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技術 海産の魚食性魚類の産卵誘導方法

出願人 日本水産株式会社
発明者 吉崎悟朗高橋孝太朗矢澤良輔竹内裕森田哲朗
出願日 2014年3月20日 (7年7ヶ月経過) 出願番号 2015-506852
公開日 2017年2月16日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 WO2014-148603
状態 特許登録済
技術分野 飼料(2)(一般) 特定動物用飼料 養殖
主要キーワード 上水槽 生殖活動 大型魚類 水温調節 水槽壁 タチウオ 天然海域 雑食性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月16日)のものです。
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図面 (3)

課題

海産魚食性魚類、特にサバ亜目魚類の産卵誘導を、得に卵質のよいの産卵誘導をすること。

解決手段

人工飼育下の海産の魚食性魚類に対して、生殖ホルモンを0.01mg/kgBW/day 以上経口投与する。

概要

背景

近年、動物取扱業といわれる産業、特に魚類を扱う養殖水族館観賞魚販売等において、大型魚類人工的な飼育が重要となってきている。同時に、品種改良等によって付加価値の高い系統作出するためであったり、養殖用に若令の採捕が行われる魚種においては資源量に与える影響が懸念されたりすることから、人工飼育下での再生産も重要な課題となっている。人工飼育下において魚類の再生産を行わせるためには、適当な飼料を与えて成長を促すだけでなく、適切な環境刺激を与えて性成熟産卵行動を促すことが必要である。魚類の性成熟および産卵行動は、様々な環境刺激の下、性ホルモンを始めとする種々の内性因子の調節を経て促される。これら成熟に関わる因子や環境刺激がどのように作用して、性成熟と産卵が引き起こされるのかは、魚種毎に様々であり、対象種ごとにメカニズム調査する必要がある。
一方、海産魚食性魚類である、天然サバ亜目魚類に属する魚は、回遊しながらからに産卵する。このとき、環境刺激のうち何が刺激となって産卵の誘導が起きるのかは、よく分かっていない。例えばクロマグロでは、天然海域では20℃前後から30℃前後の広い温度帯仔魚が確認されている一方で、人工飼育下での観察では、少なくとも単純に特定の水温になると産卵するという単純なメカニズムで制御されているのではなく、23℃から24℃に達するまでの日数が短いことが重要であるとの示唆がある。また、このようにして得られた孵化仔魚まで成長可能な卵であったかどうかは確認されていない(非特許文献1)。

魚類の性成熟は、視床下部脳下垂体生殖腺系において、種々のホルモンが機能することによって制御されることが、サケ科魚類を始めとする多くの魚種を用いた研究から明らかとなっている。まず、視床下部において 10アミノ酸からなるペプチド性のGnRH(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)が産生される。続いて、GnRHが脳下垂体に働きかけ生殖腺刺激ホルモンGTH)の分泌を促す。さらに、GTH は生殖腺に作用し、メスではエストラジオール17β(E2)産生を介して卵黄蓄積による卵母細胞の成長、その後に17α,20β−ジヒドロキシプレグネン−3−オンDHP)を介して最終成熟と排卵を促す。オスでは、11−ケトテストステロン(11KT)産生を介して精巣発達精子分化、DHPを介して排精を促す。そして、これら一連カスケードが適切に機能して性成熟が進んだ結果、産卵行動に至ると考えられている。この原理を用いて、筋肉あるいは腹腔内に、GnRHを分泌する徐放剤を外科的に埋め込むこと、又は生理食塩水等に溶解した水溶液の状態で注射することで、飼育環境下では最終成熟や産卵行動がみられない個体にも、最終成熟や自発的な産卵行動を促すことが可能となっている。

GnRH は、アミノ酸10残基から成るペプチドホルモンである。多くの魚類において3種類の分子、すなわちGnRH1、GnRH2、GnRH3の存在が知られている。それぞれの分子の生理機能については、種々の魚種において報告されており、GnRH1がGTHの分泌を介した性成熟の制御を担っていると考えられている。ただし、まだ分かっていないことも多い。また、GnRH1のアミノ酸配列は魚種により少しずつ異なる場合があり、GnRH2およびGnRH3は、魚種を通じて配列が保存されている場合が多いが、それも全てに当てはまるわけではない。例えば、インディアンムーレルでは特有のアミノ酸配列を有する2種のGnRH分子が見つかっており、GTH分泌誘起能が既存のGnRH分子よりも優れているとされる(特許文献1)。さらに、それぞれのGnRH分子の成熟誘起能の力価は、生体内における生理役割とは必ずしも一致しない。このように、アミノ酸配列の多型と、生体内における生理機能や成熟誘起能の強弱との関係は詳細に明らかにはされていない。なお、魚類の成熟促進には、哺乳類型のGnRH1が元になり、化学的な修飾が施され、効果が数十から数百倍にまで高められたアゴニスト、例えば[des−Gly10, D−Ala6]-LH-RHエチルアミド酢酸塩シグマアルドリッチ社)などが一般的に用いられている。

多くの魚種において、生理的食塩水等にGnRHを溶解した水溶液、あるいはGnRHを徐放的に放出するコレステロールペレット生分解性ポリマーを、筋肉中あるいは腹腔内に投与することや、インプラントとして魚の体内に埋め込むことで、成熟の促進や産卵を誘起することが可能となっている。しかしながら、その効能は対象となる魚種ごとに異なることが知られている。多くの場合、外来GnRHの投与前にすでに生殖腺の発達がある程度進行した個体に用いられてきたことから、特にメスでは卵母細胞への卵黄蓄積がかなり進行したか完了した個体に対して有効であり、外来GnRHは主に最終成熟と排卵を誘起すると考えられている。例えば、ニシンやsouthern flounder、summer flounderでは、卵黄蓄積の初期から中期にある個体にGnRHを投与しても成熟誘起が見られないことが報告されている。しかしそのいっぽうで、アユでは外来GnRHによる、比較的初期からの卵黄蓄積の促進効果が報告されており、マダイでは非産卵期の未成熟な個体の成熟を誘導し産卵させることに成功している。また、ニジマスでは未成熟な個体に性ステロイドホルモンとGnRHを併用投与することによって成熟促進能が報告されているのに対し、striped bassでは未成熟個体に性ステロイドホルモンとGnRHを併用投与した場合でも生殖腺の発達が見られなかった。これらの事実は、外来GnRH投与による成熟促進効果は、魚種ごとに異なることを示している。
また、GnRHを餌飼料に混ぜ、経口的に投与することでも成熟や産卵が促進される例も報告されている。餌飼料中のGnRHペプチドが分解されないまま、一部消化管から取り込まれることでGTH産生を促し、成熟の促進や産卵を誘起すると考えられている。これまでに海産魚での実施例としては、雑食性のギンダラやspotted seatroutにおいて、GnRHの経口投与によって産卵が誘導された例がある(非特許文献2、3)。しかし、これらは海産ではあっても魚食性は低い。さらに、ギンダラやspotted seatroutは、日長や水温などの飼育環境をコントロールすることで、人工飼育下においても産卵させうる魚種である。このため、これら魚種の人為的な産卵誘発は難易度として高いものではなく、これら魚種で確認されたGnRHの産卵誘起能が、すべての魚種に当てはまるとは言えない。しかも、これらの魚種においても、投与した全ての個体が産卵したわけではなく、GnRH投与による成熟誘起の不確実性が示唆されている。特に海産の魚食性魚類であるマグロでは、産卵期にの摂取量が低下することから、これまでこのような手法では産卵の誘導が試されてこなかった(非特許文献4)

概要

海産の魚食性魚類、特にサバ亜目魚類の産卵誘導を、得に卵質のよい卵の産卵誘導をすること。人工飼育下の海産の魚食性魚類に対して、生殖ホルモンを0.01mg/kgBW/day 以上経口投与する。なし

目的

本発明は、海産の魚食性魚類において、特にサバ亜目魚類において、人工飼育下で産卵を、特に卵質のよい卵の産卵を誘導することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

海産魚食性魚類産卵誘導方法であって、生殖ホルモン経口投与を特徴とする方法。

請求項2

海産の魚食性魚類がサバ亜目魚類である、請求項1の産卵誘導方法。

請求項3

サバ亜目魚類がサバ科魚類である、請求項1又は2の産卵誘導方法。

請求項4

海産の魚食性魚類が成魚体長で30cm以上の魚種である、請求項1ないし3の産卵誘導方法。

請求項5

経口投与が、飼料に混ぜて行うものである、請求項1ないし4の産卵誘導方法。

請求項6

飼料がタンパク質含量で5重量%以上、90重量%未満である、請求項5の産卵誘導方法。

請求項7

生殖ホルモンが、GnRHである、請求項1ないし6の産卵誘導方法。

請求項8

GnRHが、人工的に作製したものである、請求項7の産卵誘導方法。

請求項9

GnRHを 0.01〜100 mg/kgBW/day投与するものである、請求項7又は8の産卵誘導方法。

請求項10

産卵誘導後に、孵化仔魚を得られるものである請求項1ないし9の産卵誘導方法。

請求項11

孵化仔魚の取得が、孵化率5%以上となる、請求項10の産卵誘導方法。

請求項12

生殖ホルモンの経口投与に加え、水温を調節するものである、請求項1ないし11の産卵誘導方法。

請求項13

産卵誘導が上水槽での飼育下で行われるものである請求項1ないし12の産卵誘導方法。

請求項14

海産の魚食性魚類が陸上水槽での飼育下で日照と水温の調節だけでは産卵しない魚種である、請求項1ないし13の産卵誘導方法。

請求項15

請求項1ないし14の産卵誘導方法により得られた、孵化仔魚及び成魚。

技術分野

0001

本発明は、海産魚食性魚類産卵誘導方法に関する。

背景技術

0002

近年、動物取扱業といわれる産業、特に魚類を扱う養殖水族館観賞魚販売等において、大型魚類人工的な飼育が重要となってきている。同時に、品種改良等によって付加価値の高い系統作出するためであったり、養殖用に若令の採捕が行われる魚種においては資源量に与える影響が懸念されたりすることから、人工飼育下での再生産も重要な課題となっている。人工飼育下において魚類の再生産を行わせるためには、適当な飼料を与えて成長を促すだけでなく、適切な環境刺激を与えて性成熟産卵行動を促すことが必要である。魚類の性成熟および産卵行動は、様々な環境刺激の下、性ホルモンを始めとする種々の内性因子の調節を経て促される。これら成熟に関わる因子や環境刺激がどのように作用して、性成熟と産卵が引き起こされるのかは、魚種毎に様々であり、対象種ごとにメカニズム調査する必要がある。
一方、海産の魚食性魚類である、天然サバ亜目魚類に属する魚は、回遊しながらからに産卵する。このとき、環境刺激のうち何が刺激となって産卵の誘導が起きるのかは、よく分かっていない。例えばクロマグロでは、天然海域では20℃前後から30℃前後の広い温度帯仔魚が確認されている一方で、人工飼育下での観察では、少なくとも単純に特定の水温になると産卵するという単純なメカニズムで制御されているのではなく、23℃から24℃に達するまでの日数が短いことが重要であるとの示唆がある。また、このようにして得られた孵化仔魚まで成長可能な卵であったかどうかは確認されていない(非特許文献1)。

0003

魚類の性成熟は、視床下部脳下垂体生殖腺系において、種々のホルモンが機能することによって制御されることが、サケ科魚類を始めとする多くの魚種を用いた研究から明らかとなっている。まず、視床下部において 10アミノ酸からなるペプチド性のGnRH(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)が産生される。続いて、GnRHが脳下垂体に働きかけ生殖腺刺激ホルモンGTH)の分泌を促す。さらに、GTH は生殖腺に作用し、メスではエストラジオール17β(E2)産生を介して卵黄蓄積による卵母細胞の成長、その後に17α,20β−ジヒドロキシプレグネン−3−オンDHP)を介して最終成熟と排卵を促す。オスでは、11−ケトテストステロン(11KT)産生を介して精巣発達精子分化、DHPを介して排精を促す。そして、これら一連カスケードが適切に機能して性成熟が進んだ結果、産卵行動に至ると考えられている。この原理を用いて、筋肉あるいは腹腔内に、GnRHを分泌する徐放剤を外科的に埋め込むこと、又は生理食塩水等に溶解した水溶液の状態で注射することで、飼育環境下では最終成熟や産卵行動がみられない個体にも、最終成熟や自発的な産卵行動を促すことが可能となっている。

0004

GnRH は、アミノ酸10残基から成るペプチドホルモンである。多くの魚類において3種類の分子、すなわちGnRH1、GnRH2、GnRH3の存在が知られている。それぞれの分子の生理機能については、種々の魚種において報告されており、GnRH1がGTHの分泌を介した性成熟の制御を担っていると考えられている。ただし、まだ分かっていないことも多い。また、GnRH1のアミノ酸配列は魚種により少しずつ異なる場合があり、GnRH2およびGnRH3は、魚種を通じて配列が保存されている場合が多いが、それも全てに当てはまるわけではない。例えば、インディアンムーレルでは特有のアミノ酸配列を有する2種のGnRH分子が見つかっており、GTH分泌誘起能が既存のGnRH分子よりも優れているとされる(特許文献1)。さらに、それぞれのGnRH分子の成熟誘起能の力価は、生体内における生理役割とは必ずしも一致しない。このように、アミノ酸配列の多型と、生体内における生理機能や成熟誘起能の強弱との関係は詳細に明らかにはされていない。なお、魚類の成熟促進には、哺乳類型のGnRH1が元になり、化学的な修飾が施され、効果が数十から数百倍にまで高められたアゴニスト、例えば[des−Gly10, D−Ala6]-LH-RHエチルアミド酢酸塩シグマアルドリッチ社)などが一般的に用いられている。

0005

多くの魚種において、生理的食塩水等にGnRHを溶解した水溶液、あるいはGnRHを徐放的に放出するコレステロールペレット生分解性ポリマーを、筋肉中あるいは腹腔内に投与することや、インプラントとして魚の体内に埋め込むことで、成熟の促進や産卵を誘起することが可能となっている。しかしながら、その効能は対象となる魚種ごとに異なることが知られている。多くの場合、外来GnRHの投与前にすでに生殖腺の発達がある程度進行した個体に用いられてきたことから、特にメスでは卵母細胞への卵黄蓄積がかなり進行したか完了した個体に対して有効であり、外来GnRHは主に最終成熟と排卵を誘起すると考えられている。例えば、ニシンやsouthern flounder、summer flounderでは、卵黄蓄積の初期から中期にある個体にGnRHを投与しても成熟誘起が見られないことが報告されている。しかしそのいっぽうで、アユでは外来GnRHによる、比較的初期からの卵黄蓄積の促進効果が報告されており、マダイでは非産卵期の未成熟な個体の成熟を誘導し産卵させることに成功している。また、ニジマスでは未成熟な個体に性ステロイドホルモンとGnRHを併用投与することによって成熟促進能が報告されているのに対し、striped bassでは未成熟個体に性ステロイドホルモンとGnRHを併用投与した場合でも生殖腺の発達が見られなかった。これらの事実は、外来GnRH投与による成熟促進効果は、魚種ごとに異なることを示している。
また、GnRHを餌飼料に混ぜ、経口的に投与することでも成熟や産卵が促進される例も報告されている。餌飼料中のGnRHペプチドが分解されないまま、一部消化管から取り込まれることでGTH産生を促し、成熟の促進や産卵を誘起すると考えられている。これまでに海産魚での実施例としては、雑食性のギンダラやspotted seatroutにおいて、GnRHの経口投与によって産卵が誘導された例がある(非特許文献2、3)。しかし、これらは海産ではあっても魚食性は低い。さらに、ギンダラやspotted seatroutは、日長や水温などの飼育環境をコントロールすることで、人工飼育下においても産卵させうる魚種である。このため、これら魚種の人為的な産卵誘発は難易度として高いものではなく、これら魚種で確認されたGnRHの産卵誘起能が、すべての魚種に当てはまるとは言えない。しかも、これらの魚種においても、投与した全ての個体が産卵したわけではなく、GnRH投与による成熟誘起の不確実性が示唆されている。特に海産の魚食性魚類であるマグロでは、産卵期にの摂取量が低下することから、これまでこのような手法では産卵の誘導が試されてこなかった(非特許文献4)

0006

特開2009−292836

先行技術

0007

水産総合研究センター研究報告別冊第4号 (2006) 157-171
Aquaculture 80 (1989) p363-370
Fish Physiology and Biochemistry 8 (1990) p497-499
Aquaculture 249 (2005) p303-309

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、海産の魚食性魚類において、特にサバ亜目魚類において、人工飼育下で産卵を、特に卵質のよい卵の産卵を誘導することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

海産の魚食性魚類に生殖ホルモンの経口投与を行う。

0010

本発明は、以下(1)〜(7)を要旨とする。
(1)海産の魚食性魚類の産卵誘導方法であって、生殖ホルモンの経口投与を特徴とする方法。
(2)海産の魚食性魚類がサバ亜目魚類である、(1)の産卵誘導方法。
(3)サバ亜目魚類がサバ科魚類である、(1)又は(2)の産卵誘導方法。
(4)海産の魚食性魚類が成魚体長で30cm以上の魚種である、(1)ないし(3)の産卵誘導方法。
(5)経口投与が、飼料に混ぜて行うものである、請求項1ないし4の産卵誘導方法。
(6)飼料がタンパク質含量で5重量%以上、90重量%未満である、請求項5の産卵誘導方法。
(7)生殖ホルモンが、GNRHである、請求項(1)ないし(6)の産卵誘導方法。
(8)GNRHが、人工的に作製したものである、(7)の産卵誘導方法。
(9)GNRHを 0.01〜100 mg/kgBW/day投与するものである、(7)又は(8)の産卵誘導方法。
(10)産卵誘導後に、孵化仔魚を得られるものである(1)ないし(9)の産卵誘導方法。
(11)孵化仔魚の取得が、孵化率5%以上となる、(10)の産卵誘導方法。
(12)生殖ホルモンの経口投与に加え、水温を調節するものである、(1)ないし(11)の産卵誘導方法。
(13)産卵誘導が上水槽での飼育下で行われるものである(1)ないし(12)の産卵誘導方法。
(14)海産の魚食性魚類が陸上水槽での飼育下で日照と水温の調節だけでは産卵しない魚種である、(1)ないし(13)の産卵誘導方法。
(15)(1)ないし(14)の産卵誘導方法により得られた卵、孵化仔魚及び成魚。

発明の効果

0011

本発明の一態様によれば、海産の魚食性魚類の、特にサバ亜目魚類の、さらにサバ科魚類回遊性の高い魚種の産卵誘導をすることができる。また、別の態様によれば、成魚の体長で30cm以上の海産の魚食性魚類の産卵誘導をすることができる。また、別の態様によれば、卵質のよい卵を誘導することができ、孵化率の高い卵を誘導することができる。さらに、別の態様によれば、陸上水槽での飼育下で産卵を誘導することができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は生殖ホルモンを投与したゴマサバの産卵数を日毎累積して示したものである。
図2は生殖ホルモンを投与したスマの産卵数と、その卵からの孵化数を日毎に棒グラフで示したものと、そのときの水温を折れ線グラフで示したものである。
図3は生殖ホルモンを水温調節しながら経口投与したスマの産卵数と、そのうちの受精卵数、孵化数を日毎に棒グラフで示したものである。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明の海産魚とは、海に生息する魚類のことをいい、硬骨魚類、なかでも真骨魚類に代表される。真骨魚類にはスズキ目魚類が含まれ、スズキ目魚類にはサバ亜目魚類が含まれる。本発明の魚食性魚類の魚とは、主に魚類を主食とする魚類のことをいいサバ亜目魚類に代表される。魚食性魚類は、餌となる多くの魚のタンパク質を分解する必要があり、酵素活性食物胃腸滞留時間腸内細菌などで調節している。

0014

サバ亜目魚類に属する魚としては、サバ科魚類の他、マカジキ科メカジキ科タチウオ科に属する魚が知られ、それぞれマカジキやメカジキタチウオ等が例示される。サバ科魚類に属する魚としては、マサバ、ゴマサバ、グルクマ、スマ、サワラ、ハガツオ、カツオ、ソウダガツオと、クロマグロ、大西洋クロマグロ、ミナミマグロキハダビンナガ、メバチコシナガなどのマグロ類が例示される。本発明に用いるには、魚食性の高いサバ亜目魚類が好ましく、回遊性の高いサバ科魚類がさらに好ましい。回遊性の高いサバ科魚類としてマサバ、ゴマサバ、カツオ、クロマグロ、大西洋クロマグロ、ミナミマグロが例示される。回遊性の高い魚種では、口が大きく、餌となる魚と同時に多くの海水飲み込み溶存酸素を多く取り込む必要があることが知られている。

0015

本発明における産卵の誘導とは、魚類において産卵を促すことをいう。産卵は、排卵、放卵の段階を経て行われる。排卵は成魚のメスの卵巣に卵母細胞が形成され、卵巣の濾胞組織から剥離する現象である。放卵は、これが体外に放出される現象で、次世代再生産のための交尾あるいは受精を伴い自発的に行われる放卵が産卵である。魚類では、卵巣に蓄積された卵が何らかの刺激により体外に放出されることがあるが、産卵の準備が十分に整っていない場合にもこのような放卵は見られ、ちゃんと受精して孵化仔魚が得られるような産卵とは区別される。

0016

本発明において、成魚とは、生殖可能なほど成長した魚のことをいい、体長(尾差長)が、マサバ・ゴマサバであれば25cm以上、スマであれば40cm以上、カツオであれば42cm以上、クロマグロであれば115cm以上、メカジキであれば140cm以上の個体をいう。これを体重に換算すると、マサバ・ゴマサバであれば、約300g以上、スマであれば約1,400g以上、カツオであれば約1,500g以上、クロマグロであれば約30kg以上、メカジキであれば約70kg以上の個体となる。

0017

本発明における生殖ホルモンとは、生殖活動に関連するホルモンのことをいい、魚類において産卵を誘導する効果のあるものであれば含まれる。具体的にはGnRH、LHFSHの他、メスにおいて E2、DHPを使用してもよい。
生殖ホルモンはこれを高濃度に含む視床下部抽出物、脳下垂体抽出物及びこれらの精製品の他、化学的な手法で人工的に合成されたものも用いることができる。化学的な手法で人工的に合成するためには、いずれの手法を用いてもよいが、ペプチドホルモンの場合は、ペプチドシンセサイザーを用いるのが利便性の点から好ましい。

0018

GnRH は 10アミノ酸からなるペプチドホルモンであり、その配列は、ニジマスではHWSYLRPNHEであることが知られている。本発明には、この配列を持つペプチドを用いることが好ましい。
GnRH の代わりに、人工合成したLHRHa を用いるときは、Y と L の間にD型アラニンを入れて結合させてエンドペプチダーゼによる分解を受けにくくした HWSYaLRPNHE、E の末端アシル化してエキソペプチダーゼによる分解を受けにくくした HWSYLRPNHEt、及びこれらの両方の修飾を施した HWSYaLRPNHEt などの種類があり、いずれを用いてもよいが、特に、ペプチダーゼからの分解を受けにくい HWSYaLRPNHEt が好ましい。

0019

魚の生活周期はほぼ1日24時間単位であるから、生殖ホルモンの投与量は、1日24時間(day)を基本とする。また、生殖ホルモンの作用は、通常は血中濃度に比例し、血液量魚体重に比例する。このため、生殖ホルモンの投与量は魚体重(BW)1kgあたりを基本とする。本発明により、魚に産卵を促すためには、生殖ホルモンの投与量は、0.01mg/kgBW/day以上が好ましく、卵質がよく孵化仔魚を得るためには、0.1mg/kgBW/day 以上が好ましく、より強力に誘導するためには 1mg/kgBW/day 以上が特に好ましい。上限は、魚に副作用が出なければ特に制限はないが、濃度が高いと費用が高くなるため、通常は 100mg/kgBW/day 以下で行い、10mg/kgBW/day 以下が特に好ましい。

0020

本発明により、生殖ホルモンを投与する場合は、所定の投与量を1日1回で投与してもよいし、1日数回に分けて投与してもよい。魚の食事周期が日の出後又は日の入り前の1日1回又は日の出後及び日の入り前の1日2回であることから、1日1回又は2回で行うことが好ましい。投与は1日行えば、産卵を誘導することができるが、毎日続けて行ってもよい。毎日続けて行えば、それだけ多くの産卵が誘導されるので、好ましい。

0021

経口投与は、生殖ホルモンを直接投与してもよく、飼料に混ぜて投与してもよい。ペプチドホルモンを飼料にまぜる場合は、ペプチダーゼの活性が少ない状態の飼料に混ぜるほうが好ましい。飼料中のペプチダーゼは、加熱処理酸処理アルカリ処理乾燥処理加圧処理などにより活性を少なくすることができる。

0022

魚類に生殖ホルモンを投与すると、産卵は促されるが孵化仔魚が得られないことがままある。これは卵質に関わる問題だと理解されている。卵質とは、卵の生物化学的組成のことをいい、産卵後に見られる、浮上、受精、胚胎形成及び孵化の現象がどのぐらいの確率で見られるかで評価される。生殖ホルモンの投与で強制的に産卵させても、卵質が伴わない卵が排卵されたのでは、結果的に孵化仔魚は得られないのだから、その意味が乏しい。本発明によれば、浮上率、受精率、胚胎形成率及び孵化率などによって評価される、卵質の高い卵を得ることができる。浮上率は、放卵した卵を採卵後、魚を飼育している海水又はこれと同等の浸透圧液体中で、測定開始から5分以内に浮上した卵を浮上卵として、全採卵数に対する浮上卵数の割合として定義される。受精率は、放卵された卵に精子をかけて受精させ、卵割が確認された卵を受精卵として、全観察卵数に対する受精卵数の割合として定義される。受精は、魚を雌雄混合で飼育して、放卵の後に飼育環境下で放精させ、そのまま受精させてもよい。また、放卵された卵を採卵後に、あらかじめ雄から採取した精子を、人工飼育下でかけることにより受精させてもよい。胚胎形成率は、卵割後に胚胎が形成されたものを胚胎形成卵として、全観察卵数に対する胚胎形成卵の割合として定義される。胚胎の形成は肉眼又は顕微鏡観察で行い、卵割を経て頭部尾部が形成されたものを胚胎形成卵として、全観察卵数に対する胚胎形成卵数の割合として定義される。胚胎の形成は通常は、受精から1日から3日の間に行われる。孵化率は、孵化した仔魚を孵化仔魚として、全観察卵数に対する孵化仔魚数として定義される。孵化は通常は、受精から1日から7日の間に行われる。
後の利用を考えると、浮上率は 10% 以上が好ましく、20% 以上が特に好ましい。受精率は 30%以上が好ましく、50% 以上が特に好ましい。胚胎形成率は 10% 以上が好ましく、20% 以上が特に好ましい。孵化率は 5% 以上が好ましく、10%以上が特に好ましく、15%以上がさらに好ましい。

0023

生殖ホルモンを経口投与する場合には、生育温度を適宜調節することが好ましい。魚種により生育温度は様々に異なるが、生育可能な温度帯の上限付近あるいは下限付近ではストレスにより産卵が誘導されにくい。このため、生育可能な温度の中央値付近で誘導することが好ましい。水温の調節は、生殖ホルモンの経口投与と同時か、生殖ホルモンの経口投与に先立って、ゴマサバ及びマサバなど春産卵のサバ科魚種であれば18℃〜21℃、スマ、カツオ、マグロなど夏産卵のサバ科魚種であれば24〜27℃、メカジキなど夏産卵のメカジキ科及びマカジキ科であれば 18〜22℃で誘導することが好ましい。また、水温の調節は産卵誘導の1日前から200日前の間に行うことが好ましく、特に3日前から90日前の間に行うことが好ましい。水温の調節は、ヒータークーラーまたはこれらの組み合わせを用いて行うことができる。調節にあたっては、設定温度から±2℃の範囲で、好ましくは±1℃の範囲で、さらに好ましくは±0.5℃の範囲で調節するとよい。設定温度は、生育可能な温度の中央値付近で変えることもできるが、魚への環境刺激を低減するために、生殖ホルモンの経口投与中は同じ温度で継続して飼育することが好ましい。

0024

生殖ホルモンを飼料に混ぜて経口投与する場合には、飼料の栄養は過不足なく与える。好ましくはタンパク質含量が5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以上の餌を与えるとよい。特に、生餌では、原料となる素材のタンパク質含量が5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以上の餌を与えるとよい。また、配合飼料では、飼料全体のタンパク質含量が5重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上、特に好ましくは25重量%以上、最も好ましくは 35%重量%以上の餌を与えるとよい。餌に含まれるタンパク含量が少なすぎる場合は、経口投与された生殖ホルモンが消化管に含まれるペプチダーゼによる分解を受けやすく、産卵の誘導率に影響が出る。また、成長不良を引き起こして産卵行動が見られなくなる。一方で餌に含まれるタンパク質含量が多すぎる場合は、餌に含まれるタンパク質が消化器官のペプチダーゼを誘導し、経口投与された生殖ホルモンが分解を受けやすく、産卵の誘導率に影響が出る。また、相対的にカロリー不足となり、産卵行動が見られなくなる。これを避けるためにはタンパク質含量が90重量%以下、好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは70重量%以下、特に好ましくは60重量%以下の餌を与えるとよい。

0025

魚の成長は生殖ホルモンを混ぜた飼料と混ぜない飼料との両方を投与して調節してもよい。この場合は、両飼料の合計で、タンパク質、脂質、ビタミンなどの各栄養成分が過不足なく与えられることが好ましい。
本発明におけるタンパク質は、魚類の体を構成し、又は飼料に含まれるアミノ酸からなる。飼料に含まれるタンパク質は農林水産省の定める飼料分析基準公定法で測定される。

0026

本発明によれば、産卵の誘導は陸上水槽での飼育下でも行うことができる。陸上水槽は、飼育水循環型、かけ流し型などいずれの形式を用いることができるが、水温の調節が可能なものであることが好ましい。スマであれば10t程度、ゴマサバ及びマサバであれば0.5t、カツオであれば10t、クロマグロであれば、70t程度以上の大きさであることが好ましい。

0027

本発明によれば、陸上水槽の飼育下では、産卵の誘導が非常に困難な魚種に対しても産卵を誘導することができる。本発明により、陸上水槽の飼育下で産卵を誘導できる魚種として、スマ、ゴマサバ、マサバ、カツオ、クロマグロ、キハダ、コシナガが例示される。

0028

以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。

0029

試験例1>ゴマサバの産卵誘導
実験は3回実施され、各試験とも10日間実施した。ゴマサバは千葉県山湾にて釣獲された個体を用いた。各実験の時期と水温と試験に用いた供試魚の体重の関係を表1に示す。雌雄それぞれ4尾ずつ、合計8尾をFRP製1t水槽に収容した。試験区としては、LHRHaを添加した配合飼料(林兼産業、ホワイト育成6号:粗たん白質57.0%以上、粗灰分19.0%以下、粗脂肪8.0%以上、粗繊維4.0%以下)を、魚体重1 kgあたり0.048、0.24、1.2、6.0 mgのLHRHaを1日に摂取するように給餌した経口投与区(OA区)を4区設けた。
また、陽性対照として、LHRHaの一般的な投与方法である、LHRHaを添加した徐放性ペレットを腹腔内にインプラントしたインプラント区(imp区)を設けた。徐放性ペレットの作製法を以下に示す。まず、試薬LHRHa 5.9 mgを3mlの70%エタノールに溶解した。続いて、3,750 mgのコレステロールにLHRHa溶液3 mlを加えて混合し、室温で30分間乾燥させた。さらに、750 mgのココアバターを加えて混合し、室温で一晩乾燥させた。アクリル製のペレット作製器を用いて、以上の作業により得られた粉末より、一粒当たりLHRHaを50 μg含有する45 mgのコレステロールペレットを作成した。
なお、ペレットへのLHRHa添加量は、魚体重1 kgあたり0.1 mgの投与量となるように調整した。さらに、陰性対照区として、LHRHaを投与しない無投与区を設けた。
飼育水面の高さに調節した排水管水槽壁面に設け、そこからの排水を採卵用ネットで受けることにより、産卵された卵を回収した。回収した卵は1L海水中に懸濁し、そのうちの2ml分を12穴プレートに移し卵数を計測した。3回計測した平均値に500を乗じた数を全卵数とした。採卵と計測は、実験期間中毎日実施した。このようにして計測した全卵数の累積を累積全卵数として表2に示す。また、試験区ごとの毎日の累積全卵数の遷移グラフにしたものを図1に示す。次に、全卵数測定用に用いた2ml中の卵のうち、水面に5分以内に浮上した卵の数を浮上卵数、浮上した卵のうち顕微鏡観察にて卵割が確認された卵の数を受精卵数、2日後までに孵化した仔魚の数を孵化仔魚数として測定した。これを表3に示す。さらに、浮上卵率(= 浮上卵数/全卵数×100)と受精卵率(= 受精卵数/全卵数×100)、および孵化率(=孵化仔魚数/全卵数)を求めた。これを表4に示す。インプラント区では、得られた全卵数は多いものの、浮上卵率、受精卵率、孵化率はそれほど高くはなかった。

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<比較例1−1>
実験は2011年6月30日から7月9日にかけて10日間実施した。ゴマサバは神奈川県相模湾および千葉県館山湾にて釣獲された個体を用いた。供試魚の平均体重は430±17 g(n=25)であった。各試験区について供試魚5尾ずつをFRP製1t水槽に収容した。試験区としては、LHRHa水溶液を浸透させた配合飼料(林兼産業、ホワイト育成6号:組成は実施例1と同一)を、魚体重1 kgあたり3.0、12、30 mgのLHRHaを1日に摂取するように給餌した経口投与区3区を設けた。また、陽性対照として、LHRHaの一般的な投与方法である、LHRHaを添加した徐放性ペレットを腹腔内にインプラントしたインプラント区を設けた。なお、ペレットへのLHRHa添加量は、魚体重1 kgあたり0.1 mgの投与量となるように調整した。陰性対照区として、LHRHaを投与しない無投与区を設けた。全卵数、浮上卵数、受精卵数、孵化仔魚数、および浮上卵率、受精率、孵化率の値は実験例1と同様の方法で測定した。その結果、経口投与3.0mg区のみで8日目に産卵が見られ、800粒の卵が採取されたものの、浮上も受精もせず、孵化仔魚は全く得られなかった。試験期間の水温は21.0から23.8℃(平均22.8℃)であった。

0035

<比較例1−2>
実験は2012年4月4日から4月13日にかけて10日間実施した。ゴマサバは千葉県館山湾にて釣獲された個体を用いた。供試魚の平均体重は497±12 g(n=30)であった。各試験区について、供試魚5尾ずつ(メス3尾、オス2尾)をFRP製1t水槽に収容した。試験区としては、LHRHa水溶液を浸透させた配合飼料(林兼産業、ホワイト育成6号:組成は実施例1と同一)を、魚体重1 kgあたり0.048、0.24、1.2、6.0 mgのLHRHaを1日に摂取するように給餌した経口投与区3区を設けた。また、陽性対照として、LHRHaの一般的な投与方法である、LHRHaを添加した徐放性ペレットを腹腔内にインプラントしたインプラント区を設けた。なお、ペレットへのLHRHa添加量は、魚体重1 kgあたり0.1 mgの投与量となるように調整した。陰性対照区として、LHRHaを投与しない無投与区を設けた。全卵数、浮上卵数、受精卵数、孵化仔魚数、および浮上卵率、受精率、孵化率の値は実験例1と同様の方法で測定した。その結果、インプラント区のみで7日目に産卵が見られた。総卵数と浮上卵数、および受精卵数はそれぞれ2167個、333個、41個であった。浮上卵率と受精率はそれぞれ15.4%、1.9%であった。孵化仔魚は全く得られなかった。試験期間の水温は13.5から17.3℃(平均15.3℃)であった。

0036

<試験例2>スマの産卵誘導
山県串本にて蓄養されたスマ13尾(平均体重3057±113g)を70tコンクリート水槽に収容し、LHRHa投与による産卵誘発を試みた。試験は2011年8月から10月にかけて実施した。まず8月9日にLHRHaを添加した徐放性ペレットのインプラントを行い、続いて8月28日から10月2日にかけてLHRHaを添加した生餌を給餌した。徐放性ペレットは、魚体重1kgあたりLHRHa 0.1 mgの投与量となるように作製した。LHRHa添加生餌は、イカナゴ(水分74.2%、たん白質17.2%、脂質、5.5%、灰分3.0%、炭水化物0.1%)にLHRHa mgを添加し、魚体重1kgあたりLHRHa 6.0 mgの投与量となるように給餌した。LHRHaインプラント後から、経口投与の終了まで毎日、産卵量を測定し、また得られた卵の受精率および孵化仔魚数も測定した。これを表5に総数として示す。また、各測定日における全卵数と孵化数を棒グラフにして、このときの水温を折れ線グラフにして図2に示す。全卵数と孵化数はグラフの左側の軸で、水温はグラフの右側の軸で示す。

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<試験例3>
2012年4月から5月にかけては、試験例2のスマと同一ロット個体4尾を10tFRP水槽に収容し、LHRHa経口投与による産卵誘発を試みた。投与方法および投与量は試験例2と同様で、LHRHa添加生餌を4月17日から22日、5月2日から6日、5月12日から18日の3期間に分けて給餌した。なお、水温は海水加温冷却ユニット(株式会社マリンリバーMR−1800HVS−TR)を用いて27℃付近となるように調整し、期間中の水温は平均27.2℃(26.7〜27.5℃)であった。経口投与を開始した4月17日から5月25日まで、産卵された全卵数と受精卵数、および孵化仔魚数を測定した。これを表6に総数として示す。また、各測定日における全卵数と受精卵数、および孵化数をグラフにしたものを図3に示す。

0039

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