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技術 双極型リチウムイオン二次電池用集電体および双極型リチウムイオン二次電池

出願人 株式会社カネカ日産自動車株式会社
発明者 菊池剛柳田正美伊藤卓小川紘平奥聡志若林計介脇憲尚室屋祐二下井田良雄石本靖二松野智久
出願日 2013年11月18日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2014-548546
公開日 2017年1月5日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 WO2014-080853
状態 特許登録済
技術分野 電池用電極の担体または集電体 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード 金属ナノ粒子溶液 導電性ポリイミドフィルム 導電性樹脂製 フィルム押さえ ターゲット表 歪み振幅 長期生産 圧縮ゲイン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年1月5日)のものです。
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図面 (1)

課題・解決手段

概要

背景

近年、環境保護のため、車両や携帯電話電源として、小型で高出力密度を有する電池が望まれている。中でも、リチウムイオン二次電池活物質出力密度が高いことから注目が集まり、各種部材の開発が進められている。

その部材の一つである集電体に関しては、一般的に金属箔が用いられているところ、例えば、特許文献1では、レドックスフロー型二次電池集電板として、炭素および2種以上のポリオレフィン共重合体を含有する導電性樹脂製のものを使用することによって、導電性脆性バランスの向上が図られている。

概要

目的

近年、環境保護のため、車両や携帯電話の電源として、小型で高出力密度を有する電池が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

請求項2

ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物からなる群から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物が、テトラカルボン酸二無水物成分全体において50mol%以上含まれる、請求項1に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項3

オキシジアニリン、フェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンからなる群から選択される少なくとも一種のジアミンが、ジアミン成分全体において50mol%以上含まれる、請求項1または2に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項4

前記ポリイミド樹脂が、次の(1)および(2)を満たす請求項1〜3のいずれか一項に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。(1)200〜280℃の間に動的粘弾性測定における貯蔵弾性率変曲点を有する。(2)前記変曲点−20℃における貯蔵弾性率をA1、前記変曲点+20℃における貯蔵弾性率をA2とした際にA1とA2が下記(式1)の範囲内となる。50≧[(A2/A1)×100]≧0.1(式1)

請求項5

前記導電付与剤が炭素系導電性粒子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項6

前記導電性ポリイミド層が、導電性付与剤およびポリイミド樹脂を、重量比で、導電性付与剤:ポリイミド樹脂=1:99〜99:1の範囲で含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項7

前記導電性ポリイミド層の厚みが1〜100μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性フィルム

請求項8

前記導電性ポリイミド層の少なくとも片面に金属層が形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項9

前記金属層が、金、銀、銅、白金ニッケルおよびクロムからなる群から選択される少なくとも一種で形成されてなる、請求項8に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項10

前記金属層の厚みが0.01〜2μmである、請求項8または9に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項11

前記金属層上に、更に電解めっきにより形成された金属層を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項12

前記電解めっきにより形成された金属層が、金、銀、銅、白金、ニッケルおよびクロムからなる群から選択されるいずれか一種を含む、請求項11に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項13

最終的な金属層の厚みが0.1〜5μmである、請求項11または12に記載の双極型リチウムイオン二次電池用集電体。

請求項14

請求項1〜13のいずれか一項に記載の集電体を用いた双極型リチウム二次電池

技術分野

0001

本発明は、双極型リチウムイオン二次電池用集電体およびこれを用いた双極型リチウムイオン二次電池に関する。

背景技術

0002

近年、環境保護のため、車両や携帯電話電源として、小型で高出力密度を有する電池が望まれている。中でも、リチウムイオン二次電池活物質出力密度が高いことから注目が集まり、各種部材の開発が進められている。

0003

その部材の一つである集電体に関しては、一般的に金属箔が用いられているところ、例えば、特許文献1では、レドックスフロー型二次電池集電板として、炭素および2種以上のポリオレフィン共重合体を含有する導電性樹脂製のものを使用することによって、導電性脆性バランスの向上が図られている。

先行技術

0004

特開2000−200619号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、溶媒遮断性に優れる、導電付与剤が分散してなるポリイミド樹脂層を有する双極型リチウムイオン二次電池用集電体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

ポリイミドは、耐熱性機械強度に優れるため、ロールツーロールの電極工工程や積層工程においても変形などなく安定的に使用可能である。そのため、ポリイミド樹脂に導電付与剤を分散させてなる集電体は有望視されている。

0007

ただし、ポリイミド樹脂に導電付与剤が分散されてなる集電体を双極型リチウムイオン二次電池用集電体として用いるにあたっては、溶媒遮断性が必要とされる。リチウムイオンは、電解液中の溶媒と溶媒和することが知られており、溶媒遮断性が劣る集電体を用いた場合、溶媒和されたリチウムイオンが集電体内部に浸透し、電解液中のリチウムイオン濃度が低下して電池容量の低下につながることがある。

0008

ポリイミド樹脂が上記の通り耐熱性、機械強度に優れることは広く一般に知られていることである。しかし、ポリイミド樹脂の溶媒遮断性がどの程度であるか、また一次構造で制御可能であるかについては知られていない。

0009

そこで、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定の一次構造を有するポリイミド樹脂を使用することにより、優れた溶媒遮断性が発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

すなわち、本発明は、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物ピロメリット酸二無水物、[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物からなる群から選択される少なくとも一種を含むテトラカルボン酸二無水物成分と、オキシジアニリンフェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシフェニルプロパンからなる群から選択される少なくとも一種を含むジアミン成分と、を反応させて得られるポリアミド酸イミド化してなるポリイミド樹脂に導電付与剤が分散されている導電性ポリイミド層を有する、双極型リチウムイオン二次電池用集電体(以下、単に、「本発明の集電体」と称することがある。)である。

0011

本発明の集電体において、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物からなる群から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物が、テトラカルボン酸二無水物成分全体において50mol%以上含まれることが好ましい。

0012

本発明の集電体において、オキシジアニリン、フェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンからなる群から選択される少なくとも一種のジアミンが、ジアミン成分全体において50mol%以上含まれることが好ましい。

0013

本発明の集電体において、前記ポリイミド樹脂が、次の(1)および(2)を満たすことが好ましい。
(1)200〜280℃の間に動的粘弾性測定における貯蔵弾性率変曲点を有する。
(2)前記変曲点−20℃における貯蔵弾性率をA1、前記変曲点+20℃における貯蔵弾性率をA2とした際にA1とA2が下記(式1)の範囲内となる。
50≧[(A2/A1)×100]≧0.1 (式1)

0014

本発明の集電体において、前記導電付与剤が炭素系導電性粒子であることが好ましい。

0015

本発明の集電体において、前記導電性ポリイミド層が、導電性付与剤および前記ポリイミド樹脂を、重量比で、導電性付与剤:ポリイミド樹脂=1:99〜99:1の範囲で含有することが好ましい。

0016

本発明の集電体において、前記導電性ポリイミド層の厚みが1〜100μmであることが好ましい。

0017

本発明の集電体は、前記導電性ポリイミド層の少なくとも片面に金属層が形成されていてもよい。

0018

本発明の集電体において、前記金属層が金、銀、銅、白金ニッケルおよびクロムからなる群から選択される少なくとも一種で形成されてなることが好ましい。

0019

本発明の集電体において、前記金属層の厚みが0.01〜2μmであることが好ましい。

0020

本発明の集電体において、前記金属層上に、更に電解めっきにより形成された金属層を有することができる。

0021

本発明の集電体において、前記電解めっきにより形成された金属層が、金、銀、銅、白金、ニッケルおよびクロムからなる群から選択されるいずれか一種を含むことが好ましい。

0022

本発明の集電体は、電解めっきにより形成された金属層を有する形態では、最終的な金属層の厚みが0.1〜5μmであることが好ましい。

0023

本発明の双極型リチウム二次電池は、本発明の集電体を用いてなる。

発明の効果

0024

本発明の集電体は、優れた溶媒遮断性を示す。本発明の集電体を用いることにより、信頼性の高い双極型リチウムイオン二次電池が得られる。

図面の簡単な説明

0025

本発明の実施例における、電解液の溶媒遮断性測定の模式図である。

0026

本発明の実施の形態について、以下に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0027

本発明の集電体は、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物からなる群から選択される少なくとも一種を含むテトラカルボン酸二無水物成分と、オキシジアニリン、フェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンからなる群から選択される少なくとも一種を含むジアミン成分とを反応させて得られるポリアミド酸をイミド化してなるポリイミド樹脂に導電付与剤が分散されている導電性ポリイミド層を有することを特徴とする。

0028

先ず、テトラカルボン酸二無水物成分について説明する。

0029

ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などが知られているが、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であればよく、いずれかのビフェニルテトラカルボン酸二無水物を単独または混合で使用することができる。

0030

[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物としては、3,3’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、3,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物などが知られているが、[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物であればよく、いずれかの[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物を単独または混合で使用することができる。

0031

テトラカルボン酸二無水物としては、上記ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物および[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物のうち少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物成分に加えて、他のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよく、具体的には、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビストリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの類似物などが挙げられる。これらは一種のみを使用してもよいが、二種以上を組み合わせて使用してもよい。

0032

これらテトラカルボン酸二無水物の中で、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物および[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物成分総量(100mol%)に対して、50mol%以上が好ましく、より好ましくは70mol%以上、更に好ましくは80mol%以上である。前記使用量がこの範囲を下回ると、力学強度や耐熱性が低下することがある。

0033

次に、ジアミン成分について説明する。

0034

本発明に使用するオキシジアニリンとしては、3,4’−オキシジアニリン、4,4’−オキシジアニリンなどが知られているが、オキシジアニリンであればよく、いずれかのオキシジアニリンを単独または混合で使用することができる。しかしながら、原料コストや反応性の観点から、4,4’−オキシジアニリンを用いることが好ましい。

0035

フェニレンジアミンとしては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンp−フェニレンジアミンが挙げられるが、フェニレンジアミンであればよく、いずれかのフェニレンジアミンを単独または混合で使用することができる。しかしながら、より好適な物性が得られること及び原料コストの観点から、p−フェニレンジアミンを用いることが好ましい。

0036

ジアミン成分としては、オキシジアニリン、フェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンのうち少なくとも一種のジアミン成分に加えて、他のジアミンを併用してもよく、具体的には、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン及びそれらの類似物などが挙げられる。これらは一種のみを使用してもよいが、二種以上を組み合わせて使用してもよい。

0037

これらジアミンの中で、オキシジアニリン、フェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンから選択される少なくとも一種のジアミンの使用量は、ジアミン成分総量(100mol%)に対して、50mol%以上が好ましく、より好ましくは70mol%以上、更に好ましくは80mol%以上である。前記使用量がこの範囲を下回ると力学強度や耐熱性が低下することがある。

0038

本発明の集電体は双極型リチウムイオン二次電池用であり、集電体の面直方向の導電性を選択的に向上させることが好ましい。本発明のような高分子材料を用いる場合、材料中に導電性粒子を分散させた形態とするのが一般的である。この時、導電性粒子は材料中に均一に分散されるため、集電体の平面方向と面直方向とで導電性に差を持たせることは容易ではない。高分子材料中に導電性粒子が分散した状態で延伸処理を施すことにより、平面方向に高分子鎖分子配向し、導電性粒子もそれに沿って配列するため、平面方向の導電性を高めることについては技術的難易度は低い。しかし、面直方向の導電性を高める場合には上記延伸逆効果であり、適用できない。また、高分子材料の中には製膜すると分子配向による異方性を示すものがあり、特に平面方向に配向しやすい。このことも、面直方向の導電性のみを高めることを困難にしている。

0039

製膜後に集電体を熱プレスにより面直方向に圧縮することで、導電性粒子の面直方向の濃度が高まり、導電パスが形成されて導電性を高めることは可能である。しかし、熱プレスという工程が増えることで生産性が低下し、かつ熱と圧力による変形によりフィルム外観も悪化してしまうという問題がある。

0040

上記のような平面方向と面直方向とにおける導電性の差の問題は、ポリアミド酸からのイミド化の際にイミド化促進剤を用いる場合に顕著であるが、イミド化促進剤を使用しないとイミド化速度が遅くなり、生産性が低下しやすくなる。この問題については、ポリイミド樹脂の高温領域での粘弾性挙動を制御することにより、特殊な加工工程を経ずに面直方向の導電性を選択的に向上させせることができる。

0041

即ち、本発明の集電体においては、前記ポリイミド樹脂が、下記(1)及び(2)を満たすことが好ましい。
(1)200〜280℃の間に動的粘弾性測定における貯蔵弾性率の変曲点(以下、「ガラス転移温度」と称することがある。)を有する。
(2)前記変曲点−20℃における貯蔵弾性率をA1、前記変曲点+20℃における貯蔵弾性率をA2とした際にA1とA2が下記(式1)の範囲内となる。
50≧[(A2/A1)×100]≧0.1 (式1)

0042

本発明において、動的粘弾性測定とは、一定の昇温速度で試料を加熱しながら、試料に時間によって変化(振動)する歪みまたは応力を与えて、それによって発生する応力または歪みを測定することにより、試料の力学的な性質を測定する方法を意味する。

0043

本発明の導電性ポリイミド層に用いるポリイミド樹脂は、動的粘弾性測定において200〜280℃の間に貯蔵弾性率の変曲点(ガラス転移温度)を有することが好ましく、外観と導電性とのバランスの点から220〜260℃にガラス転移温度を有することがより好ましい。ガラス転移温度が前記温度範囲よりも低い場合、製膜時の加熱により導電性ポリイミド層が柔らかくなりすぎ、自己支持性を保てなくなる可能性がある。また、本発明の導電性ポリイミド層を有する集電体を用いて電池を製造する工程、具体的には活物質スラリーを塗布、乾燥して電極を構成する工程において、乾燥時の熱で導電性ポリイミド層が変形してしまい、不具合が生じる可能性がある。逆にガラス転移温度が前記温度範囲よりも高い場合、面直方向の導電性を発現するために必要な製膜時の加熱に必要な温度が高くなりすぎ、加熱中にポリイミド樹脂の熱分解併発する可能性がある。

0044

本発明の導電性ポリイミド層に用いるポリイミド樹脂は、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率の変曲点から20℃低い温度での貯蔵弾性率をA1、前記変曲点から20℃高い温度での貯蔵弾性率をA2とした際に、A1とA2が下記式(1)の関係を有する範囲内となることが好ましい。
50≧[(A2/A1)×100]≧0.1 (式1)

0045

A1とA2の関係(以下、「貯蔵弾性率変化量」と称することがある。)が上記範囲よりも大きい場合、加熱時に導電性ポリイミド層が十分に軟化せず、面直方向の導電性を高める効果が十分に発現しない可能性がある。逆に上記範囲よりも小さい場合、加熱時に自己支持性を確保できないほどポリイミド樹脂が軟らかくなり、得られる導電性ポリイミド層の外観を大きく損なう可能性がある。外観と導電性とのバランスの点から、上記式(1)の[(A2/A1)×100]が0.5以上30以下であることがより好ましく、1以上25以下の範囲であることが更に好ましい。

0046

本発明においては、上記動的粘弾性測定における貯蔵弾性率の変曲点(ガラス転移温度)と所定温度における貯蔵弾性率が両方とも上記範囲に収まるようなポリイミドを選定することが好ましい。両方の特性を満たすことにより、加熱中にポリイミド樹脂が適度に軟化し、それに伴いポリイミド層中の導電性粒子の分布が変化する。これにより、平面方向に配向しやすい材料であっても面直方向の導電性を選択的に高めることが可能になる。

0047

ポリイミド樹脂のガラス転移温度と貯蔵弾性率を前記のような範囲内とする手段としては、使用する原料の選定が挙げられる。ポリイミド樹脂の原料モノマーとしては柔軟な骨格を有するものと剛直な骨格を有するものがあり、これらを適宜選択し、更に配合比を調整することにより、所望のガラス転移温度と貯蔵弾性率を実現することが可能となる。本発明の導電性ポリイミド層に用いるポリイミド樹脂は、特定のジアミンと酸二無水物を原料として用いる。これと併用する形で、柔軟な骨格を有する原料モノマーと剛直な骨格を有する原料モノマーを使用すればよい。

0048

柔軟な骨格を有するジアミンとしては、4,4'−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2’−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。

0049

一方、剛直な骨格を有するジアミンとしては、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、1,5−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼンなどが挙げられる。

0050

これらのうち、熱特性の制御ならびに工業的に入手しやすい点から、柔軟な骨格を有するジアミンとして、4,4'−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2’−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノンが好ましく用いられ得る。特に、4,4'−オキシジアニリン、2,2’−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパンが好ましく用いられ得る。剛直な骨格を有するジアミンとしては、比較的少量で高分子鎖を固くする効果を発現する点と、工業的に入手しやすい点から、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼンが好ましく用いられ得る。特に、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)が好ましく用いられ得る。これらのジアミンは二種以上を混合して用いても良い。

0051

柔軟な骨格を有するテトラカルボン酸二無水物としては、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)などが挙げられる。

0052

一方、剛直な骨格を有するテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。

0053

これらのうち、熱特性の制御ならびに工業的に入手しやすい点から、柔軟な骨格を有するテトラカルボン酸二無水物として、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、が好ましく用いられ得る。更に好ましくは、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が好ましく用いられ得る。剛直な骨格を有するテトラカルボン酸二無水物としては、比較的少量で高分子鎖を固くする効果を発現する点と、工業的に入手しやすい点から、ピロメリット酸二無水物が好ましく用いられ得る。これらのテトラカルボン酸二無水物は二種以上を混合して用いても良い。

0054

本発明に用いるポリイミド樹脂を得る方法は、公知のあらゆる方法を用いることができ、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンを、実質的等モル量を有機溶媒中に溶解させて重合させることでポリアミド酸を得た後、溶媒を揮散させつつイミド転化反応を行う方法が挙げられる。

0055

ここで、ポリアミド酸の合成について説明する。

0056

ポリアミド酸は公知のあらゆる方法を用いて製造することができ、通常、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の実質的等モル量をそれぞれ有機溶媒中に溶解させて、制御された温度条件下で、上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合が完了するまで攪拌することによって製造される。

0057

ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、ポリアミド酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができるが、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドンなどが好ましく、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましく用い得る。これらは単独で用いても良いし、2種以上の混合物であっても良い。

0058

ポリアミド酸溶液は通常5〜35wt%が好ましく、10〜30wt%の濃度で得られることがより好ましい。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度を得ることができる。

0059

重合方法としては、あらゆる公知の方法およびそれらを組み合わせた方法を用いることができる。ポリアミド酸の製造における重合方法の特徴はそのモノマー添加順序にあり、このモノマー添加順序を制御することにより得られるポリイミドの諸物性を制御することができる。従い、本発明においてポリアミド酸の重合にはいかなるモノマーの添加方法を用いても良い。代表的な重合方法として次のような方法が挙げられる。すなわち、
1)ジアミン化合物を有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルのテトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法。
2)テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量のジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程においてテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が実質的に等モルとなるようにジアミン化合物を用いて重合させる方法。
3)テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量のジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここにジアミン化合物を追加添加後、全工程においてテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が実質的に等モルとなるようにテトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法。
4)テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解及び/または分散させた後、実質的に等モルとなるようにジアミン化合物を用いて重合させる方法。
5)実質的に等モルのテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
などのような方法である。
これら方法を単独で用いても良いし、部分的に組み合わせて用いることもできる。

0060

次に、導電付与剤およびその分散方法について、以下に説明する。

0061

本発明に用いる導電付与剤は特に限定されないが、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物に含有されうる導電性フィラーであれば、公知のものを用いることでき、例えば、アルミニウム粒子、SUS粒子、炭素系導電性粒子、銀粒子金粒子銅粒子チタン粒子合金粒子などを挙げることができる。これらの中でも、炭素系導電性粒子は電位窓が非常に広く、正極電位および負極電位の双方に対して幅広い範囲で安定であり、更に導電性に優れているため好適に用いられ得る。また、炭素系導電性粒子は非常に軽量なため、質量の増加が最小限になる。更に、炭素系導電性粒子は、電極の導電助剤として用いられることが多いため、導電助剤と接触しても、同材料であるがゆえに接触抵抗が非常に低くなる。炭素系導電性粒子としては、具体的にはアセチレンブラックケッチェンブラックなどのカーボンブラックグラファイトグラフェンカーボンナノチューブなどが挙げられる。材料そのものの導電性が比較的高く、樹脂に対して少量の添加量で所望の高い導電性が得られやすい点から、中でもカーボンブラックやカーボンナノチューブが好ましい。その中でも特に導電性に優れるため、#3950B(三菱化学製)、Black Pearls 2000(キャボット社製)、Printex XE2B(デグサ社製)、ケッチェンブラック EC−600JD(ライオン株式会社製)、ECP−600JD(ライオン株式会社製)、EC−300J(ライオン株式会社製)、ECP(ライオン株式会社製)を好ましく用いることができる。

0062

導電性粒子に炭素系導電性粒子を用いる場合には、炭素系導電性粒子の表面に疎水性処理を施すことにより電解質のなじみ性を下げ、集電体の空孔に電解質が染み込みにくい状況を作ることも可能である。

0063

本発明の導電性ポリイミド層における導電性付与剤の配合比は、重量比で、導電性付与剤:ポリイミド樹脂=1:99〜99:1の範囲であることが好ましく、1:99〜50:50がより好ましく、5:95〜40:60が更に好ましく、10:90〜20:80が最も好ましい。配合比が上記好ましい範囲であれば、導電性が維持され、集電体としての機能が損なわれず、また、集電体としての強度があり、容易に取り扱うことができる。

0064

ポリイミド樹脂に導電付与剤を分散せしめる方法は、例えばポリアミド酸溶液に導電付与剤を分散させた後、ポリイミドに転化せしめる方法、粉状のポリイミド樹脂と導電付与剤と混合せしめ、しかる後に所望の形へ成形する方法、などが知られているが、いずれの方法を用いてもよい。しかしながら、導電付与剤の分散性フィルムへの加工性に鑑みると、ポリアミド酸溶液に導電付与剤を分散させた後、ポリイミドに転化せしめる方法が好適に使用できる。

0065

ポリアミド酸溶液に導電付与剤を分散させる方法は、例えば、
1)重合前または途中に重合反応液に導電付与剤を添加する方法、
2)重合完了後、3本ロールなどを用いて導電付与剤を混錬する方法、
3)導電付与剤を含む分散液を用意し、これをポリアミド酸溶液に混合する方法、
などが挙げられ、いかなる方法を用いてもよい。

0066

これらの方法のうち、導電性付与剤による製造ライン汚染を最も小さく抑える点から、上記「3)」の導電性付与剤を含む分散液をポリアミド酸溶液に混合する方法、特に塗液を製造する直前に混合する方法が好ましい。導電付与剤を含む分散液を用意する場合、ポリアミド酸の重合溶媒と同じ溶媒を用いるのが好ましい。導電付与剤を良好に分散させ、また分散状態を安定化させるために分散剤増粘剤等をフィルム物性に影響を及ぼさない範囲内で用いてもよい。導電付与剤が凝集を伴わずに安定的に分散させやすい点から、分散剤としてポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を少量添加することが好ましい。

0067

上記分散化には、ボールミルビーズミルサンドミルコロイドミルジェットミルローラーミルなどを用いることが好ましい。ビーズミル、ボールミル等の方法で流動性のある液体状態になるように分散させると、フィルム化する場合において、導電付与剤を分散させたポリアミド酸溶液の取り扱いが良好となる。メディア径は、特に限定されるわけではないが、10mm以下が好ましい。

0068

最終的に得られる双極型リチウムイオン二次電池用集電体のすべり性、摺動性熱伝導性耐コロナ性ループスティフネス等の諸特性を改善する目的でフィラーを使用してもよい。フィラーとしてはいかなるものを用いても良いが、好ましい例としてはシリカ酸化チタンアルミナ窒化珪素窒化ホウ素リン酸水素カルシウムリン酸カルシウム雲母などが挙げられる。

0069

フィラーの粒子径改質すべき特性と添加するフィラーの種類によって決定されるため、特に限定されるものではないが、一般的には平均粒径が0.05〜100μmが好ましく、より好ましくは0.1〜75μm、更に好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは0.1〜25μmである。粒子径がこの範囲を下回ると改質効果が現れにくい場合があり、この範囲を上回ると表面性を大きく損なったり、フィルム化した場合にフィルム強度が大きく低下したりする場合がある。

0070

フィラーの添加部数についても、改質すべき特性やフィラーの粒子径などにより決定されるため特に限定されるものではない。一般的にフィラーの添加量はポリイミド100重量部に対して0.01〜100重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜90重量部、更に好ましくは0.02〜80重量部である。フィラーの添加量がこの範囲を下回るとフィラーによる改質効果が現れにくい場合があり、この範囲を上回るとフィルム化した場合にフィルム強度が大きく損なわれる場合がある。

0071

フィラーの添加方法は、上記導電付与剤と同様の分散方法を適用でき、導電付与剤の分散時に一緒に添加しても良いし、別途添加しても良い。

0072

ポリアミド酸のイミド化について説明すると、ポリアミド酸からポリイミドへの転化反応は、熱のみによって行う熱イミド化法や、イミド化促進剤を用いる化学イミド化法など、公知の方法を使用可能である。

0073

化学イミド化法を採用する場合において、前記イミド化促進剤は触媒及び化学脱水剤を含んでいればよく、これら以外に溶剤を含んでいても良い。溶剤はポリアミド酸溶液に含まれるものと同種であることが特に好ましい。

0074

触媒には3級アミン化合物を好適に用いることが出来る。特に好ましい化合物として、キノリンイソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,5−ジエチルピリジンα−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリンなどが挙げられる。これら化合物は、単独で用いても良いし、2種類以上の混合物として用いてもよい。

0075

触媒の使用量としては、ポリアミド酸中のアミド酸モルに対し0.1〜4.0モル当量が好ましく、0.3〜3.0モル当量がより好ましく、0.5〜2.0モル当量が更に好ましい。0.1モル当量より少ないと触媒としての作用が不十分となり、イミド化が完全に進まずフィルム強度が低下する問題が生じる場合がある。一方、4.0モル当量より多くしても添加量を増やすことによる効果が殆ど無い上に、一連加熱処理においても溶剤を蒸発させることが困難となり、残存量が多くなるため、フィルム化した場合に得られるフィルム強度がやはり低下してしまう場合がある。

0076

化学脱水剤は特に限定されるものではないが、例えば脂肪族酸無水物芳香族酸無水物、ハロゲン化級脂肪酸無水物等を好適に用いることが出来る。これらは単独で用いても良いし、2種類以上の混合物として用いても良い。上記化学脱水剤の中でも特に好ましい化合物として、無水酢酸無水プロピオン酸が挙げられる。これら化合物も、上記と同様、単独、または2種類以上の混合物として用いることが出来る。

0077

化学脱水剤の使用量としては、ポリアミド酸中のアミド酸1モルに対し、1.0〜5.0モル当量が好ましく、1.2〜4.0モル当量がより好ましく、1.5〜3.0モル当量が更に好ましい。1.0モル当量より少ないと化学脱水剤の作用によるイミド化が完全に進まず、フィルム化した場合にフィルム強度が低下する問題が生じる場合がある。一方、5.0モル当量より多いと、短時間でイミド化が進行してゲル化してしまうため、塗膜を形成しにくくなる場合がある。

0078

ポリアミド酸またはその溶液にイミド化促進剤を添加するときの温度は、10℃以下が好ましく、5℃以下がより好ましく、0℃以下が更に好ましい。温度が10℃より高温になると、短時間でイミド化が進行してゲル化してしまうため、安定した長期生産に適さない場合がある。

0079

次に、本発明の双極型リチウムイオン二次電池用集電体について説明する。

0080

本発明の集電体は導電性ポリイミドフィルムを単独で製造した後、それを用いて集電体を形成しても良い。導電性ポリイミドフィルムを得る方法としては、従来既知の方法を採用することができるが、導電付与剤を分散させたポリアミド酸溶液の塗膜を形成し、しかる後に溶媒を揮散させる方法が、生産性、得られるフィルムの均一性の点から、最も適している。以下、この方法について説明する。

0081

塗膜を形成する塗布法としては、例えば、ダイコート法スプレー法、ロールコート法回転塗布法、バー塗布法、インクジェット法スクリーン印刷法スリットコート法などの公知の方法を適宜採用することが出来る。支持体としては特に限定されないが、金属ドラム金属ベルト、金属箔、金属板、別途作製された樹脂フィルム等が挙げられる。塗膜の乾燥は、例えば、室温から200℃程度の温度で行なわれ、自己支持性フィルムが得られる。なお、乾燥中にもイミド化はある程度進行する。乾燥後の自己支持性フィルムのイミド化は、例えば、このフィルムを固定し、加熱速度を適宜選択しながら300℃程度まで第一段階の加熱を行い、更に最高で600℃程度の高温で第二段階の加熱を行なうことにより実施される。これにより、導電性ポリイミドフィルムが得られる。前記自己支持性フィルムの固定には、ピンテンター方式クリップテンター方式、ロール懸垂方式など公知の方法を適宜採用することが出来、その形態にとらわれない。

0082

イミド化における加熱温度は適宜設定できるが、温度が高い方が、イミド化が起こりやすいため、加熱速度を速くすることができ、生産性の面で好ましい。但し、温度が高すぎると熱分解を起こす可能性がある。また、ポリイミドが自己支持性を維持可能な貯蔵弾性率よりも低くなってしまい、得られるフィルム外観が悪化する。一方、加熱温度が低すぎると、イミド化が進みにくく、フィルム化工程に要する時間が長くなってしまう。また、加熱中にフィルムがあまり軟らかくならないため、得られる導電性ポリイミドフィルムの面直方向の導電性がそれほど高くならない場合がある。

0083

加熱時間に関しては、実質的にイミド化および乾燥が完結するに十分な時間を取ればよく、一義的に限定されるものではないが、一般的には1〜600秒程度の範囲で適宜設定される。

0084

本発明の集電体に用いられる導電性ポリイミドは、加熱工程を経ることにより、前述したように導電性ポリイミド層中の導電性粒子の分布が変化し、面直方向の導電性が選択的に高くなるため、加熱工程の制御が重要である。

0085

加熱工程は、製造工程と兼用しても良いし、別途工程を設けても良い。例えば、溶液キャスト法では、前述した溶剤を揮発させイミド化を進める工程が加熱工程として作用され得る。

0086

溶融キャスト法では、ポリイミド樹脂を溶融させてダイスから押し出す工程が加熱工程として作用され得るが、ポリイミド樹脂が溶融状態であることから軟らかくなりすぎて、所望の面直方向の導電性を発現しない場合がある。その場合、別途加熱工程を設けた方が好ましい。

0087

加熱工程での温度は、ポリイミド樹脂のガラス転移温度よりも高い温度をかけることが、面直方向の導電性を高めるために好ましい。具体的には、ガラス転移温度より50℃以上高い温度が好ましく、100℃以上高い温度が更に好ましい。しかしながら、加熱温度が高すぎるとポリイミド樹脂の熱分解が進んだり、軟らかくなりすぎて自己支持性を失い、得られるフィルム外観が悪化する可能性がある。処理時間との兼ね合いもあるが、加熱温度の上限はポリイミド樹脂のガラス転移温度より200℃高い温度に留めるのが好ましい。加熱方式については、熱風方式、遠赤外線方式など特に限定されない。

0088

本発明の集電体を構成する導電性ポリイミドフィルム(層)は、支持体上における塗膜の厚み、ポリアミド酸の濃度、導電付与剤の重量部数を適宜調節することで厚みを適宜設定できる。最終的に得られる導電性ポリイミド層の厚みに制限は無いが、厚みは1〜100μmであることが好ましく、5〜100μmがより好ましく、1.5〜75μmが更に好ましく、2〜50μmであることが最も好ましく、5〜50μmが特に好ましい。1μmより薄いとフィルム強度が乏しくなり取り扱いが難しくなる場合があり、100μmより厚いと電池に使用した場合に、電池の出力密度等の性能が低下したり、また、導電性ポリイミド層の厚み方向の抵抗が大きくなり、電池の内部抵抗増加につながったり、均一にイミド化および乾燥することが困難になるため、機械的特性バラツキが生じたり、発泡等の局所的な欠陥も現れやすくなる場合がある。

0089

本発明における導電性ポリイミド層は、面直方向の体積抵抗率を平面方向の体積抵抗率で割った値が1より大きく10以下であることが好ましい。面直方向と平面方向の体積抵抗率の比が上記範囲に収まることにより、平面方向の体積抵抗率が相対的に高く、面直方向の体積抵抗率は相対的に低くなり、双極型リチウムイオン二次電池の集電体として電池に使用すると、電池の内部抵抗が上昇せず、優れた出力密度を奏することができる。電池の内部抵抗を下げ、出力密度に優れる点で、面直方向と平面方向の体積抵抗率の比は、上限が8以下がよりが好ましく、6以下が更に好ましく、5以下がなおさら好ましく、3以下がことさら好ましい。体積抵抗率の比については、前述した特定のジアミン成分と酸二無水物成分を使用し、かつ使用量を特定することにより調整され得る。また、前記体積抵抗率の比の調整は、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率の変曲点と所定温度における貯蔵弾性率が所定の範囲となるように原料モノマーの配合比を適宜選択することによっても達成できる。ここで、「面直方向」とはフィルムの厚み方向を意味し、また「平面方向」とは面直方向と垂直に交わるフィルムの幅方向長手方向を意味する。

0090

本発明のリチウムイオン二次電池用集電体は、導電性ポリイミド層以外に更にその他の導電性層を有していてもよいが、導電性ポリイミド層の少なくとも一表面に金属層を設けることが好ましい。金属層を設けることにより集電体の負極電位耐久性を向上させることができ、電池容量の低下を抑制することができる。

0091

前記金属層を構成する金属種としては特に限定されないが、汎用性や加工性、導電性の点から、金、銀、銅、白金、ニッケル、クロムのいずれか少なくとも一種であることが好ましい。

0092

金属層は工業的に利用可能な公知の方法にて成形可能であり、特に限定されない。具体的には、金属の蒸着、めっきおよび溶射金属ナノ粒子溶液の塗工等を挙げることができる。

0093

金属の蒸着法として、例えば物理蒸着法PVD法、例えばスパッタリング法真空蒸着法イオンプレーティング法)、化学蒸着法CVD法、例えばプラズマCVD法)等を挙げることができる。特に、均質な金属層が得られやすいことからスパッタリング法、真空蒸着法が好ましく適用できる。

0094

スパッタリング法は、真空チャンバー内に、薄膜(金属層)として着けたい所定の金属種からなる材料をターゲットとして設置し、高電圧印加して放電することでイオン化して加速された希ガス元素スパッタガス、典型的にはアルゴン)をターゲットに衝突させることによって、又は直接イオン銃でスパッタガスイオンをターゲットに衝突させることによってターゲット原子叩き出し、該ターゲット表面から叩き出されたターゲット原子を基材(導電性ポリイミド層)に堆積させて薄膜を形成する方法である。かかるスパッタリング法の方式として、上記スパッタガスをイオン化させる方法に応じて、直流スパッタ高周波スパッタマグネトロンスパッタイオンビームスパッタ等が挙げられる。本発明における金属層の形成法として、上記スパッタリング法のいずれの方式を用いてもよい。

0095

また、真空蒸着法は、真空にした容器の中で、薄膜として着けたい蒸着材料を加熱し気化もしくは昇華して、基材としての導電性ポリイミドフィルムの表面に付着させ、薄膜を形成する。蒸着材料、基材の種類に応じて、抵抗加熱電子ビーム高周波誘導レーザーなどの方法で加熱される。

0096

めっきについては電解めっき、無電解めっきが挙げられる。導電性ポリイミドフィルムの導電率によってめっき法を適宜選択すればよい。例えば、導電性ポリイミドフィルムの導電率が高い場合は、電解めっきによって均一な金属層の形成をすることが、コストおよび生産性の面からも好ましい。

0097

金属ナノ粒子溶液の塗工は、金属がナノサイズの粒径有機溶剤に分散している溶液を導電性ポリイミドフィルムに塗布、乾燥し、必要に応じて更に高い温度でナノ粒子同士の焼結を行って金属層を形成するものである。

0098

ナノ粒子の粒径は数nm〜数百nmの中から適宜選択される。また、必要に応じて粒子同士の凝集を防ぐための分散剤が粒子表面に設けられていても良い。導電性ポリイミドフィルムへの塗工についても、従来公知の方法が適用可能である。

0099

金属層の厚みは0.01〜2μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることが好ましい。上記範囲よりも金属層の厚みが薄いと導電性ポリイミド層表面を均一に覆うことが出来ず、負極電位環境におかれた際に下地である導電性ポリイミド層の分解を引き起こす可能性がある。逆に上記範囲よりも金属層の厚みが厚いと、後述するように更に金属層を設ける場合に積層フィルム重量増加が無視できない大きさとなり、導電性ポリイミドフィルムを集電体として用いるメリットが損なわれてしまう可能性がある。

0100

本発明のリチウムイオン二次電池用集電体は、更に電解めっきにより上述の金属層の厚みを増やしても良い。電解めっきにより金属層を積み増すことで、金属層の緻密性が向上し、負極電位環境におかれた場合の耐久性が向上する。上述したように、電解めっきを行うためには下地の導電性を十分に確保しておく必要があるが、既に金属層が設けられているため、問題なく電解めっきを実施することが可能である。

0101

金属層を積み増すための電解めっきに用いる金属種としては特に限定されないが、汎用性や加工性、導電性の点から、金、銀、銅、白金、ニッケル、クロムのいずれか少なくとも一種を含むことが好ましい。

0102

この電解めっきにより形成される金属層の厚みは、下地の金属層の厚みと合わせて0.1〜5μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることが更に好ましい。上記範囲よりも金属層の厚みが薄いと、金属層側が負極電位環境におかれた場合の耐久性が不十分であり、下地である導電性ポリイミド層の分解を引き起こす可能性がある。逆に上記範囲よりも金属層の厚みが厚いと、積層フィルムの重量増が大きくなり、導電性ポリイミドフィルムを集電体として用いるメリットが損なわれてしまう可能性がある。

0103

本発明のリチウムイオン二次電池用集電体は、集電体表面への異物付着防止や物性維持のため、電池用集電体の表面に剥離可能なフィルムを付けることも可能である。剥離可能なフィルムについては特に限定されず、公知のものが利用可能であり、例えばPETフィルムポリテトラフルオロエチレンポリエチレンポリプロピレンなどからなるフィルムを挙げることができる。

0104

また、電極との密着性電気的コンタクトを向上するため、集電体表面に表面処理を施しても良い。表面処理については特に限定されず、例えばコロナ処理プラズマ処理ブラスト処理などを挙げることができる。

0105

本発明の集電体は、双極型リチウムイオン二次電池用の集電体として用いられる。双極型電池は、集電体の片面に正極、反対面に負極を形成し、電解質層を介して積層されてなることを特徴とする。

0106

正極および負極の構成については、特に限定されず、公知の正極および負極が適用可能である。電極には、電極が正極であれば正極活物質、電極が負極であれば負極活物質が含まれる。正極活物質および負極活物質は、電池の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、電池がリチウム二次電池である場合には、正極活物質としては、LiCoO2などのLi・Co系複合酸化物、LiNiO2などのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn2O4などのLi・Mn系複合酸化物、LiFeO2などのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePO4などの遷移金属リチウムリン酸化合物硫酸化合物;V2O5、MnO2、TiS2、MoS2、MoO3などの遷移金属酸化物硫化物;PbO2、AgO、NiOOHなどが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。

0107

負極活物質としては、結晶性炭素材や非結晶性炭素材などの炭素材料カーボン)や、Li4Ti5O12などのリチウムと遷移金属との複合酸化物といった金属材料が挙げられる。具体的には、天然黒鉛人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭カーボンファイバーコークスソフトカーボンハードカーボンなどが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。

0108

電極は、導電助剤、イオン伝導性高分子支持塩などの他成分を含んでいてもよい。導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイトなどが挙げられる。導電助剤を含ませることによって、電極で発生した電子伝導性を高めて、電池性能を向上させうる。イオン伝導性高分子としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)などが挙げられる。支持塩は、電池の種類に応じて選択すればよい。電池がリチウム電池である場合には、LiBF4、LiPF6、Li(SO2CF3)2N、LiN(SO2C2F5)2、などが挙げられる。

0109

活物質、リチウム塩、導電助剤などの電極の構成材料の配合量は、電池の使用目的(出力重視エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定することが好ましい。

0110

活物質は単体では膜とした際に脆く、使用に耐えうる強度を有した電極を形成できないため、通常はバインダー樹脂を添加して必要強度を確保する。バインダー樹脂として使用するポリマーとしては、PEO、PPO、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF−HFP)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレートPMMA)などが挙げられる。このうち、PVDFが一般的に用いられる。

0111

電解質層は、液体、ゲル、固体のいずれの相であってもよい。電解質層の溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート環状エステル環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。また、上記に加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネートメチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネートプロピレンカーボネートブチレンカーボネートγ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタンスルホランジオキソランプロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の支持塩を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。

0112

電解質としてゲルポリマー電解質層を用いる場合、電解質の流動性がなくなり、集電体への電解質の流出をおさえ、各層間のイオン伝導性を遮断することが可能になる。ゲル電解質ホストポリマーとしては、PEO、PPO、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF−HFP)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが挙げられる。また、可塑剤としては通常リチウムイオン電池に用いられる電解液を用いることが可能である。

0113

電解質として全固体電解質層を用いた場合も、電解質の流動性がなくなるため、集電体への電解質の流出がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することが可能になる。

0114

ゲルポリマー電解質は、PEO、PPOなどの全固体型高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含ませることにより作製される。PVDF、PAN、PMMAなど、リチウムイオン伝導性をもたない高分子骨格中に、電解液を保持させることにより作製されてもよい。ゲルポリマー電解質を構成するポリマーと電解液との比率は、特に限定されず、ポリマー100%を全固体高分子電解質、電解液100%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲルポリマー電解質の概念に含まれる。また、全固体電解質は高分子あるいは無機固体などリチウムイオン伝導性を持つ電解質すべてが含まれる。

0115

電解質層中には、イオン伝導性を確保するために支持塩が含まれることが好ましい。電池がリチウム二次電池である場合には、支持塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、前述の通り、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2などのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。

0116

本発明について、実施例および比較例に基づいて効果をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。

0117

合成例、実施例、比較例で得られたポリイミドフィルムの貯蔵弾性率変曲点(ガラス転移温度)、貯蔵弾性率変化量、面直方向と平面方向の体積抵抗率の比、電解液の溶媒遮断性、正極電位に対する耐久性、および負極電位に対する耐久性については、次の方法により測定・評価した。

0118

(貯蔵弾性率変曲点)
貯蔵弾性率変曲点(ガラス転移温度)は、SIIナノテクノロジー社製DMS6100により測定した。なお、測定は、得られたポリイミドフィルムのMD(長手方向)に対して行った。
サンプル測定範囲;幅9mm、つかみ具間距離20mm
測定温度範囲;0〜400℃
・昇温速度;3℃/分
歪み振幅;10μm
測定周波数;1,5,10Hz
・最小張力圧縮力;100mN
・張力/圧縮ゲイン;1.5
・力振幅初期値;100mN

0119

(貯蔵弾性率変化量)
貯蔵弾性率は、上記貯蔵弾性率変曲点(ガラス転移温度)を算出した後、測定データからガラス転移温度よりも20℃低い温度における貯蔵弾性率(A1)、ならびにガラス転移温度よりも20℃高い温度(A2)における貯蔵弾性率を読み取った。

0120

(面直方向と平面方向の体積抵抗率の比)
得られた導電性フィルムを15mm□のサイズに切り抜き切り抜いたフィルムの両面の中央部10mm□の領域に金薄膜スパッタ法により形成させた。金薄膜にそれぞれ銅箔を1MPaの加圧により密着させ、2つの銅箔の間に電流Iを流したときの、電位Vを測定し、測定値V/Iを面直方向の単位面積あたりの電気抵抗値とした。この電気抵抗値を体積抵抗率に換算した。
LORESTA−GP(MCP−T610、株式会社三菱化学アナリテック製)を用い、4探針プローブを導電性フィルム表面に押し当てて平面方向の表面抵抗率を測定し、それを体積抵抗率に換算した。
上記測定方法で求められた各体積抵抗率について、面直方向の体積抵抗率を平面方向の体積抵抗率で割ることにより、体積抵抗率の比を算出した。

0121

(電解液の溶媒遮断性)
各実施例および比較例で作製した、導電性ポリイミドフィルムを直径8cm円形にくりぬきサンプル用フィルムとした。
溶媒遮断性試験には、以下の治具(各括弧内の記号図1の記号を示す)を用いた。
テフロンブロック(1):片側に直径4cm円形深さ1cmの溝がある、直径10cm、高さ2cmの円柱状のテフロンブロック(「テフロン」は登録商標。)。
リング(2):内径4.44cm、太さ0.31cmのOリング。
フィルム押さえ(4):内径4cm、外径10cm、厚さ0.2mmのSUS304製のフィルム押さえ。
溶媒透過量は以下の手順で測定した。
テフロンブロック(1)の溝に、カーボネート系溶媒0.5g(5)を入れ、Oリング(2)とサンプル用フィルム(3)、フィルム押さえ(4)の順に上に重ねた。フィルム押さえ(4)とテフロンブロック(1)の間に圧力をかけ、Oリング(2)とサンプル用フィルム(3)とテフロンブロック(1)との間からカーボネート系溶媒(5)が漏洩しないようにした。導電性ポリイミドフィルムの金属層を設けた構成のサンプル用フィルム(3)を評価する場合は、金属層を設けていない側がカーボネート系溶媒(5)と接触するようにした。上下ひっくり返してフィルム押さえ(4)が下になるようにし(図1)、全体の重量を測定した。その後、図1に示す状態で、乾燥空気中、25℃雰囲気で2週間静置した後、再度重量を測定した。このときの重量の差を、溶媒透過量とした。溶媒透過量が10mg以下であれば、電解液の溶媒の遮断性に優れる。なお、本測定において、溶媒と接しているフィルムの面積は16.6cm2である。

0122

(正極電位に対する耐久性の測定)
電極セルフラットセル(宝株式会社)を用いた。対極は、直径15mm、厚さ0.5mmの円筒形Li箔、セパレーターは直径19mmの円形に切り抜いたセルガード2500(ポリプロピレン製、宝泉株式会社)、作用極は直径30mmの円形に切り抜いた導電性フィルム、電解液は1mol/L LiPF6のエチレンカーボネートおよびジエチルカーボネート混合溶液体積比3:7、商品名:LBG−94913、キシダ化学株式会社)を用いた。
セルの作製は、以下の手順で、アルゴン雰囲気下で行った。セル中に対極、電解液を含浸させたセパレーター、作用極の順に重ねた。このとき、対極とセパレーターは直径15mmの円形領域、作用極とセパレーターは直径16mmの円形領域のみが接触し、作用極と対極が接触しないようにした。次いで、対極と作用極にSUS304製電極をそれぞれ接続(それぞれ電極A、電極Bとする)し、セル中にガス出入りが起こらないようにセルを密閉系にした。
測定は以下の手順で行った。セルを55℃の恒温槽に入れ、1時間静置し、セルの電極A、Bをソーラートロンマルチスタット1470Eに接続した。ついで、電極Bに対する電極Aの電位が4.2Vになるように定電位で保持したときの1分後の電流aと1日後の電流bを測定し、b/aを算出した。b/aが1/2以下であれば、正極電位に対する耐久性を有するとする。

0123

(負極電位に対する耐久性の測定)
セルの構成、作製手順は、作用極の積層フィルムの金属層を設けている側がセパレータと接するように配置した以外は、上記正極電位に対する耐久性の測定方法と同様とした。
測定は以下の手順で行った。セルを55℃の恒温槽に入れ、1時間静置し、セルの電極A、Bをソーラートロン製マルチスタット1470Eに接続した。ついで、電極Aと電極Bの電位差を測定しながら、電極Bから電極Aに20.1μAの定電流を流した。このとき、電極Aと電極Bの電位差が5mVに達するまでの時間を測定した。一般にリチウムイオン電池の集電体に用いられている銅箔(20μm厚み)で測定した5mVに達するまでの時間を1として、測定サンプルでの5mVに達するまでの時間を、銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間とした。銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間が10以下であれば、負極電位に対する耐久性に優れる。銅箔と比較した負極電位に達するまでの時間が1に近いほど、負極電位に対する耐久性が高い。

0124

(実施例1)
容量2Lのセパラブルフラスコに、ジメチルホルムアミドDMF)を812.6g、p−フェニレンジアミン(p−PDA)63.6gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)81.3gを徐々に添加した。s−BPDAを全量添加後、全体を40℃に加温し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらs−BPDAのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が100Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液(カーボン分散ポリアミド酸溶液)を得た。
上記手順にて得られたカーボン分散ポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅流延し、90℃で600秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、150℃で300秒間、250℃で300秒間、350℃で300秒間、400℃で300秒間乾燥し、導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、200℃で3分間、300℃で3分間、400℃で3分間それぞれ乾燥を行い、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0125

(実施例2)
容量2Lのセパラブルフラスコに、DMFを812.6g、p−PDAを17.5g、4,4’−オキシジアニリン(ODA)を32.5g加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら、s−BPDA47.7g、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)49.1gを徐々に添加した。原料を全量添加後、全体を25℃に調整し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらBTDAのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が200Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液(カーボン分散ポリアミド酸溶液)を得た。
上記手順にて得られたカーボン分散ポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gに対し、イソキノリン9.3g、無水酢酸9.7g、およびDMF21gからなるイミド化促進剤を添加して均一にしたものを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、120℃で216秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、250℃で200秒間乾燥し、続けて400℃で64秒間乾燥を行って、導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、180℃で3分間、250℃で3分間、350℃で3分間それぞれ乾燥を行い、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0126

(実施例3)
容量2Lのセパラブルフラスコに、DMFを819.1g、p−PDAを19.8g、ODAを36.6g加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら、s−BPDA53.8g、ピロメリット酸二無水物(PMDA)37.5gを徐々に添加した。原料を全量添加後、全体を25℃に調整し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらPMDAのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が200Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液(カーボン分散ポリアミド酸溶液)を得た。
上記手順にて得られたカーボン分散ポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
この方法にて得られたカーボン分散ポリアミド酸溶液を用いて、実施例2と同様の手段で導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、180℃で3分間、250℃で3分間、350℃で3分間それぞれ乾燥を行い、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0127

(実施例4)
容量2Lのセパラブルフラスコに、DMFを829.4g、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を98g加え、窒素雰囲気下で撹拌しながらPMDA50.5gを徐々に添加した。原料を全量添加後、全体を25℃に調整し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらPMDAのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が200Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液(カーボン分散ポリアミド酸溶液)を得た。
上記手順にて得られたカーボン分散ポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
この方法にて得られたカーボン分散ポリアミド酸溶液を用いて、実施例2と同様の手段で導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、180℃で3分間、250℃で3分間、350℃で3分間それぞれ乾燥を行い、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0128

(実施例5)
容量2Lのセパラブルフラスコに、DMFを829.4g、ODAを52.7g加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら 4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物(BPADA)を68.5g、PMDA27gを徐々に添加した。原料を全量添加後、全体を25℃に調整し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらPMDAのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が200Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液(カーボン分散ポリアミド酸溶液)を得た。
上記手順にて得られたカーボン分散ポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
この方法にて得られたカーボン分散ポリアミド酸溶液を用いて、実施例2と同様の手段で導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、180℃で3分間、250℃で3分間、350℃で3分間それぞれ乾燥を行い、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0129

(実施例6)
容量2Lのセパラブルフラスコに、DMFを820.4g、ODA71.8gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら、PMDA75.9gを徐々に添加した。PMDAを全量添加後、全体を20℃に調温し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらPMDAのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が100Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液(カーボン分散ポリアミド酸溶液)を得た。
上記手順にて得られたカーボン分散ポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、90℃で600秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、150℃で300秒間、250℃で300秒間、350℃で300秒間、400℃で300秒間乾燥し、導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、200℃で3分間、300℃で3分間、400℃で3分間それぞれ乾燥を行い、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0130

(比較例1)
容量2Lのセパラブルフラスコに、DMFを810.0g、シロキサンジアミン(信越化学工業株式会社製KF8010)45.1gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物(ESDA)101.7gを一気に添加した。原料を全量添加後、全体を25℃に調整し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらESDAのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が50Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液を得た。
上記手順にて得られたポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、80℃で600秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、150℃で300秒間、200℃で300秒間、250℃で300秒間乾燥し、導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。更に120℃で5分間、150℃で5分間それぞれ乾燥を行った後、乾燥後のフィルムをPETフィルムから剥離して、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0131

(比較例2)
容量2Lのセパラブルフラスコに、DMFを819.1g、シロキサンジアミン(信越化学工業株式会社製KF8010)68.6gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら s−BPDA79.0gを一気に添加した。原料を全量添加後、全体を30℃に調整し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらs−BPDAのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が50Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液を得た。
上記手順にて得られたポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
この方法にて得られたポリアミド酸溶液を用いて、比較例1と同様の手段で導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。更に120℃で5分間、150℃で5分間それぞれ乾燥を行った後、乾燥後のフィルムをPETフィルムから剥離して、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0132

(比較例3)
容量2Lのセパラブルフラスコに、DMFを821.6g、BAPP75.0gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら、3,3’,4,4’−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(TMEG)72.7gを一気に添加した。原料を全量添加後、全体を25℃に調整し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらTMEGのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が50Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液を得た。
上記手順にて得られたポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
この方法にて得られたポリアミド酸溶液を用いて、最高温度を250℃から300℃に変更する以外は比較例1と同様の手段で導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、150℃で3分間、200℃で3分間、250℃で3分間それぞれ乾燥を行い、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0133

(比較例4)
容量2Lのセパラブルフラスコに、DMFを822.9g、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン(DA3EG)79.6gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら、s−BPDA68.3gを徐々に添加した。原料を全量添加後、全体を30℃に調整し、原料が全て溶けるまで撹拌を続けた。その後、導電付与剤としてケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)を15g加え、30分間撹拌を行った。
次いで、この溶液を0.8mmφのジルコニア製ビーズを用いて、容量0.6Lのビーズミルを用いて羽の回転周速10m/secにて分散処理を行った。
分散処理後、セパラブルフラスコに処理溶液を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながらs−BPDAのDMF分散液(7.2wt%)を徐々に添加した。粘度が50Pa・sになったところで添加、撹拌をやめ、導電付与剤を分散せしめたポリアミド酸溶液を得た。
上記手順にて得られたポリアミド酸溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
この方法にて得られたポリアミド酸溶液を用いて、比較例3と同様の手段で導電性ポリイミドフィルムを得た。
一方、ケッチェンブラックの添加、分散処理を行わずに上記と同様の操作を行い、カーボン未分散ポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、150℃で3分間、200℃で3分間、250℃で3分間それぞれ乾燥を行い、貯蔵弾性率測定用のポリイミドフィルムを得た。

0134

以上の実施例1〜6および比較例1〜4で得られたポリイミドフィルムについて貯蔵弾性率変曲点と貯蔵弾性率変化量の測定を行い、導電性ポリイミドフィルムについて、面直方向と平面方向の体積抵抗率の比、電解液の溶媒遮断性、正極電位に対する耐久性の測定を行った。結果を表1に示す

0135

0136

表1によれば、実施例1〜6で得られた導電性ポリイミドフィルムは、面直方向と平面方向の体積抵抗率の比、溶媒遮断性、正極電位に対する耐久性のいずれも良好であるのに対し、比較例1〜4で得られた導電性ポリイミドフィルムは溶媒遮断性が低下する結果となった。

0137

(実施例7)
実施例1で得られた導電性ポリイミドフィルムの片面に、スパッタリング装置製品名:NSP−6、株式会社昭和真空製)および銅(単体)のターゲットを使用し、スパッタガス圧13.5Pa(アルゴンガス)、出力900W下で成膜し、厚み500nmの銅薄膜層を形成して積層フィルムを得た。

0138

(実施例8)
実施例2で得られた導電性ポリイミドフィルムを使用する以外は実施例7と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0139

(実施例9)
スパッタリング装置の代わりに真空蒸着装置(製品名:EBH−6、株式会社アルバック製)を使用して銅薄膜層を形成する以外は実施例7と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0140

(実施例10)
実施例2で得られた導電性ポリイミドフィルムを使用する以外は実施例9と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0141

(実施例11)
銅薄膜層の厚みを200nmにする以外は実施例7と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。この銅薄膜層上に更に硫酸銅電気めっきを行うことにより厚み500nmの銅薄膜層を設けた積層フィルムを得た。

0142

(実施例12)
銅薄膜層の厚みを200nmにする以外は実施例8と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。続いて実施例11と同様のめっき操作を行い、積層フィルムを得た。

0143

(実施例13)
実施例1で得られた導電性ポリイミドフィルムの片面に、平均粒子径5nmの銅ナノ粒子分散液を最終厚みが500nmとなるようにバーコーターにより塗布し、150℃で5分間乾燥させた。続いて、窒素雰囲気下で300℃で1時間加熱を行って積層フィルムを得た。

0144

(実施例14)
実施例1で得られた導電性ポリイミドフィルムの片面に、平均粒子径5nmの銅ナノ粒子分散液を最終厚みが100nmとなるようにバーコーターにより塗布し、150℃で5分間乾燥させた。続いて、窒素雰囲気下で300℃で1時間加熱を行って銅薄膜層を形成した。この銅薄膜層上に更に硫酸銅電気めっきを行うことにより厚み400nmの銅薄膜層を設けた積層フィルムを得た。

0145

(比較例5)
ポリイソブチレン(EP400、株式会社カネカ製)、ケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)、およびトルエンを重量比で9.07:1:30の割合で調整し、5mmφのジルコニア球を用いてボールミル分散を行った。分散条件はバッチ250g、ジルコニア球500g、回転数600rpm、30分とした。更に上記重量比で0.93相当の硬化剤((—Si−O−)繰り返しユニットを平均して7.5個もつメチルハイドロジェンシリコーン白金触媒存在下全ヒドロシリル基量の2当量のα−オレフィンを添加し、1分子中に平均約5.5個のヒドロシリル基を有する化合物。この化合物のSi−H基含有量は6mmol/gであった。)、上記重量比で0.017相当の硬化遅延剤サーフィノール61、日信化学工業株式会社製)および上記重量比で0.012相当の硬化触媒(Pt−VTS−3.0X、ユミコアジャパン株式会社製)を添加して攪拌および脱泡を行って分散液を得た。
得られた分散液を、ワイヤーバーロッドNo.30、塗工速度1cm/秒)を用いてテフロン(登録商標)上に最終合計厚みが20μmになるよう流延し、150℃で10分間乾燥硬化させた後、テフロンを剥離により除去し、導電性フィルムを得た。この導電性フィルムについて電解液の溶媒遮断性を確認したところ、4000mgであった。
得られた導電性フィルムを使用する以外は実施例7と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0146

(比較例6)
カーボンブラック入りポリプロピレン樹脂(商品名:レオパウンドグレードF1020ライオン株式会社製)のペレットを用い、加熱プレス法(160℃)により、厚み約90μmの導電性フィルムを得た。この導電性フィルムについて電解液の溶媒遮断性を確認したところ、420mgであった。
得られた導電性フィルムを使用する以外は実施例7と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0147

(比較例7)
ブチルゴム(IIR365、日本ブチル株式会社製)、ケッチェンブラック(EC600JD、ライオン株式会社製)、およびトルエンを重量比で10:1:30の割合で調整し、5mmφのジルコニア球を用いてボールミル分散を行った。分散条件は上記割合で調製した混合物250g、ジルコニア球500g、回転数600rpm、30分とした。その後、脱泡を行って分散液を得た。
得られた分散液を用いて比較例5と同様の操作を行い、導電性フィルムを得た。この導電性フィルムについて電解液の溶媒遮断性を確認したところ、3500mgであった。
得られた導電性フィルムを使用する以外は実施例7と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0148

(比較例8)
比較例5と同様の操作で得られた導電性フィルムを用いて、実施例11と同様の操作を行って金属層を形成し、積層フィルムを得た。

0149

以上の実施例7〜14および比較例5〜8にて得られた積層フィルムについて、電解液の溶媒遮断性、および負極電位に対する耐久性を確認した。結果を表2に示す。

0150

0151

表2によれば、電解液の溶媒遮断性に優れた本発明の導電性ポリイミドフィルムを基材として用いた実施例7〜14の積層フィルムは、より溶媒遮断性が上がるとともに負極電位に対する耐久性に優れる結果となった。一方、電解液の溶媒遮断性に劣る樹脂を使用した比較例5〜8の積層フィルムは、金属層を設けていても溶媒遮断性に劣る結果となった。これは、金属層を設けていない側から侵入した電解液によりフィルムが膨潤し、その応力によって金属層にクラック等が発生し、そこを通過して電解液が系外に揮発しているためと考えられる。

0152

以上の実施例1〜14および比較例1〜8の結果により、本発明の集電体が、双極型リチウムイオン二次電池用集電体として有用であることは明らかである。

0153

(合成例1)
容量500リットルステンレスに243.6kgのN,N−ジメチルホルムアミド(有機溶媒、以下「DMF」とする。)を注ぎ、14.6kgの4,4'−オキシジアニリン(以下「ODA」とする。)と2.0kgのp−フェニレンジアミン(以下「PDA」とする。)を添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、10.7kgの3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下「BPDA」とする。)と16.8kgの3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下「BTDA」とする。)を添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、11.4kgのDMFおよび0.9kgのBTDAよりなる溶液を上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、180℃で3分間、250℃で3分間、350℃で3分間それぞれ乾燥を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0154

(合成例2)
容量500リットルのステンレス釜に247.3kgのDMFを注ぎ、18.4kgのODAを添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、10.8kgのBPDAと11.8kgのBTDAと3.4kgのピロメリット酸二無水物(以下「PMDA」という。)を添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、7.7kgのDMFおよび0.6kgのPMDAよりなる溶液を上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を用いて合成例1と同様の操作を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0155

(合成例3)
容量500リットルのステンレス釜に246.5kgのDMFを注ぎ、22.4kgの2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン(以下「BAPP」という。)と1.5kgのPDAを添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、8.0kgのBPDAと12.5kgのBTDAを添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、8.5kgのDMFおよび0.7kgのBTDAよりなる溶液を上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を用いて合成例1と同様の操作を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0156

(合成例4)
容量500リットルのステンレス釜に245.9kgのDMFを注ぎ、7.3kgのODAと15.1kgのBAPPを添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、10.8kgのBPDAと11.1kgのBTDAを添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、9.1kgのDMFおよび0.7kgのBTDAよりなる溶液を上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を用いて合成例1と同様の操作を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0157

(合成例5)
容量500リットルのステンレス釜に249.5kgのDMFを注ぎ、26.8kgのBAPPを添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、15.4kgのBPDAと2.4kgのPMDAを添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、5.5kgのDMFおよび0.4kgのPMDAよりなる溶液を上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を用いて合成例1と同様の操作を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0158

(合成例6)
容量500リットルのステンレス釜に243.8kgのDMFを注ぎ、19.7kgのODAを添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、14.5kgのBPDAと10.1kgのPMDAを添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、8.7kgのDMFおよび0.7kgのPMDAよりなる溶液を上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を用いて合成例1と同様の操作を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0159

(合成例7)
容量500リットルのステンレス釜に245.9kgのDMFを注ぎ、21.5kgのODAを添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、22.8kgのPMDAを添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、9.1kgのDMFおよび0.7kgのPMDAよりなる溶液を上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるようにDMFで希釈した後、125μm厚みのPETフィルム(ルミラー、東レ株式会社製)上に最終厚みが20μmになるよう流延し、80℃で5分間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、金属製のピン枠に固定し、120℃で3分間、200℃で3分間、300℃で3分間、400℃で3分間それぞれ乾燥を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0160

(合成例8)
容量500リットルのステンレス釜に242.3kgのDMFを注ぎ、12.1kgのPDAを添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、31.9kgのBPDAを添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、12.7kgのDMFおよび1.0kgのBPDAよりなるスラリーを上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を用いて合成例7と同様の操作を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0161

(合成例9)
容量500リットルのステンレス釜に246.7kgのDMFを注ぎ、19.7kgのODAを添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、14.5kgのBPDAと10.1kgのPMDAを添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、8.3kgのDMFおよび0.6kgのPMDAよりなる溶液を上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を用いて合成例1と同様の操作を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0162

(合成例10)
容量500リットルのステンレス釜に246.3kgのDMFを注ぎ、16.5kgのODAと2.2kgのPDAを添加して攪拌を行った。添加した原料の溶解を目視で確認した後、ここに、15.1kgのBPDAと10.5kgのPMDAを添加して攪拌を続けた。30分攪拌後、原料の溶解を目視で確認してから、8.7kgのDMFおよび0.7kgのPMDAよりなる溶液を上記反応溶液の粘度に注意しながら徐々に添加し、粘度が300Pa・sに達したところで添加および攪拌をやめ、固形分濃度15重量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液を用いて合成例1と同様の操作を行い、ポリイミドフィルムを得た。

0163

(実施例15)
合成例1で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、11.8kgのイソキノリン、11.7kgの無水酢酸、および6.6kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製エンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、400℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0164

(実施例16)
合成例2で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、11.9kgのイソキノリン、11.7kgの無水酢酸、および6.4kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、400℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0165

(実施例17)
合成例3で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、8.8kgのイソキノリン、8.7kgの無水酢酸、および12.5kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、400℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0166

(実施例18)
合成例4で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、9.5kgのイソキノリン、9.4kgの無水酢酸、および11.2kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、400℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0167

(実施例19)
合成例5で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、8.4kgのイソキノリン、8.3kgの無水酢酸、および13.2kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、400℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0168

(実施例20)
合成例6で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、13.8kgのイソキノリン、13.6kgの無水酢酸、および2.6kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、400℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0169

(実施例21)
合成例7で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、7.0kgのイソキノリン、18.3kgの無水酢酸、および4.8kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、450℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0170

(実施例22)
合成例8で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、7.2kgのイソキノリン、19.0kgの無水酢酸、および3.8kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、450℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0171

(実施例23)
合成例9で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、12.7kgのイソキノリン、12.6kgの無水酢酸、および4.7kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、400℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0172

(実施例24)
合成例10で得られたポリアミド酸溶液とケッチェンブラック(商品名:ECP600JD、ライオン株式会社製)とDMFとを重量比で10:1:20の割合で混合したものに、ボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間を要した。
更に、上記カーボン分散液と上記ポリアミド酸溶液とを100:183の重量比で混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。この溶液は、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラック10重量部を含んでいた。
このカーボン分散ポリアミド酸溶液150kgに対し、13.3kgのイソキノリン、13.1kgの無水酢酸、および3.6kgのDMFとなる比率で調合したイミド化促進剤を添加してミキサーで連続的に攪拌した溶液をTダイから押し出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。130℃で100秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをエンドレスベルトから剥離した後、ピンテンターに固定し、200℃で30秒間、300℃で30秒間、400℃で60秒間加熱を行って厚み25μmの導電性ポリイミドフィルムを得た。

0173

以上の合成例1〜10で得られたポリイミドフィルムの貯蔵弾性率変曲点と貯蔵弾性率変化量の測定結果、並びに実施例15〜24で得られた導電性ポリイミドフィルムについての電解液の溶媒遮断性、面直方向と平面方向の体積抵抗率の比、正極電位に対する耐久性の測定を行った。結果を表3に示す。

0174

0175

表3に示す通り、貯蔵弾性率変曲点と貯蔵弾性率の変化量が本発明の(1)および(2)の範囲に制御されたポリイミドフィルムを使用した実施例15〜20の導電性フィルムは、実施例21〜24の導電性ポリイミドフィルムの面直方向と平面方向の体積抵抗率の比に対して当該比が大幅に小さく、面直方向の導電性が選択的に高まっていることがわかる。これにより、本発明の導電性ポリイミドフィルムは電池の内部抵抗の上昇を抑え、出力密度の向上を実現することができるため、電池用集電体、特に双極型電池用の集電体として有用であることは明らかである。

0176

(実施例25)
実施例15で得られた導電性ポリイミドフィルムの片面に、スパッタリング装置(製品名:NSP−6、株式会社昭和真空製)および銅(単体)のターゲットを使用し、スパッタガス圧13.5Pa(アルゴンガス)、出力900W下で成膜し、厚み200nmの銅薄膜層を形成して積層フィルムを得た。
この銅薄膜層上に更に硫酸銅電気めっきを行うことにより、厚み500nmの銅薄膜層を設けた積層フィルムを得た。

0177

(実施例26)
実施例16で得られた導電性ポリイミドフィルムを使用する以外は実施例25と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0178

(実施例27)
実施例17で得られた導電性ポリイミドフィルムを使用する以外は実施例25と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0179

(実施例28)
実施例18で得られた導電性ポリイミドフィルムを使用する以外は実施例25と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0180

(実施例29)
実施例19で得られた導電性ポリイミドフィルムを使用する以外は実施例25と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0181

(実施例30)
実施例20で得られた導電性ポリイミドフィルムを使用する以外は実施例25と同様の操作を行い、積層フィルムを得た。

0182

以上の実施例25〜30にて得られた積層フィルムについて、負極電位に対する耐久性を確認した。結果を表4に示す。

0183

実施例

0184

表4によれば、本発明の導電性ポリイミドフィルムを基材として用いた実施例25〜30の積層フィルムは、負極電位に対する耐久性に優れる結果となった。

0185

1.テフロン(登録商標)ブロック
2.Oリング
3.サンプル用フィルム
4.フィルム押え
5.カーボネート系溶媒

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