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技術 豆乳発酵エキスおよび胚軸発酵エキス

出願人 キッコーマン株式会社
発明者 山崎由貴場家幹雄
出願日 2013年12月4日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2014-552005
公開日 2017年1月12日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 WO2014-091988
状態 特許登録済
技術分野 飼料または食品用豆類 乳製品 食品の着色及び栄養改善 化粧料 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 動物,微生物物質含有医薬 植物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬 微生物による化合物の製造
主要キーワード 成分コード 大豆液 ポリアミン量 顆粒粉末 全粒大豆 半流動 動物由来原料 乳酸含有量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題・解決手段

化粧品医薬品、飲食品等原料として有用な発酵エキスを提供することを目的とする。乳酸菌豆乳または大豆胚軸発酵する工程、発酵物有機溶媒と混合する工程、および固形分を除去する工程を含む方法によって、イソフラボンアグリコンおよびポリアミンを含有し、表皮角化細胞賦活作用皮膚線維芽細胞の賦活作用、抗酸化作用および抗糖化作用などの抗老化作用の1以上の作用を有する豆乳発酵エキスまたは胚軸発酵エキスを得る。

概要

背景

近年、化粧品業界においては、顧客の自然派志向が高まる中、ナチュラルオーガニック化粧品の需要が増えてきている。このような化粧品市場ニーズ応えるべく、様々な植物由来機能性素材が開発されている。そして、これらの植物性天然素材にさらなる新たな付加価値を付与すべく、微生物発酵技術の活用が注目されている。例えば、豆乳は良質のタンパク質イソフラボン化合物等を含んでいるが、さらに、発酵によって大豆ペプチドイソフラボンアグリコン等を生成させることによって、種々の生理効果を示すことが期待されている。大豆や豆乳を微生物発酵させた素材エキス美容効果については、例えば、これまでにメラニン生成抑制による美白作用(例えば、特許文献1参照)、ヒアルロン酸産生能の向上による保湿作用(例えば、特許文献2、非特許文献1、2参照)、エストロゲン受容体αアゴニスト活性化による育毛作用(例えば、特許文献3参照)、抗酸化作用(例えば、特許文献4参照)等について報告されている。

豆乳発酵エキスは、医薬部外品原料規格(以下、「外原規」という場合がある)2006(平成18年3月31日薬食発第0331030号厚生労働省医薬食品局長通知)に“豆乳発酵液”(成分コード532101)として収載されている。外原規では、豆乳発酵液を「大豆の種子から得た豆乳を乳酸菌Lactobacillus delbrueckii(L.delbrueckii)で発酵して得た培養液エタノールを加え、濾過して得られるエキスである。本品は、定量するとき、窒素0.01〜0.04%を含む。」と規定しており、これを満たすものであれば使用実績の観点からも安全性が確認されていると言える。また、これに記載されているL.delbrueckiiは、ヨーグルトの製造に古くから用いられている乳酸菌であり、経験的にみて安全性が高いとみなされている。

大豆に含まれるイソフラボン化合物は、エストロゲン作用抗エストロゲン作用酸化防止作用等の生理活性を有していることが知られており、その有用性が注目されている。大豆をそのまま粉末化してイソフラボン化合物を測定すると、12種類のイソフラボン化合物の存在が確認される。これらは、3種類のダイゼインゲニステイングリシテイン(これらはイソフラボンアグリコンと呼ばれる)を基本骨格としている(化1)。

大豆中に含まれているイソフラボン化合物のほとんどは、これらを基本骨格とするイソフラボン配糖体ダイジンゲニスチングリシチン)とこれらのイソフラボン配糖体がさらにアセチル化マロニル化の修飾を受けた化合物として存在する(化2)。

これらのイソフラボン化合物の中でも、特にイソフラボンアグリコンは、イソフラボン配糖体よりもエストロゲンの構造に近いことから、一般的に薬理作用が高いとされている。また、イソフラボン配糖体と比較して疎水性が高いため、皮膚への浸透性が高いことも期待できる。例えば、ゲニステインについては、塗布によって肌の老化防止に効果がある可能性が示されている(例えば、非特許文献3参照)。

しかし、イソフラボン化合物自体、天然に存在する量が少なく、とりわけイソフラボンアグリコンの量は極めて少ない。

また、大豆にはポリアミンも含まれることが知られる。ポリアミンとは、第1級アミノ基を2つ以上もつ脂肪族炭化水素の総称で生体内に普遍的に存在する天然物であり、20種類以上のポリアミンが見いだされている。代表的なポリアミンとしては、プトレッシンスペルミジンスペルミンカダベリンがある。

ポリアミンの主な生理作用としては、(1)核酸との相互作用による核酸の安定化と構造変化(2)種々の核酸合成系への促進作用(3)タンパク質合成系活性化(4)細胞膜の安定化や物質膜透過性強化(5)活性酸素消去(6)細胞増殖の促進(7)抗アレルギー作用が知られている(例えば、特許文献5、非特許文献4、5参照)。

ここで、大豆原料を乳酸菌で発酵する従来技術について説明する。イソフラボン配糖体をイソフラボンアグリコンに分解する手法として、β−グルコシダーゼ活性を有する乳酸菌、ビフィドバクテリウム属細菌等を用いることで、イソフラボンアグリコンの豊富発酵豆乳が得られることが報告されている(例えば、特許文献6、非特許文献6−11参照)。しかし、これらの発酵後に得られるポリアミンは確認されていない。とりわけ、外原規で規定されている豆乳発酵菌の製造に用いられる乳酸菌L.delbrueckiiに関しては、豆乳中のイソフラボンアグリコンへの変換に関する報告例は特に少ない(例えば、非特許文献6−11参照)。例えば、非特許文献6と7においては、L.delbrueckiiと他の乳酸菌との共培養であるため、L.delbrueckii単独での変換とは言い難い。非特許文献8においては、腸内細菌であるL.delbrueckii類縁菌が、合成培地においてゲニスチンからゲニステインに変換することが報告されているが、菌株が完全に同定されていない。

非特許文献9においては、L.delbrueckii subsp.bulgaricus単独によるイソフラボンアグリコンへの変換が報告されているが、発酵に用いた豆乳(大豆分離タンパクによる再構成液)のイソフラボン含量が少なく(総量42mg/L、103μM)、得られるイソフラボンアグリコンが約24mg/L(約90μM)と少ないものである。非特許文献10および11については、糖質を添加することなく、豆乳を発酵させることによって、高イソフラボンアグリコン含有量発酵液を得ている。非特許文献12は、豆乳にグルコースを添加し、乳酸菌で発酵させると、特定の菌株を用いた場合にイソフラボン配糖体がそのアグリコンに変換することを報告する。しかし、これらのいずれの発酵についても、ポリアミン量については確認されていない。

また、大豆原料を微生物で発酵する従来技術として、大豆に麹菌接種することで、麹菌の酵素活性によってイソフラボン配糖体がイソフラボンアグリコンに分解され、イソフラボンアグリコン高含有な食品が得られることも報告されている(例えば、特許文献7参照)。

また、大豆の発時に幼芽幼根となる部分である大豆胚軸は、たん白質オリゴ糖などの他、イソフラボンサポニンなどの微量栄養成分が豊富に含まれ、これを、エクオール産生能を有する特定のラクトコッカスダルビエで発酵させてエクオール含有発酵物を得ることが報告されている(特許文献8)。

ポリアミンの製造法については、大豆種子大豆胚芽、豆乳等を原料として、酸を添加することによって得られることが知られている(例えば、特許文献5、9、10参照)。また、腸内細菌によるポリアミンの生成を促進する成分に関する報告がなされている(例えば、特許文献11参照)。
さらに、豆乳とおからの混合物を乳酸菌で発酵させることにより、発酵前の混合物と比較してポリアミン量が増加することが報告されている(非特許文献13)しかし、豆乳のみを乳酸菌発酵することによって、抽出されるポリアミン量が増加することついては報告されていない。また、大豆胚軸を乳酸菌発酵することによって、ポリアミン高含有な胚軸発酵エキスを作製することついても報告されていない。

次いで、表皮角化細胞細胞賦活作用について説明する。皮膚は、表皮真皮からなる組織であり、外界からの物理的あるいは化学的ストレスから身体を守るバリア機能を果たしている。皮膚の外側に存在する表皮は、基底層有棘層顆粒層角層からなり、主に角化細胞から構成されている。基底膜分裂した角化細胞は、分化成熟を経て上層移行し、外表面の角層まで達した後、脱落し、ターンオーバー新陳代謝)を繰り返し、表皮を形成している。

表皮のターンオーバーは、皮膚バリア能や水分量の保持、メラニン色素の排出等に関与している。そのため、肌荒れ改善効果、保湿効果、肌のくすみ改善効果美白効果、肌のキメ改善に、表皮角化細胞賦活剤が用いられている。豆乳発酵エキスについては、エストロゲン受容体αアゴニスト活性化による育毛作用が報告されているが(例えば、特許文献3参照)、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる表皮角化細胞に対する顕著な細胞賦活作用については、これまでに報告されていない。

次いで、皮膚線維芽細胞の細胞賦活作用について説明する。皮膚線維芽細胞は、真皮内に存在し、コラーゲンエラスチンヒアルロン酸等を産生する細胞であり、コラーゲンを線維束にして、真皮構造を形成するのに寄与することが知られている。この線維芽細胞が、加齢紫外線曝露によって損傷を受ける、減少する等すると、規則性をもった線維を生成できなくなり、しわおよびたるみといった肌老化が生じる。従って、皮膚線維芽細胞に対して賦活作用のある剤は、皮膚外用剤、特に老化防止用の皮膚外用剤の有効成分として有用である。しかし、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる皮膚線維芽細胞に対する顕著な細胞賦活作用については、これまでに報告されていない。

次いで、抗酸化作用について説明する。皮膚は生体最外層に位置する器官であり、外環境からの影響を大きく受ける器官である。この中で最も重要視されるのが紫外線の存在である。紫外線存在下においては活性酸素種が発生し生体内で種々のラジカル種に変換され、殺菌、体内への侵入物質の排除等を行う正の効果を持つ反面、その反応性の高さから、表皮細胞および組織の劣化や真皮の構成成分であるヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、線維芽細胞を攻撃し、これらの劣化や減少あるいは変性により負の効果をももたらす。具体的には、保湿力低下による乾燥、弾力性や柔軟性低下によるしわ、たるみの形成、炎症反応による肌荒れ凹凸血流量下等によるくすみ等が挙げられる。従って、活性酸素種を消去する作用のある剤は、皮膚外用剤、特に老化防止用の皮膚外用剤の有効成分として有用である。しかし、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる抗酸化作用については、これまでに報告されていない。

次いで、抗糖化作用について説明する。糖質は、ヒトを初めとする生物においてエネルギー源として非常に重要である。しかし一方で、糖質はタンパク質と糖化反応グリケーション)を起こすことが知られている。糖化反応は、糖質のカルボニル基とタンパク質等のアミノ基との非酵素的な反応を第一段階とし、シッフ塩基からアマドリ化合物を経て最終的に最終糖化生成物(以下、「AGEs」ということがある。)を形成する一連の反応である。糖化反応により、タンパク質が非酵素的に糖により修飾されるため、これにより当該タンパク質の変性やタンパク質間架橋等が起こり、その結果タンパク質の機能を低下させる。糖化反応は、コラーゲン等の細胞外マトリックス構成タンパク質を修飾・構造変化させることにより直接的な障害を引き起こすほか、糖化タンパク質リガンドとする受容体により認識されることで細胞応答を引き起こす等の影響をもたらす。

コラーゲンを初めとする細胞外マトリックス成分は、骨や皮膚等の組織における乾燥重量の過半を占めている。そのため、例えば、コラーゲンが糖化され異常に架橋された状態となると、骨や軟骨組織においては骨粗鬆症変形性関節症等を発症し、皮膚においては弾力性の低下、黄色化等によるくすみ等を生じる。さらに、異常に架橋したコラーゲン等はコラゲナーゼ等による分解を受けにくくなるため、コラゲナーゼ等の発現誘導され、正常なコラーゲンまで分解されてしまう等の問題が生じてしまう。

このため、糖化反応を何らかの形で抑制する、すなわちAGEsの形成を抑制したり、またAGEsの分解を促進したりすることができれば、皮膚の弾力性低下やくすみ等の予防または改善にも効果があると期待される。

従来、抗糖化作用を有する化合物として、N−フェナシチアゾリウムブロミドが知られている(例えば、非特許文献14参照)。しかし、この化合物は安全性に問題があり、医薬品や皮膚外用剤として適していない。また、抗糖化作用を有する天然物由来の成分として、例えば、オリーブからの抽出物が知られている(例えば、特許文献12参照)。しかし、抗糖化作用を有する物質の提供は十分とは言い難く、さらなる新しい抗糖化作用物質の開発および提供が強く求められている。さらに、大豆熱水抽出物およびイソフラボンも抗糖化作用を有すると報告されているが(例えば、特許文献13参照)、これらを用いてもAGEsの生成を完全に抑制することはできず、その効果は十分ではない。一方で、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる抗糖化作用については、これまでに報告されていない。

次いで、保湿作用について説明する。角層の水分量は肌の状態と密接に関連し、健康な素肌を保つためには、角層に適度な水分が保持されていることが必要である。また、皮膚角層には、皮膚への異物侵入と生体に必要な水分の蒸散を防止するバリア機能が存在する。角層バリア機能が低下すると、経皮水分蒸散量の増加に伴って角層水分量が低下し、荒れ肌や種々の老化症状惹起される。従って、角層水分量増加作用のある剤、もしくは角層バリア機能増強作用のある剤は、皮膚外用剤、特に老化防止用の皮膚外用剤の有効成分として有用である。しかし、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる保湿作用については、これまでに報告されていない。

概要

化粧品、医薬品、飲食品等の原料として有用な発酵エキスを提供することを目的とする。乳酸菌で豆乳または大豆胚軸を発酵する工程、発酵物を有機溶媒と混合する工程、および固形分を除去する工程を含む方法によって、イソフラボンアグリコンおよびポリアミンを含有し、表皮角化細胞の賦活作用、皮膚線維芽細胞の賦活作用、抗酸化作用および抗糖化作用などの抗老化作用の1以上の作用を有する豆乳発酵エキスまたは胚軸発酵エキスを得る。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上記課題の1以上を解決する、化粧品、医薬品、飲食品等への利用に有用な発酵エキスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

次の(A)、(B)および(C)の工程:(A)豆乳乳酸菌発酵する工程;(B)工程(A)で得られた発酵物有機溶媒を混合する工程;および(C)工程(B)で生成する固形分を除去する工程;を含む方法によって得られる豆乳発酵エキスであって、次の(i)、(ii)および(iii):(i)イソフラボン化合物含有量が150μM以上;(ii)工程(A)におけるイソフラボン配糖体からイソフラボンアグリコンへの変換率が50%以上;および(iii)ポリアミンの含有量が20μM以上;を満たす、豆乳発酵エキス。

請求項2

(iv)グルコースおよびスクロースの含有量の和が3.0mg/mL以下である、請求項1に記載の豆乳発酵エキス。

請求項3

次の(v)および(vi):(v)グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL):イソフラボン化合物の含有量(μM)が0.1以下;および(vi)グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL):ポリアミンの含有量(μM)が0.3以下;の1以上を満たす、請求項1または2に記載の豆乳発酵エキス。

請求項4

工程(A)における乳酸菌がLactobacillusdelbrueckiiである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の豆乳発酵エキス。

請求項5

工程(A)に先立って、(P)前培養を豆乳で行う工程を含む方法によって得られる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の豆乳発酵エキス。

請求項6

次の(A’)、(B’)および(C’)の工程:(A’)大豆胚軸を乳酸菌で発酵する工程;(B’)工程(A’)で得られた発酵物と有機溶媒を混合する工程;および(C’)工程(B’)で生成する固形分を除去する工程;を含む方法によって得られる胚軸発酵エキス。

請求項7

グリシテインを100μM以上含有する、請求項6に記載の胚軸発酵エキス。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の発酵エキスを含む、抗老化剤

請求項9

表皮角化細胞賦活作用皮膚線維芽細胞賦活作用抗酸化作用抗糖化作用および保湿作用のいずれか1以上の作用を有する、請求項8に記載の抗老化剤。

請求項10

請求項1〜7のいずれか1項に記載の発酵エキスを含む、化粧品皮膚外用剤医薬品または飲食品

請求項11

豆乳を乳酸菌で発酵し、次いでポリアミンを抽出することを特徴とする、ポリアミンの製造方法。

請求項12

大豆胚軸を乳酸菌で発酵し、次いでポリアミンを抽出することを特徴とする、ポリアミンの製造方法。

請求項13

大豆胚軸を乳酸菌Lactobacillusdelbrueckiiで発酵する工程を含む、イソフラボンアグリコンまたはポリアミンの製造方法。

請求項14

豆乳を、L.delbrueckiisubsp.lactisJCM1105、L.delbrueckiisubsp.lactisJCM1148、L.delbrueckiisubsp.bulgaricusJCM1001、L.delbrueckiisubsp.lactisJCM1010およびL.delbrueckiisubsp.delbrueckiiJCM1012から選択される乳酸菌で発酵して得られる豆乳発酵物

請求項15

大豆胚軸を乳酸菌Lactobacillusdelbrueckiiで発酵して得られる、胚軸発酵物。

技術分野

0001

本発明は、イソフラボンアグリコンおよびポリアミンが高含有である豆乳発酵エキスに関し、特に、糖質含量が少なく、表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用抗酸化作用抗糖化作用ならびに保湿作用などの抗老化作用を有する豆乳発酵エキスに関する。本発明はまた、大豆胚軸乳酸菌発酵することによって得られる胚軸発酵エキスに関し、特に、イソフラボンアグリコンおよびポリアミンが高含有であり、表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用、抗酸化作用ならびに抗糖化作用などの抗老化作用を有する胚軸発酵エキスに関する。

背景技術

0002

近年、化粧品業界においては、顧客の自然派志向が高まる中、ナチュラルオーガニック化粧品の需要が増えてきている。このような化粧品市場ニーズ応えるべく、様々な植物由来機能性素材が開発されている。そして、これらの植物性天然素材にさらなる新たな付加価値を付与すべく、微生物発酵技術の活用が注目されている。例えば、豆乳は良質のタンパク質イソフラボン化合物等を含んでいるが、さらに、発酵によって大豆ペプチドやイソフラボンアグリコン等を生成させることによって、種々の生理効果を示すことが期待されている。大豆や豆乳を微生物発酵させた素材エキス美容効果については、例えば、これまでにメラニン生成抑制による美白作用(例えば、特許文献1参照)、ヒアルロン酸産生能の向上による保湿作用(例えば、特許文献2、非特許文献1、2参照)、エストロゲン受容体αアゴニスト活性化による育毛作用(例えば、特許文献3参照)、抗酸化作用(例えば、特許文献4参照)等について報告されている。

0003

豆乳発酵エキスは、医薬部外品原料規格(以下、「外原規」という場合がある)2006(平成18年3月31日薬食発第0331030号厚生労働省医薬食品局長通知)に“豆乳発酵液”(成分コード532101)として収載されている。外原規では、豆乳発酵液を「大豆の種子から得た豆乳を乳酸菌Lactobacillus delbrueckii(L.delbrueckii)で発酵して得た培養液エタノールを加え、濾過して得られるエキスである。本品は、定量するとき、窒素0.01〜0.04%を含む。」と規定しており、これを満たすものであれば使用実績の観点からも安全性が確認されていると言える。また、これに記載されているL.delbrueckiiは、ヨーグルトの製造に古くから用いられている乳酸菌であり、経験的にみて安全性が高いとみなされている。

0004

大豆に含まれるイソフラボン化合物は、エストロゲン作用抗エストロゲン作用酸化防止作用等の生理活性を有していることが知られており、その有用性が注目されている。大豆をそのまま粉末化してイソフラボン化合物を測定すると、12種類のイソフラボン化合物の存在が確認される。これらは、3種類のダイゼインゲニステイングリシテイン(これらはイソフラボンアグリコンと呼ばれる)を基本骨格としている(化1)。

0005

0006

大豆中に含まれているイソフラボン化合物のほとんどは、これらを基本骨格とするイソフラボン配糖体ダイジンゲニスチングリシチン)とこれらのイソフラボン配糖体がさらにアセチル化マロニル化の修飾を受けた化合物として存在する(化2)。

0007

0008

これらのイソフラボン化合物の中でも、特にイソフラボンアグリコンは、イソフラボン配糖体よりもエストロゲンの構造に近いことから、一般的に薬理作用が高いとされている。また、イソフラボン配糖体と比較して疎水性が高いため、皮膚への浸透性が高いことも期待できる。例えば、ゲニステインについては、塗布によって肌の老化防止に効果がある可能性が示されている(例えば、非特許文献3参照)。

0009

しかし、イソフラボン化合物自体、天然に存在する量が少なく、とりわけイソフラボンアグリコンの量は極めて少ない。

0010

また、大豆にはポリアミンも含まれることが知られる。ポリアミンとは、第1級アミノ基を2つ以上もつ脂肪族炭化水素の総称で生体内に普遍的に存在する天然物であり、20種類以上のポリアミンが見いだされている。代表的なポリアミンとしては、プトレッシンスペルミジンスペルミンカダベリンがある。

0011

ポリアミンの主な生理作用としては、(1)核酸との相互作用による核酸の安定化と構造変化(2)種々の核酸合成系への促進作用(3)タンパク質合成系活性化(4)細胞膜の安定化や物質膜透過性強化(5)活性酸素消去(6)細胞増殖の促進(7)抗アレルギー作用が知られている(例えば、特許文献5、非特許文献4、5参照)。

0012

ここで、大豆原料を乳酸菌で発酵する従来技術について説明する。イソフラボン配糖体をイソフラボンアグリコンに分解する手法として、β−グルコシダーゼ活性を有する乳酸菌、ビフィドバクテリウム属細菌等を用いることで、イソフラボンアグリコンの豊富発酵豆乳が得られることが報告されている(例えば、特許文献6、非特許文献6−11参照)。しかし、これらの発酵後に得られるポリアミンは確認されていない。とりわけ、外原規で規定されている豆乳発酵菌の製造に用いられる乳酸菌L.delbrueckiiに関しては、豆乳中のイソフラボンアグリコンへの変換に関する報告例は特に少ない(例えば、非特許文献6−11参照)。例えば、非特許文献6と7においては、L.delbrueckiiと他の乳酸菌との共培養であるため、L.delbrueckii単独での変換とは言い難い。非特許文献8においては、腸内細菌であるL.delbrueckii類縁菌が、合成培地においてゲニスチンからゲニステインに変換することが報告されているが、菌株が完全に同定されていない。

0013

非特許文献9においては、L.delbrueckii subsp.bulgaricus単独によるイソフラボンアグリコンへの変換が報告されているが、発酵に用いた豆乳(大豆分離タンパクによる再構成液)のイソフラボン含量が少なく(総量42mg/L、103μM)、得られるイソフラボンアグリコンが約24mg/L(約90μM)と少ないものである。非特許文献10および11については、糖質を添加することなく、豆乳を発酵させることによって、高イソフラボンアグリコン含有量発酵液を得ている。非特許文献12は、豆乳にグルコースを添加し、乳酸菌で発酵させると、特定の菌株を用いた場合にイソフラボン配糖体がそのアグリコンに変換することを報告する。しかし、これらのいずれの発酵についても、ポリアミン量については確認されていない。

0014

また、大豆原料を微生物で発酵する従来技術として、大豆に麹菌接種することで、麹菌の酵素活性によってイソフラボン配糖体がイソフラボンアグリコンに分解され、イソフラボンアグリコン高含有な食品が得られることも報告されている(例えば、特許文献7参照)。

0015

また、大豆の発時に幼芽幼根となる部分である大豆胚軸は、たん白質オリゴ糖などの他、イソフラボンサポニンなどの微量栄養成分が豊富に含まれ、これを、エクオール産生能を有する特定のラクトコッカスダルビエで発酵させてエクオール含有発酵物を得ることが報告されている(特許文献8)。

0016

ポリアミンの製造法については、大豆種子大豆胚芽、豆乳等を原料として、酸を添加することによって得られることが知られている(例えば、特許文献5、9、10参照)。また、腸内細菌によるポリアミンの生成を促進する成分に関する報告がなされている(例えば、特許文献11参照)。
さらに、豆乳とおからの混合物を乳酸菌で発酵させることにより、発酵前の混合物と比較してポリアミン量が増加することが報告されている(非特許文献13)しかし、豆乳のみを乳酸菌発酵することによって、抽出されるポリアミン量が増加することついては報告されていない。また、大豆胚軸を乳酸菌発酵することによって、ポリアミン高含有な胚軸発酵エキスを作製することついても報告されていない。

0017

次いで、表皮角化細胞の細胞賦活作用について説明する。皮膚は、表皮真皮からなる組織であり、外界からの物理的あるいは化学的ストレスから身体を守るバリア機能を果たしている。皮膚の外側に存在する表皮は、基底層有棘層顆粒層角層からなり、主に角化細胞から構成されている。基底膜分裂した角化細胞は、分化成熟を経て上層移行し、外表面の角層まで達した後、脱落し、ターンオーバー新陳代謝)を繰り返し、表皮を形成している。

0018

表皮のターンオーバーは、皮膚バリア能や水分量の保持、メラニン色素の排出等に関与している。そのため、肌荒れ改善効果、保湿効果、肌のくすみ改善効果美白効果、肌のキメ改善に、表皮角化細胞賦活剤が用いられている。豆乳発酵エキスについては、エストロゲン受容体αアゴニスト活性化による育毛作用が報告されているが(例えば、特許文献3参照)、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる表皮角化細胞に対する顕著な細胞賦活作用については、これまでに報告されていない。

0019

次いで、皮膚線維芽細胞の細胞賦活作用について説明する。皮膚線維芽細胞は、真皮内に存在し、コラーゲンエラスチンヒアルロン酸等を産生する細胞であり、コラーゲンを線維束にして、真皮構造を形成するのに寄与することが知られている。この線維芽細胞が、加齢紫外線曝露によって損傷を受ける、減少する等すると、規則性をもった線維を生成できなくなり、しわおよびたるみといった肌老化が生じる。従って、皮膚線維芽細胞に対して賦活作用のある剤は、皮膚外用剤、特に老化防止用の皮膚外用剤の有効成分として有用である。しかし、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる皮膚線維芽細胞に対する顕著な細胞賦活作用については、これまでに報告されていない。

0020

次いで、抗酸化作用について説明する。皮膚は生体最外層に位置する器官であり、外環境からの影響を大きく受ける器官である。この中で最も重要視されるのが紫外線の存在である。紫外線存在下においては活性酸素種が発生し生体内で種々のラジカル種に変換され、殺菌、体内への侵入物質の排除等を行う正の効果を持つ反面、その反応性の高さから、表皮細胞および組織の劣化や真皮の構成成分であるヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、線維芽細胞を攻撃し、これらの劣化や減少あるいは変性により負の効果をももたらす。具体的には、保湿力低下による乾燥、弾力性や柔軟性低下によるしわ、たるみの形成、炎症反応による肌荒れ凹凸血流量下等によるくすみ等が挙げられる。従って、活性酸素種を消去する作用のある剤は、皮膚外用剤、特に老化防止用の皮膚外用剤の有効成分として有用である。しかし、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる抗酸化作用については、これまでに報告されていない。

0021

次いで、抗糖化作用について説明する。糖質は、ヒトを初めとする生物においてエネルギー源として非常に重要である。しかし一方で、糖質はタンパク質と糖化反応グリケーション)を起こすことが知られている。糖化反応は、糖質のカルボニル基とタンパク質等のアミノ基との非酵素的な反応を第一段階とし、シッフ塩基からアマドリ化合物を経て最終的に最終糖化生成物(以下、「AGEs」ということがある。)を形成する一連の反応である。糖化反応により、タンパク質が非酵素的に糖により修飾されるため、これにより当該タンパク質の変性やタンパク質間架橋等が起こり、その結果タンパク質の機能を低下させる。糖化反応は、コラーゲン等の細胞外マトリックス構成タンパク質を修飾・構造変化させることにより直接的な障害を引き起こすほか、糖化タンパク質リガンドとする受容体により認識されることで細胞応答を引き起こす等の影響をもたらす。

0022

コラーゲンを初めとする細胞外マトリックス成分は、骨や皮膚等の組織における乾燥重量の過半を占めている。そのため、例えば、コラーゲンが糖化され異常に架橋された状態となると、骨や軟骨組織においては骨粗鬆症変形性関節症等を発症し、皮膚においては弾力性の低下、黄色化等によるくすみ等を生じる。さらに、異常に架橋したコラーゲン等はコラゲナーゼ等による分解を受けにくくなるため、コラゲナーゼ等の発現誘導され、正常なコラーゲンまで分解されてしまう等の問題が生じてしまう。

0023

このため、糖化反応を何らかの形で抑制する、すなわちAGEsの形成を抑制したり、またAGEsの分解を促進したりすることができれば、皮膚の弾力性低下やくすみ等の予防または改善にも効果があると期待される。

0024

従来、抗糖化作用を有する化合物として、N−フェナシチアゾリウムブロミドが知られている(例えば、非特許文献14参照)。しかし、この化合物は安全性に問題があり、医薬品や皮膚外用剤として適していない。また、抗糖化作用を有する天然物由来の成分として、例えば、オリーブからの抽出物が知られている(例えば、特許文献12参照)。しかし、抗糖化作用を有する物質の提供は十分とは言い難く、さらなる新しい抗糖化作用物質の開発および提供が強く求められている。さらに、大豆熱水抽出物およびイソフラボンも抗糖化作用を有すると報告されているが(例えば、特許文献13参照)、これらを用いてもAGEsの生成を完全に抑制することはできず、その効果は十分ではない。一方で、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる抗糖化作用については、これまでに報告されていない。

0025

次いで、保湿作用について説明する。角層の水分量は肌の状態と密接に関連し、健康な素肌を保つためには、角層に適度な水分が保持されていることが必要である。また、皮膚角層には、皮膚への異物侵入と生体に必要な水分の蒸散を防止するバリア機能が存在する。角層バリア機能が低下すると、経皮水分蒸散量の増加に伴って角層水分量が低下し、荒れ肌や種々の老化症状惹起される。従って、角層水分量増加作用のある剤、もしくは角層バリア機能増強作用のある剤は、皮膚外用剤、特に老化防止用の皮膚外用剤の有効成分として有用である。しかし、イソフラボンアグリコンおよびポリアミン高含有豆乳発酵エキスによる保湿作用については、これまでに報告されていない。

0026

特許2804312号公報
特許3184114号公報
特開2012−176931号公報
特開2006−070146号公報
特開2009−234939号公報
特開2001−340059号公報
特許3014145号公報
特許5030790号公報
特開2012−006954号公報
特開2012−46544号公報
特開2012−102054号公報
特開2001−122758号公報
特開2012−219014号公報

先行技術

0027

「Skin pharmacology and applied skin physiology」,(瑞国),2003年,16巻,p.108−116
「Journal of cosmetic science」,(米国),2004年,55巻,p.473−479
「British journal of pharmacology」,(英国),2012年,165巻,p.994−1005
「Journal of Immunology」,(米国),2005年,175巻,p.237−245
「Journal of Exp. Med.」,(米国),1997年,185巻,p.1759−1768
「Journal of food science」,(米国),2009年,74巻,p.M190−195
「Journal of agricultural and food chemistry」,(米国),2009年,57巻,p.170−175
「FEMS microbiology letters」,(英国),2009年,291巻,p.180−187
「Journal of Food Science」,(米国),2010年,75巻,p.M140−149
「Malaysian Journal of Microbiology」,(国),2010年,6巻,p.30−40
「Food Research International」,(加国),2005年,38巻,p.551−559
「Biotechnol Lett」(蘭国)2002,Vol.24, No.24,p.2113−2116
「Food Sci Technol Res」(日本),2010,Vol.16,No.5,p.417−420
「Nature」,(英国),1996年,382巻,p.275−278

発明が解決しようとする課題

0028

現在市販されている豆乳発酵エキスには、3つの課題がある。
第一の課題は、大豆に含まれる生理活性物質として特に期待される成分であるイソフラボン化合物の含量が極めて少ないことである。実際に市販されている豆乳発酵エキスのイソフラボン化合物含量は少なく(0〜120μM)、イソフラボンアグリコンの含量はさらに少ない(0〜60μM、イソフラボンアグリコンへの変換率0〜50%)。このような背景から、イソフラボンアグリコン高含有である豆乳発酵エキスが強く求められている。

0029

第二の課題として、もうひとつの生理活性物質として期待される成分であるポリアミンの含有量が少ないことが挙げられる。実際に市販されている豆乳発酵エキス中のポリアミンの総量は10〜15μMであり、従って、ポリアミン高含有である豆乳発酵エキスが強く求められている。市販されている豆乳発酵エキスのポリアミン含量が極めて少ない理由として、製造で用いられるエタノールに対してポリアミンの溶解性が低いことが挙げられる。従って、ポリアミン含有量が高い豆乳発酵エキスを製造するためには、発酵液中のポリアミンの濃度を向上させるとともに、抽出に用いる有機溶媒の濃度を最適化させる必要がある。

0030

第三の課題として、グルコース等の糖質が残存していることが挙げられる。大豆に含まれるオリゴ糖はショ糖スクロース、5%)、スタキオース(4%)、ラフィノース(1.1%)、ベルバスコース(trace)であるという報告がなされており(例えば、山内文ら編,「大豆の科学」,書店,1993年,p.49参照)、豆乳等の大豆原料を用いる乳酸菌発酵において、乳酸菌の種類によっては糖質が不足する。これを補うためにグルコース等の糖質を添加すると、発酵液に未消化の糖質が残存すると考えられる。しかし、これらの糖質は、化粧品原料として配合したときに、べたつきの原因になるとともに、還元糖の場合はメイラード反応の原料となって皮膚の老化を促進する恐れがある(例えば、特開2011−102270号公報参照)。従って、グルコース無添加でも生育が良好な乳酸菌を利用する等の工夫によって、グルコース等の糖質が残存していない豆乳発酵エキスが求められている。

0031

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上記課題の1以上を解決する、化粧品、医薬品、飲食品等への利用に有用な発酵エキスを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0032

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、豆乳の乳酸菌発酵を、糖質を補うことなく行い、これを抽出することによって、イソフラボンアグリコンやポリアミンが高含有であり、グルコースの含有量が少ない豆乳発酵エキスを得て、さらにこれが顕著な表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用、抗酸化作用、抗糖化作用ならびに保湿作用などの抗老化作用を有することを見出した。また、大豆胚軸を乳酸菌によって発酵させ、これを抽出することによって、イソフラボンアグリコンやポリアミンが高含有の胚軸発酵エキスを得て、さらにこれが顕著な表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用、抗酸化作用ならびに抗糖化作用などの抗老化作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のものに関する。

0033

[1]
次の(A)、(B)および(C)の工程:
(A)豆乳を乳酸菌で発酵する工程;
(B)工程(A)で得られた発酵物と有機溶媒を混合する工程;および
(C)工程(B)で生成する固形分を除去する工程;
を含む方法によって得られる豆乳発酵エキスであって、
次の(i)、(ii)および(iii):
(i)イソフラボン化合物の含有量が150μM以上;
(ii)工程(A)におけるイソフラボン配糖体からイソフラボンアグリコンへの変換率が50%以上;および
(iii)ポリアミンの含有量が20μM以上;
を満たす、豆乳発酵エキス。
[2]
(iv)グルコースおよびスクロースの含有量の和が3.0mg/mL以下である、[1]に記載の豆乳発酵エキス。
[3]
次の(v)および(vi):
(v)グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL):イソフラボン化合物の含有量(μM)が0.1以下;および
(vi)グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL):ポリアミンの含有量(μM)が0.3以下;
の1以上を満たす、[1]または[2]に記載の豆乳発酵エキス。
[4]
工程(A)における乳酸菌がLactobacillus delbrueckiiである、[1]〜[3]のいずれかに記載の豆乳発酵エキス。
[5]
工程(A)に先立って、(P)前培養を豆乳で行う工程を含む方法によって得られる、[1]〜[4]のいずれかに記載の豆乳発酵エキス。
[6]
次の(A’)、(B’)および(C’)の工程:
(A’)大豆胚軸を乳酸菌で発酵する工程;
(B’)工程(A’)で得られた発酵物と有機溶媒を混合する工程;および
(C’)工程(B’)で生成する固形分を除去する工程;
を含む方法によって得られる胚軸発酵エキス。
[7]
グリシテインを100μM以上含有する、[6]に記載の胚軸発酵エキス。
[8]
[1]〜[7]のいずれかに記載の発酵エキスを含む、抗老化剤
[9]
表皮角化細胞賦活作用、皮膚線維芽細胞賦活作用、抗酸化作用、抗糖化作用および保湿作用のいずれか1以上の作用を有する、[8]に記載の抗老化剤。
[10]
請求項[1]〜[7]のいずれかに記載の発酵エキスを含む、化粧品、皮膚外用剤、医薬品または飲食品
[11]
豆乳を乳酸菌で発酵し、次いでポリアミンを抽出することを特徴とする、ポリアミンの製造方法。
[12]
大豆胚軸を乳酸菌で発酵し、次いでポリアミンを抽出することを特徴とする、ポリアミンの製造方法。
[13]
大豆胚軸を乳酸菌Lactobacillus delbrueckiiで発酵する工程を含む、イソフラボンアグリコンまたはポリアミンの製造方法。
[14]
豆乳を、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148、L.delbrueckii subsp.bulgaricus JCM 1001、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1010およびL.delbrueckii subsp.delbrueckii JCM 1012から選択される乳酸菌で発酵して得られる豆乳発酵物
[15]
大豆胚軸を乳酸菌Lactobacillus delbrueckiiで発酵して得られる、胚軸発酵物。

発明の効果

0034

本発明によれば、イソフラボンアグリコンおよびポリアミンが高含有である豆乳発酵エキスを提供することができ、特に、糖質含量が少なく、表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用、抗酸化作用、抗糖化作用ならびに保湿作用などの抗老化作用を示す豆乳発酵エキスを提供することができる。また、本発明によれば、大豆胚軸を乳酸菌で発酵することによって得られる胚軸発酵エキスを提供することができ、特に、イソフラボンアグリコンおよびポリアミンが高含有であり、表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用、抗酸化作用ならびに抗糖化作用などの抗老化作用を有する胚軸発酵エキスを提供することができる。本発明の豆乳発酵エキスおよび胚軸発酵エキスは、化粧品、医薬品、飲食品への利用に有用であり、特に化粧品への利用に有用である。

図面の簡単な説明

0035

発酵エキスの表皮角化細胞における細胞賦活作用を示す図である。
発酵エキスの皮膚線維芽細胞における細胞賦活作用を示す図である。
発酵エキスの抗酸化作用(DPPHラジカル消去活性)を示す図である。
イソフラボン標品の抗酸化作用(DPPHラジカル消去活性)を示す図である。
発酵エキスの抗糖化作用を示す図である。
イソフラボン標品の抗糖化作用を示す図である。
豆乳発酵エキスの抗酸化作用(細胞保護作用)を示す図である。
豆乳発酵エキスの保湿作用(角層水分量増加作用)を示す図である。
豆乳発酵エキスの保湿作用(角層バリア機能増強作用)を示す図である。

0036

以下、本発明を詳細に説明する。以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。

0037

本明細書において「豆乳発酵エキス」は、次の(A)、(B)および(C)の工程:
(A)豆乳を乳酸菌で発酵する工程;
(B)工程(A)で得られた発酵物と有機溶媒を混合する工程;および
(C)工程(B)で生成する固形分を除去する工程
を含む方法によって得られるエキスをさし、例えば、工程(C)で固形分を除去して得られる液、これを濃縮した濃縮液、またはこれを乾燥した固形物であってもよい。

0038

本明細書において「豆乳」とは、各種の公知の豆乳をさし、例えば、無調製豆乳、調製豆乳、豆乳飲料等を含む。大豆の種子の胚乳、胚軸(胚芽ともいう)および皮のいずれか1以上の部位(以下、大豆原料という)から調製することができるし、それぞれ1以上の部位から抽出して、適宜混合することもできる。大豆原料を適宜粉砕して浸漬した懸濁液や、大豆原料を浸漬した後、湿式粉砕して得られたスラリーも本発明の豆乳として、発酵原料とすることもできる。さらに、脱皮大豆全粒大豆粉末を水に溶解、懸濁、または均質化させて調製した、いわゆる大豆液や、それらを原料とする大豆飲料も本発明の豆乳に含む。また、大豆タンパク質を主成分とし、豆乳様の風味を呈する、いわゆるプロテイン飲料類も本発明の豆乳に含む。

0039

大豆の品種ブランド、色は、特に限定されず、例えば、国産大豆、IOM等の米国産大豆、遺伝子組換え大豆、または遺伝子非組換え大豆のいずれも用いることができる。大豆の未熟種子である枝豆を用いることもできる。イソフラボンアグリコン高含有の豆乳発酵エキスを得る場合、イソフラボンアグリコン、イソフラボン配糖体(アセチル配糖体、マロニル配糖体を含む)のイソフラボン化合物の含有量が合計で150μM以上である豆乳が好ましく用いられる。

0040

本明細書において、乳酸菌は、発酵によって糖類から乳酸を産生する菌であれば特に限定されない。特にLactobacillus属の菌が好ましく用いられ、豆乳発酵液の外原規に記載されているL.delbrueckiiが特に好ましく用いられる。L.delbrueckiiについては、亜種について特に制限はなく、例えば、L.delbrueckii subsp.lactis、L.delbrueckii subsp.bulgaricus、L.delbrueckii subsp.delbrueckii等が挙げられる。

0041

グルコースおよびスクロースの含有量が少ない豆乳発酵エキスやポリアミン含有量が多い豆乳発酵エキスを得るという観点からは、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148、L.delbrueckii subsp.bulgaricus JCM 1001、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1010およびL.delbrueckii subsp.delbrueckii JCM 1012から選択される菌が好ましく用いられる。イソフラボンアグリコン含有量が多い豆乳発酵エキスを得るという観点からは、後述のイソフラボン配糖体からイソフラボンアグリコンへの変換率の高い乳酸菌が好ましく用いられ、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105または1148株が特に好ましく用いられる。

0042

工程(A)における乳酸菌の発酵条件については、乳酸菌が増殖し、豆乳が発酵する条件であれば特に限定されず、用いる乳酸菌の種類に応じて適宜選択することができる。豆乳の発酵は、発酵物中の乳酸量の増加により確認することができる。

0043

イソフラボンアグリコン含有量の高い豆乳発酵エキスを得るという観点からは、豆乳中のイソフラボン配糖体のイソフラボンアグリコンへの変換率が50%以上、特に55%以上となる発酵条件が好ましい。ここで、イソフラボンアグリコンの変換率とは、発酵前後の各種イソフラボン化合物のモル濃度を算出し、[(発酵前のイソフラボン配糖体)−(発酵後のイソフラボン配糖体)]/(発酵前のイソフラボン配糖体)×100(%)として算出することができる。

0044

発酵に用いる豆乳は、必要に応じて糖類や窒素源等を添加したり、pHを調整することもでき、加熱等で殺菌処理することもできる。一態様において、糖質(特にメイラード反応の原料となる還元糖)の含有量が少ない豆乳発酵エキスを得るという観点から、糖類、特に還元糖を添加しない豆乳を発酵に用いることが好ましい。そのような、糖類としては:例えばグルコース、フルクトースおよびグリセルアルデヒドを含む全ての単糖ラクトースアラビノースおよびマルトースを含むマルトース型二糖またはオリゴ糖等の還元糖;および例えばスクロース等、加水分解により還元糖となる非還元糖が例示される。一態様において、特にグルコースを添加しない豆乳を発酵に用いることが好ましい。

0045

接種する乳酸菌は任意の培地で前培養してもよく、例えば、植物由来の原料の培地(豆乳、植物由来ペプトン等)、酵母エキス、各種合成培地(MRS培地等)等で培養することができる。一態様において、製造工程の簡略化、動物由来原料を含む培地の使用を避ける、等の観点から、前培養を、豆乳を用いて行うこともできる。前培養の培養条件は、乳酸菌が増加する条件であれば特に限定されない。

0046

発酵温度は、乳酸菌の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、10〜50℃で行うことができ、好ましくは20〜40℃で行うことができる。培養中のpHについては、そのまま放置しても、酸やアルカリで制御してもよい。各種炭素源や窒素源を流加することもできる。用いる乳酸菌の種類に応じて、好気的条件嫌気的条件撹拌培養静置培養等のいずれの条件を選択することもできる。乳酸菌としてL.delbrueckiiを用いる場合、嫌気的条件下で培養を行うことが好ましい。

0047

発酵時間は、乳酸菌の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、6時間から72時間、簡便には12〜60時間、発酵を行うことができる。例えば、乳酸は、乳酸菌発酵の進行を示す指標となりうるため、乳酸の濃度に応じて培養を停止することができ、例えば、乳酸濃度が0.1〜7mg/mLとなった時点で培養を停止することができる。

0048

また、糖質の含有量が少ない豆乳発酵エキスを得るという観点からは、発酵過程において、培養液の糖質を分析することにより糖質の減少を確認し、糖質が消費された状態で培養を停止すると、含有糖質が少ない豆乳発酵エキスが得られるため、特に好ましい。糖質としては、例えば、グルコース、フルクトース、スクロースおよびマルトースが挙げられる。これらの糖質の分析方法については、特に限定されないが、好ましくはリン酸-フェニルヒドラジン法(糖をカラムで分離した後、リン酸-フェニルヒドラジン試薬と反応させて、蛍光誘導体化後検出する方法)やバイオセンサーを用いる方法が用いられる。

0049

発酵終了後、必要に応じて発酵物のpHを調整してもよい。例えば、乳酸の生成により低下したpHを、適宜、アルカリで中性に調整してもよい。発酵終了後、形成したカード撹拌破壊してもよい。

0050

得られた発酵物は、そのまま工程(B)で有機溶媒と混合してもよいが、高分子タンパク質を工程(B)で効率良く除去するという観点からは、発酵終了後に加熱殺菌を行うことが望ましい。加熱条件については、十分に固形分が形成される条件であれば特に限定されず、例えば、60〜120℃で1〜120分間、簡便には80〜110℃で20〜60分間、処理することにより実施できる。

0051

次の工程(B)では、得られた発酵物を有機溶媒と混合する。これにより、得られた発酵物から有機溶媒中にイソフラボン化合物等、所望の成分を抽出することができる。有機溶媒は、水と混和する極性溶媒が好ましく用いられる。化粧品への応用を考慮すると安全性が高いものが好ましく、例えば、エタノールやブチレングリコール等が特に好ましく用いられる。なかでも、エタノールは、豆乳発酵液の外原規に記載されているため、特に好ましく用いられる。また、飲食品および経口医薬品に豆乳発酵エキスを配合する場合も、エタノールが好ましく用いられる。有機溶媒の添加量および濃度については、固形分が生成し、イソフラボン化合物等、所望の成分を抽出することができ、結果として所望の成分を含む豆乳発酵エキスが得られる量および濃度であれば特に限定されないが、固形分が生成し、清澄エキス分と分離する量および濃度が好ましく、例えば、培養液に対して5〜90%(v/v)の量の有機溶媒を添加することができる。例えばエタノールの場合、培養液に対して15%(v/v)以上、好ましくは50%(v/v)以上のエタノールを添加することができる。添加した後に、加熱、冷却、静置等の操作を行うこともできる。

0052

次いで、工程(B)で生成する固形分を除去する工程(C)を行う。工程(C)は、固形分を除去することができる任意の方法を用いて行うことができ、例えば、静置や遠心上清を分離する方法や濾過する方法等を用いることができる。

0053

なお、上記の工程に加えて、目的に応じてさらに追加の工程を行ってもよい。例えば、イソフラボン化合物(特に、イソフラボンアグリコン)の含有量の多い発酵エキスを得るという観点から、サイクロデキストリンなどの添加によってイソフラボン化合物等、所望の成分の包接を行うこともできる。サイクロデキストリンの添加は、工程(C)の固形分の除去に先立って行われる限り、任意の段階で行うことができ、例えば、工程(A)の前、工程(A)の発酵の最中、工程(A)後であって工程(B)の前、工程(B)の有機溶媒との混合の最中、および工程(B)後であって工程(C)の前、のいずれか一以上の段階で行うことができる。サイクロデキストリンとしては、β-サイクロデキストリンまたはγ-サイクロデキストリンが使用でき、イソフラボン化合物の包接を目的とする場合、好ましくはβ-サイクロデキストリンを使用することができる。

0054

本明細書において「胚軸発酵エキス」は、次の(A’)、(B’)および(C’)の工程:
(A’)大豆胚軸を乳酸菌で発酵する工程;
(B’)工程(A’)で得られた発酵物と有機溶媒を混合する工程;および
(C’)工程(B’)で生成する固形分を除去する工程;
を含む方法によって得られるエキスをさし、例えば、工程(C’)で固形分を除去して得られる液、これを濃縮した濃縮液、またはこれを乾燥した固形物であってもよい。

0055

本明細書において、大豆胚軸は、大豆の胚軸(胚芽ともいう)をさし、生の大豆胚軸のみならず、脱脂、焙煎、浸漬、熱処理等の任意の前処理を行ったものも含む。

0056

工程(A’)の発酵には、大豆胚軸そのものを用いることもできるし、粉砕して用いてもよい。より抽出効率を高める観点から、大豆胚軸またはその粉砕物を水に懸濁させた懸濁液や、大豆胚軸またはその粉砕物を水で抽出し、固形分を除去した胚軸抽出液を用いることもできる。
所望の成分(特に、イソフラボンアグリコン)の含有量の高い胚軸発酵エキスを簡便に得るという観点から、大豆胚軸またはその粉砕物を水に浸漬させた浸漬物、この浸漬物をさらに加熱処理した処理物等を、工程(A’)の発酵に用いてもよい。理論に束縛されるものではないが、これらの処理により、大豆胚軸中のイソフラボン配糖体からイソフラボンアグリコンへの変換およびイソフラボンマロニル配糖体からイソフラボン配糖体への変換が促進されると考えられる。

0057

大豆胚軸が由来する大豆の品種、ブランド、色は、特に限定されず、上記豆乳について言及したのと同様任意の大豆を用いることができる。

0058

工程(A’)、(B’)および(C’)は、大豆胚軸を豆乳の代わりに使用するほかは、それぞれ、上記工程(A)、(B)および(C)と同様に行うことができる。

0059

このようにして得られた豆乳発酵エキスまたは胚軸発酵エキス(以下、単に「発酵エキス」ともいう。)は、そのまま、化粧品、皮膚外用剤、医薬品および飲食品の原料として利用することができる。また、水や有機溶媒等で適宜希釈したり、パラベンフェノキシエタノール等の防腐剤を添加することもできる。また、例えば、加熱や減圧による有機溶媒の留去や成分の濃縮、凍結乾燥スプレードライによる粉末化の処理を行うことができる。粉末化したものを水や有機溶媒等で溶解、分散、懸濁させることができる。

0060

本発明の発酵エキスは、各種作用を発揮する観点から、イソフラボン化合物の含有量が多いことが好ましい。イソフラボン分析は、各種イソフラボン化合物を分析できる公知の手法を用いて行うことができ、好ましくはHPLC法が用いられる。

0061

本明細書において、イソフラボン化合物とは、ダイゼイン、ダイジン、アセチルダイジン、マロニルダイジン、ゲニステイン、ゲニスチン、アセチルゲニスチン、マロニルゲニスチン、グリシテイン、グリシチン、アセチルグリシチンおよびマロニルグリシチンをさす。このうち、特に、イソフラボンアグリコンであるダイゼイン、ゲニステインおよびグリシテインの含有量が多いことが、各種作用を発揮する観点から、より好ましい。本発明の発酵エキスが含有するイソフラボン化合物の濃度は、各種作用を発揮する観点から高いほど好ましく、イソフラボン化合物を150μM以上含有することが好ましい。例えば、豆乳発酵エキスの場合、イソフラボンアグリコンを75μM以上することが好ましく、150μM以上含有することがさらに好ましい。

0062

また、胚軸発酵エキスの場合、イソフラボンアグリコン含有量は、550μM以上であることが好ましく、700μM以上であることがより好ましく、1000μM以上であることがさらに好ましい。高い抗糖化作用を発揮するという観点から、特に、グリシテイン含有量が100μM以上であることが好ましく、200μM以上であることがより好ましい。

0063

本発明の発酵エキスは、各種作用を発揮する観点から、ポリアミンの含有量が多いことが好ましい。ポリアミン分析は、HPLC法や酵素法等、各種ポリアミンを分析できる公知の手法を用いて行うことができ、好ましくはHPLC法が用いられる。具体的には、Novella−Rodriguez S.らの方法(J.Agric.Food Chem.,48,5117−5123(2000))に基づいて、HPLCを用いてポリアミンを分析することができる。

0064

本明細書において、ポリアミンとは、第1級アミノ基を2つ以上もつ脂肪族炭化水素であれば特に限定されないが、例えば、プトレッシン、スペルミジン、スペルミン、カダベリン等が挙げられる。本発明の発酵エキスが含有するポリアミンの濃度は、各種作用を発揮する観点から高いほど好ましく、発酵エキス中の主要なポリアミンであるプトレッシン、スペルミジンおよびカダベリンの合計が20μM以上であることが好ましく、30μM以上であることがより好ましく、40μM以上であることが特に好ましい。特に、胚軸発酵エキスの場合、スペルミジンおよびカダベリンの合計が310μM以上であることが好ましく、400μM以上であることがより好ましい。

0065

なお、本発明の発酵エキスは、上記のイソフラボン化合物、イソフラボンアグリコンおよびポリアミンについて、これらの各成分自体(原末等)を添加して、上記の含有量としてもよいが、これらの各成分自体は高価であるため、経済性の観点から、そのような添加をすることなく上記の含有量を満たす発酵エキスであることが望ましい。なお、後述の実施例においても示す通り、本発明の発酵エキスは、イソフラボン化合物単独と比較して、高い効果(抗酸化作用、抗糖化作用等)を示すことを、本発明者らは確認している。

0066

得られた発酵エキスが含有する糖質については、老化の原因となるメイラード反応の原料となることや、化粧品に配合したときに、皮膚に塗布したときのべとつきの原因となるため、少ないほうが好ましい。

0067

糖質としては、例えば、グルコース、フルクトース、スクロースおよびマルトースが挙げられる。これらの糖質の分析方法については、特に限定されないが、好ましくはリン酸-フェニルヒドラジン法(糖をカラムで分離した後、リン酸-フェニルヒドラジン試薬と反応させて、蛍光誘導体化後検出する方法)やバイオセンサーを用いる方法が用いられる。

0068

本発明の発酵エキスは、糖質含有量が4.0mg/mL以下であることが好ましく、3.0mg以下であることがより好ましく、1.5mg/mL以下であることがさらに好ましい。特に、グルコースおよびスクロースの含有量の和が3.0mg/mL以下であることが好ましく、1.5mg/mL以下であることがより好ましい。

0069

一態様において、本発明の発酵エキスは、グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL):イソフラボン化合物の含有量(μM)、すなわち、グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL)/イソフラボン化合物の含有量(μM)が0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましく、0.015以下であることがさらに好ましく、0.01以下であることが特に好ましい。

0070

一態様において、本発明の発酵エキスは、イソフラボンアグリコンを含有し、グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL):イソフラボンアグリコンの含有量(μM)、すなわち、グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL)/イソフラボンアグリコンの含有量(μM)が0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましく、0.01以下であることが特に好ましい。

0071

一態様において、本発明の発酵エキスは、グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL):ポリアミンの含有量(μM)、すなわち、グルコースおよびスクロースの含有量の和(mg/mL)/ポリアミンの含有量(μM)が0.3以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましく、0.05以下であることが特に好ましい。

0072

本発明の発酵エキスの他の成分については、特に限定されないが、液体状の窒素分については外原規記載の0.01〜0.04%であることが好ましい。

0073

本発明の発酵エキスは、懸濁状であっても透明であってもよく、色は、例えば、淡い黄色か淡い褐色か無色であることが好ましい。香りは、特に限定されないが、大豆臭が少なく、乳酸菌発酵のさわやかな香りがするものが好ましい。

0074

本発明の発酵エキスは、後述の実施例に示すように、表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用、抗酸化作用、抗糖化作用および保湿作用のいずれか1以上の作用を示し、一態様において、好ましくは表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用ならびに抗糖化作用のいずれか1以上の作用を示す。

0075

表皮角化細胞の細胞賦活活性は、市販されている正常ヒト表皮角化細胞クラボウ社製)に本発明の発酵エキスを培地に対して0.01〜50%添加して培養液を調製し、これを用いて細胞の増殖を促進させるか否かを判定することにより測定することができる。試料が表皮角化細胞の賦活活性を有する場合とは、試料無添加のときの活性を100%とすると、例えば、試料を添加したときの表皮角化細胞の賦活活性が110%以上の場合をさす。

0076

皮膚線維芽細胞の細胞賦活活性は、市販されている正常ヒト皮膚線維芽細胞(クラボウ社製)に本発明の発酵エキスを培地に対して0.01〜50%添加して培養液を調製し、これを用いて細胞の増殖を促進させるか否かを判定することにより測定することができる。試料が線維芽細胞の賦活活性を有する場合とは、試料無添加のときの活性を100%とすると、例えば、試料を添加したときの線維芽細胞の賦活活性が110%以上の場合をさす。

0077

抗酸化作用(DPPHラジカル消去活性)は、擬似活性酸素であるDPPHラジカルに本発明の発酵エキスを添加し、DPPHラジカルを消去するか否かを判定することにより測定することができる。試料が抗酸化作用を有する場合とは、試料無添加のDPPHラジカル消去率を0%とすると、例えば、試料を添加したときのDPPHラジカル消去率が10%以上の場合をさす。

0078

抗酸化作用(細胞保護作用)は、市販されている正常ヒト表皮角化細胞(クラボウ社製)に本発明の発酵エキスを培地に対して0.01〜50%添加して培養液を調製し、これを用いて活性酸素種曝露による細胞ダメージを軽減させるか否かを判定することにより測定することができる。試料が細胞保護作用を有する場合とは、活性酸素を曝露した条件下において、試料無添加の際の細胞生存率に対して、試料添加の際の細胞生存率が10%以上高まる場合をさす。

0079

抗糖化作用は、グルコースとヒト血清アルブミン混合液に本発明の発酵エキスを添加し、これを用いてAGEsの生成を抑制するか否かを判定することにより測定することができる。試料が抗糖化作用を有する場合とは、試料無添加のAGEs生成抑制活性を0%とすると、例えば、試料を添加したときのAGEs生成抑制活性が10%以上の場合をさす。

0080

保湿作用は、ヒトに本発明の発酵エキス0.01〜50%含有の化粧水を塗布した後に角層水分量および経皮水分蒸散量を測定し、角層水分量の増加または経皮水分蒸散量の減少を確認することにより測定することができる。試料保湿作用を有する場合とは、試料含有化粧水の塗布によって試料費含有化粧水を塗布した場合と比較して、角層水分量が10%以上増加する場合、または経皮水分蒸散量が10%以上減少する場合をさす。

0081

本発明は、また、本発明の発酵エキスを含む抗老化剤にも関する。上記の表皮角化細胞賦活作用、皮膚線維芽細胞賦活作用、抗酸化作用、抗糖化作用および保湿作用のいずれか1以上の作用を有することを確認することにより、抗老化剤が抗老化作用を有することを確認することができる。

0082

本発明は、また、本発明の発酵エキスを含む化粧品および皮膚外用剤にも関する。本発明の化粧品および皮膚外用剤は、常法に従い、通常の化粧品および皮膚外用剤として知られる種々の形態の基材に本発明の発酵エキスを配合して調製することができる。発酵エキスの配合量は、効果や安定性等の点から、全量に対して、0.01〜50質量%が好ましい。

0083

化粧品および皮膚外用剤の形態としては、特に限定されず、例えば、乳液クリーム水溶液パック等の任意の剤形を選択することができる。

0084

本発明の化粧品および皮膚外用剤には、上記した必須成分の他に通常の化粧品および皮膚外用剤に配合される成分、例えば、油剤粉体精製水高分子化合物ゲル化剤紫外線吸収剤紫外線散乱剤酸化防止剤色素、防腐剤、香料美容成分を本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。

0085

本発明の発酵エキスを医薬品とする場合、薬学的に許容可能な賦形剤を添加して医薬製剤とすることができる。
医薬製剤は、特に限定されないが、錠剤カプセル剤顆粒剤細粒剤散剤液剤シロップ剤チュアブル、トローチ等の経口剤軟膏剤ゲル剤クリーム剤貼付剤等の外用剤注射剤下剤吸入剤点眼剤坐剤等の剤形であることができる。また、本発明の医薬品は、本発明の発酵エキスを含むキットとして提供することもできる。

0086

本発明の発酵エキスは、摂取容易性の観点から、飲食品に配合することができる。飲食品としては、サプリメント特定保健用食品栄養機能食品、健康食品、機能性食品、健康補助食品、通常の飲食品等が挙げられる。飲食品の形状としては、ジュース清涼飲料ドリンク剤等の液状、ビスケットタブレット顆粒粉末、粉末、カプセル等の固形、ペーストゼリースープ調味料ドレッシング等の半流動状等が挙げられる。

0087

本発明は、また、豆乳を乳酸菌で発酵し、次いでポリアミンを抽出することを特徴とする、ポリアミンの製造方法、および大豆胚軸を乳酸菌で発酵し、次いでポリアミンを抽出することを特徴とする、ポリアミンの製造方法にも関する。これにより、酸の添加なしにポリアミンを製造することができる。該方法は、上記の本発明の発酵エキスに関する記載を参照して行うことができ、例えば、豆乳の乳酸菌による発酵および大豆胚軸の乳酸菌による発酵は、上記工程(A)および(A’)を参照して行うことができる。発酵物からのポリアミンの抽出は、当業者に公知の手法を用いて行うことができ、例えば、上記工程(B)および(C)ならびに工程(B’)および(C’)を参照して行うことができる。

0088

本発明は、また、大豆胚軸を、乳酸菌Lactobacillus delbrueckiiで発酵する工程を含む、イソフラボンアグリコンまたはポリアミンの製造方法にも関する。該方法は、上記の本発明の発酵エキスに関する記載を参照して行うことができる。

0089

本発明は、また、豆乳を、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148、L.delbrueckii subsp.bulgaricus JCM 1001、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1010およびL.delbrueckii subsp.delbrueckii JCM 1012から選択される乳酸菌で発酵して得られる豆乳発酵物ならびに大豆胚軸を乳酸菌Lactobacillus delbrueckiiで発酵して得られる、胚軸発酵物にも関する。これらの発酵物は、上記本発明の発酵エキスに関する記載を参照して、例えば上記工程(A)および(A’)を参照して行うことにより得ることができる。

0090

以下、実施例、比較例、分析例および試験例(単に「実施例等」という場合がある)により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。

0091

〔豆乳発酵エキスの作製〕
[実施例1−1]
<菌前培養をMRS培地で行った豆乳発酵エキスの調製>
豆乳発酵エキスは、以下に示す方法で調製した。

0092

表1に記載の各種L.delbrueckii(独立行政法人理化学研究所より入手)をMRS培地に接種し、37℃で24時間前培養した。培養培地を遠心して集菌した後、10倍濃縮した菌液をそれぞれ無調整豆乳(キッコーマンソイフーズ社製)に接種し、37℃で48時間、嫌気培養した。培養終了後、100℃で30分間加熱し、次いで、エタノールを含量50%(v/v)となるように添加し撹拌した。この添加液を4℃で24時間静置した後、不溶物を遠心および濾過によって除去し、清澄な豆乳発酵エキスを得た。

0093

[実施例1−2]
<菌前培養を無調整豆乳で行った豆乳発酵エキスの調製>
豆乳発酵エキスは、以下に示す方法で調製した。
L.delbrueckii JCM 1105を無調整豆乳に接種し、37℃で24時間前培養した。培養培地を遠心して集菌した後、10倍濃縮した菌液を無調整豆乳(キッコーマンソイフーズ社製)に接種し、37℃で48時間培養した。培養終了後、100℃で30分間加熱し、次いで、エタノールを含量50%(v/v)となるように添加し撹拌した。この添加液を4℃で24時間静置した後、不溶物を遠心および濾過によって除去し、清澄な豆乳発酵エキスを得た。L.delbrueckii JCM 1148を用いて同様の操作を行った場合も、清澄な豆乳発酵エキスが得られた。

0094

[比較例1]
<豆乳抽出エキス(非発酵)の調製>
無調整豆乳(キッコーマンソイフーズ社製)を100℃で30分間加熱し、次いで、エタノールを含量50%(v/v)となるように添加した後、遠心および濾過を行って清澄な豆乳抽出エキス(非発酵)を得た。
[実施例2]
<胚軸発酵エキスの調製>
胚軸発酵エキスは、以下に示す方法で調製した。
ミル破砕した胚軸に16%重量で精製水を加え、室温で5時間浸漬させた。次いで、100℃で2時間加熱処理を行った後、遠心および加熱滅菌処理を行い、得られた液を胚軸抽出液とした。L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105またはL.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148(独立行政法人理化学研究所より入手)をMRS培地に接種し、37℃で24時間前培養し、培養培地を遠心して集菌した後、胚軸抽出液に接種し、37℃で72時間培養した。培養終了後、100℃で30分間加熱し、含量エタノールを50%(v/v)となるように添加して撹拌し、4℃で24時間静置した後、不溶物を遠心および濾過によって除去し、清澄な胚軸発酵エキスを得た。

0095

[比較例2]
<胚軸抽出エキス(非発酵)の調製>
実施例2で調製した胚軸抽出液を100℃で30分間加熱し、次いで、エタノールを含量50%(v/v)となるように添加し、遠心および濾過を行って清澄な胚軸抽出エキス(非発酵)を得た。

0096

〔試料の各種分析〕
[分析例1]
(a)イソフラボンの定量分析
試料は全てPTFE 0.45μmフィルターで濾過した後、下記の条件でHPLC(東ソー社製、LC−8020)に付し、イソフラボン配糖体およびイソフラボンアグリコンを分離、検出した。HPLCカラムはYMC−Triart C18(YMC社製,TA12S03−0546WT,50×4.6mmI.D.,粒子径3μm)を使用した。溶離には、溶離液A(アセトニトリル:精製水:蟻酸=10:90:0.1)と溶離液B(アセトニトリル:精製水:蟻酸=60:40:0.1)をそれぞれ5%および95%含む溶液で開始し、溶離液A 35%、溶離液B 65%で終了する直線濃度勾配を用いた。流速は、2.0mL/minとし、UV検出器を用いて、254nmにおける吸光度を測定した。試料中のイソフラボン含量は、標準液と試料のHPLCチャートより、それぞれ各イソフラボンのピーク面積を求めて算出した。標準化合物として、和光純薬社製のイソフラボン化合物の精製品(ダイジン、グリシチン、ゲニスチン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステイン、6”−O−アセチルダイジン、6”−O−アセチルグリシチン、6”−O−アセチルゲニスチン、6”−O−マロニルダイジン、6”−O−マロニルグリシチンおよび6”−O−マロニルゲニスチン)を用いた。

0097

また、イソフラボン配糖体からイソフラボンアグリコンへの変換率は、発酵前後のイソフラボン配糖体(マロニル配糖体を含む)のモル濃度を算出し、[(発酵前のイソフラボン配糖体)−(発酵後のイソフラボン配糖体)]/(発酵前のイソフラボン配糖体)×100(%)として算出した。
各実施例および比較例のサンプルならびに市販の豆乳発酵液の各種イソフラボンの濃度を表1に示す。

0098

実施例1−1にて調製した豆乳発酵エキスについて、用いる乳酸菌の種類によってアグリコン化の有無に違いがあった。L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148およびL.delbrueckii subsp.bulgaricus JCM 1001を用いた場合には、イソフラボン配糖体であるダイジンおよびゲニスチンの減少とイソフラボンアグリコンであるダイゼインおよびゲニステインの生成が認められ、イソフラボンアグリコン高含有の豆乳発酵エキスを得た。これらのイソフラボンアグリコンの濃度は、すでに市販されている豆乳発酵液よりも高いものであった。また、実施例1−2にて調製した豆乳発酵エキスおいてもイソフラボンのアグリコン化が認められたことから、豆乳発酵エキス作製の菌前培養には、MRS培地だけでなく無調整豆乳も使用できることが明らかとなった。

0099

一方で、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1010およびL.delbrueckii subsp.delbrueckii JCM 1012を用いて作製した豆乳発酵エキスにおいては、イソフラボンのアグリコン化は認められなかった。

0100

また、実施例2にて調製した胚軸発酵エキスについても、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105およびL.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148を用いたとき、比較例2にて調製した胚軸抽出エキス(非発酵)と比較して、イソフラボン配糖体であるダイジン、グリシチンおよびゲニスチンの減少とイソフラボンアグリコンであるダイゼイン、グリシテインおよびゲニステインの増加が認められた。胚軸発酵エキスのイソフラボンアグリコン含有量は、発酵に同一の乳酸菌を用いて調製した実施例1−1の豆乳発酵エキスよりもさらに高いものであった。特に、後述の試験例4においてAGEs生成阻害活性への寄与が特に大きいことが示されたグリシテインを200μM以上と多量に含むものであった。

0101

0102

[分析例2]
(b)ポリアミンの定量分析
試料は全てPTFE 0.45μmフィルターで濾過した後、Novella−Rodriguez S.et al.,J.Agric.Food Chem.,48,5117−5123(2000)らの方法に基づいて、HPLCを用いてポリアミンを分析した[カラム:Nova Pack C18, 3.9 ×150mm,粒径4μm(Waters社製)]。
各実施例および比較例のサンプルならびに市販の豆乳発酵エキスの各種ポリアミンの濃度を表2に示す。

0103

実施例1−1にて調製した豆乳発酵エキスにおけるプトレッシン、スペルミジンおよびカダベリンの濃度は、比較例1の豆乳抽出エキス(非発酵)と比較して約2.0−2.5倍高いことがわかった。これらのポリアミンの濃度は、すでに市販されている豆乳発酵液よりも高いものであった。

0104

また、実施例2にて調製した胚軸発酵エキスにおけるプトレッシン、カダベリンおよびスペルミジンの濃度は、比較例2の胚軸抽出エキス(非発酵)と比較して約1.4−3.0倍高いことがわかった。スペルミンの濃度については、測定限界以下またはプトレッシン、カダベリンおよびスペルミジンの濃度と比較して微量であった。胚軸発酵エキスのポリアミン含有量は、豆乳発酵エキスよりもさらに高いものであり、特に、非常に多量のスペルミジンおよびカダベリンを含有していた。

0105

0106

[分析例3]
(c)全窒素量、pH、グルコース、スクロースおよび乳酸含有量の分析
また、各実施例および比較例のサンプルならびに市販の豆乳発酵液の全窒素量、pH、グルコース、スクロースおよび乳酸含有量を表3に示した。それぞれの分析に用いた手法は以下のとおりである:

0107

豆乳発酵エキスおよび胚軸発酵エキスにおいては、豆乳抽出エキス(非発酵)および胚軸抽出エキス(非発酵)に比較して、pHの低下および乳酸生成が認められた。また、豆乳発酵エキスにおける全窒素量は0.040前後、胚軸発酵エキスにおける全窒素量は、0.110前後であった。豆乳発酵エキスおよび胚軸発酵エキスにおけるグルコースおよびスクロースの合計含有量は、市販の豆乳発酵液に比較して著しく低く、全て1.5mg/mL以下であった。

0108

0109

また、上記分析例1〜3の結果をもとに、各実施例および比較例のサンプルならびに市販の豆乳発酵液について、イソフラボンまたはポリアミン量に対する糖質量を算出した結果を以下の表4および5に示す。なお、表4および5中の各成分の含有量は以下のとおり算出した:
(a1)イソフラボン化合物:表1に記載の9種のイソフラボンの合計量(μM)
(a2)イソフラボンアグリコン:表1に記載のダイゼイン、グリシテインおよびゲニステインの合計量(μM)
(b)ポリアミン:表2に記載のプトレッシン、スペルミジンおよびカダベリンの合計量(μM)
(c)糖質:表3に記載のグルコースおよびスクロースの含有量をμMに換算後の合計量(mg/mL)

0110

試作品効果効能評価〕
[試験例1]表皮角化細胞における発酵エキスの細胞賦活作用の評価
実施例1−1および実施例2で調製した発酵エキスのうち、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105およびL.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148を用いて調製した発酵エキスならびに比較例1および2で調製した抽出エキス(非発酵)について、以下に示す方法で表皮角化細胞における細胞賦活作用を評価した。試料は全て、1規定の水酸化ナトリウムを用いてpH7.4±0.05に調整した後、0.20μmフィルターで濾過滅菌を行った。

0111

正常ヒト表皮角化細胞[クラボウ社製,製品名NHEK(NB)]を1ウェルあたり5×103個となるように96ウェルマイクロプレート播種し、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて48時間培養した。播種培地にはHuMedia−KG2培地(クラボウ社製)を用いた。次いで、HuMedia−KB2(クラボウ社製)培地を用いて各濃度に調製した試料培養液交換し、さらに48時間培養した。各試料培養液の最終エタノール濃度は1%になるように調製を行った。

0112

培養終了後、Cell Counting Kit−8(同仁化学社製)を用い、生細胞数を測定した。評価には、試料培養液の他に、ポジティブコントロールとしてHuMedia−KG2を、各試料のブランクとして1%エタノール含有HuMedia−KB2を用いた。

0113

表皮角化細胞における細胞賦活作用評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした相対値[Index(%)]にて図1に示した。ブランクであるエタノール1%および比較例1の豆乳抽出エキス(非発酵)においては有意な表皮細胞賦活作用が認められなかったのに対し、実施例1−1の豆乳発酵エキスにおいては、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105およびL.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵したサンプルではともに124%と、有意な細胞賦活作用が認められた。また、実施例2の胚軸発酵エキスについても、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105で発酵したサンプルでは152%、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵したサンプルでは151%と、いずれも有意な細胞賦活作用が認められ、また、比較例2の胚軸抽出エキス(非発酵)と比較して高い作用を示し、発酵によって作用が増強する傾向が認められた。図1より明らかなように、本発明の発酵エキスは、正常ヒト表皮角化細胞に対して非常に強力な細胞賦活作用を有していることが確認された。

0114

[試験例2]皮膚線維芽細胞における発酵エキスの細胞賦活作用の評価
試験例1と同様のサンプルについて、以下に示す方法で皮膚線維芽細胞における細胞賦活作用を評価した。試料は全て、1規定の水酸化ナトリウムを用いてpH7.4±0.05に調整した後、0.20μmフィルターで濾過滅菌を行った。

0115

正常ヒト皮膚線維芽細胞[クラボウ社製,製品名NHDF(NB)]を1ウェルあたり2×103個となるように96ウェルマイクロプレートに播種し、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて48時間培養した。播種培地には、10%FBS含有DMEM培地ライフテクノロジー社製)を用いた。次いで、FBS不含DMEM培地を用いて各濃度に調製した試料培養液に交換し、さらに48時間培養した。各試料培養液の最終エタノール濃度は1%になるように調製を行った。

0116

培養終了後、Cell Counting Kit−8(同仁化学社製)を用い、生細胞数を測定した。評価には、試料培養液の他に、ポジティブコントロールとして10%FBS含有DMEM培地を、各試料のブランクとして1%エタノール含有FBS不含DMEM培地を用いた。

0117

皮膚線維芽細胞における細胞賦活作用評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした相対値[Index(%)]にて図2に示した。ブランクであるエタノール1%および比較例1の豆乳抽出エキス(非発酵)においては皮膚線維芽細胞賦活作用が認められなかったのに対し、実施例1−1の豆乳発酵エキスにおいては、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105で発酵したサンプルでは113%、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵したサンプルでは117%と、いずれも有意な細胞賦活作用が認められ、発酵によって作用が増強する傾向が認められた。また、実施例2の胚軸発酵エキスについても、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105で発酵したサンプルでは132%、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵したサンプルでは137%と、強力な細胞賦活作用が認められ、胚軸発酵エキスの効果は、実施例1−1の豆乳発酵エキスと比較してより高いものであった。図2より明らかなように、本発明の発酵エキスは、正常ヒト皮膚線維芽細胞に対して非常に強力な細胞賦活作用を有していることが確認された。

0118

[試験例3]発酵エキスの抗酸化作用(DPPHラジカル消去活性)の評価
試験例1と同様のサンプルおよび市販の豆乳発酵エキスについて、以下に示す方法で抗酸化作用(DPPHラジカル消去活性)を評価した。試料は全て、1規定の水酸化ナトリウムを用いてpH7.4±0.05に調整した後、0.20μmフィルターで濾過滅菌を行った。

0119

96ウェルマイクロプレートに試料を40μLずつ添加した。そこへ、0.1Mリン酸緩衝液(pH5.5)および0.15mMの1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)メタノール溶液をそれぞれ80μLずつ添加し、よく混合した後、室温、暗所にて1時間静置した。静置後、DPPHラジカルに由来する517nmの吸光度を測定した。試料無添加の場合の吸光度を(A)、試料を添加した場合の吸光度を(B)としたとき、DPPHラジカルの消去率次式に定義される。
DPPHラジカル消去率={1−(B)/(A)}×100
抗酸化作用を有するポジティブコントロールとしてTroloxを、各試料のブランクとして50%エタノールを用いた。

0120

抗酸化作用(DPPHラジカル消去活性)評価結果を図3に示した。比較例1の豆乳抽出エキス(非発酵)におけるDPPHラジカル消去活性は54%であったのに対し、実施例1−1の豆乳発酵エキスにおいては、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105で発酵したサンプルでは76%、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵したサンプルでは69%と高いDPPHラジカル消去活性が認められ、発酵によって作用が増強する傾向が認められた。また、比較例2の胚軸抽出エキス(非発酵)におけるDPPHラジカル消去活性は77%であったのに対し、実施例2の胚軸発酵エキスにおいては、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105で発酵したサンプルでは82%、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵したサンプルでは80%と非常に高いDPPHラジカル消去活性が認められ、発酵によって作用が増強する傾向が認められた。また、胚軸発酵エキスの効果は、実施例1−1の豆乳発酵エキスに比較してより高いものであった。一方で、A社およびB社製の豆乳発酵エキスには、DPPHラジカル消去活性はほとんど認められなかった。図3より明らかなように、本発明の発酵エキスは、非常に強力な抗酸化作用を有していることが確認された。

0121

同様の方法で、イソフラボン標品の抗酸化作用を評価した結果を図4に示した。実施例1−1のL.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105およびL.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵した豆乳発酵エキスに含まれるイソフラボンよりも多い200μMのイソフラボン標品においても、高いDPPHラジカル消去活性は認められなかった。このことから、発酵エキスのDPPHラジカル消去活性の大部分は、イソフラボン以外の有効成分によって発揮されていると考えられた。よって、本発明の発酵エキスは、抗酸化物質として広く知られているイソフラボンに加えて、イソフラボン以外の高い抗酸化能を有する成分を含有しており、非常に強力な抗酸化作用を発揮することが確認された。

0122

[試験例4]発酵エキスの抗糖化作用の評価
試験例3と同様のサンプルについて、以下に示す方法で抗糖化作用を評価した。試料は全て、1規定の水酸化ナトリウムを用いてpH7.4±0.05に調整した後、0.20μmフィルターで濾過滅菌を行った。

0123

1.5mLマイクロチューブに500μLの0.1MPBS、20μLの40mg/mLヒト血清アルブミン、100μLの2Mグルコース溶液、360μLの蒸留水および20μLの試料を添加し、よく混合した後60℃で40時間インキュベートした。同時に各反応ブランクとして、グルコース溶液の代わりに蒸留水を添加したものをインキュベートした。陽性コントロールとして試料の代わりに蒸留水を添加したものを、陽性コントロールブランクとして、陽性コントロールのグルコース溶液の代わりに蒸留水を添加したものをインキュベートした。インキュベート後、96ウェルプレート試験溶液分注し、励起波長370nm、蛍光波長440nmにて蛍光を測定した。試料添加の場合の蛍光を(A)、反応ブランクの蛍光を(B)、陽性コントロールの蛍光を(C)、陽性コントロールブランクの蛍光を(D)としたとき、AGEs生成阻害活性は次式に定義される。
AGEs生成阻害活性={1−(A−B)/(C−D)}×100
また、AGEs生成阻害活性を有するポジティブコントロールとして、アミノグアニジンを用いた。

0124

発酵エキスの抗糖化作用評価結果を図5に示した。比較例1の豆乳抽出エキス(非発酵)におけるAGEs生成阻害活性は17%であったのに対し、実施例1−1の豆乳発酵エキスにおいては、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105で発酵したサンプルでは30%、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵したサンプルでは36%と高いAGEs生成阻害活性が認められ、発酵によって作用が増強する傾向が認められた。また、比較例2の胚軸抽出エキス(非発酵)におけるAGEs生成阻害活性は81%であったのに対し、実施例2の胚軸発酵エキスにおいては、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105およびL.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵したサンプルともに100%という非常に高いAGEs生成阻害活性が認められ、豆乳発酵エキスと同様に、発酵によって作用が増強する傾向が認められた。また、胚軸発酵エキスの効果は、実施例1−1の豆乳発酵エキスに比較してより高いものであった。一方で、A社およびB社製の豆乳発酵エキスには、AGEs生成阻害活性は認められなかった。図5より明らかなように、本発明の発酵エキスは、非常に強力な抗糖化作用を有していることが確認された。

0125

同様に、イソフラボン標品の抗糖化作用を評価した結果を図6に示した。豆乳発酵エキスに含まれるダイジン、ダイゼイン、ゲニスチンおよびゲニステインについては、実施例1−1のL.delbrueckii subsp.lactis JCM 1105およびL.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148で発酵した豆乳発酵エキスに含まれる濃度よりも高い200μMの標品においても、豆乳発酵エキスに匹敵する強力な抗糖化作用は認められなかった。このことから、豆乳発酵エキスの抗糖化作用は、イソフラボンの組み合わせによって相乗的な効果が発揮されているか、もしくはイソフラボン以外の有効成分によっても効果が発揮されている可能性が考えられた。また、グリシテイン200μM標品において非常に顕著なAGEs生成阻害作用が認められたことから、図5で示した胚軸発酵エキスの抗糖化作用は、主にグリシテインによって発揮されている可能性が考えられた。

0126

[試験例5]豆乳発酵エキスの抗酸化作用(細胞保護作用)の評価
実施例1−1で調製した豆乳発酵エキスのうち、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148を用いて調製した豆乳発酵エキスおよび比較例1で調製した豆乳抽出エキス(非発酵)について、以下に示す方法で抗酸化作用(細胞保護作用)を評価した。試料は全て、1規定の水酸化ナトリウムを用いてpH7.4±0.05に調整した後、0.20μmフィルターで濾過滅菌を行った。

0127

正常ヒト表皮角化細胞[クラボウ社製,製品名NHEK(NB)]を1ウェルあたり10×103個となるように96ウェルマイクロプレートに播種し、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養した。播種培地にはHuMedia−KG2培地(クラボウ社製)を用いた。次いで、HuMedia−KB2(クラボウ社製)培地を用いて各濃度に調製した試料培養液に交換し、さらに24時間培養した。各試料培養液の最終エタノール濃度は1%になるように調製を行った。試料培養液への交換から24時間後に、tert−butyl hydroperoxide(t−BHP)を最終濃度0.5mMとなるように曝露し、2時間培養した。次いで、各ウェルをHBSS(−)で十分に洗浄した後、HuMedia−KB2培地でさらに22時間培養を行った。

0128

培養終了後、Cell Counting Kit−8(同仁化学社製)を用い、細胞生存率を算出した。評価には、試料培養液の他に、ポジティブコントロールとしてTroloxを、TroloxのブランクとしてDMSOを、各試料のブランクとして1%エタノール含有HuMedia−KB2培地を用いた。

0129

抗酸化作用(細胞保護作用)評価結果を図7に示した。比較例1の豆乳抽出エキス(非発酵)における細胞生存率は14%であったのに対し、実施例1−1の豆乳発酵エキスにおいては48%と高い細胞生存率が認められ、発酵によって細胞保護作用が増強する傾向が認められた。図7より明らかなように、本発明の豆乳発酵エキスは、非常に強力な抗酸化作用を有していることが確認された。

0130

[試験例6]豆乳発酵エキスの保湿作用の評価
実施例1−1で調製した豆乳発酵エキスのうち、L.delbrueckii subsp.lactis JCM 1148を用いて調製した豆乳発酵エキスについて、以下に示す方法でヒトin vivoにおける保湿作用を評価した。試料は全て、1規定の水酸化ナトリウムを用いてpH7.4±0.05に調整した後、0.20μmフィルターで濾過滅菌を行った。

0131

豆乳発酵エキスを用いて、表6の処方に基づき2種類の化粧水を作製し、試験試料とした。

0132

0133

被験者前腕内側部に3cm四方試験部位を取り、試験試料を1日3回、3日間塗布した。試験試料の最終塗布から8〜10時間後に、角層水分量および経皮水分蒸散量の測定を行った。角層水分量の測定には高感度角層膜厚水分計ASA−MX3を、経皮水分蒸散量の測定にはバポスキャンAS−VT100RSを用いた(ともにアサヒバイオメッド社製)。

0134

豆乳発酵エキスの保湿作用評価結果を図8および図9に示した。3名の被験者いずれにおいても、豆乳発酵エキス含有化粧水の塗布によって角層水分量が10%以上増加した。また、豆乳発酵エキス含有化粧水の塗布によって経皮水分蒸散量は10%以上減少する傾向が認められた。このことから、豆乳発酵エキスは角層水分量増加作用および角層バリア機能増強作用を有しており、ヒトin vivoにおいて保湿作用を発揮することが確認された。

実施例

0135

本出願は、2012年12月11日に出願された日本国特許出願第2012−269928号、2013年7月1日に出願された日本国特許出願第2013−137901号、および2013年7月17日に出願された日本国特許出願第2013−148391号に基づく優先権を主張するものであり、この内容はここに参照として組み込まれる。

0136

本発明によれば、イソフラボンアグリコンおよびポリアミンが高含有である豆乳発酵エキスを提供することができ、特に、糖質含量が少なく、表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用、抗酸化作用、抗糖化作用ならびに保湿作用などの抗老化作用を示す豆乳発酵エキスを提供することができる。また、本発明によれば、大豆胚軸を乳酸菌で発酵することによって得られる胚軸発酵エキスを提供することができ、特に、イソフラボンアグリコンおよびポリアミンが高含有であり、表皮角化細胞および皮膚線維芽細胞に対する細胞賦活作用、抗酸化作用ならびに抗糖化作用などの抗老化作用を有する胚軸発酵エキスを提供することができる。本発明の豆乳発酵エキスおよび胚軸発酵エキスは、化粧品、医薬品、飲食品の分野において、産業上の利用可能性を有する。

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