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技術 ポリウレタン水分散体、及びそれから得られるフィルム成形体、手袋

出願人 トーヨーポリマー株式会社ショーワグローブ株式会社
発明者 後藤充朗清水謙次関善夫厳本朋哉一本杉智恵樋口直仁
出願日 2013年5月24日 (7年7ヶ月経過) 出願番号 2013-558861
公開日 2016年1月14日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 WO2013-176257
状態 特許登録済
技術分野 ポリウレタン,ポリ尿素 高分子成形体の製造
主要キーワード 破断強度試験 ゲル皮膜 アミン系鎖延長剤 多官能グリコール 分撹拌溶解 直鎖脂肪族グリコール 重量含有量 塩凝固法
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するポリウレタン水分散体を提供する。ジフェニルメタンジイソシアネート脂環式ジイソシアネートとからなるポリイソシアネート(A)、エチレンオキシドテトラヒドロフランランダム共重合体(B)、数平均分子量が1000〜5000であるポリオール(C)、数平均分子量が400以下である多価アルコール系鎖延長剤(D)及びカルボキシル基を有するジオール化合物(E)を反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー中和し、得られた中和物を水中に分散させた後、アミン系鎖延長剤(F)を用いて鎖延長反応させて得られる、凝固液と併用して得られるフィルム成形体用ポリウレタン水分散体。

概要

背景

ポリウレタン水分散体は、例えば、塗料接着剤合成皮革人工皮革フィルム成形体等で用いられている。これらのうち、フィルム成形体としては、例えば、手袋指サックコンドーム等があり、これらは通常は塩凝固法で製造される(特許文献1)。特許文献1では、膜厚の均一なフィルム成形体を得るため、特定の粘度特性を有するポリウレタン水分散体を用いている。しかし、フィルム成形体には、上記以外にも、例えば、エタノール水に繰り返しさらされた場合の耐久性や、フィルム成形体を長時間着用した際の耐蒸れ性等他の要求特性が必要とされる場合があるが、文献1には、フィルム膜厚の均一性以外はほとんど開示されていない。

概要

塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するポリウレタン水分散体を提供する。ジフェニルメタンジイソシアネート脂環式ジイソシアネートとからなるポリイソシアネート(A)、エチレンオキシドテトラヒドロフランランダム共重合体(B)、数平均分子量が1000〜5000であるポリオール(C)、数平均分子量が400以下である多価アルコール系鎖延長剤(D)及びカルボキシル基を有するジオール化合物(E)を反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー中和し、得られた中和物を水中に分散させた後、アミン系鎖延長剤(F)を用いて鎖延長反応させて得られる、凝固液と併用して得られるフィルム成形体用ポリウレタン水分散体。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するポリウレタン水分散体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

ジフェニルメタンジイソシアネート(a1)と脂環式ジイソシアネート(a2)とからなるポリイソシアネート(A)、エチレンオキシドテトラヒドロフランランダム共重合体(B)、数平均分子量が1000〜5000であるポリオール(C)、数平均分子量が400以下である多価アルコール系鎖延長剤(D)及びカルボキシル基を有するジオール化合物(E)を反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー中和し、得られた中和物を水中に分散させた後、アミン系鎖延長剤(F)を用いて鎖延長反応させて得られる、凝固液と併用して得られるフィルム成形体ポリウレタン水分散体

請求項2

成分(a1)と成分(a2)のモル比が、(a1)/(a2)=20/80〜80/20である、請求項1記載のポリウレタン水分散体。

請求項3

成分(a2)が水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートから選択される少なくとも1種である、請求項2記載のポリウレタン水分散体。

請求項4

成分(B)の数平均分子量が800〜4000であり、エチレンオキシド単位(EO)とテトラヒドロフラン単位(THF)のモル比がEO/THF=80/20〜10/90である、請求項1〜3のいずれか記載のポリウレタン水分散体。

請求項5

ポリウレタン水分散体中のポリウレタンに対して、EO含有量が2.8重量%以上である、請求項4記載のポリウレタン水分散体。

請求項6

EO含有量が2.8〜14重量%である、請求項5記載のポリウレタン水分散体。

請求項7

成分(a1)中における2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)の含有量が40重量%以上である、請求項4記載のポリウレタン水分散体。

請求項8

2,4’−MDIの含有量が70重量%以上である、請求項7記載のポリウレタン水分散体。

請求項9

請求項1〜8のいずれかに記載のポリウレタン水分散体、及び凝固液を併用して得られるフィルム成形体。

請求項10

請求項1〜8のいずれかに記載のポリウレタン水分散体、及び凝固液を併用して得られる手袋

技術分野

0001

本発明はポリウレタン水分散体、及びそれから得られるフィルム成形体手袋に関するものである。

背景技術

0002

ポリウレタン水分散体は、例えば、塗料接着剤合成皮革人工皮革、フィルム成形体等で用いられている。これらのうち、フィルム成形体としては、例えば、手袋、指サックコンドーム等があり、これらは通常は塩凝固法で製造される(特許文献1)。特許文献1では、膜厚の均一なフィルム成形体を得るため、特定の粘度特性を有するポリウレタン水分散体を用いている。しかし、フィルム成形体には、上記以外にも、例えば、エタノール水に繰り返しさらされた場合の耐久性や、フィルム成形体を長時間着用した際の耐蒸れ性等他の要求特性が必要とされる場合があるが、文献1には、フィルム膜厚の均一性以外はほとんど開示されていない。

先行技術

0003

特開2011−137052号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するポリウレタン水分散体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、種々のポリオールのうち、エチレンオキシドテトラヒドロフランランダム共重合体原料とするポリウレタン水分散体が、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有することを見出し、本発明を完成した。

0006

すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕ジフェニルメタンジイソシアネート(a1)と脂環式ジイソシアネート(a2)とからなるポリイソシアネート(A)、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(B)、数平均分子量が1000〜5000であるポリオール(C)、数平均分子量が400以下である多価アルコール系鎖延長剤(D)及びカルボキシル基を有するジオール化合物(E)を反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー中和し、得られた中和物を水中に分散させた後、アミン系鎖延長剤(F)を用いて鎖延長反応させて得られる、凝固液と併用して得られるフィルム成形体用ポリウレタン水分散体。
〔2〕 成分(a1)と成分(a2)のモル比が、(a1)/(a2)=20/80〜80/20である、前記〔1〕記載のポリウレタン水分散体。
〔3〕 成分(a2)が水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートから選択される少なくとも1種である、前記〔2〕記載のポリウレタン水分散体。
〔4〕 成分(B)の数平均分子量が800〜4000であり、エチレンオキシド単位(EO)とテトラヒドロフラン単位(THF)のモル比がEO/THF=80/20〜10/90である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のポリウレタン水分散体。
〔5〕 ポリウレタン水分散体中のポリウレタンに対して、EO含有量が2.8重量%以上である、前記〔4〕記載のポリウレタン水分散体。
〔6〕 EO含有量が2.8〜14重量%である、前記〔5〕記載のポリウレタン水分散体。
〔7〕 成分(a1)中における2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)の含有量が40重量%以上である、前記〔4〕記載のポリウレタン水分散体。
〔8〕 2,4’−MDIの含有量が70重量%以上である、前記〔7〕記載のポリウレタン水分散体。
〔9〕 前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のポリウレタン水分散体、及び凝固液を併用して得られるフィルム成形体。
〔10〕 前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のポリウレタン水分散体、及び凝固液を併用して得られる手袋。

発明の効果

0007

本発明のポリウレタン水分散体によれば、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するものとなる。さらに、ポリウレタン水分散体中のポリウレタンに対するエチレンオキシド単位の含有量を調整することで、上記効果に加えて、得られたフィルム成形体が透湿性の点で実用性を有するものとなる。

0008

本発明のポリウレタン水分散体は、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と脂環式ジイソシアネートとからなるポリイソシアネート(A)、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(B)、数平均分子量が1000〜5000であるポリオール(C)、数平均分子量が400以下である多価アルコール系鎖延長剤(D)、カルボキシル基を有するジオール化合物(E)、及び必要によりその他の成分を反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを中和し、得られた中和物を水中に乳化分散させた後、アミン系鎖延長剤(F)を用いて鎖延長反応させて得られる。

0009

本発明では、ポリイソシアネート(A)(以下、単に「成分(A)」と略記する場合がある)としては、MDI(以下、「成分(a1)」と略記する場合がある)と脂環式ジイソシアネート(以下、「成分(a2)」と略記する場合がある)を併用する点に特徴がある。成分(a1)だけを用いた場合は、ポリウレタン水分散体が製造できず、成分(a2)だけを用いた場合は、ポリウレタン水分散体から塩凝固法で製造されたフィルム成形体が耐エタノール水性能に劣るという問題点がある。成分(a1)と成分(a2)を併用することで、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するものとなる。

0010

本発明において「塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性」は、陶器板を10%硝酸カルシウム水溶液に浸漬し、引上げた後、加熱乾燥させ、次いで本発明のポリウレタン水分散体に浸漬し、引上げたときに該陶器板上に形成されたゲル皮膜(膜厚:約100μm)を該陶器板から剥離し、次いで指で剥離したゲル皮膜を引張ったときのゲル化強度により評価される。評価基準として、皮膜を形成し、皮膜に伸びがある場合は、実用性を有すると判断され、皮膜を形成し、皮膜にゴム弾性伸縮性)がある場合は、実用性に優れると判断される。塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性は、塩凝固法によりフィルム成形体を製造する際に、偏肉裂け目の発生を防止し、均一な膜厚の製品を得るための指標とされる。

0011

本発明において「フィルム成形体の耐エタノール水性能」は、塩凝固法により製造されたフィルム(膜厚:約100μm)から、JIS3号ダンベルを用いて試験片切り出し、エチルアルコール70%水(23℃±2℃)に30分間浸漬させた後に取り出した試験片の破断強度試験を行い、得られた破断強度により評価される。評価基準として、破断強度が4MPa以上、10MPa未満のときは、実用性を有すると判断され、破断強度が10MPa以上のときは、実用性に優れると判断される。フィルム成形体の耐エタノール水性能は、フィルム成形体の耐久性を判断するための指標とされる。

0012

MDIとしては、例えば、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)等が挙げられる。上記化合物は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0013

脂環式ジイソシアネートとしては特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、1,4−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス (2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。上記化合物は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0014

MDIと脂環式ジイソシアネートの組合せとしては特に限定されないが、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有する点で、MDIとIPDI、MDIと水素添加MDIの組合せが特に好ましい。

0015

本発明において成分(a1)と成分(a2)含有比は特に限定されないが、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有する点で、(a1)/(a2)=20/80〜80/20(モル比)の範囲とすることが好ましい。

0016

本発明のポリウレタン水分散体には、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性と、得られたフィルム成形体の耐エタノール水性能が、ともに実用性を有することを前提として、成分(A)として、上記成分(a1)と(a2)以外のポリイソシアネートを必要に応じて併用することができる。併用し得るポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。また、これらのポリメリック体、活性水素基含有化合物と反応させて得られるウレタン化物ウレア化物、アロファネート化物、ビウレット化物カルボジイミド化物、ウレトンイミン化物、ウレトジオン化物、イソシアヌレート化物等も挙げられる。さらに、これら一連イソシアネート基含有化合物の2種以上からなる混合物も挙げられる。

0017

本発明では、ポリオールとして、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(B)(以下、「成分(B)」と略記する場合がある)と数平均分子量が1000〜5000であるポリオール(C)(以下、「成分(C)」と略記する場合がある)を併用する点に特徴がある。ポリオールとして、成分(B)と成分(C)を併用することで、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性と、得られたフィルム成形体の耐エタノール水性能が、ともに実用性を有するものとなる。

0018

成分(B)はポリエーテルポリオール一種であり、エチレンオキシド単位(EO)とテトラヒドロフラン単位(THF)のモル比(EO/THF)として、80/20〜10/90が好ましく、70/30〜20/80がより好ましい。成分(B)は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(B)の数平均分子量としては、800〜4000が好ましく、900〜3500がより好ましい。

0019

成分(C)としては、数平均分子量が1000〜5000であって、成分(B)と併用したときに上記効果が得られるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリカーボネートポリオールポリエステルポリオール、成分(B)以外のポリエーテルポリオール等が挙げられ、これらは1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0020

ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールジエチレングリコールジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物トリメチロールプロパングリセリンペンタエリスリトール等から選ばれる1種または2種以上のポリオール類;と、ジエチレンカーボネートジメチルカーボネートジエチルカーボネートジフェニルカーボネート等から選ばれる1種または2種以上のカーボネート類;との脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得られるものが挙げられる。上記ポリカーボネートポリオールは、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0021

ポリエステルポリオールとしては、例えば、フタル酸イソフタル酸テレフタル酸ナフタレンジカルボン酸コハク酸マロン酸アジピン酸セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸マレイン酸フマル酸等から選ばれる1種または2種以上の二塩基酸と、前述のポリカーボネートポリオールの合成に用いられる1種または2種以上のポリオール類との重縮合反応により得られるものが挙げられる。上記ポリエステルポリオールは、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0022

ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコールヒドロキノン、ビスフェノールA等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシドブチレンオキシドスチレンオキシドエピクロルヒドリン、シクロヘキシレン等のモノマーの1種または2種以上を付加重合させた反応物があげられ、モノマーの2種以上を付加重合させた反応物の場合は、ブロック付加ランダム付加または両者の混合系でも良い。具体的には、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール等を例示できる。上記ポリエーテルポリオールは、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0023

数平均分子量が400以下である多価アルコール系鎖延長剤(D)(以下、「成分(D)」と略記する場合がある)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールテトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の直鎖脂肪族グリコール;ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族分岐グリコール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添加ビスフェノールA等の脂環族グリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリブチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多官能グリコール;が挙げられる。成分(D)は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0024

カルボキシル基を有するジオール化合物(E)(以下、「成分(E)」と略記する場合がある)としては、炭素数6〜24のジアルキロルアカン酸が使用でき、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸(DMBA)、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等が挙げられる。これらの塩、例えばアミン類トリエチルアミンアルカノールアミンモルホリン等)の塩及び/又はアルカリ金属塩ナトリウム塩等)も使用できる。上記化合物は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0025

アミン系鎖延長剤(F)(以下、「成分(F)」と略記する場合がある)としては、例えば、エチレンジアミンプロピレンジアミンヘキサメチレンジアミン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタンピペラジン、2−メチルピペラジンイソホロンジアミンジエチレントリアミントリエチレンテトラミンヒドラジン等が挙げられる。上記化合物は、1種を単独で用いることができ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0026

その他の成分としては、ポリウレタン水分散体に所望される物性を高め、また、各種物性を付加する目的から、難燃剤可塑剤酸化防止剤紫外線吸収剤光安定剤乳化剤消泡剤充填剤内部離型剤補強材艶消し剤導電性付与剤帯電制御剤帯電防止剤抗菌剤レベリング剤滑剤、その他の加工助剤を配合することができる。

0027

本発明のポリウレタン水分散体は、上記成分(A)〜(E)、及び必要によりその他の成分を反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマー(以下、「プレポリマー」と略記する場合がある。)を製造し、次いで該プレポリマーを中和し、得られた中和物を水中に分散させた後、アミン系鎖延長剤(F)を用いて鎖延長反応させて製造される。

0028

プレポリマー製造時のイソシアネート基水酸基当量比NCO基OH基)は特に限定されず、通常1.05〜2であり、1.05〜1.5がより好ましい。

0029

プレポリマー製造時の反応条件は特に限定されないが、通常30〜120℃、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは45〜90℃で、通常1〜10時間の条件で行われる。この際、必要に応じて、例えば、ジオクチル錫ジラウレートジブチル錫ジラウレートスタナスオクトエートジブチル錫−2−エチルへキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミンN−メチルモルホリンなどの反応触媒を添加することができる。これらの反応触媒は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。

0030

また、反応段階において、あるいは、反応終了後に、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加することができる。このような有機溶剤としては、例えば、アセトンメチルエチルケトントルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどを挙げることができる。本発明においてイソシアネート基末端プレポリマーの製造方法は特に限定されず、従来公知のワンショット法(1段式)、または多段式のイソシアネート重付加反応法が用いられる。

0031

プレポリマーは通常0.1〜5%のイソシアネート値(樹脂固形分に対する残存イソシアネート基重量含有量)を有する。

0032

プレポリマーを中和するのに用いられる中和剤はカルボキシル基を中和できるものであれば特に限定されず、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミントリブチルアミントリエタノールアミン等のアミン類や、水酸化ナトリウム水酸化カリウムアンモニア等が挙げられる。

0033

プレポリマーの中和物を水中に乳化分散させる際には、転相乳化が効率よく進行するようにするため、プレポリマー中の樹脂固形分100重量部に対して、50〜600重量部の水が用いられる。

0034

ポリウレタン水分散体は、乳化中または乳化後に上記成分(F)を添加し、鎖延長反応させることにより製造される。成分(F)の使用量はプレポリマーの末端イソシアネート基に対して0.3〜1.5等量、好ましくは0.4〜1.2等量で任意に選ぶことができる。

0035

ポリウレタン水分散体が有機溶剤を含有する場合は、減圧下、30〜80℃で溶媒を留去することが望ましい。ポリウレタン水分散体中の樹脂固形分(不揮発分)濃度は15〜66%の範囲が好ましい。ポリウレタン水分散体中の樹脂固形分濃度は、水を追加または留去することで調整することも可能である。

0036

本発明では、ポリウレタン水分散体中のエチレンオキシド単位(EO)に由来するEO含有量は特に限定されないが、塩凝固法により得られたフィルム成形体が透湿性の点で実用性を有する点で、ポリウレタン水分散体中のポリウレタン(すなわち、樹脂固形分)に対して、2.8重量%以上とすることが好ましく、3.0重量%以上とすることがより好ましい。本発明において「フィルム成形体の透湿性」は、塩凝固法により製造されたフィルム(膜厚:約100μm)をJIS L 1099A−1法(塩化カルシウム法)に準じて測定された透湿度により評価される。評価基準として、透湿度が550 g/m2−24hrs 以上、800 g/m2−24hrs 未満のときは、実用性を有すると判断され、透湿度が800 g/m2−24hrs 以上のときは実用性に優れると判断される。透湿性は、フィルム成形体を長時間着用した場合において、蒸れにくさの指標とされる。

0037

また、上記EO含有量を増やしすぎると、塩凝固法により得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性に劣ったものとなる。このため、塩凝固法により得られたフィルム成形体について、耐エタノール水性能と透湿性の実用性を確保するには、EO含有量として、2.8〜14重量%が好ましく、7〜14重量%がさらに好ましい。

0038

EO含有量を上記範囲に設定するには、ポリウレタン水分散体の製造原料のうち、不揮発性の製造原料の合計重量に対して、EO単位を有する不揮発性の製造原料のうち、EOの合計重量が上記含有量になるように仕込み原料を設定することで調整することができる。

0039

さらに、本発明では、少なくとも2,4’−MDIと4,4’−MDIを含有するMDI中において、2,4’−MDIの含有量を、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上に設定することで、塩凝固法により得られたフィルム成形体が柔軟性の点で実用性を有するとともに、上述した加工適性について実用性を有するものとなる。本発明において「フィルム成形体の柔軟性」は、塩凝固法により製造されたフィルム(膜厚:約100μm)から、JIS3号ダンベルを用いて試験片を切り出し、引張試験機を用い、JIS K6251に準拠して測定された100%モジュラスにより評価される。評価基準として、100%モジュラスが4.0MPa以上、7.0MPa未満のときは、実用性を有すると判断され、100%モジュラスが4.0MPa未満のときは、実用性に優れると判断される。フィルム成形体の柔軟性は、フィルム成形体を装着したときのフィット感を判断するための指標とされる。

0040

2,4’−MDIの含有量を高めたMDIを用いて、上述したとおり、フィルム成形体の柔軟性及び加工適性について実用性を向上させる場合、上記EO含有量を上述した範囲に設定する必要は特になく、むしろ上記範囲よりもEO含有量を低くした場合でも上記効果を発揮させることができる。この場合、EO含有量としては、1〜14重量%の範囲で通常使用され、好ましくは1〜8重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。また、フィルム成形体の柔軟性及び加工適性について実用性を向上させるとともに、耐エタノール水性能と透湿性の実用性を確保する場合は、EO含有量として、1〜14重量%が好ましく、7〜14重量%がさらに好ましい。

0041

本発明のフィルム成形体は、ポリウレタン水分散体と凝固液を併用することにより製造され、いわゆる塩凝固法と称される成形法により製造される。具体的には、型を凝固液に浸漬して型上に凝固層を形成し、これをポリウレタン水分散体に浸漬して皮膜を形成させ、乾燥する方法、又は、型にポリウレタン水分散体を塗布等して、型上にポリウレタン水分散体層を形成し、これに凝固液を塗布等して皮膜を形成させ、乾燥する方法等が挙げられる。

0042

凝固液とは、水やアルコールを溶媒として凝固剤を溶解したものである。本発明に用いられる凝固剤は、無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム塩化カルシウム塩化マグネシウム塩化亜鉛塩化アルミニウム等のハロゲン化金属硝酸ナトリウム硝酸カルシウム硝酸亜鉛等の硝酸塩酢酸ナトリウム酢酸カルシウム酢酸亜鉛等の酢酸塩硫酸カルシウム硫酸マグネシウム硫酸アルミニウム等の硫酸塩;が挙げられ、酸としては、例えば、蟻酸酢酸クエン酸ホウ酸などが挙げられる。上記凝固剤のうち、凝固性に優れ短時間で凝固効果が得られる点で硝酸カルシウムが好ましい。また、これら凝固剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。凝固液には必要に応じて界面活性剤や、炭酸カルシウムタルクなどの充填剤を配合してもよい。

0043

製造に用いられる型は特に限定されるものではなく、例えば、磁器ガラス、金属等、従来公知の種々の型を用いることができる。型の予熱温度や浸漬時間は、水性ポリウレタン樹脂組成物組成やフィルム成形体の膜厚に応じて設定されるものであって特に限定されるものではない。また、成形温度についても特に限定されるものではないが、成形時間を短縮するために100〜200℃が好ましく、110〜200℃がさらに好ましい。

0044

本発明のフィルム成形体の膜厚は、用途によって異なるため、特に制限はないが、10〜1000μmが好ましく、20〜1000μmがさらに好ましい。

0045

本発明のフィルム成形体は、手袋、指サック、コンドーム等に適用可能であり、特に手袋に好適である。

0046

以下、本発明を試験例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、実施例中の「部」および「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。

0047

以下にポリウレタン水分散体の製造原料、ポリウレタン水分散体の製造例、塩凝固法を用いたフィルム成形体の製造例、各種評価方法について説明する。

0048

<ポリウレタン水分散体の製造原料>
成分(A):ポリイソシアネート
・ジフェニルメタンジイソシアネート(成分(a1))
商品名「ミリオネートMT」、日本ポリウレタン工業社製、4,4’-MDIが99.5%以上で残りが2,4’-MDI、以下本製品と他の成分(a1)の製品とを特に区別する必要のない場合は「MDI」と略記する。本製品と他の成分(a1)の製品とを区別する必要がある場合は、商品名をそのまま記載する。)
(商品名「ルプラネーMI」、BASFINOACポリウレタン社、4,4’-MDI:2,4’-MDI=50%:50%)
(商品名「ミリオネートNM100」、日本ポリウレタン工業社製、4,4’-MDI:2,4’-MDI=5〜15%:95〜85%)
・脂環式ジイソシアネート(成分(a2))
(水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名「デスモジュールW」、住化バイエルウレタン社製、以下「H12MDI」と略記))
(イソホロンジイソシアネート(商品名「デスモジュールI」、住化バイエルウレタン社製、以下「IPDI」と略記))

0049

成分(B):エチレンオキシドとテトラヒドロフランのランダム共重合体(以下、「EO/THFランダム共重合体」と略記)
・商品名「ポリセリンDC3000E」、モル比(EO/THF)=50/50、数平均分子量3100、日油社製、以下「DC3000」と略記)
・商品名「ポリセリンDC1800E」、モル比(EO/THF)=50/50、数平均分子量1800、日油社製、以下「DC1800」と略記)
・商品名「ポリセリンDC1100E」、モル比(EO/THF)=65/35、数平均分子量1050、日油社製、以下「DC1100」と略記)

0050

成分(C):ポリオール
ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「UH−300」、数平均分子量3000、宇部興産社製、以下「UH300」と略記)
・ポリテトラメチレングリコール(商品名「PTG−2900」、数平均分子量2900、保土谷化学工業社製、以下「PTG2900」と略記)
・ポリエチレングリコール(商品名「PEG2000」、数平均分子量2000、日油社製、以下「PEG2000」と略記)
・ポリエステルポリオール(商品名「HOKOKUOLHT−300」、1,4−ブタンジオールとアジピン酸を縮合重合して得られるポリエステルポリオール、数平均分子量3000、豊国製油社製、以下「HT300」と略記)
・ポリエステルポリオール(商品名「ニッポラン4042」、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールとアジピン酸を縮合重合して得られるポリエステルポリオール、数平均分子量2000、日本ポリウレタン社製)

0051

成分(D):多価アルコール系鎖延長剤
・1,4−ブタンジオール

0052

成分(E):カルボキシル基を有するジオール化合物
・2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、「DMPA」と略記)
・2,2−ジメチロールブタン酸(以下、「DMBA」と略記)

0053

成分(F):アミン系鎖延長剤
・30% 6水和ピペラジン

0054

(その他の成分)
・水
・中和剤:トリエチルアミン
溶剤:N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)
触媒:ジオクチル錫ジラウレート

0055

<塩凝固法による加工性能の評価>
評価項目として、ゲル化性能、ゲル化強度および造膜性能がある。
(ゲル化性能)
10%濃度の硝酸カルシウム水溶液に、縦180mm×横70mmの陶器製の板(以下、「陶器板」と略記)を、該陶器板が縦方向に100mm浸漬するように、5mm/secの速度で浸漬し、次いで10mm/secの速度で陶器板を引上げた後、これを100℃のオーブン内で加熱乾燥させた。この工程により、硝酸カルシウム水容液に浸漬された陶器板部分(縦100mm×横70mm)には、硝酸カルシウム層が形成される。続いて、55℃±5℃に冷ました陶器板を、該陶器板に形成された前記硝酸カルシウム層全体を浸漬させるため、縦方向の100mmが浸漬するまで、5mm/secの速度で、ポリウレタン水分散体に浸漬し、30秒間静止した後に10mm/secの速度で引き上げた。この一連の工程で、陶器板の表面には、塩凝固によってゲル化したポリウレタン水分散体のゲル皮膜が形成される。
続いて、上記陶器板のうち、硝酸カルシウム水溶液、ポリウレタン水分散体のいずれにも浸漬された短手側部分を上向きにし、23±2℃の室内に1分間静置させ、ゲル皮膜の外観目視で観察し、以下の基準でゲル化性能を評価した。
◎:皮膜に割れが生じない(良好)。
○:皮膜に1mm未満の割れが1〜2つ発生したが、1mm以上の割れは発生しない(やや良)。
×:ゲル皮膜に1mm未満の割れが3つ以上発生したか、または1mm以上の割れが1つ以上発生した(不良)。
*上記基準のうち、◎と○は実用性を有すると評価される。

0056

(ゲル化強度)
ゲル化性能の評価時に陶器板から皮膜を剥離し、指で皮膜を引張り、以下の基準でゲル化強度(ゲル皮膜の皮膜強度の状態)を評価した。
◎:皮膜を形成し、皮膜にゴム弾性(伸縮性)がある(良好)。
○:皮膜を形成し、皮膜に伸びがある(やや良)。
×:皮膜を形成するが、皮膜に伸びがない、又は、皮膜を形成しない(不良)。
*上記基準のうち、◎と○は実用性を有すると評価される。

0057

(造膜性能)
上記「(ゲル化性能)」の評価に用いた、ゲル皮膜が形成された陶器板を、120℃のオーブン内で30分間加熱乾燥させた時の皮膜の状態を目視で観察し、以下の基準で造膜性能を評価した。
◎:皮膜に割れが生じない(良好)。
○:皮膜に1mm未満の割れが1〜2つ発生したが、1mm以上の割れは発生しない(やや良)。
×:皮膜に1mm未満の割れが3つ以上発生したか、または1mm以上の割れが1つ以上発生した(不良)。
*上記基準のうち、◎と○は実用性を有すると評価される。

0058

(柔軟性):100%モジュラスの測定
上記「(造膜性能)」の評価時に用いた乾燥皮膜(ゲル皮膜を乾燥させた皮膜(以下、「乾燥皮膜」と略記)、厚み:100μm)から、JIS3号ダンベルを用いて試験片を切り出し、LLOYD社の引張試験機LR−5Kを用い、チャック間隔60mm、標線20mm、引張速度500mm/分、温度23±2℃で、JIS K6251に準拠して評価した。
試験片が100%伸びた時の引張荷重を測定し、下記式によって引張強度を求めた。
100%モジュラス(MPa)=F100%/A
ただし、F100%は100%伸び時の引張荷重(N)、Aは試験片の断面積(mm2)である。
100%モジュラスの判断基準は以下のとおりである。
◎:4.0MPa未満(良好)
○:4.0MPa以上、7.0MPa未満(やや良)
×:7.0MPa以上(不良)
*上記基準のうち、◎と○は実用性を有すると評価される。

0059

(耐エタノール水性能):破断強度の測定
上記「(造膜性能)」の評価時に用いた乾燥皮膜(厚み:100μm)から、JIS3号ダンベルを用いて試験片を切り出し、エチルアルコール70%水(23℃±2℃)に30分間浸漬させた後に取り出した。取り出した試験片を軽く拭いてから90秒後に、JIS K−6301に従い、破断強度試験を行い、以下の基準で耐エタノール水性能を評価した。
◎:破断強度が10MPa以上(良好)
○:破断強度が4MPa以上、10MPa未満(やや良)
×:破断強度が4MPa未満(不良)
*上記基準のうち、◎と○は実用性を有すると評価される。

0060

(透湿性):透湿度の測定
JIS L 1099A−1法(塩化カルシウム法)に準じ、上記「(造膜性能)」の評価時に用いた乾燥皮膜(厚み:100μm)の透湿度を測定し、以下の基準で透湿性を評価した。
◎:800 g/m2−24hrs 以上
○:550 g/m2-24hrs 以上、800 g/m2-24hrs 未満
×:550 g/m2-24hrs 未満
*上記基準のうち、◎と○は実用性を有すると評価される。

0061

1.好適なポリオールの検討
(ポリウレタン水分散体No.1の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 24.9部、UH300(成分(C))158.4部、ジオクチル錫ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、MDI(成分(A)) 25.2部、H12MDI(成分(A))26.4部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMPA(成分(E))5.0部、1,4−ブタンジオール(成分(D))5.2部、NMP 61.3部、MEK 188.7部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.04部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.8%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを50℃まで冷却し、トリエチルアミン3.8部を加えて中和し、次いで水470.8部を加えて転相乳化した。この乳化分散液に30% 6水和ピペラジン(成分(F))18.9部(残存イソシアネート基に対してアミン基として100当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.3のポリウレタン水分散体No.1を得た。

0062

(ポリウレタン水分散体No.2〜No.9の製造)
表1に示す原材料配合処方を用いてポリウレタン水分散体No.1と同様の方法でポリウレタン水分散体No.2〜No.9を製造した。

0063

ポリウレタン水分散体No.1〜No.9について、上記<塩凝固法を用いた加工性能の評価>の項で説明した方法で加工性能を評価し、得られた乾燥皮膜について、柔軟性と耐エタノール水性能を評価した。表2に結果を示す。なお、表2における仕込み原料の数値は、製造原料のうち、必須成分(A)〜(F)の合計重量を100%としたときの各必須成分の含有量(重量%)を示したものである。

0064

0065

0066

ポリオールとして成分(B)と成分(C)を併用したNo.1〜No.3では、ゲル化強度の評価が「やや良」で、かつ耐エタノール水性能も「やや良」となり、上記2項目とも実用性を有していた。一方、ポリオールとして1種類の成分(C)を用いたNo.4〜No.7では、耐エタノール水性能が「良好」と評価される試料もあったが(NO.4、No.5)、ゲル化強度が「不良」と評価され、上記2項目ともに実用性を有すると評価される試料はなかった。また、ポリオールとして2種類の成分(C)を用いたNo.8、No.9についても、耐エタノール水性能が「やや良」と評価されたが、ゲル化強度が「不良」と評価され、上記2項目ともに実用性を有すると評価される試料はなかった。
上記の結果から、ゲル化強度と耐エタノール水性能をともに実用性を有するものとするには、ポリオールとして成分(B)と成分(C)を併用することが必要であると考えられる。

0067

2.MDIと脂環式ジイソシアネートを併用したポリウレタン水分散体の特徴
(ポリウレタン水分散体No.10の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 12.8部、UH−300(成分(C))170.9部、ジオクチル錫 ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、MDI(成分(A)) 33.6部、H12MDI(成分(A))17.6部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMPA(成分(E))5.0部、1,4−ブタンジオール(成分(D))5.3部、NMP 61.3部、MEK 188.7部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.04部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.8%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを、50℃まで冷却し、トリエチルアミン3.7部を加えて中和し、次いで水470.9部を加えて転相乳化した。この乳化分散液に30% 6水和ピペラジン(成分(F))19.1部(残存イソシアネート基に対してアミン基として100当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.3のポリウレタン水分散体No.10を得た。

0068

(ポリウレタン水分散体No.11〜No.18の製造)
表3に示す原材料、配合処方を用いてポリウレタン水分散体No.10と同様の方法でポリウレタン水分散体No.11〜No.18を製造した。

0069

ポリウレタン水分散体No.10〜No.18について、上記<塩凝固法を用いた加工性能の評価>の項で説明した方法で加工性能を評価し、得られた乾燥皮膜について、柔軟性と耐エタノール水性能を評価した。表4に結果を示す。なお、表4における仕込み原料の数値は、製造原料のうち、必須成分(A)〜(F)の合計重量を100%としたときの各必須成分の含有量(重量%)を示したものである。

0070

0071

0072

本試験は、ポリオールとして成分(B)と成分(C)を併用することを前提として、成分(A)の種類、組合せを種々変えて製造したポリウレタン水分散体から塩凝固法で製造した皮膜について、特にゲル化強度と耐エタノール水性能の関係を検討したものである。
成分(A)としてMDIのみを用いたNo.15は、そもそもポリウレタン水分散体が製造できず、成分(A)としてH12MDIとIPDIのいずれか一方を用いたNo.16,No.18では、ゲル化強度は実用性を有すると評価されたが、耐エタノール水性能が実用性を有しないと評価された。
一方、成分(A)としてMDIとH12MDIを併用したNo.10〜14、成分(A)としてMDIとIPDIを併用したNo.17では、ゲル化強度と耐エタノール性能がともに実用性を有すると評価された。

0073

3.耐エタノール水性能、透湿性に優れた処方の検討
(ポリウレタン水分散体No.19の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 12.8部、UH−300(成分(C))170.6部、ジオクチル錫ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、MDI(成分(A)) 25.2部、H12MDI(成分(A))26.4部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMPA(成分(E))5.0部、1,4−ブタンジオール(成分(D))5.2部、NMP 61.3部、MEK 188.7部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.04部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.8%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを、50℃まで冷却し、トリエチルアミン3.8部を加えて中和し、次いで水470.9部を加えて転相乳化した。この乳化分散液に30% 6水和ピペラジン(成分(F))19.5部(残存イソシアネート基に対してアミン基として100当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.3のポリウレタン水分散体No.19を得た。

0074

(ポリウレタン水分散体No.20〜No.27の製造)
表5に示す原材料、配合処方を用いてポリウレタン水分散体No.19と同様の方法でポリウレタン水分散体No.20〜No.27を製造した。

0075

ポリウレタン水分散体No.19〜No.27について、上記<塩凝固法を用いた加工性能の評価>の項で説明した方法で加工性能を評価し、得られた乾燥皮膜について、柔軟性、耐エタノール水性能および透湿性を評価した。表6に結果を示す。なお、表6における仕込み原料の数値は、製造原料のうち、必須成分(A)〜(F)の合計重量を100%としたときの各必須成分の含有量(重量%)を示したものである。

0076

0077

0078

本試験は、ポリウレタン水分散体中のポリウレタン(樹脂固形分)に対するエチレンオキシド単位(EO)の含有量(単位:重量%)(以下、単に「EO含有量」と略記)と、特に耐エタノール水性能、透湿性の関係を検討したものである。
表6から、EO含有量がおよそ2.8重量%以上になると、透湿性が実用性を有すると評価され、さらにEO含有量が増加するほど透湿性が向上する傾向にあった。
また、耐エタノール水性能は、通常は実用性を有すると評価されるが、EO含有量が増え過ぎて14重量%を超えると、実用性を有しなくなることが分かった。

0079

4.柔軟性、ゲル化強度に優れた処方の検討
(ポリウレタン水分散体No.28の製造)
反応器に、DC3000(成分(B)) 180.5部、UH−300(成分(C))12.8部、ジオクチル錫ジラウレート0.01部を仕込み、十分撹拌溶解し、ルプラネートMI(成分(A)) 29.0部、H12MDI(成分(A))15.3部を加えて85℃で3時間反応させた。次に、60℃まで冷却した後、DMPA(成分(E))5.0部、1,4−ブタンジオール(成分(D))3.1部、NMP 61.4部、MEK 313.6部を加え、十分撹拌溶解し、ジオクチル錫ジラウレート0.04部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート値(固形分に対する残存イソシアネート基の重量含有量)が0.9%のプレポリマーを得た。このプレポリマーを、50℃まで冷却し、トリエチルアミン3.7部を加えて中和し、次いで水474.7部を加えて転相乳化した。この乳化分散液に30% 6水和ピペラジン(成分(F))19.9部(残存イソシアネート基に対してアミン基として100当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤することにより、不揮発分25%、pH7.3のポリウレタン水分散体No.28を得た。

0080

(ポリウレタン水分散体No.29,No.30の製造)
表7に示す原材料、配合処方を用いてポリウレタン水分散体No.28と同様の方法でポリウレタン水分散体No.29とNo.30を製造した。

0081

ポリウレタン水分散体No.28〜No.30について、上記<塩凝固法を用いた加工性能の評価>の項で説明した方法で加工性能を評価し、得られた乾燥皮膜について、柔軟性、耐エタノール水性能および透湿性を評価した。表8に結果を示す。なお、表8における仕込み原料の数値は、製造原料のうち、必須成分(A)〜(F)の合計重量を100%としたときの各必須成分の含有量(重量%)を示したものである。

0082

0083

実施例

0084

本試験は、ポリウレタン水分散体中のEO含有量をNo.19と同程度(2.0%)にして、成分(a1)として、異性体成分として2,4’-MDIの含有量が多いMDIを用いた場合の効果を検討したものである。表8から、2,4’-MDIの含有量が約50%であるルプラネートMIを用いたNo.28は、2,4’-MDIをほとんど含まないミリオネートMTを用いたNo.19に場合に比べて、柔軟性について実用性が向上すると評価された。さらに、2,4’-MDIの含有量が約90%であるミリオネートNM100を用いたNo.29,30 は、2,4’-MDIをほとんど含まないミリオネートMTを用いたNo.19に比べて、柔軟性について実用性が向上するととともに、ゲル化強度についても実用性が向上すると評価された。

0085

本発明のポリウレタン水分散体によれば、塩凝固法によりフィルム成形体を製造するときの加工適性の点で実用性を有するとともに、得られたフィルム成形体が耐エタノール水性能の点で実用性を有するので、塩凝固法によるフィルム成形体の製造用途、及びフィルム成形体として利用可能である。

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