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技術 積層フィルムおよび包装容器

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 井口依久乃菅谷幸子
出願日 2013年10月15日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2014-542138
公開日 2016年9月5日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 WO2014-061651
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 特殊用途包装体
主要キーワード サンド層 ジグザグ線 加熱実験 未形成領域 部分平面 包装袋形成 内容物入り 蒸気抜き孔
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月5日)のものです。
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図面 (18)

課題・解決手段

積層フィルムが、熱融着可能な熱可塑性樹脂からなる内層と、前記内層に積層された外層と、少なくとも前記外層の一部が除去されかつ少なくとも前記内層の一部が存在し、平面視における形状が線状であり、2.0ギガパスカル以下のヤング率を有する脆弱加工部と、を備える。

概要

背景

従来、調理済みまたは半調理状態食品常温低温、あるいは冷凍保存可能に包装袋等の包装容器に収容し、開封せずに電子レンジで加熱して、食べられる状態にする食品が知られている。

包装容器を開封せずに電子レンジで加熱すると、包装容器内の水分が水蒸気になり、体積が増加する。したがって、水蒸気を放出可能な隙間がないと包装容器が破裂する等の恐れがある。一方、内容物が半調理状態等の場合は、単に加熱するだけではなく、発生した水蒸気によって内容物を蒸らすこと等が必要となる場合がある。この場合、蒸気を放出する孔等が過度に大きいと、蒸らしが十分行われず、風味落ちる等の問題がある。

上記の用途に対応した包装袋はいくつか知られている。いずれも積層フィルムを用いて形成されるのが一般的である。内圧が高まると、積層フィルムの一部に裂け目ができて当該裂け目から水蒸気を放出することにより破裂を防止する。

電子レンジによる加熱時に内容物を蒸らすことも可能な包装袋としては、例えば特許文献1に記載される包装袋が知られている。この包装袋では、外層および内層を有する積層フィルムの一部に、外層及び内層を貫通するスリットを形成し、その後内層を加熱して溶融させ、内層のスリットのみを閉じている。この包装袋を電子レンジで加熱すると、内層が裂けて小さな穴が形成される。したがって、過度に水蒸気が放出されず、破裂を防ぎつつ蒸らしを行うことができる。

概要

積層フィルムが、熱融着可能な熱可塑性樹脂からなる内層と、前記内層に積層された外層と、少なくとも前記外層の一部が除去されかつ少なくとも前記内層の一部が存在し、平面視における形状が線状であり、2.0ギガパスカル以下のヤング率を有する脆弱加工部と、を備える。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、包装容器に適用することで電子レンジによる加熱時に破裂を防ぐことができ、製造も容易な積層フィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
7件

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請求項1

熱融着可能な熱可塑性樹脂からなる内層と、前記内層に積層された外層と、少なくとも前記外層の一部が除去されかつ少なくとも前記内層の一部が存在し、平面視における形状が線状であり、2.0ギガパスカル以下のヤング率を有する脆弱加工部と、を備えた積層フィルム

請求項2

線状低密度ポリエチレン樹脂からなり、熱融着可能な内層と、前記内層に積層された外層と少なくとも前記外層の一部が除去されかつ少なくとも前記内層の一部が存在し、平面視における形状が線状であり、2.8ギガパスカル未満のヤング率を有する脆弱加工部と、を備えた積層フィルム。

請求項3

前記脆弱加工部近傍の加熱環境下におけるラミネート強度が0.1N/25mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。

請求項4

前記脆弱加工部は、レーザー照射により形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の積層フィルム。

請求項5

前記内層と前記外層との間に設けられた中間層をさらに備える請求項1から4のいずれか一項に記載の積層フィルム。

請求項6

前記中間層は、前記内層と前記外層とのラミネート強度を低下させるインキ層であり、平面視において前記脆弱加工部および前記脆弱加工部の周囲を除く領域に形成されている請求項5に記載の積層フィルム。

請求項7

前記中間層は、前記内層と前記外層とのラミネート強度を向上させる強ラミネート層であり、平面視において前記脆弱加工部の長手方向両側を含む領域に形成されている請求項5に記載の積層フィルム。

請求項8

請求項1から7のいずれか一項に記載の積層フィルムを少なくとも一部に備え、電子レンジによる加熱時に、前記脆弱加工部に複数の小孔が形成される包装容器

技術分野

0001

本発明は、積層フィルム、より詳しくは、包装容器に用いることで内容物を電子レンジにより好適に加熱できる積層フィルム、および当該積層フィルムを用いた包装袋に関する。
本願は、2012年10月15日に、日本に出願された特願2012−228075号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0002

従来、調理済みまたは半調理状態食品常温低温、あるいは冷凍保存可能に包装袋等の包装容器に収容し、開封せずに電子レンジで加熱して、食べられる状態にする食品が知られている。

0003

包装容器を開封せずに電子レンジで加熱すると、包装容器内の水分が水蒸気になり、体積が増加する。したがって、水蒸気を放出可能な隙間がないと包装容器が破裂する等の恐れがある。一方、内容物が半調理状態等の場合は、単に加熱するだけではなく、発生した水蒸気によって内容物を蒸らすこと等が必要となる場合がある。この場合、蒸気を放出する孔等が過度に大きいと、蒸らしが十分行われず、風味落ちる等の問題がある。

0004

上記の用途に対応した包装袋はいくつか知られている。いずれも積層フィルムを用いて形成されるのが一般的である。内圧が高まると、積層フィルムの一部に裂け目ができて当該裂け目から水蒸気を放出することにより破裂を防止する。

0005

電子レンジによる加熱時に内容物を蒸らすことも可能な包装袋としては、例えば特許文献1に記載される包装袋が知られている。この包装袋では、外層および内層を有する積層フィルムの一部に、外層及び内層を貫通するスリットを形成し、その後内層を加熱して溶融させ、内層のスリットのみを閉じている。この包装袋を電子レンジで加熱すると、内層が裂けて小さな穴が形成される。したがって、過度に水蒸気が放出されず、破裂を防ぎつつ蒸らしを行うことができる。

先行技術

0006

国際公開第2012/086295号

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1に記載の包装袋では、破裂を防ぎつつ蒸らしを行うことができるが、スリットの形成及び再溶着に関する加工が複雑である。従って、製造工程が煩雑になり、製造効率を向上させにくい。また、再溶着後の密封品質保証することが困難である。

0008

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、包装容器に適用することで電子レンジによる加熱時に破裂を防ぐことができ、製造も容易な積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、電子レンジによる加熱時に破裂を防ぐことができ、製造も容易な包装容器を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明の第一態様に係る積層フィルムは、熱融着可能な熱可塑性樹脂からなる内層と、前記内層に積層された外層と、少なくとも前記外層の一部が除去されかつ少なくとも前記内層の一部が存在し、平面視における形状が線状であり、2.0ギガパスカル以下のヤング率を有する脆弱加工部と、を備える。
本発明の第二態様に係る積層フィルムは、線状低密度ポリエチレン樹脂からなり、熱融着可能な内層と、前記内層に積層された外層と、少なくとも前記外層の一部が除去されかつ少なくとも前記内層の一部が存在し、平面視における形状が線状であり、2.8ギガパスカル未満のヤング率を有する脆弱加工部と、を備える。
また、前記脆弱加工部近傍の加熱環境下におけるラミネート強度は、0.1N/25mm以上であってもよい。
なお、前記脆弱加工部は、レーザー照射により形成されてもよい。

0010

また、上記本発明の第一態様または第二態様に係る積層フィルムは、前記内層と前記外層との間に設けられた中間層をさらに備えてもよい。
このとき、前記中間層を前記内層と前記外層とのラミネート強度を低下させるインキ層とし、平面視において前記脆弱加工部および前記脆弱加工部の周囲を除く領域に形成してもよいし、前記中間層を前記内層と前記外層とのラミネート強度を向上させる強ラミネート層とし、平面視において前記脆弱加工部の長手方向両側を含む領域に形成してもよい。

0011

本発明の第三態様に係る包装容器は、上記第1態様に係る積層フィルムを少なくとも一部に備え、電子レンジによる加熱時に前記脆弱加工部に複数の小孔が形成される。

発明の効果

0012

上記本発明の態様に係る積層フィルムによれば、包装容器に適用することで電子レンジによる加熱時に破裂を防ぐことができ、製造も容易に行うことができる。
また、上記本発明の態様に係る包装容器によれば、電子レンジによる加熱時に破裂を防ぐことができ、製造も容易に行うことができる。
また、上記本発明の態様に係る積層フィルムまたは包装容器によれば、包装容器に適用することで電子レンジによる加熱時に蒸らしを良好に行うことができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の第一実施形態に係る積層フィルムで形成された包装袋を示す斜視図である。
図1のA−A線における断面図である。
脆弱加工部のヤング率を測定する際の試験片を示す模式図である。
電子レンジで加熱されたときの脆弱加工部を示す図である。
同積層フィルムの変形例における断面図である。
同積層フィルムの変形例における断面図である。
本発明の第二実施形態に係る積層フィルムの部分平面図である。
図6AのB−B線における断面図である。
同積層フィルムの変形例における内層を示す平面図である。
同積層フィルムの変形例における内層を示す平面図である。
同積層フィルムの変形例における内層を示す平面図である。
本発明の実施例に係る積層フィルムの脆弱加工部を示す平面図である。
本発明の実施例に係る積層フィルムの脆弱加工部を示す平面図である。
本発明の実施例に係る積層フィルムの脆弱加工部を示す平面図である。
本発明の実施例に係る積層フィルムの脆弱加工部を示す平面図である。
本発明の実施例に係る積層フィルムの脆弱加工部を示す平面図である。
本発明の包装容器の変形例を示す斜視図である。

実施例

0014

本発明の第一実施形態に係る積層フィルム及び包装容器について、図1から図5Bを参照して説明する。
図1は、本実施形態の包装袋(包装容器)1を示す斜視図である。包装袋1は、少なくとも一方の面が熱融着可能な積層フィルム10を用いて袋状に形成されている。
本実施形態の包装袋1は、長方形または正方形の一枚の積層フィルム10の端部10aと端部10bとを熱融着して略筒状にした後、当該筒状形状管腔が延びる方向の両端部10cおよび10dを熱融着により接合することで袋状に形成されている。
本実施形態の包装袋において、積層フィルムを袋状に形成する手順及び方法には特に制限はない。例えば、2枚の積層フィルムを対向配置し、周縁部を熱融着により接合することで包装袋が形成されてもよいし、他の方法がとられてもよい。

0015

図2は、図1中のA−A線における積層フィルム10の断面図である。積層フィルム10は、包装袋1の外面を形成する外層20と、包装袋1の内面を形成し、熱融着可能な内層30とが積層されて構成されている。外層20および内層30は、いずれも樹脂で形成される。

0016

外層20を形成する樹脂としては、内容物を保護する観点から、比較的剛性の高い材料が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、及び二軸延伸ナイロン(ONy)などを挙げることができるが、これらに限られない。
外層20には、印刷または蒸着等の二次加工を施すことにより、意匠性を高めたり、各種情報が表示されたりしてもよい。このような二次加工は、外層20の表裏いずれの面に行われてもよい。

0017

内層30は、いわゆるシーラント層として機能するため、内層30を形成する樹脂としては、熱融着可能な熱可塑性樹脂、例えば公知の各種汎用ポリオレフィンおよび特殊ポリオレフィンを用いることができる。具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、未延伸ポリプロピレンCPP)、エチレン酢酸ビニル共重合体EVA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメタクリル酸共重合体EMAA)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンメチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレンアクリル酸メチル共重合体(EMA)、及びアイオノマー(IO)等を挙げることができるが、これらに限られない。

0018

内層30を形成する樹脂として熱融着可能な熱可塑性樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる場合は、内層30の衝撃破壊質量は100グラム(g)以上800g以下が好ましく、100g以上700g以下がより好ましい。
なお、本発明の実施形態においては、衝撃破壊質量は、JIS K7124「プラスチックフィルムおよびシート自由落下ダート法による衝撃試験方法」に準じて測定した値と定義する。

0019

外層20と内層30とは、図示しない接着層を間に配置して公知のドライラミネーション処理を行うことにより接合されている。外層と内層とを積層する方法には特に制限はなく、後述するように他の樹脂を挟んだサンドイッチラミネーションまたは共押出し等の方法によって外層と内層とを積層してもよい。

0020

図1および図2に示すように、包装袋1の外面の一部には、外層20の少なくとも一部が除去された脆弱加工部40が設けられている。脆弱加工部40において、外層20は、例えば幅w1が約150マイクロメートル(μm)、長さl1が40ミリメートル(mm)の領域で除去されており、当該領域に溝40aが形成されている。本実施形態における脆弱加工部40は、積層フィルム10のうち溝40a内に位置する、他の部位よりも薄くなった部分であり、脆弱加工部40では、外層20が概ねすべて除去されている。

0021

脆弱加工部40では、外層20が除去されることにより、単位断面積あたりの応力−歪み直線の傾きとして示されるヤング率(引張弾性率)が積層フィルム10の他の部位に比べて低く、裂けやすくなっている。具体的には、脆弱加工部40のヤング率は、JIS K 7127に準拠した測定において2.0ギガパスカル(GPa)以下となっている。また、特に内層30を形成する樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる場合は、脆弱加工部40のヤング率は、JIS K 7127に準拠した測定において2.8ギガパスカル(GPa)未満となっていればよい。
なお、脆弱加工部40のヤング率の下限値は特に限定されないが、脆弱加工部40が内層単層のヤング率を下回った場合は、落下などの衝撃により脆弱加工部が破断するおそれがあり好ましくない。
なお、JIS K 7127では、試験片の大きさが定められているため、脆弱加工部のみのヤング率をJIS K 7127にしたがって測定することは困難である。そこで、本発明では、図3に示すような試験片Spを用いてJIS K 7127にしたがって測定したヤング率をもって、脆弱加工部のヤング率と定義する。試験片Spでは、JIS K 7127に定める大きさに切り出された積層フィルム10の長手方向中央に、幅方向にわたって延びるように脆弱加工部40が形成されている。なお、脆弱加工物のヤング率算出に用いる断面積は、脆弱加工部の厚みを用いて算出する。

0022

本発明の実施形態においては、ヤング率が上述した条件を満たしていれば、脆弱加工部における外層除去の程度や加工深さには特に制限はない。例えば、脆弱加工部の全面にわたって薄く外層が残存することにより内層が露出していなくてもよいし、外層のみならず内層の一部が除去されていてもよい。ただし、電子レンジによる加熱前の内容物の漏れを防ぐため、脆弱加工部は内層を貫通しないように形成される。つまり、脆弱加工部のヤング率が上述した条件を満たすように、少なくとも外層の一部が除去されかつ少なくとも前記内層の一部が存在していればよい。
また、脆弱加工部40を形成する位置については、端部10aないし10d等の、積層フィルム10を袋状に形成するために熱融着される部位と異なる部位であればどこでもよく、内容物の種類及び充填工程等を考慮して任意の位置に形成することが可能である。
さらに、図では脆弱加工部が一本の直線状に形成される場合が示されているが限定されず、上述したヤング率の条件を満たせば、脆弱加工部は例えば曲線状、ジグザグ線状であってもよく、また、2本以上形成されていてもよい。また、図では脆弱加工部が連続線である場合が示されているが、上述したヤング率の条件を満たせば、破線などで形成されていてもよい。

0023

脆弱加工部40を形成する方法としては、レーザー照射によるレーザー加工が好適である。レーザー加工を用いると、レーザーヘッドの出力と走査速度とを調整することで、脆弱加工部の形状及び加工深さを比較的容易に調節することができる。ただし、形成手段はレーザー加工には限られず、他の方法を用いることも可能である。

0024

任意の位置に脆弱加工部40を形成した積層フィルム10を、開放端部を残して略袋状に形成し、開放端部から内容物を充填した後に開放端部を熱融着することで、内容物が充填された包装袋1が完成する。内容物が充填された本実施形態の包装袋1を電子レンジに入れて加熱すると、内容物に含まれる水分が水蒸気となって膨張し、包装袋1の内圧が上昇する。

0025

内圧の上昇により、脆弱加工部に裂け目が生じて、積層フィルムを厚さ方向に貫通する孔が形成されるが、本発明の発明者らは、上述のように定義された脆弱加工部40のヤング率を上述した所定の値未満に設定すると、電子レンジによる加熱時に包装袋1の内圧が上昇した際に脆弱加工部40が全体にわたって裂けず、図4に示すように、互いに離間した複数の小孔41が形成されることを発見した。

0026

基本的に、脆弱加工部40はその長手方向には変形しやすいが、長手方向と直交する方向では外層20と接合された部位と近接しており変形しにくい。従って、脆弱加工部40において、互いに離間したいくつかの点に応力が集中することによると考えられる。形成された小孔41を結ぶように裂け目が広がらないのは、小孔41から水蒸気が放出されて内圧が低下するためと考えられる。

0027

また発明者らは、脆弱加工部40をレーザー加工で形成すると、小孔41が脆弱加工部40の長手方向にわたり比較的短い等間隔で多数形成されることも発見した。これは、レーザー光の出力の周期的変動により、脆弱加工部を形成する際にできる溝に深い部分と浅い部分とが繰り返し形成され、溝の深い部分、すなわち脆弱加工部においてより薄い部分が早く裂けて小孔が形成されることによると推測される。
また、内層30をLLDPEで形成する場合、LLDPEは、柔軟性に富み伸びやすく、衝撃強度も高いため、小孔41が形成された後も積層フィルムに作用する内圧によく耐え、小孔どうしが連通して破断することが防止される。

0028

脆弱加工部40に複数の小孔41が形成されるため、包装袋1の内部に発生した水蒸気は、一気に包装袋1の外部に放出されず、内圧の上昇に応じて随時破裂を防ぐ程度に放出され続ける。これにより、電子レンジによる加熱時も破裂等を起こさず、かつ包装袋1内に残留する水蒸気による蒸らしも好適に行うことができる。

0029

以上説明したように、本実施形態の積層フィルム10を備えた包装袋1によれば、電子レンジによる加熱時に、脆弱加工部40に複数の小孔41が形成されるため、内圧上昇による破裂等を好適に防ぎつつ、水蒸気の一部を包装袋内にとどめて蒸らしを好適に行うことができる。

0030

また、脆弱加工部40を設ける場合、内層をスリットで切離してから再融着する等の工程が必要ない。そのため、積層フィルム10の製造工程を簡略化できる。したがって、包装袋1を容易に製造することができる。

0031

さらに、脆弱加工部40は、内層30どうしが熱融着される端部を除いて積層フィルム上のどの部位にも形成でき、包装袋設計の自由度が高い。したがって、内容物の種類等に応じて脆弱加工部の形成位置が異なる複数種類の包装袋を製造するような場合でも、例えばレーザー照射位置を変更する等により容易に対応することができる。

0032

本実施形態において、外層および内層は必ずしも単層でなくてもよい。図5Aに示す変形例の積層フィルム10Aでは、外層20Aが、第一の樹脂で形成される第一層21と、第一の樹脂とは異なる第二の樹脂で形成される第二層22とを有している。
図5Bに示す変形例の積層フィルム10Bでは、外層20Aと接合される内層30Aが、第三の樹脂で形成される上層31と、第三の樹脂と異なる第四の樹脂で形成される下層32とを有している。例えば、内層30AとしてLLDPEを用いる場合、内層30Aが、LLDPEからなる上層31と、上層31とは異なる物性のLLDPEからなる下層32とを有していることが好ましい。図5Bのような構成では、サンドイッチラミネート法により第三の樹脂で外層20Aと下層32とを接合することで、接着層を用いずに積層フィルム10Bを形成することが可能である。
なお、脆弱加工部が形成可能であれば層の数及び構成は限定されず、例えば内層が2層で外層が1層であってもよく、それぞれ3層以上あるような構成であってもよい。

0033

また、本発明の実施形態においては、脆弱加工部近傍の加熱環境下におけるラミネート強度は、0.1N/25mm以上であることが好ましい。加熱環境下でのラミネート強度が0.1N/25mm以上の場合、電子レンジ加熱時包材内容積が膨張する際でも、脆弱加工部以外の領域で外層と内層が接着されていることにより、容積膨張による応力が脆弱加工領域の内層に限定されて加わり、上記領域の内層が効率的に伸ばされ局所的な破断が起こるため、脆弱加工領域に限定して蒸気抜き孔出現させることが出来る。
一方、加熱環境下でのラミネート強度が0.1N/25mmを下回る場合、電子レンジ加熱時、包材の内容積が膨張する際、内層が伸びようとする応力により外層と内層の層間が剥離してしまう。従って、内層が単層で際限なく伸びてしまう。更に内容積が過剰に膨張すると、内層の強度が低下することにより不特定箇所から破袋してしまう。

0034

本発明の第二実施形態に係る積層フィルム及び包装袋について、図6Aから図7Cを参照して説明する。本実施形態の積層フィルム51と第一実施形態の包装袋1を形成する積層フィルム10との異なる点は、外層と内層との間に中間層が設けられている点である。なお、以降の説明において、すでに説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
なお、本実施形態においても、脆弱加工部40のヤング率は、JIS K 7127に準拠した測定において2.0ギガパスカル(GPa)以下となっている。また、本実施形態においても、特に内層30を形成する樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる場合は、脆弱加工部40のヤング率は、JIS K 7127に準拠した測定において2.8ギガパスカル(GPa)未満となっていればよい。さらに、本発明の実施形態においても、脆弱加工部近傍の加熱環境下におけるラミネート強度は、0.1N/25mm以上であることが好ましい。

0035

図6Aは、本実施形態の積層フィルム51の部分平面図であり、図6Bは、図6AのB−B線における断面図である。図6Bに示すように、積層フィルム51においては、外層20と内層30との間に、インキ層(中間層)52が形成されている。
インキ層52は、包装容器の意匠性を高めたり、商品に関する各種表示等の機能を含めたりするために設けられ、公知の各種インキを用いて形成することができる。

0036

一般に、インキ層52が介在することにより、外層20と内層30とのラミネート強度は低下するが、脆弱加工部40およびその周辺のラミネート強度が低下すると、加熱時に小孔がうまく形成されない場合がある。それを防ぐため、本実施形態では、図6Aに示すように、脆弱加工部およびその周囲にインキ層52が形成されていない。脆弱加工部40の周囲においてインキ層52を形成しない範囲は適宜設定できるが、例えば、脆弱加工部40を中心に長手方向両側に5mmずつ、幅方向両側に2.5mmずつ離れた位置を含む長方形の範囲とすることができる。

0037

材質相性等により、外層と内層とのラミネート強度が高くない場合は、中間層を設けることにより、ラミネート強度を向上させてもよい。図7Aから図7Cには、外層と内層とのラミネート強度を高めるための変形例を示している。
図7Aから図7Cは、すべて変形例における積層フィルムにおいて、外層を除いて示す部分平面図である。内層55のうち、外層と接合される面には、メジウムを塗布することにより強ラミネート層56が形成されている。また、強ラミネート層56が形成された部分では、外層と内層とのラミネート強度が、他の部位よりも向上されている。図7Aに示すように、脆弱加工部40(脆弱加工部はもっぱら外層に形成されるため、破線で示す。)の長手方向両側に強ラミネート層56を形成すると、強ラミネート層56により脆弱加工部40にかかる応力の作用が不均一となり、脆弱加工部40の延長線と強ラミネート層56とが交差する部位Pに小孔41が形成される。

0038

したがって、この変形例における強ラミネート層(中間層)56は、少なくとも脆弱加工部40の長手方向両側に形成されればよく、この条件を満たす限り、図7Bに示すように、脆弱加工部40の周囲全体に形成されてもよいし、図7Cに示すように、脆弱加工部の長手方向両側をすべて覆うように形成されてもよい。また、図示しないが、強ラミネート層が積層フィルムの全面に形成されてもよい。

0039

本実施形態の積層フィルム51においても、第一実施形態の積層フィルム10と同様に、包装容器に適用することで、電子レンジによる加熱時に、内圧上昇による破裂等を好適に防ぎつつ、蒸らしを好適に行うことができる。

0040

また、外層と内層との間に中間層を有するため、脆弱加工部およびその周囲のラミネート強度を適切に調節することにより、外層および内層としてより多種の材料を用いても、加熱時に脆弱加工部に好適に小孔を形成させることができる。

0041

さらに、中間層をインキ層とすれば、積層フィルムで形成した包装袋に意匠性を付与したり、製品情報等を表示したりすることも容易に行うことができる。

0042

続いて、本発明について、実施例を用いてさらに説明する。
(実施例1グループ
実施例1グループは、外層および内層がそれぞれ単層で構成されている。
(実施例1−1)
外層として、厚さ12μmのPETフィルムを、内層として、厚さ30μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.15GPa:JIS K 7127に従って測定、以下同様。)を用いた。外層と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合し、レーザー照射により、幅150μm、長さ40mmで外層を概ね貫通する深さの脆弱加工部を形成して実施例1−1の積層フィルムを製造した。
実施例1−1の積層フィルムにおいて、上述の方法で測定した脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、外層と内層とのラミネート強度(JIS K 6854に従って測定)は8N/25mmであった。
これを上述の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。包装袋は、略直方体状に形成されるため、端部10aと端部10bとの接合部を含む面を底面、その反対側を天面、底面と天面との間の面を側面とした。実施例1−1の包装袋は、脆弱加工部が天面に位置するように形成した。

0043

(実施例1−2)
積層フィルムとして、実施例1−1と同一の積層フィルムを用いた。実施例1−2の包装袋は、脆弱加工部が側面に位置するように形成した。

0044

(実施例1−3)
積層フィルムとして、実施例1−1と同一の積層フィルムを用いた。実施例1−2の包装袋は、脆弱加工部が底面に位置するように形成した。

0045

(実施例1−4)
外層および内層の材質は、実施例1−1の材質と同一である。脆弱加工部は、レーザー照射により破線状に形成した。破線は、1mmの長さの溝を0.1mmの間隔を空けて30回繰り返して形成した。脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであった。
実施例1−4の包装袋は、脆弱加工部が天面に位置するように形成した。

0046

(実施例1−5)
内層として、厚さ40μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.15GPa)を用いた点を除き、実施例1−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.7GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。

0047

(実施例1−6)
内層として、厚さ30μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.12GPa)を用いた点を除き、実施例1−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。

0048

(実施例1−7)
内層として、厚さ30μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.05GPa)を用いた点を除き、実施例1−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.0GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。

0049

(実施例1−8)
内層として、厚さ30μmのEVAフィルム(ヤング率0.16GPa)を用いた点を除き、実施例1−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.7GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。

0050

(実施例1−9)
内層として、厚さ30μmのLDPEフィルム(ヤング率0.3GPa)を用いた点を除き、実施例1−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、2.0GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。

0051

(比較例1−A)
内層として、厚さ30μmのCPPフィルム(ヤング率0.7GPa)を用いた点を除き、実施例1−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、2.2GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。

0052

(比較例1−B)
内層として、厚さ30μmのCPPフィルム(ヤング率0.8GPa)を用いた点を除き、実施例1−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、2.5GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。

0053

上述した各実施例および各比較例の包装袋に対して、下記手順により電子レンジによる加熱実験を行った。
包装袋形成時に、50ccの水を含んだ状態で冷凍させた布を内容物として包装袋内に配置してから包装袋の端部を閉じて密閉した。内容物入りの包装袋を電子レンジにより出力600ワットで2分間加熱し、破裂の有無および蒸らしの状態を観察した。破裂は、包装袋において脆弱加工部以外の部位が裂ける、または、脆弱加工部が裂けるが、脆弱加工部以外の部位まで裂け目が延びる、のいずれかが発生した状態と定義した。蒸らしについては、加熱中、脆弱加工部内にmm単位または1mm以下の蒸気孔が形成されて膨張状態が良好に保持されたものを良、脆弱加工部内にcm単位の蒸気孔が形成され、膨張状態がある程度保持されたものを可、脆弱加工部以外が裂ける、または脆弱加工部が裂けるが、脆弱加工部以外の部位まで裂け目が延び、膨張状態を保持できないものを悪とした。実施例1−1から1−8、および比較例1−Aから1−Cの結果を表1に示す。

0054

0055

表1に示すように、脆弱加工部のヤング率を2.0GPa以下とした実施例1−1から1−8では、加熱時に脆弱加工部に複数の小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、蒸らしを行うことができた。また、実施例1−9でも、脆弱加工部全体にわたり大きな裂け目が形成されたため、破裂を抑制できた。
これに対し、比較例1−Aおよび1−Bでは、それぞれ脆弱加工部および熱融着した積層フィルムの端部から破裂を起こした。

0056

(実施例2グループ)
実施例2グループは、外層および内層の少なくとも一方が複数層で構成された実施例である。

0057

(実施例2−1)
外層として、厚さ12μmのPETフィルムおよび厚さ15μmのONyフィルムを、内層として、厚さ40μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.15GPa)を用いた。
PETフィルムとONyフィルム、および外層と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合し、レーザー照射により、幅150μm、長さ40mmで外層を概ね貫通する深さの脆弱加工部を形成して実施例2−1の積層フィルムを作製した。実施例2−1の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。
実施例2−1の積層フィルムを、実施例1−1と同様の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。

0058

(実施例2−2)
外層の構成は実施例2−1と同一とし、内層として厚さ40μmのLLDPEフィルムを準備した。
外層のフィルムどうしをドライラミネーションで接合後、LDPEをサンド層としたサンドイッチラミネーションを行って外層と内層とを接合した。これにより、内層がLDPE(厚さ13μm)およびLLDPEの二層構成とされた実施例2−2の積層フィルム(内層のヤング率0.15GPa)を作製した。実施例2−2の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。
実施例2−1の積層フィルムを、実施例1−1と同様の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。

0059

(比較例2−A)
脆弱加工部の深さを、PETフィルムのみを概ね貫通する深さとした以外は、実施例2−1と同様の手順で比較例2−Aの積層フィルムを作製した。比較例2−Aの積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、3.5GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。
比較例2−Aの積層フィルムを、実施例1−1と同様の方法で袋状に形成し、本比較例の包装袋を作製した。

0060

(比較例2−B)
脆弱加工部の深さを、ONyフィルムの厚さ方向中間部まで達する深さとした以外は、実施例2−1と同様の手順で比較例2−Bの積層フィルムを作製した。比較例2−Bの積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、3.1GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。
比較例2−Bの積層フィルムを、実施例1−1と同様の方法で袋状に形成し、本比較例の包装袋を作製した。

0061

実施例2−1から2−3ならびに比較例2−Aおよび2−Bの包装袋に対し、実施例1グループと同様の条件で行った電子レンジによる加熱実験の結果を表2に示す。

0062

0063

表2に示すように、脆弱加工部のヤング率を2.0GPa以下とした実施例2−1および2−2では、加熱時に脆弱加工部に複数の小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、蒸らしを行うことができた。
これに対し、比較例では、いずれも熱融着した積層フィルムの端部から破裂を起こした。

0064

(実施例3グループ)
実施例3グループは、ラミネート強度を低下させるインキ層を中間層として備えた実施例である。
(実施例3−1)
外層として、厚さ12μmのPETフィルムを、内層として、厚さ30μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.15GPa)を用いた。白色インキを用いた印刷によりPETフィルムの一方の面に、50mm×5mmの長方形領域を除いてインキ層を形成した。その後、外層のうちインキ層を設けた面と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合した。そして、レーザー照射により、幅150μm、長さ40mmで外層を概ね貫通する深さの脆弱加工部を、平面視においてインキ層を形成しなかった領域内に位置するように形成して実施例3−1の積層フィルムを作製した。実施例3−1の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。
実施例3−1の積層フィルムを、実施例1−1と同様の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。

0065

(実施例3−2)
内層として、厚さ40μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.15GPa)を用いた点を除き、実施例3−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。

0066

(実施例3−3)
脆弱加工部の形状を実施例1−4と同一とした点を除き、実施例3−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は8N/25mmであった。

0067

(実施例3−4)
インキ層をPETフィルムの一方の面全体に形成した点を除き、実施例3−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は1.8N/25mmであった。

0068

実施例3−1から3−4の包装袋に対し、実施例1グループと同様の条件で行った電子レンジによる加熱実験の結果を表3に示す。

0069

0070

表3に示すように、脆弱加工部のヤング率を2.0GPa以下とし、かつ脆弱加工部の周囲にインキ層を形成しなかった実施例3−1から3−3では、加熱時に脆弱加工部に複数の小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、蒸らしを行うことができた。
一方、実施例3−4でも、破裂を抑制しつつ蒸らしを行うことができたが、脆弱加工部に形成された小孔の数が他の実施例よりも少なく、蒸気が包装袋から噴出する現象がみられた。したがって、インキ層を設ける場合は、脆弱加工部の周囲を避けるのが好ましいことが示された。

0071

(実施例4グループ)
実施例4グループは、ラミネート強度を増加させる強ラミネート層を中間層として備えた実施例である。

0072

(実施例4−1)
外層として、厚さ12μmのPETフィルムを、内層として、厚さ40μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.16GPa)を用いた。また、外層の一面上において、脆弱加工部を形成する領域の長手方向両側に、それぞれ10mm×5mmのメジウムコート層(強ラミネート層)を印刷により形成した。外層のうちメジウムコート層を設けた面と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合した。さらに、レーザー照射により、幅150μm、長さ40mmで外層を概ね貫通する深さの脆弱加工部を、平面視において2つのメジウムコート層の間に位置するように形成して実施例4−1の積層フィルムを作製した。実施例3−1の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、メジウムコート層における外層と内層とのラミネート強度は5N/25mmであった。
実施例4−1の積層フィルムを、実施例1−1と同様の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。

0073

(実施例4−2)
メジウムコート層を、50mm×5mmの未形成領域を除くPETフィルム(外層)の全面に形成し、脆弱加工部を平面視において未形成領域内に位置するように形成した点を除き、実施例4−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、メジウムコート層における外層と内層とのラミネート強度は5N/25mmであった。

0074

(実施例4−3)
PETフィルムの幅方向の一端から他端にわたって幅50mmで形成される未形成領域を除いて、メジウムコート層をPETフィルムの全面に形成し、脆弱加工部を平面視において未形成領域内に位置するように形成した点を除き、実施例4−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、メジウムコート層における外層と内層とのラミネート強度は5N/25mmであった。

0075

(実施例4−4)
脆弱加工部の形状を実施例1−4と同一とした点を除き、実施例4−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、メジウムコート層における外層と内層とのラミネート強度は5N/25mmであった。

0076

(実施例4−5)
メジウムコート層を設けなかった点を除き、実施例4−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであり、外層と内層とのラミネート強度は2N/25mmであった。

0077

実施例4−1から4−4、および比較例4−Aの包装袋に対し、実施例1グループと同様の条件で行った電子レンジによる加熱実験の結果を表4に示す。

0078

0079

表4に示すように、脆弱加工部のヤング率を2.0GPa以下とし、かつ脆弱加工部の長手方向両側にメジウムコート層を設けた実施例4−1から4−4では、加熱時に脆弱加工部の延長線とメジウムコート層との交点(2か所)に小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、蒸らしを行うことができた。
また、メジウムコート層を設けなかった実施例4−5では、脆弱加工部全体にわたり大きな裂け目が形成され、破裂を抑制できた。

0080

(実施例5グループ)
実施例5グループは、外層および内層がそれぞれ単層で構成されている。
実施例5−1〜5−3は、外層として厚さ12μmのPETフィルムを、内層として、厚さ30μmまたは40μmのLLDPEを用いた。外層と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合し、レーザー照射により、幅150μm、長さ40mmで外層を概ね貫通する深さの脆弱加工部を形成して積層フィルムを製造した。
実施例5−4〜5−6は、外層として厚さ16μmのPETを、内層として厚さ30μmまたは40μmのLLDPEを用いた。その後は同様の方法で貼りあわせを行った。また、実施例5−1〜5−6の脆弱加工部のヤング率はそれぞれ1.8〜2.0GPaの範囲であった。
実施例5−7は、外層として厚さ12μmのPETフィルムを用い、内層に低密度ポリエチレン(LDPE)(厚さ40μm)を用いた。また、実施例5−7の脆弱加工部のヤング率は2.0GPaであった。
比較例5−A〜5−Bは、外層として厚さ12μmのPETフィルムを用い、内層に未延伸ポリプロピレン(CPP)(厚さ40μm)を用いた。比較例5−Aの脆弱加工部のヤング率は2.2GPa、比較例5−Bの脆弱加工部のヤング率は2.5GPaであった。
実施例および比較例のフィルムを袋状に形成し、包装袋を形成した。

0081

各実施例および各比較例の包装袋に対して、下記手順により電子レンジによる加熱実験を行った。
包装袋形成時に、50ccの水を含んだ状態で冷凍させた布を内容物として包装袋内に配置してから包装袋の端部を閉じて密閉した。内容物入りの包装袋を電子レンジにより出力600ワットで2分間加熱し、破裂の有無および蒸らしの状態を観察した。実施例5−1から5−7、および比較例5−Aから5−Bの結果を表5に示す。

0082

0083

表5に示すように、実施例の包装袋では、内層にLLDPEを用いた実施例5−1〜実施例5−6では内層が伸びやすく、レーザー照射により形成した脆弱加工部に複数の小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、好適に蒸らしを行うことができた。また、脆弱加工部のヤング率が2.0GPのLDPEを用いた実施例7では、脆弱加工部全体が大きく開口して破裂を防ぐことができた。
これに対し、比較例では、内層を形成する樹脂がLLDPEでなく、伸び率が低いために、脆弱加工部の延長線上あるいは熱融着した積層フィルムの端部で破裂を起こした。

0084

(実施例6グループ)
実施例6グループは、外層および内層の少なくとも一方が複数層で構成された実施例である。

0085

(実施例6−1)
外層として、厚さ12μmのPETフィルムおよび厚さ15μmのONyフィルムを、内層として、厚さ40μmのLLDPEフィルムを用いた。PETフィルムとONフィルム、および外層と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合し、レーザー照射により、幅150μm、長さ40mmで外層を概ね貫通する深さの脆弱加工部を形成して実施例6−1の積層フィルムを作製した。
実施例6−1の積層フィルムを、実施例5−1と同様の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。

0086

(実施例6−2)
外層および内層の構成は実施例6−1と同一とした。
外層のフィルムどうしをドライラミネーションで接合後、LDPEをサンド層としたサンドイッチラミネーションを行って外層と内層とを接合した。これにより、LDPEからなる接着層(厚さ13μm)を介して外層と内層とが接合された実施例6−2の積層フィルムを作製した。実施例6−2の積層フィルムを、実施例5−1と同様の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。
また、実施例6−1及び6−2の脆弱加工部のヤング率は1.6GPaであった。

0087

実施例6−1および6−2の包装袋に対し、実施例5グループと同様の条件で行った電子レンジによる加熱実験の結果を表6に示す。

0088

0089

表6に示すように、実施例6−1および6−2では、加熱時に脆弱加工部に複数の小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、蒸らしを行うことができた。

0090

(実施例7グループ)
実施例7グループは、ラミネート強度を低下させるインキ層を中間層として備えた実施例である。
(実施例7−1)
外層として、厚さ12μmのPETフィルムを、内層として、厚さ40μmのLLDPEフィルムを用いた。白色インキを用いた印刷によりPETフィルムの一方の面にインキ層を形成したが、直線状の脆弱加工部(寸法および形成方法は実施例5−1と同様)の四方に幅2.5mmで広がる略帯状領域にはインキ層を形成しなかった。外層のうちインキ層を設けた面と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合し、レーザー照射により脆弱加工部を形成して実施例7−1の積層フィルムを作製した。
実施例7−1の積層フィルムを、実施例5−1と同様の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。

0091

(実施例7−2)
実施例7−2は、厚さ30μmのLLDPEフィルムを用いた点、および脆弱加工部の平面視における形状が実施例7−1と異なっている。脆弱加工部は、レーザー照射により破線状に形成した。破線の形状は、1mmの長さの溝を0.1mmの間隔を空けて30回繰り返したものとした。
(実施例7−3から7−7)
実施例7−3から7−7は、脆弱加工部の平面視における形状のみ実施例7−1と異なっている。図8Aないし図8Eに、実施例7−3から7−7における脆弱加工部の平面視形状をそれぞれ示す。

0092

(実施例7−8)
インキ層をPETフィルムの一方の面全体に形成した(すなわち、インキ層を形成しない領域がない)点を除き、実施例7−1と同様の手順で実施例7−8の積層フィルムおよび包装袋を作製した。
また、実施例7−1〜7−8の脆弱加工部のヤング率は1.6GPaであった。

0093

実施例7−1から7−8の包装袋に対し、実施例5グループと同様の条件で行った電子レンジによる加熱実験の結果を表7に示す。

0094

0095

表7に示すように、脆弱加工部の周囲にインキ層を形成しなかった実施例7−1から7−3では、加熱時に脆弱加工部に複数の小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、蒸らしを行うことができた。また、実施例7−2から7−7では、脆弱加工部を、単なる直線状ではない特徴的な形状とすることで、包装袋の製造過程で意図せず形成された傷またはピンホール等との区別がしやすくなった。なお、実施例7−6においては、試験片を図8D点線で示される形状となるように作製したが、脆弱加工部の交差部が試験片の中央付近に配置されていれば、同様の結果が得られると考えられる。
一方、実施例7−8でも、破裂を抑制しつつ蒸らしを行うことができたが、脆弱加工部に形成された小孔の数が他の実施例よりも少なく、蒸気が包装袋から噴出する現象がみられた。したがって、インキ層を設ける場合は、脆弱加工部の周囲を避けるのが好ましいことが示された。

0096

(実施例8グループ)
実施例8グループは、ラミネート強度を増加させる強ラミネート層を中間層として備えた実施例である。

0097

(実施例8−1)
外層として、厚さ12μmのPETフィルムを、内層として、厚さ40μmのLLDPEフィルムを用いた。また、外層の一面上において、脆弱加工部を形成する領域の長手方向両側に、それぞれ10mm×5mmのメジウムコート層(強ラミネート層)を印刷により形成した。外層のうちメジウムコート層を設けた面と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合した。さらに、レーザー照射により、幅150μm、長さ40mmで外層を概ね貫通する深さの脆弱加工部を、平面視において2つのメジウムコート層の間に位置するように形成して実施例8−1の積層フィルムを作製した。実施例8−1の積層フィルムにおいて、メジウムコート層における外層と内層とのラミネート強度は5N/25mmであった。
実施例8−1の積層フィルムを、実施例5−1と同様の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。

0098

(実施例8−2)
メジウムコート層を、50mm×5mmの未形成領域を除いてPETフィルムの全面に形成し、脆弱加工部を平面視において未形成領域内に位置するように形成した点を除き、実施例8−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。メジウムコート層における外層と内層とのラミネート強度は5N/25mmであった。

0099

(実施例8−3)
PETフィルムの幅方向の一端から他端にわたって幅50mmで形成される未形成領域を除いて、メジウムコート層をPETフィルムの全面に形成し、脆弱加工部を平面視において未形成領域内に位置するように形成した点を除き、実施例8−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。メジウムコート層における外層と内層とのラミネート強度は5N/25mmであった。

0100

(実施例8−4)
脆弱加工部の形状を実施例7−2と同一とした点を除き、実施例8−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。メジウムコート層における外層と内層とのラミネート強度は5N/25mmであった。
また、実施例8−1〜8−4の脆弱加工部のヤング率は1.6GPaであった。

0101

実施例8−1から8−4の包装袋に対し、実施例5グループと同様の条件で行った電子レンジによる加熱実験の結果を表8に示す。

0102

0103

表8に示すように、脆弱加工部の長手方向両側にメジウムコート層を設けた実施例8−1から8−4では、加熱時に脆弱加工部の延長線とメジウムコート層との交点(2か所)に小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、蒸らしを行うことができた。

0104

(実施例9グループ)
実施例9グループは、ラミネート強度を低下させるインキ層を中間層として備えた実施例である。
(実施例9−1)
外層として、厚さ12μmのPETフィルムを、内層として、厚さ40μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.15GPa)を用いた。インキを用いた印刷によりPETフィルムの一方の面に、50mm×5mmの長方形領域を除いてインキ層を形成した。その後、外層のうちインキ層を設けた面と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合した。そして、レーザー照射により、幅150μm、長さ40mmで外層を概ね貫通する深さの脆弱加工部を、平面視においてインキ層を形成しなかった領域内に位置するように形成して実施例9−1の積層フィルムを作製した。実施例9−1の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであった。
実施例9−1の積層フィルムを、実施例1−1と同様の方法で袋状に形成し、本実施例の包装袋を作製した。

0105

(実施例9−2)
内層としてヤング率0.27GPaのLLDPEフィルムを用いた点を除き、実施例9−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、1.8GPaであった。

0106

(実施例9−3)
外層として、厚さ16μmのPETフィルムを用いた点を除き、実施例9−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、2.0GPaであった。

0107

(実施例9−4)
外層として、厚さ25μmのPETフィルムを用いた点を除き、実施例9−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、2.6GPaであった。

0108

(実施例9−5)
実施例9−5では、内層として厚さ30μmのLLDPEフィルムを用いた点、及び外層の印刷面にLDPEからなるアンカーコート(AC)剤を塗工し、押し出しラミネートすることで外層と内層とを接合した点を除き、実施例9−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。外層と内層との間に形成されたLDPEの厚さは20μmであり、脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであった。

0109

(比較例9−A)
外層として厚さ25μmのPETフィルムを用いた点、及び内層としてヤング率0.45GPaのLLDPEフィルムを用いたを除き、実施例9−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。脆弱加工部のヤング率は、2.8GPaであった。

0110

実施例9−1から9−5及び比較例9−Aの包装袋に対し、実施例5グループと同様の条件で行った電子レンジによる加熱実験の結果を表9に示す。

0111

0112

表9に示すように、LLDPEフィルムの脆弱加工部のヤング率を2.8未満とした実施例9−1から9−5では、加熱時に脆弱加工部に複数の小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、蒸らしを行うことができた。
これに対し、比較例9−Aでは、脆弱加工部のヤング率が2.8以上であるため、シール部が破裂を起こした。

0113

(実施例10グループ)
実施例10グループは、様々な層構成を備えた積層フィルムに関する実施例である。
(実施例10−1)
外層として、厚さ12μmのPETフィルムを、内層として、厚さ40μmのLLDPEフィルム(ヤング率0.15GPa)を用いた。外層と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合し、レーザー照射により、幅150μm、長さ40mmで外層を概ね貫通する深さの脆弱加工部を形成して実施例10−1の積層フィルムを製造した。
実施例10−1の積層フィルムにおいて、上述の方法で測定した脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は3N/25mmであった。
(実施例10−2)インキを用いた印刷によりPETフィルムの一方の面に、50mm×5mmの長方形領域を除いてインキ層を形成した後、外層のうちインキ層を設けた面と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合した点を除き、実施例10−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
実施例10−2の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は1.2N/25mmであった。
(実施例10−3)
外層の印刷面にLDPEからなるアンカーコート(AC)剤を塗工し、押し出しラミネートすることで外層と内層とを接合した点を除き、実施例9−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
実施例10−3の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は2N/25mmであった。
(実施例10−4)
内層として、厚さ30μmのLLDPEフィルムを用いた点、及びHSニスを用いた印刷によりPETフィルムの一方の面の全面にヒートシール(HS)ニスを形成した後、外層のうちインキ層を設けた面と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合した点を除き、実施例10−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
実施例10−4の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、1.6GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は0.05N/25mmであった。
(実施例10−5)
内層として、厚さ40μmのLDPEフィルム(ヤング率0.3GPa)を用いた点を除き、実施例10−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
実施例10−5の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、2.0GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は3N/25mmであった。
(比較例10−A)
内層として、厚さ40μmのCPPフィルム(ヤング率0.7GPa)を用いた点を除き、実施例10−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
比較例10−Aの積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、2.5GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は3N/25mmであった。
(実施例10−6)
外層として、厚さ16μmのPETフィルムを用いた点を除き、実施例10−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
実施例10−6の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、2.2GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は3N/25mmであった。
(実施例10−7)
外層として、厚さ16μmのPETフィルムを用いた点、及びHSニスを用いた印刷によりPETフィルムの一方の面の全面にHSニスを形成した後、外層のうちインキ層を設けた面と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合した点を除き、実施例10−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
実施例10−7の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、2.2GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は0.05N/25mmであった。
(実施例10−8)
外層として厚さ25μmのPETフィルムを用いた点、及び内層としてヤング率0.27GPaのCPPフィルムを用いた点を除き、実施例10−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
実施例10−8の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、2.6GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は3N/25mmであった。
(実施例10−9)
外層として厚さ25μmのPETフィルムを用いた点、内層としてヤング率0.27GPaのCPPフィルムを用いた点、及びHSニスを用いた印刷によりPETフィルムの一方の面の全面にHSニスを形成した後、外層のうちHSニス層を設けた面と内層とを脂肪族エステル系のドライラミネート用接着剤を用いたドライラミネーションにより接合した点を除き、実施例10−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
実施例10−9の積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、2.6GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は0.05N/25mmであった。
(比較例10−B)
外層として、厚さ25μmのPETフィルムを用いた点、及び内層としてヤング率0.45GPaのCPPフィルムを用いた点を除き、実施例10−1と同様の手順で積層フィルムおよび包装袋を作製した。
比較例10−B積層フィルムにおいて、脆弱加工部のヤング率は、2.8GPaであった。また、積層フィルムを80℃環境下に2分間静置させた後、80℃環境下中で測定した外層と内層とのラミネート強度は3N/25mmであった。

0114

実施例10−1から10−9及び比較例10−Aから10−Bの包装袋に対し、実施例5グループと同様の条件で行った電子レンジによる加熱実験の結果を表10に示す。

0115

0116

表10に示すように、LLDPEフィルムの脆弱加工部のヤング率を2.8未満で、かつラミネート強度が0.1N/25mm以上とした実施例10−1,10−2,10−3、10−6、及び10−8では、加熱時に脆弱加工部に複数の小孔が形成され、破裂を起こさずに蒸気が包装袋外に放出された。また包装袋の膨張状態が保持され、蒸らしを行うことができた。
また、実施例10−4,10−5,10−7、及び10−9では、脆弱加工部全体が大きく開口して破裂を防ぐことができた。
これに対し、比較例10−Aでは、内層としてLLDPEフィルムが用いられておらず、かつ脆弱加工部のヤング率が2.0より大きかったため、脆弱加工部が裂け、破裂を起こした。さらに、比較例10−Bでは、脆弱加工部のヤング率が2.8以上であるため、シール部が破裂を起こした。

0117

以上、本発明の各実施形態および実施例について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したり、各実施形態の構成を組み合わせたりすることが可能である。

0118

例えば、本発明の積層フィルムは包装袋以外の包装容器にも利用可能である。図9には、積層フィルム10が、紙等で形成された容器本体100に蓋材として取り付けられた包装容器101の例を示している。このようにしても、包装容器101を電子レンジで加熱すると、脆弱加工部40から好適に蒸気を放出して破裂等を防止しつつ、蒸らしも行うことができる。

0119

また、本発明の積層フィルムは、いわゆるロールツーロール方式により、脆弱加工部を形成後に巻き取って原反の形にしながら製造されてもよい。このとき、脆弱加工部の延びる方向を巻取方向に対して平行としてもよいが、巻取方向に対して斜めとなるように形成すると、脆弱加工部が巻取方向に連続して存在しなくなるため、積層フィルムを巻き取った原反に凹凸が生じることを好適に防止することができる。その結果、好適に保存および輸送等を行うことができる。

0120

さらに、脆弱加工部の態様は、上記以外にも様々に変更することができる。例えば、ロータリダイカッター等の刃物加工を用いたいわゆるハーフカット加工等により、外層を除去せずに脆弱加工部が形成されてもよい。また、形状も、一方向に延びる線分状に限られず、屈曲または湾曲部分を有したり、複数の線分が接続されたりした線状に形成されてもよい。

0121

1包装袋(包装容器)10、51積層フィルム20、20A外層30、30A、55内層40脆弱加工部52インキ層(中間層)56 強ラミネート層(中間層)101 包装容器

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