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技術 太陽電池の製造装置およびこれを用いた太陽電池の製造方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 西村慎也吉田育弘
出願日 2013年7月4日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2014-534226
公開日 2016年8月8日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 WO2014-038277
状態 特許登録済
技術分野 ウェットエッチング ウエハ等の容器、移送、固着、位置決め等 光起電力装置
主要キーワード エッチング用薬液 アルカリ成分濃度 捕獲性能 汎用素材 添加機構 シリコン系基板 アルカリ性薬液 浮遊粉塵
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題・解決手段

高い光利用効率具備する太陽電池を製造する製造装置および製造方法を得ることを目的とするもので、シリコン系の半導体基板10表面にpn接合を形成した太陽電池の製造に用いられ、半導体基板10表面にテクスチャーを形成するためのエッチング装置であって、強アルカリ系のエッチング液1と、エッチング液1を保持し、エッチング液1中に、半導体基板10を浸漬することでテクスチャーエッチングを行なうエッチング槽2と、エッチング液1をろ過する親水性繊維部を備えたろ過部6とを具備したことを特徴とする。

概要

背景

従来の太陽電池基板(以下、基板と呼ぶこともある)においては、光入射面(以下、受光面と呼ぶ)に凹凸(以下テクスチャーと呼ぶ)を形成し、受光面の反射率を低減させ、基板内部へ入射する光の量を増加させる技術がある。すなわち、太陽電池基板に発生するキャリア数は基板内に入射する光の量に大きく依存し、入射する光の量を増加させるためにテクスチャーが形成される。

テクスチャー構造の1つとして、ピラミッド状の凹凸からなるものがある。このようなテクスチャーの形成方法としては、アルカリ性薬液、例えば水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム水溶液中に、界面活性剤、例えばカプリル酸を混合した薬液に基板を浸漬し、基板の結晶方位によるエッチングレートの違いを利用する方法が一般的に用いられている。

このような形成方法において、エッチングの際に基板から溶出するドーパントイオンを除去し、エッチング用薬液機能低下を防ぎ、薬液の再利用回数を増加させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

高い光利用効率具備する太陽電池を製造する製造装置および製造方法を得ることを目的とするもので、シリコン系の半導体基板10表面にpn接合を形成した太陽電池の製造に用いられ、半導体基板10表面にテクスチャーを形成するためのエッチング装置であって、強アルカリ系のエッチング液1と、エッチング液1を保持し、エッチング液1中に、半導体基板10を浸漬することでテクスチャーエッチングを行なうエッチング槽2と、エッチング液1をろ過する親水性繊維部を備えたろ過部6とを具備したことを特徴とする。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光利用効率が高く、光電変換効率に優れた太陽電池を得ることのできる太陽電池の製造装置および製造方法を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

シリコン系の半導体基板表面にpn接合を形成した太陽電池の製造に用いられ、前記半導体基板表面にテクスチャーを形成するためのエッチング装置であって、強アルカリ系のエッチング液と、前記エッチング液を保持し、前記エッチング液中に、前記半導体基板を浸漬することでテクスチャーエッチングを行なうエッチング槽と、前記エッチング液をろ過する親水性繊維部を備えたろ過部とを具備し、前記親水性繊維部は、繊維同士が交差する点において結合せずに絡まっていることを特徴とする太陽電池の製造装置

請求項2

前記親水性繊維部は、繊維径200μm以下の親水性繊維で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造装置。

請求項3

前記親水性繊維部は、繊維径0.1〜10μmの親水性繊維で構成されたことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池の製造装置。

請求項4

前記半導体基板を支持するカセットを具備し、前記半導体基板は前記カセットごと、エッチング液に浸漬され、エッチング終了後、前記カセットごと、エッチング液から引き上げられるように構成され、前記ろ過部は、前記カセットに装着された親水性繊維部であることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池の製造装置。

請求項5

前記カセットの側面あるいは底面に開口部が設けられ、前記開口部は前記親水性繊維により覆われることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池の製造装置。

請求項6

前記エッチング槽は、前記エッチング液を循環する循環部を具備したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池の製造装置。

請求項7

前記カセットの開口部に設置された親水性繊維に向かってエッチング液が噴き出るように、前記循環部の出口が設置されることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池の製造装置。

請求項8

前記ろ過部によって除去されたアルカリ成分エッチング補助成分の量を検知する検知部を有し、該検知された量に基づき前記アルカリ成分と前記エッチング補助成分を前記エッチング液に補給する補給部を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池の製造装置。

請求項9

前記ろ過部に接続され、ろ過部を経由することなく直接エッチング槽に帰還するバイパス流路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造装置。

請求項10

前記エッチング槽は、内槽外槽を備えるオーバーフロー槽であり、前記ろ過部は前記外槽に設けられた親水性繊維部からなるろ過フィルターであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池の製造装置。

請求項11

前記親水性繊維部は、表面を親水化された高分子材料からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽電池の製造装置。

請求項12

前記親水性繊維部は、厚さ1mm以上であることを特徴とする請求項11に記載の太陽電池の製造装置。

請求項13

前記親水性繊維部は、厚さ2mm以上であることを特徴とする請求項12に記載の太陽電池の製造装置。

請求項14

強アルカリ系のエッチング液と、前記エッチング液を保持し、前記エッチング液中に、シリコン系の半導体基板を浸漬することでテクスチャーエッチングを行なうエッチング槽と、前記エッチング液をろ過する親水性繊維部を備えたろ過部とを具備し、前記親水性繊維部が、繊維同士が交差する点において結合せずに絡まっている、太陽電池の製造装置を用い、前記半導体基板を、強アルカリ系のエッチング液を保持したエッチング槽に浸漬することでテクスチャーエッチングを行なうエッチング工程と、テクスチャーの形成された前記半導体基板表面に、pn接合を形成する工程とを含む太陽電池の製造方法であって、前記エッチング工程は、前記親水性繊維部を備えた前記ろ過部によって、前記エッチング液をろ過しながらエッチングを行なうことを特徴とする太陽電池の製造方法。

請求項15

前記エッチング工程に先立ち、前記親水性繊維部を、前記エッチング液のアルカリ濃度の50質量%以上、200質量%以下のアルカリ濃度を持つ、アルカリ液に浸漬する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池の製造方法。

請求項16

前記親水性繊維部は、繊維径0.1〜10μmの親水性繊維で構成されたことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池の製造方法。

請求項17

前記ろ過部は、前記半導体基板を支持するカセットに装着された親水性繊維部であり、前記エッチング工程は、カセットに前記半導体基板を装着し、前記カセットごと、前記半導体基板をエッチング液に浸漬し、エッチング反応による上昇流によってエッチング液を循環しながらエッチングし、エッチング終了後、前記カセットごと、エッチング液から引き上げる工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の太陽電池の製造方法。

請求項18

前記エッチング工程は、エッチング液を循環する循環部を用いて、エッチング液を循環しながら前記半導体基板をエッチングする工程であることを特徴とする請求項17に記載の太陽電池の製造方法。

請求項19

前記エッチング工程は、前記循環部の出口から、前記カセットに設置された前記親水性繊維部に向かってエッチング液を噴き出しながら前記半導体基板をエッチングする工程であることを特徴とする請求項18に記載の太陽電池の製造方法。

請求項20

前記ろ過部によって除去されたアルカリ成分とエッチング補助成分の量を検知する工程と、該検知された量に基づき前記アルカリ成分と前記エッチング補助成分を前記エッチング液に補給する工程を有することを特徴とする請求項14〜19のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。

請求項21

前記ろ過部に接続されたバイパス流路によって、前記エッチング液が、前記ろ過部を経由することなく直接エッチング槽に帰還できるようにしたことを特徴とする請求項20に記載の太陽電池の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、太陽電池製造装置およびこれを用いた太陽電池の製造方法に関し、特に、高い光利用効率を有する太陽電池の製造装置およびこれを用いた太陽電池の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来の太陽電池基板(以下、基板と呼ぶこともある)においては、光入射面(以下、受光面と呼ぶ)に凹凸(以下テクスチャーと呼ぶ)を形成し、受光面の反射率を低減させ、基板内部へ入射する光の量を増加させる技術がある。すなわち、太陽電池基板に発生するキャリア数は基板内に入射する光の量に大きく依存し、入射する光の量を増加させるためにテクスチャーが形成される。

0003

テクスチャー構造の1つとして、ピラミッド状の凹凸からなるものがある。このようなテクスチャーの形成方法としては、アルカリ性薬液、例えば水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム水溶液中に、界面活性剤、例えばカプリル酸を混合した薬液に基板を浸漬し、基板の結晶方位によるエッチングレートの違いを利用する方法が一般的に用いられている。

0004

このような形成方法において、エッチングの際に基板から溶出するドーパントイオンを除去し、エッチング用薬液機能低下を防ぎ、薬液の再利用回数を増加させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0005

特開2006−278409号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記従来の技術によれば、基板内から溶出するドーパントイオンを収集する収集部あるいはドーパントイオンを吸着する吸着部を備える製造方法において、ドーパントイオンと比較して大きいサイズ、例えばエッチング液に均一に溶解しない成分が異物として浮遊しているもの(以下、これを不溶生成物と称する)は溶解度の差から収集あるいは吸着できないという現象が生じる。このような不溶生成物が存在する場合には、この不溶生成物と薬液中の界面活性剤が相互に作用し、界面活性剤の機能が阻害され、基板の領域によってはテクスチャー形成の進行にずれが生じる。このため、エッチング完了後のテクスチャー形状にばらつきが生じ、受光面全面への理想的なテクスチャー形成が困難となる。加えて、この不溶生成物が基板の受光面に付着し、アルカリ成分や界面活性剤のテクスチャー形成部への供給を律速し、テクスチャー形成を阻害するという現象も生じる。この結果、テクスチャー形状のばらつきに起因した基板内への光入射量の減少が生じ、光の利用効率が低下し、光電変換効率が低下する、という問題があった。ここで、理想的なテクスチャー形成とは、受光面内において均一なテクスチャーが形成されることである。

0007

上述したような不溶生成物は、基板によりエッチング液中に持ち込まれる不純物シリコンアルカリでエッチングされて生成するケイ酸塩の濃度が高くなることにより生成され易くなる。我々は、エッチング液中に存在する不溶生成物の量が増えることは、良好なエッチングが困難になることから、エッチング液の寿命を決定する要因のひとつであることを見出した。この不溶生成物をエッチング液中から除去することで、エッチング液の寿命を長くし、処理可能な基板の枚数を増やすことが、製造に関わるコストを低減するための課題となっている。

0008

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光利用効率が高く、光電変換効率に優れた太陽電池を得ることのできる太陽電池の製造装置および製造方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池の製造装置は、シリコン系の半導体基板表面にpn接合を形成した太陽電池の製造に用いられ、半導体基板表面にテクスチャーを形成するためのエッチング装置であって、強アルカリ系のエッチング液と、エッチング液を保持し、エッチング液中に、半導体基板を浸漬することでテクスチャーエッチングを行なうエッチング槽と、エッチング液をろ過する親水性繊維部を備えたろ過部とを具備し、親水性繊維部は、繊維同士が交差する点において結合せずに絡まっていることを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明にかかる太陽電池の製造装置によれば、半導体基板の受光面側に対して同一形状のテクスチャーを一様に形成することができ、光利用効率が高く、光電変換効率に優れた太陽電池を得ることができる、という効果を奏する。

図面の簡単な説明

0011

図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置の構造を示す概念図である。
図2は、同装置のエッチング槽の説明図である。
図3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置によって形成した太陽電池基板を用いた太陽電池の構成を説明するための断面図である。
図4−1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置を用いたテクスチャーエッチング工程を示す工程断面図である。
図4−2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置を用いたテクスチャーエッチング工程を示す工程断面図である。
図5は、テクスチャーが形成された半導体基板の斜視図である。
図6−1は、太陽電池の製造工程を示すフローチャートである。
図6−2は、太陽電池の製造工程におけるテクスチャーエッチング工程を示すフローチャートである。
図7は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池の製造装置の構造を示す概念図である。
図8は、本発明の実施の形態3にかかる太陽電池の製造装置の構造を示す概念図である。
図9は、本発明の実施の形態4にかかる太陽電池の製造装置の構造を示す概念図である。
図10は、本発明の実施の形態4にかかる太陽電池の製造装置で用いられるカセットを示す斜視図である。
図11は、同カセットの変形例1を示す斜視図である。
図12は、同カセットの変形例2を示す斜視図である。
図13は、実施の形態5にかかる太陽電池の製造方法で用いられるカセットの親水性繊維取り付け部を示すもので、カセットから親水性繊維を除いたものを示す斜視図である。
図14は、同カセットを示すもので、親水性繊維を含めて描いたものを示す斜視図である。
図15は、実施の形態5にかかる太陽電池の製造装置の構造を示す概念図である。
図16は、実施の形態6にかかる太陽電池の製造装置の構造を示す概念図である。

実施例

0012

以下に、本発明にかかる太陽電池の製造装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際と異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見やすくするためにハッチングを付す場合がある。

0013

実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置の構造を示す概念図である。図2は、同装置のエッチング槽の説明図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置によって形成した太陽電池基板を用いた太陽電池の構成を説明するための断面図である。本実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置は、(ウエット)エッチング装置であり、エッチング液をろ過する親水性繊維部を備えたろ過部を具備し、親水性繊維部が繊維径0.1〜10μmの親水性繊維で構成され、かつ繊維同士が交差する点において結合せずに絡まるようにすることで、多数のテクスチャー10Tが均一に形成された太陽電池用の基板を、長期にわたって安定して形成することができるものである。

0014

本実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置を用いて形成される太陽電池は、図3に断面図を示すように、多数のテクスチャー10Tが設けられた太陽電池基板を構成する第1導電型の半導体基板10に、機能層を形成したものである。すなわち、この太陽電池は、第1導電型の半導体基板10の表面に第2導電型の不純物拡散層である第2導電型層11と、例えばテクスチャー10Tの表面の一部を覆う絶縁層12と、第2導電型層11に電気的に接続されて第1導電型の半導体基板10の受光面側に形成された受光面側電極13と、第1導電型の半導体基板10の受光面と反対側の面(裏面)の表層に形成された第1導電型層14と、該第1導電型層14の裏面側に形成された裏面側電極15と、を機能層として備える。

0015

本実施の形態にかかる太陽電池基板である第1導電型の半導体基板10においては、受光面側に複数のテクスチャー10Tが形成されている。該テクスチャー10Tは第1導電型の半導体基板10の一面側の表面を加工して形成したものである。太陽電池基板(第1導電型の半導体基板10)としては、例えばp型の単結晶または多結晶シリコン基板を用いる事ができる。この場合、第2導電型層11は、第1導電型の半導体基板10の表層に例えばリン拡散された不純物拡散層(n型不純物拡散層)である。また、第1導電型層14は、第1導電型の半導体基板10の裏面側の表層に裏面側電極15の電極材料、例えばアルミニウムが拡散された拡散層である。なお、第1導電型の半導体基板10はこれに限定されるものではなく、n型のシリコン基板を用いてもよい。また、絶縁層12は反射防止膜として設けられ、例えばシリコン窒化膜シリコン酸化膜により形成される。

0016

このように構成された実施の形態1にかかる太陽電池の第1導電型の半導体基板10の受光面側には、高さおよび形状の整った同一かつ微細なピラミッド状のテクスチャー10Tが全面に均一に形成されている。高さおよび形状が均一なテクスチャー10Tは、該テクスチャー10Tで反射された光が隣接するテクスチャー10Tに再入射する確率を高め、太陽電池の光の利用効率を増大させる。光の利用効率の増大は、太陽電池で生成されるキャリア数を増加させ、光電変換効率の向上を実現させることができる。

0017

また、この太陽電池では、形成工程におけるエッチング液の不足のために形成される他のテクスチャーと形状が異なる微小なテクスチャー、あるいはテクスチャーの形成されない領域の発生が抑制されている。従って、受光面の意図しない表面積の増加が抑制され、均一なテクスチャーを形成することができ、高い開放電圧が得られる。

0018

したがって、実施の形態1にかかる太陽電池によれば、高い光利用効率と、高い開放電圧を有し、光電変換効率に優れた太陽電池が実現されている。

0019

まず、上述した実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置について図1および図2を参照して説明する。この装置は、太陽電池基板を構成する第1導電型の半導体基板10の表面に均一なテクスチャー10Tを形成するためのエッチング装置である。この装置は、エッチング液1を保持するエッチング槽2と、半導体基板10を支持しエッチング液1に浸漬するためのカセット3と、エッチング液1を循環するためのパイプを備えた循環部4とを有する。そして、循環部4を構成するパイプ上に設けられたポンプ5と、不溶生成物を除去するろ過部6と、ろ過部6にて除去された不溶生成物を検出し、エッチング液中のエッチング補助剤の不足分を添加する、補給部としての添加機構9と、添加機構9を制御する制御部7とを具備している。カセット3は半導体基板10の出し入れができるように天面が開放されているか、スリット等により隙間が開いている。側面3aおよび底面3cの内壁に複数のリブ3bが設けられており、リブ3b同士の間には保持溝が形成されている。また、カセット3の底面3cの保持溝の両端は、左右の側面3aの内壁の保持溝と繋がっている。この上はカセット3に装着され、保持された半導体基板10がカセット3とともに、エッチング液1に浸漬される。

0020

添加機構9は、アルカリ添加機構9aとエッチング補助剤添加機構9bとを具備している。制御部7は、ろ過部6にて除去された不溶生成物を検出し、不溶生成物中のアルカリ成分とエッチング補助成分を算出し、アルカリ添加機構9aとエッチング補助剤添加機構9bとを制御し、アルカリ成分とエッチング補助成分とを補充する。制御部7はエッチング液1にアルカリ成分とエッチング補助成分を補給するための薬液供給信号を出力し、制御ライン8を介してアルカリ添加機構9aと、エッチング補助剤添加機構9bと接続される。アルカリ添加機構9aはエッチング液1に補給するためのアルカリ性薬液aを有しており、制御ライン8の信号を介しアルカリ性薬液aをエッチング液1に加える。同様にエッチング補助剤添加機構9bはエッチング液1に補給するためのエッチング補助剤bを有しており、制御ライン8の信号を介しエッチング補助剤bをエッチング槽2のエッチング液1に加える。エッチング液1に加えるアルカリ性薬液aとエッチング補助剤bの量は除去された不溶生成物の量に応じ、前述の理想的なエッチングが行えるように調整される。アルカリ添加機構9aと、エッチング補助剤添加機構9bは個別に制御されるのが理想であるが、まとめて制御されてもよく、本発明を制限するものではない。

0021

次に、上述した実施の形態1にかかる太陽電池の製造装置を用いたテクスチャーエッチング工程について図1および図4−1〜図4−2を参照して説明する。まず、半導体基板10として例えばp型単結晶シリコン基板を用意する(図4−1)。次にこの半導体基板10にテクスチャーを形成させるため、異方性エッチングを行う。すなわち、p型単結晶シリコン基板からなる半導体基板10を水酸化ナトリウム0.5〜10質量%と界面活性剤、例えば0.05〜0.2mol/lのカプリル酸、を混合し60〜90℃に加熱したエッチング液1中に浸漬させる。この工程において半導体基板10(p型単結晶シリコン基板)のエッチングが異方的に進行し、凸部が形成され、均一なテクスチャー10Tが形成される(図4−2)。図5はテクスチャー10Tが均一に形成された半導体基板10の斜視図である。図5のA−A断面が図4−2に相当する。図6−1は、太陽電池の製造工程を示すフローチャートであり、図6−2は、このうちのテクスチャーエッチング工程を示すフローチャートである。

0022

図1において、エッチング液1中にカセット3に挿入された半導体基板10が浸漬される。このエッチング装置は循環部4を有し、エッチング液1はポンプ5により同図中の矢印Aの方向に循環する。循環部4はろ過部6を備え、エッチング液1は循環中にろ過部6を通過する。ろ過部6はフィルターを有しエッチング液1中に混入している不溶生成物をろ過除去し、エッチング槽2へとエッチング液1を戻す。フィルターは不溶生成物を効果的に除去し、フィルターへ蓄積されるための厚み、例えば2mm以上の厚みを有する。ろ過部6のフィルターは親水性繊維により構成される。本装置には不溶生成物を除去するろ過部6にて除去された不溶生成物量を検知する機構が備えられており、除去された不溶生成物中のアルカリ成分とエッチング補助成分を算出する制御部7を備えている。制御部7はエッチング液1にアルカリ成分とエッチング補助成分を補給するための薬液供給信号を出力し、制御ライン8を介してアルカリ添加機構9aと、エッチング補助剤添加機構9bと接続される。アルカリ添加機構9aはエッチング液1に補給するためのアルカリ性薬液aを有しており、制御ライン8の信号を介しアルカリ性薬液aをエッチング液1に加える。同様にエッチング補助剤添加機構9bはエッチング液1に補給するためのエッチング補助剤bを有しており、制御ライン8の信号を介しエッチング補助剤bをエッチング液1に加える。エッチング液1に加えるアルカリ性薬液aとエッチング補助剤bの量は除去された不溶生成物の量に応じ、常に前述の理想的なエッチングが行えるように調整される。アルカリ添加機構9aと、エッチング補助剤添加機構9bは個別に制御されるのが理想であるが、まとめて制御されてもよく、本発明を制限するものではない。

0023

本発明における不溶生成物は、テクスチャーエッチング中にエッチング液中に生成するエッチング液中に均質に溶解せず浮遊している異物である。基板のスライス時のクーラント残留物、指や容器から付着した油脂分などの基板に付着したもの、ドーパントなど基板内部に含まれる成分、作業現場浮遊粉塵、エッチング槽2や付属装置に付着した界面活性剤や汚染物、エッチング液1の原料中に含まれる不純物など、エッチング液1には各種の不純物が混入する。エッチング中においては、これらの不純物が不溶生成物の生成を促進する。シリコン系基板のエッチングにおいては、シリコンとエッチング液中の水とアルカリが反応してケイ酸塩が生成されるが、このケイ酸塩も不溶生成物の構成成分となっており、同じエッチング液で処理する基板の数が多くなるに従い、ケイ酸塩の濃度が高くなり不溶生成物が発生しやすくなる。不溶生成物は、エッチング液中で明確な表面を有する固体粒子である場合もあるが、境界が不明確なゲル状の形態を有する場合が多い。

0024

このような不溶生成物がエッチング中の基板表面に存在すると、エッチングに影響を与え、その部分でのピラミッド構造の形成を阻害し欠陥を発生させることとなる。不溶生成物をエッチング液から除去することで、テクスチャーの欠陥を抑制することができる。

0025

不溶生成物は、ろ過によって除去可能である。ろ過は、装置が簡便であること、効率が高いことから、好ましい除去方法である。不溶生成物の除去は、すべてをろ別する必要はなく、適切なろ過材で粗大な不溶生成物を除去するだけでも効果は得られる。不溶生成物の形状を把握する方法は、光散乱式や超音波式粒度分布計などでもある程度可能であるが、境界のはっきりしない形状を有するものが多いため、明確に把握することは困難である。不溶生成物の除去状態は、粒度分布のほか、粘度測定などによっても検知可能である。最も簡便な方法はエッチング液の濁度で検知する方法である。不溶生成物による光散乱により濁度が上昇する。ろ過や遠心分離により濁度の値を減少させる。この時の濁度の測定方法は、同質な液の相対比較を行うだけであるため特に限定されるものではなく簡易なものでよい。

0026

ろ過部6を一回通過する度に減少する不溶生成物の減少量は、30%以上であることが好ましく、40%以上がさらに好ましい。減少量が30%に満たない場合には、浮遊分が多く残留することになるため欠陥抑制の十分な効果が得られない。

0027

不溶生成物は、ケイ酸塩を高濃度に含むものであり、これをエッチング液中から取り除くことは、ケイ酸塩を取り除くことでもある。エッチング液の劣化の要因としては、ケイ酸塩の蓄積が挙げられる。従来、劣化したエッチング液からケイ酸塩を除去するにはエッチング液の入れ替えしか方法はなかったが、本発明の不溶生成物を除去する方法では、ケイ酸塩が除去可能であり、エッチング液の寿命を延ばすことが可能である。ケイ酸塩だけでなくそれに共存する不純物も同時に除去することになるため、好ましい結果が得られる。エッチング液の寿命を延ばすという点では、減少するアルカリ成分やエッチング補助成分を補給することも合わせて行うことも好ましい。つまりろ過部6によって除去されたアルカリ成分とエッチング補助成分の量を検知する検知部を設け、該検知された量に基づきアルカリ成分とエッチング補助成分をエッチング液に補給する。

0028

アルカリ成分の補給は、ケイ酸塩として除去された量以上を添加することが好ましい。除去したケイ酸塩の量は、特別な検知部を設けなくても、重量計を検知部として用いることができる。つまり重量計によって乾燥後のろ過材の重量などから定量することが可能である。通常の運用では、ろ過速度ろ過圧力などの測定値からろ過で除去されたケイ酸塩量を推算し、ケイ酸塩量に相当する量のアルカリを添加する方法をとることができる。この時のアルカリ量は、除去されたケイ酸塩と等量のアルカリより過剰な量を添加する方が、エッチング状態を保つことが可能であり好ましいことが多い。ろ過されずにエッチング槽に残留しているケイ酸塩がエッチングに影響しており、この影響は、過剰に加えたアルカリによって小さくすることができるためであると考えられる。添加するアルカリ量は、除去したケイ酸塩の相当量の120%以上、500%未満のアルカリ量が好ましく、150%以上、300%未満がさらに好ましい。120%未満では、アルカリ量が少なく徐々にエッチング速度が低下したり、不溶生成物の生成量が増加したりする傾向がある。500%を超えるような添加量では、アルカリが多くなりすぎ、テクスチャーの欠陥が逆に増えてしまうおそれがある。

0029

エッチング補助成分の補給量は使用する薬剤によって異なるため一概に規定できないが、初期のエッチング液作成に使用した量の50%以下が好ましい。アルカリ成分の添加によって変動するエッチング液中のアルカリ成分とエッチング補助剤のバランスも考慮することが好ましい。

0030

ろ過に用いるろ過材としては、繊維が集積されて形成された不織布や、織布、粒子状物質が集積して形成された多孔体短繊維が集積された紙、あるいはこれらの複合体が使用できる。この中で、不織布はエッチング液の透過性と不溶生成物の除去性両立できるろ過材として形成することが容易であり好ましい。

0031

好ましいろ過材は、繊維径が200μm以下の繊維からなり、直径1μmの球状樹脂粒子を70%以上、95%以下の個数捕捉するろ過性能を有する不織布が好ましい。70%未満の捕捉率の場合には、不溶生成物の捕捉性が悪くなり、効果が得られにくい場合があり好ましくない。95%を超えるようなろ過材は、問題になることは少ないが、目詰まりしやすく頻繁なろ過材交換が必要になる場合がある。より望ましくは、不織布は、繊維径が50μm以下の親水性繊維で構成するのが望ましい。

0032

ろ過部を構成する材料としては0.1μm以上10μm以下の繊維径を持つ親水性繊維を材料とし、繊維同士を結合させず絡めることによって形成する物、特に不織布が好ましい。親水性繊維の繊維径が0.1μmに未たないと、ろ過物との接触面積が小さくなり、不定形の不溶生成物が切れて通過するなど、本来残留すべきろ過物が通過してしまう。一方親水性繊維の繊維径が10μmを越えると、太くなりすぎ、繊維自体の弾力性が低下し、不溶生成物がろ過部の不職布ぶつかって壊れ、通過してしまうという問題が生じる。例えば水流絡合法によって繊維を絡めることによって作られた不織布は繊維同士が柔軟に動くことができる。このため不定形である不溶生成物の形態に合わせた形状に柔軟に変化することができ、繊維と不溶生成物の接触面積を多く取ることができ、多くの不溶生成物を繊維内に留めることができるため好ましい。

0033

なお、不織布で構成されるろ過材の厚さはある程度厚いものとして形成されている方が好ましい。不溶生成物は柔軟な形態であることが多いので、目詰まりをさせやすい。ろ過材に厚みを持たせることで、目詰まりをしにくくすることが可能である。不織布の厚さは、JIS L1913での測定において1mm以上であることが好ましく、2mm以上がさらに好ましい。何枚かの不織布を重ねてこの厚みとすることもできる。厚みが1mm未満の場合には、不溶生成物を蓄積する十分な体積を確保し難いため、目詰まりしやすく好ましくない。

0034

ろ過材に用いる繊維は、各種の材質のものが利用できる。ポリエチレンポリプロピレンなどのポリオレフィンポリエチレンテレフタレート等のポリエステルレーヨンナイロンアクリル繊維ビニロンアラミド繊維、綿、パルプなどや、これらを組み合わせたものが使用可能である。バインダー表面処理材が付着していてもよい。ポリオレフィンは耐薬品性を有し、不純物の放出も少なく、吸湿性も少ないためろ過材として適している。特にポリプロピレンは耐熱性も有しており好ましい。ポリエステルは耐熱性に加、吸湿性も少なく、汎用素材として多く用いられており、ろ過材として適している。アクリル繊維は耐薬品性に優れ、熱や光による劣化が少なく、ろ過材として適している。ビニロン、アラミド繊維は強度の高いろ過材を形成でき、ろ過材として好ましい。

0035

不溶生成物のろ過においては、繊維の表面が親水性のものを用いると捕集の効率が高くなり好ましい。親水性は接触角で判定できる。素材平坦面の水の接触角が60°以下が好ましく、45°以下がさらに好ましい。ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等は素材としては親水性が低い。紫外線電子線の照射や、過酸化物ラジカル等の活性化学種による反応、親水性樹脂コーティングにより、表面の親水性を高めることで使用することができる。ここでの過酸化物やラジカルは、オゾン、過酸化水素過硫酸・過炭酸・過蟻酸過酢酸やその塩、ベンゾイルパーオキシドクメンヒドロパーオキシドアゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤として用いられる化合物類などが使用できる。このような親水化処理は、ポリプロピレンなどの耐アルカリ性、低価格等の性能を有するものを用いて、不溶生成物の捕捉性能の向上を図るという点で有効である。

0036

ろ過部でろ過材として用いられる繊維はアルカリ性のエッチング液と接触するため、アルカリ耐性を示すポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートやポリエチレンやビニロンに、親水性処理を施した上で用いることが好ましい。

0037

ろ過材はエッチング液と接触させる前に、アルカリ水溶液洗浄しておくことが好ましい。エッチング液にろ過材に付着している物質やろ過材から溶出する物質が混入すると、エッチング性能に大きな影響を与えテクスチャーの品質が低下してしまうおそれがある。アルカリ水溶液の洗浄で、このような混入物を抑制することが可能となり、安定で良好なエッチングが可能になる。一般的には、洗浄は水や界面活性剤が混合された水で行われることが多いが、このような洗浄では、付着物の除去はある程度可能であるが、アルカリとの反応によって溶解性増してエッチング液に溶解する物質の除去はできないため、十分な洗浄効果が得られない。また、界面活性剤を使用した場合これが確実に除去できないと、界面活性剤自体が汚染物質となってしまう。洗浄に用いるアルカリ水溶液は、NaOH、KOH、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ水酸化アンモニウムコリンおよびテトラメチル水酸化アンモニウム等の有機アルカリの水溶液を使用できる。エッチング液に用いられているアルカリと同一のものを使用すると、ろ過されたエッチング液への混入が起こっても問題ないので好ましい。

0038

アルカリ水溶液による洗浄は、ろ過材をアルカリ水溶液に浸漬する方法、ろ過材に対しアルカリ水溶液をスプレー等で振り掛ける方法等が利用可能である。アルカリ水溶液は常温であっても、加熱していてもよい。洗浄後、水で洗浄することで、アルカリ水溶液と剥離した汚染物質を除去することも好ましい。

0039

アルカリ水溶液の濃度は、無機アルカリの場合には0.1質量%以上、15質量%以下が好ましい。0.1質量%以下の場合には、アルカリの効果が得られない。15質量%以上では、アルカリ水溶液洗浄後の水洗浄水管理が困難になったり、水洗浄を省略した場合、エッチング液のアルカリ濃度が変動しやすくなったりするため好ましくない。有機アルカリの場合は、0.5質量%以上、25質量%以下が好ましい。0.5質量%以下の場合には、アルカリの効果が得られない。25質量%以上では、アルカリ水溶液洗浄後の水洗浄の水管理が困難になったり、水洗浄を省略した場合、エッチング液のアルカリ濃度が変動しやすくなったりするため好ましくない。有機アルカリの場合、5質量%を超える場合においては、無機アルカリの場合に比べて疎水性物質が除去されやすいという利点がある。

0040

アルカリ水溶液の濃度に関しては、上記範囲において効果は得られるが、特に、エッチング液のアルカリ濃度に着眼して選定することも、確実な効果を得るという点で有効である。エッチング液のアルカリ濃度より、高いアルカリ濃度に設定することで、より安定な効果が得られる。アルカリ水溶液による洗浄は、アルカリ濃度により溶出する成分が異なるため、洗浄液とエッチング液のアルカリ濃度が異なると、確実にエッチング液中での溶出を抑えることができない場合がある。エッチング液を基準としたアルカリ水溶液の濃度としては、エッチング液のアルカリ濃度の50質量%以上、200質量%以下が好ましい。この範囲を外れたものであっても、上記のアルカリ濃度の好ましい範囲内であれば洗浄の効果は得られるが、エッチング液に対しての少量の溶解物が生じてしまう可能性がある。

0041

ろ過材からエッチング液に溶解する成分は、上記アルカリ水溶液による洗浄で抑制できるが、膨潤や遅い速度の分解反応による材質の長時間での劣化が原因の溶出は抑えることは困難である。長時間での劣化はろ過材の素材の改質で抑制することができる。改質は、電子線やガンマ線の照射が有効である。特に、ポリビニルアルコールポリビニルピロリドンポリアクリルアミドアクリル樹脂やその誘導体樹脂、綿、パルプなどのエッチング液に対する膨潤性、溶解性を抑えることができるため好ましい。

0042

アルカリ水溶液による洗浄は、25℃あるいは室温から100℃以下の温度の溶液アルカリ性溶液を利用する。25℃以下の処理においても効果は得られるが、処理時間が長くなってしまうおそれがある。100℃を超える温度では、アルカリ水溶液が蒸発し、濃度管理が困難になる場合がある。

0043

まず、半導体基板10へのテクスチャー形成(図6−1、図6−2のステップS10)に際しては、あらかじめろ過材をアルカリ水溶液で洗浄する(ステップS101)。そしてこのろ過材を装着しろ過部6をセットする(ステップS102)。そして半導体基板10をエッチング槽に浸漬し、テクスチャーエッチングを行なう(ステップS100)。そして再びステップS101に戻る。このとき、ろ過部6では不溶生成物がろ過材に吸着され、エッチング液中のアルカリ成分濃度シリコン濃度などが低下するため、アルカリ成分とエッチング補助成分を追加する(ステップS103)。

0044

該前処理を施された繊維は分子鎖末端ヒドロキシル化し親水性の性質を示すようになり、親水性の不溶生成物を十分捕獲できるようになり、ろ過部6に使用することが可能となる。ろ過部6はp型単結晶シリコン基板のエッチング中に生成される不溶生成物を除去し、不溶生成物のp型単結晶シリコン基板である半導体基板10ヘの付着に伴うテクスチャー形成の阻害あるいは界面活性剤の働きの阻害を防止しエッチングを行うことができる。その結果、第1導電型の半導体基板10に隙間なく均一にテクスチャー10Tが形成される(図4−2、図5)。

0045

このようにして表面にテクスチャー10Tの形成された半導体基板10に対し、一般的に用いられている工程を経て、第1導電型の半導体基板10への第2導電型層11、絶縁層12、受光面側電極13、第1導電型層14、裏面側電極15の形成を行い、太陽電池セルが形成される。図6−1は、太陽電池の製造方法を示すフローチャートである。

0046

例えば、上記のテクスチャー形成処理(ステップS10)が完了した半導体基板10を熱拡散炉投入し、オキシ塩化リン(POCl3)蒸気の存在下で加熱し半導体基板10の表面にリンガラスを形成し半導体基板10にリンを拡散させ、第2導電型層11を形成し、pn接合を形成する(ステップS20)。なお、ここではp型のシリコン基板を使用したため、pn接合を形成するため異なる導電型のリンを拡散させたが、n型シリコン基板を使用した際はp型の不純物を拡散させればよい。

0047

次にフッ酸溶液中で半導体基板10のリンガラス層を除去し、半導体基板10の受光面側の面以外に形成された第2導電型層11を除去した後(pn分離:ステップS30)、絶縁層12としてプラズマCVD法によりSiN膜を第2導電型層11上に形成する(反射防止膜の形成:ステップS40)。絶縁層12の膜厚および屈折率は、光反射を抑制する値、あるいは表面欠陥終端する値、を念頭にそれぞれが両立する最適な値に設定する。なお、屈折率の異なる層を堆積してもよい。また、絶縁層12は、スパッタリング法など、異なる成膜方法により形成してもよい。

0048

次に半導体基板10の受光面に銀の混入したペースト状にスクリーン印刷法にて印刷し(ステップS50)、半導体基板10の裏面側にアルミニウムの混入したペーストを全面にスクリーン印刷法にて印刷した後(ステップS60)、焼成処理を施し(ステップS70)、受光面側電極13、裏面側電極15を形成する。焼成大気雰囲気中において、例えば800℃にて実施する。また、焼成により裏面側電極15の成分がn型単結晶シリコン基板からなる半導体基板10の裏面側に拡散し、第1導電型層14が形成される。以上のようにして図3に示す太陽電池が作成される。

0049

上述したように本実施の形態の太陽電池の製造装置は、テクスチャー形成のためのエッチング装置において、半導体基板10とエッチング液1が反応し生成される、あるいは環境中より混入しエッチング液1と反応し生成する、不溶生成物を除去できるろ過部6を具備している。ろ過部6はアルカリ溶液による洗浄処理を施され親水性を付加された高分子材料樹脂繊維)あるいはオゾン処理により親水性を付加された高分子材料(樹脂繊維)からなる。

0050

従来のシリコン基板より溶出するドーパントイオンを除去する方法では、不溶生成物は除去できない。そのため不溶生成物がシリコン基板の表面に付着し、該付着部のテクスチャー形成が妨げられる。また、不溶生成物によりエッチング液中の異方性を助長する界面活性剤成分、例えばカプリル酸の働きが阻害され、理想的なテクスチャー形成の実現が困難である。

0051

しかしながら、本実施の形態1の太陽電池の製造装置では、エッチング液1中の不溶生成物を除去できるろ過部6を備えるため、不溶生成物がエッチング液1中から除去されエッチング液1が循環されるため、半導体基板10上へのテクスチャー形成が全面に均一に進み、理想的なテクスチャーが形成される。

0052

加えて、ろ過部6において不溶生成物に含有され除去されたアルカリ成分とエッチング補助剤の成分を添加し補充することで、連続して処理する際のエッチング液1中のアルカリ成分とエッチング補助剤を理想的なバランスに維持できる。そのため、薬液を交換せずに連続して多数のシリコン基板に理想的なテクスチャーを形成することができる。

0053

したがって、実施の形態1によれば、太陽電池セルの受光面側に均一なテクスチャーが形成された、高い光利用効率と高い開放電圧とを有し、光電変換効率に優れた太陽電池セルが実現される。

0054

以上説明してきたように、本実施の形態1は、シリコン系の半導体基板表面にpn接合を形成した太陽電池の製造に用いられ、この半導体基板表面にテクスチャーを形成するためのエッチング装置である。この装置は、強アルカリ系のエッチング液と、エッチング液を保持し、エッチング液中に、半導体基板を浸漬することでテクスチャーエッチングを行なうエッチング槽と、エッチング液をろ過する親水性繊維部を備えた、ろ過部とを具備している。そしてこのエッチング槽は、エッチング液を循環する循環部を具備し、循環により繰り返し使用されるように構成される。この構成により、半導体基板への付着あるいは界面活性剤との結合によりテクスチャー形成を阻害する混入物を除去でき、テクスチャーを一様に形成することができる。親水性繊維からエッチング液に溶出する不純物を予め除去しておくことにより、テクスチャー形成への悪影響の発生も回避できる。その結果、理想的なテクスチャーを半導体基板に形成することができ、半導体基板への光入射量が増加し、光生成キャリアを増加させることができる。

0055

実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1で説明した太陽電池の製造装置におけるテクスチャー形成のためのエッチング装置についての変形例について説明する。実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法は、テクスチャー形成のためのエッチング装置を除いて実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照することとして詳細な説明は省略する。図7は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池のテクスチャー形成のためのエッチング装置を説明するための装置構成の概念図である。

0056

上述した実施の形態1にかかるエッチング装置においては、不溶生成物を除去可能なろ過部6を有する装置構成を用いていた。実施の形態2にかかるエッチング装置では、ろ過部6にバイパス流路4bを有し、多量の柔軟な不溶浮遊物がろ過部6のフィルター上に蓄積しエッチング液1のろ過流量が減少した際に発生するろ過フィルターへの圧力増加を防止する。

0057

例えば、実施の形態1に示すろ過部6に、ろ過面6sから上流側、例えば50mm離したろ過部6内に流出口6oを設け、エッチング液1をろ過部6から流出させるようにしている。該流出口6oはバイパス流路4bを経てろ過部6後の循環部4に接続され、流出したエッチング液1はろ過部6の外部を通り循環部4に戻される。その結果、ろ過部6に不溶生成物が蓄積しフィルターの目詰りが発生した際においても、ろ過部6へ流入するエッチング液1は流出口6oを通りバイパス流路4bを経てエッチング槽2へと戻される。流出口6oを備えたろ過部6は一定以上のエッチング液を保持しないため、エッチング液によるフィルターヘの圧力増加を防ぐことができる。加えて、ろ過面6sより上流側に離れて流出口6oを備えることにより、フィルター面に捕捉された不溶生成物の流出を防ぐことができる。エッチング液1中のエッチング液1よりも比重の重い不溶生成物をフィルター上に沈殿させることも可能となる。したがって、フィルター面から流出口6oに至る距離のかさ高分の不溶生成物を蓄積させることが可能となる。したがって、同一のエッチング液に対し多量のp型シリコン基板を処理した際においても不溶生成物の増加を防ぐことができる。

0058

加えて、実施の形態1同様にろ過部6において除去された柔軟な不溶生成物中に含まれるアルカリ成分やエッチング補助剤を検出しフィードバックを行う制御部7も備えているため、薬液を交換することなく理想的なテクスチャーをシリコン基板に形成できる。

0059

上述のように、実施の形態2における太陽電池の製造方法におけるテクスチャー形成のためのエッチング工程では、多量のp型単結晶シリコン基板を処理した後もエッチング液中の不溶生成物の増加を防ぐことができ、p型単結晶シリコン基板への不溶生成物の付着あるいは界面活性剤の働きの阻害が防止され、p型単結晶シリコン基板の全面に渡る均一なテクスチャーが形成される。したがって、多量のp型単結晶シリコン基板を処理した際においても、高い光利用効率と高い開放電圧とを有し、光電変換効率に優れた太陽電池が実現される。

0060

また、多量の半導体基板のエッチング処理を行った後には不溶生成物がろ過部に蓄積しろ過フィルターが目詰りすることがある。しかしながらろ過部にバイパス流路を備えることにより、目詰りしたろ過フィルターに圧力がかかることを防ぐことができ、不溶生成物がろ過フィルターを通過するのを防ぐことができる。そのため、半導体基板に一様にテクスチャーを形成でき、光生成キャリアを増加させることができる。

0061

実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1で説明した太陽電池の製造装置におけるテクスチャー形成のためのエッチング装置の変形例について説明する。実施の形態3にかかる太陽電池の製造装置を用いた太陽電池の製造方法は、エッチング装置を除いて実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照することとして詳細な説明は省略する。図8は、本発明の実施の形態3にかかる太陽電池のテクスチャー形成のためのエッチング装置を説明するための装置構成の概念図である。

0062

上述した実施の形態1にかかるエッチング装置においては、不溶生成物を除去可能なろ過部6をエッチング槽2の外に有していた。実施の形態3にかかるエッチング装置では、エッチング槽2が内槽2aと外槽2bからなり、エッチング液1が内槽2aより溢れて外槽2bに供給されるオーバーフローエッチング槽を使用する。理解の容易のために外槽2bを内槽2aの片側のみに記載したが、内槽2aの周りのいずれかあるいは全てに面して設置されていればよい。内槽2aにはp型単結晶シリコン基板からなる半導体基板10とカセット3が浸漬され、内槽2aより溢れたエッチング液1は図中矢印の方向に流れて外槽2bに移動する。溢れたエッチング液1は外槽2bに設置されたろ過フィルターからなるろ過部6を通過し外槽2b下部の液だまりのエッチング液1Sに合流する。該液だまりのエッチング液1Sは循環部4Sとポンプ5Sを介し内槽2aへと戻る。図8においては理解の容易のためろ過フィルターからなるろ過部6を1箇所のみに示したが、複数枚を設置してもよく、ろ過フィルターの枚数を制限するものではない。また、外槽2bの全域あるいは一部にろ過フィルターを設置すればよく、ろ過フィルターの設置面積を制限するものではない。

0063

ろ過フィルターからなるろ過部6は実施の形態1におけるエッチング装置のろ過部6と同様に前処理を施された親水性繊維により構成される。該親水性繊維はアルカリ溶液を用いた洗浄により親水性を付加した繊維、例えばポリオレフィンやポリエステル、あるいはオゾン処理による酸化処理を用い親水性を付加した繊維、例えばポリプロピレンを利用する。ろ過フィルターからなるろ過部6は外槽2bに設置されるため、前述の実施の形態1〜2にかかる太陽電池の製造装置におけるろ過部6よりもろ過面積を容易に増大させることができる。加えて、ろ過部6のろ過フィルターには内槽2aより溢れ出たエッチング液1のみが供給される。溢れ出たエッチング液1はポンプ5Sを介していないため、流速が遅く、ろ過フィルターからなるろ過部6にかかる圧力が重力によるもののみとなる。この重力による圧力はポンプにより印加される圧力よりも低く、柔軟な不溶生成物をろ過フィルターに残留させることができ、効率的にエッチング液1から柔軟な不溶生成物を除去できる。加えて外槽2bに設置されたろ過部6は容易にろ過フィルターを交換でき、循環部4Sの外に設置されているため、テクスチャー形成処理を中断することなくろ過フィルターの交換ができる。

0064

上述した実施の形態3によれば、ろ過フィルターからなるろ過部6のろ過面積を広く設計できると共に、ろ過フィルターへ供給されるエッチング液1の圧力が低いため、柔軟な不溶生成物を効率的にエッチング液1より除去できる。その結果、p型シリコン基板上に付着した柔軟な不溶生成物あるいは柔軟な不溶生成物による界面活性剤の働きの阻害現象が発生することがなくなり、p型単結晶シリコン基板上に隙間なく均一なテクスチャーが形成される。加えて、ろ過フィルターがエッチング槽2の外槽2bに設置されるため、処理を止めることなくろ過フィルターの交換が可能となり装置の連続稼動性を向上させることができ生産性を上げることができる。

0065

さらには実施の形態1同様、ろ過により除去されたアルカリ成分とエッチング補助剤を補給するアルカリ添加機構9aと、エッチング補助剤添加機構9bと、が備えられており、制御部7と制御ライン8によってエッチング液1が理想的な状態であるように制御される。そのため連続して処理する際のアルカリ成分とエッチング補助剤のバランスの崩れによるテクスチャー形成不良を防ぐことができ、均一で理想的なテクスチャーを形成できる。

0066

したがって、実施の形態3にかかる太陽電池の製造装置によれば、高い光利用効率と高い開放電圧とを有し、光電変換効率に優れた太陽電池が実現され、該太陽電池を高い生産性の下で製造することができる。

0067

以上のように、本実施の形態によれば、内槽2aより溢れ出たエッチング液1を外槽2bに設置したろ過フィルターに供給するため、かかる圧力がエッチング液1の重力のみとなり、低圧力でのろ過が可能となる。加えて処理を止めること無く、ろ過部(ろ過フィルター)を交換することが可能となり、連続して半導体基板に一様にテクスチャーを形成でき、光生成キャリアを増加させた太陽電池を製造できる。

0068

実施の形態4.
実施の形態4にかかる太陽電池の製造装置は、テクスチャー形成のためのエッチング装置の装置構成を除き、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照することとして詳細な説明は省略する。図9は、本発明の実施の形態4にかかる太陽電池の製造装置のテクスチャー形成のためのエッチング装置を説明するための装置構成の概念図である。図10は、このエッチング装置で用いられるカセットを示す斜視図である。

0069

実施の形態4におけるエッチング装置では、エッチング槽2中にエッチング液1が満たされ、p型単結晶シリコン基板からなる半導体基板10がカセット3に挿入され浸漬されている。カセット3には側面および底面に親水性繊維部16が装着されている。ろ過部を構成する親水性繊維部16は、実施の形態1同様、アルカリ溶液を用いた洗浄により親水性を付加した繊維、例えばポリオレフィンやポリエステル、あるいはオゾン処理による酸化処理を用い親水性を付加した繊維、例えばポリプロピレン、を利用する。

0070

カセット3に装着された親水性繊維部16はエッチング槽2内にてエッチング液1の対流に晒される。エッチング処理中に親水性繊維部16にエッチング液1が衝突し、親水性繊維部16を通過するエッチング液1が存在するようになり、エッチング液1と共に流れている不溶生成物が親水性繊維部16に絡め取られる。

0071

カセット3に装着された親水性繊維部16にはエッチング液中の不溶生成物が捕捉され、エッチング液中の不溶生成物が除去される。加えて、カセット3はテクスチャー形成終了後にエッチング槽2から取り出されて、洗浄工程へと運ばれる。該洗浄工程ではカセット3ごと洗浄処理が施されるため、カセット3に備え付けられた親水性繊維部16も洗浄される。この親水性繊維部16にはエッチング工程中に捕獲された不溶生成物が蓄積しているが、洗浄工程中に該蓄積した不溶生成物を除去することができ、親水性繊維部16に不溶生成物が残留しない。したがって、洗浄工程終了後には親水性繊維部16は不溶生成物を再度捕獲できる状態となり、親水性繊維部16を交換すること無くカセット3と共に繰り返して利用することが可能となる。加えて、処理する度に不溶生成物がテクスチャー形成装置外へ持ち出されるため、繰り返し処理した際のエッチング液1中の不溶生成物の経時的な増加を防ぐことができる。その結果、親水性繊維の交換工程を必要とせずに不溶生成物を繰り返し除去でき、エッチング液1中の不溶生成物を除去できる工程となる。すなわち、エッチング液1中の不溶生成物がp型単結晶シリコン基板(半導体基板10)表面に付着しテクスチャー形成を阻害する作用や界面活性剤の働きを阻害する作用を防止することができ、p型単結晶シリコン基板表面全面に均一にテクスチャーを形成することができる。さらに、同一のエッチング液1を繰り返し利用した際においてもエッチング液中の不溶生成物の増加を防ぐことができ、エッチング液の使用回数を増加させることができる。

0072

加えて、本実施の形態4にはカセット搬送機17にカセット搬送中に親水性繊維部16に捉えられた柔軟な不溶生成物に含まれるアルカリ成分やエッチング補助剤の量を測定する機構、例えば処理前後に重量測定を行なう重量変化測定機構、が備えられている。そして、制御部7と、アルカリ添加機構制御ライン8a、あるいはエッチング補助剤添加機構制御ライン8bとを介し、アルカリ添加機構9a、あるいはエッチング補助剤添加機構9bと、が接続される。アルカリ添加機構9aと、エッチング補助剤添加機構9bと、によりアルカリ成分とエッチング補助剤が添加され、エッチング液1を前述の理想的な状態に維持する。したがって、繰り返して処理を行ったとしてもエッチング液1中のアルカリ成分とエッチング補助剤のバランスを崩すことなく処理が可能となり、半導体基板10上に理想的なテクスチャーを形成できる。

0073

本実施の形態によれば、半導体基板10と共にエッチング液1に浸漬されるカセット3に不溶生成物を捕獲することができる親水性繊維部16が備え付けられる。カセット3と親水性繊維部16は共に半導体基板10のエッチング処理後に洗浄工程へと持ち出される。このため、エッチング液中の不溶生成物が親水性繊維部16に捕獲され持ち出されるためエッチング槽2から除去される。加えて、洗浄工程においては親水性繊維部16に捕獲されている不溶生成物を取り除くことが可能となり、カセット3と共に親水性繊維部16も不溶生成物を捕獲する前の初期状態に戻るため、繰り返し使用できる。エッチング槽2には洗浄され不溶生成物の捕獲性能が初期状態と同様の親水性繊維が浸漬されるため、不溶生成物の除去効果を維持できる。その結果、繰り返し処理した際においてもエッチング液1中の不溶生成物が効果的に除去され、半導体基板10に一様にテクスチャーを形成できる。加えて、親水性繊維に捕獲されたアルカリ成分とエッチング補助成分をエッチング液に補給する機構を備えるため、常にエッチング液中のアルカリ成分とエッチング補助成分を理想的なバランスに維持できる。これにより安定して理想的なテクスチャーを形成することが可能となり、光生成キャリアを増加させた太陽電池を製造することができる。

0074

上述のように、本実施の形態4にかかる太陽電池の製造装置によれば、光利用効率の高い、光電変換効率に優れた太陽電池が実現される。加えて、該太陽電池を効率的に生産できる装置が実現される。

0075

次に、本実施の形態4のエッチング装置で用いられるカセットの変形例1として、図11に示すように、カセット23の側面23aおよび底面23cを親水性繊維板26で形成したものも有用である。23bは半導体基板10を支持するためのリブである。この例では、前記実施の形態4のカセットよりも親水性繊維の表面積を大きくすることができ、不溶生成物の捕獲効率を高めることができる。この親水性繊維板26にはエッチング工程中に捕獲された不溶生成物が蓄積し、かつエッチング終了後、カセットをエッチング液1から引き上げる際に、カセット23の内側にある不溶生成物をより効率よく捕獲することができる。そして実施の形態4の場合と同様、カセット23の洗浄工程中に該蓄積した不溶生成物を除去することができ、親水性繊維板26に不溶生成物が残留しない。したがって、洗浄工程終了後には親水性繊維板26は不溶生成物を再度捕獲できる状態となり、親水性繊維板26を交換すること無くカセット23と共に繰り返して利用することが可能となる。加えて、処理する度に不溶生成物がテクスチャー形成装置外へ持ち出されるため、繰り返し処理した際のエッチング液1中の不溶生成物の経時的な増加を防ぐことができる。その結果、親水性繊維の交換工程を必要とせずに不溶生成物を繰り返し除去でき、エッチング液1中の不溶生成物を除去することができる。

0076

次に、本実施の形態4のエッチング装置で用いられるカセットの変形例2について説明する。この例では、図12に示すように、親水性繊維部36を追加し内部空間を拡大したカセット33について説明する。この例では半導体基板10を支持するリブ33bの形成された領域近傍まで、親水性繊維部36を追加しエッチング液を保持する内部空間を拡げたことを特徴とするものである。本実施の形態では、カセット33の底面33cと、リブ33bの形成された領域を除く、4つの側面33a全体を、親水性繊維部36で形成している。この例でも、エッチングに用いられて不溶生成物を含有したエッチング液をこのカセット33内に一時的に保持し、カセット33の引き上げ時に、エッチング液をろ過することになる。

0077

このため、より効率よく不溶生成物を捕獲することができる。そして実施の形態4の場合と同様、カセット33の洗浄工程中に該蓄積した不溶生成物を除去することができ、親水性繊維部36に不溶生成物が残留しない。したがって、この場合も洗浄工程終了後には親水性繊維部36は不溶生成物を再度捕獲できる状態となり、親水性繊維部36を交換すること無くカセット33と共に繰り返して利用することが可能となる。加えて、処理する度に不溶生成物がテクスチャー形成装置外へ持ち出されるため、繰り返し処理した際のエッチング液1中の不溶生成物の経時的な増加を防ぐことができる。その結果、親水性繊維の交換工程を必要とせずに不溶生成物を繰り返し除去でき、エッチング液1中の不溶生成物を除去することができる。

0078

また、この親水性繊維部36をカセット33のカセット本体に対して着脱自在にしておき、エッチング終了後、カセット本体から外し、別の親水性繊維部36を装着して使用するようにすれば、親水性繊維部36の洗浄をより効率よく実施できる。また、繰り返し使用のための洗浄時間を短縮することができる。

0079

本実施の形態4及び変形例1,2においては、半導体基板10とエッチング液1が反応するとエッチング槽2内にエッチング液の上昇流が発生し、エッチング液の流れが発生する。エッチング液がカセット3,23,33内から天面に抜けるように出て行くため、天面からのエッチング液の流入が妨げられ、不溶生成物の流入も妨げられる。

0080

一方、エッチング液は上昇し、カセット3,23,33内から天面に抜けたエッチング液1は、再度親水性繊維部16,親水性繊維板26,親水性繊維部36を通過しカセット3,23,33内に戻る。エッチング液が親水性繊維部16,親水性繊維板26,親水性繊維部36を通過する際に不溶生成物は繊維に絡め取られ、カセット3,23,33内に流入することがない。

0081

したがって半導体基板10には不定形の不溶生成物の影響を受けること無くテクスチャーが形成される。加えて、親水性繊維に絡め取られた不定形の不溶生成物はカセット3,23,33ごと次工程である洗浄工程へと運ばれ、親水性繊維部16,親水性繊維板26,親水性繊維部36中の不定形の不溶生成物も洗浄され除去される。したがって、洗浄工程終了後には親水性繊維部16,親水性繊維板26,親水性繊維部36は不定形の不溶生成物を再度捕獲できる状態となり、親水性繊維部16,親水性繊維板26,親水性繊維部36を交換すること無くカセット3,23,33と共に繰り返して利用することが可能となる。

0082

実施の形態5.
実施の形態5にかかる太陽電池の製造装置は、テクスチャー形成のためのエッチング装置の装置構成を除き、実施の形態4と同様であるので、実施の形態4を参照することとして詳細な説明は省略する。図13は、このエッチング装置で用いられるカセットの親水性繊維取り付け部を示すもので、カセットから理解の容易のため親水性繊維を除いて描いた斜視図である。図14は、図13に示したカセットに親水性繊維を含めて描いた斜視図である。図15は、実施の形態5にかかる太陽電池の製造装置の構造を示す概念図であり、半導体基板を保持したカセットをエッチング槽に浸漬して、反応させた際のエッチング液の流れを示す概略図である。側面及び底面の一部分に親水性繊維を記載したが、最大限の繊維面積を実現するため、カセットの形状を維持できる範囲内で、カセットの側面そのものを、親水性繊維を用いて構成してもよい。

0083

実施の形態5におけるエッチング装置は、図13に示すように、カセット37を構成する側面及び底面に開口部38,39,40が設けられている。本実施の形態では、図14に示すようにカセット41の開口部42、つまり図13の開口部38,39,40に相当する部位に親水性繊維43,44,45が設置される。親水性繊維は実施の形態1同様、親水性を付加した繊維、例えばポリオレフィンやポリエステル、あるいはオゾン処理による酸化処理を用い親水性を付加した、例えばポリプロピレン、を用いる。繊維からの溶出物を予め除去するため、アルカリ溶液を用いた洗浄を実施することが好ましい。カセット41は側面と底面の開口部42と親水性繊維43を通じてエッチング槽46内のエッチング液と接触する。

0084

図15にエッチング槽46にエッチング液47を投入し、半導体基板49を保持したカセット48をエッチング槽46に浸漬させた際の薬液の流れを示す。半導体基板49とエッチング液47が反応するとエッチング槽46内にエッチング液47の上昇流が発生し、エッチング液の流れ50が発生する。エッチング液47がカセット48内から天面に抜けるように出て行くため、天面からのエッチング液47の流入が妨げられ、不溶生成物の流入も妨げられる。

0085

一方、エッチング液47は流れ50の後にエッチング液47の流れ51と流れ52に示すように流れ、再度底面の開口部と親水性繊維部54と、側面の開口部と親水性繊維部53と、を通過しカセット48内に戻る。エッチング液47が親水性繊維部53,54を通過する際に不溶生成物は繊維に絡め取られ、カセット48内に流入することがない。

0086

したがって半導体基板49には不定形の不溶生成物の影響を受けること無くテクスチャーが形成される。加えて、親水性繊維に絡め取られた不定形の不溶生成物はカセット48ごと次工程である洗浄工程へと運ばれ、親水性繊維中の不定形の不溶生成物も洗浄され除去される。したがって、洗浄工程終了後には親水性繊維部53,54は不定形の不溶生成物を再度捕獲できる状態となり、親水性繊維部53,54を交換すること無くカセット48と共に繰り返して利用することが可能となる。

0087

さらには、処理する度に不溶生成物がテクスチャー形成装置外へ持ち出されるため、繰り返し処理した際のエッチング液47中の不溶生成物の経時的な増加を防ぐことができる。その結果、親水性繊維の交換工程を必要とせずに不溶生成物を繰り返し除去でき、エッチング液47中の不定形の不溶生成物を除去できる。すなわち、エッチング液47中の不溶生成物がp型単結晶シリコン基板(半導体基板49)表面に付着しテクスチャー形成を阻害する作用や界面活性剤の働きを阻害する作用を防止することができ、p型単結晶シリコン基板表面全面に均一なテクスチャーを形成することができる。

0088

さらに、同一のエッチング液47を繰り返し利用した際においてもエッチング液中の不溶生成物の増加を防ぐことができ、エッチング液の使用回数を増加させることができる。

0089

本実施の形態によれば、半導体基板49と共にエッチング液47に浸漬されるカセット48に不溶生成物を捕獲することができる親水性繊維部53あるいは親水性繊維部54またはその両方が備え付けられる。カセット48と親水性繊維部53,54は共に半導体基板49のエッチング処理後に洗浄工程へと持ち出される。

0090

このため、エッチング液中の不溶生成物が親水性繊維部53,54に捕獲され持ち出されるためエッチング槽46から除去される。

0091

加えて、洗浄工程においては親水性繊維部53,54に捕獲されている不溶生成物を取り除くことが可能となり、カセット48と共に親水性繊維部53,54も不溶生成物を捕獲する前の初期状態に戻るため、繰り返し使用できる。エッチング槽46には、洗浄され不溶生成物の捕獲性能が初期状態と同様の親水性繊維が浸漬されるため、不溶生成物の除去効果を維持できる。

0092

その結果、繰り返し処理した際においてもエッチング液47中の不溶生成物が効果的に除去され、半導体基板49に一様にテクスチャーを形成できる。これにより安定して理想的なテクスチャーを形成することが可能となり、光生成キャリアを増加させた太陽電池を製造することができる。

0093

上述のように、本実施の形態5にかかる太陽電池の製造装置によれば、光利用効率の高い、光電変換効率に優れた太陽電池が実現される。加えて、該太陽電池を効率的に生産することのできる装置が実現される。

0094

実施の形態6.
実施の形態6にかかる太陽電池の製造装置は、テクスチャー形成のエッチング装置のエッチング液循環部を除き、実施の形態5と同様であるため、実施の形態5を参照することとして詳細な説明は省略する。図16は、本発明の実施の形態6にかかる太陽電池の製造装置のテクスチャー形成のためのエッチング装置を説明するための装置構成の概念図である。

0095

実施の形態6におけるエッチング装置はカセット55の底面に設置されている親水性繊維56の下部にエッチング液の循環系57の循環流の出口59が位置するように構成されている。循環系57はポンプ58を介してエッチング槽60からエッチング液61を循環させており、不溶生成物は循環系57を通過しエッチング槽60の下部に戻る。エッチング液61は、循環流の出口59から吹き出される。循環流の出口59から吹き出すエッチング液はカセット55の底面に設置されている親水性繊維56を通過してカセット55内に入る。吹き出したエッチング液61中の不溶生成物はカセット55底面の親水性繊維56に絡め取られカセット内に侵入することがない。特に、処理終盤の半導体基板62とエッチング液61との反応が終息し、反応によるカセット55内のエッチング液61の上昇流が弱くなった際に、カセット55底面の循環流の出口59から薬液を強制的に供給し継続的に上昇流を生じさせることができる。これにより、天面の開口部から、不溶生成物がカセット55内ヘ侵入するのを防ぐことができ、処理終盤においてもカセット内に不溶生成物が無い状態を作り出すことができる。したがって半導体基板62には処理の開始から終了まで不溶生成物の影響を受けること無くテクスチャーが形成される。

0096

本実施の形態によれば、カセット55底面の親水性繊維56にエッチング液61の循環流が当たるように循環流の出口59が設置される。処理終盤の半導体基板62とエッチング液61との反応が収まった際にもカセット55底部からエッチング液61が供給され、親水性繊維の設置されていない開口部からのカセット55内へのエッチング液61の侵入を防ぐことができる。すなわち、処理終盤においても親水性繊維を通過したエッチング液のみがカセット内に供給され、エッチング液に含まれる不定形の不溶生成物は親水性繊維56に捕獲される。したがって半導体基板62に一様にテクスチャーが形成できる。これにより安定して理想的なテクスチャーを形成することが可能となり、光生成キャリアを増加させた太陽電池を製造することができる。

0097

本実施の形態では理解の容易のため底面に循環流の出口と該出口に対面するようにカセット底面の親水性繊維を設置したが、カセット側面の親水性繊維に循環流が当たるように循環流の出口をエッチング槽の側面に設置しても良く、本発明を制限するものではない。

0098

さらにまた、本方法で適用可能な半導体基板としては単結晶および多結晶シリコン基板だけでなく、強アルカリ薬液で処理されるシリコン系基板全般に適用可能であることはいうまでもない。

0099

以上のように、本発明にかかる太陽電池の製造装置は、光利用効率が高く、光電変換効率に優れた太陽電池の製造に有用であり、特に、結晶シリコン系基板を用いた太陽電池の製造に適している。これは、特に、テクスチャーを形成した結晶系シリコン基板表面に拡散によりpn接合を形成する場合に、特にテクスチャーの分布光電変換特性を左右するためである。

0100

1エッチング液、2エッチング槽、2a内槽、2b外槽、3,23,33カセット、4循環部、4bバイパス流路、5ポンプ、6 ろ過部、7 制御部、8制御ライン、9添加機構、9aアルカリ添加機構、9bエッチング補助剤添加機構、aアルカリ性薬液、b エッチング補助剤、10 第1導電型の半導体基板(p型単結晶シリコン基板)、10Tテクスチャー、11 第2導電型層、12絶縁層、13受光面側電極、14 第1導電型層、15裏面側電極、16親水性繊維部、26 親水性繊維板、36 親水性繊維部、37 カセット、38 開口部、39 開口部、40 開口部、41 カセット、42 開口部、43 親水性繊維、44 親水性繊維、45 親水性繊維、46 エッチング槽、47 エッチング液、48 カセット、49 半導体基板、50 エッチング液の流れ、51 エッチング液の流れ、52 エッチング液の流れ、53 親水性繊維部、54 親水性繊維部、55 カセット、56 親水性繊維、57 循環系、58 ポンプ、59循環流の出口、60 エッチング槽、61 エッチング液、62 半導体基板。

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