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技術 増粘安定剤、及びそれを用いた増粘安定化組成物

出願人 株式会社ダイセル国立大学法人山口大学
発明者 坂西裕一佐伯隆鳴坂侑祐伊藤磨美
出願日 2014年2月4日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2014-560767
公開日 2017年2月2日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 WO2014-123110
状態 特許登録済
技術分野 ゼリ-、ジャム、シロップ 医薬品製剤 化粧料 有機低分子化合物及びその製造 他類に属さない組成物
主要キーワード ペルチェ温度 自己組織体 石油成分 アミド結合部位 ゲル化作用 親水性増 グリセリルトリイソオクタネート 熱伝対
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

流動性有機物質を所望の粘度に増粘若しくはゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物組成を均一に安定化する化合物を提供する。 本発明の化合物は、下記式(1)で表される。 R1−(CONH−R2)n (1) 式(1)中、R1はベンゼン環を2個以上含むn価の芳香族炭化水素基、R2は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基、nは4以上の整数を示す。前記R1としては、ベンゾフェノンビフェニル、及びナフタレンから選択される芳香族炭化水素からn個の水素原子を除いた基が好ましい。また、本発明の増粘安定剤は前記化合物を含む。

概要

背景

液体を増粘安定化する方法は産業上非常に重要な技術であり、例えば、準安定状態乳化物であるマヨネーズサラダドレッシング等が長期間安定的にその乳化状態を維持することができるのは、水性成分が増粘安定化されているためである。

そのため、種々の増粘安定剤が開発されてきた。親水性増粘安定剤は水性媒体を増粘安定化させる化合物であり、例えば、アルキルアクリレートコポリマー等が知られている。

一方、流動性有機物質(例えば、油性媒体等の流動性を有する有機物質)の増粘安定剤としては、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸が知られている(特許文献1等)。12−ヒドロキシステアリン酸は、主に、食用油廃棄処理にそのゲル化作用が利用されている。しかし、12−ヒドロキシステアリン酸はゲル化の程度を調整することができないため、完全に固化するか液体のままかの何れかの状態にしか誘導することができない。即ち、流動性有機物質を所望の粘度に増粘又はゲル化する化合物は未だ見いだされていないのが現状である。

概要

流動性有機物質を所望の粘度に増粘若しくはゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物組成を均一に安定化する化合物を提供する。 本発明の化合物は、下記式(1)で表される。 R1−(CONH−R2)n (1) 式(1)中、R1はベンゼン環を2個以上含むn価の芳香族炭化水素基、R2は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基、nは4以上の整数を示す。前記R1としては、ベンゾフェノンビフェニル、及びナフタレンから選択される芳香族炭化水素からn個の水素原子を除いた基が好ましい。また、本発明の増粘安定剤は前記化合物を含む。

目的

本発明の目的は、流動性有機物質を所望の粘度に増粘若しくはゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物の組成を均一に安定化する化合物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

下記式(1)R1−(CONH−R2)n(1)(式中、R1はベンゼン環を2個以上含むn価の芳香族炭化水素基、R2は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基、nは4以上の整数を示す)で表される化合物

請求項2

式(1)中のR1が、ベンゾフェノンビフェニル、及びナフタレンから選択される芳香族炭化水素からn個の水素原子を除いた基である請求項1に記載の化合物。

請求項3

請求項1又は2に記載の化合物を含む増粘安定剤。

請求項4

請求項3に記載の増粘安定剤と流動性有機物質を含む増粘安定化組成物

請求項5

請求項3に記載の増粘安定剤と流動性有機物質を相溶させる工程を含む増粘安定化組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、オイル等の流動性有機物質を増粘安定化する作用を有する新規化合物、及びそれを用いた増粘安定剤、並びにそれを含有する増粘安定化組成物に関する。本願は、2013年2月8日に日本に出願した、特願2013−022906号の優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0002

液体を増粘安定化する方法は産業上非常に重要な技術であり、例えば、準安定状態乳化物であるマヨネーズサラダドレッシング等が長期間安定的にその乳化状態を維持することができるのは、水性成分が増粘安定化されているためである。

0003

そのため、種々の増粘安定剤が開発されてきた。親水性増粘安定剤は水性媒体を増粘安定化させる化合物であり、例えば、アルキルアクリレートコポリマー等が知られている。

0004

一方、流動性有機物質(例えば、油性媒体等の流動性を有する有機物質)の増粘安定剤としては、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸が知られている(特許文献1等)。12−ヒドロキシステアリン酸は、主に、食用油廃棄処理にそのゲル化作用が利用されている。しかし、12−ヒドロキシステアリン酸はゲル化の程度を調整することができないため、完全に固化するか液体のままかの何れかの状態にしか誘導することができない。即ち、流動性有機物質を所望の粘度に増粘又はゲル化する化合物は未だ見いだされていないのが現状である。

先行技術

0005

特開平01−163111号公報

発明が解決しようとする課題

0006

従って、本発明の目的は、流動性有機物質を所望の粘度に増粘若しくはゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物組成を均一に安定化する化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記化合物を含有する増粘安定剤、前記増粘安定剤により増粘、ゲル化、又は安定化された増粘安定化組成物、及びその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する化合物は、流動性有機物質を増粘、ゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物の組成を均一に安定化することができること、流動性有機物質の種類により選択して使用することにより、流動性有機物質の粘度を所望の粘度にまで増粘又はゲル化、若しくは流動性有機物質を含有する組成物の組成を均一に安定化することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。

0008

すなわち、本発明は、下記式(1)
R1−(CONH−R2)n (1)
(式中、R1はベンゼン環を2個以上含むn価の芳香族炭化水素基、R2は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基、nは4以上の整数を示す)
で表される化合物を提供する。

0009

本発明は、また、式(1)中のR1が、ベンゾフェノンビフェニル、及びナフタレンから選択される芳香族炭化水素からn個の水素原子を除いた基である前記化合物を提供する。

0010

本発明は、また、前記化合物を含む増粘安定剤を提供する。

0011

本発明は、また、前記増粘安定剤と流動性有機物質を含む増粘安定化組成物を提供する。

0012

本発明は、また、前記増粘安定剤と流動性有機物質を相溶させる工程を含む増粘安定化組成物の製造方法を提供する。

0013

すなわち、本発明は以下に関する。
[1] 下記式(1)で表される化合物。
R1−(CONH−R2)n (1)
(式中、R1はベンゼン環を2個以上含むn価の芳香族炭化水素基、R2は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基、nは4以上の整数を示す)
[2] 式(1)中のR1が、ベンゾフェノン、ビフェニル、及びナフタレンから選択される芳香族炭化水素からn個の水素原子を除いた基である[1]に記載の化合物。
[3] [1]又は[2]に記載の化合物を含む増粘安定剤。
[4] [3]に記載の増粘安定剤と流動性有機物質を含む増粘安定化組成物。
[5] [3]に記載の増粘安定剤と流動性有機物質を相溶させる工程を含む増粘安定化組成物の製造方法。

発明の効果

0014

本発明の式(1)で表される化合物は、流動性有機物質と相溶させることにより、容易に流動性有機物質を増粘若しくはゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物の組成を均一に安定化することができる。そのため、化粧料ペイント食品医薬品等に使用することによりそれらの粘度を所望の範囲に調整することができ、それらの組成を均一に維持することができ、それらの使用性を向上することができる。

0015

[式(1)で表される化合物]
本発明の化合物は、下記式(1)で表される。
R1−(CONH−R2)n (1)

0016

式(1)中、R1はベンゼン環を2個以上含むn価の芳香族炭化水素基を示し、例えば、ベンゾフェノン、ビフェニル、ナフタレン等から選択される芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン環を2個含む芳香族炭化水素)からn個の水素原子を除いた基を挙げることができる。

0017

式(1)中、R2は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基を示し、例えば、ヘキシルオクチル、2−エチルヘキシルデシルドデシルテトラデシルオクタデシル、ノナデシル基等の炭素数6〜20程度(好ましくは6〜18、特に好ましくは8〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、7−オクテニル、9−デセニル、11−ドデセニル、9−オクタデセニル基等の炭素数6〜20程度(好ましくは6〜18、特に好ましくは12〜18)の直鎖状又は分岐鎖アルケニル基ヘキシニル、オクチニル、デシニル、ペンタデシニル、オクタデセニル基等の炭素数6〜20程度(好ましくは6〜18、特に好ましくは12〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基等を挙げることができる。

0018

式(1)中、nは4以上の整数を示し、好ましくは4〜8、特に好ましくは4〜6である。

0019

式(1)で表される化合物としては、具体的には、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラヘキシルアミド、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラオクチルアミド、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラデシルアミド、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラドデシルアミド、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラミリスチルアミド、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラステアリルアミド、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラオレイルアミド等の3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラC6-20アルキル又はC6-20アルケニルアミド;1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸テトラヘキシルアミド、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸テトラオクチルアミド、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸テトラデシルアミド、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸テトラドデシルアミド、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸テトラミリスチルアミド、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸テトラステアリルアミド、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸テトラオレイルアミド等の1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸テトラC6-20アルキル又はC6-20アルケニルアミド;1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラヘキシルアミド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラオクチルアミド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラデシルアミド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラドデシルアミド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラミリスチルアミド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラステアリルアミド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラオレイルアミド等の1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラC6-20アルキル又はC6-20アルケニルアミド等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0020

式(1)で表される化合物は、例えば、(1)芳香族カルボン酸[R1−(COOH)n:R1、nは式(1)中のR1、nに同じ]を塩化チオニルと反応させてカルボン酸クロライドを得、得られたカルボン酸クロライドに脂肪族アミン(R2−NH2:R2は式(1)中のR2に同じ)を反応させる方法や、(2)前記芳香族カルボン酸に対応する芳香族カルボン酸無水物に前記脂肪族アミンを反応させてアミック酸を得、更に前記脂肪族アミンをカルボジイミドを用いて縮合させる方法等により製造することができる。本発明においては、なかでも製造上、精製処理を簡便に行うことができる点で、上記(1)の方法を採用することが好ましい。

0021

前記芳香族カルボン酸[R1−(COOH)n]としては、例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸等のベンゼン環を2個以上含むn価の芳香族炭化水素基に4個以上のカルボキシル基が結合してなる化合物を挙げることができる。

0022

脂肪族アミン(R2−NH2)としては、例えば、へキシルアミンオクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミンオレイルアミン等の炭素数6以上(好ましくは、炭素数6〜20)の脂肪族炭化水素基(好ましくは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基)を有するアミンを挙げることができる。

0023

上記(1)の方法において、カルボン酸クロライドと脂肪族アミンの反応は、例えば脂肪族アミンを仕込んだ系内にカルボン酸クロライドを滴下することにより行うことができる。

0024

カルボン酸クロライドと脂肪族アミンの反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。前記溶媒としては、例えば、ペンタンヘキサンヘプタンオクタン石油エーテル等の飽和又は不飽和炭化水素系溶媒;ベンゼントルエンキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒塩化メチレンクロロホルム、1,2−ジクロロエタンクロロベンゼンブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒ジエチルエーテルジイソプロピルエーテルジブチルエーテルテトラヒドロフランジオキサン、1,2−ジメトキシエタンシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒アセトニトリルベンゾニトリル等のニトリル系溶媒ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒スルホラン等のスルホラン系溶媒;ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒シリコーンオイル等の高沸点溶媒等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。本発明においては、なかでも、反応成分(カルボン酸クロライドと脂肪族アミン)の溶解性に優れる点でハロゲン化炭化水素系溶媒を使用することが好ましい。

0025

前記溶媒の使用量としては、カルボン酸クロライドと脂肪族アミンの総量に対して、例えば50〜300重量%程度、好ましくは100〜250重量%である。溶媒の使用量が上記範囲を上回ると反応成分の濃度が低くなり、反応速度が低下する傾向がある。

0026

カルボン酸クロライドと脂肪族アミンの反応(=滴下)は、通常、常圧下で行われる。また、上記反応(=滴下時)の雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気窒素雰囲気アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。反応温度(=滴下時温度)は、例えば30〜60℃程度である。反応時間(=滴下時間)は、例えば0.5〜20時間程度である。反応(=滴下)終了後は、熟成工程を設けてもよい。熟成工程を設ける場合、熟成温度は例えば30〜60℃程度、熟成時間は例えば1〜5時間程度である。また、反応はバッチ式セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。

0027

反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過濃縮蒸留、抽出、晶析吸着再結晶カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。

0028

式(1)で表される化合物は、アミド結合部位において水素結合により自己会合してファイバー状自己組織体を形成し、さらに側鎖(式(1)中のR2)が流動性有機物質に対して親和性を有するため、流動性有機物質と相溶させることにより、流動性有機物質を増粘、ゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物の組成を均一に安定化することができる。そのため、例えば、増粘安定剤(更に詳細には、増粘剤ゲル化剤、又は安定剤)として有用である。

0029

[増粘安定剤]
本発明の増粘安定剤は、上記式(1)で表される化合物を1種単独で、又は2種以上を組み合わせて含むことを特徴とする。

0030

尚、本発明において増粘安定剤とは流動性有機物質に溶解して粘性を生じる化合物であり、「増粘安定剤」は、流動性有機物質に粘性を付与する増粘剤、流動性有機物質をゲル化するゲル化剤、及び流動性有機物質を含有する組成物の組成を均一に安定化することを目的としてその粘性を高める安定剤を含む概念である。

0031

本発明の増粘安定剤には、上記式(1)で表される化合物以外にも、必要に応じて他の成分(例えば、基剤ヒドロキシ脂肪酸類、アクリルポリマーデキストリン脂肪酸エステル等のオリゴマーエステル類、金属酸化物等の粒子等)を含有していてもよい。他の成分の含有量としては、増粘安定剤全量(100重量%)において上記式(1)で表される化合物の含有量(2種以上含有する場合はその総量)が、例えば0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上となる範囲内である。尚、上記式(1)で表される化合物の含有量の上限は100重量%である。上記式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲を外れると、流動性有機物質を増粘、ゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物の組成を均一に安定化することが困難となる傾向がある。

0032

本発明の増粘安定剤の剤型としては、例えば、粉末状、顆粒状、液状、乳液状等の種々の剤型を採用することが可能である。

0033

本発明の増粘安定剤は、流動性有機物質と相溶させることにより(好ましくは、混合して加温し、相溶させた後、冷却することにより)、前記流動性有機物質を増粘又はゲル化することができ、前記流動性有機物質の粘度を、1倍を超え600倍以下程度の範囲内の用途に応じた所望の粘度に増粘又はゲル化することができる。

0034

[増粘安定化組成物]
本発明の増粘安定化組成物は、上記増粘安定剤と流動性有機物質を含み、前記増粘安定剤により流動性有機物質が増粘、ゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物の組成が均一に安定化されてなる組成物である。

0035

前記流動性有機物質としては、レオメーターによる粘度[25℃、せん断速度10(1/s)における粘度(η)]が0.1Pa・s未満の有機物質であり、例えば、炭化水素油(例えば、ヘキサン、シクロヘキサンイソドデカン、ベンゼン、トルエン、ポリαオレフィン流動パラフィン等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、四塩化炭素、クロロベンゼン等)、石油成分ケロシンガソリン軽油重油等)、動植物油ヒマワリ油オリーブ油大豆油コーン油ヒマシ油牛脂ホホバ油スクワラン等)、シリコーン類ジメチルポリシロキサンメチルフェニルポリシロキサン等)、エステル類オレイン酸オクチルドデシルエチルヘキサン酸セチルグリセリルトリイソオクタネートネオペンチルグリコールジイソオクタネート等)、芳香族カルボン酸、ピリジン等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0036

本発明の増粘安定化組成物は、上記増粘安定剤と流動性有機物質以外にも本発明の効果を損なわない範囲内で他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、化粧料、ペイント、食品、医薬品等の増粘安定化を所望する組成物において、上記流動性有機物質以外に含有される一般的な化合物(例えば、薬効成分、顔料香料等)を挙げることができる。

0037

前記増粘安定化組成物は、増粘安定剤と流動性有機物質を相溶させる工程を経て製造することができる。より詳細には、増粘安定剤と流動性有機物質の全量を混合して加温し、相溶させた後、冷却することにより製造することができる。また、流動性有機物質の一部に増粘安定剤を混合して、加温、相溶させた後、冷却して、増粘安定化組成物を製造し、これを残りの流動性有機物質に混合する方法でも製造することができる。

0038

増粘安定剤の混合量(若しくは使用量)としては、流動性有機物質の種類にもよるが、流動性有機物質1000重量部に対して、例えば0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜90重量部、特に好ましくは1〜80重量部である。増粘安定剤を上記範囲で混合(若しくは使用)することにより、流動性有機物質が増粘、若しくはゲル化された組成物、又は組成が均一に安定化された組成物を得ることができる。

0039

加温の際の温度は、使用する増粘安定剤と流動性有機物質の種類によって適宜選択されるものであり、増粘安定剤と流動性有機物質が相溶する温度であれば特に制限されないが、100℃を越えないことが好ましく、流動性有機物質の沸点が100℃以下の場合には沸点程度が好ましい。

0040

相溶後の冷却は、25℃以下にまで冷却することができればよく、室温で徐冷してもよいし、氷冷等により強制的に冷却してもよい。

0041

そして、本発明の増粘安定化組成物のレオメーターによる粘度[25℃、せん断速度10(1/s)における粘度(η)]は、含有する流動性有機物質の粘度の1倍を超え600倍以下の範囲内において、用途に応じて適宜調整することができる。

0042

本発明の増粘安定化組成物としては、流動性有機物質を含有し、その増粘安定化が望まれる組成物であれば特に制限されることがなく、例えば、化粧料、ペイント、食品、医薬品等を挙げることができる。

0043

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。

0044

合成例1(増粘安定剤(BTDA−C6:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラヘキシルアミド)の合成)
ジムロート冷却管窒素導入口および滴下ロート熱伝対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにCHCl320mL、ヘキシルアミン11.41g(0.113mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、3,3’,4,4’−ベンゾフェトンテトラカルボキシテトラクロリド(以下、「BTDA−Cl」と称する場合がある)6.59g(0.141mol)を2.5時間かけて滴下し、更に4時間熟成を行った。その後、得られた粗液の低沸分エバポレータにて除去し、メタノール洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、BTDA−C6を5.0g得た(収率:42%)。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ 0.91 (t, 12H, J=4.9Hz), 1.35-1.45 (m, 24H), 1.57-1.72 (m, 8H), 3.38 (q, 8H, J=6.8Hz), 7.45-7.54 (m, 4H), 7.65-7.73 (m, 6H)

0045

合成例2(増粘安定剤(BTDA−C8:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラオクチルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口および滴下ロート、熱伝対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにCHCl320mL、n−オクチルアミン13.77g(0.106mol)を仕込んだ。系内温度を40℃に設定し、「BTDA−Cl」6.23g(0.133mol)を2.5時間かけて滴下し、更に4時間熟成を行った。その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、BTDA−C8を5.4g得た(収率:43%)。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ 0.88 (t, 12H, J=6.2Hz), 1.18-1.40 (m, 40H), 1.59-1.61 (m, 8H), 3.35-3.42 (m, 8H), 7.28-7.53 (m, 4H), 7.69-8.14 (m, 6H)

0046

合成例3(増粘安定剤(BTDA−C12:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラドデシルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口および滴下ロート、熱伝対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにCHCl320mL、ドデシルアミン11.4g(0.062mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、「BTDA−Cl」4.97g(0.011mol)を0.5時間かけて滴下し、更に4時間熟成を行った。その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、BTDA−C12を2.4g得た(収率:27%)。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ 0.88 (t, 12H, J=7.3Hz), 1.05-1.44 (m, 72H), 1.59-1.61 (m, 8H), 3.38 (m, 8H), 7.34-7.52 (m, 2H), 7.67-7.70 (m, 2H), 7.77 (s, 2H)

0047

合成例4(増粘安定剤(BTDA−C14:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラミリスチルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口および滴下ロート、熱伝対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにCHCl320mL、ミリスチルアミン13.2g(0.062mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、「BTDA−Cl」4.97g(0.011mol)を0.5時間かけて滴下し、更に4時間熟成を行った。その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、BTDA−C14を3.1g(収率31%)で得た。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ 0.88 (t, 12H, J=6.8Hz), 1.12-1.41 (m, 88H), 1.45-1.65 (m, 8H), 3.38 (dd, 8H, J=13.2Hz, 6.5Hz), 7.26-7.68 (m, 6H) , 7.69-7.72 (m, 2H) , 7.79 (s, 2H)

0048

合成例5(増粘安定剤(BTDA−C18:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラステアリルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口および滴下ロート、熱伝対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにCHCl320mL、ステアリルアミン24.65g(0.091mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、「BTDA−Cl」5.35g(0.011mol)を2.5時間かけて滴下し、更に4時間熟成を行った。その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(80/20(v/v))で再結晶を行い、BTDA−C18を5.4g得た(収率:31%)。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ 0.88 (t, 12H, J=6.8Hz), 1.12-1.41 (m, 120H), 1.45-1.65 (m, 8H), 3.35-3.40(m, 8H), 7.37-7.58 (m, 6H) , 7.65-7.81 (m, 4H)

0049

合成例6(増粘安定剤(BTDA−oleyl:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラオレイルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口および滴下ロート、熱伝対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにCHCl320mL、オレイルアミン12.31g(0.046mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、「BTDA−Cl」2.69g(0.0058mol)を2.5時間かけて滴下し、更に4時間熟成を行った。その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、BTDA−oleylを3.4g得た(収率:39%)。
1H-NMR(270MHz, CDCl3): δ 0.84-0.87 (m, 12H), 1.06-1.41 (m, 88H), 1.42-1.57 (m, 8H),1.75-2.11 (m, 16H), 3.21-3.48 (m, 8H), 5.31-5.52 (m, 8H), 7.43-8.10 (m, 10H)

0050

実施例1〜6
表1に示す各種流動性有機物質を試験管に1cm3ずつ秤りとり、これに上記合成例1〜6で得られた増粘安定剤をそれぞれ10mg加えて混合し、各流動性有機物質についての適温(沸点が100℃未満の流動性有機物質については沸点又はそれ以下の温度(40〜80℃)、沸点が100℃以上の流動性有機物質については80〜100℃で加熱した。具体的には、流動性有機物質としてヘキサンを使用した場合:40℃、シクロヘキサンを使用した場合:40℃、ヒマワリ油を使用した場合:100℃、イソドデカンを使用した場合:80℃、流動パラフィンを使用した場合:80℃、エチルヘキサン酸セチルを使用した場合:80℃、ポリαオレフィンを使用した場合:80℃)で加熱撹拌して流動性有機物質と増粘安定剤を相溶させることにより増粘安定化組成物を得た。
得られた増粘安定化組成物を25℃まで冷却してその粘度を測定し、各種流動性有機物質の粘度が何倍に増粘されたかを確認し、下記基準に従って増粘安定性を評価した。
評価基準
1: 1.0倍を超え、2.0倍以下
2: 2.0倍を超え、4.8倍以下
3: 4.8倍を超え、10倍以下
4: 10倍を超え、50倍以下
5: 50倍を超え、100倍以下
6: 100倍を超え、600倍以下

0051

各種流動性有機物質、及び増粘安定化組成物の粘度はコーンプレートセンサー(直径60mmでコーン角1°、直径35mmでコーン角1°、2°、4°を使用)とペルチェ温度コントローラーを装着した粘度・粘弾性測定装置レオメータ)(商品名「RheoStress600」、HAKE社製)を用い、25℃条件下、常流粘度測定モードにより、せん断速度を対数きざみで0.001〜100(1/s)まで変化させて粘度を測定して粘度曲線を得、得られた粘度曲線からせん断速度10(1/s)における粘度を求め、それを本発明の粘度とした。尚、各プロットは装置のトルク値変動が5%範囲に収まり、データが安定した時点での値を採用した。

実施例

0052

上記結果を下記表にまとめて示す。

0053

本発明の式(1)で表される化合物は、流動性有機物質と相溶させることにより、容易に流動性有機物質を増粘若しくはゲル化、又は流動性有機物質を含有する組成物の組成を均一に安定化することができる。そのため、化粧料、ペイント、食品、医薬品等に使用することによりそれらの粘度を所望の範囲に調整することができ、それらの組成を均一に維持することができ、それらの使用性を向上することができる。

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