図面 (/)

技術 データ処理装置及びデータ処理方法

出願人 株式会社島津製作所
発明者 山田洋平
出願日 2013年2月22日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2015-501182
公開日 2017年2月2日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 WO2014-128912
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 精度範囲 ガスクロマトグラフ質量分析装置 開裂操作 ステップ関数 ピーク数 クロマトグラフ質量分析装置 ペア数 各試料成分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題・解決手段

多数の既知化合物のMSnマススペクトルを予め記憶するデータベース記憶領域32cと、未知化合物のMSnマススペクトルを取得する取得部31aと、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアをそれぞれ求めるスコア算出部31dとを備えるデータ処理装置1であって、イオン強度の大きさにより数段階の強度スコア分類する強度スコア算出部31bと、各ピークについて質量電荷比誤差を示す位置スコアを求める位置スコア算出部31cとを備え、スコア算出部31dは、各ピークについて、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、位置スコアとを積算し、全ピークの積算値の総和をスコアとして算出することを特徴とする。

概要

背景

イオントラップ型質量分析装置等を用いた質量分析においては、MS/MS分析(MS2分析)という手法が知られている。一般的なMS2分析では、まず分析対象未知化合物から目的とする特定の質量電荷比(m/z)を有するイオンプリカーサイオン親イオン)として選別し、その選別したプリカーサイオンをCID(Collision Induced Dissociation:衝突誘起分解)によって開裂させ、開裂イオンを生成する。開裂様式は化学構造に依存するため、開裂によって生成したフラグメントイオンを質量分析することにより、未知化合物のMS2マススペクトル(化学構造の情報)を取得することができる。

近年、医薬品や農薬タンパク質等の未知化合物を同定する場合には、未知化合物の分子量が大きくなり、化学構造も複雑になっている。そのため、未知化合物の種類によっては、一段階開裂操作だけでは充分に小さな質量までイオンが開裂しない場合がある。そうした場合には、開裂操作を複数回繰り返し、生成したフラグメントイオンを質量分析するMSn分析が行われている。

このようなMSn分析により得られたMSnマススペクトルから未知化合物の化学構造を推定する解析処理として、データベースを用いたパターンマッチング処理が行われている(例えば、特許文献1や非特許文献1参照)。データベースには、多数の化合物名及び化学構造(既知化合物)と、その既知化合物のMSnマススペクトルが含まれている。そして、パターンマッチング処理では、既知化合物のMSnマススペクトルと、未知化合物のMSnマススペクトルとを比較することにより、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアを、重み付き内積ピーク出現確率等を用いてそれぞれ求めている。その結果、スコアが高い順番に既知化合物を配列することで、測定者は未知化合物を同定している。

概要

多数の既知化合物のMSnマススペクトルを予め記憶するデータベース記憶領域32cと、未知化合物のMSnマススペクトルを取得する取得部31aと、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアをそれぞれ求めるスコア算出部31dとを備えるデータ処理装置1であって、イオン強度の大きさにより数段階の強度スコア分類する強度スコア算出部31bと、各ピークについて質量電荷比の誤差を示す位置スコアを求める位置スコア算出部31cとを備え、スコア算出部31dは、各ピークについて、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、位置スコアとを積算し、全ピークの積算値の総和をスコアとして算出することを特徴とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

多数の既知化合物のMSnマススペクトルを予め記憶するデータベース記憶領域と、未知化合物のMSnマススペクトルを取得する取得部と、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアをそれぞれ求めるスコア算出部とを備えるデータ処理装置であって、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピーク及び既知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークを、イオン強度の大きさによって数段階の強度スコアにそれぞれ分類する強度スコア算出部と、未知化合物のMSnマススペクトル中のニュートラルロスのピークを求めるニュートラルロス算出部と、既知化合物のMSnマススペクトル中の前記ニュートラルロスのピークを含むピークの質量電荷比と、対応する未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比との差に基づいて、質量電荷比の誤差を示す位置スコアを各ピークについてそれぞれ求める位置スコア算出部とを備え、前記スコア算出部は、各ピークについて、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、位置スコアとを積算し、全ピークについての積算値の総和をスコアとして算出することを特徴とするデータ処理装置。

請求項2

既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比と、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比との内で、一致したペア数から求められた一致度に基づいて、一致度を示すピークスコアを求めるピークスコア算出部とを備え、前記スコア算出部は、前記スコアに前記ピークスコアを加算することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。

請求項3

前記強度スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピーク及び既知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークを、イオン強度又は当該イオン強度のlogの変換値の大きさによって3段階、もしくは数段階の強度スコアにそれぞれ分類することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ処理装置。

請求項4

前記強度スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピーク及び既知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークを、イオン強度の大きさとピークの質量電荷比の大きさとによって数段階の強度スコアにそれぞれ分類することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ処理装置。

請求項5

前記強度スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトルにおいて、イオン強度の大きさが閾値以下であるピークを除去することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ処理装置。

請求項6

前記位置スコア算出部は、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比を基準とし、当該基準から離れるにしたがって低くなる位置スコアを、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークについてそれぞれ求めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ処理装置。

請求項7

前記位置スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比を、アダクトイオンの質量を用いて補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ処理装置。

請求項8

前記ピークスコア算出部は、一致したペア数にしたがって増加するピークスコアを求めることを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。

請求項9

前記スコア算出部は、未知化合物のMSn+mマススペクトルと、多数の既知化合物のMSn+mマススペクトルとの類似性を示すMSn+mマススペクトルのスコアをそれぞれ求め、MSnマススペクトルのスコアに、MSn+mマススペクトルのスコアを加算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ処理装置。

請求項10

多数の既知化合物のMSnマススペクトルを予め記憶するデータベース記憶領域と、未知化合物のMSnマススペクトルを取得する取得部と、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアをそれぞれ求めるスコア算出部とを備えるデータ処理装置を用いたデータ処理方法であって、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピーク及び既知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークを、イオン強度の大きさによって数段階の強度スコアにそれぞれ分類する強度スコア算出ステップと、未知化合物のMSnマススペクトル中のニュートラルロスのピークを求めるニュートラルロス算出ステップと、既知化合物のMSnマススペクトル中の前記ニュートラルロスのピークを含むピークの質量電荷比と、対応する未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比との差に基づいて、質量電荷比の誤差を示す位置スコアを各ピークについてそれぞれ求める位置スコア算出ステップと、各ピークについて、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、位置スコアとを積算し、全ピークについての積算値の総和をスコアとして算出するスコア算出ステップとを含むことを特徴とするデータ処理方法。

請求項11

既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比と、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比との内で、一致したペア数から求められた一致度に基づいて、一致度を示すピークスコアを求めるピークスコア算出ステップと、前記スコアに前記ピークスコアを加算する加算ステップとを含むことを特徴とする請求項10に記載のデータ処理方法。

技術分野

0001

本発明は、質量分析装置によって得られた未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアをそれぞれ求め、そのスコアに基づいて未知化合物を同定するデータ処理方法及びそれを用いたデータ処理装置に関する。

背景技術

0002

イオントラップ型質量分析装置等を用いた質量分析においては、MS/MS分析(MS2分析)という手法が知られている。一般的なMS2分析では、まず分析対象の未知化合物から目的とする特定の質量電荷比(m/z)を有するイオンプリカーサイオン親イオン)として選別し、その選別したプリカーサイオンをCID(Collision Induced Dissociation:衝突誘起分解)によって開裂させ、開裂イオンを生成する。開裂様式は化学構造に依存するため、開裂によって生成したフラグメントイオンを質量分析することにより、未知化合物のMS2マススペクトル(化学構造の情報)を取得することができる。

0003

近年、医薬品や農薬タンパク質等の未知化合物を同定する場合には、未知化合物の分子量が大きくなり、化学構造も複雑になっている。そのため、未知化合物の種類によっては、一段階開裂操作だけでは充分に小さな質量までイオンが開裂しない場合がある。そうした場合には、開裂操作を複数回繰り返し、生成したフラグメントイオンを質量分析するMSn分析が行われている。

0004

このようなMSn分析により得られたMSnマススペクトルから未知化合物の化学構造を推定する解析処理として、データベースを用いたパターンマッチング処理が行われている(例えば、特許文献1や非特許文献1参照)。データベースには、多数の化合物名及び化学構造(既知化合物)と、その既知化合物のMSnマススペクトルが含まれている。そして、パターンマッチング処理では、既知化合物のMSnマススペクトルと、未知化合物のMSnマススペクトルとを比較することにより、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアを、重み付き内積ピーク出現確率等を用いてそれぞれ求めている。その結果、スコアが高い順番に既知化合物を配列することで、測定者は未知化合物を同定している。

0005

特開2005−201835号公報

先行技術

0006

Stephen E. Stein, and Donald R. Scott "Optimization and Testing of Mas Spectral Library Search Algorithms for Compound Identification" 1994, American Society for Mass Spectrometry, 859-866.

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、同一の化合物をMSn分析した場合でも、得られたMSnマススペクトルが異なることがある。すなわち、MSnマススペクトルでは、ピークのイオン強度Iやピークの位置(m/z)やピークの有無等が変化しやすい。そのため、上述したようなパターンマッチング処理では、イオン強度Iが大きく変化したり、ピークの位置がずれたり、あるべきピークが現れなかったりすることがあり、スコアが低下し、その結果、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を正しく評価していないことがあった。

課題を解決するための手段

0008

本件発明者は、上記課題を解決するために、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を正しく評価する検索方法について検討を行った。上述したようなパターンマッチング処理では、MSnマススペクトル中のピークのイオン強度Iやピークの位置(m/z)やピークの有無等が変化しやすいことが考慮されておらず、スコアが低下することがわかった。そこで、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を評価する際に、MSnマススペクトル中のピークのイオン強度Iやピークの位置(m/z)やピークの有無等が変化することを考慮した検索方法を見出した。

0009

すなわち、本発明のデータ処理装置は、多数の既知化合物のMSnマススペクトルを予め記憶するデータベース記憶領域と、未知化合物のMSnマススペクトルを取得する取得部と、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアをそれぞれ求めるスコア算出部とを備えるデータ処理装置であって、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピーク及び既知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークを、イオン強度の大きさによって数段階の強度スコアにそれぞれ分類する強度スコア算出部と、未知化合物のMSnマススペクトル中のニュートラルロスのピークを求めるニュートラルロス算出部と、既知化合物のMSnマススペクトル中の前記ニュートラルロスのピークを含むピークの質量電荷比と、対応する未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比との差に基づいて、質量電荷比の誤差を示す位置スコアを各ピークについてそれぞれ求める位置スコア算出部とを備え、前記スコア算出部は、各ピークについて、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、位置スコアとを積算し、全ピークについての積算値の総和をスコアとして算出するようにしている。

0010

ここで、「未知化合物のMSnマススペクトル」とは、未知化合物をMSn分析した際に得られたものであり、「既知化合物のMSnマススペクトル」とは、未知化合物と同様の条件(イオン化法開裂方法等)で既知化合物をMSn分析した際に得られたものであってもよく、また、未知化合物と異なる条件で既知化合物をMSn分析した際に得られたものや、既知化合物の化学構造から計算されたものであってもよい。

0011

本発明のデータ処理装置によれば、まず、<1>ピークのイオン強度Iについては次のように処理する。ピークのイオン強度Iは変化しやすいが、大きなイオン強度Iのピークは、対象化合物から得られやすいフラグメントイオンのピークであると考えられる。そこで、未知化合物のMSnマススペクトルについて、イオン強度Iの大きさによって数段階(例えば、上位、中位、下位)に各ピークをそれぞれ分類するとともに、データベースの既知化合物のMSnマススペクトルについても、イオン強度Iの大きさによって数段階(例えば、上位、中位、下位)に各ピークをそれぞれ分類する。これにより、イオン強度Iが異なっても、類似したピークを見つけるようにする。
また、ピークの有無は変化しやすいので、未知化合物のMSnマススペクトルと既知化合物のMSnマススペクトルとで同一の位置(質量電荷比)にピークが存在しなくても、互いにニュートラルロスの関係にあるピークが存在する場合がある。そこで、ニュートラルロス算出部は、未知化合物のMSnマススペクトルについて、ピークの位置とプリカーサイオンの質量とからニュートラルロスのピークを求める。これにより、未知化合物のMSnマススペクトル中であるべきピークが現れなくても、ピークを対応付けることができる。なお、MSnマススペクトル中に追加するニュートラルロスのピークのイオン強度Iについては、例えば、元としたピークと同じイオン強度Iとする。

0012

次に、<2>ピークの位置(m/z)については次のように処理する。未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの位置はある程度のずれが生じる。そこで、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの位置を基準とし、質量分析装置のピークの位置の精度範囲(例えば、質量分析装置で−1.0〜1.0や、TOFで−0.005〜0.005や、タンデム四重極で−0.5〜0.5)に位置スコア「1.0」を対応付け、その精度範囲外で位置スコア「0.0」に漸近する位置スコアを対応付けることで、ピークの位置が異なっても、類似したピークを見つけるようにする。

0013

そして、上述したように、対応付けられた各ピークについて、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、位置スコアとを積算し、全ピークについての積算値の総和をスコアとして算出する。

発明の効果

0014

以上のように、本発明のデータ処理装置によれば、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークのイオン強度Iやピークの位置(m/z)やピークの有無等が変化しても、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を正しく評価することができる。

0015

(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明のデータ処理装置においては、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比と、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比との内で、一致したペア数から求められた一致度に基づいて、一致度を示すピークスコアを求めるピークスコア算出部とを備え、前記スコア算出部は、前記スコアに前記ピークスコアを加算するようにしてもよい。

0016

本発明のデータ処理装置によれば、<3>ピーク・ニュートラルロスペアの一致度については次のように処理する。既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比と、未知化合物のMSnマススペクトル中のピーク(ニュートラルロスのピークも含む)の質量電荷比との内で、一致したペア数から一致度を示すピークスコア(例えば、(一致したピーク数/既知化合物のMSnマススペクトル中のピーク数)×100)を求める。

0017

また、本発明のデータ処理装置においては、前記強度スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピーク及び既知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークを、イオン強度又は当該イオン強度のlogの変換値の大きさによって3段階、もしくは数段階の強度スコアにそれぞれ分類するようにしてもよい。

0018

また、本発明のデータ処理装置においては、前記強度スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピーク及び既知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークを、イオン強度の大きさとピークの質量電荷比の大きさとによって数段階の強度スコアにそれぞれ分類するようにしてもよい。
本発明のデータ処理装置によれば、MSnマススペクトルでは、質量電荷比に比例してピークのユニーク度が大きくなるが、質量電荷比が大きなピークは、イオン強度が小さくなる場合があるため、イオン強度を質量電荷比に応じて重み付ける(例えばイオン強度をI、質量荷電比をMとして、あるピークの強度IをI=M×(I)1/2のように重み付ける)ことで、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を正しく評価することができる。

0019

また、本発明のデータ処理装置においては、前記強度スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトルにおいて、イオン強度の大きさが閾値以下であるピークを除去するようにしてもよい。
本発明のデータ処理装置によれば、適切なピークだけに注目したスコアを得ることができ、信頼性の高い検索ができるようになる。

0020

また、本発明のデータ処理装置においては、前記位置スコア算出部は、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比を基準とし、当該基準から離れるにしたがって低くなる位置スコアを、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークについてそれぞれ求めるようにしてもよい。
本発明のデータ処理装置によれば、例えば、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比を基準とし、その基準から離れるにしたがって低くなる適当な分布関数や、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比を基準とし、適当な傾きで位置スコア「0」に減衰していく近似関数や、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比を基準とし、一定範囲まである位置スコアとし、その一定範囲外は位置スコア「0」とするステップ関数や、これらの組み合わせにすることで、各ピークについて位置スコアをそれぞれ求める。なお、基準とする既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比も、一定値とするだけでなく、存在確率や、構造式分子軌道計算から求められる結合力等に基づいた可変値としてもよい。また、分布関数や近似関数やステップ関数中に、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークが複数存在する場合には、最も基準に近いピークや、強度スコアと位置スコアとの積算値が高いピークを選択することとしてもよい。
以上のように、本発明のデータ処理装置によれば、ピークの位置の関数を用いることで、信頼性の高い検索ができるようになる。また、ピークの位置の関数を直線的な分布にした場合には、簡素化され効率的に検索ができるようになる。

0021

また、本発明のデータ処理装置においては、前記位置スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比を、アダクトイオンの質量を用いて補正するようにしてもよい。
本発明のデータ処理装置によれば、アダクトイオン(−H、−OH、−CO2等の付加体)によってピークの位置が1以上ずれることも考えられる。そこで、精度範囲外のピークに対してもアダクトに基づいて対応付けることで、ピークの位置が1以上ずれても、類似したピークを見つけることができる。

0022

また、本発明のデータ処理装置においては、前記ピークスコア算出部は、一致したペア数にしたがって増加するピークスコアを求めるようにしてもよい。
本発明のデータ処理装置によれば、一致したペア数にしたがってスコアへの影響度を変えることができ、多くの部分構造が一致する同一の化合物の代謝物等の変化体を正しく検索することができる。

0023

また、本発明のデータ処理装置においては、前記スコア算出部は、未知化合物のMSn+mマススペクトルと、多数の既知化合物のMSn+mマススペクトルとの類似性を示すMSn+mマススペクトルのスコアをそれぞれ求め、MSnマススペクトルのスコアに、MSn+mマススペクトルのスコアを加算するようにしてもよい。
本発明のデータ処理装置によれば、関連付けられた子や親のマススペクトルもスコアに反映でき、信頼性の高い検索ができるようになる。

0024

そして、本発明のデータ処理方法は、多数の既知化合物のMSnマススペクトルを予め記憶するデータベース記憶領域と、未知化合物のMSnマススペクトルを取得する取得部と、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアをそれぞれ求めるスコア算出部とを備えるデータ処理装置を用いたデータ処理方法であって、未知化合物のMSnマススペクトル中の各ピーク及び既知化合物のMSnマススペクトル中の各ピークを、イオン強度の大きさによって数段階の強度スコアにそれぞれ分類する強度スコア算出ステップと、未知化合物のMSnマススペクトル中のニュートラルロスのピークを求めるニュートラルロス算出ステップと、既知化合物のMSnマススペクトル中の前記ニュートラルロスのピークを含むピークの質量電荷比と、対応する未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比との差に基づいて、質量電荷比の誤差を示す位置スコアを各ピークについてそれぞれ求める位置スコア算出ステップと、各ピークについて、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアと、位置スコアとを積算し、全ピークについての積算値の総和をスコアとして算出するスコア算出ステップとを含むようにしている。

0025

また、本発明のデータ処理方法においては、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比と、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比との内で、一致したペア数から求められた一致度に基づいて、一致度を示すピークスコアを求めるピークスコア算出ステップと、前記スコアに前記ピークスコアを加算する加算ステップとを含むようにしてもよい。

図面の簡単な説明

0026

本発明の一実施形態である質量分析装置の概略構成を示すブロック図。
分布関数記憶領域に記憶された分布関数の一例を示す図。
データ処理方法の一例について説明するためのフローチャート
データ処理方法の一例について説明するためのフローチャート。

実施例

0027

以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。

0028

図1は、本発明の一実施形態である質量分析装置の概略構成を示すブロック図である。
液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)1は、液体クロマトグラフ装置(LC)10と、MSn分析が可能な質量分析装置(MS)20と、コンピュータ(データ処理装置)30とを備える。
なお、ここでは、LC/MS1で得られたマススペクトルを利用する場合を例にとるが、ガスクロマトグラフ質量分析装置GC/MS)等の他のクロマトグラフ質量分析装置や、試料の直接導入を行う質量分析装置を利用する場合も同様である。

0029

LC10は、カラムオーブン11と、カラムオーブン11に内装されるカラム12と、カラム12の入口端に接続されるサンプル注入部13とを備える。
このようなLC10によれば、試料は、キャリアガスに押されてサンプル注入部13からカラム12内に導入されることになる。これにより、試料に含まれる各成分(未知化合物)は、カラム12内を通過する間に時間軸方向に分離されて、カラム12の出口端に到達することになる。なお、カラム12の出口端はMS20に接続されている。

0030

MS20は、未知化合物をイオン化するイオン源21と、生成したイオンを質量分離しかつMSn分析が可能な質量分離部22と、質量分離されたイオンを検出する検出器23とを備える。イオン源21には、エレクトロスプレイイオン源の他、ソニックスプレイイオン源や、イオンスプレイや、マトリックス支援レーザー脱離イオン源等が使用可能である。質量分離部22としては、例えば、三連四重極型の質量分析装置やイオントラップ型の質量分析装置等を用いることができる。なお、各試料成分由来のイオンから適当な質量電荷比(m/z)を有するイオンがプリカーサイオンとして自動的に選択されるか、事前に指定した質量荷電比(m/z)のピークをプリカーサイオンとして選定し、このプリカーサイオンを開裂させて発生したフラグメントイオンの質量分離・検出が行われる。

0031

このようなMS20によれば、イオン源21でイオン化されたイオンは、質量分離部22へ導入される。質量分離部22では、イオンを質量分離する。また、測定者の設定にしたがってMSn分析(n=2,3,4,・・・)を順次行う。質量分離されたイオンは検出器23へ送られ、MSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)として検出され、MSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)のデータがコンピュータ30へ送られる。

0032

コンピュータ30は、CPU31とメモリ32と入力装置33と表示装置34とを備える。CPU31が処理する機能をブロック化して説明すると、未知化合物のMSnマススペクトルのデータを取得する取得部31aと、強度スコアId,Iqを算出する強度スコア算出部31bと、位置スコアS(err)を算出する位置スコア算出部31cと、ニュートラルロス算出部31eと、ピークスコアS(N)を算出するピークスコア算出部31fと、スコアScrを算出するスコア算出部31dとを有する。

0033

メモリ32は、イオン強度Iを蓄積するためのイオン強度記憶領域32aと、未知化合物のMSnマススペクトルを記憶するための未知化合物データ記憶領域32bと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルを予め記憶するデータベース記憶領域32cと、位置スコアS(err)を算出するための分布関数を予め記憶する分布関数記憶領域32dと有する。

0034

ここで、データベース記憶領域32cに記憶された既知化合物のMSnマススペクトルは、MS20で実際に既知化合物をMSn分析した際に得られたものであり、多数の既知化合物をMSn分析することにより、データベース記憶領域32cに記憶されている。
そして、データベース記憶領域32cに記憶された既知化合物のMSnマススペクトルは、イオン強度Idについては強度スコア算出部31bによりイオン強度Idの大きさによって3段階に各ピークがそれぞれ分類されており、具体的には、イオン強度IdがI1以上であるピークを上位の強度スコア「4」に分類し、イオン強度IdがI2以上I1未満であるピークを中位の強度スコア「3」に分類し、イオン強度IdがI2未満であるピークを下位の強度スコア「2」に分類している。
また、既知化合物のMSnマススペクトルは、質量電荷比(m/z)については位置スコア算出部31cにより各ピークの質量電荷比(m/z)がそれぞれ求められている。
これにより、例えば、一の既知化合物のMSnマススペクトルでは、i番目のピークについては強度スコア「4」、質量電荷比(mi/zi)が割り当てられ、(i+1)番目のピークについては強度スコア「2」、質量電荷比(m(i+1)/z(i+1))が割り当てられるように、全てのピークについて強度スコアと質量電荷比(m/z)とが割り当てられている。そして、全ての既知化合物のMSnマススペクトルについて、全てのピークについて強度スコアと質量電荷比(m/z)とが割り当てられている。

0035

また、図2は、分布関数記憶領域32dに記憶された分布関数の一例を示す図である。横軸は質量電荷比m/zの差errとなっており、縦軸は位置スコアS(err)となっている。分布関数は、差errが0であるときには位置スコア「1」を対応付け、差errが大きくなるにしたがって位置スコア「0」に近づくように低くなっている。

0036

取得部31aは、未知化合物をMSn分析(n=2,3,4,・・・)することで、検出器23で取得されたイオン強度Iqをメモリ32に蓄積させた後、イオン強度Iqを縦軸に、m/zを横軸にとることにより、MSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)を作成して未知化合物データ記憶領域32bに記憶させる制御を行う。

0037

強度スコア算出部31bは、未知化合物のMSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)中の各ピークを、イオン強度Iqの大きさによって3段階の強度スコアにそれぞれ分類する制御を行う。具体的には、イオン強度IqがI1以上であるピークを上位の強度スコア「4」に分類し、イオン強度IqがI2以上I1未満であるピークを中位の強度スコア「3」に分類し、イオン強度IqがI2未満であるピークを下位の強度スコア「2」に分類する。

0038

ニュートラルロス算出部31eは、未知化合物のMSnマススペクトル中のニュートラルロスのピークを求める制御を行う。例えば、各試料成分由来のイオンから適当な質量電荷比(m/z)を有するイオンがプリカーサイオンとして自動的に選択されるか、事前に指定した質量荷電比(m/z)のピークをプリカーサイオンとして選定し、得られた未知化合物のMSnマススペクトルについて、ピークの質量電荷比(m/z)とプリカーサイオンの質量とからニュートラルロスを求める。これにより、未知化合物のMSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)中にニュートラルロスのピークを含んだものが作成される。なお、MSnマススペクトル中に追加するニュートラルロスのピークのイオン強度Iについては、例えば、元としたピークと同じイオン強度Iとする。

0039

位置スコア算出部31cは、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比(m/z)と、対応する未知化合物のMSnマススペクトル中のピーク(ニュートラルロスのピークも含む)の質量電荷比(m/z)との差errに基づいて、質量電荷比(m/z)の誤差を示す位置スコアS(err)を各ピークについてそれぞれ求める制御を行う。
まず、未知化合物データ記憶領域32bに記憶された未知化合物のMSnマススペクトルについて、各ピーク(ニュートラルロスのピークも含む)の質量電荷比(m/z)をそれぞれ求める。
次に、未知化合物のMSnマススペクトルと、様々な既知化合物のMSnマススペクトルとを次々と比較していくことになるが、X番目の既知化合物のMSnマススペクトルと、未知化合物のMSnマススペクトルとを比較するときには、X番目の既知化合物のMSnマススペクトル中のi番目のピークの質量電荷比(m/z)に最も近い質量電荷比(m/z)のピーク(ニュートラルロスのピークも含む)を見つけ出す。例えば、X番目の既知化合物のMSnマススペクトル中のi番目のピークの質量電荷比(m/z)に最も近い質量電荷比(m/z)のピークとして、未知化合物のMSnマススペクトル中のj番目のピークを見つけ出す。そして、X番目の既知化合物のMSnマススペクトル中のi番目のピークの質量電荷比(m/z)と、未知化合物のMSnマススペクトル中のj番目のピークの質量電荷比(m/z)との差errを算出し、差errを図2に示す分布関数に代入することで、位置スコアSij(err)を求める。

0040

さらに、X番目の既知化合物のMSnマススペクトル中の(i+1)番目のピークの質量電荷比(m/z)に最も近い質量電荷比(m/z)のピーク(ニュートラルロスのピークも含む)を見つけ出す。例えば、X番目の既知化合物のMSnマススペクトル中の(i+1)番目のピークの質量電荷比(m/z)に最も近い質量電荷比(m/z)のピークとして、未知化合物のMSnマススペクトル中の(j+n)番目のピークを見つけ出す。そして、X番目の既知化合物のMSnマススペクトル中の(i+1)番目のピークの質量電荷比(m/z)と、未知化合物のMSnマススペクトル中の(j+n)番目のピークの質量電荷比(m/z)との差errを算出し、差errを図2に示す分布関数に代入することで、位置スコアS(i+1)(j+n)(err)を求める。
このようにして、X番目の既知化合物のMSnマススペクトル中の全ピークについて対応する未知化合物のMSnマススペクトル中のピーク(ニュートラルロスのピークも含む)を見つけ出し、位置スコアS(err)を求める。

0041

ピークスコア算出部31fは、下記式(1)に基づいてピークスコアS(N)を求める制御を行う。
S(N)=(一致したピーク数/既知化合物のMSnマススペクトル中のピーク数)×100 ・・・(1)
これにより、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比(m/z)と、未知化合物のMSnマススペクトル中のピーク(ニュートラルロスのピークも含む)の質量電荷比(m/z)との内で、一致したペア数から求められた一致度を示すピークスコアS(N)が求められる。例えば、X番目の既知化合物のMSnマススペクトル中のピーク数が5個であり、一致したピーク数が3個であれば、一致度を示すピークスコア「60」となり、(X+1)番目の既知化合物のMSnマススペクトル中のピーク数が10個であり、一致したピーク数が1個であれば、一致度を示すピークスコア「10」となる。
なお、「一致した」とは、既知化合物のMSnマススペクトルのピークに対して、未知化合物のMSnマススペクトル中において、位置スコアS(err)が0でないピーク或いはニュートラルロスのピークが存在することをいう。

0042

スコア算出部31dは、下記式(2)に基づいてスコアScrを算出する制御を行う。
Scr=Sij(err)×Idi×Iqj+S(i+1)(j+n)(err)×Id(i+1)×Iq(j+n)+・・・+S(N) ・・・(2)
なお、「Idi」は、既知化合物のMSnマススペクトル中のi番目のピークの強度スコアであり、「Id(i+1)」は、既知化合物のMSnマススペクトル中の(i+1)番目のピークの強度スコアであり、「Iqj」は、未知化合物のMSnマススペクトル中のj番目のピークの強度スコアであり、「Iq(j+n)」は、未知化合物のMSnマススペクトル中の(j+n)番目のピークの強度スコアである。
これにより、各ピークについて、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアIdと、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの強度スコアIqと、位置スコアS(err)とを積算し、全ピークについての積算値の総和を算出し、その算出値にピークスコアS(N)を加算することで、未知化合物とX番目の既知化合物との類似性を示すスコアScrが算出される。このようにして、未知化合物のMSnマススペクトルと、様々な既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアScrが算出されていく。

0043

ここで、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)1を用いた未知化合物を同定するデータ処理方法について説明する。図3は、データ処理方法の一例について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、未知化合物のMSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)を作成する。

0044

次に、ステップS102の処理において、未知化合物のMSnマススペクトルについて、各ピークの質量電荷比(m/z)をそれぞれ求める。
次に、ステップS103の処理において、未知化合物のMSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)中の各ピークを、イオン強度Iqの大きさによって3段階の強度スコアにそれぞれ分類する(強度スコア算出ステップ)。
次に、ステップS104の処理において、未知化合物のMSnマススペクトル中のニュートラルロスのピークを求める(ニュートラルロス算出ステップ)。
次に、ステップS105の処理において、既知化合物の順番を示す既知化合物順番パラメータX=1とする。

0045

次に、ステップS106の処理において、スコアScr=0とする。
次に、ステップS107の処理において、既知化合物のMSnマススペクトル中のピークの順番を示すピーク順番パラメータi=1とする。

0046

次に、ステップS108の処理において、既知化合物のMSnマススペクトル中のi番目のピークの質量電荷比(m/z)に最も近い質量電荷比(m/z)のピークを見つけ出す。そして、既知化合物のMSnマススペクトル中のi番目のピークの質量電荷比(m/z)と、未知化合物のMSnマススペクトル中のj番目のピークの質量電荷比(m/z)との差errを算出し、差errを図2に示す分布関数に代入することで、位置スコアSij(err)を求める(位置スコア算出ステップ)。
次に、ステップS109の処理において、Scr=Scr+Sij(err)×Idi×Iqjとする。

0047

次に、ステップS110の処理において、i=imax(既知化合物のMSnマススペクトル中で最後の順番のピーク)であるか否かを判定する。i=imaxでないと判定したときには、ステップS111の処理において、i=i+1として、ステップS108の処理に戻る。
一方、i=imaxであると判定したときには、ステップS112の処理において、式(1)に基づいてピークスコアS(N)を求める(ピークスコア算出ステップ)。
次に、ステップS113の処理において、Scr=Scr+S(N)とする(スコア算出ステップ)。

0048

次に、ステップS114の処理において、X=Xmax(最後の順番の既知化合物)であるか否かを判定する。X=Xmaxでないと判定したときには、ステップS115の処理において、X=X+1として、ステップS106の処理に戻る。
一方、X=Xmaxであると判定したときには、ステップS116の処理において、スコアScrが高い順番に既知化合物を配列する。
そして、ステップS116の処理が終了したときには、本フローチャートを終了させる。

0049

以上のように、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)1によれば、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークのイオン強度Iqやピークの位置(m/z)やピークの有無等が変化しても、未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を正しく評価することができる。

0050

<他の実施形態>
(1)上述した液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)1では、強度スコア算出部31bは、未知化合物のMSnマススペクトル(n=2,3,4,・・)中の各ピークと既知化合物のMSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)中の各ピークとを、イオン強度Iq,Idの大きさによって3段階の強度スコアにそれぞれ分類する構成を示したが、イオン強度Iq,Idのlogの変換値の大きさによって2段階や4段階の強度スコアにそれぞれ分類する構成としてもよい。さらに、強度スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトルにおいて、イオン強度Iqの大きさが閾値以下であるピークを除去する構成としてもよい。

0051

(2)上述した液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)1では、強度スコア算出部31bは、未知化合物のMSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)中の各ピークと既知化合物のMSnマススペクトル(n=2,3,4,・・・)中の各ピークとを、イオン強度Iq,Idの大きさによって3段階の強度スコアにそれぞれ分類する構成を示したが、イオン強度Iq,Idの大きさとピークの質量電荷比の大きさとによって数段階の強度スコアにそれぞれ分類する構成としてもよい。例えば、イオン強度Iq,IdがI1以上であるピークを上位の強度スコア「4」に分類し、イオン強度Iq,IdがI2以上I1未満であるピークを中位の強度スコア「3」に分類し、イオン強度Iq,IdがI2未満であるピークを下位の強度スコア「2」に分類するとともに、質量電荷比がm1/z1以上であるピークに強度スコア「2」を加算し、質量電荷比がm1/z1未満であるピークに強度スコア「1」を加算する。

0052

(3)上述した液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)1では、位置スコア算出部は、未知化合物のMSnマススペクトル中のピークの質量電荷比を、アダクトイオンの質量を用いて補正する構成としてもよい。

0053

(4)上述した液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)1では、式(1)に基づいてピークスコアS(N)を求める構成を示したが、一致したペア数にしたがって増加するピークスコアS(N)を求める構成としてもよい。例えば、既知化合物のMSnマススペクトル中のピーク数の8割以上が一致した場合にはピークスコア「100」とし、既知化合物のMSnマススペクトル中のピーク数の5割以上8割未満が一致した場合にはピークスコア「50」とし、既知化合物のMSnマススペクトル中のピーク数の2割が一致した場合にはピークスコア「20」とする。

0054

(5)上述した液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)1では、スコア算出部は、未知化合物のMSn+mマススペクトルと、多数の既知化合物のMSn+mマススペクトルとの類似性を示すMSn+mマススペクトルのスコアをそれぞれ求め、MSnマススペクトルのスコアに、MSn+mマススペクトルのスコアを加算する構成としてもよい。

0055

本発明は、質量分析装置によって得られた未知化合物のMSnマススペクトルと、多数の既知化合物のMSnマススペクトルとの類似性を示すスコアをそれぞれ求め、そのスコアに基づいて未知化合物を同定するデータ処理方法等に利用することができる。

0056

1:液体クロマトグラフ質量分析装置(データ処理装置)
31a: 取得部
31b: 強度スコア算出部
31c:位置スコア算出部
31d:スコア算出部
32c:データベース記憶領域

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ