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技術 燃料電池システム

出願人 日産自動車株式会社
発明者 浅井祥朋熊田光徳牧野眞一
出願日 2013年12月18日 (8年1ヶ月経過) 出願番号 2014-554355
公開日 2017年1月12日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 WO2014-103823
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(本体) 車両の電気的な推進・制動 燃料電池(システム)
主要キーワード 電圧変換機 水分回収装置 空気供給ユニット 制限緩和 ラジエーターファン 電気ライン 準備運転 冷却水入口孔
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図面 (20)

課題・解決手段

燃料電池スタックに空気を供給するための空気供給ユニットから供給された空気を用いて外部負荷を駆動するための電力発電する燃料電池システムは、要求発電量に応じて前記燃料電池スタックに空気を供給する供給空気制御部と、燃料電池システムの運転状態に基づいて、発電量急増予測されるかを判定し、又は、前記外部負荷に対する電力供給性能の低下を判定する判定部と、を備える。そして、供給空気制御部は、発電量の急増が予測されると判定されたとき、又は、電力供給性能の低下が判定されたときは、前記要求発電量に応じた空気流量よりも空気量を増加させる。

概要

背景

JP2007−194080Aには、従来の燃料電池システムとして、コンプレッサによって燃料電池スタックカソードガスを供給し、燃料電池スタックに接続された外部負荷要求電力に応じて燃料電池スタックを発電させるものが開示されている。

概要

燃料電池スタックに空気を供給するための空気供給ユニットから供給された空気を用いて外部負荷を駆動するための電力を発電する燃料電池システムは、要求発電量に応じて前記燃料電池スタックに空気を供給する供給空気制御部と、燃料電池システムの運転状態に基づいて、発電量急増予測されるかを判定し、又は、前記外部負荷に対する電力供給性能の低下を判定する判定部と、を備える。そして、供給空気制御部は、発電量の急増が予測されると判定されたとき、又は、電力供給性能の低下が判定されたときは、前記要求発電量に応じた空気流量よりも空気量を増加させる。

目的

本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、このようなカソードガス供給系の応答遅れによる不都合を解消することのできる燃料電池システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

燃料電池スタックに空気を供給するための空気供給ユニットから供給された空気を用いて外部負荷を駆動するための電力発電する燃料電池システムであって、要求発電量に応じて前記燃料電池スタックに空気を供給する供給空気制御部と、前記燃料電池システムの運転状態に基づいて、発電量急増予測されるかを判定し、又は、前記外部負荷に対する電力供給性能の低下を判定する判定部と、を備え、前記供給空気制御部は、発電量の急増が予測されると判定されたとき、又は、電力供給性能の低下が判定されたときは、前記要求発電量に応じた空気流量よりも空気量を増加させる、燃料電池システム。

請求項2

前記外部負荷を駆動するための電力を蓄えるバッテリと、前記空気供給ユニットを駆動するためのモータと、前記モータの回生電力を前記バッテリに充電する回生制御部と、を備え、前記供給空気制御部は、発電の急増が予測されると判定されたとき、又は、電力供給性能の低下が判定されたときは、判定されていないときよりも前記モータの回生電力を小さくすることで、前記要求発電量に応じた空気流量よりも空気量を増加させる、請求項1に記載の燃料電池システム。

請求項3

発電量の急増時に、前記バッテリの電力を補助的に前記外部負荷に供給する電力供給制御部を備え、前記判定部は、前記バッテリの性能が低下するときに、前記外部負荷への供給電力の低下を判定する、請求項2に記載の燃料電池システム。

請求項4

前記外部負荷を駆動するための電力の急増に対する前記燃料電池スタックの発電応答遅れを考慮して、前記燃料電池スタックの取り出し電流の急増を制限する発電制限部と、前記供給空気制御部によって空気量が増加されているときは、前記燃料電池スタックの取り出し電流の急増に対する制限を緩和する制限緩和部と、を備える請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。

請求項5

前記燃料電池スタックよりも上流から分岐して、前記空気供給ユニットから供給された空気の一部が前記燃料電池スタックを迂回するように流れるバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられ、前記バイパス通路を流れる空気流量を調整するバイパス弁と、空気量が増加されているときに発電量の急増がなければ前記バイパス弁を開弁して余剰の空気を逃がし、発電量が急増すれば前記バイパス弁の開度を小さくするバイパス弁制御部と、を備える請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。

請求項6

前記バイパス弁制御部は、前記燃料電池スタックの湿潤度過多である場合には、発電量の急増がなければ湿潤度が過多であるほど前記バイパス弁の開度を小さくして、前記燃料電池スタックへ供給する空気を増大することで過多な湿潤状態を低減する、請求項5に記載の燃料電池システム。

請求項7

前記供給空気制御部によって空気量が増加されているときに、前記燃料電池スタックを冷却する冷却水の温度を上昇させる水温制御部を備え、前記バイパス弁制御部は、冷却水の温度が上昇するほど、前記バイパス弁の開度を大きくすることで、過剰な空気を低減する、請求項6に記載の燃料電池システム。

請求項8

前記バイパス弁制御部は、全開よりは小さい開度で前記バイパス弁を制御する、請求項5から請求項7までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。

請求項9

前記判定部は、前記燃料電池スタックの性能が低下するときに、前記外部負荷への供給電力の低下を判定する、請求項1から請求項8までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。

請求項10

前記判定部は、前記燃料電池スタックに供給される空気中の異物を除去するエアフィルタ圧力損失所定値よりも大きいときに、前記燃料電池スタックの性能低下を判定する、請求項9に記載の燃料電池システム。

請求項11

前記判定部は、前記燃料電池スタックを構成する各燃料電池電圧が所定値よりも小さいときに、前記燃料電池スタックの性能低下を判定する、請求項9又は請求項10に記載の燃料電池システム。

請求項12

前記判定部は、所定電流に対する電圧が所定値よりも小さいときに、前記燃料電池スタックの性能低下を判定する、請求項9から請求項11までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。

請求項13

前記供給空気制御部は、電力供給性能の低下が判定されたときは、性能が低下しているほど多くの空気を供給する、請求項1から請求項12までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。

請求項14

前記燃料電池スタックよりも上流から分岐して、前記空気供給ユニットから供給された空気の一部が前記燃料電池スタックを迂回するように流れるバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられ、前記バイパス通路を流れる空気流量を調整するバイパス弁と、前記燃料電池スタックの要求に応じて、前記燃料電池スタックに供給する空気流量の目標値を算出する目標スタック供給流量算出部と、目標スタック供給流量に基づいて、前記空気供給ユニットから前記燃料電池スタックに供給される空気の流量が、前記目標スタック供給流量となるように、前記バイパス弁を制御するバイパス弁制御部と、を備える請求項1から請求項4に記載の燃料電池システム。

技術分野

0001

本発明は燃料電池システムに関する。

背景技術

0002

JP2007−194080Aには、従来の燃料電池システムとして、コンプレッサによって燃料電池スタックカソードガスを供給し、燃料電池スタックに接続された外部負荷要求電力に応じて燃料電池スタックを発電させるものが開示されている。

0003

外部負荷の要求電力が増加したときは、発電に必要なカソードガス流量、すなわち、各燃料電池カソード内において電極反応に必要な酸素分圧を確保するために必要なカソードガス流量も増加する。このとき、コンプレッサによってカソードガス流量を増加させても、増加分のカソードガスが燃料電池スタックに到達するまでには遅れが生じる。

0004

そのため、特に外部負荷の要求電力の増加量が大きいときは、発電に必要なカソードガスが過渡的に不足した状態で燃料電池スタックから電力が取り出される状態となる。そうすると、出力電圧が低下して外部負荷の作動に支障をきたしたり、燃料電池触媒劣化するおそれがある。

0005

本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、このようなカソードガス供給系の応答遅れによる不都合を解消することのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明のある態様による燃料電池システムは、要求発電量に応じて燃料電池スタックに空気を供給する供給空気制御部と、燃料電池システムの運転状態に基づいて、発電量急増予測されるかを判定し、又は、外部負荷に対する電力供給性能の低下を判定する判定部と、を備える。そして、供給空気制御部は、発電量の急増が予測されると判定されたとき、又は、電力供給性能の低下が判定されたときは、要求発電量に応じた空気流量よりも空気量を増加させる。

図面の簡単な説明

0007

図1は、本発明の第1実施形態による燃料電池システムの概略図である。
図2は、本発明の第1実施形態による制御フローチャートである。
図3は、発電急増予測判定ルーチンフローチャートである。
図4は、第1実施形態の発電急増の予測に使用するマップの一例を示す図である。
図5Aは、車速が高いほど、空気を増量する理由を説明する図である。
図5Bは、車速が高いほど、空気を増量する理由を説明する図である。
図6は、車速とコンプレッサ供給流量との相関を、アクセル操作量ごとに示す図である。
図7Aは、目標空気流量を実現するための制御ブロック図である。
図7Bは、目標空気流量を実現するための制御ブロック図である。
図8は、本発明の第1実施形態による制御フローチャートが実行されたときの作動を説明するタイミングチャートである。
図9は、本発明の第2実施形態による制御フローチャートである。
図10は、電力供給性能の低下判定ルーチンのフローチャートである。
図11は、外気温とコンプレッサ供給流量との相関図である。
図12は、電力急増予測判定ルーチンのフローチャートである。
図13は、第2実施形態の電力急増の予測に使用するマップの一例を示す図である。
図14は、本発明の第2実施形態による制御フローチャートが実行されたときの作動を説明するタイミングチャートである。
図15は、本発明の第3実施形態によるアクセル操作量とコンプレッサ供給流量との相関を、車速ごとに示す図である。
図16は、本発明の第4実施形態によるブレーキペダル操作量とコンプレッサ供給流量との相関図である。
図17は、本発明の第5実施形態について説明する制御ブロック図である。
図18Aは、本発明の第5実施形態の発電電力演算部で目標発電電力を演算するときに使用するマップの一例を示す図である。
図18Bは、本発明の第5実施形態の発電電力演算部で目標発電電力を演算するときに使用するマップの一例を示す図である。
図18Cは、本発明の第5実施形態の発電電力演算部で目標発電電力を演算するときに使用するマップの一例を示す図である。
図19は、目標空気流量演算部で演算された目標空気流量を負荷減少時の変化率で制限する場合の制御ブロック図である。
図20は、本発明の第6実施形態の制御について、作動タイミングを示すタイミングチャートに沿って説明する図である。
図21は、本発明の第7実施形態の制御について、作動タイミングを示すタイミングチャートに沿って説明する図である。
図22は、本発明の第8実施形態による目標発電電力と目標空気量との相関図である。
図23は、本発明の第9実施形態による燃料電池システムの概略図である。
図24は、本発明の第9実施形態によるソードコプレッサ及びバイパス弁の制御ブロック図である。
図25は、本発明の第10実施形態によるソードコンプレッサ及びバイパス弁の制御ブロック図である。

実施例

0008

以下、図面等を参照して本発明の各実施形態について説明する。

0009

(第1実施形態)
燃料電池は電解質膜アノード燃料極)とカソード酸化剤極)とによって挟み、アノードに水素を含有するアノードガス燃料ガス)、カソードに酸素を含有するカソードガス(酸化剤ガス)を供給することによって発電する。アノード及びカソードの両電極において進行する電極反応は以下の通りである。

0010

アノード: 2H2 →4H+ +4e- …(1)
カソード: 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)

0011

この(1)(2)の電極反応によって燃料電池は1ボルト程度の起電力を生じる。

0012

燃料電池を自動車用動力源として使用する場合には、要求される電力が大きいため、数百枚の燃料電池を積層した燃料電池スタックとして使用する。そして、燃料電池スタックにアノードガス及びカソードガスを供給する燃料電池システムを構成して、車両駆動用の電力を取り出す。

0013

図1は、本発明の第1実施形態による燃料電池システム100の概略図である。

0014

燃料電池システム100は、燃料電池スタック1と、カソードガス給排装置2と、アノードガス給排装置3と、スタック冷却装置4と、電力系5と、コントローラ6と、を備える。

0015

燃料電池スタック1は、複数枚の燃料電池を積層したものであり、アノードガス及びカソードガスの供給を受けて、負荷に応じて発電する。

0016

カソードガス給排装置2は、カソードガス供給通路20と、カソードガス排出通路21と、フィルタ22と、カソードコンプレッサ23と、水分回収装置(Water Recovery Device;以下「WRD」という。)24と、カソード調圧弁25と、バイパス通路26と、バイパス弁27と、第1エアフローセンサ60と、カソード圧力センサ62と、を備える。カソードガス給排装置2は、燃料電池スタック1にカソードガスを供給するとともに、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガス外気に排出する。

0017

カソードガス供給通路20は、燃料電池スタック1に供給するカソードガスが流れる通路である。カソードガス供給通路20は、一端がフィルタ22に接続され、他端が燃料電池スタック1のカソードガス入口孔に接続される。

0018

カソードガス排出通路21は、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスが流れる通路である。カソードガス排出通路21は、一端が燃料電池スタック1のカソードガス出口孔に接続され、他端が開口端となっている。カソードオフガスは、カソードガスと、電極反応によって生じた水蒸気と、の混合ガスである。

0019

フィルタ22は、カソードガス供給通路20に取り込むカソードガス中の異物を取り除く。

0020

カソードコンプレッサ23は、カソードガス供給通路20に設けられる。本実施形態では、カソードコンプレッサ23として遠心式ターボコンプレッサを使用している。カソードコンプレッサ23は、フィルタ22を介してカソードガスとしての空気(外気)をカソードガス供給通路20に取り込み、燃料電池スタック1に供給する。カソードコンプレッサ23は、コンプレッサモータ231によって駆動される。コンプレッサモータ231には、コンプレッサインバータ232が接続される。コンプレッサインバータ232をコントローラ6によって制御することで、コンプレッサモータ231、ひいてはカソードコンプレッサ23が制御される。

0021

コンプレッサインバータ232は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの複数の半導体スイッチから構成される。コンプレッサインバータ232の半導体スイッチは、コントローラ6によって開閉制御され、これにより直流電力交流電力に、又は、交流電力が直流電力に変換される。

0022

コンプレッサインバータ232は、コンプレッサモータ231を電動機として機能させるときは、燃料電池スタック1の発電電力やバッテリ53の出力電力三相交流電力に変換してコンプレッサモータ231に供給する。一方で、コンプレッサモータ231を発電機として機能させるときは、コンプレッサモータ231の回生電力(三相交流電力)を直流電力に変換してバッテリ53に供給する。カソードコンプレッサ23の回転速度を低下させる際、本実施形態ではこのコンプレッサモータ231の回生電力の大きさを制御することで、カソードコンプレッサ23の回転速度の低下度合いを制御している。

0023

WRD24は、カソードガス供給通路20及びカソードガス排出通路21のそれぞれに接続されて、カソードガス排出通路21を流れるカソードオフガス中の水分を回収し、その回収した水分でカソードガス供給通路20を流れるカソードガスを加湿する。

0024

カソード調圧弁25は、WRD24よりも下流のカソードガス排出通路21に設けられる。カソード調圧弁25は、コントローラ6によって開閉制御されて、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの圧力を所望の圧力に調節する。なお、カソード調圧弁25を設けずに、オリフィス等の絞りを設けるようにしても良い。

0025

バイパス通路26は、カソードコンプレッサ23から吐出されたカソードガスの一部を、必要に応じて燃料電池スタック1を経由させずに直接カソードガス排出通路22に排出することができるように設けられた通路である。バイパス通路26は、一端がカソードコンプレッサ23とWRD24との間のカソードガス供給通路21に接続され、他端がカソード調圧弁25よりも下流のカソードガス排出通路22に接続される。

0026

バイパス弁27は、バイパス通路26に設けられる。バイパス弁27は、コントローラ4によって開閉制御されて、バイパス通路26を流れるカソードガスの流量(以下「バイパス流量」という。)を調節する。

0027

第1エアフローセンサ60は、カソードコンプレッサ23よりも上流のカソードガス供給通路20に設けられる。第1エアフローセンサ60は、カソードコンプレッサ23が供給するカソードガスの流量(以下「コンプレッサ供給流量」という。)を検出する。以下の説明では、この第1エアフローセンサ41の検出値を必要に応じて「検出コンプレッサ供給流量」という。

0028

カソード圧力センサ62は、カソードコンプレッサ23と、バイパス通路26の接続部との間のカソードガス供給通路20に設けられる。カソード圧力センサ62は、WRD27のカソードガス入口部近傍のカソードガスの圧力を検出する。以下では、このカソード圧力センサ63の検出値を必要に応じて「検出カソード圧」という。

0029

アノードガス給排装置3は、燃料電池スタック1にアノードガスを供給するとともに、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスを、カソードガス排出通路21に排出する。アノードガス給排装置3は、高圧タンク31と、アノードガス供給通路32と、アノード調圧弁33と、アノードポンプ34と、アノードガス排出通路35と、パージ弁36と、アノード圧力センサ63と、を備える。

0030

高圧タンク31は、燃料電池スタック1に供給するアノードガスを高圧状態に保って貯蔵する。

0031

アノードガス供給通路32は、高圧タンク31から排出されるアノードガスを燃料電池スタック1に供給するための通路である。アノードガス供給通路32は、一端が高圧タンク31に接続され、他端が燃料電池スタック1のアノードガス入口孔に接続される。

0032

アノード調圧弁33は、アノードガス供給通路32に設けられる。アノード調圧弁33は、コントローラ6によって開閉制御されて、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの圧力を所望の圧力に調節する。

0033

アノードポンプ34は、アノード調圧弁32よりも下流のアノードガス供給通路32に設けられる。アノードポンプ34は、アノード調圧弁33で調圧されたアノードガスを燃料電池スタック1に送る。なお、アノードポンプ34を設けずに、高圧タンク31側と燃料電池スタック1側との圧力差を利用してアノードガスを供給するようにしても良い。

0034

アノードガス排出通路35は、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスが流れる通路である。アノードガス排出通路35は、一端が燃料電池スタック1のアノードガス出口孔に接続され、他端がカソードガス排出通路21に接続される。

0035

アノードガス排出通路35を介してカソードガス排出通路21に排出されたアノードオフガスは、カソードガス排出通路21内でカソードオフガスと混合されて燃料電池システム100の外部に排出される。アノードオフガスには、電極反応に使用されなかった余剰のアノードガス(水素)が含まれているので、カソードオフガスと混合させて燃料電池システム100の外部に排出することで、その排出ガス中水素濃度が予め定められた所定濃度以下となるようにしている。

0036

パージ弁36は、アノードガス排出通路35に設けられる。パージ弁36は、コントローラ6によって開閉制御され、アノードガス排出通路35からカソードガス排出通路21に排出するアノードオフガスの流量を制御する。

0037

アノード圧力センサ63は、アノード調圧弁33よりも下流のアノードガス供給通路32に設けられ、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの圧力(以下「アノード圧力」という。)を検出する。以下では、このアノード圧力センサ63の検出値を必要に応じて「検出アノード圧力」という。

0038

スタック冷却装置4は、燃料電池スタック1を冷却し、燃料電池スタック1を発電に適した温度に保つ装置である。スタック冷却装置4は、冷却水循環通路41と、ラジエータ42と、冷却水バイパス通路43と、三方弁44と、循環ポンプ45と、出口水温センサ64と、を備える。

0039

冷却水循環通路41は、燃料電池スタック1を冷却するための冷却水循環する通路であって、一端が燃料電池スタック1の冷却水入口孔に接続され、他端が燃料電池スタック1の冷却水出口孔に接続される。

0040

ラジエータ42は、冷却水循環通路41に設けられる。ラジエータ42は、燃料電池スタック1から排出された冷却水を冷却する。ラジエータ42には、クーリングファン421が設けられている。

0041

冷却水バイパス通路43は、ラジエータ42をバイパスさせて冷却水を循環させることができるように、一端が冷却水循環通路41に接続され、他端が三方弁44に接続される。

0042

三方弁44は、ラジエータ42よりも下流側の冷却水循環通路41に設けられる。三方弁44は、冷却水の温度に応じて冷却水の循環経路切り替える。具体的には、冷却水の温度が所定温度よりも高いときは、燃料電池スタック1から排出された冷却水が、ラジエータ42を介して再び燃料電池スタック1に供給されるように冷却水の循環経路を切り替える。逆に、冷却水の温度が所定温度よりも低いときは、燃料電池スタック1から排出された冷却水から排出された冷却水が、ラジエータ42を介さずに冷却水バイパス通路43を流れて再び燃料電池スタック1に供給されるように冷却水の循環経路を切り替える。

0043

循環ポンプ45は、三方弁44よりも下流側の冷却水循環通路41に設けられて、冷却水を循環させる。

0044

出口水温センサ64は、燃料電池スタック1の冷却水出口孔近傍の冷却水循環通路に設けられる。出口水温センサ64は、燃料電池スタック1から排出された冷却水の温度(以下「出口水温」という。)を検出する。

0045

電力系5は、電流センサ65と、電圧センサ66と、走行モータ51と、走行インバータ52と、バッテリ53と、DC/DCコンバータ54と、を備える。

0046

電流センサ65は、燃料電池スタック1から取り出される電流(以下「出力電流」という。)を検出する。

0047

電圧センサ66は、燃料電池スタック1の電力取り出し端子間の電圧(以下「出力電圧」という。)を検出する。また、燃料電池スタック1を構成する燃料電池10の1枚ごとの電圧を検出できるようにすると尚良い。さらに、複数枚おきに電圧を検出できるようにしても良い。

0048

燃料電池スタック1と走行モータ51とは電気ラインによって接続され、その接続ラインにDC/DCコンバータ54を介してバッテリ53が接続される。

0049

走行モータ51は、ロータ永久磁石埋設し、ステータステータコイル巻き付け三相交流同期モータである。走行モータ51は、燃料電池スタック1及びバッテリ53から電力の供給を受けて回転駆動する電動機としての機能と、ロータが外力によって回転させられる車両の減速時にステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機としての機能と、を有する。

0050

走行インバータ52は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの複数の半導体スイッチから構成される。走行インバータ52の半導体スイッチは、コントローラ6によって開閉制御され、これにより直流電力が交流電力に、又は、交流電力が直流電力に変換される。走行インバータ52は、走行モータ51を電動機として機能させるときは、燃料電池スタック1の発電電力とバッテリ53の出力電力との合成直流電力を三相交流電力に変換して走行モータ51に供給する。一方で、走行モータ51を発電機として機能させるときは、走行モータ51の回生電力(三相交流電力)を直流電力に変換してバッテリ53に供給する。

0051

バッテリ53は、燃料電池スタック1の発電電力(出力電流×出力電圧)の余剰分及び走行モータ51の回生電力を充電する。バッテリ53に充電された電力は、必要に応じてカソードコンプレッサ25などの補機類や走行モータ51などの外部負荷に供給される。

0052

DC/DCコンバータ54は、燃料電池スタック1の出力電圧を昇降圧させる双方向性電圧変換機である。DC/DCコンバータ54によって燃料電池スタック1の出力電圧を制御することで、燃料電池スタック1の出力電流、ひいては発電電力が制御される。

0053

コントローラ6は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。

0054

コントローラ6には、前述した第1エアフローセンサ60等の他にも、アクセルペダル踏み込み量(以下「アクセル操作量」という。)を検出するアクセルストロークセンサ67やブレーキペダルの操作信号を検出するブレーキスイッチ68、バッテリ充電率(SOC;State Of Charge)を検出するSOCセンサ69などの燃料電池システム100の運転状態を検出するための各種センサ類からの信号が入力される。コントローラ6は、これらの入力信号に基づいて、カソードコンプレッサ23やカソード調圧弁25、バイパス弁27、アノード調圧弁33、アノードポンプ34、パージ弁36、三方弁44、循環ポンプ45などの作動を制御する。

0055

コントローラ6は、燃料電池システム100の運転状態に基づいて、燃料電池スタック1の目標発電電力を算出する。具体的には、走行モータ51の要求電力やカソードコンプレッサ23等の補機類の要求電力、バッテリ53の充放電要求などに基づいて、目標発電電力を算出する。また、目標発電電力に基づいて、例えば予め定められた燃料電池スタック1のIV特性電流電圧特性)を参照して燃料電池スタック1の目標出力電流を算出する。

0056

そしてコントローラ6は、燃料電池スタック1の出力電流が目標出力電流となるように、DC/DCコンバータ54によって燃料電池スタック1の出力電圧を制御し、走行モータ51や補機類に必要な電力を供給する。

0057

ここで、例えばアクセル操作量が増加して走行モータ51の要求電力が増加し、目標発電電力が増加する過渡時において、目標発電電力の増加量が大きいと、目標発電電力を発電するために必要な酸素分圧を確保するべくカソードコンプレッサ23を制御してコンプレッサ供給流量を増加させても、燃料電池スタック1に到達するまでには遅れが生じる。そのため、発電に必要なカソードガス、すなわち各燃料電池のカソード内において電極反応に必要な酸素分圧を確保するために必要なカソードガスが過渡的に不足した状態で燃料電池スタック1から電力が取り出される状態となる。そうすると、出力電圧が低下して走行モータ51の作動に支障をきたしたり、電極中の触媒が劣化したりするおそれがある。本実施形態のようにカソードコンプレッサ23として遠心式ターボコンプレッサを用いる場合は、このようなカソードガス供給系の応答遅れが特に大きい。

0058

そこで、カソードガス供給系の応答遅れによる不都合が生じないように、例えば出力電流の増加率所定値以下に制限することで燃料電池スタック1から取り出す電力量を制限し、不足分の電力はバッテリ53によって補うようにすることが考えられる。すなわち、加速時における電力をバッテリ53によってアシストすることが考えられる。

0059

しかしながら、不足分の電力をバッテリ53によって補うようにしても、バッテリ53の状態によっては不足分の電力を補うことができない場合がある。したがって、目標発電電力が増加したときに、できるだけ応答遅れなく発電に必要なカソードガスが燃料電池スタック1に供給されるようにするのが望ましい。

0060

そこで本実施形態では、燃料電池システム100の運転状態に基づいて、発電急増(目標発電電力の急増)が予測される運転状態か否かを判定する。

0061

そして、発電急増が予測されない運転状態のときは、目標発電電力に対する燃料電池スタック1の応答遅れを考慮して、燃料電池スタック1の出力電流の急増を制限しておく。

0062

一方で、発電急増が予測される運転状態のときは、カソードコンプレッサ23が供給する空気を予め増量しておくとともに、燃料電池スタック1の出力電流の急増に対する制限を緩和する発電急増準備運転を実施することとした。このような状態にしておけば、アクセルペダルの踏み込みのような発電急増の指令があったときに迅速に燃料電池スタック1の発電量を急増できるように、準備しておくことができる。

0063

なおカソードコンプレッサ23が増量した空気がすべて燃料電池スタック1に供給されては、電解質膜の適切な湿潤状態が維持されない。そこで本実施形態では、バイパス弁27を開弁することで、現時点で必要な電力(発電急増準備運転中の目標発電電力)を発電するのに必要な空気を越える余剰の空気を逃がすようにした。

0064

そして、実際に発電の急増が指令されたらバイパス弁27の開度を小さくする。このようにすれば、ドライバによる発電急増指令(アクセルペダルの踏み込み)に遅れることなく、燃料電池スタック1に供給する空気量を迅速に増量できる。このとき、燃料電池スタック1の出力電流の急増に対する制限は緩和されているので、迅速に燃料電池スタック1の発電量を急増できる。

0065

以下では、このような技術思想を実現する具体的な手法について説明する。

0066

図2は、コントローラ6が実行する本実施形態による制御フローチャートである。コントローラ6は、微小時間(たとえば10ミリ秒)ごとにこのフローチャートを繰り返し実行する。

0067

テップS1においてコントローラ6は、燃費重視モードであるか否かを判定する。コントローラ6は、燃費重視モードでなければステップS2へ処理を移行し、燃費重視モードであれば処理を抜ける。これは、発電急増に備えてコンプレッサ供給流量を増量すると、その分カソードコンプレッサ23の消費電力が増加し、燃費が悪化するためである。

0068

ステップS2においてコントローラ6は、燃料電池スタック1の発電急増が予測されているか否かを判定する。なお発電急増とは、発電量を増やす指令が出てからコンプレッサ供給流量を増加させていたのでは、燃料電池スタック1の発電が遅れてしまってタイムラグが生じてしまうほど急激に発電が急増することである。また発電急増か否かは、発電量の増量分が所定値よりも大きいか否かで判断できる。この所定値は予め実験を通じて設定しておけばよい。

0069

ただし本実施形態では、後述のステップS4のようにして燃料電池スタック1の発電急増が予測されるか否かを判定している。すなわち本実施形態では、発電量の増量分が発電急増にあたるか否かを判定するための所定値を、他の値で代替しているのである。

0070

コントローラ6は、燃料電池スタック1の発電急増が予測されていなければステップS3へ処理を移行し、燃料電池スタック1の発電急増が予測されていればステップS5へ処理を移行する。燃料電池スタック1の発電急増の予測は、後述のステップS4で行われる。このフローチャートは、上述の通り、微小時間ごとに繰り返し実行されるので、ステップS4で一旦燃料電池スタック1の発電急増が予測されれば、次サイクル以降は、ステップS5に処理が移行される。

0071

ステップS3においてコントローラ6は、目標発電電力に対する燃料電池スタック1の応答遅れを考慮して、燃料電池スタック1の出力電流の急増を制限する。

0072

ステップS4においてコントローラ6は、燃料電池スタック1の発電急増の予測を判定する。具体的には、図3を参照して説明する。なお図3は、発電急増予測判定ルーチンのフローチャートである。

0073

ステップS41においてコントローラ6は、発電負荷(目標発電電力)の減少度合いが所定値よりも大であるか否かを判定する。具体的には、図4のようなマップを準備しておき、発電負荷の減少度合いが所定値よりも大、すなわち図4横軸で発電負荷の減少度合いが所定値よりも左であれば、肯を判定する。コントローラ6は、判定結果が肯であればステップS42へ処理を移行する。コントローラ6は、判定結果が否であれば一旦処理を抜ける。このときは、燃料電池スタック1の発電急増を予測しない。

0074

なお図4に示されているように、発電負荷の減少度合いが大きいほど(横軸の左であるほど)、ステップS5においてコンプレッサ供給流量を増量するとよい。発電負荷の減少度合いが大きいほど(横軸の左であるほど)、その後の発電負荷の急増分も大きくなると予想されるからである。

0075

ステップS42においてコントローラ6は、燃料電池スタック1の発電急増を予測する。

0076

再び図2に戻る。

0077

ステップS5においてコントローラ6は、目標発電電力を発電するのに必要な空気よりも過剰な空気を供給するように、コンプレッサモータ231を作動させる。発電急増が予測されなければ、目標発電電力を発電するのに必要な空気だけ供給すればよいが、発電急増が予測されるときには、急増が可能になるだけの過剰な空気を予め供給しておく必要があるからである。

0078

なお空気の増量分は、上述のように発電負荷の減少度合いが大きいほど、大きくすればよい。また車速が高いほど、大きくしてもよい。この理由については、図5A及び図5Bを参照して説明する。

0079

図5Aは、走行モータ51の回転速度(車速)とモータトルクとの相関、および、走行モータ51の回転速度(車速)とモータ出力モータ消費電力)との相関を示す図である。図5Bは、高車速VHで走行している状態からアクセルペダルを踏み増したときのモータ出力(走行モータ51の消費電力)の時間変化と、低車速VLで走行している状態からアクセルペダルを踏み増したときのモータ出力(走行モータ51の消費電力)の時間変化と、の相違を示す図である。

0080

図5Aに示されるように、高車速VHで走行しているときは、モータトルクは小さいが消費電力は大きい。これに対して低車速VLで走行しているときは、モータトルクは大きいが消費電力は小さい。

0081

また、図5Bに示されるように、高車速VHで走行しているときにアクセルペダルを踏み増して急加速すると、走行モータ51の消費電力は急激に立ち上がり短時間で変化する。これに対して、低車速VLで走行しているときにアクセルペダルを踏み増して急加速すると、走行モータ51の消費電力は高車速VHのときに比べて緩やかに立ち上がる。

0082

これは、図5Aから分かるように走行モータ51は、低速では小さな消費電力で大きなトルクを出せるという特性や、またそのような特性であるので、低速ではタイヤ空転を防止すべく図5A低速領域のようにトルクを一定値で制限していることなどに起因する。

0083

したがって、低速走行中にアクセルペダルが踏み増されても、高速走行に比べて消費電力の変化が緩やかなのである。換言すれば、高速走行中にアクセルペダルが踏み増されれば、低速走行に比べて消費電力が急峻に変化する。そこで高車速ほど空気の増量分を多くすることで、発電量の急激な変化に耐えるようにしておけばよい。

0084

図6は、車速とカソードコンプレッサ23の供給空気流量(コンプレッサ供給流量)との相関を、アクセル操作量ごとに示す図である。
上述の通り、高車速ほど空気の増量分を多くするとよい。さらに図6に示されているように、アクセル操作量をも考慮して、アクセル操作量が小さいほどコンプレッサ供給流量を大にしてもよい。すなわちアクセル操作量が小さいほど、今後大きく踏み込まれる可能性が大きい。そこでアクセル操作量が小さいほどコンプレッサ供給流量を多くすることで、急発電に耐えるようにしておけばよい。

0085

再び図2に戻る。
ステップS6においてコントローラ6は、燃料電池スタック1の出力電流の急増に対する制限を緩和する。

0086

ステップS7においてコントローラ6は、実際に発電急増の指令があるか否かを判定する。コントローラ6は、発電急増の指令がなければステップS8へ処理を移行し、発電急増の指令があればステップS9へ処理を移行する。

0087

ステップS8においてコントローラ6は、カソードコンプレッサ23によって増量された空気のうち、目標発電電力を発電するのに必要な空気を越える余剰の空気がバイパス通路26に流れるように、バイパス弁27を開弁する。

0088

ステップS9においてコントローラ6は、増加した目標発電電力を発電できるだけの空気を燃料電池スタック1に供給できるように、バイパス弁27の開度を小さくする。

0089

図7A及び図7Bは、目標空気流量を実現するための制御ブロック図である。

0090

上述のようにして設定された目標空気流量は、以下のようにして実現される。
図7Aに示されたひとつの手法では、目標空気流量を指令回転速度に変換する。そしてインバータで電流にし、コンプレッサモータ231の回転を制御する。またコンプレッサモータ231の回転速度を検出してフィードバックすることで、カソードコンプレッサ23によって目標空気流量が実現される。

0091

また図7Bに示された別の手法では、目標空気流量から指令トルクを設定する。そしてインバータで電流にし、コンプレッサモータ231の回転を制御する。カソードコンプレッサ23からの空気流量を検出してフィードバックすることで、カソードコンプレッサ23によって目標空気流量が実現される。なおフィードバック制御器は、空気圧力と空気流量とを同時に制御する、2変数フィードバック制御器であってもよい。

0092

図8は、制御フローチャートが実行されたときの作動を説明するタイミングチャートである。

0093

燃費重視モードではなく、燃料電池スタック1の発電急増が予測されていない初期段階では、コントローラ6は、ステップS1→S2→S3→S4→S41を繰り返し処理する。このとき、コンプレッサ供給流量は、一定である(図8(A))。また目標発電電力(発電負荷)は、一定である(図8(C))。この電力を発電するのに必要な空気が燃料電池スタック1に供給され、余剰の空気がバイパス通路26へ流れるように、バイパス弁27の開度が調整されている(図8(B)及び図8(D))。

0094

時刻t11でアクセルペダルが踏み戻されるなどして必要な電力が減少して、その減少度合いが所定値よりも大であれば、コントローラ6は、ステップS1→S2→S3→S4→S41→S42を処理して、発電急増を予測する。

0095

次サイクル以降、発電急増が指令されるまでは、コントローラ6は、ステップS1→S2→S5→S6→S7→S8を繰り返し処理する。このとき、必要な電力の減少度合いが大きく(図8(C))、その発電に必要な空気量の減少度合いも大きい(図8(A)の破線)。そして時刻t12以降は、燃料電池スタック1の発電量は、とても小さい。この状態では、カソードコンプレッサ23のタービンは、惰性回転している。コンプレッサモータ231は、この回転エネルギー回生している。これに対して、本実施形態では、コンプレッサモータ231によるエネルギー回生量を小さくする。

0096

このようにすれば結果として、カソードコンプレッサ23からは、目標発電電力を発電するのに必要な空気よりも過剰な空気が供給されることとなる(図8(A)の実線)。これにあわせてバイパス弁27の開度が大きくされる(図8(D))。この結果、図8(B)に示されるように、目標発電電力を発電するのに必要な空気よりも余剰な空気は、バイパス弁27から逃げる。燃料電池スタック1には、目標発電電力を発電するのに必要な空気だけが供給される。なおコンプレッサ供給流ル用は、時間の経過とともに徐々に低下し(図8(A)の実線)、これにあわせてバイパス弁27から逃げる空気量も低下する。またバイパス弁27は、最大開度(全開)には達しない開度で開かれる。

0097

時刻t13でアクセルペダルが踏み込まれるなどして発電急増が指令されたら、コントローラ6は、ステップS1→S2→S5→S6→S7→S9を処理する。これによってバイパス弁27の開度が小さくされる。図8では、全閉とされている。この結果、燃料電池スタック1に供給される空気を迅速に増量できる。このとき、燃料電池スタック1の出力電流の急増に対する制限を緩和されているので、迅速に燃料電池スタック1の発電量を急増できる。したがって、ドライバのアクセルペダル操作(発電急増指令)に対して、応答性よく、走行モータ51の出力を上昇できる。

0098

このように本実施形態によれば、カソードコンプレッサ23に遠心式のターボカソードコンプレッサ23を使用しても、アクセルペダルが踏み込まれるなどして必要な電力が急増したときに、ドライバのアクセルペダル操作(発電急増指令)に対して応答性よく、走行モータ51の出力を上昇できる。

0099

また発電急増が起こる可能性が高いときにのみカソードコンプレッサ23からの供給空気量を増量できるので、燃費の悪化を抑制できる。

0100

また発電急増が起こる可能性が高いときにのみ燃料電池スタック1の出力電流の急増に対する制限を緩和し、それ以外では目標発電電力に対する燃料電池スタック1の応答遅れを考慮して、燃料電池スタック1の出力電流の急増を制限するので、燃料電池スタック1に過剰な負担がかかることを防止できる。

0101

さらに最大開度(全開)には達しない開度でバイパス弁27を開くようにした。このようにしたので、バイパス弁27を通過する空気量をバイパス弁27の開度のみで制御でき、バイパス弁27の動作のみで発電急増準備運転を実現できる。

0102

さらにまた、コンプレッサ供給流量を、時間の経過とともに徐々に低下させるようにした。このようにコンプレッサ供給流量を漸次小さくすることで、違和感なく発電に必要な空気流量(発電要求空気流量)に収束させることができる。なお発電要求空気流量に限らず、アノード系から排出される排ガス希釈するための流量、空気圧力を維持するために必要な空気流量等に収束させてもよい。

0103

また燃費重視モードのときには、実行しないようにしたので、燃料電池スタック1の性能に見合った発電が可能である。すなわち加速性能よりも燃費を重視した発電を実現できる。

0104

なお発電急増準備運転中に発電要求空気流量が大きくなった場合には、発電急増準備運転を中止する。このようにすれば、発電急増準備運転中に発電要求空気流量が大きくなった場合に、発電要求空気流量が実現されることとなり、すみやかに発電に必要な空気が供給される。

0105

また発電急増準備運転中に供給する空気量は、一定ではなく、発電急増準備運転中であっても、必要に応じて増減すればよい。このようにすることで、負荷に見合った空気を供給することができる。

0106

さらに車速が高いほど回生エネルギー量を小さくしたり、車速が高いほど最大回生エネルギー量を小さくしたり、車速が所定値よりも大きいときにはエネルギー回生を中止することで、より精緻に制御できる。

0107

(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、燃料電池スタック1やバッテリ53の電力供給性能が低下しているときも、カソードコンプレッサ23が供給する空気を予め増量しておく点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。なお、以下の各実施形態では上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。

0108

第1実施形態では、カソードガス供給系の応答遅れによる不都合が生じないように、燃料電池スタック1から取り出す電力量を制限し、不足分の電力はバッテリ53によって補うようにしている。

0109

ここで前述したように、不足分の電力をバッテリ53によって補うようにしてもバッテリ53の電力供給性能が低下している場合があり、不足分の電力を補うことができない場合がある。また、燃料電池スタック1自体の電力供給性能(発電性能)が低下しているときも、バッテリ53によって不足分の電力を補うことができない場合がある。したがって、目標発電電力が増加したときに、できるだけ応答遅れなく発電に必要なカソードガスが燃料電池スタック1に供給されるようにするのが望ましい。

0110

そこで本実施形態では、燃料電池スタック1やバッテリ53の性能の低下が認められない運転状態のときは、目標発電電力に対する燃料電池スタック1の応答遅れを考慮して、燃料電池スタック1の出力電流の急増を制限しておく。そして、何らかの理由によって燃料電池スタック1やバッテリ53の性能が低下していると判定された場合であって発電急増が予測されるときには、カソードコンプレッサ23が供給する空気を予め増量しておくとともに、燃料電池スタック1の出力電流の急増に対する制限を緩和する。このような状態にしておけば、アクセルペダルの踏み込みのような発電急増の指令があったときに迅速に燃料電池スタック1の発電量の急増によって燃料電池スタック1やバッテリ53の性能の低下を補填できるように、準備しておくことができる。

0111

以下では、このような技術思想を実現する具体的な手法について説明する。

0112

図9は、コントローラ6が実行する本実施形態による制御フローチャートである。なおコントローラ6は、微小時間(たとえば10ミリ秒)ごとにこのフローチャートを繰り返し実行する。

0113

ステップS11においてコントローラ6は、走行モータ51への電力供給性能の低下が判定されているか否かを判定する。コントローラ6は、電力供給性能の低下が判定されていなければステップS3へ処理を移行し、判定されていればステップS13へ処理を移行する。

0114

ステップS12においてコントローラ6は、走行モータ51への電力供給性能が低下しているか否かを判定する。具体的には、図10を参照して説明する。なお図10は、電力供給性能の低下判定ルーチンのフローチャートである。

0115

ステップS121においてコントローラ6は、外気温が所定値よりも小であるか否かを判定する。具体的には、図11のようなマップを準備しておき、外気温が所定値よりも小、すなわち図11の横軸で外気温が所定値よりも左であれば、肯を判定する。コントローラ6は、判定結果が肯であればステップS122へ処理を移行する。コントローラ6は、判定結果が否であればステップS123へ処理を移行する。

0116

なお図11に示されているように、外気温が所定値よりも小のときは、外気温が小であるほど(横軸の左であるほど)、ステップS5においてカソードコンプレッサ23から供給する空気量を増量するとよい。外気温が小であるほど(横軸の左であるほど)、電力供給性能が低下しており、燃料電池スタック1によって大きく補填する必要があると予想されるからである。

0117

ステップS122においてコントローラ6は、バッテリ53の性能低下による電力供給性能の低下を判定する。

0118

ステップS123においてコントローラ6は、フィルタ22の圧力損失が所定値よりも大であるか否かを判定する。この所定値は、予め実験等を通じて設定しておけばよい。またフィルタ22の圧力損失は、フィルタ22とカソードコンプレッサ23との間のカソードガス供給通路20に圧力センサを設けておき、この圧力センサによって検出すればよい。コントローラ6は、判定結果が肯であればステップS124へ処理を移行する。コントローラ6は、判定結果が否であれば一旦処理を抜ける。このときは、電力供給性能の低下を予測しない。

0119

ステップS124においてコントローラ6は、燃料電池スタック1の性能低下による電力供給性能の低下を判定する。なおこの場合において、燃料電池の性能が低下しているほど、すなわちエアフィルタ21の圧力損失が大きいほど、ステップS5においてコンプレッサ供給流量量を増量するとよい。燃料電池の性能が低下しているほど、電力供給性能が低下しており、大きく補填する必要があると予想されるからである。

0120

再び図9に戻る。
ステップS13においてコントローラ6は、走行モータ51へ供給される電力の急増が予測されているか否かを判定する。コントローラ6は、電力の急増が予測されていなければステップS4へ処理を移行し、電力の急増が予測されていればステップS5へ処理を移行する。なお走行モータ51へ供給される電力の急増の予測は、後述のステップS4で行われる。このフローチャートは、上述の通り、微小時間ごとに繰り返し実行されるので、ステップS14で一旦電力の急増が予測されれば、それ以降は、ステップS5に処理が移行される。

0121

ステップS14においてコントローラ6は、走行モータ51へ供給される電力の急増が予測されるか否かを判定する。具体的には、図12を参照して説明する。なお図12は、電力急増予測判定ルーチンのフローチャートである。

0122

ステップS141においてコントローラ6は、走行モータ51へ供給される電力の減少度合いが所定値よりも大であるか否かを判定する。具体的には、図13のようなマップを準備しておき、電力の減少度合いが所定値よりも大、すなわち図13の横軸で電力の減少度合いが所定値よりも左であれば、肯を判定する。コントローラ6は、判定結果が肯であればステップS62へ処理を移行する。コントローラ6は、判定結果が否であれば一旦処理を抜ける。このときは、電力急増を予測しない。なお図13に示されているように、電力の減少度合いが大であるほど(横軸の左であるほど)、ステップS5においてカソードコンプレッサ23から供給する空気量を増量するとよい。電力の減少度合いが大であるほど(横軸の左であるほど)、その後の電力の急増分も大きくなると予想されるからである。

0123

ステップS142においてコントローラ6は、電力の急増を予測する。

0124

図14は、制御フローチャートが実行されたときの作動を説明するタイミングチャートである。

0125

初期段階では、電力供給性能の低下も電力急増の予測もされていない。そこで初期段階で燃費重視モードでなければ、コントローラ6は、ステップS1→S11→S3→S12を処理する。これによって、燃料電池スタック1の出力電流の急増が制限される。したがって、燃料電池スタック1に対する過剰な負担が防止される。そしてたとえば外気温が低くバッテリ53の電力供給性能の低下が判定されれば、コントローラ6は、ステップS12→S121→S122を処理する。このとき、コンプレッサ供給流量は、一定である(図14(A))。また目標発電電力は、一定である(図14(C))。この電力を発電するのに必要な空気が燃料電池スタック1に供給され、余剰の空気は、バイパス弁27から逃げるように、バイパス弁27の開度が調整されている(図14(B)及び図14(D))。

0126

時刻t11でアクセルペダルが踏み戻されるなどして必要な電力が減少して、その減少度合いが所定値よりも大であれば、コントローラ6は、ステップS1→S11→S13→S14→S141→S142を処理して、電力急増を予測する。

0127

次サイクル以降、実際に電力が急増するまでは、コントローラ6は、ステップS1→S11→S13→S5→S6→S7→S8を繰り返し処理する。このとき、必要な電力の減少度合いが大きく(図14(C))、その発電に必要な空気量の減少度合いも大きい(図14(A)の破線)。そして時刻t12以降は、燃料電池スタック1の発電量は、とても小さい。この状態では、カソードコンプレッサ23のタービンは、惰性回転している。その回転エネルギーをコンプレッサモータ231で回生する。これに対して、本実施形態では、コンプレッサモータ231によるエネルギー回生量を小さくする。このようにすれば結果として、カソードコンプレッサ23からは、目標発電電力を発電するのに必要な空気よりも過剰な空気が供給されることとなる(図14(A)の実線)。それにあわせてバイパス弁27が開かれる(図14(D))。この結果、図14(B)に示されるように、目標発電電力を発電するのに必要な空気よりも余剰な空気は、バイパス弁27から逃げる。燃料電池スタック1には、目標発電電力を発電するのに必要な空気だけ供給される。なおカソードコンプレッサ23が供給する空気量は、時間の経過とともに徐々に低下し(図14(A)の実線)、これにあわせてバイパス弁27から逃げる空気量も低下する。またバイパス弁27は、最大開度(全開)には達しない開度で開かれる。

0128

時刻t13でアクセルペダルが踏み込まれるなどして必要な電力が急増したら、コントローラ6は、ステップS1→S11→S13→S5→S6→S7→S9を処理する。これによってバイパス弁27の開度が小さくされる。図14では、全閉されている。この結果、燃料電池スタック1に供給される空気を迅速に増量できる。このとき、燃料電池スタック1の出力電流の急増に対する制限を緩和されているので、迅速に燃料電池スタック1の発電量を急増できる。したがって、バッテリ53の性能低下を、燃料電池スタック1の発電で補填でき、ドライバのアクセルペダル操作(発電急増指令)に対して、応答性よく、走行モータ51の出力を上昇できるのである。

0129

このように本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られると共に、何らかの理由によって燃料電池スタック1やバッテリ53の電力供給性能が低下しているときに、アクセルペダルが踏み込まれるなどして必要な電力が急増しても、その電力供給性能低下を補填できる。したがって、ドライバのアクセルペダル操作(発電急増指令)に対して、応答性よく、走行モータ51の出力を上昇できる。

0130

(第3実施形態)
図15は、第3実施形態に使用する、アクセルペダルの操作量(アクセル操作量)とカソードコンプレッサ23の供給空気量(コンプレッサ供給流量)との相関を、車速ごとに示す図である。

0131

第1実施形態では、図6に示されるように、アクセル操作量が一定であれば、車速が高いほどカソードコンプレッサ23の供給空気量を大にした。換言すれば、アクセル操作量が一定であれば、車速が低いほどカソードコンプレッサ23の供給空気量を小にした。

0132

また、車速が一定であれば、アクセルペダルの操作量が小さいほどカソードコンプレッサ23の供給空気量を大にした。換言すれば、車速が一定であれば、アクセルペダルの操作量が大きいほどカソードコンプレッサ23の供給空気量を小にした。

0133

これに対して、第3実施形態では、車速が一定であれば、アクセルペダルの操作量が大きいほどカソードコンプレッサ23の供給空気量を小にするが、アクセルペダルの操作量がある程度よりも大きいときには、カソードコンプレッサ23の供給空気量を一定にする。

0134

このようにすれば、カソードコンプレッサ23の供給空気量が小さくなりすぎることを防止できるのである。

0135

(第4実施形態)
図16は、第4実施形態に使用するブレーキペダル操作量とカソードコンプレッサ23の供給空気量との相関図である。

0136

第4実施形態では、ブレーキペダル操作量が大きくなるにつれて、カソードコンプレッサ23の供給空気量を小さくする。ブレーキペダルの操作量が大きければ、再加速することなく、停止する可能性が高い。そこでこのように、ブレーキペダルの操作量を考慮してカソードコンプレッサ23の供給空気量を設定してもよい。

0137

(第5実施形態)
図17は、第5実施形態について説明する制御ブロック図である。

0138

第1実施形態では、カソードコンプレッサ23の供給空気量を、車速に応じて、さらにはアクセル操作量を考慮して設定した。これに対して、この第5実施形態では、さらにバッテリ53の充電率をも考慮して設定する。以下では、具体的な手法を説明する。

0139

発電電力演算部は、アクセル操作量並びに車速及びバッテリ充電率に基づいて目標発電電力を演算する。具体的には、アクセル操作量及び車速を図18Aに適用して目標発電電力を演算する。なお図18Aを見て判るように、車速が一定であれば、アクセル操作量が大きいほど目標発電電力も大きくなる。アクセル操作量が一定であれば、車速が大きいほど目標発電電力も大きくなる。

0140

またアクセル操作量及びバッテリ充電率を図18Bに適用して目標発電電力を演算する。なお図18Bを見て判るように、バッテリ充電率が一定であれば、アクセル操作量が大きいほど目標発電電力も大きくなる。アクセル操作量が一定であれば、バッテリ充電率が小さいほど目標発電電力が大きくなる。

0141

これら2つの目標発電電力を考慮して(たとえばこれら2つの目標発電電力を足し合わせることで)、目標発電電力を演算する。
目標空気流量演算部は、発電電力演算部で演算された目標発電電力に基づいて目標空気流量を演算する。

0142

バッテリ充電率が高ければ、カソードコンプレッサ23タービンの惰性回転エネルギーを回生しようとしても、回生しきれない。そこでこのような事態を防止するために、バッテリ充電率をも考慮して目標空気量を設定するのである。

0143

なお図19に示されるように、目標空気流量演算部で演算された目標空気流量を負荷減少時の変化率で制限してもよい。

0144

(第6実施形態)
図20は、第6実施形態の制御について、作動タイミングを示すタイミングチャートに沿って説明する図である。

0145

第1実施形態では、燃料電池スタック1の発電急増が予測されるときには、コンプレッサモータ231によるエネルギー回生量を小さくした。このようにすることで、目標発電電力を発電するのに必要な空気よりも過剰な空気が供給されるようになった。

0146

これに対して、第6実施形態では、燃料電池スタック1の発電急増が予測されるときには、コンプレッサモータ231の出力を上げることで、目標発電電力を発電するのに必要な空気よりも過剰な空気を供給する(図20(A)の時刻t41)。

0147

そして、過剰な空気が供給されているにもかかわらず、燃料電池スタック1に供給される空気は、一定に維持されるように(図20(B))、バイパス弁27の開度が調整されている(図20(B))。この結果、一定の発電が維持される(図20(C))。

0148

このようにしても、ドライバのアクセルペダル操作に対して応答性よく、走行モータ51の出力を上昇できるのである。

0149

(第7実施形態)
図21は、第7実施形態の制御について、作動タイミングを示すタイミングチャートに沿って説明する図である。

0150

この第7実施形態では、燃料電池スタック1の電解質膜の高湿潤状態を解消する。なお、高湿潤状態とは、電解質膜の湿潤度含水率)が、発電に適した湿潤度よりも高い状態、すなわち電解質膜が必要以上に湿っている状態をいう。

0151

この第7実施形態でも、第6実施形態と同様に、燃料電池スタック1の発電急増が予測されるときには、コンプレッサモータ231の出力を上げることで、目標発電電力を発電するのに必要な空気よりも過剰な空気を供給する(図21(A)の時刻t51)。ただし、第6実施形態に比較して、バイパス弁27を流れる空気量は少なく(図21(B)の実線)、燃料電池スタック1に供給される空気量は多い(図21(A)の破線)。なお燃料電池スタック1に供給される空気量が多くても、走行モータ51などの要求電力が低ければ、燃料電池スタック1は、その要求電力を越えては発電せず、一定の発電が維持される(図21(C))。

0152

この第7実施形態では、燃料電池スタック1に多めの空気を供給することで、燃料電池スタック1の電解質膜の高湿潤状態が解消される(図21(D))。またこの第6実施形態では、さらに時刻t52から冷却水の温度を上昇させるとともに(図21(E))、燃料電池スタック1に供給する空気量は減少させる(図21(B))。

0153

このようにすることで、燃料電池スタック1が不必要に湿潤状態や乾燥状態となることを防止できる。したがって燃料電池スタック1の状態を変化させることなく負荷急増時に備えることができ、負荷急増時にはすみやかに発電電力を増やすことができる。
また湿潤状態を解消することでフラッディング現象を回避でき、発電不良が生じにくくなる。また、負荷急増に備えて供給している空気流量を燃料電池スタック1内部を乾燥させるために使うことができ燃費が改善する。

0154

(第8実施形態)
図22は、第8実施形態に使用する目標発電電力と目標空気量との相関図である。

0155

この第8実施形態では、シフトレバーが停車レンジ(Pレンジ)から、走行レンジ(Dレンジ、1レンジ、2レンジなど)に操作されたときに、発電急増を予測する。そして、図16の関係から、目標空気量を設定する。図22に示されているように、P→Dレンジに変わったときはストイキ比を大きくし、空気流量を増やす。なおストイキ比は切り替えるレンジによって変更してもよい。負荷急増が大きくなる可能性があるDレンジへの変更時は空気流量が多く供給されるようにし、Rレンジや1,2レンジ等の負荷急増確率が小さい場合は空気流量の増量を少なくしてもよい。このようにしても、ドライバのアクセルペダル操作(発電急増指令)に対して応答性よく、走行モータ51の出力を上昇できる。

0156

なおこの第8実施形態に類似する形態として、シフトレバーが固定レンジ(1レンジ、2レンジなど)から、走行レンジ(Dレンジ)に操作されたときに、発電急増を予測してもよい。

0157

(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について説明する。

0158

図23は、本実施形態による燃料電池システム100の概略図である。本実施形態による燃料電池システム100は、アノードポンプ34を備えず、バイパス通路26の接続部とWRD24との間のカソードガス供給通路20に第2エアフローセンサ61を備える。

0159

第2エアフローセンサ61は、カソードコンプレッサ23から吐出されたカソードガスのうち、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの流量(以下「スタック供給流量」という。)を検出する。スタック供給流量は、コンプレッサ供給流量からバイパス流量を引いた流量となる。以下では、この第2エアフローセンサ61の検出値を必要に応じて「検出スタック供給流量」という。

0160

また本実施形態による燃料電池システム100のコントローラ6は、スタック要求及び希釈要求を同時に満足するように、カソードコンプレッサ23及びバイパス弁27をフィードバック制御する。ここでいうスタック要求は、目標発電電力を発電するにあたって、酸素分圧の確保や電解質膜の湿潤状態等を考慮し、最適な状態で燃料電池スタック1を発電させるという要求である。希釈要求は、燃料電池システム100の外部に排出される排出ガス中の水素濃度を所定濃度以下にするという要求である。

0161

つまりコントローラ6は、スタック要求を満足させるために必要なコンプレッサ供給流量(以下「スタック要求コンプレッサ供給流量」という。)、及び、希釈要求を満足させるために必要なコンプレッサ供給流量(以下「希釈要求コンプレッサ供給流量」という。)のうち、大きい方を目標コンプレッサ供給流量として設定し、検出コンプレッサ供給流量が目標コンプレッサ供給流量となるようにカソードコンプレッサ24をフィードバック制御する。

0162

そして、希釈要求コンプレッサ供給流量が目標コンプレッサ供給流量として設定されたときは、スタック要求コンプレッサ供給流量以上のカソードガスをカソードコンプレッサ24によって供給しなければならなくなる。そのため、発電に不要な余剰なカソードガスが燃料電池スタック1に供給されることになる。

0163

そこでコントローラ6は、希釈要求コンプレッサ供給流量が目標コンプレッサ供給流量として設定されたときは、発電に不要な余剰なカソードガスがバイパス通路28へ流れるようにバイパス弁29を制御する。具体的には、コントローラ6は、検出スタック供給流量が、スタック要求を満足させるために必要なスタック供給流量(以下「目標スタック供給流量」という。)となるようにバイパス弁29を制御する。

0164

このように、本実施形態では、カソードコンプレッサ24の制御に第1エアフローセンサ41の検出値(検出コンプレッサ供給流量)を使用し、バイパス弁29の制御に第2エアフローセンサ42の検出値(検出スタック供給流量)を使用する。
図24は、本実施形態によるカソードコンプレッサ23及びバイパス弁27の制御ブロック図である。

0165

発電要求スタック供給流量算出部101には、目標出力電流が入力される。発電要求スタック供給流量算出部101は、目標出力電流に基づいて、発電要求スタック供給流量を算出する。この発電要求スタック供給流量は、燃料電池スタック1から目標出力電流を取り出したときに、各燃料電池のカソード内において電極反応に必要な酸素分圧を確保するために必要なスタック供給流量の目標値である。発電要求スタック供給流量は、目標出力電流が小さいときと比べて、大きいときのほうが多くなる。

0166

湿潤要求スタック供給流量算出部102には、例えば交流インピーダンス法によって算出された燃料電池スタック1のインピーダンス(HFR)と、燃料電池スタック1の目標出力電流に応じて算出される目標インピーダンスと、が入力される。燃料電池スタック1のインピーダンスは、電解質膜の湿潤度と相関関係にあり、インピーダンスが小さいときほど電解質膜の湿潤度(含水率)が高い状態となる。湿潤要求スタック供給流量算出部102は、インピーダンスと目標インピーダンスとの偏差に基づいて、インピーダンスを目標インピーダンスにするためのスタック供給流量の目標値を、湿潤要求スタック供給流量として算出する。この湿潤要求スタック供給流量は、換言すれば、電解質膜の湿潤度(含水率)を、燃料電池スタック1の目標出力電流に応じた最適な湿潤度に制御するために必要なスタック供給流量である。

0167

目標スタック供給流量設定部103には、発電要求スタック供給流量と、湿潤要求スタック供給流量と、が入力される。目標スタック供給流量設定部103は、これらの2つのうち、大きい方を目標スタック供給流量として設定する。

0168

スタック要求コンプレッサ供給流量算出部104には、検出スタック供給流量及び目標スタック供給流量が入力される。スタック要求コンプレッサ供給流量算出部104は、検出スタック供給流量と目標スタック供給流量との偏差に基づいて、検出スタック供給流量を目標スタック供給流量にするためのコンプレッサ供給流量の目標値を、スタック要求コンプレッサ供給流量として算出する。このスタック要求コンプレッサ供給流量は、発電要求や湿潤要求などの燃料電池スタック1の要求を満たすために必要なコンプレッサ供給流量である。

0169

目標コンプレッサ供給流量設定部105には、スタック要求コンプレッサ供給流量と、燃料電池スタック1の目標出力電流に応じて算出される希釈要求コンプレッサ供給流量と、が入力される。目標コンプレッサ供給流量設定部105は、これら2つの入力値のうち、大きい方を目標コンプレッサ供給流量として設定する。

0170

なお、希釈要求コンプレッサ供給流量は、燃料電池スタック1の要求ではなく、排出ガス中の水素濃度を所定濃度以下にするという燃料電池システム100の要求を満たすために必要なコンプレッサ供給流量である。希釈要求コンプレッサ供給流量は、目標出力電流が小さいときと比べて、大きいときのほうが多くなる。

0171

発電急増予測判定部106には、目標出力電流が入力される。発電急増予測判定部106は、目標出力電流の減少量に基づいて、発電急増準備運転中かを判定し、発電急増準備運転中であれば発電急増予測指令を出力する。具体的には、目標出力電流の減少量が所定値以上となり、発電急増準備運転中と判定されたときは発電急増予測指令を出力する。一方で、発電急増準備運転中でなければ発電急増予測指令を出力しない。

0172

バイパス弁制御部107には、検出スタック供給流量と、目標スタック供給流量と、が入力される。バイパス弁制御部107は、検出スタック供給流量と目標スタック供給流量との偏差がゼロとなるように、バイパス弁27の開度を制御する。

0173

カソードコンプレッサ制御部108には、検出コンプレッサ供給流量と、目標コンプレッサ供給流量と、発電急増予測指令と、が入力される。カソードコンプレッサ制御部108109は、検出コンプレッサ供給流量と目標コンプレッサ供給流量との偏差がゼロとなるようにカソードコンプレッサ23を制御する。

0174

このとき、発電急増予測指令が出力されている場合は、カソードコンプレッサ制御部108は以下のようにカソードコンプレッサ23を制御する。

0175

発電急増予測指令が出力されているときは、目標出力電流が所定値以上低下しているときなので、それに応じて発電要求スタック供給流量算出部101で算出される発電要求スタック要求流量も低下している。そして、目標スタック供給流量設定部103において、発電要求スタック供給流量の低下後もその発電要求スタック供給流量が目標スタック供給流量として選択されていれば、スタック要求コンプレッサ供給流量も低下する。

0176

さらに、目標コンプレッサ供給流量設定部105において、スタック要求コンプレッサ供給流量の低下後もそのスタック要求コンプレッサ供給流量が希釈要求コンプレッサ供給流量よりも大きければ、スタック要求コンプレッサ供給流量が目標コンプレッサ供給流量として設定される。

0177

このようにして、目標出力電流が低下したことによって、目標コンプレッサ供給流量が低下する。

0178

このとき、発電急増予測指令が出力されていなければ、カソードコンプレッサ制御部108は、コンプレッサモータ231の回生電力を制御することで、検出コンプレッサ供給流量を素早く目標コンプレッサ供給流量まで低下させる。

0179

これに対し、発電急増予測指令が出力されていれば、カソードコンプレッサ制御部108は、出力されていないときと比較してコンプレッサモータ231の回生電力を小さくするか、又はゼロとして、コンプレッサ供給流量を緩やかに目標コンプレッサ供給流量まで低下させる。これにより、発電急増予測指令が出力された後の発電急増準備運転中において、コンプレッサ供給流量を発電要求スタック供給流量(発電に必要な空気流量)よりも多くすることができる。

0180

また、コンプレッサ供給流量を発電要求スタック供給流量よりも多くしても、バイパス弁制御部107において、検出スタック供給流量と目標スタック供給流量(ここでは発電要求スタック供給流量)との偏差がゼロとなるように、バイパス弁27の開度が制御される。そのため、燃料電池スタック1に発電に不要なカソードガスをバイパス通路26に流し、発電に必要なカソードガスを精度良く燃料電池スタック1に供給することができる。

0181

そして、発電が急増した場合(発電急増の指令が出た場合)には、目標発電電力の増加に応じて目標スタック供給流量が増加するので、検出スタック供給流量と目標スタック供給流量となるように素早くバイパス弁27が閉じられる。そのため、発電に必要なカソードガスを素早く燃料電池スタック1に供給することができる。

0182

以上説明した本実施形態による燃料電池システム100は、第1実施形態と同様に、要求発電量に応じて燃料電池スタック1に空気を供給し、発電の急増が予測されるか否かを判定し、発電の急増が予測されると判定されたときは、要求発電量に応じた空気流量(発電要求コンプレッサ供給流量)よりも空気量が増加するようにカソードコンプレッサ23を制御する。

0183

そのため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、発電の急増が予測されているときには、要求発電量に応じた空気流量よりも過剰な空気を供給することとしたので、発電が急増したとしてもカソードガス供給系の応答遅れによる不都合を解消することができる。

0184

また、本実施形態では、湿潤要求スタック供給流量が目標スタック供給流量として選択されているときや、希釈要求コンプレッサ供給流量が目標コンプレッサ供給流量として選択されているときは、そもそも要求発電量に応じた空気流量(発電要求コンプレッサ供給流量)よりも過剰な空気が供給されるようにカソードコンプレッサ23が制御されている。そのため、発電急増に対応できると共に、湿潤要求や希釈要求も守ることができる。

0185

(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態について説明する。本実施形態による燃料電池システム100の構成は第9実施形態と同じであり、カソードコンプレッサ23及びバイパス弁27の制御ブロック図が第9実施形態と相違する。

0186

図25は、本実施形態によるカソードコンプレッサ23及びバイパス弁27の制御ブロック図である。

0187

本実施形態では、制御ブロックとして、補正値算出部111と、発電急増用スタック供給流量算出部112と、発電急増用コンプレッサ供給流量算出部113と、がさらに追加される。

0188

補正値算出部111は、発電急増準備運転中の増量補正値を算出する。具体的には、第1実施形態と同様に、発電負荷(目標出力電流)の減少度合いに応じて算出しても良いし、さらに車速やアクセル操作量を考慮して算出しても良い。

0189

発電急増用スタック供給流量算出部112は、発電要求スタック供給流量に補正値加算したものを発電急増用スタック供給流量として算出する。発電急増用スタック供給流量は、発電急増準備運転中に目標発電電力が急増したときに、急増した目標発電電力に応じた発電スタック供給流量をできるだけ応答遅れなく供給するためのカソードガス流量である。

0190

発電急増用コンプレッサ供給流量算出部113には、検出スタック供給流量及び発電急増用スタック供給流量が入力される。発電急増用コンプレッサ供給流量算出部113は、検出スタック供給流量と発電急増用スタック供給流量との偏差に基づいて、検出スタック供給流量を発電急増用スタック供給流量にするためのコンプレッサ供給流量の目標値を、発電急増用コンプレッサ供給流量として算出する。

0191

発電急増予測判定部106には、目標出力電流と発電急増用コンプレッサ供給流量とが入力される。発電急増予測判定部106は、目標出力電流の減少量に基づいて発電急増準備運転中かを判定し、発電急増準備運転中であれば発電急増用コンプレッサ供給流量を出力する。一方で、発電急増準備運転中でなければ、少なくともスタック要求コンプレッサ供給流量以下の値、例えばゼロを出力する。

0192

これにより、発電急増準備運転中であれば、目標コンプレッサ供給流量設定部において、基本的に発電急増用コンプレッサ供給流量が目標コンプレッサ供給流量として設定される。そのため、カソードコンプレッサ制御部108において、検出コンプレッサ供給流量が発電急増用コンプレッサ供給流量となるようにカソードコンプレッサ23が制御されることになる。

0193

このようにしても、発電の急増が予測されると判定されたときは、要求発電量に応じた空気流量(発電要求コンプレッサ供給流量)よりも空気量が増加するようにカソードコンプレッサ23を制御することができる。このとき、特に本実施形態によれば、コンプレッサ供給流量を、発電の急増に対応した適切なコンプレッサ供給流量(発電急増用コンプレッサ供給流量)に制御することができる。

0194

以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。

0195

たとえば、上記の第2実施形態では、燃料電池スタック1やバッテリ53の性能が低下していると判定された場合であって発電急増が予測されるときに、カソードコンプレッサ23が供給する空気を予め増量しておくようにしていた。しかしながら、燃料電池スタック1やバッテリ53の性能が低下していると判定された場合、又は、発電急増が予測される場合に、それぞれカソードコンプレッサ23が供給する空気を予め増量しておくようにしても良い。

0196

たとえば、上記各実施形態では、カソードコンプレッサ23として、遠心式のターボカソードコンプレッサ23を例示した。遠心式のターボカソードコンプレッサ23は、コンプレッサモータ231の回転が上昇してから、実際に空気流量が増えるまでのタイムラグが大きい。またサージを生じる運転領域が広い。そのため、上記実施形態のようにすることが、特に好適であるが、他のカソードコンプレッサ23に適用してもよい。

0197

また、燃料電池スタック1の発電の急減があったときに、今後、燃料電池スタック1の発電が急増することを予測してもよい。また、走行モータ51に供給される電力の急減があったときに、今後、燃料電池スタック1の発電が急増することを予測してもよい。またブレーキペダルの踏み込み量が減ったとき、たとえばブレーキペダルの踏み込みが解除されたときに、今後、燃料電池スタック1の発電が急増することを予測してもよい。さらにパーキングブレーキが解除されたときに、今後、燃料電池スタック1の発電が急増することを予測してもよい。さらにまたカーナビゲーションシステムによって登坂走行が予測されるときに、燃料電池スタック1の発電の急増を予測してもよい。また車両の減速加速度又は横加速度が所定値よりも大きいときに、燃料電池スタック1の発電の急増を予測してもよい。これらのようにしても、ドライバのアクセルペダル操作(発電急増指令)に対して応答性よく、走行モータ51の出力を上昇できる。

0198

また、燃料電池スタック1の発電急増が予測されるときには、コンプレッサモータ231によるエネルギー回生量を小さくする場合において、回生量が最大になったときには、バイパス弁27を通過する空気量をさらに増やしてもよい。回生量が最大となっても、燃料電池スタック1にさらなる空気を流しては、燃料電池スタック1の湿潤状態が低下してしまう。バイパス弁27に空気を逃がすことで、燃料電池スタック1の湿潤状態を変化させることなく負荷急増準備運転を実現することができるのである。

0199

さらに燃料電池スタック1の発電急増が予測されるときに、実際に発電量を上昇させてしまうとともに、補機(エアーコンディショナー冷却水ポンプラジエーターファンバッテリ冷却ファンなど)で電力を消費しておき、発電急増が指令されたら、補機による電力消費を中止してもよい。

0200

また上記実施形態では、バッテリ53の性能低下を外気温に基づいて判定したが、バッテリ53の温度やバッテリ充電率に基づいて判定してもよい。また起動するときや、零下起動後の暖機運転中に、バッテリ53の性能低下を判定してもよい。またバッテリ53の充放電回数が所定値よりも大きいときや、バッテリ53の充電電力量が所定値よりも大きいとき、バッテリ53の放電電力量が所定値よりも大きいときに、バッテリ53の性能低下を判定してもよい。さらにバッテリ53の使用開始からの経過時間が所定値よりも大きいときや、バッテリ53の使用開始からの経過時間が所定値よりも大きいときに、バッテリ53の性能低下を判定してもよい。さらにまた、バッテリ53を構成する複数のセルの電圧のばらつきが所定値よりも大きいときや、バッテリ53を構成する複数のセルにおける最大電圧最小電圧との偏差が所定値よりも大きいときに、バッテリ53の性能低下を判定してもよい。これらのようにしても、ドライバのアクセルペダル操作(発電急増指令)に対して応答性よく、走行モータ51の出力を上昇できる。

0201

また上記実施形態では、燃料電池スタック1の性能低下をエアフィルタの圧力損失に基づいて判定したが、外気の密度に基づいて判定してもよい。すなわち外気の密度が所定値よりも小さいときに燃料電池スタック1の性能低下を判定してもよい。なお外気の密度は、大気圧や外気の温度に基づいて判定すればよい。また燃料電池スタック1を構成する各セルの電圧が所定値よりも小さいときに、燃料電池スタック1の性能低下を判定してもよい。所定電流に対する電圧が所定値よりも小さいときに、燃料電池スタック1の性能低下を判定してもよい。燃料電池スタック1の発電電力の積算量が所定値よりも大きいときに、燃料電池スタック1の性能低下を判定してもよい。燃料電池スタック1の起動回数が所定値よりも大きいときに、燃料電池スタック1の性能低下を判定してもよい。アイドルストップ回数が所定値よりも大きいときに、燃料電池スタック1の性能低下を判定してもよい。走行距離が所定値よりも大きいときに、燃料電池スタック1の性能低下を判定してもよい。これらのようにしても、ドライバのアクセルペダル操作(発電急増指令)に対して応答性よく、走行モータ51の出力を上昇できる。

0202

さらにまた上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。

0203

本願は、2012年12月28日に日本国特許庁に出願された特願2012−287920号、及び、2012年12月28日に日本国特許庁に出願された特願2012−287503号に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

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