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技術 半導体素子用洗浄液及びそれを用いた洗浄方法

出願人 三菱瓦斯化学株式会社
発明者 島田憲司尾家俊行中山亮太大戸秀
出願日 2013年11月29日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2014-551069
公開日 2017年1月5日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 WO2014-087925
状態 特許登録済
技術分野 半導体の洗浄、乾燥 洗浄性組成物
主要キーワード 評価機器 前洗浄液 配線素材 信号伝送遅延 金属エッチング剤 チタン錯体化合物 除去状態 後洗浄液
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年1月5日)のものです。
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図面 (2)

課題・解決手段

過酸化水素を10〜30質量%、4級アンモニウム水酸化物を0.005〜10質量%、水酸化カリウムを0.005〜5質量%、アミノポリメチレンホスホン酸を0.000005〜0.005質量%および水を含む洗浄液洗浄することにより、低誘電率層間絶縁膜(4)、銅あるいは銅合金などの配線材料(2)、バリアメタル(1)及びバリア絶縁膜(3)を腐食することなく、ハードマスク(5)、オルガノシロキサン系薄膜(6)、ドライエッチング残渣(8)およびフォトレジスト(7)を除去することができる。また、本発明の好ましい態様によれば、洗浄液に酸を添加した場合でも銅配線ダメージを抑制し、洗浄液にチタンを添加した場合でも大きな過酸化水素の分解を起こさない。

概要

背景

高集積化された半導体素子の製造は、通常、シリコンウェハなどの素子上に、導電配線素材となる金属膜などの導電薄膜や、導電薄膜間の絶縁を行う目的の層間絶縁膜を形成した後、その表面にフォトレジスト均質に塗布して感光層を設け、これに選択的露光及び現像処理を実施し所望のレジストパターンを作成する。次いでこのレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜にドライエッチング処理を施すことにより該薄膜に所望のパターンを形成する。そして、レジストパターンおよびドライエッチング処理により発生した残渣物(以下、「ドライエッチング残渣」と称す)を酸素プラズマによるアッシング洗浄液などにより完全に除去するという一連の工程が一般的にとられている。

近年、デザインルール微細化が進み、信号伝送遅延高速演算処理限界を支配するようになってきた。そのため、導電用配線素材がアルミニウムから、電気抵抗のより低い銅へ移行し、それに伴い、層間絶縁膜はシリコン酸化膜から低誘電率層間絶縁膜比誘電率が3より小さい膜。以下、「低誘電率層間絶縁膜」と称す)への移行が進んでいる。また、銅が層間絶縁膜に拡散することを防止するために、銅はタンタル窒化タンタルなどの金属(以下、「バリアメタル」と称す)と窒化シリコン炭化シリコンなどの絶縁膜(以下、「バリア絶縁膜」と称す)で覆われる。さらに、フォトレジストと層間絶縁膜の間に下地素子の凸凹や溝などのギャップ充填して平坦化する機能や、素子から反射した放射線を吸収する機能、およびドライエッチング時に層間絶縁膜の形状を維持し精密微細加工しやすくする機能を有する膜が使用されるようになってきている。このような膜には、例えば、光吸収化合物を含むオルガノシロキサン薄膜(以下、「オルガノシロキサン系薄膜」と称す)がある。また、0.2μm以下のパターンを形成する場合、膜厚1μmのレジストではパターンのアスペクト比レジスト膜厚レジスト線幅で割った比)が大きくなりすぎ、パターンが倒壊するなどの問題が生じている。これを解決するために、実際に形成したいパターン膜レジスト膜の間にTi系やSi系の膜(以下、「ハードマスク」と称す)を挿入し、一旦レジストパターンをハードマスクにドライエッチングで転写し、その後、このハードマスクをエッチングマスクとして、ドライエッチングにより実際に形成したい膜にパターンを転写するハードマスク法が使われることがある。この方法は、ハードマスクをエッチングするときのガスと実際に形成したい膜をエッチングするときのガスを換えることができ、ハードマスクをエッチングするときにはレジストとの選択比がとれ、実際の膜をエッチングするときにはハードマスクとの選択比がとれるガスを選ぶことができるので、薄いレジストで、パターンを形成できるという利点がある。

しかしながら、ハードマスクやオルガノシロキサン系薄膜、フォトレジストを酸素プラズマにより除去する場合、オルガノシロキサン系薄膜の下に存在する低誘電率層間絶縁膜が、酸素プラズマなどに曝されてダメージを受けるおそれがある。例えば、ビアファーストデュアルダマシンプロセスによるパターン形成では、ビア部に充填されたオルガノシロキサン系薄膜を酸素プラズマで除去する際にビア部周辺の低誘電率層間絶縁膜がダメージを受ける結果、電気特性が著しく劣化するという問題が生じている。一方で、ハードマスクやオルガノシロキサン系薄膜の除去工程ではドライエッチング残渣がウェハに付着しているので、同時にドライエッチング残渣も除去しなければならない。従って、低誘電率層間絶縁膜が使用される半導体素子製造においては、低誘電率層間絶縁膜、銅、バリアメタル及びバリア絶縁膜のダメージを抑制しつつ、酸素プラズマ工程と同程度にハードマスクやオルガノシロキサン系薄膜、フォトレジストを除去し、同時にドライエッチング残渣も除去する方法が求められている。

近年、ドライエッチングではフルオロカーボン系のガスが一般的に使用されているため、ドライエッチング残渣にはフッ素が含有されている。このため、ドライエッチング残渣の除去過程で、洗浄液にフッ素が混入する。フッ素は特にpHが酸性になった場合に低誘電率層間絶縁膜と銅に深刻なダメージを与える。ところが、洗浄液のpHが酸性ではない場合でも、ドライエッチング残渣を除去した後の洗浄液を用いて半導体素子を洗浄したところ、低誘電率層間絶縁膜と銅に深刻なダメージが観察される場合があった。このダメージの原因は明らかではないが、SiやOを含む低誘電率層間絶縁膜をフルオロカーボン系のガスでドライエッチングされるとき、SiO2をHFで溶解した場合と同様に、ドライエッチング残渣の一部はH2SiF6のような酸になると予想される。ドライエッチングガスの影響で半導体素子上にはフッ素も存在するため、洗浄液で洗浄している最中に局所的にフッ酸が形成され、低誘電率層間絶縁膜と銅のダメージを引き起こすと考えている。そこで、ドライエッチング残渣が洗浄液に混入した場合でも低誘電率層間絶縁膜と銅にダメージを与えることなく半導体素子を洗浄する方法が求められている。

ハードマスクとしてチタンまたは窒化チタンが用いられる場合がある。この場合、ハードマスクを洗浄液で除去すると、洗浄液にチタンが混入する。過酸化酸素を含んでいる洗浄液の場合、チタンが混入すると過酸化水素の分解が加速されて洗浄液の保存安定性が悪化するため、洗浄液に混入するチタンによる過酸化水素の分解を抑制する方法が求められている。

特許文献1には、過酸化水素とアミノポリメチレンホスホン類と水酸化カリウムおよび水を含む洗浄液による半導体素子の洗浄方法が提案されている。

特許文献2には、過酸化水素、水酸化級アンモニウムおよびタングステン防食剤を含有しpHが7以上10以下である配線基板処理液であって、タングステンの防食剤が4級アンモニウム及およびその塩、4級ピリジニウムおよびその塩、4級ビピリジニウムおよびその塩、並びに4級イミダゾリウムおよびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする洗浄液が提案されている。

特許文献3には、10〜40質量%の過酸化水素と、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドとを含有し、25℃におけるpHが6.0〜8.2である窒化チタン除去液が提案されている。

特許文献4には、酸化剤、金属エッチング剤、および界面活性剤を含み、pHが10〜14である半導体デバイス洗浄剤が提案されている。

特許文献5には、チタン錯体化合物を主たる触媒として製造されたポリエステルが提案されており、該チタン錯体化合物のキレート剤としてヒドロキシ多価カルボン酸及び/または含窒素多価カルボン酸が挙げられている。

概要

過酸化水素を10〜30質量%、4級アンモニウム水酸化物を0.005〜10質量%、水酸化カリウムを0.005〜5質量%、アミノポリメチレンホスホン酸を0.000005〜0.005質量%および水を含む洗浄液で洗浄することにより、低誘電率層間絶縁膜(4)、銅あるいは銅合金などの配線材料(2)、バリアメタル(1)及びバリア絶縁膜(3)を腐食することなく、ハードマスク(5)、オルガノシロキサン系薄膜(6)、ドライエッチング残渣(8)およびフォトレジスト(7)を除去することができる。また、本発明の好ましい態様によれば、洗浄液に酸を添加した場合でも銅配線のダメージを抑制し、洗浄液にチタンを添加した場合でも大きな過酸化水素の分解を起こさない。

目的

本発明は、上記従来における問題に鑑み、低誘電率層間絶縁膜、銅配線、バリアメタル、及びバリア絶縁膜のダメージを抑制しつつ、オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去する洗浄液及びそれを用いた洗浄方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

バリアメタルと、銅配線あるいは銅合金配線と、低誘電率層間絶縁膜とを有する基板上に、バリア絶縁膜、低誘電率層間絶縁膜、ハードマスクオルガノシロキサン系薄膜、及びフォトレジストを順に積層した後、該フォトレジストに選択的露光及び現像処理を施し、フォトレジストパターンを形成し、次いで、このフォトレジストパターンをマスクとして、前記オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、低誘電率層間絶縁膜およびバリア絶縁膜にドライエッチング処理を施した半導体素子洗浄して、前記オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去する洗浄液であって、過酸化水素を10〜30質量%、4級アンモニウム水酸化物を0.005〜10質量%、水酸化カリウムを0.005〜5質量%、アミノポリメチレンホスホン酸を0.000005〜0.005質量%および水を含む洗浄液。

請求項2

前記ハードマスクが窒化チタンまたはチタンを含有する請求項1記載の洗浄液。

請求項3

前記4級アンモニウム水酸化物が、水酸化テトラメチルアンモニウム水酸化テトラエチルアンモニウム水酸化テトラプロピルアンモニウム水酸化テトラブチルアンモニウム及び水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項1または2記載の洗浄液。

請求項4

前記アミノポリメチレンホスホン酸が、アミノトリメチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)および1,2−プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄液。

請求項5

ナトリウム濃度が0.1ppm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄液。

請求項6

バリアメタルと、銅配線あるいは銅合金配線と、低誘電率層間絶縁膜とを有する基板上に、バリア絶縁膜、低誘電率層間絶縁膜、ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、及びフォトレジストを積層した後、該フォトレジストに選択的露光及び現像処理を施し、フォトレジストパターンを形成し、次いで、このフォトレジストパターンをマスクとして、前記オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、低誘電率層間絶縁膜およびバリア絶縁膜にドライエッチング処理を施した半導体素子に、過酸化水素を10〜30質量%、4級アンモニウム水酸化物を0.005〜10質量%、水酸化カリウムを0.005〜5質量%、アミノポリメチレンホスホン酸を0.000005〜0.005質量%および水を含む洗浄液を用いて、前記ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去することを特徴とする半導体素子の洗浄方法

請求項7

前記ハードマスクが窒化チタンまたはチタンを含有する請求項6記載の洗浄方法。

請求項8

前記4級アンモニウム水酸化物が、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム及び水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項6または7記載の洗浄方法。

請求項9

前記アミノポリメチレンホスホン酸が、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)および1,2−プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項6〜8のいずれかに記載の洗浄方法。

請求項10

ナトリウム含有量が0.1ppm以下である請求項6〜9のいずれかに記載の洗浄方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体集積回路の製造工程において使用される洗浄剤及びそれを用いた洗浄方法に関する。本発明は、特に、バリアメタルと、銅配線あるいは銅合金配線と、低誘電率層間絶縁膜とを有する基板上に、バリア絶縁膜、低誘電率層間絶縁膜、ハードマスクオルガノシロキサン系薄膜、及びフォトレジストを積層した後、該フォトレジストに選択的露光及び現像処理を施し、フォトレジストパターンを形成し、次いで、このフォトレジストパターンをマスクとして、前記オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、低誘電率層間絶縁膜、バリア絶縁膜にドライエッチング処理を施した半導体素子洗浄して、前記低誘電率層間絶縁膜、銅配線、バリアメタル、及びバリア絶縁膜のダメージを抑制しつつ、前記オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去する洗浄液及びそれを用いた洗浄方法に関する。

背景技術

0002

高集積化された半導体素子の製造は、通常、シリコンウェハなどの素子上に、導電配線素材となる金属膜などの導電薄膜や、導電薄膜間の絶縁を行う目的の層間絶縁膜を形成した後、その表面にフォトレジストを均質に塗布して感光層を設け、これに選択的露光及び現像処理を実施し所望のレジストパターンを作成する。次いでこのレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜にドライエッチング処理を施すことにより該薄膜に所望のパターンを形成する。そして、レジストパターンおよびドライエッチング処理により発生した残渣物(以下、「ドライエッチング残渣」と称す)を酸素プラズマによるアッシングや洗浄液などにより完全に除去するという一連の工程が一般的にとられている。

0003

近年、デザインルール微細化が進み、信号伝送遅延高速演算処理限界を支配するようになってきた。そのため、導電用配線素材がアルミニウムから、電気抵抗のより低い銅へ移行し、それに伴い、層間絶縁膜はシリコン酸化膜から低誘電率層間絶縁膜(比誘電率が3より小さい膜。以下、「低誘電率層間絶縁膜」と称す)への移行が進んでいる。また、銅が層間絶縁膜に拡散することを防止するために、銅はタンタル窒化タンタルなどの金属(以下、「バリアメタル」と称す)と窒化シリコン炭化シリコンなどの絶縁膜(以下、「バリア絶縁膜」と称す)で覆われる。さらに、フォトレジストと層間絶縁膜の間に下地素子の凸凹や溝などのギャップ充填して平坦化する機能や、素子から反射した放射線を吸収する機能、およびドライエッチング時に層間絶縁膜の形状を維持し精密微細加工しやすくする機能を有する膜が使用されるようになってきている。このような膜には、例えば、光吸収化合物を含むオルガノシロキサン薄膜(以下、「オルガノシロキサン系薄膜」と称す)がある。また、0.2μm以下のパターンを形成する場合、膜厚1μmのレジストではパターンのアスペクト比レジスト膜厚レジスト線幅で割った比)が大きくなりすぎ、パターンが倒壊するなどの問題が生じている。これを解決するために、実際に形成したいパターン膜レジスト膜の間にTi系やSi系の膜(以下、「ハードマスク」と称す)を挿入し、一旦レジストパターンをハードマスクにドライエッチングで転写し、その後、このハードマスクをエッチングマスクとして、ドライエッチングにより実際に形成したい膜にパターンを転写するハードマスク法が使われることがある。この方法は、ハードマスクをエッチングするときのガスと実際に形成したい膜をエッチングするときのガスを換えることができ、ハードマスクをエッチングするときにはレジストとの選択比がとれ、実際の膜をエッチングするときにはハードマスクとの選択比がとれるガスを選ぶことができるので、薄いレジストで、パターンを形成できるという利点がある。

0004

しかしながら、ハードマスクやオルガノシロキサン系薄膜、フォトレジストを酸素プラズマにより除去する場合、オルガノシロキサン系薄膜の下に存在する低誘電率層間絶縁膜が、酸素プラズマなどに曝されてダメージを受けるおそれがある。例えば、ビアファーストデュアルダマシンプロセスによるパターン形成では、ビア部に充填されたオルガノシロキサン系薄膜を酸素プラズマで除去する際にビア部周辺の低誘電率層間絶縁膜がダメージを受ける結果、電気特性が著しく劣化するという問題が生じている。一方で、ハードマスクやオルガノシロキサン系薄膜の除去工程ではドライエッチング残渣がウェハに付着しているので、同時にドライエッチング残渣も除去しなければならない。従って、低誘電率層間絶縁膜が使用される半導体素子製造においては、低誘電率層間絶縁膜、銅、バリアメタル及びバリア絶縁膜のダメージを抑制しつつ、酸素プラズマ工程と同程度にハードマスクやオルガノシロキサン系薄膜、フォトレジストを除去し、同時にドライエッチング残渣も除去する方法が求められている。

0005

近年、ドライエッチングではフルオロカーボン系のガスが一般的に使用されているため、ドライエッチング残渣にはフッ素が含有されている。このため、ドライエッチング残渣の除去過程で、洗浄液にフッ素が混入する。フッ素は特にpHが酸性になった場合に低誘電率層間絶縁膜と銅に深刻なダメージを与える。ところが、洗浄液のpHが酸性ではない場合でも、ドライエッチング残渣を除去した後の洗浄液を用いて半導体素子を洗浄したところ、低誘電率層間絶縁膜と銅に深刻なダメージが観察される場合があった。このダメージの原因は明らかではないが、SiやOを含む低誘電率層間絶縁膜をフルオロカーボン系のガスでドライエッチングされるとき、SiO2をHFで溶解した場合と同様に、ドライエッチング残渣の一部はH2SiF6のような酸になると予想される。ドライエッチングガスの影響で半導体素子上にはフッ素も存在するため、洗浄液で洗浄している最中に局所的にフッ酸が形成され、低誘電率層間絶縁膜と銅のダメージを引き起こすと考えている。そこで、ドライエッチング残渣が洗浄液に混入した場合でも低誘電率層間絶縁膜と銅にダメージを与えることなく半導体素子を洗浄する方法が求められている。

0006

ハードマスクとしてチタンまたは窒化チタンが用いられる場合がある。この場合、ハードマスクを洗浄液で除去すると、洗浄液にチタンが混入する。過酸化酸素を含んでいる洗浄液の場合、チタンが混入すると過酸化水素の分解が加速されて洗浄液の保存安定性が悪化するため、洗浄液に混入するチタンによる過酸化水素の分解を抑制する方法が求められている。

0007

特許文献1には、過酸化水素とアミノポリメチレンホスホン類と水酸化カリウムおよび水を含む洗浄液による半導体素子の洗浄方法が提案されている。

0008

特許文献2には、過酸化水素、水酸化級アンモニウムおよびタングステン防食剤を含有しpHが7以上10以下である配線基板処理液であって、タングステンの防食剤が4級アンモニウム及およびその塩、4級ピリジニウムおよびその塩、4級ビピリジニウムおよびその塩、並びに4級イミダゾリウムおよびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする洗浄液が提案されている。

0009

特許文献3には、10〜40質量%の過酸化水素と、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドとを含有し、25℃におけるpHが6.0〜8.2である窒化チタン除去液が提案されている。

0010

特許文献4には、酸化剤、金属エッチング剤、および界面活性剤を含み、pHが10〜14である半導体デバイス用洗浄剤が提案されている。

0011

特許文献5には、チタン錯体化合物を主たる触媒として製造されたポリエステルが提案されており、該チタン錯体化合物のキレート剤としてヒドロキシ多価カルボン酸及び/または含窒素多価カルボン酸が挙げられている。

先行技術

0012

WO2008/114616
特開2008−285508号公報
特開2010−10273号公報
特開2009−231354号公報
特開2007−211035号公報

発明が解決しようとする課題

0013

しかし、特許文献1〜5ではハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、フォトレジスト、及びドライエッチング残渣を十分に除去することができなかったり、洗浄液に酸が混入した場合、銅へのダメージを十分に抑制することができないという問題点を有していた。さらに、チタンが洗浄液に混入した場合の過酸化水素の分解が大きい等の問題点を有していた(後述する比較例1〜5を参照)。
本発明は、上記従来における問題に鑑み、低誘電率層間絶縁膜、銅配線、バリアメタル、及びバリア絶縁膜のダメージを抑制しつつ、オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去する洗浄液及びそれを用いた洗浄方法を提供することを課題とする。更に、本発明は、洗浄液に酸を添加した場合でも銅配線のダメージを抑制し、洗浄液にチタンを添加した場合でも大きな過酸化水素の分解を起こさない洗浄液及びそれを用いた洗浄方法を提供することを課題とする。

課題を解決するため手段

0014

本発明は、以下の態様を含むものである。
<1>バリアメタルと、銅配線あるいは銅合金配線と、低誘電率層間絶縁膜とを有する基板上に、バリア絶縁膜、低誘電率層間絶縁膜、ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、及びフォトレジストを順に積層した後、該フォトレジストに選択的露光及び現像処理を施し、フォトレジストパターンを形成し、次いで、このフォトレジストパターンをマスクとして、前記オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、低誘電率層間絶縁膜およびバリア絶縁膜にドライエッチング処理を施した半導体素子を洗浄して、前記オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去する洗浄液であって、過酸化水素を10〜30質量%、4級アンモニウム水酸化物を0.005〜10質量%、水酸化カリウムを0.005〜5質量%、アミノポリメチレンホスホン酸を0.000005〜0.005質量%および水を含む洗浄液である。
<2> 前記ハードマスクが窒化チタンまたはチタンを含有する上記<1>記載の洗浄液である。
<3> 前記4級アンモニウム水酸化物が、水酸化テトラメチルアンモニウム水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム水酸化テトラブチルアンモニウム及び水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である上記<1>または<2>記載の洗浄液である。
<4> 前記アミノポリメチレンホスホン酸が、アミノトリメチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)および1,2−プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である上記<1>〜<3>のいずれかに記載の洗浄液である。
<5>ナトリウム濃度が0.1ppm以下である上記<1>〜<4>のいずれかに記載の洗浄液である。
<6> バリアメタルと、銅配線あるいは銅合金配線と、低誘電率層間絶縁膜とを有する基板上に、バリア絶縁膜、低誘電率層間絶縁膜、ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、及びフォトレジストを積層した後、該フォトレジストに選択的露光及び現像処理を施し、フォトレジストパターンを形成し、次いで、このフォトレジストパターンをマスクとして、前記オルガノシロキサン系薄膜、ハードマスク、低誘電率層間絶縁膜およびバリア絶縁膜にドライエッチング処理を施した半導体素子に、過酸化水素を10〜30質量%、4級アンモニウム水酸化物を0.005〜10質量%、水酸化カリウムを0.005〜5質量%、アミノポリメチレンホスホン酸を0.000005〜0.005質量%および水を含む洗浄液を用いて、前記ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去することを特徴とする半導体素子の洗浄方法である。
<7> 前記ハードマスクが窒化チタンまたはチタンを含有する上記<6>記載の洗浄方法である。
<8> 前記4級アンモニウム水酸化物が、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム及び水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である上記<6>または<7>記載の洗浄方法である。
<9> 前記アミノポリメチレンホスホン酸が、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)および1,2−プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である上記<6>〜<8>のいずれかに記載の洗浄方法である。
<10>ナトリウム含有量が0.1ppm以下である上記<6>〜<9>のいずれかに記載の洗浄方法である。

発明の効果

0015

本発明の好ましい態様によれば、低誘電率層間絶縁膜、銅配線、バリアメタル、及びバリア絶縁膜のダメージを抑制しつつ、ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去する洗浄液及びそれを用いた洗浄方法を提供することできる。更に、本発明の好ましい態様によれば、洗浄液に酸を添加した場合でも銅配線のダメージを抑制し、洗浄液にチタンを添加した場合でも大きな過酸化水素の分解を起こさない洗浄液及びそれを用いた洗浄方法を提供することが可能となり、高精度、高品質の半導体素子を歩留まりよく製造することができる。

図面の簡単な説明

0016

図1は、バリアメタル、銅配線あるいは銅合金配線、バリア絶縁膜、低誘電率層間絶縁膜、ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを含んだ半導体素子の概略断面図である。

0017

以下、本発明について実施形態および例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態および例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
本発明の洗浄液は、過酸化水素を10〜30質量%、4級アンモニウム水酸化物を0.005〜10質量%、水酸化カリウムを0.005〜5質量%、アミノポリメチレンホスホン酸を0.000005〜0.005質量%および水を含む。以下、各成分について詳細に説明する。

0018

本発明に使用される過酸化水素の濃度範囲は、10〜30質量%、好ましくは13〜25質量%で、特に好ましくは15〜20質量%である。10〜30質量%だと効果的にハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去できる。

0019

本発明に使用される4級アンモニウム水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。これらの4級アンモニウム水酸化物は、単独または2種類以上を組み合わせて配合できる。

0020

本発明に使用される上記4級アンモニウム水酸化物の濃度範囲は、0.005〜10質量%、好ましくは0.01〜8質量%で、特に好ましくは0.05〜5質量%である。0.005〜10質量%の範囲内だと、低誘電率層間絶縁膜及び銅配線のダメージを抑制しつつ、ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、ドライエッチング残渣およびフォトレジストの除去を効果的に行うことが可能であり、洗浄液に酸を添加した場合でも銅配線のダメージを抑制し、洗浄液にチタンを添加した場合でも大きな過酸化水素の分解を起こさない。

0021

本発明に使用される水酸化カリウムの濃度範囲は、0.005〜5質量%、好ましくは0.01〜3質量%で、特に好ましくは0.02〜1質量%である。0.005〜5質量%の範囲内だと、低誘電率層間絶縁膜及び銅配線のダメージを抑制しつつ、ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、ドライエッチング残渣およびフォトレジストの除去を効果的に行うことができる。

0022

本発明に使用されるアミノポリメチレンホスホン酸の例としては、例えば、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、1,2−プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)などが挙げられる。これらのアミノポリメチレンホスホン酸は、単独または2種類以上を組み合わせて配合できる。

0023

本発明に使用される上記アミノポリメチレンホスホン酸の濃度範囲は、0.000005〜0.005質量%であり、好ましくは0.00001〜0.003質量%であり、特に好ましくは0.0001〜0.003質量%である。0.000005〜0.005質量%の範囲内だと、銅配線のダメージを抑制することができる。

0024

本発明の洗浄液において、特に好ましい組み合わせは、過酸化水素を15〜20質量%、4級アンモニウム水酸化物を0.01〜8質量%、水酸化カリウムを0.02〜1質量%、アミノポリメチレンホスホン酸を0.00001〜0.003質量%含有する。

0025

本発明の洗浄液に含まれる不純物としてのナトリウム濃度は、質量として0.1ppm以下であることが好ましく、0.05ppm以下であることがより好ましく、0.03ppm以下であることがさらに好ましい。なお、上記水酸化カリウム中でナトリウム不可避不純物であるため、実際上は洗浄用組成物中に0.001ppm程度は含まれてしまう。0.1ppmより多いナトリウムが含まれると、製造される半導体の特性が低下する恐れがある。

0026

本発明の洗浄液を使用するハードマスクとして、例えば窒化チタンまたはチタンを使用することができる。

0027

本発明の洗浄液には、所望により本発明の目的を損なわない範囲で従来から半導体用洗浄液に使用されている添加剤を配合してもよい。
例えば、添加剤として、界面活性剤、消泡剤等を添加することができる。

0028

本発明の洗浄液を使用する温度は20〜80℃、好ましくは25〜70℃の範囲であり、エッチングの条件や使用される半導体基体により適宜選択すればよい。本発明の洗浄方法は、必要に応じて超音波を併用することができる。
本発明の洗浄液を使用する時間は0.3〜20分、好ましくは0.5〜10分の範囲であり、エッチングの条件や使用される半導体基体により適宜選択すればよい。
本発明の洗浄液を使用した後のリンス液としては、アルコールのような有機溶剤を使用することもできるが、水でリンスするだけでも十分である。

0029

本発明が適用できる半導体素子および表示素子は、シリコン非晶質シリコンポリシリコンガラスなどの基板材料酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン及びこれらの誘導体などの絶縁材料;タンタル、窒化タンタル、ルテニウム酸化ルテニウムなどのバリア材料;銅、銅合金などの配線材料ガリウム砒素、ガリウム−リンインジウム−リン、インジウム−ガリウム−砒素、インジウム−アルミニウム−砒素等の化合物半導体クロム酸化物などの酸化物半導体などを含む。

0030

一般的に低誘電率層間絶縁膜として、ヒドロキシシルセスキオキサン(HSQ)系やメチルシルセスキオキサン(MSQ)系のOCD (商品名、東京応化工業社製)、炭素ドープ酸化シリコン(SiOC)系のBlack Diamond(商品名、Applied Materials社製)、Aurora(商品名、ASMInternational社製)、Coral(商品名、Novellus Systems社製)、無機系のOrion(商品名、Trikon Tencnlogies社製)が使用される。低誘電率層間絶縁膜はこれらに限定されるものではない。

0031

一般的にバリアメタルとして、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、マンガンマグネシウムコバルト並びにこれらの酸化物が使用される。バリアメタルはこれらに限定されるものではない。

0032

一般的にバリア絶縁膜として、窒化シリコン、炭化シリコン、窒化炭化シリコンが使用される。バリア絶縁膜はこれらに限定されるものではない。

0033

次に、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。

0034

材質除去状態とダメージの評価方法および評価機器
材質の除去状態とダメージの評価はSEM観察にて行った。SEM装置は、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、超高分解能電界放出走査電子顕微鏡SU9000を用いた。

0035

<酸を添加した洗浄液の調製方法と酸を添加した洗浄液で洗浄した場合の銅のダメージの評価方法>
酸を添加した洗浄液は、洗浄液に10質量%フッ酸水溶液を質量で100:2の割合で混合して調製した。フッ酸を添加した洗浄液に、銅配線を有する半導体素子を所定の温度と所定の時間、浸漬し、銅のダメージをSEM観察した。

0036

<チタンを添加した洗浄液の過酸化水素の分解率
洗浄液とチタン粉末を質量で100:0.005の割合で混合した組成物を60℃の恒温水槽で4時間加熱した。加熱前後の過酸化水素濃度電位差滴定法(過マンガン酸カリウム使用)で測定し、組成物の過酸化水素分解率を以下の計算式により算出した。
過酸化水素分解率%=100−100×(加熱後洗浄液重量×加熱後過酸化水素濃度)/(加熱前洗浄液重量×加熱前過酸化水素濃度)

0037

判定:
I.オルガノシロキサン系薄膜6の除去状態
A:オルガノシロキサン系薄膜が完全に除去された。
B:オルガノシロキサン系薄膜がほとんど除去された。
C:オルガノシロキサン系薄膜が除去されなかった。
A、Bを合格とした。
II.ドライエッチング残渣8の除去状態
A:ドライエッチング残渣が完全に除去された。
B:ドライエッチング残渣がほとんど除去された。
C:ドライエッチング残渣が除去されなかった。
A、Bを合格とした。
III.変質フォトレジスト7の除去状態
A:フォトレジストが完全に除去された。
B:フォトレジストがほとんど除去された。
C:フォトレジストが除去されなかった。
A、Bを合格とした。
IV.チタン系ハードマスク5の除去状態
A:ハードマスクが完全に除去された。
B:ハードマスクがほとんど除去された。
C:ハードマスクが除去されなかった。
A、Bを合格とした。
V.銅2のダメージ
A:洗浄前と比べて銅に変化が見られなかった。
B:銅表面に少し荒れが見られた。
C:銅に大きな穴が見られた。
A、Bを合格とした。
VI.低誘電率層間絶縁膜4のダメージ
A:洗浄前と比べて低誘電率層間絶縁膜に変化が見られなかった。
B:低誘電率層間絶縁膜がわずかにくぼんでいた。
C:低誘電率層間絶縁膜が大きくくぼんでいた。
A、Bを合格とした。
VII.酸を添加した洗浄液で洗浄した場合の銅2のダメージ
A:洗浄前と比べて銅に変化が見られなかった。
B:銅表面に少し荒れが見られた。
C:銅に大きな穴が見られた。
A、Bを合格とした。
VIII.チタンを添加した洗浄液の過酸化水素の安定性
A:過酸化水素分解率が20%未満であった。
B:過酸化水素分解率が20〜30%であった。
C:過酸化水素分解率が30%より大きかった。
−:加熱前から過酸化水素を含んでいないため、評価をしなかった。
A、Bを合格とした。

0038

(実施例1〜22)
試験には、図1に示したような配線構造の断面を有する半導体素子を使用した。TiNであるハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7を除去するため、表1に記した洗浄液に表2に示した温度、時間で浸漬し、その後、超純水によるリンス、乾燥窒素ガス噴射による乾燥を行った。洗浄後の半導体素子をSEMで観察することにより、ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7の除去状態と、銅2、バリアメタル1であるタンタル(Ta)/窒化タンタル(TaN)、バリア絶縁膜3である炭化シリコン、及び低誘電率層間絶縁膜4である炭素ドープ酸化シリコンのダメージを判断した。また、表1に記した洗浄液に酸を添加した洗浄液でも表2に示した温度、時間で浸漬し、その後、超純水によるリンス、乾燥窒素ガス噴射による乾燥を行い、洗浄後の半導体素子をSEMで観察することにより、銅のダメージを観察した。さらに、洗浄液にチタンを添加した場合の過酸化水素の安定性も調べた。

0039

表2に示した本発明の洗浄液を適用した実施例1〜22においては、銅2および低誘電率層間絶縁膜4のダメージを防ぎながら、ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7を完全に除去していることがわかる。全ての実施例でバリアメタル1、及びバリア絶縁膜3のダメージは観察されなかった。また、酸を添加した洗浄液を用いた場合でも銅2にダメージは観察されなかった。洗浄液にチタンを添加した場合、過酸化水素の分解は30%以下であった。表1に示した洗浄液のナトリウム濃度はいずれも0.1ppm以下であった。

0040

(比較例1)
特許文献1記載の、過酸化水素15質量%、水酸化カリウム0.02質量%、1,2−プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)0.0005質量%、及び水84.9795質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3A)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7は除去できた。低誘電率層間絶縁膜4および銅2にダメージは観察されなかった。しかし、酸を添加した洗浄液を用いた場合は銅2にダメージが観察され、洗浄液にチタンを添加した場合には過酸化水素の分解が大きかった。

0041

(比較例2)
特許文献2記載の、過酸化水素15質量%、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム0.45質量%、ベンザルコニウムクロリド0.01質量%、及び水84.54質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3B)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5は除去できたが、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7を除去することができなかった。低誘電率層間絶縁膜4および銅2にダメージは観察されなかった。酸を添加した洗浄液を用いた場合でも銅2にダメージは観察されなかった。洗浄液にチタンを添加した場合でも過酸化水素の分解は小さかった。

0042

(比較例3)
特許文献3記載の、過酸化水素28.4質量%、水酸化テトラメチルアンモニウム1.7質量%、エチレンジアミン四酢酸1.4質量%、及び水68.5質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3C)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5は除去できたが、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7を除去できなかった。低誘電率層間絶縁膜4のダメージは観察されなかったが、銅2にダメージが観察された。さらに、酸を添加した洗浄液を用いた場合は銅2にダメージが観察され、洗浄液にチタンを添加した場合には過酸化水素の分解が大きかった。

0043

(比較例4)
特許文献4記載の、過酸化水素0.2質量%、水酸化テトラメチルアンモニウム0.4質量%、水酸化カリウム0.1質量%、オルト過ヨウ素酸0.2質量%、ジエチレントリアミン0.02質量%、エマルゲンA−90 0.1質量%、セチルトリメチルアンモニウムクロライド0.01質量%、ラウリルピリジニウムクロリド0.05質量%、トリメチルフッ化アンモニウム0.5質量%、及び水98.42質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3D)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7を除去できなかった。低誘電率層間絶縁膜4と銅2にダメージが観察された。酸を添加した洗浄液を用いた場合、銅2にダメージが観察された。洗浄液にチタンを添加した場合、過酸化水素の分解は小さかった。

0044

(比較例5)
4級アンモニウム水酸化物の代わりに、特許文献5記載のチタンと錯体化合物を形成するキレート剤であるヒドロキシ多価カルボン酸を、過酸化水素、水酸化カリウム、アミノポリメチレンホスホン酸および水に添加した洗浄液(表3の洗浄液3E)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7はほとんど除去された。低誘電率層間絶縁膜4のダメージは観察されなかったが、銅2にダメージが観察された。酸を添加した洗浄液を用いた場合、銅2にダメージが観察された。洗浄液にチタンを添加した場合、過酸化水素の分解はそれほど大きくなかった。よって、ヒドロキシ多価カルボン酸は、過酸化水素、水酸化カリウム、アミノポリメチレンホスホン酸および水と組み合わせる洗浄液に酸を添加した場合でも銅配線にダメージを与えた。

0045

特許文献1〜5記載の洗浄液(比較例1〜5)は、バリアメタル、低誘電率層間絶縁膜、及び銅配線のダメージを抑制しつつ、ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去する洗浄液として、洗浄が不十分であったり、銅配線のダメージがあったり、洗浄液の安定性が悪かったりし、使用できないことがわかった(表4)。

0046

(比較例6)
過酸化水素17質量%、水酸化テトラメチルアンモニウム0.5質量%、水酸化カリウム0.2質量%、及び水82.3質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3F)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7は除去できた。低誘電率層間絶縁膜4および銅2のダメージは観察されなかった。酸を添加した洗浄液を用いた場合でも銅2にダメージは観察されなかった。しかし、洗浄液にチタンを添加した場合、過酸化水素の分解が大きかった。

0047

(比較例7)
過酸化水素17質量%、水酸化テトラメチルアンモニウム0.5質量%、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)0.0005質量%、及び水82.4995質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3G)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5は除去できたが、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7は除去できなかった。

0048

(比較例8)
過酸化水素17質量%、水酸化カリウム0.2質量%、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸) 0.0005質量%、及び水82.7995質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3H)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7は除去できた。低誘電率層間絶縁膜4および銅2にダメージは観察されなかった。しかし、酸を添加した洗浄液を用いた場合は銅2にダメージが観察され、洗浄液にチタンを添加した場合には過酸化水素の分解が大きかった。

0049

(比較例9)
水酸化テトラメチルアンモニウム0.5質量%、水酸化カリウム0.2質量%、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸) 0.0005質量%、及び水99.2995質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3I)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7は除去できなかった。低誘電率層間絶縁膜4および銅2にダメージが観察された。

0050

よって、3F、3G、3H、及び3Iの洗浄液は、低誘電率層間絶縁膜、及び銅配線のダメージを抑制しつつ、ハードマスク、オルガノシロキサン系薄膜、ドライエッチング残渣およびフォトレジストを除去することが不十分であったり、酸を添加すると銅配線にダメージを与えたり、チタン添加による過酸化水素の安定性が不十分であったりした(表4)。

0051

(比較例10)
過酸化水素17質量%、水酸化カリウム0.2質量%、1,3−プロパンジアミン0.1質量%、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)0.0005質量%、及び水82.6995質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3J)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7は除去できた。低誘電率層間絶縁膜4にはダメージは観察されなかったが、銅2にダメージが観察された。酸を添加した洗浄液を用いた場合は銅2にダメージが観察され、洗浄液にチタンを添加した場合には過酸化水素の分解が大きかった。

0052

(比較例11)
過酸化水素17質量%、水酸化カリウム0.2質量%、アンモニア0.04質量%、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)0.0005質量%、及び水82.7595質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3K)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7は除去できた。低誘電率層間絶縁膜4にはダメージは観察されなかったが、銅2にダメージが観察された。酸を添加した洗浄液を用いた場合は銅2にダメージが観察され、洗浄液にチタンを添加した場合には過酸化水素の分解が大きかった。

0053

(比較例12)
過酸化水素17質量%、水酸化カリウム0.2質量%、2-(メチルアミノエタノール0.2質量%、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)0.0005質量%、及び水82.5995質量%を含む水溶液(表3の洗浄液3L)を用い、図1に示した半導体素子を洗浄した。表4に洗浄条件と評価結果を示した。ハードマスク5、オルガノシロキサン系薄膜6、ドライエッチング残渣8およびフォトレジスト7は除去できた。低誘電率層間絶縁膜4にはダメージは観察されなかったが、銅2にダメージが観察された。酸を添加した洗浄液を用いた場合は銅2にダメージが観察され、洗浄液にチタンを添加した場合には過酸化水素の分解が大きかった。

0054

0055

0056

実施例

0057

0058

1:バリアメタル
2:銅あるいは銅合金配線
3:バリア絶縁膜
4:低誘電率層間絶縁膜
5:ハードマスク
6:オルガノシロキサン系薄膜
7:変質フォトレジスト
8:ドライエッチング残渣

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