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技術 抗生活習慣病用剤及びそれを含んでなる経口組成物

出願人 株式会社林原
発明者 谷口美文井上紳一郎渡邊光
出願日 2014年2月27日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-503006
公開日 2017年2月2日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 WO2014-133060
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 差分変化 エタノール添加量 トレーラン 赤茶けた 残存内容物 シードル 可食性素材 ウエハース状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題・解決手段

本発明は、日常的に手軽かつ安全に、しかも継続的に摂取できる抗生活習慣病用剤、経口組成物、及び高脂肪食品を提供することを課題とする。本文記載の特徴を有する特定の分岐α−グルカンを含有する抗生活習慣病用剤、及び、これを含有する経口組成物、さらには、それらを含んでなる高脂肪食品を提供することによって上記課題を解決する。

概要

背景

先進諸国では、生活水準の向上と医療技術発展に伴って平均寿命伸び、急速に高齢化が進んでいる。生活水準の変化と高齢化により、生活習慣病と呼ばれるさまざまな疾患の発症率が著しく増加しており、生活習慣病を予防又は改善するための研究が進められている。生活習慣病を予防又は改善するためには、アルコール摂取量の制限や食事量コントロールウォーキングジョギングなどの有酸素運動をすることが推奨されているが、これらを適切な指導の下に長期間、日常的に行うことは困難である。このような状況下、手軽かつ継続的に摂取可能な可食性素材やそれを含む食品医薬品等によって、生活習慣病を効果的に予防又は改善する研究が進められている(例えば非特許文献1乃至4)。しかしながら、従来から提案されている可食性素材の中には、食品等として使用した場合に味、香り食感等の風味の低下を生じるものや、大量に摂取しないと効果が認められないもの、或いは、体調体質によっては下痢などが発生するなどの欠点があるものも少なくない。現在の多様な食生活に対応するためには、生活習慣病を効果的に予防又は改善することができる上に、食品に配合した場合でも風味の低下を生じることがなく、手軽かつ継続的に摂取可能な可食性素材さらにはそれを含む食品等の開発が望まれている。

生活習慣病の中では、特に日常的なアルコール飲料の過剰摂取や、食生活の欧米化による高脂肪食品の摂取量増加に伴う「脂肪肝」が特に深刻な社会問題である。脂肪肝とは、肝細胞肝臓)に中性脂肪が異常に蓄積した状態をいい、正常な肝臓内部の中性脂肪含量は通常2乃至4質量%であるが、この含量が5質量%以上となった状態を脂肪肝というとされている。脂肪肝の診断は、前記中性脂肪含量に加え、血液検査におけるGOTGPTの値や、TG、コリンエステラーゼアルブミン総コレステロール、及び低密度リポ蛋白質の値などに基づいて診断される。近年、脂肪肝の患者急増しており、男性の約40%、女性の約15%は脂肪肝に罹患しているといわれている。

脂肪肝には、アルコール性脂肪肝非アルコール性脂肪肝があり、その内、アルコールの過剰摂取により誘発されるアルコール性脂肪肝は、アルコール性肝炎肝線維症、さらには肝硬変へと進行する場合がある。これら一連肝臓疾患アルコール性肝障害と呼ばれ、一旦、肝線維症や肝硬変にまで進行してしまうと、肝機能回復は極めて困難となる。一方、非アルコール性脂肪肝として、高脂肪食品摂取に起因する高脂肪食性の脂肪肝があり、高脂肪食性の脂肪肝は、ヒトが日常的又は比較的長期間に亘って継続的に高脂肪食品を摂取する場合、高脂肪食品由来脂肪消費されずに体内に残り、これが中性脂肪となって肝臓に蓄積することにより誘発されると考えられている。アルコール性脂肪肝及び高脂肪食性の脂肪肝は、いずれも代表的な生活習慣病であり、メタボリックシンドロームを進行させる一因となる。したがって、それら脂肪肝に至らぬよう生活習慣を改善することは勿論であるが、日常的に摂取する食品や医薬品等によって脂肪肝を予防又は改善することができれば、その意義は多大である。

アルコール性脂肪肝や高脂肪食性の脂肪肝を発症する詳細なメカニズムは不明であるが、(1)食事による体内への脂肪酸流入量の増加や、(2)肝臓における脂肪酸のβ−酸化やω−酸化の低下等によって発症すると考えられている。前記(1)は高脂肪食品の過剰摂取が原因となるし、前記(2)は、日常的なアルコール摂取によりもたらされるものである。

脂肪肝を予防又は改善する剤等としては、これまでにインスリン抵抗性改善剤エイコサペンタエン酸(EPA)、ベタインコリンなどが知られている(例えば特許文献1)。しかし、本発明者らが知る限り、ヒトが日常的に手軽かつ安全に、しかも継続的に摂取でき、生活習慣に起因する脂肪肝を効果的に予防又は改善できる抗生活習慣病用剤は未だ提供されていない。

概要

本発明は、日常的に手軽かつ安全に、しかも継続的に摂取できる抗生活習慣病用剤、経口組成物、及び高脂肪食品を提供することを課題とする。本文記載の特徴を有する特定の分岐α−グルカンを含有する抗生活習慣病用剤、及び、これを含有する経口組成物、さらには、それらを含んでなる高脂肪食品を提供することによって上記課題を解決する。

目的

現在の多様な食生活に対応するためには、生活習慣病を効果的に予防又は改善することができる上に、食品に配合した場合でも風味の低下を生じることがなく、手軽かつ継続的に摂取可能な可食性素材さらにはそれを含む食品等の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
- 件

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請求項1

下記(A)乃至(D)の特徴を有する分岐α−グルカンを含有する、抗生活習慣病用剤;(A)グルコース構成糖とし、(B)α−1,4結合を介して連結したグルコース重合度3以上の直鎖状グルカンの一端に位置する非還元末端グルコース残基にα−1,4結合以外の結合を介して連結したグルコース重合度1以上の分岐構造を有し、(C)グルコース重合度が6乃至430であって、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が20以下で、(D)本文記載の高速液体クロマトグラフ法(酵素HPLC法)により求めた水溶性食物繊維含量が20質量%以上である。

請求項2

前記分岐α−グルカンがメチル化分析において下記(1)乃至(4)の特徴を有する、請求項1記載の抗生活習慣病用剤;(1) 2,3,6−トリメチル−1,4,5−トリアセチルグルシトールと2,3,4−トリメチル−1,5,6−トリアセチルグルシトールの比が1:0.6乃至1:4の範囲にあり、(2) 2,3,6−トリメチル−1,4,5−トリアセチルグルシトールと2,3,4−トリメチル−1,5,6−トリアセチルグルシトールとの合計が部分メチル化グルシトールアセテートの60%以上を占め、(3)2,4,6−トリメチル−1,3,5−トリアセチルグルシトールが部分メチル化グルシトールアセテートの0.5%以上10%以下であり、(4)2,4−ジメチル−1,3,5,6−テトラアセチルグルシトールが部分メチル化グルシトールアセテートの0.5%以上である。

請求項3

請求項1又は2記載の抗生活習慣病用剤と、ポリフェノール甘味料、及び高甘味度甘味料から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする経口組成物

請求項4

ポリフェノールが糖転移ルチン糖転移ヘスペリジン、及び糖転移ナリンジンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項3記載の経口組成物。

請求項5

高甘味度甘味料が、ネオテームアスパルテームステビア抽出物酵素処理ステビアスクラロースアセスルファムK、サッカリンソーマチン、及びグリチルリチンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項3記載の経口組成物。

請求項6

請求項1乃至5のいずれかに記載の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を含んでなる高脂肪食品

請求項7

請求項1乃至6のいずれかに記載の抗生活習慣病用剤、経口組成物、又は高脂肪食品の脂肪肝の予防又は改善剤としての使用。

請求項8

請求項1乃至6のいずれかに記載の抗生活習慣病用剤、経口組成物、又は高脂肪食品の便通改善剤としての使用。

請求項9

請求項1乃至6のいずれかに記載の抗生活習慣病用剤、経口組成物、又は高脂肪食品の満腹感持続又は向上剤としての使用。

請求項10

請求項1乃至6のいずれかに記載の抗生活習慣病用剤、経口組成物、又は高脂肪食品の潰瘍性大腸炎予防又は治療剤としての使用。

技術分野

0001

本発明は、生活習慣病を予防又は改善する抗生活習慣病用剤及びそれを含んでなる経口組成物に関し、詳細には、ヒトが日常的に手軽かつ安全に、しかも、継続的に摂取でき、生活習慣病を効果的に予防又は改善することができる抗生活習慣病用剤及びそれを含んでなる経口組成物に関する。

背景技術

0002

先進諸国では、生活水準の向上と医療技術発展に伴って平均寿命伸び、急速に高齢化が進んでいる。生活水準の変化と高齢化により、生活習慣病と呼ばれるさまざまな疾患の発症率が著しく増加しており、生活習慣病を予防又は改善するための研究が進められている。生活習慣病を予防又は改善するためには、アルコール摂取量の制限や食事量コントロールウォーキングジョギングなどの有酸素運動をすることが推奨されているが、これらを適切な指導の下に長期間、日常的に行うことは困難である。このような状況下、手軽かつ継続的に摂取可能な可食性素材やそれを含む食品医薬品等によって、生活習慣病を効果的に予防又は改善する研究が進められている(例えば非特許文献1乃至4)。しかしながら、従来から提案されている可食性素材の中には、食品等として使用した場合に味、香り食感等の風味の低下を生じるものや、大量に摂取しないと効果が認められないもの、或いは、体調体質によっては下痢などが発生するなどの欠点があるものも少なくない。現在の多様な食生活に対応するためには、生活習慣病を効果的に予防又は改善することができる上に、食品に配合した場合でも風味の低下を生じることがなく、手軽かつ継続的に摂取可能な可食性素材さらにはそれを含む食品等の開発が望まれている。

0003

生活習慣病の中では、特に日常的なアルコール飲料の過剰摂取や、食生活の欧米化による高脂肪食品の摂取量増加に伴う「脂肪肝」が特に深刻な社会問題である。脂肪肝とは、肝細胞肝臓)に中性脂肪が異常に蓄積した状態をいい、正常な肝臓内部の中性脂肪含量は通常2乃至4質量%であるが、この含量が5質量%以上となった状態を脂肪肝というとされている。脂肪肝の診断は、前記中性脂肪含量に加え、血液検査におけるGOTGPTの値や、TG、コリンエステラーゼアルブミン総コレステロール、及び低密度リポ蛋白質の値などに基づいて診断される。近年、脂肪肝の患者急増しており、男性の約40%、女性の約15%は脂肪肝に罹患しているといわれている。

0004

脂肪肝には、アルコール性脂肪肝非アルコール性脂肪肝があり、その内、アルコールの過剰摂取により誘発されるアルコール性脂肪肝は、アルコール性肝炎肝線維症、さらには肝硬変へと進行する場合がある。これら一連肝臓疾患アルコール性肝障害と呼ばれ、一旦、肝線維症や肝硬変にまで進行してしまうと、肝機能回復は極めて困難となる。一方、非アルコール性脂肪肝として、高脂肪食品摂取に起因する高脂肪食性の脂肪肝があり、高脂肪食性の脂肪肝は、ヒトが日常的又は比較的長期間に亘って継続的に高脂肪食品を摂取する場合、高脂肪食品由来脂肪消費されずに体内に残り、これが中性脂肪となって肝臓に蓄積することにより誘発されると考えられている。アルコール性脂肪肝及び高脂肪食性の脂肪肝は、いずれも代表的な生活習慣病であり、メタボリックシンドロームを進行させる一因となる。したがって、それら脂肪肝に至らぬよう生活習慣を改善することは勿論であるが、日常的に摂取する食品や医薬品等によって脂肪肝を予防又は改善することができれば、その意義は多大である。

0005

アルコール性脂肪肝や高脂肪食性の脂肪肝を発症する詳細なメカニズムは不明であるが、(1)食事による体内への脂肪酸流入量の増加や、(2)肝臓における脂肪酸のβ−酸化やω−酸化の低下等によって発症すると考えられている。前記(1)は高脂肪食品の過剰摂取が原因となるし、前記(2)は、日常的なアルコール摂取によりもたらされるものである。

0006

脂肪肝を予防又は改善する剤等としては、これまでにインスリン抵抗性改善剤エイコサペンタエン酸(EPA)、ベタインコリンなどが知られている(例えば特許文献1)。しかし、本発明者らが知る限り、ヒトが日常的に手軽かつ安全に、しかも継続的に摂取でき、生活習慣に起因する脂肪肝を効果的に予防又は改善できる抗生活習慣病用剤は未だ提供されていない。

0007

特開平4−300828号公報

先行技術

0008

「食品と開発」、Vol.48、No.1、UBMメディア株式会社、p.15−17(2013)
食物繊維基礎と臨床−」 株式会社書店p.191−203(1997)
「食品と科学」 2003年8月号、株式会社食品と科学社、p.83−87(2003)
「日本調理学会誌」、Vol.42、No.6、一般社団法人日本調理学会、p.386−393(2009)

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、ヒトが日常的に手軽かつ安全に、しかも継続的に摂取でき、生活習慣病、中でもアルコール性又は高脂肪食性の脂肪肝を効果的に予防又は改善することができる抗生活習慣病用剤と、これを含んでなる経口組成物、さらにはそれらを含んでなる高脂肪食品を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本出願人は、先に国際公開第WO2008/136331号パンフレットにおいて新規分岐α−グルカンを開示し、当該分岐α−グルカンが非う蝕性、難消化性、適度の粘性生体における血糖値・血中インスリン上昇抑制作用などの優れた作用を有していることを開示した。また、本出願人は、特開2010−100583号公報において、前記分岐α−グルカンが脂質代謝改善作用を有することを開示した。本発明者らは、前記分岐α−グルカンの生理学的・薬理学的作用についてさらに研究を行う過程で、前記分岐α−グルカンが低いグリセミックインデックス値(GI値)を示す素材であること、及び前記分岐α−グルカンをヒトが摂取すると、前記分岐α−グルカンに含まれる水溶性食物繊維の一部が大腸に達して腸内細菌による発酵により水素ガスが発生することを見出した。また、前記分岐α−グルカンをヒトが摂取すると便通改善や整腸作用(腸内のビフィズス菌占有率増加作用)がもたらされることを見出した。さらに、前記分岐α−グルカンをヒトが摂取すると高い満腹感満足度が得られ、しかもその効果が持続することを見出した。GI値とは、よく知られているとおり、ある食品素材を摂取したときの血糖値の上昇の度合いを、ブドウ糖を摂取したときの血糖値の上昇度合いに対する相対値で表した数値であり、例えば非特許文献3、4に示されるとおり、GI値が低い食品を摂取すると、GI値が高い食品を摂取する場合に比べて、生活習慣病のリスクが低減されることが知られている。また、非特許文献1に示されるとおり、腸内細菌の作用によって腸内で発生する水素ガスには、活性酸素を除去し、酸化ストレスが原因とされる生活習慣病などを予防又は改善する効果があることが知られている。したがって、GI値が低く、かつ、腸内細菌による水素ガスの発生を招来する前記分岐α−グルカンは、生活習慣病の効果的な予防又は改善に有効である。また、前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに、便通改善や整腸作用がもたらされるので、便秘に起因する生活習慣病等の疾患の効果的な予防又は改善に有効である。さらに、前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに高い満腹感と満足度が得られ、しかもその効果が持続するので、過食が予防でき、生活習慣病の効果的な予防又は改善に有効である。さらに、前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに潰瘍性大腸炎の進行を抑制する効果がある。潰瘍性大腸炎の発症メカニズムは明らかではないが、腸内環境の変化やストレスなどが要因と考えられている。前述した通り、前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに腸内環境を改善する作用があるので、潰瘍性大腸炎の進行の抑制効果も有している。斯かる知見に基づき、本発明者らはさらに研究を重ね、マウスおよびラットを用いた試験により、前記分岐α−グルカンが、生活習慣病の中でも、特に高脂肪食品の摂取又はアルコール飲料の摂取に起因する脂肪肝を効果的に予防又は改善する作用を有していることを確認し、本発明を完成した。

0011

すなわち本発明は、下記(A)乃至(D)の特徴を有する分岐α−グルカンを含有する抗生活習慣病用剤を提供することによって上記の課題を解決するものである。
(A)グルコース構成糖とし、
(B)α−1,4結合を介して連結したグルコース重合度3以上の直鎖状グルカンの一端に位置する非還元末端グルコース残基にα−1,4結合以外の結合を介して連結したグルコース重合度1以上の分岐構造を有し、
(C)グルコース重合度が6乃至430であって、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が20以下で、
(D)本文記載の高速液体クロマトグラフ法(酵素HPLC法)により求めた水溶性食物繊維含量が20質量%以上である。

0012

上記(A)乃至(D)の特徴を有する分岐α−グルカンは、GI値が低く、これを摂取したときには腸内細菌による水素ガスの発生をもたらすとともに、便通改善効果、整腸作用をもたらす。さらに、前記分岐α−グルカンを摂取すると、高い満腹感および満足度を与え、しかもその効果の持続をもたらす。よって前記分岐α−グルカンは、生活習慣病を有意に予防又は改善する作用を有し、さらには高脂肪食品の摂取又はアルコール飲料の摂取に起因する脂肪肝を効果的に予防又は改善する作用を有している。したがって、上記(A)乃至(D)の特徴を有する分岐α−グルカンは抗生活習慣病用剤の有効成分として極めて有用である。なお、本明細書でいう抗生活習慣病用剤とは、生活習慣病を予防、改善、又は治療等するために用いられる剤を意味する。

0013

上記(A)乃至(D)の特徴を有する分岐α−グルカンは、より好適には、メチル化分析において下記(1)乃至(4)の特徴を有する分岐α−グルカンである。
(1)2,3,6−トリメチル−1,4,5−トリアセチルグルシトールと2,3,4−トリメチル−1,5,6−トリアセチルグルシトールの比が1:0.6乃至1:4の範囲にあり、
(2)2,3,6−トリメチル−1,4,5−トリアセチルグルシトールと2,3,4−トリメチル−1,5,6−トリアセチルグルシトールとの合計が部分メチル化グルシトールアセテートの60%以上を占め、
(3)2,4,6−トリメチル−1,3,5−トリアセチルグルシトールが部分メチル化グルシトールアセテートの0.5%以上10%以下であり、
(4)2,4−ジメチル−1,3,5,6−テトラアセチルグルシトールが部分メチル化グルシトールアセテートの0.5%以上である。

0014

メチル化分析において上記(1)乃至(4)の特徴を有する分岐α−グルカンは、GI値が低く、これを摂取したときには腸内細菌による水素ガスの発生をもたらし、生活習慣病を有意に予防又は改善する作用を有するとともに、高脂肪食品の摂取又はアルコール飲料の摂取に起因する脂肪肝を効果的に予防又は改善する作用を有しており、抗生活習慣病用剤の有効成分として極めて有用である。

0015

本発明の抗生活習慣病用剤は、例えば、ポリフェノール甘味料、及び高甘味度甘味料から選ばれる1種または2種以上と組み合わせることによって、本発明の抗生活習慣病用剤と、ポリフェノール、甘味料、及び高甘味度甘味料から選ばれる1種または2種以上を含有する経口組成物とすることもできる。経口組成物とは、ヒト又はヒト以外の動物経口摂取することができる組成物を意味する。本発明の抗生活習慣病用剤と組み合わせて用いることができる前記ポリフェノールとしては、例えば、糖転移ルチン糖転移ヘスペリジン、糖転移ナリンジンが挙げられ、これらのポリフェノールは、いずれか1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。本発明の抗生活習慣病用剤と組み合わせて用いることができる前記甘味料としては、砂糖麦芽糖、ブドウ糖、異性化糖トレハロース蜂蜜メープルシュガーソルビトール、及びマルチトールが挙げられ、これらの甘味料は、いずれか1種を単独で用いも良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、本発明の抗生活習慣病用剤と組み合わせて用いることができる前記高甘味度甘味料としては、ネオテームアスパルテームステビア抽出物酵素処理ステビアスクラロースアセスルファムK、サッカリンソーマチン、及びグリチルリチンが挙げられ、これらの高甘味度甘味料は、そのいずれか1種を単独で用いても良いし、或いは2種以上を組み合わせて用いても良い。

0016

本発明の抗生活習慣病用剤又はこれを含有する本発明の経口組成物は、高脂肪食品と同時又は相前後して摂取するのが望ましく、より好適には、本発明の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を高脂肪食品に配合し、本発明の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を含んでなる高脂肪食品として提供されるのが望ましい。高脂肪食品が本発明の抗生活習慣病用剤又はこれを含有する本発明の経口組成物を含んでいる場合には、摂取者が特段意識することなく、高脂肪食品と同時に本発明の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を摂取することができるので、無理なく継続的に、しかも摂取する高脂肪食品の量に応じた量だけ本発明の抗生活習慣病用剤又はこれを含有する本発明の経口組成物を摂取することができるという優れた利点が得られる。

0017

本発明の抗生活習慣病用剤、これを含有する経口組成物、又は、これらを含んでなる高脂肪食品は、生活習慣病を予防又は改善する抗生活習慣病用剤として用いられることは勿論であるが、生活習慣病の中でも特に脂肪肝を予防又は改善する抗脂肪肝用剤として用いられるのが好ましい。また、本発明の抗生活習慣病用剤に有効成分として含まれる前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに腸内細菌による腸内水ガスの発生をもたらすという作用があるので、本発明の抗生活習慣病用剤、これを含有する経口組成物、又は、これらを含んでなる高脂肪食品は、腸内水素ガス発生促進剤としても使用することができる。また、本発明の抗生活習慣病用剤に有効成分として含まれる前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに便通改善と整腸作用(腸内のビフィズス菌占有率の増加作用)が得られるので、本発明の抗生活習慣病用剤、これを含有する経口組成物、又は、これらを含んでなる高脂肪食品は、便通改善剤又は整腸剤としても使用することができる。さらに、本発明の抗生活習慣病用剤に有効成分として含まれる前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに高い満腹感と満足度が得られ、しかもその効果が持続するので、本発明の抗生活習慣病用剤、これを含有する経口組成物、又は、これらを含んでなる高脂肪食品は、満腹感持続剤、又は満腹感向上剤、又は腹持ち剤としても使用することができる。さらに、本発明の抗生活習慣病用剤に有効成分として含まれる前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに活性型グルカゴン様ペプチド−1の分泌が促進するので、本発明の抗生活習慣病用剤、これを含有する経口組成物、又は、これらを含んでなる高脂肪食品は、活性型グルカゴン様ペプチド分泌促進剤としても使用することができる。さらに、本発明の抗生活習慣病用剤に有効成分として含まれる前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに潰瘍性大腸炎の進行を抑制する効果があるので、本発明の抗生活習慣病用剤、これを含有する経口組成物、又は、これらを含んでなる高脂肪食品は、潰瘍性大腸炎予防剤又は治療剤としても利用できる。

発明の効果

0018

前記分岐α−グルカンは、低いグリセミックインデックス値(GI値)を示す可食性素材であり、また、これを摂取すると、前記分岐α−グルカンの少なくとも一部が大腸に達して、腸内細菌による発酵作用による水素ガスの発生や便通改善、整腸作用をもたらす。さらに、前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに高い満腹感と満足度が得られ、しかもその効果が持続するので、過食が予防できる。よって、前記分岐α−グルカンを含有する本発明の抗生活習慣病用剤、又はこれを含有する本発明の経口組成物によれば、生活習慣病を効果的に予防又は改善することができるという利点が得られる。また本発明の抗生活習慣病用剤又はこれを含有する経口組成物によれば、生活習慣病の中でも特にアルコール性及び高脂肪食性の脂肪肝を効果的に予防又は改善することができるという利点が得られる。さらに、本発明の抗生活習慣病用剤又はこれを含有する経口組成物を含んでなる本発明の高脂肪食品によれば、高脂肪食品の摂取と同時に、摂取者が意識することなく、摂取する高脂肪食品の量に応じた量の抗生活習慣病用剤又はそれを含む経口組成物を摂取することができるという利点が得られる。さらに、本発明の抗生活習慣病用剤が有効成分とする前記分岐α−グルカンは、澱粉又はその部分分解物アミロース原料として酵素的方法によって製造することができ、ヒト又はヒト以外の動物に長期間に亘って摂取させるか投与しても、副作用心配なく安全に用いることができる可食性素材であることから、工業的に廉価かつ安定して供給することができるとともに、ヒト及びヒト以外の動物が日常的に安全かつ手軽に、しかも継続的に摂取することができる。また、前記分岐α−グルカンを飲食品等の経口組成物や高脂肪食品に配合した場合に、それら経口組成物や高脂肪食品の風味や食感を改善する効果があるので、ヒトが継続的に手軽に摂取することができる。

図面の簡単な説明

0019

製造例1の方法で得られた分岐α−グルカンのゲル濾過HPLCクロマトグラムである。
飼育試験満了後の試験群1のラット肝臓のヘマトキシリンエオジン(H−E)染色標顕微鏡撮影した写真中間調画像を示す図である。
飼育試験満了後の試験群2のラット肝臓のヘマトキシリン−エオジン(H−E)染色標を顕微鏡で撮影した写真の中間調画像を示す図である。
飼育試験満了後の試験群3のラット肝臓のヘマトキシリン−エオジン(H−E)染色標を顕微鏡で撮影した写真の中間調画像を示す図である。
飼育試験満了後の試験群4のラット肝臓のヘマトキシリン−エオジン(H−E)染色標を顕微鏡で撮影した写真の中間調画像を示す図である。
ヒトにおける呼気水素ガス排出経時変化を示したグラフである(横軸は分岐α−グルカン1摂取後の経過時間、縦軸は呼気水素ガス発生量(ppm))。
実験6−1−1および実験6−2−2で用いた「満腹感」および「満足度」に関するアンケート用紙を示す図である(VAS法)。
実験6−1−1での被験者の「満腹感」に関するスコアの経時変化を示す図である。
実験6−1−1での被験者の「満足度」に関するスコアの経時変化を示す図である。
実験6−1−2での被験者の「満腹感」に関するスコアの経時変化を示す図である。
実験6−1−2での被験者の「満足度」に関するスコアの経時変化を示す図である。
ラットの活性型GLP−1分泌量を示したグラフである。(横軸は、「0」は摂取前、「比較群」はマルトデキストリンを摂取した群、「実施群」は本分岐α−グルカンを摂取した群であり、縦軸は活性型GLP−1の分泌量である(pg/ml))。

0020

本発明において、抗生活習慣病用剤の有効成分として用いられる分岐α−グルカンは、本出願人が先に国際公開第WO2008/136331号パンフレットにおいて開示した分岐α−グルカンであり、斯かる分岐α−グルカンは以下の(A)乃至(D)の特徴を有している。
(A)グルコースを構成糖とし、
(B)α−1,4結合を介して連結したグルコース重合度3以上の直鎖状グルカンの一端に位置する非還元末端グルコース残基にα−1,4結合以外の結合を介して連結したグルコース重合度1以上の分岐構造を有し、
(C)グルコース重合度が6乃至430であって、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が20以下で、
(D)本文記載の高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により求めた水溶性食物繊維含量が20質量%以上である。

0021

すなわち、本発明で抗生活習慣病用剤の有効成分として用いられる分岐α−グルカン(以下、「本分岐α−グルカン」という。)は、グルコースを唯一の構成糖とするグルカン(特徴(A))であり、α−1,4結合を介して連結したグルコース重合度3以上の直鎖状グルカンの一端に位置する非還元末端グルコース残基にα−1,4結合以外の結合を介して連結したグルコース重合度1以上の分岐構造を有している(特徴(B))。なお、「非還元末端グルコース残基」とは、α−1,4結合を介して連結したグルカン鎖のうち、還元性を示さない末端に位置するグルコース残基を意味し、「α−1,4結合以外の結合」とは、文字どおりα−1,4結合以外の結合であり、α−1,2結合、α−1,3結合、α−1,6結合、α−1,4,6、及びα−1,3,6結合が挙げられる。

0022

さらに、本分岐α−グルカンは、グルコース重合度が6乃至430であって、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)が20以下(特徴(C))の分岐α−グルカンである。ここで、「グルコース重合度」とは、グルカンを構成するグルコース残基の個数を指し、例えば、ゲル濾過クロマトグラフィー(HPLC)等を用いて常法により測定することができる。本分岐α−グルカンのグルコース重合度は、通常、6乃至430であるが、好ましくはグルコース重合度が10乃至100、より好ましくは25乃至75のものがより好適に用いられる。また、本分岐α−グルカンの重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)は、通常20以下であるが、より好ましくは、Mw/Mnが10以下、更に好ましくは、1乃至3であるものを用いるのが良い。

0023

さらに、本分岐α−グルカンは、高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)によって求めた水溶性食物繊維含量が20質量%以上であるという特徴(特徴(D))を備えている。本分岐α−グルカンは、通常、水溶性食物繊維含量が20質量%以上であるが、水溶性食物繊維含量が60質量%以上のものが好ましく、より好ましくは75乃至85質量%であるものが好適に用いられる。

0024

本分岐α−グルカンにおける水溶性食物繊維含量を求める「高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)」(以下、単に「酵素−HPLC法」という。)とは、平成8年5月厚生省告示第146号の栄養表示基準、「栄養成分等の分析方法等(栄養表示基準別表第1の第3欄に掲げる方法)」における第8項、「食物繊維」に記載されている方法であり、その概略を説明すると以下のとおりである。すなわち、試料を熱安定α−アミラーゼプロテアーゼおよびアミログルコシダーゼグルコアミラーゼ)による一連の酵素処理により分解処理し、イオン交換樹脂により処理液から蛋白質有機酸無機塩類を除去することにより高速液体HPLC用の試料溶液を調製する。次いで、ゲル濾過HPLCに供し、クロマトグラムにおける、未消化グルカンとグルコースのピーク面積を求め、それぞれのピーク面積と、別途、常法により、グルコース・オキシダーゼ法により求めておいた試料溶液中グルコース量を用いて、試料の水溶性食物繊維含量を算出する。なお、本明細書を通じて「水溶性食物繊維含量」とは、特に説明がない限り、前記「酵素−HPLC法」で求めた水溶性食物繊維含量を意味する。

0025

本分岐α−グルカンは上記(A)乃至(D)によって特徴づけられる分岐α−グルカンであるが、分岐α−グルカンを構成するグルコースの結合様式という観点からみれば、本分岐α−グルカンは、メチル化分析において下記(1)乃至(4)の特徴を示す分岐α−グルカンである。
(1)2,3,6−トリメチル−1,4,5−トリアセチルグルシトールと2,3,4−トリメチル−1,5,6−トリアセチルグルシトールの比が1:0.6乃至1:4の範囲にある;
(2)2,3,6−トリメチル−1,4,5−トリアセチルグルシトールと2,3,4−トリメチル−1,5,6−トリアセチルグルシトールとの合計が部分メチル化グルシトールアセテートの60%以上を占める;
(3)2,4,6−トリメチル−1,3,5−トリアセチルグルシトールが部分メチル化グルシトールアセテートの0.5%以上10%以下である;および、
(4)2,4−ジメチル−1,3,5,6−テトラアセチルグルシトールが部分メチル化グルシトールアセテートの0.5%以上である。

0026

メチル化分析とは、周知のとおり、多糖またはオリゴ糖において、これを構成する単糖の結合様式を決定する方法として一般的に汎用されている方法である。メチル化分析をグルカンにおけるグルコースの結合様式の分析に適用する場合、まず、グルカンを構成するグルコース残基における全ての遊離水酸基をメチル化し、次いで、完全メチル化したグルカンを加水分解する。次いで、加水分解により得られたメチル化グルコースを還元してアノマー型を消去したメチル化グルシトールとし、更に、このメチル化グルシトールにおける遊離の水酸基をアセチル化することにより部分メチル化グルシトールアセテート(なお、「部分メチル化グルシトールアセテート」におけるアセチル化された部位と「グルシトールアセテート」の表記を省略して、「部分メチル化物」と略称する場合がある。)を得る。得られる部分メチル化物を、ガスクロマトグラフィーで分析することにより、グルカンにおいて結合様式がそれぞれ異なるグルコース残基に由来する各種部分メチル化物は、ガスクロマトグラムにおける全ての部分メチル化物のピーク面積に占めるピーク面積の百分率(%)で表すことができる。そして、このピーク面積%から当該グルカンにおける結合様式の異なるグルコース残基の存在比、すなわち、各グルコシド結合存在比率を決定することができる。部分メチル化物についての「比」は、メチル化分析のガスクロマトグラムにおけるピーク面積の「比」を意味し、部分メチル化物についての「%」はメチル化分析のガスクロマトグラムにおける「面積%」を意味するものとする。

0027

上記(1)における「2,3,6−トリメチル−1,4,5−トリアセチルグルシトール」(以下、「2,3,6−トリメチル化物」と略称する。)は、分岐α−グルカンにおいてα−1,4結合していたグルコース残基に対応し、「2,3,4−トリメチル−1,5,6−トリアセチルグルシトール」(以下、「2,3,4−トリメチル化物」と略称する。)は、α−1,6結合していたグルコース残基に対応する。そして、上記(1)が規定する「2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物の比が1:0.6乃至1:4の範囲にある」とは、本分岐α−グルカンが、メチル化分析において、α−1,4結合していたグルコース残基に対するα−1,6結合していたグルコース残基の比率が「0.6乃至4」の範囲にあることを意味する。本分岐α−グルカンは、通常、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物の比が1:0.6乃至1:4の範囲にあり、好ましい場合には、前記比が1:2乃至1:4の範囲にあり、より好ましい場合には、1:2.3乃至1:3.3の範囲にあるものが好適に用いられる。

0028

上記(2)が規定する「2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物との合計が部分メチル化物の60%以上を占める」とは、α−1,4結合しているグルコース残基と、α−1,6結合しているグルコース残基の合計が、グルカンを構成する全グルコース残基の60%以上を占めることを意味する。本分岐α−グルカンは、通常、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物との合計が、部分メチル化物の60%以上(すなわち、α−1,4結合しているグルコース残基と、α−1,6結合しているグルコース残基の合計が、本分岐α−グルカンを構成する全グルコース残基の60%以上)であるが、好ましくは65乃至75%、更に好ましくは65乃至72%の範囲にあるものが好適に用いられる。

0029

同様に、上記(3)における「2,4,6−トリメチル−1,3,5−トリアセチルグルシトール」(以下、「2,4,6−トリメチル化物」と略称する。)は、α−1,3結合していたグルコース残基に対応し、「2,4,6−トリメチル化物が部分メチル化物の0.5%以上10%未満である」とは、本分岐α−グルカンにおいては、通常、α−1,3結合したグルコース残基がグルカンを構成する全グルコース残基の0.5%以上10%未満存在することを意味する。本分岐α−グルカンとしては、2,4,6−トリメチル化物が部分メチル化物の0.5乃至10%未満、好ましくは1乃至3%未満の範囲にあるものが好適に用いられる。

0030

更に、上記(4)における「2,4−ジメチル−1,3,5,6−テトラアセチルグルシトール」(以下、「2,4−ジメチル化物」と略称する。)は、α−1,3結合及びα−1,6結合していたグルコース残基(すなわちα−1,3,6結合していたグルコース残基)に対応し、上記(4)が規定する「2,4−ジメチル化物が部分メチル化物の0.5%以上である」とは、本分岐α−グルカンにおいては、α−1,3,6結合したグルコース残基が、グルカンを構成する全グルコース残基の0.5%以上存在することを意味する。本分岐α−グルカンは、通常、2,4−ジメチル化物が部分メチル化物の0.5%以上であるが、好ましくは2,4−ジメチル化物が部分メチル化物の4乃至9%、より好ましくは5乃至9%の範囲にあるものが好ましく用いられる。

0031

更に、本分岐α−グルカンは、グルカンにおけるイソマルトース構造の還元末端側に隣接するα−1,2、α−1,3、α−1,4、及びα−1,6結合のいずれの結合様式であっても加水分解する特徴を有するイソマルトデキストラナーゼ(EC 3.2.1.94)を作用させると、消化物固形物当たりイソマルトースを、通常、20質量%以上50質量%以下生成するという特徴を備えている。

0032

本分岐α−グルカンは、上記(A)乃至(D)の特徴を有しているか、或いは、メチル化分析において上記(1)乃至(4)の特徴を有している限り、如何なる方法で製造されたものであっても良いが、例えば酵素反応によって製造するのが好ましい。酵素反応によって本分岐α−グルカンを製造する際には、α−グルコシル転移作用(糖転移作用)を有する酵素を用いて製造することができる。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、α−グルコシル転移作用を有する酵素を「α−グルコシル転移酵素」という。

0033

本分岐α−グルカンを製造するα−グルコシル転移酵素としては、例えば、本出願人が先に国際公開第WO2008/136331号パンフレットにおいて開示したα−グルコシル転移酵素を挙げることができる。前記α−グルコシル転移酵素は、マルトース及び/又はグルコース重合度が3以上のα−1,4グルカンに作用し、実質的に加水分解することなくα−グルコシル転移を触媒することにより、本分岐α−グルカンを生成する。前記α−グルコシル転移酵素は、加水分解活性が弱い点、低濃度から高濃度まで基質溶液の濃度に依存せず効率の良い転移活性を有する点、及び、α−1,3のみならずα−1,3,6結合をも生成する点に特徴のある酵素である。α−グルコシル転移作用を有する酵素としては、α−グルコシダーゼ(EC.3.2.1.20)などが挙げられる。酵素の添加量および酵素の反応時間、反応条件については、水溶性食物繊維含量、分子量分布、α−1,4結合以外の結合の割合を調節する目的等で、当業者が適宜決定できる。

0034

本分岐α−グルカンの製造に用いられるα−グルコシル転移酵素は、その給源によって制限されず、市販のものを用いても、微生物等から単離したものを用いてもよく、給源となる微生物は、天然由来の微生物に加えて、α−グルコシル転移酵素生産能を有する組換え微生物であってもよい。好ましい給源としては、国際公開第WO2008/136331号パンフレットに記載された、土壌より単離した微生物バチルスサーキュランス PP710(FERM BP−10771)(日本国県つくば市東1丁目1番地1 中央第6所在の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに、2007年2月1日付けで、受託番号FERM BP−10771として寄託)や、アルスロバクターグロビホルミス PP349(FERM BP−10770)(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6所在の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、2007年2月1日付けで、受託番号FERM BP−10770として寄託)などが挙げられる。

0035

前記バチルス・サーキュランス PP710(FERM BP−10771)由来のα−グルコシル転移酵素や、アルスロバクター・グロビホルミス PP349(FERM BP−10770)由来のα−グルコシル転移酵素の反応メカニズムは、国際公開第WO2008/136331号パンフレット記載の通りであるが、下記に説明すると、前記α−グルコシル転移酵素は、
(1)基質としてマルトース及び/又はグルコース重合度が3以上のα−1,4グルカンに作用し、非還元末端グルコース残基を他のα−1,4グルカンの非還元末端グルコース残基に主としてα−1,4またはα−1,6グルコシル転移することにより、非還元末端グルコース残基の4位または6位水酸基にグルコースがα−結合したα−1,4グルカン(グルコース重合度が1増加したα−グルカン)と、グルコース重合度が1減じたα−1,4グルカンを生成する。
(2)(1)で生じたグルコース重合度が1減じたα−1,4グルカンに作用し、(1)で生じたグルコース重合度が1増加したα−グルカンに対して、(1)と同様に分子間α−1,4又はα−1,6グルコシル転移することにより、(1)で生成したグルコース重合度が1増加したα−グルカンの非還元末端グルコース残基の4又は6位水酸基にグルコースをさらに転移し、鎖長伸長する。
(3)上記(1)及び(2)の反応を繰り返すことにより、マルトース及び/又はグルコース重合度3以上のα−1,4グルカンからα−1,4及びα−1,6結合を有するグルカンを生成する。
(4)また前記α−グルコシル転移酵素はさらに、頻度は低いながらもα−1,3グルコシル転移やグルカンの内部にあるα−1,6結合したグルコース残基に対するα−1,4又はα−1,3グルコシル転移を触媒することにより、α−1,3結合、α−1,4,6結合、及びα−1,3,6結合をも有するグルカンを生成する。
(5)上記(1)乃至(4)の反応が繰り返される結果として、グルコースが主としてα−1,4結合及びα−1,6結合で結合し、僅かながらα−1,3結合、α−1,4,6結合、及びα−1,3,6結合を有する本分岐α−グルカンを生成する。

0036

上述したα−グルコシル転移酵素などの酵素を用いた酵素反応によって生成される本分岐α−グルカンは、通常、様々な分岐構造や重合度を有する分岐α−グルカンの混合物の形態にある。本発明においては、本分岐α−グルカンを生成された混合物のまま用いても良いし、常法により分子量ごとに分画して、比較的グルコース重合度の揃った画分として用いることもできる。したがって、本分岐α−グルカンには、グルコース重合度が6乃至430の範囲内で、本分岐α−グルカンを分子量或いはグルコース重合度を目安に分画した本分岐α−グルカンの画分も当然に含まれる。

0037

前記α−グルコシル転移酵素を用いる前記製造方法によって生成される本分岐α−グルカンは、分子量が2000万乃至3000万の高分子量水溶性多糖を含有している場合があり、その量は、通常、本分岐α−グルカン100質量%に対し0.01乃至2質量%程度である。因みに、本分岐α−グルカンは、上記(A)乃至(D)の特徴又はメチル化分析における上記(1)乃至(4)の特徴を有する限り、上記水溶性多糖を含有していても抗生活習慣病用剤の有効成分として所期の効果を発揮する。したがって、本発明の抗生活習慣病用剤に含有させるに際しては、前記水溶性多糖を適宜の方法で分画、除去しても良いし、分画、除去しなくても良い。

0038

また、本分岐α−グルカンを常法により還元して、還元物として用いることもできる。なお、還元物とは、糖の還元末端のグルコースのアルデヒド基が還元され、水酸基となっているものを言う。還元物を調製する方法は、常法に従って行えばよく、例えば、本分岐α−グルカン混合物を濃度30〜60質量%水溶液にし、オートクレーブに入れ、触媒としてラネーニッケル8〜15質量%を添加し、攪拌しながら温度を90〜140℃に上げ、水素圧を20〜150kg/cm2に上げて水素添加を完了させた後、ラネーニッケルを除去し、次いで活性炭による脱色、イオン交換樹脂による脱塩などの精製工程を経た後、濃縮する方法等が挙げられる。また、低圧で還元物を調製してもよく、例えば、本分岐α−グルカン混合物を濃度30〜50質量%水溶液にし、オートクレーブに入れ、触媒としてラネーニッケル30〜50質量%を添加し、攪拌しながら温度を100〜130℃に上げ、水素圧を9.0〜9.8kg/cm2に上げて水素添加を完了させた後、ラネーニッケルを除去し、次いで活性炭による脱色、イオン交換樹脂による脱塩などの精製工程を経た後、濃縮する方法等が挙げられる。

0039

また、酵素反応によって本分岐α−グルカンを調製する際、α−グルコシル転移酵素とともに、他の公知のアミラーゼを併用して反応させることにより、分岐α−グルカンの水溶性食物繊維含量や分子量分布を調節することができる。例えば、澱粉液化液に、α−グルコシル転移酵素とともに、澱粉の内部のα−1,4結合を加水分解して新たな非還元末端グルコース残基を生じさせるα−アミラーゼやシクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ(以下、「CGTase」ということもある)などを併用して作用させることにより、分子量分布の幅を狭め粘度を低減させたり、耐老化性の向上や消化性の低減(水溶性食物繊維性の向上)に寄与するα−1,4結合以外の結合(すなわちα−1,6結合やα−1,3結合などの分岐構造)の割合をさらに増加させることも有利に実施できる。また、イソアミラーゼなどの澱粉枝切り酵素を併用することにより、分子量分布の幅を狭め、粘度を低減させることもできる。

0040

分岐α−グルカンにおける分岐の割合を増やすこと、すなわち水溶性食物繊維性と耐老化性を向上させることを目的とする場合には、α−グルコシル転移酵素と組み合わせで用いる酵素としては、CGTaseが特に好ましい。α−グルコシル転移酵素とCGTaseを組み合わせて澱粉原料に作用させると、特に、分岐の割合(数)を増やすことができる。α−グルコシル転移酵素とCGTaseとを組合わせて作用させた場合に得られる分岐α−グルカンの分岐の割合(数)が増えるメカニズムは、例えば以下のように考えることができる。
(1)CGTaseの加水分解作用により、α−1,4グルカンを加水分解し、α−1,4グルカンを低分子化し、新たな非還元末端が生成する。
(2)α−グルコシル転移酵素の転移作用により、グルコシル基をα−1,4グルカンの非還元末端にα−1,6グルコシル転移又はα−1,3グルコシル転移し、分岐構造を導入する。
(3)CGTaseの分子間転移作用により、上記(2)により導入された分岐構造のグルコース残基の4位水酸基にα−1,4グルカン鎖を転移し、分岐構造の鎖長が伸展する。
(4)さらに、α−グルコシル転移酵素の転移作用により、鎖長が伸展して生成したα−1,4グルカン鎖の非還元末端にさらにグルコシル基を、α−1,6グルコシル転移又はα−1,3グルコシル転移し、さらなる分岐構造を導入する。
(5)上記(1)〜(4)の反応が2種類の酵素の併用作用により混然一体となって行われ、α−1,6及び/又はα−1,3結合を比較的多く有する分岐α−グルカンが生成する。

0041

本発明の抗生活習慣病用剤に含有される本分岐α−グルカンの量には特に制限はないが、本分岐α−グルカンを1乃至100質量%、好ましくは、5乃至100質量%、より好ましくは10乃至100質量%の範囲で含有していれば良い。斯かる本発明の抗生活習慣病用剤は、含まれる本分岐α—グルカンを、水溶性食物繊維含量として、ヒト成人(体重60kg)一日当たり、通常、0.5g乃至100gの範囲で摂取できる量で摂取乃至は投与するのが好ましい。また、本発明の抗生活習慣病用剤は、本分岐α−グルカンに加えて、必要に応じて、水、食塩水生理食塩水、蛋白質、ペプチド、ポリフェノール、ミネラル抗菌物質、酵素、難消化性の多糖類、甘味料(例えば、砂糖、麦芽糖、ブドウ糖、異性化糖、トレハロース、蜂蜜、メープルシュガー、ソルビトール、マルチトール等)、高甘味度甘味料(例えば、ネオテーム、アスパルテーム、ステビア抽出物、酵素処理ステビア、スクラロース、アセスルファムK、サッカリン、ソーマチン、グリチルリチン等)、着色料着香料糊料安定化剤賦形剤増量剤pH調整剤などから選ばれる1種または2種以上の成分を、0.01乃至50質量%、好ましくは、0.1乃至40質量%の割合で適宜配合して利用することもできる。

0042

また、本分岐α−グルカンを含有する本発明の抗生活習慣病用剤は、そのまま抗生活習慣病用剤として用いても良いし、本分岐α−グルカンに加えて、さらに、ポリフェノール、甘味料、及び高甘味度甘味料から選ばれる1種または2種以上の成分を添加して、経口組成物として用いることができる。

0043

本発明の経口組成物において、ポリフェノールは、本分岐α−グルカンの抗生活習慣病用剤としての効果を安定化及び/又は増強するために用いられ、例えば、糖転移ルチン、糖転移ヘスペリジン、糖転移ナリンジン、ルチンヘスペリジン、ナリンジンなどのポリフェノールなどが好適に用いられる。なお、ポリフェノールは単離されたものであってもよいし、飲食品(例えば紅茶緑茶等の茶飲料)や食品素材などに含まれている形態であってもよい。これらのポリフェノールはいずれか1種を単独で本発明の経口組成物に配合しても良いし、いずれか2種以上を組み合わせて本発明の経口組成物に配合しても良い。配合するポリフェノールの量は、ポリフェノール量の合計で、通常、0.01乃至99質量%、好ましくは、0.1乃至70質量%、より好ましくは、1乃至50質量%、より更に好ましくは、1乃至30質量%の割合で用いることができる。なお、前記ポリフェノールの内、糖転移ルチン、糖転移ヘスペリジン、及び糖転移ナリンジンから選ばれる1種または2種以上と本分岐α−グルカンとの組み合わせは、生活習慣病を予防又は改善するという本発明の所期の効果をより安定的かつ持続的に発揮させ、相加効果以上の顕著な効果を発揮し得るので、より好ましい組み合わせである。

0044

また、本発明の経口組成物において、甘味料及び高甘味度甘味料は、本発明の経口組成物を飲み易くして、ヒトが日常的に手軽かつ継続的に摂取し易くするために用いられる。甘味料としては例えば、砂糖、麦芽糖、ブドウ糖、異性化糖、トレハロース、蜂蜜、メープルシュガー、ソルビトール、及びマルチトールから選ばれる1種又は2種以上の成分が挙げられ、通常、それら成分は、合計で、0.001乃至50質量%、好ましくは、0.01乃至70質量%、より好ましくは、0.1乃至50質量%、より更に好ましくは、1乃至30質量%の割合で用いることができる。

0045

また、本発明の経口組成物に用いられる高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アスパルテーム、ステビア抽出物、酵素処理ステビア、スクラロース、アセスルファムK、サッカリン、ソーマチン、及びグリチルリチンから選ばれる1種または2種以上の成分が挙げられ、通常、それら成分は、合計で、0.001乃至50質量%、好ましくは、0.01乃至70質量%、より好ましくは、0.1乃至50質量%の割合で用いることができる。特に、前記高甘味度甘味料の内、ネオテーム、アスパルテーム、ステビア抽出物、酵素処理ステビア、スクラロース、及びアセスルファムKから選ばれる1種または2種以上の成分と本分岐α−グルカンとの組み合わせは、本発明の所期の効果を損ねず、かつ、本分岐α−グルカンには、それら高甘味度甘味料の後味の悪さを改善する効果があるので、本発明の経口組成物を飲み易くするという面から特に好ましい。

0046

本発明の経口組成物には、上記成分に加えて、さらに、水、食塩水、生理食塩水、蛋白質、ペプチド、ポリフェノール、ミネラル、抗菌物質、酵素、難消化性の多糖類、着色料、着香料、糊料、安定化剤、賦形剤、増量剤、pH調整剤などから選ばれる1種又は2種以上を0.01乃至50質量%、好ましくは、0.1乃至40質量%の割合で適宜配合することができる。

0047

本発明の経口組成物は、粉末状、粒状、顆粒状、液状、ペースト状、クリーム状、タブレット状カプセル状カプレット状、ソフトカプセル状、錠剤状、棒状、板状、ブロック状、丸薬状、固形状、ゲル状、ゼリー状グミ状、ウエハース状ビスケット状、飴状チュアブル状シロップ状スティック状などの適宜の形態とすることができ、医薬品や医薬部外品だけでなく、特定保健用食品栄養補助食品、又は健康食品などの生活習慣病を予防又は改善することを目的に摂取される飲食品に配合することができる。配合される飲食品の具体例としては、炭酸飲料乳飲料ゼリー飲料スポーツドリンク、酢飲料、豆乳飲料鉄含有飲料、乳酸菌飲料、緑茶、紅茶、ココアコーヒーなどの飲料、米飯パン麺類スープ味噌汁ヨーグルトなどの食品、ソフトキャンディーハードキャンディ、グミ、ゼリークッキーソフトクッキー、せんべい、あられ、おこし、求肥餅類、わらび餅、まんじゅう、ういろう、餡類、羊羹水羊羹、錦玉、ゼリー、ペクチンゼリー、カステラ、ビスケット、クラッカーパイプリンバタークリームカスタードクリームシュークリームワッフルスポンジケーキホットケーキマフィンドーナツチョコレートガナッシュシリアルバーチューインガムキャラメル、ヌガー、フラワーペーストピーナッツペースト、フルーツペースト、ジャムマーマレードなどの菓子アイスクリームシャーベット、ジェラートなどの氷菓、更には、醤油粉末醤油味噌粉末味噌、もろみ、ひしお、フリカケマヨネーズドレッシング食酢、三酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆソーストマトソースケチャップ焼き肉タレ焼き鳥のタレ、から揚げ粉、天ぷら粉カレールウシチューの素、スープの素、ダシの素、複合調味料、みりん、新みりん、テーブルシュガー、コーヒーシュガーなどの各種調味料調理加工品があげられる。また、生活習慣病を予防又は改善(治療)するための液剤シロップ剤経管栄養剤錠剤カプセル剤トローチ剤下剤顆粒剤散剤粉剤乳剤噴霧剤などの形態にある薬剤に配合することもできる。また、本発明の経口組成物は、ヒト以外の動物が摂取するペットフード飼料に配合することもできる。

0048

本発明の経口組成物は、必要に応じて、経管投与経皮投与などの非経口的投与方法によりまたは消化管皮膚組織へ投与することもできる。本発明の経口組成物は、経口摂取又は非経口的投与のいずれによっても、脂肪肝を含めた各種生活習慣病を効果的に予防または改善することができる。したがって、本発明における「経口組成物」には、特に断りがない限り、通常の意味での経口組成物に加え、経管投与や経皮投与などの非経口投与方法によって投与される組成物も当然に含まれる。

0049

さらに本発明の抗生活習慣病用剤及びそれを含有する本発明の経口組成物は、適宜高脂肪食品に配合して、本発明の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を含んでなる高脂肪食品としても好適に利用することができる。本発明の高脂肪食品は本分岐α−グルカンを含んでいるので、これを摂取すると、食品中に含まれる本分岐α−グルカンによって、高脂肪食品摂取に起因する脂肪肝などの生活習慣病を効果的に予防又は改善する効果がある。加えて、本分岐α−グルカンは、食品の味、香り、食感等の風味に悪影響を及ぼさないので、本分岐α−グルカンを含んでいても食品本来の風味が保たれ、本発明に係る高脂肪食品は摂取し易い高脂肪食品である。

0050

本明細書でいう高脂肪食品とは、高脂肪食品とは、脂肪酸を比較的多く含む食品全般を意味し、食品質量当たり、脂肪酸を合計で、5乃至100質量%含む食品を意味する。本明細書でいう脂肪酸とは、脂肪肝などの生活習慣病の原因となる脂肪酸であり、飽和脂肪酸一価及び多価不飽和脂肪酸などの不飽和脂肪酸及びトランス脂肪酸を意味し、具体的には、ミリスチン酸ミリストレイン酸ペンタデカン酸、パルミチン酸パルミトレイン酸ヘプタデカン酸ヘプタデセン酸ステアリン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸アラキドン酸、イコセン酸ベヘン酸ドコサヘキサエン酸などを例示できる。前記脂肪酸の中でも、パルミチン酸及びステアリン酸などの飽和脂肪酸や、ミリストレイン酸及びオレイン酸などの一価不飽和脂肪酸等は、脂肪肝などの生活習慣病の原因となりやすい脂肪酸である。なお、上記脂肪酸の含量は、公知の方法により定量することができる。具体的には、例えば、JIS規格(JISK0070、JISK3331)に記載された方法、より詳細には、試料からクロロホルムメタノール混液などの有機溶媒で脂質を抽出し、その脂質量を定量するクロロホルム−メタノール混液抽出法や、試料に内部標準物質を添加してアルカリけん化し、三フッ化ホウ素メタノールなどで脂肪酸を全てメチルエステル化した後、メチルエステル分取し、ガスクロマトグラフィーで分析する公知の方法によって定量することができる。

0051

本発明の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を配合するに好適な高脂肪食品の具体例としては、牛肉豚肉馬肉肉、鶏肉魚卵タラコ、数の子、ブリイクラ)、魚油イワシ油ニシン油、マグロ油カツオ油、サンマ油メンハーデン油など)、肝油、魚油、粕、骨油牛脂豚脂脂、シア脂魚油エキス畜肉魚肉加工品ハムソーセージウインナーベーコンフライドチキンミートボールなど)、家禽卵鶏卵鶉卵など)、牛乳乳製品(ヨーグルトなどの発酵乳製品を含む)、アボカド油あまに油オリーブ油カカオ脂からし油きり油、こめ油、サフラワー油大豆油とうもろこし油菜種油パーム油パーム核油ひまし油ナッツ類油(ぶどう種子油ホホバ油綿実油やし油落花生油カポック油ごま油けし油ひまわり油など)、油脂高含有パン・ケーキ・菓子(プリン、チョコレート、クッキー、クラッカー、ドーナッツフライドポテトなど)、ハンバーグハンバーガーバターマーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、アイスクリーム、油脂粉乳、中華料理ラーメン即席麺即席ラーメンなど)、スープ、天ぷらフライ油揚げなどを例示できる。

0052

脂肪酸を比較的多く含む高脂肪食品は、ヒトが日常的に比較的多量かつ長期間乃至は高頻度で摂取すると、脂肪肝などの生活習慣病を発症する可能性が高まるといわれているが、本発明の高脂肪食品によれば、高脂肪食品の摂取と同時に、当該食品中に含まれる本分岐α−グルカンや、それに加えてポリフェノールなどの他の成分を、意識することなく摂取することができるので、高脂肪食品を摂取しつつ、脂肪肝などの生活習慣病を効果的に予防又は改善することができるという優れた利点が得られる。

0053

本発明の高脂肪食品中に含有させる本分岐α−グルカンの量は、対象となる高脂肪食品に含まれる脂肪酸の種類と量に応じて適宜設定すれば良いが、本分岐α−グルカンを、含まれる水溶性食物繊維含量として、ヒト成人(体重60kg)一日当たり、通常、0.5g以上、好ましくは、1乃至50g、より好ましくは3乃至30gの範囲で摂取することができる量とすれば良い。より詳細には、有効成分である本分岐α−グルカンを、その水溶性食物繊維含量で、高脂肪食品の総摂取量(但し、高脂肪食品の総摂取量とは脂肪酸摂取量を意味する)に対し、通常、2質量%以上好ましくは4質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上の量となるように、高脂肪食品に配合、含有させれば良い。高脂肪食品に直接含有させる代わりに、本分岐α−グルカンを含む本発明の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を、高脂肪食品の総摂取量に対して上記の割合となるように、高脂肪食品の摂取と同時に、又は相前後して摂取するようにしても良いことは勿論である。

0054

本分岐α−グルカンは、高脂肪食品が完成する迄の適宜の工程、又は完成後に高脂肪食品に含有させればよく、含有させる方法も、例えば、混合、混捏混和、攪拌、懸濁、散布噴霧、溶解、被覆などの斯界で汎用されるいずれの方法であっても良い。

0055

本発明の抗生活習慣病用剤、経口組成物、及び高脂肪食品は、これに含まれる本分岐α−グルカンが低GI値の食品素材であることに加えて、腸内細菌による腸内での水素ガスの発生を促進し、活性酸素の除去を通じて酸化ストレスを低減するので、各種生活習慣病を効果的に予防又は改善することができる。さらに、前記分岐α−グルカンには、これを摂取したときに高い満腹感と満足度が得られ、しかもその効果が持続するので、過食を予防でき、各種生活習慣病を効果的に予防又は改善することができる。摂取するタイミングは、食事直前または食事と同時に、ヒト成人(体重60kg)一回当たり、0.5g乃至100gの範囲で摂取することが、満腹感を得るためには好ましい。なお、前記分岐α−グルカンを摂取したときに満腹感が得られる要因は明らかではないが、後述する活性型グルカゴン様ペプチド−1の分泌が促進されることが要因のひとつとして考えることができる。本発明の抗生活習慣病用剤、経口組成物、及び高脂肪食品は、生活習慣病の中でも、特に高脂肪食品又はアルコール飲料の過剰摂取に起因する高脂肪食品性又はアルコール性の脂肪肝を効果的に予防又は改善することができるので、脂肪肝の予防又は改善剤として使用されるときには極めて有用である。

0056

なお、本明細書でいうアルコール又はアルコール飲料とは、アルコール飲料全般を意味し、具体的には、日本酒焼酎ビール発泡酒、黄酒(老酒など)、シードルワイン強化ワイン(食前ワイン、マデイラ酒、ポートワイン、シェリー酒マルサラワインなど)、カクテルスピリッツブランデージンラム酒、ウォッカウィスキーなど)、リキュールテキーラなどを例示できる。

0057

なお、本発明の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を、アルコール性の脂肪肝の予防又は改善剤として使用する場合の摂取量につき、例えば、アルコール濃度が約15%の日本酒を例にとって説明すると、日本酒を一日に1合(1合=180ml)摂取する場合、摂取するエタノールは約25g/日となる。この場合、本分岐α−グルカンをその水溶性食物繊維含量で、通常、既述したとおり、2質量%以上(すなわち約0.5g以上)、好ましくは5質量%以上(すなわち約1.0g以上)、さらに好ましくは10質量%以上(すなわち約2.5g以上)経口的に摂取又は投与することにより、アルコールに起因する脂肪肝を効果的に予防又は改善することができる。摂取の方法としては、アルコール飲料と同時又は相前後して本分岐α−グルカンを含む本発明の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を摂取しても良いし、アルコール飲料と同時又は相前後して摂取する食品(いわゆる酒の肴、各種おつまみ等)中に水溶性食物繊維含量が前記範囲となるように本分岐α−グルカンを含む本発明の抗生活習慣病用剤又は経口組成物を含有せしめてもよい。

0058

以下、本分岐α−グルカンの製造例を下記に説明する。当然ながら、本分岐α−グルカンの製造方法が、下記に示す製造例に限定されないことは言うまでもない。

0059

1.酵素の調製
1−1.調製例1
本分岐α−グルカンを製造するために用いる、α−グルコシル転移酵素の調製例を説明する。バチルス・サーキュランス PP710(FERM BP−10771)を、国際公開第WO2008/136331号パンフレット記載の方法でファーメンターで約24時間培養した。培養後、遠心分離し、培養液上清回収し、80%飽和となるように硫安を添加し、4℃で24時間放置することにより塩析した。塩析物を遠心分離して回収し、これを20mM酢酸緩衝液(pH6.0)に溶解後、同緩衝液に対して透析し、膜濃縮し、濃縮粗酵素液1を調製した。本濃縮粗酵素液1のα−グルコシル転移酵素活性は200単位/mlであった。また、本濃縮粗酵素液1には約25単位/mlのアミラーゼ活性も認められた。

0060

1−2.調製例2
本分岐α−グルカンを製造するために用いる、上記以外のα−グルコシル転移酵素の調製例を説明する。アルスロバクター・グロビホルミス PP349(FERM BP−10770)を、国際公開第WO2008/136331号パンフレットに記載の方法でファーメンターで約24時間培養した。培養後、遠心分離し、培養液上清を回収し、80質量%飽和となるように硫安を添加し、4℃で24時間放置することにより塩析した。塩析物を遠心分離して回収し、これに20mM酢酸緩衝液(pH6.0)に溶解後、同緩衝液に対して透析し、膜濃縮し、濃縮粗酵素液2を調製した。本濃縮粗酵素液2のα−グルコシル転移酵素活性は50単位/mlであった。

0061

2.本分岐α−グルカンの製造
2−1.製造例1
前記調製例1で調製した濃縮粗酵素液1を用いた本分岐α−グルカンの製造方法例について説明する。まず、30.0質量%トウモロコシ澱粉液化液(DE3.5)に、最終濃度1mMとなるように塩化カルシウムを加えた後、50℃に冷却し、これに濃縮粗酵素液1を、α−グルコシル転移酵素活性として基質固形物1グラム当たり11.3単位加え、更に、50℃、pH6.0で48時間作用させた。その反応液を80℃で60分間保った後、冷却し、濾過し、得られる濾液を常法に従って、活性炭で脱色し、H型およびOH型イオン樹脂により脱塩・精製し、更に濃縮し、噴霧乾燥して、分岐α−グルカン1の粉末を得た。得られた分岐α−グルカン1は、前述したα−グルコシル転移酵素の反応メカニズムにより、α−1,4結合を介して連結したグルコース重合度3以上の直鎖状グルカンの一端に位置する非還元末端グルコース残基にα−1,4結合以外の結合を介して連結したグルコース重合度1以上の分岐構造を有する。

0062

得られた分岐α−グルカン1の分子量分布をゲル濾過HPLC法にて分析した。ゲル濾過HPLCは、カラムに『TSKGEL α−3000』(株式会社東ソー製)を2本連結したものを用い、溶離液に10mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用いて、カラム温度40℃
流速0.5ml/分の条件で行い、検出は示差屈折計RID−10A(株式会社島津製作所製造)
を用いて行った。図1に分岐α−グルカン1のゲル濾過HPLCクロマトグラムを示した。ゲル濾過HPLCクロマトグラムから明らかなように、製造例1の方法で得られた分岐α−グルカン1には、分岐α−グルカンとしての画分(S1画分)と高分子量の水溶性多糖画分(S2画分)が含まれることが判明し、その質量比はS1画分を100質量%としたとき、S2画分は0.9質量%であった。また、ゲル濾過HPLCクロマトグラムから、分岐α−グルカン1はグルコース重合度が6乃至210の分岐α−グルカンの混合物であることが判明した。

0063

上記S1画分とS2画分の平均分子量をそれぞれ調べるために、各画分をそれぞれサイズ排除クロマトグラフィーにより分離し、各画分の平均分子量を多角度光散乱検出器および示差屈折率検出器により測定した。カラムに『ShodexSB−806M』(昭和電工株式会社製)を用い、溶離液に10mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用いて、流速1ml/分の条件で行い、検出は多角度光散乱検出器『DAWNHELEOS(Wyatta Technology社製)』、及び示差屈折率検出器『Optilab
rEX(Wyatta Technology社製)』を用いて行った。その結果、各画分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)、重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)は表1に示す通りであった。

0064

0065

分岐α−グルカン1の水溶性食物繊維含量を、栄養表示基準(平成8年5月厚生省告示第146号)における栄養成分等の分析方法等(栄養表示基準別表第1の第3欄に掲げる方法)、8.食物繊維、(2)高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)記載の方法に準じて下記の方法により調べた。なお、酵素処理用のキットとして、総食物繊維測定キット(『Dietary Fiber,Total,Assay,Control Kit』、シグマ社製)を用いた。

0066

被験試料として0.1gの分岐α−グルカン1を試験管にとり、0.08Mリン酸緩衝液5mlを添加しpHを6.0に調整した。これに、食物繊維測定キット付属の熱安定α−アミラーゼ(バチルス・リケニホルミス由来耐熱性α−アミラーゼ、シグマ社製)溶液0.01mlを加え、アルミ箔で覆い、沸騰水浴中で5分毎に攪拌しつつ30分間反応させ、冷却した。得られた反応液に、0.275M水酸化ナトリウム溶液約1mlを添加しpHを7.5に調整した後、キット付属のプロテアーゼ(バチルス・リケニホルミス由来、シグマ社製)溶液0.01mlを加え、アルミ箔で覆い、60℃の水浴中で振盪しつつ30分間反応させ、冷却した。得られたプロテアーゼ処理液に0.325M塩酸を約1ml添加し、pHを4.3に調整した後、キット付属のアミログルコシダーゼ(アスペルギルスニガー由来、シグマ社製)溶液0.01mlを加え、アルミ箔で覆い、60℃の水浴中で振盪しつつ30分間反応させ、冷却した。次いで、得られた反応液約7mlを、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社販売アンバーライトIRA−67(OH型)とアンバーライト200CT(H型)を1:1で混合)にSV1.0で通液することにより脱塩し、さらに約3倍量の脱イオン水にて溶出し、溶出液の総量を約28mlとした。得られた溶出液をエバポレーターにて濃縮し、孔径0.45μmのメンブランフィルターにて濾過した後、メスフラスコで25mlに定容したものを分析用試料溶液とした。得られた分析用試料溶液は、下記の条件による高速液体クロマトグラフィーに供した。カラムとして
『TGKgel G2500PWXL(内径7.8mm×長さ300mm,株式会社東ソー製)』2本を直列に連結したものを用い、溶離液は脱イオン水、試料濃度は0.8質量%、カラム温度80℃、流速0.5ml/分、分析時間50分で、示差屈折計で検出した。上記で得られたクロマトグラムにおいて、酵素処理によっても分解されずに残存する未消化グルカンを水溶性食物繊維とした。この水溶性食物繊維と分解されて生成したグルコースのピーク面積をそれぞれ求め、別途、常法のグルコース・オキシダーゼ法にて定量した分析用試料溶液中のグルコース量を用いて、下記の式1により水溶性食物繊維量を求めた。さらに、下記の式2により被験試料の水溶性食物繊維含量を求めた。斯かる酵素−HPLC法により求めた分岐α−グルカン1の水溶性食物繊維含量は80.0質量%であった。

0067

0068

0069

以上のとおり、製造例1で製造された分岐α−グルカン1は、グルコースを構成糖とし、α−1,4結合を介して連結したグルコース重合度3以上の直鎖状グルカンの一端に位置する非還元末端グルコース残基にα−1,4結合以外の結合を介して連結したグルコース重合度1以上の分岐構造を有する分岐α−グルカンであり、グルコース重合度が6乃至210の混合物で、Mw/Mnが1.2、水溶性食物繊維含量が80.0質量%の分岐α−グルカンであった。

0070

分岐α−グルカン1を構成するグルコースの結合様式を常法に従ってメチル化分析により測定した。また、下記条件によるガスクロマトグラフィー法で部分メチル化物を調べた。カラムに『DB−5キャピラリーカラム(内径0.25mm×長さ30m×膜厚1μm,J&WScientific社製)、キャリアーガスヘリウムを用いて、カラム温度は130℃で2分間保持した後、250℃まで5℃/分で昇温し、250℃で20分間保持した。流速は1ml/分の条件、検出はFID法にて行った。その結果、分岐α−グルカン1は、メチル化分析において、部分メチル化物である2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物の比が1:2.4を示し、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物の合計は部分メチル化物の70.5%を占めていた。また、2,4,6−トリメチル化物は部分メチル化物の2.4%を示し、2,4−ジメチル化物は部分メチル化物の6.4%を示した。

0071

分岐α−グルカン1の構造をさらに特徴づける目的で、イソマルトデキストラナーゼ消化試験を行った。分岐α−グルカン1の水溶液(最終濃度1質量%)にアルスロバクター・グロビホルミス由来のイソマルトデキストラナーゼ(株式会社林原製)を基質固形物1グラム当たり100単位加え、50℃、pH5.0で16時間作用させ、100℃で10分間保持して反応を停止した後、その反応液中の糖組成を高速液体HPLCおよびガスクロマトグラフィーを用いて調べた。HPLCは、カラムに『MCIGELCK04SS』(株式会社三菱化学製)2本を用い、溶離液に水を用いて、カラム温度80℃、流速0.4ml/分の条件で行い、検出は示差屈折計RID−10A(株式会社島津製作所製)を用いて行った。ガスクロマトグラフィーは、常法に従って糖質トリメチルシリル化TMS化)した後、カラムに『2%シリコンOV−17 Chromosorb W/AW−DMS』(株式会社ジー・エルサイエンス製)を用い、1分間当たり7.5℃の昇温速度で温度160℃から320℃まで昇温した。キャリアーガスとして窒素ガスを用い、検出はFID法にて行った。その結果、イソマルトデキストラナーゼ消化において、分岐α−グルカン1からは糖組成として35.0質量%のイソマルトースが生成した。この結果は、分岐α−グルカン1がイソマルトース構造をそれぞれ、少なくとも35.0質量%程度含んでいることを示すものである。

0072

2−1.製造例2
次いで、製造例1とは異なる方法で本分岐α−グルカンを製造した。すなわち、澱粉部分分解物商品名『パインデックス#100』、谷化学株式会社販売)を濃度33質量%となるように水に溶解し、これをpH6.0に調整し、上記酵素の調製例2で得た濃縮粗酵素液2を、α−グルコシル転移酵素活性として基質固形物1グラム当たり22単位加え、40℃、72時間作用させた。反応終了後、反応液を95℃に加熱し、10分間保った後、冷却し、濾過し、得られる濾液を常法に従って、活性炭で脱色し、H型およびOH型イオン樹脂により脱塩・精製し、更に濃縮して分岐α−グルカン2の溶液を得た。得られた分岐α−グルカン2は、前述したα−グルコシル転移酵素の反応メカニズムにより、α−1,4結合を介して連結したグルコース重合度3以上の直鎖状グルカンの一端に位置する非還元末端グルコース残基にα−1,4結合以外の結合を介して連結したグルコース重合度1以上の分岐構造を有する分岐α−グルカンである。

0073

得られた分岐α−グルカン2の分子量分布を、製造例1と同様の方法で測定した。その結果、分岐α−グルカン2はグルコース重合度が10乃至430の混合物であることが判明した。また、重量平均分子量は5700ダルトン、数平均分子量は2375ダルトンであり、重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)は2.4であった。

0074

得られた分岐α−グルカン2の水溶性食物繊維含量を、製造例1と同様の方法で求めたところ、81.0質量%であった。また、分岐α−グルカン2を構成するグルコースの結合様式を製造例1と同様の方法でメチル化分析により測定したところ、分岐α−グルカン2は、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物との比が1:2.8を示し、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物の合計は部分メチル化物の68.0%を占めていた。また、2,4,6−トリメチル化物は部分メチル化物の2.6%を示し、2,4−ジメチル化物は部分メチル化物の7.0%であった。さらに、分岐α−グルカン2は、イソマルトデキストラナーゼ消化により、33.0質量%のイソマルトースを生成した。

0075

以下、実験に基づいて本発明をより詳細に説明する。

0076

<実験1:アルコール摂取に起因する脂肪肝の抑制試験>
アルコール(エタノール)誘導性ラット脂肪肝モデルを用いて、製造例1で得られた分岐α−グルカン1粉末のアルコール性脂肪肝に及ぼす影響を調べた。すなわち、5週齢のSD雄ラット(日本クレア株式会社から購入)24匹を一群6匹からなる試験群1乃至4に分け、予備飼育飼育期間は2週間)として、全群のラットを通常飼料(商品名『NMF』、オリエンタ酵母工業株式会社製)を用いて1週間飼育後、表2に示す配合組成液体飼料A(商品名『F2LCW』、オリエンタル酵母工業株式会社製。)を用いて更に1週間飼育した。次いで表2に示すように、試験群1のラットには液体飼料A、試験群2のラットには液体試料B、試験群3のラットには液体試料C、試験群4のラットには液体試料Dを用いて1週間飼育した。なお、試験群3および4のラットはエタノールに馴化させるために、1週間かけて液体飼料Aへのエタノール添加量を1質量/体積%から5質量/体積%へと段階的に増加させながら飼育した。その後、本飼育試験(飼育期間は5週間)として、全群のラットを各飼料を用いて5週間飼育した。なお、予備飼育および本飼育試験期間中、各飼料は自由摂取とし、各群ラットの体重および摂食量を経時的に測定した。本飼育試験を開始してから2、4週間経過後、直ちに試験群1乃至4のラットを6時間絶食させた後、部分採血し、血清中のTG、GOT、およびGPT濃度を常法により測定した。更に、本飼育試験始後、32日目に試験群3および4のラットを6時間絶食させた後、部分採血し、血中のエタノール濃度を常法により測定した。次いで、5週間に亘る本飼育試験満了後、直ちに、全群のラットを一晩絶食させた後、エーテル麻酔下、血液および肝臓をサンプリングし、血清中のTG、GOT、GPT、および遊離脂肪酸(以下、「NEFA」と言う。)の濃度、および肝臓中のTG、コレステロール、およびNEFA含量を常法により測定した。なお、各群ラットの肝臓をサンプリングするに際しては、肝臓をそれぞれ摘出し、肝臓質量を測定するとともに、常法により、肝臓の一部をホルマリン固定し、ヘマトキシリン−エオジン(H−E)染色標本を調製し、脂肪肝の有無を組織学的に調べた。なお、製造例1で得られた分岐α−グルカン1には80.0質量%の水溶性食物繊維が含有するので、6gの分岐α−グルカン1に含まれる水溶性食物繊維は約5gである。

0077

0078

予備飼育後の本飼育試験の開始時(0日目)および開始後35日目の体重を表3に示した。

0079

0080

表3に示す結果から明らかなとおり、通常飼料を用いて飼育した試験群1と通常飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群2のラット体重の変化と、アルコール添加飼料を用いて飼育した試験群3とアルコール添加飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群4のラット体重の変化から、分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群2および4のラット体重は、分岐α−グルカン1を添加しない飼料を用いて飼育した試験群1および3のラット体重と比べ、同等か若干増加する傾向を示した。この結果は、分岐α−グルカン1が、生体の生育を阻害しない安全な素材であることを示すものである。

0081

本飼育試験を通じての飼料摂取量/日、摂取カロリー/日、エタノール総摂取量(g)および分岐α−グルカン摂取量(g/日・kg(体重))を表4に示した。

0082

0083

表4に示されるとおり、通常飼料を用いて飼育した試験群1および2のラットの飼料摂取量と比べ、アルコール添加飼料を用いて飼育した試験群3および4のラットの飼料摂取量は減少傾向を示したが、これはラットがアルコールに対して忌避性を示すためと考えられた。また、通常飼料を用いて飼育した試験群1と通常飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群2のラットにおける飼料摂取量と、アルコール添加飼料を用いて飼育した試験群3とアルコール添加飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群4のラットにおける飼料摂取量との対比から、分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群2及び試験群4のラットの飼料摂取量はそれぞれ、分岐α−グルカン1を添加しない飼料を用いて飼育した試験群1及び試験群3のラットの飼料摂取量と比べ、若干増加する傾向を示した。この結果は、分岐α−グルカン1が、摂食障害を生じない安全な素材であることを示すものである。また、アルコール添加飼料を用いて飼育した試験群3のラットと、アルコール添加飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群4のラットにおけるアルコール(エタノール)総摂取量は、試験群3に比べ試験群4の方が若干多い傾向にあった。

0084

本飼育試験を開始してから2、4および5週間経過した時点での、血清中のGOTおよびGPT濃度を表5に示した。

0085

0086

表5に示す結果から明らかなとおり、本飼育試験を開始してから2、4、及び5週間の時点での血清中のGOT、GPT濃度は、通常飼料を用いて飼育した試験群1及び試験群2と較べ、アルコール添加飼料を用いて飼育した試験群3及び試験群4は高値を示した。試験群1及び試験群2においては、血清中のGOT、GPT濃度に大差はなく、分岐α−グルカン1の影響は認められなかった。一方、試験群3及び試験群4においては、飼育期間が延びるにつれ、分岐α−グルカン1によるGOT、GPT抑制作用が顕著に認められた。これは、分岐α−グルカン1により、アルコール摂取に依存して惹起され、悪化する肝障害が効果的に低減されたことを示すものである。

0087

本飼育試験の終了時点での肝臓質量、肝臓中のTG、コレステロール、およびNEFA含量を表6に示した。

0088

0089

表6の結果から明らかなとおり、通常飼料を用いて飼育した試験群1のラットと比べ、アルコール添加飼料を用いて飼育した試験群3のラットにあっては、本飼育試験終了時点での肝臓質量、肝臓中のTG、コレステロール、およびNEFA含量のいずれもが増加傾向を示した。すなわち、通常飼料を用いて飼育した試験群1のラットと比べ、アルコール添加飼料を用いて飼育した試験群3のラットは、肝臓質量、脂肪肝の指標となる肝臓中のTG、コレステロール、およびNEFA含量のいずれも、約1.2乃至約1.8倍増加した。これに対し、アルコール添加飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群4のラットにあっては、肝臓中のTG、コレステロール、およびNEFA含量のいずれも、試験群1とほぼ同等であった。この結果は、分岐α−グルカン1が、アルコール摂取に起因する肝臓中のTG、コレステロール、およびNEFA含量の増加を効果的に低減することを示すものである。なお、通常飼料を用いて飼育した試験群1のラットと通常飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群2のラットにあっては、本飼育試験の終了時点での肝臓質量に実質的な差は見られなかったが、試験群2のラットの肝臓中のTG、コレステロールは試験群1のラットと比べ減少傾向を、NEFA含量は増加傾向を示した。

0090

また、各群ラットの肝臓の組織学的所見によれば、試験群3のラットの肝臓はいずれも、脂肪肝特有黄土色を帯びた色調を呈していた。また、図2乃至4にそれぞれ示す試験群1乃至試験群3のラットのH−E染色標本の顕微鏡写真の中間調画像から明らかなとおり、試験群3のラットの肝臓は、小葉全域瀰漫性微細乃至大空胞までの、中等度乃至強度の空胞変性脂肪蓄積)が観察されたとともに、試験群3のラットの肝細胞内における脂肪蓄積の割合は、試験群1及び試験群2のラットと比べ明らかに増大し、明らかに脂肪肝が誘発されていたのに対し、試験群4のラットにあっては、正常な肝臓の色調を呈していた。また、図2図3および図5にそれぞれ示す試験群1、2、及び4のラットのH−E染色標本の顕微鏡写真の中間調画像から明らかなとおり、試験群4のラットにあっては、小葉全域で軽度の微細空胞変性が認められたものの、肝細胞内における脂肪蓄積の割合は、試験群1のラットとほぼ同等の状態にあり、脂肪肝が誘発されていない肝臓であった。

0091

本実験結果から、本分岐α−グルカンは、アルコール摂取に起因する脂肪肝を効果的に予防または改善する作用を有することが判明した。よって、本発明の抗生活習慣病用剤及びこれを含む本発明の経口組成物は、アルコール性脂肪肝のみならず、アルコール性脂肪肝の進行にともない惹起されるアルコール性の肝炎、肝繊維症、肝硬変などの肝障害を効果的に予防又は抑制することができる。

0092

<実験2:高脂肪食摂取に起因する脂肪肝の抑制試験>
高脂肪飼料により誘導されるマウス脂肪肝モデルを用いて、本分岐α−グルカンが、高脂肪飼料摂取に起因する脂肪肝に及ぼす影響について調べた。すなわち、C57BL/6J雄マウス(7週齢:日本クレア株式会社から購入)21匹を平均体重がほぼ均等になるように一群7匹からなる試験群1乃至3に分けた。試験群1のマウスは、日本クレア株式会社製の通常飼料(商品名『CE−2』)を用いて8週間飼育した。また、試験群2のマウスは、日本クレア株式会社製の高脂肪飼料(商品名『High Fat Diet 32(HFD32)』)を用いて8週間飼育した。試験群1及び試験群2の飲用水には蒸留水を用いた。また、試験群3のマウスは、前記高脂肪飼料を用いて8週間飼育し、飲用水には、製造例1で得られた分岐α−グルカン1を2質量%となるように蒸留水に混合し、溶解したものを用いた。なお、いずれの試験群においても、飼料および飲用水は自由摂取とした。また、試験期間中、各群マウスの体重および摂食量、飲水量を経時的に測定した。

0093

なお、前記通常飼料と高脂肪飼料の100g中の一般成分値を以下に示す。
<通常飼料(『CE−2』)の一般成分値>
水分 8.9g
たんぱく質25.4g
粗脂肪4.4g
粗灰分4.1g
粗繊維6.9g
可溶性無窒素物50.3g
合計 100g
<高脂肪飼料(『HFD32』)の一般成分値>
水分 6.2g
粗たんぱく質 25.5g
粗脂肪 32.0g
粗灰分 4.0g
粗繊維 2.9g
可溶性無窒素物 29.4g
合計 100g

0094

前記高脂肪飼料の配合組成を以下に示す。
<高脂肪飼料(『HFD32』)の配合組成>
ミルクカゼイン24.5質量%
卵白粉末5質量%
L−シスチン0.43質量%
粉末牛脂(牛脂80%含有) 15.88質量%
紅花油(高オレイン酸タイプ) 20.00質量%
結晶セルロース5.5質量%
マルトデキストリン8.25質量%
乳糖6.928質量%
ショ糖6.75質量%
AIN93ビタミン混合 1.4質量%
AIN93Gミネラル混合 5.0質量%
酒石酸コリン0.36重量%
第3ブチルヒドロキノン0.002質量%
合計 100質量%

0095

前記高脂肪飼料中100gに含まれる脂肪酸含量を表7に示す。

0096

8週間に亘る飼育試験終了後、試験群1乃至3のマウスを一晩絶食させた後、エーテル麻酔下、血液および肝臓をサンプリングし、肝臓中のTG、NEFA含量を常法により測定するとともに、血漿中のGOTおよびGPT濃度を測定した。なお、各群ラットの肝臓をサンプリングするに際しては、肝臓を摘出し、常法により、肝臓質量を測定するとともに脂肪肝の有無について調べた。飼育試験の開始時と終了時の体重を表8に示す。

0097

0098

表8に示す結果から明らかなとおり、飼育試験終了時点において、通常飼料を用いて飼育した試験群1のマウスと較べ、高脂肪飼料を用いて飼育した試験群2のマウス体重は約1.6倍増大した。一方、高脂肪飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群3のマウス体重は、試験群2のマウス体重の約0.93倍と有意に低かった。この結果は、分岐α−グルカン1により、高脂肪食摂取に起因する体重増加が有意に抑制されることを示している。

0099

飼育試験を通じての総飼料摂取量、総摂取カロリーおよび飲水量を表9に示す。

0100

0101

表9に示す結果から明らかなとおり、通常飼料を用いて飼育した試験群1のマウスと比べ、高脂肪飼料を用いて飼育した試験群2のマウス、および高脂肪飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群3のマウスの総飼料摂取量は少ないものの、総摂取カロリーは増加傾向を示した。また、高脂肪飼料を用いて飼育した試験群2のマウスと、高脂肪飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群3のマウスとを対比すると、各群マウスの総飼料摂取量および総摂取カロリーはいずれも同等であった。なお、飲水量は、試験群1と比べ試験群2及び試験群3は少ない傾向を示したが、試験群2及び試験群3との間に実質的な差はなかった。この結果は、分岐α−グルカン1が、摂食障害を生じない安全な素材であることを示すものである。

0102

さらに、飼育試験終了時点での肝臓質量、血漿中のGOTおよびGPT濃度および肝臓中のTGおよびNEFA含量を表10に示す。

0103

0104

また、表10に示す結果から明らかなとおり、高脂肪飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群3のマウスの肝臓質量は、高脂肪飼料のみを用いて飼育した試験群2の約86%に留まり、高脂肪飼料により誘導される肝臓質量の増大が有意に抑制されていた。また、試験群3のマウスの肝臓中のTGおよびNEFA含量はそれぞれ、試験群2の約72および約75%に留まり、高脂肪飼料に起因する肝臓中のTGおよびNEFAの増大が有意ないしは顕著に抑制されていた。同様に、試験群3のマウスの血漿中のGOTおよびGPT濃度はそれぞれ、試験群2の約90%及び約74%と有意乃至は顕著に抑制されていた。この結果は、分岐α−グルカン1が、高脂肪飼料の摂取により誘導されるマウス肝臓中のTGおよびNEFA含量、および血漿中のGOTおよびGPT濃度増加をいずれも有意乃至は顕著に抑制する作用を有することを示すものである。

0105

本実験結果から、本分岐α−グルカンは、高脂肪食品摂取に起因する脂肪肝を効果的に予防または改善する作用を有することが判明した。よって、本分岐α−グルカンを含有する本発明の抗生活習慣病用剤及び経口組成物は、過剰に摂取された高脂肪食品に起因する脂肪肝や体重増加を効果的に予防乃至は低減することができるので、脂肪肝のみならず、メタボリックシンドロームや生活習慣病の進行を予防することができる。

0106

<実験3:高脂肪食摂取に起因する食後高脂血症の抑制試験>
高脂肪飼料により誘導されるマウス脂肪肝モデルを用いて、製造例1で得られた分岐α−グルカン1が高脂肪飼料摂取に起因する食後高脂血症に及ぼす影響について調べた。飼育期間および分析項目以外は実験2と同じ試験系を用いた。すなわち、C57BL/6J雄マウス(7週齢:日本クレア株式会社から購入)21匹を平均体重がほぼ均等になるように一群7匹からなる試験群1乃至3に分けた。試験群1のマウスは、日本クレア株式会社製の通常飼料(商品名『CE−2』)を用いて3週間飼育した。また、試験群2のマウスは、日本クレア株式会社製の高脂肪飼料(商品名『High Fat Diet 32(HFD32)』)を用いて3週間飼育した。試験群1及び試験群2の飲用水には蒸留水を用いた。また、試験群3のマウスは、前記高脂肪飼料を用いて3週間飼育し、飲用水には、製造例1で得られた分岐α−グルカン1を2質量%となるように蒸留水に混合し、溶解したものを用いた。なお、いずれの試験群においても、飼料および飲用水は自由摂取とした。

0107

3週間に亘る飼育試験終了後、試験群1乃至3のマウスを一晩絶食させた後、尾静脈より採血した(投与前)。その後にオリーブ油0.2mlを胃内投与し、経時的に尾静脈から採血し、血漿中のTG含量を測定した。血漿中のTG含量を表11に示す。

0108

0109

表11に示す結果から明らかなとおり、高脂肪飼料に分岐α−グルカン1を添加した飼料を用いて飼育した試験群3のマウスの血漿TG含量は、高脂肪飼料のみを用いて飼育した試験群2より有意に低く、高脂肪飼料により誘導される食後高脂血症が分岐α−グルカン1の摂取により有意に抑制されることが判明した。また、分岐α−グルカン1を摂取した試験群3の血漿TG含量はオリーブ油投与後6時間にわたって、通常飼料を用いて飼育した試験群1と同程度に低く抑えられており、本結果は分岐α−グルカン1が、高脂肪飼料の継続摂取により誘導される食後高脂血症の症状を顕著に抑制する作用を有することを示すものである。

0110

<実験4:消化吸収性の検討>
ラットおよびヒトにおける本分岐α−グルカンの消化吸収性を製造例1で製造された分岐α−グルカン1を用いて検討した。

0111

<実験4−1:ラットにおける消化吸収性の検討>
ラットを使用して、本分岐α−グルカンの消化吸収性を検討した。すなわち、7週齢のウィスター系雄ラット各群5匹を用いて、一晩絶食後、胃ゾンデにて製造例1で製造した分岐α−グルカン1又は澱粉部分分解物(商品名『パインデックス#1』、松谷化学工業株式会社製造)の水溶液を経口投与した。投与量はラット体重1kg当り固形分として3.3gとした。サンプル投与1時間後、3時間後、6時間後に胃、小腸盲腸の内容物全量を蒸留水に懸濁し、良く撹拌することにより各サンプルの抽出を行った。抽出したサンプルの濃度をフェノール硫酸法により測定した。測定結果は表12に示す(投与したサンプル量を100%とし、残存内容物を重量%で示した)。

0112

0113

表12から明らかなように、投与後3時間後には澱粉部分分解物は消化管(胃、小腸、盲腸)内からほとんど消失していることがわかった。すなわち、澱粉部分分解物は投与後3時間で、ほとんどすべてが消化吸収されたと考えられる。一方、分岐α−グルカン1は投与後3時間後において、小腸内に27.8%、盲腸内に3.5%残存しており、少なくとも計31.3%は消化管内に残存していた。よって、分岐α−グルカン1は少なくとも30%程度、消化管内で消化吸収されないことが判明した。

0114

<実験4−2:ヒトにおける消化吸収性の検討>
次に、製造例1で製造された分岐α−グルカン1を用いて、ヒトにおける本分岐α−グルカンの消化吸収性を検討した。ヒトにおける糖質の消化吸収性を推察する指標としてグリセミックインデックス値(GI値)がある。GI値とは炭水化物50グラムを摂取した際の血糖値上昇の度合いを、ブドウ糖を100とした場合の相対値で表すとされ、下記式3に示す計算式により算出される。

0115

式3:
GI={(試料摂取時の血糖値下曲線の面積)/(ブドウ糖摂取時の血糖値下曲線の面積)}×100

0116

なお、GI値の低い食品を摂取することは、GI値の高い食品を摂取した場合と比較して様々な疾患(生活習慣病)のリスクが低減することが知られている(非特許文献3や非特許文献4を参照)。分岐α−グルカンのGI値は次のように測定した。

0117

市販のブドウ糖(商品名『トレーランG液』、味の素製薬株式会社製造)と製造例1の方法で得た分岐α−グルカン1粉末を用いて、血糖値の推移を調べた。健康なボランティアの男性4名と女性7名の合計11名を被験者として、試験開始5時間前から、水以外の飲食物の摂取を禁止した。これら被験者に、まずブドウ糖50gを含む150mlの試験標品を摂取させた。血液を、摂取直前、摂取後15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後に採取した。次いで、1週間以上の間隔をあけて、同じ被験者に分岐α−グルカン1を50g含む150mlの試験標品を用いた以外はブドウ糖の場合と同様にして試験し、採血した。それぞれの血液の血糖値を測定し、試験標品摂取時の血糖値の経時的な差分変化及びその数値に基づき計算した摂取直後乃至摂取120分間の血糖値曲線下面積を表13に示す。

0118

0119

表13に示されるとおり、分岐α−グルカン1のGI値は57であったことから、約60%程度が消化吸収されたと推察され、残りの約40%が消化管内で消化吸収されないことが判明した。また、この結果は、本分岐α−グルカンのGI値が低いことを示すものなので、本分岐α−グルカンを摂取することによって様々な疾患のリスクが低減され、生活習慣病が予防又は改善されることを示している。

0120

<実験5:大腸発酵による水素ガスの発生確認試験
水溶性食物繊維が大腸に達し、腸内細菌に発酵分解されると水素ガスが発生することが知られている。発生した水素ガスは、抗酸化力(活性酸素除去力)があり、酸化ストレスが原因とされる疾患(例えば、生活習慣病、ガン、各種炎症性疾患などの様々な疾患)の予防または改善に寄与することが知られている(非特許文献1を参照)。また、水溶性食物繊維が大腸に達することで、善玉菌が増加して腸内環境が改善され、便通改善につながることも知られている。よって、本分岐α−グルカンに含まれる水溶性食物繊維が、実際に大腸に達し発酵分解を受けているか否かを調べるため、製造例1で製造された分岐α−グルカン1の摂取後の呼気中に水素ガスが含まれているか否かを下記方法により確認した。

0121

健康なボランティアの男性2名に、製造例1の方法で得た分岐α−グルカン1粉末50gを水150mlに溶かし試験標品として摂取させた。摂取直前、摂取後1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間に呼気を採取し、呼気水素・メタン分析装置(商品名『BGA−1000D』、株式会社呼気生化学栄養代謝研究所製造)を用いて呼気水素ガス量の経時変化を比較した。この結果を示したのが、図6である。図6に示すように、分岐α−グルカン1を摂取した場合の呼気水素ガスは、摂取2時間後から排出され始めて4時間後にピークに達し、その後徐々に減少した。なお、分岐α−グルカン1を摂取しない場合には、呼気水素ガスは検出されなかった。よって、摂取した分岐α−グルカン1のうち、消化吸収を逃れた部分は大腸に到達し、腸内細菌によって発酵分解を受けることが明らかとなった。

0122

以上の結果は、本分岐α−グルカンに含有される水溶性食物繊維が大腸に達し、腸内細菌による発酵によって水素ガスが発生することを示すものである。よって、本分岐α−グルカンを摂取することにより腸内環境が改善され、便通改善効果があることが判明した。また、本分岐α−グルカンを摂取することにより、腸内細菌によって産生される水素ガスによって、酸化ストレスが原因とされる疾患(例えば、生活習慣病、ガン、各種炎症性疾患などの様々な疾患)の予防又は改善効果を得ることができる。

0123

<実験6:ヒトにおける便通改善効果の検討>
ヒトが本分岐α−グルカンを摂取した場合の便通改善効果を、製造例1で製造された分岐α−グルカン1をヒトに実際に摂取させることによって検討した。まず、健常で規則正しい生活をしており、週の排便回数が2〜4回の成人女性の被験者20名を選出した。

0124

製造例1の方法で得た分岐α−グルカン1粉末10gを水100mlに溶かした水(試験水)と、分岐α−グルカン1粉末を含まない水100ml(対照水)を準備した。被験者を10名ずつ2群に分け、一方の群(試験群)には試験水100mlを、もう一方の群(対照群)には対照水を100ml、4週間毎食後に摂取させた。摂取前および摂取4週目排便日数(週に何日便通があったか)、排便回数(週に何回便通があったか)および排便量(週に鶏卵Lサイズ換算で何個程度の便があったか)のアンケートを行った。また、摂取前および摂取4週目に便を回収して定量的リアルタイムPCR法を用いて常法にしたがって腸内細菌の解析を行った。

0125

その結果、試験群では試験水の摂取前の排便日数が一週間当たり3.3日、排便回数が一週間当たり3.6回、排便量が一週間当たり8.2個であったのに対し、摂取4週目の排便日数が一週間当たり4.4日、排便回数が一週間当たり5.2回、排便量が一週間当たり12.7個であり、排便日数、排便回数および排便量ともに、有意に増加していた。なお、対照群では、摂取前と摂取4週目で排便日数、排便回数および排便量にほぼ変化はなかった。以上の試験結果は、本分岐α−グルカンを摂取することにより、便通が改善されることを示すものである。

0126

また、腸内細菌の解析においては、試験群では、摂取前の腸内のビフィズス菌占有率が32%、摂取4週目では42%であったの対し、対照群では腸内のビフィズス菌占有率にほぼ変化はなかった。以上の試験結果は、本分岐α−グルカンを摂取することにより、腸内のビフィズス菌占有率が増加し、整腸作用をもたらすことを示すものである。

0127

以上の結果から、本分岐α−グルカンを摂取することにより、便通が改善し、腸内のビフィズス菌占有率が上昇し、腸内環境が整えられ、便秘が原因とされる疾患(例えば、生活習慣病、大腸ガン腹痛などの様々な疾患)を効果的に予防又は改善できることが分かった。また、全ての試験を通じて、本分岐α−グルカンを摂取した際の副作用や体調変化は観察されず、この結果は、本分岐α−グルカンが安全にしかも継続的に摂取できることを示すものである。

0128

<実験7:満腹感持続効果の確認試験>
ヒトが本分岐α−グルカンを摂取した場合の満腹感効果を、製造例1で製造された分岐α−グルカン1を用いて検討した。また、満腹感効果の作用メカニズムの一つを確認するために、ラットが本分岐α−グルカンを摂取した場合のグルカゴン様ペプチド−1(以下、「GLP−1」と略称する。)分泌に与える効果を確認した。

0129

<実験7−1−1:ヒトにおける満腹感効果の検討1>
ヒトが本分岐α−グルカンを摂取した場合の満腹感効果を、製造例1で製造された分岐α−グルカン1を用いて検討した。まず、健常で規則正しい生活をしており、1日3回(朝、昼、晩)食事をとる習慣のある成人の被験者28名を選出した。なお、全被験者に対して、各試験の前日21時までに食事を終わらせ、十分な睡眠をとり、体調を整えさせた。

0130

製造例1の方法で得た分岐α−グルカン1粉末50gを水200mlに溶かした溶液(以下、「分岐グルカン水」と略称する。)と、マルトデキストリン粉末(商品名『パインデックス#1』、松谷化学株式会社販売)50gを水200mlに溶かした溶液(以下、「マルトデキストリン水」と略称する。)を準備した。各被験者に5日間以上間隔を開けて2回の試験日を設け、試験日のうち一日は分岐グルカン水200mlを、もう一日はマルトデキストリン水200mlを摂取させた。なお、試験は二重盲検クロスオーバーで行い、どちらの水を摂取したか被験者には分からない条件で行った。摂取直後および摂取後2時間から摂取後3.5時間まで30分ごとに、水50mlを摂取させたが、それ以外の飲食は禁止とした。各被験者の食欲スコアをVAS(Visual Analogue Scale)法を用いて、以下のように評価した。なお、VAS法については、例えば、「肥満研究」 日本肥満学会 Vol.18、No.1、p.39−51(2012)に紹介されている。

0131

図7に示すようなVAS法によるアンケート用紙(長さ100mmの線分図)を用いて、被験者の「満腹感」及び「満足度」の度合いを評価した。すなわち、各被験者に、分岐グルカン水又はマルトデキストリン水の摂取直後から摂取後4時間まで30分ごとに、各被験者が感じる各時点での「満腹感」及び「満足度」に応じて、図7の線分図における該当すると思われる箇所に印をつけてもらい、その印の線分上での位置を線分の左端を0mmとし、左端からつけられた印までの距離(mm)として測定し、測定された各距離(mm)を各時点での「満腹感」及び「満足度」のスコアとした。

0132

被験者の「満腹感」に関するスコアの平均値図8に示した。図8から明らかなように、本分岐α−グルカンを含む分岐グルカン水を摂取した場合には、マルトデキストリンを含むマルトデキストリン水を摂取した場合と比較して、摂取後1時間30分から4時間までより高い満腹感が得られた。また、被験者の「満足度」に関するスコアの平均値を図9に示した。図9から明らかなように、本分岐α−グルカンを含む分岐グルカン水を摂取した場合には、マルトデキストリンを含むマルトデキストリン水を摂取した場合と比較して、摂取直後から摂取後4時間までより高い満足度が得られた。

0133

<実験7−1−2:ヒトにおける満腹感効果の検討2>
ヒトが本分岐α−グルカンを摂取した場合の満腹感効果を、製造例1で製造された分岐α−グルカン1とパンを同時に被験者に摂取してもらうことにより検討した。まず、健常で規則正しい生活をしており、1日3回(朝、昼、晩)食事をとる習慣のある成人の被験者28名を選出した。なお、全被験者に対して、各試験の前日21時までに食事を終わらせ、十分な睡眠をとり、体調を整えさせた。

0134

実験7−1−1で用いたのと同じ分岐グルカン水と、マルトデキストリン水を準備した。各被験者に5日間以上間隔を開けて2回の試験日を設け、試験日のうち一日は分岐グルカン水200mlとバターロール2個(山崎製パン製、1個99kcal、タンパク質3.0g、脂質2.5g、炭水化物16.1g)を摂取させ、もう一日はマルトデキストリン水200mlとバターロール2個(山崎製パン製、1個あたり熱量99kcal、タンパク質3.0g、脂質2.5g、炭水化物16.1g)を摂取させた。両日とも摂取開始から5分以上10分以内に分岐グルカン水又はマルトデキストリン水とパンの摂取を終えさせた。なお、試験は二重盲検のクロスオーバーで行い、分岐グルカン水又はマルトデキストリン水のうち、どちらの水を摂取したか被験者には分からない条件で行った。摂取直後および摂取後2時間から摂取後3.5時間まで30分ごとに、水50mlを摂取させたが、それ以外の飲食は禁止とした。分岐グルカン水とパン又はマルトデキストリン水とパンの摂取直後から摂取後4時間まで30分ごとに、各被験者の感じる「満腹感」及び「満足度」のスコアを、実験7−1−1と同様に、VAS法を用いて測定した。

0135

被験者の「満腹感」についてのスコアの平均値を図10に示した。図10から明らかなように、本分岐α−グルカンを含む分岐グルカン水をパンと同時に摂取した場合には、マルトデキストリンを含むマルトデキストリン水をパンと同時に摂取した場合と比較して、摂取後2時間30分から4時間の間で有意に高い満腹感が得られた。また、マルトデキストリン水をパンと同時に摂取した場合と比較してより高い満腹感効果が、分岐グルカン水とパンの摂取直後から少なくとも4時間は持続する傾向があることが分かった。また、被験者の「満足度」に関するスコアの平均値を図11に示した。図11から明らかなように、本分岐α−グルカンを含む分岐グルカン水をパンと同時に摂取した場合には、マルトデキストリンを含むマルトデキストリン水をパンと同時に摂取した場合と比較して、摂取後2時間30分から4時間の間で有意に高い満足度が得られた。また、マルトデキストリン水をパンと同時に摂取した場合と比較してより高い満足度が、分岐グルカン水とパンの摂取直後から少なくとも4時間は持続する傾向があることが分かった。

0136

以上、実験7−1−1および7−1−2の試験結果は、ヒトが本分岐α−グルカンを摂取することにより、マルトデキストリンを摂取した場合と比較して、高い満腹感と満足度が得られ、その効果が長時間持続することを示すものである。また、本分岐α−グルカンはパン等の食品又は脂肪含有食品と同時に摂取することにより、本分岐α−グルカン単独で摂取する場合よりも、高い満腹感効果と満足度が得られ、その効果がより長く持続することが示された。よって、本分岐α−グルカンを単独で或いは他の飲食物と共に摂取することにより、食事や間食の量や回数を減らすことが可能となり、食べ過ぎを予防することができ、総摂取カロリーを抑制することができる。よって、本分岐α−グルカンを単独で或いは他の飲食物と共に摂取することにより、特に過食傾向の人がなりやすい生活習慣病、特に高脂肪食品又はアルコールの摂取量増加に伴う「脂肪肝」を効果的に予防又は改善できることが分かった。また、全ての試験を通じて、本分岐α−グルカンを摂取した際の副作用や体調変化は観察されず、この結果は、本分岐α−グルカンが安全にしかも継続的に摂取できることを示すものである。

0137

<実験7−2:活性型GLP−1抑制効果確認試験>
GLP−1は摂食抑制に関与するホルモンとして最もよく知られており、活性型GLP−1と不活性型GLP−1がある。このなかでも特に活性型GLP−1の分泌が増加することは、満腹感の増加および持続をうながし、摂食抑制が誘導されると言われている(例えば、「日本臨床」、Vol.69、No.5、株式会社日本臨床社、p.826−829およびp.946−950(2011)参照)。そこで、ラットが本分岐α−グルカンを摂取した場合、活性型GLP−1の分泌にどのような影響を与えるかを下記のようにして調べた。

0138

一晩絶食した9週齢の雄性Wistarラット(日本クレア製)16匹を8匹ずつ2群に分け、一方の群(実施群)には製造例1の方法で得た分岐α−グルカン1を、もう一方の群(比較群)にはマルトデキストリン(商品名『パインデックス#1』、松谷化学株式会社販売)をラット体重1kgあたり2gの用量で胃ゾンデで経口投与した。投与直前、投与30分後に各ラットからソムノペンチ麻酔下で門脈血を採取した。血液はアプロチニン(#599−01283和光純薬工業株式会社製)500KIU/mLを含むEDTA−2Na処理された血漿分離管に移し、氷冷、遠心分離し血漿を得た。得られた血漿にDPP−4阻害剤(#DPP4−010、ミリポア社製)20μL/mLを添加してすみやかに−80℃で凍結保存した。保存血漿を用いて、レビスGLP(Active)ELISAkit(#AKMGP−011、株式会社シバヤギ製)を用いて血漿中の活性型GLP−1量(pg/ml)を測定した。

0139

投与直前及び投与30分後での測定結果の平均値を図12に示す。なお、図12中、「0」は投与直前の測定結果を示しており、投与直前の測定結果は、実施群及び比較群を併せた全体の平均値である。図12に示すように、マルトデキストリンを摂取させた比較群では、活性型GLP−1の測定値は投与30分後も投与直前と殆ど変わらず、活性型GLP−1の分泌がほとんど見られなかった。一方、分岐α−グルカンを摂取させた実施群では、摂取直前と比較して活性型GLP−1の測定値は約2倍となり、マルトデキストリンを摂取した比較群と比較して、有意に増加することが示された。

0140

以上のとおり、本分岐α−グルカンの摂取により活性型GLP−1の分泌が増加し、このことが、本分岐α−グルカンを摂取することにより、満腹感及び満足度が高まり、摂食抑制が誘導されるメカニズムの一つであると考えることができる。

0141

<実験8:潰瘍性大腸炎に及ぼす分岐α−グルカンの影響>
ラットが本分岐α−グルカンを摂取した場合の潰瘍性大腸炎に及ぼす効果を、製造例1で製造された分岐α−グルカン1を用いて検討した。実験では、飼育期間1と飼育期間2を設け、飼育期間1において、表14に示す配合組成の飼料(以下、「通常食」という。)を与え、飼育期間2において、通常食のコーンスターチの一部をデキストラン硫酸ナトリウム(平均分子量5,000、和光純薬株式会社販売、以下、「DSS」と略記する。)に置き換えて、DSSの配合量が5質量(w/w)%となるように調製した飼料(以下、「DSS食」という。)を与えることでラットの潰瘍性大腸炎を誘導した(『J.Gastroenterol. Hepatol.』、第16巻、第160〜168頁(2001年)参照)。以下、詳細に説明する。

0142

0143

被験動物としてSD系雄性ラット(4週齡、日本チャースリバー社販売)を用いた。まず、ラットに対して、実験2で用いたものと同じ日本クレア株式会社製の通常飼料(商品名『CE−2』)を給餌器で与えながら、1週間予備飼育を行った。予備飼育後、各ラットの体重を測定し、各試験群の体重の平均が均等になるように6匹づつ、対照群、試験群1、試験群2の3群に分けた。これらラットにつき、まず「飼育期間1」を7日間設け、飼育期間1の終了翌日から潰瘍性大腸炎の誘導期間として「飼育期間2」を8日間設け、以下に示すように飼料と飲料を摂取させた。飼育期間1では、対照群には飼料として表14の配合組成の通常食を与えながら、飲料として蒸留水を1日当たり20mlを与えた。一方、試験群1には、飼料として表14の配合組成の通常食を与えながら、飲料として1.0質量%の分岐α−グルカン1を蒸留水に溶かしたものを1日当たり20ml与えた。また、試験群2には、飼料として表14の配合組成の通常食を与えながら、飲料として2.0質量%の分岐α−グルカン1を蒸留水に溶かしたものを1日当たり20ml与えた。続いて、「飼育期間2」では、すべての群に飼料として表14の「通常食」に代えて、表14記載の組成のDSS食を与えながら、各群に飼育期間1で摂取した飲料をそのまま継続して摂取させ、飼育した。

0144

各群について、飼育期間2とその翌日の計9日間、DSS食摂取により誘導される潰瘍性大腸炎の症状の評価を、潰瘍性大腸炎に特徴的な症状として挙げられる下痢と貧血の症状により評価した。

0145

まず、下痢の症状は、肉眼による糞便性状および血便の観察に基づく症状スコア(Disease Activity Index:以下、「DAI」という)により評価した(Tsubouchiら(『Digestion』、第74巻、91〜100頁(2006年)参照)。糞便の性状は、正常(0)、少し軟便(1)、軟便(2)、水様便(3)の4段階で判定してスコア化し、血便は、糞便の色調により、正常(0)、色(1)、赤茶けた色(2)、血便(3)の4段階で判定してスコア化し、それらの合計(0〜6)を下痢の症状スコア(DAI)とした。統計処理はDAIについて、Mann−Whitney Uテストにより有意差検定を行ない、p<0.05を有意とした。各群のスコアの推移と、飼育期間2終了翌日のラットの生存数を表15に示す。

0146

0147

表15から明らかなように、DSS摂取後においては、すべてのラットでDAIの上昇がみられ、潰瘍性大腸炎が誘導された。しかしながら、本分岐α−グルカンを摂取していない対照群のラットのDAIは、DSS食摂取8日後には6.0となり、血便を伴う水様の便が確認され、1匹が、症状悪化により死亡したのに対し、本分岐α−グルカンを摂取した試験群1および2のラットのDAIは、DSS摂取5日後以降、対照群に比して有意に低値を示し、死亡したラットはいなかった。よって、本分岐α−グルカンは、潰瘍性大腸炎の特徴的な症状として挙げられる下痢の症状(便の性状および血便)を緩和する作用があることが示された。

0148

次いで、対照群と試験群2の生存ラットを各々、麻酔下で解剖し、腹部大静脈から採血して、貧血の指標となるヘマトクリット値(%)を、常法(ミクロヘマトクリット法)により測定した。その結果、対照群のヘマトクリット値は33.8%を示したのに対し、本分岐α−グルカンを2.0質量%摂取した試験群2のヘマトクリット値は44.5%を示し、対照群と比較して有意に低下が抑制されていた。ヘマクリット値の正常値は、一般に、ラットで43〜49%と言われており、試験群2のラットのヘマクリット値は正常値であると言える。よって、本分岐α−グルカンは、潰瘍性大腸炎の特徴的な症状として挙げられる貧血の指標となるヘマトクリット値の低下に対しても有意な改善作用があることが確認された。これらの結果は、本分岐α−グルカンに、潰瘍性大腸炎の進行を抑制する効果があり、ヒトの潰瘍性大腸炎の予防や改善、治療に利用できることを物語っている。

0149

以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、これら実施例によりなんら限定されるものではない。

0150

<抗生活習慣病用剤>
製造例1に示す方法で得た分岐α−グルカン1粉末を5gずつポリエチレン製容器充填し、密封し、本発明の抗生活習慣病用剤を得た。

0151

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、生活習慣病や脂肪肝を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎等を予防又は改善することができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、水溶性食物繊維換算で、本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取するように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約0.5乃至約100gの範囲で、本品をそのまま、或いは、水、お茶、コーヒーなどの飲料に溶解して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取すればよい。本品をアルコール又は高脂肪食品の摂取の前後に摂取してもよいことは勿論である。本品は、室温下でも吸湿、変色することなく、1年以上に亘って安定である。

0152

<抗生活習慣病用剤>
製造例1に示す方法で得た分岐α−グルカン1粉末から常法により高分子の水溶性多糖を除去した画分を準備し、5gずつポリエチレン製容器に充填し、密封し、本発明の抗生活習慣病用剤を得た。

0153

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、生活習慣病や脂肪肝を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。本品は、高脂肪食品またはアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、水溶性食物繊維換算で、本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取するように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約0.5乃至約100gの範囲で、本品をそのまま、或いは、水、お茶、コーヒーなどの飲料に溶解して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取すればよい。本品をアルコール又は高脂肪食品の摂取の前後に摂取してもよいことは勿論である。本品は、室温下でも吸湿、変色することなく、1年以上に亘って安定である。

0154

<抗生活習慣病用剤>
製造例2に示す方法で得た分岐α−グルカン2溶液を常法にしたがって濾過して、100mlボトル無菌的に充填して、液剤形態の抗生活習慣病用剤を得た。

0155

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、生活習慣病や脂肪肝を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、水溶性食物繊維換算で、本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取するように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約0.5乃至約100gの範囲で、そのまま、或いは、水、お茶、コーヒーなどの飲料に混合して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取すればよい。本品をアルコール又は高脂肪食品の摂取の前後に摂取してもよいことは勿論である。

0156

<抗生活習慣病用剤>
まず、調整例1の方法で調製したα−グルコシル転移酵素の濃縮粗酵素液1を国際公開第WO2008/136331号パンフレットの実験6に記載された方法で、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一のバンドになるまで精製し、α−グルコシル転移酵素の精製液を調製した。30%タピオカ澱粉乳をpH6.5に調整し、これにα−アミラーゼ(ノボザイム社製)を澱粉グラム当たり0.2質量%になるように加え、95℃で15分間反応させ、その反応液を、オートクレーブ(120℃)を10分間行った後、40℃に冷却した。これに上で得たα−グルコシル転移酵素の精製液を固形物1グラム当たり10単位加え、40℃
、pH6.0で24時間作用させた。その反応液を95℃で10分間保った後、冷却し、濾過して得られる濾液を常法に従って、活性炭で脱色し、H
型及びOH型イオン樹脂により脱塩して精製し、更に濃縮、噴霧乾燥して分岐α−グルカン粉末を得た。本分岐α−グルカンは、メチル化分析において、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物との比が1:0.6を示し、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物の合計は部分メチル化物の80.0%
を占めていた。また、2,4,6−トリメチル化物及び2,4−ジメチル化物は、それぞれ部分メチル化物の1.1及び0.8%を示した。また、得られた分岐α−グルカンはグルコース重合度が6乃至210の混合物であった。本分岐α−グルカンは、重量平均分子量97,450ダルトン、数平均分子量5,530ダルトンであり、重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)は17.6であった。さらに、酵素−HPLC法により求めた水溶性食物繊維含量は40.1質量%であった。

0157

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、生活習慣病や脂肪肝を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、水溶性食物繊維換算で本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取するように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約0.5乃至約100gの範囲で、そのまま、或いは、水、お茶、コーヒーなどの飲料に混合して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取すればよい。本品をアルコール又は高脂肪食品の摂取の前後に摂取してもよいことは勿論である。

0158

<抗生活習慣病用剤>
30%タピオカ澱粉乳をpH6.5に調整し、これにα−アミラーゼ(ノボザイム社製)を澱粉グラム当たり0.2質量%になるように加え、95℃で15分間反応させ、その反応液を、オートクレーブ(120℃)を10分間行った後、40℃に冷却した。これに実施例4で得たα−グルコシル転移酵素の精製液を固形物1グラム当たり10単位加え、さらに、バチルス・ステアロサーモフィラス由来のCGTase(株式会社林原製)を固形物1グラム当たり0.1単位加え、40℃
、pH6.0で24時間作用させた。その反応液を95℃で10分間保った後、冷却し、濾過して得られる濾液を常法に従って、活性炭で脱色し、H型及びOH型イオン樹脂により脱塩して精製し、更に濃縮、噴霧乾燥して分岐α−グルカン粉末を得た。本分岐α−グルカンは、メチル化分析において、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物との比が1:1.6を示し、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物の合計は部分メチル化物の72.0%
を占めていた。また、2,4,6−トリメチル化物及び2,4−ジメチル化物は、それぞれ部分メチル化物の1.4及び1.7%を示した。また、得られた分岐α−グルカンはグルコース重合度が6乃至62の混合物であった。本分岐α−グルカンは、重量平均分子量32,830ダルトン、数平均分子量4,730ダルトンであり、重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)は6.9であった。さらに、酵素−HPLC法により求めた水溶性食物繊維含量は57.5質量%であった。

0159

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、生活習慣病や脂肪肝を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、水溶性食物繊維換算で本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取するように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約0.5乃至約100gの範囲で、そのまま、或いは、水、お茶、コーヒーなどの飲料に混合して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取すればよい。本品をアルコール又は高脂肪食品の摂取の前後に摂取してもよいことは勿論である。

0160

<抗生活習慣病用剤>
実施例5の製造方法において、α−グルコシル転移酵素を市販のアスペルギルス・ニガー由来のα−グルコシダーゼに置き換え、その他の工程は実施例5と同様に行い、分岐α−グルカン粉末を得た。本分岐α−グルカンは、メチル化分析において、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物との比が1:0.9を示し、2,3,6−トリメチル化物と2,3,4−トリメチル化物の合計は部分メチル化物の60.0%
を占めていた。また、2,4,6−トリメチル化物及び2,4−ジメチル化物は、それぞれ部分メチル化物の0.7及び0.8%を示した。また、得られた分岐α−グルカンはグルコース重合度が6乃至62の混合物であった。本分岐α−グルカンは、重量平均分子量860ダルトン、数平均分子量470ダルトンであり、重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)は1.8であった。さらに、酵素−HPLC法により求めた水溶性食物繊維含量は21.5質量%であった。

0161

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、生活習慣病や脂肪肝を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、水溶性食物繊維換算で本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取するように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約0.5乃至約100gの範囲で、そのまま、或いは、水、お茶、コーヒーなどの飲料に混合して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取すればよい。本品をアルコール又は高脂肪食品の摂取の前後に摂取してもよいことは勿論である。

0162

<経口組成物>
製造例1に示す方法で得た分岐α−グルカン1粉末9gおよび糖転移ヘスペリジン(商品名『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)1gを均一に混合し、5gずつポリエチレン製容器に充填し、密封し、本発明の粉末状の経口組成物を得た。

0163

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、脂肪肝などの生活習慣病を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。本品は、糖転移ヘスペリジンの肝臓保護作用と相まって、本分岐α−グルカンの効果が発揮されるので、高脂肪食品又はアルコール摂取に起因する脂肪肝を予防又は改善するための組成物として有利に用いることができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、水溶性食物繊維換算で、本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取されるように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約0.5乃至約100gの範囲で、本品をそのまま、或いは、水、お茶、コーヒーなどの飲料に溶解して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取すればよい。

0164

<経口組成物>
製造例2に示す方法で得た分岐α−グルカン2溶液10g、糖転移ヘスペリジン(商品名『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)2g、及びアスパルテーム0.05gを精製水100mlに添加し、混合し、溶解し、精密濾過し、滅菌容器に50mlずつ無菌的に充填して、本発明の液状の経口組成物を得た。

0165

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、脂肪肝などの生活習慣病を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。また、糖転移ヘスペリジンの肝臓保護作用と相まって、本分岐α−グルカンの効果が発揮されるので、本品は、高脂肪食品又はアルコール摂取に起因する脂肪肝を予防又は改善するための組成物として有利に用いることができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、水溶性食物繊維換算で、本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取されるように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約10乃至500mlの範囲で摂取する。本品は、アスパルテームにより適度の甘味が付与されていることから摂取し易く、また、本分岐α−グルカンがアスパルテームの後味の悪さ(苦み渋み)を改善するので、大変飲みやすい。本品はそのまま摂取しても良いが、水、お茶、コーヒーなどの飲料と混合して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取してもよい。

0166

<経口組成物>
製造例2に示す方法で得た分岐α−グルカン2溶液10g、糖転移ルチン1g、糖転移ヘスペリジン(商品名『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)1g、糖転移ナリンジン(株式会社林原製)1g、及びアスパルテーム0.002gを精製水100mlに混合し、溶解し、精密濾過し、50mlを無菌的に充填して、本発明の液状の経口組成物を得た。

0167

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、脂肪肝などの生活習慣病を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。また、糖転移ルチン、糖転移ヘスペリジン、及び糖転移ナリンジンの肝臓保護作用と相まって、本分岐α−グルカンの効果が発揮されるので、本品は、高脂肪食品又はアルコール摂取に起因する脂肪肝を予防又は改善するために有利に用いることができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取されるように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約25乃至約500mlの範囲で摂取する。本品は、アスパルテームにより適度の甘味が付与されていることから摂取し易く、また、本分岐α−グルカンがアスパルテームの後味の悪さ(苦みや渋み)を改善するので、大変飲みやすい。本品はそのまま摂取してもよいが、水、お茶、コーヒーなどの飲料と混合して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取してもよい。

0168

<経口組成物>
製造例1に示す方法で得た分岐α−グルカン1粉末10g及びネオテーム0.01gを均一に混合し、5gずつポリエチレン製容器に充填し、本発明の経口組成物を得た。

0169

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、脂肪肝などの生活習慣病を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取されるように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約5乃至約100gの範囲で摂取する。本品は、ネオテームにより適度の甘味が付与されていることから摂取し易く、また、本分岐α−グルカンがネオテームの後味の悪さ(苦みや渋み)を改善するので、大変飲みやすい。本品はそのまま摂取してもよいが、水、お茶、コーヒーなどの飲料と混合して摂取するか、アルコール又は高脂肪食品に添加して摂取してもよい。

0170

<経口組成物>
製造例1に示す方法で得た分岐α−グルカン1粉末25g、ソルビトール15g、結晶セルロース10g、及びマルトース(商品名『サンマルト緑』、株式会社林原販売)35gを均一に混合し、常法にしたがって打錠機により打錠し、本発明の錠剤の形態にある経口組成物(厚さ約6mm、硬度約2600mg)を得た。

0171

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、脂肪肝などの生活習慣病を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取されるように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約5乃至約100gの範囲で摂取する。本品は、マルトースにより適度の甘味が付与されていることから摂取し易く、物理的強度も充分であり、水中での崩壊性も良好である。

0172

<経口組成物>
製造例1に示す方法で得た分岐α−グルカン1粉末100質量部、甘草1質量部、及び糖転移ヘスペリジン(商品名『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)5質量部とを均一に攪拌混合し、常法にしたがって、顆粒形成機にかけて顆粒化し、硬質カプセルに充填し、1カプセル当たり、分岐α−グルカン1を1g含有する、カプセルの形態にある本発明の経口組成物を得た。

0173

本品を摂取することにより、便通改善効果があり、満腹感が持続し、脂肪肝などの生活習慣病を効果的に予防又は改善することや潰瘍性大腸炎を予防又は改善することができる。本品は、高脂肪食品又はアルコールの摂取量に依存して変動するものの、高脂肪食品又はアルコールの総摂取量に対し、本分岐α−グルカンを2質量%以上の量で経口摂取されるように、通常、成人(体重60kg)一日当たり、約5乃至約100gの範囲で摂取する。本品は、取扱性、保存安定性に優れ、本分岐α−グルカンによる脂肪肝の予防又は改善作用と、甘草及び糖転移ヘスペリジンによる肝臓保護作用又は中性脂肪低減作用とが相まって、脂肪肝などの生活習慣病を効果的に予防又は改善することができる。

0174

<経口組成物>
製造例1に示す方法で得た分岐α−グルカン1粉末10質量部、ウコン0.1質量部、及び糖転移ルチン1質量部を均一に攪拌し、混合し、常法にしたがって、本発明の顆粒状の経口組成物を得た。

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