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技術 アルミニウム合金箔及びその製造方法、成形包装体材料、二次電池、医薬品包装容器

出願人 株式会社UACJ
発明者 石雅和鈴木覚
出願日 2013年4月26日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2014-514684
公開日 2016年1月7日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 WO2013-168606
状態 特許登録済
技術分野 非鉄金属または合金の熱処理 電池の電槽・外装及び封口 被包材 金属圧延一般
主要キーワード 抑え力 材料表 熱融着性合成樹脂 塑性不安定 放熱処理 隔離材 形状選択 流入抵抗
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年1月7日)のものです。
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図面 (3)

課題・解決手段

良好な成形性を有するアルミニウム合金箔を提供する。 Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.0025〜0.2mass%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金箔であり、上記アルミニウム合金箔は、アルミニウム合金箔表面の結晶方位における、Cube方位密度が5以上で、R方位密度が50以下であり、上記アルミニウム合金箔の平均結晶粒径は7〜20μmである、アルミニウム合金箔を提供する。

概要

背景

医薬品を包装する成形包装体材料として知られるPTPプレススルーパッケージ)は、容器蓋材との組み合わせにより、包装する形態をとる場合が多い。容器は深絞り成形が要求され、通常のストリップ包装体では、容器はプラスティックフィルム、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂フィルム成形したものが用いられる。特に、保管する際に水蒸気バリヤー性が要求される内容物の錠剤等には、バリヤー性の高いアルミニウム箔と樹脂フィルムを片面もしくは両面に貼合した複合体として使用する場合も多い。近年、医薬品は様々な形態や大きさのものがあり、これを包装する包装体もそれらの形態に合せ、今までより深く成形する必要が出てきた。

一方、二次電池の成形包装体材料である外装材にも、水蒸気バリヤー性を付与させるために、アルミニウム合金箔の両面に樹脂フィルムを貼合した複合体の構成を持つ材料が用いられる。近年、シート状で薄型リチウムイオン二次電池等の二次電池は、移動体通信機器ノートブック型パソコンヘッドフォンステレオカムコーダー等のエレクトロニクス機器小型軽量化に伴い、その駆動源として重宝されており、二次電池には、長時間の使用に耐える充電容量あるいは高出力が要求されている。そのため電池電極セパレーターで構成される素子の構造が複雑化・多層化したものとなり、より深い凹部成形等の苛酷な条件での成形が要求されるようになってきた。

特に、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の外装材には、成形凹部の四隅における肩部コーナー部の半径Rをより小さくさせて、成形高さをより深くさせる角筒絞り成形が行われている。その結果、成形凹部内に格納することができる電極材充填量が増えて、より電池容量を高めることができる。現在、リチウムイオン二次電池の外装材にはより高い成形性が求められ、外装材を構成するアルミニウム合金箔にも高い成形性が要求されている。

成形用の包装体1は、一般的に、図2に示すように、外装材本体8の片面には熱封緘層9が積層貼合され、他面には合成樹脂製フィルム10が積層貼合された態様となっている。包装体1は、図1に示すように、正極集電体2等の積層体収納するために、その中央部が凹部となり、周辺部が平坦部となるように成形されている。従って、外装材本体8、熱封緘層9及び合成樹脂製フィルム10は、成形性の良好なものを採用する必要がある。

従来、外装材本体8としては、内容物の品質に悪影響を与えないように、水分や空気等が透過しにくく、成形性に優れた金属箔、特にアルミニウム合金箔が好適に用いられている。当該アルミニウム合金箔としては、主にJIS1100、3003、8079または8021で規定された組成等が用いられている。

例えば、外装材本体8として、厚さが20〜60μmで、圧延方向に対する0度、45度、90度方向伸びが全て11%以上であるアルミニウム箔が提案されている(特許文献1)。また、同じく外装材本体8として、Feを0.8〜2.0%、Cuを0.02〜0.05%、Siを0.03〜0.1%を含有した耐食性に優れたアルミニウム合金箔が提案されている。(特許文献2)。

概要

良好な成形性を有するアルミニウム合金箔を提供する。 Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.0025〜0.2mass%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金箔であり、上記アルミニウム合金箔は、アルミニウム合金箔表面の結晶方位における、Cube方位密度が5以上で、R方位密度が50以下であり、上記アルミニウム合金箔の平均結晶粒径は7〜20μmである、アルミニウム合金箔を提供する。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決する良好な成形性を有するアルミニウム合金箔及びその製造方法、成形包装体材料、二次電池、医薬品包装容器の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.0025〜0.2mass%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金箔であり、前記アルミニウム合金箔は、前記アルミニウム合金箔表面の結晶方位における、Cube方位密度が5以上で、R方位密度が50以下であり、前記アルミニウム合金箔の平均結晶粒径は、7〜20μmである、アルミニウム合金箔。

請求項2

前記アルミニウム合金箔は、前記アルミニウム合金箔における圧延方向に対する0度、45度、90度方向のそれぞれの引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が200N/mm2以上であり、0度方向と45度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値が30N/mm2以下であり、45度方向と90度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値が30N/mm2以下である、請求項1記載のアルミニウム合金箔。

請求項3

請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金箔を備える成形包装体材料。

請求項4

前記アルミニウム合金箔の一方の側に積層されてなる合成樹脂製フィルムと、前記アルミニウム合金箔の他方の側に積層されてなる熱封緘層と、をさらに備える、請求項3に記載の成形包装体材料。

請求項5

請求項4に記載の成形包装体材料を用いる二次電池

請求項6

請求項4に記載の成形包装体材料を用いる医薬品包装容器

請求項7

請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金箔の製造方法であって、Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.0025〜0.2mass%、残部がAl及び不可避的不純物から成るアルミニウム合金鋳塊を500℃以上、620℃以下で1時間以上の均質化保持をする工程と、該均質化保持後に、熱間圧延および冷間圧延を施す工程と、該冷間圧延の途中で、300℃以上450℃以下で保持する中間焼鈍を施す工程と、該熱間圧延後から該中間焼鈍前までの冷間圧延率を85%以下で冷間圧延を実施する工程と、該中間焼鈍後から最終箔厚にするまでの冷間圧延率を80%以上93%以下で冷間圧延を実施する工程と、該冷間圧延後に最終焼鈍を施して前記アルミニウム合金箔を得る工程と、を含む、方法。

技術分野

0001

本発明は、高い成形性を有したアルミニウム合金箔及びその製造方法、成形包装体材料、二次電池医薬品包装容器に関するものである。

背景技術

0002

医薬品を包装する成形包装体材料として知られるPTPプレススルーパッケージ)は、容器蓋材との組み合わせにより、包装する形態をとる場合が多い。容器は深絞り成形が要求され、通常のストリップ包装体では、容器はプラスティックフィルム、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂フィルムを成形したものが用いられる。特に、保管する際に水蒸気バリヤー性が要求される内容物の錠剤等には、バリヤー性の高いアルミニウム箔と樹脂フィルムを片面もしくは両面に貼合した複合体として使用する場合も多い。近年、医薬品は様々な形態や大きさのものがあり、これを包装する包装体もそれらの形態に合せ、今までより深く成形する必要が出てきた。

0003

一方、二次電池の成形包装体材料である外装材にも、水蒸気バリヤー性を付与させるために、アルミニウム合金箔の両面に樹脂フィルムを貼合した複合体の構成を持つ材料が用いられる。近年、シート状で薄型リチウムイオン二次電池等の二次電池は、移動体通信機器ノートブック型パソコンヘッドフォンステレオカムコーダー等のエレクトロニクス機器小型軽量化に伴い、その駆動源として重宝されており、二次電池には、長時間の使用に耐える充電容量あるいは高出力が要求されている。そのため電池電極セパレーターで構成される素子の構造が複雑化・多層化したものとなり、より深い凹部成形等の苛酷な条件での成形が要求されるようになってきた。

0004

特に、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の外装材には、成形凹部の四隅における肩部コーナー部の半径Rをより小さくさせて、成形高さをより深くさせる角筒絞り成形が行われている。その結果、成形凹部内に格納することができる電極材充填量が増えて、より電池容量を高めることができる。現在、リチウムイオン二次電池の外装材にはより高い成形性が求められ、外装材を構成するアルミニウム合金箔にも高い成形性が要求されている。

0005

成形用の包装体1は、一般的に、図2に示すように、外装材本体8の片面には熱封緘層9が積層貼合され、他面には合成樹脂製フィルム10が積層貼合された態様となっている。包装体1は、図1に示すように、正極集電体2等の積層体収納するために、その中央部が凹部となり、周辺部が平坦部となるように成形されている。従って、外装材本体8、熱封緘層9及び合成樹脂製フィルム10は、成形性の良好なものを採用する必要がある。

0006

従来、外装材本体8としては、内容物の品質に悪影響を与えないように、水分や空気等が透過しにくく、成形性に優れた金属箔、特にアルミニウム合金箔が好適に用いられている。当該アルミニウム合金箔としては、主にJIS1100、3003、8079または8021で規定された組成等が用いられている。

0007

例えば、外装材本体8として、厚さが20〜60μmで、圧延方向に対する0度、45度、90度方向伸びが全て11%以上であるアルミニウム箔が提案されている(特許文献1)。また、同じく外装材本体8として、Feを0.8〜2.0%、Cuを0.02〜0.05%、Siを0.03〜0.1%を含有した耐食性に優れたアルミニウム合金箔が提案されている。(特許文献2)。

先行技術

0008

特開2005−163077号公報
特許4799903号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、上記文献記載の従来技術では、最近のPTPやリチウムイオン二次電池等に使用される外装材のように高い成形高さが要求される特性を十分に満足することは困難であった。

0010

第一に、特許文献1のアルミニウム合金箔では、深い凹部を形成させるような苛酷な角筒絞り成形を行うと、成形凹部の肩部周辺に亀裂やピンホールが生じるということがあった。つまり、アルミニウム合金箔に比較的浅い凹部の成形加工を施す場合は問題がないが、内容物の容量を増加させるためにアルミニウム合金箔を用いて包装体の中央部に深い凹部を成形すると、外装材本体の特に凹部と平坦部との境界部で亀裂等が生じやすくなり、水分や空気等が透過しやすく、内容物の品質に悪影響を与える包装体となってしまうという欠点があった。特に、二次電池外装材用途として使用する場合では、水分や空気が透過すると、電池内部の電解液との反応で弗化水素酸が生成され、電池内部が腐食され易い環境となってしまう。
さらに、特許文献1のアルミニウム合金箔では、成形性を向上させるために圧延方向に対する0度、45度、90度方向の伸び値を11%以上にするものであるが、上記各圧延方向に対する引張強さに対して0.2%耐力の値が大きく、角筒絞り成形時にフランジ部からの材料の流入抵抗が増大するために、成形高さを向上させることができない。

0011

第二に、特許文献2のアルミニウム合金箔では、耐食性と強度向上のために合金成分や金属間化合物個数を制御しているが、これらの物性のみを制御するだけでは成形性を向上させるのに十分ではない。

0012

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決する良好な成形性を有するアルミニウム合金箔及びその製造方法、成形包装体材料、二次電池、医薬品包装容器の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明者は、成形包装材料として使用されるアルミニウム合金箔について検討したところ、成分を適切な範囲に規制して得られるアルミニウム合金箔、成形包装体材料、二次電池、医薬品包装容器が特に優れていることを知見し、更に上記アルミニウム合金箔の製造工程において鋳塊均質化処理温度及び中間焼鈍温度、さらに熱間圧延後から中間焼鈍前までの冷間圧延率及び中間焼鈍後から最終箔厚にするまでの冷間圧延率を制御することで、上記優れたアルミニウム合金箔を安定かつ確実に得ることを見出し、本発明に至った。

0014

すなわち、本発明によれば、Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.0025〜0.2mass%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金箔であり、上記アルミニウム合金箔は、上記アルミニウム合金箔表面の結晶方位における、Cube方位密度が5以上で、R方位密度が50以下であり、上記アルミニウム合金箔の平均結晶粒径は、7〜20μmである、アルミニウム合金箔が提供される。
このアルミニウム合金箔によれば、アルミニウム合金箔の組成と表面の結晶方位における、Cube方位密度およびR方位密度と平均結晶粒径が特定の条件を満たすので、良好な成形性を有したアルミニウム合金箔が得られる。

0015

特に、上記アルミニウム合金箔は、更に、上記アルミニウム合金箔における圧延方向に対する0度、45度、90度方向のそれぞれの引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が200N/mm2以上であり、0度方向と45度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値が30N/mm2以下であり、45度方向と90度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値が30N/mm2以下であることが好ましい。
このような規定により、本発明のアルミニウム合金箔は、アルミニウム合金箔の極限変形能が向上し、角筒絞り成形初期での微小クラック等の発生を抑制することができるために、成形高さを向上させることができる。また、角筒絞り成形時にフランジ部からの材料の流入抵抗が減少するために、成形高さを向上させることができる。

0016

また、本発明によれば、上記のアルミニウム合金箔を備える成形包装体材料が提供されることが好ましい。この成形包装体材料によれば、上記の良好な成形性を有したアルミニウム合金箔を用いるため、成形高さを高くすることが可能となり、二次電池用外装材等の成形包装体材料としてより深い凹部成形をすることができる。その結果、成形凹部内に格納することができる量が増えて、より容量を高めることができる。

0017

また、本発明によれば、上記の成形包装体材料を用いる二次電池が提供されることが好ましい。この二次電池によれば、上記の深い凹部成形を有した成形包装体材料を用いるため、二次電池外装材の成形凹部内に格納することができる電極材等の電池材の充填量が増えて、より電池容量を高めることができる等、二次電池の高性能化に寄与できる。

0018

また、本発明によれば、上記の成形包装体材料を用いる医薬品包装容器が提供されることが好ましい。この医薬品包装容器によれば、上記の深い凹部成形を有した成形包装体材料を用いるため、医薬品包装容器の成形凹部内に格納することができるので医薬品の格納量や形状選択の自由度を更に向上させることができる。

0019

また、本発明によれば、上記のアルミニウム合金箔の製造方法であって、Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.0025〜0.2mass%、残部がAl及び不可避的不純物から成るアルミニウム合金鋳塊を500℃以上620℃以下で1時間以上の均質化保持をする工程と、該均質化保持後に、熱間圧延および冷間圧延を施す工程と、該冷間圧延の途中で、300℃以上450℃以下で保持する中間焼鈍を施す工程と、該熱間圧延後から該中間焼鈍前までの冷間圧延率を85%以下で冷間圧延を実施する工程と、該中間焼鈍後から最終箔厚にするまでの冷間圧延率を80%以上93%以下で冷間圧延を実施する工程と、該冷間圧延後に最終焼鈍を施して前記アルミニウム合金箔を得る工程と、を含む、方法が提供される。

0020

このアルミニウム合金箔の製造方法によれば、特定の組成のアルミニウム合金鋳塊を特定の工程で処理するため、
(1)アルミニウム合金箔の平均結晶粒径、
(2)アルミニウム合金箔表面の結晶方位密度
(3)圧延方向に対する0度、45度、90度方向の強度バランス
上記(1)−(3)の全てを満足することが出来、高い成形性を有したアルミニウム合金箔を確実に得ることができる。

発明の効果

0021

本発明のアルミニウム合金箔は、平均結晶粒径、アルミニウム合金の所定の方位密度が最適に制御されているために、リチウムイオン二次電池や医薬品包装容器等のように高い成形性が要求される成形包装体材料に適したアルミニウム合金箔を提供することが出来る。

図面の簡単な説明

0022

シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の内部構造の一例を示した模式的断面図である。
二次電池の外装材の一般例を示した模式的断面図である。

0023

(1)アルミニウム合金箔の組成
本実施形態において、アルミニウム合金箔に含まれるFeの含有量は、0.8〜2.0mass%である。Feの含有量が0.8mass%未満になると、引張強さTS及び0.2%耐力YSが共に低下するので、上記圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が小さくなり、アルミニウム合金箔の成形性が低下する。また、Feの含有量が2.0mass%を超えると、鋳造時に巨大な金属間化合物が形成され易くなり、角筒絞り試験時における割れの起点となり易くなるので成形性が低下する。Feの含有量は、特に1.1mass%以上、1.6mass%以下が強度の観点からより好ましい。このFeの含有量は、例えば、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0mass%であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0024

本実施形態において、アルミニウム合金箔に含まれるSiの含有量は、0.05〜0.2mass%である。Siの含有量が0.05mass%未満になると、引張強さTS及び0.2%耐力YSが低下するために、上記圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が小さくなり、成形性が低下する。また、高純度地金(Al)を使用することにもなり経済的にも好ましくない。一方、Siの含有量が0.2mass%を超えると、アルミニウム合金箔中の晶出物サイズが大きくなり、晶出物の個数が減少する。その結果、最終焼鈍後の平均結晶粒径が大きくなるために、成形時に不均一な成形が起こり易くなり、アルミニウム合金箔の成形性が低下する。Siの含有量は、特に0.06mass%以上、0.1mass%以下が強度と平均結晶粒径の観点から好ましい。このSiの含有量は、例えば、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20mass%であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0025

本実施形態において、アルミニウム合金箔に含まれるCuの含有量は、0.0025〜0.2mass%である。Cuは添加することで、アルミニウム合金箔の強度を向上させる。Cuの含有量が0.0025mass%未満であると、引張強さTSと0.2%耐力YSがそれぞれ低くなり、上記圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が小さくなり、アルミニウム合金箔の成形性が低下する。また、Cuの含有量が0.2mass%を超えると、アルミニウム合金箔表面のCube方位密度が低下するために、アルミニウム合金箔の成形性が低下する。Cuの含有量は、特に0.005mass%以上、0.05mass%以下が強度とアルミニウム合金箔表面の結晶方位の観点から好ましい。このCuの含有量は、例えば、0.0025、0.0100、0.0150、0.0200、0.0250、0.0300、0.0350、0.0400、0.0500、0.0600、0.0700、0.0800、0.0900、0.1000、0.1100、0.1200、0.1300、0.1400、0.1500、0.1600、0.1700、0.1800、0.1900、0.2000mass%であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0026

本実施形態において、アルミニウム合金箔に含まれる不可避的不純物は、個々に0.05mass%以下、合計で0.15mass%以下である。特にTi、Mn、Mg、Zn等などの不可避的不純物が、個々に0.05mass%、及び合計で0.15mass%を超えると、圧延時の硬化が大きく、圧延中の切れが生じ易くなる。

0027

(2)アルミニウム合金箔の物性
本実施形態において、アルミニウム合金箔における最終焼鈍後の平均結晶粒径は7μm以上、20μm以下である。好ましくは、10μm以上、18μm以下である。この平均結晶粒径は、例えば、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
なお、アルミニウム合金箔における平均結晶粒径は、公知の方法で測定することができ、例えば、切断法を用いて測定することができる。切断法は、ある線分内に何個結晶粒があるかを数え、線分をその個数で除した大きさを求める方法である。

0028

最終焼鈍後におけるアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は、添加する元素量や製造時の各種条件の影響を大きく受ける。特に、添加するFeとSiの量、中間焼鈍後から最終箔厚までの冷間圧延率及び最終焼鈍条件の影響を大きく受ける。上記記載の平均結晶粒径を得るためには、これらの添加元素量及び製造条件を適宜調整する必要がある。7μm未満ではアルミニウム合金箔の平均結晶粒径が細かすぎるために、引張強さTSよりも0.2%耐力YSの増加量が大きくなるために、圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が減少し、アルミニウム合金箔の成形性が低下する。一方、アルミニウム合金箔の平均結晶粒径が20μmを超えると、板厚断面方向に占める結晶粒の個数が少ないために、変形の局在化が起こり易くなり、アルミニウム合金箔の成形性が低下する。

0029

本実施形態において、アルミニウム合金箔は、最終焼鈍後に箔表面のCube方位密度が5以上で、R方位密度が50以下である。より好ましくは、最終焼鈍後に箔表面のCube方位密度が7以上で、R方位密度が30以下である。
なお、Cube方位密度及びR方位密度の数値は全てランダム結晶方位密度に対する倍数を表す。

0030

Cube方位は{001}<100>を代表方位とし、R方位は{123}<634>を代表方位とした。アルミニウム合金箔表面の結晶方位密度の測定には、{100}、{110}、{111}の不完全極点図を測定し、これらを元に三次元結晶方位解析ODF)を行なって調べた。またこれらの解析においては、アルミニウム粉末から作られたランダム結晶方位を有する試料を測定して得たデータを{100}、{110}、{111}極点図の解析の際に使う規格化ファイルとし、これによりランダム方位を有する試料に対する倍数として各種方位密度を求めた。なお本発明において、結晶方位密度は全て三次元結晶方位解析(ODF)に基づくものである。

0031

アルミニウム合金箔表面におけるCube方位密度が5未満、及びR方位密度が50を超えると、角筒絞り成形時の初期に微小クラック等が肩部に形成され易くなるために、アルミニウム合金箔の成形性が低下する。Cube方位密度は、例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30以上であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、R方位密度は、例えば、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1以下であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0032

本実施形態のアルミニウム合金箔は、角筒絞り成形の初期において、フランジ部からの材料の流入が殆ど無く、張出し成形によって肩部が形成される。特に、高い電池容量が要求されるリチウムイオン二次電池のように、肩部の半径Rが小さく成形される場合において、肩部には局部的に大変形になり、微小クラック等の欠陥が生じ易くなるので、この欠陥を起点として破断に至る事が多くなる。すなわち、肩部を形成する角筒絞り成形の初期においては、張出し成形時に形成される微小クラック等の発生を低減させることが、成形高さの向上に重要である。

0033

アルミニウム合金箔表面上におけるCube方位密度とR方位密度双方とを最適化することにより、アルミニウム合金箔の極限変形能が向上するために、局部張出し成形のようなアルミニウム合金箔表面に大きな歪みが生じる変形加工において、くびれに代表されるような塑性不安定を生じにくくさせる効果がある。その結果、肩部が形成される角筒絞り成形初期での微小クラック等の発生を抑制することができるために、成形高さを向上させることができる。

0034

ここで、TS×(TS/YS)の式の意義について述べる。(TS/YS)の値は、引張強さTSに対する0.2%耐力YSの比であり、本発明者は、この値が所定の値より大きいほど均一な変形が得られる領域が多く、角筒絞り成形時にはフランジ部への材料が流入し易くなり、引張強さTSは高ければ高いほど、耐破断性が向上することを見出した。すなわち、本実施形態に使用されるアルミニウム合金箔へ望まれる機械的特性としては、適正化された範囲で引張強さTSが高く、0.2%耐力YSが低い材料であることが好ましい。この(TS/YS)の値に耐破断力に対応する引張強さTSを掛け合わせた値であるTS×(TS/YS)は、本実施形態における成形高さとの相関関係が非常に高く、角筒絞り成形試験における成形性を示す指標の一つとして用いることが出来る。アルミニウム合金箔における圧延方向に対する0度、45度、90度方向の中でも、角筒絞り成形時におけるコーナーフランジ部において、材料の流入がしにくい圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)が高ければ高いほど、アルミニウム合金箔の成形高さが良好となる。

0035

本実施形態において、アルミニウム合金箔は、圧延方向に対する0度、45度、90度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が200N/mm2以上を満たすことが好ましい。より好ましくは、210N/mm2以上である。圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値は、例えば、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、215、220、230、240、250N/mm2であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0036

本実施形態のアルミニウム合金箔おける圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が200N/mm2未満では、アルミニウム合金箔の成形性を向上させることが難しい。本実施形態のように板厚が薄い成形包装材料の角筒絞り成形試験においては、成形高さが高くなるに連れて、4隅のコーナーフランジ部では、縮みフランジ変形となるために材料の流入抵抗が大きくなり、材料が流入しにくくなる。特に、角筒絞り成形時におけるコーナーフランジ部では、直辺方向や短辺方向に当たる圧延方向に対する0度方向や90度方向に対して、圧延方向に対する45度方向の材料が流入しにくくなるので、圧延方向に対する45度方向の材料流入量を増加させることが有効である。

0037

なお、本実施形態におけるアルミニウム合金箔の圧延方向に対する0度、45度、90度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSに関する測定については、公知の方法を用いることができる。

0038

本実施形態において、アルミニウム合金箔は、圧延方向に対する0度方向と45度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値および、圧延方向に対する45度方向と90度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値がそれぞれ30N/mm2以下を満たすことが好ましい。より好ましくは、10N/mm2以下である。本実施形態のアルミニウム合金箔おける圧延方向に対する0度方向と45度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値または、45度方向と90度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値は、例えば、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0N/mm2であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。
角筒絞り成形時において、コーナーフランジ部では材料が流入しにくくなるので、圧延方向に対する45度方向への材料流入量を特に増加させつつ、圧延方向に対する0度方向や90度方向ともできるだけ材料流入量に絶対値の差がないことが好ましい。
そのためには、圧延方向に対する0度方向と45度方向、圧延方向に対する45度方向と90度方向の材料流入量の差の絶対値をできるだけ小さくすることが、アルミニウム合金箔の成形性向上に大きな効果がある。圧延方向に対する0度方向と45度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値および、圧延方向に対する45度方向と圧延方向に対する90度方向のTS×(TS/YS)の差の絶対値がそれぞれ30N/mm2を超えると、角筒絞り成形時におけるフランジ部への材料流入バランスが悪くなるためにアルミニウム合金箔の成形性が低下する場合がある。

0039

本実施形態において、アルミニウム合金箔の伸びは、平均結晶粒径や強度等を変化させることで適宜調整でき、高い値であるほどアルミニウム合金箔の成形性も良好となる。具体的には、アルミニウム合金箔における圧延方向に対する0度、45度、90度方向の伸び値が全て17%以上であるとアルミニウム合金箔の成形性が良好になるので好ましい。より好ましくは、圧延方向に対する0度、45度、90度方向の伸び値が全て20%以上である。

0040

本実施形態において、アルミニウム合金箔の厚さは任意であり、用途や成形条件等に応じて適宜調整し得るが、一般的には10〜100μmであることが好ましい。厚さが10μm未満のアルミニウム合金箔を製造する場合、ピンホールの発生や圧延時の切れ等が発生し易くなり、生産効率が低下し易くなる。また、アルミニウム合金箔の厚さが100μmを超えると、包装体全体の厚さが厚くなりすぎて、得られる成形包装体の小型化が図りにくくなるため、好ましくない。

0041

(3)アルミニウム合金箔の製造方法
本実施形態における、アルミニウム合金箔は、Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.0025〜0.2mass%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を500℃以上、620℃以下で1時間以上の均質化保持をする工程と、該均質化保持後に、熱間圧延および冷間圧延を施す工程と、該冷間圧延の途中で、300℃以上450℃以下で保持する中間焼鈍を施す工程と、該熱間圧延後から中間焼鈍前までの冷間圧延率を85%以下で冷間圧延を実施する工程と、該中間焼鈍後から最終箔厚にするまでの冷間圧延率を80%以上、93%以下で、冷間圧延を実施する工程と、該冷間圧延後に最終焼鈍を施して上記アルミニウム合金箔を得る工程によって製造される。以下、本実施形態におけるアルミニウム合金箔の製造方法について詳細に説明する。

0042

本実施形態における、アルミニウム合金箔の製造方法は、上記組成を有するアルミニウム合金を溶解後、半連続鋳造法により鋳塊を得るのが好ましい。その後、アルミニウム合金鋳塊に対して、均質化処理を行う。この均質化処理は、500℃以上、620℃以下で1時間以上で保持する。この均質化処理後に熱間圧延を開始する。均質化処理では、Fe系析出物のサイズを大きくした上に疎に分布させて、Fe固溶量を低下させる効果が期待できる。

0043

均質化処理の条件が500℃未満及び、1時間未満の保持時間の場合では、Fe系析出物が十分に粗大化しないため、Fe固溶量が高く、微細なFe系の析出物も多いために0.2%耐力が高くなり、圧延方向に対する45度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、TS×(TS/YS)の値が200N/mm2未満となり、アルミニウム合金箔の成形性が低下するために好ましくない。また、鋳塊内に存在している鋳造時に形成された偏析を十分に解消させるにも不十分である。

0044

均質化処理の温度が、620℃を超えると、局部的に鋳塊が溶融することがあり、製造上好ましくない。また、鋳造時に混入した極僅かの水素ガスが表面に出て材料表面に膨れを生じさせ易くなるため好ましくない。Fe系析出物のサイズを大きくさせて疎に分布させるための観点より、均質化処理温度については、550℃以上、620℃以下が好ましく、より好ましくは、580℃以上、615℃以下である。均質化処理の温度は、例えば、550、560、570、580、590、600、610、615、620℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。
また均質化の保持時間については、2時間以上が好ましく、より好ましいのは、5時間以上である。また均質化の保持時間は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15時間以上であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0045

上記均質化処理後には、アルミニウム合金鋳塊を400℃以上、500℃以下まで冷却してから熱間圧延を開始しても良い。この冷却の実施により、Al−Fe系析出物のサイズを成長させながらFe固溶量を低下させることによって、アルミニウム合金箔の0.2%耐力を低下させることができる。熱間圧延の開始温度が400℃未満では、微細なAl−Fe系析出物の析出量が多くなりすぎて0.2%耐力が向上し、上記圧延方向に対する45度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、TS×(TS/YS)の値が200N/mm2未満となりアルミニウム合金箔の成形性が低下するために好ましくない。熱間圧延の開始温度が500℃を超えると、アルミニウム合金箔に固溶しているFe量が増加するために、0.2%耐力が高くなり、上記圧延方向に対する45度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、TS×(TS/YS)の値が200N/mm2未満となり、アルミニウム合金箔の成形性が低下するために好ましくない。熱間圧延の開始温度は、Fe系析出物のサイズを成長させるための観点より、より好ましくは400℃以上、450℃以下である。熱間圧延の開始温度は、例えば、400、410、425、450、475、500℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0046

熱間圧延時には、アルミニウム合金板をできるだけ再結晶させることが望ましいので、熱間圧延の終了温度は、250〜400℃が好ましい。より確実に熱間圧延後のアルミニウム合金板を再結晶させることが必要な観点から、より好ましくは300℃以上、400℃以下であることが推奨される。熱間圧延の終了温度は、例えば、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。さらに、上記熱間圧延後には、得られたアルミニウム合金板に対して冷間圧延を実施する。この冷間圧延は公知の方法で行うことができ、特には制限されない。

0047

本実施形態における、アルミニウム合金箔の製造方法は、アルミニウム合金板に対して上記冷間圧延の途中において、中間焼鈍を300℃以上450℃以下で行うことが必要である。中間焼鈍の温度は、アルミニウム合金板を再結晶させて圧延性を向上させる観点より、好ましくは320℃以上、400℃以下である。中間焼鈍の温度は、例えば、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。
中間焼鈍の温度が300℃未満では、最終焼鈍時に、アルミニウム合金箔の結晶粒が粗大化し易くなり、変形の均一性阻害され、成形高さを低下させることがあるために好ましくない。
また、中間焼鈍の温度が450℃を超えると、Fe固溶量が増加するために、0.2%耐力が増加するため、上記圧延方向に対する45度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、TS×(TS/YS)の値が200N/mm2未満となり、得られるアルミニウム合金箔の成形性が低下するため好ましくない。

0048

中間焼鈍を実施することにより、アルミニウム合金板を再結晶させることで圧延性を向上させることが目的である。中間焼鈍の実施時間は特に限定されないが、再結晶させるために1時間以上が好ましい。より好ましいのは、4時間以上である。中間焼鈍の実施時間は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15時間以上であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。
また、冷間圧延の工程中に中間焼鈍を実施しない場合、熱間圧延後から最終箔厚にするまでの冷間圧延率が大きくなるので、最終焼鈍後のアルミニウム合金箔における結晶方位において、所望のCube方位密度とR方位密度が得られずアルミニウム合金箔の成形性が低下するため好ましくない。

0049

本実施形態における、アルミニウム合金箔の製造方法は、上記熱間圧延によって得られたアルミニウム合金板に対して、上記熱間圧延後から上記中間焼鈍前までの冷間圧延率を85%以下で冷間圧延を実施する。熱間圧延後から中間焼鈍前までの冷間圧延率が85%を超えて、冷間圧延を実施すると、最終焼鈍後のアルミニウム合金箔の再結晶集合組織において、所望のCube方位密度とR方位密度が得られず、極限変形能が低下するため好ましくない。例えば、局部張出し成形のようなアルミニウム合金箔表面に大きな歪みが生じる変形加工において、くびれに代表されるような塑性不安定が生じ、アルミニウム合金箔の成形性が低下する場合がある。熱間圧延終了板厚や中間焼鈍実施後から最終箔厚にするまでの冷間圧延率との兼ね合いもあるが、熱間圧延後から中間焼鈍前までの冷間圧延率を低下させることが重要である。熱間圧延後から中間焼鈍前までの冷間圧延率は、例えば、50、55、60、65、70、75、80、85%以下であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0050

本実施形態における、アルミニウム合金箔の製造方法は、上記中間焼鈍後から最終箔厚までの冷間圧延率を80%以上、93%以下で冷間圧延を実施する。中間焼鈍後から最終箔厚までの冷間圧延率は、最終焼鈍後のアルミニウム合金箔の平均結晶粒径、アルミニウム合金箔表面の結晶方位、圧延方向に対する0度、45度、90度方向の強度バランスに影響を与える。上記冷間圧延率が80%未満では、最終焼鈍後のアルミニウム合金箔の結晶粒が大きくなり、アルミニウム合金箔の成形性が低下するため好ましくない。一方、上記冷間圧延率が93%を超えると、最終焼鈍後の平均結晶粒径が微細化されるために、0.2%耐力YSの増加量に影響をもたらし、アルミニウム合金箔における圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が小さくなるためにアルミニウム合金箔の成形性が低下するため好ましくない。さらに、中間焼鈍後から最終箔厚までの冷間圧延率が増加することで、最終焼鈍後のアルミニウム合金箔表面の所望のCube方位密度とR方位密度を得るために、アルミニウム合金箔における圧延方向に対する0度、45度、90度の強度バランスにおいて、圧延方向に対する0度方向の強度が45度方向や90度方向よりも大きくなる。その結果、圧延方向に対する0度方向のTS×(TS/YS)の値のみが大きくなり、圧延方向に対する0度方向と45度方向のTS×(TS/YS)の差が大きくなるためにアルミニウム合金箔の成形性が低下するため好ましくない。中間焼鈍後から最終箔厚までの冷間圧延率は、例えば、80.0、81.0、82.0、83.0、84.0、85.0、86.0、87.0、88.0、89.0、90.0、91.0、92.0、93.0%であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0051

冷間圧延の終了後には、最終焼鈍を実施しアルミニウム合金箔を完全な軟質箔とすることが好ましい。最終焼鈍の条件は、完全に再結晶させつつ、圧延油を完全に揮発させる観点から200〜400℃で5時間以上が好ましい。より好ましいのは、250〜350℃で20時間以上である。最終焼鈍の温度は、例えば、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。最終焼鈍の時間は、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150時間以上であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0052

最終焼鈍の温度が200℃未満では、完全に再結晶しないために所望の箔を得ることができない場合がある。また、最終焼鈍の温度が400℃を超えると、焼鈍中に結晶が粗大化するためにアルミニウム合金箔の成形性が低下する場合があるために好ましくない。最終焼鈍時における保持時間が5時間未満では、箔圧延時の圧延油が十分に揮発しないために、箔の表面の濡れ性が低下する場合があり、特に本実施形態のアルミニウム合金箔を成形包装体材料とする場合、アルミニウム合金箔とラミネートする樹脂フィルムとの密着性が低下し易くなる場合がある。

0053

最終焼鈍時の昇温速度は、特に限定しないが、50℃/hr以下で実施することが望ましい。最終焼鈍時の昇温速度が50℃/hrを超えると、結晶粒の一部が粗大化するために、角筒絞り成形時に不均一な変形が起こり易くなり、アルミニウム合金箔の成形性が低下する場合がある。最終焼鈍時の昇温速度は、アルミニウム合金箔の平均結晶粒径のサイズの観点より、好ましくは、40℃/hr以下である。最終焼鈍時の昇温速度は、例えば、50、45、40、35、30、25、20、15、10℃/hr以下であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。

0054

<成形包装体材料>
本実施形態におけるアルミニウム合金箔は、成形包装体材料として好適に用いることができる。本明細書でいう成形包装体材料とは、本実施形態のアルミニウム合金箔を、例えば、二次電池用PTP用等の各種包装用に成形加工したものをいい、包装されるものとしては、医薬品、リチウムイオン二次電池材料(電極材、セパレータ、電解液等を含む。)等が挙げられる。

0055

本実施形態における成形包装体材料は、本実施形態におけるアルミニウム合金箔を用いているので、二次電池や医薬品包装容器の成形包装体材料である外装材に好適に用いることができ、二次電池としての高性能化や医薬品の使用の自由度向上に寄与することができる。
以下、本実施形態おける成形包装体材料について図面を用いて詳細に説明する。以下の成形包装体材料おける実施形態は、例示であって、限定されない。

0056

図1は、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の内部構造の一例を示した模式的断面図である。また、図2は、二次電池の外装材の一般例を示した模式的断面図である。
本実施形態における成形包装体材料1は、本実施形態におけるアルミニウム合金箔8単体又は本実施形態におけるアルミニウム合金箔8を含む複数層からなるものであってもよく、特に制限されるものではないが、複数層とする場合には、少なくとも構成要素としてアルミニウム合金箔を構成として備えていることが必要である。具体的には、図2に示されるように、合成樹脂製フィルム10、アルミニウム合金箔8、熱封緘層9の順に積層されてなるものを例示することができるが積層構造は特に制限されるものではない。

0057

合成樹脂製フィルム10は、成形包装体材料1の成形性をより高めるため、或いは包装体の本体主要材料であるアルミニウム合金箔8を保護するため、或いは印刷を可能にするために、アルミニウム合金箔8の片面に積層貼着されるものである。このような合成樹脂製フィルム10としては、ポリエステルフィルムナイロンフィルム等が用いられる。本実施形態の成形包装体材料1は、二次電池や医薬品包装容器として用いることができ、特に、二次電池とする場合には、本実施形態の成形包装体材料1を二次電池外装材用として用いることができる。この場合は外装材内に収容する種々の電池部材発熱放熱処理等を行う必要があることから、合成樹脂製フィルム10としては耐熱性ポリエステルフィルムを用いるのが好ましい。

0058

熱封緘層9は、包装体の端部7を封緘するためのものである。熱封緘層9としては、従来公知の熱融着性合成樹脂を用いることができる。特に、本実施形態で用いるアルミニウム合金箔8との貼着性に優れており、内容物を保護できるものであれば何でも良く、例えば、無延伸ポリプロピレンフィルム二軸延伸ポリプロピレンフィルムマレイン酸変性ポリオレフィンを用いるのが好ましい。

0059

本実施形態における成形包装体材料1を複数層とする場合には、本実施形態のアルミニウム合金箔8を用いるものであれば特に制限されるものではなく、成形性、接着性等、内容物の適性を満足するものであれば特に限定するものではない。例えば、常法に従ってアルミニウム合金箔8の片面に、無延伸ポリプロピレンフィルムを、接着性皮膜を介して載せ、圧着して、該アルミニウム合金箔8と該無延伸ポリプロピレンフィルムとを貼着した後、該アルミニウム合金箔8の他面に、接着剤塗布し、この上に合成樹脂製フィルム10を載せて貼着することができる。

0060

上記のアルミニウム合金箔8とポリプロピレンフィルムとの圧着は、一般的に加熱下で行われる。加熱条件は、特に限定しないが、160〜240℃程度である。また、圧着条件は、特に限定しないが、圧力0.5〜2kg/cm2であり、時間0.5〜3秒程度である。

0061

また、合成樹脂製フィルム10の接着剤としては、従来公知のものが用いられ、例えば、ウレタン系接着剤等が用いられる。

0062

本実施形態における成形包装体材料は、公知の方法で成形することができ、成形方法は特に制限されるものではないが、特に深絞り成形に好適に使用することができる。ここで、本実施形態に係る成形包装体材料1を用いて、包装体を得る方法の一例としては、成形包装体材料1を所望の大きさに裁断して所望の形状にした包装材を得、この包装材に、中央部が凹部となり周辺部が平坦部となるように、且つ、熱封緘層9側が内面となるように、深絞り成形を施す。深絞り成形を施した包装材2枚を用いて、凹部同士が対向するようにし、且つ、周辺部の熱封緘層9同士が当接するようにして接着する。そして、一部を残し、他の周辺部を熱封緘して、包装体を得る。二次電池外装材用であれば、中央部に正極集電体2、正極3、隔離材4、負極5、負極集電体6を収納し更に電解質で含浸させることで二次電池を製造することができさらに、二次電池本体から延びているリード線を外部に出すようにして、袋の口を再度、熱封緘する等、公知の方法に従って製造することができる。

0063

本実施形態における二次電池によれば、上記の良好な成形性を有したアルミニウム合金箔8を備える成形包装体材料1を用いるため、凹部を従来より深くする等のより深絞り成形の良好となり、収容量の多い二次電池用外装材を形成できるので、長時間の使用に耐える充電容量あるいは高出力な二次電池を得ることができる。

0064

本実施形態における成形包装体材料1を用いて、医薬品包装容器を得る場合にも成形方法は、上述した方法を採用できる。例えば、PTP用であれば、薬(錠剤、カプセルなど)を収納して医薬品包装容器として用いることができる。本発明の医薬品包装容器は公知の方法で製造でき、製造方法は特に制限されるものではない。

0065

この医薬品包装容器によれば、上記の良好な成形性を有したアルミニウム合金箔8を備える成形包装体材料1を用いるため、角絞り成形等の苛酷な条件での深絞り成形が可能となり、成形包装体材料1の低減化が図れる。また、この医薬品包装容器によれば、アルミニウム合金箔の平均結晶粒径が小さいので、深絞り成形時に不均一な変形が起こり難く、成形体のコーナー部での割れも少ないため、外部からの水蒸気が成形包装体材料1内に侵入しにくくなり、保管する際に水蒸気バリヤー性が要求される内容物の錠剤等の長期の品質管理性にも優れている。

0066

以上、本発明の説明を行ったが、本発明の要旨を逸脱しない限り、上記以外の様々な構成を採用することもできる。

0067

例えば、上記実施形態では二次電池用又は医薬品包装用の成形包装体材料1としたが、特に限定する趣旨ではなく、他の包装用途に用いてもよい。たとえば、二次電池ではなく、一次電池の成形包装体材料に用いることもできる。このようにすれば、凹部を従来より深くする等のより深絞り成形が良好となり、収容量の多い一次電池用外装材を形成できるので、長時間の使用に耐える充電容量あるいは高出力な一次電池を得ることができる。

0068

以下、本発明を実験例で示しさらに説明するが、本発明はこれら実験例に限定されるものではない。

0069

表1に記載した組成を持つアルミニウム鋳塊を準備し、表1に記載した均質化処理、冷却、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延及び最終焼鈍を施して、厚さ40μmのアルミニウム合金箔を得た。得られたアルミニウム合金箔の圧延方向に対する0度、45度、90度における引張強さTS、0.2%耐力YS及び伸びを測定し、TS×(TS/YS)の値を算出した結果を表2に示した。さらにアルミニウム合金箔の平均結晶粒径とアルミニウム合金箔表面の結晶方位密度も同様に表2に示した。また実際の電池外装材模擬したラミネート複合材試作し、角筒絞り成形試験の結果も表2に示した。

0070

アルミニウム合金箔の引張強さTSは、10mmの短冊状試料片を用い、チャック間距離50mmで、引張速度10mm/min.の速度で引張試験を行い、短冊状試料片にかかる最大荷重を測定し、元の試料の断面積で除した応力を引張強さとして計算した。また、0.2%耐力YSは、荷重−伸び曲線図の初期の立ち上がりのほぼ直線で示される弾性域内のこの直線から0.2%の永久歪みの値から平行線を引き、上記曲線と交わった点、すなわち鋼材料などの降伏点に相当する点の値を求めた。また、伸びは、引張強さの場合と同様の測定方法で、短冊状試料片が破断したときのチャック間距離をL(mm)としたとき、〔(L−50)/50〕×100で算出されるものである。

0071

次に、実験例に係るアルミニウム合金箔を用いた成形包装体材料の深絞り性がどの程度であるかを試験するために、以下の実験を行った。実験例で得られた各アルミニウム合金箔の片面に、平均粒径6〜8μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレン15重量部とトルエン85重量部よりなるオルガノゾルを塗布し、200℃で20秒間の条件で乾燥し、厚さ2μmの接着性皮膜を得た。次に、厚さ40μmのポリプロピレンフィルムを、温度200℃、圧力2kg/cm2、時間1秒間の圧着条件で、接着性皮膜表面に圧着して貼着した。最後に、アルミニウム合金箔の他面(押出フィルムが貼着されていない面)に、厚さ25μmの2軸延伸ナイロンを、ウレタン系接着剤を介して貼着して成形包装体材料を得た。

0072

上記成形包装材料から、120mm×100mmの大きさで切断し、角筒絞り成形試験のサンプルとした。長さ60mm、幅40mm、肩R及びコーナーRが1.5mmのポンチを用い、しわ抑え力を300kgfにて、角筒絞り成形試験を実施した。成形高さは1.0mmから0.5mm刻みで高くし、各成形高さにて5回の上記角筒絞り成形試験を行い、5回全てでピンホールやワレが発生しなかった最大成形高さを、表2に示した。
また、アルミニウム合金箔の平均結晶粒径を以下のようにして測定した。得られた各アルミニウム合金箔を、5℃以下の20容量%過塩素酸+80容量%エタノール混合溶液を用い、電圧20Vで電解研磨を行った後、水洗、乾燥後、25℃以下の50容量%燐酸+47容量%メタノール+3容量%弗化水素酸の混合溶液中で、電圧20Vで陽極酸化皮膜を形成させた後、光学顕微鏡偏光をかけて、結晶粒を観察し、写真撮影した。撮影された写真から、切断法にて、平均結晶粒径を測定した。切断法は、ある線分内に何個結晶粒があるかを数え、線分をその個数で除した大きさを求める方法である。各平均結晶粒径を表2に示した。

0073

アルミニウム合金箔表面の結晶方位密度の測定には、X線回折装置を用い、X線回折シェル反射法により、{100}、{110}、{111}の不完全極点図を測定し、これらを元に三次元結晶方位解析(ODF)を行なって調べた。またこれらの解析においては、アルミニウム粉末から作られたランダム結晶方位を有する試料を測定して得たデータを{100}、{110}、{111}極点図の解析の際に使う規格化ファイルとし、これによりランダム方位を有する試料に対する倍数として各種方位密度を求めた。なお本実験例において、結晶方位密度は全て三次元結晶方位解析(ODF)に基づくものである。
ここで、Cube方位は{001}<100>を代表方位とし、R方位は{123}<634>を代表方位とした。なお、通常は上記方位を中心に一定角度を持つ方位分散が存在するため、本実験例では、上記方位まわり15°回転範囲の中にある最大方位密度をとり、それぞれ上記方位密度の代表値とした。

0074

0075

0076

以上の結果から明らかなように、実験例1〜21、28、29、及び31に係るアルミニウム合金箔は、平均結晶粒径、アルミニウム合金箔の方位密度が制御されているために、実験例に係るアルミニウム合金箔22〜27、30、32〜39に比べて、角筒絞り成形試験の成形高さが大きく、成形性に優れていることを示している。従って、実験例1〜21、28、29、及び31に係るアルミニウム合金箔を用いて得られた成形包装体材料は、深絞り成形が良好に行え、厚さの比較的厚い内容物を包装するのに適していることが分かる。また、実験例1〜21に係るアルミニウム合金箔は、さらに、圧延方向に対する0度、45度、90度方向の強度バランスが最適に制御されているので、角筒絞り成形試験の成形高さがより大きく、成形性に優れていることを示している。一方、実験例22〜27、30、32〜39に係るアルミニウム合金箔は、角筒絞り成形試験の成形高さが低く、成形性が良好でないことが明らかである。従って、実験例22〜27、30、32〜39に係るアルミニウム合金箔を用いて得られた成形包装体材料は、深絞り成形が良好に行えず、厚さの比較的厚い内容物を包装するのに適していないことが分かる。

0077

また、以上の結果から明らかなように、特定の組成のアルミニウム合金鋳塊を特定の工程で処理するため、実験例1〜21に係るアルミニウム合金箔は、実験例に係るアルミニウム合金箔22〜39に比べて、角筒絞り成形試験の成形高さが大きく、成形性に優れていることを示している。従って、実験例1〜21に係るアルミニウム合金箔を用いて得られた成形包装体材料は、深絞り成形が良好に行え、厚さの比較的厚い内容物を包装するのに適していることが分かる。

実施例

0078

実験例22では、添加Si量が少ないので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り試験時におけるフランジ部の材料が流入しにくいために、成形高さが向上しなかった。
実験例23では、添加Si量が多いので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
実験例24では、添加Fe量が少ないので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
実験例25では、添加Fe量が多いので、結晶粒が微細であるために、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、R方位密度が高くなり、成形高さが向上しなかった。
実験例26では、添加Cu量が少ないので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低くフランジ部の材料が流入しにくいために、成形高さが向上しなかった。
実験例27では、添加Cu量が多いので、アルミニウム合金箔表面のCube方位密度が低いために、成形高さが向上しなかった。
実験例28では、均質化処理温度が低いので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り試験時におけるフランジ部の材料が流入しにくいために、成形高さの向上が少なかった。
実験例29では、均質化処理時の保持時間が短いので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り試験時におけるフランジ部の材料が流入しにくいために、成形高さの向上が少なかった。
実験例30では、中間焼鈍温度が低いので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
実験例31では、中間焼鈍温度が高いので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り試験時におけるフランジ部の材料が流入しにくいために、成形高さの向上が少なかった。
実験例32では、中間焼鈍を実施していないので、結晶粒が微細であるために、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、Cube方位密度が少なくR方位密度が高くなり、さらに0度方向と45度方向のTS×(TS/YS)の差、 45度方向と90度方向のTS×(TS/YS)の差も大きくなったので、成形高さが向上しなかった。
実験例33では、熱間圧延後から中間焼鈍前までの冷間圧延率が大きいので、アルミニウム合金箔表面のCube方位密度が少なく、角筒絞り試験の初期に微小なクラックが発生したので、成形高さが向上しなかった。
実験例34では、中間焼鈍後から最終箔厚にするまでの冷間圧延率が少ないので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
実験例35では、中間焼鈍後から最終箔厚にするまでの冷間圧延率が大きいので、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、Cube方位密度が少なくR方位密度が高くなり、さらに0度方向と45度方向のTS×(TS/YS)の差が大きくなったので、成形高さが向上しなかった。
実験例36では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、アルミニウム合金箔が再結晶しないために、成形高さが低下した。
実験例37では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
実験例38では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
実験例39では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、アルミニウム合金箔が再結晶しないために、成形高さが低下した。

0079

1外装材(成形包装体材料)
2正極集電体
3 正極
4隔離材(セパレーター)
5 負極
6負極集電体
7 外装材の端部
8 外装材本体(アルミニウム合金箔)
9熱封緘層
10 合成樹脂製フィルム

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