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技術 画像表示装置

出願人 東洋紡株式会社
発明者 斎宮芳紀林原幹也
出願日 2014年5月7日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2014-525241
公開日 2017年2月23日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 WO2014-185312
状態 特許登録済
技術分野 偏光要素 液晶4(光学部材との組合せ) 要素組合せによる可変情報用表示装置1
主要キーワード 網目状電極 クリップ幅 酸化ケイ素ゲル 適宜厚み 横斜め フィルム群 特定数値 II層
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題・解決手段

良好な視認性を維持しつつ、更なる薄型化を可能にする画像表示装置を提供すること。(1)連続的な発光スペクトルを有する白色光源、(2)画像表示セル、(3)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光板、及び(4)前記偏光板より視認側にポリエステルフィルムを有し、前記ポリエステルフィルムは、下記の物性(a)〜(c):(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re) ;(b)1.0以上であるリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)との比(Re/Rth);及び(c)0.12以下である面配向度(ΔP);を満たす、画像表示装置。

概要

背景

画像表示装置は、携帯電話タブレット端末パーソナルコンピューターテレビ、PDA、電子辞書カーナビゲーション音楽プレーヤーデジタルカメラデジタルビデオカメラ携帯用ゲーム機等において幅広く実用化されている。画像表示装置の小型化、軽量化が進むにつれて、その利用はもはやオフィス屋内に限られず、屋外及び車や電車等での移動中の利用も拡大している。

そのような中、画像表示装置をサングラス等の偏光フィルタを介して視認する機会が増加している。このような画層表示装置の利用に関連して、特許文献1には、画像表示装置の視認側偏光板を構成する視認側にリタデーションが3000nm未満の高分子フィルムを用いた場合に、偏光板を通して画面を観察すると強い干渉色が現れるという問題が報告されている。そして、特許文献1には、前記の問題を解決する手段として、視認側の偏光板より視認側に用いる高分子フィルムのリタデーションを3000〜30000nmにすることが記載されている。

概要

良好な視認性を維持しつつ、更なる薄型化を可能にする画像表示装置を提供すること。(1)連続的な発光スペクトルを有する白色光源、(2)画像表示セル、(3)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光板、及び(4)前記偏光板より視認側にポリエステルフィルムを有し、前記ポリエステルフィルムは、下記の物性(a)〜(c):(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re) ;(b)1.0以上であるリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)との比(Re/Rth);及び(c)0.12以下である面配向度(ΔP);を満たす、画像表示装置。

目的

本発明は、良好な視認性有し、且つ、更なる薄型化が可能な画像表示装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

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請求項1

(1)連続的な発光スペクトルを有する白色光源、(2)画像表示セル、(3)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光板、及び(4)前記偏光板より視認側にポリエステルフィルムを有し、前記ポリエステルフィルムは、下記の物性(a)〜(c):(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re);(b)1.0以上であるリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)との比(Re/Rth);及び(c)0.12以下である面配向度(ΔP);を満たす、画像表示装置

請求項2

前記ポリエステルフィルムが下記の物性(d):(d)0.1以上である複屈折率(ΔNxy)を満たす、請求項1に記載の画像表示装置。

請求項3

前記ポリエステルフィルムが、その配向主軸が前記偏光板の偏光軸に対して略45度となるように配置される、請求項1又は2に記載の画像表示装置。

請求項4

前記ポリエステルフィルムの厚みが、20μm以上90μm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。

請求項5

前記ポリエステルフィルムの引裂強度が、50mN以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置。

請求項6

前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置。

請求項7

下記の物性(a)〜(c):(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re) ;(b)1.0以上であるリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)との比(Re/Rth);及び(c)0.12以下である面配向度(ΔP);を満たす、ポリエステルフィルム。

技術分野

0001

本発明は、画像表示装置に関する。

背景技術

0002

画像表示装置は、携帯電話タブレット端末パーソナルコンピューターテレビ、PDA、電子辞書カーナビゲーション音楽プレーヤーデジタルカメラデジタルビデオカメラ携帯用ゲーム機等において幅広く実用化されている。画像表示装置の小型化、軽量化が進むにつれて、その利用はもはやオフィス屋内に限られず、屋外及び車や電車等での移動中の利用も拡大している。

0003

そのような中、画像表示装置をサングラス等の偏光フィルタを介して視認する機会が増加している。このような画層表示装置の利用に関連して、特許文献1には、画像表示装置の視認側偏光板を構成する視認側にリタデーションが3000nm未満の高分子フィルムを用いた場合に、偏光板を通して画面を観察すると強い干渉色が現れるという問題が報告されている。そして、特許文献1には、前記の問題を解決する手段として、視認側の偏光板より視認側に用いる高分子フィルムのリタデーションを3000〜30000nmにすることが記載されている。

先行技術

0004

WO2011/058774

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、市場においては、画像表示装置の一層の薄型が求められているところ、単に、リタデーションを3000〜30000nmに制御しただけでは、の発生により視認性の悪化は解消できるものの、フィルムの厚みを薄くすると機械的強度が顕著に低下するため、薄型化の要望への対応することが困難であった。そこで、本発明は、良好な視認性有し、且つ、更なる薄型化が可能な画像表示装置を提供することを1つの目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、ポリエステルフィルム面配向度を一定以下に制御することにより、リタデーションの値を3000以上30000以下に維持し、良好な視認性を保ちながら、フィルムの機械的強度を高め、フィルムの厚みをより薄くすることが可能であることを見出した。そして、本発明者らは、そのような改良型ポリエステルフィルムを画像表示装置に使用することにより、視認性に優れ、更なる薄型化が可能な画像表示装置が得られることを見出した。本発明者等は、斯かる知見に基づき、更なる検討と改良を重ね、本発明を完成するに至った。

0007

代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.
(1)連続的な発光スペクトルを有する白色光源
(2)画像表示セル
(3)前記画像表示セルより視認側に配置される偏光板、及び
(4)前記偏光板より視認側にポリエステルフィルムを有し、
前記ポリエステルフィルムは、下記の物性(a)〜(c):
(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re) ;
(b)1.0以上であるリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)との比(Re/Rth);及び
(c)0.12以下である面配向度(ΔP);
を満たす、
画像表示装置。
項2.
前記ポリエステルフィルムが下記の物性(d):
(d)0.1以上である複屈折率(ΔNxy)
を満たす、項1に記載の画像表示装置。
項3.
前記ポリエステルフィルムが、その配向主軸が前記偏光板の偏光軸に対して略45度となるように配置される、項1又は2に記載の画像表示装置。
項4.
前記ポリエステルフィルムの厚みが、20μm以上90μm以下である、項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
項5.
前記ポリエステルフィルムの引裂強度が、50mN以上である、項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置。
項6.
前記連続的な発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置。
項7.
下記の物性(a)〜(c):
(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re) ;
(b)1.0以上であるリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)との比(Re/Rth);及び
(c)0.12以下である面配向度(ΔP);
を満たす、ポリエステルフィルム。

発明の効果

0008

本発明の画像表示装置は、一定の物性を満たす改良型のポリエステルフィルムを用いることによって、偏光フィルタを介して画像を眺めた場合に角度によって生じる虹斑に代表される画質の低下が軽減された、優れた視認性を有し、且つ、より薄型化に適している。尚、本書において、「虹斑」とは、「色斑」、「色ずれ」及び「干渉色」を含む概念である。

図面の簡単な説明

0009

タッチパネルを備えた画像表示装置の代表的な模式図である。

0010

画像表示装置は、典型的に、画像表示セル及び偏光板を有する。画像表示セルには、典型的に、液晶セル又は有機ELセルが用いられる。画像表示セルとして液晶セルを用いた画像表示装置の代表的な模式図を図1に示す。

0011

液晶表示装置(1)は、一般的に、光源(2)、液晶セル(4)、及び機能層としてタッチパネル(6)を有する。ここで、本書において、液晶表示装置の画像が表示される側(ヒトが画像を視認する側)を「視認側」と呼び、視認側と反対側(即ち、液晶表示装置において、通常、バックライト光源と呼ばれる光源が設定される側)を「光源側」と称する。なお、図1では、右側が視認側であり、左側が光源側である。

0012

液晶セル(4)の光源側及び視認側の両方にはそれぞれ偏光板(光源側偏光板(3)及び視認側偏光板(5))が設けられている。各偏光板(3,5)は、典型的に、偏光子(7,8)と呼ばれるフィルムの両側に偏光子保護フィルム(9a,9b,10a,10b)が積層された構造を有する。図1の画像表示装置(1)には、視認側偏光板(5)より視認側に、機能層としてタッチパネル(6)が設けられている。図1に示すタッチパネルは、抵抗膜方式のタッチパネルである。タッチパネル(6)は、2枚の透明導電性フィルム(11,12)がスペーサー(13)を介して配置された構造を有する。透明導電性フィルム(11,12)は、基材フィルム(11a,12a)と透明導電層(11b,12b)とを積層したものである。また、タッチパネル(6)の光源側及び視認側には、接着層を介して、透明基体である飛散防止フィルム(14,15)が設けられている。

0013

図1においては、視認側偏光板(5)の視認側に設ける機能層としてタッチパネル(6)を記載したが、タッチパネルを配置しない構成であってもよい。また、タッチパネルに限定されるものではなく、フィルムを有する層であればどのような層であってもよい。更に、タッチパネルとして、抵抗膜式のタッチパネルを記載したが、投影静電容量式等の他の方式のタッチパネルを使用することも可能である。図1のタッチパネルは、透明導電性フィルムを2枚有する構造であるが、タッチパネルの構造はこれに限定されず、例えば、透明導電性フィルム及び/又は飛散防止フィルムの数は1枚であってもよい。液晶表示装置(1)において、飛散防止フィルムは、タッチパネル(6)の両側に必ず配置しなければならないわけではなく、どちらか一方に配置した構成でもよいし、又は両側に飛散防止フィルムを配置しない構成でもよい。飛散防止フィルムは、接着層を介してタッチパネル上に配置されてもよく、接着層を介さずにタッチパネル上に配置されても良い。

0014

本書において、単一の部材に複数の配向フィルムフィルム群)が使用される場合、それらは1枚のフィルムとみなす。ここで、部材とは、例えば、偏光子保護フィルム、光源側飛散防止フィルム、光源側基材フィルム、視認側基材フィルム、視認側飛散防止フィルム等の機能的及び/又は目的の観点から別個の部材と判断されるものを意味する。

0015

<ポリエステルフィルムが使用される位置>
画像表示装置は、視認性を改善するという観点から、下記の物性(a)〜(c)を満たすポリエステルフィルムを含むことが好ましい。
(a)3000nm以上30000nm以下であるリタデーション(Re)
(b)1.0以上であるリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)との比(Re/Rth)
(c)0.12以下である面配向度(ΔP)
以下、上記の物性を満たすポリエステルフィルムを「当該ポリエステルフィルム」と称する場合もある。

0016

画像表示装置において、当該ポリエステルフィルムは、視認側偏光板よりも視認側に位置する任意の1つ以上のフィルムとして使用されることが好ましい。より具体的に図1に示される液晶表示装置を例に説明すると、当該ポリエステルフィルムは、スペーサー(13)より光源側にある透明導電性フィルム(11)の基材フィルム(11a)(以下、「光源側基材フィルム」と称する)、スペーサー(13)より視認側にある透明導電性フィルム(12)の基材フィルム(12a)(以下、「視認側基材フィルム」と称する)、視認側偏光子保護フィルム(10b)と光源側基材フィルム(11a)との間にある飛散防止フィルム(14)(以下、「光源側飛散防止フィルム」と称する)及び視認側基材フィルム12aより視認側にある飛散防止フィルム(15)(以下、「視認側飛散防止フィルム」と称する)から成る群より選択される1つ以上のフィルムとして使用されることが好ましい。

0017

当該ポリエステルフィルムの配向主軸と視認側偏光子の偏光軸とが形成する角度(当該ポリエステルフィルムと偏光子とが同一平面状にあると仮定する)は、特に制限されないが、視認性(ブラックアウトの軽減)の観点から、45度に近いこと(略45度)が好ましい。例えば、前記角度は、好ましくは45度±25度以下、好ましくは45度±20度以下、好ましくは45度±15度以下、好ましくは45度±10度以下、好ましくは45度±5度以下、好ましくは45度±3度以下、好ましくは45度±2度以下、好ましくは45度±1度以下、好ましくは45度である。尚、本書において、「以下」という用語は、「±」の次の数値にのみかかることを意味する。即ち、前記「45度±15度以下」とは、45度を中心に上下15度の範囲の変動を許容することを意味する。

0018

上記のような条件を満たすように当該ポリエステルフィルムを配置することは、例えば、切断されたポリエステルフィルムをその配向主軸が偏光子と特定の角度になるように配置する方法や、ポリエステルフィルムを斜め延伸することで偏光子と特定角度になるように配置する方法により行うことができる。

0019

特にパソコン等の液晶表示装置に使用される偏光板は、その偏光軸が、画面の縦方向又は横と平行になる位置ではなく、斜め45度となるように配置されている場合が多い。画像表示装置を横斜めから見る一般的な態様では、当該ポリエステルフィルムの配向主軸が画面の縦方向と平行になるように、偏光軸と45度の関係で配置することが好ましい。画像表示装置を縦斜めから見ることが多い態様(例えば、ディスプレイを見上げて画面を見る態様、及び程度の高さで地面に水平に設置された画面を立った状態で斜め上方から見る態様等)では、当該ポリエステルフィルムの配向主軸が画面の横方向と平行になるように、偏光軸と45度の関係で配置することが好ましい。このようにすることによって、画像表示装置を斜め方向からサングラス等の偏光フィルムを介して画面を観察する場合の虹斑をより低減することができる。

0020

画像表示装置は、当該ポリエステルフィルムを2枚以上備えていても良い。画像表示装置が、当該ポリエステルフィルムを2枚以上備える場合、2枚の当該ポリエステルフィルムが設けられる位置は特に制限されない。この場合、2枚の当該ポリエステルフィルムは、それらの配向主軸が、互いに平行に近いことが好ましい。例えば、2枚の当該ポリエステルフィルムの配向主軸が形成する角度は、好ましくは0度±15度、好ましくは0度±10度、好ましくは0度±5度、好ましくは0度±3度、好ましくは0度±2度、好ましくは0度±1度、好ましくは0度である。略平行の関係から外れる場合には、2枚の当該ポリエステルフィルムのリタデーション差は好ましくは1800nm以上、好ましくは2500nm以上、好ましくは3500nm以上、好ましくは4000nm以上、好ましくは5000nm以上である。

0021

当該ポリエステルフィルムのリタデーションは、虹斑を低減するという観点から、3000nm以上30000nm以下であることが好ましい。リタデーションの下限値は、好ましくは4500nm以上、より好ましくは5000nm以上、更に好ましくは6000nm以上、より更に好ましくは8000nm以上、一層好ましくは10000nm以上である。一方、リタデーションの上限は、それ以上リタデーションを高くしても更なる視認性の改善効果は実質的に得られず、またリタデーションの高さに応じてフィルムの厚みも上昇する傾向があるため、薄型化への要請に反し得るという観点から、30000nmと設定されるが、更に高い値とすることもできる。尚、本書において、単に「リタデーション」と記載する場合は、面内リタデーションを意味する。

0022

リタデーションは、フィルム面(x−y平面)に入射する光によって生じる複屈折(ΔNxy)と厚み(d)との積で表される。よって、ΔNxyの値が大きくなるほど高いリタデーションが得られる。一方、フィルムの厚みが薄くなるほど相対的にリタデーションは小さくなるため、厚みを薄くしつつ、一定以上のリタデーションの値を維持するためには、ΔNxyの値は大きいことが望ましい。しかしながら、ΔNxyの値を大きくし過ぎると、フィルムの引裂強度が低下する傾向にある。よって、ポリエステルフィルムのΔNxyの値は、好ましくは0.1以上0.3未満である。より具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルムの場合、ΔNxyの値は0.1以上0.16以下が好ましく、より好ましくは0.105以上0.15以下、更に好ましくは0.11以上〜0.145以下である。また、ポリエチレンナフタレートフィルムの場合、ΔNxyの値は0.3未満が好ましく、より好ましくは0.27未満、更に好ましくは0.25未満、より更に好ましくは0.24未満である。一方、複屈折率ΔNxyが低いとリタデーションを大きくするためにフィルム厚さを大きくする必要性が生じるので、ポリエチレンナフタレートフィルムの場合、複屈折率ΔNxyは、0.15以上が好ましく、より好ましくは0.16以上、更に好ましくは0.17以上、より更に好ましくは0.18以上、特に好ましくは0.20以上である。

0023

ポリエステルフィルムのリタデーションの値は観察角度に依存して変化する。ここで、観察角度とはポリエステルフィルムの平面に対して垂直方向を基準(ゼロ度)とし、その方向と観察者がポリエステルフィルムを眺める方向とのズレ(θ)を意味する。観察角度が大きくなるほど、その角度におけるリタデーションの値は低くなる。そのため、表示装置の正面(即ち、垂直方向)から観察すると虹斑が認められない場合でも、斜め方向から観察すると虹斑が認められることが有り得る。よって、斜め方向から表示装置を観察した場合にも良好な視認性を確保するためには、観察角度の増大によるリタデーションの低下を考慮することが好ましい。特に、厚みが薄いポリエステルフィルムの場合には、比較的リタデーションが低いため、観察角度の増大に伴うリタデーションの低下による視認性への影響が比較的大きい。観察角度の増大に伴うリタデーションの低下度合いを表す指標として、ポリエステルフィルムのリタデーション(Re)と厚さ方向のリタデーション(Rth)の比(Re / Rth)が用いられる。Re / Rthが大きくなるほど、複屈折の作用は等方性増し、観察角度の増大によるリタデーションの低下度合いが小さくなるため、観察角度による虹斑は発生し難くなると考えられる。このような観点から、ポリエステルフィルムのリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)は、1.0以上であることが好ましく、より好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.25以上、更に好ましくは1.3以上である。厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz及び△Nyzにそれぞれフィルム厚み(d)を掛けて得られるリタデーションの平均値を意味する。

0024

Re/Rth比最大値は2.0(即ち、完全な1軸対称性フィルム)であるが、1.0を超え完全な1軸対称性フィルムに近づくにつれて配向主軸方向と直交する方向の機械的強度が低下する場合があり、その場合には後述する面配向度が特定数値以下になるよう調整することが好ましい。Re/Rth比は、薄膜化、視野角特性向上の観点から数値が高いほうが好ましいが、その上限値は、最大値の2.0まで必要はなく、好ましくは1.9以下、より好ましくは1.8以下である。

0025

リタデーションは、公知の手法に従って測定することができる。具体的には、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることができる。また、商業的に入手可能な自動複屈折測定装置(例えば、KOBRA−21ADH:王子計測機器株式会社製)を用いて求めることもできる。いずれの測定方法においても、ナトリウムD線の波長である589nmにおけるリタデーションを測定する。

0026

虹斑を抑制するためのリタデーション及びRe/Rth比を満たしつつ、且つ、工業的な液晶表示装置の製造に耐え得る機械的強度(引裂強度)を維持しながら、フィルムの厚みをより薄くするという観点から、面配向度(ΔP)は、0.12以下であることが好ましい。面配向度は、フィルムの縦方向の屈折率(Nx)と幅方向の屈折率(Ny)との平均値と、厚み方向の屈折率(Nz)の値との差であり、次の式で表すことができる:ΔP=((Nx+Ny)/2)−Nz。

0027

面配向度の上限は、より好ましくは0.11以下であり、更に好ましくは0.102以下であり、より更に好ましくは0.1以下であり、一層好ましくは0.098以下であり、より一層好ましくは0.095以下であり、更に一層好ましくは0.09以下である。一方、面配向度の下限は、好ましくは0.04以上であり、より好ましくは0.05以上であり、更に好ましくは0.06以上である。

0028

面配向度が0.04未満の場合は、フィルムの機械強度が低すぎるため加工性などの点で好ましくない。また、面配向度が0.12を超える場合、薄膜条件においてリタデーションと機械強度との両立が難しくなり、いずれか一方で不具合が生じる場合が出てくるため好ましくない。

0029

当該ポリエステルフィルムの厚み(d)は、特に制限されないが、より薄い液晶表示装置を提供するという観点から、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下、より更に好ましくは80μm以下、一層好ましくは60μm以下、より一層好ましくは50μm以下、更により一層好ましくは45μm以下、特に好ましくは40μm以下である、最も好ましくは35μm以下である。当該ポリエステルフィルムの厚みの下限値は、十分な引裂強度を維持することが困難であるという観点から、10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは25μm以上である。

0030

当該ポリエステルフィルムは、厚みが薄い場合であっても工業的な液晶表示装置の製造において取り扱いに耐え得る機械的強度を保持していることが好ましい。この観点から、当該ポリエステルフィルムは、50mN以上の引裂強度を有することが好ましい。好ましくは、引裂強度は、100mN以上であり、より好ましくは130mN以上である。フィルムの引裂強度は、後述する実施例に示す通り、JIS P−8116の方法に従って測定することが出来る。

0031

当該ポリエステルフィルムは、150℃30分間加熱処理した際の、フィルム流れ方向及び幅方向における熱収縮率は、いずれも−5%〜5%であることが好ましい。ポリエステルフィルムの熱収縮率がこの範囲であれば、例えば、当該ポリエステルフィルムを透明導電性フィルムとして用いる場合、パターン化された透明導電層を精度よく設けることができるため好ましい。より好ましい熱収縮率は、−3%〜3%であり、さらにより好ましくは−2%〜2%である。フィルムの熱収縮率は、後述する実施例に示すとおり、JIS
C−2318の方法に従って測定することが出来る。

0032

当該ポリエステルフィルムは、例えば、無機粒子耐熱性高分子粒子アルカリ金属化合物アルカリ土類金属化合物リン化合物帯電防止剤紫外線吸収剤耐光剤難燃剤熱安定剤酸化防止剤ゲル化防止剤界面活性剤等を本発明の効果を妨げず、かつ、透明性を損なわない範囲で含んでいてもよい。

0033

上記のような物性を満たすポリエステルフィルムは、一般的なポリエステルフィルムの製造条件において、延伸条件等を制御することによって得ることが出来る。ポリエステルフィルムは、一般的に、次の手順で製造される。即ち、ポリエステル樹脂溶融し、シート状に押出し成形された無配向ポリエステルガラス転移温度以上の温度で、ロール速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターにより横方向に延伸し、熱処理を施して得られる。縦方向及び横方向への延伸は、各方向について別個に行う方法と、テンターに導いた後にクリップ幅を拡げながらロールの速度を変更することにより、縦方向と横方向を同時に延伸する方法とがある。

0034

上述する物性を満たすポリエステルフィルムを得るためには、単純な一軸延伸を行うことが好ましく、任意の方向への延伸と同時に延伸方向と垂直な方向にリラックス緩和)処理を行うことがより好ましい。より具体的には、一般に同時二軸延伸機呼称される設備を使用し、縦方向の延伸と横方向のリラックス処理、又は横方向の延伸と縦方向のリラックス処理を行ってから熱処理を施す方法が例示できる。延伸とリラックス処理の順序は同時に行うことが好ましいが、延伸後にリラックス、もしくはリラックスの後に延伸という順序でも実施しても良い。より好ましい方法は、横方向の延伸と縦方向のリラックス処理を同時に行う方法である。熱処理の過程でリラックスを施すことも可能ではあるが、リラックス率が大きくなると熱シワが発生するため留意すべきである。

0035

逐次二軸延伸機を用いて製造することも可能である。その場合は、縦方向へ緩和する際に、外部ヒーター等により加熱しながら延伸前のロールより延伸後のロールを遅くすることにより縦方向にリラックスを施した後にテンターに導いて横方向に延伸することにより実施することができる。また、横方向へ緩和する場合、通常の二軸延伸で用いる方式により縦延伸を施した後に、テンター内で加熱しながら横方向のクリップ幅を徐々に狭めていくことにより実施すことができる。尚、逐次二軸延伸機を用いる場合、一軸延伸の方向は横方向への延伸が好ましい。縦方向への延伸も可能であるが、縦延伸の際にフィルム表面に微小キズが発生しやすい、延伸ムラが生じやすいなどの課題があり、留意すべきである。更に、上記と同様の原理を用いて、一軸延伸フィルムを同時二軸延伸機、テンター、ロールのいずれかの設備により、リラックス処理を加えて実施することも可能である。

0036

当該ポリエステルフィルムの製膜条件(特に、延伸条件)をより具体的に説明する。延伸温度は、80〜130℃が好ましく、特に好ましくは90〜120℃である。延伸倍率は0.4〜6倍が好ましく、特に好ましくは0.6倍〜5倍である。緩和する方向の延伸倍率は0.4〜0.97倍となるように、緩和する方向に対して垂直な方向の倍率は3〜6倍となるように設定することが好ましい。更に、一方向を0.6〜0.9倍に緩和し、それと垂直方向について3.5〜5.5倍に延伸することがより好ましい。

0037

緩和する方向と延伸する方向の倍率に関しては、上記の範囲内であれば任意に設定することができるが、延伸倍率を高くするほど一軸性が高くなるため、より緩和の程度を大きくすることが好ましい。一方で、延伸倍率を低くする場合、大きく緩和させると皺の影響が無視できなくなることから、緩和率下げることが好ましい。

0038

リタデーションを上記範囲に制御するためには、縦延伸倍率横延伸倍率比率を制御することが好ましい。縦横の延伸倍率の差が小さすぎるとリタデーション高くすることが難しくなり好ましくない。また、緩和する方向の倍率が低すぎると皺などの発生が避けられず好ましくない。更に、延伸する方向の倍率が高すぎると破断が生じ易くなるため好ましくない。延伸温度を低く設定することもリタデーションを高くする上では好ましい対応である。続く熱処理においては、処理温度は100〜250℃が好ましく、より好ましくは160〜250℃であり、特に好ましくは180〜245℃である。

0039

フィルム上でのリタデーションの変動は、小さいことが好ましく、変動を抑制する為には、フィルムの厚み斑を制御することが好ましい。延伸温度、延伸倍率はフィルムの厚み斑に大きな影響を与えることから、厚み斑を抑える観点から製膜条件の最適化を行うことが好ましい。特にリタデーションを高くするために縦延伸倍率を低くすると、縦厚み斑が悪くなることがある。縦厚み斑は延伸倍率のある特定の範囲で悪化する場合があることから、そのような範囲を外したところで製膜条件を設定することが望ましい。

0040

上記の観点から、当該ポリエステルフィルムの厚み斑は5.0%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがさらに好ましく、4.0%以下であることがよりさらに好ましく、3.0%以下であることが特に好ましい。

0041

ポリエステルフィルムのリタデーションを特定範囲に制御する為には、延伸倍率や延伸温度、フィルムの厚みを適宜設定することにより行なうことができる。例えば、延伸倍率が高いほど、延伸温度が低いほど、フィルムの厚みが厚いほど高いリタデーションを得やすくなる。逆に、延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、フィルムの厚みが薄いほど低いリタデーションを得やすくなる。但し、フィルムの厚みを厚くすると、厚さ方向位相差が大きくなりやすい。そのため、フィルム厚みは後述の範囲に適宜設定することが望ましい。また、リタデーションの制御に加えて、加工に必要な物性等を案して最終的な製膜条件を設定すべきである。

0042

上記の物性を満たすポリエステルフィルムを得るためのポリエステル樹脂は、当該分野で使用される任意のポリエステル樹脂であり得る。即ち、任意のジカルボン酸ジオールとを縮合させて得ることができる。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸イソフタル酸オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸トリメチルアジピン酸、ピメリン酸アゼライン酸ダイマー酸セバシン酸スベリン酸ドデカジカルボン酸等を挙げることができる。

0043

ジオールとしては、例えば、エチレングリコールプロピレングリコールヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等を挙げることができる。

0044

ポリエステルフィルムを構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は2種以上を用いても良い。ポリエステルフィルムを構成する具体的なポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートポリプロピレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレート等が挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートであり、好ましくはポリエチレンテレフタレートである。ポリエステル樹脂は他の共重合成分を含んでも良く、機械強度の点からは共重合成分の割合は3モル%以下が好ましく、好ましくは2モル%以下、更に好ましくは1.5モル%以下である。

0045

<光源及び画像表示セル>
画像表示装置は、典型的に画像表示セルとして液晶セル又は有機ELセルを備え得る。また、画像表示装置は、虹斑を抑制するという観点から、連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源を有することが好ましい。画像表示装置が液晶セルを備える場合、画像表示装置は、そのような光源を画像表示セルとは独立した光源として備えることが好ましい。一方、有機ELセルの場合は、それ自体が光源の機能を有するため、有機ELセル自体が、連続的で幅広い発光スペクトルを有する光を放つことが好ましい。連続的で幅広い発光スペクトルを有する光源の方式及び構造は特に制限されず、例えば、エッジライト方式又は直下型方式であり得る。「連続的で幅広い発光スペクトル」とは、少なくとも450〜650nmの波長領域、好ましくは可視光の領域において光の強度がゼロになる波長領域が存在しない発光スペクトルを意味する。可視光領域とは、例えば、400〜760nmの波長領域であり、360〜760nm、400〜830nm、又は360〜830nmであり得る。

0046

連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源としては、例えば、白色発光ダイオード(白色LED)を挙げることができる。白色LEDには、蛍光体方式のもの(即ち、化合物半導体を使用した青色光、もしくは紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子)及び有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode:OLED)等を挙げることができる。連続的で幅広い発光スペクトルを有し、且つ、発光効率にも優れているという観点から、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードイットリウムアルミニウムガーネット黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードが好ましい。

0047

液晶セルは、液晶表示装置において使用され得る任意の液晶セルを適宜選択して使用することができ、その方式や構造は特に制限されない。例えば、VAモード、IPSモード、TNモード、STNモードやベンド配向(π型)等の液晶セルを適宜選択して使用できる。よって、液晶セルは、公知の液晶材料及び今後開発され得る液晶材料で作製された液晶を適宜選択して使用することができる。一実施形態において好ましい液晶セルは、透過型の液晶セルである。

0048

有機ELセルは、当該技術分野において知られる有機ELセルを適宜選択して使用することができる。有機ELセルは、発光体有機エレクトロルミネセンス発光体)であり、典型的に透明基材上に透明電極有機発光層金属電極とを順に積層した構造を有する。有機発光層は、種々の有機薄膜積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層とアントラセン等の蛍光性有機固体からなる発光層との積層体、及び、このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体等を挙げることができる。このように、有機ELセルは、画像表示セルとしての機能と光源としての機能を兼ね備えるため、画像表示装置が有機ELセルを備える場合、独立した光源は不要である。即ち、画像表示装置における光源と画像表示装置は、それらの機能が発揮される限り、互いに独立した存在であっても、一体の形態であってもよい。

0049

画像表示セルとして有機ELセルを用いる場合、画像表示装置における偏光板は必須ではない。しかし、有機発光層の厚みが10nm程度ときわめて薄いために、外光が金属電極で反射して再び視認側へ出射され、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える場合がある。このような外光の鏡面反射遮蔽するために、有機ELセルの視認側に、偏光板及び1/4波長板を設けることが好ましい。よって、画像表示装置が、有機ELセル及び偏光板を有する場合には、図1における液晶セル(4)を有機ELセルと考え、視認側偏光板(5)を偏光板として考えれば、液晶表示装置(1)における配向フィルムの位置関係をそのまま適用することができる。

0050

<偏光板>
偏光板は、フィルム状の偏光子の両側を2枚の保護フィルム(「偏光子保護フィルム」と称する場合もある)で挟んだ構造を有する。偏光子は、当該技術分野において使用される任意の偏光子(又は偏光フィルム)を適宜選択して使用することができる。代表的な偏光子としては、ポリビニルアルコールPVA)フィルム等にヨウ素等の二色性材料染着させたものを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、公知及び今後開発され得る偏光子を適宜選択して用いることができる。

0051

PVAフィルムは、市販品を用いることができ、例えば、「クラビニロン((株)クラレ製)」、「トーセロビニロン(東セロ(株)製)]、「日合ビニロン(日本合成化学(株)製)]等を用いることができる。二色性材料としてはヨウ素、ジアゾ化合物ポリメチン染料等を挙げることができる。

0052

偏光子は、任意の手法で得ることができ、例えば、PVAフィルムを二色性材料で染着させたものをホウ酸水溶液中で一軸延伸し、延伸状態を保ったまま洗浄及び乾燥を行うことにより得ることができる。一軸延伸の延伸倍率は、通常4〜8倍程度であるが特に制限されない。他の製造条件等は公知の手法に従って適宜設定することができる。

0053

偏光子保護フィルムの種類は任意であり、従来から保護フィルムとして使用されるフィルムを適宜選択して使用することができる。取り扱い性及び入手容易性といった観点から、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、アクリルフィルム、及び環状オレフィン系フィルム(例えば、ノルボルネン系フィルム)、ポリプロピレンフィルム、及びポリオレフィン系フィルム(例えば、TPX)、ポリエステルフィルム等から成る群より選択される一種以上の複屈折性を有さないフィルムを用いることが好ましい。

0054

一実施形態において、視認側偏光子の光源側保護フィルム及び光源側偏光子の視認側保護フィルムは、光学補償機能を有する光学補償フィルムであることが好ましい。そのような光学補償フィルムは液晶の各方式に合わせて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース中に液晶化合物(例えば、ディスコティック液晶化合部及び/又は複屈折性化合物)を分散させた樹脂環状オレフィン樹脂(例えば、ノルボルネン樹脂)、プロピオニルアセテート樹脂ポリカーボネートフィルム樹脂、アクリル樹脂スチレンアクリロニトリル共重合体樹脂、ラクトン環含有樹脂、及びイミド基含有ポリオレフィン樹脂等なら成る群より選択される1種以上から得られるものを挙げることができる。

0055

光学補償フィルムは、商業的に入手可能であるため、それらを適宜選択して使用することも可能である。例えば、TN方式用の「ワイドビュー−EA」及び「ワイドビュー−T」(富士フイルム社製)、VA方式用の「ワイドビュー−B」(富士フイルム社製)、VA−TAC(コニカミノルタ社製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン社製)、「アートン」(JSR社製)、「X−plate」(日東電工社製)、並びにIPS方式用の「Z−TAC」(富士フイルム社製)、「CIG」(日東電工社製)、「P−TAC」(大工業社製)等が挙げられる。

0056

偏光子保護フィルムは偏光子上に直接又は接着剤層を介して積層することができる。接着性向上の点から、接着剤を介して積層することが好ましい。接着剤としては、特に制限されず任意のものを使用できる。接着剤層を薄くする観点から、水系のもの(即ち、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させたもの)が好ましい。例えば、偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合は、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂ウレタン樹脂などを用い、接着性を向上させるために、必要に応じてイソシアネート系化合物エポキシ化合物などを配合した組成物を接着剤として用いることができる。接着剤層の厚みは10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。

0057

偏光子保護フィルムとしてTACフィルムを用いる場合、ポリビニルアルコール系の接着剤を用いて張り合わせることができる。偏光子保護フィルムとして、アクリルフィルム、環状オレフィン系フィルム、ポリプロピレフィルム、又はTPX、ポリエステルフィルム等の透湿性の低いフィルムを用いる場合は、接着剤として光硬化性接着剤を用いることが好ましい。光硬化性樹脂としては、例えば、光硬化性エポキシ樹脂光カチオン重合開始剤との混合物などを挙げることができる。

0058

偏光子保護フィルムの厚みは任意であり、例えば、15〜300μmの範囲、好ましくは30〜200μmの範囲で適宜設定できる。

0059

<タッチパネル、透明導電性フィルム、基材フィルム、飛散防止フィルム>
画像表示装置は、タッチパネルを備え得る。タッチパネルの種類及び方式は特に制限されないが、例えば、抵抗膜方式タッチパネル及び静電容量方式タッチパネルを挙げることができる。タッチパネルは、その方式に関係なく、通常、1枚又は2枚以上の透明導電性フィルムを有する。透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が積層された構造を有する。基材フィルムとして、上述する物性を満たすポリエステルフィルムを用いることができる。また、当該ポリエステルフィルムを基材フィルムとして用いない場合は、従来から基材フィルムとして用いられる他のフィルム若しくはガラス板等の剛性板を用いることができる。

0060

基材フィルムとして従来から用いられる他のフィルムとしては、透明性を有する各種の樹脂フィルムを挙げることができる。例えば、ポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂ポリカーボネート樹脂ポリアミド樹脂ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂ポリ塩化ビニリデン樹脂ポリスチレン樹脂ポリビニルアルコール樹脂ポリアリレート樹脂、及びポリフェニレンサルファイド樹脂等から成る群から選択される1種以上の樹脂から得られるフィルムを使用することができる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びポリオレフィン樹脂が好ましく、好ましくはポリエステル樹脂である。

0061

基材フィルムの厚みは任意であるが、15〜500μmの範囲が好ましい。

0062

基材フィルムは、表面に予めスパッタリングコロナ放電火炎紫外線照射電子線照射化成酸化等のエッチング処理下塗り処理を施してもよい。これにより、基材フィルム上に設けられる透明導電層等との密着性を向上させることができる。また、透明導電層等を設ける前に、必要に応じて基材フィルムの表面を溶剤洗浄超音波洗浄などにより除塵清浄化してもよい。

0063

透明導電層は、直接基材フィルムに積層されても良いが、易接着層及び/又は種々の他の層を介して積層することが出来る。他の層としては、例えば、ハードコート層インデックスマッチングIM)層、及び低屈折率層等を挙げることができる。代表的な透明導電性フィルムの積層構造としては、次の6パターンを挙げることが出来るが、これらに限定されるわけではない。
(1)基材フィルム/易接着層/透明導電層
(2)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/透明導電層
(3)基材フィルム/易接着層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(4)基材フィルム/易接着層/ハードコート層/IM(インデックスマッチング)層/透明導電層
(5)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率でIMを兼ねる)/透明導電層
(6)基材フィルム/易接着層/ハードコート層(高屈折率)/低屈折率層/透明導電性薄膜
IM層は、それ自体が高屈折率層/低屈折率層の積層構成(透明導電性薄膜側が低屈折
率層)であるため、これを用いることにより、液晶表示画面を見た際にITOパターンを見え難くすることができる。上記(6)のように、IM層の高屈折率層とハードコート層を一体化させることもでき、薄型化の観点から好ましい。

0064

上記(3)〜(6)の構成は、静電容量式のタッチパネルにおける使用に特に適している。また、上記(2)〜(6)の構成は、基材フィルムの表面にオリゴマー析出することが防止できるという観点で好ましく、基材フィルムのもう一方の片面にもハードコート層を設けることが好ましい。

0065

基材フィルム上の透明導電層は、導電性金属酸化物により形成される。透明導電層を構成する導電性金属酸化物は特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛ガリウムアンチモンチタン珪素ジルコニウムマグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウムタングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の導電性金属酸化物が用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。好ましい透明導電層は、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)層及びアンチモンドープ酸化スズATO)層であり、好ましくはITO層である。また、透明導電層は、Agナノワイヤー、Agインク、Agインクの自己組織化導電膜網目状電極CNTインク導電性高分子であってもよい。

0066

透明導電層の厚みは特に制限されないが、10nm以上であることが好ましく、15〜40nmであることがより好ましく、20〜30nmであることがさらに好ましい。透明導電層の厚みが15nm以上であると、表面抵抗が例えば1×103Ω/□以下の良好な
連続被膜が得られ易い。また、透明導電層の厚みが40nm以下であると、より透明性の高い層とすることができる。

0067

透明導電層は、公知の手順に従って形成することができる。例えば、真空蒸着法スパッタリング法イオンプレーティング法を例示できる。透明導電層は、アモルファスであってもよく、結晶性のものであってもよい。結晶性の透明導電層を形成する方法としては、一旦基材上にアモルファス膜を形成した後、該アモルファス膜を可撓性透明基材とともに加熱・結晶化することによって形成することが好ましい。

0068

透明導電性フィルムは、透明導電層の面内の一部が除去されてパターン化されたものであってもよい。透明導電層がパターン化された透明導電性フィルムは、基材フィルム上に透明導電層が形成されているパターン形成部と、基材フィルム上に透明導電層を有していないパターン開口部とを有する。パターン形成部の形状は、例えば、ストライプ状の他、スクエア状等が挙げられる。

0069

タッチパネルは、上記透明基体として1枚又は2枚以上の飛散防止フィルムを有することが好ましい。飛散防止フィルムは、上述した特定の物性を有するポリエステルフィルムであり得る。また、飛散防止フィルムは、従来から飛散防止フィルムとして用いられる各種のフィルム(例えば、上記基材フィルムについて記載した透明樹脂フィルム)を用いることもできる。飛散防止フィルムが2枚以上設けられる場合、それらは同一の材料から形成されていてもよく、異なっていても良い。

0070

偏光子保護フィルム、基材フィルム、及び飛散防止フィルムは、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤を含有させることができる。例えば、紫外線吸収剤、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。また、高い透明性を奏するためには実質的に粒子を含有しないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析無機元素を定量した場合に重量で50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。

0071

上述する特定の物性を満たすポリエステルフィルムは、種々の機能層を有していても良い。そのような機能層としては、例えば、ハードコート層、防眩層、反射防止層低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層、帯電防止層シリコーン層粘着層防汚層、撥水層、及びブルーカット層等からなる群より選択される1種以上を用いることができる。防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防眩層、反射防止防眩層を設けることにより、斜め方向から観察したときの色斑が改善されるという効果も期待できる。

0072

種々の機能層を設けるに際して、ポリエステルフィルムの表面に易接着層を有することが好ましい。その際、反射光による干渉を抑える観点から、易接着層の屈折率を、機能層の屈折率と配向フィルムの屈折率の相乗平均近傍になるように調整することが好ましい。易接着層の屈折率の調整は、公知の方法を採用することができ、例えば、バインダー樹脂に、チタンやジルコニウム、その他の金属種を含有させることで容易に調整することができる。

0073

(ハードコート層)
ハードコート層は、硬度及び透明性を有する層であれば良く、通常、紫外線又は電子線で代表的には硬化させる電離放射線硬化性樹脂、熱で硬化させる熱硬化性樹脂等の各種の硬化性樹脂硬化樹脂層として形成されたものが利用される。これら硬化性樹脂に、適宜柔軟性、その他物性等を付加する為に、熱可塑性樹脂等も適宜添加してもよい。硬化性樹脂のなかでも、代表的であり且つ優れた硬質塗膜が得られる点で好ましいのが電離放射線硬化性樹脂である。

0074

上記電離放射線硬化性樹脂としては、従来公知の樹脂を適宜採用すれば良い。なお、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性二重結合を有するラジカル重合性化合物、エポキシ化合物等の様なカチオン重合性化合物等が代表的に用いられ、これら化合物モノマー、オリゴマー、プレポリマー等としてこれらを単独で、或いは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。代表的な化合物は、ラジカル重合性化合物である各種(メタ)アクリレート系化合物である。(メタ)アクリレート系化合物の中で、比較的低分子量で用いる化合物としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレートポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、等が挙げられる。

0075

モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレンメチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー;或いは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー等も適宜用いられる。(メタ)アクリレートとは、アクリレート或いはメタクリレートを意味する。

0076

電離放射線硬化性樹脂を電子線で硬化させる場合、光重合開始剤は不要であるが、紫外線で硬化させる場合は、公知の光重合開始剤を用いる。例えば、ラジカル重合系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類ベンゾフェノン類チオキサントン類ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。カチオン重合系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩芳香族スルホニウム塩芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合して用いることができる。

0077

ハードコート層の厚みは、適宜の厚さとすればよく、例えば0.1〜100μmであるが、通常は1〜30μmとする。また、ハードコート層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。

0078

電離放射線硬化性樹脂には、適宜物性調整等の為に、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等も適宜添加することができる。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、各々、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。

0079

ハードコート層に耐光性を付与し、日光等に含まれる紫外線による変色、強度劣化亀裂発生等を防止する為には、電離放射線硬化性樹脂中に紫外線吸収剤を添加することも好ましい。紫外線吸収剤を添加する場合、該紫外線吸収剤によってハードコート層の硬化が阻害されることを確実に防ぐ為、電離放射線硬化性樹脂は電子線で硬化させることが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物ベンゾフェノン系化合物等の有機系紫外線吸収剤、或いは粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛酸化チタン酸化セリウム等の無機系紫外線吸収剤等、公知の物の中から選択して用いれば良い。紫外線吸収剤の添加量は、電離放射線硬化性樹脂組成物中に0.01〜5質量%程度である。耐光性をより向上させる為に、紫外線吸収剤と併用して、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を添加するのが好ましい。なお、電子線照射は加速電圧70kV〜1MV、照射線量5〜100kGy(0.5〜10Mrad)程度である。

0080

(防眩層)
防眩層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に防眩剤を分散した層として形成される。防眩剤としては、無機系又は有機系の微粒子が用いられる。これら微粒子の形状は、真球状、楕円状等である。微粒子は、好ましくは透明性のものが良い。この様な微粒子は、例えば、無機系微粒子としてはシリカビーズ有機系微粒子としては樹脂ビーズが挙げられる。樹脂ビーズとしては、例えば、スチレンビーズメラミンビーズアクリルビーズ、アクリルースチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ベンゾグアナミンホルムアルデヒドビーズなどが挙げられる。微粒子は、通常、樹脂分100質量部に対し、2〜30質量部、好ましくは10〜25質量部程度添加することができる。

0081

防眩剤を分散保持する上記樹脂は、ハードコート層と同じ様に、なるべく硬度が高い方が好ましい。よって、上記樹脂として、例えば、上記ハードコート層で述べた電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂等を用いることができる。

0082

防眩層の厚みは、適宜の厚さとすればよく、通常は1〜20μm程度とする。防眩層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。なお、防眩層を形成する為の塗液中には、防眩剤の沈殿を防ぐ為に、シリカ等の公知の沈降防止剤を適宜添加することが好ましい。

0083

(反射防止層)
反射防止層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良い。一般に、反射防止層は少なくとも低屈折率層からなり、更に低屈折率層と(該低屈折率層より屈折率が高い)高屈折率層とを交互に隣接積層し且つ表面側を低屈折率層とした多層の層からなる。低屈折率層及び高屈折率層の各厚みは、用途に応じた適宜厚みとすれば良く、隣接積層時は各々0.1μm前後、低屈折率層単独時は0.1〜1μm程度であることが好ましい。

0084

低屈折率層としては、シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質を樹脂中に含有させた層、フッ素系樹脂等の低屈折率樹脂の層、低屈折率物質を低屈折率樹脂中に含有させた層、シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質からなる層を薄膜形成法(例えば、蒸着スパッタCVD、等の物理的又は化学的気相成長法)で形成した薄膜、酸化ケイ素ゾル液から酸化ケイ素ゲル膜を形成するゾルゲル法で形成した膜、或いは、低屈折率物質として空隙含有微粒子を樹脂中に含有させた層等が挙げられる。

0085

上記空隙含有微粒子とは、内部に気体を含む微粒子、気体を含む多孔質構造の微粒子等のことであり、微粒子固体部分の本来の屈折率に対して、該気体による空隙によって微粒子全体としては、見かけ上屈折率が低下した微粒子を意味する。この様な空隙含有微粒子としては、特開2001−233611号公報に開示のシリカ微粒子等が挙げられる。また、空隙含有微粒子としては、シリカの様な無機物以外に、特開2002−805031号公報等に開示の中空ポリマー微粒子も挙げられる。空隙含有微粒子の粒径は、例えば5〜300nm程度である。

0086

高屈折率層としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の高屈折率物質を樹脂中に含有させた層、フッ素非含有樹脂等の高屈折率樹脂の層、高屈折率物質を高屈折率樹脂中に含有させた層、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の高屈折率物質からなる層を薄膜形成法(例えば、蒸着、スパッタ、CVD、等の物理的乃至は化学的気相成長法)で形成した薄膜等が挙げられる。

0087

(帯電防止層)
帯電防止層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に帯電防止層を含有させた層として形成される。帯電防止層としては、有機系や無機系の化合物が用いられる。例えば、有機系化合物の帯電防止層としては、カチオン系帯電防止剤アニオン系帯電防止剤両性系帯電防止剤、ノニオン系帯電防止剤有機金属系帯電防止剤等が挙げられ、またこれら帯電防止剤は低分子化合物として用いられるほか、高分子化合物としても用いられる。また、帯電防止剤としては、ポリチオフェンポリアニリン等の導電性ポリマー等も用いられる。また、帯電防止剤として例えば金属酸化物からなる導電性微粒子等も用いられる。導電性微粒子の粒径は透明性の点で、例えば平均粒径0.1nm〜0.1μm程度である。なお、該金属酸化物としては、例えば、ZnO、CeO2、Sb2O2、SnO2、ITO(インジウムドープ酸化錫)、In2O3、Al2O3、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)等が挙げられる。

0088

帯電防止層を含有させる上記樹脂としては、例えば、上記ハードコート層で述べた様な、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂等が使用される他、帯電防止層を中間層として形成して帯電防止層自体の表面強度が不要な場合には、熱可塑性樹脂等も使用される。帯電防止層の厚みは、適宜厚さとすればよく、通常は0.01〜5μm程度とする。帯電防止層は公知の各種塗工法を適宜採用して形成することができる。

0089

(防汚層)
防汚層としては、従来公知のものを適宜採用すれば良く、一般的に、樹脂中に、シリコーンオイルシリコーン樹脂等の珪素系化合物フッ素系界面活性剤、フッ素系樹脂等のフッ素系化合物ワックス等の防汚染剤を含む塗料を用いて公知の塗工法で形成することができる。防汚層の厚みは、適宜厚さとすればよく、通常は1〜10μm程度とすることが出来る。

0090

以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限されるものではなく、本発明の趣旨に適合する範囲で適宜変更を加えることが可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。

0091

以下に、実施例において採用した物性の測定方法を示す。
(1)厚み(d)
JIS K 7130「プラスチックフィルム及びシートの厚さ測定方法(A法)」に準拠して、厚み(d)を求めた。

0092

(2)屈折率(Nx、Ny、Nz)
JIS K 7142「プラスチック屈折率測定方法(A法)」に準拠して、MDの屈折率(Nx)、TDの屈折率(Ny)、厚み方向の屈折率(Nz)を求めた。

0093

(3)複屈折率(ΔNxy)及びリタデーション(Re)
リタデーションとは、フィルム面に対して厚さ方向をz軸とし、z軸と直行し、且つ、相互にも直行する2つの軸方向をx軸及びy軸とした場合に、これらの各軸方向の屈折率(Nx、Ny、Nz)によって生じる複屈折とフィルム厚みdの積で示される位相差である。ここでは、縦方向(MD)をx軸、幅方向(TD)をy軸とし、フィルム面(x−y平面)に入射する光によって生じる複屈折率(ΔNxy)と厚み(d)との積である面内リタデーションをリタデーション(Re)とした。従って、複屈折率(Δxy)及びリタデーション(Re)は、それぞれについて下記の式で求めた。各屈折率は、アッベ屈折率計を用いて589nmの波長で測定した。リタデーションの単位はnmである。

0094

ΔNxy =|Nx−Ny|
Re =ΔNxy×d

0095

(4)厚さ方向リタデーション(Rth)
厚さ方向リタデーションは、厚さ方向から入射する光よって生じるリタデーションを示すものである。ここでは、x−z平面とy−z平面の2つの複屈折率の平均とフィルム厚み(d)の積として、次式より求めた。単位はnmである。

0096

Rth =(|Nx−Nz|+|Ny−Nz|)/2×d

0097

(5)面配向度(ΔP)
フィルムの縦方向の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)、厚み方向の屈折率(Nz)の値を用いて、下記式に従って面配向度(ΔP)を算出した。

0098

ΔP =((Nx+Ny)/2)−Nz

0099

(6)虹斑評価
下記構成のタッチパネルを備えた画像表示装置を常法に従って作製し、視認側表面に、視認側表面と平行になるように偏光フィルムを配置して白画像を表示させた。前記平行状態を維持したまま偏光フィルムの偏光軸と画像表示装置の視認側偏光子の偏光軸とが形成する角について360°の範囲で偏光フィルムを回転させながら、偏光フィルムを介して白画像を眺めて虹斑発生の有無及び程度を確認し、下記の基準に従って評価した。

0100

評価基準
◎:いずれの方向から観察しても虹斑は観察されない。
○:斜め方向から観察したときに、一部極薄い虹斑が観察される。
×:斜め方向から観察したとき虹斑が観察される。

0101

<画像表示装置の構成>
(A)バックライト光源:白色LED
(B)画像表示セル:液晶セル
(C)偏光板:PVAとヨウ素からなる偏光子の偏光子保護フィルムとしてTACフィルムが使用された偏光板。
(D)タッチパネル:後述するポリエステルフィルムフィルム1〜12のいずれかの上にITOからなる透明導電層を設けて作成した透明導電性フィルム(視認側)と、ガラス基材の上にITOからなる透明導電層を設けたITOガラス(光源側)とを、スペーサーを介して配置した構造を有する抵抗膜方式タッチパネル。

0102

なお、ポリエステルフィルムの主配向軸と偏光板の偏光軸のなす角度が45°となるよう配置した。
(7)引裂き強度
東洋精機製作所製エレメンドルフ引裂試験機を用いて、JIS P−8116に従い、各フィルムの引裂き強度を測定した。引裂き方向はフィルムの配向主軸方向と平行となるように行い、下記の基準に従って評価した。配向主軸方向の測定は分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)で測定した。

0103

○:引裂き強度が50mN以上
×:引裂き強度が50mN未満

0104

(8)150℃における熱収縮率
JIS C 2318−19975.3.4(寸法変化)に準拠し、長手方向及び幅方
向の寸法変化率(%)を測定した。測定すべき方向に対し、フィルムを幅10mm、長さ250mmに切り取り、200mm間隔で印を付け、5gfの一定張力下で印の間隔(A)を測定した。次いで、フィルムを150℃の雰囲気中のオーブンに入れ、無荷重下で150±3℃で30分間加熱処理した後、5gfの一定張力下で印の間隔(B)を測定した。これらの測定値を用いて、以下の式より熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=(A−B)/A×100

0105

以下に、実施例で使用したポリエステルフィルムの製造方法を示す。
(製造例1−ポリエステル樹脂A)
エステル化反応缶昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコール64.6質量部を仕込み撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。更に、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル
.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物重縮合反応缶移送し、280℃で減圧重縮合反応を行った。

0106

重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロンフィルタ濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られた樹脂の固有粘度は0.62dl/gであり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。以下、このようにして得られたポリエチレンテレフタレート樹脂をPET(A)と略す。

0107

(製造例2−ポリエステル樹脂B)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)10質量部、粒子を含有しないPET(A)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有する樹脂を得た。このようにして得られたポリエチレンテレフタレート樹脂をPET(B)と略す。

0108

(製造例3−接着性改質塗布液の調整)
常法によりエステル交換反応及び重縮合反応を利用して、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%及び5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%及びネオペンチルグリコール50モル%の組成水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した。そして、加熱撹拌し、77℃に達した時点で、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた。その後、樹脂水分散液常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、接着性改質塗布液を得た。

0109

ポリエステルフィルム1
層構造からなる基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(B)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給した。また、PET(A)を常法により乾燥して押出機1(外層I層および外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体濾材公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚みの比は10:80:10となるように各押し出し機吐出量を調整した。

0110

次いで、リバースロール法により、この未延伸PETフィルムの両面に乾燥後の塗布量が0.08g/m2になるように、上記接着性改質塗布液を塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。

0111

この塗布層を形成した未延伸フィルムを同時二軸延伸機に導き、フィルムの端部をクリップ把持しながら、温度90℃の熱風ゾーンに導き、縦方向に倍率0.8倍となるように緩和させ、同時に横方向に4.0倍延伸した。次に、温度170℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約50μmの一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0112

ポリエステルフィルム2
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚みを約58μmとし、縦方向に0.9倍の倍率で緩和させたこと以外はポリエステルフィルム1と同様にして一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0113

ポリエステルフィルム3
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚みを約38μmとし、縦方向に0.7倍の倍率で緩和させ、180℃の温度で30秒間熱処理を施した以外はポリエステルフィルム1と同様にして一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0114

ポリエステルフィルム4
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚みを約25μmとし、横方向の延伸倍率を5.0倍とし、180℃の温度で30秒間で熱処理したこと以外はポリエステルフィルム1と同様にして一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0115

ポリエステルフィルム5
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚みを約80μmとし、縦方向に0.85倍の倍率で緩和させ、延伸時の温度を95℃とし、180℃の温度で30秒間熱処理を施した以外はポリエステルフィルム1と同様にして一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0116

ポリエステルフィルム6
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚みを約38μmとし、縦方向に0.6倍の倍率で緩和させたこと以外はポリエステルフィルム1と同様にして一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0117

ポリエステルフィルム7
ポリエステルフィルム1と同様の方法で作製した未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に4.0倍に延伸した。次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約25μmの一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0118

ポリエステルフィルム8
ポリエステルフィルム1と同様の方法で、走行方向に3.4倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約38μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0119

ポリエステルフィルム9
ポリエステルフィルム7と同様の方法で、走行方向に4.0倍、幅方向に1.0倍延伸して、フィルム厚み約100μmの一軸配向ポリエステルフィルムを得た。縦一軸延伸フィルムのため、フィルム表面に微小なキズが観察された。

0120

ポリエステルフィルム10
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚みを約38μmとし、縦方向の緩和処理を行わなかったこと以外はポリエステルフィルム1と同様にして一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0121

ポリエステルフィルム11
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚みを約38μmとし、縦方向の緩和処理を行わなかったこと以外はポリエステルフィルム3と同様にして一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0122

ポリエステルフィルム12
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚みを約25μmとし、縦方向の緩和処理を行わなかったこと以外はポリエステルフィルム4と同様にして一軸配向ポリエステルフィルムを得た。

0123

各ポリエステルフィルムの物性及び虹斑評価等の結果を下記の表1に示す。

0124

実施例

0125

上記の通り、ポリエステルフィルム1〜6を基材フィルムとして用いた場合、虹斑の発生が有意に抑制され、視認性に優れた液晶表示装置が得られることが確認された。また、ポリエステルフィルム1〜6のフィルムは、視認性に優れた画像表示装置の提供を可能にするだけでなく、比較的厚みが薄いにも関わらず、十分な引裂強度を備えているため、工業的な画像表示装置の製造における使用に適していることが確認された。一方、ポリエステルフィルム7、8、及び12は、基材フィルムとして用いた場合に、正面から観察した際に虹斑を生じてしまい、良好な視認性を得ることは出来なかった。また、ポリエステルフィルム9は、視認性には問題ないものの、引裂強度が不十分であるため、工業的且つ安定的な液晶表示装置の製造には適していないことが判明した。これは、ポリエステルフィルム9は、Re値及びRe/Rth比は比較的高いものの、ΔPの値が高いことが原因であると考えられる。ポリエステルフィルム10及び11は、斜め方向から観察したときに、一部極薄い虹斑が認められた。これは、ポリエステルフィルム10及び11は、Reが比較的高いものの、Re/Rth比が低いことが原因であると考えられる。ポリエステルフィルム12はΔPの値が高いことから引裂強度も不十分であった。

0126

本発明の液晶表示装置を用いることで、視認性に優れ、且つ、薄型の液晶表示装置の提供が可能となる。従って、本発明の産業上の利用可能性は極めて高い。

0127

1液晶表示装置
2光源
3光源側偏光板
4液晶セル
5視認側偏光板
6タッチパネル
7光源側偏光子
8視認側偏光子
9a偏光子保護フィルム
9b 偏光子保護フィルム
10a 偏光子保護フィルム
10b 偏光子保護フィルム
11 光源側透明導電性フィルム
11a 光源側基材フィルム
11b 透明導電層
12視認側透明導電性フィルム
12a 視認側基材フィルム
12b 透明導電層
13スペーサー
14 光源側飛散防止フィルム
15 視認側飛散防止フィルム

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