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技術 圧縮機用インペラの製造方法および圧縮機用インペラ

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 西勇人神部弘毅
出願日 2012年8月1日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2014-527902
公開日 2016年7月11日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 WO2014-020732
状態 特許登録済
技術分野 フライス加工
主要キーワード 切削対象物 回転距離 切削機械 固定突起 把持アーム 残留ひずみ 工作主軸 製造速度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年7月11日)のものです。
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図面 (13)

課題

加工対象物であるワークを切削してなる圧縮機用インペラにおいて、切削後の残留ひずみが小さい圧縮機用インペラの製造方法を提供すること。

解決手段

ワークWを支持台3の上に固定するワーク固定工程と、ワークWを押圧した状態で翼部間領域Rを切削し、ワークWの周方向に複数の翼部B1,B2・・を互いに間隔を置いて形成する切削工程と、を含み、切削工程において、ワークWの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域R1,R2・・を順々に切削する時に、可能な限り隣接する翼部間領域を避けて切削する第1の切削方法、またはワークWの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域R1,R2・・の一部を複数同時に切削する時に、同時に切削する複数の翼部間領域の少なくとも一つが、同時に切削する他の翼部間領域に対して、可能な限り一または二以上の翼部間領域分だけ離れた位置となるように切削する第2の切削方法、のいずれかの切削方法を選択する。

概要

背景

従来、例えばターボチャージャコンプレッサインペラなどに代表される圧縮機用インペラは、円錐状または戴頭円錐状のワークを支持台の上に載置し、該ワークの中心部を支持台と反対側に備えた固定装置、若しくはインペラ内部を通した雄ねじと対応する雌ねじによって、軸方向に押圧して支持台に固定した状態でその側面を工作機械等で切削することで製造される。例えば特許文献1には、本開示に関する従来技術として、ターボチャージャコンプレッサインペラを加工するための工作機械に関する発明が開示されている。

概要

加工対象物であるワークを切削してなる圧縮機用インペラにおいて、切削後の残留ひずみが小さい圧縮機用インペラの製造方法を提供すること。ワークWを支持台3の上に固定するワーク固定工程と、ワークWを押圧した状態で翼部間領域Rを切削し、ワークWの周方向に複数の翼部B1,B2・・を互いに間隔を置いて形成する切削工程と、を含み、切削工程において、ワークWの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域R1,R2・・を順々に切削する時に、可能な限り隣接する翼部間領域を避けて切削する第1の切削方法、またはワークWの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域R1,R2・・の一部を複数同時に切削する時に、同時に切削する複数の翼部間領域の少なくとも一つが、同時に切削する他の翼部間領域に対して、可能な限り一または二以上の翼部間領域分だけ離れた位置となるように切削する第2の切削方法、のいずれかの切削方法を選択する。

目的

本発明の少なくとも一つの実施形態は、上述したような従来技術の課題に鑑みなされたものであって、加工対象物であるワークを切削してなる圧縮機用インペラにおいて、切削後の残留ひずみが小さい圧縮機用インペラの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

加工対象物であるワークを切削し、該ワークの周方向に複数の翼部を互いに間隔を置いて形成してなる圧縮機用インペラの製造方法において、前記ワークを支持台の上に載置し、載置した該ワークを押圧して前記支持台に固定するワーク固定工程と、前記ワークを押圧した状態で、隣接する2つの翼部によって画定される翼部間領域を切削し、前記ワークの周方向に複数の翼部を互いに間隔を置いて形成する切削工程と、を含み、前記切削工程において、前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域を順々に切削する時に、可能な限り隣接する翼部間領域を避けて切削する第1の切削方法、または前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域の一部を複数同時に切削する時に、同時に切削する複数の翼部間領域の少なくとも一つが、同時に切削する他の翼部間領域に対して、可能な限り一または二以上の翼部間領域分だけ離れた位置となるように切削する第2の切削方法、のいずれかの切削方法を選択することを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法。

請求項2

前記切削工程において第1の切削方法を選択した時に、順々に切削される翼部間領域の一方が、他方に対して、可能な限り一翼部間領域分だけ離れた位置となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機用インペラの製造方法。

請求項3

前記切削工程において第1の切削方法を選択し、前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域を順々に切削する時に、順々に切削される翼部間領域の一方が、他方に対して、前記ワークの周方向に対向した位置となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機用インペラの製造方法。

請求項4

前記切削工程において第2の切削方法を選択し、前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域を2つずつ同時に切削する時に、同時に切削される2つの翼部間領域が互いに対向した位置となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機用インペラの製造方法。

請求項5

前記切削工程において第2の切削方法を選択し、前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域を2つのグループ区分して、同一グループ内の全ての翼部間領域を同時に切削する時に、該同一グループ内における翼部間領域の夫々が、可能な限り前記ワークの周方向に互いに一翼部間領域分だけ離れた位置となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機用インペラの製造方法。

請求項6

前記複数の翼部は、長翼と、該長翼よりも翼長が短く形成された短翼の2種類によって構成され、該長翼および該短翼が、前記ワークの周方向に間隔を置いて交互に形成される時に、前記翼部間領域を隣接する長翼間で画定される領域と捉えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の圧縮機用インペラの製造方法。

請求項7

前記複数の翼部は、長翼と、該長翼よりも翼長が短く形成された短翼の2種類によって構成され、該長翼および該短翼が、前記ワークの周方向に間隔を置いて交互に形成される時に、前記翼部間領域を隣接する長翼と短翼とで画定される領域と捉えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の圧縮機用インペラの製造方法。

請求項8

請求項1から7のいずれか一つに記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする圧縮機用インペラ。

技術分野

0001

本開示は、加工対象物であるワークを切削し、該ワークの周方向に複数の翼部を互いに間隔を置いて形成してなる圧縮機用インペラの製造方法、および該製造方法によって製造された圧縮機用インペラに関する。

背景技術

0002

従来、例えばターボチャージャコンプレッサインペラなどに代表される圧縮機用インペラは、円錐状または戴頭円錐状のワークを支持台の上に載置し、該ワークの中心部を支持台と反対側に備えた固定装置、若しくはインペラ内部を通した雄ねじと対応する雌ねじによって、軸方向に押圧して支持台に固定した状態でその側面を工作機械等で切削することで製造される。例えば特許文献1には、本開示に関する従来技術として、ターボチャージャコンプレッサインペラを加工するための工作機械に関する発明が開示されている。

先行技術

0003

特表2011−513077号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、上述したワークを切削して圧縮機用インペラを製造する際に、従来の製造方法では図10(a)に示したように、ワークWの周方向に間隔を置いて形成される翼部BI1〜BI6の隣接する2つによって画定される翼部間領域R1〜R6を、例えばR1,R2,R3,R4,R5,R6の順番で周方向に順々に切削していた。なお、図10(a)の丸印の中の数字は、切削する翼部間領域の順番を示している。

0005

しかしながら、ワークWを押圧した状態で翼部間領域R1〜R6を周方向に順々に切削すると、先に切削された側に向かって中心部12が傾いてしまうとの問題がある。すなわち、隣接する翼部間領域を順々に切削すると、切削されて断面が小さくなった側に向かって中心部12が次第に傾いていき、図10(b)に示したように、R1,R2,R3と順々に切削するにしたがって中心部12のひずみが累積されていく。かかるひずみは、R1〜R3とは周方向の反対側に位置するR4〜R6を切削する過程において若干減少するものの、最終的にはδrのひずみが残留する。

0006

この中心部12の残留ひずみδrは、肉眼では殆ど確認できない程度のひずみではあるが、軸中心に対する重量バランス隔たりが生じることで、駆動時における異音や振動発生原因になる恐れがあり、ターボチャージャの製品価値や製品寿命に悪影響を及ぼすことがある。

0007

本発明の少なくとも一つの実施形態は、上述したような従来技術の課題に鑑みなされたものであって、加工対象物であるワークを切削してなる圧縮機用インペラにおいて、切削後の残留ひずみが小さい圧縮機用インペラの製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0008

本発明の少なくとも一つの実施形態は、上述した目的を達成するために、
加工対象物であるワークを切削し、該ワークの周方向に複数の翼部を互いに間隔を置いて形成してなる圧縮機用インペラの製造方法において、
前記ワークを支持台の上に載置し、載置した該ワークを押圧して前記支持台に固定するワーク固定工程と、
前記ワークを押圧した状態で、隣接する2つの翼部によって画定される翼部間領域を切削し、前記ワークの周方向に複数の翼部を互いに間隔を置いて形成する切削工程と、を含み、
前記切削工程において、
前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域を順々に切削する時に、可能な限り隣接する翼部間領域を避けて切削する第1の切削方法、または
前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域の一部を複数同時に切削する時に、同時に切削する複数の翼部間領域の少なくとも一つが、同時に切削する他の翼部間領域に対して、可能な限り一または二以上の翼部間領域分だけ離れた位置となるように切削する第2の切削方法、
のいずれかの切削方法を選択することを特徴とする。

0009

このような圧縮機用インペラの製造方法では、切削工程において、ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域を順々に切削する時に、可能な限り隣接する翼部間領域を避けて切削する第1の切削方法、またはワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域の一部を複数同時に切削する時に、同時に切削する複数の翼部間領域の少なくとも一つが、同時に切削する他の翼部間領域に対して、可能な限り一または二以上の翼部間領域分だけ離れた位置となるように切削する第2の切削方法、のいずれかの切削方法を選択する。

0010

したがって、基本的に隣接する翼部間領域が順々にまたは同時に切削されることがないため、切削後の残留ひずみを小さく抑えることができる。

0011

なお、本発明において複数の翼部および複数の翼部間領域は、ワークの周方向に連続して少なくとも4個以上存在するものとする。

0012

また、本発明の一実施形態における圧縮機用インペラの製造方法は、
前記切削工程において第1の切削方法を選択した時に、順々に切削される翼部間領域の一方が、他方に対して、可能な限り一翼部間領域分だけ離れた位置となるように構成されることを特徴とする。

0013

このような圧縮機用インペラの製造方法によれば、可能な限り一翼部間領域分だけ離れた位置を順々に切削するため、製造速度を落とすことなく、切削後の残留ひずみを小さく抑えることができる。

0014

なお、本明細書において「可能な限り」とは、「他に選択肢がなく不可能な場合を除いて」との意味である。具体的には、例えば図11に示したように、周方向に連続する偶数個(例えば6個)の翼部間領域R1〜R6を一翼部間領域分だけ離して順々に切削する場合には、図11(a)に示したように、全体の半分の翼部間領域(R1、R3、R5)を切削した時点で、最後に切削した翼部間領域R5から一翼部間領域分だけ離れた位置に、最初に切削した翼部間領域R1が位置することとなる。すなわちこの場合は、一翼部間領域分だけ離れた位置を切削することが不可能であるため、例外的に、図11(b)に示したように、翼部間領域R5を切削した次に、例えば二翼部間領域分だけ離れた位置にある翼部間領域R2を切削する。翼部間領域R2を切削した後は、また一翼部間領域分だけ間隔を置いて翼部間領域R4、R6と順々に切削する。

0015

また、本発明の一実施形態における圧縮機用インペラの製造方法は、
前記切削工程において第1の切削方法を選択し、前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域を順々に切削する時に、順々に切削される翼部間領域の一方が、他方に対して、前記ワークの周方向に対向した位置となるように構成されることを特徴とする。

0016

このような圧縮機用インペラの製造方法によれば、順々に切削される2つの翼部間領域の一方が、他方に対して、ワークの周方向に対向した位置となるように構成されるため、切削後の残留ひずみを小さく抑えることができる。

0017

また、本発明の一実施形態における圧縮機用インペラの製造方法は、
前記切削工程において第2の切削方法を選択し、前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域を2つずつ同時に切削する時に、同時に切削される2つの翼部間領域が互いに対向した位置となるように構成されることを特徴とする。

0018

このような圧縮機用インペラの製造方法によれば、同時に切削される2つの翼部間領域が互いに対向した位置となるように構成されるため、切削後の残留ひずみを小さく抑えることができる。

0019

なお、請求項3および4の発明に関して、翼部間領域が偶数個(例えば6個)の場合は、図12(a)に示したように、R1とR4、R2とR5、R3とR6といった様に、ワークの周方向に対向した位置にある2つの翼部間領域を一義的に選択することが可能である。しかしながら、翼部間領域が奇数個(例えば7個)の場合は、図12(b)に示したように、R1に対向する位置にはR4とR5が位置し、R2に対抗する位置にはR5とR6が位置するなど、必ずしもワークの周方向に対向した位置にある2つの翼部間領域を一義的に選択することが出来ない。このような翼部間領域が奇数個の場合は、「ワークの周方向に対向した位置」にある翼部間領域として、一方の翼部間領域に対向する他方の2つの翼部間領域(例えば、R1に対向するR4とR5)のいずれを選択しても良いものとする。

0020

また、本発明の一実施形態における圧縮機用インペラの製造方法は、
前記切削工程において第2の切削方法を選択し、前記ワークの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域を2つのグループ区分して、同一グループ内の全ての翼部間領域を同時に切削する時に、該同一グループ内における翼部間領域の夫々が、可能な限り前記ワークの周方向に互いに一翼部間領域分だけ離れた位置となるように構成されることを特徴とする。

0021

このような圧縮機用インペラの製造方法によれば、同一グループ内における複数の翼部間領域の夫々が、可能な限りワークの周方向に互いに一翼部間領域分だけ間隔を置いた位置となるように、同時に切削される2つのグループが区分されるため、切削後の残留ひずみを小さく抑えることができる。

0022

上述した実施形態において、
前記複数の翼部は、長翼と、該長翼よりも翼長が短く形成された短翼の2種類によって構成され、該長翼および該短翼が、前記ワークの周方向に間隔を置いて交互に形成される時に、前記翼部間領域を隣接する長翼間で画定される領域と捉えることができる。

0023

また上述した実施形態において、
前記複数の翼部は、長翼と、該長翼よりも翼長が短く形成された短翼の2種類によって構成され、該長翼および該短翼が、前記ワークの周方向に間隔を置いて交互に形成される時に、前記翼部間領域を隣接する長翼と短翼とで画定される領域と捉えることができる。

0024

また、本発明の一実施形態における圧縮機用インペラは、上述したいずれか一つに記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする。

0025

上述したいずれか一つに記載の製造方法によって製造された圧縮機用インペラは、切削後の残留ひずみが小さく、軸中心に対する重量バランスに隔たりが生じないため、駆動時において異音の発生等が生じない。

発明の効果

0026

本発明によれば、加工対象物であるワークを切削してなる圧縮機用インペラにおいて、切削後の残留ひずみが小さい圧縮機用インペラの製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0027

本発明の一実施形態に係る圧縮機用インペラの製造方法に用いられる切削機械を示した概略図である。
加工対象物であるワークを示した斜視図である。
ワークが切削されている状態を示した図である。
本発明の一実施形態に係る圧縮機用インペラの斜視図である。
本発明の一実施形態に係るワークの切削順番と、中心部のひずみとの関係を示した図である。
本発明の一実施形態に係るワークの切削順番と、中心部のひずみとの関係を示した図である。
本発明の一実施形態に係るワークの切削順番と、中心部のひずみとの関係を示した図である。
本発明の一実施形態に係るワークの切削順番と、中心部のひずみとの関係を示した図である。
本発明の一実施形態に係る翼部間領域の定義を説明するための図である。
従来のワークの切削順番と、中心部のひずみとの関係を示した図である。
本発明の一実施形態に係るワークの切削順番を説明するための図である。
本発明の一実施形態に係るワークの切削順番を説明するための図である。

実施例

0028

以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限り、本発明の範囲をそれにのみ限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。

0029

図1は、本発明の一実施形態に係る圧縮機用インペラの製造方法に用いられる切削機械を示した概略図である。図2は、加工対象物であるワークを示した斜視図である。図3は、ワークが切削されている状態を示した図である。図4は、本発明の一実施形態に係る圧縮機用インペラの斜視図である。図1に示したように、切削機械1は、本体部2、支持台3、固定突起4、把持アーム5、切削工具6、および工作主軸部7と、を備えている。

0030

本体部2は、図1中の矢印aに示す方向に傾動可能に構成されている。また、本体部2の支持面2aには支持台3が設置されている。支持台3は、図1中の矢印bの方向に回転可能に構成されている。また、この支持台3には、加工対象物であるワークWが載置される。支持台3に載置されたワークWは、固定突起4によって軸方向に押圧されて支持台3の上に固定される。なお、ワークWの支持台3への固定方法はこれに限定されず、例えば、ワークWの内部に貫通して設けられた雄ねじと対応する雌ねじによって、軸方向に押圧されて支持台3の上に固定されても良い。

0031

固定突起4は、把持アーム5によって図1中の矢印cの方向に回転自在に支持されている。把持アーム5は、本体部2と一体的に結合されるとともに、固定突起4を支持台3に向かって押し付けることができるように構成されている。また工作主軸部7には、その下端に切削工具6が取り付けられ、図1中の矢印dに示す上下方向に昇降可能に構成されている。

0032

図2に示したように、ワークWは、円錐の頂部がカットされた戴頭円錐状をなしている。また、その頂面13の中心部分には中心部12が凸状に形成されるとともに、その中心位置に中心孔12aが穿孔されている。上述した固定突起4は、この中心孔12aと係合することで、ワークWを位置決めして固定する。このワークWは、特に限定されないが、例えばアルミなどの材料によって形成される。

0033

上述したワークWを切削機械1で切削することで、本発明の一実施形態に係る圧縮機用インペラ20が製造される。圧縮機用インペラ20は、図4に示したように、ワークWの周方向に複数の長翼部Blおよび短翼部Bsが互いに間隔を置いて交互に形成してなる。長翼Blは、ワークWの側面14に全高に渡って形成され、短翼Bsは、ワークWの側面14に長翼Blよりも短く形成される。

0034

上述した切削機械1を用いて、本発明の一実施形態に係る圧縮機用インペラ20は、次の様に製造される。すなわち先ず、切削対象物であるワークWを切削機械1の支持台3の上に載置する。そして、載置したワークWを固定突起4によって支持体3に向かって押圧し、支持台3に固定する(ワーク固定工程)。

0035

次に、図3に示したように、ワークWを支持台3に押圧して固定した状態で、工作主軸部7を下降させて切削工具6をワークWに押し付けて、ワークWの頂面13および側面14を切削する。この際、本体部2を矢印aの方向に繰り返し傾動させることで、曲線状の側面14に沿って切削工具6を押し付けて切削することができる。そして、図4に示したように、例えば隣接する長翼部Blによって画定される一の翼部間領域Rを切削した後に、支持台3が回転することでワークWを周方向に回転させて、同様にして他の翼部間領域Rを切削することで、ワークWの周方向に複数の翼部Bl、Bsを互いに間隔を置いて形成する(切削工程)。

0036

本発明の一実施形態にかかる圧縮機用インペラの製造方法は、ワークWを周方向に切削する際の順番に、特に技術的特徴がある。具体的には、上述した切削工程において、ワークWの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域Rを順々に切削する時に、可能な限り隣接する翼部間領域を避けて切削する方法(第1の切削方法)、またはワークWの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域Rの一部を複数同時に切削する時に、同時に切削する複数の翼部間領域Rの少なくとも一つが、同時に切削する他の翼部間領域Rに対して、可能な限り一または二以上の翼部間領域分だけ離れた位置となるように切削する方法(第2の切削方法)のいずれかの切削方法を選択することに技術的特徴がある。よって以下に、本発明の一実施形態に係る圧縮機用インペラの製造方法において、ワークWを周方向に切削する際の順番について詳細に説明する。

0037

図5は、本発明の一実施形態に係るワークWの切削順番と、中心部12のひずみ(δ)との関係を示した図である。この実施形態では、上述した切削工程において第1の切削方法を選択し、ワークWの周方向に連続して存在する複数(例えば6つ)の翼部間領域R1,R2,R3,R4,R5,R6を順々に切削する時に、順々に切削される2つの翼部間領域の一方が、他方に対して、可能な限りワークWの周方向に一翼部間領域分だけ離れた位置となるように切削する。

0038

すなわち、図5(a)に示したように、先ずR1を切削した後に、R1から一翼部間領域分だけ離れた位置にあるR3を切削し、次に、R3から一翼部間領域分だけ離れた位置にあるR5を切削する。R5から一翼部間領域だけ離れた位置にあるR1,R3は、既に切削されているため、R5を切削した後は、例えば二翼部間領域だけ離れた位置にあるR2を切削する。そして、R2から一翼部間領域分だけ離れた位置にあるR4を切削し、最後に、R4から一翼部間領域分だけ離れた位置にあるR6を切削する。なお、図5(a)の丸印の中の数字は、切削する翼部間領域の順番を示している。

0039

このように、可能な限り一翼部間領域分だけ離れた位置を順々に切削することで、基本的に隣接する翼部間領域が順々に切削されないため、図5(b)に示したように、中心部12におけるひずみの累積を小さく抑えることができる。その結果、従来のように隣接する翼部間領域を順々に切削していた場合の残留ひずみδrと比べて、切削後の残留ひずみδ1を小さく抑えることが可能となる。

0040

また、後述する実施形態と比べて、一の翼部間領域を切削後にワークWを周方向に回転させる際の回転距離が短いことから、製造速度を落とすことなく、切削後の残留ひずみδ1を小さく抑えることができる。

0041

なお、図5では、翼部間領域R1〜R6が周方向に連続して偶数個(6個)存在する場合を例に説明したが、本実施形態はこれに限定されず、例えば周方向に連続して奇数個(例えば5個)の翼部間領域が存在する場合にも適用可能である。翼部間領域が奇数個の場合は、全ての翼部間領域を一翼部間領域分だけ離して順々に切削することが可能である。

0042

図6は、本発明の一実施形態に係るワークWの切削順番と、中心部12のひずみ(δ)との関係を示した図である。この実施形態では、上述した切削工程において第1の切削方法を選択し、ワークWの周方向に連続して存在する偶数個(例えば6個)の翼部間領域R1,R2,R3,R4,R5,R6を順々に2つずつ切削する時に、順々に切削される2つの翼部間領域の一方が、他方に対して、ワークWの周方向に対向した位置となるように切削する。

0043

すなわち、図6(a)に示したように、先ずR1を切削した後に、R1と周方向に対向した位置にあるR4を切削する。次に、先に切削したR1に隣接するR2を切削し、R2と周方向に対向する位置にあるR5を切削する。そして最後に、先に切削したR2に隣接するR3を切削し、R3と周方向に対向する位置にある残ったR6を切削する。

0044

このように、順々に切削される2つの翼部間領域の一方が、他方に対して、ワークWの周方向に対向した位置となるように切削することで、対向した位置にある翼部間領域を切削する際に先に発生したひずみの一部がキャンセルされるため、図6(b)に示したように、中心部12におけるひずみの累積を小さく抑えることができる。その結果、従来のように隣接する翼部間領域を順々に切削していた場合の残留ひずみδrと比べて、切削後の残留ひずみδ2を小さく抑えることが可能となる。

0045

図7は、本発明の一実施形態に係るワークの切削順番と、中心部のひずみとの関係を示した図である。この実施形態では、上述した切削工程において第2の切削方法を選択し、ワークWの周方向に連続して存在する偶数個(例えば6個)の翼部間領域R1,R2,R3,R4,R5,R6を2つずつ同時に切削する時に、同時に切削される2つの翼部間領域が互いに対向した位置となるように切削する。

0046

すなわち、図7(a)に示したように、最初に、R1と、R1に対して周方向に対向する位置にあるR4を同時に切削する。次にR2と、R2に対して周方向に対向する位置にあるR5を同時に切削する。そして最後に、R3と、R3に対して周方向に対向する位置にあるR6を同時に切削する。

0047

このように、互いに対向した位置にある2つの翼部間領域を同時に切削することで、中心部12を中心として常に対称形状を保った状態でワークWが切削されることから、図7(b)に示したように、中心部12におけるひずみの累積を小さく抑えることができる。その結果、従来のように隣接する翼部間領域を順々に切削していた場合の残留ひずみδrと比べて、切削後の残留ひずみδ3を小さく抑えることが可能となる。

0048

図8は、本発明の一実施形態に係るワークの切削順番と、中心部のひずみとの関係を示した図である。この実施形態では、上述した切削工程において第2の切削方法を選択し、ワークWの周方向に連続して存在する複数(例えば6つ)の翼部間領域R1,R2,R3,R4,R5,R6を2つのグループ(例えば、R1,R3,R5とR2,R4,R6)に区分し、同一グループ内における複数の翼部間領域の全てを同時に切削する時に、該同一グループ内における複数の翼部間領域の夫々が可能な限りワークWの周方向に互いに一翼部間領域分だけ離れた位置となるように、2つのグループが区分される。

0049

すなわち、図8(a)に示したように、6つの翼部間領域R1〜R6を、それぞれ一翼部間領域ずつ離れた位置にあるR1,R3,R5とR2,R4,R6の2つのグループに区分する。そして先ず、一方のグル—プのR1,R3,R5を同時に切削し、次に、他方のグループR2,R4,R6を同時に切削する。

0050

このように、同一グループ内における複数の翼部間領域の夫々が、可能な限りワークWの周方向に互いに一翼部間領域分だけ離れた位置となるように、同時に切削される2つのグループを区分することで、基本的に隣接する翼部間領域が同時に切削されないことから、図8(b)に示したように、中心部12におけるひずみの累積を小さく抑えることができる。その結果、従来のように隣接する翼部間領域を順々に切削していた場合の残留ひずみδrと比べて、切削後の残留ひずみδ4を小さく抑えることが可能となる。

0051

なお、図8(a)では、翼部間領域R1〜R6が周方向に連続して偶数個(6個)存在する場合を例に説明したが、本実施形態はこれに限定されない。図8(c)に示したように、周方向に連続して奇数個(例えば5個)の翼部間領域R1,R2,R3,R4,R5が存在する場合にも適用可能である。

0052

翼部間領域が奇数個の場合は、区分される2つのグループ(例えば、R1,R3とR2,R4,R5)の翼部間領域の全てが互いに一翼部間領域分だけ間隔を置いた位置となるように区分することはできず、必ず一箇所だけ隣接する翼部間領域(例えばR4とR5)が同一のグループに分類されてしまう。しかしながら、図8(c)に示したように、可能な限りワークWの周方向に互いに一翼部間領域分だけ間隔を置いた位置となるように、同時に切削される2つのグループが区分されていれば、同時に切削されるR1とR3、R2とR4及びR5とは一翼部間領域分だけ離れて位置するため、偶数個の場合と同様に、切削後の残留ひずみδ4´を小さく抑えることが可能となる。

0053

以上、本発明の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。

0054

例えば上述した実施形態では、ワークWの周方向に互いに間隔を置いて交互に形成される長翼部Blおよび短翼部Bsの2種類の翼部の内、隣接する長翼部Blで画定される領域を翼部間領域Rと捉え、該翼部間領域Rを一つの切削単位領域として説明した。しかしながら本発明はこれに限定されず、例えば図9に示したように、隣接する長翼部Blと短翼部Bsとで画定される領域を翼部間領域Raと捉え、翼部間領域Ra1〜Ra12の夫々を一つの切削単位として、上記実施形態に適用しても良いものである。

0055

本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、上述した切削工程において、ワークWの周方向に連続して存在する複数の翼部間領域Rを順々にまたは複数同時に切削する場合に、順々に切削される2つの翼部間領域Rの一方、または同時に切削される複数の翼部間領域の少なくとも一つが、順々に切削される2つの翼部間領域Rの他方、または同時に切削される他の翼部間領域Rに対して、可能な限りワークWの周方向に一またはニ以上の翼部間領域分だけ間隔を置いた位置となるように切削される。
したがって、基本的に隣接する翼部間領域Rが順々にまたは同時に切削されることがないため、切削後の残留ひずみδを小さく抑えることができる。

0056

本発明の一実施形態は、例えばターボチャージャのコンプレッサインペラなどに代表される圧縮機用インペラの製造方法として、好適に用いることができる。

0057

1切削機械
2 本体部
2a支持面
3支持台
4翼部間領域
5把持アーム
6切削工具
7工作主軸部
12 中心部
12a中心孔
13 頂面
14 側面
20圧縮機用インペラ
B 翼部
Bl長翼部
Bs短翼部
R 翼部間領域
W ワーク

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