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技術 ペクチンを含有する酸性乳飲料およびその製造方法

出願人 株式会社ヤクルト本社シーピー・ケルコ・エイピーエス新田ゼラチン株式会社
発明者 中野正理二瓶大地小林有貴子ロリンクラウス牛山総子間宮寛之
出願日 2013年7月11日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2014-524866
公開日 2016年6月23日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 WO2014-010669
状態 特許登録済
技術分野 乳製品 非アルコール性飲料
主要キーワード マイナスチャージ ブフナーろうと B型粘度計 ペクチン粉末 カルシウム反応性 沈殿量 mlビーカー中 ガラス器
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

無脂乳固形分濃度が低い酸性乳飲料であっても、沈殿凝集がなく、ホエイオフが少なく、さっぱりとした飲み口の酸性乳飲料を提供することを目的とし、酸性乳飲料ベースと、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを含むことを特徴とする酸性乳飲料を提供する。

概要

背景

発酵乳乳酸菌飲料ヨーグルト等の生菌含有タイプの酸性乳飲料は、整腸作用免疫賦活作用等の生理活性を有する健康飲料として広く飲用されている。

また、多様化する消費者嗜好に対応するため、さまざまなタイプの酸性乳飲料が提案されており、これらの中でも、無脂乳固形分が低いタイプの酸性乳飲料も開発されている。

しかしながら、一般に、乳蛋白質は、酸性条件下では分散安定性が不安定となるため、酸性乳飲料においては、沈殿凝集ホエイオフ等が生じやすくなるという問題が生じ、無脂乳固形分が低い場合は、乳蛋白質同士の距離が遠いことから電荷反発力が弱く、沈殿・凝集を生じやすい。

上記の沈殿、凝集あるいはホエイオフ等は、著しく外観を損なうばかりでなく、飲用時の風味にも影響を与えることとなり、清涼感を損なう場合もあることから、これを改善するために各種増粘安定剤を用いる方法が提案されている。具体的には、カルボキシメチルセルロースCMC)を使用する方法が提案されている(特許文献1〜2)。

しかしながら、上記のようにCMCを使用した場合にはさっぱりとした飲み口(テクスチャー)のものは得られず、特に低いpH領域ではゲル化する性質を有しており、より一層さっぱりとした飲み口のものは得られなかった。

概要

無脂乳固形分濃度が低い酸性乳飲料であっても、沈殿、凝集がなく、ホエイオフが少なく、さっぱりとした飲み口の酸性乳飲料を提供することを目的とし、酸性乳飲料ベースと、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを含むことを特徴とする酸性乳飲料を提供する。

目的

本発明の課題は、無脂乳固形分濃度が低い酸性乳飲料であっても、沈殿、凝集あるいはホエイオフ等がなく、さっぱりとした飲み口の酸性乳飲料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

酸性乳飲料ベースと、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを含むことを特徴とする酸性乳飲料

請求項2

pHが3.5〜4.2である請求項1に記載の酸性乳飲料。

請求項3

無脂乳固形分が3〜4質量%である請求項1または2に記載の酸性乳飲料。

請求項4

極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを0.25〜0.3%(w/v)含む請求項1〜3の何れかに記載の酸性乳飲料。

請求項5

酸性乳飲料ベースに、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを添加することを特徴とする酸性乳飲料の製造方法。

請求項6

酸性乳飲料ベースに、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを添加することを特徴とする酸性乳飲料の安定化方法。

技術分野

0001

本発明は、特にその無脂乳固形分濃度が低い場合であっても、乳蛋白質凝集沈殿を生じることのない優れた品質定性と良好な風味を有する酸性乳飲料およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

発酵乳乳酸菌飲料ヨーグルト等の生菌含有タイプの酸性乳飲料は、整腸作用免疫賦活作用等の生理活性を有する健康飲料として広く飲用されている。

0003

また、多様化する消費者嗜好に対応するため、さまざまなタイプの酸性乳飲料が提案されており、これらの中でも、無脂乳固形分が低いタイプの酸性乳飲料も開発されている。

0004

しかしながら、一般に、乳蛋白質は、酸性条件下では分散安定性が不安定となるため、酸性乳飲料においては、沈殿や凝集、ホエイオフ等が生じやすくなるという問題が生じ、無脂乳固形分が低い場合は、乳蛋白質同士の距離が遠いことから電荷反発力が弱く、沈殿・凝集を生じやすい。

0005

上記の沈殿、凝集あるいはホエイオフ等は、著しく外観を損なうばかりでなく、飲用時の風味にも影響を与えることとなり、清涼感を損なう場合もあることから、これを改善するために各種増粘安定剤を用いる方法が提案されている。具体的には、カルボキシメチルセルロースCMC)を使用する方法が提案されている(特許文献1〜2)。

0006

しかしながら、上記のようにCMCを使用した場合にはさっぱりとした飲み口(テクスチャー)のものは得られず、特に低いpH領域ではゲル化する性質を有しており、より一層さっぱりとした飲み口のものは得られなかった。

先行技術

0007

特開昭59−151837号公報
特開平9−266779号公報

発明が解決しようとする課題

0008

従って、本発明の課題は、無脂乳固形分濃度が低い酸性乳飲料であっても、沈殿、凝集あるいはホエイオフ等がなく、さっぱりとした飲み口の酸性乳飲料を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の性質を有するペクチンを酸性乳飲料に含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。

0010

すなわち、本発明は酸性乳飲料ベースと、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを含むことを特徴とする酸性乳飲料である。

0011

また、本発明は酸性乳飲料ベースに、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを添加することを特徴とする酸性乳飲料の製造方法である。

0012

更に、本発明は酸性乳飲料ベースに、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを添加することを特徴とする酸性乳飲料の安定化方法である。

発明の効果

0013

本発明の酸性乳飲料は、無脂乳固形分濃度が低い酸性乳飲料であっても、沈殿、凝集あるいはホエイオフ等がなく、さっぱりとした飲み口であり、日々摂取するのに好適である。

0014

また、本発明の酸性乳飲料は、製造工程が簡単であり、設備投資等を必要としない。

0015

本発明の酸性乳飲料は、上記酸性乳飲料ベースと、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを含むものであり、本発明において「酸性乳飲料」とは、酸性乳飲料ベースと上記ペクチンを含む最終製品を示すものであり、ペクチンを含まない「酸性乳飲料ベース」とは区別されるものである。本発明の酸性乳飲料に使用される酸性乳飲料ベースは、下記の酸性原料乳の何れかをそのまま、あるいは水等で希釈して得られたものであれば特に限定されないが、例えば、無脂乳固形分が3〜16質量%(以下、単に「%」という)で、更にpHが3〜5に調整されたものを挙げることができる。

0016

(1)牛乳山羊乳乳、豆乳等の動物および植物由来の液状乳、脱脂粉乳、全粉乳あるいは粉乳、濃縮乳から還元した乳等に、乳酸菌ビフィズス菌等の微生物を作用させて得られる生菌タイプの酸性原料乳。
(2)上記酸性原料乳(1)を殺菌して得られる死菌タイプの酸性原料乳。
(3)上記乳等に単に各種酸味剤を添加して得られる酸性原料乳。

0017

上記酸性原料乳のうち、(1)および(2)を製造する場合に、乳等に作用させる乳酸菌やビフィズス菌等の微生物としては、特に限定されないが、例えば、ラクトバチルスカゼイ、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・デルブルッキィサブスピーシーズ.ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカス等のラクトバチルス属細菌ストレプトコッカスサーモフィルス等のストレプトコッカス属細菌ラクトコッカスラクチスサブスピーシーズ.ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.クレモリス等のラクトコッカス属細菌エンテロコッカスフェカーリス等のエンテロコッカス属細菌、あるいは、ビフィドバクテリウムブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム等のビフィドバクテリウム属細菌バチルス属アセトバクター属グルコノバクター属等の細菌類サッカロミセス属キャンディダ属等の酵母類等を挙げることができ、いずれも好適に使用することができる。これら微生物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。上記微生物の中でも特に、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・デルブルッキィ サブスピーシーズ.ブルガリカスおよびストレプトコッカス・サーモフィルスから選ばれる1種以上を使用すると風味が良好となるため好ましい。

0018

上記微生物を乳等に作用させるための発酵方法は、通常の発酵乳飲食品製造に使用される方法であれば特に限定されないが、例えば、静置発酵撹拌発酵振盪発酵、通気発酵等の微生物の発酵に適した方法から適宜選択して使用すればよく、これらの中でも静置発酵を使用するのが好ましい。

0019

また、上記微生物を乳等に作用させるための発酵条件も通常の発酵乳飲食品製造に使用される条件であれば特に限定されないが、例えば、30〜40℃の温度で、pHが3〜5となるように発酵すればよい。

0020

更に、酸性乳飲料の酸性原料乳として(3)の酸性原料乳を使用する場合には、例えば、pHが3〜5となるように、通常の食品に使用される各種酸味剤を乳等に添加すればよい。具体的な酸味剤としては、リンゴブルーベリー柑橘類の各種果汁、これらの抽出エキスまたはこれらの混合物乳酸クエン酸リンゴ酸酒石酸グルコン酸コハク酸等の有機酸リン酸等の無機酸等を挙げることができる。

0021

上記酸性原料乳には、各種酸性原料乳の調製中あるいは調製後に、本発明により得られる効果を損なわない範囲で、通常各種飲食品へ配合される食品素材を配合することができる。このような食品素材としては、砂糖等の糖類、ステビアアスパルテームソーマチンスクラロースアセスルファムK、ステビア等の高甘味度甘味料難消化性デキストリン等の食物繊維ショ糖脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルレシチン等の乳化剤クリームバターサワークリームなどの乳脂肪、クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等の酸味料ビタミンAビタミンB類ビタミンCビタミンE類等の各種ビタミン類カルシウムマグネシウム亜鉛、鉄、マンガン等のミネラル分、ヨーグルト系、ベリー系、オレンジ系、花梨系、シソ系、シトラス系アップル系ミント系、グレープ系、アプリコット系、ペアカスタードクリーム、ピーチ、メロンバナナトロピカル系、ハーブ系紅茶コーヒー系等のフレーバー類を挙げることができる。

0022

一方、本発明の酸性乳飲料に使用されるペクチンは、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるが、好ましくは極限粘度が5.9〜8.2、エステル化度が74〜77.8、カルシウム反応性が40〜230であり、より好ましくは極限粘度が6.5〜8.2、エステル化度が75〜77.8、カルシウム反応性が40〜110のものである。なお、上記ペクチンの極限粘度、エステル化度およびカルシウム反応性の測定は、実施例に記載の方法で測定したものである。また、本発明の酸性乳飲料に使用されるペクチンとしては、上記性質を有するものであれば特に限定されないが、例えば、CPケルコ社のYM−NN−12(品番)等を使用してもよいし、次のようにして製造したものを使用してもよい。

0023

上記ペクチンを製造するには、まず、乾燥した植物材料容器に入れ、水を添加する。次いで、前記植物材料と水の混合物を撹拌しながら加熱することにより、その混合物からペクチンを抽出する。更に、ペクチンを含む混合物をろ過し、そのろ液エバポレーター蒸発させ溶液中のペクチンを濃縮する。最後に、これにアルコールを添加してペクチンを沈殿させ、真空乾燥することによりペクチン粉末が得られる。ペクチンの原料となる植物材料としては、例えば、柑橘類の果皮てんさい、ひまわり、野菜、リンゴ、または柑橘類の果実を挙げることができ、これらの中でも、ライムレモン、グレープフルーツ、オレンジといった柑橘類の果皮が好ましく、特にレモンの果皮が好ましい。また、ペクチンの抽出条件も特に限定されるものではないが、例えば、温度が50〜90℃、pHが1〜3、時間が3〜12時間の範囲で行うことが好ましく、特に温度が72〜73℃、pHが1.97〜2.31、時間が3〜4時間の範囲で行うことが好ましい。

0024

本発明の酸性乳飲料における上記ペクチンの含有量は、特に限定されないが、酸性乳飲料の風味の点から、最終製品としての酸性乳飲料あたり、例えば、0.2〜0.35%(w/v)、好ましくは0.25〜0.3%(w/v)である。

0025

本発明の酸性乳飲料は、上記酸性乳飲料ベースと、極限粘度が5.9〜8.5、エステル化度が74〜80、カルシウム反応性が230以下であるペクチンを含んでいればよく、pHが酸性である限り、その無脂乳固形分は特に限定されないが、前記ペクチンを使用しない場合に凝集・沈殿が起こりやすいという点から、最終製品としての酸性乳飲料の無脂乳固形分を5%以下、好ましくは3〜4%、製造直後のpHを3〜5、好ましくは3.5〜4.2にするとよい。

0026

本発明の酸性乳飲料の製造方法は、特に限定されず、酸性乳飲料ベースに上記ペクチンを任意の段階で添加する以外は、通常の酸性乳飲料の製造方法と同じでよい。なお、ペクチンの添加方法も、特に限定されず、例えば、ペクチンと砂糖等の糖質を含むシロップを常法により調製し、これを調製済みの酸性乳飲料ベースに添加すればよい。また、ペクチンを含むシロップを酸性乳飲料ベースに添加した後、均質化処理を行ってもよい。

0027

上記のペクチンと砂糖等の糖質を含むシロップの調製は、例えば、60℃程度に昇温した水に、ペクチンと砂糖等の糖質を溶解し、112℃で10秒間プレート殺菌することにより行うことができる。

0028

斯くして得られる本発明の酸性乳飲料は、例えば、10℃で28日間保存後も、沈殿、凝集あるいはホエイオフ等がなく、さっぱりとした飲み口のものである。

0029

以下、本発明を実施例等を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら限定されるものではない。

0030

実 施 例 1
酸性乳飲料:
15%脱脂粉乳培地(3.5%のグルコースを含む)に、ラクトバチルス・カゼイYIT9029(この菌株は昭和56年5月1日付で通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(現在の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(NITE-IPOD):〒305−8566県つくば市東1丁目1番地1中央第6)にFERM BP−1366として国際寄託されている。なお、特許生物寄託センターは平成25年4月1日より新住所〒292−0818千葉県木更津市かずさ足2丁目5番地8 120号室移転している。)のスターターを0.5%(生菌数:5.0×106/ml)接種し、37℃でpHが3.6となるまで培養を行い酸性原料乳を得た。次いで、ペクチン(品番:YM−NN−12(CPケルコ社製)極限粘度:7.2、エステル化度:76、カルシウム反応性:110、原材料:レモンの果皮)を含有するシロップ(砂糖:4%、難消化性デキストリン:5%、ステビア:0.04%となるように水に溶解した)を別途調製した。酸性原料乳24重量部とシロップ76重量部を混合した混合物を15MPaで均質化処理し、酸性乳飲料を得た。この酸性乳飲料の無脂乳固形分は3.1%であり、製造直後のpHは3.7であり、ペクチンの含有量は0.25%(w/v)である。

0031

得られた酸性乳飲料は、10℃で28日間保存後も、沈殿、凝集がなく、ホエイオフも少なく、さっぱりとした飲み口のものであり、風味も良好であった。

0032

製 造 例 1
ペクチンの調製:
乾燥したレモンの果皮を容器に入れ、水を添加した。前記柑橘類の果皮と水の混合物を撹拌しながら加熱することにより、その混合物からペクチンを抽出した(温度:72〜73℃、pH:1.97〜2.31、時間:180分)。次いで抽出混合物をろ過した。ろ液をエバポレーターで蒸発させ溶液中のペクチンを濃縮し、アルコールを添加して沈殿させ、真空乾燥して製品1〜12のペクチンを得た。

0033

なお、上記で調製したペクチンの極限粘度、エステル化度、カルシウム反応性は以下のようにして測定した。その結果を表1に示した。

0034

<極限粘度>
極限粘度は、数個の濃度の違う高分子溶液の粘度を求めて、高分子の濃度を0と仮定した点の高分子溶液の粘度である。その測定は以下のようにして行った。
(装置)
FIPA装置:TDA302(Viscotek製)
ポンプVE1121GPC(Viscotek製)
オートサンプラーおよび試料調製モジュール:AS3500(Thermo Separation Products製)
カラム:Bio Bases SEC60(150×7.8mm)(Thermo Separation Products製)またはSuperdexPeptide(60×7.8mm)(GE healthcare製)
コンピューターソフトウエア:OmniSEC
試薬
水酸化リチウム一水和物:品番L4533(Sigma−Aldrich製)
氷酢酸:品番1.00063(Merck製)
ミリQ水
アジ化ナトリウム:品番8.22335(Merck製)
サンプル調製
(1)40.0mgのペクチンを量し、100mlの容器に入れる。
(2)撹拌しながら100μlのエタノールを入れる。
(3)撹拌しながら75℃に保温する。
(4)穏やかに撹拌しながら40mlの溶媒(0.3M酢酸リチウム緩衝液(pH4.6))を入れる。
(5)75℃で30分間、穏やかに撹拌する。
(6)室温まで冷やす
校正
分子量約70000(固有屈折率増分:dn/dc0.147)のデキストランと分子量212000(dn/dc0.145)および47000(dn/dc0.145)のプルランを用いて校正を行った。
(FIPAのコントロール
コントロールスタンダードとして、分子量約70000ダルトンのデキストラン(2.0mg/ml)を用いた。また、コントロールサンプルとしては、極限粘度が公知のペクチン(1.0mg/ml)を用いた。
分析条件
溶媒:0.3M酢酸リチウム緩衝液(pH4.6)
流速:1.0ml/分
ペクチン濃度:1.0mg/ml
温度:37℃
注入量:25μlのサンプルループを用いる。

0035

<エステル化度>
ペクチンは、ポリガラクツロン酸を主成分とし、一部のガラクツロン酸カルボキシル基メチルエステル化しているものである。エステル化度はこのエステル化の割合を示したものである。その測定は以下のようにして行った。
(装置)
分析はかり
ガラスビーカー(250ml)
測定用ガラス器(100ml)
真空ポンプ
吸引フラスコ
ガラスフィルターるつぼ1号(ブフナーろうとおよびろ紙
ストップウォッチ
試験管
105℃の乾燥キャビネット
デシケーター
マグネチックスターラーおよびマグネット
ビュレット(10ml、精度±0.05ml)
ピペット(20ml、10ml)
(試薬)
脱イオン水
60%および100%イソプロパノール(IPA)
0.5Nおよび37%塩化水素(HCl)
0.1Nおよび0.5N水酸化ナトリウム(NaOH)(小数点四桁まで校正)
0.1N硝酸銀(AgNO3)
3N硝酸(HNO3)
0.1%フェノールフタレイン指示薬
測定方法
(1)ペクチン2.0gを250mlガラスビーカーに計りとる。
(2)酸アルコール100mlを添加しマグネチックスターラーで10分間撹拌する。
(3)ろ液を完全に乾燥させ、ガラスフィルター付るつぼを計量する。
(4)ビーカーを15mlの酸アルコールでよくすすぎ、それを6回繰り返す。
(5)ろ液が塩化物を含まなくなるまで、60% IPAで洗浄する(およそ500ml)。
(6)およそ10mlのろ液を試験管に移し、3N HNO3をおよそ3ml添加し、AgNO3を2、3滴添加することにより、塩化物試験を行う。
(7)溶液が澄んでいる場合はろ液は塩化物を含まないが、そうでなければ塩化銀が沈殿する。
(8)次いで、20mlの100% IPAで洗浄する。
(9)試料を105℃で2時間半乾燥させる。
(10)乾燥後るつぼを計量しデシケーター内で冷却する。
(11)試料0.40gを250mlガラスビーカー中に正確に計量する。(2重の測定のため2つの試料を計量する。)
(12)100% IPAおよそ2mlでペクチンを浸し、マグネチックスターラーで撹拌しながら脱イオン水を含まない蒸留水およそ100mlを添加する。
(13)フェノールフタレイン指示薬を5滴添加し、色が変わるまで0.1N NaOHで滴定する(それをV1滴定量として記録する)。
(14)撹拌しながら0.5N NaOHを20.00ml添加し、そして、溶液を15分間静置する。静置しているとき、試料はホイルで覆わなければならない。
(15)次いで、0.5N HClを20.00ml添加し、色が消えるまでマグネチックスターラーで撹拌する。
(16)フェノールフタレインを3滴添加し、色が変わるまで0.1N NaOHで滴定する(それをV2滴定量として記録する)。
(17)次いで、ブラインド試験(2重の測定)を次のように行う。
(18)脱イオン水100mlにフェノールフタレインを3滴添加し、250mlビーカー中で色が変わるまで0.1N NaOHで滴定し(1〜2滴);次いで、0.5N NaOHを20.00ml添加し、15分間試料を触らずに静置する。静置しているとき、試料はホイルで覆わなければならない。
(19)次いで、0.5N HClを20.00mlおよびフェノールフタレインを3滴添加し、色が変わるまで0.1N NaOHで滴定する。使用した0.1N NaOHの量をB1として記録する。
(数式)
エステル化度は以下の数式により計算する。

0036

<カルシウム反応性>
ペクチンはカルシウムイオンと反応し、凝集する(ペクチン分子マイナスチャージがカルシウムイオンのプラスチャージと反応するため)。本発明におけるカルシウム反応性は、一定量のペクチン溶液に一定量のカルシウムを添加し、一定時間経過後の粘度によってあらわされる。その測定は以下のようにして行った。
(測定方法)
(1)標準化されていないペクチン0.64gを秤量し、ガラス容器に入れる。(標準化とは、ペクチンのゲル強度をある一定の値にするために、ペクチンにブドウ糖ショ糖を配合することである)
(2)5.0mlのイソプロパノールを入れる。
(3)130mlの沸騰水を入れながら、撹拌・混合する。(3)〜(5)の操作では全てガラス容器に蓋をする。
(4)(3)で沸騰水を入れてから1分後に、3.0Mの酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.60)を20ml入れる。
(5)緩衝液を入れてから1分後、ガラス容器を75℃の温水中に置き、8〜12分間混合し、ペクチンが溶解したことを確認する。
(6)ガラス容器中の溶液をボルテックスで撹拌し、2秒以内に5mlの塩化カルシウム溶液を入れ、10秒間混合する。
(7)(6)の混合から5分以内に、5℃の水槽にガラス容器を入れ、16〜22時間置く。なお、水槽の水面とガラス容器中の水面の高さは同じようにする。
(8)5℃でB型粘度計(Brookfield LVT)を用いて、No.2スピンドル、60rpmで粘度測定を行う。
(9)(8)で測定された粘度(CP)がカルシウム反応性の値となる。

0037

0038

実 施 例 2
酸性乳飲料の調製:
15%脱脂粉乳培地(3.5%のグルコースを含む)に、ラクトバチルス・カゼイYIT9029(FERM BP−1366)のスターターを0.5%(生菌数:5.0×106/ml)接種し、37℃でpHが3.6となるまで培養を行い酸性原料乳を得た。次いで、製品1〜12の各ペクチンをそれぞれ含有するシロップ(7%の砂糖を含む)を別途調製した。酸性原料乳24重量部とシロップ76重量部を混合した混合物を15MPaで均質化処理し、酸性乳飲料を得た。これらの酸性乳飲料の無脂乳固形分は3.2%であり、製造直後のpHは3.8であり、ペクチンの含有量は0.25%(w/v)である。また、比較として従来のペクチン(CPケルコ社製(極限粘度:5.7、エステル化度:72、カルシウム反応性:169))とペクチンの代わりに大豆多糖類三栄源エフエフアイ製)を用いて同様の酸性乳飲料を得た。

0039

これらの酸性乳飲料について、10℃で28日間保存後、ホエイオフの量(容器上部からホエイの高さ(mm))および沈殿量容器底部の沈殿の重量÷内容物全体の重量×100(%))を測定した。また、ホエイオフおよび沈殿を以下の評価基準総合評価した。その結果を表2に示した。

0040

物性評価基準>
(評価) (内容)
○ :物性安定性が良い(商品価値がある)
△ :どちらでもない
× :物性安定性が悪い(商品価値がない)

0041

0042

表2の結果からも明らかなとおり、製品1、2、5、7〜12は、製品保存後も良好な物性安定性を示し、商品価値を損なわないことが分かった。

0043

実 施 例 3
酸性乳飲料の調製:
15%脱脂粉乳培地(3.5%のグルコースを含む)に、ラクトバチルス・カゼイYIT9029のスターターを0.5%(生菌数:5.0×106/ml)接種し、37℃でpHが3.6となるまで培養を行い酸性原料乳を得た。次いで、製造例1の製品1のペクチンを含有するシロップ(7%の砂糖を含む)を、ペクチンの濃度を変えて複数個、別途調製した。酸性原料乳24重量部とシロップ76重量部を混合した混合物を15MPaで均質化処理し、酸性乳飲料を得た。これらの酸性乳飲料の無脂乳固形分は3.2%であり、製造直後のpHは3.8であり、ペクチンの含有量は0、0.25、0.3または0.35%(w/v)である。

0044

これらの酸性乳飲料について、10℃で14日間または28日間保存後、実施例2と同様にしてホエイオフの量および沈殿量を測定した。また、風味と物性安定性を以下の評価基準で評価した。その結果を表3に示した。

0045

風味評価基準>
(評価) (内容)
○ :風味が良い
△ :どちらでもない
× :風味が悪い

0046

<物性評価基準>
(評価) (内容)
○ :物性安定性が良い(商品価値がある)
△ :どちらでもない
× :物性安定性が悪い(商品価値がない)

0047

実施例

0048

表3の結果より、物性安定性はペクチン添加量が0.25〜0.35%で良好であり、また、風味はペクチン添加量が増えるに従いややテクスチャが重くなるものの、0.35%まで許容範囲内であった。

0049

本発明の酸性乳飲料は、沈殿、凝集がなく、ホエイオフが少なく、さっぱりとした飲み口であり、日々摂取するのに好適である。

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