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技術 車両用手動変速機

出願人 アイシン・エーアイ株式会社
発明者 枡井勇樹
出願日 2012年7月2日 (9年6ヶ月経過) 出願番号 2012-547187
公開日 2016年6月2日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 WO2014-006679
状態 特許登録済
技術分野 変速機構成 伝動装置の一般的な細部
主要キーワード 固定ギヤ 車両用手動変速機 シフトレバ 直結変速段 遊転ギヤ 段付き円筒 サブアッセンブリ 外スプライン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年6月2日)のものです。
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図面 (9)

課題・解決手段

I/Pシャフトと、I/Pシャフトと同軸的に配置されたO/Pシャフトと、I/Pシャフトから偏心した位置にてI/Pシャフトと平行に配置されたカウンタシャフトと、を備える直結変速段付きの「アウトプット(O/P)リダクション構造」のM/Tにおいて、O/Pシャフトを支持する2つのベアリングBrA、BrBが、O/Pシャフトに固定されたファイナル被動ギヤGfoの軸方向の両側の位置にそれぞれ配置される。O/PシャフトのI/Pシャフトに近い側の端部には、減速比が1となる直結変速段(4速)を実現するための直結ピースPがO/Pシャフトに対して相対回転不能に設けられている。ここで、直結用ピースPの外径がベアリングBrAの外径より大きい。従って、直結用ピースPの外径を大きくしつつ、ベアリングBrAの外径を小さくすることができる。この結果、直結用ピースPの外径を大きい値に維持しながら(従って、直結変速段用のシンクロナイザの容量を十分に確保しながら)M/T全体の大型化を抑制することができる。

概要

背景

従来より、前進用に複数の変速段を備えた車両用手動変速機(以下、「M/T」と呼ぶ)として、様々な構成を有するものが存在する(例えば、特開2011−43180号公報を参照)。

本願では、図6に示す構造を有するM/Tが想定される。このM/Tは、クラッチと接続されたI/Pシャフトと、駆動輪側と接続されるとともにI/Pシャフトと同軸的に配置されたO/Pシャフトと、I/Pシャフトから偏心した位置にてI/Pシャフトと平行に配置されたカウンタシャフトと、を備える。カウンタシャフトにはファイナル駆動ギヤ相対回転不能に設けられ、O/Pシャフトにはファイナル被動ギヤが相対回転不能に設けられている。ファイナル駆動ギヤとファイナル被動ギヤとは常時歯合している。この結果、O/Pシャフトは、カウンタシャフトと比べて低い回転速度で回転する。以下、O/Pシャフトの回転速度に対するI/Pシャフトの回転速度の割合を「減速比」と呼ぶ。

図6に示す例では、「1速」(低速側、減速比が大きい)から「5速」(高速側、減速比が小さい)の変速段が備えられており、「4速」の減速比が「1」に設定され、「4速」以外の変速段の減速比が「1」以外に設定されている。「4速」以外の変速段は、対応するスリーブを駆動して、対応する変速段の遊転ギヤをその遊転ギヤが配置されているシャフトに対して相対回転不能に固定することによって実現される。このときの動力伝達系統は、「I/Pシャフト→対応する変速段のギヤ対→カウンタシャフト→ファイナル駆動ギヤ→ファイナル被動ギヤ→O/Pシャフト」で構成される。

他方、「4速」の変速段(「直結変速段」とも呼ばれる)は、対応するスリーブを駆動して、O/Pシャフトに相対回転不能に設けられた直結ピースをI/Pシャフトに対して相対回転不能に固定することによって実現される。このときの動力伝達系統は、「I/Pシャフト→直結用ピース→O/Pシャフト」で構成される。以上、図6に示す構造は、「アウトプット(O/P)リダクション構造」とも呼ばれる。

概要

I/Pシャフトと、I/Pシャフトと同軸的に配置されたO/Pシャフトと、I/Pシャフトから偏心した位置にてI/Pシャフトと平行に配置されたカウンタシャフトと、を備える直結変速段付きの「アウトプット(O/P)リダクション構造」のM/Tにおいて、O/Pシャフトを支持する2つのベアリングBrA、BrBが、O/Pシャフトに固定されたファイナル被動ギヤGfoの軸方向の両側の位置にそれぞれ配置される。O/PシャフトのI/Pシャフトに近い側の端部には、減速比が1となる直結変速段(4速)を実現するための直結用ピースPがO/Pシャフトに対して相対回転不能に設けられている。ここで、直結用ピースPの外径がベアリングBrAの外径より大きい。従って、直結用ピースPの外径を大きくしつつ、ベアリングBrAの外径を小さくすることができる。この結果、直結用ピースPの外径を大きい値に維持しながら(従って、直結変速段用のシンクロナイザの容量を十分に確保しながら)M/T全体の大型化を抑制することができる。

目的

直結用ピースの外径を大きい値に維持しながら、M/T全体の大型化を抑制できるM/Tの到来が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

車両のエンジン出力軸駆動輪とを結ぶ動力伝達系統介装され、前進用に複数の変速段を有する車両用手動変速機であって、ハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持されるとともに前記エンジンの出力軸との間で動力伝達系統が形成される入力軸と、前記入力軸同軸的且つ前記入力軸に対して相対回転可能に前記ハウジングに回転可能に支持され、前記駆動輪との間で動力伝達系統が形成される出力軸と、前記入力軸から偏心した位置にて前記入力軸と平行に前記ハウジングに回転可能に支持されるカウンタ軸と、それぞれが前記入力軸又は前記カウンタ軸に相対回転不能に設けられた複数の固定ギヤであってそれぞれが前記複数の変速段のうちの1つに対応する複数の固定ギヤと、それぞれが前記カウンタ軸又は前記入力軸に相対回転可能に設けられた複数の遊転ギヤであってそれぞれが前記複数の変速段のうちの1つに対応するとともに対応する変速段の前記固定ギヤと常時歯合する複数の遊転ギヤと、前記複数の変速段のうち前記出力軸の回転速度に対する前記入力軸の回転速度の割合である減速比が1となる直結変速段を実現するために使用される直結ピースであって、前記出力軸の両端部のうち前記入力軸に近い側の一端部に前記出力軸と相対回転不能に設けられた直結用ピースと、前記カウンタ軸に同軸的且つ相対回転不能に配置された最終駆動ギヤと、前記出力軸における前記直結用ピースに対して前記入力軸から遠い側の位置に前記出力軸と相対回転不能に配置された、前記最終駆動ギヤと常時歯合する最終被動ギヤと、前記複数の変速段のうち前記直結変速段以外の選択された1つの変速段に対応する遊転ギヤを対応する遊転ギヤが配置されている軸に対して相対回転不能に固定することによって、前記減速比を前記選択された1つの変速段に対応する1以外の値に設定し、又は、前記直結用ピースを前記入力軸に対して相対回転不能に固定することによって前記減速比を1に設定する切替機構と、を備え、前記ハウジングは、少なくとも前記入力軸及び前記カウンタ軸を収容・支持する第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部における軸方向において前記出力軸に近い側の端部にて前記第1ハウジング部に連結されるとともに少なくとも前記出力軸を収容・支持する第2ハウジング部と、を備え、前記出力軸は、前記出力軸における前記直結用ピースと前記最終被動ギヤとの間の位置に配設されるとともに、前記第1ハウジング部の前記端部に設けられた開口部の外周に形成された軸受面に挿入・固定された第1ベアリングと、前記出力軸における軸方向において前記最終被動ギヤに対して前記入力軸から遠い側の位置に配設されるとともに、前記第2ハウジング部に固定された第2ベアリングと、を用いて前記ハウジングに回転可能に支持され、前記直結用ピースの外径が前記第1ベアリングの外径より大きい、車両用手動変速機。

請求項2

請求項1に記載の車両用手動変速機において、前記直結用ピースは、隙間を有するスプライン嵌合によって前記出力軸と相対回転不能に連結され、前記カウンタ軸は、潤滑油流通するための内部空間を有する円筒形状を呈し、前記カウンタ軸における軸方向において前記直結用ピースに対応する位置には、径方向に貫通する油穴が形成された、車両用手動変速機。

技術分野

0001

本発明は、車両用手動変速機に関する。

背景技術

0002

従来より、前進用に複数の変速段を備えた車両用手動変速機(以下、「M/T」と呼ぶ)として、様々な構成を有するものが存在する(例えば、特開2011−43180号公報を参照)。

0003

本願では、図6に示す構造を有するM/Tが想定される。このM/Tは、クラッチと接続されたI/Pシャフトと、駆動輪側と接続されるとともにI/Pシャフトと同軸的に配置されたO/Pシャフトと、I/Pシャフトから偏心した位置にてI/Pシャフトと平行に配置されたカウンタシャフトと、を備える。カウンタシャフトにはファイナル駆動ギヤ相対回転不能に設けられ、O/Pシャフトにはファイナル被動ギヤが相対回転不能に設けられている。ファイナル駆動ギヤとファイナル被動ギヤとは常時歯合している。この結果、O/Pシャフトは、カウンタシャフトと比べて低い回転速度で回転する。以下、O/Pシャフトの回転速度に対するI/Pシャフトの回転速度の割合を「減速比」と呼ぶ。

0004

図6に示す例では、「1速」(低速側、減速比が大きい)から「5速」(高速側、減速比が小さい)の変速段が備えられており、「4速」の減速比が「1」に設定され、「4速」以外の変速段の減速比が「1」以外に設定されている。「4速」以外の変速段は、対応するスリーブを駆動して、対応する変速段の遊転ギヤをその遊転ギヤが配置されているシャフトに対して相対回転不能に固定することによって実現される。このときの動力伝達系統は、「I/Pシャフト→対応する変速段のギヤ対→カウンタシャフト→ファイナル駆動ギヤ→ファイナル被動ギヤ→O/Pシャフト」で構成される。

0005

他方、「4速」の変速段(「直結変速段」とも呼ばれる)は、対応するスリーブを駆動して、O/Pシャフトに相対回転不能に設けられた直結ピースをI/Pシャフトに対して相対回転不能に固定することによって実現される。このときの動力伝達系統は、「I/Pシャフト→直結用ピース→O/Pシャフト」で構成される。以上、図6に示す構造は、「アウトプット(O/P)リダクション構造」とも呼ばれる。

0006

図6に示す構造では、ハウジングは、ハウジングAと、ハウジングBとで構成されている。ハウジングAは、I/Pシャフト及びカウンタシャフトを収容・支持している。ハウジングBは、ハウジングAにおける軸方向においてO/Pシャフトに近い側の端部にてハウジングAに連結されており、O/Pシャフトを収容・支持している。

0007

O/Pシャフトは、ベアリングAと、ベアリングBとを用いてハウジングに回転可能に支持されている。ベアリングAは、O/Pシャフトにおける「直結用ピースとファイナル被動ギヤとの間の位置」に配設されている。ベアリングAは、ハウジングAの前記「O/Pシャフトに近い側の端部」に設けられた開口部の外周に形成された軸受面に挿入・固定されている。ベアリングBは、O/Pシャフトにおける「軸方向においてファイナル被動ギヤに対してI/Pシャフトから遠い側の位置」に配設されている。ベアリングBは、ハウジングBに固定されている。

0008

図6に示す構造では、ベアリングAをハウジングAの前記軸受面に組み付ける(圧入する)際、先ず、図7に示すように、O/PシャフトにベアリングAと直結用ピースとが順に組み付けられた(圧入・固定された)O/Pシャフトのサブアッセンブリが作製される。そして、図8に示すように、このO/Pシャフトのサブアッセンブリが、直結用ピース側からハウジングAの前記開口部に挿入され(白矢印を参照)、ベアリングAが前記開口部の軸受面に組み付けられる(圧入・固定される)。

0009

上述した組み付け方法が採用された場合、直結用ピースが前記開口部に挿入される際に直結用ピースが前記軸受面と干渉することを避けるため、直結用ピースの外径がベアリングAの外径よりも小さい必要がある。ここで、直結用ピースとI/Pシャフトとの間の回転速度差を低減するために直結用ピースに近接して設けられるシンクロナイザの容量を十分に確保するためには、直結用ピースの外径が大きいほど好ましい。

0010

しかしながら、直結用ピースの外径を大きくすると、ベアリングAの外径も大きくする必要がある。ベアリングAの外径を大きくすることは、ハウジングAの大型化、或いは、I/Pシャフト−カウンタシャフト間の距離の拡大に繋がり、ひいては、M/T全体の大型化を招く。直結用ピースの外径を大きい値に維持しながら、M/T全体の大型化を抑制できるM/Tの到来が望まれていたところである。

0011

以上、本発明の目的は、「O/Pリダクション構造」を有するM/Tであって、直結用ピースの外径を大きい値に維持しながらM/T全体の大型化を抑制できるものを提供することにある。

0012

本発明に係る「O/Pリダクション構造」を有するM/Tの特徴は、直結用ピースの外径が第1ベアリング(上述したベアリングAに相当)の外径より大きいことにある。この構造は、O/Pシャフトのサブアッセンブリを第1ハウジング(上述したハウジングAに相当)に組み付ける際、上述した手順(図7図8を参照)と異なる手順(後述する図2図4を参照)を採用することによって実現できる(詳細は後述する)。

0013

上記構成によれば、直結用ピースの外径を大きくしつつ、第1ベアリング(上述したベアリングAに相当)の外径を小さくすることができる。この結果、直結用ピースの外径を大きい値に維持しながらM/T全体の大型化を抑制することができる。

0014

上記構成において、前記直結用ピースは、隙間を有するスプライン嵌合によって前記出力軸(上述したO/Pシャフトに相当)と相対回転不能に連結され得る。この場合、前記カウンタ軸は、潤滑油流通するための内部空間を有する円筒形状を呈し、前記カウンタ軸における軸方向において前記直結用ピースに対応する位置には、径方向に貫通する油穴が形成されることが好適である。

0015

これによれば、カウンタ軸の回転に伴って前記内部空間内の潤滑油に作用する遠心力を利用して、前記内部空間内の潤滑油が、前記油穴を介して直結用ピースに向けて塗布され得る。この結果、直結用ピースと出力軸との間のスプライン嵌合部の隙間に潤滑油が供給され得、このスプライン嵌合部の異常な発熱等の発生が抑制され得る。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施形態に係る手動変速機の主要断面を示すニュートラル状態におけるスケルトン図である。
図1に示した手動変速機について、O/PシャフトのサブアッセンブリをハウジングHgAに組み付ける際の手順を説明するための、図1のY部を拡大した第1の図である。
図1に示した手動変速機について、O/PシャフトのサブアッセンブリをハウジングHgAに組み付ける際の手順を説明するための、図1のY部を拡大した第2の図である。
図1に示した手動変速機について、O/PシャフトのサブアッセンブリをハウジングHgAに組み付ける際の手順を説明するための、図1のY部を拡大した第3の図である。
カウンタシャフトに設けられた油穴を介して潤滑油が直結用ピースに塗布される様子を示した図である。
従来の手動変速機における図1に対応するスケルトン図である。
図6に示した手動変速機について、O/PシャフトのサブアッセンブリをハウジングAに組み付ける際の手順を説明するための、図6のY部を拡大した第1の図である。
図6に示した手動変速機について、O/PシャフトのサブアッセンブリをハウジングAに組み付ける際の手順を説明するための、図6のY部を拡大した第2の図である。

実施例

0017

以下、本発明の実施形態に係る車両用手動変速機について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る手動変速機M/Tは、前進用に5つ変速段(1速〜5速)、後進用に1つの変速段(リバース)を備え、特に、エンジン(の出力軸)が車両に対して縦向きに配置されたFR車両に適用される。以下、後進用の変速段についての説明は省略する。

0018

(構成)
図1に示すように、本発明の実施形態に係るM/Tは、クラッチと接続されたI/Pシャフトと、I/Pシャフトと同軸的に配置されたO/Pシャフトと、I/Pシャフトから偏心した位置にてI/Pシャフトと平行に配置されたカウンタシャフトと、を備える。I/Pシャフトは、クラッチを介してエンジンの出力軸(図示せず)と接続されている。O/Pシャフトは、図示しない接続機構ディファレンシャル等)を介して駆動輪左右後輪)と接続されている。このM/Tは、M/Tの軸が車両に対して縦向きになるようにクラッチを介してエンジンの後方に配置される。以下、O/Pシャフトの回転速度に対するI/Pシャフトの回転速度の割合を「減速比」と呼ぶものとすると、4速の減速比は「1」に設定されている。従って、4速は「直結変速段」と呼ぶこともできる。

0019

このM/Tのハウジングは、クラッチを収容するクラッチハウジングと連結されるハウジングHgAと、HgAにおけるクラッチハウジングと反対側の端部(O/Pシャフトに近い側の端部)にてHgAと連結されるハウジングHgBと、から構成される。HgAは、I/Pシャフト及びカウンタシャフトを収容し、HgBは、O/Pシャフトを収容している。

0020

I/Pシャフトは、クラッチハウジングに設けられた(圧入・固定された)ベアリングBrCと、O/Pシャフトにおける「I/Pシャフトに近い側の端部」に形成された円筒状端部(大径部)の内部に設けられた(圧入・固定された)ベアリングBrGと、によってHgA内で回転可能に支持されている。「O/Pシャフトの円筒状端部」の外周面にはベアリングBrAが設けられ(圧入・固定され)、このBrAは、HgAの「O/Pシャフトに近い側の端部」に設けられた開口部の外周に形成された軸受面(図1を参照)に圧入・固定されている。従って、BrGは、(BrAを介して)実質的にはHgAに固定されている。

0021

カウンタシャフトは、クラッチハウジングに設けられた(圧入・固定された)ベアリングBrDと、HgBに設けられた(圧入・固定された)ベアリングBrEと、によってHgA内で回転可能に支持されている。O/Pシャフトは、上述したようにHgAの前記軸受面に圧入・固定されたBrAと、HgBに設けられた(圧入・固定された)ベアリングBrBと、によってHgB内で回転可能に支持されている。

0022

I/Pシャフトには、クラッチに近い側から順に、1速用固定ギヤG1i、2速用の固定ギヤG2i、5速用の固定ギヤG5i、3速用の遊転ギヤG3i、3速−4速切り替え用のハブH2がそれぞれ同軸的に設けられている。G1i、G2i、及びG5iは、I/Pシャフトに相対回転不能に設けられている。G1i、G2i、及びG5iは、例えば、鍛造等の製法を利用して、I/Pシャフトと一体成形されている。G3iは、I/Pシャフトに圧入されたベアリングBrFを介してI/Pシャフトに相対回転可能に設けられている。ハブH2は、I/Pシャフトに圧入されて、I/Pシャフトに相対回転不能に設けられている。

0023

カウンタシャフトには、クラッチに近い側から順に、1速用の遊転ギヤG1o、1速−2速切り替え用のハブH1、2速用の遊転ギヤG2o、5速用の遊転ギヤG5o、5速用のハブH3、3速用の固定ギヤG3oがそれぞれ同軸的に設けられている。G3oは、例えば、鍛造等の製法を利用して、カウンタシャフトと一体成形されている。カウンタシャフトにおける「G1o、H1、G2o、G5o、H3が配置される部分」を含む軸方向の範囲内では、カウンタシャフトの外径が連続して一定であり、且つ、カウンタシャフトの外周に軸方向に連続して外スプラインスプライン溝)が設けられている。

0024

G1o、G2o、及びG5oは、軸受部材(ベアリング、ブッシュ等)を介することなくカウンタシャフトに相対回転可能に直接挿入・配置されている。H1及びH3の挿入孔には、内スプラインが形成されている。H1及びH3は、カウンタシャフトの前記外スプラインとスプライン嵌合することによって、カウンタシャフトに相対回転不能に設けられている。G1o、H1、G2o、G5o、H3のカウンタシャフトに対する軸方向の固定は、各部材の軸方向の両側にスナップリング(図示せず)等を設けることによって達成され得る。

0025

G1o、G2o、G3o、及びG5oはそれぞれ、I/Pシャフトに設けられたG1i、G2i、G3i、及びG5iと常時歯合している。また、カウンタシャフトにおける「O/Pシャフトに近い側の端部」には、ファイナル駆動ギヤGfiが設けられている。Gfiも、G3oと同様、例えば、鍛造等の製法を利用して、カウンタシャフトと一体成形されている。

0026

O/Pシャフトには、上述のように、「I/Pシャフトに近い側の端部」に、外側(図1では左側)に開口する円筒状端部(大径部)が同軸的に設けられている。この円筒状端部の外周におけるBrAよりも外側(図1では左側)の位置には、直結用ピースPが同軸的に設けられている。この円筒状端部における「Pが配置される部分」を含む軸方向の範囲内では、円筒状端部の外周に軸方向に連続して外スプライン(スプライン溝)が設けられている。Pの挿入孔には、内スプラインが形成されている。直結用ピースPは、円筒状端部の前記外スプラインとスプライン嵌合することによって、円筒状端部(従って、O/Pシャフト)に相対回転不能に設けられている。Pの円筒状端部(従って、O/Pシャフト)に対する軸方向の固定は、Pの軸方向の両側にスナップリング(図示せず)等を設けることによって達成され得る。Pの外径は、BrAの外径より大きい。

0027

O/Pシャフトにおける軸方向においてBrAとBrBとの間の部分(前記円筒状端部ではない部分)には、ファイナル被動ギヤGfoが設けられている。Gfoも、例えば、鍛造等の製法を利用して、O/Pシャフトと一体成形されている。Gfoは、カウンタシャフトに設けられたGfiと常時歯合している。Gfoの歯数(外径)は、Gfiの歯数(外径)よりも大きい。この結果、O/Pシャフトは、カウンタシャフトと比べて低い回転速度で回転する。

0028

このM/Tの変速段の切り替えは、ハブH1の外周にてH1に対して軸方向に相対移動可能且つ相対回転不能にスプライン嵌合されたスリーブS1、ハブH2の外周にてH2に対して軸方向に相対移動可能且つ相対回転不能にスプライン嵌合されたスリーブS2、並びに、ハブH3の外周にてH3に対して軸方向に相対移動可能且つ相対回転不能にスプライン嵌合されたスリーブS3のそれぞれの軸方向位置を調整・駆動することによって達成される。S1〜S3の軸方向位置は、運転者によるシフトレバー(図示せず)の操作に応じて、図示しない複数のリンク機構を介して調整・駆動される。

0029

スリーブS1は、その軸方向位置に応じて、G1oと一体回転するピース、及び、G2oと一体回転するピースと選択的にスプライン嵌合可能となっている。スリーブS2は、その軸方向位置に応じて、G3iと一体回転するピース、及び、直結用ピースPと選択的にスプライン嵌合可能となっている。スリーブS3は、その軸方向位置に応じて、G5oと一体回転するピースとスプライン嵌合可能となっている。

0030

(作動)
次に、上記のように構成されたM/Tの作動について説明する。以下、M/Tの各変速段について順に説明していく。

0031

<1速>
シフトレバーが1速に対応する位置に操作されると、スリーブS2、S3は非接続状態図1に示す状態)に維持される一方で、スリーブS1のみが駆動されて、G1oと一体回転するピースとスプライン嵌合する1速状態図1に示す状態から左側へ移動した状態)となる。これにより、M/T内において、(I/Pシャフト→G1i→G1o→S1→H1→カウンタシャフト→Gfi→Gfo→O/Pシャフト)という動力伝達系統が形成される。この結果、車両前進時において、M/Tの減速比が1速の減速比GT1(>1)に設定される。GT1は、((G1oの歯数)/(G1iの歯数))・GTfで表わされる。ここで、GTfは((Gfoの歯数)/(Gfiの歯数))で表わされる。以下、GTfを「最終減速比」と呼ぶ。上述のように、GTf>1の関係が成立する。

0032

<2速>
シフトレバーが2速に対応する位置に操作されると、スリーブS2、S3は非接続状態(図1に示す状態)に維持される一方で、スリーブS1のみが駆動されて、G2oと一体回転するピースとスプライン嵌合する2速状態(図1に示す状態から右側へ移動した状態)となる。これにより、M/T内において、(I/Pシャフト→G2i→G2o→S1→H1→カウンタシャフト→Gfi→Gfo→O/Pシャフト)という動力伝達系統が形成される。この結果、車両前進時において、M/Tの減速比が2速の減速比GT2(>1)に設定される。GT2は、((G2oの歯数)/(G2iの歯数))・GTfで表わされる。GT1>GT2の関係が成立する。

0033

<3速>
シフトレバーが3速に対応する位置に操作されると、スリーブS1、S3は非接続状態(図1に示す状態)に維持される一方で、スリーブS2のみが駆動されて、G3iと一体回転するピースとスプライン嵌合する3速状態(図1に示す状態から左側へ移動した状態)となる。これにより、M/T内において、(I/Pシャフト→H2→S2→G3i→G3o→カウンタシャフト→Gfi→Gfo→O/Pシャフト)という動力伝達系統が形成される。この結果、車両前進時において、M/Tの減速比が3速の減速比GT3(>1)に設定される。GT3は、((G3oの歯数)/(G3iの歯数))・GTfで表わされる。GT2>GT3の関係が成立する。

0034

<4速>
シフトレバーが4速(即ち、直結変速段)に対応する位置に操作されると、スリーブS1、S3は非接続状態(図1に示す状態)に維持される一方で、スリーブS2のみが駆動されて、直結用ピースPとスプライン嵌合する4速状態(直結状態図1に示す状態から右側へ移動した状態)となる。これにより、M/T内において、(I/Pシャフト→H2→S2→P→O/Pシャフト)という動力伝達系統が形成される。この結果、車両前進時において、M/Tの減速比が4速の減速比GT4(=1)に設定される。GT3>GT4の関係が成立する。

0035

<5速>
シフトレバーが5速に対応する位置に操作されると、スリーブS1、S2は非接続状態(図1に示す状態)に維持される一方で、スリーブS3のみが駆動されて、G5oと一体回転するピースとスプライン嵌合する5速状態(図1に示す状態から左側へ移動した状態)となる。これにより、M/T内において、(I/Pシャフト→G5i→G5o→S3→H3→カウンタシャフト→Gfi→Gfo→O/Pシャフト)という動力伝達系統が形成される。この結果、車両前進時において、M/Tの減速比が5速の減速比GT5(<1)に設定される。GT5は、((G5oの歯数)/(G5iの歯数))・GTfで表わされる。GT4>GT5の関係が成立する。以上、このM/Tの構造は、上述した「アウトプット(O/P)リダクション構造」である。

0036

(直結用ピースPの組み付け)
上述のように、このM/Tでは、直結用ピースPの外径は、ベアリングBrAの外径より大きい(図1を参照)。従って、上述した図7図8に示した手順を用いて、O/PシャフトにベアリングBrAと直結用ピースPとを予め組み付けた「O/Pシャフトのサブアッセンブリ」を直結用ピースP側からハウジングHgAの前記開口部に挿入しようとしても、直結用ピースPが前記軸受面と干渉して挿入できない。

0037

これに対し、このM/Tでは、直結用ピースPの組み付けに際し、図7図8に示した手順と異なる手順が採用される。以下、この手順について図2図4を参照しながら説明する。

0038

先ず、図2に示すように、ハウジングHgAが組み付けられていない状態で、「I/Pシャフトのサブアッセンブリ」においてI/Pシャフトの「ハブH2が圧入されている部分」の隣の位置に、直結用ピースPが挿入・載置される。次いで、図3に示すように、「I/Pシャフトのサブアッセンブリ」(並びに、カウンタシャフトのサブアッセンブリ)を覆うようにハウジングHgAがクラッチハウジングに対して組み付けられる。

0039

続いて、図4に示すように、ベアリングBrA、BrBが圧入・固定された「O/Pシャフトのサブアッセンブリ」が円筒状端部側からハウジングHgAの前記開口部に挿入され、(白矢印を参照)、BrAが前記開口部の軸受面に組み付けられる(圧入・固定される)。このとき、直結用ピースPも円筒状端部に同時に挿入され、この結果、直結用ピースPが円筒状端部の外スプラインとスプライン嵌合される。なお、直結用ピースPが円筒状端部に挿入され易いように(スプライン嵌合し易いように)、直結用ピースPは、隙間を有するスプライン嵌合(所謂ルーズ嵌合)によって、円筒状端部に対して相対回転不能に連結されている。

0040

(直結用ピースのスプライン嵌合部の潤滑
図1に示すように、カウンタシャフトは、細長の円筒形状を呈している。カウンタシャフトの内部空間は、潤滑油を流通するために使用される。潤滑油は、周知の手法の一つを利用して、カウンタシャフトの一端側からカウンタシャフトの内部空間内に圧送される。図1に示すように、カウンタシャフトにおける「軸方向において直結用ピースPに対応する位置」には、径方向に貫通する油穴Zが形成されている。

0041

カウンタシャフトの回転に伴って前記内部空間内の潤滑油には遠心力が作用する。図5に示すように、この遠心力を利用して、前記内部空間内の潤滑油が、油穴Zを介して直結用ピースPに向けて塗布される。この結果、直結用ピースPとO/Pシャフトの円筒状端部との間のスプライン嵌合部(ルーズ嵌合)の隙間に潤滑油が供給され得る。この結果、このスプライン嵌合部の異常な発熱等の発生が抑制され得る。

0042

(作用・効果)
次に、上記のように構成された本発明の実施形態に係るM/Tの作用・効果について説明する。

0043

第1に、このM/Tでは、直結用ピースPの外径が、ベアリングBrAの外径より大きい(図1を参照)。ここで、図1には示していないが、直結用ピースとI/Pシャフトとの間の回転速度差を低減するため、実際には、直結用ピースPに近接してシンクロナイザが設けられている。このシンクロナイザの容量を十分に確保するためには、直結用ピースPの外径が大きいほど好ましい。加えて、ベアリングBrAの外径が大きいと、ハウジングHgAの大型化、或いは、I/Pシャフト−カウンタシャフト間の距離の拡大に繋がり、ひいては、M/T全体の大型化を招く。従って、ベアリングBrAの外径が小さいほど好ましい。

0044

このM/Tでは、上述のように、直結用ピースPの外径が、ベアリングBrAの外径より大きい(図1を参照)。このことは、直結用ピースPの外径を大きくしつつ、ベアリングBrAの外径を小さくすることができることを意味する。この結果、直結用ピースPの外径を大きい値に維持しながら(従って、前記シンクロナイザの容量を十分に確保しながら)M/T全体の大型化を抑制することができる。

0045

第2に、カウンタシャフトにおける「G1o、H1、G2o、G5o、H3が配置される部分」を含む軸方向の広い範囲内において、カウンタシャフトの外径が連続して一定であり、且つ、カウンタシャフトの外周に軸方向に連続して外スプライン(スプライン溝)が設けられている。従って、カウンタシャフトにおける「遊転ギヤやハブが設けられる部分」を含む軸方向の範囲内においてカウンタシャフトが段付き円筒状を呈している場合と比べて、カウンタシャフトの加工が非常に容易になる。加えて、H3、G5o、G2o、H1、G1oの順にそれぞれの部材をカウンタシャフトに挿入し、それぞれの部材の軸方向の両側にスナップリング(図示せず)等を設けることによって、カウンタシャフトのサブアッセンブリの組み付けが容易に完了する。

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