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技術 排気ポンプの堆積物検知装置及び排気ポンプ

出願人 エドワーズ株式会社
発明者 榎本良弘
出願日 2013年3月7日 (8年2ヶ月経過) 出願番号 2014-512401
公開日 2015年12月24日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 WO2013-161399
状態 特許登録済
技術分野 非容積形送風機
主要キーワード 予測電流値 調査試験 設定値間 記憶電流 生成物堆積 一次近似式 推定電流値 通常プロセス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年12月24日)のものです。
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図面 (18)

課題・解決手段

ガスを流す設備の設置や、装置の操作モードの追加、変更等の負担を発生させることなく、容易に実施可能な排気ポンプ堆積物検知装置を提供する。回転体回転駆動するモータのモータ電流値を検出する手段52と、検出したモータ電流値のうち設定値以上のモータ電流値のみを記憶する電流値記憶部103と、記憶されたモータ電流値の単位時間当たりの平均値を計算する平均値計算部104と、計算された平均値を記憶する平均値記憶部105と、記録された平均値を時系列に並べて、該平均値について一次近似線を求める近似線算出部106と、一次近似線を用いて算出された予測モータ電流値と排気ポンプの使用開始時の初期モータ電流値との差分値を求める差分値算出部108とを有し、予め設定された閾値を前記差分値が超える時点を、排気ポンプのメンテナンス時期と判定するように構成した。

概要

背景

半導体製造装置では、エッチング等のプロセス装置から排出されたガスを外部へ排気する手段として、例えば図8に示す排気ポンプPを使用している。この排気ポンプPは円筒部1とブレード部2で構成された回転体Rを有し、回転体RがモータMによりロータ軸周り回転駆動される。

排気ポンプPの吸気口4側に位置するガスの分子は、回転するブレード部2で下向きの運動量が与えられることによりネジ溝部5の上流移送され、ネジ溝部5で圧縮された後、排気口6から外部に排気される。

前記のようなガスの排気によりターボ分子ポンプ等の排気ポンプ内に生成物堆積することは知られている(例えば、特許文献1の段落0014を参照)。特に、図8中のガス流路のS部に生成物が堆積し易い。

特許文献1では、そのポンプ内に堆積した生成物(「ポンプ内堆積物」ともいう。)を検知する方式を開示している。この検知方式は、ターボ分子ポンプにおいて、その回転翼を回転させるモータの電流値を検出し、検出したモータ電流値と予め設定した設定電流値とを比較し、その結果、検出したモータ電流値が、予め設定した設定電流値に比べて所定値以上である場合にメンテナンス時期を知らせるという方式である(同文献1の段落0022等を参照)。

しかしながら、特許文献1のターボ分子ポンプを含む排気ポンプのエンドユーザは、様々なプロセスで排気ポンプを使用しており、プロセスの内容に応じて排気ポンプ内を流れるガスの種類や流量も様々である。依って、排気ポンプ内を流れるガスの種類や流量に応じて、排気ポンプの回転体を回転駆動するモータの電流値も変化する。

このため、上記堆積物検知方式では、予め設定した設定電流値に基づいて生成物の堆積を検知するので、設定電流値に対応していないプロセスでは、正確に堆積物を検知することができない。

また、誤検知や誤警告を回避するには、どのような流量、種類のガスを使用するプロセスで排気ポンプを使用するのか、排気ポンプの使用状況を詳細に調べた上で、その使用状況に合わせて設定電流値を変更しなければならず、長い時間とコストがかかるという問題があった。

そこで、本出願人は、プロセスで使用するガスの種類や流量を問わず、どのようなプロセスでも、そのプロセスで使用する排気ポンプ内の生成堆積物をより正確に検知して警告を行うため、初期処理モータ電流初期値事後処理でモータ電流現在値をそれぞれ求め、更に、そのモータ電流初期値に対するモータ電流現在値の変化量を求め、かかる変化量を基にポンプ内堆積物を検知する、新規な発明を先に出願した(特許文献2参照)。

ここで、本願で示すように、図8の排気ポンプPの場合、生成物はロータ1下部のガス流路のS部に生成物が堆積すると、排気ポンプPの最下段のタービン部2下部の圧力が上昇する。その結果、モータMに加わる負荷が増加するため、モータ電流値は増加方向に変化するよう制御される。

そこで、本発明者等は、ガス流路のS部に、擬似的な生成物の堆積状況を作成し、前記生成物の堆積と排気ポンプPのモータMの電流変化との関係を調べる調査試験を行った(図9参照)。その結果、図10に示すように、ポンプ内堆積物の堆積厚がガス流路の50%(前記図9の生成物堆積比率50%を参照)を越えた時点より、モータ電流値が顕著に増加方向に変化することを確認した。

従って、このモータ電流値の変化量を検出することで、ポンプ内堆積物を検知したり、或いは、その堆積厚を推定して排気ポンプのメンテナンス時期を予測したりすることが可能となる。

尚、モータ電流値が上昇を始めるポンプ内堆積物の堆積厚は全ての機種で50%ではなく、デザインにより変動する。また、例えば、図10及び図11に示す通り、排気ポンプPの運転条件1(Bのガスを800sccm流す)のように排気ポンプPに流すガスの流量が少ない場合には、モータ電流値の変化率が少なくなるため、モータ電流値の増加を有意に判定することができない。

更に、モータ電流値は、排気ポンプPの個体差、及び同じ流量でガスを流した場合のポプ温度によっても変化する(図12参照)。このため、モータ電流値の増加を有意に判定するためには、少なくとも10%以上のモータ電流増加(ΔI)が必要である。

しかし、実際のエンドユーザでの排気ポンプの使い方は千差万別であり、ガス量やガス流量は装置やレシピの違いによりさまざまに変化し、また、1つのレシピの中でも常に変化している。従って、モータ電流値がある閾値を超えたことを検知する機能だけでは、生成物の堆積量を正確に検出することは非常に難しい。

そこで、生成物の堆積状況を正確に検出する手段として、図13に示すように、ヘルスチェックモードを設け、排気ポンプに流すガス種とガス流量を一定に設定する方法を提案した。

概要

ガスを流す設備の設置や、装置の操作モードの追加、変更等の負担を発生させることなく、容易に実施可能な排気ポンプの堆積物検知装置を提供する。回転体を回転駆動するモータのモータ電流値を検出する手段52と、検出したモータ電流値のうち設定値以上のモータ電流値のみを記憶する電流値記憶部103と、記憶されたモータ電流値の単位時間当たりの平均値を計算する平均値計算部104と、計算された平均値を記憶する平均値記憶部105と、記録された平均値を時系列に並べて、該平均値について一次近似線を求める近似線算出部106と、一次近似線を用いて算出された予測モータ電流値と排気ポンプの使用開始時の初期モータ電流値との差分値を求める差分値算出部108とを有し、予め設定された閾値を前記差分値が超える時点を、排気ポンプのメンテナンス時期と判定するように構成した。

目的

本発明はこの課題を解決することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回転体回転動作によりガス排気する排気ポンプ堆積物検知装置であって、前記回転体を回転駆動するモータモータ電流値を検出する手段と、定常回転モード時において、前記モータ電流値のうち設定値以上の前記モータ電流値のみを記憶する電流値記憶部と、該電流値記憶部で記憶された前記モータ電流値の単位時間当たりの平均値を計算する平均値計算部と、該平均値計算部で計算された前記平均値を記憶する平均値記憶部とを有し、更に、該平均値記憶部で記憶された記憶電流平均値を時系列に並べて、該記憶電流平均値について一次近似線を求める近似線算出部と、該一次近似線を用いて算出された予測モータ電流値と前記排気ポンプの使用開始時の初期モータ電流値との差分値を求める差分値算出部とを有し、前記差分値が予め設定された閾値を超える時点を、前記排気ポンプのメンテナンス時期と判定するように構成したことを特徴とする排気ポンプの堆積物検知装置。

請求項2

前記定常回転モードで検出される前記モータ電流値は、前記排気ポンプの加速モード終了後から前記モータ電流値が一旦、十分小さな値になるまでの期間は除いて検出されていることを特徴とする請求項1に記載の排気ポンプの堆積物検知装置。

請求項3

前記モータ電流値の前記設定値は、前記ガスを排気する各プロセスにおいて、前記モータ電流値の最大値ピーク電流値)を含むデータを少なくとも1つを取得できる範囲で、できるだけ大きな値であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排気ポンプの堆積物検知装置。

請求項4

前記モータ電流値の前記設定値は、前記排気ポンプの生成物堆積状況に応じて決定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の排気ポンプの堆積物検知装置。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれかに記載の排気ポンプの堆積物検知装置を備えたことを特徴とする排気ポンプ。

技術分野

0001

本発明は、排気ポンプ堆積物検知装置及び排気ポンプに関し、特に、エッチング等のプロセスで使用する排気ポンプ内の堆積物を検知して、排気ポンプのメンテナンス時期推定できるようにした排気ポンプの堆積物検知装置及び排気ポンプに関するものである。

背景技術

0002

半導体製造装置では、エッチング等のプロセス装置から排出されたガスを外部へ排気する手段として、例えば図8に示す排気ポンプPを使用している。この排気ポンプPは円筒部1とブレード部2で構成された回転体Rを有し、回転体RがモータMによりロータ軸周り回転駆動される。

0003

排気ポンプPの吸気口4側に位置するガスの分子は、回転するブレード部2で下向きの運動量が与えられることによりネジ溝部5の上流移送され、ネジ溝部5で圧縮された後、排気口6から外部に排気される。

0004

前記のようなガスの排気によりターボ分子ポンプ等の排気ポンプ内に生成物堆積することは知られている(例えば、特許文献1の段落0014を参照)。特に、図8中のガス流路のS部に生成物が堆積し易い。

0005

特許文献1では、そのポンプ内に堆積した生成物(「ポンプ内堆積物」ともいう。)を検知する方式を開示している。この検知方式は、ターボ分子ポンプにおいて、その回転翼を回転させるモータの電流値を検出し、検出したモータ電流値と予め設定した設定電流値とを比較し、その結果、検出したモータ電流値が、予め設定した設定電流値に比べて所定値以上である場合にメンテナンス時期を知らせるという方式である(同文献1の段落0022等を参照)。

0006

しかしながら、特許文献1のターボ分子ポンプを含む排気ポンプのエンドユーザは、様々なプロセスで排気ポンプを使用しており、プロセスの内容に応じて排気ポンプ内を流れるガスの種類や流量も様々である。依って、排気ポンプ内を流れるガスの種類や流量に応じて、排気ポンプの回転体を回転駆動するモータの電流値も変化する。

0007

このため、上記堆積物検知方式では、予め設定した設定電流値に基づいて生成物の堆積を検知するので、設定電流値に対応していないプロセスでは、正確に堆積物を検知することができない。

0008

また、誤検知や誤警告を回避するには、どのような流量、種類のガスを使用するプロセスで排気ポンプを使用するのか、排気ポンプの使用状況を詳細に調べた上で、その使用状況に合わせて設定電流値を変更しなければならず、長い時間とコストがかかるという問題があった。

0009

そこで、本出願人は、プロセスで使用するガスの種類や流量を問わず、どのようなプロセスでも、そのプロセスで使用する排気ポンプ内の生成堆積物をより正確に検知して警告を行うため、初期処理モータ電流初期値事後処理でモータ電流現在値をそれぞれ求め、更に、そのモータ電流初期値に対するモータ電流現在値の変化量を求め、かかる変化量を基にポンプ内堆積物を検知する、新規な発明を先に出願した(特許文献2参照)。

0010

ここで、本願で示すように、図8の排気ポンプPの場合、生成物はロータ1下部のガス流路のS部に生成物が堆積すると、排気ポンプPの最下段のタービン部2下部の圧力が上昇する。その結果、モータMに加わる負荷が増加するため、モータ電流値は増加方向に変化するよう制御される。

0011

そこで、本発明者等は、ガス流路のS部に、擬似的な生成物の堆積状況を作成し、前記生成物の堆積と排気ポンプPのモータMの電流変化との関係を調べる調査試験を行った(図9参照)。その結果、図10に示すように、ポンプ内堆積物の堆積厚がガス流路の50%(前記図9生成物堆積比率50%を参照)を越えた時点より、モータ電流値が顕著に増加方向に変化することを確認した。

0012

従って、このモータ電流値の変化量を検出することで、ポンプ内堆積物を検知したり、或いは、その堆積厚を推定して排気ポンプのメンテナンス時期を予測したりすることが可能となる。

0013

尚、モータ電流値が上昇を始めるポンプ内堆積物の堆積厚は全ての機種で50%ではなく、デザインにより変動する。また、例えば、図10及び図11に示す通り、排気ポンプPの運転条件1(Bのガスを800sccm流す)のように排気ポンプPに流すガスの流量が少ない場合には、モータ電流値の変化率が少なくなるため、モータ電流値の増加を有意に判定することができない。

0014

更に、モータ電流値は、排気ポンプPの個体差、及び同じ流量でガスを流した場合のポプ温度によっても変化する(図12参照)。このため、モータ電流値の増加を有意に判定するためには、少なくとも10%以上のモータ電流増加(ΔI)が必要である。

0015

しかし、実際のエンドユーザでの排気ポンプの使い方は千差万別であり、ガス量やガス流量は装置やレシピの違いによりさまざまに変化し、また、1つのレシピの中でも常に変化している。従って、モータ電流値がある閾値を超えたことを検知する機能だけでは、生成物の堆積量を正確に検出することは非常に難しい。

0016

そこで、生成物の堆積状況を正確に検出する手段として、図13に示すように、ヘルスチェックモードを設け、排気ポンプに流すガス種とガス流量を一定に設定する方法を提案した。

先行技術

0017

特開2003−232292号
国際公開第2011/145444号

発明が解決しようとする課題

0018

しかし、現実には各エンドユーザにおいて、前記モードを実行するためには、測定に使用するガスを流す設備の設置や、装置の操作モードの追加、変更等の負担が発生するため、このモードの実施は非常に難しい側面があった。

0019

そこで、上記の背景技術に鑑み、ガスを流す設備の設置や、装置の操作モードの追加、変更等の負担を発生させることなく、容易に実施可能な排気ポンプの堆積物検知装置を提供できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。

課題を解決するための手段

0020

上記の課題解決手段として、本出願人は、プロセス実施中に流れるモータ電流値をモニターすることにより、生成物の堆積度を推定する方法を提案する。

0021

本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、回転体の回転動作によりガスを排気する排気ポンプの堆積物検知装置であって、前記回転体を回転駆動するモータのモータ電流値を検出する手段と、定常回転モード時において、前記モータ電流値のうち設定値以上の前記モータ電流値のみを記憶する電流値記憶部と、該電流値記憶部で記憶された前記モータ電流値の単位時間当たりの平均値を計算する平均値計算部と、該平均値計算部で計算された前記平均値を記憶する平均値記憶部とを有し、更に、該平均値記憶部で記憶された記憶電流平均値を時系列に並べて、該記憶電流平均値について一次近似線を求める近似線算出部と、該一次近似線を用いて算出された予測モータ電流値と前記排気ポンプの使用開始時の初期モータ電流値との差分値を求める差分値算出部とを有し、前記差分値が予め設定された閾値を超える時点を、前記排気ポンプのメンテナンス時期と判定するように構成したことを特徴とする排気ポンプの堆積物検知装置を提供する。

0022

この構成によれば、設定値以上のモータ電流値の平均値に関し一次近似線を求め、この一次近似線に基づく予測モータ電流値と、排気ポンプの初期モータ電流値との差分値を求める。そして、この差分値が、上記閾値を超える時点を排気ポンプのメンテナンス時期と判定する。このように、本発明は、モータ電流の変化を捉えるのみで、生成物の堆積度を予測してメンテナンス時期を自動的に推定する。

0023

さらに、加速モード終了直後(ブレーキモード直後の再加速時も含む)の所定時間を除外して、正常なモータ電流値が流れる定常回転モードの時間のみ、電流値記憶部において設定値以上のモータ電流値が記憶される。依って、待機時や加速時及び減速時のモータ電流値を無視できる。

0024

請求項2記載の発明は、前記定常回転モードで検出される前記モータ電流値は、前記排気ポンプの加速モード終了後から前記モータ電流値が一旦、十分小さな値になるまでの期間は除いて検出されていることを特徴とする請求項1に記載の排気ポンプの堆積物検知装置を提供する。

0025

この構成によれば、モータ電流値が一旦、十分小さな値になるまでの時間を除外してデータを収集することにより、排気ポンプの定常回転モードにおけるモータ電流値が安定した時間のみ、有効なデータとなるモータ電流値の記憶処理が実行される。

0026

請求項3記載の発明は、上記モータ電流値の設定値は、各プロセスにおいてモータ電流値の最大値ピーク電流値)を含むデータを少なくとも1つを取得できる範囲で、できるだけ大きな値であることを特徴とする請求項1又は2記載の排気ポンプの堆積物検知装置を提供する。

0027

この構成によれば、排ガス処理における各プロセスにおいて、少なくとも1つのモータ電流値のデータを取得するので、全てプロセスのモータ電流値が平均値の算出に寄与することとなる。

0028

請求項4記載の発明は、上記モータ電流値の差分値の閾値は、個々の排気ポンプの生成物の堆積状況に応じて決定されることを特徴とする請求項1から3記載いずれかの排気ポンプの堆積物検知装置を提供する。

0029

この構成によれば、モータ電流値の差分値の閾値は、個々の排気ポンプの生成物の堆積状況を考慮して各別に決定される。依って、個々の排気ポンプごとに生成物の堆積スピード等が異なる場合でも、該堆積スピード等に応じた閾値を基準にモータ電流値の差分値が之を超えるか否かが判断される。

0030

請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の排気ポンプの堆積物検知装置を備えたことを特徴とする排気ポンプを提供する。

0031

この構成によれば、上記請求項1ないし請求項4に記載した作用を有する排気ポンプが得られる。

発明の効果

0032

請求項1記載の発明は、ガスを流す設備の設置や、装置の操作モードの追加、変更等の負担を発生させることなく、排気ポンプ内の生成物の堆積状況を把握して、排気ポンプのメンテナンス時期を容易に推定することができる。

0033

更に、通常プロセス時以外には流れないような大きなモータ電流値が流れた場合にも、その影響を最小にすることが可能になる。また、設定値以上のモータ電流値の平均値を基に一次近似線を求めるだけで、排気ポンプのメンテナンス時期を容易に判定でき、前記平均値を算出するアルゴリズムが簡単であるというメリットを有する。

0034

更に又、加速時及び減速時のモータドライバで流れる最大のモータ電流値を無視できるのみならず、待機時等における有効でないモータ電流値も無視できる。従って、待機時などのモータ電流値が所定値を上回らない場合は、個々のデータを用いて平均値を算出しないため、極端にモータ電流値が少ない状況でもその影響を受けずに、モータ電流値の平均値を算出できる。

0035

また、通常プロセス時以外には流れないような大きなモータ電流値が流れた場合にも、その影響を最小にすることが可能になる。

0036

請求項2記載の発明は、排気ポンプの定常回転モードにおけるモータ電流値が安定した時間のみ、有効なデータとなるモータ電流値の記憶処理が実行されるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、ポンプ運転の加速モード終了直後のモータドライバで流れる最大のモータ電流値を無視できる。

0037

斯くして、待機時などのモータ電流値が所定値を上回らない場合のデータは、平均値の算出には採用しないため、待機時などの極端にモータ電流値が少ない状況でも、その影響を受けないと云う特有の効果を有する。

0038

請求項3記載の発明は、各プロセスにおける最も大きいモータ電流値が平均値の算出に寄与することとなるので、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、全プロセスにおけるモータ電流値の平均値を一層正確に算出できる。

0039

請求項4記載の発明は、排気ポンプごとに生成物の堆積スピードが異なる場合でも、個々の排気ポンプの堆積スピードに見合った閾値を基準として、モータ電流値の差分値が之を超えるか否かが判断される。依って、請求項1、2又は3記載の発明の効果に加えて、排気ポンプのメンテナンス時期をより正確に判断できる。

0040

請求項5記載の発明は、ガスを流す設備の設置や、装置の操作モードの追加、変更等の負担を発生させることなく容易に実施でき、待機時などの極端にモータ電流値が少ない状況でも、その影響を受けず、モータ電流値の平均値を正確に算出できる排気ポンプが得られる。

図面の簡単な説明

0041

プロセス時のモータ電流の変化を説明する図。
本発明に係る所定値以上のモータ電流値に基づいて平均値等の算出方法を説明する図。
複数種類の設定値以上のモータ電流に基づいて夫々一次近似線を算出した場合を比較して説明する図。
図8の排気ポンプのポンプ制御装置に本発明の一実施形態である堆積物検知装置を組み込んだ例の機能ブロック図。
本発明に係るマイクロコンピュータ部の内部構成例を示すブロック図。
本発明に係る堆積物検知装置の動作ステップの一例を示すフローチャート
設定値X(A)以上のモータ電流値の場合における加速時、減速時のモータ電流の一次近似線への影響を説明する図。
設定値X—1(A)以上のモータ電流値に基づく平均値等の算出方法を説明する図。
排気ポンプの一例を示す断面図。
図8の排気ポンプ内のガス流路における生成物の堆積状況を擬似的に作成した状態の説明図であり、a)は生成物堆積比率が25%であるときの状態、b)はその比率が50%であるときの状態、c)はその比率が75%であるときの状態をそれぞれ示した図。
図9の擬似的な堆積物が存在する状況下で図8の排気ポンプを運転し、同排気ポンプのモータの電流を測定したときの、生成物堆積比率とモータ電流との関係の説明図。
図10の条件2と条件3それぞれの条件で図8の排気ポンプを運転し、同排気ポンプのモータの電流を測定したときの、生成物堆積比率とモータ電流との関係を比較して説明する図。
排気ポンプのプロセス時のモータ電流の変化パターンを例示する説明図。
プロセス実行時とヘルスチェックモード実行時におけるモータ電流値の変化の様子を示した図。
単位時間当たりのモータ電流のピーク値を比較する方法を示す説明図。
モータ電流のピーク値を記憶する方法を示す説明図。
モータ電流を検出するポンプ運転モードを示す説明図

発明を実施するための最良の形態

0042

本発明は、ガスを流す設備の設置や、装置の操作モードの追加、変更等の負担を発生させることなく、容易に実施可能な排気ポンプの堆積物検知装置を提供するという目的を達成すべく、回転体の回転動作によりガスを排気する排気ポンプの堆積物検知装置であって、前記回転体を回転駆動するモータのモータ電流値を検出する手段と、定常回転モード時において、前記モータ電流値のうち設定値以上の前記モータ電流値のみを記憶する電流値記憶部と、該電流値記憶部で記憶された前記モータ電流値の単位時間当たりの平均値を計算する平均値計算部と、該平均値計算部で計算された前記平均値を記憶する平均値記憶部とを有し、更に、該平均値記憶部で記憶された記憶電流平均値を時系列に並べて、該記憶電流平均値について一次近似線を求める近似線算出部と、該一次近似線を用いて算出された予測モータ電流値と前記排気ポンプの使用開始時の初期モータ電流値との差分値を求める差分値算出部とを有し、前記差分値が予め設定された閾値を超える時点を、前記排気ポンプのメンテナンス時期と判定するように構成したことを特徴とする。

0043

モータ電流値の変化を捉える方法としては、以下の3つの方法(比較例)も考えられるが、これら方法は夫々実施困難な欠点を有している。例えば、第一の方法として、図14に示すように、単位時間当たりのモータ電流のピーク値を比較する方法が考えられる。

0044

しかし、この方法によれば、短時間のモータ電流のピーク値を探していくため、例えば、ポンプ運転の待機時間(無負荷運転時間を含む)が長期に亘ると、モータ電流のピーク値もほぼゼロとなる事がある。そのため、モータ電流のピーク値の変化幅が大きくなって実用的ではない。

0045

また、第二の方法として、図15に示すように、モータ電流のピーク値を記憶する方法が挙げられる。しかし、たとえポンプの加速時及び減速時におけるモータ電流のピーク値を無視するとしても、通常のプロセス時には予期せぬことで定常回転モード時において、プロセス時のモータ電流値よりも大きなモータ電流値が流れた場合、そのモータ電流値を記憶することとなり、モータ電流値の変化を正確に検出できない。

0046

ここで、前記2つの方法を組み合わせることも考えられる。しかし、この場合においても、第一の方法もしくは第二の方法のいずれかの欠点により、モータ電流値を正確に把握することは困難である。

0047

更に、第三の方法として、全てのモータ電流値の平均をとる方法も考えられる(図3中の全電流平均値及び一点鎖線の一次近似線を参照)。しかし、この場合には、ポンプ運転の待機時等にモータ電流値が極端に少なくなることがあり、生成物の堆積状況を正確に把握することは難しくなる。

0048

そこで、本発明は、上記モータ電流値の変化を捉える方法(比較例)の欠点を除去しうるものであり、所定値以上の大きさのモータ電流値のみを有効なデータとして採用して、モータ電流値の平均値を正確に算出する方法を提案するものである。

0049

即ち、本発明によるモータ電流値の算出方法は、短時間当たりのモータ電流値を比較する方法の一種であるが、比較するモータ電流値として所定値以上の有効なデータのみを採用して、その平均値を生成物の堆積状況に即して算出するものである。

0050

但し、モータ電流値を正確に把握するため、定常回転モード時であっても、加速モード終了直後の所定時間流れるモータ電流値(ポンプ負荷による回転数低下後の再加速時も含む)は、之を無視するものとする。

0051

加速モード終了後の所定時間としては、加速モード終了直後に流れるモータ電流値を考慮し、該モータ電流値が一旦、十分小さな値に落ち着くまでの時間とする。

0052

よって、上記運転モードで採用された所定値以上のモータ電流値の平均値を使用することにより、以下の優れたメリットが得られる。
(1)運転待機時等にモータ電流値が所定値を上回らない場合には、当該モータ電流値を用いて平均値を算出しない。このため、運転待機時等で、有効なデータとなるモータ電流値が極端に少ない状況下でも、前記平均値の算出に際しその影響を受けない。即ち、前記全電流平均方法に対する改善効果が得られる。
(2)通常プロセス時以外には流れないような大きなモータ電流値が流れた場合にも、その影響を最小にすることが可能になる。即ち、前記ピーク電流値記憶方法に対する改善効果が得られる。
(3)上記有効なモータ電流値の基準値は、図10で示した生成物の堆積状況の影響を受け易い大きさのモータ電流値以上に設定する。これにより、生成物の堆積状況によるモータ電流値の変化の大きな条件下で、モータ電流のデータを有意に比較することができる。

0053

但し、モータ電流値の設定値は必ずしも1つとする必要はなく、何種類も同時に計算し、モータ電流値の変化を捉え易い設定値を採用する方法、或いは、複数種類の設定値を採択したうえで、堆積物検知条件や環境などに応じて、各設定値間重み付けした値を採用する方法も考えられる。
(4)平均値を算出するアルゴリズムが簡単であり、エンドユーザの負担も従来例に比し大幅に軽減する。

0054

以下、本発明の好適な実施の形態について、図1乃至図7を参照しつつ説明する。尚、排気ポンプ内での生成物の堆積と排気ポンプのモータの電流変化との関係については、背景技術で説明したことと同様である。

0055

即ち、図8に示したように、生成物はロータ1下部のガス流路(S部)に堆積する。生成物が堆積すると、排気ポンプPの最下段のタービン部2下部の圧力が上昇する。その結果、モータMに加わる負荷が増加するため、モータ電流値は増加方向に変化するよう制御される。

0056

本システムでは、前記モータ電流値の変化を生成物の堆積度で検出する手段として利用する。このため、エンドユーザにおけるプロセス時のガス負荷パターンに変化がないことが前提となる。排気ポンプに流れるガス種及びガス流量が一定であれば、図10に示したように、生成物の堆積度が増加するにつれてモータ電流値も増加する。

0057

尚、実際には、排気ポンプに流れるガス種とガス流量は左程重要ではなく、排気ポンプにかかるガス負荷パターンが一定であることが重要となる。

0058

例えば、図1に示すようなプロセス時のモータ電流値の変化を考えると、エンドユーザにおけるガス種及びガス流量の設定に変化がない場合でも、モータ電流値は短期的にはポンプ温度ガス温度及びガス流量等さまざまな理由で毎回少しずつ変化すると考えられるが、長期的には、生成物の堆積状況によってモータ電流値が漸次増大するように変化する。

0059

また、ポンプ負荷は常にかかるのではなく、例えば、プロセスの合間に全く負荷がかからない状況、即ち、モータ電流値が流れない状況や、ごくわずかな電流が流れる待機時の状況も想定される。更に云えば、ポンプ回転の加速時や減速時には、モータドライバによって流せる最大のモータ電流値が流れることもある。

0060

モータ電流値のモニター中に、前記加速又は減速が行われると、ピークのモータ電流値はモータドライバの定格モータ電流値となってしまう。依って、まず、加速及び減速時のモータ電流値を無視する操作が必要となる。
ここで、本発明に係る排気ポンプの動作モードには、浮上時(Levitation)、加速時(Acceleration)、定常回転時(Normal Operation)、減速時(Brake)の4つの動作モードがあり、エンドユーザがプロセスを実行するのは、定常回転モードの時だけである。

0061

しかし、加速モードは定格回転数の約90%程度までを示すこともあるので、加速モードの直後は定格回転数に達するまでの間、最大のモータ電流値が流れ続ける。また、ブレーキ時やポンプ負荷の影響などで、回転数定常回転数の90%以下の時になり再加速した場合、加速直後と同様に定格回転数に達するまでの間、最大モータ電流値が流れ続ける(図16参照)。

0062

そこで、本発明のモータ電流値のモニターにおいては、加速モードの終了直後の定常回転モード時(ポンプ負荷による回転数低下後の再加速時も含む)のモータ電流値を無視する目的で、モータ電流値が一旦、十分小さな値となることを確認し、その後のモータ電流値をモニター用に採用する。

0063

定常回転モードでモニターされるモータ電流値の採用開始のタイミングとしては、生成物の堆積と排気ポンプのモータの電流変化の関係から、加速モード終了後に流れるモータ電流値が一旦、モータ電流値の上限の少なくとも1/2以下になることが望ましい。

0064

図2に示す具体例では、有効なデータの基準となるモータ電流値の設定値をX(A)とし、この設定値X(A)よりも大きなモータ電流値が流れた場合のみ、そのモータ電流値を記憶処理する。この場合、モータ電流値の設定値は、1種類ではなく何種類も同時に計算し、モータ電流値の変化を捉え易い設定値を採用することができる。(図3参照)
そして、記憶されたモータ電流値に基づき、短時間当たりの平均値を1プロセスごとに計算していき、これら平均値を逐次記憶していく。平均値を記憶する間隔は、例えば1日に1回〜2回程度で十分であるが、之に限定されるものではない。

0065

次に、記憶された複数の平均値を時系列にプロットし、プロットした平均値の一次近似線を求める。ポンプ使用開始時(排気ポンプを実際に使用するエンドユーザが排気ポンプをプロセス実行装置に組み込んだ直後のプロセス実行時)の平均値より計算した一次近似線(従属変数は時間)を用いて、将来のある時点のモータ電流値の差分値を算出して予測する。算出されたモータ電流値の差分値が、生成物堆積状況により別途設定される閾値を超えた時を求め、求めた時点を排気ポンプのメンテナンス時期と判定する。

0066

尚、上記一次近似線(一次近似式)は、原理的には、たとえば最小二乗法により求められるが、公知の一次近似式を算出するソフトウェア関数利用、分析ツール利用、グラフ作製機能利用など)を用いることができる。

0067

(実施の具体的態様例)図4は、図8の排気ポンプPのポンプ制御装置において、本発明に係る堆積物検知装置を組み込んだ実施の態様例を示す機能ブロック図である。

0068

図4のポンプ制御装置50は、排気ポンプPを統括制御するマイクロコンピュータ部51と、排気ポンプPのモータMを駆動するモータドライバ52と、マイクロコンピュータ部51からの指令に基づき顧客のプロセス装置(図示せず)を含む顧客装置等、外部装置との間で通信を行う通信手段53と、マイクロコンピュータ部51からの指令に基づき排気ポンプPの運転状況などを表示する表示手段54と、マイクロコンピュータ部51に対して設定値等の入力を行う入力操作手段55を有し、前記モータドライバ52はモータMの電流値を検出するモータ電流値検出手段としての機能を備えている。

0069

マイクロコンピュータ部51は、図5に示すように、動作モード判断部100、電流値読込処理部101、設定値比較部102、電流値記憶部103、平均値計算部104及平均値記憶部105とを有する。

0070

動作モード判断部100は、排気ポンプPの動作モードが定格回転モード(加速モード終了直後の所定期間を除く)であるか否かを判断する。又、電流値読込処理部101は、前記定格回転モード時に、前述の回転体Rを回転駆動するモータ電流値を読み込む。

0071

また、設定値比較部102は、モータ電流値と設定値X(A)とを比較し、モータ電流値が設定値(A)以上であるか否かを判定する。更に、電流値記憶部103は、該モータ電流値のうち設定値(A)以上のデータのみを記憶する。

0072

平均値計算部104は、設定値(A)以上の大きさのモータ電流値について、単位時間当たりの平均値を計算する。また、平均値記憶部105は、単位時間毎に計算した平均値を記憶していく。

0073

上記電流値記憶部103と平均値記憶部105は、例えばマイクロコンピュータ部51に内蔵されている不図示の不揮発性記憶媒体の一部を記憶エリアとして確保し、その記憶エリアにモータ電流値等のデータを記憶させる方式や、これ以外の方式を採用することができる。

0074

又、マイクロコンピュータ部51は、近似線算出部106、予測電流値算出部107及び差分値算出部108とを有している。近似線算出部106は、前記モータ電流値の複数の平均値を時系列に並べて、これら平均値について一次近似線を求める。

0075

また、予測電流値算出部107は、一次近似線を用いてモータ電流値(予測電流値)を算出する。さらに、差分値算出部108は、算出された予測電流値と前記排気ポンプPの使用開始時(排気ポンプを実際に使用するエンドユーザが排気ポンプをプロセス実行装置に組み込んだ直後のプロセス実行時)のモータ電流値(初期モータ電流値)との差分値を求める。尚、図5中の符号110は、初期モータ電流値を記憶する初期電流値記憶部を示す。

0076

更に又、マイクロコンピュータ部51はメンテナンス時期判定部109を備え、このメンテナンス時期判定部109は、前記差分値が予め設定された閾値(設定値)Sを超える時点を求めて、求めた当該時点を排気ポンプPのメンテナンス時期と判定する。

0077

ここで、モータ電流値の変化の差分値と比較される閾値Sの決定については、生成物の堆積スピードは排気ポンプP毎に異なることが考えられるため、個々の排気ポンプPの生成物の堆積状況を確認の上で個別に設定するものとする。尚、閾値Sの設定方法については、2通りの方法が考えられる。第一の方法は、初期電流値からの差分Sを直接設定する方法であり、上記の比較プロセスを用いてメンテナンス時期を判定する。また、第二の方法はメンテンス時期と判定する電流値を設定する方法であり、この方法の場合には直接予測電流値と比較し、メンテナンス時期を判定する。

0078

本実施例では、図6に示すフローチャートの各処理を実行する。先ず、ステップS101において、動作モード判断部100は、排気ポンプPの動作モードが定格回転モード(加速モード終了直後の所定期間を除く)であるか否かを判断する。その結果、前記定格回転モードである場合のみ、ステップS102において、回転体Rを回転駆動するモータ電流値が電流値読込部101で読み込まれる。

0079

このように本実施例では、モータMの電流値が安定する時間、即ち、定常回転モード時であって、加速モード終了直後(ブレーキモード直後の再加速時も含む)に電流値が一旦ほぼゼロになった後の時間を確認し、その後、読込んだモータ電流値を基に下記の処理を行う。

0080

そのあと、ステップS103において、設定値比較部102は、読み込んだモータ電流値と設定値X(A)とを比較し、モータ電流値が設定値X(A)以上であるか否かを判定する。その結果、モータ電流値が設定値X(A)以上である場合は、ステップS104において、電流値記憶部103により当該設定値X(A)以上のモータ電流値が逐次記憶処理される。

0081

このように本システムでは、モータドライバ52で検出したモータ電流値をバッファ内に読込み、読込んだモータ電流値のうち設定値X(A)以上の有効なデータのみをピックアップして、記憶エリアに記憶する。

0082

次に、ステップS105において、平均値計算部104は、設定値X(A)以上のモータ電流値に基づいて、単位時間当たりの平均値を計算する。そして、ステップS106において、計算した平均値は平均値記憶部105で逐次記憶処理される。

0083

この後、ステップS107において、モータ電流値の複数の平均値は、近似線算出部106で時系列に並べられ、これら平均値に基づいて一次近似線を求める。ついで、ステップS108において、推定電流値算出部107は、求めた一次近似線を用いて予測モータ電流値を算出する。

0084

続いて、ステップS109において、差分値算出部108は、算出された予測電流値と、排気ポンプPの使用開始時のモータ電流値(初期モータ電流値)との差分値を求める。

0085

そして、ステップS110において、メンテナンス時期判定部109は、求めた差分値が予め定めた閾値S、即ち、生成物の堆積状況に応じて設定された値Sと比較する。そして、前記差分値が閾値Sを超える時点を求め、この求めた時点を排気ポンプPのメンテナンス時期と判断して推定する。

0086

推定したメンテナンス時期は、通信手段53から外部装置へ出力したり、或いは、表示手段54で表示する等の各種処理を採用することができる。

0087

尚、本実施例において、モータ電流値の設定値が大きさX(A)の場合、加速時及び減速時のモータ電流を考慮したときは、図7—Aに示すように、該モータ電流を考慮しないときに比べて、一次近似線がやや上方にシフトする。又、モータ電流値の設定値を大きさX(A)から、大きさX—1(A)に変更した場合は、図7—Bに示すように、平均値の算出に寄与するデータが増加して、一次近似線がやや下方にシフトする。

0088

本実施例において、モータ電流値の差分値の閾値は、個々の排気ポンプの生成物の堆積状況を考慮して各別に決定される。依って、個々の排気ポンプごとに生成物の堆積スピード等が異なる場合でも、該堆積スピード等に応じた閾値(設定値)を基準として、モータ電流値の差分値が之を超えるか否かが判断される。依って、排気ポンプのメンテナンス時期をより正確に判断できる。

0089

叙上のごとく、本発明によると、設定値以上のモータ電流値の平均値に関し一次近似線を求め、この一次近似線に基づき算出した電流値と、排気ポンプの使用開始時のモータ電流値との差分値を求める。そして、この差分値が、上記設定値を超える時点を排気ポンプのメンテナンス時期とする。

0090

斯くして、ガスを流す設備の設置や、装置の操作モードの追加、変更等の負担を発生させることなく、排気ポンプ内の生成物の堆積状況を把握して、排気ポンプのメンテナンス時期を知ることができる。この場合、設定値以上のモータ電流値の平均値を基に一次近似線を求めるだけで、前記メンテナンス時期を容易に判定できる。

0091

特に、通常プロセス時以外には流れないような大きなモータ電流値が流れた場合であっても、その影響を最小にすることができる。また、前記平均値を算出するアルゴリズムが簡単である、という優れた効果を有する。

0092

更に、加速モード終了直後(ブレーキモード直後の再加速時も含む)のモータ電流値は有効なデータではないので、モータ電流値が一旦略ゼロになるまでの時間を除外してデータを収集する。このことにより、排気ポンプの定常回転モードにおけるモータ電流値が安定した時間のみ、有効なデータとなるモータ電流値の記憶処理が実行される。

0093

依って、ポンプ運転の待機時や加速時及び減速時のモータドライバで流れる最大のモータ電流値を無視できる。即ち、待機時や加速時及び減速時のモータドライバで流れる最大のモータ電流値を無視できる。

0094

従って、待機時などのモータ電流値が所定値を上回らない場合のデータは、平均値の算出には採用しないため、待機時などの極端にモータ電流値が少ない状況でも、その影響を受けないと云うメリットを有する。

0095

更に、通常プロセス時以外には流れないような大きなモータ電流値が流れた場合でも、その影響を最小にすることが可能になる。また、検知対象となる個々の排気ポンプごとに生成物の堆積物のスピードが異なる場合でも、各排気ポンプ固有堆積特性などに応じてモータ電流の差分値を算出しうる。

0096

それゆえ、上記生成物の堆積状況の影響を受け易いモータ電流値に適切に設定でき、以って、生成物の堆積状況によるモータ電流値の変化の大きなところで上記差分値を一層正確に計算することができる。

0097

なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。たとえば、ターボ分子ポンプの磁気軸受は5軸制御構成に限らず、3軸制御構成でも可能である。

0098

P排気ポンプ
Mモータ
R回転体
1円筒部
2ブレード部
3ロータ軸
4 排気ポンプの吸気口
5ネジ溝部
6 排気ポンプの排気口
50ポンプ制御装置
51マイクロコンピュータ部
52モータドライバ(モータ電流値検出手段)
100 動作モード判断部
101電流値読込部
102設定値比較部
103 電流値記憶部
104平均値計算部
105平均値記憶部
106近似線算出部
107予測電流値算出部
108差分値算出部
109メンテナンス時期判定部
110初期電流値記憶部

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