜形成用組成物を成膜しない以外は実施例9と同じ方法で表面処理済みQCMセンサーを得た。

0193

<比較例9>
PESフィルム、ポリエチレン(PE)樹脂基板、ポリプロピレン(PP)樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂基板、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂基板、又は上記QCMセンサー(PES)を、オーブンにて45℃、12時間乾燥させた。その後、PBSと純水でさらに十分に洗浄を行って、PESフィルム、ポリエチレン(PE)樹脂基板、ポリプロピレン(PP)樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂基板、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂基板又は表面処理済みQCMセンサー(PES)を得た。

0194

<比較例10>
上記比較合成例1で得られた重合液1.00gに、純水1.80g、エタノール0.20gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。得られたコーティング膜形成用組成物中に、上記PESフィルム、シリコンウェハ又は上記ガラス基板(G)をディップし、オーブンにて45℃、12時間乾燥させた。その後、コーティング膜上に付着している未硬化の膜形成用組成物をPBSと純水で十分に洗浄を行って、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計で膜厚を確認したところコーティング膜が製膜できていなかった(膜厚0Å)。
また、上記コーティング膜形成用組成物を3500rpm/30secでQCMセンサー(PES)にスピンコートし、乾燥工程として45℃のオーブンで12時間ベークした。その後、洗浄工程として過剰についた未硬化のコーティング膜形成用組成物をPBSと超純水にて各2回ずつ洗浄し、表面処理済みQCMセンサー(PES)とした。

0195

<比較例11>
ポリビニルピロリドン(K90)1.00g(東京化成工業(株)社製)に、純水59.40g、エタノール39.60gを加えて十分に攪拌し、コーティング膜形成用組成物を調製した。得られたコーティング膜形成用組成物中に、上記PESフィルム、シリコンウェハ又は上記ガラス基板(G)をディップし、オーブンにて45℃、12時間乾燥させた。その後、コーティング膜上に付着している未硬化の膜形成用組成物をPBSと純水で十分に洗浄を行って、コーティング膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板又はPESフィルムを得た。上記シリコンウェハを用いて光学式干渉膜厚計で膜厚を確認したところコーティング膜が製膜できていなかった(膜厚22Å)。
また、上記コーティング膜形成用組成物を3500rpm/30secでQCMセンサー(PES)にスピンコートし、乾燥工程として45℃のオーブンで12時間ベークした。その後、洗浄工程として過剰についた未硬化のコーティング膜形成用組成物をPBSと超純水にて各2回ずつ洗浄し、表面処理済みQCMセンサー(PES)とした。

0196

[血小板付着実験]
(血小板溶液の調製)
3.8質量%クエン酸ナトリウム溶液0.5mLに対して、健康なボランティアより採血した血液4.5mLを混和した後、遠心分離にて[冷却遠心機5900((株)久保田製作所製)、1000rpm/10分、室温]上層多血小板血漿PRP)を回収した。引き続き下層について遠心分離を行い(上記遠心機、3500rpm/10分、室温)、上層の乏血小板血漿(PPP)を回収した。多項目自動赤血球分析装置(XT−2000i、シスメックス(株)製)にてPRPの血小板数計測後、PPPを用いてPRPの血小板濃度が30×104cells/μLになるように調製した。

0197

(血小板付着実験)
実施例1乃至8、実施例14乃至23、実施例25乃至35、比較例1乃至6、比較例9及び比較例10のガラス基板、PS基板、PES基板、PP樹脂基板、PET樹脂基板、PTFE樹脂基板又はPESフィルムを24穴平底マイクロプレートコーニング社製)に配置した。これらの基板を配置したプレートのウェル内に、上記血小板濃度に調製したPRP溶液300μLを添加した。5%二酸化炭素濃度を保った状態で、37℃で24時間、CO2インキュベーター内にて静置した。所定の静置時間が経過した後、プレート内のPRPを除き、PBS3mLにて5回洗浄した。その後、2.5体積グルタルアルデヒドPBS溶液2mLを添加し、4℃で一昼夜静置後、グルタルアルデヒドのPBS溶液を除き、超純水(Milli−Q水)3mLで5回洗浄した。さらに、70%エタノール水(v/v)1mLで3回洗浄し、風乾した。

0198

血小板付着数の計測]
上記血小板付着実験を行った実施例1乃至8、実施例14乃至23、実施例25乃至38、比較例1乃至6、比較例9及び比較例10のガラス基板、PS基板、PES基板、PP樹脂基板、PET樹脂基板、PTFE樹脂基板又はPESフィルムに、イオンスパッター(E−1030、(株)日立ハイテクノロジーズ製)にてPt−Pdを1分間蒸着した。その後、電子顕微鏡(S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)にて血小板の付着を1,000倍で観察した。電子顕微鏡にてガラス基板の中心部から半径2mm以内5箇所の血小板付着数を計測した。各箇所の計測値を平均することで血小板付着数とした。その結果を下記表1〜4に示す。

0199

0200

0201

0202

0203

タンパク質付着試験QCM−D測定]
実施例9、比較例7及び比較例8によって表面処理されたQCMセンサーを散逸水晶振動子マイクロバランスQCM−D(E4、Q−Sense社製)に取り付け、周波数の変化が1時間で1Hz以下となる安定したベースライン確立するまでPBSを流した。次に、安定したベースラインの周波数を0Hzとして約10分間PBSを流した。引き続き、ヒト血清(Aldrich社製)をPBSで10%に希釈した溶液を約30分流し、その後再びPBSを約20分流した後の11次オーバートーンの吸着誘起周波数のシフト(Δf)を読み取った。その測定値を表5に示す。実施例9ではシフト値が0に近く、ヒト血清が吸着しなかったが、比較例7及び比較例8では実施例9と比較してヒト血清成分が吸着したことが示された。

0204

0205

[タンパク質付着試験;QCM−D測定(2)]
実施例14、15、20、27〜29、31、比較例9及び比較例11によって表面処理されたPESセンサーを散逸型水晶振動子マイクロバランスQCM−D(E4、Q−Sense社製)に取り付け、周波数の変化が1時間で1Hz以下となる安定したベースラインを確立するまでPBSを流した。次に、安定したベースラインの周波数を0Hzとして約10分間PBSを流した。引き続き、フィブリノゲン、ヒト血漿由来(和光純薬工業(株)社製)又はフィブロネクチン、ヒト血漿由来(シグマアルドリッチ社製)をPBSで100μg/mlに希釈した溶液を約30分流し、その後再びPBSを約20分流した後の11次オーバートーンの吸着誘起周波数のシフト(Δf)を読み取った。分析のためにQ−Tools(Q−Sense社製)を使用して、吸着誘起周波数のシフト(Δf)を、Sauerbrey式で説明される吸着誘起周波数のシフト(Δf)を単位面積当たりの質量(ng/cm2)と換算したものを生体物質の付着量として表6に示す。比較例と比較し、実施例は1桁多い各種タンパク質吸着量を示した。

0206

0207

液中接触角測定
PBS中におけるCH2I2(ジヨードメタン)の液中接触角を測定した。測定結果を表7に示す。

0208

0209

未コーティングのシリコンウェハ、PES基板につき、実施例10乃至実施例13と同条件にて液中接触角を測定すると、シリコンウェハ;144度、PES基板(PES膜厚300Å);60度であった。

0210

以上の結果から、液中表面接触角測定法において、PBS中におけるCH2I2のコーティング膜に対する接触角は137度乃至151度、より好ましくは139度乃至149度である。

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