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図面 (11)

課題・解決手段

本発明は、下記式(1)で表される化合物、この化合物の医薬的に許容され得る塩またはこの化合物の溶媒和物である、T型カルシウムチャネル阻害剤を提供する。本発明はまた、このT型カルシウムチャネル阻害剤、T型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬、T型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬も提供する。[化1] 式(1)[式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR11であり、R11はC1−3アルキルであり、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、ハロゲン原子、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)、−C1−3アルキル−フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルキルオキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)またはC10−50プレニル基である。]

概要

背景

イオンチャネルは、細胞膜を貫通したチャネルであり、リガンド依存性チャネルと電位依存性チャネルの2種類に大別される。近年、神経障害性疼痛メカニズムの1種として、電位依存性ナトリウムチャネルおよび電位依存性カルシウムチャネルが標的として見いだされた。電位依存性ナトリウムチャネルを標的とする薬物として、例えば、リドカインカルバマゼピンラモトリギンメキシレチンなどが知られている。また、電位依存性カルシウムチャネルを標的とする薬物として、例えば、ガバペンチンプレガバリンジコノチドなどが知られている。

神経障害性疼痛は、難治性であり、既存の鎮痛薬に対する反応が不十分であるという問題がある。また、確立された薬物療法であっても、その有効性を確実に予測することが難しく、他剤を併用しなければならないことも多い。日本ペインクリニック学会による神経障害性疼痛・薬物療法ガイドラインでは、高電位活性カルシウムチャネル阻害剤第一選択としてあげられているが、十分な治療効果が得られないことが多い。これらの阻害剤はまた、ふらつきなどの副作用が問題となっている。

電位依存性カルシウムチャネルは、活性化および不活性化電位の違いによって、高電位活性化タイプおよび低電位活性化タイプに2分類される。L型N型、P/Q型、およびR型カルシウムチャネルは大きな脱分極によって活性化されるため、高電位活性化カルシウムチャネルに分類される。これに対して、T型カルシウムチャネルは、小さな脱分極によって活性化されるため、低電位活性化カルシウムチャネルに分類される。

最近、T型カルシウムチャネルが、神経障害性疼痛の発症進展関与する事が報告され、T型カルシウムチャネル阻害剤が神経障害性疼痛の治療薬となり得る可能性が示唆されている。T型カルシウムチャネル阻害剤として、例えば、ミベフラジル(例えばTodorovic, Neuron, 2001, 31 (1), p.75-85(非特許文献1)参照)、エトスクシミド、(1S,2S)−2−[2−[[3−(1H−ベンジミダゾ−ル−2−イルプロピルメチルアミノエチル]−6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(1−メチルエチル)−2−ナフタルエニルシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩NNC55−0396)(例えば、Huang, J Pharmacol Exp Ther., 309(1), p.193-199(非特許文献2)参照)などが挙げられる。このようにT型カルシウムチャネル阻害剤として幾つかの化合物が既に見いだされているものの、副作用などの観点から、さらなる新たなT型カルシウムチャネル阻害剤の検討が必要とされている。

ところで、フラバノン骨格を有するフラバノン化合物は、天然抽出物などに含まれる化合物である。そしてこれらのフラバノン化合物は、様々な薬効が見いだされている。例えば、フラバノン化合物の1種であるソホラフラバノンGは、ニキビ菌フケ菌に対して増殖抑制作用を有する抗菌剤として用いることができることが見いだされている(特許第3327699号、特許文献1)。また、例えば特許第4393062号(特許文献2)には、8−プレニルナリンゲニンクシェノールX、8−プレニルケンペロールレアキアノンGおよびクシェノールEからなる群から選択されるフラボンと、アルカロイドイソフラボンカルコンおよびプテロカルパンを含有する、ソホラ種からの抽出物が、エストロゲンの代謝の異常によって引き起こされる病状を予防および治療できることが開示されている。一方で、フラバノン化合物が、T型カルシウムチャネル阻害作用を示すことは開示されていない。

概要

本発明は、下記式(1)で表される化合物、この化合物の医薬的に許容され得る塩またはこの化合物の溶媒和物である、T型カルシウムチャネル阻害剤を提供する。本発明はまた、このT型カルシウムチャネル阻害剤、T型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬、T型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬も提供する。[化1] 式(1)[式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR11であり、R11はC1−3アルキルであり、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、ハロゲン原子、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)、−C1−3アルキル−フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルキルオキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)またはC10−50プレニル基である。]

目的

本発明は、フラバノン化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、このようなT型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬、T型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

式(1)式(1)[式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR11であり、R11はC1−3アルキルであり、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、ハロゲン原子、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)、−C1−3アルキル−フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルキルオキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)またはC10−50プレニル基である。]で表される化合物、該化合物の医薬的に許容され得る塩または該化合物の溶媒和物である、T型カルシウムチャネル阻害剤

請求項2

前記R1およびR2は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR11であり、R11はC1−3アルキルであり、前記R3およびR4は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、前記R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基またはC10−50プレニル基である、請求項1記載のT型カルシウムチャネル阻害剤。

請求項3

前記R1およびR2は、それぞれ独立して、Hまたは−OHであり、前記R3およびR4は、それぞれ独立して、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、前記R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基またはC10−50プレニル基である、請求項1記載のT型カルシウムチャネル阻害剤。

請求項4

前記R1およびR2は、それぞれ独立して、Hまたは−OHであり、前記R3およびR4は、それぞれ−OHであり、前記R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C2−6アルケニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基または5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基である、請求項1記載のT型カルシウムチャネル阻害剤。

請求項5

請求項1〜4いずれかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬。

請求項6

請求項1〜4いずれかに記載のT型カルシウムチャネル阻害剤を含む、神経因性疼痛治療薬または予防薬

技術分野

0001

本発明は、フラバノン化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤に関し、また、このようなT型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬、T型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬に関する。

背景技術

0002

イオンチャネルは、細胞膜を貫通したチャネルであり、リガンド依存性チャネルと電位依存性チャネルの2種類に大別される。近年、神経障害性疼痛メカニズムの1種として、電位依存性ナトリウムチャネルおよび電位依存性カルシウムチャネルが標的として見いだされた。電位依存性ナトリウムチャネルを標的とする薬物として、例えば、リドカインカルバマゼピンラモトリギンメキシレチンなどが知られている。また、電位依存性カルシウムチャネルを標的とする薬物として、例えば、ガバペンチンプレガバリンジコノチドなどが知られている。

0003

神経障害性疼痛は、難治性であり、既存の鎮痛薬に対する反応が不十分であるという問題がある。また、確立された薬物療法であっても、その有効性を確実に予測することが難しく、他剤を併用しなければならないことも多い。日本ペインクリニック学会による神経障害性疼痛・薬物療法ガイドラインでは、高電位活性化カルシウムチャネル阻害剤が第一選択としてあげられているが、十分な治療効果が得られないことが多い。これらの阻害剤はまた、ふらつきなどの副作用が問題となっている。

0004

電位依存性カルシウムチャネルは、活性化および不活性化電位の違いによって、高電位活性化タイプおよび低電位活性化タイプに2分類される。L型N型、P/Q型、およびR型カルシウムチャネルは大きな脱分極によって活性化されるため、高電位活性化カルシウムチャネルに分類される。これに対して、T型カルシウムチャネルは、小さな脱分極によって活性化されるため、低電位活性化カルシウムチャネルに分類される。

0005

最近、T型カルシウムチャネルが、神経障害性疼痛の発症進展関与する事が報告され、T型カルシウムチャネル阻害剤が神経障害性疼痛の治療薬となり得る可能性が示唆されている。T型カルシウムチャネル阻害剤として、例えば、ミベフラジル(例えばTodorovic, Neuron, 2001, 31 (1), p.75-85(非特許文献1)参照)、エトスクシミド、(1S,2S)−2−[2−[[3−(1H−ベンジミダゾ−ル−2−イルプロピルメチルアミノエチル]−6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(1−メチルエチル)−2−ナフタルエニルシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩NNC55−0396)(例えば、Huang, J Pharmacol Exp Ther., 309(1), p.193-199(非特許文献2)参照)などが挙げられる。このようにT型カルシウムチャネル阻害剤として幾つかの化合物が既に見いだされているものの、副作用などの観点から、さらなる新たなT型カルシウムチャネル阻害剤の検討が必要とされている。

0006

ところで、フラバノン骨格を有するフラバノン化合物は、天然抽出物などに含まれる化合物である。そしてこれらのフラバノン化合物は、様々な薬効が見いだされている。例えば、フラバノン化合物の1種であるソホラフラバノンGは、ニキビ菌フケ菌に対して増殖抑制作用を有する抗菌剤として用いることができることが見いだされている(特許第3327699号、特許文献1)。また、例えば特許第4393062号(特許文献2)には、8−プレニルナリンゲニンクシェノールX、8−プレニルケンペロールレアキアノンGおよびクシェノールEからなる群から選択されるフラボンと、アルカロイドイソフラボンカルコンおよびプテロカルパンを含有する、ソホラ種からの抽出物が、エストロゲンの代謝の異常によって引き起こされる病状を予防および治療できることが開示されている。一方で、フラバノン化合物が、T型カルシウムチャネル阻害作用を示すことは開示されていない。

0007

特許第3327699号明細書
特許第4393062号明細書

先行技術

0008

Todorovic, Neuron, 2001, 31(1), p.75-85
Huang, J Pharmacol Exp Ther., 2004,309(1), p193-199

発明が解決しようとする課題

0009

本発明者らは、T型カルシウムチャネルを治療標的とした新しい鎮痛薬の開発を目指し、新たなT型カルシウムチャネル阻害剤を探索した。ここで、フラバノン化合物が強力にT型カルシウムチャネルを阻害することを見いだし、本発明を完成するに至った。

0010

本発明は、フラバノン化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、このようなT型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬、T型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、
式(1)



式(1)
[式(1)中、
R1およびR2は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR11であり、R11はC1−3アルキルであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、
R5およびR6は、それぞれ独立して、H、ハロゲン原子、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)、−C1−3アルキル−フェニル基(該フェニル基は、C1−6アルキルオキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)またはC10−50プレニル基である。]
で表される化合物、該化合物の医薬的に許容され得る塩または該化合物の溶媒和物である、T型カルシウムチャネル阻害剤、を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
上記R1およびR2は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR11であり、R11はC1−3アルキルであり、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基またはC10−50プレニル基であるのが好ましい。
また、上記R1およびR2は、それぞれ独立して、Hまたは−OHであり、R3およびR4は、それぞれ独立して、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基またはC10−50プレニル基であるのがより好ましい。
また、上記R1およびR2は、それぞれ独立して、Hまたは−OHであり、R3およびR4は、それぞれ−OHであり、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C2−6アルケニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基または5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基であるのがさらに好ましい。
本発明はまた、上記T型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬、および、上記T型カルシウムチャネル阻害剤を含む、神経因性疼痛治療薬または予防薬も提供する。

発明の効果

0012

本発明の、フラバノン化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤は、優れたT型カルシウムチャネル阻害作用を有する。本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤は、例えば、医療、医薬、予防薬の分野において、非常に有益である。

図面の簡単な説明

0013

実施例1の実験結果を示すグラフ図である。
実施例2の実験結果を示すグラフ図である。
実施例3の実験結果を示すグラフ図である。
実施例4の実験結果を示すグラフ図である。
実施例5の実験結果を示すグラフ図である。
実施例6の実験結果を示すグラフ図である。
ラット大動脈リング標本における、K50誘起収縮に対するDMSOの影響を示すグラフ図である。
ラット大動脈のリング標本における、K50誘起収縮に対するソフラフラバノンGの影響を示すグラフ図である。
ラット大動脈のリング標本における、K50誘起収縮に対する6−プレニルナリンゲニンの影響を示すグラフ図である。
ラット大動脈のリング標本における、K50誘起収縮に対する8−プレニルナリンゲニンの影響を示すグラフ図である。

0014

明細書中、「n−」はノルマルを意味し、「i−」はイソを意味し、「s−」はセカンダリーを意味し、「t−」はターシャリーを意味し、「c−」はシクロを意味する。以下に、各置換基を説明する。

0015

ハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。

0016

C1−3アルキル基としては、直鎖C1−3アルキル基、分岐C3アルキル基もしくはC3シクロアルキル基であってよく、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基およびc−プロピル基などが挙げられる。

0017

C1−3アルキル基は置換されていても、置換されていなくてもよい。置換基の例として、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基スルフヒドリル基アルキルチオ基アリールチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基フルオロアルキル基パーフルオロアルキル基アミノ基、アミノアルキル基、2置換アミノ基、ヒドロキシアルキル基カルボキシアルキル基およびカルボキシル基が挙げられる。

0018

C1−10アルキル基としては、直鎖C1−10アルキル基、分岐C3−10アルキル基もしくはC3−10シクロアルキル基であってよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、c−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、c−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、c−ペンチル基、2−メチル−c−ブチル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、c−ヘキシル基、1−メチル−c−ペンチル基、1−エチル−c−ブチル基、1,2−ジメチル−c−ブチル基、n−ヘプチル基、1−メチル−n−ヘキシル基、2−メチル−n−ヘキシル基、1,1−ジメチル−n−ペンチル基、1−エチル−n−ペンチル基、1,1,2−トリメチル−n−ブチル基、c−ヘプチル基、1−メチル−c−ヘキシル基、2−メチル−c−ヘキシル基、3−メチル−c−ヘキシル基、1−エチル−c−ペンチル基、2−エチル−c−ペンチル基、1,2−ジメチル−c−ペンチル基、1,3−ジメチル−c−ペンチル基、1,4−ジメチル−c−ペンチル基、n−オクチル基、1−メチル−n−ヘプチル基、2−メチル−n−ヘプチル基、1,1−ジメチル−n−ヘキシル基、1−エチル−n−ヘキシル基、1,1,2−トリメチル−n−ペンチル基、c−オクチル基、1−メチル−c−ヘプチル基、2−メチル−c−ヘプチル基、3−メチル−c−ヘプチル基、1−エチル−c−ヘキシル基、2−エチル−c−ヘキシル基、1,2−ジメチル−c−ヘキシル基、1,3−ジメチル−c−ヘキシル基、1,4−ジメチル−c−ヘキシル基、n−ノニル基、1−メチル−n−オクチル基、2−メチル−n−オクチル基、1,1−ジメチル−n−ヘプチル基、1−エチル−n−ヘプチル基、1,1,2−トリメチル−n−ヘキシル基、c−ノニル基、1−メチル−c−オクチル基、2−メチル−c−オクチル基、3−メチル−c−オクチル基、1−エチル−c−ヘプチル基、2−エチル−c−ヘプチル基、1,2−ジメチル−c−ヘプチル基、1,3−ジメチル−c−ヘプチル基、1,4−ジメチル−c−ヘプチル基、n−デシル基、1−メチル−n−ノニル基、2−メチル−n−ノニル基、1,1−ジメチル−n−オクチル基、1−エチル−n−オクチル基、1,1,2−トリメチル−n−ヘプチル基、c−デシル基、1−メチル−c−ノニル基、2−メチル−c−ノニル基、3−メチル−c−ノニル基、1−エチル−c−オクチル基、2−エチル−c−オクチル基、1,2−ジメチル−c−オクチル基、1,3−ジメチル−c−オクチル基、1,4−ジメチル−c−オクチル基、c−ペンチル−C1−5アルキル基、c−ヘキシル−C1−4アルキル基、c−ヘプチル−C1−3アルキル基、c−オクチル−C1−2アルキル基などが挙げられる。

0019

C1−10アルキル基は置換されていても、置換されていなくてもよい。置換基の例として、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、2置換アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびカルボキシル基が挙げられる。

0020

C2−6アルケニル基としては直鎖または分岐のものが含まれ、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−エテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−n−プロピルエテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、2−エチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1−i−プロピルエテニル基、1,2−ジメチル−1−プロペニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−メチル−1−ペンテニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、1−メチル−3−ペンテニル基、1−メチル−4−ペンテニル基、1−n−ブチルエテニル基、2−メチル−1−ペンテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、2−メチル−3−ペンテニル基、2−メチル−4−ペンテニル基、2−n−プロピル−2−プロペニル基、3−メチル−1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、3−メチル−4−ペンテニル基、3−エチル−3−ブテニル基、4−メチル−1−ペンテニル基、4−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、4−メチル−4−ペンテニル基、1,1−ジメチル−2−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1,2−ジメチル−1−ブテニル基、1,2−ジメチル−2−ブテニル基、1,2−ジメチル−3−ブテニル基、1−メチル−2−エチル−2−プロペニル基、1−s−ブチルエテニル基、1,3−ジメチル−1−ブテニル基、1,3−ジメチル−2−ブテニル基、1,3−ジメチル−3−ブテニル基、1−i−ブチルエテニル基、2,2−ジメチル−3−ブテニル基、2,3−ジメチル−1−ブテニル基、2,3−ジメチル−2−ブテニル基、2,3−ジメチル−3−ブテニル基、2−i−プロピル−2−プロペニル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、1−エチル−1−ブテニル基、1−エチル−2−ブテニル基、1−エチル−3−ブテニル基、1−n−プロピル−1−プロペニル基、1−n−プロピル−2−プロペニル基、2−エチル−1−ブテニル基、2−エチル−2−ブテニル基、2−エチル−3−ブテニル基、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル基、1−t−ブチルエテニル基、1−メチル−1−エチル−2−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル基、1−i−プロピル−1−プロペニル基および1−i−プロピル−2−プロペニル基などが挙げられる。
これらのC2−6アルケニル基の中でも、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1−i−プロピルエテニル基、1,2−ジメチル−1−プロペニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基および5−ヘキセニル基などがより好ましい。

0021

C2−6アルケニル基は置換されていても、置換されていなくてもよい。置換基の例として、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、2置換アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびカルボキシル基が挙げられる。

0022

C2−6アルキニル基としては直鎖または分岐のものが含まれ、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、1−メチル−3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニル基、2−エチル−2−プロピニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、1−メチル−2−ペンチニル基、1−メチル−3−ペンチニル基、1−メチル−4−ペンチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、2−メチル−4−ペンチニル基、3−メチル−1−ペンチニル基、3−メチル−4−ペンチニル基、4−メチル−1−ペンチニル基、4−メチル−2−ペンチニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基、1,1−ジメチル−3−ブチニル基、1,2−ジメチル−3−ブチニル基、2,2−ジメチル−3−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、1−エチル−2−ブチニル基、1−エチル−3−ブチニル基、1−n−プロピル−2−プロピニル基、2−エチル−3−ブチニル基、1−メチル−1−エチル−2−プロピニル基および1−i−プロピル−2−プロピニル基などが挙げられる。

0023

C2−6アルキニル基は置換されていても、置換されていなくてもよい。置換基の例として、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、2置換アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびカルボキシル基が挙げられる。

0024

C1−6アルキルオキシ基として、例えば、メチルオキシ基エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、i−ブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などが挙げられる。

0025

プレニル基とは一般に、炭素数5のイソプレン単位で構成される構造単位の総称を意味する。なお本明細書においては、プレニル基は、C10−50プレニル基、つまり炭素数5であるジメチルアリル基を除いたもの、を意味する。C10−50プレニル基として、具体的には、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基(炭素数10、ゲラニル基)、5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基(炭素数10)、ファルネシル基(炭素数15)、ゲラニルゲラニル基(炭素数20)、ゲラニルファルネシル基(炭素数25)、ヘキサプレニル基(炭素数30)、ヘプタプレニル基(炭素数35)、オクタプレニル基(炭素数40)、ノナプレニル基(炭素数45)、デカプレニル基(炭素数50)などが挙げられる。

0026

プレニル基は置換されていても、置換されていなくてもよい。置換基の例として、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、2置換アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびカルボキシル基が挙げられる。

0027

本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤は、下記式(1)に示される構造を有する。

0028

式(1)

0029

式(1)中、
R1およびR2は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR11であり、R11はC1−3アルキルであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、
R5およびR6は、それぞれ独立して、H、ハロゲン原子、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、フェニル基(このフェニル基は、C1−6アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)、−C1−3アルキル−フェニル基(このフェニル基は、C1−6アルキルオキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)またはC10−50プレニル基である。

0030

上記R1およびR2は、それぞれ独立して、Hまたは−OHであるのが、より好ましい。また、式(1)中、R1は4位であって−OHであるのがさらに好ましく、R2は2位であって−OHまたはHであるのがさらに好ましい。

0031

上記R3およびR4は、それぞれ独立して、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであるのが、より好ましい。R3およびR4は、それぞれ−OHであるのがさらに好ましい。

0032

上記R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基またはC10−50プレニル基であるのがより好ましい。ここで、R5およびR6としての好ましいC2−6アルケニル基として、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1−i−プロピルエテニル基、1,2−ジメチル−1−プロペニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などが挙げられる。特に好ましいC2−6アルケニル基として、3−メチル−2−ブテニル基が挙げられる。R5およびR6としての好ましいC10−50プレニル基として、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基(炭素数10、ゲラニル基)、5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基(炭素数10)、ファルネシル基(炭素数15)などが挙げられる。R5およびR6としてのC10−50プレニル基は、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基または5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基であるのが特に好ましい。

0033

R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C2−6アルケニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基または5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基であるのが、とりわけ好ましい。例えば、R5およびR6のいずれか一方がHであり、他方が、C2−6アルケニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基または5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基であるのが、特に好ましい。

0034

上記式(1)で表される化合物のうち、好ましい化合物として、
上記式(1)中、
R1およびR2は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR11であり、R11はC1−3アルキルであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、
R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基またはC10−50プレニル基である、
化合物が挙げられる。
また、上記式(1)で表される化合物のうち、より好ましい化合物として、
上記式(1)中、
R1およびR2は、それぞれ独立して、Hまたは−OHであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、−OHまたは−OR12であり、R12はC1−3アルキルであり、
R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C1−10アルキル基、C2−6アルケニル基またはC10−50プレニル基である、
化合物が挙げられる。

0035

上記式(1)で表される化合物のうち、さらに好ましい化合物として、
上記式(1)中、
R1およびR2は、それぞれ独立して、Hまたは−OHであり、
R3およびR4は、それぞれ−OHであり、
R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C2−6アルケニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基または5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基である、
化合物が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物のうち、特に好ましい化合物として、
上記式(1)中、
R1は4位であって−OHであり、R2は2位であってHまたは−OHであり、
R3およびR4は、それぞれ−OHであり、
R5およびR6は、それぞれ独立して、H、C2−6アルケニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基または5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基である、
化合物が挙げられる。ここで、R5およびR6のいずれか一方がHであり、他方が、C2−6アルケニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基または5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル基であるのが、特に好ましい。
なお、このような化合物は、ナリンゲニン化合物ということもできる。

0036

本発明において、上記式(1)で表される化合物の具体例として、例えば、以下の化合物が挙げられる:
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−8−[(R)−5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(ソホラフラバノンG)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−[(R)−5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−8−(3−メチル−2−ブテニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (8−プレニルナリンゲニン)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(3−メチル−2−ブテニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (6−プレニルナリンゲニン)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン (ナリンゲニン)
・(2S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−7−ヒドロキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (ブチン
・(2S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (エリオジクチオール
・5,7−ジヒドロキシ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン (ピノセムブリン)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン (ヘスペレチン
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン (ホモエリオジクチオール)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン (イソサクラネチン
・(2S)−5−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロクロメン−4−オン (サクラネチン
・(2S)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン (ステルビン
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−8−(3−メチル−2−ブテニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (レアキアノンG)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6,8−ビス(3−メチル−2−ブテニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (クシェノールE)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−8−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (8−ゲラニルナリンゲニン)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (6−ゲラニルナリンゲニン)。

0037

上記化合物のうち、
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−8−[(R)−5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(ソホラフラバノンG)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−[(R)−5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−8−(3−メチル−2−ブテニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (8−プレニルナリンゲニン)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(3−メチル−2−ブテニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (6−プレニルナリンゲニン)
・(2S)−5,7−ジヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン (ヘスペレチン)
が、本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤として特に好ましい。

0038

式(1)で表される化合物は、果物果実、植物の葉、根、、種子などの天然物から、分離精製によって調製してもよく、市販品を用いてもよい。また、有機合成によって調製してもよい。例えば、ナリンゲニンは、ナリンゲニンの配糖化物であるナリンギンを、酵素などを用いて加水分解することによって、調製することができる。ナリンギンは、グレーフルーツなどの柑橘類果皮果汁および/または種子から、一般的な溶媒抽出手段などによって、分離することができる。次いで、水溶液中に、得られたナリンギンとナリンキナーゼとを入れて作用させることによって、ナリンゲニンを得ることができる(酵素利用ハンドブック小崎道雄 地人書刊など参照)。また、例えばSigma-Aldrich (St. Louis, MO)社から販売される、市販のナリンゲニンを用いてもよい。

0039

ソホラフラバノンGは、例えば、マメ科植物由来フィトアレキシンを、多段階クロマトグラフィーなどで分離精製することによって得ることができる。また、マメ科クララの根である苦参クジン)を、クロロホルムで抽出し、得られたクロロホルムエキスを、クロロホルム/メタノール混液系およびヘキサンアセトン混液系のシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供するなどといった分離精製によって得ることができる。

0040

8−プレニルナリンゲニンは、例えば、ナリンゲニンおよびナトリウムメトキシドを、メタノール:エーテル混液中で混合し、その中にイソペンテニルブロミドを添加し、次いで溶媒を溜去して、エーテルで溶解した後、Dowex 1−X4カラムクロマトグラフィーに供することにより、0.5%酢酸/メタノール(1:4)溶出画分として得ることができる。また、Sigma-Aldrich (St. Louis, MO)社から販売される、市販の8−プレニルナリンゲニンを用いてもよい。

0041

6−プレニルナリンゲニンは、例えば、ナリンゲニンおよびナトリウムメトキシドを、メタノール:エーテル混液中で混合し、その中にイソペンテニルブロミドを添加し、次いで溶媒を溜去して、エーテルで溶解した後、Dowex 1−X4カラムクロマトグラフィーに供することにより、1.0%酢酸/メタノール(1:4)溶出画分として得ることができる。他の方法として、ホップの硬樹脂(Hard resin)を、Dowex 1−X4カラムクロマトグラフィーに供し、1.0%酢酸/メタノール(1:4)を得て、これをエーテルと10%炭酸ナトリウム水溶液と溶媒分画し、得られた10%炭酸ナトリウム水溶液を1N HClで酸性とした後、エーテルで抽出し、次いで水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮し、結晶化することによっても得ることができる。また、Sigma-Aldrich (St. Louis, MO)社から販売される、市販の6−プレニルナリンゲニンを用いてもよい。

0042

ヘスペレチンは、ヘスペレチンの配糖体であるヘスペリジンを、酵素などを用いて加水分解することによって、調製することができる。ヘスペリジンは、例えば、温州みかん夏みかんなどの柑橘類の果皮、果汁および/または種子から、一般的な溶媒抽出手段などによって、分離することができる。また、例えばハマリ産業株式会社から販売される、市販のヘスペリジンを用いてもよい。次いで、水溶液中に、得られたヘスペリジンと、ヘスペリジナーゼ、ナリンギナーゼラムノシダーゼまたはグルコシダーゼなどの酵素とを入れて作用させることによって、ヘスペレチンを得ることができる。

0043

エリオジクチオールおよびステルビンは、例えば、イエルバサンタ、レモンローズヒップなどの天然物の抽出物を、多段階クロマトグラフィーなどで分離精製することによって得ることができる。
ピノセムブリンは、例えば、蜂蜜プロポリスなどの天然物を、多段階クロマトグラフィーなどで分離精製することによって得ることができる。
これらはいずれも、市販品を用いてもよい。例えばヘスペレチン、エリオジクチオールなどは、Sigma-Aldrich (St. Louis, MO)社から入手することができる。

0044

本発明の上記式(1)で表されるT型カルシウムチャネル阻害剤において、上記式(1)で表される化合物は、塩を形成した状態であってもよい。すなわち、上記式(1)で表される化合物の医薬的に許容され得る塩も、T型カルシウムチャネル阻害剤として用いることができる。医薬的に許容され得る塩として、例えば、塩酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩臭化水素酸塩酢酸塩安息香酸塩酒石酸塩乳酸塩リンゴ酸塩サリチル酸塩リン酸塩マレイン酸塩フマル酸塩などが挙げられる。

0045

本発明の上記式(1)で表されるT型カルシウムチャネル阻害剤において、上記式(1)で表される化合物は、溶媒和物の状態であってもよい。溶媒和物としては、医薬的に許容され得るものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、水和物、およびエタノール和物などのアルコール和物、などを挙げることができる。

0046

本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤には、上記式(1)で表されるT型カルシウムチャネル阻害剤のプロドラッグも含まれる。用語「プロドラッグ」とは、体内で、例えば血中での加水分解によって、薬理作用を有する活性形に変換される化合物を意味する。薬理的に許容しうるプロドラッグの例は文献[T. ヒグチおよびV. ステラ新規ドラッグデリバリーシステムとしてのプロドラッグ(Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems)、“薬物設計における生体可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)”、エドワードB. ロッシュ編、米国薬学会およびペルガモンプレス(American Pharmaceutical Association and Pergamon Press)、A.C.S. Symposium Series、第14巻、(1987);およびD.フレシャー、R.ボンおよび B. H.スチュワート、“経口ドラッグデリバリーの改善:プロドラッグの使用による可溶性限界の克服(Improved oral drug delivery: Solubility limitations overcome by the use of prodrugs)”、Advanced Drug Delivery Reviews(1996)19(2):115-130)]に記載されている。プロドラッグの例として、式(I)で表される化合物が水酸基を有する場合は、式(I)で示される化合物と、アシルハライド酸無水物またはハロゲン化アルキルオキシカルボニル化合物とを反応させることによって調製される、アシルオキシ誘導体などのプロドラッグなどが挙げられる。

0047

本発明のT型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬は、例えば、一般的な錠剤カプセル剤散剤顆粒剤丸剤経口用液剤シロップ剤)などの経口投与剤直腸投与剤、経鼻吸収剤経膣吸収剤などの経粘膜吸収剤、経肺吸収剤、吸入剤点眼剤経皮吸収剤あるいは注射剤として投与することができる。本発明の治療薬または予防薬において、本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤は、1個の治療剤として用いてもよく、あるいは他の治療剤との混合物として用いてもよい。投与の際には、一般的には、医薬組成物の形態で投与される。

0048

本発明の治療薬または予防薬は、必要に応じた、薬理的・製剤学的に許容され得る添加物を用いて、当業者に一般的な方法により製造することができる。例えば錠剤、カプセル剤または顆粒剤の場合は、通常用いられる賦形剤滑沢剤結合剤崩壊剤湿潤剤可塑剤コーティング剤などの添加物を用いて調製することができる。経口用液剤は、水性または油性懸濁液、溶液乳濁液シロップエリキシルなどの形態であってもよく、また使用前に水または他の適したな溶媒で調製するドライシロップとして供されてもよい。このような経口用液剤は、懸濁化剤香料希釈剤または乳化剤などの通常用いられる添加剤を用いて調製することができる。

0049

座剤は、カカオ脂ラウリン脂マクロゴールグリセロゼラチンウィテプゾール、ステアリン酸ナトリウムまたはそれらの混合物など、適した物質基剤として、必要に応じた乳化剤、懸濁化剤、保存剤などの添加剤を用いて調製することができる。注射剤は、注射用蒸留水生理食塩水、5%ブドウ糖溶液プロピレングリコールなどの溶解剤、そして必要に応じた溶解補助剤pH調節剤等張化剤安定化剤などの添加剤を用いて調製することができる。

0050

本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤をヒトに投与する場合の投与量は、投与される患者年齢および状態に応じて調整することができる。患者が通常成人の場合は、経口剤または直腸内投与では、一般に0.1〜1000mg/ヒト/日程度であり、注射剤では、一般に0.05mg〜500mg/ヒト/日程度である。なお、これらの数値は、あくまでも例示であり、薬剤の投与量は、患者の症状などにあわせて決定される。

0051

本発明のT型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬として、例えば、神経障害性疼痛などの、神経因性疼痛の治療薬または予防薬が挙げられる。なお、本発明のT型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬は、上記神経因性疼痛治療薬または予防薬に限定されるものではない。本発明のT型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の、他の治療薬または予防薬として、例えば、てんかん治療薬または予防薬、高アルドステロン血症治療薬または予防薬、炎症治療薬または予防薬、浮腫治療薬または予防薬、心肥大治療薬または予防薬、心不全治療薬または予防薬、心筋症治療薬または予防薬、心房細動治療薬または予防薬、頻脈性不整脈治療薬または予防薬、動脈硬化治療薬または予防薬、腎炎治療薬または予防薬、腎障害治療薬または予防薬、腎不全治療薬または予防薬などが挙げられる。

0052

なお、本明細書中に引用された全ての刊行物、特許および特許出願は、その全体が、参考文献として本明細書中に援用される。

0053

以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「%」は、ことわりのない限り重量基準による。

0054

調製例各化合物の調製
下記化合物を、以下の方法により調製または入手した。

・ソホラフラバノンG:
クジン2kgをクロロホルムで抽出して、抽出エキスを得た。得られたクロロホルム抽出エキスを、クロロホルム/メタノール混液系およびヘキサン/アセトン混液系のシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、TLC分析から目的の化合物を含む分画を検出した。次いで下記条件で分取HPLCを行うことにより、ソホラフラバノンGを単離した。
HPLC:600 Pump(Waters),2489 UV/Visible Detector(Waters)、カラム:YMC-PackODS-AM(250×20 mm i.d.,YMC Co., Ltd.)、ガードカラム:YMC-Guardpack ODS-AM(50×20 mm i.d.,YMC Co., Ltd.)、移動相:A液;0.1% acetic acid、B液;acetonitrile(0 min;A液:B液=20:80、30 min;A液:B液=5:95)流速:10.0 mL/min、検出波長:UV(280 nm)、保持時間(t R):12 min。
ソホラフラバノンGの溶解溶媒として、DMSO(ジメチルスルホキシド)を用いた。

・6−プレニルナリンゲニン
Sigma-Aldrich (St. Louis, MO)社より購入した。
6−プレニルナリンゲニンの溶解溶媒として、DMSOを用いた。

・8−プレニルナリンゲニン
Sigma-Aldrich (St. Louis, MO)社より購入した。
8プレニルナリンゲニンの溶解溶媒として、DMSOを用いた。

0055

実施例1ホールセルパッチクランプ法による、ソホラフラバノンGの、T型カルシウムチャネルの阻害作用
ヒトT型カルシウムチャネルを強制発現させた、ヒト腎細胞由来細胞株EK293細胞を用いて、ホールセルパッチ法により、ソホラフラバノンGによるT型カルシウムチャネルの阻害作用を測定した。
ホールセルパッチ法は、外液および内液として、下記に示す組成のものを用いて、保持電位(holding potential)を−80mVとし、−80mVから−20mVへの電位ジャンプにおいて、内向き電流として流れるバリウム電流を測定した。ここで、高閾値活性化型カルシウムチャネルの影響を除くために、ピーク電流から刺激開始150ms後の電流を差し引いた値を、Tチャネル電流(T−current)としてデータ解析に用いた。

0056

外液組成
以下を含む水溶液:
97mM N−メチル−D−グルカミン(NMDG)
10mM BaCl2
10mM 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸HEES
40mMテトラエチルアンモニウムクロライド(TEA−Cl)
5mMグルコース
(pH 7.4)

0057

液組成
以下を含む水溶液:
4mM MgCl2
140mM CsCl
10mMHEPES
5mMグリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)
(pH 7.2)

0058

上記実験により得られたデータを下記表に示す。

0059

上記実験により得られたデータを図1に示す。図1では、溶媒(DMSO)を添加した時のT−currentに対する、化合物添加時のT−currentの比率(%)で表した。

0060

実施例2ホールセルパッチクランプ法による、6−プレニルナリンゲニンの、T型カルシウムチャネルの阻害作用
ソホラフラバノンGを6−プレニルナリンゲニンに代えたこと以外は、実施例1と同様にして、6−プレニルナリンゲニンのT型カルシウムチャネルの阻害作用を測定した。

0061

上記実験により得られたデータを下記表に示す。

0062

上記実験により得られたデータを図2に示す。

0063

実施例3ホールセルパッチクランプ法による、8−プレニルナリンゲニンの、T型カルシウムチャネルの阻害作用
ソホラフラバノンGを8−プレニルナリンゲニンに代えたこと以外は、実施例1と同様にして、6−プレニルナリンゲニンのT型カルシウムチャネルの阻害作用を測定した。

0064

上記実験により得られたデータを下記表に示す。

0065

上記実験により得られたデータを図3に示す。

0066

実施例1〜3における各化合物のIC50値(nM)を下記表に示す。これらのIC50値は、上記実施例1〜3の結果を用いてGraphPad Prism(登録商標) (GraphPad Software, Inc.)により算出した値である。

0067

0068

上記実施例より、各実施例で用いた化合物はいずれも、優れたT型カルシウムチャネル阻害作用を有することが分かる。

0069

実施例4 NaHS誘起痛覚過敏に対するソホラフラバノンGの作用
雄性ddY系マウス足底内に、0.1nmol/paw(容量10μL/paw)のNaHS(硫化水素ナトリウム)を単独で、あるいは0.1nmol/pawのNaHSと、1、10または30pmol/pawのソホラフラバノンGとを併用投与して、von Frey filamentを用いたUp and down法により、NaHS誘起痛覚過敏に対するソホラフラバノンGの作用を測定した。
ここでNaHS(硫化水素ナトリウム)は、H2Sドナーとして用いている。H2Sは、Cav3.2 T型カルシウムチャンネルを介して痛みの情報伝達に関与する、痛覚過敏誘起物質である(Kawabata A. et al. Hydrogen sulfide as a novel nociceptive messenger. Pain. 2007 Nov;132(1-2):74-81. Epub 2007 Mar 7.参照)。

0070

上記実験により得られたデータを下記表に示す。

0071

0072

この実験により得られたデータを図4に示す。上記表および図4に示されるように、ソホラフラバノンGが、NaHS誘起痛覚過敏を阻止しており、T型カルシウムチャネル阻害作用を示していることが分かる。

0073

実施例5 NaHS誘起痛覚過敏に対する6−プレニルナリンゲニンの作用
ソホラフラバノンGの代わりに6−プレニルナリンゲニンを用いたこと以外は、実施例4と同様にして、NaHS誘起痛覚過敏に対する6−プレニルナリンゲニンの作用を測定した。得られたデータを下記表に示す。

0074

0075

この実験により得られたデータを図5に示す。上記表および図5に示されるように、6−プレニルナリンゲニンが、NaHS誘起痛覚過敏を阻止しており、T型カルシウムチャネル阻害作用を示していることが分かる。

0076

実施例6 NaHS誘起痛覚過敏に対する8−プレニルナリンゲニンの作用
ソホラフラバノンGの代わりに8−プレニルナリンゲニンを用いたこと以外は、実施例4と同様にして、NaHS誘起痛覚過敏に対する8−プレニルナリンゲニンの作用を測定した。得られたデータを下記表に示す。

0077

0078

この実験により得られたデータを図6に示す。上記表および図6に示されるように、8−プレニルナリンゲニンが、NaHS誘起痛覚過敏を阻止しており、T型カルシウムチャネル阻害作用を示していることが分かる。

0079

実施例7L型Ca2+チャネルに対するソフラフラバノンGの作用
1.実験動物
実験には7〜10週齢の雄性Wistar系ラット(Japan SLC, Inc., Shizuoka, Japan)を使用した。これら実験動物には、水道水および固形飼料(Oriental Yeast Co., Ltd., Tokyo, Japan)を自由に摂取させ、室温約24℃で12時間の明暗サイクルが管理された部屋で飼育した。

0080

2.標本の作製
ラットをエーテル麻酔下で頸動脈を切断して脱血死させ、胸部大動脈摘出した。胸部大動脈は、冷却したmodified Kreb’s液中結合組織および脂肪を除去した。この胸部大動脈から幅1mmの輪状標本を作製し、標本の内腔ゴム擦過することで内皮を除去した。内皮の除去は、フェニレフリン(phenylephrine:Phe)で前収縮させた標本にアセチルコリン(acetylcholine:Ach)を作用させ、弛緩反応がみられないことで確認した。

0081

3.張力測定
幅1mmの輪状標本の内腔に、100μmのタングステンワイヤーを2本通し、容積10mLの液槽に移した。この液槽は二重ガラス構造になっており、恒温槽で37℃に温めた温湯を液槽の外層循環することで一定温度の実験条件を保った。輪状標本の内腔に通したタングステンワイヤーの他方は張力トランスジューサーに固定し、その張力変化等尺性に測定した。張力トランスジューサーからの信号は、血圧アンプを通し、ペン記録機で記録した。1gの強さの初期進展張力は、normal Kreb’s液中でかけ、1時間、標本を平衡にさせてから、フェニレフリン10−6M液で1回収縮させた。この手順は安定した結果を得るために必要であった。実験の最後にベラパミル(verapamil:Vera、10−5M)とパパベリン(papaverine、10−4M)を添加して、標本を完全に弛緩させ、すべての張力変化はこのレベルを0として測定した。

0082

4.試薬
使用した試薬は以下の通りである。
・Normal Kreb’s液:NaCl 118mM、KCl 4.7mM、CaCl2 2.5mM、MgCl2 1.2mM、NaHCO3 25mM、KH2PO4 1.2mMおよびグルコース10mMを、H2Oで1Lにメスアップし、O2 95%、CO2 5%混合ガスで10分間通気した後、CaCl2 1M溶液を、2.5mL添加した。
・Kreb’s液(K50):NaCl 73.9mM、KCl 48.8mM、CaCl2 2.5mM、MgCl2 1.2mM、NaHCO3 25mM、KH2PO4 1.2mMおよびグルコース 10mMを、H2Oで1Lにメスアップし、O2 95%、CO2 5% 混合ガスで10分間通気した後、CaCl2 1M溶液を、2.5mL添加した。
・アセチルコリン塩酸塩(Ach、Sigma社製)
・ベラパミル塩酸塩(vera、エーザイ(東京)社製)
・パパベリン塩酸塩(Sigma社製)

0083

5.結果
血管内皮を除去したラットの大動脈平滑筋標本を用いた収縮実験により、T型カルシウムチャネル抑制効果を示したソフラフラバノンGのL型Ca2+チャネルへの影響を検討した。フェニレフリン10−6Mで収縮させた標本にアセチルコリン10−5Mで作用させ弛緩が見られないことで内皮が完全に除去されていることを確認した。その後、Normal Krebs液で標本を3回洗い、カリウムイオン50 mMを含むKreb’s液(K50)で前収縮させた標本に、DMSOに溶解させたソホラフラバノンG 1μMを1μL(終濃度:0.001μM)、1μMを2μL(終濃度:0.003μM)、1μMを7μL(終濃度:0.01μM)、10μMを2μL(終濃度:0.03μM)、10μMを7μL(終濃度:0.1μM)、100μMを2μL(終濃度:0.3μM)、100μMを7μL(終濃度:1μM)および1000μMを2μL(終濃度:3μM)を、10mLのKreb’s液が入った液槽に累積添加した。血管内皮を除去したラットの大動脈平滑筋標本を用いた収縮実験により、T型カルシウムチャネル抑制効果を示したソフラフラバノンGの、L型Ca2+チャネルへの影響を検討した。K50による収縮に対する抑制率(%)を下記表に、測定チャート図8に示す。

0084

0085

なお、ソホラフラバノンGの溶解溶媒として用いたDMSOの、L型Ca2+チャネルへの影響の測定結果を下記表および図7に示す。

0086

上記表および図8に示されるように、ソフラフラバノンGは、K50で前収縮させた標本を弛緩させなかった。この測定結果より、ソフラフラバノンGは、L型カルシウムチャネルに対して作用しないことが確認された。

0087

実施例8L型Ca2+チャネルに対する6−プレニルナリンゲニンの作用
ソフラフラバノンGの代わりに6−プレニルナリンゲニンを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、L型Ca2+チャネルへの影響を検討した。K50による収縮に対する抑制率(%)を下記表に、測定チャートを図9に示す。

0088

0089

上記表および図9に示されるように、6−プレニルナリンゲニンは、K50で前収縮させた標本を弛緩させなかった。この測定結果より、6−プレニルナリンゲニンは、L型カルシウムチャネルに対して作用しないことが確認された。

0090

実施例9L型Ca2+チャネルに対する8−プレニルナリンゲニンの作用
ソフラフラバノンGの代わりに8−プレニルナリンゲニンを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、L型Ca2+チャネルへの影響を検討した。K50による収縮に対する抑制率(%)を下記表に、測定チャートを図10に示す。

0091

0092

上記表および図10に示されるように、8−プレニルナリンゲニンは、K50で前収縮させた標本を弛緩させなかった。この測定結果より、8−プレニルナリンゲニンは、L型カルシウムチャネルに対して作用しないことが確認された。

0093

これらの実験によって、ソフラフラバノンG、6−プレニルナリンゲニンおよび8−プレニルナリンゲニンのいずれもが、L型カルシウムチャネルに作用しないことが確認された。つまり、ソフラフラバノンG、6−プレニルナリンゲニンおよび8−プレニルナリンゲニンは、いずれも、T型カルシウムチャネルに対して作用する一方で、L型カルシウムチャネルに対して作用しない、T型カルシウムチャネル特異的阻害剤(T型カルシウムチャネル選択的阻害剤)であることが確認された。
T型カルシウムチャネル特異的(選択的)阻害剤であることによって、例えば心筋収縮抑制作用血管平滑筋弛緩作用といったL型カルシウムチャネル阻害剤によって引き起こされる作用を伴うことない、より安全な治療薬(例えば神経因性疼痛治療薬など)として用いることができる。より具体的には、心筋収縮抑制作用および血管平滑筋弛緩作用を伴わないことによって、心拍出量の低下や血管の拡張が生じ難くなり、血圧低下起立性低血圧あるいは浮腫などの心血管系の異常に起因する副作用を低減することができるという利点がある。

0094

製剤例1
本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤を含む顆粒剤を、以下に従って製造した。



6−プレニルナリンゲニンと乳糖を60メッシュのふるいに通し、コーンスターチを120メッシュのふるいに通した。これらをV型混合機にて混合した。混合粉末に、低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液を添加し、練合した。得られた生成物造粒押し出し造粒孔径0.5〜1mm)した後、乾燥した。得られた乾燥顆粒振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過して、顆粒剤を得た。

実施例

0095

製剤例2
本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤を含む静脈用製剤を、以下に従って製造した。



上記成分の溶液は通常、1分間に1mlの速度で、患者に静脈内投与される。

0096

本発明の、フラバノン化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤は、優れたT型カルシウムチャネル阻害作用を有する。本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤は、例えば、医療、医薬、予防薬の分野において、非常に有益である。

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